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1986-08-08 第106回国会 参議院 災害対策特別委員会 閉会後第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年八月八日(金曜日)    午前十時四十二分開会     ─────────────    委員異動  七月二十五日     辞任         補欠選任      下田 京子君     諫山  博君  七月二十八日     辞任         補欠選任      岩崎 純三君     川原新次郎君  八月五日     辞任         補欠選任      川原新次郎君     岩崎 純三君  八月六日     辞任         補欠選任      谷川 寛三君     川原新次郎君      増岡 康治君     金丸 三郎君  八月七日     辞任         補欠選任      松本 英一君     上野 雄文君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         久保  亘君     理 事                 浦田  勝君                 青木 薪次君                 片上 公人君     委 員                 井上  孝君                 岩崎 純三君                 上杉 光弘君                 金丸 三郎君                 川原新次郎君                 下条進一郎君                 竹山  裕君                 永田 良雄君                 野沢 太三君                 本村 和喜君                 上野 雄文君                 太田 淳夫君                 諫山  博君                 勝木 健司君                 秋山  肇君    国務大臣        国 務 大 臣        (国土庁長官)  綿貫 民輔君    事務局側        常任委員会専門        員        荒木 正治君    説明員        国土政務次官   工藤  巌君        国土庁地方振興        局長       澤田 秀男君        国土庁防災局長  山本 重三君        文部省教育助成        局施設助成課長  遠山 耕平君        文部省学術国際        局学術課長    佐藤 次郎君        文部省体育局体        育課長      岡  行輔君        厚生省保健医療        局結核難病感染        症課長      草刈  隆君        厚生省社会局施        設課長      福田 孝雄君        厚生省児童家庭        局障害福祉課長  村岡 輝三君        農林水産大臣官        房審議官     青木 敏也君        林野庁指導部治        山課長      岡本 敬三君        中小企業庁小規        模企業部参事官  桐山 正敏君        気象庁総務部企        画課長      門脇俊一郎君        気象庁予報部予        報課長      黒澤真喜人君        気象庁観測部測        候課長      山中 陸男君        気象庁地震火山        部地震火山業務        課長       鈴置 哲朗君        建設省建設経済        局民間宅地指導        室長       高橋 健文君        建設省都市局街        路課長      佐藤本次郎君        建設省河川局治        水課長      近藤  徹君        建設省河川局防        災課長      帆足 建八君        建設省河川局都        市河川室長    日野 峻栄君        建設省河川局砂        防部砂防課長   友松 靖夫君        建設省河川局砂        防部傾斜地保全        課長       渡邉 義正君        建設省住宅局住        宅総務課長    三井 康壽君        建設省住宅局民        間住宅課長    荒田  建君        建設省住宅局建        築物防災対策室        長        遠藤二三男君        自治大臣官房参        事官       柳原  瑛君        消防庁予防救急        課長       木下 英敏君        消防庁防災課長  田中 基介君        日本国有鉄道施        設局土木課長   美藤 恭久君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (昭和六十一年梅雨前線豪雨災害対策に関する件)  (桜島火山対策及び降灰対策に関する件)  (台風第十号等による災害対策に関する件)  (小貝川改修計画及び復旧対策に関する件)     ─────────────
  2. 久保亘

    委員長久保亘君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る七月二十五日、下田京子君が委員辞任され、その補欠として諫山博君が選任されました。  また、去る六日、増岡康治君及び谷川寛三君が委員辞任され、その補欠として金丸三郎君及び川原新次郎君が選任されました。  また、昨七日、松本英一君が委員辞任され、その補欠として上野雄文君が選任されました。     ─────────────
  3. 久保亘

    委員長久保亘君) 次に、綿貫国土庁長官及び工藤国土政務次官より発言を求められておりますので、順次これを許可します。綿貫国土庁長官
  4. 綿貫民輔

    国務大臣綿貫民輔君) このたび国土庁長官を拝命いたしました綿貫民輔でございます。  災害を受けやすい我が国におきまして、災害から国土を守り、国民の生命財産を守るということは、国政の最も基本的な重要問題でございます。大規模地震を初め、台風あるいは豪雨、豪雪、火山噴火など各種災害に関し、防災訓練など予防対策強化に努めるとともに、迅速かつ的確な応急措置実施をするなど、災害に向かって一生懸命取り組んでまいる所存でございます。  委員長初め、各位の御協力をお願い申し上げまして、ごあいさつにかえたいと思います。よろしくお願いします。(拍手
  5. 久保亘

  6. 工藤巖

    説明員工藤巌君) このたび国土政務次官を命ぜられ、中央防災会議事務局長として災害対策の重責を担うことになりました工藤巌でございます。  微力ではございますが、綿貫国土庁長官を補佐し、諸先生方の御指導をいただきながら、災害対策に全力を尽くしてまいる決意でございます。  委員長を初め、委員各位の格別なる御指導をお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)     ─────────────
  7. 久保亘

    委員長久保亘君) この際、去る七月に発生しました梅雨前線豪雨災害及びこのたびの台風第十号等による災害で亡くなられた方々に対して御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立をお願い申し上げます。黙祷。    〔総員起立黙祷
  8. 久保亘

    委員長久保亘君) 黙祷を終わります。御着席願います。     ─────────────
  9. 久保亘

    委員長久保亘君) 次に、災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、先般行いました委員派遣について、派遣委員報告を聴取いたします。青木薪次君。
  10. 青木薪次

    青木薪次君 去る七月三十一日、八月一日の両日、久保委員長浦田青木の各理事、及び川原太田諫山勝木秋山の各委員が参加して、七月十日に発生いたしました鹿児島市内豪雨災害実情桜島降灰対策実情現地調査してまいりました。  まず、鹿児島県庁鎌田知事赤崎鹿児島市長から豪雨災害被災状況桜島降灰状況、県、市の講じてきた対策、国に対する要望等について説明を聴取した後、市内の上竜尾町、平之町、武二丁目のがけ崩れ現場新川はんらん地豪雨災害被災地を視察し、また、降灰対策については、大竜小学校プール上屋市内道路降灰除去作業を視察し、翌日、桜島に渡り、島内を一周して、赤生原の防災営農事業西道避難港、金床沢治山砂防事業黒神小学校プール上屋牛根漁業軽石対策野尻川直轄砂防事業等を視察し、地元関係者から詳細な説明を聞き、現地実情をつぶさに調査いたしました。以下、調査概要報告いたします。  七月十日に発生した豪雨災害でありますが、当日、鹿児島市内最大時間雨量七十五ミリという局地的な集中豪雨があり、これによって雨に弱いシラス土壌がけ地各地で崩壊するとともに、新川等市内中小河川がはんらんし、死傷者三十三名、家屋の全半壊九十四棟、床上浸水二百六十棟という大きな被害が発生したのであります。がけ崩れ九十八カ所、河川決壊二十二カ所に上り、被害総額は六十三億四千万円余となっております。  現在、がけ崩れ現場には、二次災害予防のためのシートがかぶせられており、流出した土砂やつぶれた家屋除却作業実施されており、一部では災害関連緊急治山事業採択が決まり、八月に復旧工事の発注が行われる見通しであるとの説明がなされておりましたが、堆積土砂排除工事早期実施災害関連緊急治山事業災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業緊急砂防事業採択による本格的な復旧工事早期実施が待たれております。県、市当局から、これらの事業早期採択公共土木施設被害に対する早期査定実施堆積土砂排除工事都市災害復旧事業への採択等について特段の要望がありましたが、政府においても地元実情を十分考慮して早急に対応されたい。  今回の集中豪雨による被害予想外に大きく、十八名もの多くの人命が失われた背景には、雨に弱いシラス土壌の四十五度以上の急傾斜地に近接して住宅が密集しているという鹿児島市の特殊な事情があり、今後同種災害の再発を防止するためにも、がけ地に近接し、がけ崩れの危険にさらされている住宅移転促進させる必要があります。シラス土壌がけ崩れのため大きな被害を出した四十六年の大災害を教訓に、がけ地近接等危険住宅移転事業が創設され、国の助成を受けて危険住宅移転が進められることになりましたが、今次災害を機に、危険住宅移転事業の一層の促進が求められており、県下市町村要求戸数を完全消化できる予算確保補助限度額引き上げ等要望されておりました。政府において善処されるよう要望いたします。  さらに、シラス土壌地帯災害防止のためには、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法による防災事業強化が必要であり、六十一年度末で期限が切れる同法の五年延長と事業内容拡充強化が強く要請されておりました。地元の意向を尊重し、必要な措置が講じられることを期待いたします。  次に、今回の豪雨ではんらんした新川については、現在応急復旧工事実施されておりましたが、流域の市街化率が四四%という典型的な都市河川であり、本格的な改修工事が必要となっておりますが、事業費が五十億円と見込まれており、改修工事促進のための予算の増額が要望されておりました。  次に、桜島火山活動による降灰状況でありますが、桜島爆発回数はことし一月から七月末までに百三十五回、前年同期に比べ百六回の減少となっており、降灰量も異常に多かった昨年に比べ減少しているものの、本年に入って六月中旬と七月下旬の二回にわたって大量の降灰があり、我々が視察した七月三十一日も市内で最高一平方メートル当たり三百八十グラムの降灰があり、ロードスイーパー三十三台、散水車二十九台を動員して市内道路降灰除去作業実施されておりました。市当局から、ロードスイーパー性能向上、国、県からの応援体制強化等要望されておりましたが、長引く降灰市民生活に多大の影響を与えており、市民の健康への影響が心配されておりました。降灰対策については、活動火山対策特別措置法によって、各種防災事業降灰除去事業実施されておりますが、今後とも地元実情に即したきめ細かい対策実施が求められております。  鹿児島市内の小中学校では、国の助成を得てプール簡易開閉式上屋を設置し、また、桜島島内では本格的な上屋を設ける等の対策実施しており、我々も降灰の中を上屋つきプールで元気に泳ぐ児童を見て安心いたしましたが、市の教育長から、今後市内及び島内の全校にプール上屋を設置していきたいので予算確保をお願いしたい、また、校庭の降灰除去に対する公立学校施設災害復旧費国庫負担法採択基準が厳し過ぎるため、市内五十九校のうち六校しか国庫補助の対象になっていない、現地実情に合わせ、採択基準を緩和してほしいとの要望がありました。政府において善処されることを要望いたします。噴火口に近い島内黒神小学校では、深刻な降灰実情火山ガスにより腐食する遊戯具ヘルメット着用集団登校実情を聴取し、今さらながら島民生活への影響の深刻さを痛感した次第であります。  桜島は、ミカン、ビワ等果樹栽培地でもありますが、降灰による被害が深刻であり、果樹ビニール覆いを設ける等の降灰防災営農事業実施されており、我々は葉ネギビニール覆いの中で育成している野菜降灰防止栽培促進事業現場を視察いたしました。さらに、金床沢実施されている直轄治山事業火山活動活発化に伴い土石流がしばしば発生する野尻川直轄砂防事業牛根における流出浮遊軽石による漁業被害軽石排除事業活動火山対策特別措置法により島内に設けられている避難港、避難所避難どう等を視察いたしました。  これら桜島火山対策について、県、市当局から、火山観測研究体制推進、六十二年度から始まる第四次防災営農施設整備計画の策定と事業内容充実降灰によるシイタケ栽培被害に対する防災林業対策事業推進治山事業及び砂防事業拡充強化等による土石流対策推進漁業被害を防止するための浮遊軽石除却対策推進火山ガス等による健康への影響調査研究推進文教施設降灰除去防除事業拡充強化降灰除去費用に対する所得税雑損控除、長引く降灰対策等に対する特別交付税等市町村財源措置充実強化等要望がなされていましたが、いずれも現地の深刻な事情を反映した切実な要望であり、政府において十分な措置が講じられるよう強く要望いたしまして、報告を終わります。
  11. 久保亘

    委員長久保亘君) 以上で派遣委員報告は終わりました。  次に、昭和六十一年梅雨前線豪雨及び台風第十号等による災害について、政府から報告を聴取いたします。山本国土庁防災局長
  12. 山本重三

    説明員山本重三君) お手元に配付しております資料に基づきまして、昭和六十一年梅雨前線豪雨及び台風号等による災害について御説明申し上げます。  初めに、資料のうち、「昭和六十一年梅雨前線豪雨災害について」という資料ごらんいただきたいと思います。  気象概況でございますが、要約して申し上げますと、本年は、奄美、四国、近畿東北北部地方で平年並み、その他の地方では平年より四日から一週間遅く梅雨入りいたしました。  その後、六月十六日から七月十日にかけて、主として西日本を中心に断続的に百ミリから二百ミリ、多いところで三百ミリの日雨量を観測したところであります。  一ページの中ほどにありますように、七月十日、鹿児島市では雷雲による局地的な集中豪雨に見舞われ、十日の日雨量百九十二・五ミリとなり、また七十五ミリという鹿児島地方気象台観測史上第四位となる最大一時間雨量を観測いたしました。  その後、七月十二日から十六日にかけては、北海道から九州に至る広い範囲に、多いところで百ミリから二百七十ミリの日雨量を観測し、また七月二十日から二十二日にかけては、近畿及び中国地方中心に雨が降りましたが、特に京都府南部地方で二十日遅くから二十一日朝にかけて強い雨が断続いたしました。  ことしの梅雨明けにつきましては、全般に平年よりおくれて明けております。  次に、資料の二ページをお開き願います。被害状況等についてその概要を御説明いたします。  まず、一般被害につきましては、一番上の表をごらんいただきたいと存じますが、本年の梅雨全体の被害につきましては、死者二十八人、家屋全壊九十四棟、半壊五十八棟、また床上床下合わせて一万一千余棟の浸水被害が出ております。また、この表の中で括弧書きで示しておりますのが、七月十日の鹿児島市を中心とした梅雨前線豪雨による被害でございます。この災害では、「その他」のがけ崩れの欄にありますように、九十八カ所のがけ崩れが発生しております。このうち七カ所のがけ崩れによりまして、十八名の方々が亡くなられたものであります。また、鹿児島市を流れております河川はんらん等によりまして、床上床下合わせて九百四十四棟の浸水被害が生じております。  次に、二の施設等関係被害についてであります。  被害状況等につきましては、関係機関等におきまして鋭意調査中でありますが、判明しているものを申し上げますと、建設省関係では、約二万五千カ所で一千百六十億円余、このうち鹿児島災害では、四百五十一カ所、約二十一億円の公共土木施設等被害が出ております。農林水産省関係では、公共土木施設関係治山施設被害中心として五十一カ所、約十五億円、農林水産業関係農地農業用施設林業関係等約五百七十億円、合わせて五百八十億円余となっております。また、鹿児島災害では、農地農業用施設山崩れ等林業関係中心に二十一億円余の被害となっております。運輸省関係では、約一億七千万円の被害額となっております。次のページへ参りまして、文部省関係では、国立、公立学校施設合わせて約五億円の被害報告されております。水道施設は、ごらんのような被災状況でありますが、仮復旧等によりすべて復旧いたしております。  三の交通関係につきましても、ごらんのような被害が出ておりますが、関西本線及び熊本電鉄を除き現在はすべて復旧いたしております。  四の中小企業関係につきましては、鹿児島市において約七億円の被害報告されております。  電力ガス及び通信関係につきましては、いずれも早期に復旧いたしております。  次に、この梅雨期間災害につきまして講じた措置等について御説明申し上げます。  一の災害対策本部の設置につきましては、三重県、愛媛県及び鹿児島県の三県におきまして設置され、また市町村につきましては、延べ十四県下二百五十九市町村で設置されております。また、被害の大きかった鹿児島市に対しまして災害救助法が適用されております。  資料の四ページをお開きいただきたいと存じます。  出水期前の五月二十一日には、中央防災会議会長名で「出水期における防災態勢強化について」の通達を関係機関に対して行いますとともに、六月九日には中央防災会議主事会議を開催いたしまして、万全を期することといたしております。  七月十日の鹿児島災害の発生に対し、六にありますように、国土庁切め省庁が翌日担当官現地派遣するとともに、災害対策関係省庁連絡会議を開催し、行方不明者の迅速な捜索等、当面の重点事項政府調査団派遣を決定いたしております。ことにありますように、山崎前国土庁長官を団長とする九省庁十四名から成る政府調査団を、七月十二日、鹿児島市へ派遣いたしました。なお、建設大臣が七月十四日には鹿児島市を視察されております。七月十四日には、第二回の関係省庁連絡会議を開催し、被災者に対する適切な救護、救助措置実施、山・がけ崩れ等被災箇所に対する応急工事の迅速な実施等重点事項を決定いたしました。  さらに、七にありますように、被災者への金融措置及び、八にありますように、自衛隊災害派遣が行われております。  以上、昭和六十一年梅雨前線豪雨災害について、要約して御説明申し上げました。  次に、台風十号及びその後の低気圧による災害について御説明申し上げます。「台風第十号及びその後の低気圧による災害について」という資料ごらんいただきたいと存じますが、まず、一ページの気象概況でございます。  台風十号から変わった温帯低気圧は大きな雨雲を伴い、このため静岡県から東の太平洋側各地では多量の雨が降り、特に茨城栃木福島宮城の各県では、降り始めの八月四日から六日までに多いところで三百から四百ミリの雨量を記録いたしました。このため、これらの県を中心被害が出たわけでございます。  まず一般被害について、一ページの下の表をごらんいただきたいと思います。これは八月七日二十時現在の数字でございますが、死者、行方不明二十一名、住家の半全壊二百二棟、床上浸水約三万三千四百棟、床下浸水八万五千三百棟余など、多くの浸水被害をもたらしております。なお、現在、茨城県の小貝川宮城県の吉田川等では浸水被害が続いております。  二ページをお開きいただきたいと思います。施設等関係被害でありますが、全体の概要につきましては、関係機関等において鋭意調査中でございまして、調査時点までの報告のあったものであることを御了承願いたいと存じます。  主なものは、建設省関係では直轄補助、合計約五百六十七億円余、農林水産省関係では、農地農業用施設農作物等中心に二百十億円余、文部省関係では、公立学校施設で九億円余などの被害報告されております。  三ページをごらんいただきたいと存じます。水道施設は七万三千戸余断水しましたが、大部分が既に復旧し、その他も鋭意復旧作業に努め、また給水車等応急給水を行っているところであります。  交通関係のうち、国鉄は東北新幹線など三十一線区で不通となりましたが、東北新幹線ほか二十四線区が七日午前中までに復旧し、残り線区河川水位低下に応じ復旧する見込みであります。また、道路では国が管理する国道で四カ所の片側通行どめ、都道府県の管理する道路で百七十九カ所の全面通行どめとなっております。  電力関係は、おおむね復旧いたしております。  中小企業関係は、浸水等による被害について現在鋭意調査中であります。  通信関係につきましては、栃木県を除き全面復旧いたしております。  次に、三ページの下から三行目、講じました措置についてであります。災害対策本部が岩手、宮城茨城栃木、千葉の五県及び八県下百八十二市町村において設置されております。  次に四ページに参りますが、災害救助法は、ごらんいただきますように、一都六県の三十四区市町に適用されております。  次に、三にありますように、八月五日、第一回災害対策関係省庁連絡会議を開催し、被害状況早期かつ的確な把握、迅速かつ的確な警戒避難実施、ライフラインの早期復旧河川決壊箇所等応急復旧及び湛水排除等、十項目の重点事項を申し合わせ、また、翌六日、第二回の会議を開催いたし、被災農林漁業者被災中小企業者及び住宅被災者に対する適切な措置等の早急な調査及び検討について申し合わせたところでございます。  五ページに参りますが、八月五日より、栃木茨城宮城福島の各県被災地関係省庁より担当官派遣を行っております。  また、自衛隊は、関係知事の要請に基づき、災害派遣実施しているところであり、警察官及び消防職団員は、災害警備及び防災活動実施しているところであります。  六の直轄河川管理施設応急復旧は、緊急を要するものにつき八月六日から既に着手し、八月十五日までに完了する予定となっております。  七の被災者への金融措置につきましては、八月七日、中小企業金融公庫等公庫において災害貸し付けを発動し、同日、中小企業体質強化資金助成制度の積極的活用を図るよう指示したほか、八日、住宅金融公庫において災害復興住宅資金の融資申し込み受け付けを開始したところであります。  以上でございますが、今後とも関係省庁と緊密な連絡をとりまして、対策に万全を期してまいる所存でございます。  報告を終わります。
  13. 久保亘

    委員長久保亘君) 以上で政府からの報告の聴取は終わりました。  それでは、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  14. 金丸三郎

