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1986-02-20 第104回国会 衆議院 逓信委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年二月二十日(木曜日)委員長の指名 で、次のとおり小委員及び小委員長選任した。  電気通信並びに電波放送に関する小委員       加藤常太郎君    亀岡 高夫君       近藤 鉄雄君    関谷 勝嗣君       畑 英次郎君    吹田  愰君       宮崎 茂一君    鈴木  強君       田並 胤明君    武部  文君       竹内 勝彦君    西田 八郎君       佐藤 祐弘君  電気通信並びに電波放送に関する小委員長                 加藤常太郎君 ――――――――――――――――――――― 昭和六十一年二月二十日(木曜日)     午前十時一分開議 出席委員   委員長 宮崎 茂一君    理事 加藤常太郎君 理事 関谷 勝嗣君    理事 畑 英次郎君 理事 吹田  愰君    理事 鈴木  強君 理事 田並 胤明君    理事 中川 嘉美君 理事 西田 八郎君       足立 篤郎君    亀岡 高夫君       近藤 鉄雄君    佐藤 守良君       谷垣 禎一君    額賀福志郎君       野中 広務君    渡辺 紘三君       阿部未喜男君    武部  文君       松前  仰君    竹内 勝彦君       山田 英介君    田中 慶秋君       永江 一仁君    佐藤 祐弘君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 佐藤 文生君  出席政府委員         郵政政務次官  田名部匡省君         郵政大臣官房長 中村 泰三君         郵政大臣官房人         事部長     櫻井 國臣君         郵政大臣官房経         理部長     成川 富彦君         郵政省郵務局長 高橋 幸男君         郵政省貯金局長 塩谷  稔君         郵政省簡易保険         局長      二木  實君         郵政省通信政策         局長      奥山 雄材君         郵政省電気通信         局長      澤田 茂生君         郵政省放送行政         局長      森島 展一君  委員外出席者         総務庁行政監察         局監察官    北村 圀夫君         大蔵省銀行局大         臣官房企画官  杉井  孝君         参  考  人         (宇宙開発事業         団副理事長)  園山 重道君         参  考  人         (日本通信電話         株式会社代表取         締役社長)   真藤  恒君         逓信委員会調査         室長      古田 和也君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  小委員会設置に関する件  参考人出頭要求に関する件  小委員会における参考人出頭要求に関する件  逓信行政に関する件      ――――◇―――――
  2. 宮崎茂一

    宮崎委員長 これより会議を開きます。  この際、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  電気通信並びに電波放送に関する問題等について調査するため小委員十三名から成る電気通信並びに電波放送に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 宮崎茂一

    宮崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長選任並びにその辞任及びその補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 宮崎茂一

    宮崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長は、追って指名し、公報をもってお知らせいたします。  次に、小委員会において参考人出席を求め、意見を聴取する必要が生じた場合の諸手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 宮崎茂一

    宮崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  6. 宮崎茂一

    宮崎委員長 逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷垣禎一君。
  7. 谷垣禎一

    谷垣委員 当委員会として最初佐藤郵政大臣に御質問機会をいただきまして大変光栄に存じております。佐藤大臣を迎えて郵政省も大変張り切っておられるように拝察をいたしておりますが、私どもも真剣に議論をさせていただきまして、今難しい陣期にあるこの郵政政策に誤りなきを期したいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。  まず最初に、昨年の暮れ、政府におかれましては、昭和六十一年度の予算税制あるいは財政投融資政府案、いろいろ御苦心の上お取りまとめをいただいたと思うわけでございますが、昭和六十一年度の財政投融資上の措置につきましてお伺いをいたしたいと存じます。  通信自由化の時期を迎えまして、新規参入を促すあるいは競争市場を速やかにつくっていくということが極めて大事でございますけれどもニューメディア分野、これは言うまでもなく大変先行投資的な設備投資も必要でございますし、技術リスク、その他投資リスクも多大である、あるいは安全性信頼性対策もなかなか資金がかかるというようなことで、民間投資意欲を適切に誘導していくためには、ぜひとも適切な財政投融資措置が必要であると思うわけでございます。昭和六十一年度どのような措置をおとりになったか、まずこの点をお伺いいたしたいと存じます。
  8. 奥山雄材

    奥山政府委員 お尋ねの昭和六十一年度におけるニューメディア育成振興関係財政投融資でございますが、委員御承知のとおり、ニューメディア関連財投は、五十九年度にCATVその他若干の項目でわずかに認められたのが発端でございまして、ただいまお話がございましたように、六十年四月一日から電気通信自由化時代が到来いたしましたのを機に、昨年以来大幅に拡充されたところでございます。さらに、六十一年度におきましては、六十年度に加えまして若干の新規項目七の他の内容充実等が図られております。  具体的に申し上げますと、まず新規項目といたしましては、輸入衛星に関する地上設備並びに先般から放送が始まっておりますテレビジョン文字多重放送関係設備等が認められております。さらにまた、内容充実をいう観点から、既存の項目につきまして若干の改善が図られております。例えばソフトウエアにかかる開発費あるいは購入費といったようなものがそれでございます。また、昨今の貿易自由化並びに経済摩擦を解消する見地からも拡大措置がとられておりますけれども、わけても、それらとあわせまして特筆に値いたしますのは、先ほど指摘のございました安全性信頼性対策にかかわるシステムにつきましては、最優遇特利といたしまして六・八%が認められたということでございます。  以上、三年度にわたりまして相当の充実が図られました結果、第一種事業、第二種事業、それから双方向CATVあるいはキャプテン、テレトピア等を含めまして、新しい時代にマッチする財政投融資の骨格がほぼでき上がったのではないかというふうに考えております。
  9. 谷垣禎一

    谷垣委員 このような通信自由化を推し進めていきますには、ただいまのような財政投融資上の措置を適町に運用していただくことと同時に、税制上の措置、これは適切にやっていただかなきゃいけない。特に民間活力を活用していくというようなことになりますと、先ほどのような多大な投資が必要である、どうしてもそのままでは民間のお金が出していただけない、こういうことがあろうかと存じます。また、その自由化の中でいろいろな、第一種電気通信事業など大変多大な費用もかかる。そういう中で、電気通信振興のために、税制上、昨年暮れまたいろいろ御苦労いただいたようであります。今年度どのような措置をお考えいただいておるのか、お願いいたします。
  10. 奥山雄材

    奥山政府委員 電気通信事業育成振興のためには、まさに御指摘のとおり、財投と並んで税制が大きな支援措置になるわけでございますが、六十一年度における税制上の優遇措置として私ども政府部内で決定いたしました税制改正項目は、大きく分けまして三つのカテゴリーがございます。  一つは、民間活力を最大限に活用して、特定設備整備を図ることによって民需拡大を行うという観点からのものでございます。これは、関西予定されております基礎技術研究所を具体的には想定しておりますが、こういった開かれた研究施設等に対する税制上の優遇措置がそれでございまして、不動産取得税固定資産税の二分の一の減免並びに事業所税特別土地保有税の免除といったようなものが内容になっております。  それから、第二の分類といたしましては、有効適切な競争状態実現する見地から、第一種事業者、特に新規参入の第一種電気通信事業者に対する優遇措置実現運びとなる予定でございます。CATVポーリング装置に対する優遇措置がございます。  それから第三のカテゴリーといたしましては、郵政省関係だけではございませんが、先端的、基礎的技術分野に対する優遇措置といたしまして、昨年設けられましたハイテク税制並びに一昨年設けられましたいわゆるメカトロ税制に対しまして、電気通信関係項目を若干追加させていただいたところでございます。
  11. 谷垣禎一

    谷垣委員 昨年暮れにいろいろ質問をさせていただきましたときにいろいろお答えをいただいた財政投融資上の措置あるいは税制上の措置、随分御苦労いただいておまとめをいただいた。承りまして、御努力に敬意を表する次第であります。  電気通信分野におきましては、技術先導性が大変高い、そして基礎的研究を積み重ねていかないと世界の流れに取り残されてしまう、基礎的研究を推し進めることが大事だと前々から指摘をされておりまして、そして昨年六月に基盤技術研究円滑化法を施行していただいた、そして十月一日に基盤技術研究促進センターを設立していただいたわけでございますが、この基盤技術研究促進センターの六十一年度の予算事業計画、これはどのようになっておりますでしょうか。
  12. 奥山雄材

    奥山政府委員 前通常国会におきまして、先ほど指摘のございました基盤技術研究円滑化法をお認めいただきました結果、昨年十月一日から、郵政通産両省の共管のもとに基盤技術研究促進センター無事発足をし、その後も順調に運用されているところでございます。この席をかりまして、まず厚く御礼申し上げたいと思います。  六十一年度の財政措置でございますが、六十年度はとりあえず基本財産百四十億円、事業資金四十億円という暫定措置でスタートしたわけでございますけれども、六十一年度におきましては、NTTの株式配当が見込まれるということから、産投に帰属いたします政府保有株式に対する配当金を引き当てにいたしまして、基盤技術研究促進センターに所要の事業資金が確保される見込みでございます。事業資金といたしましては、出資として百二十五億円、融資として五十七億円、合計で百八十二億円が計上されております。  また、センター経営基盤を強化する見地から、百四十億円の基本財産に若干の積み増しをしようということで、三十五億円の積み増しを図ったところでございますが、そのうちの十二億円は産投会計ではございませんで、開銀からの受け入れになっております。  以上の措置によりまして、今後、電気通信関係基礎技術研究開発に対する支援措置あるいはテレトピア推進法人に対する援助措置等が本格的に展開していけるものと期待しているところでございます。
  13. 谷垣禎一

    谷垣委員 この基盤技術研究促進センターを通じての一番大きな事業一つは、国際電気通信基礎技術研究所をいろいろお考えいただいているわけでございます。これは前国会で御質問いたしましたときにも、既に昨年十月三十一日に設立準備会をしていただいて、ことしになって設立発起人会に移して、ことしの三月ころその研究所が発足する見通しである、こういう御答弁をいただいたわけでありますけれども、その後どのような進展が見られているのか。特に今、基盤技術研究促進センター産投会計からの出資が見込まれるというお話がございましたけれども、この研究所に対しての出資、そういうものの見通しがきちっと立っているのかどうか、あるいは民間からの資金確保見通しは十分立っているのかどうか、そのあたりをお伺いいたしたいと存じます。
  14. 奥山雄材

    奥山政府委員 前回御答弁申し上げました後の足取りでございますが、一言で申し上げまして、民間方々の発意によりまして非常に順調に推移しているということが言えようかと思います。先ほど委員がお触れになりましたが、十月三十一日に稲山経団連会長を長とする設立準備会が発足いたしまして、諸準備を進めてまいりましたが、予定どおり一昨二月十八日、準備会からこれを発起人会に諸準備事務を全部引き継ぐことが決定されております。発起人会が開かれまして、花村経団連会長発起人総代として選出されていると承知しております。今後、三月下旬に予定されます設立総会に向けて、会社設立の最終的な諸事務を取り運んでいく予定になっております。その中で、国際電気通信基礎技術研究所が六十四年度までに二百億円の出資を募るということも、一昨日の設立発起人会で決定しておりますので、現在発起人方々がそれぞれ関係機関等に、出資についての御要請に上がっておられるというふうに伺っております。  また、国際電気通信基礎技術研究所の具体的な研究部門でございますRアンドD会社につきましても、これと並行して設立準備が行われておりまして、これも三月の下旬には会社が発足する運びでございます。この研究会社は現在のところ四つの会社予定されておりますが、昭和七十年までの間に総額六百九十億円に上る出資予定しております。そのうち七〇%を基盤技術研究促進センターから予定しておりますので、約四百八十億円程度が、向こう十年ばかりの間にそれぞれのRアンドD会社出資が行われることが期待されるわけでございます。その中で、六十一年度につきましては、先ほども申し上げました予算措置が既に確定いたしましたので、約四十億円程度をこのRアンドD会社出資をすることで、現在関係会社設立母体から基盤技術研究促進センターにその要求書が提出されているところでございます。
  15. 谷垣禎一

    谷垣委員 こういう大変公共的な、基礎的な研究民間資金でやるということで、どういう制度でやっていったらいいのか。いろいろ従来の法制との関係問題点があったと思うのですが、いろいろ知恵を絞っていただいて、もう発足寸前にまでこぎつけた。大変感謝を申し上げる次第であります。  そしてこの際、郵政大臣にぜひお願いをしておきたいわけでございますが、これはもちろん我が国の電気通信基礎技術を推進するという意味におきまして、極めて重要な事業であることはもう論をまたないところでありますけれども、それと同時に、現在いろいろな施策がともすれば東京中心になりがちである。どうも単眼的な施策になりがちであるときに、何とかして複眼的な日本でなければいかぬ、関西ももう少し地盤沈下をしないで頑張ろうということで、関西の各界各順が大変熱を入れまして、ぜひとも復権の目玉にしたい、関西文化学術研究都市の目玉として成長させていきたい。朝野を挙げて熱望しており、また努力を重ねているわけでございますので、今後、佐藤大臣におかれましても格段の御配慮を賜りまして、二十世紀の後半に我々が頑張ったという立派な研究所をお育ていただくようにいろいろ御配慮を賜りたい、お願いを申し上げたいと存ずる次第でございます。  それから次に、テレトピア構想について伺いたいと思うのですが、いろいろ指定地域あるいは整備推進地域を御指定いただきまして、現在システム構築事業化といいますか、実行計画の段階にだんだん入ってきたというふうに伺っているわけでございますが、それぞれの地域社会特性を生かしながら、高度情報社会に向かって自律的発展を遂げていくためにどうしたらいいのか、どういうふうに推進していくのか、この点をお伺いしたいと存じます。
  16. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 前の郵政大臣から申し送りを受けました中で、関西電気通信基礎研究所、その拡充にはぜひ力を注いでほしい、前左藤郵政大臣からの申し送りの第一にそれを掲げておりまして、私も、どちらかというと基礎研究機関はあらゆる産業の面で日本がおくれているという実態を私自身が感じておりましたので、関西空港という二眼レフ一つと、それから国際電気通信基礎研究には一番力を入れたいな、こういう前郵政大臣の申し送りどおりにより力を入れてこれを実施していきたい、こう考えております。  それから第二の問題も、前郵政大臣テレトピア地域を三十四カ所指定したので、さらにその当時全国的にまだ三十カ所ぐらい郵政省の方に第二次指定をしてほしいというようなことが来ておることを聞きまして、現在、正確に覚えておりませんが、二十九カ所ぐらい新しい二次指定にやってほしい、そういうことで昭和六十年度から既に出資並びに融資、そういう面を積極的にそれぞれの機関を通じて行っておるし、それから六十一年度も続いてその枠の拡大、こういうようなことで地域のニーズに応じた、あるいは地域特性を発揮した、地域から盛り上がった、そういう地域に対しては優先的にやっていく必要があろうと考えて、御期待に沿うような、テレトピアという名前のみじゃなくして案もある、花が咲くような施策を推進していくことが必要である、こういうぐあいに考えております。
  17. 谷垣禎一

    谷垣委員 今大臣から国際電気通信基礎技術研究所について大変積極的な御答弁をいただきまして、大変心強く思っている次第でございます。また、テレトピア構想に関しましても大臣の御所見を伺いまして、情報社会のいわばインフラストラクチャーと申しますか、地域振興にとってはぜひとも欠くべからざる施策でございますので、今お話ございましたけれども、それぞれの地域の実情に合わせた施策を、郵政省としてもそれぞれの各指定地域と十分御協議を願ってお進めいただきたいと存ずる次第でございます。  今まで大体電気通信分野のことを伺ってまいりましたけれども、今も大臣お話の中にございましたように、高度情報社会実現の中で大変基礎的分野の立ちおくれ――応用技術に関しては日本は大変高い評価を受けているわけでございますが、基礎的分野ではともすれば欧米に頼って、欧米のいわば成果を借用するというような形で今日までやってきたわけでございまして、その点がどうも、いわゆる貿易摩擦の中でもただ乗りをしているといいますか、成果ばかり使われるという非難にもつながってきている面があろうかと存じます。基礎的研究に大いに力を入れていただく。大変必要なことだと思いますし、そういう形で推し進めていただきたいと思っておりますが、重ねて大臣の御所見を伺いたいと思います。
  18. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 世の中は変なめぐり合わせがあるもので、今阿部委員がここにおられますけれども、古い古い昔の話ですが、戦争の当時お互いに電気通信の部隊で、一緒に無線と有線を世界一だ世界一だということでそれを信じて、私は教官もしておった時代があるのです。それから四十年たちまして、まためぐり合わせでたまたまこういう立場に立って、なるほど応用してそれを利用することはよかったのですけれども基礎研究というものが根本的に劣っているなということをつくづく感じてきております。  特に同僚あたり欧米諸国を回ったときに、あらゆる産業基礎研究には莫大な資金を投じて、そうしてそれが広く世界に伝播されて、それを活用するという面では日本は大変すぐれているな、こういうぐあいに感じておりました際に、関西国際電気通信基礎というものに力を入れたいという関西経済界の立ち上がりの姿を見て、時代が来たな、こういう強い印象を持っているわけでございます。したがって、今先生が言われました、関西地域方々が国際的な視野に立って基礎研究に力を入れたいということにこたえることが、私は国の電気通信分野における大きな仕事であるということをつくづく考えておりますので、先生初め委員皆さん方の御後援を得まして、やったなというような実績を上げていくようにやることが、関西地域方々にこたえる大きなお答えになるだろう、私はこう考えております。
  19. 谷垣禎一

    谷垣委員 大変力強いお言葉をいただきました。今の関西、「国際」という名前を上に冠しておりますが、電気通信分野ではいろいろ国際的な問題がこれから起きてまいります。その中で日米経済問題につきましては、いろいろ保護主義的な法案アメリカ議会で出ておりまして、私どもも心配をいたしておったわけでございますが、昨日の大臣所信表明の中でも大臣おっしゃっておられましたように、先般の日米専門家会合あるいはMOSS会合でほぼ決着がつき、実質的な解決が図られた、こういうことでございまして、大変難しい御努力を重ねていただいた、そのよい結果が出たと喜んでいるわけでございますが、今度の決着が今後日米双方にどういう影響を及ぼしていくのかというような点につきまして、郵政省としての御所見を伺いたいと存じます。  特に大臣所信の中にも、ダンフォース法案等保護主義的な電気通信関連法案の成否については、いまだ予断を許さないものがある、こういうふうに述べておられます。そのあたりを含めて、今度の解決射程距離と申しますか、そういうものを伺いたいと思っております。
  20. 奥山雄材

    奥山政府委員 昨年の一月以来始まりました電気通信分野をめぐる日米経済摩擦は、日米双方努力の結果、最近に至りましてはぼ決着したということが言えようかと思います。ただいまもお話にございましたが、残されておりました無線関係分野につきましても、一月の初旬に日米双方専門家同士による会合を行い、また、一月八日にはワシントンにおきまして最終MOSS会合が行われました。それらを全部総括いたしまして、一月十日には安倍・シュルツ会談の席上で、両大臣による日米共同報告が声明として出されたところでございます。その中で、電気通信分野における著しい進展について評価をするということで、実質的には電気通信をめぐる日米経済摩擦問題はほぼ決着したということが言えようかと思います。  しかしながら、ただいまも御指摘がありましたように、アメリカ議会におきましては、先般商務省が発表いたしました四百九十七億ドルに上る赤字を背景に、保護主義法案が依然として数多く上程されております。その中でも、電気通信分野を具体的に標的といたしておりますダンフォース法案あるいはチェーフィー法案等もございますので、これらにつきましては私どももなお予断を許さないと思っております。  こうした米国議会保護主義的な動きに対しましては、日米双方政府といたしましては、これは世界貿易の縮小につながるものであるということから、ぜひともこれを排除するということで双方意見は一致しております。したがいまして、今後日本政府といたしましても、機会あるごとに、これら保護主義に対する日本政府考え方をPRしてまいりますと同時に、また、これだけ世界に冠たる電気通信開放市場日本実現いたしましたので、米国側売り込み努力についても、相手側要請をしていきたいと思っております。  なお、大臣就任早々でございましたが、一月十三日、ダンフォース上院議員日本を訪れられましたのを機会に、直接ひざを交えられまして、日本側のそうした考え方並びに強い要請大臣が直接ダンフォース議員に申し入れられましたので、こうしたことの積み重ねがいずれ成果を生むであろうというふうに考えておる次第でございます。
  21. 谷垣禎一

