○岡田(利)
委員 やはり
総理は、自分自身が戦前戦後を生き抜いてきて、何かやはり自分の思想について私
どもと違ったものがあるのじゃないのかなという感じがするわけです。
私は我が祖国
日本というのをこよなく愛しておるのであります。ただし、どういう
日本を愛するのかという問題なのであります。この平和主義の憲法を持つ
日本、そして基本的人権を尊重する憲法を持っている我が
日本、そして主権在民、民主主義国家のこの祖国
日本をこよなく愛すのです。そのために我々は政治をやるのです。そしてまたそういう
立場で
日本の独自性を発揮していかなければならないし、国際協調を進めてまいらなければならないのであります。ほとんどの人がそういう気持ちを持っているんじゃないでしょうか。また、そういう気持ちに
国民の気持ちが寄り添っていく、こういうことが私は大事ではないかと思うのであります。その中に真に戦後の新しい
日本、国際的な
日本というものが私は確立をされていく、こう思うのであります。
ですから、よく、「今の若い者とは申すまじく候」という山本さんですか、の言葉もありますけれ
ども、戦後もそういう言葉が使われました。私は、これからの
日本というのは――私ももう還暦なんですよね。
総理も六十七歳ですか。戦後っ子、いわば
昭和二十年後に生まれた人々が、もう四十になる人もおるわけですよ。もう十年たつと五十歳になる。十五年たつと、来世紀になると六十五歳にもなる、いわゆる指導者になるわけですよ。そういう人々にむしろ我々はあるものはゆだねなければならない、こういう気持ちを持って、それにゆだねるものを我々は次の世代に残していかなければならないと思うのですね。それを我々の世代で、戦争を経験した我々の世代ですべてを、
日本の将来を律するなんて
考えるのは非常に恐れ多いことであり、思い上がりであると私自身そういう気持ちを持っておるわけです。私の所属している
日本社会党もそうだと思うのですよ。そのときどういう社会党になるのか、そういう気持ちを私は持っておるのであります。政治家としてそういう気持ちを持たれることが一番いいのではないかと私は常に
考えております。
そういう点で、
総理のいろいろな言葉ということが気になって気になってしようがないわけです。非常に演説が上手ですし、言葉も非常にきれいな言葉を使いますから、それだけにまた注目も引くのですけれ
ども、その
意味というものについて、私は常に
考えさせられておるわけであります。
そこで、靖国神社の問題、この問題をやると票が減るぞというような、政治家の中でもそういう話があるのでありますけれ
ども、そういう
意味じゃなくして私はちょっと聞いておきたいと思うのであります。
これはまず官房
長官に聞かなければならぬのは、
昭和五十五年に統一見解が出されて、憲法違反の疑いはまだ消えないという統一見解を示されて、津の地鎮祭判決が出て、その後、稲葉議員などは
質問主意書で
質問して、そしてまた統一見解が示されている。何回も何回もこの
国会で
議論されてきた内容であります。国権の最高機関は
国会であるということは、これはもうお認めになるでしょう。そして、合憲か違憲かという問題について、いろいろ
議論を長年の間闘わされてきた。
あなたが、別に
国会の承認も受けないで勝手に、勝手にという言葉はどうかと思いますけれ
ども、私的諮問機関をつくられて、これは別に答申ではないわけでしょう、そういう
議論したことを参考にお届けした、こう言うべきものでしょう。それを受けて短期間のうちに、短期間のうちの中では最も官房
長官は慎重であったという話も聞いていますけれ
どもね、だけれ
ども、その短い間でとにかく公式参拝という方向を打ち出された、いわゆる藤波談話というものを出されたのであります。藤波官房
長官ほど人格者であり非常に慎重な方が、なぜ一体こういう過ちを犯したのだろうか、こう私は思いますね。やはり、
国会の今までの
議論も踏まえ、
政府の
答弁も踏まえて、これは、公式参拝は一回で終わるものじゃないわけでしょう、やる以上は、
政府の意思としては。そうであるならば、当然
検討されて出された、その出された結論については
国会の
意見も聞くというのは、当然過ぎるほど当然じゃないでしょうか。これを聞かないで、勝手に自分
たちはこうだといって談話を出して公式参拝に踏み切った。
これは、こういうことを認めておったらどうなるのでしょう。国権の最高機関なんというのは形骸化するばかりでしょう。
国会議員として、我々は断じてそれは認めるわけにはまいらぬと思うのですね。まず手続の問題ですよ。ですから、撤回されて、そして、
国会でも
議論を積み重ねた上で最後は
政府が、
政府は
政府の判断もあるでしょう、そうされることが、今の国際的な環境の中から
考えても賢明じゃないでしょうか。ここは、やらないと言ったら、審議しないぞと言って座るところですよ。しかし、もう時間が遅いからそういうわけにもいかぬでしょう。いかがでしょう。