    金丸三郎君 まず、国土庁長官にお伺いをいたしたいと思います。  相次ぐ災害に対しまして、長官を初め各省庁で一生懸命努力をしていただいておることに対しましては、心から敬意を表しておる次第でございます。長官が御就任になりまして、我が国の防災対策全般についての御所信などもお伺いいたしたいのでございますけれども、時間もございませんので、先ほど青木委員から御報告のございました鹿児島県の災害中心にして、まず冒頭に長官に三、四お伺いいたしたいと思います。  鹿児島災害の一つの根本の原因は、シラス土壌地帯ということでございます。鹿児島県の地勢の関係から平地が少のうございまして、どうしてもがけ下等に家をつくっておる。それで災害が起こりまして、人命の損失が多い。四十六年に、先ほど御報告もございましたように、大変な豪雨がございまして、鶴田ダムが放流して、百数軒の温泉の旅館が全部流されてしまったという大災害がございました。このとき県下がけ崩れが起きまして、多数の方々が亡くなりました。そのときから県の単独事業として、そういうような危険なところに住んでおる住宅移転事業を始めまして、翌年、当時の西村建設大臣がお骨折りくださって、国の補助がついて、今日まで継続をしているという実情なのでございます。鹿児島県の災害、このような特殊の事情がございます。これについて、大臣がどのように御認識をしていらっしゃるかというのが一つ。  もう一つは、青木委員からも詳細な御報告がございました桜島の活火山の被害でございます。これはもう経済的な損失のみではございませんで、今日では住民の精神的な大変な負担になるぐらいでございます。人口五十三万の大都市の中にこのような活火山を持っているというのは、世界に例がございません。四十七年に桜島が噴煙を噴き始めましてから、約十五年ぐらいもう続いております。去年は最もひどうございました。これにつきましても各省庁、昨年は特に灰の被害が多うございましたので、大変努力をしてもらいまして、ほとんど一〇〇%に近いと言っていいぐらい対策を講じていただいたのでございますけれども、これは各省にまたがっておりますが、元締めでございます国土庁長官とされましては、この活火山対策についてどのようにお考えあるいは御認識しておいでになるか、お伺いいたしたいのでございます。  もう一つは、特土法の延長のことも青木委員から御報告がございましたが、ぜひ私どもは延長していただきたいと思っております。この点について大臣がどのようにお考えになっていらっしゃるか、これらの点について、大臣の御所見を承りたいと思います。
  15. 綿貫民輔

    国務大臣綿貫民輔君) ただいま金丸先生から御質問があり、先ほど青木先生からも御報告のありました、鹿児島中心にして起こりましたさきの梅雨前線豪雨災害、並びに今回起こりました台風十号災害によりましてお亡くなりになりました皆様方に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災されました皆様方におねぎらいを申し上げたいと思っておる次第でございます。  ただいま御質問のございました鹿児島地方中心にして起こりました災害、これは特土地帯という大変特殊な地帯でございまして、この災害について各省庁でもいろいろと対策に今懸命になっておるわけでございます。特に、先ほど特土法の問題について御質問もございましたが、この特工法は昭和二十七年に議員立法でつくられた法律でございまして、その後六次の改正を経て今日に至っておるわけであります。来年の三月末でこの特土法の期限が切れるわけでございますが、なおこの特土法による対策を必要とする地域もたくさん残っておるわけでございまして、この法律が制定されました経緯また延長されてまいりました経緯等をよく踏まえまして、関係省庁並びに国会の皆様方と御相談をしながら、延長に向かって努力をさせていただきたいと考えております。なお、鹿児島桜島の火山対策についてでございますが、これは既に活動火山対策特別措置法という法律で措置をしつつ、また桜島対策の懇談会の皆様方の御提言なども踏まえてやっておるところでございますが、なお今回活火山に関する世界会議というものも計画されておるようでございます。こういう問題にも積極的に取り組みながら、基本的な対策並びに応急的な対策、それぞれ今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
  16. 金丸三郎

    金丸三郎君 次に、防災局長に伺いたいと思います。  国土庁で直接ではないかもしれませんけれども、建設、農林その他の災害の査定、この実施状況あるいはこれからの予定、既に調査に行かれた省もあるように聞いておりますけれども、あなたの方でおわかりになっておることがあればお伺いしたいと思いますし、また後ほど関係省に質問をいたしますから、その際関係省のどなたかから建設省なり農林水産省なりの災害査定の状況あるいは今後の予定、こういうことを承りたいと思います。
  17. 山本重三

    説明員山本重三君) 特に今回の災害によりまして被害を受けました建設省関係の緊急急傾斜地事業それから農林省関係の治山事業関係の事業につきましては、現地災害査定の準備ができ次第直ちに査定に入るということで体制を組んでおると聞いております。それぞれの予定につきましては、現地とそれぞれの省庁等におきまして密接な連絡をとり合って対応しておると聞いております。
  18. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) 七月十日から七月十四日における梅雨前線によりますところの鹿児島県内の公共土木施設の被害額は全部で約二十億円でございまして、これらの査定につきましては、県と十分打ち合わせまして、八月の十八日から八月の二十三日までの期間に現地におきまして実施することとしております。  都市施設の災害復旧の査定につきましては、九月の八日から十一日までの間に実施することとしております。  なお、緊急に復旧を要する箇所については、応急復旧を早急に施行するよう指示するとともに、早期復旧を要するものについては、本年度中に完了させるよう指導しておるところでございます。
  19. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 治山施設の災害復旧事業につきましては、八月の七日、昨日でございますけれども、現地査定を既に行っております。今後とも早期着手に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  20. 金丸三郎

    金丸三郎君 次に、建設省にお伺いいたします。  先ほど申し上げましたがけ地近接等危険住宅移転事業というのがございます。鹿児島県はシラスという特殊な土壌の関係から、また地勢の関係から、がけ下に住居をつくっておる例が非常に多くて、しかも雨の多い地帯でございますので、そのために人命を失うような災害が非常に多いということを申し上げたのでございます。また、青木委員からも詳細な御報告がございました。現在、鹿児島県下にこのような該当の住宅が約二万四千戸と実は県では見ております。鹿児島市内だけで三千七十八戸、こういうような見込みでございます。これにつきまして、建設省、今後どういうふうにやっていこうというお考えか。マイナスシーリング等の関係で難しいことは私もよくわかりますけれども、とても二万四千戸の家を毎年百戸、二百戸というような事業では百年河清を待つに等しいような状況でございますのと、ことしも私の極めて懇意にしておる人もお二人、避難命令が出たんですけれども、御主人が避難をしようとしたが奥さんがまだ家におられたので、奥さんを連れに戻られたところ家が崩れましてそろって亡くなられた、そういうような実は非常にお気の毒な事例もあるわけでございます。ぜひこの予算を増額して住宅移転事業促進されるということが、私は災害対策としては根本の根本じゃなかろうかというような気がいたします。この点についての御見解を伺いたいと思います。
  21. 遠藤二三男

    説明員遠藤二三男君) お答え申し上げます。  がけ地近接等危険住宅移転事業につきましては、先生今おっしゃいましたように、なかなか事業が進みません。何分にもこれは住宅所有者の希望に沿って対応しているということでございまして、代替地の取得とかいろいろ難しい面があろうかと思います。いずれにせよ建設省といたしましては、災害危険区域等に存する住宅は非常に安全性に問題がございますので、速やかに安全な場所に移転していただきたいということでこういう制度を設けましたものでございますから、今後とも関係住民の方々に御理解いただいて事業推進していただくよう地方公共団体にいろいろと指導してまいりたい、こういうふうに思っております。  なお、この事業が速やかに円滑に進められるために、先生御指摘のように、予算確保また補助限度額の増額というものを進めるべきというふうに考えておりますが、助成額の増額につきましては、従来からも公的融資の状況等を勘案しながら増額を図ってまいりました。今年度におきましても用地取得費等の増額を行っているところでございまして、今後とも一層適切な助成費の確保が図られるように努力してまいりたい、こういうふうに思っております。
  22. 金丸三郎

    金丸三郎君 次に、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業、それから緊急砂防事業についてお伺いいたします。  この事業昭和四十二年から始まりまして、もう既に二十年経過いたしておりますけれども、鹿児島県の対象事業と見られますものの現在まで事業ができましたところは約二〇%、五分の一にしか達していない、こういう状況でございます。これも人命に直接かかわりがございますので、できますならば六十一生度中に追加して緊急な対策事業ができるようにしてもらいたい、このように要望するわけでございますけれども、追加についてどのようにお考えなのか、また補正予算について、補正予算を要求されるお考えがあるのか。足らなければぜひ私は補正予算を要求していただきたい、このように思うわけでございますが、いかがでしょうか。
  23. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) お答えをいたします。  鹿児島市におきますところの今回のがけ崩れ被災箇所の復旧につきましては、関係機関と協議いたしまして、鹿児島市武地区、それから長田地区を含む十六カ所につきまして、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業によりまして、約十八億八千万円の事業費でもちまして実施いたすことにいたしております。既に鹿児島県には通知いたしておりまして、早期完成に向けまして現在指導を強めておるところでございます。
  24. 金丸三郎

    金丸三郎君 次に、農林水産省にお伺いいたします。  緊急治山事業でございます。これも青木委員から御報告がございましたり、また農水省としても出先機関からもいろいろ御報告もあって既に御承知だと思いますけれども、今回も住家、人命、いろいろな施設の災害が非常に多うございました。これもまた箇所も非常に多うございますので、追加して緊急治山事業をやっていただけないかどうか、農水省のお考えをお伺いいたします。
  25. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 今回発生をいたしました山地崩壊箇所のうち次期降雨等によりまして人家や公共施設等に被害を与えるおそれのございます緊急な箇所につきましては、災害関連緊急治山事業によりまして本年度早急に実施することといたしております。このうち第一次分といたしまして、鹿児島市上竜尾地区、平之町地区及び新照院地区を初めといたしまして、十四カ所につきまして事業費約十一億六千万をもちまして、鹿児島県にもその旨通知したところでございます。なお、第二次分といたしましては、鹿児島県からの申請に基づきまして、林野庁におきまして現在調整中ということでございます。
  26. 金丸三郎

    金丸三郎君 できましたら、追加予算も考えながら実施をやっていただきたいと思います。  それから、林野庁にもう一つお伺いいたしますが、鹿児島県に協力をして鹿児島市を中心とした山地災害危険地について調査を行おうというお考えがあるように聞いておりますが、いかがですか。どのような調査をなさるのか、その内容、いつごろなさるのか、どれぐらいの期間にわたって調査をなさるお考えなのか、お伺いいたします。
  27. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 林野庁といたしまして、今回の鹿児島市におきます山地崩壊にかんがみまして、このような災害の再度の発生を防止いたしまして効果的な保全対策を講ずるという趣旨に基づきまして、シラス地帯におきます山地保全対策手法を確立する、こういうような見地から鹿児島市におきまして、予防対策としまして具体的な工法等について鹿児島県と共同調査を現在実施しているところでございます。この調査におきましては、荒廃地及び荒廃危険地の調査を行いまして、山地災害危険地区の点検、見直しを行うことといたしております。学識経験者、地元の代表の方々あるいは治山技術者から成ります検討会を開催いたしまして、広く御意見を聞くことといたしております。この結果を踏まえまして、今後の具体的な予防対策を講じてまいりたいというふうに考えております。
  28. 金丸三郎

    金丸三郎君 また戻って申しわけありませんが、建設省の河川局にお伺いいたします。  鹿児島市内新川という川がございます。このことについても青木委員から御報告がございました。昔は自然河川でございましたから、たくさん雨が降ればあふれてそれが池みたいになって、そう大きな災害は実はこうむらなかったのが、都市化が進み護岸がしっかりできまして、はんらんいたしますというと人家にも流れ込んでくるわけでございます。しょっちゅう実はこの新川というのははんらんを起こしております。もう絶対容量が少ないと私は思うのでございますが、やはり改修が何といっても緊急の要務でございます。先ほども青木委員の御報告もございましたが、予算を追加できないものか。あるいは補正予算をとってでもふやして新川の改修ができるだけ早くでき上がるようにお願いをしたいのでございますけれども、いかがですか。
  29. 日野峻栄

    説明員(日野峻栄君) 本年の七月十日、それから二十四日の集中豪雨で多大の浸水被害を生じさせました新川につきましては昭和五十七年度より中小河川改修事業に着手をいたしておりまして、現在下流部の河積の拡大を実施しているところでございます。昭和六十一年度は事業費五億三千万円をもちまして下流部のネック箇所である市道鶴ケ崎橋のかけかえや河道の拡幅に必要な用地買収を実施しております。この五億三千万と申しますのは対前年比で三六%増、かなりの増をいたしておるところでございます。今後さらに関係者の理解と協力を得ながら用地買収を促進いたしまして、改修を推進してまいりたいというふうに考えております。
  30. 金丸三郎

    金丸三郎君 最後に、文部省でございますけれども、あわせて国土庁にもひとつお願いをいたしておきます。  桜島降灰対策の一つとして、学校の校庭に積もった灰を除去するのに国の方から補助をするという制度がございます。大蔵省が大変やかましいものですから、相当な量積もらないとこの補助事業が適用にならない。しようがありませんので、私、昨年十二月大蔵省へ行って若干の改善をしてもらったのでございます。  現在の基準は、校庭に二センチ三十日の間に灰が積もらないというと対象にならないのであります。実際は、灰は一センチも積もったら大変なんです。だから、灰が積もったらもう学校は、生徒が灰を掃くか水で流すか、しょっちゅうそれを繰り返しております。それを二センチ積もらなければ対象にしないというのは、私に言わせますればどうも余りにも実情に合わない。  これはちょっと場違いな話でございますけれども、ゴルフ場に灰が積もっておりますと、我々は余りフェアウエーを歩かないでラフを歩きますからなおさらそうなんですけれども、たたきますと灰がこの鼻の穴から耳まで入ってくるんですよ。こういう実情なんです。  それが、学校の校庭に灰がずっとたまっておるわけです。二センチたまらなかったらやらないというのはどうも私は実情に合わないので、それは一センチ積もりましても大変ですわ。ぜひこれはひとつ国土庁も応援をしていただいて、文部省と一緒になって、何らかもう少し改善をしていただけないかと、これは私の実感からの要望でございます。  以上で終わります。
  31. 遠山耕平

    説明員(遠山耕平君) お答え申し上げます。  公立学校施設災害復旧費国庫負担法の適用につきましては、先生お話がございましたように、従前の基準では実情にそぐわないと、こういう地元からの強い要望がございまして、昨年その基準の改正につきまして財政当局と折衝を行いまして、新しい基準を定めまして、六十年度の発生災害分から適用することになったわけでございます。しかし、この新しい基準でも、先生おっしゃいましたように、一カ月間ぐらいで二センチ以上降灰があったときに災害と、こういうことで認定をして採択をする、こういうことになったわけでございます。  これによりまして、五十三年八月にも降灰が大変たくさんあったわけですが、そのときは八月分で三校が一応補助対象になったわけですが、昨年は三月から四月の分で二校、それから七月から八月の分で六校、計八校分が補助対象になったわけでございます。  今後ともこの採択基準に基づきまして、採択可能な学校については公立学校施設災害復旧費国庫負担法の対象にしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
  32. 山本重三

    説明員山本重三君) 学校の降灰の除去事業につきましては、ただいま文部省の方からお話があった状況でございます。  私も現地状況を拝見いたしまして、直接地元の校長先生からもいろいろ要望を受けました。また、関係の御首長からもそういう要望を受けております。  今後とも、文部省を初め関係省庁ともこの問題について真剣に検討してまいりたいと考えております。
  33. 金丸三郎

    金丸三郎君 どうもありがとうございました。
  34. 青木薪次

    青木薪次君 今も金丸委員の方から深刻な鹿児島豪雨災害桜島降灰対策事業について質問があったわけでありますが、私ども調査団の一行が鹿児島県庁で知事並びに市長その他から説明を受けたときに、私は非常に寒心にたえなかったわけでありますが、鹿児島では人が亡くならないと梅雨が明けない、こういう合い言葉があるそうであります。したがって、豪雨によるところの災害がしばしば起こっているんだけれども、ことしも七月の十日に鹿児島市内の城山を中心として限られた地域に記録的な集中豪雨が発生したのであります。これも先ほど報告いたしましたように、時間雨量が七十五ミリ、一日が大体百九十二ミリということでありますから、後でも質問いたしまするけれども、台風十号に関連する、熱帯低気圧に関連するところの集中豪雨と比較いたしまして、大変今回の集中豪雨というものは寒心にたえない事態であると思うのであります。鹿児島では、あの狭い地域で十八名の死者住宅の全半壊九十四棟という大被害が発生したわけでありますから、雨に弱いシラス土壌地帯という特殊事情があったにいたしましても、犠牲が私は大き過ぎるというように考えておるのであります。  そこで、まずお伺いいたしたいと思いますのは、集中豪雨の予報が的確に行われておったのかどうなのかという点だと思うのであります。現在のアメダスを中心とした無人の降雨予報体制では、今回のような極めて限られた地域の集中豪雨の予報が不十分じゃないだろうかというようなことが指摘されているわけでありますが、雨量の測定については、お聞きするところによれば十七平方キロですか、これに一合ということのようであります。  本来ならこれでよかったんだろうと思うのでありますが、桜島へ渡って実はびっくりしたのでありますが、桜島は降っておらない。ところが、狭い海峡を隔てた鹿児島市内は、時間雨量七十五ミリという驚異的な雨が降ったということでありますので、そういう点から考えてまいりましても、鹿児島地方気象台の予報に問題があったかなかったかという点について、まず気象庁からお伺いいたしたいと思います。
  35. 黒澤真喜人

    説明員黒澤真喜人君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、今回の雨につきましては、非常に局地的でしかも強い雨が降ったという事情がございます。  私どもにおきましてその雨をどういうふうにとらえ観測しているかということでございますけれども、アメダスの観測所は、お話にありましたように、十七キロごとに全国千三百余カ所というようなことで展開しておりまして、鹿児島県内につきましては三十九カ所展開してございます。  そこで、局地的な雨をどういうふうに観測するかということでございますけれども、気象レーダーを全国に配置しておりまして、鹿児島の場合には種子島につけておりますけれども、このレーダーによりまして常時観測を行いまして、アメダスで観測しました雨量とそれからレーダーで見ました面的な広がりあるいはその強さ、こういったものを把握して雨の実況を監視し、あるいは予報をするということをやっております。このほか、気象衛星とかあるいはラジオゾンデの観測とか、いろいろな資料を使いまして実況の正確な把握と予報に努めておるところでございます。  鹿児島地方気象台の発表しました情報がどうであったかという点でございますけれども、当日七月十日におきましては、最初市内がけ崩れが起こった時刻が大体十六時ごろというふうに伺っておりますけれども、鹿児島地方気象台では午前十時五十分にます雷雨に関する注意報を発表いたしました。それから、十二時五十分に大雨洪水雷雨という注意報を発表し、事態が切迫してまいりましたので十三時五十分には大雨洪水警報を発表いたしまして、土砂災害あるいは浸水災害に対する警戒を呼びかけたところでございます。その後も一時間ごとに気象情報を発表いたしまして、たとえ雨が弱くなってもなお土砂災害のおそれ等があるということなどを含めまして警戒を呼びかけ、これらの情報あるいは注意報、警報等は、地域防災計画に定める伝達網を通じまして、一般の皆様あるいは防災機関等にお知らせしたという事情にございます。
  36. 青木薪次

    青木薪次君 時間がありませんからこの議論ばかりしているわけにいきませんけれども、少なくとも、後でも言いたいわけでありますが、昔は地震とか台風、まあ地震雷火事おやじというような怖いものがあった。今では、地震もそうですけれども、やっぱり集中豪雨ですよ。集中豪雨というのは素人の目から見てもなかなかとらえにくいという点があるので、今日予報体制が、ジャーナリズムを中心としていろんな見解を発表しておられますが、私も実はそう思っているわけでありますが、頼るにはやっぱり予報に頼る以外にないわけでありますから、その点から考えてまいりましても予報体制はより充実、しかも的確な予報体制をしいていただきたいということを要請いたしたいと思うのであります。  短期間に記録的な集中豪雨を受けまして、雨に弱いシラス土壌のがけが崩れて大きな被害を出したのでありまするけれども、気象台の予報にあわせて警戒態勢はそれじゃどうだったのかということになりますけれども、金丸先生もさっき言われたんだけれども、どうもまずい、それじゃひとつ逃げようかと。逃げるに際しては奥さんがちょっとまだ家の中におられた、呼びに行っているところをやられたということを城山で聞きました。身震いのするような実は思いですね。そういうことについて避難の指示が適切に行われたのかどうなのか。この点について消防庁どうですか。
  37. 田中基介