    谷垣委員 いろいろ御努力、本当にありがとうございました。特に大臣ダンフォース議員にお会いになって、いろいろみずからお訴えをいただいた。大変ありがたく存じております。今後とも努力を継続していただきまして、日米間の貿易、この分野でおかしなことになったり、あるいは自由貿易を縮小するというと大変なことでございますから、御努力を御継続いただきたいと思います。  それから国際関係でございますが、今度はもうちょっと違った分野で国際協力、電気通信分野ではますます重要になってくるだろう、充実の必要が出てくるだろう。電気通信というのはインフラであるとも言われるようになりまして、社会経済の発展には不可欠である。開発途上国の整備拡充をしていくためには、この通信インフラの整備というものが非常に重要になってくるだろう。日本に対する期待も大きくなってくると思われます。また、電気通信分野においては、いろいろな意味で相互依存というものが高まりつつあるわけでございます。郵政省におかれましても、この国際協力、協力体制の見直しを検討されていると伺っておりますが、どのようなことを今年度お進めいただくのか、お伺いいたしたいと存じます。
  22. 奥山雄材

    奥山政府委員 近年、電気通信に関する国際協力は目覚ましい伸びを示しております。一昨年の昭和五十九年度の借款ベースで申し上げますと二百五十億円程度であったわけですが、昨年はそれが三百五十億円程度にふえましたし、六十年度におきましては、交換公文を終えたものと、それから交換公文はまだ未締結ですが、約束したもの等含めまして八百八十億円ぐらいに上る予定でございますので、ここ二、三年における途上国からの急速な要請が高まっておることは事実でございます。  ただ、反省いたしてみますと、これまでは外交ルートを通じて要請があったものを受けて、通信主管省としての郵政省が乗り出すといったような受け身でございましたけれども大臣御就任になりまして、こういう受け身の態勢ではいけない、将来の電気通信の国際協力を考えた場合にはもっと積極的に施策を講ずるべきであるという御指示がございまして、現在郵政省といたしましては、六十一年度に二つの国際協力関係施策を打ち出すことを考えております。  第一点は、いわばプロジェクトファインディングとでも申し上げた方がいいかと思いますが、通信主管省並びにメーカーあるいはキャリア等国際協力にかかわるそれぞれの幹部の人たちを結集いたしまして、途上国に積極的に出かけていって、そのミッションがコンサルタントに応じて、電気通信分野における途上国の要請を直接聞いて、それを外交ルートに乗せていくというやり方でございます。  それからもう一点は、国内における促進体制といたしまして、国際協力の推進体制を強化する見地から推進会議といったようなものを設ける予定にしておりまして、これは事務次官を長といたしまして、なるべく早く関係機関の幹部並びに内外の有識者等を結集して、国内における受け皿をつくってまいりたいというふうに考えております。
  23. 谷垣禎一

    谷垣委員 私は昨日、アジア各国の大使館の若手の方々お話をいたしたのでありますけれども、今局長がおっしゃったような電気通信分野の技術協力に対しては大変要望が強うございました。いろいろな話をいたしました中で、どうも日本欧米ばかり向いているという御不満をいただきまして、私どもも、そういうことであってはならないということで随分努力をしてきたつもりでありますけれども。やはりそういうお気持ちが発展途上国の皆様の中にはおありである。ですから、今おっしゃっていただいたような施策を推し進めていただくことは、日本に対する尊敬というとあれかもしれませんが、そういう広い意味での総合安全保障というような意味におきましても極めて重要なことであろうと存じますので、ぜひとも積極的に推し進めていただきまして、発展途上国の方々から感謝されるような施策を推し進めていただきたいと思っております。  それから、大臣所信表明の中にも、最近電波需要が急速に拡大をしているので、電波利用の促進を図っていきたいという御趣旨のことがございました。具体的にはどのようなことをお考えになっているのか、お伺いしたいと存じます。
  24. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 従来からも、電波の利用促進ということについては取り組んでまいったわけでございますが、従来は公衆電気通信事業、電電公社による独占を確保するという観点から、電波の利用というものは制限がされてございました。電電の電気通信設備を利用しての可能なものはそちらによるべきであるというようなことがあったわけでございますが、昨年の四月からの新しい電気通信事業体制に伴いまして、新規電気通信事業者に対しましても電波の利用を進めていくということで、衛星二社も既にそれを図っているわけでございますし、地上系一社もマイクロを使っての新規参入ということをやっているわけでございますが、今後の高度情報社会の到来を迎えまして、個人あるいは家庭、企業、いろいろな地域における電波の利用、いろいろなニーズが出てくるというふうに考えております。  私どもは、こういったものに積極的に対応しようということでいろいろ施策に取り組んでいるわけでございますが、その一つといたしまして、新しい電波利用システムというものを開発しよう。特に移動体に対する通信というものが、有線ではひもがついておりましてできませんものですから、これは無線の独壇場になろうかと思います。そういった点が重点になるわけでございますが、例えば都市におきましてこういう需要がございます。携帯型の端末によりましてデータ通信が行えるような、いわゆるテレターミナルシステムというようなものの開発、あるいは東京湾などの大変混雑をいたしております海域における通信確保という観点からの海上MCAシステムというようなものの開発とか、同一構内におきますデータ伝送とか、テレメーターあるいは移動体識別といったようなことができるような小電力無線局というものをつくるとか、大容量の自動車電話、あるいは新しい文字表示ができるようなポケットベルシステム、こういったようなものに取り組んでいるわけでございます。  なお、こういった電波利用システムの活用というものが容易にできますように、財政投融資の面での援助というようなことも一つの道を開いているということでございます。また、電波利用の促進という観点からも、技術基準適合証明というような免許を受けやすい手続の簡素化、あるいは定期検査というようなものの改革、いわゆる規制緩和というような措置も講じてまいりましたし、なお、電波というものは有限な資源でございますので、これが有効に使われるように、また今まで使われてなかったような電波を開発していくという積極的な姿勢も必要でございます。例えば準マイクロ波の電波を利用した陸上移動通信システムだとか、あるいはミリ波帯の電波を利用しましたセンシングシステム、こういったようなものの開発にも取り組んでいるということでございまして、今後とも電波の利用の促進に向かって努力をしてまいりたいと考えております。
  25. 谷垣禎一

    谷垣委員 電波利用といいますか電気通信技術、高度化すると同時に大変普及しつつある。そういう中で、工場内やビル内で使用するような無線通信、これに対する需要も大変ふえてきているというふうに伺っております。そして、こういう需要にこたえて電波の利用を促進する必要があるわけですが、同時に免許手続についても、できるだけ利用者の利便にこたえるような簡素なものにする必要があるのではないか。こういう小電力無線設備の利用促進についていろいろお考え等承っておりますが、その辺のところ、お伺いしたいと存じます。
  26. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 先生今御指摘の小電力無線設備でございますが、おおよそ〇・一ワット程度の電力による無線の利用ということで、工場内とかあるいはビル内というような同一構内、比較的狭い範囲での電波の利用ということで、例えばデータ伝送であるとかビル内のポケットベル、あるいは遠隔操業、移動体識別というようなもの、いろいろな利用のできる分野でございます。こういった需要もかなり多く出ているということでございまして、私どもはこういった需要に対応するように、いろいろ技術的な検討あるいは利用する周波数に関する検討というものをやってまいりまして、大体めどができましたので、六月ごろにはこれが実施できるようにということで今準備を進めているわけでございます。  そして、せっかくのものでございますし、大いに簡単に利用できるということが一番望ましいわけでございますので、利用者の利便を考えるということで、これはちょっと技術的な話になりますけれども無線局の種類といたしまして構内無線局という一つの種類、グループをつくりまして、ここでいろいろ利用がしやすいような形をとっていきたいと思っております。  例えば、技術基準に適合していれば、一々免許を受けるというような検査が要らないシステム、あるいは無線設備につきましては、従事者資格というのが要求される場合がございますけれども、こういったものについては従事者資格というものが要らないような形で利用できるような簡易な手続を採用したいというふうに考えておりまして、こういうことで小電力無線設備の利用に対する需要、特に今まで家庭とか諸地域における電波の利用というものが十分でなかったわけでございますので、そういった点にも力を入れてまいりたいということで今やっているところでございます。
  27. 谷垣禎一

    谷垣委員 先ほど技術基準適合証明手続の話がちょっと出ましたけれども、そういったものの簡素化、そのほかのいろいろ規制緩和が行われようとしているわけですが、こういういろいろな規制緩和を進めていくときに、今まで規制していたのはそれなりの意味があったわけでしょうから、無線局の混信が起きてくるとかあるいは不法な無線機器というようなものがどんどん出てくるようでは、これはまた困るわけでございます。その辺の措置は十分とられているのでしょうか。
  28. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 今申し上げましたように、技術基準の適合証明手続の簡素化とかあるいは検査制度の簡素化というようなこと、これは電波利用の促進という観点からと、いま一つ電波行政の簡素合理化、効率化というような観点から取り組んでいる課題でございますが、私ども、例えば端的に言いますと昔の真空管とハンダづけという技術から、今はICというような形で、電気通信技術というようなものも大変発達をいたしておりますし、また製造・管理工程というような技術も大変発達をいたしている、非常に安定した機器の提供、供給ができるような体制というようなこともにらみまして、そういったことができるようなもの、電波障害というものが起こらないような範囲において、できるだけの簡素合理化を図っていこうということで取り組んでいるわけでございます。  しかし、これから無線局というものが非常に数が増大してまいります。現在三百五十万局ぐらいの無線局がございます。多いときには八十万から九十万局ぐらい一年にふえるというような状況でございますが、こういったものに対応していく。と同時に、やはりそれだけ多様な利用の仕方という中で電波の秩序が守られるようにということについては、最大の努力をしなければならないだろうというふうに思っております。従来の電波の監視体制の強化ということで取り組んでいるわけでございますけれども、さらにそういった不法無線対策あるいは妨害対策というようなことについては、体制整備とともに真剣にいろいろ考えてまいりたい。  と同時に、いま一つそういう不法な電波を出すような、妨害電波を出すような、秩序を乱すような機器の販売については、十分な対応ができない体制になっております。これはなかなか難しい問題もいろいろございますけれども、こういった点についても前向きに検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  29. 谷垣禎一

    谷垣委員 ぜひそういう形で電波利用の促進をしていただきますと同時に、その促進に伴う混乱、これは適切に旗振りといいますか、御指導をしていっていただきたいと存じます。  それから次に、第一種電気通信事業者新規参入の現状について、どうなっているのかお伺いをいたしたいと存じます。
  30. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 第一種電気通信事業分野、昨年の四月から新しい新規参入の道が開かれたわけでございますが、昨年の六月二十一日で地上系三社それから衛星系二社の会社に第一種電気通信事業者としての免許を与えました。地上系が第二電電株式会社、それから日本テレコム株式会社日本高速通信株式会社ということでございまして、衛星系が日本通信衛星株式会社それから宇宙通信株式会社という五社でございました。この五社いずれも現在営業活動に力を注いでいるわけでございますが、同時にいろいろな設備の整備ということに取り組んでおります。  地上系三社は、ことしの秋には専用サービスを開始しようということでございまして、また来年の秋には電話のサービスをやろうということで諸準備を進めておりまして、マイクロケーブルの敷設とかマイクロ中継網の敷設とか、あるいは光ケーブルというようなものを高速道路沿いに引くとか新幹線沿いに引くというようなことで今工事をやっておりまして、専用線関係につきましてはことしの夏、それから電話関係につきましては来年の夏ごろに工事を完了するという段取りのようでございます。  また衛星系二社につきましても、六十三年春のサービス開始ということでございまして、そのうちの一社につきましては米国の通信衛星会社の衛星二個、それから追跡管制局の購入契約、こういったものの準備もいたしております。なお、他の一社につきましても、通信衛星の設計などの契約というようなことを進めておるということでございます。  各社こういうような準備が順調に行われまして、滞りなく開業がされて、制度の期待をいたしております有効な公正競争の市場というものが電気通信市場に達成されるように、私どもも期待をいたしているところでございます。
  31. 谷垣禎一

    谷垣委員 参入された事業者がどういうサービスを提供され、そしてそれぞれ経営をどういうふうにやっていかれるか。これはそれぞれの会社のこれからの御努力にまつところが大でございますけれども、それと同時に、こういった新しいところにたくさんの会社が参入をしてまいりまして、今後こういったものが混乱を起こすことなくスムーズに動いていくのかどうか。これにつきましては、また郵政省の適切な御指導というものも大変必要なのではないかというふうに思います。その点、また十分御指導をお願いしておきたいと存じます。  それから次に、今後の民放テレビの拡充についてどのようにお考えなのか伺いたいと存ずるわけでございますが、最近テレビの放送の質等に関しましていろいろ議論も出ている。やらせの問題とかいうようなことも昨年起こったわけでございます。前国会質問させていただいたときにも申し上げたわけでございますが、通信白書等を拝見いたしましても、情報供給量はふえているんだけれども、情報の消費量は減っているというような御指摘もあるわけでございまして、どうもテレビ離れというような現象もやはり議論されている。  そして、そういう中で質の問題が云々されて、私ども地元に帰りましたときによく聞く議論の中の一つに、例えば今のテレビの放送内容というものが、青少年の教育にどういう影響を与えているかというような議論も聞くわけでございます。もっともこの点は、それぞれ放送される方々の報道の自由なり表現の自由という問題もあるわけでございますが、そういった議論も一方にある。他方、それぞれ地域によって見られるテレビの数が違う。田舎だから見られないのはおかしいじゃないか、平等にしてほしいという議論もこれはまた根強くあるわけでございます。今後その辺どうお考えになって、民放テレビの拡充というものを考えていかれるのか、お考えを承りたいと存じます。
  32. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 今の先生の御意見のように、昨日も予算委員会で、深夜番組の中で依然として青少年に悪影響を来すような番組が流れておる、こういうことをしっかりやりなさい、こういう意見と、それから産業社会の面においても、余りそういう低俗なものが流れるんだったら、スポンサーとしてお断りしなくてはならぬよといったような厳しい批判も出てまいりまして、民放各社とも、経済的な基盤というものが非常に変化を来しておるという実情がうかがえるようでございます。  こういう中で、前郵政大臣から私申し受けておるのですけれども、受信機会の均等ということで、今割り当ててまだ実際に活動してない面もありますけれども、ローカルの方では八〇%ぐらいの世帯の方々が四チャンネルでカバーされておるんです。あと二〇%ぐらいの方々がそういう受信機会のチャンスを失っておるという意味で、ローカル四チャンネル化、そういうガイドラインを立てたことを申し受けておりますので、そういう方向で一方は考えなければならぬ。  しかし一方では、経営基盤なりそのローカルの県の実情なりもよほど考えていかなくちゃならぬ。こういうことで、一応去年からことしにかけまして七県だけは大体そういう条件が整ったようでございますので、一月の中旬でございましたか、割り当てをいたしました。七県に周波数を割り当てまして、二チャンネルから三チャンネルへの受信機会の平等ということで一応出しておきましたが、今後ともそういうような観点に立って慎重にこの問題には対処していきたい、こういうぐあいに考えております。
  33. 谷垣禎一

    谷垣委員 今大臣からお考えを伺いました。慎重に対処していきたいということで、いろいろまたお考えをいただいて、御指導を適切にお願いをいたしたいと存じます。  きょうは電気通信関係を主に伺っておりまして、本当は郵貯とかあるいは簡保についてもお伺いをいたしたいわけでありますけれども、もう時間がなくなりました。最後に郵便につきまして少しお伺いをいたしたいと存じます。  郵便をめぐる状況はいろいろ厳しい情勢がございますけれども、最近、大変御健闘をいただいているというふうに思っております。その中で、電子郵便を始められましてから、これはなかなか好調であるというふうに伺っておりますが、レタックスの利用状況はどうなっているのか、また将来展望についてどのようにお考えなのか、お伺いをいたしたいと存じます。
  34. 高橋幸男

    ○高橋(幸)政府委員 電子郵便につきましては、御承知のとおり五十六年からサービスを開始いたしております。それで現在に至っているわけでございますが、利用の実態を申し上げますと、サービス開始当初におきましては、わずか一日百四十通程度でございました。これは地域を限ったり、また郵便局の端末が少なかったということもあったことによることでございますが、五十九年の十月から全国的にサービスを拡大いたしまして、それ以後、五十九年度におきましては一日約四千通、また六十年度、これは四月からことしの一月までの十カ月間の平均でございますが、一日にならしますと約九千通ということで、出発当初百四十通という数字だったものが九千通というふうな大幅な増加を見ております。  この理由といたしましては、やはり全国的に端末をふやしたということによる部分が非常に多いのじゃなかろうかということでございまして、私ども六十一年度におきまして、この端末、現在全国で百八十八基でございますが、これを千以上にふやしたいということで、今予算の中に盛り込んでその拡大を図るべくお願いしているところでございます。利用の中身を見ますと、慶弔用というものが大きな部分を占めているわけでございますが、最近、例えば大学の合否通知など電子郵便の特性を生かした利用の傾向というものが出てきている状態でございます。  私ども今後とも、先ほど申し上げたような端末の機械を多くの郵便局にたくさん置いておくということと同時に、この電子郵便の特性を生かしました利用というものを新たな分野として開拓いたしまして、本当にお客さんに喜んで利用していただける郵便サービスとして定着させたいというふうに考えておるところでございます。
  35. 谷垣禎一

    谷垣委員 今端末をことしもふやすというお話がありました。こういうものは端末の数が少なくちゃ余り意味をなさないんだろうと思うのですね。郵便局の特色は全国津々浦々までネットワークを張りめぐらしているというところにあるわけでございますから、端末ぐらいはもっともっと徹底的にふやして、もっともっと気軽に利用していただくようにしていただいたら、もっともっと成果が上がってくるんじゃないか、こういうふうに思いますので、ぜひとも頑張っていただきたいと存じます。  そのほかインテルポストについてもお伺いをしたいと思っておりましたが、時間が参りましたので、これで終わらせていただきます。きょうお伺いできませんでした貯金の問題あるいは簡保の問題、いろいろ大きな問題が残されております。ぜひとも郵政省を挙げてこれらの問題がさらに前進するようにお取り組みいただくことを願いまして、質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  36. 宮崎茂一

  37. 田並胤明

    田並委員 郵政大臣におかれましては、このたび御就任大変おめでとうございました。  過日、週刊誌でしょうか新聞でしょうか、大変美しい奥さんと御一緒に出ておりまして、私と同じで内助の功が大変強いんだなという感じを受けたわけですが、いずれにしても、厳しい現在の郵政事業をめぐる情勢でございますが、所信表明にありますように、ぜひひとつ全力を挙げて国民のニーズにこたえた郵政事業の発展のために御努力いただきたい、このことをまずもってお願いしておくわけでございます。  若干質問通告と順番が変わりますが、ひとつよろしくお願いをしたいと思うのです。  まず第一は、給与改善原資の復活の問題でございます。  大臣所信表明の中で、郵政事業の特殊性から見て人力に依存する度合いの極めて高い事業だ、したがって、事業の円滑な運営を進めるためには、労使双方がお互いに信頼関係を樹立するということを前提にして、労使の安定的な関係を保つことが非常に重要であるというふうに述べられております。このことは私もそのとおりだと思います。こういう安定した状況のもとで初めて明るく活力に満ちた職場になり、また国民の皆さんのニーズにこたえられる郵政事業の生々発展というものが考えられるのじゃなかろうか、このように思うところであります。  そこで、労使相互の信頼関係基礎とした安定した労使関係をつくる、そのための一つの前提条件として、いろいろあろうと思うのですが、職員の生活の安定あるいは労働条件の維持改善、これがまた非常に重要であることは論をまちません。ところが、六十一年度の予算書を見る限りでは、従来予算化しておりました賃金改善原資がゼロというふうになっているわけであります。恐らくきょうの午後には四野党の共同修正ということで、減税問題を中心にして、今申し上げた給与改善の原資の復活についても、修正案が政府の方に提出されることになっておるようであります。  私どもも、今日の厳しい財政事情は十分理解はいたします。今までも福祉予算あるいは教育予算、地方への補助金カット、そして今回はいよいよ賃金改善原資をゼロにするという極めて厳しい状況下にあるわけでありますが、防衛費のGNP一%とのすき間が、給与改善費を入れると余りにも少なくなってしまうというような政治的な配慮があったのでしょうか。いずれにしても、郵政事業の人力に依存する度合いの高い事業という特殊性、それをきちっとやるための労使関係の安定なり労使の信頼関係というものを確立する意味からも、この賃金改善については当然措置をしてしかるべきだったのじゃないだろうか。特にことしは内需拡大が非常に求められているわけでありますが、勤労者の実質可処分所得を拡大して消費の拡大につなげていくという、従来から政府が言っておる方向にも逆行するような気がします。  そういう意味で、郵政省として、予算が今審議をされている過程でありますが、ぜひ私ども野党四党が共同修正をするこの賃金改善原資の復活について特段の配慮を払うべきである。所管の大臣としての御意見をまずお伺いしたいと思うのです。
  38. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 まず最初に、ちょっと人事部長の方から。
  39. 櫻井國臣

