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1985-11-21 第103回国会 参議院 運輸委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年十一月二十一日(木曜日)    午前十時一分開会     —————————————   委員氏名     委員長         鶴岡  洋君     理 事         梶原  清君     理 事         吉村 眞事君     理 事         瀬谷 英行君     理 事         矢原 秀男君                 江島  淳君                 藏内 修治君                 高平 公文君                 内藤  健君                 藤田  栄君                 森田 重郎君                 安田 隆明君                 山崎 竜男君                 小柳  勇君                目黒今朝次郎君                 安恒 良一君                 小笠原貞子君                 伊藤 郁男君                 木村 睦男君                 山田耕三郎君     —————————————    委員の異動  十一月二十一日     辞任         補欠選任      矢原 秀男君     伏見 康治君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         鶴岡  洋君     理 事                 梶原  清君                 吉村 眞事君                 瀬谷 英行君                 矢原 秀男君     委 員                 高平 公文君                 森田 重郎君                 安田 隆明君                 山崎 竜男君                 小柳  勇君                 安恒 良一君                 伏見 康治君                 小笠原貞子君                 伊藤 郁男君                 山田耕三郎君    国務大臣        運 輸 大 臣  山下 徳夫君    政府委員        内閣審議官    平井  清君        運輸大臣官房国        有鉄道再建総括        審議官      棚橋  泰君        運輸省国際運輸        ・観光局長    仲田豊一郎君        運輸省地域交通        局長       服部 経治君        運輸省港湾局長  藤野 愼吾君        運輸省航空局長  西村 康雄君        運輸省航空局技        術部長      大島 士郎君    事務局側        常任委員会専門        員        多田  稔君    説明員        防衛庁防衛局運        用課長      大森 敬治君        大蔵省証券局企        業財務課長    中島 富雄君        運輸大臣官房審        議官       櫻井  勇君        運輸大臣官房審        議官       大塚 秀夫君        運輸省海上技術        安全局船員部長  広瀬 好宏君        自治省行政局行        政課長      柳  克樹君        会計検査院事務        総局第三局上席        調査官      吉間 道哉君        日本国有鉄道総        裁        杉浦 喬也君    参考人        日本国有鉄道再        建監理委員会委        員長       亀井 正夫君        日本航空株式会        社代表取締役社        長        高木 養根君        日本航空株式会        社専務取締役   平沢 秀雄君        日本鉄道建設公        団総裁      内田 隆滋君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○国政調査に関する件 ○参考人出席要求に関する件 ○運輸事情等に関する調査  (派遣委員報告)  (航空交通規制緩和に関する件)  (港湾施設有効活用に関する件)  (行政書士自動車関連業界とのトラブルに関  する件)  (大阪国際空港運航規制に関する件)  (国鉄問題に関する件)  (地下鉄の経営一元化問題に関する件)  (日航機墜落事故に関する件)  (日本航空株式会社の経営問題に関する件)  (三光汽船問題に関する件)     —————————————
  2. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今国会におきましても、運輸事情等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  4. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  運輸事情等に関する調査のため、日本国有鉄道再建監理委員会委員長亀井正夫君、日本航空株式会社代表取締役社長高木養根君、同専務取締役平沢秀雄君及び日本鉄道建設公団総裁内田隆滋君を本日の委員会参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) それでは、運輸事情等に関する調査を議題とし、派遣委員報告を聴取いたします。  まず、第一班の御報告を願います。梶原君。
  7. 梶原清

    梶原清君 第一班の派遣報告をいたします。  派遣委員は、鶴岡委員長瀬谷理事小笠原委員及び私、梶原の四人であります。派遣期間は九月二十五日から三日間で、札幌市を起点として、道央道東地区所在運輸省北海道開発庁、国鉄地方機関等から管内事情を聴取するとともに、港湾空港鉄道工事航空大学校国鉄特定地方交通線バス転換状況を視察調査してまいりましたので、これらのうち主要な事項について御報告いたします。  まず、道内運輸概況について御報告いたします。  北海道は、面積が日本国土全体の二二%を占めながら、人口は五百七〇万、全国の五%にも達しません。このため、過疎地交通特色をよく示しており、道内旅客輸送人員に占める自家用自動車は年々そのシェアを伸ばして過半を占め、五十八年度は五五・七%に達しております。五十四年度からの最近五年間の傾向を見ますと、輸送人員は二十四億三千万人から二十四億人と微減しておりまして、民鉄は八%の伸び、マイカー貸し切りバス横ばい国鉄乗り合いバス、タクシーは一割前後の減少を示しております。  貨物輸送量も全体として連続四年微減を続けており、五十八年度には、シェア五〇%を超えることとなった営業用トラックを除けば、すべて減少しております。特に、国鉄貨物は、トラック等への転移が続き、最近五年間に輸送量トン数で三分の二、トンキロでは半減しております。  北海道本州の間の旅客は、第二次オイルショック以来微減ないし横ばいを続けておりましたが、やっと昨年五十四年度の水準を超えました。この間、航空機シェアはふえ続け、現在では七割を超えており、特に札幌首都圏との間は航空機が九七%、国鉄シェアはわずか三%にすぎません。なお、国鉄青函連絡船は毎年減り続け、十年前に比べて半減しております。  本州との間の貨物輸送トン数で八割以上を内航輸送が占めており、国鉄はここでも減り続け、十年間にシェア一三%が七%、に半減しております。  国鉄について、さらに詳しく御報告いたしますと、道内では、二十八線区、三千八百営業キロですが、複線化率一三%、電化率八%等と施設整備におくれが見られ、空港道路整備と相まって、中長距離航空機に、短距離は自動車旅客が転移する傾向が続き、旅客輸送人員は、五十九年度はついに一億人を割り込み、人キロでも五十年度に比べ三分の二に落ち込んでおります。貨物も五十九年度は五十四年度に比ベトンキロでほぼ半減しております。二十八線区いずれも赤字路線で、五十九年度における全体の営業係数は四一五と経費が収入の四倍余りに達し、営業面での赤字は二千八百億円を超えております。  特定地方交通線については、第一次分八線二百十四キロは既にバス転換を終えており、現在十四線区一千二百四十二キロの第二次分について地元と協議中または協議準備中でありまして、この第二次分のバス等への転換が完了いたしますと、国鉄営業キロは現在の三分の二、二千六百キロに縮小いたします。  さらに、現在建設中の北海道縦貫自動車道が、六十二年には札幌と旭川を結ぶこととなりますので、国鉄旅客の一層の落ち込みが懸念されております。本年四月ジェット化された女満別空港のほか、稚内及び中標津の二空港ジェット化のための整備を進めており、また、ジェット機の大型化に対応すべく釧路帯広の二空港でも滑走路延長工事が進められており、これも中長距離旅客国鉄から奪う要因となると推察されます。  このような暗い材料の中で、五十六年十見開通の石勝線は、札幌帯広を特急三時間で結ぶことにより航空旅客を奪い返し、航空路線を休止に追い込んだことは、五十五年十月新設の千歳線空港駅の空港アクセスとしての健闘ぶりと相まって、今後の国鉄事業のあり方を示唆する明るい材料と考えられます。  また、道東地区では、ソ連の二百海里水域内での漁業規制強化に伴う漁船大幅減船漁業再編整備による漁船船員大量失業への懸念が表明されましたが、道内での有効求人倍率は、本年に入り〇・二台を続けているとのことでもあり、一万三千人と言われる国鉄余剰人員とともに、これらの雇用の場を道内確保することは極めて困難と推察されます。  次に、現地視察した事項のうち主要な事項について御報告いたします。  千歳空港は自衛隊との共用飛行場で、北海道の空の表玄関であると同時に、道内ローカル線のかなめの空港としての役割を果たしております。昨年は乗降客八百三十四万人に達し、東京、大阪に次ぐ国内線第三位の空港となっております。このような航空需要増加等に対処し得るよう、三千メートル滑走路二本を持つ民間専用の新千歳空港を現空港隣接地建設整備中でございます。建設に着手したのは五十年度で、既に滑走路、エプロンの舗装工事等も進められておりますが、新千歳空港の敷地七百十ヘクタールのうち八・四ヘクタールが本州不在地主に所有され、未買収地として残っておりますので、土地収用法の適用のための準備を進めているとのことであります。  なお、新ターミナルビル完成に合わせて空港駅の移設等が今後の課題となると思われます。  次いで、札幌市において行われている九キロメートルを超える大規模連続立体工事の実情を視察いたしました。これは、札幌市を国鉄函館本線が東西に貫通し道路と交差しているため、事故防止道路交通の渋滞を緩和しようとして、五十六年度から総工事費九百三十億円をもって工事が行われているものであり、既に工事の半分を完了し、六十四年国体に間に合わせるべく順調に工事が進められております。  次に、本年十一月滑走路を二千五百メートルに延長する予定の帯広空港に赴き、併設されている航空大学校帯広分校を視察しました。ここでは、単発機による四カ月コースの初歩操縦訓練を行っております。  次に、特定地方交道線白糠線及び相生線バス転換状況を視察しました。  白糠線は、二年前にバス転換第一号として白糠町営バスによる運行を開始しました。運賃国鉄並みとするほか、停留所、便数を増加したため、利用者の評価はおおむね良好とのことで、国鉄より交付されたバス転換交付金は、その一部を基金としてバス運営欠損補てんに充てているとのことであります。なお、三十キロメートル余りの旧鉄道施設は、現在、鉄道建設公団維持管理を行っており、適切な処理の促進が望まれます。  一方、半年前にバス転換をいたしました相生線は、国鉄当時に比べバス運賃を大幅に値上げせざるを得ないことから、町営バスを運行する津別町では、旅客の三分の二を占める定期旅客運賃負担増を緩和するため、転換交付金の一部を基金として定期運賃差額交付金対象外の学生に対しても差額の二分の一を補助することとしているとのことであります。  次いで、南防波堤整備中の網走港を視察し、将来計画を聴取した後、本年四月第三種空港としては北海道で初めてジェット化空港となった女満別空港を視察いたしました。DC9が就航しておりますが、東京便は前年比二倍半の旅客数であり、生鮮食料品中心とする貨物も三倍に急増しているとのことでありました。  最後に、北海道から、北海道新幹線建設促進と新千歳空港及び函館稚内釧路中標津など地方空港整備促進について、北海道新幹線建設促進期成会から、北海道新幹線建設促進について、北海道十勝総合開発期成会から、十勝港及び帯広空港整備帯広市における連続立体交差事業調査の実施並びに池北線等国鉄地方交通線確保について、網走支庁管内総合開発期成会から、網走港、紋別港及び紋別空港整備促進並び国鉄名寄本線及び池北線の存続についてそれぞれ要望がございました。  以上御報告申し上げます。
  8. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 次に、第二班の御報告を願います。矢原君。
  9. 矢原秀男

    矢原秀男君 第二班の派遣報告をいたします。  去る十月一日から三日まで三日間にわたり、内藤委員小柳委員山田委員及び私の四名で、岡山香川徳島兵庫四県所在運輸省国鉄本州四国連絡橋公団地方機関並びに各県、坂出市、神戸市の管内事情を聴取するとともに、同公団の施行に係る児島坂出ルート大鳴門橋のほか、新高松空港及び神戸港の建設状況をそれぞれ視察いたしました。  以下、調査概要について申し上げます。  最初に、本四連絡橋建設状況について申しますと、この連絡橋は、全体計画規模三兆三千六百億円でありますが、当面、早期完成を図るための道路鉄道併用橋として児島坂出ルート地域開発橋として大三島橋因島大橋伯方大橋及び大鳴門橋の四橋について昭和五十年末以降着工されており、昨年度の進捗率契約額ベースで八三%となっております。このうち既に三橋は供用されておりますが、今回視察いたしました児島坂出ルートは、一般国道三十号三十七・四キロメートル、本四備讃鉄道線三十二・四キロメートルから成り、事業費一兆一千百億円、工期九年、六十三年春完成目途として五十三年十月に着工し、昨年度末約五八%の進捗率となっているとのことであります。  特に、道路鉄道供用部十三・一キロメートルの区間は、最大中央径間千百メートルを含む三つのつり橋、二つの斜張橋建設を予定しておりますが、既に、南北備讃瀬戸大橋等主要六橋の下部工及び主塔がほぼ完成し、引き続きケーブル架設等のほか、陸上部道路鉄道についても全区間の土工、高架橋等工事に着手するなど順調に推移しているものと推察されました。  なお、岡山香川両県及び坂出市から瀬戸大橋建設並びに道路網等関連事業推進について要望がございました。  一方、神戸鳴門ルートは、一般国道二十八号八十一・一キロメートル、本四淡路鉄道線八十九・八キロメートルから成っておりますが、このうち、本年六月八日に供用開始された区間は、津名一宮インターチェンジから鳴門インターチェンジ間四十五キロのうち、大鳴門橋を含む二十一・八キロメートルで、引き続き残りの区間について六十二年春完成を目指して工事中とのことであります。  大鳴門橋構造は、中央径間八百七十六メートル、全長千六百二十九メートルの長大つり橋で、上部が六車線専用道路下部新幹線併用橋でありますが、供用後三月間の一日平均自動車交通量が約一万一千台に達していることにかんがみ、今後の交通量増大に対応した道路アクセス整備必要性があるものと思われました。  さらに、最近、関係閣僚間で道路単独橋として着工が合意された明石海峡大橋は、橋長三・六キロメートル、中央径間千七百八十メートルの世界最長つり橋となりますが、神戸市垂水区から兵庫淡路町に至る同橋の建設区間は、工期十三年、工費約五千億円と見込まれております。これが完成しますと、大鳴門橋投資効果が飛躍的に増大するなどの経済効果が期待されるため、徳島兵庫の両県及び神戸市からそれぞれ早期着工について要望がありました。  なお、関連して明石海峡航路における海上交通状況について申しますと、同航路は一日平均交通量約千四百ないし千五百隻と我が国主要狭水道のうちで最も船舶がふくそうする海域であります。このため、同航路等海域に常時巡視艇を配備するとともに、航法指導巨大船等通報制度などにより船舶交通の安全を図っているとのことであります。  また、本四連絡橋建設に伴う一般旅客船対策として、いわゆる本四特別措置法に基づき、航路編成離職者対策が検討されておりますが、現在までに百二十四航路、八十五事業者、三百五十七隻の対象航路のうち、因島大橋関連で八航路、八事業者、十八隻が廃止されております。  次に、新高松空港建設状況について申しますと、新空港は、現在の高松空港における六十五年の輸送需要予測等に対応して大型航空機による効率的な輸送確保するため、新たに、高松市南方の丘陵地に、六十四年一月開港目途に、総事業費約四百五十億円をもって滑走路二千五百メートルのジェット機離発着可能な空港整備しようとするもので、既に用地買収がほぼ完了し、道路地下排水工事が進められております。  なお、香川県から同空港早期開港についての要望がございました。  次に、港湾施設整備状況について申しますと、まず、神戸港は、五十九年における取扱貨物量が過去最高の一億五千七百万トンに達しておりますが、このような輸送量増大等に対処するため六甲アイランド建設中で、本年八月現在約六六%完成し、既にコンテナバース十六バースを供用しております。  今後、さらに第二期ポートアイランド計画港湾幹線道路建設及び新港、中央突堤等既存埠頭の再開発などを推進するための港湾整備五カ年計画策定を予定しておりますが、神戸市から所要の事業費確保について要望がございました。  また、坂出港は、瀬戸大橋の六十三年春完成に関連した内貿コンテナ埠頭整備等流通機能強化するとともに、緑地、マリーナ等観光港へリフレッシュする方向に沿って港湾整備五カ年計画策定を検討中とのことでありました。  次に、四国地方における運輸行政概要について申しますと、海上輸送関係では、昨年度の旅客航路輸送量は対前年度比で微増しており、特に、五十五年度以降減少傾向四国から本州九州間フェリーボート輸送量が回復の兆しを見せていること、対全国比ウエートの高い内航海運業は深刻な構造不況に陥っているため、企業構造の改善を図るための施策を進めていることのほか、全国の二〇%のシェアを有する造船業手持ち工事量の実態にかんがみ、ガイドラインに沿った操業調整適正船価での受注が望まれているとのことであります。  なお、陸上輸送関係では、管内における民営鉄道三社、軌道二社の輸送人員は、マイカーの漸増と、ミニバイク急増等により四十五年以降減少しており、この結果、一部を除き赤字を計上していること、乗り合いバス事業についても五十七年度以来全事業者赤字経営を余儀なくされていることのほか、路線及び区域トラック事業は、本四連絡橋開通に伴う路線編成並びに輸送効率化等経営基盤強化を図る必要に迫られているとのことであります。  次に、国鉄四国総局概要について申しますと、本年四月現在、幹線地方交通線系合わせて九線区八百五十七・九キロメートル、要員規模約六千二百人等の営業体制により運営されております。  当管内特色は、複線化率三%、電化率〇%に象徴されているように、線区近代化のおくれと、幹線地方交通線系経営格差が接近していることであります。しかしながら、昨年度末の経営成績は前年度よりも若干改善されてはおりますが、今後の四国における空港ジェット化本四連絡橋建設の進展及び四国横断縦貫自動車道開通等による輸送機関相互競争激化が予想されること、ざらに、国鉄再建監理委員会答申による民営分割化への対応など、国鉄をめぐる経営環境は一段と厳しくなっております。このため、他の輸送機関に伍して適正な運営確保できるよう国による適切な措置が期待されるところであります。  最後に、各県の要望について申しますと、岡山県から、伯備線等在来線改良促進、水島港及び宇野港の整備促進新岡山空港の第二種空港への昇格並びに滑走路延長等推進について、香川県から、国鉄在来線電化、丸亀、坂出付近連続立体交差事業等促進について、徳島県及び県議会から、国鉄阿佐東線早期開業、高徳、徳島本線連続立体交差事業四国新幹線鉄道、小松島港及び徳島飛行場整備促進並び地域航空システム確立等について、兵庫県から、但馬及び神戸沖空港建設国鉄福知山及び山陰本線複線電化、姫路港等の整備促進について、神戸市から、大都市交通対策及び神戸沖空港建設実現等についてそれぞれ要望がございました。  以上御報告申し上げます。
  10. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) これをもって派遣委員報告は終了いたしました。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  11. 吉村眞事

    吉村眞事君 現在までに総合開発計画が三回にわたってつくられておりまして、その中でやはり運輸の問題は非常に大きく取り上げられておると思います。  現在、運輸の目標として掲げられておることの一つに、全国高速交通ネットワーク整備をして国土全体の均衡ある発展を図るというのが決定をされておると承知をいたしております。現在、その三次の全国総合開発計画が次の四次に移っていくという作業をしておられるというふうに聞き及んでおりますが、従来考えられておりました高速交通網の中で、高速鉄道というもののウエートがかなりあったように思います。現在高速鉄道の問題につきましてはいろいろと問題もございますが、今後の全国高速ネットワークの中で高速鉄道役割をどのようにお考え方になっておられるのか、この点を運輸省にお伺いしたいと思います。
  12. 櫻井勇

    説明員櫻井勇君) お答え申し上げます。  今後の高速交通体系の形成に当たりましては、利用者ニーズ、ただいま先生のお話にもございましたが、高速性に対する志向が高まっている、そういった利用者ニーズに十分配慮しながら、各交通機関をそれぞれの特性に応じまして有機的に組み合わせて、全体として効率的な交通体系が形成されることが望ましいと考えているところでございます。鉄道につきましても、基本的には利用者の選択を反映した特性分野中心といたしまして機能を発揮すべきものであるというぐあいに考えております。  先生今御指摘のございました高速鉄道、例えば新幹線特性分野を見ますと、大量の輸送需要のございます中距離の都市間旅客輸送特性を示しているところでございまして、基本的には、このような分野で今後とも国民生活にとって重要な役割を果たしていくことが見込まれるところでございます。長期的には、国土の均衡ある発展地域格差の是正に資するものとしてその整備が望まれるところでございますが、膨大な投資を必要とすること等が予想されますので、需要動向、在来線に与える影響、財源問題等を十分考慮に入れて判断をしていく必要があると考えておるところでございます。
  13. 吉村眞事

    吉村眞事君 確かに財源問題等解決をしなければならない問題は多々あるとは思いますけれども、今御答弁ありましたように、高速鉄道というものの役割というのは日本高速交通網の中で非常に大きなものだと思います。ですから、速やかにそういった検討を終えられて、今後の高速交通網整備に全力を挙げていただきたいと思います。  それでは次に物流の問題でございますが、物流というのは、物が流れる、物を移動させる行為でありますが、その物流の行為の中には必然的に情報の問題が絡んでくると思うわけであります。単に一地点から一地点へ物を動かせばよろしいということではだんだんなくなってきておるのではないか。日本の各産業分野で情報化ということが叫ばれてからかなり時日もたっておりますが、私は、いみんな産業の中でもいわゆる物流産業というものは、情報化といいますか、その業務の中に情報の収集と伝達というものを密接に組み入れる必要がある産業の一つではないかと思っておるわけでありますが、トラック事業等の物流事業、特にそれの小さい範囲で短距離を運ぶものではそれほどの問題はないかと思いますが、長距離を運ぶ広域の物流の場合はそのニーズが非常に大きいと思いますので、その情報システム化がどういうふうに現在進んでおるのかという点をお伺いしたいと思います。
  14. 大塚秀夫

    説明員(大塚秀夫君) 先生御指摘のとおり、運輸事業は、利用者ニーズにこたえて安全かつ迅速な輸送サービスを行うために情報システム化が特に必要な事業でございまして、このため従来から他産業に先駆けて情報システムの構築等の動きが顕著でございます。中でもトラック事業と物流事業の分野におきましては、宅配便輸送に見られるように、広範な輸送サービスを的確に遂行するため、またさまざまな最近の利用者ニーズにこたえ得る質の高い輸送サービスを提供するために、トラックの輸送管理を全国的に行ういわゆる貨物追跡管理システム、また荷主の在庫を把握する在庫管理システム等の情報システムの構築、充実等に積極的に取り組んでいるところでございます。  また、物流事業全体の情報化の方向につきましては、現在運輸政策審議会に情報部会を設けて検討を進めているところでございますので、今後もこれらを踏まえ物流事業の情報化に取り組んでまいりたいと考えております。
  15. 吉村眞事

    吉村眞事君 そういたしますと、現在既に民間の各企業において物流システムを取り入れておるということでありますけれども、さらにこの促進を図る必要もあろうかと思います。  現在審議会で御審議をいただいて、その方向を踏まえてというお話でありますが、特に物流にこういう情報システムを取り入れていくということはかなり費用も要することかと思うのでありますが、現在それを取り入れておる企業というのは相当力のある企業じゃないかと思うわけであります。必ずしもトラック事業全部が非常に力のある企業ばかりではないと思うわけで、かなり中小企業も多い業界でありますから、この辺が、将来の物流の事業の中から、情報システム化が進まないために脱落をするというようなことがあっては大変困ると思います。そういう観点でどういうふうなことを将来考えておられるか、あるいは現在野にやっておられればその点を伺いたいと思います。
  16. 大塚秀夫

    説明員(大塚秀夫君) 物流事業は中小企業が圧倒的に大きなシェアを占めておりまして、これら中小企業が大企業に伍して情報化を推進していくためには国としても積極的に支援していく必要があると考えております。特に経営基盤の脆弱な中小トラック事業の情報化につきましては、現在推進中の構造改善事業の重要な柱の一つとして位置づけて、域内融通システムあるいは退路あっせんシステム等の情報システム化に積極的に取り組んでいるところでございます。行政としましては、今後も、人材面、技術面、資金力等で相対的に劣る中小企業が今後の時代の流れに取り残されないよう十分配慮しながら諸般の政策を遂行してまいりたいと考えているところでございます。
  17. 吉村眞事

    吉村眞事君 相当一生懸命やっておられるということでありますから大変結構でありますけれども、この現在の情勢を見ておりますと、物流に情報化のシステムが取り入れられるかどうかというのが今後の物流産業の活力を大きく左右することだと思うわけであります。運輸省とされましては、その点を考えられて、民間の自力でやっていくのをただ見ているということでなくて、常に適切な手を打って民間がそういったことをおくれずにやっていけるような施策をぜひ講じておいていただきたい、これを要望を申し上げておきます。  それからその次に、航空の問題を伺いたいのでありますが、最近非常にコミューターということがよく新聞紙上等でも論じられております。先ほど一番最初に御質問申し上げました高速交通網、これを全国に覆って全国の地域の均衡ある発展を図るというのが現在の政府の施策だと理解しておりますが、その際に、高速交通網というものを補完する機能として、高速交通網のそれぞれの結節点においてそれを補完するコミューターを主体とする地域航空のシステムというのがどうしても要るんじゃないかというふうに思うわけであります。日本の現状を考えますと、その機能の中には、アメリカ等で行われておるいわゆるコミューター航空だけでなくて、ヘリコプターを利用するもっと短距離の輸送のシステムというのもその中に加えて考えなきゃいけないんじゃないかとも思うわけでありますけれども、そういうことを考えてまいりますと、この分野にいろんな施策が必要ではないかと思うわけであります。  現在、御存じのように日本にはこういうシステムがほとんどありませんので、その点を御質問をしたい。現状がどうなっておるのか、そしてまた問題点が、どういう問題があるのか、将来ですね、そしてまた、現在各地域でこのことについての計画といいますか、将来の方向をどういうふうに考えておるのか、その辺がわかりましたらお聞かせをいただきたいと思います。
  18. 西村康雄

