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1986-04-10 第104回国会 衆議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十一年四月十日(木曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 瓦   力君    理事 谷  洋一君 理事 東家 嘉幸君    理事 野中 広務君 理事 新井 彬之君    理事 西村 章三君       池田 行彦君    榎本 和平君       金子原二郎君    桜井  新君       浜田 幸一君    東   力君       森田  一君    保岡 興治君       山岡 謙蔵君    上野 建一君       中村  茂君    前川  旦君       山花 貞夫君    坂井 弘一君       瀬崎 博義君    中島 武敏君  出席政府委員         建設政務次官  中島  衛君         建設省道路局長 萩原  浩君  委員外出席者         参  考  人         (海上安全船員         教育審議会委         員)         (元東京商船大         学教授)    岩井  聰君         参  考  人         (東京大学土木         工学科教授)  中村 英夫君         参  考  人         (筑波大学社会         工学系助教授) 安田八十五君         建設委員会調査         室長      佐藤 毅三君     ————————————— 本日の会議に付した案件  東京湾横断道路建設に関する特別措置法案  (内閣提出第二四号)      ————◇—————
  2. 瓦力

    瓦委員長 これより会議を開きます。  内閣提出東京湾横断道路建設に関する特別措置法案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、参考人として海上安全船員教育審議会委員、元東京商船大学教授岩井聰君、東京大学土木工学科教授中村英夫君及び筑波大学社会工学系助教授安田八十五君に御出席を願っております。  この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただくようお願い申し上げます。  なお、御意見十分程度に取りまとめてお述べいただき、その後、委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  それでは、まず岩井参考人にお願いいたします。
  3. 岩井聰

    岩井参考人 ただいま御紹介をいただきました岩井聰でございます。東京湾横断道路建設に関連いたしまして、私の研究専門分野にかかわります船舶航行の面から、参考人といたしまして意見を申し上げたいと存じます。  意見を申し上げるに当たりまして、まず東京湾、特に横断道路建設が予定されております水域に着目いたしまして、東京湾内船舶航行現状並びにその特徴につきまして若干触れさせていただきたいと思います。  御承知のように、東京湾はおおよそ南北に五十マイルマイルと申しましてもこれは海上マイルでございます、東西にほぼ十マイルという水域を持ちまして、湾口部つまり湾の入り口のほぼ北端には浦賀水道という狭隘な水路を持っておりますし、その若干北側、ほぼ中央部でございますが、中ノ瀬と称します水深の浅い水域を持っております。さらにまた北に参りますと、千葉県側の木更津、ここは盤洲という場所でございますが、その沖合はいわゆる遠浅水域となっております。そのような関係のほかに、西側京浜地区川崎運河を控えておりまして、この運河北側、ちょうど横断道建設予定水域の西端になりますが、川崎航路というものが存在しております。  このようなことから船舶航行の実態の特徴を見てみますと、全体的には南北に流れながらも、この横断道水域にかかわります場所におきまして若干船舶交通流が絞られ、そして、北の場合には北上に再び発散する形で各港域に参っております。なお、御承知のとおり、東京湾全体を眺めますときに西側海浜地帯、これはほぼ港域になっております。なお、湾奥部、いわゆる東京から浦安、千葉にかけましては、東京千葉港域ということで全面的に分布されております。そして、先ほど申し上げました盤洲遠浅を除きまして再び木更津港というものが存在するわけであります。  そのようなことから交通流を見てみますと、例えば昭和五十八年十一月の調査報告を拝見いたしますと、この横断道予定水域を通航しております船舶の数は南北合わせましてはぼ千三百隻程度となっております。そのうち、ただいま申し上げましたような形状関係から、川崎千葉側盤洲を結ぶ線、御承知のとおりほぼ十五キロございますが、この水域を仮に三等分いたしまして、西から五キロの範囲、さらに中央部の五キロ、東側の五キロ、こういう三つに分けますと、川崎寄りの五キロの中にほぼ通航船の六七%、中央部に二九%ということでトータル九六%が中央部から西寄り水域航行の場を持っておるというのが現状でございます。  なお、このような水域関係から、この水域におきまして、先ほど申し上げましたように船の交通流がここで絞られる関係から、いわゆる交差とかあるいは交差したものが分岐するというようなプロセスをとっております。そのほか、湾内水域に関連いたしましては、大型タンカーバースとして、川崎サイドには扇島シーバースあるいは浮島シーバースというものがございますし、東側架橋予定水域のやや北東側京葉シーバースという場所がございます。  なお、そのほか、この湾域港域におきましては、一般船舶港待ちをする関係上の錨泊水域に一部利用されておりますし、湾内におきまして、日本特有台風の来襲、こういった場合には港内等安全措置をとる関係上、この水域避泊水域として利用されております。  以上のようなのが今日の東京湾横断道路予定水域に着目しての重点的な船舶航行現状特徴でございますが、これに対しまして船舶航行安全という立場からは、主として海上保安庁あるいは運輸省港湾局サイドにおきましていろいろな安全対策が整えられております。そのような手法は、現在、国際レベルでの安全対策手法と一致する手法をとり、かなり定着した安全対策がとられてきております。  ところで、このような水域に、今回の問題でございます横断道路建設の問題に関連いたしまして、今申し上げましたようなこととのかかわり合いはどのようになるであろうかということから話を進めさせていただきたいと思います。  提示されました基本形状というものに対して、ただいま幾つかの問題を述べましたが、こういったものが、横断道建設によりまして、船舶交通流錨泊の問題あるいはシーバース等着離桟いたします巨大な船舶操船挙動あるいはまた台風等に対する避泊の問題、こういった点でどのような影響を及ぼすものがあるであろうかということをまず細かく調査をし、その内容検討いたしまして、それに対する対策を考えていくことによってコンクリートな検討がなされるわけでございます。  ところで、問題点、あるいはどのように影響を及ぼすであろうかということの検討を進めていく場合におきましては、やや具体的に申しますと、水域環境に対する影響はどうなっているのか、つまり、構造物等が設置されることによって局所的に、例えば水理現象あるいは風域変化現象といったものがどの程度影響を受け、それはどの程度範囲に及ぶであろうかあるいはまた航行船舶交通流横断道建設に伴いましてどのように変更しなければならないかあるいは変更を余儀なくされる問題が起こるであろうか、なおかつ交通量、いわゆる交通容量の面でどうであろうかということ、それから、先ほど申し上げました巨大船舶シーバースへの着離桟に当たりましては、一般船舶の場合はこの水域を通常の航行の場として利用するわけでございますが、巨大船舶の場合はいわゆるランディングステージと称しまして、ここで加減速段階にあるわけでございます。  このような加減速操船の上にどのような影響を及ぼすものであろうかということ、それから、泊地としてあるいは避泊地としての別の利用の面でどのような影響を及ぼすものであろうか、さらにまた原則論として、災害発生時にこれをミニマイズする、極小化を図る、レスキューをするといった応急対策安全対策一つでございますが、こういった措置をとるに支障をもたらすものであろうかどうかというようなことを十分詰めまして、これに対する対策行い評価を行っていくということになるわけでございます。  ところで、対策を進めていくに当たりましては、大きく分けまして四つに分かれます。いわゆる運航する人間の問題、運航される船体自体の問題、水域の問題、事故発生に対する対策の問題というような点になるわけでございます。それぞれの問題点について、このような対策によって問題点を解消する手法を見出すというのがこれからのプロセスとなるわけでございます。  拝見いたしました建設参考資料第二四一号十九ページから二十ページに示されております基本形状西側にトンネルをつくりまして東側が橋梁という形状でございますが、これを対象といたしますときに、ただいま申し上げました安全対策の設定、実施という点につきましては至難な問題ではないと思料いたすものでございます。したがいまして、船舶に対する安全対策といったものを樹立し、これにつきましては、先ほど申し上げましたような我が国はもちろん国際レベルでの定着した一つの姿勢と内容、手段というものがかなり確立されております。これをモデファイしながら設定し実施することを前提といたしまして、横断道路建設対応が進めていかれますことを念願する次第でございます。  以上、御説明を終わらせていただきます。
  4. 瓦力