    ○櫻井政府委員 人事部長でございます。  給与改善原資の問題につきまして、今先生お話、確かにことしの予算政府原案では一%の改善原資をゼロにするということになっておるわけであります。  先生おっしゃったとおり、郵政事業は人力に依存する度合いが非常に高い、また労使関係を安定し、全職員がこぞって事業のために尽瘁するという状況をつくることは大変大事なことだというふうに思っております。ただ、六十一年度予算に給与改善原資を計上いたしませんのは、一般の国家公務員と同様の措置をとろうということで計上しないことになったものでございます。本来、給与改善原資そのものは給与改定に備えるためのものでございまして、これでもって給与の水準が決まっていくというような筋合いのものではないというように私どもは理解をいたしております。  したがいまして、六十一年度の新賃金のこれからの労使間の諸問題の取り扱いにつきましては、私どもも、今先生がおっしゃった趣旨など十分念頭に置きながら、民間賃金の動向あるいは郵政事業の財政事情、そうしたものを十分念頭に置きながら、誠意を持って交渉に当たってまいりたい、このように考えているところでございます。よろしくお願いいたします。
  40. 田並胤明

    田並委員 今の人事部長答弁については理解をするわけでございますが、賃金の問題は自主的に労使間で決めるということが原則であります。仮に自主的に解決されずに紛争が生じた場合には、公労委という紛争を処理する機関があるわけですが、毎年の例で公労委の方に、調停なり仲裁に移るわけでございます。  しからば、仮に仲裁裁定が下された場合に、従来は仮に一%であっても給与原資があった、今回ゼロだ、それによって仲裁裁定の完全実施をしないというような事態が発生するのは非常に困るわけです。仮に自主交渉でどうしてもけりがつかない、そのために仲裁機関に移った、公労委に移った、そこで仲裁裁定が出た、その場合の決意をひとつ聞かせておいてもらいます。そうじゃないと心配ですから。
  41. 櫻井國臣

    ○櫻井政府委員 お答え申し上げます。  民間賃金の動向がこれからどういう形になっていくかということはまことに不透明でございます。最近の厳しい円高の状況の中で、民間企業が大変苦しんでおられるというような状況もございまして、最後は仲裁裁定に参るかもしれませんが、今の段階で最終的に私どもがそういう状況を予想するわけにはいかない現状でございます。  さはさりながら、私どもといたしましては、やはり民間の状況等を十分勘案しながら、誠意を持ってこの問題の解決に当たりたいというつもりでおります。よろしくお願いします。
  42. 田並胤明

    田並委員 大臣も同じ考えだということでよろしいですか。
  43. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 私、大臣になりまして、郵政方面についてはどちらかというと毎日未知への遭遇が連続でございまして、勉強中というのが事実のところでございまして、特に私が、ああこんなことになっているかということを感じたのは、郵政省の三十一万の職員のほとんど全部が税金を使ってないという事実、そして郵便局を中心にして職員の第一線の方々努力された郵便あるいは郵貯、年金、簡保、そういったものの手数料で運営されているという、そういう国営であるけれども民営の組織で頑張っておるという実態を私目の当たりに見まして、ただいまのお話の賃金交渉、賃金改定の問題等はやはり労使関係でやることがまず第一だろう。その上に、今人事部長が言ったような財政の状況とかあるいは民間の賃金の状況とか、そういうものがやはり考えられるだろう。しかし、そういう郵政省であるだけに誠意を持ってやるべきであろう、やらにゃならぬ、こういう気持ちでおるわけでございます。
  44. 田並胤明

    田並委員 そういうことでひとつぜひ今後の賃金改定に対する労使交渉については臨んでいただきたいということを要望しておきます。  次に、郵貯、簡保の民営・分割論の問題で、郵政省と総務庁の方の見解を幾つか聞きたいと思います。  最近、行革の立場から郵貯、簡保の分割・民営論が出ているのは御案内のとおりであります。ビジョン懇の方でも、これは分割・民営じゃなくて、現在の郵便局なり郵政事業が全国ネットワーク、さらに三事業一体、公共性、普遍性を兼ね備えて、国民にあまねく公平にサービスを提供しているというところに今日までの郵政事業の発展というのがあったし、国民の皆さんに対しての期待にこたえた事業があった。結果的に社会経済の発展だとかあるいは国民生活の向上、福祉の増進、こういうものに役立ってきたというふうに、高く評価をしているわけであります。  そこへもってきて、何やら国民の皆さんには負担増をかけるような、あるいは経費面でもとても民間では手の出ないような、山間僻地にある郵便局等についても、仮に分割・民営になった場合に、果たしてそこの住民はサービスが受けられるんだろうかどうだろうかという心配を持つ分割・民営論なるものが安易に出てきているわけでありますが、郵政大臣の本年一月三日の日経の「新経済政策を聞く」という新聞記事を見て、私は安心したわけであります。  この郵貯の民営化の問題について郵政大臣は、郵貯は郵政省の柱だ、しかも郵便、簡保、この三事業が一体となった事業だからこそ国民の利益になっているんだ、したがって、こうした郵政省の骨格を崩すわけにはいきませんよと、このような発言をしておりますので心配はないと思うのでありますが、私どもとしては、先ほど言ったように、百年余にわたって全国ネットワーク、三事業一体、そして効率的な運営、公共事業であるがゆえにあまねく公平に全国民利用してきたというこの経過から見て、この分割・民営について何を根拠にそういうことを言っているのか。私どもの判断では、どうも国民の利益を守るという観点でなくして、単に郵貯つぶし、簡保つぶしというような感じが非常にしてならないわけであります。  私どもとしては、このような郵貯、簡保の民営・分割論について、ぜひそういう方向にならないように、郵政省も全力を挙げて頑張っていただくと同時に、国民の皆さんに、郵貯や簡保や郵便という三事業が、先ほど言ったように全国民にあまねく公平に、国営で非営利であるからこそそういうサービスが提供でき、今日まで大きな貢献をしてきたんだということについてのPRを、もうちょっと真剣にやるべきじゃないか。そのことによって、郵政事業というのは現在の形態でさらにお互いに努力をしてやっていかなくちゃいかぬのだ、こういう方向をやはりPRをしてもらいたい、こういう気がするのですが、その辺についてのお考えをまず聞きたいと思います。
  45. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 郵貯なりあるいは簡保、年金、こういうことを中心に国営から民営に持っていく、しかも分割をする。どういうところから出るのか私もよくわかりませんけれども、郵貯の現在高が昨年の暮れで百兆円になった、民間市中銀行のベストテンをちょうどトータルした額だ、だから余りにも大きいから九つか十ぐらいに分割してちょうど一行に匹敵するんだ、そういう単純な理論から言う方もあるようでございます。それは私は現実に聞きました。しかし私は、これもこういう立場になってわずか一カ月半でございまして、国会議員としては、郵便局の方々を通じていろいろ郵貯の問題なり簡保の問題――私自身も郵便貯金に、昭和四十五年、九段の宿舎におったときに、郵便局の方が来られるものですから、同調しまして二つとも入りました。そして現在続いて郵便貯金の方は出たり入ったりして、なかったり残ったり、もう選挙のときなんかゼロである。しかし、継続的にせぬと悪いというので、こういう立場になったら家内がないしょで郵便局に持っていく、こういうことをやっておるわけでございますので、私自身も利用しているわけでございます。  ところが、やはり私も百年間これをどういうことで先輩がやっているのかなということで、とにかく郵政百年の歴史を見なければいかぬというので、郵貯の歴史をずっと読んでみました。そしてゆうべも読みました。こういう質問が出るということを聞きましたので、ゆうべも読みました。ところが、明治十八年の内閣制度の第一代の逓信大臣というのは榎本武揚。諸外国に行って日本の海軍の基礎をつくった、その方が新政府のもとで非常に重用されまして、第一代の逓信大臣になった。そのずっと以前から郵便貯金というものは、郵便局を通じて非採算地域もそれから採算地域も、国民にあまねくサービスするためにあるんだということで、郵便局の第一線の職員が、国民の貯蓄心を反映して、そして百兆円という額になった。  しかし使うのは、これは郵政省では独善になっちゃいかぬと考えたのでしょう、大蔵大臣に預ける、今の竹下大蔵大臣に預ける。そして財投という名のもとに国民に還元をして、公的金融機関にお貸しをする。今の財投、多分郵貯は六〇%ぐらいじゃないでしょうか、財投のシェアが。そうすると、住宅金融公庫とかあるいは住宅・都市整備公団あたりに、私、きのう概算計算してみたところが、二十兆円お貸ししている。それで日本の国策の住宅政策の第一線に立って郵便局の第一線の方が頑張ってやっている。  この前、熊本郵政局に行きまして、九州七県でどのくらい簡保の資金が使われているのですかと聞いたら、今残高七千二百億円使っている。そして、それなら私のふるさとの大分県にどのくらい出しているのですかと聞いたら、七百二十億円出しているというのです。そこで知事に会いまして、あなたは郵政省の簡保のおかげでいろいろなことをやっているでしょうと言ったら、そんなことはありませんと言うのですよ。そこで、そんなことない、私のメモにはそういうことが書いてありますよと言ったら、総務部長を呼びまして、どうなんだと言った。はい、簡保のお金を県独自で七十二億円、それで関係市町村合わせて七百二十億円、簡保のおかげで住宅を建てたり、道路をつくったり、港湾をつくったり、公園の整備、下水道の整備に使っています。  こういう実態を私知りまして、こういう制度というものを明治の先輩から大正の先輩にかけて残してきておる。これを他の企業と同じように、単に国営であるがゆえに分割するのとは次元が違う。  私が郵政大臣になりまして、一月の最初でございますか、こういう声がちまたにある。それなら独善になっているのか。そうしたら、そういう制度で独善にならない仕組みをつくっている。それなら赤字になっているのですかと聞いたら、大体国営というのは硬直して赤字になりますね、ところが全然赤字になっていない。それなら創意工夫がどんどん生かされているのか、それもひとつ検討しましょうと言うたところが、郵貯あるいは簡保の面について、独善的どころか、創意工夫をどんどん起こして、例えば教育ローンなんか五十三年に一番最初にやった。そうしたら民間の市中銀行の方が、これはいいことだといって進学ローンとか教育ローンという制度をつくった。郵貯が先行的に大衆サービスの仕事をしている。それならこれは独善ではない、創意工夫もやっているではないか、これを単なる民営・分割論なんという今はやりの言葉でやることはおかしいということで、今の新聞記者会見を準備してやったわけでございます。  これは、変なことを言うたらとんでもないことになりますので、そうしてやったところが、それはいいんだ、こういうことで、その基本は崩さない。しかし、自由化の波が必ずやってくるということだけは我々は予見しなければならぬ。これは避けて通ることはできない。  したがって、郵貯、簡保の問題も、果たして将来永久に出す方も出る方も固定金利制でいいかどうか、変動金利制に移行する体制をとらなければならぬだろう。それならば、郵貯としての自主的な責任を我々は持たなければいかぬ。自由化の裏には自主責任というものがあるはずだ。したがって自主責任は何かというと、郵貯の自主運用というものをもうそろそろ考えて、当委員会の皆さん方とともに考えながら、自主運用のシェアをどのように我々は広げていくかということだけは先手先手でやっていかなければならぬ。したがって貯金局長さんに、そういうことを考えてくれよ、そうしないと委員会からとんでもないおしかりを受けるよという気持ちでおるわけでございます。  したがって、民営、分割論という理論については、御期待どおりその趣旨は守りながら、新しい時代に向かっての方策というものは、もう今から先に考えていかなければならぬ、こういうぐあいに考えております。
  46. 田並胤明

    田並委員 私が次にお聞きしようと思った自主運用の問題まで答弁をされてしまいました。今までの郵政大臣は、私は逓信委員会に初めて来たものですからわかりませんが、大変勉強されて、郵政事業の根幹をまさにきちっと十分に理解をされてやられるという大臣答弁を聞いて、大変安心をしました。ぜひひとつ、先ほども申し上げましたように、非採算部門、国営、これで労使一体といいましょうか、郵現一体になりまして、現場でも一生懸命努力をしているわけでありますから、国民の期待にこたえて、現在の事業を守りながら、社会経済の変化にきちっと的確に対応した事業の発展を願いたい、このように思います。  そこで、総務庁の方にちょっとお聞きをしたいのですが、総務庁では、郵政事業を三年間で見直すということで、昭和六十年度は郵便事業に対して行政監察を実施されたそうですが、現在どのような状況になっているのか。この郵政事業の見直しの中身、方針といいましょうか目的といいましょうか、これについてぜひお聞かせを願いたいと思います。     〔委員長退席、畑委員長代理着席〕
  47. 北村圀夫

    ○北村説明員 お答えいたします。  郵便事業につきましては、六十年度の第四・四半期ということで、一月から三月でございますが、ただいま監察を全国的に実施中でございます。その基本的なねらいと申し上げますのは、要するに、事業運営の効率化といいますか、そういう基本的な認識のもとに、ただいま実施中でございます。  総務庁の監察計画といいますのは、先生御承知かと存じますが単年度ごとの監察計画でございまして、したがいまして、ただいまの郵便事業が実施中という意味では、それが決まっているだけでございます。  それでは六十一年度にどうなるかということにつきましては、この四月から始まります六十一年度の監察計画を目下鋭意検討中でございまして、いまだに確定しておらない、こういう状況でございます。したがいまして、簡易保険の問題も含めまして、そういう状態にあるわけでございます。
  48. 田並胤明

    田並委員 そうすると、郵便の方はそういうことで第四・四半期、ことしの三月までに一応の行政監察を済ませるということでわかったのですが、単年度で総務庁の方は行政監察をされるということですから、この三年計画というのはないということになるのですか。
  49. 北村圀夫

    ○北村説明員 お答えいたします。  各年度ごとの監察計画ということでこれまで対応しておりますので、ただいまは郵便事業の監察を実施しておるわけでございますけれども、そういう意味では、構想というようなものが考え方としてはないわけではございませんけれども、少なくとも単年度ごとの監察計画ということでございますから、ただいまの段階では六十年度の監察計画が生きておるということでございます。
  50. 田並胤明

    田並委員 これは新聞記事ですから、総務庁がそういうふうに決めたかどうかはわかりませんが、六十一年度の行政監察の計画の中に、実は郵便貯金事業というのが含まれているというように報道されているわけですよ。そうするとこれは、今は決まっていないというお話なんですが、少なくとも郵便事業をやれば、次には簡保事業か郵便貯金事業というふうに順番としていくような気がするのです。  そこで、今大臣答弁にありましたように、郵政事業というのは、官業ではあっても、とにかく国民のニーズにこたえて国民の利益を増進する、社会経済の発展に寄与するという大きな目標を持って進んでいるわけでありますから、一部新聞等によると、何かちょうど時を同じくして郵貯の分割・民営なんという話が出てきているものですから、それに合わせるような形で行政監察がされるのではないかというニュアンスの記事が出ておりますが、私どもとしては、事業経営の効率化で実施をされる場合であっても、これまでの郵政事業が国民の皆さんのために果たしてきた役割、今後のあり方等々、今郵政省所管の大臣の決意が述べられたわけでありますから、そういう方向で、いかに国民の皆さんのためになる郵政事業に、あるいは郵便貯金事業になるのか、こういう視点での監察方針というものを持つべきではないか、かように思うのですが、いかがでしょうか。     〔畑委員長代理退席、委員長着席〕
  51. 北村圀夫

    ○北村説明員 お答えいたします。  六十一年度に郵貯事業を監察するということがただいま決定しておらないわけでございますので、お答えしにくいわけでございますが、いずれにいたしましても、私ども、どのような行政監察を行う場合におきましても、各界各層の御意見を十分いただきまして、誤りのないように監察を実施していかなげればならないというのが通例でございますので、そういう意味におきまして、先生からただいま御指摘のありました御意見を十二分に参考にさせていただきまして、今後の監察事務に生かさせていただく、このように考えております。
  52. 田並胤明

    田並委員 では、ぜひそういう方向で努力をしていただきたいと思います。  次に、小口預貯金の金利自由化への対応の問題で、郵政省並びに大蔵省の方からお聞きをしたいのですが、きのうの朝日新聞、小口金利の自由化は二段構えで、まずMMCを導入して、その次に自由金利預貯金、大蔵と郵政考え方が一致した、こういう記事が出ておりました。恐らく「アクション・プログラムの骨格」に示された方向で、大蔵と郵政の協議が進められたのではないかと思うのです。  ただ、ここでちょっとお聞きをしたいのは、この金利自由化を実施する場合に、大蔵省と郵政省の協議の中では小口の預貯金の額、要するに金利自由化をする小口預貯金の額についてはまだこれからの調整だ、このように出ておるのです。郵政省としては当然、郵貯の限度額まで金利の自由化を持ってこい、こういう強い要請を多分しているのだろうと思うのですが、大蔵省としてはこの金利自由化を実施する場合の小口預貯金の額は、現在どの程度までというふうに考えているのか。例えば一千万までMMCが導入されるというのが時間的な経過の中であるようでありますが、どの辺までを大蔵省としては今考えておるのか、ちょっとお聞かせを願いたいと思うのです。
  53. 杉井孝

    ○杉井説明員 お答え申し上げます。  先生御案内のように、預金金利の自由化につきましては、昨年の七月末に出ましたアクションプログラムにおきましても明らかにしたように、金利の自由化は、金融情勢等を勘案しながら大口から小口へと順次段階的に推進する考えでございまして、大口につきましては、昨年十月に超大口と言われる十億円以上の定期預金について、金利規制の撤廃を行ったわけでございます。今後とも大口につきましては、定期預金を中心に六十二年春までの金利規制の緩和あるいは撤廃に向けて着実にこれを推進していきたいと考えておるわけでございます。  また、小口預金金利自由化につきましても、アクションプログラムにおきまして、大口に引き続きその自由化を推進するという考えを明らかにしておるところでございまして、現在、学識経験者で構成されております金融問題研究会というところで各界の御意見を伺いながら、理論的に幅広く検討を行っているところでございます。先生指摘の小口の範囲の問題につきましても、その検討の一環として、現在金融問題研究会で御検討願っている段階でございます。また、郵政省さんともいろいろ具体的な点につきまして引き続き意見交換あるいは相談をさせていただきたいと思っておるところでございます。
  54. 田並胤明

    田並委員 金融自由化とそれから金利自由化、これは郵政省の郵便貯金約百兆円、これを抜きにしての自由化というのは、国民の利益を向上させるという観点からもちょっと抜くわけにはいかないと思うのですね。したがって、これからの郵政省と大蔵省の協議の中で、小口預貯金の金利自由化を進める場合に、例えば大蔵省が五百万までなどと言われますと、今の限度額三百万というのではそこまでいかないわけですから、郵貯だけが置き去りにされてしまう。  これは大臣所信表明の中にも、あるいは新聞記事の中にも、郵便貯金の金利自由化というのは当然進めるべきだ、積極的。に進めるべきだ、そのことが国民の利益につながるのだという観点での記者会見をされているわけでありますから、当然私どもとしてはそういう方向で一層の努力をされるだろうと思うのであります。またそれを期待したいと思うのですが、ただ、金利自由化が実施される過程で、当然郵貯資金の運用の問題についても改善されなければならない点が多分に出てくると思うのですね。  先ほど大臣が言ったように、自主運用枠を拡大して、例えば国債の窓販をやったり市場金利に連動した新しい商品を開発したり、こういうことを考えなければならないと思うのですが、問題は、大蔵省の方は少し銀行の方に加担をしてしまっているようだが、百兆円を預貯金している零細な預金者の保護というものについて、大蔵省としてはどのように考えられているのか。  もう一点、ひとつ大蔵省の方にその辺の――同じ国民ですから、しかも庶民の皆さん方が、国民の皆さん方が一生懸命節約をして老後の安定のために、あるいは仮に病気にでもなったときには大変だというので、郵便貯金を活用して資産形成をしたり、そういう将来の生活安定のための努力をしている、この預貯金金利の自由化というのは蚊帳の外に置くんだという物の考え方が少しでもありますと、これは大変困りますから、今申し上げたように、場合によれば資金運用の問題も出てくるでしょうし、市場金利の実勢に合わせた新しい商品の開発も必要になるでしょうし、こういうものについて、大蔵省は前向きに郵政省と協議に入るという決意をひとつ聞かせておいてもらいたい。
  55. 杉井孝

    ○杉井説明員 先ほども申し上げましたように、小口預金金利につきましては、アクションプログラムに示されておりますように、預金者保護あるいは郵便貯金とのトータルバランス等の環境整備を前提として、具体的な諸問題につきまして早急に検討を進め、大口に引き続き自由化を推進するということになっておりまして、私どもといたしましてもその考えで、今申し上げましたような金融問題研究会における検討とあわせて、郵政省を初め関係省庁と相談、意見交換を行ってまいる所存でございます。
  56. 田並胤明