    政府委員(西村康雄君) 今お話しのコミューター航空でございますが、これまで航空交通というのは、国民の足として、できる限り大量輸送そして長距離輸送というような形で発展してまいりまして、飛行機の大型化あるいはジェット化ということで非常な普及をしてまいりました。しかし一方、こういった高速交通の航空の発達にも、やはり小さな輸送需要というのを救い上げていけないという問題点がございます。しかし、この分野につきましては、今お話しのような小型航空機を活用したコミューター航空というのを利用したらどうだという声が非常に強くなってきているわけでございます。  コミューター航空が現在やっておりますのは、どちらかと申しますと離島路線的な小さな需要に対応しているということでございます。具体的には、新島−調布あるいは新潟−佐渡というような区域、あるいは長崎を中心とした壱岐、対馬、五島等の連絡でございます。さらには、奄美を中心とした各島との連絡というようなところで路線が設けられておりますが、これは現在四社運航しておりまして、五十九年度に十七万人という輸送実績がございます。  これらの航空は、やはり一番問題は、運賃の負担力も十分でございませんし、どちらにしましても小型輸送でございますので非常に割高な輸送でございます。先ほど申し上げましたように、大量交通運賃を下げることによって航空は発展してきたわけですが、少量輸送では非常に割高でございます。そういう点で採算性に問題があります。現実には、これらの路線を維持するためには関係の地方公共団体が援助しているということでございます。したがいまして、これからコミューター航空に取り組んでいく、航空の可能性を広げていくという場合には、この採算性の壁をどう克服するかということが出てくるわけでございますが、これが第一の問題で、現実には徹底的な合理化をやるということでございますし、また、親会社がそういったことを大きく支援するというようなことでこれを普及していくというのが現実のやり方になっているわけでございます。  ところで、コミューター航空につきましては非常に各地域でも熱心でございますし、いろんな構想が述べられていますが、一つは、今の各離島等の路線の延長で、もっとそういう辺地の輸送に充てたい、主要空港と辺地をつなぎたい、こういうグループが一つございます。それから第二が、海越えとか山越えとかいうようなことで、松山と大分をつなぐ。現在ですと、この二つをつなぐには一々大阪空港へ戻って連絡しなきゃならぬということですが、これはそういった松山−大分のようなところで需要があれば、これは小型機でさっとやれば全く問題なく便利なことになるので、こういった点は、瀬戸内海の各空港をつなぐ一つのことができないだろうかということで、現実にそういう計画も出されてそれぞれの各地域で御工夫があるということでございます。  それから第三の問題としては、首都圏とか近畿圏のように非常に高所得あるいは高付加価値を生むような産業の密集している地域では、この高速交通を利用することによってさらにいろんな意味での利益が出るということで、また、これらの首都圏、近畿圏は逆に飛行場が羽田と伊丹だけしかない、ほかは何もないということで、いわばそういう意味では高速交通のポケットになっているような感じでございます。そこで、これらの府県等でもコミューターによって圏内の連絡あるいは各地域ごとの連絡というようなことが一つの構想として出てまいるわけでございます。これらについてそれぞれの各府県がまた検討を始めておられる。国もこれらの問題について直接に御相談をし、協議会をつくって勉強を始めるというような体制で乗り出しているわけでございます。  それから、今お話のありましたヘリコプターでございますが、当然このヘリコプターというのは、今言ったものがそれぞれある程度の飛行場を必要としますが、ヘリコプターは非常に手軽にできる。ただし運賃がさらに倍以上高くなるという問題がございますが、非常に手軽にできるわけで、小さな圏内の連絡等はヘリコプターが非常に活躍できる場もございます。あるいは災害の場合にも非常に役に立つということで、ヘリコプターの普及ということも各府県が非常に熱心に御研究を始めておられるという機運でございます。今後こういった問題についてどういうふうにニーズが動いていくか、私ども各地域と一緒に勉強をして、その育成のあり方について考えていきたいと思っている次第でございます。
  19. 吉村眞事

    吉村眞事君 まだこれから勉強しなきゃならぬことがたくさんあるというお話でありますが、コミューターの採算性がとれないということの中に、いろんな規制があり過ぎるんだ、それが少し規制を緩和してもらえばいろんな工夫がしやすいんだというような声も私ども聞くところでございます。それからまた、ヘリコプターのヘリポートを設置する場合も、現在の基準というのが非常に厳しいのでなかなかそれができないんだというようなことも聞いておるわけでございますが、もちろん航空というのは安全が一番大事だということは当然でありますけれども、運航の安全を確保した上で、緩和できるような規制はできるだけ緩和して、民間が十分その活力が発揮できるように、そしてコストの切り下げあるいは利便性の確保というのが図れるように運輸省としても今後尽力をしていただきたいと思うわけであります。この点は要望をいたしておきます。  それから最後港湾局に一つだけお伺いしたいんですが、今もちょっと触れましたが、民間の活力を今後大いに活用しなきゃいけないということで政府が非常に頑張っておられる。財政が非常に苦しい中でやらなきゃならぬ社会資本の整備というのが非常に多い、そういうところに民間の活力を何とか導入したいということであろうと思いますが、いろんな分野でそれが行われておるようでありますけれども、港湾分野では、従来から港湾の上部の上屋とか倉庫とかそういったものにはもちろんすべて民間の活力が活用されておるわけでありますが、今民活をやろうということで港湾分野でも何かそういうことを考えておられることがありましたらひとつお聞かせをいただきたい。
  20. 藤野愼吾

    政府委員(藤野愼吾君) お話しのように、昨今民活論が極めて盛んでございます。ただ、民活の具体的なやり方とか内容についてはまだまだ今後の議論があるんだというふうには思っておりますが、そういった中で、社会資本の一つであります港湾整備におきましても、やはり現実に私たちはこれが民活だというふうに考えていい、言っていいというものが現にあるんじゃないかというふうに思っておりますが、それは、例えば受益者が特定できますエネルギー港湾だとか、あるいはまた外貿コンテナ埠頭、フェリー埠頭といったふうなものについて民間からの資金を導入しながらその整備をやってまいっておるところでございます。  さて、今後の問題でありますが、今申し上げましたようにいろいろ検討、議論は多いというふうには思っておりますが、まずは、港湾空間の高度利用を促進をしていくという観点からその民間の活力を活用していこうというふうに思っておりますが、例えば海洋リゾートの整備でありますとか港湾の再開発、また人工島の建設といったふうな分野にそういった方策を導入をしたいというふうに思っておりまして、それの規模の小さいものは現実に少しずつやってはおるわけでありますけれども、そういったものをより有効に活用するということを通じてこれらの事業を進めたいというふうに考えております。  なお、非常に具体的な事例でありますが、来年度の予算に絡みましては、港湾空間の総合的な整備を進めるためということで、第三セクターなどが行います港湾機能の総合的な整備事業について開発銀行などの出融資制度というようなものもつくりたいというふうに考えて、今財政当局と折衝をしておるというようなものがございます。  以上でございます。
  21. 吉村眞事

    吉村眞事君 財政が非常に緊迫をしておる時期ではありますけれども、社会資本の投資というのが日本は十分であるかということになると決して十分ではない。財政が厳しいからといってこれを座視しているわけにはまいらぬと思います。そういう意味合いで、民間の活力が導入できて社会資本の整備が進められる分野があれば今後もぜひ有効な施策を打っていただきたい。このことを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  22. 梶原清

    梶原清君 自治省の行政課長においでをいただいておりますので、まず、代書業務をめぐる行政書士会と自動車関係業界との間のトラブル、これにつきまして御質問をいたしたいと存じます。  この問題につきましては、御承知のように、去る三月二十五日に参議院の予算委員会の一般質問で行政局長にお尋ねをいたしたわけでございまして、その際私の基本的な考え方について申し上げておるはずでございます。  繰り返して申しますと、まず第一番に、行政書士制度そのものにつきましてのことでございますが、昭和三十九年の第一次臨調、この答申にも出ておりますけれども、私は行政書士制度そのものを否定しようというものでは決してありません。行政書士制度というものは必要だろう。こういうふうに思うわけであります。これが第一点。第二点は、最近行政書士会と自動車関係業界との間の深刻なトラブルが起きております。これを円満に解決をしていただく、円満な話し合いをしていただく、こういうことによって両者間のトラブルがこれ以上大きくならないように、ぎくしゃくしないようにぜひしていただきたいというのが第二点。第三点は、自動車登録検査にかかわります代書業務につきまして、全体としての業務が適正かつ円滑に行われるものでなければならない、特にユーザーの負担が少なくて済むようにしなければいけない、こういうのが私の基本的な考え方であります。  ところが最近、私が地方へ参りますと、ある整備業界の方からの切実な声があるわけでございますが、行政書士会側から話がございまして、ある整備業者に、車検の際提出する書類がございますが、これをつくることは行政書士法違反になる、その書類を持ってきなさい、そして判をついてあげましょう、何百円か出しなさい、こういうお話があるんだけれども、一体どうしたらいいだろうかという切実な質問もあります。また、自動車関係の行政書士が、行政書士会の綱紀査問委員の方から呼び出しを受けまして、一時間余りにわたって厳しい取り調べを受けた。これが数人あるわけでございますが、そういう話もあるわけであります。そして、御案内のとおり、ある県では行政書士の登録の拒否とか抹消とか、こういう話が起きておることは自治省さん御存じのとおりでございます。そこで、そうした空気があります、動きがありますだけに、自動車関係業界が、これは話し合いではなかなか難しい、解決が難しい、ぜひ立法的に解決を図ってほしいという声がほうはいとして起きてくるのは自然の姿だろうと、私はそう思うわけであります。  そこで、本日お越しいただきましたのは、こういうことをお尋ねしたいということでございますが、行政書士会という団体というものはどういう性格のものか、まず第一にそれをお聞かせをいただきたいと思います。
  23. 柳克樹

    説明員(柳克樹君) 行政書士会連合会は、行政書士法に基づきまして、行政書士の品位を保持しまして、業務の改善進歩を図るためと、都道府県行政書士会の指導あるいは会員の指導等を行っておるものでございます。
  24. 梶原清

    梶原清君 民法上の、民法三十四条の社団法人でございますね。それとも、行政書士法に基づく特殊法人のような感じがするんですが、その点はいかがでしょうか。
  25. 柳克樹

    説明員(柳克樹君) 先生おっしゃるとおりでございます。
  26. 梶原清

    梶原清君 その団体が、特殊法人である団体が「日本行政」という機関誌を出しておられることは御存じだと思いますが、あれは行政書士会がその「日本行政」という雑誌を出しておるわけですね。
  27. 柳克樹

    説明員(柳克樹君) さようでございます。
  28. 梶原清

    梶原清君 そうしますと、そういう団体が選挙運動を行う、気に食わない者に対して落選運動を展開するということはいいのかどうか、適切であるのかどうか、その点をお尋ねいたします。
  29. 柳克樹

    説明員(柳克樹君) どの行為をおっしゃっておられるのかちょっと存じませんが、一般的に申しまして、選挙運動に当たることを行うということは余り適切ではないんじゃないかと思います。
  30. 梶原清

    梶原清君 そこで、「日本行政」の八月号に、昭和六十年度の行政書士連合会、行政書士会としての運動方針が掲げられております。  そこで読ませていただきますが、今回の法改正といいますのは、これは百二国会での法改正でございますけれども、「登録資格審査が厳しくなることを予想し、特に自動車関係団体が自動車関係議員を使い、自治省に対し、雇用行政書士を禁じた行政解釈の変更を強く求めたり、或いはある単位会が会則に基づいて会員の処分を行ったことに対しこの処分を反古にせよとせまったり、車販売に伴う流通形態においては行政書士制度はなじまず、新法の創設が必要ではないかと云々し、あげくには、行政書士制度そのものを廃止せよとかの言動は断じて認められない。我々の業務は、行政書士法に基づいて成り立つのであって、これを無視し或いはこれを否定しようとするような行動は瞬時も見逃がせない。我々の基本法を無視するような者は、たとえそれが国会議員であっても、選挙のときは政治連盟と提携し」、ちょっとここからは約束がございますので読むのを省略します、十字ほどございますが。「提携し」云々、「団体等であれば積極的に告訴、告発をし、法の裁きを受けさせ、行政書士法を守り、行政書士の生活を擁護することが本会の基本的な使命と考える。本年は特にこの点に留意して事業を推進したい。」と、こういうふうに書いてあります。印刷になっておりますから間違いない。  こういうことが果たして適切であるのかどうか。私は、最初申し上げました基本的なスタンスというのは、行政書士制度は認めます。支持します。それの健全な運営といいましょうか、これは国民の利益のためになるからこれは認めます。しかしごたごたが起きていますから、これはぎくしゃくしないように話し合っていただきたい。しかし、スタンスは、やはり国民の利益、ユーザーの負担を少なくするという立場が基本でなければならないという立場でおりますけれども、要は円満にしてください、こういうことであって、果たして円満にいくのかどうか私は疑問でなりません。したがいまして、その点の所感を一行くらいで結構でございますからお聞かせいただきたいと思います。
  31. 柳克樹

    説明員(柳克樹君) ただいま御指摘の文書を見ますと、確かに何と申しますか非常にきつい感じがいたします。ただ、これも行政書士制度の発展ということを願う余りのことではなかろうかと存じますが、いずれにいたしましても、最初に先生おっしゃいましたように、行政書士会とそれから関係業界とは、ユーザーに迷惑をかけないということを基本として円満に事を運ぶべきではないかと考えております。
  32. 梶原清

    梶原清君 私自身このようなことを取り上げて言いますことは、私自身が困るからということでは絶対にございません。これは円満にやっていただきたい。そして、今日ほどユーザーの負担を少なくしなければいけないというこういう努力をしなければいけない、その方法について話し合っていただきたいということをこいねがいますために言っておるわけです。わざわざこの委員会で申し上げておるわけです。そして、私自身も役人生活を長くやってきましたから、行政課長のお立場、自治省のお立場よくわかっています。しかし、こういうことでは円満にいくことが難しいではないかということを訴えておるわけでございます。ぜひひとつ私の意のあるところをお酌み取りいただいて、十分なよい指導をしていただきたい、このように思うわけでございます。  そこで次に、この行政書士の問題でございますが、行政書士法施行規則の第十条に、行政書士は領収証はこういう領収証でなければいけないというふうに規則で書いておられますね。それによるトラブルも起きておるわけでございますが、なぜそういうことになっておるのか。ほかのところでは、例えば弁護士、公認会計士等についても領収証の制定があるのかどうか、こういう点について私若干の疑問を持っておりますので、その点についての御質問を申し上げたいと思います。
  33. 柳克樹

    説明員(柳克樹君) 確かにただいま御指摘のように行政書士会では領収証を規則で定めておりまして、これは依頼者に対しましてその報酬の内訳を明らかにするという趣旨で決められておるものでございます。ただいま御指摘のように、他の書士会では、司法書士会において連合会規則において定められておるという例しか存じません。
  34. 梶原清

    梶原清君 この領収証をいわば法定されておるということにつきまして、趣旨はよくわかるんです。しかしその運用等につきましていろいろとトラブっております。その点の御指摘だけを申し上げまして、もう一度、私のこの行政書士の問題についての基本的なスタンスは、行政書士制度は支持をいたします。しかしトラフらないようにぜひしていただきたい。そのときの基本的な考え方、スタンスというのは、ユーザー本位に考える、仕事が円滑にいくようにする、このことを再度申し上げまして、ぜひひとつ御善処をいただきたい。お立場は非常につらいと思いますけれども、ぜひひとつよろしくお願いしたいということを申し上げまして、次の問題に移らせていただきます。どうもありがとうございました。次は航空関係につきましてお尋ねをしたいと思います。  いわゆる航空憲法と言われております四五・四七体制、これの検討を今努力をされておるわけでございます。私ども自由民主党におきましても、交通部会あるいは航空対策特別委員会で、適切な、公正なといいましょうか、自由競争の導入というそういう方向でやるべきであるという意見を出しておるわけでございます。私は、必要は発明の母であるという言葉がありますが、同様の言い方をするならば、競争は発展の源動力である、このように思いますので、競争ということを導入するということは私は非常に結構なことだと思います。  しかし、忘れられてはならないことは、現在の航空業界を見てみますと、大手といえば日航、全日空、東亜国内、この三社の寡占状態にあります。あとはローカルの方を担当しておられる航空会社がある。この大手の日航、全日空、東亜国内が非常に競争心が激しい。悪い言葉で言うならば、対抗意識が非常に強いのじゃないだろうかというふうな感じがするわけでございます。そういう面があるわけでございます。そういうことによる弊害といいましょうか、問題というのがないわけではないと思います。方々へ行きましてもいろいろな方からそういう御指摘を受けます。航空会社三社が連帯をしてよく協調してサービスの改善を図っていく、向上を図っていくということをぜひ心がけていくべきである。右の手で競争ということを言うと同時に、三社が連帯をして協調して航空旅客に対するサービスを改善していくという視点が私は大切ではなかろうかと思うのですが、航空局長いかがでございますか。具体的な例は私はこの際時間の関係もありますので申し上げませんけれども、そういう視点が大切であるというふうに思いますが、いかがでございますか。
  35. 西村康雄

    政府委員(西村康雄君) 今先生からお話がございましたように、ただいま私ども航空企業の運営体制の見直しというものに着手しております。その中で、やはり競争、いい意味での競争が利用者のサービスの向上につながるという視点を持っているわけですが、同時に、その競争がやはり本質的な意味で利用者の利便につながるものでとどまるべきで、お互いの協調というものもケース、ケースによっては十分必要なことでございます。そこはやはりこの競争が、利用者の利便の向上を目的としたもの、自己の企業の単なる発展だけではない、航空事業はいかに公共的なものであるかということを十分自覚した上で競争をやる、いわば事業の社会的責任というものを同時に十分にかみしめてやっていくべきでございます。  そういう意味では、実際に各地域の路線のサービスがお互いに十分でないところ、これは互いに助け合ってやっていく、他の会社が困っている場合には手を差し伸べてやるということもまたケース・バイ・ケースで必要な点があるわけでございます。そういう点については、今具体的な問題については触れられませんでしたけれども、私どもも幾つかの問題を承知しておりますので、そういった点については協調をし、総合的にサービスの向上を図るという視点も同時に努めていきたいというふうに考えております。
  36. 梶原清

    梶原清君 ぜひよろしくお願いをいたしたいと存じます。  この四五、四七体制の問題を検討します場合にでも、空港問題というのが我が国においては非常に重要だと思うのです。御案内のとおり七十七ぐらいの公共飛行場がある。とりわけ国内空港の拠点になっておりますのは羽田とそして大阪の飛行場である。そのどちらもが非常に厳しい運航規制なりあるいはもう限度いっぱいまで来ておる。ですから、見直しをしようとしましてもその見直しの幅というのは非常に少なくなってくると思いますね。そこで党の交通部会なり航空対策特別委員会でも空港問題というのを特に取り上げまして、この大きなプロジェクトを早急に完成するように努力をしてほしいという意見も出ておるわけであります。  それに関連しまして、私は大阪国際空港の運航規制の問題についてお願いを申し上げたいと思うんです。  私はこの問題について長らく取り組んでまいりました。こんなことを言ってはいけませんが、非常に辛酸をなめてきた一人でございまして、事情は十分わかっております。訴訟の関係もあるし、調停申請団との調停条項もあるということは十分承知をした上でのお願いでございますが、こういう例があるわけでございます。  あるとき、大阪飛行場を出発する飛行機、九時が門限になっておりますので、八時四十分出発ということでダイヤが組んである。空席が多いので荷物を余計積もうということで努力をしておったところ、臨時の団体がどっと来ましたので、そこでお客さんを乗せると荷物を積んでおったのが積めなくなる。そこで重量をはかったりいろいろしなきゃいけませんので、そうこうしているうちに九時の門限が過ぎてしもうた。そこで全部キャンセルになったという事例があります。それからまた、東京を出発して大阪国際空港へ着きますのに一分か二分オーバーする、そのためにやむを得ず羽田空港へ引き返したという事例もたくさんあるわけであります。  そういうことになってきますと、乗っておるお客さんは、大阪の飛行場の周辺の人たちの環境問題、環境権、大切だけれども、わずか三分とかそういうことによってこのように引き返さなきゃいかぬとか乗れないとかということになってきますと、お客さんの立場からしますと、伊丹空港の周辺の人たちは何だという声が起きてこないとも限らないんです。それが人情だと思うんですね。  そこで私は、これを何とか円満な解決を図るべきではないか、適切な解決を図るべきではないか。九時きちっと守らなきゃいかぬことは、これは役所の方針としてやっておられるわけでございますが、そのためにお客さんがそういう迷惑になって、そしてそのためにだれを恨むかというと、結局伊丹空港周辺というものは頭がかたいとかなんとかということになってきはしないかと、これを心配するわけです。  そしてまたもう一つ、ジェット機の飛ぶ回数が一日二百回という厳しい規制がありますね。地方のローカル空港をどんどん整備をしてジェット化される。ところが大阪空港には入れない。拠点空港は伊丹とそれから羽田でございますから、その肝心の伊丹空港へ入れないというようなことになって、伊丹空港へジェット機を入れてくれという声が各地方で多いわけです。それもだめだと。環境権のために地元の訴訟団とか調停申請団、そういう関係があってだめだということで今日来ておるわけでございますが、私は、伊丹空港周辺の人も人の子なんです。心の持ち主なんです。したがって、「たたけよ、しからば開かれん」という言葉がありますですね。そこで、本当にきちっとしたことで、もし違反をしたら後で厳重注意をしますというそういうことでなしに、心の通じ合う施策をしていただいて、話し合いをしていただいて、今のような点のないようにしていただくことが私は大切ではなかろうか。  例えば伊丹空港の周辺の方が体育館がほしいと。体育館であれば、運輸省の所管のBG財団というのがございますが、そこにお願いをして体育館、プールをつくったらいいじゃないでしょうか、何億円かのものができるわけでございますから。そうしたことをひとつやっていただきたい。こういうお願いでございますので、御質問じゃございません、お願いでございますので、そういう努力をする、気持ちはわかるから努力をしてみようと、こういうことでひとつお答えがいただけるならば幸いでございます。  私は、今までのいきさつを全部捨てて、訴訟団との関係、調停申請団の関係を全く無視していいというんでは決してありません。決してありませんが、問題は心と心の通じ合うような、そういう施策というものをぜひ進めていただきたいなという希望を持っておりますので、一言だけで結構でございますのでお願いします。
  37. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 伊丹空港の問題につきましてはそのとおりでございまして、私も経験したことがございますが、当初十分九時までに着けると思っても、向かい風が強くなって、不可抗力によってまた引き返すことがあるということもございます。あわせてまた、公害補償についても莫大な費用を払っていくというような面で、現在における関西の、日本で二つの重要地帯と言われる関西の唯一の空港として適当でないということは、もうそのとおりでございます。  そのために新関西空港建設を急ぎ、これは二十四時間体制でございますから夜中でも着けるし、六十七年度中には一番機を飛ばしたいということで、今漁業補償その他鋭意お願いをいたしているところでございまして、予定どおりに六十七年度中に一番機が飛べるように、私はこれを信じておるわけでございますが、いずれにいたしましても、そういう観点からこの伊丹空港というものが現状ではいけないという点で、また今後、だからといってこれを、住民の方々との協約を今変えるということはなかなか難しいことでございますけれども、今BG財団におけるいろいろな施設等の御指摘もございましたが、さらにひとつあとう限りの努力をすることをここで申し上げておきたいと思います。
  38. 梶原清

    梶原清君 とうそよろしくお願い申し上げます。  次に、国鉄再建問題との絡みで二点申し上げたいと思います。  先ほど委員会からの派遣報告をいたしましたわけでございますが、白糠線というのが廃止になりまして、その廃線敷が二年間にわたってそのままの状態にある。これは一体どうなるんだろうかということでございますが、地元の白糠町長の話では、更地にして無償で払い下げてほしい、こういうことでございます。私はそれは少し無理なお話ではないだろうか、こういうふうに思うんです。私は丹波篠山の出身でございますが、十何キロの篠山線、今のような転換交付金もいただかないで篠山線を廃止して、そしてその土地については、今のような白糠町長さんのおっしゃるようなことではなくて今まできておるわけであります。  どうせ廃線敷、レールなり砂利なりあるいはまくら木を取っ払わなきゃいけません。取っ払わなきゃいかぬとするならば、国鉄の手で、余剰人員いっぱい抱えておるわけですから、その方が取っ払う。その際に、廃材といいましょうか、レールなり砂利なりまくら木、これを北海道開発庁さんとよくお打ち合わせをしていただいて、その資材を有効活用を図っていくという考え方というのはできないだろうかというふうに私は思うんです。線路の撤去費用と土地代と大体同じぐらいの、込みにして払い下げてしまうという考え方もないわけではないでしょう。ないわけでないでしょうけれど、私は、私が申し上げておるような考え方の方が正しいと思うんですが、その点はいかがでございましょうか。
  39. 棚橋泰

    政府委員(棚橋泰君) 先生御指摘のように、白糠線は五十八年の十月に転換をいたしました。もともとこれ鉄道建設公団建設したものでございます。国鉄に貸し付けておったものでございますので、防護さく等、安全対策等を施しました上で、同年の十二月に鉄道建設公団の方に返還されております。したがいまして、今資産といたしましては鉄道建設公団の管理下にある資産ということになっております。  そこで、もうこれは使わないものでございますから、先生おっしゃいますように、これは管理費もかなりかかりますし、できましたら有効な活用と申しますか、そういう形を考えるべきだというふうに思っております用地元から無償で使いたいという御要望があるということも存じております。問題は、先生も御指摘になりましたように、その撤去のために要する費用と管理に要する費用との相関関係において判断すべきものでございますし、また国鉄の余剰人員対策でそれらを行うという場合にでも、やはりそれによって生じます効果と、かかります人間の費用だけではございませんから、いろいろな別のコストがかかりますから、そういうものとの関連において総合的に判断すべきだというふうに考えております。  御承知のように、国鉄の地方交通線の廃線敷というのは、一部代替道路等に無償で払い下げている例もございますし、また有償で払い下げるということも可能でございます。そこらを十分判断しながら、鉄道建設公団において現在検討を行っておるというふうに承知しております。
  40. 梶原清

    梶原清君 特定地方交通線、どんどん処理をしておられるわけですが、バス転換したところについては必ずこういう問題が起きてまいりますね。ですからこれの適正な運営、総合的な取り組み方、政府全体としてこれは考えていただくべきではないか、このように思っておるわけでございます。白糠町が施設のままもらいましても、もてあますわけでしょう、レールがありましたら困るわけですから。そういう点を、廃線敷問題というものを政府全体としてお取り組みをいただきたい、適切な処置をしていただきたいという要望であります。  また、関連しまして第二の問題です。国鉄さんが関連事業に進出すると、よく最近問題になってますのは書店とかいろいろなことでトラブっておりますね。私はそれにつきまして一つの提案をしたいんですが、駅前にたくさんの自転車が放置されております。これを自転車置き場をつくって料金をいただいて、そして適正な管理をする。余剰人員があるわけですからそういうものに充てていくという考え方ができるんじゃないだろうか。東武沿線の春日部駅でございますか、あそこには立派な自転車置き場ができるおるように瀬谷先生からお伺いをいたしましたんですが、そういうようなことも考えていただいてはいかがかと思うわけでございまして、これは要望だけにいたしておきます。指摘だけにしておきまして、御答弁は結構でございます。  次に、この前車検整備制度の見直し問題が起きまして以来、私ども非常に心配しておりました定期点検整備の実施率というのが非常に落ちてまいっております。具体的な数字がもしおわかりになっておれば、その点をちょっと教えていただきたいと思います。たしか五十五年当時五七%ぐらいだったと思います。方々へ行って聞きますと、それが二〇%程度に落ち込んでおるということを聞いておりますが、いかがでございますか。
  41. 服部経治

    政府委員(服部経治君) お答え申し上げます。  定期点検整備の実施率でございますが、昭和五十九年度におきます数字ですが、自家用乗用車の六カ月点検及び十二カ月点検ともに五四%程度となっております。
  42. 梶原清

