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国務大臣(
中曽根康弘君) 私とレーガン大統領の会談におきましては、まずこの間の五カ国蔵相
会議の決定及びその成果を支持する、そしてこの傾向を強めていくという点において合意がなされました。このような五カ国蔵相
会議が持たれましたということは、
アメリカの今までの政策からしますと大きな画期的なことでありまして、
アメリカ自体も高いドルを何とか是正して非ドル通貨の価値を上げるように積極的に乗り出してきたことであります。つまり、そういう政治的意思というものを明確に実は出してきたと私は解釈している。それは今までのリーガン財務
長官と今度のベーカー財務
長官と少し考え方が違うようですから、前の人のこともおもんぱかって大っぴらには言っていないけれ
ども、やっていること
自体はそういう方向に変わってきたと思うんです。そういう強い意思があり、またそれを保証するだけのことをやろうと五カ国蔵相
会議が約束しましたから、これだけの実態が今出てきておる。そういう意味においてこの実態を続けていく。それと同時に、各国の国内経済のいわゆるファンダメンタルズと言われるもの
自体をそれに合うようにソフトランディングで調整していこう。そういう意味で我々は内需の振興以下さまざまな政策を今お願いしておるわけでございまして、各国ともそういう方向で調整していくように進んでいくだろうと思いますし、進めたいと思っております。