    田並委員 ちょっと歯切れが悪いのですが、これからまた続いて一般質問の中で、私どもの先輩の議員が多分やってくださると思いますが、郵政省の方にお聞きをしたいのは、先ほど私が申し上げましたように、小口の預金者の保護あるいは利益の向上というような観点からして、金利自由化は何としても郵貯まで含める、こういう基本的な考え方大臣の方からお聞きをしました。ただ、それに伴う、先ほど言った市場の実勢が反映される資金運用あるいは新商品、こういう開発も当然考えなければならないと思うのですが、その辺はいかがお考えなのか、お聞きをしたいということ。  もう一つ、時間の関係でお聞きをしますが、どうも公定歩合が再引き下げになるような流れになっておるようですが、当然それに伴って資金運用部に対する預託金利の引き下げ、これに連動する貯金金利の引き下げというのが、先日に続いて――二月二十四日からこれが実施されるわけですが、また余り時間を置かずに金利の引き下げというものも出てくるような流れのようであります。  そこで、もちろん預金者の立場からすると困ったことなんでありまして、全体的な経済情勢の流れの中でそういう事態になるわけですが、心配なのは、郵便貯金事業経営にどのような影響を与えるだろうか。もうそれこそ短時日の間に公定歩合が下がる、預託金利が下がる、金利が下がっていく、これの郵便貯金事業に与える影響等が当然出てくるのじゃないだろうか。場合によると、逆ざやにまではならないにしても、相当収益面でも影響が出てくるような感じがいたしますので、ひとつ貯金局長の方から、その辺、もし検討されているものがあれば、先ほどの問題を含めてお答えをいただきたい。
  57. 塩谷稔

    ○塩谷政府委員 お尋ねの最初の点でございますが、先生おっしゃいましたように金利の自由化、これが非常に速いテンポで進んできておりまして、大口に引き続いて小口の自由化――小口の範囲はどうなのかという問題もあるわけでございますが、私ども少額貯蓄を預かる立場としては、ぜひとも三百万円も含めて、あるいはそれが引き上げられた場合は当然その限度も入れて、こういった対象全体が自由化の栄に浴するということが望ましいわけでございます。  そういう場合に当然考えられますのが、御指摘のとおりお客さんから自由化の商品をお預かりするということになりますと、当然運用の面でやはり自由化に対応した対応をしなければいかぬだろう、そのためには市場金利に連動した形で今の預託率というようなものを考えなければいかぬだろうし、あるいは郵便貯金資金が全体として資金運用部なり財投に預けられるという仕組みを検討して、直接、例えば国債などあるいは財投債など、そういったものに振り向けられて、市場金利に連動した形での資金運用というものを考えることも必要になると思います。  それと、先生指摘のとおり、話が前後して恐縮でございますが、お預かり商品面で新しい商品を開拓していく、暫定的な措置としてMMCというようなものも当然考えられるべき問題だと思っております。そういう自由化対応を私どもできるだけ速やかにという気持ちで、大蔵省との話し合いをこれから進めてまいりたいと思っております。  お尋ねの第二点でございますが、このたび公定歩合が引き下げられまして、預貯金金利もこれに連動して下がる。それで同時に預託利率も改定される運びになって、この二月二十四日から実施される予定でございます。御心配の経営に与える影響という点につきましては、私どもその点十分配意して検討いたしまして、これは結論的に経営状況に与える影響はない。と申しますのは、これからお預かりする、二月二十四日以降新しく低い貯金金利でお預かりしたお金を、同じレベルで下がった預託利率で資金運用部に預けるということになりますので、既存の、今までお預かりしたものは今までの利率で運用していく。今までの利率で運用した場合の収支見通しということになりますと、六十一年度で大体五千億程度の黒が見込まれておりますので、したがって大体新規預入のものを新規預託ということでいけば、これからの収支状況の見通しは大丈夫だということでございます。今後ともそういった経営の見通し、あるいは新しい情勢に対応した事業経営というものを心がけてまいりたいと思っております。
  58. 田並胤明

    田並委員 わかりました。ただ、先ほど質問に関連して、例えば大口から中口でしょうか、その次に小口と金利の自由化がされてくる。そのうち郵便貯金だけは別枠だなんということでやられて、一方の金融機関の方では変動金利制でもって非常にいい商品を出してくる。もちろん変動金利制ですから、仮に郵政省の郵貯が固定金利制になった場合に、両方にメリット、デメリットというのは出てくると思うのです。ただ、我が方がかなりデメリットをかぶったときに、市場の方の金利は、どんどん民間の金融機関の方は新しい商品が開発をされてやっていかれる、郵貯がどんどんそっちへ流れていく。そのことによって、例えば先ほど大臣が言われたように、大分でも七百何十億という郵貯の資金、簡保の資金が行って、地方の社会資本の整備にかなり役立っているわけです。その原資までマイナスになるようなことになったら大変なことでありますから、資金運用部資金を今までどおりやるということは当然でありますが、それだけでなくして、先ほど言った自主運用の窓口もこの際あけておかないと、また努力してもらわないと、そういう金利自由化の波が押し寄せてきたときに郵政省だけが取り残されてしまったということのないように、ぜひひとつ今後一層の御努力で、大蔵省の方と協議を進めてほしい。このことを、この点については要望して、次の問題に移らせていただきます。  次は少額貯蓄の非課税制度の問題でございます。これも大臣のきのうの所信表明なりあるいはこの間の日経の記事にもありますように、非課税貯蓄というのは、とにかく庶民の皆さん方が貯金をした、庶民の財産だ、これに水を差すような非課税貯蓄制度の廃止というのはだめだ、こういうお話でございます。これもそういう方向で取り組まれるのだろうと思いますので、ぜひそういう方向で一層の努力お願いしたいと思うのです。  ただ心配なのは、例の政府税調なりあるいは自民税調の方で、ことしの春に国民の一番要望の強い大型減税の考え方を示す、そうして秋口に今度はそれの財源措置を考えていく。財源措置が何であるかということについては、残念ながらまだ明らかにされていないわけでありますが、どう考えてみても、どうもEC型付加価値税あるいは先ほど言った非課税貯蓄制度の撤廃、こういうもので何か捻出をするというのが濃厚のような気がいたします。  特に今、非課税貯蓄の預金残高が六十年三月現在で総額二百六十八兆円だそうです。そのうち郵貯が九十四兆円でシェアが三五・一%、こういう金額ですから、仮に二百六十八兆円、五%の金利がついたというふうに想定をいたしますと十三兆四千億円。そのうち金利に対して一〇%の税金をかけるということになりますと、これだけで約一兆三千から四千億の財源が出てくるわけですね。EC型付加価値税、いわゆる大型間接税というのは、大平内閣の当時に国民の総スカンを食って残念ながらやめたという経過があるだけに、なかなかこれを出すのは難しい。今欧米諸国から、日本は非常に貯蓄志向が強い、それがまた内需拡大につながらない、消費拡大につながらない、したがって貿易摩擦にも影響が出てくる、こういう観点から非課税貯蓄制度の見直しをやるべきではないかという話が出ているわけであります。そうすると、勢い流れとして、どうも少額貯蓄の非課税制度に入ってくるような危惧が、私どもにしてみますとあるわけです。  そういう点で、これは大臣も自民党の偉い人でありますから、当然そういう流れに巻き込まれるというと失礼ですが、流されて、どうも大臣就任当時の所信と変わってしまったのでは困りますので、ぜひその辺のお考えを聞かせていただきたい、このように思います。
  59. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 断じてこの制度は守ります。断じて守るだけではいけませんので、やはり理論を立てないといけないと思うのです。  そこで欧米諸国では、日本の民族は貯蓄をし過ぎる、そうしてそれが貿易摩擦の解消にならない、こういうことを言う方もおります。ところが、実際のところそういうのではなくして、どの国だって貯蓄心がある国の方がいいわけでございまして、その貯蓄されたお金をどのように使うかが問題であるというところに焦点を決めるべきだと私は思うのです。したがって、国民の持っておる貯蓄心、それを二万三千に近い、非採算地域と採算地域を問わず、国民に奉仕するという、機会均等を与えて貯蓄心にこたえるための展開の組織というものは、やはり世界に誇ってもいい制度だと私は思います。そしてそれに対して、もう郵貯が始まって百年の一番最初のときから、これは税金は取りませんよ、こういうことで非課税になっている。この百年に近い歴史と伝統というものに支えられて郵貯というものが今民間活力の源泉になっているというこの実態を、外国の人に知ってもらいたいと思うのですよ。  ただ、今まで残念ながらそういうお金がどのようにして内需拡大、しかも国際経済の協力に使われているかという実態を知らせてない。また、そういうことを発表してない。これはやはり反省すべき点があったと思うのですよ。したがって、郵貯の金がこのようにして内需拡大に使われ、このようにして金融機関を通じて国策の線に沿いながら十分に期待に沿っているということを展開するならば、郵貯の非課税という問題についてメスを加えるということはできないと私は思うのですよ。  そして、私の数字がちょっと間違ったらごめんください、郵貯自身も去年かおととしまでですか、三千五百億台の累積赤字があったわけですよ。そこで、なぜあったのかと私事務当局に聞きました。これはやはり批判を受ける的になるよ、こう聞きましたところが、やはりそれなりの理由がある。三百万円という限度額を余り長期に守り過ぎる、だから経済的に見て魅力がなくなってきておる、そういう面はやはり改正する必要があると私は思います。それからさらに、個人の家計の中の可処分所得の低迷もあるでしょうし、個人の家計におけるところの個人の支出というものが大きくなっている、そういう経済的な影響もあって、なっておる。それならばことしはどうかと聞いてみたところが、四百億円台の黒字に転換しているじゃございませんか。これはやはり全国に展開されておる郵便職員の第一線の者が、この自由競争の中で一生懸命頑張って、そして黒字に転換させておる。  こういうことを見たときに、その魅力は少額貯蓄の非課税制度というものがあるからでございます。しかし一方では、そういう国の背景を持っておる郵貯であるだけに、それは大蔵省の方にお預けして、そして公平に活用する、こういう国営民活片肺金融機関ですよ。これが大衆奉仕への長い歴史でありますので、こういうようなことを踏まえて自由化の波をどう乗り切っていくかということは、貯金局長以下、大蔵当局と十分話し合って、そしてこれを乗り切っていく、こういう態勢をとりなさい、こういうぐあいに私は言っておるわけでございます。  ちょっと長くなりますけれども、実はこの件についてはまだ一カ月の勉強でございまして、十分な検討ができませんが、私は航空の方をやっておったものですから、四年ほど前、自由化とは一体どういうことなんだろうかということでワシントンの方へ行ってきました。航空運賃の自由化、あるニューヨークに入っていく新規参入の航空会社の株主総会に出ましたところが、ようやくニューヨークに乗り込んだ、向こう半年運賃はただと言うのですから。運賃はただ、そして、自分のもうけておる南の方の石油会社の利益を充てる、これがアメリカの航空政策の自由化である。  一方今度は、ニューヨークでは、モルガン銀行の副頭取で企業合併担当重役という名刺をもらったのですよ。要するに自由化というものは、銀行といえども倒産しますよ、そういうものを合併しますよ。そういう波が襲ってくるわけでございます。  したがって、自由化の裏には自己責任というものがある。その自己責任を郵政省は持とう。そのためには、今先生が言われたような自由化の過程の段階で、市場金利連動型の新しい商品を開発しよう、あるいは国債もうちの方で売らせてもらいたい、あるいはシルバープラン預金もうちの方でやらせてください、こういうようなお願いをしなさいよ、そして、大蔵省と十分話し合って、郵貯の骨幹を守りながら、国策に沿っていくこの機関だけは守り抜いていこうじゃないかということを貯金局長と話しておる次第でございます。  こういう非常に難しい波でございますので、逓信委員会における先生方の御理解と御協力というものがこの一年間非常に大切な時期に来たということを申し上げて、お答えにしたいと思います。
  60. 田並胤明

    田並委員 大臣の決意を再三再四聞きまして、ぜひひとつそういう方向で一層の努力をしていただきたいということで終わりたいと思います。  きょうは郵務局長にも経理部長にも質問をしたいということでお越しを願ったわけでありますが、時間の関係で次回に譲らせていただきます。  以上で終わります。
  61. 宮崎茂一

    宮崎委員長 午後二時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十五分休憩      ――――◇―――――     午後二時四十五分開議
  62. 宮崎茂一

    宮崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  逓信行政に関する件調査のため、本日の委員会に、参考人として宇宙開発事業団副理事長園山重道君、日本電信電話株式会社代表取締役社長真藤恒君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 宮崎茂一

    宮崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  64. 宮崎茂一

    宮崎委員長 午前に引き続き質疑を続行いたします。鈴木強君。
  65. 鈴木強

    鈴木(強)委員 佐藤先生郵政大臣御就任おめでとうございます。  私は、先生郵政大臣に御就任以来大変活発に御活躍をなさっておられますことを、新聞その他で十分承知をいたしておるのでございます。私は参議院の方が長かったものですから、先生とのおつき合いもほとんどなかったのでございますが、就任直後の記者会見で、郵政事業電気通信事業、逓信事業につきましては伝統と新技術の二つの柱でという考え方、そしてまた言ったことは実行する、こういうふうに述べられておりまして、立派なお方だというふうにお察ししておるのでございます。  特に大臣が正月元旦に東京の下谷の局においでになりまして、年賀郵便の出発式で、郵便は国民生活に密着した通信手段として社会経済の発展に大きな役割を果たしており、国民の寄せる期待も大きいと述べられ、さらに日夜奮闘される各位に心からの敬意と、労苦をともにされる御家族に対しても感謝の意を伝えてほしいというようなお話をしたそうでございまして、思いやりのある人情家の政治家だ、こういうふうに私は考えておるのでございます。  一年になりますか、御就任の期間はわかりませんが、どうぞしっかり頑張っていただいて、ごあいさつをいただきましたように、非常に重大な曲がり角に来ております郵政事業、逓信事業に対しまして、今後とも格段の御奮闘をいただきますように、また私たちもできるだけの御協力を申し上げたい、こう考えておりますので、御健闘を心からお祈りする次第でございます。  さて、若干の質疑をさせていただきます。  最初に、電波の利用につきましては先ほど谷垣委員からも御質疑がございましたが、これは国民のものでございまして、公共性の非常に強いものでございます。したがって、これを有効適切に使うことによって、国民のあらゆる面にいい影響を与えるようにということにあると思うのであります。最近青森県など七つの県に三局目の民間テレビの周波数の割り当てがございました。さらに札幌は五局目、鹿児島は四局目と、こういうふうになし崩し的にまたその割り当てをふやしておるようでございます。私どもも当初からタッチしておりますが、やはり経済圏の非常に薄いところなんかにたくさん持っていきましても、結局はその番組が低俗化してしまうとか赤字になるということで、非常に経営が困難になるわけでございます。この三局目、四局目、五局目というような割り当てをする際に、郵政省としては一つの割り当て基準というものを持っておられると思うのでございますが、それをちょっと教えていただきたい。
  66. 森島展一

    ○森島政府委員 民放のテレビの周波数の割り当てにつきましては、全国各地域におきまして情報の格差を是正する、受信機会の平等を図る、こういうことを基本として進めております。この基本的な考え方に基づきまして、全国どこでも民放のテレビが最低二チャンネルは見られるようになっておるわけでございますけれども、これを四チャンネルまで見られるように目標を掲げたところでございます。その考え方は、周波数の割り当ての面で、全国各地域四チャンネルが見られる世帯は、八〇%はそういう手当てがもう既にされておりますので、残りの約二割、ここも四チャンネルまでは見たいという非常に国民的な要望が強いということを踏まえまして、全国民放テレビが四チャンネル化という目標を掲げたわけでございます。ただこれを、先生おっしゃいましたように、経済的な条件とかこういったことを念頭に置いて、環境が整ったところから進めていくべきであろうというふうに考えまして、その環境が整いました青森等の七県につきまして、一月の十七日付で周波数の割り当てを行ったところでございます。  なお、もう既に四チャンネルが見られておる札幌あるいは三チャンネルが見られておる鹿児島につきましても、札幌につきましては東京、名古屋、大阪、こういった中枢地域との受信機会の平等、こういう観点から、また、条件が整っておると考えられる鹿児島についても、それぞれ五チャンネル化、四チャンネル化、こういうことで二月の七日付で周波数割り当てを行ったところでございます。
  67. 鈴木強

    鈴木(強)委員 この四局化の方針を立てられますときに、割り当て困難な一部の地域以外はというふうに言われているように聞いておるんですけれども、割り当て困難な地域というのは具体的にどういうところを指しているんですか。  それからもう一つは、四局化という方針、これは確かに結構です。情報格差をなくするということで、できるところはどんどんやっていただいてよろしいと思います。私の故郷なんかはNHKが二チャンネルですね。それから民放二チャンネル、それであとはもうCATVを使いまして、これがかなり普及をしておるわけですが、そういう方法によって東京キー局を全部見ておるというようなところもあるわけですね。ですから、経済圏の弱いところではい三つも四つもつくったところで、これはもう共倒れになっちゃってだめですから、原則四局化というその方針を決める際に、割り当て困難な一部の地域ということだけでなくて、やはりそういう経済的な点も十分に考えて、そしてそういうところは今すぐ四局化ということでなくて、CATVもこれからどんどんと発展していくわけですから、そういうことも加えた上でのチャンネルプランというものを立てた方がよりベターだというふうに思うのですけれども、その辺を含めてお答えをいただきたい。
  68. 森島展一

    ○森島政府委員 周波数割り当てが直ちには困難という条件としましては、この周波数の物理的な事情で困難な、混信が生ずる、こういった点、それから経済的な基盤が整っていない、こういった点、さらには、その地域放送需要、こういうことを総合的に勘案しまして、困難さがなくなったところから漸次、先ほども申しましたような目標に向けて周波数割り当てを進めていきたいと考えるわけでございますが、特に先生おっしゃいましたような経済的な基盤という点におきましては、確かにその地域の人口とか、県民所得とか相当考えまして、慎重に検討しなければならない点があるわけでございまして、これにつきましては、その地域の実情をよく踏まえて今後も検討を進めていきたいと思っております。  それから、周波数の割り当て事情等につきまして、現在では堀難なところがでざいますが、これも技術開発等のいろいろな手段を講じて解決を見出していきたいと思っておりますし、それから、経済基盤が非常に難しいような地域につきましては、従来と違ったような考え方を導入すれば、この四チャンネルに向けた目標があるいは実現する方法があるかもしれない。その具体的な方策につきましては、幅広い御意見をお伺いしながらこれから検討していきたい、こういうふうに思っております。
  69. 鈴木強

    鈴木(強)委員 これからCATVというものがますます発達してくると私は思います。ですから、それとの関連も一方では考えながらやってほしいと思います。今ちょっとここではお答えにくいだろうと思いますが、周波数のUとV、今どの程度使用可能な周波数が残っているのか。これは後で資料で出していただけませんか。いいですね。  それでは次に参ります。ゆり二号bの問題でございます。この委員会でもかなり厳しい論議が行われましたが、四日打ち上げがおくれましたけれども、二月十二日の午後四時五十五分、種子島の宇宙センターからNⅡ型のロケットで打ち上げがなされ、成功いたして、今ドリフト軌道を回っていると思います。  ここでちょっと伺っておきたいのは、打ち上げに成功いたしましたが、これからドリフト軌道を回って、いつごろ静止になるのか、そして電波を発射するのは大体いつごろになるのか、そういった手順についてお伺いをしたいのでございます。  それから、ここでも論議されましたように、二号aの二チャンネルの故障の問題とあわせて、我我が見て今度のボックスとか、衛星本体の中にはボックスがございますが、それが必ずしも完全だと言えない点があったと私は思うのです。ですから、そういうものがいよいよ静止して、電波を出して、そして完全に放送ができるという段階でNHKの方に引き渡されると思うのでございますけれども、自信を持って皆さんおやりになっておるから、こういうことを聞いては失礼かと思いますけれども、この手順と、それから、この委員会で問題になりましたような点を含めまして――間違いなく今度は順調に飛行できるというように考えておられると思いますけれども、その手順をちょっと教えていただきたい。
  70. 園山重道