    梶原清君 それはどこの数字か、統計とっておられた正確な数字でございましょうけれども、非常に落ち込んでおるということを聞くんです。  一方、最近警察庁から発表された数字によりますと、交通事故が大分ふえております。御案内のとおり、ことしの四月十五日から自賠責の保険料の値上げをいたしたわけでございますが、五〇%程度上げたいというのを二九%に抑えた。そして、そのときの措置として、交通安全対策の拡充強化を図る、医療費の適正化対策をする、こういうことで取り組んでまいっておるわけでございますが、警察庁の発表される統計では交通事故が依然としてふえておる、道交法の改正も行われまして非常に規制強化になりましたけれども、残念ながら交通事故がふえておる。  そこで、私は定期点検整備の実施率を高める手だて、私はそれが必要だろう。ユーザーは自分の車を常に善良な姿に維持管理しなけりゃいけないという社会責任を持っておるわけですから、それをぜひ定期点検整備の実施率を高める措置をしなきゃいかぬ。ところが、一方においていわゆる代行車検というのが今ふえてまいりまして、五十七年の八月に百六十六件でございましたユーザー車検、いわゆる代行車検的なものが今日では月六千件を超えております。人間というのはイージーな方にいきやすいですから、ですから私は、自動車の安全確保、公害の防止という立場から政府としての責任を達成しなければいけません。それについて、ぜひひとつこうした問題につきまして重大な関心を持っていただいて対処をしていただきたい。具体的な内容についてはもう十分承知をいたしております。難しい事情とかそういう背景等については十分承知をいたしておりますが、安全の確保と公害の防止というのは何といっても政府に課せられた使命である、こういう立場からひとつお取り組みをいただきたいというふうに思うわけであります。  何かもし、一行でもよろしいですから、御答弁がございますればお答えをいただきたいと思います。
  43. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 自動車の安全の確保と公害の防止を図ってまいります上で定期点検整備の励行ということが極めて重要であることは、もう御指摘のとおりでございます。一部にもせよ、検査に合格しさえすればいいというようなことで定期点検をないがしろにする風潮が生まれるというようなことがあってはならないことだというふうに基本的に認識しております。私ども、そういうことのないようにぜひとも広くこの点についてのユーザーの意識の高揚というものを図っていくことが必要でありますし、また一方では、資格がないのにいわゆる代行業者が分解整備というものを反復継続して行うというような道路運送車両法違反の行為を確認しました場合には、現行法に照らしまして十分厳正に対処、対応してまいりたい考えでございます。
  44. 梶原清

    梶原清君 どうぞよろしくお願い申し上げます。  最後に一問だけでございますが、これは物流局になりましょうか、違法なプッシャーバージに対する取り組み方について前の運輸委員会で御質問申し上げたと思いますが、その後の状況だけをお聞かせをいただいて私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  45. 大塚秀夫

    説明員(大塚秀夫君) 内航海運業法に違反しておりますプッシャーバージにつきましては、その後も引き続き業界団体を中心に正常化の努力を続けているところでございますが、運輸省としましても、こうした違反プッシャーバージのうち悪質なものについては、海上保安庁に取り締まり方を要請するとともに必要な情報を提供してきたところでございます。海上保安庁ではこれにより最近違反三業者について取り締まりを行い送検したと聞いております。このような取り締まりと業界の正常化の努力によりまして違反プッシャーバージ問題は鎮静化しつつあると思いますけれども、なお今後とも正常化に努力してまいりたいと考えております。
  46. 安恒良一

    安恒良一君 私は、きょう与えられました四十分の間で二つのことをお聞きをしたいと思います。  まず、ちょっと大臣にお聞きをしたいんですが、昔から蛇がカエルをのむということわざがありますが、またそういう事実もありますが、カエルが蛇をのむということわざとか事実はないと思いますが、大臣その点どうでしょうか。
  47. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) ちょっと聞いたことございませんですね。
  48. 安恒良一

    安恒良一君 今交通営団をめぐる一元化問題について実を言うと私はそういう印象を受けるものですから、ちょっととっぴな質問だと思ったが大臣に申しました。  そこで以下漸次聞いていきたいと思いますが、御承知のように、東京都知事が中曽根総理を直接お訪ねになりまして、今度国鉄民営化をする、その場合、交通営団に国鉄が二百九十億出資しておりますが、東京都がそれをそっくり肩がわりし、いわば都営と営団の一元化、こういうことを総理に直接要請されたということで今大変大きい波紋を投げかけていると思います。そこで私は、一番必要なことは、こういう問題を議論するときは、やはり都民の足をどういうふうにして守っていくのか、安全でしかもできるだけ安く交通は提供されるというこの大原則が必要だと思いますが、どうもその視点がちょっと欠けているような感じがいたしますので、以下のようなことについて質問をしてみたいと思います。  まず、現状認識が必要ですから、現状認識を申し上げますと、交通営団というのは、昭和五十九年度末で、営業路線路線、百四十二・一キロを運営し、千九百七十の車両により一日平均五百二十万人を運んでいる。首都圏の主要な輸送交通機関の一つになっていると思いますが、この点いかがですか。
  49. 服部経治

    政府委員(服部経治君) ただいま先生の御指摘になったとおりでございます。
  50. 安恒良一

    安恒良一君 そこで、帝都高速度交通営団という特殊な企業形態をとっているわけですが、この設立の経緯について、どういう目的を持ってこれは設立をされたのか、その点についてお聞かせを願いたい。
  51. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 帝都高速度交通営団は、先生も御承知のとおり、昭和十六年に現在の形で生まれたものでございますけれども、当時営団が現在のような形で設立されるに至りました経緯は、当時の東京市におきます交通事情が非常に逼迫しておりまして、将来に向けて地下鉄というものを積極的に整備していく必要性が極めて高かった。そういう要請を踏まえまして、政府助成が最も受け入れられやすい形である公的な主体としての営団をつくりまして、計画性のある地下鉄壁術の促進を図ったということが一つでございますし、いま一つの理由は、そうしてつくられました地下鉄が効率的に運用されることを担保いたしますために、公的主体として設立された営団ではございますが、その事業運営面では極めて大幅な自主性を与えまして、効率的な事業経営を可能にするような工夫がなされたものでございます。
  52. 安恒良一

    安恒良一君 こういうふうにお聞きしていいでしょうか。地下鉄事業は建設に巨額な資金を必要とする。それから、開業後は長期にわたって収支が均衡しないために民間だけの経営は極めて困難である。そこで、政府が財政的援助と資金的問題の解決が容易であり、しかも運営では法的規制が少なく民間企業の長所が生かされる、こういう企業形態として営団が設立をされた、こういうふうに思いますが、それでいいですか。
  53. 服部経治

    政府委員(服部経治君) ただいま安恒先生おっしゃられましたとおりでございます。
  54. 安恒良一

    安恒良一君 設立の経緯それから目的についてはわかりました。  そこで、それならばその後の建設計画についてでありますが、営団は、昭和二十六年に丸ノ内線の建設に着手して以来現在まで九千四百億の建設費を投じて、六つの路線、百三十キロの地下鉄網を完備していますね。そこで問題は、これから引き続きどのような建設がされようとしているのか。さらに、昭和六十年の七月に運政審の答申がございますね。私の手元にあるんですが、それに基づいても、やはり四路線、四十九キロの建設計画中であると聞いていますが、これらの概要と、これに要する資金がどのくらいになるというふうに考えられているか。
  55. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 現在営団が工事中の路線は三線、四区間、三十六キロメートルでございます。なお、運政審答申にも盛られました内容に従いまして、ごく近い時期に営団が建設に着手すべきであるというふうに考えられますものがこのほかに四線、約五十キロメートルございます。トータルで約八十六キロメートルの地下鉄を近々十数年の間に建設しなければならないような状況に相なっています。それに要します所要資金の額はおよそ一兆四千億円でございます。
  56. 安恒良一

    安恒良一君 いただいている私の資料で見ますと、現在、工事線三十五・三キロに要する金が五千六百九十一億、それから計画線、今申された、今後つくられるものが約七千八百四十五億、合わせて局長は約一兆四千億、こういうふうに言われた。そこで問題はこの資金調達でありますが、今も言ったように、新線建設には巨額な資金が必要でありますが、営団の場合の資金調達はこれはどういう方法で営団法に基づいてやられているんですか、それを聞かしてください。
  57. 服部経治

    政府委員(服部経治君) ただいまも申し上げましたように、地下鉄の建設費は大変増高の傾向にございまして、現在では一キロメートルを建設するのに二百五十億円から三百億円というような巨額の投資を必要とするわけでございます。したがいまして、地下鉄建設に当たってまず必要なことは、いかにして良質の建設資金を調達するかということにかかるわけでございますが、営団はその所要の建設資金の約二分の一を政府の財投に仰ぐわけでございます。残りの二分の一につきましては公募交通信券といったような形での自己調達によるわけでございます。
  58. 安恒良一

    安恒良一君 そういたしますと、営団は法律上資本金の十倍の債券発行が認められている。あとは今御指摘のとおり財投の融資対象法人になっている。それで、現在までも所要資金の約五〇%の融資を受けてそして工事を進めてきた。ですから今後もこの建設工事を、今あなたが言われたように、新線建設を進めていくためには、従来どおりの財政資金の投資と債券発行額の限度額の特例法等により資金面の調達をしていく、こういうことの優遇措置は不可欠になったというふうに考えますが、それでよろしゅうございますか。
  59. 服部経治

    政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘のとおりと考えております。
  60. 安恒良一

    安恒良一君 次に、現在の営団の経営状況についてちょっとお聞きをしておきたいのでありますが、今も御指摘がありましたように、私も主張しましたように、地下鉄の建設には巨大な建設資金が必要とします。そこで、開業後に資本費の負担が非常に過重になりまして経営の収支は長期にわたって不採算となっています。このため営団は五十一年度末には累積欠損金が二百五十二億に達していると思いますが、その後の運賃改定や経営の努力によって最近はかなり好転をしているというふうに聞いておりますが、五十九年度末における営団の経営収支状況について、私は資料を持っていますからごく簡単に説明してください。
  61. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 営団でございますが、現在七線、百四十二キロを営業中でございますが、そのうち五線が黒字基調に相なっておりまして、二線が赤字基調でございます。  そのトータルの営業収支でございますが、五十九年度におきましては運賃収入でもって年間千八百億円の収入を上げまして、減価償却後二十四億円余の黒字を計上するまでに至っております。先ほど先生御指摘のように、昭和五十一年度には二百五十二億円の累積赤字を抱えておりましたが、逐年改善を見まして、五十九年度末ではその累積赤字の額は九十六億円までに減少いたしまして、現在進行中の六十年の傾向からいたしますと、六十年度末にはこの累積の赤字はさらに大幅に減りまして、約六十億円前後にまで減少するのではないかというふうに考えております。
  62. 安恒良一

    安恒良一君 そういたしますと、二百五十二億五十一年度末には赤字があったんだが、運賃改定やそれから各種の経営努力、こういうものが実って九十六億に減少した、そして単年度では黒字がこれからも出てくる、ですからこの九十六億もいわゆるこれはだんだん減少の方向にいく。しかしながら、これができたのは、一つはやはり補助金、この補助金も年々減少していますね、公的援助は。しかし、営団が自主的かつ弾力的な経営の形態を生かしながらこれを運営をしてきたということが今日黒字基調になっているというふうに考えていいでしょうか。
  63. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 先生たびたび御指摘のように、地下鉄の経営というものは非常に採算相償うまでには長期を要する性格のものでございまして、そういった事情を抱えながら、そういった事情の中で、営団の真摯な経営努力の積み重ねによりまして既に営業線七線のうち五線が完全な黒字基調の線と言い得るところまでになっております。あと二線が現在なお赤字でございますけれども、これもあとしばらくすれば路線の成熟とともに黒字基調に転化していくことが期待されるわけでございます。
  64. 安恒良一

    安恒良一君 営団の企業形態とその役割について以上のようなことで現状を明らかにしていただきましたから、今度は、今一番大きく問題になっています地下鉄経営の一元化問題について少しお聞きをしたいと思っております。  昭和六十年七月、運政審の答申がございますね。その答申の中でいわゆる東京都における高速地下鉄の基本計画が答申をされていますが、その点についてお聞かせを願いたいと思います。
  65. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 本年七月に御答申のありました東京圏の将来に向けての地下鉄整備の答申でございますが、その中では、二十一世紀に向けましてさらに五百三十キロメートルの高速鉄道整備すべきであるとされており、その中に約百四十キロの地下鉄路線東京地区で取り上げられております。
  66. 安恒良一

    安恒良一君 その答申の際に、東京都及びその周辺に七路線、約百三十七キロの地下鉄建設計画されている。この計画を達成するためには、今後引き続き二つの事業体によって建設促進する体制を維持していくことが必要であるというふうな趣旨が、この七月十一日の運政審の答申に書いてありますが、それはそのとおりでいいですか。
  67. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 御指摘のとおりでございます。
  68. 安恒良一

    安恒良一君 運政審が、一元化問題を含め、東京都における高速鉄道建設についてそういう答申をしていることは大臣御承知のとおりだと思います。そういう中で一番これから問題になってまいりますのは、やはり営団と東京都地下鉄の経営上の格差、これが乗客の負担によって解決をさせられるということになると大変な問題に私はなると思うんです。  そこで少しこれらの問題点についてちょっとお聞きをしてみたいと思いますが、営団は、単年度の収支は、今私との一問一答の中で、黒字になって累積欠損金も毎年減少している。昭和五十九年度末で九十六億、そしてこれは六十年度でさらに減るだろう。一方都営地下鉄というのは、毎年三百億を超える赤字を計上しておりまして、累積欠損金も昭和五十九年度末で二千四百億ということでありますが、こういう状況の中で、当然これは、例えば退職給与引当金とか減価償却とか、こういうことを行わなきゃならぬのでありますが、企業自体が赤字なんですから退職給与引当金も積み立てられない、減価償却も行われない、こんな形の中で二千四百億の赤字だ、さらにこれが今後とも増大する傾向にあるというふうに考えられますが、その点はどうですか。
  69. 服部経治

    政府委員(服部経治君) ただいま先生御指摘のとおり、都営地下鉄は、残念なことではございますけれども、五十九年度末におきまして二千四百億円の累積赤字を抱えておりまして、さらに単年度収支でここ当分の間は三百億円を超える赤字を計上することになりますので、この累積赤字の額はさらに年々累増していく傾向にあるわけでございます。先生ちょっと言及されましたけれども、仮に営団と同様の経理をしたという前提に立ては、この二千四百億円という現在の累積赤字は、なお実質的には大幅に上回るものであるという見方も可能である数字でございます。
  70. 安恒良一

    安恒良一君 累積赤字のほかに、都営地下鉄は多額の不良債、私の手元にある資料で約千四百六十九億の不良債務も抱えているというふうに聞いていますが、事実でしょうか。
  71. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 地方公営企業法にいいます不良債務というのは、流動負債の額が流動資産の額を超える場合にその差を言うものでございますが、それは実質的には年度末におきます累積の営業運転資金不足額を意味するものだというふうに考えてもほぼ差し支えない性格のものであるというふうに思います。その額は、ただいま先生御指摘のように、五十九年度では前年に比べてさらに九十九億円増加しておりまして、千四百七十億円程度のものになっておると承知しております。
  72. 安恒良一

    安恒良一君 次に、この一元化で一番大きい問題になるのは運賃の格差問題だと私は思うのでありますが、運賃格差の実態について、新聞では、よく初乗りが百二十円と百四十円、こういうふうになっておりますね。そこで普通運賃についてちょっとお聞きしたいんですが、例えば七キロから十一キロの場合には営団では百四十円でありますが、東京都の場合は初乗り百四十円が幾らになっているのか。ずうっと余り長い距離をやってもしようがありませんから、初乗りのところが二十円違う、これはよく新聞でも報告されているんですが、営業キロが延びるに従って、私は運賃表をもらって見ますと格差がだんだん開いていく感じがするんですが、ちなみに十一キロのところでいわゆる格差が幾らあるでしょうか。
  73. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 十一キロのところで営団の普通運賃が百四十円でございます。これに対しまして東京都の普通運賃が二百円でございまして、その間に六十円の差がございます。
  74. 安恒良一

    安恒良一君 最初二十円の格差が、八キロから十一キロになると片っ方は百四十円、八キロから十一キロの間はすべてこれ二百円、六十円高い。さらにこれが十二キロから十五キロになると百七十円が今度は二百三十円、こういうふうに格差が出てきているわけですね、今の認可されました運賃。やはり採算性ということを考えて行われただろうと思います。  そこで、やはり生産性について少しお聞きをしておかなきゃならぬと思うのですが、よく単純にどうも生産性は都営の方が生産性が上がっているというふうな見方をする人もあるんですが、まあこれは素人の方だと思います。私は交通関係専門でありますから、やはり生産性というものを比較する場合はいわゆる輸送密度それから運行密度、また職員一人当たりの輸送人員、これを正確に見ていかないと生産性云々というのは鉄道業においては言えないと私は思うわけです。そういう角度から、単純に、行革審なんかの議論の中にもちょっとそういう議論があったと聞きますからこれはいけないことだと思いますので、生産性について少し営団と東京都営地下鉄はどうなっているかということについて説明をしてもらいたい。
  75. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 生産性の見方につきましてはいろいろなアプローチの方法、見方があるわけでございまして、それぞれに意味を持つわけでございますが、端的に職員一人当たりの生産性というような指標を拾って申し上げますと、職員一人当たりの車両走行キロは営団が都営の一・五倍でございます。また一人当たりの輸送人員は営団が一・六倍になっております。また職員一人当たりの輸送人キロは一・九倍、職員一人当たりの運賃収入は一・三倍でございます。なお、職員一人当たりの経常費用、これは逆に営団が都営の七割になっております。
  76. 安恒良一

    安恒良一君 時間がありませんから、比率で言っていただいたと思いますが、私の手元には比率と何時に実際の数字があるわけです。鉄道における生産性というものは、輸送密度、それから連行密度、そして職員一人当たりの輸送人員、それから職員一人当たりの運賃収入、職員一人当たりのいわゆる営業支出、こういうものを比較するのが、いろいろな説はあるだろうが、私はノーマルな比較の仕方だと思いますが、それでいいでしょうか。
  77. 服部経治

    政府委員(服部経治君) 私どもも基本的に同じ理解をいたしております。
  78. 安恒良一

    安恒良一君 大臣、以上のやりとりを聞いていただいたと思うわけです。  そこで、私は一番やはり心配をしますのは、総理は大変民活ということがお好きだし、効率化、一元化ということも総理お好きなんですが、実は総理のところに直訴されたということですから、本来なら総理に聞きたかったんですが、運輸委員会ですから、総理の御出席をいただくわけにいきませんし、国務大臣、特に運輸行政の最高の責任者でございますから、私は、今回の一元化というものがどこから出てきたかというと、どうも最初は、今お聞きのとおりに、非常に東京都地下鉄が赤字を抱えている、一方は黒字基調だ、こういう中で赤字対策等の問題がかなりやはり鈴木都知事の頭にあったんじゃないかと思います。ところがだんだん、それになると、今度は新聞の論調からいうとそれは無理だと出てくると、どうも都知事も、一元化のねらいは現行の都営とか営団のいわゆるお客のためにならないからだと、こんなことを言い出されたんですね。例えば累積赤字なんかは一般会計でまず埋めてもいいなどということを言われてますが、私は、まず一元化されて一番問題になるのはやはり運賃をどうするかということになると思うんですね。そうしますと、今の営団の運賃で都営を全部律するということにならないとやはりどうしても運賃が高めになってしまうことに一元化になるとなるだろうと思います。そういうようなこと。  さらに、それぞれが新しく新線を建設していくためにも膨大な金が必要だ。今の営団法に基づく方法でやれば、いわゆる財政投融資の対象であるとか、それから営団法に基づくところの起債の問題であるとか、そういうことで新線建設も資金面でもうまくいく、こういうことが今やりとりで明らかになったわけです。私は、何といっても利用者側から見た一本化というのは今の時点においてはプラスにならないと今の議論聞いて大臣お考えだと思います。  そこで、大臣のところにもその後都知事からいろいろ要請があっているようでございますから、地下鉄の一本化の問題、それから民営移行の問題等々についての大臣の所信、お考え方をこの際お聞かせを願いたい。
  79. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから御意見を承っておりまして、おおよそ私もそのとおりだと思っております。およそ、それぞれの成立の経緯を異にした二つの事業体が一本化するためには相当のそれなりの理由がなければならない、いわゆる必然性というものがなければならぬということでございますが、しからば現在その必然性があるかというと、私は必ずしもそうは思わないのであります。  今いろいろ質疑が行われましたように、まず第一番に、経営の面から見ましても、営団は黒字基調であり都営は赤字基調であるという基本的な問題がございます。さらにまた、たった今先生も御指摘されましたように、運賃にいたしましても差があるが、こういう二つのものが、黒字基調と赤字基調が合体した場合にはどうも赤字基調に引きずられるという立場から利用者運賃の負担が従来よりも高くなるという問題。それから、これも今御指摘ございましたように、現在二つでございますから、それぞれ非常に有利な資金源をお互いに工夫して持っているが、一本化するとそれが十分でなくなるためにこれからの建設が鈍くなってぐるというような面でございます。したがいまして、こういう面からするならば私は現状がいい。  今民活の問題御指摘ございましたが、何もこれを一律的に民活民活ということでは私はいけないのであると思っておりますし、そういう趣旨から、先般知事も私のところへ見えました。見えましたから、率直に今ここで申し上げましたような意見を私は知事にも申し上げて、そう簡単にこれ一緒にするというわけにはまいりませんよと、率直な私の意見も申し伝えておいた次第でございます。
  80. 安恒良一

    安恒良一君 大臣は、現状維持でやはりそれぞれでやった方がいい、そのことが東京都都民のための利便にもなるし新線建設の速度も早まるであろう、こういうことでございますが、私も、やはり今後の首都圏交通難を緩和するために今後も引き続き地下高速鉄道整備拡充を急いでやらなきゃならぬと思います。でありますから、大臣の御指摘のとおり、営団は当面の現状の経営形態でその利点を生かしながら効率的な事業運営を行って地下鉄網の早期完成に努力をすべきだというふうに考えます。  そこで、やはりそうは言いながら、一方お客の方からは、二つあることによってのサービス面でいろいろの不便が指摘をされていますね、乗り継ぎの駅の問題であるとか乗り継ぎ精算の問題。私は、こういうものは都営地下鉄、営団地下鉄のままにおいても当然乗客の要望にこたえて直さなきゃならぬことだと思いますが、こういう方面の指導についてどうお考えになっていますか、お伺いいたします。
  81. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりでございまして、現在、たしか双方を乗り継いだ場合に四十円か、通算制と申しますか、とっておりますが、今一番大きな問題となっております国鉄の改革におきましても、いわゆる遠距離逓減方式でもって通算制をとられるということになっておりますし、私は、この方式がさらに合理化される、つまり今までの四十円というようなことじゃなくて、もっともっとこれが合理化される方策を、たとえ経営の主体が違っておってもとれないことはないと思っておりますので、今後ともそういった、矛盾ではございませんけれども、もっと合理的になるように話し合うように努力してまいりたいと思っております。
  82. 安恒良一

    安恒良一君 この点は運政審も、総合的な情報案内の実施、それから乗り継ぎの円滑化、乗り継ぎ切符の発売等によるサービスの一体化を推進するようにという、ことしの六十年七月十一日の運政審の答申にも指摘がされておりますから、大臣の格段の行政的な御指導をぜひお願いをしたい、こう思います。  続いて、日本航空の社長、関係者お見えでございますから、日本航空問題についてちょっとお聞きをしたいと思います。  実は、御承知のように、日本航空が八月に墜落をして大変痛ましい犠牲者を出して、再びこういうことがないようにということの議論をこの運輸委員会の中でも私はしたと思います。それと同時に、やはり明確な責任を明らかにするべきだということで議論をして、中曽根総理先取りをされまして、社長、副社長のいわゆる引責辞職というところまで至っていることについてはよく承知しています。  そういう中で、十月の三十一日の日にまたもや大変遺憾な事態が出てきている。御承知のように、成田発モスコー経由パリ行きの日本航空が大きく航路から外れたという問題が起きております。事実関係についてはかなり説明を私たちは聞いているわけですが、どうしてもこういうことが起こるのが信じられないのであります。それはなぜかというと、機長のうっかりミスだということになっていますが、機長のほかに副操縦士、機関士、こういう六つの目があるわけですから、この六つの目が、INSに戻したかどうかという、いわゆるHDG自動操縦に切りかえられておったのをINSによる方向に戻したかどうかというようなこと等、これは当然私は、もちろん操縦士の責任もありますが、その横に副操縦士もおるし航空機関士もおるんですが、そういうことが全然気がつかなかったということに非常に奇異を感じます。  それからもう一つの問題は、ほかからの予防措置として、日本海を航行する民間飛行機の経路監視について、レーダーは自衛隊のほかに運輸省の航空路監視レーダーもあります。ところがどうも運輸省の航空路盤祖レーダーはこれまた気がつかなかったようです。これも私は不思議でなりません。そして、自衛隊側が気がつきまして、直ちに自衛隊側が何度も何度もこの日航機に対して、いわゆる緊急無線について常時これをモニターしている義務がありますから、それに基づいて呼びかけたんだが、日本航空機はモニターの方も怠っておったんじゃないか、わからなかった。そのうちに自分たちで気がついて、急遽ソビエト側との交信をして事なきを得たということでありますが、たまたま大韓航空機の問題等がありまして、ソビエト側も非常にこの扱いは慎重であったし、それから航空自衛隊側も早く気がついてそういうことをやったのですが、肝心の日航側が全然そういうことについて気がつかない。あれだけの大事故を起こしておきながら、またもやかと言いたいわけです。  そしてまた、その後最近いろいろ、例えばオーストラリアのシドニー空港ですか、飛び立ったときはどうだこうだとか、いろんなことが次から次にこのところ何かこう出てくるわけですね。  そういう意味からいって、まず運輸省としては、厳重に注意したとか何とかかんとか言われておりますが、大体どうされようとしているのか、この日航のこういうあり方について。私は、航空機というのは、もう安全という観点からいうと大変に今の航空行政そのものについて心配をしていますが、そこらの考え方をまず聞かしていただきたい。
  83. 西村康雄

    政府委員(西村康雄君) 今お話しのように、今回また航路逸脱の事件が起きましたこと大変遺憾に思っています。日航機事故がありまして、再びこのような事故を起こさないということをかたく我々運輸行政に携わる音あるいは航空会社に従事する者一堂そういう決意を固めていたはずのところ、またこういった事件があったことを大変残念に思っております。  この問題につきましては、今回の事件そのものこつきましては、航法を確実に守るというような基礎的な問題を励行するというようなことから、さらに、こういった過失が起きるような会社経営のあり方という問題まで含めまして、我々は広く原因を探求して再発防止ということに進まなきゃいかぬ、こういうことを真剣に考えているわけで、いろんな機会を通じてそういう趣旨を徹底させていきたいと考えております。  なお、航空路の監視レーダーにつきましては、今回の事件におきましては運輸省の監視レーダーの覆域外のところで大きく逸脱したということで、それを防衛庁のレーダーが見ていたということでございます。
  84. 安恒良一

