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稲村稔夫君
鉄筋コンクリートと言えば、
先ほども言いましたように、もう
永久構造物だというふうに思っていたわけでありますだけに、こうしたことが起こっているということ、特に
アルカリ骨材反応というような問題は非常に重大な問題を提起をしているというふうに思うわけであります。今の御
答弁でいきますと、それぞれ今最近わかったことだということで無理からぬところもあると思いますけれども、
大変対応というものがおくれているというふうに感ぜざるを得ません。例えば今のあれの中でいきましても、新しい
建築材料の
研究開発等についてのものもまだ具体的にこれだという、こういう
方法をというようなことが出てきていないわけでありますが、いずれにいたしましても、もう最近は我々の周囲はほとんどが
鉄筋コンクリートでつくられているわけであります。
交通機関もすべてそうなっていると言っていいわけでありますから、それだけに大変重大な問題だというふうに思うわけであります。しかも、そのつくられた時期がほぼ一定の期間に
我が国の場合は集中していると言っていいわけでありますから、それだけに今度はこういう
脆弱化が問題になってまいりますと、それが表面に出てくる時期がほとんど同じような時期に出てくるということだってあり得るわけでありまして、それだけにこの
対策は早急に進めていただかなければならない問題だというふうに思うわけであります。
そこで、さらにもう一点伺っておきたいと思いますのは、こうした
アルカリ骨材反応というようなことが問題になるばかりではなくて、私は
テレビで見たわけでありますけれども、帝国ホテルで有名な
ライト氏の
設計になる
鉄筋コンクリートの邸宅が今まさに
寿命がきてもうだめになっている、こういうものを最近見たわけであります。そうするとこれは五十年余りということ、
建物はその程度だということになるわけでありますが、そういたしますと、
先ほど我が国では
アルカリ骨材反応は起こらないという定説になっていたという
お話がありまして、確かにそっちの方はそうなのかもしれませんけれども、しかし
鉄筋コンクリートの
寿命ということでいくともう五十年くらいでこんな
状況になっているということは、これはやっぱり私は大きな
ショックだったわけであります。
そこで、
建設省にお
伺いしたいのでありますけれども、この
鉄筋コンクリートというものは、果たして
我が国の
気候風土というものにうまくマッチをしている、そんな
建設材料、
建築材料だったんであろうか、そういう
建築材料として信頼していいものなのだろうかどうだろうか、こんなふうに疑いも出てくるわけでありまして、その辺の御
見解が
伺いたいわけであります。といいますのは、
世界最古の
木材建築物である正
倉院の
建物というのは千二百年ももっているということになりますし、私の子供のころから考えていきますと、民家で百年以上というのはまだ結構ざらにあったものでございます。
木造建築物が百年も
我が国ではもっていて、
鉄筋コンクリートが五十年で
寿命がきているという、そういう特に
ライト氏の
設計はかなり頑丈につくっているということで有名だったんだそうでありますけれども、それだけに何かこう
鉄筋コンクリートということについて根本的に
我が国の
気候風土とのかかわりで考えなければならない問題があるのではないだろうか、あるいはそうした中で
木材のよさなどというものを見直していくということを含めて、現代に即応した
建築のあり方というようなものが追求をされてもいいんではないだろうか、こんなふうに思うのでありますけれども、その辺のところをひとつ御
見解がいただければと思います。