    説明員(田中基介君) 今回の災害に際し、鹿児島市におきましては七月十日の十三時五十分大雨洪水警報発令後直ちに消防車十七台を出動させまして、大雨洪水警報が発令になったことと、それから雨が強くなったらがけ下の住宅では早目に避難をするようにという広報を危険地域に行っております。その後、十四時三十一分には新川がはんらんしそうになったというので、付近住民に対しまして避難指示を行い、さらに十五時十五分郡元町唐湊付近住民に対し、また十六時五分には長田町付近住民に避難指示を行っておりますが、十六時十五分に至りまして災害危険地区全域に避難指示を出しております。また、十六時二十分に地元テレビ局四社に対しまして、がけ下に住んでいる人は早目に避難をするようにという放送を行うよう要請をしておりまして、これを受けて各テレビ局ともその旨の放映を遅くとも十七時までには行ったと聞いておるところでございます。  今回の災害に際しまして、市の消防機関は全力を挙げてこれに対応したと考えてはおりますが、多くの犠牲者が出たことは事実でございまして、この貴重な教訓を生かすように、消防庁といたしましては、今後とも早目早目の警戒態勢について地方団体を十分指導してまいりたいと考えております。
  38. 青木薪次

    青木薪次君 昨年八月に十三号台風があったときにそこで災害があったわけで、後遺症が残っている、崩壊しやすい状態にもあったということが地元関係者から実は出されておったのであります。市内シラス土壌がけ地について、台風十三号の後どのような点検を実施してきたのかどうなのかという点についてお聞きいたしたいということと、治山工事や砂防工事や急傾斜地の崩壊防止工事などの防止工事をどの程度実施してきたのか、お伺いいたしたいと思うんです。それは、現地説明に当たってくれた人が十三号台風以降後遺症があったということを消防関係の責任者が私どもに報告しているんですよ。ことにお見えになる委員の中の皆さん聞いていると思うんです。こういうことから考えてみますと、大変問題があるというように私は考えるのでありますが、いかがですか。
  39. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 今回崩壊が発生いたしました斜面を私ども調査をいたしたわけでございます。樹種といたしましては、シイ、カシ、クスといった樹種が主体でございまして、それらは二十年から七十年生の、そういう幅を持った中径あるいは小径木、天然のものでございますが、これらが主体の斜面、こういうふうに理解をいたしております。  今回の災害につきましては、やはり日雨量百九十二・五ミリ、時雨量七十五ミリという局地的な異常降雨によりまして、シラスの風化土層に全体といたしまして多量の水を含み、土壌の粘着力を失いまして崩壊が発生した、こういうふうに考えておるところでございます。
  40. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) お答えします。  鹿児島市におきますところの今回の災害でございますけれども、先生御指摘のように、私どもも短時間におきますところの集中豪雨が原因だというふうに考えておるわけでございます。  先生御指摘の植生についてでございますけれども、がけ崩れにつきましては、植生を初めといたしまして地形でございますとか地質といったものが複合的に絡み合って、そういった素因に加えまして誘因といたしますところの降雨が作用して発生するものでございますけれども、私どもも従来から雨とがけ崩れにつきましての研究実施しておるわけでございますけれども、その機構につきましては、現在の技術力ではまだ十分に解明されていないというのが実情であるわけでございます。鹿児島県におきましては、今回の災害の実態にかんがみまして、学識経験者を中心といたしますシラス防災対策技術委員会というものを開催いたしておりまして、シラス地帯におきますところの斜面対策の検討というものを開始したところでございます。  また、その斜面の点検でございますけれども、建設省におきましては、毎年六日一日から六月七日までの一週間をがけ崩れ防災週間といたしまして、全国の都道府県にがけ崩れ危険箇所のパトロールでございますとか点検を指導しておるわけでございまして、今後ともその周知徹底を図っていきたいというふうに考えておるところでございます。
  41. 青木薪次

    青木薪次君 この間行ってまいりまして考えたのでありますが、これは素人の見た見方なんでありますが、風化するとシラス土壌は非常にかたくなると。これは大気に接するわけで、それからその奥の方は雨に弱くてぼろぼろになってしまう。溶けやすいということになると。そこに立木があって、例えば二十年木だか三十年木だかしらぬけれども、もっと古いのもあるかもしれぬ。そうすると、台風のたびに揺さぶる。クラックが発生する。そこへ集中的な水が入る。そうするとそのかたい部分だけはどっと下へ滑り落ちる、こういう現象だというように見てきたんだけれども、この見方は間違っていますか。
  42. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 立木につきましては、それが上下に根を張る、あるいは水平に根を張っているわけでございまして、林業試験場におきましてもこの林木の根の支持力と申しますか、そういうものにつきましては調査をしてきております。例えば三十年生程度ですと、一本当たり五トン程度の支持力があるというふうに言われておるわけでございますが、先生御指摘のとおり、林木の根の分布の範囲はやはり限られておりまして、それ以下の深いところでの崩壊の要因ということにつきましては、その支持力も働かないということでございまして、樹木の土壌を押さえる力というものには一定の限度があろうか、こういうふうに考えております。
  43. 青木薪次

    青木薪次君 いろいろと問題がこれから相当研究しなきゃならぬ余地を残しているというように考えております。  今回の災害で、鹿児島市を中心にしましてがけ崩れが九十八カ所発生しているんですね。この復旧計画についてどうなっているかということも聞きたいのでありますが、災害関連の緊急治山事業災害関連の緊急急傾斜地崩壊対策事業災害関連の緊急砂防事業等の事業採択の見通しや工事の完成見通しについて、簡単でいいから説明をしていただきたい。建設省、林野庁両方ともですね。
  44. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) お答え申し上げます。  今回の鹿児島県におきますところのがけ崩れによります被災箇所の復旧でございますけれども、私どもといたしましては、関係機関と協議の上で、鹿児島市の武地区、長田地区を含みます十六カ所につきましては、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業によりまして、約十八億八千万円の事業費でもって実施することといたしております。既に鹿児島県には通知をいたしておりまして、早期完成に向けまして現在指導をしておるところでございます。  なお、緊急砂防事業でございますけれども、これは一カ所ございますけれども、これにつきましても早期に着手できますように現在準備を進めているところでございます。
  45. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 林野庁といたしましても、二次災害のおそれのありますところにつきましては、緊急治山事業をもちまして本年度に実施をするという考えに基づきまして、鹿児島市上竜尾地区、平之町地区及び新照院地区等十四カ所につきましては、事業費十一億六千万円をもってこれを実施するということを決定いたしまして、既に鹿児島県に通知をいたしているところでございます。
  46. 青木薪次

    青木薪次君 建設省十六カ所と一カ所、それから林野庁十四カ所、このことについてはひとつできるだけ予算をつけてやっていただきたいというように思います。  今回の災害で、住宅に全半壊九十四という大きな被害が発生いたしましたけれども、応急住宅の提供等については、ほとんど市の公営住宅に収容されたというように聞きましたけれども、これでいいのかどうなのか、それから住宅金融公庫災害復興住宅の貸付状況はどんなふうになっているか、時間がありませんから簡単に説明してください。
  47. 荒田建

    説明員(荒田建君) お答えいたします。  住宅金融公庫災害復興住宅関係の資金融資でございますが、既に七月十七日から申し込みの受理を開始してございます。八月六日現在でございますが、現在、補修に係るもので三件五百九十万の申し込みがございます。私どもとしては、金融公庫の受託機関であります十五金融機関三十六店舗が鹿児島市内にございますが、随時受け付けということで、いつでも御相談に応ずる態勢をとるよう指導しておるところでございます。
  48. 山本重三

    説明員山本重三君) 今、被災者が実際に必要な場合に、県及び市の公営住宅に入居していただいているという状況でございまして、現地状況では、応急住宅は必要はなかったという報告を受けているところでございます。
  49. 青木薪次

    青木薪次君 それから、これも金丸先生から指摘されましたけれども、がけ地に近接した危険住宅移転事業、この関係については、特に私は鹿児島市内に行きましたけれども、あの狭い猫の額のようなところに五十三万人も住んでいるというんですから、もうこれは大変なことだと思いましたね。しかも、それが起伏の激しいシラスの台地の下に住んでいる。暮らしてきている。こういうような大被害をもたらす原因というものはここにあるわけですから、鹿児島県下災害危険区域条例やがけ条例による危険区域の指定を受けている区域がどの程度存在して、危険区域内の住宅はどの程度の数となっているか、さらに今回崩壊した九十八カ所のうちどの程度が危険区域に指定されているのか、その点についてお伺いいたしたいと思います。
  50. 遠藤二三男

    説明員遠藤二三男君) お答え申し上げます。  今回被害に遭いました住宅等につきましては、災害危険区域等の指定内にあるとは聞いてはおりません。ただ、がけ条例というものはゾーニング指定ということでございまして、個々に立地の場所のがけに近接している状況から見て、いろいろ規制を受けたり対象になるわけでございますが、これにつきましても、県の方の調査では該当するかどうかちょっとはっきりしていないというふうに聞いておりますが、いずれにせよ、鹿児島市内また鹿児島県につきましては、相当多くの危険な住宅があることは承知しているところでございます。
  51. 青木薪次

    青木薪次君 余り頼りのない答弁ですな、それは。これは全部が全部危険区域だと言えばそれでもいいんですけれども、余り掌握してないということについては——九十八地域あるんです。私が言ったのは区域と住宅、こういう二つのことで質問したわけでありますが、これはひとつ調べて部屋へ持ってきてください。そんなことを言ったら困るんだ、これは。  それから、昭和四十六年に発生いたしましたシラス地帯のがけ崩れ災害を契機にいたしまして、昭和四十七年からがけ地近接等危険住宅移転事業制度がつくられたことも御案内のとおりでありますが、危険住宅の除却に要する費用と移転先の住宅建設費等に対する国の補助の二分の一が行われることになったわけでありまするけれども、鹿児島県下の実績はどんなふうになっていますか。
  52. 遠藤二三男

    説明員遠藤二三男君) お答え申し上げます。  鹿児島がけ地近接の移転の実績でございますが、昭和六十年度におきまして百四十七件移転をしてございます。また、六十一年度におきましては百五十二戸の移転を計画しております。この結果、昭和四十七年からこの制度を始めましたけれども、昭和六十年度までに四千六百四十二戸の移転実施してきたところでございます。
  53. 青木薪次

    青木薪次君 先ほどたしか、私の記憶に間違いなければ、金丸委員は、この人は昔県知事をやっていたんですからよく知っていると思うんだけれども、一千戸とか言ってましたね。毎年百戸じゃこれはとても足りぬとかなんとか言ってましたから、そうかなと思って私は聞いておりましたけれども。  六十一生度から補助限度額が引き上げられたわけでありますが、現在の限度額はどのようになっているか。県、市当局から、今回の災害を契機にいたしましてこの制度の適用希望者が増加すると予想されるんだけれども、希望戸数を完全消化できる予算枠を確保していただきたいとのことでありました。この点は全国で千戸で、うち鹿児島県が四分の一だというふうに聞いているんですけれども、こんなことで間違いないかどうか、お伺いいたします。
  54. 遠藤二三男

    説明員遠藤二三男君) 先ほど御説明申し上げましたように、鹿児島県は全国でも一生懸命、鋭意取り組んでいただいている県でございます。予算は千件ということで、毎年正確には千百件の移転対象を考えて予算を計上しておりまして、百五十件近くの事業鹿児島県は大体毎年実施しているところでございます。そういうことで、相当の大きなウエートを占めているところでございます。  なお、予算の限度額についての内容でございますけれども、現在私ども用地取得費の限度額アップを今年度から実施いたしまして、その結果除却費等合わせまして四百六十九万円の利子補給金、除却費等の補助を行えるようにいたしたところでございます。
  55. 青木薪次

    青木薪次君 補助最高限度額を引き上げたことは大変結構なことだと思いますが、問題は、昨年度が国費が十一億六千四百万円、それからことしは十一億二千五百万円で、これ減っているんですね。ですから、戸数が減ったということだと思うんでありますが、移転戸数がことしは千百戸、前年度は千百四十戸、ここのことだと思うんですね。これはひとつ実情を見て増加するような努力をしていただきたいというようにお願いいたしたいと思うのであります。  先ほども話が出ました新川のはんらんでありますが、流域の市街化率が四四%という大変な典型的都市河川だと思うんであります。本格的な改修工事が必要であります。河口から六千八百五十メーターの区間の改修計画が立てるれておりまして、私どもの視察いたしましたところは川幅を二倍にするということで、大体流量が四倍ぐらいになりますかね、そのことで。ということであったと思うのでありますが、しかし現在用地の買収率が一〇%にすぎない。これはやっぱり典型的な住宅地であるということが大きな原因だと思うのでありますが、新川改修工事の見通しについてひとつ明らかにしていただきたい。これは、一たび災害が発生いたしますと予測つかないような大災害が発生すると思いますので、この点をお答えいただきたい。
  56. 日野峻栄

    説明員(日野峻栄君) 今回の集中豪雨で多大な浸水被害が生じました新川につきましては、昭和五十七年度から中小河川改修事業に着手をいたしておりまして、下流部から河積の拡大を図っているところでございます。昭和六十一年度は事業費五億三千万円をもちまして下流部の特にネック箇所になっております市道鶴ケ崎橋のかけかえをいたしております。それとあわせまして、河道の拡幅に必要な用地買収を実施しているところでございます。今後さらに関係者の理解と協力を得まして用地買収を一層促進いたしまして、改修工事を進めてまいりたいというように考えております。
  57. 青木薪次

    青木薪次君 雨に弱いシラス土壌地帯の防災対策として特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法(特土法)、このことに対する五年延長の関係は、先ほど金丸委員からもお話があったわけでありますが、事業内容拡充強化とあわせてひとつ国土庁地方振興局長に明確な答弁をお願いいたしたいと思います。
  58. 澤田秀男

    説明員(澤田秀男君) 現在、特殊土壌地帯対策事業計画は第七次の計画を実施しているところでありますが、災害防除及び農地改良について極めて広範多岐な事業を鋭意実施しております。現行の計画体系のもとでもこれまで相当の成果を上げているということでもありますし、また従来の六回にわたる延長がすべて法律の単純延長であったということ、さらに今までの法律改正のときと比べて一段と厳しい財政状況にあるというようなことを総合的に勘案いたしまして、今回の改正に当たってはともかく法律の存続期限の延長が実現されるように全力を投入したいというふうに考えておりますので、よろしく御理解とお力添えを賜りたくお願いしたいと存じます。
  59. 青木薪次

    青木薪次君 特土法の関係は、鹿児島等の特殊土壌には欠かせない地域を守る法律だと思いますので、この点はやはり理解を得ることができるんじゃないかというふうに考えますから、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。  次に、桜島火山活動降灰が昨年は三千万トン近くに上りまして、ことしは昨年に比べて爆発回数降灰量も減少しておりますが、六月中旬と七月下旬に大量の降灰がありました。鹿児島市に対策本部が設置されるという状況でありまして、ロードスイーパー散水車を動員して道路降灰除去作業が進められておりますけれども、最近の隆灰量と除去作業の実情説明していただきたいということと、ロードスイーパーによる機械除去で効率を上げているけれども、歩道や路地の除去は人手によらざるを得ない。この面でいろいろ問題が多いようでありますが、機械除去の研究は進んでいるのかどうなのか。開発の見通し等についても説明をしていただきたいと思います。
  60. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) ことしの桜島噴火に伴います降灰量は、七月末現在で鹿児島県庁で一平方メートル当たり五千百グラムでございます。鹿児島市の東桜島小学校で八千七百グラム、垂水市の協和小学校で二万二千グラム、桜島町役場で一万一千グラムということになってございます。これは昨年の同時期に比べまして多少減少しておりますが、五十八年、五十九年の同時期とほぼ同等、または多少上回っている程度でございます。  除去作業につきましては、昭和五十九年の八月に設置いたしました道路降灰除去に関する連絡調整会議によりまして、広域的な相互協力を通じ、降灰除去を行っているところでございます。具体的には、建設省の大隅工事事務所からスイーパーを一台、垂水地区から四台を派遣しまして、協力しておるところでございます。鹿児島市におきましては、路面清掃車を昭和六十年度に二台、六十一年度に三台購入しておりまして、除去作業日数を極力短縮するように努めておるところでございます。建設省におきましても、昭和六十年度の購入並びに六十一年度の購入について補助することにしておりますが、六十一年度分につきましては、鹿児島市と事前に十分協議を重ねており、市の申請を待って速やかに対処する予定にしてございます。  第二点の路地、歩道等人力でやっているのにもう少し効果的な方法はないかという御質問でございますが、非常に残念なのですが、現在の段階では、街路樹、植え込み等の障害物がございまして、また道路の幅員の関係もありまして、人力で降灰除去作業をせざるを得ない現状でございます。歩道等の効率的な降灰除法を図るために、昭和六十一年度におきまして鹿児島市が鹿児島大学に、現状の小型の降灰除去機械よりさらに小型の歩道等にも適用できる機種の開発研究を委託しておるところでございます。その開発研究の成果を踏まえまして、歩道等の効率的な方法を積極的に検討してまいりたいと思っております。なお、一般のロードスイーパーにつきましても、建設省の事務所でそれらの効率的な機械の開発を進めておるところでございます。  以上でございます。
  61. 青木薪次

    青木薪次君 それから、長期化する降灰の現状というのは、精神的にも大きな影響を与えると同時に、地域住民の健康にも大きな影響を与えているんじゃないだろうか。老人や子供の健康に及ぼす影響が心配されているのでありますが、この点については、厚生省はどんなふうに調査をされましたか。
  62. 草刈隆

    説明員(草刈隆君) 桜島火山ガス等による人体影響に関する調査というのを、厚生省は五十三年から五十六年に行っております。火山活動に起因すると考えられます人間の目、のど等に関する自覚急性症状、軽微なものは認められるものの、その時点では火山ガス等と明らかな因果関係のある疾患は認められないという報告は得ております。しかしながら、火山活動活発化している現状にかんがみまして、引き続き鹿児島県当局と緊密な連携をとるとともに、昭和五十九年度から鹿児島県におかれましては健康影響監視事業充実を図るとともに、厚生省といたしましても活火山爆発物質の暴露による人体への慢性影響研究を継続して実施しているところでございます。これらの研究等の結果を踏まえまして、地域住民の健康状態を継続的に把握し、今後の問題に対処してまいりたいと考えております。
  63. 青木薪次

    青木薪次君 それから、学校の校庭の降灰除去に対する公立学校施設災害復旧費国庫負担法採択基準が厳し過ぎるということは先ほども話がありましたが、五十九校のうち六校しか対象になってないと。今、帆足防災課長から説明があったわけでありますが、この点についてももう少し詳しく実情を検討して基準を緩和する必要があるんじゃないか。これは要望をいたしておきます。  それから活動火山対策特別措置法に基づいて策定される六十二年度から三カ年にわたる第四次防災営農施設整備計画の策定の見通しと内容について、ごく簡潔に説明をしていただきたいと思います。
  64. 青木敏也

    説明員青木敏也君) お尋ねの防災営農施設整備計画につきましては、御案内のとおり、四十八年度からこれまで四次の計画にわたって進めてまいったわけでございます。六十二年度以降新たな計画の策定年次に入るわけでありますが、その計画の内容等につきましては、昨今の桜島の噴火活動の状況にかんがみまして、より適切なものとなるよう十分県当局と協議してまいりたい、こういうふうに考えております。
  65. 青木薪次

    青木薪次君 次に、台風十号の被害について質問いたしたいと思いますが、先ほど防災局長説明にもありましたように、被害が東海、関東、東北の一都十五県に及んでおりまして、死者、行方不明が十九人、建物の全半壊が百二十棟、浸水家屋が八万余戸と、調査が進むにつれて拡大をいたしておるのであります。今回の台風災害被害予想外に大きくなった原因に、夏台風は本土に上陸しないというジンクスを破って、猛スピードで本土を北上したことが挙げられているわけでありますが、今回の台風に関する気象予報が的確であったのかどうか、このことも先ほども申し上げたわけでありますが、大変疑問であります。台風十号の進路とか速度とか台風の通過に伴う雨量の予測が十分であったかどうか、さらに警報等が十分に住民に周知されていたかということについても、私は疑問に思っているところであります。茂木町の被災者は真夜中に突然の浸水で避難することもできなかったと言われているのでありまするけれども、避難等の指示はどのようになっているのか。これは気象庁と消防庁にお伺いいたします。
  66. 黒澤真喜人

    説明員黒澤真喜人君) お答え申し上げます。  台風十号でございますけれども、八月四日二十一時には伊豆半島の南に接近してくるという状況になりました。これに対する予報でございますけれども、八月三日の午後九時の時点で発表しました予報について申し上げますと、四日の夜に本州の南岸へ接近するという予報を出しておりました。それから四日の昼前の予報でございますけれども、この予報の中では、当日の夜半前に東海地方から関東地方へ接近し大雨になるという台風情報を発表し、警戒を呼びかけたところでございます。  また、大雨あるいは洪水等に関する警報、これは各都県にそれぞれ発表したわけでございますけれども、この発表状況でございますが、それぞれの都県で雨量災害を引き起こすような基準雨量、あらかじめ設定してございますが、この基準雨量に達する数時間前までにそれぞれ発表し、関係報道機関あるいは防災機関などにお知らせし、また一般への周知をお願いしたという事情にございます。
  67. 田中基介