    安恒良一君 どうも答弁が月並みで了解できません。  八月、そして十月三十一日、そしてまた十一月というふうに次から次にこう出てきているわけですね。しかも、今回のこのミスというのは全く初歩的なミスだと言われている、初歩的なミスだ、うっかりだと。  そこで私は、きょうは日本航空からも社長以下関係者お見えになっていますが、個々の乗務員の自覚を促す、乗務員に自覚をさせるということも非常に重要だと思います。しかし、ただ単に、私から言わせると、運輸大臣、これは個々の乗務員の自覚だけの問題じゃないんじゃないのか。やはり日本航空の社長以下の管理体制に大きな欠陥がありやしないか。今もあなたはそのことについては調査中というのか、研究中というようなことなんですが、私は、そこらの点についてどういうふうにこれを改善されようとしているのか。  それから、時間がありませんから一括お答えを願いたいんですが、実は私は羽田沖事件が起きたときにも、社長がまず責任をとって体制を引き締めてもらいたい、管理体制をしてもらいたいということを強くしたんですが、事故防止をすることがいわゆる最高の責任をとることだということでそのままになりました。今度八月の事故が起きたときにはやはり私は、どうも社長だけがやめて副社長が昇格という空気がありましたから、そんなことではだめですよ、社長以下関係者全体が責任をとるべきだということをここで主張したと思います。そういう議論等を聞かれて、運輸大臣や中曽根総理が、社長も副社長もということで、大変いろんな日航側から反発があったように聞いております。しかし、私から言わせると、今回の場合のようにこういう初歩的な運航ミスが出てくれば、運航本部長以下関係者もまず責任を明らかにする、その中でやはり従業員にも自覚を促していくという、この二つがないと、新聞で見る限り、もう全くミスですということで操縦士が涙ながらに頭を下げた。こんなことで済むことじゃない。  ですから、前回の事故についてはまだ、運航の事故なのかそれとも整備の事故がということで研究中だと聞きますけれども、少なくとも今回の事故については運航のミスですから、社長、副社長上同時に運航本部長にも大きい僕は責任があると思う。そういう点についてあなたたちはどうされようとしているのですか。国会等で厳しく指摘をしないと、みずから進退を明らかにする、体制を厳しくするということがないのですか。私は大変遺憾に思うんです。あれだけの大事故を起こしてわずか一カ月足らずしてまたこんなことが起きてくるというようなことで、何か従業員に自覚を促せばそれで解決する問題ではないと思うんですが、ここらの問題について、きょうは日航から社長、運航本部長もお見えになっていますから、お考えを明らかにしていただくと同時に、運輸大臣としてどうされるんですか。こんなことが次から次へと続いたらますます国民は航空行政に対する不信を募らせるだけですよ。不信が募るだけじゃなしに、安全性という問題ですからね、これは。このことについてお聞かせを願いたいと思う。
  85. 高木養根

    参考人高木養根君) ただいま安恒先生から御指摘ございましたように、八月の、一機の事故としては未曾有の大事故の反省を踏まえまして、全社を挙げて安全運航に取り組む、こういう姿勢でやっておりますときに、またまた十月末に、ただいま御指摘いただきましたようにモスクワ線の路線逸脱という重大な事件を起こしました。私ども本当に我々の安全運航確保の努力がまだまだ及ばないという反省をいたしておりまして、まことに申しわけない次第でございます。  ただいま御指摘がございましたように、個々の乗員だけの問題ではなしに、会社の体制の問題があるのではないかという御指摘のように承りました。実は、先ほどもちょっとお触れになりました羽田沖の事故の後に、運航本部を中心にしました安全運航体制の再確立ということで、現在の平沢運航本部長を、私の責任において、最も適任であるということで、彼に我が運航本部の再建という重任を期待したわけでございます。そして平沢君は就任以来いろいろ安全体制の推進ということで努力をしていただきましたけれども、特にその基本である、基本に忠実に、あるいはルールを遵守する、規定、規則、手順等のルールを遵守するということを、就任以来毎年の本部の計画の中でも必ずこの点を強調しておりますし、いろいろな乗員を中心にしましたミーティング、会議等におきましてもこの点を常に強調しておりますことを私も会社の責任者として十分に承知をしております。  やはり何といいましても、幾ら体制をつくり、規則をつくり、手順をつくりましても、これを守らないことには本当に安全は確保できないということで、この重点につきましては本当に一生懸命になって努力をしてもらったということを私は承知しておりまして、そういう意味で今回の航路逸脱という重大な事件を起こしました乗務員諸君に、どうしてこれだけ基本に忠実に、規則を守りルールを守れということを見落としたのかという点が非常に私は遺憾でございます。  しかしながら、やはり我々経営者としては責任の重大さということを感じておるわけでありまして、運航本部長並びに副本部長につきましては既に譴責という処分をいたしております。何としても私どもとしては、本当に安全を守るという体制と同時に、先ほどからお話がありますように、個個の乗務員が決められたことをきちんと守る。きちんと守ればこういう事件は起こらなかったわけでありまして、決められたことをきちんと守るということ、うっかりミスなんていうことを絶対起こすことがないように今後とも指導していきたい、そういう体制をつくっていきたい、このように考えております。
  86. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 例の八月十二日の事故、これで五百二十名の方のとうとい人命が失われたということに対して私は再三再四遺憾の意を表してまいりましたが、日本航空会社自体の責任からいえば、私はむしろ今度の方が重大であるという点においては、まことに遺憾のきわみに私は存じておる次第でございます。特にこのことにつきまして、今回の事故につきまして私から厳重注意、あるいはまた二度と起こらないような厳重注意、さらに厳正なる処分等につきましても、私は社長に直接お願いしたところでございます。何よりも、航空機に対する信頼感、安全に対する信頼感、あるいは会社に対する信頼感を著しく失墜したということは、事は重大だと私は思っております。  そういう意味からしますると、私が一々処分の内容に立ち入るのは差し控えなきゃならぬかもしれませんけれども、そういう重大性にかんがみて、この程度なのかな、妥当なのかなという感じが率直に私の今の気持ちでございます。  なお、今後どうするのかという御質問でございますけれども、今会社の経営の問題いろいろございました。やはり日本航空の体質を変えなきゃならぬ、血液も逐次変えていくべきじゃないか、そんな私の一つの信念と申しましょうか、それも手伝って、先般の役員の更迭につきましても、私の意見も十分申し上げてそういうふうにしたつもりでございますが、あわせて、ただ単に管理者だけではなくて、これは労使双方といいましょうか、私は労使双方の何かぎすぎすした問題がこんな事件につながるとは申しません。申しませんが、ただ、人がそう見るところに問題がある。  したがって、先般、私は今回の人事の前に四つの労働組合の幹部の方々とそれぞれ個々にお会いいたしました。率直な意見も承りました。会ってみるとみんないい方ばかりで、もう少し、こんないい方とならばいい話ができないかな、あるいはまた経営者の方も私は決して悪いとは言いません。それぞれまた経営者の方にもよく話してみたいと思うんですが、何か従来の積年の弊と申しましょうか、お互いに話し合う場になると心の窓を閉める。むしろ心の窓を開くような、そんなことにひとつ持っていきたい。私は新しい経営者の方にも強くそれを要望し、これからは打って一丸となってそういう面で新しい日本航空にひとつだんだん脱皮していただきたいというのが私の気持ちでございます。
  87. 安恒良一

    安恒良一君 もう時間がありませんから、また改めて時間があるときにやりたいと思います。  私は一言だけ言っておきたい。日航の社長の今のような反省では私はだめだと思いますね。個々の従業員とか、我々はこういうことで処分しましたということじゃないと思うんです。やはりもう一遍深く掘り下げて、今運輸大臣も所見を言われましたが、いろんなことを僕は深く掘り下げてお考えになるべきであって、今程度の、私があれだげ強調したにもかかわらず、まあ守りてもらえばいいんだと、うちの方としてはこういうふうに本人を譴責にしたとかどうとか、そんな考えを持っておられるから私は日航が直らない。  そういう意味から、そのことを私の意見として強く言っておきます。あなたたちが今後どうされるかということは今後ずっと見せていただいて、だめならだめで国政の場でさらに追及します。それと同時に、運輸大臣もどうぞしかとした監督をしていただきたいということを申し上げて終わりにしたいと思います。
  88. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十分休憩      —————・—————    午後一時二十一分開会
  89. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言を願います。
  90. 小柳勇

    小柳勇君 まず冒頭に国鉄総裁に質問いたします。  私が言うまでもございませんが、国鉄再建の基礎になりますのは、国民が国鉄を信頼して利用することであると思います。これは旅客貨物もそうでございます。特に国鉄としては安全に正確に客貨を目的地に運ぶ、これが一番大きな眼目であらなきゃならぬし、そのためには、国鉄の経営のあり方なり、労使が国鉄の事業に真剣に取り組んでいるという姿が国民にわかり、国民が安心してこれを利用する、それをつくり出すのが国鉄再建の一番基礎だと私は思います。  この点についてまず国鉄総裁から見解を聞いておきたい。
  91. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 現在、改革の問題で大変内部でも、また外からのいろんな御批判もいただきながら議論を続けておりますし、また日常におきましても、今先生おっしゃいましたように、毎日の輸送を安全にサービスよく確保していかなきゃならぬという大命題は各職員が一生懸命これを遂行しているという状況でございまして、これからの多難な国鉄のあり方につきましても、労使一体となりましてこれを遂行していく。また先生おっしゃいましたように、これが国民の目に明るく映るということがぜひ必要であるというふうに私も確信を持っておりまして、そういう気持ちて組合とも相対応しておるつもりでございます。
  92. 小柳勇

    小柳勇君 同じ問題でございますが、運輸大臣にもその点お聞きしたいんです。
  93. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) この問題は国鉄の内部の協約にかかわる問題でございまして、したがいまして、基本的には労使で御判断いただくべき問題だと考えております。願わくは、国鉄労使相協力して余剰人員対策の円滑なる実施に御協力いただくようにお願い申し上げたいと思います。
  94. 小柳勇

    小柳勇君 亀井委員長が御多用の中きょうまた御出席いただきました。感謝いたします。  同じ質問でありますが、亀井委員長の再建監理委員会は、赤字国鉄をどうして黒字になすか、こういうことを主眼にしておられたと思うのでありますが、ただ、その審議の中で、我々新聞などを拝見しまして、やはり国鉄労使、特に労働運動に対する国鉄管理者、当局の対応なども十分にこの委員会の中で論議されたと聞いています。私は、もう私が言う必要もないことでありまするが、赤字の解消も一番基礎でありまするが、労使が真剣に国の財産及び国民の旅行なり足を確保するために一体となることが一番今基礎であると思いますが、いかがでございましょう。
  95. 亀井正夫

    参考人亀井正夫君) 小柳先生のおっしゃるとおりでございまして、私これを議論するときに、やはり企業体というものは健全体質であるということで、これは赤字がないという状態が健全体質であると思っておりますが、それと同時に、やはり労使の関係がお互いに信頼感で結ばれ、そして共通の目標に向かってそれぞれの立場で進むということが非常に大事だと思っています。  私ども二年間において、組合の幹部の方とも何遍もお話をいたしましたが、ある組合の幹部は、労使の関係というのは経営のかがみである、こういう言葉を言われました。私自身長年労使をやっておりまして非常に感銘を受けたわけでございまして、今までのやはり経営の姿勢、また組合の受け取る姿勢というところにいろいろの問題があった、こういうふうに認識をしております。
  96. 小柳勇

    小柳勇君 御丁寧な答弁でございます。ありがとうございますが、私の持ち時間二十分しかございませんので、私はきょうは興奮してしゃべるかもわかりませんが、御答弁はなるべくひとつ簡潔にお願いします。  そういう、私ども国鉄に育ち国鉄を守って一生懸命やってまいりまして、国鉄を愛しています。したがいまして、中央の大新聞など、地方の新聞などにこのような「列の乱れに賃金カット」「国鉄、また変な処分」とか、「香椎駅で国労いじめ」とか「安全帽着用せず草取り作業人権救済申し立て」、まだほかにたくさんあるんですよ。こんなものを朝新聞にぽっと三面トップ記事で見ますと、またかと、まことに残念で泣き出したい。国鉄を愛するがために、国鉄を再建しなければならぬと決心しておるために、こんなのを見ますと本当に泣き出したいような気持ちです。  国鉄総裁いかがでしょうか。この心境を聞いておきたい、これをごらんになりまして。
  97. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 国鉄は三十万の職員が毎日安全な輸送を実行しております。何といいましても、職場が規律厳正に保たれ、また明るい職場で仕事ができるということが何より肝要であるというふうに思うわけでございます。  先生の今ごらんになっております新聞の中身はちょっと私も存じ上げておりませんが、そうした不明朗なことが起こってはならぬというふうに思っております。
  98. 小柳勇

    小柳勇君 これは内容は先般おたくの職員局長に私は渡しております。ごらんになっていただきたいと思うんですが、この内容は、名札を車掌さんが二人つけてなかった、だからおろして一日ある部屋に置いて、そして監視しながら規則を写したりなんか、これは教育と言っておりますけれども、実際は懲戒処分でしょう。私もこの間労使の前で言っておいた。必要があればちゃんと名札をつけることは大事なことだ。ただ、それをしなかったからこれで車掌をおろして、そして監禁同様にしていわゆる教育なるものをやる。そういうものがここに書いてあります。  それまでは、ここ一年ぐらい前は、こういうふうな新聞が逆の立場で、例えば飲酒運転とかあるいはふろに早く入ったとか、労働組合、職員のことが大きく出ておった。最近は、国鉄当局の出過ぎというのか、もう一つのやつは「列の乱れに賃金カット」、これは朝点呼するとき五センチばかりずれておった、それで賃金カットしたというわけだ。賃金はそれは抗議されて返したようですけれども。そんなことが大きく新聞に出るのは、記者があるいは新聞社が、余りにも管理権力を乱用してはおらぬかという意識ではないかと私なりに判断しています。それはいろいろ新聞社の判断でありますから。  言うならば、今管理者と労働組合との力関係と言おうか、労使は対等でなきゃならぬ。対等に交渉して職場を守り仕事を完全にするのが労使の一番大きな基本でありまするが、その力関係が労働組合にうんと悪くなったから余りにもひどくはないかというのが、ここにありますのがほとんどがそうです。新聞記者の感覚なり新聞社がそうとったんではないかと思いますが。したがって、この問題は弁護団なりが人権侵害などでいろいろ今後も問題としておられますから、きょうはこれはおきます。これはこの間おたくの職員局長に私の部屋に来てもらってこの話をいたしました。そのときに私が申しましたもう一つの問題、きょうはそのことが主体です。  それは労使間の雇用安定協約の締結の問題です。数日前に、やっぱりこういう新聞でありましたけれども、おたくの労働課長が新聞記者に、今組合の方がどうもこの三項目を守らぬから、国労以外の労働組合には協約を締結するけれども国労は締結しない、そういう談話が載っておりました。したがって私はそのことを組合の責任者から聞いた。協定は十一月三十日で切れるというのに結ばぬでいいのかと聞いたら、いや結びたい、結びたいが当局からいろいろ話があって結べないんですと。したがって、職員局長にまたこの問題をこれと同時に聞きました。ところが職員局長がおっしゃるには、三ない運動といいまして、やめない、休まない、出向かない、この三ない運動というのをある管理局でやっておる。二十七地本があるのに二十二ぐらいがこういうのをやっておるところがありますから、この三ない運動がなくなりませんと協定どころじゃありませんと言われた。私は、十一月三十日に期限が切れるからそれまでに何とか組合と一緒に話してくれぬかと言いましたが、とてもだめですと言ってお帰りになった。  だから、私どもはその後いろいろ方々努力をいたしました。労働組合にも話しました。関係団体にも話しました。この三ない運動というのと協約を結ぶのとどちらが大事かと言ったところが、労働協約を結ぶのが大事ですと。それなら三ない運動はやめなければならない。そこで一昨日、昨日の拡大中央委員会、これは全国から各地本、二十七地本の代表が参りまして、ここで委員長が発言いたしまして三ない運動をやめることを決定いたしました。  私はその委員長の発言をここに持っております。「したがって、派遣労働者の組織対策の確立を一層強化するとともに、この協約が提案された時から、協約締結以降の今日の状況の変化に留意しつつ「三ない運動」をやめて対応することとします。」これでいろいろ意見が出たようであります。それはそのとおりです。それは管理者の間にもいろいろ心の動揺があろうと思う。三十万いる職員が二十万になる。十万人はやめなきゃならぬ。したがって、これは労働者だけじゃない、管理者の中にも、おれは一体あしたどうなるんだろうかという心配があろう。そういういらいらがあろう。そういういらいらがあるからなるべく自分で首を切られないように、職場を追われないように一生懸命に努力している。したがって、労働運動としては三ない運動に発展したかもわからぬが、しかしそれが協約の邪魔になるならばといって委員長が提案をしてこれが中央委員会で満場一致で決まりました。  そして同時に、雇用安定協約の継続締結についてという提案がなされて、こう決まりました。十一月三十日までに雇用安定協約を継続する立場で交渉を強化する。この場合協定による募集行為は妨げない。これが三ない運動をやめるということであります。このように決定いたしました。  したがって、総裁、職員局長なりあるいは労働課長なり職員課長なりいろいろ意見はあるかもしれぬ。あるかもしれぬが、総裁として、さっきおっしゃったように、今世間は労使関係がどうなるであろうかということを心配している。特に国鉄労働組合には五つの組合がある。先般日航事故のときに私どもは、四つの組合が何か一体になれぬかということを心配しながら運輸大臣に質問をした。国鉄職場の中に五つの組合がある、小さいのがもう一つありますが、それは労働者だけの責任じゃありませんですよ。管理者から参議院に出た。その組織をつくらなければならぬ。昭和二十八年運転局から出ました参議院議員は機関車労働組合をつくられた。私どもはそれをいろいろ確証を持っています。しかしそれはもう過去のことです。今その組織はどんどん発展していますから言いません。  そのようにいろいろ発生した原因がありますから、その五つの組合がなるべくならば内部で対立しないように管理者としても一つの組合の代表を集めて一緒に交渉するぐらいのことがなぜできないか。そうして、あなた方の立場から組合の中にくさびを打ち込んでおいてやればあるいは管理しやすいかもしれぬけれども、それは国鉄の大きな組織としては、あるいは国民としては不幸です、日航について運輸大臣が心配しておられるように。そういうことでもしも事故が発生するとするならば申しわけが立たないですよ。  したがいまして、いろいろ言いたいが時間がありませんから総裁に聞きますが、早急にこの協約、十一月三十日が期限です、早急に協約を調印していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  99. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 労使関係の基本は、もう先生前からおっしゃっておりますように、相互の信頼関係にあるというふうに思うわけでございます。そのために、いろいろな問題でお互いに信義則にのっとって行動するということが大切であるというふうに思っておるわけでございますが、その一つといたしまして、一遍つくりました協定等につきましてはこれを遵守するということがぜひとも必要であるというふうに思っております。  この雇用安定協約の問題、それのまたバックグラウンドである余剰人員対策の協定の問題、いろいろな経緯がございまして今まで来ております。そうした経緯の中で、今回国労の中央委員会が開かれまして、ただいま先生がおっしゃいましたような三ない運動の中止を委員長が発言をし、これを承認するというような一連の動きがあったことを私承知をいたしたわけでございまして、そうした一連の動きにつきましては、従来に比較いたしまして、ただいま申し上げました労使間の信頼関係の回復のために一歩前進であるというふうに評価をいたしたいと思います。  これを今後どうするかということでございますが、いわば雇用安定協約の前提条件である三本柱の問題につきまして一つの原点に返ったというふうにも思うわけでございますので、先生今すぐに結べとおっしゃいましたが、もうしばらく地方の動きなどを確認をさせていただきながら労使間で真剣に討論をしてみたい。問題が、客観情勢非常に大変なときであるだけに、また信頼関係を今後一層深めるという意味合いにおきましても、この機会に、まだ若干の日にちがございますので、十分に労使間で話し合いを詰めたいというふうに考えておる次第でございます。
  100. 小柳勇

    小柳勇君 その答弁では納得できません。あともう十日しかない。十一月三十日が期限です。  もう一つ、国鉄本社は国鉄本部と対等の関係あるわけです。現地の方は局長がいます。したがって、現地でいろいろまた問題ありましょう。しかし、あれだけ中央の方で、全国から代表が集まって中央でこれを三ない運動をやめようと決めた。それをこれから帰って各機関でまた図っていくわけです。若干は時間がありましょうが、協定の方は十一月三十日で切れます。したがって、もう一回重ねて言いますが、十一月三十日までには協定を調印していただけますか。
  101. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 十一月三十日が期限でございます。この協定が切れないことを私は期待をし、希望をしておるわけでございます。そうした観点で十分に国労の組合幹部と話を詰めていきたいというふうに思っております。
  102. 小柳勇

    小柳勇君 運輸大臣に、これは直接運輸大臣の関係じゃありません。ただ、やっぱり国鉄の労使関係の問題は、まだ公社ですから日本国有鉄道運輸大臣の監督下にあります。私が申し上げておりますように、労働組合が多数ありまして管理者としても困るだろう。ただ、私は、やっぱりこの際運輸省も一体となって国鉄の労使関係が円満にいくように、こんな新聞ででかでかと出るようなことが一日も早くなくなるように監督してもらいたいが、いかがですか。
  103. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 午前中の安恒先生の御質問にもお答えしましたように、会社は違いますけれども、日本航空でも同じような現象が見られるということで、双方の不信感を取り払うために御協力いただきたいということを四つの組合の個個にも先般申しましたし、これは国鉄も同じことでございますし、双方が円満に話し合いを進めて、そして今御質問になったようなことが円満に解決がつくことを心から私は望んでおる次第でございます。
  104. 小柳勇

    小柳勇君 それから、亀井監理委員長せっかくおいでいただきましたから、私の時間が参りましたが一問だけ質問いたします。  それは、亀井委員長北海道へ行っていろいろ答申の内容を説明しておられます。また住田さんも九州の熊本へ行って説明しておられる。その他委員が、例えば吉田耕三参事官も行って四国で。その中で、監理委員会委員先生方は答申が出た後なお総理やあるいは運輸大臣のような権限のあるような発言をずっとやっておられるが、一体監理委員会の権限というのはどんなものであろうかと疑うような発言があるわけです。時間がありませんから内容を申し上げられませんが、例えば、失礼ながら亀井委員長の発言の中では、四国の保留四線はあるいは検討しなきゃならぬでしょうとか、金が足らなければまた上積みを考えなきゃならぬとか言っておられますからね。住田さんに至りましては、九州の、我々がまだ計算もしておらぬ財産をちゃんと計算をしながら、九州にはこれだけ財産をやるんだぞと、こう言っておられるわけだ。そんなに監理委員会委員の権限があるのかどうか、率直にお願いしたい。
  105. 亀井正夫

    参考人亀井正夫君) 監理委員会は、法律に基づきまして国鉄の再建に関する具体的な意見を申し上げるということが主たる任務になっております。また、意見書を出した後におきまして、各地方からその内容とかいろいろ解説をしてもらいたいと要望もございますので、こういうことについての私どもの趣旨を御説明をするということは我々の監理委員会の任務のやはり付随業務と思っておりますし、また社会的責務であるというふうにも思ってやっております。  先ほど先生御指摘のように、それを変えるとかなんとかは言っておりませんで、そういう御趣旨があれば、関係当局へ検討のことをお伝えをしたいという趣旨でお答えをしております。
  106. 小柳勇

    小柳勇君 時間が参りましたから、最後にこれは運輸大臣並びに監理委員長に質問いたしますが、これは自民党のもとの運輸大臣の小坂徳三郎先生から私がいただいた本です。この本の中に、「国鉄はいきなり六分割しても再建はできない」。それから、まあ内容をずっと書いてありますが、「単純な民間企業感覚では国鉄は失敗する」。それから「総資産九兆円、じつは五十兆円ある」。自分としてはとりあえず二つの機能国鉄を分割する。すなわち「固定資産や長期債務、それに設備投資をもっぱら統括する公団と、列車を走らせる現在の国鉄鉄道事業を運営する会社に分離する」。そして、性急にやらないで時間をかけてやるべきだ、五年間は様子を見て、それでも経営が悪化すれば、そのときさらに分割などを考えたらよいというこの本をいただきました。私これを読みまして、全く私どもが今国鉄再建の方途としていろいろ考えております。その大部分をこの小坂先生もお考えだなと思いました。  同じ自民党でありますから先生方ごらんになったかどうかわかりません。しかしほかにも、自民党の中にも私どもがずっといろいろ話しますと、今度のような六分割、それが二十四分割になって、しかもその上を全国一社の貨物列車が通るなんということは、とてもそれはもう不可能ではないか、新幹線のリース会社もそうだ、そういう意見なんですが、運輸大臣の率直な意見、それから亀井委員長の意見をお聞きしたいんです。
  107. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 小坂先生がいろいろと国鉄改革について御意見をお持ちだということは私も承知しております。先輩大臣として御意見を拝聴したいと思いながらまだ実現いたしておりませんが、早急にお会いしてまたお教えをいただきたいと思っておりますが、総じて、監理委員会の意見に対しては、たびたび申し上げるように、内閣も最大限にこれを尊重するという建前で今進んでおりまして、そういう点でひとつ御了解をいただきたいと思います。
  108. 亀井正夫

    参考人亀井正夫君) ただいまお話の小坂先生の本を私はちょうだいしておりませんで、読んでおりませんのでよく存じませんですが、今先生御指摘のように、いろいろ問題があるという御指摘ももちろんそうだと思いますが、そういう面を、ひとつ国会において慎重に私どもの案を御検討をいただきたい、そういうふうに思います。
  109. 小柳勇

    小柳勇君 質問を終わります。
  110. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 早速亀井委員長にお尋ねいたしますが、この前の運輸委員会で私は、文藝春秋九月号に書いてあります問題を取り上げまして、こういうふうに監理委員会のメンバーが国鉄を私物視していろいろなことを言っておるということはまことにおかしいじゃないかということを取り上げたんですが、亀井さんのお話ですと、事実と違うので文藝春秋社に訂正を申し入れたということなんです。それでどういう内容の訂正を申し入れたのか、それに対する文藝春秋社の回答がどういうものなのかをお聞かせ願いたいと思います。
  111. 亀井正夫

    参考人亀井正夫君) 私に関する関係においても相当いろいろ事実に反することがございます。例えば例を申し上げますと、五月九日に中曽根総理に私が会って国鉄人事問題をお話をした、けんか別れになったというようなことが、たしかそう書いてありましたけれども、五月九日に私は中曽根総理にはお会いはしておりませんし、私の立場からいって、国鉄の首脳人事問題についてはどういう方とも一遍も話をしたことはございません。  そういうようないろいろ反証を挙げれば幾らでもございますが、それで文藝春秋の編集局長に抗議を申し込んでおりますけれども、いまだに返事をいただいておりません。
  112. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 それでは国鉄の余剰人員対策についてちょっとお伺いしたいんですが、監理委員長全国行脚をされたとか、あるいはこれは国鉄総裁ですか、いろいろと余剰人員問題については努力をされておるということなんですが、我々が具体的に見聞したところは、例えば駅の弘済会の売店と同じような直営売店などというものをつくったり、コーヒーをつくったり、牛乳とあんパンを売ったり、こういったようなことをやっておるわけですね。あんなことは私はその場しのぎの仕事であって、問題の根本的解決策にはならぬという気がするんですがね。その点は一体どうなのか。  まず基本的には、関連産業の方に余剰人員の受け入れ方を頼んで、そしてやることはその中に割り込ませるということだけのような感じがするんですよ。これは言ってみれば、三人がけのベンチにもう少し場所をずらしてくれ、四人座らしてくれと、こういうようなものですね。一人前の席を置いて、そこに四人目に座ってもらうんならわかる。三人しかかけられないところへ無理やり割り込んでいって、そして四人座らせてくれ、こういうやり方のような気がするんです、実際にやっていることは。これはキヨスクだってそうでしょう。これからやろうとすることがみんなその程度の、その場しのぎのような気がするんですが、そんなことしか考えていないのかどうか、この点お伺いしたいと思うんです。
  113. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 余剰人員対策の一環としての関連企業とのかかわり合いでございます。三人の座席に四人入るというような例をお示しいただきましたが、根本的には、これからの関連企業の御協力の仕方は、これから新規採用するであろうそういう人々につきましては、どうぞ国鉄職員を採用してくださいというふうにお願いを申し上げているところが一つでございます。これは非常に数字的には大きなことでございますので、ぜひともこれはお願い申し上げたい。  それからもう一つは、現在直営売店等で品物を売り、コーヒーショップをやりというような、そういうことについてはどうかというお尋ねかと思いますが、これはいわば民間経営としての一つの予行演習といいますか、経営感覚というものの勉強というふうにも私考えておるわけでございます。実際の収益あるいは余剰人員の吸収そのものは、なかなかこれで万全を期するというわけにはまいりません。しかしながら、何とかして多くの余剰人員を活用させたいという気持ちのあらわれの一つであることも間違いないわけでございまして、キヨスク等の既存の売店等と連携をとりながら、今申し上げましたように少しでも役立つように、また少しでも勉強になるようにということで、なれない武士の商法といいますか、そういうものを今懸命になってやっておるところでございまして、私は地方へ参りましてそういう職員にじかに話を聞きます。どうですかと言いますと、なかなか大変です、しかし非常に勉強になりますということも言われております。  そういう意味におきまして、どうぞ今後とも御理解を賜りまして、私どももこの問題を引き続き拡大していきたいというふうに考えております。
  114. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 今総裁は勉強させるという意味だということもおっしゃっているんですが、しからば、例えば書籍を売ろうとする、クリーニングをやろうとする、いろんな仕事をしようとすることに対して中小企業分野協というのが、きのうの新聞によりますと、決議をして、国鉄の進出を許すな、こういうのが出ております。つまり、本も売っちゃいけない、クリーニングもやっちゃいけない、いろんな仕事をやっちゃいけないということなんですね。赤字は出しちゃいけない、もうけちゃいけないというんじゃどうやったらいいんですか、これは。何か名案がありますか。こういう事態になっているんですよ、現実には。  亀井委員長にちょっとお伺いしたいけれども、こういう問題に対して、一体監理委員会としてはやれというのか、これはやっぱり遠慮しろというのか、端的にお伺いしたいと思うんです。
  115. 亀井正夫

