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丸谷金保君 どうも今の
局長さんの答弁を聞いていましても、私たちが肌で感じている、大変な
時代に入っているということに対する認識が非常に足りないんじゃないかという気がするんです。
種苗法の問題を私はもう何回も取り上げてきているんですが、今回も、御丁寧に答弁してもらっていると、とてもじゃないが、一日では済まないような大きな問題を持っておると思うんです。しかし、大臣も今北海道のためにソ連に行ってくださっているんですから、そういうこともありますので、
法案の成立には御協力しなきゃならぬと思うんです。しかし
問題点がないということでなく、たくさんあるんだということで、きょうは、そういうことを列挙するような形で
質問をさせていただきたいというふうに思っております。私は、
問題点をいろいろ挙げますけれ
ども、決して皆さんを困らせようと思っているわけでも何でもないんです。
先日、
局長さんの方に北海道新聞の記事をお上げしましたね、「ブドウの挿し木が始まる池田町」というやつです。ことしも約八万本の挿し木をやっているんです。そして、そのうちの三万本は池田町で
開発している「清見」という種類で、ようやく
種苗法の
品種登録にも出せるような段階です。二十五年かかっているんです。去年も出たかと思いますが、ことしもおたくの方のお世話になることにしようということになっているんで、この
制度が全面的にだめだと言う気はないんです。
しかし、五十三年のときから繰り返し申し上げておりますように、
最初はこの
品種登録では無性繁殖は守れないということだった。ブドウの
品種の
開発をして、それを無性繁殖で挿し木でどんどんふやしていくような場合には困った、つまり法律が出たときに、よしの髄から天井をのぞくように、うちの苗木はこれじゃ困るなというところから私は始まったんです。ところが、やっているうちによしの髄からのぞいた天井がだんだん広く見えるようになってきたんです。そうしましたら、とてもとてもそんな問題でなくて、
日本の
農業の将来にとって大変大きな国際的な競争の中において打ちかっていかなきゃならないという問題をたくさん包含している。しかし、それに対する現在の農水省なり各省の考え方というのは、まだそういう肌で感じる危機感を持っておられないので、幅広い勉強をさせていただくことになり、しつこく何遍でも御
質問しなきゃならないことになってきたわけなんです。ひとつ答弁するときにそこのところをよく理解しながら答弁していただきたい。また困ったことを
質問したなんというふうに思わないでくださいよ。
それで、今の御答弁を聞いていましても、例えば人工
種苗の問題で、現在のところはまだないけれ
どもと、こういうふうなことをおっしゃっているんです。もうすぐ真近に来ている問題について言うと、必ず、現在のところはない、現在はまだそこまでいっていないというふうな御答弁が返ってくるんです。繰り返すようですが、五十三年のときも私たちは、バイオの問題、もうすぐこの問題が来るのにこの法律でどうするんだ、こういうことを再三にわたって
質問したはずなんです。お酒をやっていますと、酵母のことが割と素人なりにわかるんです。酵素を
中心にした
遺伝子組みかえとか、人工酵素をつくるとか、合成するというふうなことがアメリカで始まったのはもう一九五六年なんです。ですから、五十三年当時も僕たちはもう肌で感じていたんですよ。それが全然その当時感じられていないんです。今の答弁を聞いていてもそうです。
人工
種苗の問題なんというのはもう農水省自体の中でもちゃんと出しているでしょう。これは大臣からいただいたんですから農水省に間違いないわけですわね。「
バイオテクノロジー 農林水産省」というんです。
局長、人工
種子の問題はここに出ているんですよ、ちゃんと。今のような何かのんびりした御答弁は、僕は非常に遺憾なんです。全部読みませんが、「大量に
生産することが可能になります。」と書いてあるんです。おたくで出しているんですよ。
それで、これから入るつもりなかったんですが、今聞いていて、余りにも何かずれがあるんでもう一度聞きます。
遺伝子の組みかえのところで、人工
種苗なんかの場合、特許の申請が出る。これは一体どこからが
種苗なんですか。これによりますと、「分化し始めた組織」ということを言っているんです。しかしその細胞分化する前に上下に単細胞が割れるでしょう、
遺伝子組みかえして。それが二つになり、四つになり、八つになりと、こうふえていきますわね。そしてそれが結局、組織になっていく。茎や根の茎頂といいますか、根端ですね、こういうふうなことが明らかになったところからが
植物なんですか。どうなんですか。