    瓦委員長 ありがとうございました。  次に、中村参考人にお願いいたします。
  5. 中村英夫

    中村参考人 東京大学中村でございます。私、東京湾横断道路地域計画委員会の一員といたしましてこの調査に参画いたしました関係上、意見を述べさせていただきます。  まず最初に、交通地理的な視点からこの横断道路というものを考えてみたいと思います。  東京には、東京の周辺大体三十キロから四十キロ、五十キロという圏内にほぼ環状にいわゆる核都市あるいは副次核都市と現在呼ばれている多くの都市が連なっております。その間は、十六号を初めといたしまして、これから先外環状道路あるいは圏央道路等々で結ばれていって、こうして環状につながるわけでございます。ただ、それが横浜から始まりまして厚木、八王子、立川とずっと回ってくるわけですが、ちょうど横浜木更津の間、ここは東京湾でございまして、その間だけ輪が欠けているわけでございます。それ以外は全部お互い手を結び合った形で東京を真ん中にしてつながり合っているわけでございます。したがいまして、これが結ばれることは非常に大きな意義があるということは、例えばこれが地続きであったらその間の交通事情あるいは都市発展がどういうふうになっていたかということを考えれば極めて明らかなのではないかというふうに思います。  しかも、地図でよく眺めてみますと、この横断道路東京環状方向道路の一部であると同時に、放射方向とも見られるような形態をなしているわけでございます。すなわち、これができますことによって、東京を中心にしてほぼ三百六十度全周方向にわたりまして環状方向かつ放射方向にすべて道路のネットワークができ上がるということになろうかと思います。そういたしますと、その構造から明らかなように、これは今まで欠けていました京浜地区横浜川崎地区南房総地区がつながることになります。それと同時に、先ほど申しました環状につながっている核都市間がすべて連絡される、密接な結びつきが起こるということになります。それからもう一つは、環状になるわけですから、それが東京を迂回するバイパスとして機能するということが言えようかと思います。  それでは、こうした道路南関東全域にとって地域発展上どういうふうな意義があるかということを考えてみたいと思います。これはもう皆様既に御承知のとおりと思いますが、一つは言うまでもなく交通効率化でございます。ともかく早く渋滞なく動けるということが起こるわけでございますし、湾を挟んだ両岸間が短い時間で結べるということになります。  二番目が、先ほど申しましたような都市機能が強化されるあるいは相互依存関係が強化されるということが言えようかと存じます。したがいまして、いわゆるヒンターランドが拡大するということが言えます。すなわち、川崎横浜にとっては房総半島ヒンターランド的なものになります。一方、房総木更津等々は川崎横浜の方がそのいろいろな影響範囲に入ってくるわけで、相互ヒンターランドが拡大するということがございます。したがって、それによって非常に集積が起こってくるわけで、その集積効果というのは工業だけでなくて商業業務から教育文化あるいは医療に至るまで非常に大きいというふうに考えられると思います。ともかく、小さなものが幾つかあるよりも大きなものができる、それによってより高度の、例えば医療サービスあるいは教育文化サービスが提供される、そういうふうなものをお互い住民が享受し得るということが考えられるわけでございます。  三番目は、言うまでもなく産業立地の新しい展開でありまして、これは今までどちらかといいますと産業上比較的おくれた状態にあります房総方面に新しい種々な産業が展開していくということが当然あるわけでございます。  四番目は、新たな住宅地の提供がなされるわけで、これはただいま我が国での最も大きな問題であります土地問題あるいは住宅問題というふうなものの解決の一助となり得るというふうに思われるわけでございます。  それから五番目は、レクリエーションレジャー機会が拡大、向上するということでありまして、これは少し詳しく述べた方がいいのかと思います。これは、ともかく今後労働時間の短縮が起こります。我が国労働時間は西ヨーロッパ諸国等々に比べて非常に多いということで、これがまた国際的ないろいろなフリクションの種となっているわけですが、何もそれだけでなくて、我々国民の福祉上からも労働時間は短縮し、より豊かなレジャーレクリエーションを楽しむということは必要なわけでありますが、そういうふうなレクリエーションをするにも、今の京浜地方を初めといたしまして、用地の不足等もありまして、機会が非常に少ないわけでございます。野球をやる、サッカーをやるにもグラウンドがとれない、あるいは海水浴に行っても超満員であるというふうなことが非常にたくさんあるわけでございます。あるいは、これから高齢化社会に入っていくわけですが、高齢者が余暇の時間を使う場所、そういったものもなかなかとりにくいわけでございますが、対岸の房総方面がそういうふうな近い距離になることによって、そこがそういった新しい場として機能するということの意義は非常に大きいのではないかというふうに思います。  そうしたものの魅力が、これがまた定住の魅力を呼び、あるいは産業立地の新しい魅力を呼ぶというのは、これは例えば西ヨーロッパの国あるいはアメリカでもそうですが、そうした美しい風景あるいは豊かなレジャー機会レクリエーション機会、そういったものが新しい先端産業等々の立地の要因になっているというふうなことを見ても明らかではないのかというふうに思います。  その次ですが、こういった非常にいろいろな結構な効果があると思われるわけですが、ただ、一兆円何がしという建設費がいかにも巨額であるわけで、果たしてそれに見合うものであるかというふうなものの検討が非常に大事ではないかというふうに思うわけです。そのために、計量分析を、地域計量経済モデルあるいは交通需要分析を行いまして求めているわけでございます。  そこでの前提は、二十一世紀初頭での南関東一都三県の人口は三千百二十万人である。経済成長率は約四・四%をそれまで持続する。あるいは通行料は五十七年価格で三千円であるというふうな多くの前提条件のもとにおいて試算しているわけでございますが、その結果、一日に三万台の交通需要がある。それから、最終的には六万台くらいまで期待できるというふうなことでございまして、その結果、それを通行する人たち道路利用者が受ける利用者便益、これを直接効果というふうに呼んでもいいかと思いますが、それは走行時間の短縮それから走行経費の削減ということで、年にして、当初で七百三十億円くらい、三十年間で考えますと二・八兆円くらいというふうなことで、費用の二・三倍とか、そういったオーダーの便益が見込めるというふうな計算がなされております。  サンフランシスコにおいては、御承知のように、一九三七年にできましたゴールデンゲートブリッジを初めとして、四つの橋があの湾にかかっているわけですが、一九三〇年にはこれも当然のことながらいろいろな意見がございまして、住民投票をやって、十万八千票対三万五千票というふうな票でもって、それが賛成というふうなことになって着手されたというふうに書いてあるのを読んだことがございます。そこでは当初六千台程度交通量であったものが、正確に申しますと六千三十二台と書いてございます、一九三七年、今から四十八年前でございます、申しわけありませんが正確な数字を私は知りませんが、今ではこれが大体七万台から八万台ゴールデンゲートを通っているんではないかというふうに予想されます。こうして、開発が進むと交通量というものは加速度的に増加していくというのは、サンフランシスコの例でございます。もちろんサンフランシスコ東京とはいろいろな形で条件は異なります。したがって、これは一つ参考例として申し述べておくにとどめます。  最後に、この計画に関して留意すべき点を私なりに述べさせていただきたいと思いますが、ともかくこのプロジェクトは、美しい豊かな国土をつくるためのプロジェクトでございます。したがって、これでもって房総半島乱開発が行われるようなことは厳に慎むべきであるというふうに思っております。房総半島の自然というのは非常に大事な自然でありまして、保護すべきところはしっかりとした土地利用規制をかけ、厳しいコントロールをして、そして本当に豊かな国土南関東のすべての住民福祉向上に役立つようにぜひつくっていただきたい、そのためには非常に有意義プロジェクトであるというふうに私は考えておるものでございます。  以上でございます。
  6. 瓦力