    参考人亀井正夫君) 監理委員会としては、余剰人員問題は、意見書に出しましたように、私鉄並みといいますか、一般民間並みの生産企業たれば九万三千人、その中で三万二千人は新規の新しい企業といいますか、新事業体で引き受けていただくということで、結局六万一千人を退転換を図るということで、二万人は希望退職、四万一千人は三年をかけて転換、こういう大枠を構想としてお示しをしたわけでございまして、具体的にいろいろそれをどう持っていくかということにつきましては、内閣に雇用対策本部ができ、鋭意これを御検討でございますし、民間としても引き受けをいろいろ御協力を申し上げ、国鉄当局におきましても、同じかまの飯を食った方を路頭に迷わさないという努力で、いろんな多面的な努力を今やっておられるということで私どもは評価をしておる次第でございます。
  116. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 時間の関係で貨物問題についてお聞きしたいと思うんですが、一つ一つやりますと時間がかかりますので、この際以下の点について資料を提出してもらって、審議はまた改めてやるようにしたいと思いますが、とりあえず監理委員会の意見に基づく貨物会社の作業状況はどうなっておるのか。まず第一に、十一月までに結論を出すことになっておるんだけども、どうも我々は何も聞いてないんです、中間報告も何も。それで監理委員会があっちこっち行っていろんなことを言われるけれども、国会の方では何にも我々は聞いてないんです。  それでまず一番に、貨物量というのはどうなのか。それから貨物の取り扱いの駅数はどうなのか。貨物の関係の要員数はどうなのか。それから販売方式は一体どうなのか。例えば往復列車単位の販売といったような販売方式です。それから五番目には、収支の見込みはどうなのか。六番目には、この貨物会社の資本金はどうなのか。それから、貨物会社の線路の使用料というのは一体どういうことになるのか。こういったようなことを、これは一つ一つ聞くには時間がございませんから、まずこれらの貨物関係の資料を提出してもらいたいと思います。それに基づいて改めて質問をしたいと思います。  それから、現在わかっていることでも、経費が収入の倍になっておるというんですね。貨物会社を切り離して、線路の使用料を払って六つの旅客会社を渡り歩いてなおかつ黒字の配当が出るという計算はちょっと出てこないんですよね。午前中安恒議員から、蛇がカエルをのむという話は聞いたことあるけれども、カエルが蛇をのむという話は聞いたことがないという話があったんですね。だけども、貨物を切り離してなおかつ黒字になるというのはこれはカエルに蛇をのませるようなものです。トノサマガエルがアオダイショウをのむぐらい難しいですよ。これは手品みたいな数字のごまかしでもって片づけられちゃ困るんですね。一体この貨物問題どういうことなのか、結論は出たのか出ないのか、いつ結論を我々の前に示すことができるのかというようなこともあわせてお答え願いたいと思います。
  117. 棚橋泰

    政府委員(棚橋泰君) 貨物会社につきましては、御承知のように監理委員会からは大筋について御意見をいただきました。その線に沿って具体的なものを十一月中に結論を得べく作業をいたしております。  ただ、先生今御指摘のように、現在経費が収入の倍というような貨物部門でございますので、もちろん国鉄全体としまして、資本費の問題とか年金の追加費用の問題とか、いろいろ始末すべきものは始末いたしましても、なかなか貨物会社を採算のとれるものとして成り立たせるということは御指摘のように非常にいろいろの問題がございます。したがいまして、そういう問題を一つ一つ今詰めておりまして、そういう意味で若干作業が長引いておるという状況でございます。できる限り十一月中に結論を得たいということで、今最後の作業を行っておるところでございます。したがいまして、その過程におきましていろいろな試算その他を国鉄運輸省との間でやっておりますが、結論的な数字を得ておる段階ではございません。  今先生からお話のございました輸送量とか駅数とか販売方式、収支見込み、資本金、それからレールの使用料といったものは、そういう段階におきましていろいろな現在試算をしておるところでございまして、それがある程度まとまりました段階におきましては、先ほど御要望のございましたように、必要な資料は御提出を申し上げて国会におきます御議論をお願いいたしたい、かように思っております。
  118. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 今のお答えだと、鋭意今詰めているという話だ。だけれども監理委員会の答申の期限は切れちゃっているんですよ。二回目の結論だって十一月ということになっているんですからね。幾ら詰めても話が煮詰まらない。これは本当のつまらない話ということになるんですね。これは改めてまた質問をすることにいたします。時間の関係で、それじゃせっかく鉄建公団日本航空においで願っておりますので、まとめてお聞きいたします。  日本航空にお聞きしたいことは、先般サハリンの近辺まで飛行機が間違って飛んでいったという事件がありました。そこで、サハリンなり千島列島は、航空地図を見ますと、無断で飛び込んだ場合には撃墜するかもしれないということも書かれているところなんですが、あの日本周辺に、そういう無断で飛んでいった場合に撃墜されるような場所がどこにあるのか、パイロットに対する周知は十分に行われているのか、このことに限ってお答え願いたいと思います。日本周辺でいいです。中東だとか中南米だとかがたがたやっているところはいいです。日本周辺だけ教えてください。
  119. 平沢秀雄

    参考人平沢秀雄君) 今御指摘の航路逸脱事故を起こしまして、私責任者といたしましてまことに申しわけなく思っております。深くおわびを申し上げます。  ただいまの御質問でございますけれども、日本近辺というお話でございますが、侵入をいたしました場合に撃墜するとはっきり言及している空域はソウルの大統領官邸上空以外にはございません。この空域も、侵入すればいきなり撃墜ということではありませんで、一たん警告が発せられる、こういうふうになっております。  それから飛行禁止区域につきましては、乗員が新たに路線に投入される際に行われます路線訓練というのがございますが、そこにおきましてその点指導されますとともに、機長の路線審査においても知識の確認というのをいたしております。また、乗員が乗務する際に携行いたします航空路図によりましても常時確認できるようになっておりまして、乗員に周知徹底を図っているところでございます。
  120. 瀬谷英行

    瀬谷英行君 最後に鉄建公団にお伺いしますけれども、京葉線の貨物路線、鉄建公団が四百四十億投資しているとか、名古屋の南方貨物線、これも利息だけで年二十億だとか、国鉄のお荷物がいっぱいふえるという意味のことが出ているんです。それで鉄建公団は一体どうするつもりなのか。やっぱり鉄建公団の人はトンネルができてしまうと後御用済みということでは先行きやはり不安があると思うんです。だから、鉄建公団は鉄建公団なりになすべき仕事というものがあると思うんですが、監理委員会がこの問題についても必ずしも明確に触れていないようなんでありますが、公団自体の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  121. 内田隆滋

    参考人内田隆滋君) 先生御承知のように、鉄建公団につきましては、五十四年十二月に、青函トンネルが完成した時点において他との統合等を図るというようなことになっておるわけでございまして、この基本的な考え方につきまして今政府御当局の方で御方針を御検討になっておられるわけでございまして、我々はその線に従って今後公団運営してまいりたい、こう思っておるわけでございます。  しかし、私たちの意見はというようにお話がございますのでつけ加えさせていただきますと、御承知のように、青函トンネルあるいは上越新幹線というようなものの中で培われました鉄道技術、これは非常に水準の高いものだと我々は信じておるわけでございまして、またこれに従事しておる職員等も御配慮いただきまして、今後政府その他関係方面に適当な御処置をお願いしてまいりたいというように考えておりますし、また我々自身もその線に沿って仕事を今後進めてまいりたい、こういうように考えております。
  122. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 亀井参考人におかれましては、お忙しい中を本委員会に御出席くださいましてありがとうございました。亀井参考人には御退席いただいて結構でございます。
  123. 伏見康治

    伏見康治君 質問に入る前にちょっと同僚の委員の皆さんに釈明しておきたいことがございます。  私は本来商工委員会委員なんですが、この日航機の事故の問題につきまして運輸委員会に乗り込んでまいりまして、あるいは皆さんに御迷惑をかけておるかと思うんですが、私の考えでは、参議院というのは、いろんな委員会というものがそれぞれ省庁に対応するものとしてつくられているというのは、衆議院と全く同じ体制でぐあいが悪いのではないかと思っているわけですが、私は商工委員会で石炭の、山の、炭鉱のいろいろな事故に関して質問して、つまり安全問題に対する感覚を養わされましたので、安全問題ということで国政一般を眺めていきたいと思っているわけでございますが、そういう意味合いでこの運輸委員会に出てまいりまして、安全問題をひとつ眺めてみたいと思っております。そういう意味で出てまいりましたということを同僚諸君に御了承を願いたいと思います。  八月十二日に起こりました日航機の事故で五百何十人の大変たくさんの方々が亡くなられましたことを深くお悼み申し上げたいと思いますが、こういう大きな事故を起こしました関係の皆さん方はそれぞれ大いに責任を痛感しておられるだろうと思うのでございますが、運輸省としてもそういう国民の安全を守るという立場からいってやはり責任を感じておられると思うのでございますが、伺うところによりますというと、運輸大臣は事故に遭った飛行機に乗っておられた。まかり間違えば運輸大臣も事によるとあの世の方であったかもしれない。御自身のそういう肌に感じた御経験からも、今後こういうことが起こらないように大臣としていろいろ御抱負がおありになるかと思うのでございますが、その御抱負を伺いたいと思います。
  124. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 今お話しのとおり、あの飛行機に私も乗っておりまして、ラッシュ時で上を旋回しておったらどのようになったかと思うと、私も決して他人事ではないと思っておりますし、かつてボンベイの事故、あるいは二年半前の羽田事故のときも——ボンベイの事故は私乗っておりましたが、羽田事故のときも一便おくらしたために私は助かったということでございます。そんなことを考えると、やはり一つの宿命と同時に使命感というものが私は何か心の底からわいてくるわけでございます。  そこで、先生今御指摘のように、これからどうするかという問題につきましては、まず第一に、二度と起こらないようにするためには原因の徹底的究明が大事である、そのことについて費用が要るならば、何ぼでも僕は総理にお願いして、費用は国費を出してもらうようにするからということで、今徹底調査をお願いいたしておるわけでございます。  さらにまた、日本航空の内部の体制はいいのか。例えば労使の問題でもぎくしゃくしていると言われているし、そのことが事故につながったと言わないまでも、そういうふうに言われるだけでもやはり私は十分ではないということから、そういったことについても日本航空の社長初め皆さん方にはいろいろと苦言を呈しておるわけでございまして、今後とも総合的な安全対策というものをさらに推進するように監督官庁の責任者として努力をしてまいりたいと思います。
  125. 伏見康治

    伏見康治君 それでは少し細かいことを伺ってまいりたいと思いますが、日本の社会は、平生のいろいろなことにはなかなか上手に対応しておりますけれども、一たん危機が起こったときには必ずしもうまく対応できないというような批判が、時々日本人として耳に痛いことを聞かされるわけでございますが、まず、その羽田の事故が起こった直後に運輸省としておとりになったいろいろな何というんですか、続いて例えば同じような事故が起こらないためにおとりになった措置があったと思うのでございますが、それがどういうことであったかということをちょっと御説明願いたいと思います。
  126. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 日本航空の羽田沖の事故は、事故の原因が機長の病気というようなやや異例の事態でありました。この事故の後、運輸省といたしましては、日本航空に対して特に運航部門を主に、また整備部門も含めて立入検査を行いました。乗員の健康管理あるいは乗員相互のコーディネーションと申しますか、社内の乗員の組織、グルーピング、そういったものを主に改善を勧告いたしました。社内の健康管理の部をつくるとかあるいは産業医をふやすとか、こういった乗員の健康管理部門の強化日本航空は図ったところでございます。  一方、運輸省自身といたしましても、この事故原因に照らしまして、航空審議会において乗員の健康管理に関する方策を諮問し、五十八年の十一月だったと思いますが、審議会の御答申を受けまして、例えば乗員の身体検査、これをこれまで各会社の社内の産業医で行っていたものを、東京地区におきましては航空医学研究センターという財団法人を設立いたしまして、そこにおける中立的な目で乗員の定期検査、身体検査を行うとか、あるいは身体検査基準の見直しを行いまして、最近の状況にのっとった身体検査基準を制定いたした等々の施策を図ってまいったところであります。
  127. 伏見康治

    伏見康治君 今羽田の事故のときからのことをお話しくだすってありがとうございましたが、八月十二日の事故についてはどういうことをおとりになったかということをまずお伺いしたいんですが、よく仕出し屋が出した弁当で小学生が何人か下痢をいたしますと、その仕出し屋は営業停止になると思うのでございますが、日航機は五百人の人を殺して、営業停止までいかないまでも、同機種の飛行機を全部とめるといったようなことは考えられてもよかったかと思うんですが、その辺の考え方ないし実際におとりになったことを教えていただきたいと思います。
  128. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 航空機の事故の後にどのような措置をとるかということは大変難しい問題でございます。今回の八月十二日の事故に関して申しますと、当初、十二日の事故の時点ではもちろん原因がわからなかったわけでございますが、その後、翌日でしたか、相模湾で尾翼の一部が海上から揚収されました。それによりましてこの事故の原因あるいは重大な要因というものが多少わかったわけでございます。そういうこともありまして、事故から三日の後の八月十五日に垂直尾翼の一斉点検というものを日本のボーイングの全機に対して点検を命じました。  それからさらに、十七日には後部胴体の圧力隔壁につきましても事実上ボーイング747の全機に対しての点検を指示したところでございます。これによりまして、日本の空を飛んでおりますボーイング747、これの尾部関係の構造の安全性をとりあえず確認したところでございまして、今回の事故に関して申し上げますと、私ども時を誤たず必要な対策を打ったというふうに考えておりまして、私どものとった処置は妥当なものであったのではないかと考えておる次第でございます。
  129. 伏見康治

    伏見康治君 ただいまのお話を承っておりますというと、事故の直後にもう既に墜落の原因はわかっていたというふうに理解してよろしいんですか。
  130. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 事故の原因と申しますのは、通常との航空事故でもそうでありますが、中立機関であります航空事故調査委員会において十分な調査がされ、最終的に原因が確定するものでございます。それまではいろいろ推定がなされるわけでございますが、私どもといたしましては、本件の事故の後、いろいろな推定がいろいろな機関あるいはマスコミ等々でされました。あるいは事故の現場からの情報等々もあったわけでございますが、それらを迅速に判断いたしまして、疑わしき部分はまず点検して安全を確認しながら飛ばす、こういう基本的な態度を持ってやったことでございまして、当初から事故の原因を頭に置いて打った措置ではございません。
  131. 伏見康治

    伏見康治君 八月の十五日から十七日ぐらいにかけて同種類の飛行機というか、似たような飛行機について一斉点検を命ぜられたようでございますが、その結果いろんな欠陥、例えばボルトが欠けていたとかというようなことが見つかったというふうに伺っておりますが、その実態はどうであったのか、そういう欠陥を発見した後はどういうふうに処置されたかということをお話し願いたい。
  132. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 先ほどお答えいたしました事故直後の一斉点検、これは垂直尾翼と後部胴体及び後部胴体の耐圧隔壁、こういうようなところについて行ったわけでございますが、結果を総括的に言いますと、特に安全上支障となるようなふぐあいは見当たりませんでした。しかしながら、顕著に見られましたのは、後部耐圧隔壁を胴体に取りつけている取りつけボルトというのがございますが、これは胴体の周囲合わせて三百四十本ほどのボルトで、一本は大変小さいボルトでございますが、このボルトに折損あるいは緩み等のふぐあいが見られました。  日本のジャンボ、当時六十九機でございましたが、六十九機の点検を九月九日に完了いたしたわけでございますが、六十九機のうち九機に先ほどのボルトの折損等が十五本発見されております。当然この折損したボルトは取りかえて新しいボルトにしたわけでございますが、この結果から見まして、私どもが学んだことは、これまでのC整備点検の項目、つまりどこを点検すべきかというような項目でございますが、これに一部至らない点があるようだ、C整備点検でこういうものは点検されるべき項目である、こういうように判断いたしまして、その後C整備点検、三千時間ごとの点検でございますが、C整備点検にこのようなボルトの点検も含めたということでございます。
  133. 伏見康治

    伏見康治君 その一斉点検でいろいろなふぐあいなところが現に発見されている。となりますというと、そういう機体は実は絶えず点検されて飛んでいるはずだと思うのでございますが、一斉点検をやるまでは、ふだんやっている点検ではそういうところがみんな見逃されていたということなんでしょうか。
  134. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 航空機の整術点検は、基本的には、メーカーが指定した整備の点検の間隔、それからメーカーが指定した整備の項目、これに従って行われているところでございまして、ただいまのボルトの折損につきましてはメーカーの指示も特にございませんでした。ということで、私どもはこれはC整備点検要目に新たに含めるべきことであるということで含めたわけでございます。  メーカーのこのボルトの折損に関するコメントとしましては、ボルトの数三百四十本等という数からいいまして、一本ないし二本の折損は安全上は特に問題ないというようなコメントでございましたが、私どもはこの点検の結果を教訓としましてこのC整備点検に含めたということでございます。
  135. 伏見康治

    伏見康治君 承るところによると、ふだんの整備点検の場合にはサンプル点検、つまり全数をいわば見るのではなくて、サンプルについて見るんだというふうに伺っているんですが、そうなんでしょうか。それの根拠をひとつ説明してください。
  136. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 最近の航空機整備点検というのは、一昔前と大分様相を異にしております。ただいま御指摘のありましたサンプリング検査と申しますのは、特に構造部分の点検において用られている手法でございます。  航空機は、大きく分けますと、機能する部品と、機体の胴体構造といいますか、いわゆる構造の部分というふうに分けられるわけでございますが、機能する部分については余りサンプリング検査というのはやっておりません。特に定時点検、三百時間ごとのA整備と申します点検、あるいは三千時間ごとのC整備と申します点検、これは日本航空の場合の時間を申し上げておるわけでございますが、こういった点検は全機やっております。こういった点検は主としてよく使うような部分の点検をしておるわけでございます。  構造の点検と申しますのは、工学的に構造に欠陥が生ずるというのは、一番多いのは金属疲労、つまり長期使用による金属疲労、これからくる亀裂、それからあるいは使用条件等によりまして起こる腐食の問題、こういったことでございまして、これらは比較的機体の構造の発生する場所が似通っております。またある程度の使用期間を経て出てくる問題でありますので、サンプリング検査方式という、全世界のボーイングを対象といたしまして、これは六百機以上あるわけでございますが、この六百機以上の中の比較的使用時間の高いもの、これを総数の二〇%程度指定いたしまして、この年とっていく機体について構造の検査をやる。そこで亀裂なり腐食なりが発見された場合に、その飛行機を修繕することはもちろんでございますが、こういった情報を世界の航空会社に流しまして、各航空会社は、サンプリング検査されてない機体に対してもその部分を検査し、必要な補強、修繕を行う、こういうようなやり方でございまして、これは現在の大型のジェット機に共通に取り入れられている考え方でございます。
  137. 伏見康治

    伏見康治君 今のお話ですと、例えば長い間使っていて、いわば老朽しかかっているものは特に念入りに調べるといったようなお話があったと思うんですが、新聞によりますというと、今度落ちた飛行機は前にしりもち事故を起こしてそれを修理するという、いわば過去の傷があるわけですね。ですから当然その傷があるものとして特に念入りに整備点検されていたものと考えたいんですが、そうだったんでしょうか。
  138. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 今回の事故機、JA八一一九でございますが、これが七年前、五十三年の六月二日に大阪国際空港でしりもち事故を起こして尾部を損傷いたしました。このときにはボーイングの修理チームに頼みまして、日本航空がボーイング社の修理チームに委託しまして、羽田で修復作業を行ったものでございます。  修復作業の考え方としましては、当時、製造の状態に直す、技術的に申しますと、いわゆる製造のジョイント、製造される飛行機が連結される部分、こういう部分を利用しまして、壊れた部分を大がかりに取りかえる。したがいまして、これを直し終わった場合には製造の状態に返るという技術的判断がありまして、それで修理が完了したわけでございます。その後、御案内のように、今回の八月十二日の事故の後、ボーイング社はその修理作業の過程において作業ミスを行っていた、こういうことを声明しておるわけでございますが、それはそれといたしまして、考え方といたしましては、製造の連結部分において交換しているということで、まず事故の影響はこの機体についてなくなった、こういうような技術的な判断をしておるわけでございます。
  139. 伏見康治

    伏見康治君 その点についてはまだ後でお尋ねいたしたいと思いますが、一斉点検のような場合に出てまいりました小さなボルトの欠損といったような小さな事柄というものは、私はなかなか実は大事なデータだと思うんですね。釈迦に説法ですが、安全工学の方でハインリッヒの法則というのがございまして、一つの大きな事故が出る前には二十九件の小事故があり、その前には三百件の故障と申しますか、事件にならないような小さな事故がある。つまり、大きな事故というものは突然あらわれるものではなくて、そういう小さな事故のいわば親戚のようなものとしてあらわれてくるというのがハインリッヒの法則だと思うんです。  私の友人の石谷清幹君は、非常に文学的な表現が好きなものですから、同じことを「霜を履んで堅氷至る」という言葉で表現しております。つまり、だんだん冬に向かっていくということが、まず毎日歩く道路に霜がおりるということから悟って、それがやがて川の水が凍るというところに至るんだということが霜を踏んでいる段階でわかると石谷君は言っているわけです。  ボルトの欠損といったような、それ自身では大事に至らないような小さないろいろな故障というものがやがて大事故に至るということは、これはハインリッヒの法則で確立されていると思うんです、安全工学の方でね。そういう意味で、いろんな検査体制の中でそういう小さなデータを非常に大切に処理なさるということを心から希望しておきたいと思うんですが、そういうフィロソフィーはいかがですか。
  140. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) ただいま先生御指摘のそのような安全理論については承知いたしておりまして、私どもまことにそのとおりだと思っております。  このような大型のジェット機を毎日飛ばしているという航空会社にとりましては、やはり飛行機が機械である以上故障というものは避けられないのが現実でございます。この故障を小さな故障において発見し、それでその故障を直すのは当然のことでございますが、その故障がどうして起こったか、これの原因の探求に努める。それからまた、同種の故障が起こるような場合には、特にその原因によって故障を全くなくすような飛行機の装備品の改善ですとか部品の改善、こういったいわゆる我々が言う技術対策というものを立てまして故障を少なくするというのが現在の航空会社の整備部門の一番大きな課題でございまして、このために各航空会社とも多数の技術スタッフあるいは整備員等を擁しまして、これを統計的手法あるいは個別の技術分析等によりまして整備の品質を保っている、こういうことをしておるところでございます。
  141. 伏見康治

    伏見康治君 いろいろな事故が起こりましたときの責任追及といったようなことになりますと、どこに責任があるのかということがやっぱり問題になり得るわけなんですが、今度の飛行機の事故にかかわっているいろいろな組織があると思うんですが、まず運航しておりました日航がいろんな責任を持ってしょうし、それをつくったボーイング社がいろんな責任を持ってしょうし、それからそのボーイング社の機械をいわば保証するというか、それが安全運航にたえるものだということを言っているアメリカのいろいろな組織ですね、FAAですとかNTSBとかといったような組織があるわけですね。それから日本ではもちろん運輸省がかかわり合っている。それから国際的には何かICAOとかといったようなものがある“いろいろなものが錯綜していて、責任追及という言葉は悪いですけれども、事故の発生が一体どういうふうに伝わってきたということをたどるのに非常に厄介なんですが、その辺の関係はどういうふうになっているんでしょうか。  例えば、ボーイング社はもう既に事故の原因を、しりもち事故の修理がまずかったということでおじぎをしているという新聞報道がございますが、そういうことは責任のある何かステートメントであって、日航も日本運輸省もいわば免責されているような話なんですか、それともそうでないんですか。その辺のところが非常にややこしくてわからないんですが、説明してください。
  142. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 何分、事故の原因あるいは事故の責任ということになりますと、現在航空事故調査委員会において調査中でございます。それで、その間にありましてボーイング社の声明もございますが、ボーイングは修理作業においてミスを犯したということは声明している、これは事実でございます。ただ、修理作業のミスによるこのでき上がりの部分、これが事故の原因とどういうかかわり合いがあるのか、この事故がこれだけで起こったのか、あるいはほかの要因があったのか等々につきまして現在事故調査委員会調査中でございます。そういった意味におきまして、事故の原因にかかわる責任の問題というのはまだ明確に論ずる段階ではないと、こういうふうに考えております。
  143. 伏見康治

    伏見康治君 今の質問は、少しお答えが私の期待している答えではなかったんですが、つまり、こういう事故が起こったときにそれに対して何かいろんな措置をする、要するに後始末をする責任の主体というものはどこにあるのかということなんですがね。例えば、地元の方々に大変な御迷惑をかけている、その御迷惑をかけたことに対する何か補償みたいなものがあるとすれば、一体それはどこが払うのか。日航が払うのか国が払うのか、あるいはボーイング社が払うのか、そういう関係を伺っているんです。
  144. 西村康雄