    説明員(田中基介君) 栃木県茂木町での住民への警報伝達についてでございますが、栃木県では、八月四日二十時三十分に大雨洪水警報が出されておりまして、茂木町におきましては、二十二時、災害対策本部を設置いたしまして、その後、同町内を流れる逆川がはんらんしそうだということで、同日の二十三時四十分には町内一斉にサイレンを鳴らしまして、有線テレビによって避難を呼びかけております。茂木町におきましては、かねてよりサイレンを鳴らした場合には有線テレビを見るように住民に周知徹底をしていたとのことでございますし、また、同時に町役場の職員が逆川上流から順次川沿いの住家を対象に避難指示を行ったと、そういうふうに聞いております。
  68. 青木薪次

    青木薪次君 今、気象庁の黒澤予報課長ですか、予報については、私は聞いていないということを言っているんじゃないんです。私自身が夕方から伊豆半島からずっと静岡まで来たんです。あの物すごい雨を受けながらずっと来たわけですから、もう大変な雨であったということはよく聞いております。予報に食い入るように私も——事実自分の体で体験いたしてまいりましたからよくわかっておりまするけれども、やはり記録的降雨であるというようなことに対するひとつの警報、あるいはまた雨量がどれぐらいになるかといったようなこと、あるいはまたその進路等についてももう少し方向性というものを、さっきのアメダスじゃないけれども、もう少しやるべきじゃなかったかというような点については、私は車の中にいながら——私は質問する予定でいたんだから、関心を持っていましたからね。その点で私の発言には迫力があると、実はこう思っているわけであります。  それから、河川がはんらんして町全体が水浸しになったわけでありまするけれども、特に小貝川の関係は五十六年のはんらんに続いて再度のはんらんなんですよね。それから那珂川、小貝川、阿武隈川等の大河川がはんらんしたことについては、建設省の河川改修計画が、予算の関係もあるだろうけれども、おくれを伴っているんじゃないかという点について、河川改修工事計画はどのようになっているか、この際計画の高水位と雨量との関係等について住民がもう少し、予報だけに頼るということよりも住民自身が、やはり自分たちの生命、財産の関係もあるわけだから、その点を注意喚起する日常の掲示物あるいはまたそのPRの手段等について、やはり用意しておくべき必要を実は感じているわけでありますが、この点いかがですか。
  69. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 河川の水位と雨量との関係について日常から検討し、住民の皆さんに理解を求めることが必要じゃないかという御質問と思います。  降雨と河川の水位との関係でございますが、一般的に、降雨につきましては、同じ雨量でありましても時間的な分布あるいは地域的な分布あるいは流域の状況が、例えばその以前に何度も雨が降っていた状態か、あるいは余り雨が降っていなかった状態かと、いろいろな関係がございまして、降雨量河川の水位は一義的にはなかなか決めにくい状況がございます。建設省といたしましては、河川の水位等の情報をできるだけ迅速かつ正確に市町村等にお伝えし、市町村から関係住民に的確に対応していただけるように、市町村への連絡体制の強化に努めているところでございます。
  70. 青木薪次

    青木薪次君 今回のように時間雨量七十五ミリ、一日に三百ミリというようなことでは私は大変な問題があると思うのでありますが、私のところの静岡市と清水市を流れる巴川というのがありまして、昭和四十九年の七月七日、まさに七夕台風と言われましたときにこの辺の静岡、清水が一遍に水浸しになりました。そのときの状態は、たしか四日間で四百ミリだったと思うのでありますが、それでもこのような状態でありました。今回二百ミリであります。二百ミリでありまして、相当警戒水位を超えたところもありますけれども、七夕台風のときを想定いたしまして、三百ミリがこの巴川にぽっと降ったときにはどういう現象になるのか、この点ひとつお伺いいたしたいと思います。
  71. 日野峻栄

    説明員(日野峻栄君) 雨と流量の関係、先ほど来出ておりますように、場所によっていろいろ確率評価も違ってまいりますけれども、現在の巴川の改修の状況で三百ミリの降雨があった場合には、一番参考になるのが昭和五十七年九月に二百八十三ミリという降雨がございまして、大体四千七百棟が浸水をいたしておりますので、三百ミリが降りました場合には大体その程度あるいはそれ以上の浸水があるんじゃないかと考えております。しかし、現在鋭意総合治水対策事業促進しておりますので、これが完了いたしますと相当減少してくるものと考えております。  以上でございます。
  72. 青木薪次

    青木薪次君 来年の出水期には国鉄より南側のところの水は、小鹿沢川とか後久川の水を、あなたも知っていると思うんだけれども、大谷川へ流すということですけれども、今あなたの説明ではちょっと足りないと思います。したがって、一番主なのは、有渡山、竜爪、麻機方面から降った水の一部を遊水池で一時ためるという対策がある。これが三百ミリぽっと降ったらあなたの後段の意見を待つまでもなくやられてしまうというようになりますので、その点は、これは大谷川へ流すからいいんだなんということじゃありませんので、巴川の本川から流したら別ですよ。そうじゃありませんので、その点は訂正しておいてください。  それから、現在建設省が進めている河川改修計画は、戦後の最大規模の洪水に耐えられることを目標にしているのでありますが、現在の改修工事の進捗率は全国的に見て大河川で六割、中小河川では二割ちょっと、二割合というように言われております。これでは、台風の通過で河川がはんらんし被害が出るのは当然だと思うのであります。河川改修計画は、道路計画も必要でありまするけれども、道路だけでなくて、やはり河川の改修ということについて、地味ではあっても、一たん河川がはんらんしたときにはもう大変悲惨な災害が発生するということについて、最近の公共事業の抑制策が今回の災害被害を招いたと言っても過言ではないと言われる今日の実情の中にあって、実は私は寒心にたえないのでありまして、この点については——我が国における自然災害の主役は台風と先ほど申し上げたように地震である。昭和三十年代から目立ってふえてきたのは集中豪雨である。災害件数は、台風や地震を押さえまして主役の座についているのでありまして、集中豪雨によるところの死者は、一九四〇年代は年間平均百人だったけれども、六〇年代には二百人、七〇年代は四百人にふえている。集中豪雨対策が自然災害防止の最重要段階に立ち至ったということを言っても過言でないと思います。集中豪雨による災害を一番起こす主役に、先ほど言った、原因は市街地の膨張にある。小貝川災害が今日まだ——台風十号が過ぎ去った後に決壊している。今日もまだ濁流が水海道まで今追っているという情報を実は受けているわけでありますけれども、これはもう全く現地の皆さんに思いをはせると大変な思いが実はいたすわけであります。五十年の八月と五十六年の八月に札幌で豪雨がありました。多くの家屋が流失いたしましたのは御案内のとおりであります。三十年ごろに居住地域であった古い市街地は平気だったということを考えてみると、五十七年七月の長崎被害でもやはり新興住宅地がやられたのでありまして、今回、今申し上げました私どものところの巴川におきましては、上流地帯の麻機地域というところに遊水池をつくって、ここは多目的にして将来大きな団地をつくっていくんだ、高層の団地をつくっていくんだと。それから、雨が降ったときにはここへ大きなやつをためる、それで順次流していくというような、多目的ダム形式の遊水池をつくっていくということも一つの方法なんでありまするけれども、今回の豪雨は、先ほど予報課長が言ったように、いろんな問題を含んでいる。予報を上回る降水量だったということもあるのでありましょうけれども、やはり河川整備の予算が少ないということが大きな根本的な原因であるというように考えておりますが、この点について、最後に河川整備の予算について私は国土庁長官の決意の表明をもって私の質問を終わりたいと思います。
  73. 綿貫民輔

    国務大臣綿貫民輔君) ただいま災害についてのいろいろの御質問の中から、最後に特に河川関係についての予算確保しろということでございます。災害関係の予算はもちろんのこと、特に河川関係の予算確保には全力を挙げてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。
  74. 上野雄文

    上野雄文君 私からは主として台風十号による被害の問題について、お尋ねというよりは今の段階では要請になろうかと思うのでありますが、数点にわたってお尋ねをいたしたいと思うのであります。  本来栃木県は災害に緑のない県でありまして、我々とすれば非常に住みいいところだと、こう思っておったのでありますが、まさに三十年ぶりぐらいの災害を受けたのであります。でありますから、県や市町村の行政側も、言うならば災害なれしていないというので、いろんな戸惑いもあると思うのであります。したがって、当面まだ被害額も確定しておりませんから、そういう状況の中での仕事を進めるに当たって、国側でのかくかくしかじかの御援助をお願いをしたい、こういう要請を中心にした行動が今取り組まれていると思うんです。  実は、きょう岩崎先生もおいででありますし、私と岩崎先生の出身地を何かねらい撃ちしてくれたような状況で、今度の栃木県では被害を受けたわけであります。全国的に見て大変な被害でありますが、栃木県、死者の数でいきましても全部で十九名のうち六名の方々がお亡くなりになられたわけでありますが、そういうような立場からひとつ申し上げてみたいと思うのであります。  一度に申し上げますので、きのうあらかじめ御連絡申し上げておりますから、順次お答えをいただきたいなと思うんです。  一つは、激甚災害の指定にしてもらいたいということであります。公共土木施設、学校施設、農地農業用施設、林道、あらゆる面にわたりまして大変な被害を受けているわけであります。ちなみに農産物で五十二億余、それから林業関係で二十三億、農用施設で七十八億、河川道路等、いうところの建設省関係では百三十八億という被害なのであります。これはまあきのうの十時現在でありますから、さらにふえてくるであろうと思うのでありますが、こういう状況でありますので、国土庁のお考えをお聞かせをいただきたい。  それから二つ目には、先ほども鹿児島の問題で災害査定を早期にやってほしいというお話がありましたけれども、これらについて建設、農水省などでの対応をできるだけ早くという要望を申し上げるのが県や市町村の立場であろうと思うのでありますけれども、いつごろ手をつけられるかというようなおおよその見通しなどについても触れていただきたいと思うわけであります。  それから、厚生省関係についてでありますが、災害救助費にかかわる国庫負担等について、これも財政援助などの問題について特段の配慮を要請をしたいということであります。  それから、農水省関係でありますが、農畜産物の災害対策についてでありますが、低利資金の円滑な融通措置、あるいは共済金の早期支払い、こういう点についての特段の措置を要請をしたいということでありますし、さらに緊急の治山事業採択について、山地崩壊が発生をして多大な被害を与えたわけでございますから、本年度の緊急治山事業としての採択を要請をしたいということであります。  それから、建設省の関係ですが、治水事業促進であります。茂木町の一級河川逆川を初め、多数の河川がはんらんをいたしました。私も当日現地に駆けつけたわけでありますが、生々しい傷跡を見てまいりました。今度の台風十号は何も栃木県に限ったわけではなくて、東海、関東、東北という広範な地域に及んでいるわけでありますから、それなりに大変な対策が必要だろうと思うわけでありますけれども、この面についての建設省の中小河川の整備、これにぜひ全力を挙げていただきたい、こういうことであります。  最後に、自治省に対する要請でありますが、もう災害でありますから特交の面で面倒見ていただく以外にはないわけでありますので、この辺についての自治省の考え方をお示しいただきたいと思うわけであります。  なお、実は先ほどこの委員会の開会中に連絡が欲しいという電話があったんです。だれからだろうと思いましたら、茨城県選出の高杉参議院議員からの電話でありまして、実は高杉さんの居住地の水海道もまだ完全に水が引かないという状態でありまして、できるだけ早くこの惨状を見に来てほしいと。石下町の下ですから石下町よりはまあまあそれほど被害は大きくないかもしれませんが、しかし、現地の人たちにしてみれば一刻も早くこの現場を見ていただいて、そしてそれに対する対応をとっていただきたいという気持ちでいっぱいなんだろうと思うのであります。私もきのう岩崎先生とも連絡をしながら、参議院のこの特別委員会でも十一、十二、せめてお盆前に見てほしいという要請をしたわけですけれども、何かやはり政府関係機関が先に見て、そして衆議院、その次参議院だという、そういう慣例があるようです。ですから、私の方はそれに従わないというわけにいきませんから、それなりにお聞きをいたしましたけれども、政府関係機関、一刻も早くそれなりの対応策をしてほしい。現地の議員から私どもに連絡があるほどせっぱ詰まっているんだという現状については御理解をしていただいてそれに対応する対策をとってもらいたい、こういうこともつけ加えて、私のお尋ねを終わりにしたいと思います。
  75. 山本重三

    説明員山本重三君) 最初にお尋ねの激甚災害の指定の問題でございますが、先ほど私から御報告申しましたのは、今回の台風十号の被害で現在の時点で把握できる状況を御報告申し上げたわけでございまして、まだ関係省庁では鋭意調査を進めているところでございます。実際にまだ、先生今御指摘のように、浸水被害を受けているところもございます。今後調査を進め、その結果を待ってこの問題は判断してまいりたいと考えております。
  76. 青木敏也

    説明員青木敏也君) 今回の農地農業用施設、また林道、さらには緊急治山事業等について、早急に災害査定を実施されたいということでございます。御指摘のとおり、私ども少しでも早くこの災害復旧事業の査定に取り組む考えでございます。ただ、その中で特に緊急を要する箇所等につきましては、例えば応急工事とかあるいは査定前の着工、そういったことも組み合わせながら御指摘の御要請にこたえてまいりたい、こういうふうに存じております。  それから、農作物災害等を踏まえて低利の資金措置についてのお尋ねがございましたが、農作物等被害につきましては、今回非常に冠水による被害が多いわけでございまして、現在、水の引きぐあい等々を踏まえながら鋭意その被害状況の把握に努めているところでございます。その結果等を踏まえまして、また地域におきます具体的な資金需要等にもかんがみまして、適切な資金対策について検討してまいりたい、こういうふうに存じております。  それから、最後に農業共済金の早期支払いのお尋ねがございました。この点につきましては、ただいま申し上げたような事情もありますけれども、もう既に農業共済団体等が現地の見回りに入ってございます。そういう調査結果を踏まえて、できるだけ早期に共済金の支払いに努めてまいりたい、こういうふうに存じております。
  77. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) 今回の台風十号に対する激甚な被災状況にかんがみまして、私どもの災害査定官を五日から七日に現地派遣いたしまして、被害状況を把握するとともに、応急復旧工法等の指導を既に行ってきたところでございます。  災害査定につきましては、今私どもが栃木県から聞いております被害額が昨日の十七時現在で二千五百五十六カ所の百五十二億と、かなり膨大な被害額でございます。したがって、県の方もまだ査定を受ける準備態勢等の見通しが立たないようでございます。したがいまして、私どもとしては、県の方の査定を受ける態勢が整い次第査定を実施してまいりたいと思っております。
  78. 福田孝雄

    説明員(福田孝雄君) このたびの台風十号によります災害につきましては、東京都ほか六県におきまして三十四市区町に対しまして災害救助法が適用されたところでございます。  これらの救助法が適用された地区に対しましては、避難所の設置でございますとか被災者の救出、また炊き出し等の食品の給与等の応急救助が実施されているところでございまして、これらの救助活動にかかる費用につきましては、当該都県の救助に要した費用と当該都県の普通税との割合に応じまして、国庫補助を行うことになっておるところでございます。また、災害弔慰金につきましても、市町村が支給いたしました場合にはその二分の一を国が補助するということになっておりますので、いずれにいたしましても、迅速かつ適切な処理を進めていきたいというふうに考えております。
  79. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 茂木町の逆川等を中心とした今後の中小河川対応はいかがか、それから水海道を流れております小貝川についての今後の対応、それから職員の派遣等についてお尋ねがございました。  まず、中小河川逆川につきましては、従前より国庫補助事業によって河川改修を進めてきたところでございますが、今回はこれらの計画をはるかに上回る出水であったようでございます。まずは災害復旧等による対策が必要であると思いますが、さらには河川の安全度を上げるための中小河川改修の補助が必要だと思いますので、今後、県の申請を待ちまして的確に対応してまいりたいと思います。  また、小貝川につきましては、国の直轄事業として従来から改修を促進してきたところでございますが、現在まだ破堤による溢水はんらんが続いておりますので、現地におきましては関東地方建設局の河川部長を本部長とする災害対策本部現地に設置しまして、目下応急復旧に全力を尽くしているところでございます。  なお、職員の派遣につきましては、私どもの方より八月五日より職員を派遣いたしまして、的確に連絡をとっておるところでございます。今後、この応急復旧が済み次第、さらに本格的な河川改修に対応してまいりたいと思います。
  80. 柳原瑛

    説明員(柳原瑛君) 被災団体が行います災害復旧事業に要する経費についてでございますが、実情を十分調査の上、被害状況及び財政状況等を勘案し、特別交付税の配分において適切に対処してまいりたいと考えております。
  81. 山本重三

    説明員山本重三君) 災害の発生してまいりました場合には、やっぱり現地実情をいち早く把握し、それに的確に対応することが非常に重要でございます。私どもも、今回の災害に対しまして、八月五日以降、関係省庁担当官栃木県それから茨城県、宮城県、福島県にそれぞれ派遣しておりまして実情の把握に努めておりますと同時に、関係省庁におきましてもそれぞれの被災の状況に対応して的確に担当官派遣してその状況に対応しておる、今後もその努力を進めていきたいと考えております。
  82. 上野雄文

    上野雄文君 青木先生から予報体制といいますか、あれが不徹底ではなかったかというお話もありましたが、茂木町では地域テレビやっているんですね。それで、これは午前二時過ぎ、停電まで動いておりまして、放送して情報を的確に流したので三人で済んだと私は思っているんです。そういうのは非常に参考になると思うんですが、そういうことなどについて青木先生が鹿児島の細かいことを言われましたけれども、我々久しぶりに受けた災害ですから、こいつもう少し材料を集めて、この次改めてまたいろいろ資料の提供をいたしたいなと、こう思っていますが、いろいろお教えもいただきたいというように思います。
  83. 久保亘

    委員長久保亘君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。    午後零時五十一分休憩      ─────・─────    午後一時四十四分開会
  84. 久保亘

    委員長久保亘君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  85. 川原新次郎

    川原新次郎君 けさほど同じ鹿児島出身の金丸委員から質問がいろいろございましたので、ほとんど尽きたかと思いますけれども、重複することを避けまして、ちょっと二、三お尋ねいたしたいと思います。  まず、建設省にお尋ねしますけれども、またこれは要望を兼ねて申し上げたいと思いますが、十八億八千万円ですか、けさから言われましたね。そういうふうなこと等で県に話が届いておるし、その中に入っているのかもしれませんけれども、ところが、入っているとしましても、これは被害箇所が現実に、そこからよくわからないけれども、専門家だから説明すればわかると思うけれども、(写真を示す)このとおりやられていますね。ところが、それは吹きつけ工事で一たんやったところです。これは砂どめで、芝で。ところが、半分いかれて、半分はそのままなんです。両方とも住宅がこうなんですよね、下には。こっちのやられた部分については、これは今度はただこんな吹きつけでなくてコンクリートですか、そういうふうな枠でやるという工事を認めてもらったということがわかっているんですよ。そうされたんだと思うんです、ありがたいことですが。  ところが、そのありがたさが半分で、このやられてない方は、前吹きつけたままで残っている分はこれはやらないでおくということの指示のようなんですよ。それをこの前聞いたので、それだったらこっちの方がやられて被害を受けたとしても、被害を下が受けないうちはやらないのかということを言いたいわけなんです。そういうふうなことでは、こっちが同じ工事をやっておって半分いかれて被害を受けたんだと。ところが、隣に住んでいる方は、おれの方は幸いにしてやられなかったけれども、この次にやられるのは自分だということをだれだって考えますよね。これは役所の皆さんがこの下に住んでいると思ってその現実にぶち当たったとするならば今言うようなことをお考えになるでしょう。そういうふうなことからしまして、これは県に対しても関係地元民からそういうふうな厳しい要請がつけられているようです。だからして当然のことだとこれは感じますので、やはりここは少し残ったとはいえども、そのまま残っているのにやり直すというのはおかしなことではあるけれども、この現地に対してはこの施工法ではもたなかったんだということを証明されたわけだから、だからしてこれはやはり全面的にこの箇所については、半分だけじゃなくて残っている分も同様な処置法でやってもらいたいということをお願い申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
  86. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) お答え申し上げます。  急傾斜地崩壊防止施設につきましては、昭和五十九年の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の改正によりまして、新たに災害復旧事業の対象になったものでございまして、この急傾斜地崩壊防止施設に関する改良復旧制度は今のところないわけでございます。しかしながら、私も現地を見まして、今回の鹿児島県における被災状況からしますとその必要性は十分認められますので、それらの改良の制度の創設を含めてひとつ積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
  87. 川原新次郎

