○栗林卓司君 出島というのは、歴史をたどるまでもなく、出島を出したときの
状況はどういったことかといいますと、我が
日本は鎖国
状態でしてね。したがって、
オフショア市場をつくるということは我が
日本は国際
金融の面で鎖国でありますということを改めて宣明したに等しいんですね。そんなことで今後やっていけるわけがありませんから、同僚議員が
指摘したように、では、
預金準備率の面でもあるいは
金利規制の面でも為替管理の面でも、いかに
国際金融情勢に
対応できるような体質に一日も早くなっていくか、これを急ぐことが一番国民各層に心ある配慮だと思うんです。
御
答弁を伺っていますと、いかにも引っ込み思案なんです。へっぴり腰なんですよ。へっぴり腰でやっているというのは、一見慎重ですけれ
ども、決して国民のためになると私は思いません。やがて出島から寒い風が吹いてくるんだったら、おい乾布
摩擦をしておけよということはきちんと言ってもらわないと、中小
金融機関も含めて、
一体これからどうやって外に向かって開かれた出島のあらしに
対応していくのか、これは気持ちの準備もできない。そういった
意味では、確かにこの出島を出すというのは大きな一歩だと思います。これはどこへ向かって一歩かということばやっぱり国民にわかるように御説明をいただきたい。
今私が読み上げたような、出島を出して国とするとまことに不都合至極な
状態があったとして、それじゃそのときに
日本の役所とするとこの
法律を盾にとってだめよと言えるかというと、それは言えない。恐らくそのときには、OE
CDが舞台になるのかG5が舞台になるのか、いずれにしても
国際機関を通しでのさまざまな相談を積み上げての
対応というふうになってこざるを得ない。なぜそうかといいますと、国民がそれを目指してやってきたわけではないけれ
ども、結果的に言うと、円はどうやら基軸通貨に近づきつつある。その責任をしょうかしょわないのか。ドルにだけ基軸通貨の責任をしょわせて
一体これから
日本がやっていけるのかどうか、そういった問題を提起しているのが今回の私は
オフショア市場の
創設問題だと思うんです。
したがって、私は方向として全く賛成ですよ。賛成だけれ
ども、御
答弁を伺っていて、そんなへっぴり腰では私はとてもだめだと思う。ドルと一緒になって基軸通貨の責任を大胆に果たしていくかどうか。これは意欲と迫力を大蔵当局が持つかどうかですよ。恐らく
大蔵大臣もこれからさらに従来に増してさまざまな国際会議にお出になると思います。そのときにあなたがしょって立つのは単に
日本だけではありませんぞ。世界を引っくるめてどうやっていくのか。
そういった
意味では、小さく産んで大きく育てるじゃなくて、そんな言葉でごまかすんじゃなくて、一歩を踏み出したからにはやっぱり堂々と踏み出すんだし、それは理の当然として、これを御提案になるんだったら
国内の
自由化についてもっと詳細なスケジュールを本
委員会に提案なさるべきなんです。前の租税特別措置でも申し上げたんですが、非常に御丁重のように見えながら大変本
委員会に対して失礼なんです、今の
大蔵省というのは。だから、今後スタートをなさるわけだけれ
ども、そういったことを踏まえてぜひ御努力を願いたいと思います。
以上私は申し上げまして、基軸通貨としての円というのはまことにとっぴに聞こえますけれ
ども、しかし、そろそろそれを我々はまじめに
考えなければいけない時代に来たんではないだろうか。
この点について
大蔵大臣の御見解を求めて私の
質問を終わります。