    ○園山参考人 お答えをいたします。  ゆり二号bにつきましては、先生ただいま御指摘のように、二号aが一昨年打ち上げられまして、二チャンネルが故障するということが起きましたので、私どももその後最大限の努力をいたしまして、また宇宙開発委員会におかれましても特別委員会を設置されまして、ここでいろいろ原因の究明並びに対策について御審議をいただいたところでございます。  私どもといたしましては、できることは全部やったつもりでおりますので、今回のbにつきましては、実際に放送電波を出します中継器につきましても、満足に働いてくれるものと期待をいたしておるところでございます。  手順につきましては、先生お話しのように、十二日に打ち上げまして、現在、これは二月十五日土曜日でございますが、この日にアポジモーターに点火をいたしまして、ほぼ静止軌道、これは漂流軌道、ドリフト軌道といっておりますが、ここに入っておりまして、日曜日の十六日に、太陽電池パネルを開くというようなこと、それから姿勢制御系を完全に働かせるということをいたしまして、現在まですべて順調にまいっております。  これからの手順でございますけれども、この放送衛星二号は、御承知のようにaが所定の位置、百十度におりまして、bはいきなり百十度に持っていくわけにまいりませんので、まず百十七度の地点で静止軌道に入れます。この時期は、現在二月末、大体二月二十八日と思っております。百十七度に入れまして、そこでいろいろなチェックをいたすわけでございますが、今御指摘のような、2aで故障を起こしましたTWT、進行波管を含みます中継器につきましては、大体三月中旬ごろからこれに最初の火を入れまして、チェックを始めることにいたしております。  ただ、御承知のようにこの三月、春分を中心といたしまして、食と申しまして、衛星に太陽の光が当たらない時間がございますので、こういうものとの間をどうするかということは非常に慎重に検討いたしておるところでございますが、大体の予定といたしましては、三月中旬ごろから今申し上げました中継器の機能確認ということをいたしまして、そうして最終地点百十度、これは物理的には多少ずれますけれども、現在2aがありますのと同じ位置に持ってまいりますのを五月下旬の予定にいたしております。  五月下旬、その地点に持ってまいりまして、その後姿勢制御系の機能でございますとか、それから夏至時点、六月二十日ごろでございましたか、夏至になりますと、このときは地上とかわりまして、衛星に当たる太陽が一番少なくなると申しますか、発生電力が一番低い時点になりますので、そこで発生電力の確認といったようなことをいたしまして、七月の中旬に通信・放送衛星機構にお引き渡しする、こういった手順にいたしております。
  71. 鈴木強

    鈴木(強)委員 そうしますと、今現在は東経百十七度に一応静止したと見ていいのですか。
  72. 園山重道

    ○園山参考人 先ほど申し上げました十五日にアポジモーターを吹かしまして、大体の静止軌道というのに入りました地点はもっと西の方でございまして、この大体の静止軌道と申しますのは、そこから何もしなくてもずっと衛星がほぼ静止軌道に入りまして、百十七度の方に向かっていくわけでございます。その百十七度の地点でとめますのが今月の末、二月二十八日ごろでございます。
  73. 鈴木強

    鈴木(強)委員 わかりました。成功を祈っております。  それからもう一つ、この委員会でも問題になりました例の保険のことでございます。これについては、打ち上げ保険、寿命保険等何かいろいろお考えになっておやりになったようですけれども、どういうふうになったでしょうか、ちょっと報告してもらいたい。
  74. 園山重道

    ○園山参考人 保険につきましては大変御心配をおかけいたしまして、特にアメリカ、ヨーロッパで故障がずっと続きましたものですから、保険料率が大変上がって、果たして掛かるかどうかということで私ども大変心配したわけでございますが、幸いにいたしまして一月十四日に保険会社と契約を締結いたしました。これは保険責任期間が百五十日と、従来の九十日から百五十日に延長をいたしました。成功条件は2aの場合とほとんど同じでございまして、つまり三チャンネルのうち二チャンネルが稼働すれば、これは成功と見ざるを得ない、こういう契約条件でございます。そのほかいろいろな保険条件がございますけれども、大体2aの場合と同じでございます。  ただ、先ほど申し上げましたいろいろな事情で料率が大分上がりまして、表面上三一・五%。これは成功いたしますと成功戻しがございますので、その場合には二五%ということになります。保険を付保いたしました付保金額が百五十九億五千万ということでございます。したがって、三一・五%で、保険料といたしましては約五十億二千万、成功戻しがございますと三十九億九千万ということでございます。こういった契約を国内の保険会社と締結したわけでございますが、これは非常にリスクが大きいので、こういう場合はすべて海外に再保険を出すわけでございます。この再保険の手続も打ち上げ前日に終了いたしまして、一〇〇%、百五十九億の保険が掛かっておるわけでございます。  なお、この五十億二千万というのはNHKさん、いわゆる通信・放送衛星機構さんの分と、それと私どもNASDAの分とで分担するわけでございますけれども、その金額といたしましては、機構さんの方が約四十一・八億円、宇宙開発事業団分が八億四千万円となっておりますが、これはロケット分は丸々現物で私どもが見るということで、こういう差になっているわけでございます。  なお、寿命保険につきましては……(鈴木(強)委員「NHKは幾らですか」と呼ぶ)ただいまの金額、機構と申し上げておりますのは、機構を通じてNHKさんが出される分でございます。(鈴木(強)委員「NHKの額は幾ら」と呼ぶ)四十一・八億円でございます。  それから、寿命保険につきましては、これは保険業界は非常に厳しい状況にございまして、今の段階から寿命保険もあわせて掛けるということは困難でございまして、これはただいま申し上げました打ち上げ保険が終わる百五十日目のときに健康診断がございます。そこで料率その他が決まるということでございまして、これは、NHKさんが努力をしておられ、私どもも保険会社に対しましていろいろな資料の提出等で御協力をいたしております。まだ具体的折衝に入っている段階ではございません。今後百五十日目までに何とかしかるべき寿命保険が掛かるように、私どももNHKさんを十分お手伝いいたしまして、やっていきたいと思っているところでございます。
  75. 鈴木強

    鈴木(強)委員 大体わかりました。その百五十日が過ぎましていよいよ寿命保険に入る場合の困難さも、一面お話がございました。  そこで、郵政省の方としましても、前回のああいう痛い経験もございますので、この問題については積極的に支援をしてやっていただくようにお願いしたいのですが、その点、局長ちょっと……。
  76. 奥山雄材

    奥山政府委員 BS2bの打ち上げにつきましては、2aに生じました故障にかんがみまして、当委員会の諸先生にも大変御心配をおかけし、また、2b打ち上げまでの間さまざまな御支援をいただきましたことを厚く御礼を申し上げます。  ただいま園山副理事長から御答弁がありましたように、現在のところ2bは順調に飛行しておりますが、まだ保険その他解決しなければならない制度的な諸問題もございます。保険の問題につきましても、打ち上げ前保険、打ち上げ保険、それから寿命保険、それらの各保険につきまして、これまでも郵政省はNASDA、NHK、通信・放送衛星機構等衛星の打ち上げ並びに利用にかかわる諸機関と密接な連絡をとりながら協議をし、また必要に応じて指導してきておりますので、今後ともさらに遺漏のないように対処してまいりたいと思います。
  77. 鈴木強

    鈴木(強)委員 これからの作業が非常に重大でございますし、私たちの関心もまた非常に強いわけでございます。三万キロのかなたにある星を操作するわけですから、大変なことだと思いますけれども、今度こそこの三チャンネルが完全に作動し、そして我が国に放送衛星の実用化ができるようなことを私たちは強く望んでおりますので、ひとつ万全な体制をしいて、万遺漏なき体制の中でぜひ成功していただくように、御協力を心からお願いをしておきます。よろしくお願いをします。  それから次は、日米間の電気通信分野における諸問題のことについてでございますが、けさほど谷垣先生からもこの質疑がありましたので、重複は避けます。  ただ、これは大臣に伺っておきたいのですが、谷垣先生もおっしゃったように、小山次官以下、実務者会議等も開かれましたし、専門家会議等も開かれるし、MOSSの会議も開かれて、そしてその貝米間の実務者の間では、もう通信分野に関する限りはすべて解決をした、そして著しい成功をおさめた、こういうふうに評価をされておるわけです。  ここにちょっと部内新聞がございますが、プレストウィッツ米商務省の顧問も我が国において記者会見をして、ここにそのことをはっきりと、時間がないからこれは読み上げることはできませんが、述べていらっしゃるわけですね。にもかかわらず、議会側の方において、依然として保護主義的な電気通信関連の法案というものの審議の動向が危ぶまれているわけであります。これはアメリカ政府議会の間のコンタクトが十分にいっておらないのだと私は思うのです。別にアメリカ政府議会に物を申すわけではございませんですけれども、少なくとも諸問題が実務者の間で解決をして、両国の間でこの問題については決着したと言っておきながら、一方、議会がそういう問題についてまたつべこべ言っているということは、これは私はおかしいことだと思うのです。あれだけの立派な民主主義国でございますから、ツーと言えばカーといくと思うのですが、議会議会としての、まだこういう点が足りないとか、意見がおありかもしれませんから、にわかに私がここで議会側に対して物を申すわけではございませんけれども、我々が常識的に考えてみると、少なくとも議会側もこういった法案については取り下げて、やはり自由主義経済の原則に立ってやるべきではないかと私は思うのであります。  ですから、そういうことで結局、我が国の業界そのものがもう決着してよかったなと思っているにかかわらず、まだトラブルというか、いろいろな意見がある。ですから、我が国の電気通信関係の業界というものも非常に心配しておるわけですよ。ですから、こういうことは外交ルートを通じてやるのかどうなのか、私よくわかりませんけれども大臣は国務大臣でございますから、外務大臣等ともよくまた御相談いただいて、そしてアメリカ議会の中において保護主義的な立場に立った法案などが行ったり来たりしないように、十列も早くこれは決着をつけてもらいたいと思うのでございます。もし郵政省の方で、どういう点が議会の中で問題になっているのか、そしてその点についてはこういう手を打っている、したがって、もうしばらくたったらこの問題については問題が決着するというような手を打っておられるなら、そのこともひとつ聞かしてもらいたいと思います。
  78. 奥山雄材

    奥山政府委員 ただいま先生指摘になりましたとおり、日米政府の間では、電気通信にかかわる経済摩擦問題は、提起されたすべての問題が実質的に解決したという高い評価を得たわけでございますが、残念ながら議会筋におきましては、なお保護主義的色彩の強い法案が多数、上院あるいは下院に提出されております。中でもダンフォース法案あるいはマツイ法案等、直接電気通信を標的にした法案も二、三件あるわけでございまして、私どもも非常に憂慮しております。そこで、郵政省といたしましては、実質的に諸問題が全部解決したのを受けまして、直ちにこれらの保護主義的な議会の動きに対する幾つかの行動を起こしておりますし、また、今後も起こすつもりでございます。  具体的に二、三申し上げますと、第一点は、何と申し上げましてもやはり議会筋の動向が最大の焦点になりますので、有力議員に対しまして直接働きかけをするということで、この点につきましては既に大臣に直接ダンフォースさんにもお会いいただきまして、その会談の中で申し入れをされたところでございますし、また、その後フォーレイ議員にも会っていただきましたところでございます。今後とも、来日する議員と、機会を得てこのような会談を続けてまいりたいと思います。  それからまた、アメリカの世論を左右するいわゆるオピニオンリーダーに対する働きかけといたしまして、日本において実現いたしました電気通信の完全開放の実情を詳しく紹介いたしましたパンフレットをつくりまして、これを米国の有力な世論指導者、在日の大公使館あるいは在日の商工会議所等を通じまして、現在もなお引き続きPRを行っております。  それから、第三の手だてといたしまして、直接アメリカに出向いていってこちら側の考え方を周知するという観点から、例えばキャラバン隊を編成して、アメリカの幾つかの都市で、日本がこれまで講じた措置についてアピールすると同時に、お互いに意思疎通を行うといったようなこと、あるいは米国において開かれるセミナーに積極的に参加をして、その中で日本考え方並びに実情を訴えるといったようなことを現在行っているところでございます。
  79. 鈴木強

    鈴木(強)委員 いろいろお考えになっておられるようですが、キャラバン隊をつくって乗り込んでいくというのもどうかとは思いますけれども、外務省もあることですしするので、そういうふうな外交ルートを通じてもできるのでございましょうし、また積極的に理解を深めるためにミッションを派遣するということも私は賛成ですね。ですから、そういうふうな具体的な動きをする中で――誠心誠意我が国はアメリカ側と折衝をしまして、アメリカ意見も十分入れて、そして互恵の精神でやっておるわけでしょう。その国会でも電波法の改正までやろうとして、やっておるわけですね。我々が誠意を持っておるにもかかわらず、アメリカ議会がそういう不遜な態度をとっておるということは、ちょっと問題だと私は思うのです。  ですから、きょうも与党からも意見が出ました。私は野党ですけれども、やはり野党からも意見が出ておるわけであります。したがって、こういう我々の委員会における我々の意見も十分参考にしていただいて結構です。鈴木のやつがこう言ったということを書くことは結構です。そして大臣、積極的に議会対策もして――日本政府議会対策をするというのもちょっとおかしいことですけれども、納得できないから、そういうような方法をひとつとっていただいて、理解のあるアメリカですから何とかある程度わかると思いますので、ひとつ積極的な工作をしていただきたい、対策をとっていただきたい、こう思いまして、大臣所見を一言。
  80. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 先ほど局長が話したような交渉で、電気通信機器の分野においては小山次官が大変頑張りまして、ダンフォース議員と会ったときも、日本郵政省が積極的に電気通信事業の開放ということで、今先進国の中でアメリカの市場と日本の市場がここまでになったことはすばらしいことだというのが最初のあいさつでございました。  しかし、今先生の言われるとおりに、私が心配するのは、そういってもアメリカ国会ではやはり依然として保護主義的な考え方を持っている方がいることは事実でございます。したがって、後のフォローが問題でございまして、十分相手の考えていることを知り、こちらの考えていることを相手に知らしめる、そういう外交と申しますか、郵政省としてもそういう考え方でフォローしていくということは大変必要だと思います。
  81. 鈴木強

    鈴木(強)委員 ぜひよろしくお願いを申し上げておきます。  それから、これも谷垣先生からのお話がありましたが、国際協力の問題です。一つだけ伺っておきたいのですが、今度は発展途上国に対しては積極的に我が国からも乗り出していって、そして支援、協力をするというようなお考えのようでございます。予算は、これを見ますと国際協力費というのは何ぼですか、四十六億ですか、これは。そうですね。六十年度が三十八億だったですか、ちょっと数字が誤っておったらあれですが。  そこで、特に中国は電気通信に対してかなりのおくれがあるわけでございます。したがって、かねてから中国は日本に対して通信技術の面あるいはそのいろいろな全体についての協力をしてほしいという話が強く出ているわけでございまして、一九八二年九月の第十二回の全国人民代表大会というのが開かれましたが、そのときに胡耀邦総書記が、やはり電気通信の建設を強化しなければならないということを発表されて、それ以来電気通信部門への投資が積極的に行われていることも事実であります。それから、一九八六年一月から第七次五カ年計画が行われておりまして、電気通信に対する重点的投資、近代的な設備の積極的な推進、こういうふうな努力をしているようでございます。ぜひひとつ中国との間には特に積極的な支援、協力をするようなことを、これはNTTもあるわけですから、相談されてやっていただきたいと思いますが、この点どうでしょうか。
  82. 奥山雄材

    奥山政府委員 鈴木委員が御指摘になりましたとおり、中国における電気通信に対する認識は、一九八二年の胡耀邦総書記の全人代における演説が引き金に在りまして、各首脳の間に非常に急速に高まっている状況でございます。全国人民代表大会の後、電気通信のあらゆる分野で国際的な経済協力、資金協力並びに技術援助でございますが、両方の面につきまして先進諸国に対する要請も非常に強くなっております。  日本といたしましては、そのような中国における実情をまともにとらえまして、直ちに有償並びに無償の案件の提示を行ったところでございます。現在進行中の案件といたしまして、上海、広州、天津における電話網の整備というものが、円借款による大きなプロジェクトとして進行中でございます。まだこれはさらに数年間かかる予定でございますけれども、例えば六十年度におきましても九十億円程度の借款が投ぜられる予定でございます。また、他方、無償援助につきましては、北京における郵電訓練センターというものを、かつての大平病院に相当するようなプロジェクトとしてつくり上げようということで、これも既に具体的な構想に着手されております。  こうした有償、無償の援助を通じまして、特に中国の場合は市場としても非常に大きいわけですし、隣人としての友好関係を強化する意味からも、今後とも特に重点を置いて、電気通信における経済援助、資金援助の拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
  83. 鈴木強

    鈴木(強)委員 ちょっと時間がありませんから資料をいただきたいのですが、基盤技術研究円滑化法が通りまして、さっきも質疑がありましたが、昨年の六月十五日に公布されております。基盤技術研究促進センターというのが昨年の十月一日に設立をされておりますが、その重要なプロジェクトを行うということで国際電気通信基礎技術研究所というものが設立を急がれているわけでございます。郵政省は積極的にこれに支援をしておる。私は、基盤技術研究という概念、これは通産との関係がありますから、向こうは全工業にわたって基礎研究をやってくるわけですが、やがて電電の株配当の三分の一というものが産投の方に入っていくわけでして、そのお金も恐らくこちらに入ってくると思いますからね。ですから、あのときも私は委員会で申し上げておきましたが、できるだけ電気通信に対する基礎研究というものをあらゆる角度から考えて、そして、これは別に通産との縄張り意識を持つわけではありませんけれども、少なくとも通産に負けないような基礎研究というものができるようなことをひとつ考えてほしい、こういうふうに申し上げておったはずでございます。  そこで、この国際電気通信基礎技術研究所というものはどういうふうな内容になっているのか、目的はどうなのか、陣容はどうなのか、そしてその具体的な電気通信関係の技術研究というのは何と何と何をやろうとしておるのか。そういう点を、もしはっきりわかっておれば、またわからなければこの研究所をつくる価値はないわけですから、時間がありませんので、ひとつ資料として後ほど出していただきたい、こう思います。いいですね。
  84. 奥山雄材

    奥山政府委員 国際電気通信基礎技術研究所は、今なお設立準備中でございますが、現時点でわかる範囲内の資料を提出申し上げたいと思います。
  85. 鈴木強

    鈴木(強)委員 それから、NTTの方でも立派な研究所があるわけです。ここでもたしか基礎研究の方もやっていらっしゃると私は思うのですけれども、そことも十分な連携をとりつつやったらどうか、こう思いますので、その点ひとつ含めて、局長、考えておいてください。  それから、大臣が一月二十一日から二十三日まで熊本に参られたことはさっきちょっとお話にも出ましたが、その際、一つは、新産業社会における電気通信のあり方についての懇談会をつくるということをおっしゃっておられますね。私は非常に結構なことだと思います。  それで、この問題と直接どうかということはちょっと疑問なんですけれども、これは一応切り離したとしても、これはNTTの社長もいらっしゃっておられますが、今度円高差益で、これをどうするか、いろいろやっておりますね。その中で、一つの例として、電力会社の電柱を地下に埋設したらどうか、そのために金を使ったらどうかというような案が一つあるようでございます。  まあ差益を使うかどうかは別としても、私はこういうことは都市といわずひなといわず、環境の整備という点からいうと非常にいいことだと思うのですよ。ですから、電力会社がそういうことをおやりになるというような構想も一つあるようですから、NTTの場合もやはり電信電話線というものが地下ケーブル化していたら非常によかろう、私はこう思うわけですよ。共同溝というものもありますけれども、これは相当金がかかるし、各省庁がずっと関連していますから非常に難しい。したがって、単独でやるならやっても構いませんが、とにかくそういう構想を推進していくような方法をもう少し煮詰めて協議してやっていただきたい。そして全国的にやはり長期計画でそういうような方法になることを願っているわけですけれども、これは大臣、どんなものでしょうね。
  86. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 先生おっしゃられました新産業社会における電気通信懇談会ということで私どもお願いを申し上げますと、今日の我が国の産業構造というのは大変大きな変革期に来ている。西暦二〇〇〇年ごろには、産業全体の姿というものが大きく変わるであろうというふうに言われているわけでありますが、こうした西暦二〇〇〇年の新しい産業社会にとって、電気通信というのは一体何が期待をされるのかというようなことについて、自由な立場でいろいろの業態の方々から御議論をいただいて、そういったものを踏まえてこれからの電気通信政策を進展させていければというようなことでお願いをしているわけでございます。  今先生一つの御提言としての地下埋設、ケーブルの地下化の問題でございますけれども、NTT自体といたしましても積極的に取り組んでおられると思います。今、全体の二七%ぐらいが地下化になっているということでございまして、私どもも、こういったことについては積極的に取り組むべき問題であろうと思います。ただ、今申し上げました新しい産業の懇談会の中で、多角的な見地からいろいろ御検討いただくわけでございますけれども、都市政策あるいは都市計画論という中でいろいろ御提言があればというふうに思いますし、また、御議論もいただけるのではなかろうかというようなことを期待いたしておりますが、現実の、当面の地下化については、私どももそういうことが望ましいという見地からいろいろ対応してまいりたいと思っております。
  87. 鈴木強