    川原新次郎君 非常に意欲を持って御協力賜るようなことでございますので了といたします。そのような施工を考えていただきたいと思います。  続いて林野庁に御質問申し上げますけれども、当時林野庁から参議院の災害調査団と一緒に出張された方がおいでになっておりますか。——行かれましたですね。それでは、あのときにも私も県庁で現場を見た後の話で申し上げたわけですけれども、けさほど金丸委員が話がありました、友達が何人も死んだというあそこの箇所ですね、あの城山団地のがけの近くですね、やはりあそこに同じような吹きつけの工事で済まして二、三年たっているのかと思うような工事があるわけですね、現地で。そこは同じような雨を受けているけれども全然いっていないんです。工事のやりようによっては立派にあれは食いとめたということが感ぜられるわけですけれども、ところが、やられたところについては完全な措置がなされるということを、当然けさおっしゃるような予算の中でやられるのだと思っております、林野庁の方で。  ところが、あの日も私が申し上げたように、通称城山団地のあのがけ、あれはやられた箇所のほかにずっとごらんになったとおり続いているわけですよね。続いている箇所の中で、当初申し上げたように、立派な工事がなされて、吹きつけ工事といえどもこれは立派に食いとめている、あれだけの雨量を。そういうような施工をするならば結構なことで、だからして、まだ崩壊する懸念のあるところがずっと続いている。あちこちあるわけです。皆さんが、専門家がごらんになったら何カ所もあると思うんですよ。しかもそれが人家がないならだけれども、それにあのとおりに、けさも先生方から指摘があったように、あの地域にずっと人家が並んでいるわけです、住宅が。それで、いつ起こるとも限らない。今度このような事故を目の前に見せられたあの住民は、非常に雨の降るたびにおののいていく日が続くと思うんです。そんなことからしまして、これは工事を人が死んだらやるというんじゃなくて、人が死ぬ以前にやはり施工をしてもらうということが一番賢明なやり方であるし、お願いなんですね。そんなこと等を県とよく調査をしていただいた上で、また県が調査して出してくるでありましょうから、これは現実に人が死なないうちはやらないぞというようなことにもなりかねないけれども、そういうようなことでなくて、もし出されてくるならば現地調査して災害が起こり得る、懸念される箇所であるということ等については、これは施工してもらいたいと思いますが、いかがですか。
  88. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 私も先般の調査には同行させていただきまして、現地も見せていただいたわけでございます。  先生御指摘のとおり、城山につきましては、私どもあの城山の状態からいたしまして、現在風致保安林にもなっているという、そういう意味では非常に公園といいますか、そういう機能も果たしているということもございますけれども、人命財産という観点からいたしますと、それよりも優先されるべきというふうに考えております。  現在、城山地区につきましては、県と共同いたしまして調査を行っているところでございまして、この結果を踏まえまして、御指摘のとおり、予防治山という観点からも十分対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
  89. 川原新次郎

    川原新次郎君 どうかよろしくひとつ御検討のほどをお願い申し上げておきたいと思います。  次に、文部省にお願いを兼ねて申し上げたいと思いますが、けさほどから出ておりますけれども、降灰の問題で、公立学校の災害国庫負担法の適用範囲ですね、これについていろいろな話も出たようですけれども、同じことを申し上げるわけですが、この前、現地にお互い先生方も一緒に行ってもらって、あの学校の校庭でのせつない学校からの要請というもの、また子供がそれでどういうような苦労をしているかということ等もつぶさにお話を承ったわけでございますけれども、私は見た現地の者として、たびたびあの学校だけでなくてほかの学校も見せつけられているわけですが、やっぱり何か規定に基づいて二センチ云々というのがあるわけですね。ところが、二センチになる間待っておるわけにはいかないですわね。一センチであろうが、あるいは五ミリであろうが五十ミリであろうが、これは風が吹いたら、これは二センチになったら補助金が来るからなんというようなことでやりおったら、これは待っておるわけにはいかないと思います。そこで風が来るわけですね。毎日吹きまくっているわけですな。それだから、降るたびに処置しなければならない。だからして、どこを基準にして二センチになるのか、二センチになるのはどういうふうにして待つのか、あるいは現地としては二センチになったならないはどういうふうにして把握してもらうのか、その辺もまずお考えをお伺いしたいと思います。
  90. 遠山耕平

    説明員(遠山耕平君) お答え申し上げます。  一応基準では二センチ、それが三十日の間に二センチあると、こういうことで決まっているわけでございますが、その確認については特に決めておりませんので、校庭でなければ別のところで二センチということではかっていただければいいわけでございまして、校庭についてはその都度降灰を除去していただくということでも結構でございます。
  91. 川原新次郎

    川原新次郎君 その二週間も二十日もというのじゃ、待っておる間に何センチ積もっても、また吹きまくってどこへ行ったかわからない。そのどこへ行ったかわからない中が一番迷惑をこうむっているのですね、子供も住民も。そういうようなことは、積もるのを待っておって金をもらおうとするようなのはばかに等しいことですね。そういうようなこと等考えていないで、やはり現地実情を、もっと本当に被害を最小限にして、子供が、そしてまた施設は最小限の被害の中で国の公立学校の災害国庫負担法の適用等の範囲を緩和していただいて、そして助成措置を検討していただきたいと思いますが、その辺どうですか。
  92. 遠山耕平

    説明員(遠山耕平君) お答え申し上げます。  学校の降灰除去につきましては、災害復旧に該当するものと、それ以外の災害復旧に該当しないものと、こういう分けられ方ができると思いますが、災害復旧に該当するものについては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法によって国庫負担を行うと、それ以外の災害復旧に該当しないものについては私どもとしては施設の、すなわちグラウンドの維持管理の一環として普通交付税等にその維持管理費が積算されておりますし、また特別の財政需要があるということで特別交付税でも措置されていると、こういうぐあいに承知しておるわけでございます。
  93. 川原新次郎

    川原新次郎君 きょうはこれでおきますけれども、今後あれはまだこれはとてもやむ話じゃないし、災害は続いてまた非常な迷惑等がもっと大きくなっていくんじゃないかということが想定される。それから、関連する子供に対する眼病とかいろんなこと等が伴ってくるおそれが多分にあるわけですね。そんなこと等からして、所管の事項を追及していくと離れる問題にも発展するかもわかりませんけれども、何分学校を預かる担当の皆さんとして現地をつぶさに、時期によって一回見たというだけでなくて、調査をしていただいて、対処方を、役所として取り組み方を御検討しておいてもらいたい。学校としては現実にその中で子供を教え、また学んでいる子供としては、非常な苦労の中に耐えながら勉強しなければならない姿であるということを御認識の上、対処の方法を考えていただきたいということを御要望申し上げておきたいと思います。  以上で終わります。
  94. 岩崎純三

    岩崎純三君 午前中、同僚の上野委員から栃木県の災害状況あるいはそれに対する対応策万般にわたりましてお尋ねがあり、また要請があったところでございます。したがいまして、私は茂木町の災害についてのみお尋ねをいたしたいと思います。  昨日、約四時間余にわたりまして私は現地を訪ね、可能な限り詳細にわたって災害状況調査をするというか見てまいったわけでございます。御案内のとおり、二十分か三十分で逆川のはんらんによって商店街を中心とした約二千戸の町並みが濁流にのまれてしまったわけでございます。そのような激しい出水でございましたから、当然のこととして橋梁も約十橋ほど流失破損をいたしております。また、道路も一部流失あるいは損害をこうむっておるわけでございますけれども、その道路の中でも国道百二十三号線、それから分かれて深沢という地域に入るわけでございますが、これは一本しかその地域に入る道がございません。その道路が二十メーターないし三十メーターにわたって流失をされております。したがって、通信手段もまだ回復をしておらない。全くその地域に住む方々の連絡は、もう茨城県を回らなければ茂木町役場と連絡もとれないというような状況に置かれております。それ以外に逆川の堤塘の破壊の問題、さらにはがけ崩れ、これは無数でございまして、町は今そのような状態を詳細にわたって調査できるような態勢にございません。というのは、冒頭申し上げたように、約二千戸の商店街を中心とした家屋が浸水をいたしまして、激しいところでは家のひさし、我々大人の背丈を上回るような浸水でございまして、家財道具はもちろん、商品あるいは医療機関で言うならばレントゲンや医療施設も流失をし、使用不能の状態にある。また、製造業にありましては、設備が近代化されておればおるほど冠水によってもうその機械が使用不能のような状態になっておるわけでございまして、その浸水をされた地域の修復あるいは住民の衛生管理、それらに追われまして今茂木町は町としての機能を失うような状況にあるわけでございます。それらは、先ほど国土庁も建設省も八月五日現地に赴いて調査をされてきたということでございますから、その災害の激しさ、ひどさというものについてはよく御理解をなすっておるところであろうと思います。  そこで、上野先生からもお尋ねがあったわけでございますが、激甚災害の指定についてどうかというお尋ねがあったわけでございます。その件につきましては、国土庁も建設省も今調査のさなかである、調査の結果を待って適切に判断をしていきたい、建設省は県からまだ査定を受けるような準備に至っておらないためにその件については今検討中ということでございますけれども、皆さん方災害については専門家でございますので、そのような状況を目の当たりにしてきたわけでございまするから、これは激甚災害の指定の対象になるだろう、あるいは局地災害の指定対象になるであろう、そういう感触を得てきたというくらいの答弁はできはしなかろうかと思うのでございまして、重ねて激甚災害の指定の感触を得てきたか、あるいは局地災害になるか、その辺のところの感触について御答弁あるいは感触をお聞かせいただきたいと思います。
  95. 山本重三

    説明員山本重三君) 激甚災害の指定をいたします場合には、災害の態様によりまして、公共土木施設あるいは学校施設あるいは中小企業の金融措置等々、いろいろ災害の態様に応じて激甚災害として指定したものに対して特別な援助措置を講ずるという状況でございます。したがいまして、現在の段階では、先生今お話しございましたように、当面の応急対策に追われて被害の実態がつかめておらない、そういう状況でございますので、私どもとしても、今関係省庁鋭意被害状況について調査をしているところでございますので、調査状況がわかり次第私ども適切に判断して対応していきたいと考えております。
  96. 岩崎純三

    岩崎純三君 被害の実態がつかめない、それほどの激しい災害を受けておるわけでございますので、ぜひともひとつ激甚災害の指定、最悪の場合でも局地災害、激甚災害の指定、こういう方向でひとつ誠心誠意をもって御検討をいただきたいと思うわけでございます。  なお、先ほどやはり同じく上野委員の質問に対しまして農水省は、査定前といえども緊急必要度のあるものについては復旧工事にかかりたい、こういう答弁があったわけでございますけれども、建設省並びに国土庁、先ほど申し上げたように、橋梁の修復の問題、あるいは生活権が脅かされておるわけですから、橋梁を仮設でもいいから応急に対応していきたい、さらには道路の流失した地域についても緊急な対応策をとっていこう、こういうことについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、お尋ねいたします。
  97. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) 五日から七日にかけまして私どもの査定官が現地に赴きまして、現地状況をつぶさに橋梁の地域につきましては調査しております。私もその写真を見ましたら、大体橋の取りつけ部のところが洪水により洗堀しておりまして、交通不能になっている箇所が非常に多いように見受けました。幸いかなり永久橋が多かったので橋梁の流失は大分免れておるようでございますが、そういう点では応急復旧の効果が非常に大きいものだ。それで、その応急復旧につきましては現地の方で既にそういう復旧をやっていいという指示を、工法的なものをやっております。しかしながら、現段階ではその道路に取りつく前のところにいろいろ家財道具だとかなんとか洪水後の後始末の材料が道路に放棄されておりまして、それらを取り除いた後にそれにかからなければいけないというような現状だというふうに聞いております。したがいまして、そういう応急復旧ができる場合は直ちにやれる指示を行っております。
  98. 岩崎純三

    岩崎純三君 通産省に——見えていますね、お尋ねしたいと思いますけれども、先ほど申し上げたように、多くの商店街が冠水をいたしまして、もう家財道具はもちろん商品まで流失をいたしております。食品あるいは衣料その他商店街の方々がもうほとんど商品が全部だめになってしまう、そういうような大変な打撃を今回の災害でこうむったわけでございます。しかも、御承知かと思いますが、茂木町というところは過疎地域でございまして、人口がどんどんどんどん減少いたしております。したがって、災害に見舞われる以前の問題としても商店街にいかにして活性化を与えるかは、大変な茂木町の行政の課題であったわけでございます。それが今回の災害、もうストックした、仕入れた商品がゼロになってしまった、これから借金をして商品を仕入れて復興を期していかなきゃならない。それにしても借金をして商売を始めて果たして採算が成り立つのかどうか、全く過疎地であるがゆえに大変な将来に対して不安とおののきを持っておるような状況でございます。したがって、この災害を受けた商店街に対して通産省としては一体どういう金融制度上の恩典を与えることができるのか。とにかく町当局としても、厳しい財政事情の中ではあっても、商店街復旧のために融資を受けたそうした商店街に対して幾分でも利子補給をしていきたい、そんな考え方を今検討しているさなかでございますので、そうした状況を踏まえた上で、今政府が対応できる可能な限りの措置についてお話を承りたいと思います。
  99. 桐山正敏

    説明員(桐山正敏君) お答えいたします。  ただいまの先生の茂木町を中心とする今回の台風による被害、非常に大きなものでございまして、その状況につきましては現在詳細を調査中でございまして、まだ詳細にはよくわかってございませんが、例えば茂木町では、現在県の方からお聞きしているところでも、商店街四百戸余りで約二十億ぐらいの被害をこうむっておるのではないかというような状況でございます。さらに事態が判明いたしますれば、金額も大きくなるのではないかと思われるところでございます。  こういう状況に対応いたしまして、中小企業庁といたしましては、昨日七日付で政府系の三機関、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金でございますが、こちらの方に災害貸し付けというものの適用を発動いたしました。これは豪雨影響を受けておる中小企業者の方に一般の融資枠を超えまして別枠で融資をしていただくということでございまして、返済期間等につきましても通常の貸し付けよりも優遇をいたしますほか、手続につきましても優先的にかつ簡易的な方法で処理するようにということで指示をいたしております。また、これら三機関の既往の貸付金の返済の猶予につきましても、個々の企業の状況に応じてできる限りの弾力的な扱いをするようにということで指示をいたしておるところでございます。  それから、これはちょっと栃木県の場合にはこの制度直接適用がございませんが、その他の地域におきましては県の方の体質強化資金制度というのがございまして、こちらの方の積極的な活用方を各県にお願いをしておるところでございます。  現在の段階ではこういう対応を講じておりますして、さらに今後調査が進みまして激甚災害ということになりました場合には、信用保険によります保証の別枠の保証を行うとか、それからこの三機関の融資につきましてもさらに特利の低利融資というふうな形の制度がございますので、このあたりは今後事態の状況を把握しつつ適宜適切に対応してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  100. 岩崎純三

    岩崎純三君 最後に、要望だけいたしておきます。  ただいま申し上げたような大変激しい厳しい悲惨な災害状況でございますので、政府当局の今回の災害に対する対応に対して深い御理解と温かい措置要望いたしまして、私の質問を終わります。
  101. 太田淳夫

    太田淳夫君 ただいま同僚の岩崎委員から栃木県の状態につきまして、先ほども上野委員の方からもございました台風十号の被害状況についての現地現場を踏まえられましたいろいろなお話がございました。私どもも、私は参っておりませんが、党としましては、今回のこの関東、東北地方災害につきましては、調査団を派遣してその実情等も現場でいろいろ調査をさせていただいております。今、上野委員あるいは岩崎委員の方からお話がございましたことに関連しまして、最初に同点か私の方からも要望しておきたいと思うんですが、今、岩崎委員から指摘がございました茂木町の全体が水浸しになるような状況のお話がございましたが、那珂川の支流の逆川があふれた、あるいは隣の茨城県では、小貝川が雨がやんでから三十時間後に堤防が決壊して甚大な被害を出したということが報道されて、現地でそれぞれ大変な思いをされているわけでございますが、これらの河川改修計画というのは一体どうなっていたのか、それを最初にお聞きしたいと思います。
  102. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) お尋ねは、栃木県茂木町を流れている逆川の改修計画及び茨城県内を流れています小貝川改修計画がどうなっているかというお尋ねだと存じます。  まず、栃木県茂木町を流れている逆川でございますが、これは栃木県が指定区間として一級河川として管理しておりますものでございまして、流域面積百十七方キロの河川でございます。  この河川の改修につきましては、昭和二十八年から市街地部を国庫補助事業として改修に着手し、以来河川改修を進めてきたところでございます。一応計画としましては、百六十トンの計画流量で改修を進めてきた途上でございますが、今回の出水はこれを大幅に上回る出水ではなかったかと存じます。なお、水文資料その他まだ現地の対応がおくれておりまして手元に届いておりませんので、これは私どものいろんな気象台雨量等の感覚から申し上げまして、そういう状態ではなかったかというふうに考えております。  それから小貝川につきましては、昭和八年から直轄事業として改修に着手いたしまして、特に昭和十三年に相当大きな出水がございました。この洪水を一応対象としまして計画地点黒子において計画高水流量八百五十トンを対象として改修計画を樹立し、以来鋭意改修を進めておったわけでございます。その後、流域の状況また全国の国土の安全の状況のバランス等も考えまして、昭和四十八年に計画改定に着手いたしまして、昭和五十五年に基準地点黒子における高水流量を千三百トンと設定し、鋭意改修を促進中でございます。
  103. 太田淳夫

    太田淳夫君 改修促進中の河川決壊をしたわけですが、特に小貝川の場合は現在まだその決壊場所から水が流出をしている状態なんですが、これはいつごろをめどにしてこの流出はとめられるのでしょうか。
  104. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 現在七カ所において溢水はんらんをしていると聞いておりますが、特に被害の大きいのは石下町地先及び明野町地先からのはんらんでございます。これにつきましては早速現地対策本部を樹立し、応急復旧工事に取りかかっているところでございまして、我々としては一日も早くこの応急復旧を完了したいと考えておりますが、現在のところ十五日までには完了させたいと思っております。  なお、先ほど逆川の流域面積、私、百十七方キロと申し上げたと思いますが、もし間違っておりましたら修正をお願いいたします。
  105. 太田淳夫

    太田淳夫君 この小貝川の場合ですと、五十六年にも竜ケ崎で堤防の決壊が起こっているわけですが、そのときもちょうど水門のところが決壊をしている。今回も決壊場所は、正式な名前は小貝川豊田樋管という正式な名前だそうですが、やはりいわゆる水門のところで決壊をしている。ちょうどこの五十六年の九月の十六日のこの委員会におきまして、我が党の多田委員が水門がその決壊原因の一つではないかと、このように建設省にただしたことがございましたが、今回の決壊を見てみますと、そうした五年前のその指摘、あるいは教訓というものが生かされていないんじゃないかと思うんです。今回のその石下町の水門は昭和二十七年三月に築造されたと。そして、五十二年の十一月から建設省に引き継ぎをされたと。この五年間あの委員会で指摘された後、建設省としてはこの水門付近の堤防強化についてどのように取り組んできたのか、その点をちょっとお知らせいただきたいと思うんですが。
  106. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 私ども、今回の出水は、小貝川の流域におきましては一日雨量三百ミリというふうに聞いております。これは小貝川改修計画で予定されている雨量を大体三日間で二百九十ミリと想定して進めてまいりました。したがいまして、従来計画で対象としていた雨量を上回るものが一日で降ったということから、これは異常豪雨ということが大変主要な原因でございます。現地で担当している者に聞きますと、全川至るところ破堤寸前ということでございまして、ずたずたにやられておったというのが事実のようでございます。まあどこが切れても不思議はないという状況の中で、七カ所において溢水はんらんがありましたが、たまたま石下町地先においての破堤においては、水門がそこにあったという事実は承知しております。また五十六年の破堤においても樋管があったという事実がございます。五十六年の樋管による災害につきましては、我々全力を傾注してこの研究をしてまいりまして、その問題点についての研究をしたところでございます。  また、これらの教訓を得まして、自来昭和五十三年度から特に河川改修費の中では特別に予算配分をいたしまして、直轄河川工作物関連応急対策事業により、樋管等の部分の補強工事に着手しておったところでございまして、今回の樋管についても、相応の対策をしてきたところでございます。今後とも樋管の部門の強化については鋭意努力してまいりたいと存じます。
  107. 太田淳夫