    政府委員(西村康雄君) 今回の事故が起きました結果、非常に捜索救難活動を通じまして多数の人々を煩わせたわけでございます。  それで、今の御質問に的確にお答えすることになるのかどうかわかりませんが、遺族に対しましての関係は、これは事故原因がわかりまして、これに関連して事故責任がおのずから明らかになってくるわけですが、現在のところ、少なくとも航空機の一次的な運航責任のある日本航空が窓口となって補償の態勢に入っている。なお、ボーイング社も先ほど来申し上げましたように修理ミスについて自分で認めている。これは原因に少なからぬ関連があるということを前提に、とりあえず日本航空と共同して補償に入りたいということを言っております。そして両社の関係はいずれ事故原因が明らかになったときに決めるということでございます。  それから、捜索救難に当たられました方、これは国あるいは地元の地方公共団体、そのほかいろいろなボランティアの方々、それから形に見えないいろいろな問題がございます。これらの問題につきましては、国あるいは地方公共団体として当然尽くすべき最低の問題については、これは国あるいは地方公共団体が直接負担することになりますが、原因者として負担すべき問題、これについては、現在例えば群馬県では約八億円という費用がございますが、このうち五億円ほどを日本航空に請求するというような形で実際の費用の負担関係というのをやっております。ただ、これはまだどの費目についてどうなるかということについてそれぞれ、何しろ今まで例もありませんし、考え方も必ずしも明確になっているわけではございませんが、そういう点についてお互いに話し合いをしながら現在やっているということでございます。  これからそういう意味でいろいろな費用の問題については、なおその他の側面で費用負担の問題が出てくるということがあろうかと思います。
  145. 伏見康治

    伏見康治君 遺族の方々に対する補償等できるだけ早く御当人に渡るように特別な配慮をしていただくように私からお願いしておきますが、同時に筋を立てるところはちゃんと筋を立てていただきたい。  それで、先ほどのまたしりもち事故の後始末といいますか、それの影響について伺いたいんですが、そのしりもち事故の修理をボーイング社がやって、それが完全に行われたものと考えたのが実は不完全であったということになっていると思うんですが、それを見過ごしたのは一体何に欠陥があったとお思いになりますか。
  146. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) この修理作業は、日本航空の所有機でございますので日本航空が修理の方法等を決めるわけでございますが、本件のこのしりもち事故の後の修理作業といいますのは日本航空がメーカーのボーイング社に委託して行った作業でございます。日本航空は所有者として運輸省に対して航空法の規定により修理改造検査を申請し、運輸省の検査が同時に行われたわけでございます。それで運輸省としましては、この修理改造検査に当たりましては、日本航空がボーイングに委託している作業でございますから、ボーイングの作業については十分な監督体制をとるように指示したところでございます。  そのように、実際の作業がボーイング社の修理チームによって行われる、日本航空はこれを監督し、また同時に運輸省に対して修理改造検査の受検者としていろいろ報告あるいは資料の提供等があったわけでございますが、運輸省といたしましては、修理計画の審査あるいは修理過程の作業の管理の方法、あるいはでき上がった場合の最終の確認である地上機能試験あるいは飛行試験等々を行いまして、最終的に修復作業は完了し、もとの状態に復した、こういう判定を行ったのでございます。ただ、結果として、ボーイング社の声明にありますように、作業ミスが内在したことは大変遺憾なことでございまして、日本航空の監督体制が不十分だったと言わざるを得ないかと思います。今後運輸省といたしましても、このように下請と申しますか、外部に委託して作業する場合の監督体制については十分なものを行うよう指導していきたいと考えているわけでございます。
  147. 伏見康治

    伏見康治君 監督官庁としての運輸省に私は何かやはり手落ちがあったのではないかと思いますので、そういうことが再び起こらないための分析を十分にやっていただきたいと思うわけです。  そういう意味でもう一つ、人間の場合ですと、何か病気して手術でもしたとなれば、そこはやっぱり健康体に戻ったとしても、初めから健康であった方と比べて何か弱点があると考えるのは当然で、したがって、しりもち事故で修復してもとどおりになったとおっしゃるけれども、そのこと自身がやはり一つの傷になっていると私は思うんですね。したがって、そういう傷を持った飛行機に対してはやっぱり特別な検査、整備が必要であったと思うんですが、そういう意味の区別を今後する。それ以外にもいろいろな考え方があると思いますが、例えば、つくってから長い間使っている、非常に長い間使っている飛行機、つまり老朽しかかっている飛行機についてはより念入りな検査をするとかというようないろいろな考え方があると思うんですが、そういう点はどうなんですか。
  148. 大島士郎

    政府委員(大島士郎君) 航空機のうちで過去に事故その他で損傷を受けたもの、こういったものはその時点で修理されておるわけでございますが、先ほど申し上げましたが、基本的には修理作業は原状に復するというのが基本的考えでございます。しかしながら、修理のぐあいによりましては、そのときに十分に原状に復した場合であっても、その後応力等々の、応力の流れと申しますか、力の流れ等々の違いがもとと変わる、そういった違いが出るという点もございますので、今回の事故を契機に改めて国内の大型ジェット機を持つ各航空会社に対しまして、過去に損傷を受けて修理をした機体についてはその後長期監視プログラム、長期にわたって特別に点検するプログラムを作成することを指示したところでございます。  また第二の、先生御指摘の古い、長期間使った機体一般について特別なことが必要ではないかということのお尋ねでございますが、これにつきましては、世界的にもやはり一つの議論になっておりまして、ICAOの耐空性委員会等でも論議され、その耐空性委員会の合意事項を受けまして、アメリカの連邦航空局では、ボーイングあるいはダグラス等々といった長期間使用されている航空機に対しまして、特に構造関係の特別検査項目、これは通称SIDと言っておるものでございますが、特別点検項目を設定いたしまして、今後これを守って構造部分の点検を続けていくように、こういう指令を出したところでございます。日本のジャンボにつきましても、この指令を受けまして、特別構造点検項目を設定いたしましてこれからの長期運用に備えて整備を進めているところでございます。
  149. 伏見康治

    伏見康治君 過去の事例から教訓を学んで、そして今後の安全を少しでも高めるように努力すべきだと思うんです。例えば設計上のエラー、日航自身がボーイング社に何か申し入れたそうですが、四つの独立した油圧系統があるはずのその四つが全部一どきにやられてしまうといったようなのは明らかに設計ミスだと思うんですね。元来独立に壊れるべきものが一どきにやられるというのは、肝心の哲学をどこかで放棄しているせいだと思うんです。そういう設計ミスといったようなものは今後ないように、設計の変更といったようなものを今度の事故からいろいろ酌み取るべきだと私は思うんです。  そういう技術的な話は別にいたしまして、やはりお役所に関連したお話を申し上げたいと思うんですが、一番初めのころの質問に例えば仕出し屋の例を申し上げて、日航の業務停止といったようなことがあるいは考えられてもいいのではないかということに対して一応の御返答があったと思うんですが、そういうときにお役所としては非常に苦悩されるだろうと思うんですね。つまり、先ほどおっしゃったような意味の原因というか、ふぐあいのところがどこかにあるということがわかっている場合には、それがないと思われるほかの飛行機まで全部とめて、つまり日本交通に非常に大きな影響を与えるというのははばかられる。そこでお役所としては非常にジレンマがあると思うんですね。一方では、あくまでも安全性を保って少しもけが人のないようにしたいというそういう目的と、それから日本の航空運輸をできるだけ円滑に運びたいという要求、その二つの要求があって、その間でどういわば調整するかという、そこで非常に悩まされると私は想像するわけです。  そのために、結果からいいますというと、いろんなところでもって安全性の方が犠牲にされて、通常業務をどんどん続けて行うということの方が優先的に採用されてしまうといったようなことがしばしば起こっているのではないかと私は想像するわけです。  そういう観点から申しますと、安全性を守る立場の方というものは、運航を円滑に行うことを進める方の立場と分かれた方がいいと思うんですね。すべて、物事を推進する立場というものとそれを規制する立場というその二つの立場の拮抗で世の中のことは進んでいくと思うんですが、それを同一主体がやるということは非常に困難なので、人間の社会ではそういうものは二つに分けてやるのが普通だろうと思います。  私は、原子力関係でずっと前に、三木総理大臣のときに原子力行政懇談会というものに参加させていただきまして、そして、原子力委員会というのを二つに分けて、原子力委員会と原子力安全委員会に分けていただいたことが思い出されるわけなんですが、事故調査委員会というのがあって、これは運輸大臣からいわば独立した、ちょうど原子力委員会と同じような一種の行政委員会的なものだと思うんですが、そのことは大変結構だと思うんですけれども、もう少しほかの面でも、例えば検定・検査といったような業務もお役所自身がなさるよりは、何か第三者的なものにそれをやらせるといったようなことがより適切なのではないかと思うわけです。  臨時行政審議会が第三者検査機関というものを推奨しておられます。ちょっと読んでみますと、「我が国の場合、近年、民間の生産技術及び個々の検査技術が欧米諸国に匹敵する水準に達したにもかかわらず、依然として、検査・検定業務は行政検査が主体であり、国際的な権威ある民間検査機関が未発達である。しかし、国際的には検査の相互承認が求められており、イギリスのロイド船級協会や西ドイツの技術検査協会のようにメーカーやユーザーに属さず、行政機関からも独立した第三者的な検査を実施する国際的な権威ある機関の設立が必要とされている。」あと略しますけれども、そういう権威あるところの勧告もございますので、ひとつこの場限りの、五百人の命が亡くなったこの事故のその場限りの始末ではなくして、今後そういうことが起こらないために根本的にどうしたらいいのか。  今までの検査体制というのは私は確かにどこか不十分なところがあると思いますので、その検査体制を根本的に変えていくということを考えていただきたいと思うんですが、最後に大臣のそのお答えに対する御所見を承っておしまいにしたいと思います。
  150. 西村康雄

    政府委員(西村康雄君) まず基本的な考え方の問題で、大臣がお答えする前に一言だけ私事務当局の方から申し上げさせていただきたいと思いますが、今お話しのように、安全性と実際のいろいろな経営なりを動かしていくという問題が相互にチェックしていくという、チェック・アンド・バランスで世の中動いていくわけでございます。その場合に、実際に政府内で二つの機能をやはり持っているわけでございますが、これをどの程度二つの機関を離して相互に独立をさせてチェックさせるか、あるいは比較的近づけるかということは、当該安全の問題が比較的そこで完結するか、あるいは両者の密接な関係を必要とするかということによってまた違うと思うんです。最終的には政府としては中で一つにインテグラルしなければならない、そういう問題だと思います。  そこで、今、先ほどの事故調査のようなものは完全に独立をさせるという選択をしております。ただ、航空機の安全のような問題は日常的な航空の運航にかかわります。したがいまして、一つの安全の問題をすぐ他の問題にはね返すということが重要でございます。そういう意味では、今運輸省の中で安全に関する部門とその他の監督に関する部門が一つにあるということは非常に私自身は適切な問題だろうと思います。これがすぐ経営の全般の問題にはね返していくということが可能でございます。  ところで、先ほど言われました一般の検査・検定機関の問題、これにつきましては、実は海の方は非常な歴史がございます。そしてまた、これは保険機構との関連で世界的なロイド等ができてきたという経緯がございます。  ところが航空の問題は二つあると思います。それは、今回のような定期航空会社が運航する航空機の問題、その検査の問題、それから中小の小型機等、個人ないし小さな会社が運航する航空機の問題、これらの場合に、一つ一つの検査というのは中小の場合に政府が責任を持ってしなければならない、あるいは第三者的な検査というものを個体についてしなければならないという問題がございますが、定期の航空会社が運航する航空機につきましては、最初の耐空証明のほかは、現在のところは適切な整備をさせるということで、いわば自己検査を日常的にさせるという形でこの安全を確保するシステムになっているわけでございます。そういう意味では、今後とも運輸省が定期航空会社の飛行機の安全を確保するというのは、むしろ航空会社をいかに完全に内部的なチェックをさせるかというシステムをつくり上げるということにあるので、それはいわば個体の検査を主とする検査・検定機関とは別の行き方をする部門ではないかというふうに考えているわけでございます。  それから、中小の航空機については耐空証明をその都度出していくという場合にこれはおっしゃるような問題があるわけでございます。第三者機関の育成ということも一つの方法でございますが、現在のところ第三者的なものの検査が育つような基盤がないということでございます。これは将来の問題としてそういった第三者機関が可能な時代が来るかもしれませんが、それまでは国がある部分やっていかざるを得ない、それが今の状況でございます。今後そういう点は研究課題ではあろうかと思いますが、民間の力でそこまで、あるいは国から独立したものでやるという体制は今すぐにはできないだろう、そんなふうに見ております。
  151. 伏見康治

    伏見康治君 今のお答えは、現在の体制の中から出てくる当然のお答えだと思うんです。しかし、それでもう小さい飛行機会社の場合には何かそういうものが必要であろうということは認められたと思うんですが、もしそれを認められたとすれば、行政当局としてはそういう第三者的な民間の機関ができるようにいろいろな行政的措置を講ずべきであって、そういう機運が生まれてこないからただ待っているということではないはずだと思うんですが、その辺のところをよく考えていただきたいと思います。  大臣、済みません、よろしくお願いいたします。
  152. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 私に対する御質問は、航空局長が大半答えたような格好になっておりますが、私は全く技術はもう本当に恥ずかしいぐらい音痴でございますが、まずこの問題二つに分けまして、航空局長もお答え申し上げましたように、検査の体制と申しますか機構と申しますか、機関と申しますか、これが一つの問題、それから検査の方法と、二つに分けて、機構につきましては、これはほかの例でございますが、第二臨調のときに私も党のその立場にあっていろいろと臨調と交渉した。その中の一つに、地方にございます郵政局と郵政監察局を一緒にしろといったときに、とことんまで突っ張って、結局、監視する方と監視される方と幾ら郵政省の出先でも一つのものがあるかということで、これは突っ張って勝った——勝ったというのはおかしいが、そういうことで残ったわけでございますけれども、やはり今先生の御指摘、そこらから十分考えていかなければならぬ問題、これはひとつこの機構については私もさらに今後とも検討させていただきます。  それから、今申し上げました要領につきましては、私全くわかりませんが、ただ自動車なんかは新車が一番いいんですね。飛行機はどうも新車よりも少し使った方がいい。多少悪い部分を直して、そうして、例えばYS11なんて今が一番ぐあいがいいなんて言う人もあるのでございまして、そこらあたり私どもの一般的な常識で割り切れない面があるわけでございます。  そこで、検査も完全にやれば今のようにいいのではないかということで、先般の場合は果たして修理が十分であったかという、一にかかってそこにきておると思うのでございますが、あのときに、日本にたしか同じ型のジャンボが六十九機か幾らかいると思うんですが、NCA、新しく発足した日本貨物航空株式会社が持っているやつも、購入して一、二カ月のやつも隔壁の部分など全部ばらしちゃったわけですね。会社自体とすれば、こんなまだ新しいものをかえってそんなにばらすことの方がなんという意見もあったやに私は聞いております。ですから、今度のリベットの問題についてとことんまで追求していくというと、新しい飛行機といえどもひょっとしたら万に一つどこか組み立てのとき欠陥がなかったかということになると、受け取るときに新しい飛行機も全部一遍ばらさなきゃ本当の検査はできないと、とことんまでいけばそういう極端な議論にもなってくるかと思いますが、そこらあたりは技術者の良心と専門家の意見を十分聞きながら今後ともひとつ先生の御意見を尊重しながら対処してまいりたいと思います。
  153. 伏見康治

    伏見康治君 どうもありがとうございました。
  154. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 私は、入手いたしました信頼するに足る日航の内部資料に基づいて、これから非常にこれは問題だと思いますので、高木社長お出ましいただきましたので具体的にお伺いしていきたいと思います。  ただいま資料を差し上げました。「安全運航の祈りをこめて」という便せんに、高木社長あてに日本航空監査役、日本航空開発監査役、そしてインターナショナルフーヅの役員をしていらっしゃる角替武さんから出された「インターナショナルフーヅにかかわる日航関係者の不正経理処理について」という内容でございます。これは今申し上げましたように、監査役としての仕事上、日航の子会社である日本航空開発のまた子会社であるインターナショナルフーヅのそのまた下に位置する銀座の「弁慶」というレストラン、このレストランで日航幹部職員、当時は全労役員らによる不正行為を発見された。そしてまた自分で調査されて、そしてこの報告書というものを高木社長あてに出されたわけでございます。ですから当然社長もこの報告書をごらんになったと思いますが、そのとおりでございますね。
  155. 高木養根

    参考人高木養根君) はい、確かに私読みました。
  156. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 お読みになったということで、その内部資料を全部読むわけにはいきませんけれども、五ページのところを見ていただきたいと思います。角替報告書の内容の全容といいますのは、今言いましたように、日航の孫会社、インターナショナルフーヅの直営店の銀座「弁慶」で役員たちがただで飲み食いをして穴をあけた、それを日航や日航開発等の役員が指示してその貸倒引当金や架空の伝票操作などで処理したというような中身なんです。この角替氏は、五十六年当時、日航開発の依頼で調査をされた弁護士の山本荒太、丸の内総合法律事務所のその弁護士の調べられた報告書も同時に出されているわけです。  この五ページごらんになっていただきたいんですが、「塩月光男分に関する経理処理」と、こう書かれております。四行目、「昭和五十年九月より昭和五十四年四月までに、本人に関する売上として記帳された金額は百六十三万一千三百三十八円である。」それの処理は「以下の如く経理処理されている。」と書かれております。そしてその次、「(1)旅行開発(JCT)」、これは日航の子会社になるわけですが、この「(JCT)による支払い昭和五十一年三月二日より昭和五十三年六月三十日迄の分二十九回分の全額合計六十二万八千七百八円が昭和五十四年四月十六日、JCT若木専務の指示により同人秘書南里が伝票を起票し一括インターナショナルフーヅ社に支払っている。」そして「若木専務も南里秘書にこの処理を指示したこと、及び利光取締役」、これは日航の取締役、労務担当です。「の依頼によるものであることを認めている。」つまり、「弁慶」で食べましたそのお金は、その上の会社であるインターナショナルフーヅが、また上の会社の旅行開発というところ、そして伝票を起こしてそれを払ってあげなさいと言ったのは、日航の利光取締役の依頼によってやったというふうになってきていることがここに示されているわけでございます。  六ページをごらんください。六ページを見ますと、今度は「日航よりの支払い(其の一)」、直接日航が支払いましたという分がここの数字の合計九万四千百八十円です。それから「(其の二)」と書いてあります「日航よりの支払い」が、この下の数字の四十万五千七百十円ということになっております。これが日航から直接払われております。  それから「IFC負担」、インターナショナルフーヅの負担の「(其の一)」、これも一行目の数字、四十六万四千二百四十円という数が出ております。それから五番目、「インターナショナルフーヅ負担(其の二)」、ここでも五十万二千七百四十円という数が出ているわけでございます。  こういうふうに、「弁慶」の飲み食いのお金をインターナショナルフーヅに持たせ、インターナショナルフーヅはその上の会社に指示され、その上の会社は日航から指示されるというような形でこれを全部解決したと。もしも正当なお金ならなぜ正当に請求しなかったのか。日航や関連会社が塩月氏の飲食代を架空の伝票操作までして支払わなければならないのかというところが問題でございます。そういう点について、高木社長、お読みになってどういうふうにお考えになったでしょうか。
  157. 高木養根

    参考人高木養根君) お答えいたします。  私は先ほど読みましたということを申し上げましたんですが、これ一々詳細に検討したわけではございませんで、さっと一通り読みまして、それで、表題にありますように「インターナショナルフーヅにかかわる日航関係者の不正経理処理について」、こういう件名でございますので、早速人事担当の役員を呼びまして、もしここにあるように日航の関係者として不正経理があるということであるとこれは問題だ、すぐに詳細に調査をして報告をしてほしいということで調査を依頼したわけでございます。そうしてその結果、はっきり何月何日ということは記憶しておりませんが、しばらくたちまして、担当の人事部をして調査せしめた結果、確かにインターナショナルフーヅの会計処理としては非常に不適正な処理が行われておるけれども、日航の関係者について特に不正な飲食というものはない、そういう意味で特に日本航空として問題にする点はないという報告を受けて、私としてはそれを了承したわけでございます。  ただ、その後、報告を聞きました中で、ただいま小笠原先生が特に援用されました五ページの旅行開発による支払いの分の中で、「JCT若木専務の指示により同人秘書南里が伝票を起票し一括IFCに支払っている。」ここまではそのとおりかと思うんですけれども、「若木専務も南里秘書にこの処理を指示したこと、及び利光取締役の依頼によるものであることを認めている。」というのは、そういう事実はないように報告を聞いております。
  158. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 これだけの報告書が出て、さあっと見ました、そしてどうなんだ、しっかり調べろよと言ったら、何ともありませんでした、こう言ってそのままになっている。そして今のところも、若木専務が利光取締役の指示を受けたということもないとはおっしゃらなかったですね。ないようにと、ごまかして、ぼうっとやられましたね。なかったんですか、あったんですか。そこははっきりわからないんですか、どうですか。
  159. 高木養根

    参考人高木養根君) これは私が直接に取り調べたわけではございませんので、又聞きになりますから、こういうふうに承知しております、報告を聞きましたと申し上げましたわけで、私が直接取り調べて申し上げているわけではございません。
  160. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 社長というのはいい商売ですね。これだけ問題具体的に提起されても、具体的に自分では取り調べるということもない。まあ取り調べると言えば言葉はちょっときついですけれども、やっぱりこれが大したことでないというふうに思っていらっしゃるということの今の発言だと思うんです。  十一ページをごらんになってください。昭和三十七年三月三十一日、これは三十七年じゃなくて五十七年の書き間違いだと思います。「インターナショナルフーヅ社による日航職員分を含む千五百三十九万三千百二十円の貸倒処理」という項なんですけれども、その六行目から、「経理処理しているが、このなかには別表のように二百十七万一千三百四十六円の日航職員に対する売掛金が含まれている。」とここにも書いてあるわけですね。そして最後の方ちょっと見てください。今申しました日航職員に関する二百十七万一千何ぼの「日航職員の分については上司の方針により回収の措置をとっておらず」、回収する措置をとっておらぬ、上司から取り立てするなということですね、これは。「一切ノータッチの状況である」、こういうふうに言っているわけですね。秋山IFC社長が上司の方針によって回収の措置をとらなかった、回収努力をしなかったというのも、これもまたおかしなことですよね。これについても不思議だとお思いになりませんか。そこまで御存じなかったら、今私が言ったことおかしいとお思いになりませんか。
  161. 高木養根

    参考人高木養根君) ただいま御指摘の点につきましては、確かに、日航関係者といいますのも当時出向しておる人もおりますし、それぞれ立場があるわけです、当時の立場が。いずれも、要するに私用といいますか、いわゆる私のためのただ飲み、ただ食いではなしに、仕事の上で、いわば交際費として使ったものであるという判断が私のところに報告として来ておるわけです。それは本人ということよりは本人の上司がそれを認めておるということで、いわゆる私のためのただ飲み、ただ食いではない。それぞれいわば販売促進のための交際貨として使ったものである。ただ、それが当時のインターナショナルフーヅの経理処理が非常にルーズでありまして、処理をされないまま非常にたまっておって、結果として、先ほど御指摘がございましたように千五百万ぐらいですか、これは結局いわば貸し倒れということで処理を後にされた、こういう報告を受けておるわけでございます。
  162. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 ますますおかしいんですよね。本人がただ飲みしてやったんじゃなくて、その仕事柄呼んだなんというんだったら、堂々と、仕事柄なんだから伝票も起こして請求するべきところにして取るのが当たり前じゃないですか。何かおかしいから、回収するな、伝票もほかにつくれと。伝票も起こしたり、あと時間がないから言いませんけれども、それから架空の事業も起こした、沖縄ツアーという架空の事業も起こしたことについて一つありますね。畝田谷さんとおっしゃるんですか、これが三十五万ありますよ。それから安藤さんという方で、これはもう現在日航国際貨物の営業部長をしていらっしゃいますね。この方を通して六十四万。これも何ぼ請求しても出せないということで、架空の請求書を出さした。  今社長がおっしゃったように、自分の飲み食いでなくて仕事上必要だったら何でこんな操作するんですか。そこのところはおかしいですよ、だれが聞いたって。そして、インターナショナルフーヅの会計がルーズだったと言うけれども、ルーズにならざるを得ない。上から回収するな。ほかは回収していたんでしょう。だけれども、日航関係の職員については回収するなど上から抑えて、回収ができないから貸倒金として処理した。だから本当におかしな何かがあったんだと言わざるを得ないですね。自分の飲み食いでないからいいんだとおっしゃるなら、飲み食いでないなら正々堂々とお出しなさいと繰り返して言わざるを得ません。  この問題で私が申し上げたいことは、ではなぜこんなにややこしいごまかし、伝票を起こしたり請求書をまたつくり直したり、事業を起こしたようにしたりしてこういうふうな問題が起きたかというと、それはやっぱり正規には言えない問題があったからだと思う。その正規には言えない問題というのは何だといったら、労働組合の、全労に関して、塩月さんという方はそうですね、今あなたの秘書室長ですか。
  163. 高木養根

    参考人高木養根君) 部長です。
  164. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 そうですか、あなたの秘書部長さんをしていらっしゃる。この塩月さんという人が全労という労働組合の役員をしていた。だから、ここにも「塩月光男分に関する経理」というふうに名前挙げでどれだけの経理処理されたというんですね。  私は今労働組合いいだの悪いだのと言っているんじゃないんです。私が言いたいことはこれだけ事故を起こして、さっきから言われたように、日航さんそのもの、何か体質的なものがあるんではないか、やっぱりみんなが一致団結して安全運航をやりましょうという気持ちがなぜ一つになれないかといったら、いつも言われている、労働組合が今四つですね、分かれている。だから、会社としての方針ならば、もしも分かれているなら一つになって全力を挙げて安全運航やりましょうと指導するのが当然の立場だと思うんです。それなのに、その中の一部の労働組合に、食べたり飲んだり、お金は全部こっちが払ってあげましょう、そのかわり会社の方針については先取りして、これはいいことなんだ、協力しますと言わせているところに私は高木社長の責任として問題を追及したいわけなんですよ。だからこれはおかしいと思う。おかしいどころじゃない、間違っていると思うんです。こういうような労働組合を飲ませ食わせて抱き込むなんという汚いやり方やめてください。  いっぱい言いたいことがあるけれども、もうおやめになるんだろうけれども、おやめになった後こういうことは絶対起きないように、労働者は団結させて一つになって安全運航やれというぐらいのそういうものを残しておやめになっていただきたいと思います。いかがですか。
  165. 高木養根

    参考人高木養根君) ただいま塩月光男君につきまして、全労関係から組合の抱き込みと、こういうお話がございましたけれども、全く関係ございません。そして、この塩月君は当時日航職員の身分もありましたけれども、同時に子会社である日本航空開発に出向しておりまして、その社員の身分であり、同時にインターナショナルフーヅの先ほど先生も御指摘になりました銀座の「弁慶」を企画しました当人でございます。したがいまして、彼としては「弁慶」をどうしても業績を上げさせなければいけないということで、自分がお客様を引っ張っていって、そして……
  166. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 それで払わなきゃどうしようもない。
  167. 高木養根