    瓦委員長 ありがとうございました。  次に、安田参考人にお願いいたします。
  7. 安田八十五

    安田参考人 筑波大学社会工学系政策科学を研究しております安田と申します。  参考に、エコノミストの二月四日号に論文を書かせていただきましたので、お配りしてありますが、この東京湾横断道路に関しまして、私も首都圏都市開発の問題に前々から強い関心を持っていたわけですが、建設省道路公団では約二十年前からこれに関する基礎調査を進めておりまして、非常に緻密な分析をしておられるのはいろいろなレポートで読ませていただいておるわけです。  そこで、首都圏課題ということを考えますと、確かに首都圏に関しましては道路事情が非常に悪いわけでして、道路を整備するということは緊急の課題だというふうに考えております。特に、私のお配りしましたものの図一に書いてございますように、首都圏広域的幹線道路網はまだまだアメリカ等と比べますと非常に不十分なわけでして、これは今後徐々に整備していかなければならないのではないかというふうに思います。  ただ、この東京湾横断道路に関しましては、私は現時点では着工は反対したいと思います。というのは、時期尚早であるというのが私の基本的な考え方でございまして、これは建設省道路公団の方で挙げている理由に関しまして、五つ機能ということで、京浜房総直結機能、それから湾岸地域相互連絡機能、それから東京都市圏南回りバイパス機能神奈川方面から千葉を通って東北方面へ行ける、それから国土庁の出しております業務核都市構想核都市相互間の連絡機能、それから新国土軸形成機能、こういう機能から五つ効果ということで、産業高度化と新産業軸形成東京湾岸地域一体化等が出されております。  しかしながら、このレポートを詳しく分析した結果によりますといろいろな意味で疑問がございます。  まず第一点は、首都圏の将来像、首都圏が今後どういうふうにあるべきかということに関する明確なビジョンが打ち出されてないのではないかというふうに思うわけです。といいますのは、首都圏に関しましては現在二つの課題があると私は思います。高度成長時代首都圏にある意味で異常というべき人口産業等が集中したわけですが、そのひずみが完全に解消されてないわけでございます。これはもう都心部道路慢性渋滞、私も自分で自動車を運転しますので毎日ほぼ経験しているわけですが、慢性渋滞に代表されていますように、高度成長時代のひづみがまだ十分に解消されてないというのが一つです。  それから、最近の都心部の地価の急上昇に代表されてますように、首都圏東京国際化情報化で新しい姿を考えていかなきゃいけないわけですが、それに対する十分な対応が行われてないのじゃないか、こういうふうに考えております。  そういうふうに考えますと、政策優先順位といたしましては、まず、第一点の成長のひずみに関する投資を優先すべきである、そういうふうに考えます。ですから、今社会資本投資首都圏において必要なわけですが、これは新規開発を巻き起こすような、こういう東京湾横断道路というようなものではなくて、安全それから住宅環境量的産業基盤優先ではなくて、そういう質的な生活基盤優先投資を行うべきである、そういうふうに考えます。特に、今関東大震災級の地震が東京に来た場合には東京の惨状というのは目に見えているわけでして、こういう優先的な課題をまずすべきであろうというふうに考えております。  それから、交通に関しましては、今申し上げましたように、まず混雑解消渋滞解消を最優先すべきである。そういうふうに考えますと、東京湾横断道路に関しましては新規需要を巻き起こす可能性が非常に大きいわけでして、こういう投資よりもまず需要を転移させる投資が必要である。そういうふうに考えますと、首都圏道路、ここで見てわかりますように、放射状の道路は東名高速道路中央自動車道というふうに整備されております。私が勤務しております筑波大学がある筑波学園都市においても、昨年科学博の関連で常磐自動車道が整備されましたが、都心部に入りますと六号で、そこを抜けるのに下手したら一時間から二時間かかる、そういう状態でございます。  そういう意味では、東京においては都心部交通混雑のための転移需要型の投資、つまりバイパス投資、それから環状網投資、そういう投資が最優先課題であるべきなわけです。そういう意味では、現在の川崎木更津のフェリーで運んでいる自動車台数等を考えましても、この東京湾横断道路をつくっても転移需要はほとんどないわけです。そしてほとんどが、恐らく三万台と考えられていますのは新規需要というふうに考えておられるようですが、これはかなり大規模開発前提としなければそういう需要は出てこないのではないかというふうに考えます。  それから、交通料金が三千円というふうに考えておりますが、往復ですと六千円ですから、これは通勤には使えないということになりまして、レジャーレクリエーション、それも非常に高いエストを払うレジャーレクリエーションというようなことが想定されるわけでございます。  そして経済効果に関しましても、二十一世紀で二万五千人の雇用が発生する。これはかなり大規模開発が行われるということを前提としたものになりまして、雇用開発するのが果たして首都圏で必要なのかどうか、私としては、どちらかといえば分散分権型で地方で雇用開発はすべきじゃないかというふうに考えておりまして、今後こういう問題に関してもっと深く検討してから着手しても十分ではないかというふうに考えております。  首都圏の問題に関して申しますと、道路というのは本来、派生需要というふうに言いまして、二つのある地域があって、そこの間である需要があって、それに伴って需要が出てくるわけです。派生の需要なわけです。そういう意味で、もしもこの道路前提とすれば、首都圏開発に対する明確なビジョン、特に南房総木更津周辺に対して具体的な開発プランというものを出して、そこからやっていくべきだろうというのが一つ提言として考えられます。  それからもう一つは、首都圏の臨海部に関しましては、明治以来かなり臨海部を京浜工業地帯、京葉工業地帯として開発してしまって、環境への負荷がかなり大きいというふうに考えることができます。そして、この横断道路に関してさまざまな大規模プロジェクトが提案されておるわけですが、個別のプロジェクトを打ち出すのではなくて、首都圏の特に東京湾及び東京湾臨海部がどうあるべきか。サンフランシスコにはサンフランシスコ開発保全を総合的に管理する保全開発委員会というのがあるというふうに聞いておりまして、かなりトータルとして首都圏、特に東京湾の将来像をサンフランシスコのようにやはり考えていくべきじゃないか。サンフランシスコと比較してみますと、私もレンタカーを借りて運転したことがあるわけですが、確かにゴールデンブリッジ、ベイブリッジがかかっておりまして便利でございますが、サンフランシスコ房総半島の先っぽにあるような感じで、房総がある程度、もう少し開発が進んだ段階で必要になってくるのではないか。  そういう意味では、提言といたしましては、この東京湾を中心とした首都圏に関する将来像に関する早急なブランづくりをするべきなのではないかというふうに考えております。  以上でございます。
  8. 瓦力

    瓦委員長 ありがとうございました。  これにて各参考人の御意見の開陳は終わりました。     —————————————
  9. 瓦力

    瓦委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  なお、参考人に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。浜田幸一君。
  10. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 御同意を得まして、諸先生方に機会をいただいて質問をさせていただきます。  まず最初に、ただいま御説明をいただきました安田参考人にお伺いいたします。  あなたがお書きになった書物の中で、「不要な東京湾横断道路をなぜ急ぐ」という文章がございますが、今御意見を承りますと、それだけでは不要であるとは言い切れない要素があると思います。ですから、この言葉は御修正をいただけるかどうか、まず最初にお伺いいたします。
  11. 安田八十五

    安田参考人 先ほど私説明しましたように、現時点での着工は不要である、そういうふうに考えております。
  12. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 それからもう一点、同じことを承るわけにいきませんが、この中で言葉が使われておりまして、私は大学に行きませんでしたので英語はできませんが、あなたの文章の中で千葉県のポテンシャルという言葉がございます。これは能力、千葉県には能力がないという表現ですか、それとも、あなたの使っているポテンシャルというのはどういう意味か、ちょっとお答え願います。
  13. 安田八十五

    安田参考人 ちょっと誤解を招くようですが、能力がないという意味では決してございません。
  14. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 そうしますと、例えばあなたの反対の理由の中に、「一日三万台という交通量は過剰予測」であって、見込まれないということですけれども、日本のあらゆる経済に対する速度ですね、変化に対するものはいつもそういうことで見間違いがある。ですから、この点については、あなたがそうおっしゃっているのですから、それはそういうことがないようにしなければならないかなと思うのですけれども、ただその先に、例えば千葉県の価値観についてあなたの分析が誤っているかもしれないと思いますので、この点、もう一点だけお伺いしておきたいのです。  というのは、「房総半島レジャーレクリエーション空間としての魅力に乏しく、その奥行きも深くない。房総地域の住民にとっても、横断道の供用によって京浜地域から受けられる都市的サービスとして具体的なものはほとんどない。」こう言われている。例えば京葉工業地帯を四千万坪埋めました。そして京葉工業地帯をつくらせていただいた。このときもあなたと同じような考え方は、ここにも日本社会党の上野建一先生おられますけれども、この方々を初め全部反対だったのです。それから内陸工業地帯二千万坪つくるときも反対でした。新東京国際空港をつくるときも反対でした。今度は横断道路のときもまた同じような見解で反対。  そこで私は、千葉県人として先生にお伺いしておきたい。  房総半島の太平洋沿岸、東京湾内湾ですね、この中に南関東だけではなくて、東関東、これは関東全域を見回した場合に、レクリエーションセンター地域として本当に価値がないと思いますか。これは参考人に聞く言葉としてはまことに申しわけないのだけれども、これはひとつ明確にお答えいただきたい。
  15. 安田八十五

    安田参考人 関東全体を考えた場合には、非常にレジャーレクリエーション地域として緑も豊かですから、開発可能性というか、があるというふうに考えております。  それからもう一つ、先ほど三万台のお話がありましたが、九州と本州を結ぶ関門橋で現在一万六千台という需要、動脈でですね。ですから、そこを考えますと、やはり私はちょっと過剰予測じゃないかというふうに考えております。
  16. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 これは大変参考人に失礼なことなんですけれども、京葉道路をお通りになったことございますか。
  17. 安田八十五

    安田参考人 あります。
  18. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 ありますね。そうしますと、朝の通勤時間からお昼までの間、東京のネックというのは、実際に千葉から途中まで来るまではいいのですけれども、あそこの合流地帯になりますと、一時間以上渋滞なんです。そこで湾岸道路を急いでいただいているのですけれども、やはりそういう中で我々が期待をするものは、列島の、今竜骨突起的になっていますね、房総半島が。それを日本列島化するために一兆一千五百億円で列島化できれば安いと考えている。それから京葉工業地帯ができ、新東京国際空港ができ、そういう中で、関東首都圏における千葉県の置かれている立場というのはもう少し価値観を高めてやってもいいと思っているのですね。だからそういう点で、その問題一つに、時間が短くてもう言い切れないのですけれども、反対という言葉だけを何とか除去してもらえないのでしょうかね、先生。反対ということと早過ぎるというのはちょっと困るのですが、その点、いかがですか、反対というのは。
  19. 安田八十五

    安田参考人 先ほど私申し上げましたように、筑波の学園都市、これは政府の決断でできて、すばらしい都市ができたと思います。それで、常磐自動車道ができて、六号を上がると慢性渋滞になるわけです。さっき浜田先生がおっしゃったのも同じ状況だと思うのですね。東関東自動車道も、成田がありますからこれは非常に需要があるわけです。ですから、房総地域に関して明確な開発ビジョンが出ますと、先ほど言いましたように新規需要が出て必要になってくるでしょうが、現時点ではそういう需要はないというふうに思っております。
  20. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 これは勉強不足がどちらなのかはっきりしないのだけれども、例えばあなた、東京都の地価を安くする方法論というのはどういうふうに考えておりますか。
  21. 安田八十五

    安田参考人 東京都というのは東京都全体のですか。
  22. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 いや、東京都のというのは、東京都の住民が安い住宅を求めようとする場合に、安く与える方法というのは東京都の中にありますか。そういう質問の方がいいと思います。
  23. 安田八十五

    安田参考人 私の基本的な考え方は、東京はちょっと過集中型というふうに考えておりまして、基本的には分散、分権をすべきであると考えております。
  24. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 その場合に、能力なき千葉県には分散可能——能力なぎ千葉県には魅力がありますか。これは記録に残りますから的確にお答えください。
  25. 安田八十五

