○辻(第)
委員 六十年の三月期における近鉄の有価証券報告書によりますと、資本金が七百二億円、
関係会社への出資など
投資は六百二十八億円、販売土地建物は八百六十九億円が計上され、
鉄道事業では百九十六億円の黒字となっておる、
鉄道事業で大きな収益を上げているということだと思うわけであります。
ところで、同社の
輸送力増強等
投資計画の第六次五カ年
計画、昭和五十七年度から六十一年度によりますと、年平均七十億ということであります。踏切だとか運転保安、サービス改善
部分というのが年平均二百十億ということになっております。近鉄というのは、このように経営面で見ますと非常に優良な
会社であります。
ところが、サービスの面、
輸送力増強という面ではどうなのかということでありますが、私も近鉄は地元でありますし、日々
利用させていただいているわけでありますが、ラッシュのときは大変です。私は主に京都線に乗るのですが、たまに大阪線に乗ります。殊に雨の日、それから梅雨の日なんていうのはラッシュに乗りますと、それこそ大変な状況であります。いろいろ御努力もいただいているわけでありますが、二年に一度くらい
運賃が上がりますが、
利用者の側からいえばラッシュのときの改善がこれでやられているかというのが実感ですね。
近鉄の社内誌の「ひかり」八五年ナンバー三というのがあるのです。これは同社みずからが言っておられるわけでありますが、昭和五十九年度には混雑度が平均一七九%と三年前の平均一七九%と同じで、「
数字上は一見すると
輸送力増強努力を怠っているやにみえるが」、云々とこういうように述べておられるわけであります。私
どもも大体一年に二回ぐらいは近鉄へ
利用者、県民のいろいろな要望を持って伺うわけであります。そういう中で努力もしていただいております。車両の増両でありますとかホームの改良でありますとか増発、長編成化というんですか、こういう努力もしていただいております。もちろん、これはちょっと違うんですが、冷房化の問題、踏切の問題あるいは障害者の
施設、こういうようなものも一定の前進をしているということは私
どももよく認めるわけであります。しかし、先ほど申しましたようなラッシュ時の混雑度というのは大変なんですね。いろいろやっておられるけれ
ども、結果的にはこの三年間は一七九%が一七九%にとどまっている、そこのところでは、いろいろなことがやられたけれ
ども、実態としては改善をされてない、こういうことであります。
大臣も先ほどの自由新報の中でおっしゃっておるわけでありますが、「理想からいえば、将来一五〇%から一六〇%」ということですね、「当面は一七五%
程度を目標にお願いしたい。」こういうふうにおっしゃっておるんですね。
こういう状況でありますので、先ほど来申しましたように、近鉄は
日本一の
私鉄であり、経営的に見ますとまことに優良企業であります。相当の
利益も出ているわけでありますから、ぜひ公共的使命を全うするために
輸送力増強などにさらに努力をしていただいて、
大臣も言っておられる一七五%に早く到達をしていただきたい、こういうように思うわけであります。こういうふうに
考えますと、まだまだ近鉄の努力は足りないと思うのですが、いかがですか。