○井上計君
藤本長官は御就任されてまだ日が浅いわけでありますが、御就任以来、大変精力的に
沖縄問題に取り組んでいただいておりますことについては承知をしておりますし、また敬服をしております。また、
開発庁初めそれぞれ
関係の方々が
沖縄の
振興開発、発展のために
努力をされていることも十分承知をいたしておりますが、ただ、すべて一〇〇%の人がなかなかいいと賛成をするというふうな
事業は少ないのが当たり前であります。絶対にあり得ないわけであります。要は最大公約数を求めてどうするかということで、今後とも御
努力をいただかなくちゃいけない、これはもう当然でありますが、そういう意味ではなかなか物によっては忠ならんと欲すれば孝ならずというふうな難しい問題もありますから御苦労が多いと思いますけれ
ども、今後とも一層ひとつ
沖縄の
県民のために、また
沖縄の
振興開発のために御
努力をいただきたい、こう思います。
そこで、きょうは実は
石垣新
空港の問題を私は重点にお伺いするつもりでおりましたが、午前ちょっと当
委員会に欠席しておりましたから、
鈴木理事や伊江委員の御
質問を伺っておりませんのでわかりませんが、先ほど中野理事の御
質問を伺っておりまして、大体私が聞きたいこと、言わんとするところはほとん
どもう盛られております。だから、重複いたしますので余り伺うことをやめますけれ
ども、ただ中野理事がお話しになりましたように、私
ども先般
石垣島を
視察いたしましたときに、
反対派の
人たちの要請を受けまして、
鈴木理事と中野理事と市川理事と私の四人が、文字どおり呉越同舟でありますが、小舟に乗ってずっとあの地区を海から見ました。その見た感じは、先ほど中野理事もお話しになりましたけれ
ども、私も若干
石垣周辺のことは知っております。川平湾あるいは竹富島の対岸の方ですか、あそこあたりから比べると
沖縄にしては大したサンゴ礁ではないなと、こんなふうな感じが多分にしたわけでありまして、そこで私は
反対派の代表の
人たちに率直に
質問いたしました。
あなたたちは、ここがもう大変な
石垣周辺で一番いいサンゴ礁である、こう言っておられるけれ
ども、本当にそう思っておるのかと言ったら、実は何かあいまいな返事でありました。これが第一点。それから次に、もしあなたたちがどうしてもここが
反対だと言われるならほかの
地域、あなたたちが見てほかの
地域はどうだと言ったら、それは自分たちが言うべきでないと、こう言われました。では、もしほかの
地域に変わった場合にあなたたちは依然として
反対運動を続けますかと言ったら、それはノーコメントだと、こう言われました。
それではどういう方法を一番あなたたちは期待しますかと言ったら、現在の
空港の拡張だと、こう言われました。しかし、現在の
空港の拡張については、もういろいろな事情で限界がある、これは承知していますかと言ったら、承知していると、ではどうしますかと言ったら、今の
空港のままでいいと思います。しかし、今の
空港のままでは
石垣の振興発展、
開発にそこを来す、障害となるということは知っていますかと言ったら、知っています。ではどうするんですかと言ったら、それは仕方がありません。こういうふうな答えでありました。船の上で断片的な話でありますが、要約するとそういうふうな話でありましたが、実は
反対の
人たちの考え方に、やはり私は必ずしも純粋でないといいますか、あるいは矛盾しているといいますか、そういうふうなことがあるのではなかろうかなという強い印象を受けてきたわけであります。
そこで、私は率直に申し上げまして、今後とも
沖縄、特に離島振興のためには絶対に必要であるという
観点から申し上げるのですけれ
ども、いろいろな
反対派の方々に説得あるいは納得してもらうための
努力を最大限ひとつ至急していただく、そうしてこれから早く着工できるように、そのようなひとつ
努力をしていただかなくちゃいかぬ、こう思うわけであります。
反対派の陳情を受けまして、この
理由の
一つに、
自然保護、漁業権等々の問題がありましたが、もう
一つは、やはり話してみますと、何か補償の問題が、漁業組合はこの補償の問題等について合意しておるけれ
ども、自分たちが合意をしていないというのは、何か地元の全然ほかの人、私も実は友人が
石垣島におりますが、聞きますと、従来漁業権として認められていなかったあの
白保地区の何か海藻ですか、それの補償の問題ではないかというふうなことも聞きましたが、その辺よくわかりませんけれ
ども、しかし、それにしてもやはり補償はある程度必要であろうと思いますから、そういうことについても十分話し合いをする必要がある、こう思います。
それから
反対の大きな
理由の
一つには、あそこに大型ジェットが離着陸できる
空港をつくると、これは
米軍基地に転用されていく、そしてアメリカのアジア戦略に利用される、だから
反対だということが出ておりました。これはどういうふうな考え方の人がそういう
反対理由を言ったか知りませんけれ
ども、全くそれは我々としては聞く耳を持たぬといいますか、通らぬことであると思いますけれ
ども、しかし、そういうことを考えている人がいることもまた事実でありましょうから、そういう面についてのひとつ十分説得と理解を求めるために一層の御
努力が必要であると、こう思います。
そこで、以上私の
意見を申し上げて、お聞きしたいことは、現在どこまで具体的に進めておられるのか、そうして今の
状況からいくと今後の推移についてはどのようにお考えになっておられるのか、この二点を
開発庁、それから
運輸省も来ていただきましたが、両方の
立場でひとつお聞かせをいただきたいと思います。