    安田参考人 首都圏全体の役割分担というのを考えてそれぞれの開発をすべきだ、そういうふうに考えております。
  26. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 そうすると、開発計画がないからまだ早いとおっしゃって、開発計画がもしあるとすれば早くはないということですね。そうだとすると、これは参考人、一回千葉県に足を運んでもう一回勉強し直してもらいたいのですけれども、鹿野山の後ろにある九十九谷、さっきもう一人の中村参考人は、乱開発をしないでくれ、九十九谷は九十九谷のままで、鹿野出脈はあの山脈のままで残す、我々は猿とだけ同居しているのですけれども、その空間に、その緑の地帯に十年後なら十年後、もし現在と同じ、現在二千三百五十万で六十坪の土地に住宅を建てて生活しようとする者に、十年後そういうものを提供できるとすれば、横断道路の一兆一千五百億円は高くはありませんね。どうですか、その点、お答えください。
  27. 安田八十五

    安田参考人 先ほど申し上げました五十七年価格で三千円ということは往復で六千円になります。そうすると、もしその地域に住宅地開発して京浜地域に勤務するという場合にはそれに見合った大量、低価格の公共交通機関が必要になってくる。現時点では無理であろうと理解しております。
  28. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 現在、私の木更津から東関東自動車道、この建設委員会でもお認めをいただいて、一千三百七十五億から一千四百億円かけて木更津から浜野まで、そして浜野から千葉千葉から東京まで、このままの料金でいつでも約二千円かかります。現在の時点でですよ、でき上がった時点で二千円かかる。それが一挙に川崎まで三千円で来る。そしてそこから先に二千億今かけて関連道路をやるということですけれども、川崎から木更津まで横断道路をつくる場合には、これは川崎から多摩までの道路に二千億円投下をして建設しなければいけませんね。そういう関係からいっても、現状の段階からいって、でき上がる十年後の三千円というのは私は高いとは思えないのですけれども、これはあなたが高いと言うのですから仕方がありません。ただし、私はこの委員会でも申し上げているのです。もしこれが民間に依存をされたから三千円の予定が四千円になって千円上がるようなことになったら、それは時期は延ばしてもらっても結構です、三千円であればいいけれども四千円の場合は反対ですということで、実は附帯条件を自民党としてもつけているのです。  ですから、この問題について十五分間で結論をつけることはできませんけれども、あなたの論文全体を、御意見全体を伺って感じていることは、人間に夢を与えるということ、例えば過疎地に生きている人間に対して夢を与えるという政治決断が無謀であると言っているように聞こえてならない。私たちはこの問題を三十年間主張し続けてまいりました。房総半島東京からこんな近いところにありながら、あなたの言われるように能力のないところだからそのままでいいという、その中で置き去りにされようとしているとき、それを救出するために、価値ある房総半島をつくるために国家に対して一兆一千五百億円の予算投下をしてくれということがなぜ無謀であり、なぜ無価値なのか、その点をお伺いします。
  29. 安田八十五

    安田参考人 私はそういうふうに言ったつもりはございませんで、首都圏の将来の姿というものをきちんと考えて、それぞれの役割に応じた開発を、環境保全を十分に考慮した開発をすべきである、そういうふうに考えております。
  30. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 時間だと思いますから、最後に岩井参考人に。  東京湾横断道路をする場合に、航行安全を考える場合に、現状のままではいけないと思うのです。私は、入ってくるところは今のままでいいと思う。しかし横須賀、神奈川県の協力を得て、出るときにはあの三浦半島に航路をつくりまして、そして入る部分と出る部分のそういう航路変更というものは東京湾の完全な利用には必要だと思いますが、それについてはどのような見解をお持ちか、念のためにお聞かせをいただきたいと思います。
  31. 岩井聰

    岩井参考人 横断道路建設にかかわることに関連さしていただきたいと思います。  横断道路建設されますと、先ほど現状を申し上げましたようなことの中で交通流、こういった合流、分岐の範囲が広がる、あるいは船舶の場合には陸上の交通機関と違いまして、交通の道具と違いまして、性能の差というものが非常に大きいわけでございます。したがいまして、航路に入るにつきましても、船の大きさ、性能によりまして間合いと距離というものが全く違っております。そのようなことから、横断道路建設にかかわりますと、新しい交通パターンをバックアップするための交通安全対策というようなものが前提にならなければならない、その中の一つではないかと想像いたします。
  32. 浜田幸一

    ○浜田(幸)委員 これは中村参考人からも御注意をいただきましたけれども、私は前からこういう見解を持っているのです。  入るとき、そして出るとき、その場合に三浦半島に航路をつくっていただいて、その出る部分は出る部分で考えることが一点。  それからもう一つは、東京湾の本当の環境保全というものを考える場合には、大利根川の水を東京湾の中に流し込む、そのことによって刺激を与えて東京湾の自然還流というものを充実させなければいけないのではないだろうか。例えば水が四カ月に一回回転するのか、半年に一回回転するのか、その問題は別として、やはりそういう刺激的な事業計画を持たなければならない。そして将来は、あの市原の工業地帯から太平洋沿岸に向けて航路をつくる。そういう形で東京湾そのものの価値観を高める、保全を高めることが全体で必要だと思う。  ですが、この建設委員会の中で反対理論等を聞いていますと、やはりきょうのことだけを考えて、長期的な視野に立った決断が乏しいような気がしてならない。ですから私は、先ほど安田先生に声を大きくしてしまったのですけれども、千葉県民の願望だからということで失礼をお許しいただきたいのです。ただ私は、もし時間が許されるならば、これらの問題については一回先生の御意見に反論を、文章なら文章でさしてもらいたいのですけれども、今、房総半島を除いて、例えば南関東なら南関東で、この関東地帯で、人口の二分の一を集約するこの関東で、人口を二百万人でも三百万人でも計画的に分散化できる、それが安易な価格で、そしてサラリーマンに対して喜びと希望を与え、自然環境を与えることができるような土地がどこにあるかといったら、私は千葉県以外にはないと思う。また、人口をふやす場合に、現在の五百二十万に対して百万人ふやしても六百二十万人、現在の千葉県の計画は六百五十万計画であるとする場合には、道路に一兆円かけることによって百万人の人口地区というものを、定住圏構想を確立することができると思うのです。ですから、この点についてはひとつまた参考人にも機会を得て勉強させていただければありがたいと思います。  委員各位に謝罪をいたします。時間が来ましたのでこれで終わらせていただきますが、どうか我々千葉県の夢だけではなくて、我々が計画している長期的な展望に対して御協力を賜りますれば幸いであります。  参考人諸先生方に心から感謝します。今後ともよろしく御指導賜れば幸甚です。ありがとうございました。
  33. 瓦力

    瓦委員長 中村茂君。
  34. 中村茂

    中村(茂)委員 参考人の皆さんには大変貴重な御意見をお聞かせいただきましてありがとうございました。若干の質問をさせていただきたいと存じます。  まず、岩井参考人にお聞きいたしたいと思いますが、先ほどの御意見の中で、交通流水域の変化とともに変化してくる、しかし安全対策という面についてその対策が非常に進んできているので、安全対策手法は至難ではないと思う、こういう御説明がございました。千三百隻の船舶航行する、そのうちトンネル部分について西、中間、そこのところで九五%という先ほどのお話ですから、確かにそういう面ではこれから研究し、対策を立てていけばまあいいのではないか、こういうふうにも感じます。  ただ、台風が来たとか津波が来たとか、いわゆる退避または応急措置、先般新聞で、四月一日に建設中の瀬戸大橋の橋脚に貨物船が衝突する事故があった、こういう記事を見たわけですけれども、やはり東京湾全体を考えてみた場合に、今申し上げたいわゆる災害というものが起きた場合の措置を私は非常に心配するわけですけれども、その点について御意見をお聞かせいただきたいと思います。
  35. 岩井聰

    岩井参考人 先ほど私が申し上げました点を若干補足させていただきますが、安全対策をきちんとしたものを樹立いたしまして、これを実施するという前提であるということは御承知願いたいと思います。  それで、最後の方の御質問の中で、災害時の退避等に対する対策ということでございます。先ほども触れましたように、西寄り川崎の方からほぼ十キロ程度範囲が沈埋関係の施設ということになろうかと思います。そういたしますと、湾央部での発生に対する保安応急対策というものに対してのスペースは、安全対策をとることによって今後開けていくのではないかというふうに予想しているわけでございまして、私は、それができる、今細かいプランニングを持っているということではございません。これまでとられておりますいろいろな安全対策をきめ細かく、さらにこれに二十一世紀を迎えての情報を交えました新しい手法を付加することによって、何とか切り開ける方法を見出さなければならないのじゃないかという希望的意見でございます。
  36. 中村茂

    中村(茂)委員 中村参考人にお聞きいたしますが、先ほど、この横断道をつくることによって相当なメリットが出てくるというお話がございました。それと同時に、乱開発というものについて防止していかなければいけない、こういうお話がございました。  そこで、先ほどのそういう御意見にあわせて、これは八一年の十一月号の「測量」という本でございますが、あなたがそこのところへ載せた「新しい社会資本の整備を」こういう記事がございますが、その中に社会資本、具体的に言えば道路や港湾、こういう社会資本は「このような性質のためこの種の施設の整備やサービスの提供は私企業において行うことは不可能であり、一般に公共においてなされる。」「一般に」というふうに言っておりますが、そういう社会資本といえば公共事業、特に道路などについては、今有料道路というのがありますけれども、これは最たる公共事業であるし社会資本であります。  今回のは、言えば道路公団と民間で会社をつくって、資本はそれぞれ出しますけれども民活という方法でやる。ですから、この事業の進め方についてさまざまな問題を私どもは感じているわけであります。「社会資本の整備を」とこのところで言っているのと今回のいわゆる社会資本、公共事業についてのやり方、参考人の考え方をひとつ示していただきたいと思います。
  37. 中村英夫

