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国務大臣(江崎真澄君) 非常に重要な御
質問だと思います。
OTO、オフィス・オブ・トレード・オンブズマンですね、これは名称も、貿易インバランスがだんだんアメリカとの間にやかましくなりましてから、アメリカの経済公使の、今転任しましたが、バラクロフという人と話し合いをしましてね、これを取り入れましょうと言って、私も党の国際経済問題調査特別
委員長という立場で相談して、あれをつくり上げたんです。そしてまた、
政府は
政府で閣議でこれを了承して、そして
各省庁に強くその指示をしたわけですね。ただ問題なのは、みんな
各省庁とも責任の衝にある
局長クラスですとね、まあ
課長クラスでもこの問題の重要性というものは非常に認識しておってくれますが、経企庁がこのOTOの窓口になって取りまとめをやるわけなんです。ところが、ごく初期の間には仕返しがあるという甚だどうも意外な苦情がまた私どものところにもはね返ってきたわけです。このオンブズマン機構は経企庁が直接その衝に当たっておりますが、在外の大使館、それからジェトロ、それからまた
政府・与党で言うならば国際経済問題の調査特別
委員会、この全員がオンブズマンで行こう、そういう心がけでやっておるのですが、まあ係長というか、
課長代行というか、そのあたりへ問題を持ってくればいいものを、なぜオンブズマンに持ち込んだんだというので、後から大変な異議がもたらされる。これはね、私は日本の縦割行政の悪いところですし、せっかくオンブズマンをつくって、これ随分、二、三年前、これをアメリカに向けても、ECに向けても、しばらくこういう新しい制度を設けたんだということを宣伝した時期がありますよね。それが機能しないということは、これはもってのほかというわけで、私はそのときは党の立場でございましたが、やかましく
各省庁にもそういうことのないように言うたわけです。法制化はしておりませんが、閣
議決定事項ですから、当然権威づけられておるものです。それから、オンブズマンの民間の経験者、あるいは元大使というようなメンバーで、貿易に関するオンブズマン制度の
委員もこれは正式に任命をして、忙しい人たちが
努力をしておってくれるわけです。そういう人の間からもオンブズマン制度そのものを法制化してもらいたい。それくらいにしないとなかなか
各省の思うような抵抗を排除することができないんだという声もありますので、これは今後の
検討課題として取り上げていくことが総務庁としてはやはり必要である。これは経企庁ともよく話し合ってみたいと思います。
それから、行政そのものに対するオンブズマン制度については、さっき私ちょっと勘違いして申し上げておったんですが、これは学識経験者、元
内閣法制
局長官の林修三さんなどを座長にして、そして行政の苦情救済、こういった面については今鋭意研究を進めておるところであります。そして、
政府としてはこの研究会の成果を踏まえた上で結論を得るべく具体的な
検討を行ってまいりたい。これは行政監察救済制度の問題ですね。このメンバーは、御存じかと思いますが、林修三座長、それから
佐藤功東海大学法学研究所長、市原一橋大学名誉教授、それから大森東京大学教授、片岡早稲田大学教授、葉山地方自治総合研究所顧問、小島中央大学教授、
佐藤成蹊大学教授、相当な人が集まっております。トレードの方もソニーの盛田さんを初め相当な
実業家のメンバー、それから大使もたしか大河原君でしたかな、入っておるはずでございまして、これらの成果を踏まえてやはりもっと機能するように、せっかくオンブズマン制度をつくりながら、なぜ自分の省に相談に来ないんだと、そんなオンブズマンに持ち込むということはけしからぬなんというような話は、本当に私は日本のこれは縦割り行政の悪いところだと思います。やっぱりこれを改めていく必要性を痛感いたします。