    参考人高木養根君) そうなんです。だから、店ができた当初はいゆわる販売促進費ということでお客様をお連れして、この店はこういう店です、こういう食事です、こういうお飲み物です、こういうサービスですということを実際に体験していただくという意味で、販売促進費としての処理ということであったんですが、大変不幸なことに、「弁慶」でも、あるいはインターナショナルフーヅの会計の非常な不十分な処理のために非常に起票がおくれる、あるいは伝票がたまる、そして請求がおくれるというようなことからこういう問題が起こっておりまして、先ほど先生が御指摘がありましたような、全労という組合を抱き込むために日本航空が承知の上でこういうことをやらしたということでは毛頭ございませんので、その辺はひとつぜひ御理解をいただきたい、こういうふうに思います。
  168. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 この場になってもそんなでたらめ言う。だから日航が事故を起こすんですよ。真剣に考えてください。だれがばかみたいに、全労の皆さんを食べさせてあげますよ、仲よくやります、そんなことを言いますか。事実が証明しているじゃないですか。そんな態度だから問題がいっぱい起きてくるんです。  時間がありません、会計検査院いかがですか。関連会社によるこのような不正な会計摸作、しかも監査役が職務上知り得た会計監査有価証券報告には何ら問題がないという虚偽の報告、これは私は事実だとすると会計法、会計検査院法に違反するというふうに明らかに思うんですが、いかがですか。時間がないので簡単にお答えをいただきたいと思います。
  169. 吉間道哉

    説明員(吉間道哉君) お答え申し上げます。  日本航空検査に際しましては、先生御指摘の点も念頭に置きまして検査に臨みたいと考えております。
  170. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 大蔵省いらしていますか。——大蔵省にも、さっき言ったように、架空の伝票操作やったり、関連会社間で会計操作をやったりと、監査報告書の虚偽の報告等は、いずれも事実とすれば証券取引法とか有価証券報告書偽造というような疑いも出てくるというようなことで、私はすぐ御調査をいただきたいと思うんでございますがいかがでございましょうか。
  171. 中島富雄

    説明員(中島富雄君) お答え申し上げます。  いわゆる有価証券報告書というものは、すべての企業から出るものではございませんで、これは基本的にはいわゆる上場企業等から有価証券報告書をお出しいただく形になってございまして、日航の場合はそのあれに該当するわけでございますが、今お話しになっておりますインターナショナルフーヅという会社、本来ここの経理の問題かと思うわけでございますけれども、ここは日航の孫会社のようでございますが、いわゆるそういう意味で有価証券報告書の対象には出てまいりませんので、私どもの方の有価証券報告書の審査という形では直接には触れてこないわけでございまして、そういう意味では、じゃその上の日航の子会社なり日航の経理の問題はどうかということになりますと、先ほどからお聞きしておりますと、これは実態つまびらかに見てないわけでございますのであれでございますが、むしろ経理の問題というよりは経理以前の問題ではなかろうかと思うわけでございまして、経理面ということでとらえれば、このインターナショナルフーヅということでありますと、私ども大蔵省の方は直接的には関係が出てまいらないのじゃないかというふうに感じております。これはきょうお聞きしたところでございますので、具体的なところはちょっとよく詰めてみないとわかりませんが、今のお答えとしてはそんなことかと思います。
  172. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 大臣、この問題について後でお答えまとめてくださいね。時間がないから次に移りますから、頭に入れておいてください。  いっぱい問題があるんですね。今度国鉄さんです。  国鉄が本当に今一生懸命に再建しなければならないというときだということはおわかりになっていただけると思う。その国鉄で何が起こっているかということなんですよね。これはもう毎回のことなんだけれども、いわゆるぐるみ選挙ですよ、国鉄ぐるみの選挙。そのぐるみ選挙で出てらした方も現在参議院にいらっしゃいます。  ちょっとこれも資料を差し上げますからね。(資料を示す)総裁と大臣、直接の監督に関係しますからね。それごらんになっていただきたいんですけれども、その前に、野澤太三さん、前の施設局長ですね、いつおやめになりましたか。——ちょっとごめんなさいね、急に言ったから。私の方で調べてみましたら、九月の二十一日に新しい施設局長が発令されていますからその前におやめになっているということは事実なんですね。  それで今差し上げました資料なんですけれども、この第一ページ「後援会」、つまり今私が言いたいのは、野澤太三元施設局長が九月におやめになって、そしていよいよ参議院の比例代表区選挙、その比例代表区選挙には自民党さんとしてはたくさんの党友、党員、後援会を拡大しなければならぬ。たくさん集めないと上位ランクされないからというので国鉄ぐるみの選挙をやっているという、これも信頼すべき内部資料なんですね。これごらんいただきますと、一九八四年の十月に後援会発足いたします。中央組織、これで千代田区に野澤太三前施設局長の参議院比例代表区への後援会が発足いたします。この後援会というのは野澤太三さんの後援会。その次に「部内」というのがございます。この部内に十月、十一月とスケジュールが組んでありますが、これをどういう体制でやっていくかという体制が書かれております。その次に「目標値」、どれくらいの得票を集めるか、その作業はどういうふうにやるかというのが書かれているのがこのページに書かれているわけです。  さて、そこで具体的にどういうふうにやるかといいますと、これも資料についております。——ごめんなさい、皆さんのところに配れなかったんですが。その体制は、本社の局長クラス、これらが各ブロック別です、ブロック別に責任を持っている。北海道は資材局長の秋山さん、事務は自動車局総務課長の細谷さん、そして技術の方では電気局電力課長の榎本さんと大崎さん、北海道決まりました。東北は長谷川職員局長、新潟は仲矢自動車局長、関東は井上建設局長、中部は室賀経理局長、関西、岡田貨物局長、広島、石井工作局長四国、九州、全部本社の局長がブロック別にちゃんとおさまるわけなんですね。そして、ブロック別だけじゃないんです。地域ブロックに分けただけじゃなくて、今度管理局、縦線でもって、職員、経理、資材、旅客貨物、運転というように、それから建設、施設、電気、工作、自動車、事業、これも全部、例えば下村さんは調査役、それから鈴木さんは計画課長というふうに全部肩書とこれ出ているわけですね。ブロック別に分けました。管理局を中心にして、全国縦の組織で票集めなんかをやる。  さて、その政策はどういうふうにだれが担当してつくるかというのは、政策メンバーは経営計画室、施設局それから総裁室の文書課、こういうふうになっているわけなんです。  そして今度は地方はどういうふうに体制がとられているかといったら、この地方も管理局ごとに全部責任者が決められております。そして、それも責任者の下に幹事というのがあって、事務系関係それから技術系関係と実に万全の体制をとってこの野澤太三さんの選挙を一生懸命やろうというわけなんですね。これまさに国鉄ぐるみのすごい選挙ですわ、これ見ますとね。  こういうことが今の国鉄でなお起こっているんですよ。今まで起こっているというのもけしからぬけれども、この国鉄問題どうするかと真剣に考えている今またこれ今までより明らかになってみたら物すごいですよ。国鉄そんなことしている暇あるんですか。国鉄は自民党のために何でそれやらなきゃならないんですか。自民党入会、はい三千円下さい。全部、これみんなまいて——まいているわけじゃない。まいていたらまだいいんだわ。具体的にどのようなことをしているかということなんですね。課長補佐以上を集める、会議室にですよ。課長補佐以上を会議室に集めて、一人が五人の党員を集めるように指示が出されている。だれが言っているか。課長補佐以上を集めて、上司が五人以上の党員を集めなさい。これは今まで一人が三人だったそうですね、御存じだと思いますけれども。今まで三人集めればよかった。今度五人だった。分割・民営決まってから五人にふえたんですね。  そして問題なのは、この集められた場所は本社の会議室だと。そして、指定職を各局各部ごとに集められて、いつそんなことをしたかというと、定例会議の後にやられているんですね。定例会議を本社でやったその後にこういう人たちを集めて、そして今言ったように今まで三人だったのが五人にふえた。一般職員のうち大学卒業以上の人は、これは一般職だし、まだあれがないだろうというんでしょうか、一人以上と、こういうことになっています。  そして、こういうことがあったよ、言われたよということは絶対に口外してはいけないということを言われている。悪いことすれば、幾ら言うなと言ったって出てくるんですわ、どこかから。言うなよというふうに言われている。そして、今度の比例代表選挙というのは、国鉄としては一生懸命にやらなければランクが上にいかないから大変だというふうに言われているということですね。上司が本社の中に集めて言って、そして公言するなというようなこと、これは地位利用ですよね、はっきり言って。地位利用の最たるものだと思うんです。そしてまた、国鉄が思想、信条の自由が、その中にはいろんな人がいるだろうに、自民党にこれを出して名前を書けというふうなことを言うということは、今の国鉄として私は絶対許せないんです、こういうことは。  この問題について私は事実を申し上げました。この事実をどうごらんになるか。そしてこの問題についてこれからどういうふうに手を打たれるか。御調査なさいますか。総裁に伺いたい。しっかり総裁やってもらいたい。大臣にも、こういうことがあるんですよ。ひどいものだね、これ。共産党がこんなことでもやったら一遍に大問題になるのに、自民党これだけやっているんだから、私もうあきれ果てましたよ。運輸大臣としてこの問題についてどういう考え持たれるか。そして、私は今事実を申し上げた。さっきの日航の問題もそう。事実というものをしっかりつかまえて調査してもらいたいと思います。お二人からお答えをいただきたいと思います。
  173. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 野澤太三さんは我々の国鉄のOBでありますので、OBの将来性につきましては大変関心ございます。というところは申し上げられるわけでございますが、今見せていただきましたこういうような組織で国鉄が何かやっているという事実につきましては、私は全く存じておりません。そうした点につきましても私自身でもう少し調べさしていただきたいというふうに思いますし、国鉄が何か選挙に関連をいたしました行動をすることはおのずから法令に照らしまして限界があると思いますので、そうした限界を守るように今後厳正に対処したいというふうに思います。
  174. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 私は「弁慶」の問題と二つでございますね。  「弁慶」の問題、おっしゃるとおりならこれよろしくないですね。まあとにかくこの参議院の委員会で飲み食いの話をもう二度としないように私からもよく言っておきますよ。特に国策会社でございますから、そうでなきゃ、これ高木社長から出されても私もおしんこ一つ食べられないですよ。ですからそこのところはきちんとさせましょう。だからその点はひとつよく……。
  175. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 お金だけの問題じゃないんだよ。そんなことを見過ごしていて、それでわからないで、さっきみたいな居直っているなら、高木社長やめるの少しあれだわ、もう初めから社長になる資格なかった。
  176. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) まあいいじゃありませんか、それは。  野澤太三さんの問題は、これは法律違反の行為があればこれもよろしくないことでございますが、今総裁からも御答弁があったとおりで、私もよく総裁からもこのことについて、今後限界についてきちんとするべきことはさせるということをおっしゃいましたから、総裁から、つまりこの野澤さんの問題についても、ですから私も総裁から調査の結果をまた報告を受けたいと思います。
  177. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 小笠原先生、時間が経過しておりますので、言うならそれじゃ一問だけ、最後に。
  178. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 今言葉が出たから、限界……。
  179. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) ちょっと速記とめて。    〔速記中止〕
  180. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 速記起こして。  じゃ言ってください。言うだけ言ってください。
  181. 小笠原貞子

    小笠原貞子君 限界があって、限界までならいいみたいなことをおっしゃっていたけれども、これだけ国鉄そのものを各地方別に分けて、そして管理局別に縦でやって、国鉄組織の総力を挙げてやっているでしょう。だから問題だと私は言わざるを得ないんですよね。もしも野澤さん推したかったら、国鉄の中に野澤太三後援会つくればいいんですわ。国鉄の権限でもって上司が命令したりなんというのは、もうまさに地位利用だということだけ一言言わしてください。
  182. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 高木参考人におかれましては、お忙しい中を本委員会に御出席くださいましてありがとうございました。参考人には御退席いただいて結構でございます。
  183. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 最初に三光汽船問題につきまして二、三点お伺いをしていきたいと思います。  大臣、今度運輸省としてもこの再建には積極的に支援をしていきたいということを再三言明をされまして、それなりの行動もとられてきたことを承知をしております。  そこで、現時点における更生法の適用の見通しは一体どんなものだろうか。非常に微妙な段階だと私は思います。この間も宮田管理人は、二十日に裁判所に出すべき調査報告書を来週以降に延ばしたというんですね。その日に大臣は住友商事の社長さんにもお会いになったようでございまして、協力を要請されたと、こういうことも新聞報道で承知をしているわけでありますが、したがって、非常に微妙な段階であるとは思いますが、現時点において果たして更生法の適用ができるのかどうか、どのような感触と見通しを大臣は持っておられるのか、これからまずお伺いしたいと思います。
  184. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) これは出発が、私ははっきり申し上げてよろしいかと思いますが、構造不況から来ておるという立場から、一私企業に対する云々ということではなくて、これはやはり政治が関与すべき問題だとはっきり私思っております。  そういうことで今日まで私もこの問題にタッチしてまいりましたが、現段階におきましては非常に微妙な状態でございまして、もう既に三カ月経過しておりますから、もうそろそろ私はこの適用があるかないか決着がつく時期だと思っておりますので、私もそういう方面からいろいろと関係方面にもお願いをいたしておりますが、今申し上げるように、現時点におきましては非常に微妙でどちらとも言いがたい現状ではないかというふうに理解いたしております。
  185. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 そういうことだと思うんですが、せっかくの御努力をお願いを申し上げておきたいと思います。  それから、これは従業員がずいと見まして二千七百名、家族含めれば一万人を超えるということで非常に関心が深いわけでございますが、そこでもう冬期、冬の一時金の時期を迎えるわけですが、    〔委員長退席、理事瀬谷英行君着席〕今のところ、定昇とかベースアップ分、夏期一時金あるいは退職金も支払っていない、こういう現在の状況でありまして、従業員並びに家族の皆さん大変不安を感じているわけでありますが、この労働債権は共益債権であって、保全管理人は船員法第五十三条に従って支払う義務があると思うんですが、その点についての扱いはいかがでしょうか。
  186. 広瀬好宏

    説明員(広瀬好宏君) 三光汽船の従業員に対します賃金の支払いにつきましては、昨年度ベースではございますけれども、十月分給与までは遅滞なく支払われております。ただし、先生御指摘のように、七月十九日に労使間で合意に達しました六十年度のベースアップ分と、八月十二日に合意に達しました六十年度の夏期臨時手当につきましては支払われていないということになっております。  これらの問題につきましては、会社更生法のもとで保全管理人及び裁判所の適切な判断があるものと期待しているところでございます。その際、船員の給与などにつきましての船舶所有者の支払い方法を規定いたしております船員法五十三条との関連につきましても、その趣旨を体して判断していただけるものと考えている次第でございます。
  187. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 そこで大臣、この三光汽船問題は実は構造的な云々と、こう言うんですけれども、実際は運輸行政の中で私は一つは過去において大きな過ちを犯してきたと思うんですよ。ここ数年というか、もう十年近くも不況が進行してきておりますけれども、その中で、五十八年ではあれだけの百二十五隻にわたるばら積み船を大量建造したんですね。その三光の大量建造に追随するようにして国がいろいろな建造を大量にやったんですれ。今でも、そのときになぜあれだけの大量の建造が世界じゅうで起こってきたかということが不可解な、不思議の一つになっているわけですよ。船舶過剰はわかっている。  大臣は、建造に当たっては臨時船舶建造調整法によって許可を与える許可権を持っているわけですね。許可を与えるときには船棚過剰にならないように建造許可を与えるということが前提になっているわけですけれども、そういういろいろな前提が全部無視されて、しかもああいう大量建造が行われて今回の倒産になったというわけですからね。だから、見通しと対策を運輸行政の面で私は間違っていたのでなないか、こういうように思いますし、それは過去のことというだけじゃなしに、これからの、今造船は非常に不況ですから、これから造船する分も、いろいろなそういう面で不況なんですから、今後の運輸行政という立場から考えますと、これは過去の問題だからどうのということじゃなしに、これからの問題として、そういう運輸行政の面でやっぱり厳格なる見通しというんですか、そうして的確なる対処、こういうものが私は必要だと考えているわけでありまして、その点についての強い要望を私はしておきたいと思いますし、あわせて御見解があれば承っておきたいと思います。
  188. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおりだと思うんです。それぞれ会社の事情があって、三光汽船の経営の姿勢についていろいろと御批判の向きもあるかと思いますが、それよりも、やはり日本の造船界が非常に苦しかったこと、そこで老朽船をだんだんスクラップにしていって、そうして新しいものにかえていくということで造船をやった。ところが古い船がスクラップにならずにそのまま動いたとか、その後においてスカンジナビアとかギリシャの船が実際の当初の計画の三倍以上ぐらいにふえてきたとか、とにかく当初の見通しと全く違った現象が起きてきた。  今先生がおっしゃるように、ばら積み船にしても、三光汽船で計画する時点においてはこんなになるとは思っていなかったと思うんです。したがってそういう一つの見通しが誤ったと申しますか、甘かったと申しますか、あるいは先ほど申し上げました政府の造船計画にしても、後追い行政にならざるを得ない面も私はやっぱり客観的な面からあったのではなかろうかと思いますが、それで甘えてはいけない。今後は、前車の轍としてしかとこれを踏まえながら、これからの見通しについてはもっともっと慎重にやらなきゃならぬということを私も十分感じております。
  189. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 やはりこの問題は、国際的な我が国の信用というか、これも実は落としているわけですよね。これは、例の三光が百二十五隻のばら積み船をつくり上げた一九八三年、五十八年のOECDの海運委員会の年次報告書を見れば、三光汽船を名指しで挙げて批判しているわけですね。そうして、この大規模な造船の発注がいわゆるギリシャ船主あるいはスカンジナビア船主によって追随をされて、それがさらに「不吉なことに」という言葉を使っているんですね。「不吉なことに、中国、イランおよびエジプトを含む第三世界の国営船社によっても」これがまた追随された。それで、あの時点においてまさに船舶過剰で悩んでいるところにいってさらに過剰をあおるような大量の建造が世界じゅうで行われた。こういうことで我が国のいわゆる国際的信用というものを私は失墜したのではないか。そういうことを考えますと、これから本当に大臣がさっきおっしゃったような態度でやってもらわないと困るのではないかと、こう思います。  そこで、一つだけ最後にこの問題について要望というか、要求をしたいんですが、三光汽船の倒産時点における運航船舶二百六十四隻、二千百四十四万重量トン、こういうように言われておるわけですが、その詳細な資料が提出できないかどうか。そのうちいわゆる仕組み船。便宜置籍船は一体どのくらい含まれておるのか。多少企業秘密に及ぶところもあるかもしれませんが、そういう資料が提出できないものかどうか、要求をしておきたいと思います。どうでしょうか。
  190. 仲田豊一郎

    政府委員仲田豊一郎君) 今手元にあります資料によりますと、三光汽船が倒産した当時の総支配船舶ということでございまして、これは三光汽船自身が運航している船舶に、それから三光汽船がほかのまた会社に提供している船舶、またほかから用船してきてまた外へ出してきている船舶、これを合計いたしますと、手持ちの資料でございますと二百八十二隻という数字が出ております。約二百八十隻と御理解いただけばよろしいと思うんですが、このうちに会社の所有船舶が二十七隻、それからまた外国用船が大体約二百二十隻、この辺までは確認できるのでございますが、実はこの外国用船の中身が、本当の外国用船であるもの、それから日本の商社が外国の会社につくらしているもの、また外国の船会社が外国の会社につくらしているもの、また三光汽船自身が外国につくらしているもの、こんなのが非常に混在しているようでございまして、これは推測でございますが、なかなかそのうちでこれが仕組み船であるとか便宜置籍船であるという分類が非常にしにくうございますが、この二百二十隻のうちのかなりの部分、大部分がそういう種類の船ではないかというふうに孝えておるわけでございます。  それから船種別で申しますと、ばら積み船が約百六十隻、これが一番多い船種でございます。それから石油のタンカーが約九十隻、それ以外はLPG船とか兼用船がおよそ三十隻、大まかに申し上げて大体こんなような構成になっているわけでございます。
  191. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 そこで国鉄問題に移らしていただきますが、先ほども小柳委員からもお話がありました雇用安定協定の問題を最初にお伺いしておきますが、総裁は、地方の動きを見ながら結ぶか結ばないかについてはさらに検討を続けていきたい、こういうようにお答えになりました。私はやっぱりその態度でいいと思うんですが、いわゆる安定協定というものは、結ばれたって守らなきゃ意味ないですね、意味ないと思う。  現に、国労がこの余剰人員調整策の三項目について労使協定をやった。妥結したけれども、協定をしておきながら、やめない、休まない、出向かないといういわゆる三ない運動をやっているわけですね。協定は結んだが協力しない、こんなことでは労使の本当の信頼感なんて生まれるわけないと思うんです。しかも、国労が、中央委員会でああいう決定をしたというんですが、こんなものは無意味だといって、まだ東京地本あたりはビラ配っているんですな。だから、中央の状況がそういうことである程度妥協的態度になってきても、地方現場に行けば、こんなもの守れるかということで、協定など結ばれるわけがないですな。  そういう意味で、もう一度、総裁はこの点についてどうするのか、今後どのように対処されるのか、御見解をお伺いしたい。私は、国鉄の再建は本当に労使の安定的な関係というものが樹立されなければなりませんし、国鉄当局としては断固として筋を通してこの問題はやるべきだ、こういうように強い意思を持っておりますので、この点を踏まえて御答弁をいただきたい。
  192. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、労使関係の基本は労使相互の信頼関係を築くというところにあると思います。そういうことのためにも、お互いが信義則にのっとりまして行動する。その一例といたしましては、一度締結いたしました協定等につきましてはこれをお互いに守っていくということをしっかりとやっていただきたいというふうに思っておるわけでございます。  雇用安定協約の前提条件であるといわれておりますいわば余剰人員対策の三本柱の協定につきまして、過去いろいろといきさつがございましたが、そうしたいきさつの中で、やはり派遣等の仕組みについてはこれを十分に有効活用を図るということが協定のお約束であったはずでございまして、そうしたことの実態を十分に勘案をさせていただきながら雇用安定協約に臨みたいというのが私どもの基本的な見解でございます。きのう、きょうの国労の中央委員会におきまして若干の中央本部の方針が出されたように聞いておるわけでございますが、これはいわば協定のもとに戻った、原点に戻ったというふうに思うわけでございまして、やはりその協定を今後とも守っていくということにつきましては、何といいましても本部よりもむしろ地方の問題ということが非常に重要だと思いますので、その点の状況も十分見させていただきながら、なお引き続き本部側におきましても誠心誠意お互いに検討をして、お話し合いを続けたいというふうに思っておるところでございます。
  193. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 この問題は、国労以外の組合は雇用安定協約に従いましてずっと協力し、やってきたわけですよね。ただひとり国労だけがそういう態度で今日まで臨んできている。しかも国労が一番最大の労働組合だというところに問題があるわけでございまして、ぜひとも、私が申し上げますように、当局は断固とした姿勢をもって、協定は結んだはいいけれども現状よりもさらに悪くなった、何もやらない、守らない、こういうことでは意味がありませんので、その点を念を押しておきたいと思います。  次に余剰人員対策で御質問を申し上げておきますが、これは私も十一月六日の予算委員会の質問で、余剰人員対策につきまして質問をいたしました。そのときに後藤田さんは、その中の特にいわゆる公務員ですね、あるいは政府関係機関、この受け入れ態勢につきまして六十一年度からやりたい、こういうことを言っておりまして、各省庁にぜひ協力するようにこれからもやっていきたい、こういう御答弁をされておるわけであります。その後、国会の内閣委員会でも、さらに後藤田長官はこれを一歩進めまして、公務員への採用については無試験で優先採用する考えだ、しかもさらに早急にこの人選の問題もあるので具体的な結論を出したい、こういうように御答弁もされているわけでありますが、    〔理事瀬谷英行君退席、委員長着席〕 そこで雇用対策本部ですね、三万名といわれている政府関係機関、公務員ですね、この枠のうち、国家公務員として何名くらいの採用を予定をしておるのか、考えておるのか、その点お伺いをいたします。
  194. 平井清

    政府委員(平井清君) 政府の国鉄余剰人員雇用対策本部の事務局長をいたしておりますので、その立場でお答えいたします。  御指摘になりましたように、国鉄再建監理委員会亀井委員長の見解として、国鉄余剰人員のうち三万人を国及び地方の公的部門で受け入れることを期待するというふうに言われておられるところでございますけれども、現在政府といたしまして、その具体的な目標数や受け入れの仕組みにつきまして、当本部を中心にいたしまして、大変総務庁にもお世話になっておりますが、鋭意検討を進めておるところでございます。その結論につきましてはしばらく御猶予をいただきたいと思います。
  195. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 これは六日の質問でも私は、検討というんですけれども遅いではないか、とにかく早く結論を出していただきたい、こういうことを言っているんですが、またそのような段階だというのは残念でございます。  ところで、それではなお具体的にお聞きしますけれども、十一月十三日付の新聞では、気象庁が三年間で百名くらいの職員を受け入れでもよろしい、こういう新聞報道がありました。そういうように、具体的にこの数を明確にしてきているところもあるわけでありますが、その他の省庁で気象庁のような感じの決定をしているというんですか、受け入れを決めているようなところはございますか。
  196. 平井清

    政府委員(平井清君) 現在までのところにおきましては、本部事務局といたしまして、気象庁以外に、そのような何年間で何人とというような具体的な受け入れ計画を持っておられるという話はまだ聞いておりません。
  197. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 大臣、運輸省はどうでしょうか。具体的に一体来年からどのくらい受け入れてやろうとお思いになっておるのか。
  198. 棚橋泰

    政府委員(棚橋泰君) 気象庁も運輸省の中でございますが、それも含めましていろいろ現在検討しておりますが、運輸省といたしましては既に現在までに四十三各国鉄退職者を採用いたしております。お願いする立場といたしまして運輸省としてできるだけ積極的にやりたいということでございます。  それから、気象庁の方の百人というのは、気象庁の中でできる限り国鉄退職者を採用して欠員の補充に充てていきたいということで、今具体的計画を御検討中だというふうに承っております。それが一部の新聞に百名というような数字であらわれたわけでございますが、まだ年度計画というようなものが決まっておるという段階ではございません。  いずれにいたしましても、平井事務局長からお答え申し上げましたように、現在、政府全体といたしまして一定割合を採用するということで、その目標値を本部を中心に検討をいたしておるところでございまして、その目標値に基づきまして、運輸省としても具体的な計画を立てて六十一年度から対応していきたい、かように思っております。
  199. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 その六十一年度の採用、これはもう期限を決めないで、それぞれに何とか一定割合、一定割合と言ってお願いをして歩くのか。例えば十二月なら十二月の段階を区切って、ここの省は何名、ここの省は何名ということでお願いをするのか。これで大分違うと思うんですね。一定割合という、これは再建監理委員会の答申に出ておりますけれども、そういうように具体的な計画が立てられるのはいつごろになりましょうか。
  200. 平井清

