○吉川芳男君 そのことについてやりとりしていますと時間がありませんから、次へ進みます。
次は、
地方財政のことについて五ページにはこううたっておられます。
昭和六十一
年度の国の予算編成において、今後三年間の暫定
措置として国庫補助負担率の引下げが行われることとなりました。今回の補助負担率の引下げは、基本的に
補助金問題
関係閣僚会議の決定に基づき、
補助金問題
検討会の
検討結果を踏まえ、社会保障
関係の経費を中心に
事務事業を見直しつつ行われるものであります。
これによる
地方財政への影響額一兆一千七百億円につきましては、
地方たばこ消費税の税率引上げによる増収、
地方交付税の増額及び建設
地方債の増発により補てんし、
地方公共団体の財政運営に支障が生じないよう、所要の
措置を講ずることとしたところであります。
こういうふうに一応はつじつまが合っているというふうに述べておりますけれ
ども、私はこの参議院に五十八年に初めて来たわけでございますが、そのとき大変大
議論が実はあったんです。それ以前の予算編成に当たりまして、七、八年続いたこの
地方交付税の減額を補てんするので特別会計というものができて、もうその額が十一兆五千億にもなって、その利息を国が持つのか
地方が持つのか、こういう大問題があったんです。
そのときに私も初めて出たばかりですけれ
ども、竹下大蔵大臣に、
地方をいじめるなんていうのは、そこから利息を取るなんていうのはスズメの足から血を取るようなものだ。こうやらかしたのですが、そのとき竹下大蔵大臣は全然顔色ひとつ変えないで、まあ吉川君はそう言うけれ
ども、自分の目から見ると国より
地方の方が余裕があるように見える、こういうところからどうも
地方財政余裕論なんていうのが、これは間違った認識だと思うんですけれ
ども、生まれてきた始まりではないか、こう思うんです。
その後、今度は六十年には有名というか、私は悪名が高い方だと思うんですけれ
ども、一割カットの問題が起きて、そしてこれについては三大臣の間で一年間にわたって相談をします、こう言っておきながら私らは途中経過というのは全然わからずに最後になってあれですね、この「
地方財政」というパンフレットによりますと、
花岡さんはたった二カ条でもってこれを片づけているんですね。自治・大蔵大臣の間で、「六十一
年度予算において補助負担率の引下げ
措置を講ずるに当たり、次のとおり申し合わせる。 1 この
措置は、今後三年間の暫定
措置とする。 2 暫定
措置の期間内においては、国・
地方間の財政
関係を基本的に変更するような
措置は講じないものとする。」と。
私は、国の権威者が、三大臣が協議するという
中身にしては、
議論をした結果この結論になったというには、言葉が悪いんですが、まことにお粗末じゃないか、そして、今回も一割カットというものを三カ年塩漬けにしておいて、その間に、今までの例からすると、大蔵省と
自治省の間でかんかんがくがくな
議論をして、本当に制度をよくしていこうという気持ちになれるのかどうか、過去の例からして、どうも私は懸念なしとしないわけです。
そこで、国はことしは四%の経済成長率を見ておるんですけれ
ども、このような円高デフレということによって将来税収がダウンした場合、国税三税の三二%が落ち込んだ場合、
地方財政計画に不足が生じた場合に、もう特別会計がなくなった後において、今後はどういう
措置を一体なさるつもりなのか、私は非常に気がかりであります。この対応策というものを今から講じておかれるのかどうか。これは
新聞の切り抜きですけれ
ども、ことしはつじつまは合っていますよ、冒頭に申し上げましたようにつじつまは合っていますけれ
ども、しかし、こういうことで
地方の声はどういうことかといいますと、「「たばこ消費税の伸びは期待できない」(島根、徳島)「福祉
関係事業の質を落とせないため県の負担が増えた」(長野)「見送った事業や期間延長した事業も少なくない」(宮城、埼玉)」というように深刻に受けとめておるというのが
地方の声なんですけれ
ども、こういうことに対して、転ばぬ先のつえとでもいうか、税収が減った場合には今度はどういう手段でもって
地方に安心がいくような施策をやっていかれるのか、今からお考えがあったら聞かせていただきたいと思うのであります。