    太田淳夫君 今回の場合は、今お話がありましたように、計画雨量の三日分が一日で降ったということでやむを得ないというような御答弁でございましたけれども、昭和五十一年九月十二日ですか、一級河川の長良川堤防が決壊をしたわけですね。今回のこの小貝川決壊、いろいろな専門家の分析もございますが、小貝川が改修をされて、前蛇行をしていたところが改修をされたというところで、その改修をされた前の旧河川ですね、旧河川のところの堤防がどうしても弱くなる。五十一年の九月十二日の長良川の堤防が決壊したときも、あそこは安八のやはり遊水地帯と申しますか、曲がっているところを真っすぐにしたんですね。水の性質からかどうか私たちよくわかりません、素人ですから。しかし、あの堤防は旧水路に沿って下から崩されてきたということが地元では言われておりまして、人災か天災かということでこれは裁判にもなりましたね。今回の小貝川の堤防の決壊、水門のところの決壊の場所も同じように蛇行をしたところを改修して真っすぐにした、そこがまず堤防として崩されてきている。そこのところは五十一年のあの長良川の決壊のときにもこの委員会あるいは予算委員会でも指摘されましたけれども、やはりそういう遊水地帯を真っすぐにしたりなんかしたり、蛇行しているのを真っすぐにしたところについては一級河川の総点検をして、あるいはそういう主要河川についての総点検をしながら補強をするように、あのときも話がいろいろとあったと思うんですね。やはり今回の決壊の様子を見ますと、それはもうたくさんの雨量で堤防全体がもち切れなくなったということも今言われましたけれども、そういう状態の中でありますけれども、果たしてそういう蛇行性の川を改修したところについては特に建設省として力を入れて改修をしたのかどうか、その点ちょっとお聞きしたいと思うんですが。
  108. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 河川はもともと自然の状態では蛇行しあるいは滞留している状態でございますが、流域の土地利用を促進していく上で河川改修工事によって蛇行を修正したりして、治水の能力を増大するという一つの歴史の流れに乗っておるわけでございます。その間においてまた営々として流域住民あるいはまた河川改修事業によって堤防を築造してきたわけでございます。我々はそのような堤防の管理の段階におきまして、河川改修工事を進める上で特に旧川の跡のような部分については十分点検を進めながら堤防補強等を行っているところでございます。今後もその所存で進めてまいりたいと存じます。
  109. 太田淳夫

    太田淳夫君 これから改修も進められていくところだと思いますけれども、特にその点については、今申し上げましたことについては、今お話しの中では重点的にというお話もございましたが、今後とも留意をしていただきたいと思いますし、きのうちょっとテレビで拝見しておりましたら、あの堤防が水流によって崩されていくわけですが、そのところの堤防の断面を見てみますと砂地になっているんですけれども、ああいう堤防は砂地でも十分、何というか、増水に耐えられるんでしょうか、どうでしょうかその点は。
  110. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 堤防は、元来その河川の周辺の土を利用して築造してきているわけでございます。また、それらを前提にしまして、堤防の断面の設計をしてきているわけでございます。ただ、今回の出水を見ますと、被堤という現象を眺めますと、やはりそれぞれに計画を上回る異常な外力の場合には崩れるというのは宿命ではなかろうかと思いますが、少なくとも我々としては、計画高水位以下では破堤しないようにということを前提に、堤防の築造及び補強工事を財政力の制約の中で鋭意進めていく所存でございます。
  111. 太田淳夫

    太田淳夫君 そうなりますと、今お話あった計画高水流量というお話ですが、やはりこうたびたび毎年のようにこういう洪水が各地で起こって、そのたびに何人かの犠牲者を出しているわけですが、一級河川の整備計画の基準雨量というのは、あるいは高水流量というのは、ちょっと先ほどもお話がありましたけれども、そういうものも気象状況というのも最近ちょっとわかりません、どこにどういう目標かわかりませんけれども、集中豪雨的なそういう傾向が今感じられますので、そういった点その基準というものを今後見直しをしていくことも必要になってくるんじゃないでしょうか。その点どうですか。
  112. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 我々治水行政に携わる者として全国で水害が皆無になることは念願としているところでございますが、そのためには相当な治水工事を行っていかなければならない。しかし、その計画を立てた基準をさらに上回るような集中豪雨があることもまた事実でございます。したがいまして、我々としては、ある一定の国の財政力あるいは国家としての希望の象徴としての治水の目標を策定し、それに基づいて段階的に治水工事を進めていきまして国土の安全を確保していきたいというふうに考えております。
  113. 太田淳夫

    太田淳夫君 限られた財政事情の中でのいろんなこともよくわかりますけれども、やはり今後河川の整備ということを考えていく上におきましては、先ほどお話がありましたが、遊水池その他がだんだんなくなっていく、宅地化が進んだりあるいは施設化されてきているということもございますが、そういう中で総合的な地域整備計画というものをやはり建設省全体で、あるいは政府全体で考えながら、河川の整備もそれにいろいろと対応していくようなことを考えていかなきゃならないんじゃないかと思うんですね。  特に国土庁長官、今お話ありましたけれども、やはり国の治政のもとは治山治水にあったと。しかし、道路の建設とかあるいは住宅建設とかいろいろ促進されてくる、その中でやはり予算的な面で非常に苦労されているわけです。そこで、調整官庁という立場もございましょうから、建設省全体で各局が連携をとりながらそれぞれの河川の周辺の整備計画ということを考える、あるいは国土庁としても全体的な連携の中でそういうことをお考えになっていくことが必要じゃないかと思うんです。その点どうでしょうか。
  114. 綿貫民輔

    国務大臣綿貫民輔君) おっしゃるとおりだと思います。特に防災関係の経費につきましては、国の財政が厳しい折でございますが、極力これを守るように努めてまいりたいと思いますし、河川関係はその中でも最たるものでございますので、今御指摘のような点につきまして関係省庁とも連絡をとりながら、予算確保に万全を期してまいりたいと考えております。
  115. 太田淳夫

    太田淳夫君 特に先ほど同僚委員からも要望がございましたが、やはり六十二年度から始まる第七次治水事業計画では、事業費を大幅にふやすことに努力もしていただきたいと思いますし、あるいは今回のこの台風十号の被害につきましては、先ほど山本防災局長からも話がございましたが、早急に被害の実態等の調査を進められまして、激甚災害の指定あるいは天災融資法の発動を早急に行えるように対応していただきたい、こう要望いたしますが、その点もう一度答えていただけますか。
  116. 山本重三

    説明員山本重三君) 先ほどから申し上げておりますように、現在では発災後の応急対策に追われている実情でございます。私どもといたしましてもできるだけ早く関係省庁被害の実態を調査し、その調査結果を待って適切に判断をしてまいりたい、最大の努力をしてまいりたいと思います。
  117. 太田淳夫

    太田淳夫君 次は同じ集中豪雨で、鹿児島の方でやはり被害者の方がお見えになりました。先ほど金丸委員のお話の中では親しい方がお亡くなりになったということもお聞きいたしまして、私ども御冥福をお祈りする次第でございますが、鹿児島集中豪雨被害というのは特有のシラス土壌ということがございますし、それに今回は先ほどの政府のお答えの中にございましたし、あるいは要望の中にありましたけれども、鹿児島気象台が始まって以来四番目の記録であるという、そういう集中豪雨の相乗効果、それによって今回起こったということでございますが、やはりシラスの急斜面の下に人家が密集しているという点から見ますと、これは典型的な都市型災害ではないかとこのように思うわけでございますが、今回災害に見舞われた箇所というのは危険地に指定されていたのかどうか、あるいは危険地に指定されていたのならばどういった措置が講じられていたのか、あるいは危険地の箇所の指定見直しが必要になってきているのじゃないか、その点についてはどうでしょうか。
  118. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) お答えいたします。  鹿児島市におきます今回のがけ崩れ災害でございますけれども、被災箇所のうちで建設省の所管分は四十二カ所ございます。このうちで二十三カ所が急傾斜地崩壊危険区域に指定済みでございます。それで、指定済み箇所のうち防止施設が概成いたしております箇所が二カ所でございます。それから施行中のものが十四カ所でございます。それから未着手の箇所が七カ所でございます。  それから次に、急傾斜地崩壊危険箇所の見直しの件でございますけれども、建設省といたしましてはそういった危険箇所の把握につきましては、昭和四十二年のこの事業の開始以来的確な把握のために随時調査実施してきたわけでございますけれども、最近のがけ崩れ災害というふうなものにかんがみまして、今年度初めから全国都道府県に指示をいたしまして見直し総点検を実施しておるところでございまして、その調査を鋭意現在進めているところでございます。
  119. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 林野庁の所管いたします今回の山地崩壊にかかわります五十五カ所のうち、山地災害の危険地区として把握いたしておりました箇所は四十六カ所ということになっております。山地災害の危険地区につきましては、それを未然に防止をいたすという観点から、治山事業五カ年計画に基づきまして緊急を要する箇所から計画的に実施をいたしてきておるところでございます。  今回の災害にかんがみまして、林野庁といたしましては鹿児島県と共同で現在調査を進めておりまして、その結果を受けまして今後の災害防止に万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
  120. 太田淳夫

    太田淳夫君 特に鹿児島市内あるいは鹿児島県ではシラス土壌ということで先ほども金丸委員からもいろいろと特徴的なことについてはお話があったわけですが、特に宅地造成に当たりましてはこれまでシラス対策として何らか特別な工法、技術というものが用いられてきたのかどうか、あるいは通常の工法ではシラス土壌に対しては不十分ではないかと思うんですが、その点はどのような対策を立てられていますか。
  121. 高橋健文

    説明員(高橋健文君) お答えいたします。  宅地造成に伴います災害の防止につきましては、宅造規制法でありますとか、あるいは都市計画法の開発許可制度とか、そういったところで対応しているわけでございます。もちろん急傾斜地の崩壊危険区域のような危険なところでは開発許可をしないように、そういう都市計画法の開発許可の基準等がございます。一方、宅地造成に当たりましては、宅地造成等規制法等では擁壁ですとかあるいは排水施設とか、そういったところにつきまして技術的な基準が定められております。  それで、シラスについて特別な工法あるいは基準があるかという御指摘でございますが、シラス台地等のやわらかい土質につきましては、例えばがけができる場合に擁壁を設置するような場合でも、通常の上質に比べまして緩やかな傾斜であってもその上に擁壁を設置するように義務づけるとか、そういった土質に応じた配慮はしてございます。ただ、今後、現在県で今回の災害等につきまして原因究明をしておりますので、そういった結果を踏まえまして、宅地造成等の技術的な基準の整備、どういった点をもう少し整備する必要があるかどうかについては、県の結果を見た上でさらに検討してまいりたいと思っております。
  122. 太田淳夫

    太田淳夫君 あと、私ども現地委員長ともども視察に参りまして、先ほど青木理事の方からも詳しい報告がございました。あるいは金丸委員の方からも現地のいろんな要望についてのお話もございました。ここにも現地としての要望がございました。約七点にわたっておりますけれども、これにつきましては私どもぜひとも実現を図っていきたいと、このように思っておりますが、これまとめて防災局長さんから御答弁いただければ結構でございますが、いかがでしょうか。
  123. 山本重三

    説明員山本重三君) 先般被災地に参りまして、地元知事並びに市長から今回の災害状況等につきましていろいろ報告要望を受けたところでございますが、私どももこれらの要望につきましては、関係省庁と十分協議しながらできるだけ前向きに対応してまいりたい、かように考えております。
  124. 太田淳夫

    太田淳夫君 次に、私ども鹿児島市から桜島の方に参りましたんですが、桜島の火山対策につきましても先ほど同僚委員からお話がいろいろございました。この火山対策につきましては、従来から活動火山対策特別措置法に基づいて降灰対策事業あるいは農林漁業対策事業等が実施されてきているわけですが、国土庁は五十九年七月に学識経験者あるいは地元地方公共団体の長などによって構成されます桜島火山対策懇談会、これを設置されているわけですが、この設置の趣旨と、あるいはこの懇談会が五十九年十二月に桜島火山対策についての提言を行っておりますが、その内容についてどうでしょうか。
  125. 山本重三

    説明員山本重三君) 先生今御指摘の桜島火山対策懇談会は、ちょうど昭和五十八年から五十九年にかけまして桜島の爆発、降灰が非常に活発化いたしました。この結果、大変その周辺の地域に多くの被害をもたらしたわけでございますが、こういう観点から桜島火山対策の一層の充実強化を図りますために、それまでの桜島の火山対策につきまして全面的な検討を行うことを目的といたしまして、学識経験者あるいは地元地方公共団体の長の参加を得まして、関係省庁の協力のもとにこの検討会を設置したものでございます。  この懇談会におきましては、先生御指摘のように、五十九年の十二月に三十二項目におたる提言を行っております。その主な提言の内容といたしましては、例えば噴火予知計画の推進に沿った観測研究推進でありますとか、桜島避難路、避難港の整備等警戒避難体制の確立の問題でございますとか、あるいは大変山地が荒廃しております、そういうことによって土石流の流出が続いておりますが、砂防・治山事業等の推進による土石流対策推進でございますとか、あるいは降灰あるいは噴石にかかわります対策強化でございますとか、さらには降灰等による住民及び児童、生徒に対する健康対策の問題でありますとか、さらには被害が広がってまいりました農業、漁業等に対する対策推進、こういったことにつきまして、三十一項目にわたって細かい提言が行われたところでございます。
  126. 太田淳夫

    太田淳夫君 三十一項目の提言がされましたが、これまでに実施をされた事項としてはどういうものがあるんでしょうか。あるいは全体としてその提言項目の実施状況はどういうふうな程度になっているんですか。
  127. 山本重三

    説明員山本重三君) この火山懇談会によりまして提言されました項目につきましては、関係省庁におきまして昭和五十九年度あるいは六十年度からそれぞれ順次事業実施あるいは継続されておりまして、例えば鹿児島市の桜島地区におきます防災無線の整備でありますとか、降灰除去費用についての雑損控除の適用の問題、あるいは地域別、類型別の営農ガイドラインの策定などは六十年度に実施された具体的なものでございますが、このように、この中で提言されました項目の全体につきまして、その趣旨に沿った措置がすべて各省の御努力によって、あるいは地元公共団体の御努力によって講じられたところでございます。  なお、今申しましたように、鹿児島市の桜島地区における防災無線網の整備等につきましては既に措置を終了しております。
  128. 太田淳夫

    太田淳夫君 せんだって私どもも桜島火山の実態を調査してまいりましたが、そのときに地元の二市三町から成ります桜島火山活動対策協議会から要望書をいただいてきているわけでございます。  その最初に、今お話の中にありました観測研究推進ということがございますけれども、これについてはどのような状況になっていますか。
  129. 佐藤次郎

    説明員(佐藤次郎君) 御答弁申し上げます。  桜島は測地学審議会におきまして第三次火山噴火予知計画におきまして、「活動的で特に重点的に観測研究を行うべき火山」という位置づけがなされておりまして、文部省におきましても桜島の特に大学関係の火山研究推進に現在努めているところでございます。  御指摘の五十九年度からどういう措置がなされたかという点でございますけれども、この桜島につきましては、大学関係では京都大学防災研究所の桜島観測所を中心にして研究観測が進められておるわけでございますが、昭和五十九年度からは噴火直前の前兆からより的確な噴火予知データを得るため、また火山体内部のマグマの動態把握などを目的といたしまして、火山活動総合観測装置というものを重点的に整備をいたしているところでございます。五十九年度におきましては、桜島の中腹に火山活動を総合的に観測するため二百五十メートルのトンネル、それから深井戸を掘りまして地震計、傾斜計、温度計等を設置いたしましたところでございますが、六十年度におきましてもデータの常時観測のためのトンネルと観測所を結ぶテレメーター送信装置や深井戸総合観測装置等を整備いたしたところでございまして、これらによりまして従前以上に精密なデータが蓄積されておるところでございまして、噴火直前の前兆をかなり的確に把握するように現在努めているところでございます。本年度におきましても白浜に井戸を掘って地中地震計を設置するなど、その観測研究に努めてまいりたいというふうに考えております。
  130. 太田淳夫

    太田淳夫君 時間もなくなってまいりましたのでまとめてで失礼でございますけれども、先ほど同僚委員からもいろいろ指摘のありました桜島降灰の問題、特に小学校長さんの陳情によります降灰除去事業についての補助あるいは児童の健康対策ですね、そういった問題等々についても力を入れて、今後改善をぜひともお願いしたいと思うんですが、特に桜島火山活動というのは非常に長期間にわたって、これは異例なことだそうでございますが、そのために火山対策に要する経費というものが多額になっている。その点についてこれらの関係市町村から特交による財源措置充実強化に一層の配慮を願いたい、こういう要望が出ておりますが、その点についてはどうでしょうか。
  131. 柳原瑛

    説明員(柳原瑛君) 桜島の火山対策に要する経費につきましては、実情を十分調査の上、被害状況及び財政状況を勘案いたしまして、特別交付税の措置を得て適切に対応してまいりたいと考えております。
  132. 太田淳夫

    太田淳夫君 この降灰については、私どもも参りましたときに、克灰と言うんですね。大臣のところは富山県ですからよく克雪ということをおっしゃいますけれども、鹿児島県の方は克灰ということをおっしゃっておりました。何とかこの灰を克服をしていかなければならないということで、いろいろ努力をされているわけですね。しかし、これは先ほどもお話がありましたように、桜島というのは非常に長期的にわたりまして噴火活動が続いているわけです。観測研究いろいろ進めていますが、いつまでそれが続くかということの予想ができませんし、そういう中で住民の皆さん方あるいは地方自治体の皆さん方もそれぞれが努力をされているわけでございますけれども、大臣のこれもう克雪ということで、ある面では同じような苦しみというものを味わってみえるところかと思いますが、その点について大臣にもいろいろと要望が出ております。ぜひともこれは、私たちとしましても、同僚委員と同じように、この点については改善あるいは何とか実施をお願いしたいと思っております。その点どうでしょうか。最後に一言。
  133. 綿貫民輔

    国務大臣綿貫民輔君) 桜島降灰によりまして地元の皆様方は大変御苦労をされておるということは、承っておるところでございます。また、先ほどからお話のありました懇談会等の提言も踏まえて、なるべくきめ細かい対策もやっておりますが、今お話しの基本的な問題につきまして、地元でも六十三年度をめどに火山と人間生活というシンポジウムを世界的な規模でやってみたいというような希望もあるようであります。そういう試みがもし実施されるようであれば、政府といたしましてもこれにひとつお手伝いをさせていただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  雪の問題と比較をされましたが、雪は後から水資源になるけれども、灰は後に何にもならぬじゃないかというような御指摘もありますが、灰の利用などにつきましてもいろいろと工夫もされておるようでありますが、できるだけ地元の皆様方の御迷惑が災いを転じて福になるような方法はないか、皆さんと一緒に考えてまいりたいと考えております。
  134. 片上公人

    ○片上公人君 私の方からは、私の地元である神戸で先日起こりました火災についてお伺いしたいと思います。  去る七月の三十一日の深夜、神戸市の精神薄弱者施設、陽気寮というところでございますが、そこで火災のために二十七歳から四十一歳の寮生八人が逃げおくれて焼死するという大変痛ましい災害が起きました。災害は多くの場合重大な欠陥や油断で起こるものでございますけれども、今回は防火施設、また避難訓練等、消防署の査察にも合格しており、大きな欠陥はなかったように聞いておりますけれども、それにもかかわらず死者が八名と、余りにも被害者が多数でございます。地元ではベランダにはしごはなかったんではないかとか、人災の声も若干上がっておりますけれども、査察の方が十分であったかどうか、また出火の原因につきましてもいまだ不明のようでありまして、消防当局として今回の精薄施設の火災についてどのように考え、今後どう指導していくのかお伺いしたいと思います。
  135. 木下英敏

    説明員(木下英敏君) お答え申し上げます。  現地消防機関におきましては、防火管理面なりあるいは消防設備面等におきまして日ごろから施設側の指導を行い、また施設側も適切な対応を図っておりまして、全体としては防火安全の確保が図られてきたと考えておるわけでございますが、それにもかかわらず、今回の火災におきまして八人もの死者を出したことは非常に遺憾に思っている次第でございます。  火災原因等につきましては現在調査中でございますが、今回の火災を踏まえまして、この種の社会福祉施設につきまして従前にも増して防火安全の徹底を図っていく必要があると考えまして、実は本日付で通知を出したところでございます。これは、反省点を含めまして通知を出したところでございます。  主な点は四つございまして、一つは避難路の確保と申しますか、安全な避難経路を実態に即して図っていく必要がある。それから二番目といたしまして、今回の場合は死者の中でいわゆる重度者が多かったわけでございますが、そうした自力避難が極めて困難な者に対しましては、すぐ避難できる階、今回の場合は二階で皆さん死亡されたわけですが、通常は一階、すぐ避難できる階、いわゆる避難階と言っておりますが、そういったところにできるだけ収容するように指導できないものか。三点目といたしましては、避難訓練でございますが、これはかなり頻繁に避難訓練は施設側の方でもやっておったわけでございますけれども、今後とも収容者の実態に応じた避難訓練の強化に努めていく必要があるということ。四点目といたしましては、今回、消防機関への通報が若干おくれたことを踏まえまして、早期に的確に通報することについての徹底を図っていく必要がある。こうした四点を中心としまして、防火安全の確保について全力を挙げるよう全国の消防機関を指導したところでございます。  今後とも、社会福祉施設につきまして再びこのような惨事を繰り返すことのないように、関係行政機関とも連携をとりながら、収容者の判断能力なりあるいは収容者の行動能力、そういったものに対応した適切な防火安全対策というものを推進してまいりたいと、このように考えております。
  136. 片上公人