    政府委員(平井清君) 今の段階におきましては、六十一年度の国家公務員の採用につきましては、大卒クラスを中心といたしましてもう既にかなり進行いたしております。したがいまして、六十一年度の国鉄職員からの受け入れは高卒初級クラス相当を中心にいたしましてやっていくということになろうと思います。なるべくその採用を急ぎまして、できるだけ早い時期に、年度当初から幾らかでもというふうに考えております。
  201. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 それはぜひ要望をしておきたいですけれども、来年の四月に採用して勤めてもらわなきゃいかぬわけですから、そのためには、やっぱり国鉄側だって人選の問題あるでしょう。こういうところに何名受け入れが決まったから、君は行く希望があるかということですな。それはもうやはりかなりの時間をかけてやらなければできないと思いますから、早急にこれは具体的な方向で進めていただきたい、このように思います。  それから、地方自治体の受け入れについても質問を用意しましたが、時間がありませんのでその次の重要な問題にちょっと触れていきたいと思うんですが、これは運輸大臣にお聞きしなければいかぬと思うのですが、亀井委員長は地方の説明会において、いわゆる四万一千名の旧国鉄に移行する者の労働条件について触れられる発言をされているわけですが、これらの人々、四万一千人の人人は、就職のための訓練ですな、そして三年の間に四万一千人を民間会社あるいは国家公務員とか公共機関に就職をさしていくということなんで、その四万一千人の人々に対して労働条件、いわゆる賃金ですね、それは失業保険程度のものを保障する、こう言っている。これは重大な実は発言なんですね。  旧国鉄に残る者はやがて民間に受け入れてもらわなければならない、公共機関に受け入れてもらわなければならない、言うならば国鉄の中でも優秀な人材ですよ。優秀な人材をプールしてお願いをしなければ、受け入れ側だって受け入れてくれませんしね。四万一千人の中に残る人だって出てきませんよ。これを失業者だなんていう大体認定をしてやると、いうことは大変これは問題があるし、これは余剰人員対策として四万一千人進みませんですね。  そういうことを考えますと、やはり待遇というものはきちっとした待遇を与えて、そして優秀な人材がここにおるからみんな採用してくれと、こういう立場に立たなければだめじゃないか。運輸省当局もこれは失業者扱いなんてしてもらっては困ると思うんですが、その点についての大臣のお考えをお聞きをしておきたいと思いますが、いかがですか。
  202. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 旧国鉄における給与あるいはその他の条件について関係省庁で今詰めていただいていることは事実でございますが、亀井委員長がそのようなことを地方の懇談会においておっしゃったということは、実は私もまだ聞いておりません。  いずれにいたしましても、今お話がございましたように、今日まで国鉄で一生懸命職を奉じてこられたこの方々に、実にやむを得ない措置としてこういうところに行っていただく、しかも協力していただく優秀な方々であるという点からいたしますならば、私どもは十分それに対して遇すべきである、こういう基本的な考え方に立って詰めていただくように私の方からまたお願いしなければならぬと思っております。
  203. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 ぜひそういう立場で、失業者扱いなんてすること自体が適切じゃない、こういうふうに思いますので、その方向で臨んでいただきたいと思います。  それから、時間がないですから、先ほども多少出ましたけれども、例の直営売店の問題ですね。東京駅にも書店をつくろうと、そしたらいろいろ問題が出てきた。私は、中小企業の経営に著しく影響を与えるようなことはこれはやるべきではないと思うんですが、しかし、国鉄民営・分割になって、民営・分割の会社も三万二千人の余剰人員を抱えるわけですよね。したがって、そういう直営売店は、関連事業というものはどんどん拡大をしていかなければこれらの人を抱えていくことはできない。  こういうことを考えますと、やはりこういう直営売店方式をさらに私は一層進めていくべきだと思う。著しく中小企業の経営に悪影響を与えるようなことはできませんけれども、私はそういうようにやるべきではないか。そのことが分割・民営になったときに明るいある程度の展望を切り開く一つの材料にもなる、とういうように思うわけでありますけれども、その点について私は運輸大臣としてこういうものは積極的に推進し認めていくべきだ、こういうように思うのでございますが、その点についての御見解をお伺いしておきたいと思います。
  204. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 今日の国鉄を引き起こしたその原因の中で、公社制度あるいは一元的運営というものが悪かったということでございますから、そうであるとするならば、今後はひとつ多角経営によって精いっぱい頑張ってもらうという趣旨からも私は結構だと思うのでございます。  ですから、これはただ単に余剰人員対策ということではなくて、これからの新しい鉄道の経営のあり方として私は見直していくべきである、そういう点からやっていただくべきである。ただ中小企業とあつれきを生じないように十分調整をしながら、また国鉄当局においてもそういう点に配慮していただく。我々もまた同じでございますが、それは当然でございますが、基本的な姿勢としてはそうあるべきだということを申し上げておきたいと思います。
  205. 伊藤郁男

    伊藤郁男君 最後に、総裁、国鉄駅の書店の問題が時々新聞にも出ておるわけでありますが、この取り扱いですね、どのように進んでいくのか、いつ開店できるような見通しができるのか、この点だけお伺いして質問を終わります。
  206. 杉浦喬也

    説明員(杉浦喬也君) 東京駅の本屋さんの問題は、その周辺の書店の方々あるいは書店の業界の方々といろいろと御理解を得べく折衝を続けてまいってきております。なお、東京都からのお話等も聞いておるわけでございますが、残念ながら、現段階で、国鉄の出店はやめてくださいというようなお話に向こうからの御要望が終始しておりまして、私どもの方ではいろんな条件も提示しながら今後なるべく早く地元の書店の方あるいは書店の組合の方の御了解、御理解を得まして開店の運びにしたい、こう思っておる次第でございます。
  207. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 私は、先般の日航機墜落事故の救難作業に関連をして防衛庁にお尋ねをいたします。  今回の、すなわち去る八月十二日夕刻の日航機墜落事故は実に痛ましい事件で、いまだに忘れることができないところか、なぜかという不信の念はますます募るばかりであります。事故原因の究明については技術的専門家の手で目下進行中でありますからその結果を待つとして、今日まで多くの人々が指摘をしておられますとおり、今回の遭難を危機管理という観点から見ますときに、余りにも多くの問題があるように思われます。  そういったことから、事件直後から始まる救難体制に対し、自衛隊側が全くいわれなき批判と反論をしておられますものをも含めて自衛隊への批判の声が随所に上がりました。しかし、今回の災害出動に関し、自衛隊に対し余りにも事情に通じない批判、無理な注文もあったことを遺憾とせざるを得ないと率直に認めた意見もございますことは否定しません。また、自衛隊側からも延べ人員五万人、出動車両約七千両、航空機約九百機を投入して険しい地形の中で困難な任務を遂行してきたと自負されておられます立場からの反論も出されております。このように双方からの意見の出そろった中で、いま一度この事故を振り返り将来への戒めとするものがあるのかないのか確認をしておく必要があると思います。  確かに救助活動に対する批判はたくさんありましたが、しかし、隊員が酷暑と死臭の中、しかも食事、休養、睡眠、さらには用便さえままならぬ状況を克服して月余にわたる活動に対しましては、敬意が払われこそすれだれ一人批判をしておられる方はないと思います。ただ、上級指揮官の厳しい現状把握に基づく情勢判断の上に立った適切な指揮について疑問が提起されている結果の批判であるように私は理解をします。したがって、以下そのような点について数項目にわたってお尋ねをいたします。  まず第一点は、「日航事故・自衛隊批判に応える」という上級司令官の署名入り反論に対して、隊員の労苦に報い士気阻喪を防ぐために誤報を指摘するのはよいとしても、指揮官、指揮中枢の失策まで覆い隠そうとする姿勢は再び国を誤るものであるとの厳しい批判もありますが、八月十二日夕刻から翌十三日に及びます自衛隊災害救助活動は全く適切であったと考えておられますのかどうかについてまずお尋ねをして所見を求めます。
  208. 大森敬治

    説明員(大森敬治君) お答えいたします。  先般の日航機事故は、一挙に五百二十名もの犠牲者を出しますという大惨事でございまして、捜索活動は自衛隊にとりましても非常に前例のないものとなりました。自衛隊といたしましては、事故発生後直ちに領空侵犯に待機中のF4EJを発進させまして状況の把握に努めましたし、また、同じく待機中の航空救難ヘリコプターを回しまして位置の確認に努めました。また、技術的に非常に難しい現場、急峻な山岳地への空挺隊員の降下ということを実施するなど、厳しい環境の中で捜索活動を行ってまいりました。できる限りのことはやってきたというふうには考えますけれども、しかしながら、今回のような急峻な山岳地帯での救助活動というものは初めての経験でございますし、その中で、やみ夜の中での現場の確認ですとか急峻な現場へのロープによる降下ということを通じまして貴重な体験を得たというふうに考えております。  このようなことから、部隊運用につきまして反省すべき点、また装備や教育訓練面で改善すべきことはないのか、いろいろ部内でも検討しておりまして、防衛庁・自衛隊といたしましては、この貴重な体験を生かしまして今後の救難活動を行いたいというふうに考えておるところでございます。
  209. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 反省と改善についてはさらに努力を続けていただきたいと思います。ただ、私はそういった立場から二、三の点についてお尋ねをいたしたいと思います。  まずその第一点は、日航機墜落位置の特定が非常におくれたということ、さらに当初の誤認情報にとらわれ過ぎたのではないかと思うこと、これらについてお尋ねをいたします。  朝日ジャーナルの十一月八日号によりますと、墜落後いち早く米軍のC130輸送機からの第一報、横田タカンから三百五度、三十四マイルの報告に続き、自衛隊機から都合三回の情報報告、さらには自衛隊のヘリが確認をした現場位置の北緯と東経が報告されます等、多くの情報が司令部に入っております。確かにタカンにはかなりの誤差がありますことも事実のようでありますけれども、これらの情報を地図に落としてみましても、どれ一つとして御座山付近を指すものはなく、特に、翌十三日午前一時の情報として、入間のV107救難ヘリがタカンではかって報告した位置は偶然にも墜落位置にぴったりであるものがありますのにかかわりませず、この報告を受けてからも中部航空方面隊司令部等では何の疑問も感ぜられなかったのか、なぜなお御座山南斜面の誤判断をされたのかはなぞでありますというように記載がされてあります。  さらに、自衛隊ヘリが確認をした墜落現場位置として運輸省報告をされました北緯三十六度二分、東経百三十八度四十一分、長野県北相木村御座山北斜面、この報告の件にしても、実際に示されてあります北緯や東経を地図の上に落としてみますと、御座山を指すどころか、御座山よりも東方七キロのところに点が落とされるのであります。  そういったものにかかわりませず、わざわざ御座山北斜面という位置まで指定をして他の省庁に報告をされるどころか、隷下の部隊をもまたその方向に回しておられますということが行われております。  そして、司令官の署名入り反論書にもありますとおり、結果的には、これらの部隊は最初の御座山北斜面の誤情報をもとに一晩じゅう事故現場を求めて歩き回る結果になってしまいましたと認めておいでになるのでございますけれども、墜落位置特定のおくれがその後の救難活動の不手際に大きくかかわっておるように考えられます。実戦部隊が努力をして情報を報告しておりますのに、これを受けた指揮中枢が果たして適切な状況確認の作業をしておられたのかどうか。もしやっておられたといたしますなれば、なぜ誤った情報をチェックをすることができなかったのかの疑問はだれでも持ちますものと思います。いかに県境の僻地ではありましたとしても、東京より幾らも離れておらない本土の真ん中にあります墜落位置ではありませんかという素朴な疑問を感じるのは当然だと思います。何らかの反省点があったに違いないと思いますけれども、この素朴な疑問にお答えをいただきたい、それが第二点であります。
  210. 大森敬治

    説明員(大森敬治君) 現場位置の特定に当たりまして自衛隊が行いました役割というものを少し説明させていただきたいと思います。  自衛隊といたしましては、事故が起こりましてから、現場確認をいたしますために、先ほど申し上げましたようにスクランブル待機中のF4EJ戦闘機を発進させてまず該位をつかんだわけでございますが、その後正確な位置を確定するためヘリコプターを出しまして位置の確認に努めたわけなんでございます。現場近くに炎を視認しているわけでございますが、当日はちょうど月も出ていないやみ夜でございまして、航空機から下の方の地形を把握するということは不可能な状態でございました。このような場合に航空機が位置を確認、割り出すという方法は、航空機に搭載されておりますタカンといういわゆる戦術航法装置を用いまして、固定局から発する電波をとらえまして方位と距離をはかるというものでございますが、この方法によります場合、機材の誤差がございますし、若干の測定上の誤差も生じてまいりますので、やはり数キロにわたる誤差が生じてまいります。  このようなことから、自衛隊といたしましては、関係方面にその方位と距離を御連絡すると同時に、関係の地元の警察ですとか消防ですとか、そういうところと協力しながら位置の確認というものを行ったわけでございます。ところがなかなかその位置の特定が先ほどのような状況でございますのでできませんでした。自衛隊といたしましては十二日中といいますか、十三日の夜が明けるまでに何とか現場確認をしたいということで、十三日の一時ごろに再度ヘリコプターを飛ばしまして、関係の機関の協力のもとに現場を特定しようとしたわけでございます。例えばヘリコプターが飛びますところを現場から警察の方でパトロールカーで追っかけてもらう、そういうことで何とか関係のところと連絡をとってやりてみたわけですが、現場が非常に急峻な稜線の入り組んだところでだざいますのでなかなか位置の確定ができなかったというのが現状でございます。
  211. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 お答えをいただきましたけれども、結果的には特定できなかったということであります。その点はやはり深く反省をしていただきたいと思いまして、その次に進ましていただきます。  第二点は、夜間のうちに墜落現場に到達するなり、よしできなくても、現場近くに到達しておればもっと多くの生存者を救出できたのではないかという疑問についてお尋ねをいたします。  確かに事故が痛ましいだけに、さらに四名だけであっても幸い生存者がおいでになっただけに、しかもその生存者と対話を交わされたその時点での生存者がほかにもおられましただけに、より多くの生存者救出の願いを込めた可能性の追求がやはり批判の形としてあらわれたのだと思います。しかし自衛隊は、批判にこたえる反論において、すべての可能性に対し現場の条件の悪さを列挙して、とても困難でありできないとのことで、結果的には、空からはもちろんのこと地上からも進入できずに、翌朝の八時四十九分ようやく事故現場に到達されたということであり、より多くの生存者をとの願いにはこたえられなかったのであります。  このことに関連をいたしまして、私は先般富山県警察の山岳警備隊の救助活動を調査をいたしてまいりましたところ、近年は新しい登攀対象を求め登山の範囲が広域化した上に、観光登山客の増加等で遭難形態は多様化し、特に山における発病は平地並みの多様化を示し、救難活動もより迅速に行われないと救命率の向上、後遺症なき完全な社会復帰が図られない時代となっておりますとのことでございました。スピーディーな救助活動の中心となるヘリコプターも、過去のKH4の時代からジェットレンジャーの時代となり、スピードとパワーが飛躍的にアップ、ヘリコプター主役の時代を迎えておりますが、ただ、使用ヘリコプターが民間機であることもあり、有視界飛行を原則に制約をされ、そのもどかしさに覆い得ないものを持っておられるように感じます。我が国では、海難救助体制は早くから確立されておりますが、山岳の遭難救助は歴史も浅く、対象が限定されております上に、自然を相手に常に二重遭難の危険がつきまといます関係で、救助活動も強靱な体力と精神力、特殊な技術と装備等を必要とするからいまだに万全とは言えないということでございました。  なお、安全の面からは、払暁は幾ら早く出ようとも夜間の行動は行わないことを原則としておられますようでありますけれども、隊員の言葉は、そこに救助を求める遭難者がおいでになれば、雪崩、落石などどんな危険があろうとも現場に出動する覚悟です。自分の手で、この手でとうとい人命が救助できることの実感、これが救助隊員の心の支えでありますとのことでもございました。事実、徹夜で午前四時までかかっての救助活動もあったようであります。  日航機遭難事故のように一度に五百名を超えるとうとい人命が失われるような事故はこれをもって最後としていただきたいと思いますが、その保証はどこにもありません。絶対好ましいことではありませんが、もし万一起こったとしたらどうしたらよいのか。こんな場合、反論ではすべての手法がだめなのでありますが、けさの「天声人語」によりますと、コロンビアの被災地で一人の少女が泥水の中を何日も生き抜いてきたのに、排水ポンプが間に合わず命を奪われる結果になった。このニュースに関連をして、「人類はいま、何千キロも離れたところにいる市民を皆殺しにできる武器をもっている。だが、目の前に苦しむ一人の少女を手ばやく救うことさえできないでいる、ということをこのニュースは教えてくれる。」とありましたが、日航機の墜落事故にも何かを教えてくれておるように思えてなりません。  そこに救助を求めている遭難者がおいでになるとすれば、今後の問題としてどう対処されますのか、手段なしの放置では無策であります。残酷でもあります。無責任に過ぎるとも思いますけれども、こういった面、この事故を経験としてどのような考え方を持っておいでになりますか、お尋ねをいたします。
  212. 大森敬治

    説明員(大森敬治君) 御指摘のように、仮に夜間の間に現場に到達することができたとすればもっと多くの生存者を救出できる可能性があったのではないかということは御指摘のとおりだと思います。しかしながら、現実の現場の状況は、先ほどの繰り返しになりますが、起伏の激しい急峻な山岳地帯でありますし、周辺の地形も不明であり、また、先ほど御説明しましたようにやみ夜でもございますので接近するための目標もございませんでした。このようなところから現場確認に手間取ったわけでございますし、また、地上部隊といたしましてはいち早く準備を進めて現場の方向へ向かったわけでございますけれどもなかなか到達はできなかった。そういう状況も踏まえまして、自衛隊といたしましては航空機によります部隊の投入ということを考えたわけでございますが、夜間、山岳地帯をヘリで低空で飛ぶということも非常に難しいということでもございますので、結果は、非常に残念なことでございますけれども、翌日明けてから部隊の投入ということになったわけでございます。  先ほど申し上げましたように、私ども自衛隊といたしましてはいわば初めてのような体験でございます。そういう面で、夜間における捜索、夜間における救助隊員の投入ということにつきましては十分検討しなければいけない点が多くあると思いますので、この点につきましては、今回の貴重な体験を踏まえまして改善に努めてまいりたいと思っております。
  213. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 次に指摘いたしたいのは、翌十三日の朝になって習志野空挺部隊によるリペリング降下に計画を変更されたことについてであります。  その原因は、朝になって映像伝送装置を搭載したヘリが伝送してきた映像を見て、想像以上に地形が険しかったからとのことであります。自衛隊の反論文章によりますと、映像を見て総監部が仰天をした。想像以上に地形が険しかったからでありますと反論をされておりますけれども、これに対して、陸上の幹部は地図を一目見ただけで、山の斜度はもちろんのこと地積、植生、谷沢の状況まで眼前に浮かぶまで習熟しているのが常識であり、地形を読めない者は陸上作戦を指揮できないとの批判もあります。私も、仰天したとの表現はオーバーだと思いまするし、この反論書にはなぜか一般的にオーバーな表現が多いことをつけ加えでおきます。  さらに、こんな場合、映像を待つまでもなく、指揮官みずからが偵察機で現場を確認し、機上から誘導して指揮命令するのが当然ではないかとの意見もございますが、翌朝偵察ヘリの伝送した写真を見て鳩首検討を加え空挺隊投入に切りかえられたのではやはりロスは大き過ぎると私は思います。  さらに、命令の変更も問題であります。決心や命令の変更は指揮官が最も戒むべきタブーであり、そのためにこそ平素から判断方の錬磨に努めるものなどの意見書ありますが。私は全く同感であります。とにかく計画変更は現場到着のおくれとなり、この緊急の場合まことに残念であり、やはり問題点だと思いますけれども、この点についての御所見をお願いいたします。
  214. 大森敬治

    説明員(大森敬治君) 御説明をいたします。自衛隊をいたしましては、現場の状況が十二日のうちになかなか確定できないということで、翌日できるだけ早く部隊を投入するということを考えておりまして、防衛庁といたしましては、地上から捜索に当たっておりました十二師団をヘリコプターで投入するという考え方と、状況によっては習志野におります空挺団をヘリコプターで運びまして降下させるという案とを両方考えていたわけでございますが、十三日の朝、現場の状況がわかるにしたがって、状況の確認とともに空挺部隊の投入という選択をしたわけでございまして、計画を変更したとかいうことではありませんで、状況に応じて機敏な措置をとったというふうに考えておるところでございます。  また、空挺部隊のリペリングによる降下につきまして若干御説明させていただきたいと思うんですが、リペリングによります降下といいますのは、ヘリコプターからロープをおろしまして隊員が降下するということでございますが、このリペリング降下をやるためには、ヘリコプターがホバリングと申します一定の高度に静止していなければいけません。現場のような千六百メートルぐらいの高いところでこのホバリングが可能なのかどうかとか、また、ホバリングが仮にできるといたしましても、そのときのヘリコプターの重量といいますか、何人ぐらい乗せられるのか、燃料はどのくらい持ったらいいのかというふうな技術的な分析もしなければいけません。そのためには現場の地形ですとか高度、それから気象状況、気温、そういうものの正確な把握が前提でございます。  現場は先ほど申し上げましたような状況でございますので、非常に気流が不安定であるおそれもありますので、このためには現場の状況をよく調べるということが必要であったわけでございます。そこで、十三日の朝にかけて、陸上自衛隊といたしまては、現場の偵察飛行等を入念に行いまして空挺部隊の投入計画を作成して実施したわけでございますが、この場合は、現場付近の偵察飛行によって得られた気象状況、地形、気温その他の情報を十分に分析した結果でございまして、最終的には、御指摘のように魂場からの映像を見まして決心したということになりますが、これはあくまでも現場へのリペリングを確実に行うというためにとったものでございまして、当時の状況からしましてやむを得なかったものというふうに判断しているわけでございます。
  215. 山田耕三郎

    山田耕三郎君 最後に、山岳遭難における救難器材の整備についてお尋ねをいたします。  日航機事故で幸いにも助かった吉崎博子さん親子の救出のため担架でつり上げられました際に担架が異常に回転をしたため、二番目に救出をされた川上慶子さんは、担架を使わずに救助隊員が抱きかかえて救出をいたしましたことは報道写真で既に皆さんが見ておられるとおりであります。ただ、この場合の欠陥として、もし内臓に損傷がある場合には胸を締めつけて出血を起こしたり、さらには肋骨を折ったりする心配があります。したがって、改めて担架の救出方法が論議を呼んでいたところであります。このような災害や遭難で活躍するヘリコプターのつり上げ用担架が風圧で回転をして負傷者が目まいを起こしたり、固定の際傷口を圧迫をしたりする欠陥を補う減圧式固定担架が神戸市消防局と日本船舶薬品会社の共同研究で開発をされ、陸上自衛隊第一空挺団では、画期的な器具で救助活動がスムーズになると思う、早急に実用化してほしいとのコメントづきで報道をされました。  また、これをまつまでもなく、富山県警山岳警備隊では、欧州アルプス各国の救助隊の教訓から、負傷者に不安や苦痛を与えずに空から救助できる水平ネットを導入をし、多くの成果を上げておられるとのことであります。自衛隊が川上慶子さんをつり上げる旧態依然とした救助方法をテレビで見ながら、水平ネットならもっと安全に救助できるのにといういら立ちをすら覚えたとのことでございますけれども、宇宙工学の新素材がどんどん山岳装備に取り入れられます今日、救難救助隊側にも当然のこととして救難器材の整備は急務なのではないか。  総じて、山岳警備隊や自治体消防の救難器材は進んでいるように思います。その最大の原因は、隊員がたびたび遭遇する火災現場からの救出、ドライブウエーから谷底に落ちた自動車からの救出、人の力だけに頼るより方法のない困難な山岳遭難者の救出と搬送、こういったことで負傷者や犠牲者の痛ましさにつまされ、あるいは任務遂行のための必要性から常に研究開発の心がけを堅持しながら任務についておいでになるからだと思います。自衛隊の出動は比較的大型の災害の場合だと考えますが、それだけに日常の体験による対応に疎遠になっておられます心配があります。これらの克服については十分心しておいでになるとは思いますけれども、日航機事故救生活動をテレビで断片的に眺めている素人目に若干の危惧を感じましたので、救難器材のおくれはないのか、また実態に合った器材が整備されており、個々の隊員がその活用に習熟をしておられるのか、これらのことについてお尋ねをいたしますとともに、いずれにしても、民間航空の安全を守られる責めを持たれる運輸大臣は、事故が起こった場合には本部長の責務におつきになります。  今私は時間の関係で取り上げます問題点は極めて少なく絞りましたけれども、お聞きいただきましたと思いますので、今後の対応によく関係機関との協議も整えてくださいますよう要望をいたしまして、私の質問を終わります。
  216. 大森敬治

    説明員(大森敬治君) 先ほども御説明いたしましたとおり、自衛隊といたしましては、山岳地帯での今回のような大規模な救助活動は初めてでございますので、それを通じまして得られました経験をもとに救助装備その他につきまして改善を加えていきたいと考えているところでございますが、御指摘の減圧式固定担架、それですとか水平ネット、これにつきましても自衛隊といたしましても着目しているところでございますので、今回の経験を踏まえて勉強させていただきたいと思っております。  それと、生存者の救出に当たりましての自衛隊の状況について若干補足させていただきたいと思っておりますけれども、自衛隊といたしましては、その救助活動に当たる当初から生存者の可能性があるということで、救出部隊、救出ヘリコプターには医療品ですとか、それから救助器材ですとか、それから衛生隊員を一緒に乗せまして救出作業を行ったわけでございますけれども、先ほどの御指摘の川上慶子さんの場合には、自衛隊の医療関係者の方から、いわゆるボイヤントスリングと言っておりますけれども、つり下げ装置の先に輪がついているものですが、これで自衛隊員が川上慶子さんを抱きかかえて上げても大丈夫であるというふうな一応の結論が出ましたので、つり下げ装置をもちまして川上慶子さんの場合にはヘリコプターへの収容、それから病院への空輸というものをやったわけでございますが、ほかの方の場合におきましてはそのつり下げ装置を使うのは不可能であるというふうな結論でございましたので、担架によりますヘリコプターへの収容という手段をとらしていただいたわけでございます。  いずれにしましても、御指摘のように、自衛隊の救助活動に関連します装置と申しますのは改善する余地も十分あるところでございますので、この点は先ほど申しましたように十分勉強させていただきたいと思っている次第でございます。
  217. 山下徳夫

    ○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどお話がございました、今回のコロンビアの火山噴火によるあの少女の姿を私もテレビで見ております。あるいは、数年前ですか、ワシントンにおけるポトマックというんですか、あの川、あそこに飛行機がぶつかって氷の中に落ちた、その少女を助けるために男性が一つの人柱になって死んでいった。あんなのを見ますとやっぱり胸を締めつけられ、またやっぱり、だれかが言われた人の命は地球より重いということをしみじみと私も感じるわけでございます。  特に、今回の事故は私自身もそれに乗っておったという何か宿命的なものを持っておりますし、何とかしなきゃという気持ちは人一倍私は持っておるつもりでございます。ただ、あの現状におきましては、やっぱりとっさの判断によって行動しなきゃならぬということ、そしてまた二次災害はこれはもう防止しなきゃならぬという、いろんなものが重なってのああいった行動になったと思いますから、後から見れば、ああすればよかったと、これは必ずあると思うんですけれども、それは反省すべきは反省し、私もそういうものを預かる一つの役所の長として、また、今後こういう、必要は発明の母といいますか、こういうものがあってまた新しい機械器具、救助活動のためのいろいろなものが出てくると思いますし、常に心しながら私は置かれておる立場で微力をささげてまいりたいと思っております。
  218. 鶴岡洋

    委員長鶴岡洋君) 本日の調査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十分散会