○竹田四郎君 ありがとうございました。
先生方のおっしゃっていることはわからないわけではないんですけれ
ども、しかし、現実の政治の中で
考えてみますと、
財政均衡を今図っていくとして、どこが一番その犠牲になっているのか、こう見てみると、やっぱり老人保健法あたりが負担を多くさせられている。あるいは
内需拡大をしていく層の可処分所得というものは必ずしも多くなっていない。
恐らく、財界の人が、
消費の
拡大のために
努力しろとか、あるいは所得をふやせとか、そういうことを財界の首脳が言われたという例はことしが初めてだと思うんですね。今までは、とにかく削れ削れと、賃金はなるべく生産性に見合ったもの以下にしろという
意見がはるかに多かったと思うんですね。ことしはその辺は大分気配は違っているけれ
ども、実際労働組合の賃上げというのは去年よりも下回った。
こういうことを
考えてみますと、これは私
どもが悪いのかもしれない。もっと暴れて賃金も
拡大をし、社会保障ももっと確立をするようにストライキでも打って大暴れに暴れたらあるいはそういう事情が出て、みんなの嫌っている税金をふやさなくても、おっしゃられたような建設
国債にしろ特例
国債にしろ、私はどっちでも同じだと思っております。どっちにしたって、今区別がなくなってきていることも事実でありますから、区別すること自体が余り
意味ないというふうに私は思います。
確かに、先生方のおっしゃるような
公債発行による
デメリットというのは私も痛いほどわかるわけであります。先ほ
ども大川先生ちょっとおっしゃっておられたと思うんですけれ
ども、そういう手当でなしに
増税があったり、あるいは
国債発行がどんどん進められていくということになると、
デメリットが私は非常に出てくるだろうと思うんですが、その辺が今の政治の、紙の上どおりいかないという苦しみを私
ども感じて、時たま、それならば臨時的に緊急的に建設
国債を
発行して、五年
もとにかく伸びていない建設
関係に少しは潤いを与えて、それが呼び水になってもいいじゃないか、こういう感じであります。
今
大川先生のおっしゃられた、少し資金を供給しろ、こういうふうにおっしゃられているんですが、これは
荒木先生、私は今ちょっと金の方は余っているんじゃないかという気がしているんですね。それが、もういろんな都内の土地の暴騰とか株の暴騰とかゴルフ会員権の暴騰というようなところにあらわれているような気がしますし、恐らく去年の十月末の短期金利の高目誘導以来マネーサプライというのはふえちゃっていると思うんですね。三月の統計を見ても九%ということで、実際はこれはそういう
意味では今金は余り過ぎてい
る。だから、金をばらまいても現実に実体資本の方に実際金が行ってない。マネーゲームの方に金が回っちゃっているというのが現実だろうと思うんですね。そうすると、ただ金だけばらまいてもそれが回って実体
経済を大きくしていくんじゃないような気が私はするんですね。
大きな
企業というのは今ある
意味でトヨタ銀行と言われるほど
貿易でもうけている。いろいろなもうけ方していらっしゃるだろうと思うんですけれ
ども、大きな
企業というのは銀行から今金を借りないそうでありまして、自己融資を、自分で現先を使って融資しているとかいうようなことでありまして、そういうのがどんどん実体
経済の中へ行くんじゃなくて、むしろ
金融資本として、
産業資本家が
金融資本として動かしているというような私は実態ではないだろうか、こういうふうに思いますと、やっぱり
内需拡大をどこからやっていくか、どこから手をつけていくかということで、
公債発行のところへ行くのか、あるいは
減税論というのも、この金のないのに、
財源もないのに
減税しろという
減税論も非常にあるわけであります。そういうところ、結局力
関係、最後は力
関係のような気もするんですけれ
ども、どこから手をつけていったらいいのか。
大川先生のお話もわかりますけれ
ども、本当に要るところに金が行っているような気しないんですね。財テクのうまいところへ金が行っていて、本当に金の要る中小
企業のところなんかには余り金が行っていない。こんな感じすら私は持っているわけでありますけれ
ども、そういう点で、先生方のおっしゃられることは非常によくわかるけれ
ども、どこから手をつけていくのか。
ここで確かに私も減価基金
制度というのは維持すべきだと思いますけれ
ども、これを維持するためにはどっかでうんと削らにゃいかぬということになると、社会的に弱いところへ削るものが行ってしまうというのが私は現実じゃないかと思うんですね。それは先生方のお
考えになる
財政経済よりも、むしろもっと政治的な問題というふうに言ってもいいんではないだろうかと私は思いますけれ
ども、そういうことを言いながら、片方では百四十三兆という怪物が暴れ回っているという、いつ暴れるかわかりませんけれ
ども、暴れる要素というのは持っているわけでありますから、そういうものに対する解消のめどというものも全然ついていない。
今
大川先生おっしゃっていたように、あるいは
水野先生かもしれませんけれ
ども、増
減税がとんとんだ。今度の
税制の抜本改正というのもニュートラルでいくということをきのうも大蔵大臣はおっしゃられているわけでありますから、そういうものを、
国債の大きなものを削っていくというようなことも、恐らく余裕は今のところないと思うんですね。その辺がどうも私
どもわからないし、その辺を具体的にどう吹っ切っていけるかということで、私
ども野党ではありますけれ
ども、その辺は非常に、与党の人ももちろんそうだろうと思うんですけれ
ども、出口をどこに探っていくかというような問題ですらあるような気がしているわけでありますが、その辺をお教えいただきたいというふうに思います。