    ○片上公人君 今回の神戸市の火災、また昨年の長野市の地すべりで死者二十六名を出しました老人ホーム松寿荘の災害にいたしましても、高齢者、社会的、身体的に弱い人々が犠牲になるというのは、これは大変痛ましい限りでございます。既に長野市の松寿荘の方では、再建に当たりまして、今回の事故を生かしまして住民の協力態勢、また非常口への経路、階段の整備、非常用サイレン、スピーカーの設置等、今までにない工夫がなされていると聞いておりますけれども、厚生省の方ですが、今後このような施設でのいわゆる高齢者、身体的に弱い人々を事故から守るためにどのような方策を講じていくのかお伺いしたい、このように思います。
  137. 村岡輝三

    説明員(村岡輝三君) お答え申し上げます。  入所者を保護すべき社会福祉施設において事故があってはならないということで、これまでも折に触れ指導してきたところでございますが、今回のような事態の発生を見ましたことはまことに残念でもあり、遺憾でもあるというふうに存じております。  厚生省といたしましては、精神薄弱者援護施設等の社会福祉施設における災害の発生を防止いたしまして入所者の事故防止を図るための方策といたしましては、施設を耐火建築物にするなどの基準を定めるとともに、そのための施設や設備の整備、あるいは人の配置に必要な国庫補助を行っております。また施設運営上も、非常災害に備えまして避難訓練の実施につきまして定めるなどの対策を講じておるところでございます。  不幸にも、今回、精神薄弱者援護施設の火災によりまして多数の死亡事故が発生したところでございますけれども、入所者が社会的、身体的弱者であることを考慮いたしまして、このような事態の再発防止につきましては、今後とも基準が守られまして、適切な運営が図られるよう、県等を通じまして各施設に対し指導をしていきたいというふうに考えております。  また、この施設につきましては、当面の対策のほか、さらに再建の問題等、現在検討をされておるということでございますが、私どもといたしましても、その再建に当たりましては、いろいろな施設の置かれた状況を踏まえつつ、種々の工夫を行うことは重要な問題である、大切なことであるというふうに考えておりますので、今後具体的に検討、兵庫県を通じまして、その再建計画につきましては指導いたしまして、適切な施設となりますような配慮を行っていきたいというふうに考えております。
  138. 諫山博

    諫山博君 災害は忘れたころやってくるという言葉は、昔は名言とされましたけれども、今はもう災害は忘れないうちにやってくるようになりました。当然、政治もこれに対応しなければならないと思います。  そこで、鹿児島のシラス台のがけ崩れの問題です。この点については、多くの委員から指摘されましたように、急傾斜地崩壊防止対策をもっと急ぐということが必要です。そして、昭和四十二年から数えまして、まだ全国で一七%程度しか進んでいないということも明らかにされております。問題は、事業が全体としておくれているだけではなくて、進捗の状況が年々低下しているのではないかということです。私は、事業が全体としておくれているだけではなくて、この十年間、あるいはこの数年間、事業の進捗が鈍化してきたと思いますけれども、この問題について建設省からの説明、もしそうだとすれば原因はどこにあるのかということをお聞きします。
  139. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) お答えいたします。  鹿児島県におきますところの急傾斜地崩壊対策事業でございますけれども、シラス地帯という特性にかんがみまして、進捗を図ってきたところでございます。それで、全国的には、今先生がおっしゃいましたように、約一七%の、昭和六十年度末の整備率でございますが、一七%になっておるわけでございますが、鹿児島県内におきましては整備率は二〇%ということで、全国平均を上回った進捗を示しておるわけでございます。  急傾斜地崩壊対策事業でございますけれども、昭和四十二年度から実施してきておるわけでございますけれども、人命をがけ崩れ災害から守るという事業の重要性にかんがみまして、近年の厳しい財政事情ではございますけれども、対前年度を上回った予算確保いたしまして、危険箇所の整備の促進を図ってきたところでございます。今後とも事業の重要性及び今回の災害の実態等にかんがみまして、その推進に一層の努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
  140. 諫山博

    諫山博君 二十年間で一七%進んだということですけれども、問題は全国的にこの進捗状況が鈍化してきたのではないかということです。この点はどうですか。
  141. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) 近年の厳しい財政事情ではございますけれども、先ほどから申しておりますように、事業の重要性にかんがみまして、私どもといたしましては対前年度を上回る予算確保に努めてきたところでございまして、昭和五十五年度以降におきましても、平均の伸び率は約四%ということでございます。今後とも、そういった事業の重要性にかんがみまして、予算確保にはより一層努力してまいりたいというふうに考えております。
  142. 諫山博

    諫山博君 もちろん、大いに努力していただく必要がありますけれども、進捗の比率は低下していませんか、予算の絶対額は別として。その点どうでしょう。
  143. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) 最近におきましては、大体一年間に一%程度の進捗状況でございまして、整備率の進展度合いも大体同様な程度というふうになっておるところでございます。
  144. 諫山博

    諫山博君 次に、被災者の公営住宅入居の問題です。  本来でしたら、応急仮設住宅被災者が入居するのが普通の姿でしょうけれども、今度の鹿児島の場合はみんな市営住宅、県営住宅に入っております。これはさっき御説明のとおりです。応急仮設住宅に入りますと、敷金も要らない、家賃も要らないという状況のようですけれども、今鹿児島では県営住宅、市営住宅に入っている人は敷金も払わされるし、家賃も取られるし、保証人も立てさせられるというような状況だと聞いております。この場合、確かに公営住宅法の適用を受けましょうけれども、公営住宅法では、特別の事情がある場合には敷金を取らないこともできるし、家賃を減免することもできるというようになっていますけれども、本件のように応急仮設住宅のかわりとして公営住宅に入居する場合には、敷金とか家賃は取らないように指導すべきだと思いますが、どうでしょう。
  145. 三井康壽

    説明員(三井康壽君) 公営住宅災害を受けられました方がお入りになっていただきましたときの家賃あるいは敷金についての公営住宅制度としての減免あるいは徴収猶予ができるということは、先生おっしゃったとおりでございます。したがいまして、制度といたしましては、一義的には事業主体に判断がゆだねられているというわけでございます。その災害状況、入居者の実情に応じまして、この制度を適切に御活用いただきたいというのが私どもの考えでございます。
  146. 諫山博

    諫山博君 この問題で、全国的にどういう処理がされてきたのか、さらに今私が指摘しましたように、応急仮設住宅の代用品として公営住宅に入居するわけですから、家賃とか敷金などは徴収すべきではないという指導をしてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。もっとも、この機会に将来五年でも六年でも公営住宅に永続して居住したいという場合は別だと思いますけれども、応急として公営住宅に入る場合は家賃とか敷金は取るべきではないという指導をしていただけるかどうか。
  147. 三井康壽

    説明員(三井康壽君) まず、ほかの災害の例についてお答えを申し上げたいと思いますが、最近の幾つかの災害、例えば昨年の長野県、あるいは一昨々年の島根県、その前の長崎県で調べてみますと、災害によりまして公営住宅にお入りになりました方々は、それぞれの事業主体によって差はございますけれども、家賃の減額あるいは免除、そういった例が多いわけでございます。  そこで、今御質問の応急仮設住宅の代替としてというふうな御質問でございますが、応急仮設住宅をおつくりになるかどうかというのはそれぞれの自治体におきます御判断であろうと思います。したがいまして、公営住宅制度といたしましては、事業主体が、公営住宅に入られる際に、災害という特別な事情に当たりまして、やはり減免をしたらいいんじゃないか、あるいは徴収猶予をしたらいいんじゃないかというふうな御判断を第一義的にするべきだと思います。しかし、建設省としましては、こういった災害というのは大変入居者、入居しておられる方には御負担、御損害があるわけでございますから、それなりの適切な措置をとるべきではないかと、そういうふうなことを指導してまいりたいと考えております。
  148. 諫山博

    諫山博君 何しろがけ崩れで家がつぶれる、埋まってしまう、そして家族から犠牲者も出るというような人が県営住宅、市営住宅に入って敷金を取られる、家賃も払わされるというのでは、どう考えても正しくないと思いますから、具体的に鹿児島の問題で指導していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  149. 三井康壽

    説明員(三井康壽君) 鹿児島県と十分お話し合いをさせていただきたいと考えております。
  150. 諫山博

    諫山博君 次に、堆積土砂の排除の問題です。  鹿児島の方で調べますと、一定の場所まで土砂を搬出するのは個人の負担、もっとも一応費用の限度があるようですけれども、一定の場所までは個人で負担して、それから先は公費で土砂を排除するということが行われているそうです。これは、例えば水害で布団がぬれたとか、テレビが使えなくなったからどこかに運ぶというのならこういう取り扱いもあり得ると思いますけれども、今度の場合は宅地に山が崩れ落ちてきたわけです。この土砂を個人の力で排除するということは到底できません。ぜひこれは個人負担なしに、公費で土砂を排出してもらいたい。同時に、既に個人で土砂を排除したものについてはそれなりの金銭的な補償をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  151. 佐藤本次郎

    説明員佐藤本次郎君) お答えいたします。  宅地内の堆積土砂排除事業都市災害復旧事業の一環として実施してございますが、原則といたしましては、市町村長が指定いたしました集積場所に集められました土砂を対象といたしまして実施しているわけでございます。しかし、宅地内の堆積土砂をそのまま放置いたしますと公益上重大な支障があるというような場合には、直接排除することも可能となっているわけでございます。  今回の鹿児島市における場合におきましては、堆積土砂の量とか範囲とか、それから地域の条件等、また及び台風シーズンを迎えてございますので、鹿児島市が直接排除するという方向で現在復旧を進めております。  以上でございます。
  152. 諫山博

    諫山博君 私の調査では、全部公費で排除するようになっていないということですけれども、あり方としてはすべて公費で土砂は排除することになっている、個人の負担はないということに聞いていいですか。
  153. 佐藤本次郎

    説明員佐藤本次郎君) お答えいたします。  先ほど申し上げました、そのまま放置しておきますと公益上非常に重大な支障があるという場合には、公費で宅地から直接排除してございます。したがいまして、鹿児島市におきましても、そういうものでございましたらば公費で直接排除することになると思いますし、現段階で私どもがお伺いして報告を受けておりますのでは、大部分がそのような対象になっていると聞いております。  以上でございます。
  154. 諫山博

    諫山博君 既に自分の費用で排除した人もたくさんおられるそうですけれども、これはどうなりますか。
  155. 佐藤本次郎

    説明員佐藤本次郎君) お答えいたします。  実態を十分調査させていただきまして対応させていただきたいと思いますけれども、個人で排除することが、その排除する場所、指定した場所等々におきまして問題なければ、公費の負担はないかとも思います。これは実態調査してみないとわかりません。
  156. 諫山博

    諫山博君 個人で排除したのは、公の力による排除で間に合わないから自分でやったわけですね。それから、この土砂というのは、要するに山が崩れ落ちてきたわけですよ。個人の力でどうこうなるものではありませんから、ぜひ実態を調査して、個人の過重な負担にならないような指導をする。排除がおくれて、そのために個人負担で土砂を排出した例があるとすれば、これは何らかのやはり回復措置を講じていただくということを要望しますけれども、いかがでしょう。
  157. 佐藤本次郎

    説明員佐藤本次郎君) お答えいたします。  鹿児島県当局並びに鹿児島市当局と、十分これから調査させていただきまして、検討さしていただきたいと思いますけれども、公費で負担できる範囲のものであれば公費で負担することになるんじゃないかと思っております。
  158. 諫山博

    諫山博君 次に、関東、東北の水害問題です。  既に多くの委員から指摘されましたけれども、水門箇所が決壊した、しかもこれは初めてではなくて、数年前の場合も、場所は違いますけれども、同じような決壊をしているということが新聞でも報道されております。そこで、今後こういう災害を未然に防ぐために、河川決壊の原因を速やかに徹底的に究明していただきたいということが第一。第二は、河川工作物の設置箇所について安全性について総点称すべきだと思いますが、どうでしょう。
  159. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 今回の東北、関東地方の水害につきましては、御承知のとおり、観測史を上回るような大集中豪雨によって発生したものでございまして、直轄区間におきましても、計画高水位を上回る水系が四水系と、しかも極めて長時間にわたって出水が続いたということでございます。  計画高水位は、申し上げますまでもなく、河川改修工事が完了した段階においてもその水位以下で洪水を流そうと想定しておるものでございまして、一応今回の出水は、我々としては本来対象予定としていた洪水をはるかに上回った洪水というふうに考えておりまして、主要な原因はこれではないかと思っております。  なお、ただいま水門等が決壊した箇所にあったという事実は私ども承知しておりますので、今後ともこの問題については点検し、必要に応じては十分補強工事をしていきたいというふうに考えております。
  160. 諫山博

    諫山博君 予想を上回る豪雨だったから仕方がないというのでしたら、政治は必要ありません。やはりそういう言い方ではなくて、科学的に原因を究明するということを要望します。  そこで、国鉄の方にお聞きしますけれども、おられますか。——今度の水害で幾つかの国鉄の路線が破壊されています。当然早期復旧が望まれるわけですけれども、破壊された国鉄の中に真岡線と言うそうですけれども、国鉄分割・民営化に伴う廃止予定の路線が含まれている。これは廃止予定だというので復旧工事をしないのではないかとか、復旧工事をしても最後の最後に回されるのではないかということが地元で大変憂慮されていますけれども、どうでしょう。
  161. 美藤恭久

    説明員美藤恭久君) ただいま御質問ございましたが、私ども災害の復旧につきましては極力速やかに原形に復するというのが基本でございまして、今回の水郡線ほか三線区でいろいろと被害を受けておりますが、鋭意復旧に努めておりまして、先ほど先生御指摘のような真岡線だけおくらせているのではないかと、そういったようなことはございませんで、全般的に鋭意復旧に努力をしておるところでございます。
  162. 諫山博

    諫山博君 重ねてお聞きしますけれども、真岡線だけを特別扱いするようなことはないと聞いていいでしょうか。
  163. 美藤恭久

    説明員美藤恭久君) 今、不通区間全線にわたりまして一斉に復旧に努めております。
  164. 諫山博

    諫山博君 気象庁の関係の方に質問します。  ことしの一月ごろから鹿児島の新聞を読みますと、鹿児島気象台で職員の人数が減らされる、五名減少の計画がある、これは大変だ、台風銀座と言われている鹿児島で気象台関係の職員の人数をこれほど減らしていいのかということが大変問題になっております。そして、全気象労働組合は反対の決議をするし、反対の署名運動を行っております。これは鹿児島気象台だけではなくて、全国的にそうだし、福岡でも全気象労働組合九州地方本部で同じような反対の署名運動を行ったことがあります。  そういう中での今度の鹿児島災害ですから、やはり気象庁の人員削減との関係が大変現地では心配されているわけです。私は、幾ら公務員削減の時代だといっても、こういう部門については人員は削減すべきではないと考えておりますけれども、気象庁の見解はいかがでしょう。
  165. 門脇俊一郎

    説明員門脇俊一郎君) お答えいたします。  ただいま先生から御質問のございました鹿児島地方気象台ほかの定員削減でございますが、内容といたしましては、鹿児島地方気象台の予報課から二名、同通信課から一名、それから鹿児島航空測候所というのがございますが、ここから二名の計五名でございます。  この削減を行うに至った経緯でございますが、まず鹿児島地方気象台の予報課と鹿児島航空測候所の職員の削減でございますが、これは昭和五十九年度に気象資料伝送網という非常に高速の通信回線の整備が九州地方に整いまして、そのために従来手作業で行っておりました観測データの記入でございますとか、あるいは天気図の作成、そういう手作業をすべて計算機で作図したものを高速度ファックスで送画するということに置きかえたわけでございます。このために予報作業の効率化が図られるということで、今回の削減措置を行ったものでございます。なお、通信課につきましても、同じく伝送網の整備に伴いまして保守業務の効率化が図られたということで、削減を行ったものでございます。  こういう気象資料伝送網の整備に伴いまして、従来の手作業で行っておりましたころに比べまして、一段と豊富な資料を迅速に入手できるという状態になりましたので、これらを今後十分に活用いたしまして、さらに的確な情報を適時に発表するように進めてまいりたい、そういうふうに考えている次第でございます。
  166. 諫山博

    諫山博君 同じようなことが労働組合との交渉でも言われたようですけれども、それは表面のきれいごとであって、本当の原因は政府の一貫した公務員の人員削減の一環ということではなかろうかと思いますから、この点はぜひ検討していただきたいと思います。  そこで、最後に国土庁長官に質問します。二点です。  一つは、鹿児島の場合も、あるいは関東、東北の場合も共通してますけれども、やはり災害防止のためにもっと予算をつぎ込むということがどうしても必要です。例えば鹿児島で問題になった急傾斜地の崩壊防止対策にしても、二十年間で全国では一七%しか仕事が進んでいない。割合進んだ鹿児島県でも二〇%だけだというようなことになりますと、百年河清を待つという言葉がありますけれども、まさにそういう実態です。これももっと金をつぎ込むという観点が不足しているからだと思います。その点では、臨調・行革路線による防災予算の削減ということが根本でしょうけれども、もっと防災のために金を使ってもらいたい。災害は忘れたころ来るんじゃなくて、忘れないうちに災害が来るというのが今の状況ですから、この点を要望します、第一に。  第二は、関東の問題について、天災融資法、激甚災害法の適用をぜひ急いで行ってもらいたいということです。まだ資料がそろってないという説明もありましたけれども、この点では努力をしていただきたいということを要望します。
  167. 綿貫民輔

    国務大臣綿貫民輔君) 災害対策の重要性につきましては、先ほどから委員の皆様方からそれぞれ御指摘のあったところでございますし、私どもも十分そのことは承知しておるつもりでこざいます。これは国の基本政策でございまして、私どもも災害に対する予算はできるだけ確保するように努力をしてまいっておりますし、今後もしてまいるつもりでございます。  それから、激甚災害の問題につきましても、これは先ほどから皆様方から御指摘があったところでございまして、今現地状況をなるべく早く把握をして、その問題を検討したいと考えております。
  168. 勝木健司

    勝木健司君 私は、去る四日の台風十号崩れの温帯低気圧がもたらしました関東、東北地方を襲った水害及びことし七月の梅雨前線に伴う鹿児島集中豪雨によるがけ崩れ、さらには桜島火山活動による降灰被害などに関連して、二、三お伺いいたします。  まず、今回のたび重なる災害により犠牲になられました方々に対しまして、心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対して心よりお見舞い申し上げたいと存じます。さらに、警戒、救助、復旧に際しまして御尽力されました自衛隊、消防、警察、政府関係機関方々に敬意を表します。  さて、八月四日に台風十号がもたらしました豪雨により、関東、東北地方に甚大な被害をもたらしていますが、我が党といたしましても、党独自の調査団を出して、現地調査をしておりますが、現地状況は思ったより非常にひどいものであります。特にがけ崩れなどにより、とうとい人命が奪われております。さらには、河川のはんらんにより、想像を絶する被害をもたらしております。  そこで、まず建設省にお伺いいたしますが、小貝川を初めとした中小河川の改修状況はどうなっているのか、またこれらの河川の堤防の決壊が相次いで起こっていますが、これはことしが初めての決壊ではなく、何か堤防そのものの構造とか強度などに原因があるのではないか。今後は河川の改修につきまして抜本的に見直しを図るとともに、その整備を急ぐ必要があると思われます。さらには、被災に遭われた方々住宅の復旧のために、住宅金融公庫災害復旧融資の活用を早急に図るべきだと考えますが、建設省としてのお考えをお伺いいたします。
  169. 近藤徹