    中村参考人 その中には紙面の関係で詳しくは書いてございませんが、ほかのところに私が書いたものが幾つかございます。いわゆる社会資本といっても内容的には大変広うございます。その中で一番公共性の強いものというのは、いわゆる純粋公共財と呼ばれているものであるわけですが、それは例えば河川の堤防であるとか都市の中の街路であるとかそういったもので、みんなが利用できてしかも実際問題としてそれからお金を徴収することは不可能であるという種類の社会資本がございます。こういったものは民間でやれといっても全く不可能な社会資本でございます。  ところが一方では、社会資本といってもそれ以外の私的財に近いようなものでどちらでもできる、要するにお金を徴収することも可能なようなもので、しかも公共性の高いものというものがございます。その一つの例は高速道路ではないかと思います。したがって、こういったところのものというのはいろいろな方法がその物により時によって考えられるのではないかというふうに思っております。
  38. 中村茂

    中村(茂)委員 このところで社会資本というものについて、それぞれ種類が多いわけですから、今度の横断道というものを民間の資本でやるという場合に、政府は相当手厚くさまざまなことをしていくようにしていますけれども、そこに資本を投資するわけですから、どうしても採算というものが起きてきます。そうすると、先ほどもいろいろ御意見がございましたが、そこのところを通る料金というものにも影響してまいります。その料金によって三十年間で返還していく、こういうシステムになっておるわけです。公共事業というものと、その内容によって確かにさまざまな手法があるというふうに言われますけれども、私は限度があると思うのですね。  ですから、私は私なりにこの計画検討してみた場合に、三千円というふうに言われていますけれども、それでは交通量などとあわせて三十年間の返還ということは無理じゃないか、相当行き詰まるのではないか、こういうふうに思っておるわけです。そうすると、公共事業というものに対して投資していくという手法はおのずから限界がある。公共事業または社会資本投資というものはその限界をできるだけ少なくしていかなければいけない、サービスが低下する、こういう悪循環になってくると思うのですね。その点についてはどうお考えでしょうか。
  39. 中村英夫

    中村参考人 そうした高速道路と同じような種類の、いわゆる社会資本財というのは幾つかのものがあろうかと思います。一番考えやすいのは、例えば病院のようなもの、これは民間ででも提供いたしますし、公共ででも提供いたしておりますし、しかも、それはそれなりに料金を取ったりしているわけでございます。そういった意味で、先ほど申しましたと同じように、そのときの周辺の条件によりましていろいろな方法が考えられるというふうに思っております。  今回の横断道の形態がどうであるかというふうなことに関しては、私この調査の中でやったわけでございませんので、責任のあるお答えがうまくできないかというふうに思います。
  40. 中村茂

    中村(茂)委員 次に、安田参考人にお聞きいたしますが、あなたの出された「エコノミスト」の一番最後の方ですけれども、「東京湾総合調査会を」というところがあるのですが、私はこの意見に賛成なんです。ここにも書いてありますように、これから横断道ができる。そういうものにまつわりながら、運輸省なり、または郵政省なりそれぞれ大型プロジェクトを用意している。また、横浜などについては、横浜みなとみらい21という二十一世紀に向けての総合整備計画が準備されている。また、羽田にしても東京湾の方に突出してくる。そういうふうに開発プロジェクトが進むに従って、東京湾の汚染の問題とか、または公害とか環境汚染とか、さまざまな問題が出てくると思うのです。  ですから、やはりそういう乱開発なり、または船舶航行なり、こういうものの安全というものをさまざま考えていった場合に、こういう東京湾の総合的な調査会なりをつくって、安全な、しかも乱開発が起こらないような、こういう将来に向かっての措置が必要じゃないか、こういうふうに私自身も思いますので、ここに載っている考え方をひとつお聞かせいただきたいというふうに思います。
  41. 安田八十五

    安田参考人 先ほども申し上げましたが、首都圏に関しましては二つの視点が必要だ。一つは、高度成長時代のひずみを十分解消するような投資が必要である。それから、最近の国際化情報化対応して新しい首都圏というか東京をつくる、そういうビジョン、そういう視点も必要であろう。そういうふうに考えますと、個別のプロジェクトをそれぞれのニーズから出してくる、もちろんそれはメリットもある場合もありますが、全体として考えるとデメリットが大きく出てくる可能性が多いわけです。  特に東京湾に関しましては、江戸時代から十一万ヘクタール、大体サンフランシスコ湾と同じというふうに言われていますが、何と二万二千ヘクタール、約二割ぐらいが埋め立てられてきてしまって、自然海岸線もほとんどない、それから水際線にもアクセスできないというふうな状況になっておりまして、こういう状況をもっと真剣に考えて、私は、開発自身は別に悪いことではないというふうに考えておりますが、やはり国民全体にとって利益のある開発、それも環境保全と両立するような開発プランを総合的な視点から出して、そこで東京湾横断道路がこういう背景から必要であるということをやって初めて建設に着手すれば十分であるというふうに考えておりまして、私ども、研究者、また一人の国民としての提案としましては、ぜひ東京湾の総合調査を行って、そういう視点から個別のプロジェクトを提言していただきたい、そういうふうに考えております。
  42. 中村茂

    中村(茂)委員 続いて安田参考人にお聞きします。この冊子でさまざまなことをお考えのようですが、乱開発という問題についてひとつお聞きしておきたいと思うのです。  確かに東京湾道路をつくった。そうすると、東京湾そのもののさまざまな問題が起きてくる。それにあわせて、それにつなぐ道路を全部整備していくわけですから、その周りの開発が当然問題になってくる。開発は当然していかなければならないし、結構なのですけれども、それに伴って、俗に言う乱開発、土地の買い占め、こういう問題が非常に懸念されておりますし、また、新聞紙上などやそういうことを調査している皆さんも、既にこの地域についてはどこの会社が土地を買い占めている、こちらの方はどこの企業が土地を買い占めている、そういう状況になってきております。  それと同時に、政府は、どの程度規制緩和をするか知りませんけれども、規制緩和措置をしていこうという動きがあります。規制緩和措置というのは非常に難しい問題で、規制緩和すれば何でも開発が進むというものじゃないと思う。やはり規制をしていくというのは、乱開発を防止し、その自然を守りながら環境を保全していく、こういう任務があると思う。しかし、それを緩めてその地域の開発を進めていくという思考は限界がありますし、やはりこの際、私は非常に問題のある提起じゃないか、こういうふうに思うのです。  そういう立場で、この横断道、または全般的でも結構ですけれども、乱開発という問題についてあなたのお考えをお聞きしておきたいと思います。
  43. 安田八十五

    安田参考人 私は経済学的なアプローチをしていますので、基本的には規制とかそういうものをするのは余り好まない考え方なわけですが、土地利用計画に関しましては、適度の規制と誘導が必要なわけでして、それがないと、先ほどありましたように、乱開発になってしまうわけです。  特に横断道路に関しては、関連した将来に向かった土地利用計画、特に南房総地域に具体的に乱開発が行われないような土地利用計画を早急に立てるべきじゃないか、そういう意味では、政府がかなり強力に誘導、規制をしていくべきではないかというふうに考えております。そして、開発による利益が土地を持っている人だけに還元されるというのは、税金で投資するわけですから好ましくないわけでして、それが何らかの形で国民全体に還元されるような仕組みを考えてこういう投資を行っていくべきだろうというふうに考えております。
  44. 中村茂

    中村(茂)委員 終わります。
  45. 瓦力

    瓦委員長 新井彬之君。
  46. 新井彬之

    ○新井委員 本日は大変お忙しいとき時間をいただきまして貴重な御意見を賜りまして、心から御礼を申し上げる次第でございます。  先ほどからいろいろと質問が出まして、短い時間でございますので、なるたけ重複を避けてお伺いしたいと思います。  私はちょっと観点が違ったことを聞こうと思っておったのでございますが、先ほどの御意見では出なかったようなことでございますのでちょっと方針を変えますが、まず初めに岩井参考人にお伺いをいたします。  結論的に、今回の東京湾横断道路においての航行船舶の安全性というのは確保できる、こういうことで理解していいのかどうか。もしもそうでなくて、こういうことをもう一歩突き進んで検討してもらった方がいいということがございましたら、それについてのお答えをいただきたいと思います。  そしてもう一つ東京湾はもうそれこそ日本の国ができたときからいろいろ活用されているわけでございます。特に現在に至りましては多様化されて、先ほどもちょっとお話が出ましたように、各プロジェクトがこの東京湾を中心にいたしましていろいろと開発を考えているという中で、自然を残すべきかあるいはまたそういう開発に伴って新たな東京湾というものの総合計画をちゃんとしなければいけない、こういうことでございますか。ちょっとお立場は違うかと思いますが、岩井参考人立場としてで結構でございます、そういうことについての東京湾開発に対する御意見を承りたいと思います。
  47. 岩井聰

