○三島
政府委員 ただいま御
指摘ございましたように、極左暴力集団各派は今回の東京サミット、それからその直前に行われます天皇陛下の御在位六十年記念式典を一体のものととらえまして、これを絶対爆砕ということを言っているわけであります。そして、彼らとしてはこのテーマを本年最大の闘争
課題として取り組むということで、早い時点から激しい反対の姿勢を示してきておったところでございます。
そういう点から、
警察といたしましても、今回のサミットにつきましては前回のサミットのときを上回る激しい反対闘争、
ゲリラ等が発生するというふうに
考えておったところであります。前段の
段階におきまして、御
指摘のとおり三月二十五日に半蔵門あるいはアメリカ大使館に対しまする、これは火炎物でありますが、発射事件がございましたし、あるいは三月三十一日に、これは迎賓館の裏に、金属の固まりでございますが、それを打ち込むといったふうな
ゲリラもあったわけであります。そういう大変厳しい情勢下にあるということを踏まえまして前段
警備に全力を挙げてきておったわけでありますが、このような
ゲリラ事件の発生とともにさらに
警備態勢を強化いたしまして、現在全力を挙げてその
警備に当たっているという
状況でございます。と同時に、その
警備には当然のことながら全国
警察の総合力を挙げて当たるという姿勢でもってやってまいっているところでございます。ただ、ごらんのように相当厳しい検問あるいは職質、交通規制等を行っておりますので、
国民の皆様に大変御迷惑がかかる事態でございます。しかし、何といいましてもこのような
ゲリラを防ぐためにはどうしてもそのような
警備活動を行うことが必要でございますので、
国民の方々の御
協力を得ながら
警備の万全を期してまいりたいと思っているところでございます。
それからまた、このような
ゲリラを防ぎます対策といたしましては、この
ゲリラを行います極左暴力集団の動向を把握する、そして
ゲリラを行っておりますいわゆる非公然組織といっておりますが、そういう非公然軍事要員の発見あるいはアジトあるいは武器をつくるような工場の発見に
努力をしてまいっておりますし、また盗難車等の、これはまあ
ゲリラに使うものでありますが、その発見にも
努力をしてきております。そして少なくともそういう違法行為を発見したからには徹底して検挙するという姿勢で現在まで来ているところであります。
その結果、例えば昨年でも全体で九百七十人の極左を検挙いたしておりますし、本年に入りましてからも百名の検挙をいたしております。そして、その中には去年の十二月二十三日に
ゲリラを現場で三人捕まえたケースもございますし、あるいは
先ほどの三月三十一日の迎賓館へ向けての
ゲリラの場合も容疑者を一名現場で検挙いたしております。あるいはまた、彼らの飛び道具の中で一番大きなものであります、また長距離を飛びます去年の四月十二日の発射弾に関しまして二名の犯人を割り出して現在指名手配をして、早期に検挙すべく
努力をいたしておるところであります。また、アジトにつきましても、去年八カ所ことし三カ所、その
ゲリラの拠点となるべきものを摘発いたしております。それからまた盗難車につきましても、御
予算をお認めいただきましてコンピューターを使ったところの各種の照会システムを駆使いたしましてその発見に
努力をいたしておるところであります。
そのような極左の動向の把握及び捜査の徹底を期しまして、今後とも
ゲリラの防止に努めてまいりたい、かように思っております。