    説明員(近藤徹君) 河川改修の現状はどうか、それから堤防決壊等があるのは問題はないのか、それから河川改修計画について見直しの要はあるのか、以上三点についてお答えしたいと思います。  まず、河川改修の現状でございますが、我々は河川改修をするに当たりまして、洪水を防御しようとする対象の規模を定めるわけでございますが、一応、直轄河川等の大河川におきましては、百年以上の洪水に対しても十分安全なように対応してまいりたい。また、中小河川についても、一応三十年とか五十年程度に発生する洪水には十分安全なように対処してまいりたいというふうに大きな目標を立てております。しかしながら、この安全度を確保するまでには相当の予算、時間がかかりますので、当面それより低い段階の目標を設定しております。  例えば大河川におきましては、終戦後に発生しました洪水に対して、一応再度災害を防止するまでの安全度にしたい。また、中小河川にしましても、五年から十年に起こる程度の集中豪雨に対して安全度を一応確保したいというふうに考えております。  この当面の目標に対しまして、現在のところ、大河川におきましては昭和六十年度末で約六〇%程度の整備率、中小河川におきましては、この当面目標に対して約二〇%程度の状況でこざいまして、したがって、今回のような記録的な豪雨が発生しますとはんらんは避けられないというのが遺憾ながら現状でございます。今後、河川改修の促進に努力してまいりたいと存じます。  なお今回、小貝川等の河川において堤防決壊が生じております。今回の十号崩れの豪雨によりましては、観測史上まれに見る大豪雨であったところから、直轄河川十四水系で警戒水位、一応危険が発生すると思われる水位以上になりましたのは全国十四水系でございますが、とりわけ五河川におきましては計画高水位、我々が河川改修が完了した時点において、この水位以下で洪水を流そうとしているその目標の水位を上回るものが五河川あったわけでございまして、これが長時間にわたって続いたということで、実は河川改修工事が仮に完了した段階でも避けられないような大水害であったと存じます。  それから、河川改修計画を見直してはどうかということでございますが、先ほどのような目標水準を設定し、我々としてはできるだけ大きな水準で改修を進めたいと存じておりますが、現状の河川整備の水準から見ますと、いきなり高い段階に持っていくとしますと、その改修の効果が全国に及ぶのに極めて長時間かかりますので、当面は先ほど御説明申し上げましたような段階的な施工によりまして、    〔委員長退席、理事青木薪次君着席〕 多少安全度は低くても、全国的に早く改修の効果を及ぼすように努力してまいる所存でございます。
  170. 荒田建

    説明員(荒田建君) 被災者に対する住宅金融公庫の融資の関係についてお答え申し上げます。  台風十号関係の被災された方々、被災住宅の復興に当たりまして、住宅金融公庫、本日八月八日から災害復興住宅資金貸し付けの受け付けを開始しております。NHKですとかあるいは地元紙等に募集をする旨を発表しておりまして、本日からいつでも相談に応ずる態勢になっております。
  171. 勝木健司

    勝木健司君 次は国土庁にお願いしたいことでありますが、栃木県茂木町などでは町の市街地のほとんどが被害に遭っております。今回の被害の甚大さにかんがみて激甚災害の指定を行うべきではないのか、国として検討していただきたいと思います。これにつきましては多くの先生が要望として挙げられておりますので、御要望申し上げます。  次に、七月の梅雨前線による豪雨によるがけ崩れ、浸水、河川のはんらんなどによって、鹿児島市を中心とした記録的な豪雨により三十三名の犠牲者を出しております。鹿児島シラス土壌であり、その地質が豪雨に弱いことは過去の例からもわかっていたことであります。この点については政府地元も十分に認識されていたことと考えますが、先ほどから指摘されておりますように、死者十八名、負傷者十五名を出すなどの犠牲を出しております。そこで、今回の災害で犠牲者を出すまで、四十四年、四十六年、そして五十一年のシラスのがけ崩れによる災害以来どのような対策を講じられてきたのか。また、鹿児島市内は三百カ所を超えるがけ崩れの危険地域が指定されているとのことでありますが、今回の大きな被害に適った平之町、上竜尾町、武二丁目などの地域はどのような状況になっていたのか、危険箇所に指定されていたのか、林野庁及び建設省にお伺いしたいと思います。
  172. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) お答えいたします。  鹿児島県におきます急傾斜地崩壊危険箇所につきましては、シラス地帯という非常に特殊な地質にかんがみまして、対策事業の積極的な促進に努めてきたところでございます。その結果、整備率は昭和六十年度末で約二〇%に達しておりまして、全国平均の整備率約一七%を上回る結果となっておるわけでございます。今後とも事業の重要性及び今回の災害の実態にかんがみまして、その推進に一層の努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  それから、次にお尋ねの平之町、上竜尾、それから武二丁目の地区でございますけれども、急傾斜地崩壊危険区域の指定につきましては、上竜尾地区並びに武二丁目地区につきましては既に指定済みでございます。  以上でございます。
  173. 岡本敬三

    説明員(岡本敬三君) 先生御指摘の平之町、上竜尾町、武二丁目地区等につきまして災害危険地区の指定はどうかということでございますが、林野庁といたしましては、その三地域とも災害危険地区として把握を既にしていた箇所でございます。  なお、対策といたしましては、それぞれの危険地につきまして実施いたしてきておりまして、全国的には実施率が三〇%ということになっております。なお、鹿児島におきましては四〇%の実施率でございます。  以上でございます。
  174. 勝木健司

    勝木健司君 がけ崩れなど危険地域の見直しを行い、まず防災、災害が生じないよう災害対策強化を講じるべきでありますが、この点、建設省はどのような対策を講じられておるのかということでありますけれども、時間の関係で、他の先生も危険地域の見直しということで言われておりますので、要望にとどめたいというふうに思います。  また、災害など危険な状況が生じようとしている際に、警戒、素早い避難態勢をとれるようにする必要があると考えます。ところが犠牲者が出ました。ここに昭和五十七年七月の長崎災害に関する科学技術庁の調査がありますが、これによりますと、避難指示を受けても四人のうち三人は避難していなかったと言われます。今回の惨事におきましても、日ごろから避難の訓練を初め十分な避難の指示が行き渡っていたのかどうか。また、そのタイミングなど今後一層の検討を加える必要があるのではないでしょうか。この点につきまして消防庁にお伺いいたします。
  175. 田中基介

    説明員(田中基介君) 災害が発生する場合にできるだけ早い避難態勢、これを実施することが最も基本になるわけでございまして、日ごろから避難訓練、避難指示等消防機関に対する指導は行っておるわけでございますが、今回、先ほど来申し上げておりますが、避難の勧告等をやりましたけれども、結果的に十八名もの方がお亡くなりになったということでございます。私ども、この貴重な教訓を生かしまして、こういうことがないように避難態勢の整備充実にこれからも指導に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
  176. 勝木健司

    勝木健司君 がけ崩れなどの災害が近年多発しているという状況であります。また、このような危険箇所などを昭和六十年度に総点検を行っているはずでありますが、その整備率はどのくらいなのか、国土庁及び建設省にお伺いいたします。
  177. 友松靖夫

    説明員(友松靖夫君) お答え申し上げます。  現在建設省で把握をいたしております土砂災害危険箇所は、土石流危険渓流、それから地すべり危険箇所、急傾斜地崩壊危険箇所の三種類がございます。そのうち、土石流危険渓流につきましては、現在全国で六万二千二百七十二渓流ございまして、昭和六十年度末現在におきます整備率は約一七%でございます。  なお、地すべり、急傾斜地につきましては傾斜地保全課長の方からお答えいたします。
  178. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) 地すべり危険箇所でございますけれども、建設省の所管分は全国で五千七百七十七カ所ございます。昭和六十年度末におきます整備率は約二六%となってございます。  それから、急傾斜地崩壊危険箇所でございますけれども、全国で七万二千二百七十二カ所ございまして、昭和六十年度末におきますところの整備率は約一七%というふうになってございます。  それから、先ほどの指定の話でございますが、ちょっとつけ加えさせていただきますと、鹿児島市におきましてはシラス土壌という特殊性にかんがみまして従来から指定の促進を図っておりまして、鹿児島市におきましては約三六%の指定率になっております。なお、全国の指定率の平均は一九%でございます。  以上でございます。
  179. 勝木健司

    勝木健司君 さて、次は桜島降灰対策についてでありますが、この桜島降灰対策については個別の実情に応じて対策が行われてきております。一昨年末には桜島懇談会の提言も行われており、近年の降灰の激化に対処するためなお一層の対策の拡充が必要と考えます。中でも文教施設関係において、特に学校のプール上屋の整備について一層の促進を図る必要があると考えます。プール上屋の整備ができているのは現在十六校と聞いておりますが、整備を必要とする学校は八十校余ではありませんか。教育的見地からも急ぐべきだと考えます。文部省にお伺いしますが、学校プール上屋の設置状況はどうなのか、またこれの整備促進について、対処方針はどうなのかお伺いいたします。
  180. 岡行輔

    説明員(岡行輔君) お答えいたします。  降灰防除地域におきます学校プール上屋の整備状況でありますけれども、昨年度までの段階で八校でございましたけれども、本年度文部省が地元の要請がございました十六夜について補助措置を講じましたので、これらを含めますと六十一年度で二十五校という状況になります。来年度以降の対処方針につきましては、これもまた地元の要請にできるだけこたえる方針で臨みたいというように考えております。
  181. 勝木健司

    勝木健司君 また、降灰火山ガスなどの人体への影響が心配されるところであります。小学校の校庭の木が枯れたり、三角ジムの根元が腐食したりしておりますが、これでは児童生徒の健康が心配されます。健康診断を含め健康面への対策を十分に行われるよう強く要望いたします。  次に、噴石などを避ける避難所のふだんの管理、緊急時の避難態勢の方法など、住民への徹底方はどのようになっているのか、消防庁にお伺いしたいと思います。
  182. 田中基介

    説明員(田中基介君) 現在、桜島の周辺には待避ごう三十七、それから避難舎二十一が整備されておりますが、いずれも地元の市とそれから町において管理をしておるところでございます。  また、住民の避難態勢につきましては、鹿児島気象台から異常時に臨時火山情報が出されますが、これを受けた県、市、町、警察、放送機関は屋外スピーカー、サイレン、広報車などあらゆる手段を使いまして住民に情報を伝達することとしております。  また、これらについて住民に対する啓蒙についてでございますが、地元市町におきましては年一回大正噴火記念日の前後に市と町と住民が一体となって消防機関、警察、小中学校その他の関係機関の参加を得まして、防災訓練を行っておるということでございます。さらに、住民への啓蒙対策としましては、広報紙でありますとかチラシでありますとか、その他さまざまな手段によりまして住民へこの趣旨の徹底を図っておると、こういうことのようでございます。
  183. 勝木健司

    勝木健司君 最後になりますが、これからも台風シーズンなど災害が生じやすい時期でありますが、防災、災害復旧に当たっての国土庁長官の御見解をお伺いして質問を終わります。
  184. 綿貫民輔

    国務大臣綿貫民輔君) 災害が発生いたしました場合には、緊急、的確に対処すべく各省庁との連絡を密にして国土庁はやってまいっておりますが、今後もその方針で頑張ってまいりたいと考えております。
  185. 秋山肇

    秋山肇君 この委員会の冒頭で青木理事さんから先日の私どもの鹿児島の視察についての報告があったわけですが、このときにいろいろ先ほどの先生方からもお話がありましたけれども、鹿児島県、鹿児島市を初めとする関係市町から要望がありましたことにつきましては、ぜひとも国土庁長官にはこの推進方をよろしくお願い申し上げたい。まず要望を最初に申し上げておきたいと思います。  先ほど来先生方から質問がありまして、この鹿児島のシラス台地の問題、この急傾斜地が崩れてしまってから、いろいろな災害が出てからということであってはならないと思うんですが、今までのこの斜面対策についてはこの斜面、雨が多かったから、あのような雨だったから仕方がないということであってはならないと思うんですが、あの自然の状態、先ほど来木が、ナラの木があった、クスがあったということでありますし、そのような自然の状態を生かしながら何とかこの保全をするという方法、例えば私はこの急斜面でありますけれども、平らなわけはないわけでありますからその中にアンジュレーションがあるわけで、そのようなところに水道を最初からつくっておくというような対策実施したら効果があるんではないかなと思うんですが、この点についてはいかがでしょうか。
  186. 渡邉義正

    説明員(渡邉義正君) お答えいたします。    〔理事青木薪次君退席、委員長着席〕  斜面におきます表流水の処理でございますけれども、これの重要性につきましては先生御指摘のとおり、私どもといたしましても十分認識しておるところでございますけれども、急傾斜地崩壊防止工事と申しますのは、地形でございますとか地質それから植生等の素因を十分に把握した上で、斜面対策実施すべきだというふうに考えておるわけでございます。  また、その斜面対策でございますけれども、住民からの情報等も踏まえまして優先度の高い箇所から急傾斜地崩壊対策事業として採択いたしまして対策実施してきたところでございますが、今後とも効率的にその整備を図ってまいりたいというふうに考えております。
  187. 秋山肇

    秋山肇君 それから次に、降灰対策についてでありますが、それぞれ私どもも降灰への施設だとかいろいろな施設を見せていただきました。この中で感じました、先ほど来皆さん方から質問もありましたから重複を避けますが、学校施設のプール上屋大竜小学校では簡易なビニール上屋がかけてありましてこれがたしか六百二十万、そして黒神小学校では恒久的な上屋がその倍、千二百数十万ということであったんですが、今勝木先生からも質問がありましたけれども、これを全校に当然つけるということも進めながら、ただ単にあのようなものでなくて、特に桜島の方においては黒神小学校初めあちらの学校においては恒久的な施設でありますから、これを通年利用できる、もう一歩進めて温水プール化をして外で体育ができない場合にこのプールを利用して子供さんたちの体育授業の補完をするというようなことはできないのかどうか、これは文部省のお答えだと思いますがお願いいたします。
  188. 岡行輔

    説明員(岡行輔君) 本年度桜島降灰対策として文部省が補助対象にしております学校プール上屋というのは、比較的構造が簡易にできておりまして、骨組みが鉄パイプでできておりますけれども、屋根がビニールで覆われた構造になっております。昨年度まで補助対象としてきましたプール上屋につきましては、これに比べますとかなり頑丈な構造のものになっております。これは降灰地域の降灰状況によるものでございまして、頑丈なものにしますとプールがやや暗くなるというような欠陥もございます。いずれにしましても、どのような構造にするかということにつきましては、地域の事情を十分考慮しまして、地域の要請にこたえる形で対処をしていきたいというように考えておるわけでございます。  ただ、御指摘のプールの温水化ということにつきましては、現在文部省では児童生徒も含めまして地域住民全体が利用されます社会体育用のプールにつきましては、温水のものも補助対象としているわけでございますけれども、学校プール全体の温水化ということにつきましては数も多うございまして、直ちにこれについて助成策を講ずるということは困難でございますが、したがいまして、当面は従来どおりの形で学校プールの設置促進を図ってまいりたい、このように考えております。
  189. 秋山肇

    秋山肇君 文部省のお考えはわかるんですが、降灰があってこの除去をする費用とかいろいろな面を考えますと、この桜島、少なくとも桜島については特殊事情ということでお考えをいただくということにしていただきたいなと思うわけであります。  次に、桜島の火山対策ですが、避難港であるとか避難どうそれから土石流の施設、いろいろな対応というようなものも見せていただきました。先ほど太田先生からもこの点については質問があってダブるかもしれませんが、噴火の予知の観測体制、そしてそれが近隣や他の機関と連携がどのようになっているのかということと、先ほど勝木先生の質問で消防庁からも住民に対しての伝達についてはお答えがありましたけれども、ダブりますけれども、これくどいようですが、特に東京で三宅島の噴火のときに事前の訓練がなされていたので全然けが人もなかった、死傷者ゼロというようなことがあったわけですから、ダブりますけれどもこの点についてもう一度お伺いしたいと思います。
  190. 鈴置哲朗

    説明員(鈴置哲朗君) お答え申し上げます。  気象庁では、桜島におきます観測体制につきましては、震動観測装置、これは五点ございますが、傾斜計、震動データ計数装置、さらに赤外放射温度計等を用いまして二十四時間体制で火山監視を現在行っております。その監視に基づきまして適時火山情報を発表して防災に努めているところでございます。  それから御質問のもう一つでございますが、また大学等関係機関とは常時緊密に連絡をとっております。その連絡に基づきまして観測データその他資料を交換しておりまして、火山活動状況の把握に努めているところでございます。今後ともこれら機関との連携を一層強化してまいる所存でございます。  それから、最後でございますが、予知の問題でございます。火山噴火の予知に関しましては、現在鋭意研究が進められているという段階でございますが、まだ実用化の段階には至っていないというのが現状でございます。  以上でございます。
  191. 田中基介

    説明員(田中基介君) 桜島に異常事態が起きそうな場合には、臨時火山情報が地域防災計画に定められたルートに従いまして、鹿児島の気象台から直接及び鹿児島県を介して有線あるいは県の防災行政無線によりまして市町村、警察、放送機関、海上保安本部などに通報をされます。通報を受けましたこれらの機関では、屋外スピーカー、サイレン、広報車あるいはラジオ・テレビ放送等あらゆる手段を通じて住民に情報を伝達するということにされております。  また、近年その有効性が実証をされておりますが、市あるいは町から住民への情報を伝達する市町村防災行政無線がございますが、これは桜島町、鹿児島市とも整備済みでございまして、住民に対する情報の一斉伝達が可能になっているということでございます。  また、訓練につきましては、先ほども申し上げましたが、地元市及び町におきましては年一回、大正噴火記念日前後に市町住民が一体となりまして、関係機関の参加を得まして防災訓練を行っておる。また、そのほかの啓蒙対策につきましてもいろいろな形で、広報紙、チラシその他さまざまな手段によってその徹底に努めている、そういうことでございます。
  192. 秋山肇

    秋山肇君 今お答えがありましたけれども、この住民の避難訓練あるいはそういういろんな伝達の方法というのは、特にシラス台地のところ、がけ崩れのところでも十年ぐらいなかったので安心していたので、わざわざその通知を受けながらまたその現地を見に行ってせっかくの命をなくしてしまった方があるということもお聞きをしたわけですから、この辺は徹底してやっておくということが必要だろうというふうに思うわけでございます。  続きまして、台風十号で関東から東北にかけて非常な災害があって、それぞれの先生から質問があったわけですが、私はこの雨量が、先ほど防災局長からの資料の中に各地雨量が記されているわけですけれども、先ほど最初に青木先生からも鹿児島のシラス台地の雨量の問題について質問がありましたけれども、私もこれ素人ですけれども、観測点、気象庁の十七キロメッシュですか、先ほどのお答えの中にあっただけでなくてもっとネットワークを広げて、各市町村はもちろんですが、これは学校、小中学校、高校というような公共的な施設も子供の勉強ということも含めて雨量をはかる、あるいはいろんな測定器具が備えられるというようなもの、そしてこれとの連携を気象庁が、あるいは国土庁中心になるのかどうかわかりませんが、そういう情報をとる。そして、何でそんなことを言っているかといいますと、その観測地点だけじゃなくて、かなり雨量というのはちょっと違っただけでばらつきがあるんだろうというふうに思うわけでありますし、先ほど来茂木の上流、あの周辺に、茂木に降った雨よりもそのもっと奥に降った雨がどのぐらいなのかというのは私どもちょっとわかりませんけれども、そういうことがこれからも必要だというふうに思うわけでありますので、この点について気象庁ほか関連するところのお答えをいただきたいと思います。
  193. 山中陸男

    説明員(山中陸男君) お答えいたします。  気象庁の現在の雨量に対する観測体制について説明いたしたいと思います。  気象庁では、全国の百五十九カ所の気象官署で現在雨量の観測及び通報を行っていますけれども、そのほか全国で千三百十三カ所のアメダス雨量観測所で雨量計を設置しまして、ほぼ十七キロのメッシュで降雨の状況の常時監視を行っているところでございます。また、これと別に全国の二十カ所に気象レーダーを設けまして、降雨状況の監視を行っております。それで、このアメダスとそれからレーダー、これらの特徴を生かしまして気象レーダーとアメダスのデータをコンピューターで処理しまして、レーダーアメダス雨量合成図というものを作成して、これによりまして五キロメッシュの細やかさで雨量の常時監視を行う体制の整備を現在進めておるところでございます。  以上でございます。
  194. 秋山肇

    秋山肇君 民間との協力をというのは、これはどうですか。気象庁でお答えできなければ、どこかまとめて。私が言っている質問の意味がおわかりになっていないのかどうか。
  195. 山本重三

    説明員山本重三君) 雨量の計測につきましては、ただいま気象庁が基本的な雨量観測をやり、それによって各種の予警報等の情報を出しておりますが、また建設省においても河川情報システムというシステムを開発いたしまして、河川の流域についての雨量の情報等も提供しております。  先生申されましたそういった雨量観測に民間の協力体制を活用することはいかがなものか、こういった問題につきましては、今後また関係省庁とも十分協議しながらいろいろ勉強させていただきたいと思います。
  196. 秋山肇

    秋山肇君 今、防災局長からのお答えをいただきましたので、ぜひ進めていただきたいと思いますのは、これを各省庁実施をしていくということと同時に、民間にもいろんな協力ができる点を呼びかけていく、そして官民一体になってこの日本の全土というものの情報をキャッチをしていくということが必要だろうと思って私は申し上げましたので、この点につきまして最後に国土庁長官のお考えをお聞きをして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  197. 綿貫民輔

    国務大臣綿貫民輔君) 思い切った御提案でございますが、いろいろとまた研究をさせていただきたいと考えております。
  198. 久保亘

    委員長久保亘君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時散会