    岩井参考人 第一の方の御質問でございますが、安全対策につきまして、私自体が別の新しい観点からつけ加える点がないかという御質問でございますね。  先ほど御説明申し上げましたような日本の安全対策の姿勢あるいは外国の姿勢はそのとおりでございますけれども、二十一世紀の新しい時代を迎えて、例えば高度情報化の時代というようなことも海上において十分活用をすることによって、安全対策はより向上するのではなかろうかというふうに思います。それからもう一つは、横断道ができましたならば新しい船舶航行交通パターンというものを頭に置きながら安全対策を設計していただきたいというふうに思うわけでございます。  それから二番目の方の東京湾の多様化、ちょっと恐縮ですが、私、安田参考人への御質問だと思ったものですから……。
  48. 新井彬之

    ○新井委員 岩井参考人で結構なんですけれども、東京湾は今までもいろいろと開発が進んでいるわけでございます。それで、航行安全の面についてはそうなんですけれども、東京湾というのは専門分野ではございませんけれども、そういうお立場で、こういうところに開発をしてはいけないとかもっと開発した方がいいのじゃないかとか御意見がございましたら、東京湾そのものについてのお考えをお伺いしたい。
  49. 岩井聰

    岩井参考人 私、専門が違いまして、この場でお答え申し上げられないと思います。恐縮でございます。
  50. 新井彬之

    ○新井委員 次に、中村参考人にお伺いをいたします。  今回川崎市から千葉県の木更津までの間に横断道路が通るわけでございますが、先ほどのお話では、より大きなそういう一つの地域ができることによって商売におきましてもあるいは医療のサービスにおいても非常にプラスになるということでございます。逆に、神奈川県から見ますと、そのために企業等が千葉県側にどんどん流出をいたしましてマイナス現象になるのではないか、こういうような非常に心配されている面がございますが、そういう面についてはいかがお考えでございますか。
  51. 中村英夫

    中村参考人 もちろん、神奈川側から千葉側へ流出するものもあるでしょうが、逆の方もあるわけで、相互交流といいますか相互依存関係が深まるというふうに思っております。
  52. 新井彬之

    ○新井委員 もう一つ東京湾横断道路をつくることはそれなりに非常に意義があろうかと思います。特に、これは大プロジェクトでございますので、本来なら十数年かかるところを技術革新のために十年くらいでできるということですから、十年先というのを非常に見通して首都圏というものを考えなければならないわけでございますが、何といいましても一番の諸悪の根源というのは、人口が過度に集中をした、この過度に集中したことによって交通渋滞も起こり、住宅難も起こりあるいは環境も破壊され、これは人口がまた集中するような状況になれば地価が上がりますし、より一層過密でございますから道路なんかもうできない、こういうことでございます。したがって、そういうものをほったらかしにして幾ら首都圏計画を立てようとしても、これはもう後追いになるだけである。  したがいまして、どうしても人口分散、極端に言いますと、今の人口が七割に減った場合を想定いたしますと、住宅交通渋滞もそういう難問題が解消していくのではないかと思われるわけでございます。首都圏にとって今一番何が大切であるか、道路を引くことも、それを後追いすることも大事ではございますけれども、基本的にこれがなければいけないということがございましたら、御提言がございましたら教えていただきたいと思います。
  53. 中村英夫

    中村参考人 人口の分散というのはもちろん非常に望ましいことでございますが、これはまた非常に難しいことで、世界のどの国でもそれに完全に成功した国はいまだかつてないと聞いております。そういった意味で、非常に過度に集中した首都圏、この集中を自由主義国でもってコントロールする手段というのはそう多くはないわけでございまして、その中で、集積効果といいますかメリットは可能な限り享受して、しかもそのマイナスの効果を減らす、そういった形の仕事はこれから非常に大事なのではないかというふうに思うわけです。そういった意味で、非常に社会資本整備のおくれた地区は首都圏にはまだまだたくさんあるわけでございますが、そういったところの新しい社会資本の整備あるいは住宅その他の再開発といったものはこれから二十一世紀に向けて精力的に行うべきであるというふうに思っております。
  54. 新井彬之

    ○新井委員 それから、これも専門ではないかもわかりませんが、今回は民活ということが非常に言われているわけでございます。本来、これは道路公団が十年間にわたりまして一生懸命検討していただいたわけでございますから、道路公団が責任を持ってやっていただければいいようなことでございますが、やはり資金とかいろいろな面で新しい一つのやり方であるということで、これは先ほどもちょっとお話がありましたように、全部民間でやるということは今の日本ではちょっと不可能ではないか、しかし、より一層民間にする。今は官民活ぐらいだと理解いたしておりますが、そういうところの民活というのは、いやこれが本当の民活ですよと言われるのか、それとももっと民間活力を生かす方法というのはあるのかどうか、その辺の御意見がございましたら、お伺いしたいと思います。
  55. 中村英夫

    中村参考人 非常に純粋に公共のものから純粋に民間のものまで、その間には実にいろいろな組み合わせが現実にはあろうかと思います。それのどれがいいかはそのときの周辺の条件によって決まってくるんではないかというふうに思っております。
  56. 新井彬之

    ○新井委員 それでは、安田参考人にお伺いをいたします。  先ほどの「東京湾横断道路をなぜ急ぐ」、これはそれなりにあると思いますが、ここに「東京湾の再生をめざせ」ということがございますが、東京湾の再生ということについてお聞かせを願いたいと思います。
  57. 安田八十五

    安田参考人 東京湾に関しましては、先ほど申し上げましたが、江戸時代から開発が進んで、埋め立ても二割ぐらい進んで、自然海岸もだんだんなくなった。それによって日本経済自身が発展はしてきたわけですが、現時点で振り返ってみると、メリットもありますが、いろいろなデメリットもある。例えば水際線に関しましても、企業の専用埠頭になってしまって、水際線にアプローチできないというようなこともあります。それから、素朴な視点で考えれば、海水浴とか潮干狩りとかそういうものもできなくなってしまった。そういうこともございまして、そういう背景のもとで考えていきますと、ここで改めて二十一世紀を見越した場合には、もう一度過去を振り返って、その辺の総点検というかをまず行う必要があるだろう。  それから、二十一世紀にとっての首都圏東京圏がどうあるべきか。特に都心部に対しては非常にオフィス需要が集中しておりますから、現時点では対応できないと思いますので、何らかの形で周辺、場合によっては東京湾上に持ってくるというようなことが必要かと思いますが、そういう点を個別のニーズから出しますと、どうしてもある種の乱開発になってしまいます。ですから、総合的な視点で、高度成長のひずみ的なもの、それから過去の開発問題点、そういうものを十分検討して、それから、将来への国際的な都市としての東京首都圏、そういうものに十分対応できるような社会資本の整備というものを考えていきたい。特に、市民の視点から考えますと、水際線、ウオーターフロントということの重要性、それから緑、環境を十分保全した開発プランというものが出されなければいけない。そういう意味で、将来を見込んだ再生が必要であるというのが私の基本的な考え方です。
  58. 新井彬之

    ○新井委員 先ほどからの御意見をお伺いしておりますと、優先順位がある。その優先順位はとにかくひずみを直していく。確かに東京都内の渋滞問題というのは、再三にわたりまして委員会でも論議されておりますし、建設省といたしましても、あらゆる交通渋滞をなくすための交通網の検討というのはしていただいているわけでございますけれども、やはり横断道路というのは十年間かかる。特に、千葉県のそういうまだ人口の少ない地域に乱開発というのは絶対いけませんけれども、とにかくきちっとした立派な都市というものをやはり首都圏の段階で考えながら、十年間かかっての横断道路というのも大きな意味では必要ではないか。したがって、今の都内の優先順位における渋滞とかいろいろな問題についての解決とともに、同時にやっていくべき問題ではないか、こういうぐあいに考えるわけでございますが、それに対しての御意見を承りたいと思います。
  59. 安田八十五

    安田参考人 社会資本の整備というのは限られた資源の中で行うわけですから、限られた資源じゃない場合はすべてのプロジェクトをどんどん進めていって社会資本を整備するというのが非常に望ましいとは思いますが、限られた資源を投資していくという場合には、当然優先順位を明確につけていかなければならないわけです。そういう意味では、先ほど申し上げましたように、首都圏において優先順位として私が高いというふうに考えておりますのは、安全、環境住宅への投資、そういうものが最優先順位であろう。  それから、交通に関しましては、先ほど申し上げましたように高度成長時代に非常に集中してしまって、それに対して十分な社会資本投資交通投資が行われなかったというふうに考えます。そういう意味では都心部への交通投資が最優先課題で、都心の慢性渋滞をまず解決すべきだ。それから、放射状道路が完備されたわけですが、それがつながってないわけです。そのために都心部に全部集中してしまう。そういう意味では、私としては、首都圏に関しましては東京の湾岸道路がまず優先すべきだろう、それから外郭環状道路、次に首都圏中央連絡道路、そういうものが整備されて、その次の段階としては横断道路が必要になってくる、そういうふうに優先順位を考えております。ただし、外郭環状道路に関しても市街地を通るということがございますから、環境保全その他には十分注意した投資が必要であろう、そういうふうに考えております。
  60. 新井彬之

