○神崎
委員 その点は御配慮をよろしくお願いしたいと思います。
それからもう
一つ提案でございますけれども、
日本人はこれまで欧米を大変よく勉強して経済進出を行ってきたわけでございます。しかしながら、異文化の諸外国にとりまして
日本の国というものをよく知らないまま進出したり、進出しようとして、ここに来て余りの
我が国の壁の厚さと習慣の違いに面食らっておりまして、ようやく最近欧米諸国は白国の大学に
日本向けの講座や学科を設置し始めているわけでございます。特にアメリカでは中途半端な
日本の知識に気づき始めまして、今教官と指導者の育成が大変急務になっているということが言われております。
そこで私は、特に日米
関係というものが大変大事でございますから、日米間の相互
理解を深めるという観点からもお願いをしたいわけでございますけれども、アメリカの大学の
日本向け講座の教師と指導者の育成のためと
日本という国の
理解のために、
日本の国内にアメリカンユニバーシティーというようなものをつくったらどうか、こういう私の友人の構想がありまして、御提案申し上げるわけでございます。
もう少し中身を申し上げますと、例えばアメリカの東北部、特にアイビーリーグを中心といたします幾つかの大学の
日本における共同分校のような形の学校をつくる。そして、そこでの単位はアメリカの大学の単位として認める。教官は知日派のアメリカ側指導者と知米派の
日本側から構成する。建設及び設立費用については対米輸出企業出資による財団または学校法人として、運営資金の一部は参加各社の支援のもとに賄う。また在米
日本企業団によってスカラシップを設立いたしまして留学生の支援を行う。対象は、大学院生あるいはアドミニストレーションに学ぶ人々とかビジネススクール生徒、その他それぞれの大学の卒業生で先方の大学の方で適当と判断する人々にする。期間は一年間、主に企業研修とか工場見学、研修その他いろいろなカリキュラムを盛り込んで、春や夏には
日本の中学生や高校生を近所に設置しました研修センターに合宿させて短期の英語教育や社会教育を学生にやってもらう。そういうことでより日米間のスキンシップを図る、こういう構想であります。
私が大変この構想をおもしろいなと思いましたのは、
日本人が一生懸命
考えても、相手が、アメリカ側が、これはおもしろいと飛び乗ってくるようなそういう構想でなければつまらぬわけでありますけれども、実は私の友人がアメリカで有力な方々にお話をしたら、これはおもしろい、おもしろいですな、こういう飛びつくような感想が返ってきた。だから、アメリカ人から見てもこれはおもしろい構想だという点があるということであります。それから、
日本の企業はアメリカに輸出して利益を上げておりますけれども、ちゃんと利益もアメリカのために還元しているのだ、こういう主張ができるという点が、このアイデアの中にあるわけであります。
アイビーリーグに声をかけるというアイデアも大変おもしろいと思うのですが、それがだめならアメリカで大々的に学生を募集すればこれはまた大きなPRの
機会になる。それから、先ほど申し上げましたように春夏に
日本の中学生や高校生にアメリカの社会の教育を教えることによって、日米両国の青年のスキンシップというものも深まるであろう。
それから、実はこういう話を私の友人がある方にいたしましたら、これはおもしろい、大事なことだ、ぜひこれは土地を寄附いたしましょうということで、十万坪以上の土地を無償で寄附しよう、そういうような方もあらわれているわけでございます。私はこういう構想、これを今後
考えていかなければいけないと思うわけです。
この私の提案のほかにも、スタンフォード大学からの発案で、
日本と米国の大学、企業が手を組んで
日本に新しい人材育成センターを開設する、こういうものがことしの一月十八日付の
日本経済新聞にも載っておりましたし、今後こういう要請というものが米国からも出てくるだろうし、
我が国としても真っ正面から真剣にやはり一従来の文部省の文部行政の
考え方からすると、これはできる、これはできないのですとかいろいろなお答えが出てくるかもしれませんけれども、ここは
日本も二十一世紀には国際化が必然だという
認識に立っているわけでありますし、こういう日米貿易摩擦を抱えていながら大事な日米
関係をどうやってより進展させていくか、そういう観点からこういう構想に対しても真剣に前向きに私は取り組んでいただきたいと思うわけであります。いかがでしょうか。
総理にお尋ねをいたしたいと思います。