    鈴木(強)委員 それでは、まだ幾つか質問がございますが、時間がなくなりましたので、最後に、NTTの社長に御多用のところおいでいただいておりますので、ちょっとお伺いいたします。  真藤社長が本年の二月五日の記者会見で、市内電話料金値上げを来年の秋にでも実施するというがごとく述べられたというような報道がなされまして、私も三法の審議経過等から考えて、時期的な問題もあってちょっとびっくりしたのでございます。せんだうてある人に会いましたら、鈴木さん、電電はNTTという民間になった、業績も非常に上がっているし、職員もしっかり勉強して頑張ってくれている。聞くところによると、六十年度では約三千億近い黒字が見込まれるということも聞いておる。そういうときに、どうして市内電話料金を上げるのかというような質問を受けたことがあるのです。私は私なりに自分の経験から、また委員会等の質疑もありますから、説明をいたしました。やや理解をしてくれましたが、新聞のいろいろの報道の仕方もありますから、社長の真意というものが、どうもよくその内容が理解されていないように私は感じました。  せんだって、二月十五日にNTVのテレビで真藤社長と読売新聞の河野光雄さんという論説委員との間で「電電民営化一年」というので放送がありました。私もあれを拝見しまして、そのときにやはり料金問題が社長から触れられました。ああいうようなところを聞いたり見たりするとだんだんと理解をすると思うのです。やはり総体的な基盤の上に立っての料金政策というものを考えていくわけですから、ああいうことは非常によかったと思うのでございます。ひとつこの機会に真藤社長として、せんだっての記者会見の記事等もごらんになっておると思いますので、この際、真藤社長の本当のところは料金値上げについてどう考えているのか、短い時間ですけれども、これを説明していただきたいと思います。
  88. 真藤恒

    ○真藤参考人 この間の新聞記事については、総合的な話の中の一部が出まして、皆様方をお騒がせしてまことに相済まぬと思っております。  私どもは、料金体系につきましては業者の一人として、特に当分の間は実質独占に近い立場をとらざるを得ない業者の一人としていろいろ考えておりますが、今日の料金体系はまだ独占時代の料金体系そのままでございます。現在まだ私どもは実質上独占体系になっておりますので、きょう今日はこれで結構でございますけれども、将来、業者の一人としてどう考えるかということでございます。  まず第一に申し上げておきたいのは、私どもは公益事業体でございますので、日本の常識として、一割以上配当するということは前例もございませんし、またやるべきでもないというふうに考えております。したがいまして、その面から、年間三千四、五百億ぐらいの税引き前の利益があれば、健全な形で現在の資本金に対しては一割配当ができますので、それ以上の利益は私どもは要らないと思っております。ただ、完全な国営の独占体制の中での料金体系というものは、当然、非独占、競争状態の今の法律の中での料金体系に直していただくものだというふうに期待いたしております。これは当然なことだと思います。その際に、将来の高度情報社会とかあるいは新しいいろいろなサービス、殊に今までございませんでした二種業種というものが今度自由な形で入ってまいりますので、できるだけ自由競争の料金体系の幅が広くなければならないだろうというふうに考えております。  そういうことで、卑近なところから申し上げますと、まずアクセスチャージの要らないような料金体系にしていただくということでございまして、現状のままでございますと、やはり私どもは業者としてアクセスチャージというものをいただかざるを得ないというふうに考えております。それはどうしてかといいますと、三分十円の範囲内だけにおきましては、私どもの三分十円に使います設備の償却、それが担保になっております長期の借入金の利払い、それから一〇四の番号案内の費用、それからもう一つは租税公課、要するに固定資産税でございます。そういうものを寄せますと、三分十円から入ってくる通話料金では賄い切れないのでございまして、幾ら合理化して人間を減らして三分十円を値上げせぬようにしろとおっしゃいましても、そういうふうにヒューマンエレメント、人間の費用を全部除いてしまっても、現状はまだ大きな赤字でございます。ですから、ここのところが残っておる限りは、やはりアクセスチャージはいただかなければいたし方がないんだ、公平な競争の原則に立つ限りは。  といいますのは、私ども会社法で、どんなに採算のとれないところでも、要求があれば電話をつけなければならぬという義務を課せられております。その義務を課せられている裏返しとして、その義務が公正な姿で、競争場裏の公正な料金体系の中で成り立つように、要するにその義務を保護するために認可料金、いわゆるシビルミニマムのローカルの電話料金の認可料金というものはいただかなければ、とても成り立たないというふうに考えております。それ以外の長距離料金なりあるいは高度サービスから来るいろいろな新しい料金につきましては原則的に自由にしていただく、それによって合理化をしながら、また競争しながら、長距離料金あるいは近距離料金、中距離料金というものをぐんぐん下げていくことができるような余地を残していただきたいというふうに考えております。そうしませんと、会社別に長距離料金が、認可料金が違うということになりますと、てんで初めから競争になっておりません。ただ、新規参入がある程度の力を持つので、そういう時限立法的な認可料金があるということは当然私どもも了解できますけれども、それが恒久なものだということになりますとちょっと話がおかしくなるのではないかと考えております。  一業者としては今そういうふうに考えておりますけれども、いずれ三年見直しということが今の法体系の中にございますので、国会なり郵政省なりの御指導をいただきながら、そのときにまたいろいろな御研究、御勉強もございましょうから、詳細については私の方から資料を差し上げて御検討いただきたいと考えております。  問題はこの資料でございますけれども、今までは独占体制で細々した資料をとる必要がございませんで、今私がいろいろなことを申し上げましても、それはサンプル調査とスポットチェックの資料で、正確な資料ではございません。そういうこともございまして、三年前からそういうことを正確にはかれるソフト、ハードをアメリカから買って、今整備を急いでおりますが、ことしの十月からこれが動き出しますので、来年の五、六月になりますと資料が科学的にきちっと出てまいりますし、そのくらいの時期に資料が整えば、見直しの時期にも間に合うかと思いまして、今鋭意整備を急いでいるところでございます。
  89. 鈴木強

    鈴木(強)委員 ありがとうございました。  市内の方で計算上今のところ三千数百億の赤字になっていると私は聞いているわけですっそれを今、先ほど言われたような機械を導入して、私が百円かけた通話料の幾らが市外で幾らが市内ということがはっきりわかるわけですね。そうすれば、これは鬼に金棒で、しっかりした資料が出るわけです。その上に立ってやられるということですから、わかりました。そういうことで資料等を十分つくっていただくことをお願いして終わります。ありがとうございました。
  90. 宮崎茂一

  91. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 まず、テレトピア、未来型コミュニケーションモデル都市構想でございますが、この問題に関して若干郵政省にお伺いしておきたいと思います。  テレトピアの推進状況、きょう午前中にも若干の質問がございましたけれども郵政省が提唱して、全国で既に三十四カ所指定され、各地域ニューメディアを先行的に導入して高度情報化社会を先取りする計画を進めていきたい、こういうことから検討されておるわけでございますけれども、この推進上の予算、制度面、その措置がどのようになっているかという面からまず御答弁いただきたいと思います。
  92. 奥山雄材

    奥山政府委員 テレトピア推進上の予算その他の国からの支援措置でございますが、財政状況不如意の折から、国から直接支出されます金額は、調査費の六百万円程度でございます。しかし、テレトピアを推進するに当たりましては、このような調査費よりも、実体的にそれぞれの地域における構想が実現できるように、さまざまの税制上、財政上あるいは技術的な支援を行うのが政府の責務だと考えております。  そうした観点から、まず税制上の優遇措置といたしましては、昨年テレトピア基金、つまりテレトピア地域事業を推進するための債務保証等を行うような基金ができました場合には、それに民間の方が出損される場合に、それを損金算入として認めるといったようなこととあわせまして、いわゆるメカトロ税制、正式には中小企業新技術体化投資促進税制という長ったらしい名称でございますが、地域の推進法人が大半中小企業であるということから、そのような中小企業としての推進法人がこれを推進するに当たって、ディジタル交換機あるいは周辺装置等、一定のハイテク機器に対して税制上の優遇措置を講ずるというものでございます。  また、財政投融資といたしましては、テレトピア地域に導入されますさまざまな電気通信設備、具体的には双方向CATVとかVANを目指した第二種電気通信事業のための設備、あるいは有線といたしましてはCATVといったものに対して財投からの融資措置が行われることになっております。  さらにまた、先ほどお話が出ております基盤技術研究促進センターからテレトピア推進法人に対しまして出資をする道が開かれたことは、先生先刻御承知のとおりでございまして、六十年度の場合はまだ暫定的に出資事業資金として二十億しかございませんでしたので、テレトピア推進法人に対する出資は二、三億程度しか期待できないかと思いますけれども、六十一年度におきましては、本格的にセンター自体の出資事業資金が百二十五億円と予定されておりますので、その中から各地域テレトピア推進法人に対する出資の御要望に応じていけるだろうと考えております。
  93. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 今まで指定された地域テレトピア計画の進捗状況、順調にいっているのかどうか、その際何らかの問題点はないのか。  それから、私、京都でございますので、この面を具体的に御説明いただければありがたいのですが、六十年十一月に京都の田辺町、精華町、木津町がテレトピア指定地域となりました。いわゆるテレトピア京都構想。これは学研都市の情報ネットワークとして具体的に進めていくというものでございまして、これの進みぐあいはどうなっておるのか、それからテレトピア京都として一体いつごろ実施していかれるのか、その面もあわせて御答弁いただきたいと思います。
  94. 奥山雄材

    奥山政府委員 昨年指定いたしました三十四のモデル地域におきます。その後の進捗状況は、一言で申し上げましておおむね順調に推移していると御報告申し上げて差し支えないだろうと思っております。ただ、三十四地域のほとんどの地域が、いずれも複数のシステムを構築する予定にしておりますので、一地域が一挙に例えば五システムなら五システムを稼働させることは困難でございます。  先ほど問題点という御指摘がございましたが、一番大きな問題点は、複数のシステムを有機的に稼働させようということでございますので、一挙に多額の初期投資が要るということでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、政府としてさまざまな支援措置を講じておりますけれども、複数のシステム最初から一挙に動かすことは困難ということで、緊急性あるいは実需性の高いものから逐次、各地域におかれましては着手しておられるというのが実情でございます。  また、それら三十四地域における推進状況でございますが、特に有名なのは熊本のシステム。KINGSという非常に人を引きつけるニックネームをつけたわけですが、クマモト・インフォメーション・ネットワーク・ガイド・システムですか、熊本情報案内システム、これが一つのモデルになりまして、さまざまな地域に、熊本に倣えというような一つの風潮がございますが、こういった熊本のシステムあるいは大分のシステム、福井のシステム等が全国的にはすぐれているということが、皆様方のおおむねの御意見でございます。  ところで、京都における田辺町、精華町、木津町のいわゆる京都構想でございますが、これは京阪奈丘陵に構築される予定の学術文化都市の構想と並行的に進んでおりますので、その意味では、他の地域システムに比べまして、どちらかというと長期的な構想、また言葉をかえて申し上げるならば、息の長い構想であると一口に言うことができるのではないかと思います。つまり、国際電気通信基礎技術研究所その他の研究機関があそこに進出するのと歩調を合わせてシステムを稼働していかれる予定でございますし、また、研究学園都市に住民の方々が次第に実際に入居されまして、団地として大勢の、万単位の方々があそこに住みつかれるのに合わせまして、住民に対するさまざまなサービスも提供したいということでございますので、その意味では六十一年度あるいは二年度から直ちに本格的な稼働が始まるというふうには、私ども承知していないところでございます。
  95. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 いろいろ各地域によって特徴があると思うのですが、京都の場合は、その特徴は何ですか。特に学術都市との連携でございますけれども、そういう中でどういう特徴を持っておるのか、これを御説明いただきたいと思います。
  96. 奥山雄材

    奥山政府委員 先ほども若干触れさせていただきましたけれども、一口に申し上げまして、京都構想の特徴は、京阪奈丘陵の学術研究文化都市の構想と表裏一体でございまして、あの地域に集中的に今後構築されるであろうさまざまな学術機関あるいは文教機関等との連携を主眼にしておられるというふうに伺っております。国際電気通信基礎技術研究所がその一つ目玉になるかと思いますが、国際電気通信基礎技術研究所が設立されて動き出しました暁には、その時点で国際基礎研の中にデータベースを置いて、そのデータベースから線を引っ張って、ユーザーとしての周辺のさまざまな研究機関、文教機関に情報を配給するといったようなものが非常に特徴的でございます。  また、研究学園都市が完成した暁に非常に多くの方々があそこに入居されるわけですが、そうした方々に対する日常の情報提供サービスというものを、その次の段階として目指しておられるというふうに伺っております。
  97. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 今後の申請、それに対する指定はどういうふうになっていくのか。全部では大変ですから、特に関西地域で今後指定予定されておるのは何地域か、まず御説明いただきたいと思います。
  98. 奥山雄材

    奥山政府委員 現在第二次指定の申請要望を出しておられるところが二十九地域ございます。その中で関西は大津、草津地域と伊丹市がございます。これら大津、草津並びに伊丹を含む二十九地域の審査を現在鋭意やっている段階でございまして、まだ最終的に結論を得るに至っておりません。現在、慎重に審査中ということを申し上げさせていただきたいと思います。
  99. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 それでは、今京都のことを聞きましたが、京都だけじゃ申しわけないのでもう一点、大津と草津、それは今後の問題でございますけれども、これの中身はどんな特徴になっているんだろうか。それから、ほかの面もございますけれども指定はいつごろになるのか、それがわかりましたら御説明ください。
  100. 奥山雄材

    奥山政府委員 大津、草津地区の特徴は、双方向のCATVを基軸に据えられるやに伺っております。そして、双方向CATVを使って、地元の医療機関とタイアップして医療情報、家庭においてさまざまな医療上の診断その他情報が得られるようなシステムを考えておられるようでございます。これが、他の地域に比較いたしましたという意味では特徴かと思います。  なお、予定でございますが、年度末までに土地域程度を追加指定したいと思っております。  いずれにいたしましても、これは第一次指定のときもそうでございましたが、実現可能性、実需性、それから周囲の地域への波及的な効果、拠点性とでも申しましょうか、そういった三点から満足することが必要でございますので、それらを現在審査中であるということでございます。
  101. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 この国際電気通信基礎技術研究所、仮称でございますけれども、これに関しての問題を若干御説明いただきたいと思います。  昨日の大臣所信表明の中に、国際電気通信基礎技術研究所の設立に向けて積極的な支援を行っていく、そしてさらに、民間資金や経営能力等を活用していく、それから、地域電気通信の高度化や電気通信技術の研究開発等国民経済の基盤の充実に資する各種施設の整備を促進していく旨の御説明がございました。この研究所の設立の今後の動きはどうなっていくのか、それからこの研究所を設立するための出資は幾らで、どこが行うのか、もう一度御説明いただきたいと思います。
  102. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 二月の十八日、つい二、三日前でございますが、設立発起人会が行われまして、総代は花村経団連会長でございますが、そのときのお話によれば、昭和六十四年度までに民間及び地方公共団体から約二百億円の出資募集の予定と聞いております。
  103. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 今後の動きはどうですか。
  104. 奥山雄材

    奥山政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げましたように、一昨日の発起人会で二百億円を募集するということが決定されておりますので、今各発起人におかれまして、関係各方面にその出資を募っておられるところでございます。基盤センターから出資を受ける都合もございますので、これは直接研究を行う研究開発会社の方でございますが、そういう必要性からも年度内には会社を発足させる必要があるということで、三月二十日前後に創立総会を開いて、国際電気通信基礎技術研究所本体をまず設立する。その後引き続いて、その国際電気通信基礎技術研究所の中で実際に研究を行ういわゆるRアンドD会社研究開発会社についても年度内に設立を行うという手順になっております。
  105. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 そのいわゆる研究開発会社基盤技術研究促進センターからも出資されるやに伺っておりますが、幾らでどういう形で、具体的にどういうことになっていくのか、その研究開発会社はどういうものなのか、いつごろ設立されるのか、わかる範囲で御説明いただきたいと思います。
  106. 奥山雄材

    奥山政府委員 基盤技術研究促進センターからの出資を得て実際に電気通信に関する基盤技術、基礎技術研究開発を行ういわゆるRアンドD会社は、現在四社予定されております。これは昭和七十年までの間に逐次資本金をふやしていく予定でございまして、総額で六百九十億円という試算がはじき出されております。そのうちの七割に相当する四百八十億円程度を基盤技術センターから出資し、あと民間からの出資を仰ぐという予定でございます。  それらの四研究所、つまり四会社でございますが、これはまだ発起人会が開かれておりません。現在のところ、その設立準備会の中で検討されております名称は、一つが通信システム研究所、これは通信の端末からコンピューター交換機等、すべての過程を通じての基本的な研究を行うところでございます。それから自動翻訳電話研究所。それから光電波通信研究所、これは光領域にわたる将来の電気通信の最先端技術を研究しようというものでございます。それからもう一つは、視聴覚機構研究所というふうに考えております。これは非常にわかりにくいのですが、視聴覚機構というのは視聴覚のメカニズムという意味でございます。  これらの四研究所、いずれも基盤技術研究促進センターから出資をいただく必要上、遅くも三月末までには発足させる必要があるということでございます。
  107. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 それでは、以上の点は結構でございまして、あとはNTTの真藤社長もお見えでございますし、電気通信事業への新規参入の状況を含めて、昨年の四月一日よりちょうど一年になろうとしております。そういう中で、時間の許す限り若干御質問をさせていただきたいと思います。  電電改革三法が施行されまして競争原理が導入された、こういうことでございます。現実には、第一種に関してはまだこれからでございまして、やっと申請が出され、許可された。こういうことでございまして、今後のものにかかっておるわけでございます。  そういう中で、まず第一種、第二種電気通信事業への新規参入が順調にいっておるのか。それから現在、第一種事業で許可申請が出され、許可されましたが、第一種で結構でございます、そのおのおのの事業者の進捗状況はどうなのか。それから、具体的なサービス開始は果たしていつととらえておるのか、これも含めて御説明いただきたいと思います。
  108. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 まず第一種電気通信事業の状況でございますけれども、昨年の六月二十一日に地上系三社、それから衛星系二社について、既に事業許可をいたしたところでございます。第二電電株式会社日本テレコム、日本高速通信株式会社、これが地上系でございまして、日本通信衛星株式会社、宇宙通信株式会社、これが衛星系でございます。  そして、それぞれの事業許可をもらった各社は、現在営業活動をいろいろ活発に行っているわけでございまして、サービスといたしましては、地上系はことしの秋、専用サービスを提供しようということでございまして、来年の秋には電話サービスをやろう、こういう段取りで、昨年の秋からケーブルの敷設とか、あるいはマイクロ中継所の建設等の工事に着工いたしておりまして、専用線サービスの関係につきましてはことしの夏ごろ、電話関係につきましては来年の夏ごろ、工事を完了するということで努力をいたしているところでございます。  なお、衛星系の二社でございますが、六十三年の春のサービス開始ということで、一社につきましては米国製通信衛星二個、それから追跡管制局の施設の購入契約というものを締結いたしまして、また、他の一社につきましても、衛星通信の設計等の契約を済ませているということでございます。こういう状況でございます。  なお、第二種電気通信事業の方につきましては、特別第二種と申します全国規模のVAN会社でございますが、これは現在九社登録をされておりまして、そのうちの四社は既に営業を開始しているということでございます。  なお、一般第二種の事業者といたしましては、百九十社というものが届け出をいたしておりまして、具体的なサービスといたしましては、パケット交換とかパソコン通信、メールボックスサービスとか、あるいは回線再販、こういったような種のサービスを提供しようということで、今盛んな営業活動を展開いたしているわけでございまして、各社がそれぞれ特色を生かしながら、良質、低廉なサービス、多彩なサービスというものが展開されて、電気通信市場の一層の活性化を期待いたしておるところでございます。
  109. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 そこで、東京電力株式会社が、自社で保有する電力送配電線網を利用して、第一種電気通信事業分野に参入したいやに聞いておりますけれども郵政省として何らかの情報というものをキャッチしておりますか。そして、どのような構想なのか、御説明いただきたいと思います。
  110. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 東京電力は、第一種電気通信事業として参入したいという意向を有しており、現在、新会社設立のためにいろいろ準備活動を行っているということは、私どもも承知をいたしております。  ただ、具体的な事業計画等につきましては、現在、東京電力の方で詰めをやっている段階でございまして、私どももその具体的な内容というものをつまびらかには承知をいたしていないわけでございます。私どもといたしましては、今後具体的な計画が固まり、申請が出た段階で適切に対処をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  111. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 今の面は東京電力、これは地上系でございますね。この第一種事業者は、地上系と衛星通信系とに分けられます。  そこで、一月二十三日に衛星通信会社として名のりを上げていたサテライトジャパンの第一種電気通信事業の許可について、当面許可は困難ということで却下されたやに伺っておりますが、これはソニーグループになりますか、この衛星分野への参入、棚上げになったとしたなら、棚上げになった理由は一体何ですか。     〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
  112. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 昨年の七月に株式会社サテライトジャパンから第一種電気通信事業の許可申請が出てまいりました。その時点におきましては、既に六月の時点で衛星系の第一種電気通信事業者二社に対しまして事業許可を与えておるわけでございます。  我が国におきまして衛星通信会社三社が成り立つのかどうかということについて、市場としては非常に難しいのではないかというような認識も民間にかなりございました。三社目が参入した場合には共倒れの危険性があるのではないかというようなことが言われたわけでございまして、私どももそういった点十分見きわめる必要があろうということで、昨年秋に衛星通信についての需要調査というものを実は行ったわけでございます。  その調査の結果からでございますが、衛星の能力と申しましょうか、規模と申しましょうか、そういった中でトランスポンダーというのが一つの標準になるわけでございますけれども、トランスポンダーの需要として六十三年ではどのくらいあるかということでございますが、六十三年で約三十本、二十九・八本、それから六十五年で五十二・七本というような需要が私どもとしては把握できたわけでございます。一方、三社合計でトランスポンダーというのはどのくらいあるかと申しますと、二百六本ございまして、二百六本に対して三十本とか五十本とかいうような数字でございます。こういった状況等から考えまして、三社目を許可することは現時点では困難であろうという判断をいたしまして、電気通信議会にも御説明をし、御理解をいただいたわけでございまして、私どもといたしましては、そういった状況であるということを、利用者であるサテライトジャパンにも伝えました。申請者側の意向というものを踏まえまして、却下ということの処分をいたしたわけではございませんで、処分を現時点においては保留するということで御通知をし、話をしたということでございます。
  113. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 今後の需要の状況から考えて、当面許可は困難、こういうような判断だと理解しておりますが、しかし、これはなかなか難しい問題だと思います。二社なら大丈夫だとか三社ならとか、それでは二社でもほんまに大丈夫なのか、新規参入がですよ。  それから、地上系もこれで今三社許可されて、それで今私が御質問申し上げました東京電力が入ってくると、これを許可するようになると四社になりますが、地上系は、新規参入が三社でもこれは大丈夫だと見込んだから、当面不許可なんということはやらなかったわけですよね。その根拠、何で三社で大丈夫なのか。それから、今後東京電力が入ってきた場合には、これは四社になりますが、果たしてそれは可能性があるのかどうなのか、また当面不許可ということにならないのかどうなのか、その辺も含めて御答弁ください。
  114. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 衛星系につきましては、特に、まさにこれからいろいろその知恵を出して開発をすべき新しいニューメディアと申しましょうか、新しいサービスであるということで、一度に多くのトランスポンダーを持った衛星を打ち上げるということについては、市場としては大変厳しいものがあるというふうな判断によるわけでございますが、地上系につきましても、私どもはいろいろな資料に基づいて検討もし、審議会にもお諮りをし、現時点における状況等を判断をいたしますと、十分市場性がある、また、有効な競争市場というものをつくり出すという意味においても有意義であろうということで判断をしたところでございます。  なお、東京電力の参入によってどういう状態になるかという点につきましては、まだ私ども東京電力の具体的な事業計画等について情報、資料というものを持ち合わせておりませんので、現時点においてどうかという判断はできないわけでございますが、先生のおっしゃられたようなことも十分踏まえながら、適切な判断を下していかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。     〔関谷委員長代理退席、畑委員長代理着     席〕
  115. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 そこで、先ほど真藤社長から同僚委員に、料金の問題を含めて御答弁いただきましたが、その問題に若干触れておきたいと思います。  まず、昨日郵政大臣は、この第一種及び第二種電気通信事業への新規参入実現した、今後は公正かつ有効な競争状態が確保され、活力を持たせなければいけない、そしてその活力ある電気通信市場の形成を図るよう努力していく、さらに新規参入者の育成、料金についての基本的な考え方の策定、電気通信システム安全性信頼性対策等を推進していく、こう所信を表明なさいました。非常に大事なことでございます。  そこで、まず真藤さんにお伺いしておきますが、今同僚委員答弁いただきましたアクセスチャージの問題、これは今後の問題で一番、新規参入者を生かすも殺すもここにかかってくる問題でございます。真藤さんも今御説明されたとおりでございますけれども、そこでもう一度確認しておきたいのですが、アクセスチャージは取らなくてもいいような状況にしたいというようなことを今真藤さんは言われましたが、そういうような状況にするにはどうするのですか。市内料金を上げればいいのか、何かほかのあれでできるのか、それとも、いや、そういうのは希望だけれども、最終的にはアクセスチャージは取るんだという腹なのか、その点、ここで最初にただしておきたいと思います。
  116. 真藤恒