    ○新井委員 終わります。ありがとうございました。
  61. 瓦力

    瓦委員長 西村章三君。
  62. 西村章三

    ○西村委員 先生方、本日はまことに御苦労さまでございます。  私は環境問題、特に船舶の安全航行対策について岩井参考人にお伺いをいたしたいと思います。  先ほどの御陳述の中で岩井先生は、安全対策を完全実施すれば、至難の問題ではない、かようにおっしゃられたわけでございます。私も基本的には全くそのとおりだと思っておりまして、安全対策の完全実施ということがこの計画を遂行するに当たっての前提条件になると思うのです。  ところで、海難審判所の届け出資料によりますと、いわゆる今回の対象地域になっております京浜川崎区の港、ここのいわゆる衝突、乗り上げ、遭難等を含めました事故の発生件数は、五十七年が百五十二件、五十八年が百六十九件、五十九年が百三十二件起こっております。また、木更津港におきましても五十七年に二十七件、五十八年が二十五件、五十九年が三十九件、この数字は、昭和四十八年の海上交通安全法の施行以来急激に事故が減少しておると言われておるのでありますが、なおかつ昨年でも川崎港ではおよそ二日に一件事故が発生しておるということを示しておるものでございます。  そこで、今回のこういう計画がいわゆる船舶航行安全をさらに脅かす可能性はないのか、あるいは事故発生率を上昇させる要因にならないか、基本的にまずお伺いをしたいと思います。
  63. 岩井聰

    岩井参考人 先ほど私申し上げました安全対策の設定、実施を前提にということで、あらゆることがパーフェクトの完全と申し上げてはおりませんので、その点御了解願いたいと思います。  次に海難の件でございますが、ただいま御指摘ございました川崎港内あるいは川崎運河の中等におきましては御説のとおりだと思います。ただ、この横断道路仮設水域に着目しての海難関係といたしますと、いわば船舶同士が航行形態にあるというような前提で、内容的といいましょうか、性格的に若干違うのではないかと思います。横断道路が設置された場合には、通行船舶横断道路とのかかわり合い、あるいは横断道路ができることによって周辺航行船舶同士間の海難事故ということに着目したいというふうに思います。  これまでの海難の資料の調査によりますと、昭和四十四年から五十七年の間の海難を見てみますと、前半の四十七年ごろまでは年間六十五隻が衝突あるいはものへの乗り上げという事故の件数になっております。それから四十八年から五十一年までは、平均しまして五十七件ということでございます。それから第三番目の五十二年から五十七年までは、平均値でございますが三十一件でございます。これはただいま申し上げましたように、乗り上げと船舶間の衝突でございます。  そういたしまして、なぜこのようになったかということにはいろいろな要素があるわけでございますが、時をさかのぼってみますと、先ほどちょっと触れておりますような航行安全対策の新しい手法船舶ふくそうに伴いまして交通の整理とか航行支援の体制、こういった情報の提供、こういったものが後半には非常に提供されるに至ったことも一つの原因だろうと思っております。  そのような意味で、ただいま申し上げましたような例えば三十件台の問題にしましても、船舶同士の衝突あるいは乗り上げ等があるわけでございますので、このようなことを未然に防ぐための航行の人間的な面でのいろいろなサポート、運航者の運航の安全を確保するためのサポートシステム、それから航路の航行に対する支援体制というようなものを強化することによって減らさなければならないというのが私の考え方でございます。
  64. 西村章三

    ○西村委員 御承知のように、我が国台風銀座と呼ばれるほど非常に台風が多いわけでございます。台風が襲ってまいりますと、港に停泊しておる船に対して海上保安庁の方から避難命令が出される。その指示に従ってすべての船が港内から湾内へ出ていく。そこでいかりをおろして退避するようでありますが、退避をするときはもちろん周囲の船舶と一定の距離を置いてとめるのでありますが、実際には大きな船と大きな船との間に小さな船舶が風よけを兼ねて割り込み、退避する傾向が非常に強い、こういうことのようであります。そのために、いわゆる衝突や遭難事故、こういった事故の発生率が高くなるのでありますが、今回のこの計画によりまして、台風避泊時の安全な投錨地、これが少なくならないかという懸念が一つございます。  さらに、台風にあおられることによりまして、一たんおろしましたいかりが外れる、船が流されていわゆる走錨事例というのですか、あるいは風圧に流される圧流事例、これも発生されることが予測をされるのでありますが、これらについての調査研究をなさった結果はどうなったのでございましょうか。
  65. 岩井聰

    岩井参考人 簡単に申し上げますと、台風対策台風趣泊の問題だろうと思いますが、物理的には横断道路仮設の水域面を中心といたしまして、付近の若干の余裕量というようなスペースが減少いたします。これまでの調査などによります報告などを見てみますと、その量はほぼ十数%ということになっておるようでございます。  ただし、先ほど御質問ございましたとおり、台風等の荒天に対する避泊につきましては、これは相対的なものでございまして、つまり東京湾の場合に台風の進路が北寄り、つまり川崎から本土側に寄ったコースをとるか、あるいは房総半島を通るかということに応じましていろいろと量的には違ってまいります。そういう関係から、先ほど申し上げましたような十数%という言葉を使わしていただいたわけでございます。  それで、次は走錨等に対する問題と既に先行船がある場合の進入の問題でございます。このような問題点につきましての調査手法といたしましては、まず基本的なもの、つまりある範囲条件に応じて通常とられる船舶側の処置、どのような手法錨泊するかということから基準面積というものをまず設定をしまして、それがただいま申し上げましたような船舶の性能だとか台風の進路に伴います陸岸線との取り合いというようなことと、先行船がある場合に出入できるためのアローアソス、いわゆるマージンというものを今後積算をしていかなければならないという手続になっておろうかと思います。まだその答えは出ておらないのが現状でございます。
  66. 西村章三

    ○西村委員 次にもう一点お尋ねをいたしますが、いわゆる木更津港の沖合いに陸地とパイプラインで結ばれております京葉シーバース、先ほど先生もお述べになりましたタンカー桟橋がございます。ここには常時二十万トンのタンカーが出入りして原油の積みおろしをしておるということでございますが、このシーバースに、特に東桟橋に入るタンカーの航路を見ますと、木更津人工島の中心地点からおよそ一キロぐらいしか離れておらない。しかも、この航路は船の待機地点でありまして、待機する船がいない場合の針路でございます。もしそこにいかりをおろした船がいた場合にはさらに人工島のより近いところを通る可能性が強いと思われるのであります。  今回計画をされております木更津人工島は、現在の計画では一片が百メートル、他の一片が六百五十メートルという人工島でございます。ここで、中央部でトンネルと橋梁の接続を図られるわけでございますが、この人工島の位置と航路の関係調査段階では問題がなかったのかどうか、それが一つ。  私がなぜこのことを申し上げるかといいますと、既に新聞等で発表されておりますように、いわゆる運輸省港湾局の構想で、木更津人工島を拡大をして国際交流ビレッジを建設するという計画がございます。これが実現をいたしますと、この人工島はおよそ一片が一キロ、他の一片が二キロの大きなものでございますが、仮に建設されるといたしますと、一キロといたしましても、人工島の中心点がおよそ五百メートルずつ航路の横になる、航路との距離は極めて接近するということでございまして、安全運航が非常に阻害をされるのではないか、こういう心配があるのです。この構想は、今回のこの建設調査対象として果たしてなっておったのかどうか。運輸省のいわゆる人工島構想、もしそれが調査対象でないとすれば、当然これは見直しをしなければならぬ、こう思うのでありますが、先生の御意見を承りたいと思います。
  67. 岩井聰

    岩井参考人 まず後段の方の質問からお答え申し上げたいと思いますが、新しい人工島の開発の件につきましては、この横断道検討の場では、別でございまして、全然入っておりません。  前段の方でございますが、シーバースに出入する船舶と人工島の関係でございますが、これにつきましては、先ほど私が全般的なお話を申し上げましたとおり、シーバースへの着離桟はランディングステージ、つまり速力を変えたりしている段階で、操船的には非常に難しい段階でございます。そのようなことから、人工島を設定された場合にはどのくらいの離間距離をもって通らなければならないかということを理論的また経験的に設定しなければならないということで、現在のところは意識調査その他でデータは把握されているようでございますが、まだ理論的検討などはいたしておりません。  これは一般論といたしまして、構造物周辺を接近して通る場合の船体に及ぼす影響というものは、力学的にも経験的にも一応基準というものもできておるようでございまして、こういったものを基準にいたしながら、先ほどのようなランディングステージにある特殊性というものを加味してどうするかということが一つ。もう一つは、これによりまして若干の迂回航路をとるような結果になるわけでございますので、変針にも限界というものもございます。そのようなことから、サポートシステムというものは十分それに対応し得るという前提が必要であるという意味でございます。
  68. 西村章三

    ○西村委員 ただいまの岩井先生のお話によりますと、今回の運輸省のいわゆる国際ビレッジ構想というものは調査の対象に入っておらないということでございます。当然この構想がいわゆる実施段階あるいは実現をするという方向に動き出しますと、調査そのものを見直す必要があると思うのですが、その点を先生はどうお考えになるのか、ひとつ伺いたいと思います。  それから、私自身は別にこのビレッジ構想、直接的に反対ではないのであります。今後のいわゆる海洋の有効利用等を考えますとそれなりにまた意味もございますし、この東京湾横断道路そのものを生かすためにもある意味では必要ではないかと思うのでありますが、事業として後で決めるようなことをしますと、当初からもっと明確にそのことを打ち出して、それも調査対象の範囲に入れてやるべきことだ、こう思うのでありますが、参考人の御意見を承らせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  69. 岩井聰

    岩井参考人 そのような計画がもし仮にあるとすれば、まずそのことがどのような影響を与えるかということから進めなければならないかと思っておりまして、先ほど申し上げましたように現在のところ入っておりませんので、そのような手順から次に問題点をどのように処理しなければならないかというふうなステップに入ろうかと思います。
  70. 西村章三