    ○真藤参考人 この問題は、さっき申し上げましたように、私どもは三千四、五百億の健全な経常利益があればいいわけでございますから、全体の料金体系の中で今のアクセスチャージをどうお考えいただくのか、あるいは市内料金をどうお考えいただくのか、あるいは市内という言葉の範囲をどうお考えいただくのか。それから中距離、近距離それから長距離とございますが、これが現在、日本は先進国に比べて非常に高くなっております。四回下げましたけれども、まだ高いのです。この辺を、これから先の高度情報社会に向けてどうお考えいただくかというふうな総合的な中で御判断いただくべきものだというふうに考えておりますが、こういう電電という立場から希望したいことは、さっき申し上げましたように、でき得べくんばアクセスチャージを取らぬでもいいような仕組みでやっていただくと非常にありがたいというふうに考えております。  では、どうしてそれを実現するかということでございますけれども、ユーザーの方々の一部の問題と大部分の問題、あるいは一部の問題とまた逆の大部分の問題といろいろ問題があろうかと思います。今ここで、余り検討していない案を申し上げるということもどうかと思いますので、これは今後ともいろいろ私ども勉強いたしまして、さっき申しましたように正確な資料が出てきて、いろいろ御指導いただきながら決めていただくべきものだというふうに考えておりまして、業者の私どもが飛び出たことを言ったりしたりするということは非常に危険じゃないかというふうに考えております。
  117. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 きょうの報道にもあるように、第二電電を後押しをしていくんだ、NTTの市場支配を牽制というか、その新規参入がスムーズにできていけるような体制をつくっていく意味からも公取委が提言しておりますね。「電気通信事業分野の競争促進に関する研究会提言をまとめ、」そして「独占禁止懇話会に報告した。」その中で「(NTT)の市場支配によって第二電電」など第一種電気通信事業者などの「参入が阻害されてはならない」、「NTTは長距離回線への」アクセスチャージに「市内回線の赤字を安易に転嫁しない」というような要望、こういうものがございました。まさにこのアクセスチャージの設定は慎重に決定していただかなければなりません。  そこで、郵政大臣にお伺いしておきますが、大臣は、公正かつ有効な競争状態を確保させたい。こういうことになってきますと、今真藤さんも非常に苦慮されておるというか、どういうふうに持っていったらいいのか。確かに今の市内、ローカル、これはもう大赤字、先ほど答弁がございました。それを今遠距離でカバーしているんですよ。そうすると、今度は競争の原理が入ってくる。そうして、その中で競争していけばどうしても下げざるを得ない。今までカバーしていた分が、それじゃどこからその収入をしていったらいいのか、そういうジレンマになってくるわけですから、当然アクセスチャージということになってくるわけですね。そうすると、公正かつ有効な競争状態を確保するということになると、今度は新規参入組にしては完全に最初からアクセスチャージで足かせ手かせがあるわけですよ。こういうものがあるということは、では本当に公正な有効な競争状態なのかどうか、こういうことになると非常に検討を要するものでございます。  そこで、このアクセスチャージという問題に関連して慎重に決定していただかなければならない。そういう面での郵政大臣としての御所見を、まずここでお伺いしておきたいと思います。
  118. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 技術的な問題もございますので、その点について一言事前に御説明をさせていただきたいと思います。  先生おっしゃいましたように、アクセスチャージの問題というのは、新規参入者と電電の接続の関係から基本的な大きな問題になっているわけでございます。御承知のように、新規参入者は電電の市内網と接続をしなければやっていけないわけでございまして、現在当事者間において接続の問題についていろいろ協議が進められている。かなり詰まった部分もあるけれども、このアクセスチャージの問題等、金目にかかわる問題については、まだこれからの折衝が残されていると承知をいたしているわけでございます。  アクセスチャージについての概念自体も必ずしも明確でないところがございますけれども、市内部分としての赤字といったものを、新規参入者にも応分の負担をしてもらうというのが、アクセスチャージということで一般的に言われているものだろうと理解をいたしますけれども、真藤社長の方からもお話がございましたように、そのコストというもの、そしてそれがどういう状況になっているのかということについて、必ずしも明確でない点が現在あるわけでございまして、やはりこれをどう負担するのか、あるいは料金改定としてどういう形にするかということにつきましては、事業法に基づく料金の原則にのっとると同時に、利用者の利益等いろいろな面についての調整ということも、現実の問題としては考えていかなければならないわけでございまして、私どもも、こういった問題については慎重に対処すべきであろうということでございます。  しかし、第一義的には、あくまでもこの問題につきましても両当事者の話し合いによるべきものであろうと思います。そういった中で円満に解決されることが一番望ましいわけでございますが、私どもといたしましても、こういった問題も円満に解決ができるように、途中において御相談にあずかるなりあるいはお手伝いというようなことについては、求められれば誠心誠意やってまいりたいと考えているところでございます。
  119. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 私はまだなかなか細部までよくつかんでおりませんけれども、昨年の四月一日から通信行政の自由化ということでNTTが民間会社になった。そこで民間会社の社長としての真藤さんが料金を決定することは、社長としての大きな任務だろうと私は思います。しかし、認可料金いうことで私にその責任もございますので、やはり電電三法の精神にのっとって、本当に経営が合理化されておるのか、あるいは本当に合理的に原価というものが積み重ねられておるのか、報酬というものが妥当であるのかどうか、こういったことを考えながら、特に電話料金あるいは後発企業とのやりとりのアクセスチャージの問題などは微妙に影響してまいりますので、簡単に結論を出して、こういう問題は一般料金に上乗せするとか、そういうことは出さないで、慎重にしばらくやっていただいて、この秋から来年にかけまして、公正な競争状態の環境づくりに私は目を配りながら、民間企業としての真藤社長と十分に今後とも話し合いながら、国民が納得のいく料金体系の中でアクセスチャージはどうあるべきかということについての見きわめをしていきたいな、こういう気持ちでおります。
  120. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 そこで、郵政省にお伺いしておきますが、まず今後の流れとして、市内料金が三年の見直し時期にどうなるのか、これはまだわかりません。その中でアクセスチャージがいろいろと出てきて、アクセスチャージを認可する、そうすると、それが決まってくれば、それが一番大事ですから、今度は新規参入組はそれを考慮に入れながら、競争の原理でどうやっていくかというところに対応していくわけですよ。  では、まずNTTの料金の認可、それから新規参入の第二電電、第三電電、この新規参入の方が個別に料金認可というような形でもしなっていったならば、先ほども真藤さんが言われたけれども、これは自由競争には余りならないんじゃないですか。理想的な問題としては、何といってもそれは自由競争ということになれば、これは認可というよりも、どこまで双方努力するか。しかし、それにはそれだけの条件になっていないといけない。昨年来ずっとここで私も持論として言ってきましたけれども、巨象とアリの戦いではだめなんです。そこまではいかないかもしれませんが、それが本当に同じレベルで競争ができるようになった、そういうときには、これはもう認可というような問題ではなくなってくるのじゃないか。その辺のものをどういうふうに考えていくのか。本当に公正、しかも活力のある、国民の納得できる、そういう自由競争、そういう中での持っていき方というのは、果たして郵政省としてはどうとらえておるのか、御答弁いただきたい。
  121. 澤田茂生

    ○澤田政府委員 今後の高度情報社会におきまして、利用者のニーズの多様化とか高度化に対応いたしまして、電気通信ネットワークの多種多様な利用形態が出てくるであろうと思われます。  第一種電気通信事業者といいますのは、基盤となるような電気通信網というものを構築して運用する。言うならば電気通信事業者、第一種、第二種ございますけれども、その中における基幹的な役割を担う事業であろう。そして国民の日常生活それから産業経済活動、あらゆる面に欠かすことのできない、極めて公共性の高い事業であろうと認識をいたしているわけでございます。こういった第一種電気通信事業の公共的な性格にかんがみまして、利用者としての国民の利害に直接深くかかわっている料金というものにつきましては、他の公益事業と同様に、電気通信サービスというものが適正な条件のもとで提供されるように、郵政大臣の認可ということに、現体系においてはかからしめているものでございます。  先生おっしゃるように、これからの電気通信態様というものについては、まさに自由な競争に基づいて、公正な競争に基づいて、国民のニーズに応じたサービスが提供される、そしてそれがひいては電気通信事業の活性化というものに大いに役立っていくことを私どもも大いに期待し、またそういったための条件、環境づくりに努力してまいるわけでございますが、現時点においてはそういう状態で、今むしろそういったことによって競争条件の土壌というものをつくっていこうということで努力いたしておるわけでございます。今後の市場の成長過程、こういったものいかんによりまして、私どもは、その制度とかあるいは運用の実態、そういったものが利用者の利益あるいは市場の発展等にふさわしい制度であるかどうか、またそういうものになるように、こういった問題、目につきましたら絶えず現状を見詰めて、あるべき姿ということについては研究していかなければならない、こういうふうに考えているところでございます。
  122. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 真藤社長に御所見を伺っておきますが、この認可の問題やら、今後の新規参入組の本当に自由な競争という中での電気通信のあり方、そういった面を踏まえて、まず遠距離料金の値下げは今後の問題として念頭にあるのかどうなのか。  それから、先ほどの市内料金とアクセスチャージとの関係は、恐らく二者択一という形で、市内料金を上げるかわりにアクセスチャージは取らない、あるいは両方、市内料金も上げるわ、アクセスチャージも取るわというのでは、国民としては非常に困った状況になっていくのではないか、こう思います。  それから、前に記者会見等での報道もございましたが、一〇四の料金を有料にする考えは将来はあるのか、今はどうなのか、その辺の将来のものを踏まえて、一〇四の有料というものも踏まえて、今の料金の問題の御所見をお伺いしておきたいと思います。
  123. 真藤恒

    ○真藤参考人 私どもが今からやらなければならぬ一番大事な問題は、長距離料金の合理化ということにあると思います。さっきもちょっと触れましたけれども、現在日本の長距離料金、四回にわたって長距離、中距離下げましたけれども、まだ現在のイギリス、アメリカに比べるとかなり高うございます。実際長距離料金は、簡単に大ざっぱに計算いたしますと、今一兆四、五千億の黒字でございます。これが皆電報の赤字とか、あるいは市内料金の赤字を埋めている形になっておりますので、そこら辺のところを何かうまいぐあいに解決していただければ、長距離料金はぐんぐん下がってくることは明らかでございます。  それともう一つ、この前の長距離料金の値下げのときに夜間料金がぐっと下がりました。三分二百四十円が一番高い夜間料金になっておりますが、このときから家庭の夜間通話が非常な勢いで増加し続けております。ということは、それだけ料金が高いので、現在の生活レベルの家庭の動きに不自由を与えているということははっきり申し上げられると思います。そういう面からも、もう少し長距離料金は下げる義務が私どもにあるというふうに、私は非常に強く感じております。  と申しますのは、最近全体的に見ておりますと、事業用の通話量の伸びはどんどん落ちております。それは法体系が変わりまして、事業用の通信のやり方が全く自由になりましたので、新しい技術を使って事業用の通信の合理化が相当進んでまいってきましたものですから、かなり事業用の伸び率は落ちてきております。現在二%を切るか、切らぬかくらいの伸び率でございます。一方、家庭用の方はだんだん伸び率が多くなってまいりまして、今七%、八%というくらいな勢いで家庭用の通話量は伸びております。これがもう少し長距離料金を下げますと、もっと利用される。ということは、非常に大きな需要のポテンシャルがありまして、ただ三分四百円あるいは二百四十円というレベルの料金にやはり阻まれているというふうにこのごろは痛切に感ずる次第でございまして、この辺はやはり御指導をいただきながらできるだけ早く合理化していくべきものだと思います。  それで、それならこの市内料金どうするんだということでございますが、私どもの簡単な試算でいきますと、近距離を含めまして、あるいは中距離の一部を含めまして、総通話料と総コスト、一体どうなるかという計算をやってみました。そうしますと、大体三分で三十円から二十五円の間に入りそうでございます。今、もう五十キロになりますと五、六十円、七十円というふうになりまして、現在の料金体系では遠距離、中距離でまだかなりの利益をいただいておるわけでございます。要するに、さっき申しました一兆四、五千億という利益は、中距離、長距離の利益でございまして、これが実は大き過ぎる、非常にいびつな料金体系になっているということは申し上げられると思います。  もう一つ、最近の通話の状況を見ておりますと、地方でも地域社会でも車社会が伸びてきまして、地域社会の仕事の範囲なりあるいは生活の範囲が地域的に広がっておりますので、地方の一万とか五千とか二万程度の加入の範囲の三分十円というものの利用度、有効性が非常に落ちているんじゃないかというふうに見られる節もございます。東京みたいなところで今度考えますと、東京は密集地帯で通話が多いから、三分十円でもうかっているのではないかというのが常識かと思いますけれども、実はそうでございませんで、東京みたいなところは電話局から電話局の間、三分十円の範囲内に非常に大規模な洞道が要ります、あるいは共同溝が要ります。それから、こういう重要通信がたくさんございますので、そのラインに対する、地方では考えられない特殊な安全措置というものがだんだんかさんでまいりまして、東京みたいなところが実はかなり赤字がこれからふえる傾向にございます。  通信の安全性の確保ということをやりますと、例えば一つの電話局の交換機に故障が起こったら瞬間的に次の予備の交換機に乗りかえることができるという技術的な可能性が出てまいりました。そういうことなんかやりますと、そこに大きな不稼働の設備でエマージェンシーをつくるということが、私どもの立場上また必要になってまいりますので、殊に重要な官庁関係の通話というものは、何かありましたときにさっと自動的に切りかえられるということもやらなきゃならぬというふうに思っておりますが、それやこれやで、大都会の高密度のところが案外コストと収入のバランスがだんだん悪くなる傾向がございまして、現状では地方の県庁の所在地くらいの町が一番ぐあいのいい格好になっているということも申し上げられようかと思います。数字的にまだはっきり資料を差し上げることができませんけれども、その傾向は明らかに出つつあるということを申し上げておきたいと思います。(竹内(勝)委員「アクセスチャージも」と呼ぶ)  アクセスチャージは、さっき申しましたように、でき得べくんばアクセスチャージということを考えないでもいいような料金体系というものも、考えようによっては実現可能ではなかろうかというふうに私は思っているのです。私ども郵政大臣の御指導の基本原則というものから考えまして、アクセスチャージのない方がいいということ。それからもう一つ、原点に戻りまして、私どもがこういうふうに経営形態を変えだというのは、競争の原理で、より使いやすくてより安い電話料金を実現させるためということであったと思いますので、その原則に沿って考えて、アクセスチャージというものは取らぬでもいいような形に持っていっていただくということもお願いするという気持ちでおります。(竹内(勝)委員「一〇四の将来」と呼ぶ)  それから、一〇四は現在全国で三千四、五百億の費用をかけております。この一〇四の利用の回数はふえる一方でございまして、それをこの間から少し精密に調査いたしましたが、一八%くらいの加入者の方が八三%の番号案内を利用しておられる。極端に申し上げますと、一部の方が特殊な目的のために一〇四を非常にたくさんお使いになっているので、無料サービスというものを一八%の方に、三千四、五百億のうちの二千八百億とか二千六百億とかというものをただで差し上げていいものかどうかという疑問が出てくるような数字の内容が、最近だんだん強化されつつございますので、これはまたこれでお考えいただきたいのでございますが、一〇四を有料化すると申しましても、これはまた設備が要りますので、そういうことでお決めいただいて、一年ちょっと時間をいただきませんとこれは有料化できません。     〔畑委員長代理退席、委員長着席〕 今の一〇四の回数を、仮にワンコールで五十円いただいたとしても四百四、五十億ぐらいしか入りませんで、一〇四で二千三百億、一〇五は別にしますと二千三百億くらいの費用がかかっておりますが、これは四百四、五十億から五百億どまりだろうと思います。  そんなことで、番号案内というものも、二種事業が重要になってきた世の中では、考え直す必要があるのではないかというふうにも思っております。一種のVAN事業でございますから、VAN事業が有料でできるなら、一〇四の内容をもう少しVAN事業みたいな形に変えることも、法体系としておかしくないんじゃないかというふうに、私どもの立場からは見ております。
  124. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 もう一点、真藤さんにお伺いしておきます。  きょうの新聞にもまた報道がございますが、昨日ですか、真藤さんは記者会見で、国鉄余剰人員の受け入れ問題について、条件はいろいろあるが協力しないわけにはいかないということで、前向きな表明をされております。NTTとして、この国鉄余剰人員受け入れを具体的にどういうように考えておるのか。待遇の問題なり、関連事業あるいは子会社、そういったものも含めて今後関連事業の創出、そういったものに拍車がかかっていくのではないか、そういうことも考えられる。あるいはまたその入社の条件なり何かいろいろあるのか。そういうものがわかる範囲で御答弁いただければありがたいと思います。
  125. 真藤恒