    ○西村委員 ありがとうございました。
  71. 瓦力

  72. 中島武敏

    中島(武)委員 きょうは参考人の諸先生方、大変お忙しいところ御苦労さまでございます。  最初に岩井参考人にお伺いしたいと思うのでございますが、冒頭に述べられた言葉で結論的に言われたのは、私の聞き間違いでなければ、安全性問題の解決は至難ではないと思料する、そういうふうにおっしゃったかと思うのです。また今、西村議員に対するお答えの中でも、避泊地問題についてですが、十数%減るだけだ、こんなふうにおっしゃった。  私は最初に伺いたいのは、現在でも荒天時における避泊地というのは東京湾内湾の場合には必要隻数の半分くちい、こういうふうに言われているわけであります。人工島ができるということあるいは橋梁ができるということによってこれが減少することは事実なわけでありまして、伺いたいのは、今でさえも必要隻数の半分しかないものがさらに、あるいはわずかかもしれませんけれども、減るということについて、いいとお考えなのか。率直に言ってどうお考えになっていらっしゃるのかということを最初ちょっとお伺いしたいのです。
  73. 岩井聰

    岩井参考人 第一の御質問といいましょうか、私、冒頭に申し上げましたことの確認の事項でございますが、問題点を整理、検討いたしましてそれぞれの問題点に対しての安全対策を進めていかなければならないという手続、この過程におきまして、現在提案されております基本形状というものを私なりに踏まえますと、安全対策等をきめ細かく検討していって活路を見出すことについて、できるという意味ではなくて至難ではないという言葉をあえて使わせていただいたわけでございます。そのとおりでございます。  次の第二の方のお答えでございますが、先ほど十数%と申し上げましたとおり、物理的、いわゆる橋梁というその地形的なスペースと若干の前後関係の余裕量というものが一六%と申し上げたわけでございます。これは水面に対する、地形的にも決まっておりますので、その中での全く割り算でございますから簡単でございます。そのときに、中村委員にも御質問のときにお答え申し上げましたとおり、それに対して、今度は横断道路ができますと、進入とか脱出とかいうことに対するいわば一般のフェアウエー的なものがどの程度マージンとして必要かを今後検討していかなければならないということでございますので、最終的な数というものはまだ課題として残っておるというのが現時点ではなかろうかと思います。  それで、減ってもいいかという最後の御質問でございますが、これについては私自体のお答えの分野ではなかろうと思っておりますので、これに対する総合的な安全対策という面から指摘するというようなことになろうかと思います。
  74. 中島武敏

    中島(武)委員 中村先生にお尋ねしたいのですが、この東京湾横断道路は民活、巨大な、大きなプロジェクトとしては第一号という性格を持っているのです。それで民活民活と言うのですけれども、結局、とどまるところ民活とは何かといえば、私が政府の言うのを理解しているところによりますと、民間の資金を財政がピンチだから活用するということと、民間のノーハウを大いに活用するということだと私は思っているのです。それで、今度の横断道路というのは民活にまさにふさわしいとお考えになっていらっしゃるかどうかということをお尋ねしたいのです。  なぜかといいますと、資金についても相当に政府の資金を使うわけですね。もう既に御存じかと思いますけれども、開銀の融資から、それから道路開発資金の半額がそうでございますし、それから政府引受債、これも政府の資金でございます、財投でございます。それは直接のものですが、さらに言えば政府保証債、保証するというようなものもかなり巨額に使う、使うといいますか保証するわけであります。しかも、リスク、危険でございますね、例えば人工島に船が衝突をした、あるいは交通が計算どおりいかなくて、うまく収入がないとか、そういうリスクが生まれてくる。その場合でも最終的には公団が買い取って所有するわけですね、この道路は。そうすると、これは一体民活というふうに言えるのかなという疑問が私なんか浮かんでくるのですけれども、これはどんなふうにお考えになるかということを中村先生に最初伺いたいと思うのです。
  75. 中村英夫

    中村参考人 先ほどお話しいたしましたが、いわゆる公共性の高い資本財、すなわち社会資本財を提供する方法というのは、一方では、全くお金が取れない、公共で提供するしか方法がないという、いわゆる純粋公共財というのが片っ方の端にございます。一方では、これはもう民間で十分できるし、民間でやった方が間違いなしにいいという私的財に非常に近いものがございます。その中間の段階には非常にたくさんの種類のものがあるわけでございまして、高速道路、こういうふうなアクセスコントロールをされた道路は、その中間の最もいい例ではないかと思うわけです。そういった意味で、いろいろな形態のやり方というのは現実にはあり得るのではないかと思っております。
  76. 中島武敏

    中島(武)委員 同じことを安田先生にもお伺いしたいのですが、繰り返さなくても聞こえましたでしょうか。聞こえておれば繰り返しませんが、安田先生の御見解も伺いたいと思います。
  77. 安田八十五

    安田参考人 民活の定義がよくわからないので、どういう定義なのか私は十分理解できないのですが、今、中村先生がお答えしましたように、純粋公共財、これは国なり地方自治体で供給するもの、それから私的財というものは民間でやった方がいい、社会全体にとっては。もし仮にこれが私的財だとすれば、当然民間が黙っていてもやってそれなりに利潤を得るわけです。今までいろいろな社会資本投資があるわけですが、一般の市街地道路というものは不特定多数の人が使うわけですから、これに対して民間で供給するというのはほぼ不可能に近いわけです。ですから、国なり地方自治体が供給するということになります。  それから、高速道路に関しては利用者を特定化できるわけですね。料金を払わない人には使わすことができない、そういう形によって特定化できるわけですから、それに関してはある程度料金を徴収することができる。ただ、理論的に言いますと、やはり建設に関しては、こういう大規模な一種の国道になるわけですから、基本的には国がやるべきものではないかというふうに考えております。そして、利用とか管理に関してはある程度民間が参加してやる、そういうのが望ましいのではないか、そして効率的な運用を行うというのが望ましいのではないかというふうに考えております。
  78. 中島武敏

    中島(武)委員 こういう巨大プロジェクトというのは、往々にしてなかなか工期も思いどおりに進まなかったとかあるいは工事費も余計かかったとかというような場合が出てくるのですね。青函トンネルがその代表的なものではないかと私は思うのです。それから、通るというふうに思っておりました車の台数もあるいは思いどおりにいかないということもあり得るわけです。あるいは、大型車がどの程度混入するかということをも予測するわけですけれども、それも思いどおりにいかなかったとか、いろいろ最初考えたように思いどおりにうまくいかないという場合がビッグプロジェクトというのはなかなか多いのが通例なのですね。  それで、私は、この道路は採算がとれるというふうにお考えなのかどうかという点について、これは中村先生にも安田先生にも伺いたいと思うのです。といいますのは、さっき言いましたように採算割れをすると、これは建設は民間でつくるのですけれども、公団が買い取るということになっておるものですから、全部公団にかかってくるわけです。ひいては国民にそのツケは回されるという関係が出てきますので、これはやはり一つの大変重要な問題だというふうに思いますので、この辺についての見方をお尋ねしたいと思います。
  79. 中村英夫

    中村参考人 私の参画しました調査は主に社会的な便益、国民経済的な便益がどういうふうなものであるかということを研究した場でありまして、そういった意味で採算性そのものについて我々は詳しく調査したわけではございません。したがって、それに関して責任ある回答は少し差し控えたいと思いますが、ただ、今の料金でもって今の交通予測で考える限りにおいては採算性はあるというふうに伺ってはおります。
  80. 安田八十五

    安田参考人 先ほど申し上げましたが、私は道路公団レポートを詳しく検討させていただいたわけです。それで感じましたのは、いろいろなものに対する仮定が明確に出されていないということがありまして、私は三万台というのは、関門橋その他が一万六千台ということを考えますと、かなり過剰予測じゃないか、それをもし三万台ということですと、かなり南房総に大規模開発、例えば学園都市のようなそういう開発前提とされないと出てこないのじゃないか。それから採算から、料金が三千円ということですが、これは率直に言って高過ぎるのではないか。三千円ですから、もしも南房総住宅地開発したとしても通勤には使えない、ゴルフで往復するぐらいしか使えないのじゃないかと思うわけでして、仮にそれを下げるとしたら大量の公共交通機関を整備しなければならないということになりますが、トンネルですと果たしてそういうものが可能かどうか、この辺が疑問なわけであります。  そういう意味では、こういう公共プロジェクトに対しては民間企業の採算とは違う考え方で、我々は社会的効率性と言っておりますが、計量経済的な分析では不十分だというふうに私は考えておりまして、もうちょっと直接的な便益と、社会的な費用を考慮した社会的な費用便益分析というものがございますが、その社会的な費用便益分析を仮定を明確にして結論を出して明らかにすべきであろう、それが十分できていないのではないかと私は思っております。
  81. 中島武敏

    中島(武)委員 中村先生に伺いたいのですが、先ほど結論的に房総乱開発を防がなければならないということを言いました。もう今でも山砂を取るために山が変形してしまうということが言われております。君津市だけでも一日五千五百台を超えるダンプカーが通っています。それで、乱開発を防がなければならない。防ぎ方について何か御見解があったら述べていただきたいというふうに思うのです。
  82. 中村英夫

    中村参考人 やはり土地利用計画をしっかり立てまして、その計画に従った形での開発規制を厳しくやっていくということ以外にはないかというふうに思います。
  83. 瓦力

    瓦委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、御多用中のところ御出席をいただき、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼申し上げます。  次回は、明十一日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十一時五十七分散会