    ○真藤参考人 これは国鉄の方から郵政を通して、五年にわたって千人採用協力ということで来ておりますが、私ども新規採用を続けておる限りは御協力申し上げるものだと思います。  幸い私どもは全国的に組織を持っておりますから、できるだけその居住地を変えなくてもいい方に来ていただくということ。したがって、一律一体にこういう仕事に向くということを決める必要もございませんで、その場その場でケース・バイ・ケースで、こういうところに人間が足らぬからこういう適任者が欲しいのだがというふうな形で持っていった方が、私どもの方にもまた国鉄の方にも御都合がいいのではないかと考えております。  しかし、私どものところで全体的に申し上げて、今一番手が足らずにおりますのはソフト要員でございますけれども、ソフト要員というとどうしても若い人でないといけませんので、そういうことを条件づけて一年に二百人ずつくらいいただけるかということは、これはなかなか難しい問題だろうと思います。これはケース・バイ・ケースに考えていきたいと思います。
  126. 竹内勝彦

    竹内(勝)委員 終わります。
  127. 宮崎茂一

    宮崎委員長 田中慶秋君。
  128. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 最初郵政大臣所信表明についてお伺いをしたいと思います。  大臣所信表明の中で、郵政省が現業官庁から政策官庁への脱皮を目指すということを言われております。高度情報化社会への対応を中心として、これらの施策について大臣はどのような形で高度情報化のイメージを考えていられるのか、お伺いをしたいと思います。
  129. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 私にとっては大変難しい質問でございますけれども高度情報社会というのは一体どういう社会なのだろうか。これは私なりに考えてみまして、通信とコンピューターの連結によって変化する社会ができてくる、それが究極には高度情報社会に変化していくのだ、私は端的にこういうぐあいに考えているわけでございます。  したがって、そのような新経済社会、産業社会というものが二十一世紀にやってくるために、電気通信の進化によって我々は何を可能にできるのか、我々は何をなすべきかという考え方時代よりも、次の新産業社会の中で電気通信分野というものはどのような役割を果たしていくかという時点で考えねばならぬのではなかろうか。こういうぐあいに考えて、今いろいろな施策を模索し、その準備に入っていかなければならぬな、こういうぐあいに考えているわけでございます。
  130. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 大変抽象的であるわけですけれども、確かに時代が大きく変わりつつある中で、郵政事業というものが政策官庁へ脱皮をしなければいけないという前提での話としてはよくわかるわけですけれども、それでは現在郵政事業というものの現業官庁として、例えば郵便問題あるいは貯金の問題やら保険の問題、こういう問題は、政策官庁という前提を置くならば、どのような形でそれを結びつけていくのか。やはりそういうことがあると思うのです。その現業というものをまず前提に置きながら政策をどのように展開するかということが、一つには大きい問題ではなかろうかと思うのです。  そういう点で、例えば通信とコンピューター等等の問題もあるわけでありますけれども、そういう問題ということも大切かもわかりません。しかし、現状を無視してそれはできないわけでありますから、現状の現業部門というか、こういう問題についてどういう認識と、今後どういう形で具体的な施策としてそれを展開し、結びつけていくかということをお伺いしたいと思います。
  131. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 私は郵政省の仕事に二本の柱があると思います。その第一本の柱は、やはり百年の大きな歴史を背景にした郵便、貯金、年金、簡保といった現業部門で、あとの一本が新しい時代に向かっていく電気通信行政だ。その現業部門が郵政省の骨幹である、しっかりと大地に足を据えている骨幹である、こう基本的に考えています。  そこで、郵便事業あるいは小包の事業、そういうような事業一つをとってみましても、しからば郵便事業そのものが新しい時代に向かって新しいコミュニケーションになっていくかどうかと考えたときに、私は素人でございますけれども、この前、手紙を書いて世界一の山下さんに結婚を迫りましたね。手紙を書いて、そして結婚まで結びつけた。これは私は電話ではだめだと思うのですよ。今ここに持ってきましたけれども、青森県の浪岡郵便局長竹内さんという方が、世界チャンピオンの奥さんになるそのお嬢さんに、寝わざでなくて文わざをもって恋を射とめ、そして結婚まで結びつけたのはすばらしいことですという手紙を出したそうです。やはり大変喜んで返事が来たということで、青森県の浪岡郵便局長さんから私のところに届きました。それを見まして、手紙というもの、封書というものは人間の心を運ぶ重要な仕事である、二十一世紀に向かってもこの事業は大切にしていかなければならぬ、こう考えました。  小包にいたしましても、これは自由競争である。クロネコヤマトもどんどん宅配便をやって、考えてみれば私自身も実は去年一年間で五回くらいクロネコヤマトに頼んでやりましたが、今度の立場でいろいろ聞いてみましたところが、郵便局の小包がこんなにサービスがいいということを私も感じました。最近小包も非常にふえて、郵便局の窓口が地域の一村一品なり地域産業と結びついて、大変スピードアップされて、的確に、安全に宅配を行っておるという事実を知りまして、これも新しい時代に向かっていく重要な仕事であろう。  それから年金、簡保にいたしましても、あるいは郵貯にいたしましても、いろいろ問題がございましたけれども一つの政策官庁として郵貯の問題をどう考えていくか、郵貯のシステムをどう考えていくかという時代が来たな、そして、二十一世紀にかけても郵貯の基本的なメカニズムというものは維持していきたい、こういうように考えて、やはり郵政事業という一本の柱は郵政行政の重要な一つの柱であるということを私として考えておるわけでございます。
  132. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 今、大臣から郵政の三本の柱について具体的なお話がありましたけれども、やはり何といってもそういう一方においては、現業という問題、非能率的な問題とかいろいろな問題が指摘をされている。こういうことから、先般来、特に財界あるいはまた自民党首脳との懇談の中で、郵政事業に対する民営あるいは分割の問題も俎上にのせられているわけであります。そういう点ではやはりそこで働く人たちが一番不安であろう、私はそんなふうに考えるわけでありまして、国鉄さらには電電、そして専売等が民営になったからということで次は郵政だという、それは一つの方針かもわからぬけれども、しかし、いずれにしても現時点で不安を与えてはいけない。  同時に、百年の歴史の中で郵便の大切さや、あるいはまた昔から言われているように、日本の伝統というものを保ちながら、できるだけ多くの便りを出そうとかいろいろな形でやられている。そういうときに、今民営・分割という問題についてそれぞれ具体的な指摘をされ、新聞でも報道されているわけですから、大臣としてこれらに対する考え方を明確にしておく必要があるのではないか、こんなふうに思いますので、その点についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
  133. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 ちょっとその前に官房長に返事をさせてよろしゅうございますか。
  134. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 いや、大臣の話を聞いて、次に官房長に聞きます。
  135. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 まず郵貯の問題でございます。  昨今、去年あたりから、郵貯というものを、国営であるからこれを分割し、また民営にしたいというような意見があちらこちらから出ておりますし、金融業界がスポンサーになっておる懇談会あたりでも、文書をもって、民営・分割というものをやらなければ、新しい金融の自由化体制の中でうまくいかない、こういうようなことも書いてあります。しかし、私はその文書に対して非難をしたいわけです。財投全般の問題も頭に入れることなく、あるいは金融メカニズムの全部のシステムを考えないで、単なる一断面だけでそういうことを書かれておる文書を見まして、私は非常に残念に思っております。  郵貯の持っておるところの、国営であるけれども百年にわたる内容というものは、民活でやっておるということ。しかも、独善になりがちな国営を、お預かりするのは郵政省が預かるが、それを大蔵省にお預けして、財投として公的金融機関なり国際協力の資金なり、あるいは大蔵省資金運用部の国債買い入れの原資にしている。あるいは郵貯が住宅金融公庫あるいは住宅・都市整備公団に、現在高二十兆円ということで、日本の国策の住宅政策に貢献している。こういったような郵貯のメカニズムを無視して、国営だから今はやりの民営にする、あるいは分割するという短絡的な考え方に私は同調できないのであります。簡保の年金の資金にいたしましても、これは郵政省の方でお預かりしまして、その資金運用の面で各都道府県なりいろいろな公的機関に貸し付けをいたしまして、それによって各地域の小学校が建ち、高等学校が建ち、あるいはいろいろな福祉施設が建っていく。  こういう郵貯の持っている、国営であるけれども民活にそれが十分利用され、しかも独善にならないように、普通の金融機欄と違って片肺飛行をさせられておる、そういう姿のままで金融自由化の波を我々が受けていくためにはどうすべきかという、政策官庁としての考え方を貯金局長さん持ってくださいよ、そうしなければ預金者に対して責任を負えませんよ、しかも少額預金者の大衆のお金を預かっているのだ、そういう意味において、政策官庁として堂々と自由化の波を乗り切っていく自己責任を我々は果たさなくちゃならぬ。  こういう話し合いをいたしておりまして、先般は公定歩合の引き下げの際に、当然あれは二カ月も三カ月も過去例があったように聞いておりますが、郵貯戦争ということでなかなか結論ができなかった。しかし、貯金局長を中心に徹夜で考えまして、国際的な金融情勢のあり方、それから先進国の金利の下がり方、それから一般市中銀行との整合性、内需の拡大、こういう観点から郵政省独自に考えまして、それが預金者を守る、郵便貯金を守る柱になるだろうということで、次官初め我々徹夜で考えまして、一挙に〇・五%やりましょう、それが郵貯を守る闘いであろう、こう考えて速やかな措置をしまして、この二十四日から実施となったわけでございます。それが政策官庁としてのやり方であろう、こう考えておるわけでございます。
  136. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 今の、大変な取り組みであろうかと思いますが、いずれにしてもこの郵政で働く人たちのことを考えると、やはりそこには毅然たる態度と姿勢というものがあって、不安のないようにするということが一番必要であろうと思うし、それもまた国民に対する大きな義務であろうと思います。  そういう点では、小山郵政事務次官が、この自民党首脳あるいはまた財界の考え方に対して反論をしながら、それなりの考え方を出されているわけでありますけれども、ここで存分たちの正しさというものを主張することは、今大臣が言われたような形で大変結構だと思うのです。  ところが、その一面の中にこういう問題があるわけです。「分割・民営化を唱えている民間金融機関は「世界一能率の悪い事業」」、こういう形でかぎ括弧で、「むしろ郵政事業という競争者を排除し競争原理の導入を拒否しようとしているとしか思えない」という形で二つ並べてあるわけですけれども、何も民間の金融機関がいいとか悪いとか、世界一悪いんだとかいいとか、こういうことは言う必要ない。自分たちの、政策官庁であるならば政策として堂々とすればいいのであって、私はその真意がわからないわけであります。  そういう点で、例えばそれならば郵貯というのが、過去に十兆円等の売上高といいますか営業額があったというふうに聞いておりますし、今日では七兆円程度に減っている。あるいはまた、保険等についても、同じように年々歳々、皆さんの努力と裏腹に率的には下がっている。こんなことをするならば、例えば民間企業であなたが社長で、それぞれ次官を含めて重役ならば、とっくに交代ですよね。  そういう問題を含めて考えるならば、政策官庁なら政策官庁としてこういうものをやりたいんだ、民間との違いはこうなんであるということを主張すればいいのであるけれども、片方について、民間世界一悪いんだとかいいんだとか、余計なことだと思うのです。私はそういう点で、皆さん方の正論を裏づけるために、そんなことで、片方は悪いんだ、こういうことは、やはり今後自分たちの姿勢を正す意味でもやめた方がいいと思う。その辺をどういうふうにお考えになっておるか。
  137. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 二月五日付の新聞の紙上で、小山郵政事務次官の発言が必ずしも正しく報道されてなかった面がありますので、私、その記者会見に立ち会っておりましたものですから、その辺の事情をちょっと御説明させていただきたいと思います。  そこで言われております民間金融機関についての発言というのは、事務次官がそのような考えているということではございませんで、生産業者の中にはそういった意見もある、もっと郵貯、簡保が能率的な経営ができないものかといったような発言があるやにお聞きしましたので、郵貯、簡保の事業民間金融機関に比べて、経費率を見ても、事業費率を見ても決して遜色はない、民間の金融機関よりもより効率的な経営がなされているということを強調したときに、生産業者の中にはこういった意見を言う人もいると言ったことが、あたかも次官がそのような考え方を持ちでいるという形にとられる報道になっておりますので、その点は誤解のないようにしていただきたいというふうに思います。  郵貯のお話が出ましたけれども、確かに全国の郵便局の窓口を通じまして私どもは一生懸命サービスの向上に努め、また、努力をしておるところでございまして、先生指摘の、その貯金額が年年減っているというのは、職員の努力というよりも、客観的な、いわば可処分所得の低下であるとか、あるいは高金利の競合商品としてのビッグだとかワイドだとか、非常に多種類の金融商品が出回っておりますから、そういった中で、厳しい情勢の中での努力の結果でございまして、決して経営的に努力が足りないために純増額が減っているという問題ではございませんので、その辺も御理解をいただきたいというふうに思います。
  138. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 ちょうど昨年も私はそれぞれ勉強会のときに御指摘を申し上げたわけです。  何しろ、この郵政というのは現業を抱えている関係で、発想の転換が、はっきり申し上げて遅い。今は、あなたも指摘をされたように、同じ金融問題について、民間においては何か目玉商品を出して、いろいろな形でそういう点でお客さんが奪われている。それだったら郵政もやればいいんです、はっきり申し上げて。そうでしょう。  例えば、今大臣が言われているように、クロネコヤマトの問題、宅配の問題、これも同じですよね。あれだって一つの発想の転換でああいうことをやられておるわけです。特に郵便切手を去年指摘をしたわけです。ポストがあり、切手やはがきを売っているところで、手数料が入るからと、片方にクロネコヤマトの取り扱いの旗を立てている。こういう点を考えても、そういう点の発想の転換が非常におくれている。だから私は、はっきり申し上げて、そういう点で政策官庁としての脱皮とあわせて、二十一世紀を生き抜くためにはもっと発想の転換や活性化が求められているのが今の郵政事業じゃないかと思うのです。  そういう点について、その活性化、発想の転換、どのようにお考えになっているのか、お答えをいただきたいと思います。
  139. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 まあ短期間の二カ月ぐらいのことで勉強中でございますが、とりあえずこの間に私が考えたことは、郵貯なり郵便三事業というものが独善になってないだろうかということ、それから二番目は、硬直化していないだろうかということ、それから三番目は、創意工夫というものが内部からどんどん噴き出るように出ているかどうかという問題、そういうことを七項目にわたって私は、次官と三事業局長に、ひとつ考えて回答してもらいたいということで内部反省を求めました。  ところが、私の予想外に内部で柔軟に対処している。例えば、今言われました切手の売りさばき所がございますね。全国五万軒あるそうでございますが、そこで昨年の十月から、小包をお預かりしますというのをもうやりましたと。そのときに、その柔軟な民間の宅配業者と匹敵して、全力を挙げてお客さんの小包を安全で的確に届けるという姿勢を私は見ることができまして、よし、これならやれるなという問題。それから郵貯の問題でも、民間に先駆けて進学ローンをやる。それに倣って民間の金融機関が教育ローンをやろう。それが民間じゃなくして、郵貯が先に取り組んだこと。そういうような具体的な例がどんどん出てまいりまして、硬直状態にはなっていない。郵便局の職員が先頭に立って三事業というものを守り抜こうという意気を私は感じたわけでございます。そういうようなことで、二十一世紀に向かってこの三事業は内部革命において、自由な競争場裏で生き延びていける、こういう考え方を持った次第でございます。
  140. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 ちょうど昨年指摘をして、大臣がすぐ小包囲題についてはやりますという形で対応されたわけです。しかし、一時は小包を廃止しようかという根底があったものですから、それは過去でありますけれども、そういう点では、競争の原理からしますとまだまだでありますので、そういう点はもっとやっていただきたい。  特に今行政改革とか合理化とか言われているわけであります。そういう点で、時間もありませんけれども、許認可を一つとっても、例えばCAテレビならCAテレビという許認可、いろんな形があるわけですけれども、膨大な資料を要求されて、そして時間も非常にかかっている。私はもうそういう時代ではないと思うのです。そういう問題も一つ指摘をしておきたいと思います。  あるいは、例えば皆さんのところでそれぞれいろんな物品の購入や建物を建てる、そういうところで業者選定のときに、建築なら建築について指名参加願を郵政省にも出さなければいけない、建設省にも、それぞれの各部署に全部出さなければいけない、こんなことはもう既に――地方行革を言われている地方自治体は、一本当せばすべてその写しでオーケーになるわけです。ところが郵政省は、いまだにそういうものをたくさん持っておる。そしてその切りかえ時期に、一件当たりふろしき包み一つなければ、そういうものが現実には許認可がもらえないわけです。それが何十社ということになると大変な時間。そういう点では建設省なら建設省、専門なんですから、そこでやってもらった写しを持っていけばそういう参加資格をもらえる、当然あってしかるべき問題であります。こういう問題も、現実には大臣がまだそこまで知られていないと思いますから、申し上げておくわけであります。  また、例えば局舎を建てようとするときに、それぞれ皆さんが稼いだお金が財投に行き、それからまた回ってくると思います。そこでその郵便局が集めるお金というのは、そこの企業であり、そこの住民であり、そして例えば貯金にしても保険にしても、あるいは郵便小包にしても何にしても、そのエリアの中で集まったお金であろうと思うのです。ところがその郵便局を建てるときには、そういう地元から集めたお金は大手にみんなストレートに行ってしまう。それでは経済の原理からいっておかしいじゃないか。やはりそれは、そこの人たちがそこに参画をして少しでも潤うことが必要ではないか、こういうふうに思うのです。  ところが、長いしきたり、百年の伝統があるのかもわからぬけれども、そういう発想の転換というのは現実にはなかなかされてない。やはりそういうことであってはいけない。昔は、景気のいいところは一つの仕事は一社指名だったかもわかりませんけれども、今はむしろジョイントベンチャーという形で、大手さんと地元さん、こんなこともやったりいろんなことをしているわけで、そこで使うものあるいはそこで具体的に建てかえをするものは、やはりそこの人たちから集まってくるものであるから、そういうことをやる必要があるだろう、私はこんなふうに思っておりますけれども大臣、どうですか。
  141. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 官房長にちょっと説明させます。
  142. 中村泰三

    ○中村(泰)政府委員 先生指摘のとおり、役所におきます許認可の煩雑さというものは、利用者の皆さん方には大変御負担をおかけすることでもありますし、また、お役所の仕事としてもできるだけの合理化、効率化は不断に見直しをしながら進めていくべきものだというふうに私ども考えております。したがいまして、政府におきましても、昨年の九月の閣議におきまして、当面の行政改革の進め方を決定したところでありますが、その中にも、そうした許認可行政の見直しを今後とも続けてやるようにという申し合わせもできておりますし、先生の御指摘のありました点、私どもも常に見直しを加えながら、できるだけ要らざる御負担をおかけすることのないように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
  143. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 大臣答弁してください。
  144. 佐藤文生

    佐藤国務大臣 電波事業に対する申請書がえらい分厚くて、そうして素人が自由に参加したいと思うけれども、素人がそれができなくて、既存の業者に頼んでつくって、そして出すなんということを私は去年聞いたことがございます。私はその当時は全然門外漢でございましたが、それを聞きまして、自由参加、自由参加と口で言いながらも、免許申請一つとっても、そういう公平に参加できない仕組みが申請書そのものにあるんだなあと思いました。今先生の御指摘のとおりに、これは絶えず改革していかなくちゃならぬ、こういうことで、郵政省としても考え直して、簡素化していくようにやったらどうかなということを指導していきたいと思います。  それから郵便局の改築、それが地域の活性化につながっていく、それが趣旨じゃなかろうか、私はそうだと思います。したがって、なるべくその地域に経済的な効果があるような、そういう措置というものを考えながら郵便局の改築というものはやるべきであろう、こういう先生のお考え方と同じ考え方を私は持っております。
  145. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 予定時間が参りましたので、私終わりますけれども、いずれにしても大臣考え方郵政事業というのがより活性化され、そしてまた、郵便にしても貯金にしても、今言った保険にしても、直接できる事業一つなんです。人間関係が非常に大切にされる事業だと思いますので、絶えず民間やいろんな人たちに喜ばれるような形で、今大臣答弁のような形の中でぜひ取り扱っていただきたい、こんなことを要望申し上げて、私の質問を終わらしていただきます。  ありがとうございました。
  146. 宮崎茂一

    宮崎委員長 次回は、来る二月二十六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十八分散会