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1985-11-12 第103回国会 衆議院 本会議 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年十一月十二日(火曜日)     —————————————  議事日程 第四号   昭和六十年十一月十二日     午後二時開議  第一 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設     等促進法の一部を改正する法律案内閣     提出)     ————————————— ○本日の会議に付した案件  日程第一 住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅   建設等促進法の一部を改正する法律案内閣   提出)  許可認可等民間活動に係る規制整理及び合   理化に関する法律案内閣提出)の趣旨説明   及び質疑     午後二時八分開議
  2. 坂田道太

    議長坂田道太君) これより会議を開きます。      ————◇—————  日程第一 住宅金融公庫法及び北海道防寒住   宅建設等促進法の一部を改正する法律案   (内閣提出
  3. 坂田道太

    議長坂田道太君) 日程第一、住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案議題といたします。  委員長報告を求めます。建設委員長保岡興治君。     —————————————  住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進   法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     —————————————     〔保岡興治登壇
  4. 保岡興治

    保岡興治君 ただいま議題となりました住宅金融公庫法及び北海道防寒住宅建設等促進法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  本案は、国民の良質な住宅の取得の促進と良好な居住環境確保を図るとともに、内需拡大のための緊急かつ時限的措置として、住宅金融公庫貸し付けについて、この法律の施行の日から昭和六十一年度末までの期間に限り、みずから居住するため住宅を必要とする者に対し、通常貸付金に加えて政令で定める金額の割り増し貸し付けを行うこととし、割り増し貸し付け分の利率は、政令で定めることとしております。  本案は、去る十一月七日本委員会に付託され、翌八日本部建設大臣から提案理由説明を聴取、質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第でございます。  なお、本案に対しましては、宅地供給円滑化等項目附帯決議が付されました。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)     —————————————
  5. 坂田道太

    議長坂田道太君) 採決いたします。  本案委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 坂田道太

    議長坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  許可認可等民間活動に係る規制整理及び   合理化に関する法律案内閣提出)の趣旨説   明
  7. 坂田道太

    議長坂田道太君) この際、内閣提出許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案について、趣旨説明を求めます。国務大臣後藤田正晴君。     〔国務大臣後藤田正晴登壇
  8. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) 許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  政府は、民間における事業活動等に対する公的規制緩和することを当面の重要課題一つとして位置づけ、民間活力の発揮、推進に資するため、経済的目的から行われている規制についてはこれを必要最小限のものにとどめ、社会的目的から行われている規制については、その公共性を配慮しながら、できるだけ合理的なものとするとの基本的視点に立脚しつつ、その推進に取り組んでいるところであります。  その一環として、去る九月二十四日の閣議決定「当面の行政改革具体化方策について」において、臨時行政改革推進審議会答申で指摘された各分野にわたる規制緩和事項について、個別にその措置方針を決定しております。  今回は、これらのうち、所要法律案を今国会提出することとされた事項を取りまとめ、ここにこの法律案提出した次第であります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明します。  第一に、規制制定の当初に比し、規制対象をめぐる社会経済環境が著しく変化をしているものにつきましては、規制を継続する必要性が認められないものはこれを廃止し、現行の規制必要性が乏しくなったものはその規制の手段を緩和する等、合理化を図ることとしております。  第二に、規制制定の当初に比し、民間能力が向上しているものにつきましては、国が直接実施している定型的事務であって民間で代行可能なものはこれを代行させることとし、規制対象者能力が向上しているものは規制の態様、範囲緩和する等、合理化を図ることとしております。  第三に、規制制定の当初に比し、技術革新が著しく進展しているものにつきましては、規制範囲緩和し、または規制方式を変更する等、合理化を図ることとしております。  この法律案は、以上のとおり、時代変化等に伴って不要ないし過剰あるいは不合理となっている規制是正することによって、民間活動に対する制約を除去し、あわせて、国際的に遜色のない開放性を有する市場実現に資する観点から、公的規制整理合理化を行うため、八省、二十六法律、四十二事項にわたる改正を取りまとめたものであります。  なお、これらの改正は、一部を除いて公布の日から施行することといたしております。  以上が、許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案趣旨でございます。(拍手)      ————◇—————  許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  9. 坂田道太

    議長坂田道太君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。深谷隆司君。     〔深谷隆司登壇
  10. 深谷隆司

    深谷隆司君 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、ただいま提案されました規制緩和法案趣旨説明につきまして、総理並びに関係大臣に対しまして御質問をいたしたいと存じます。  私は、かねてより、行政改革推進不退転決意で臨むとの総理の御発言に大きな期待を抱いてまいった一人であります。実際、総理就任後、極めて困難と言われた電電公社専売公社民営化し、また、戦後ふえ続けた行政組織整理統合し、例えば総務庁の誕生を見るなど、着実にその実績を重ねてこられました。こうした総理の今日までの歩みに深い敬意を表するものであります。  我が国も、戦後四十年を経過し、その間、先輩諸先生方及び国民の皆様の御努力によりまして、世界に比類なき繁栄を生み出し、いよいよ成熟社会を迎えるに至りました。しかし、成熟社会ではややもすれば、対外的には受け身の姿勢に立ち、国内的には技術革新経済発展への意欲が減退し、社会活力が失われていくおそれもあります。二十一世紀に向けて豊かで活力ある社会実現し、これを子孫に引き継ぐことは我々の義務であります。そのためには、今後とも一層行政改革を進め、時代変化に対応していく必要があると考えます。行政改革は、従来、行政簡素化あるいは合理化ということに主眼を置いてまいりましたが、これはこれで大変重要なことであるとは思いますが、臨時行政調査会の設置以来、行政の目指すべき目標を、活力ある福祉社会建設し、国際社会に対し積極的に貢献していくこととしており、行政改革もこのような方向に沿って進められていくことが大切であると思います。  行政改革推進につきましては、現在、本院で共済年金法案審議中であります。また、通常国会には国鉄改革という大問題が残されております。そのほか、内閣機能強化の問題、地方行革推進問題等、今後実施すべきことが山積しております。そこで、まず総理に、行政改革全体を今後どのように進めていかれるおつもりか、伺っておきたいと思います。  次に、ただいま審議に付されました規制緩和法案も、このような行政改革一環として位置づけられると思いますが、何のために、なぜ今規制緩和に取り組むのか、政府姿勢国民に明らかにしていただきたいと思います。これは、本法案を取りまとめられた総務庁長官にお伺いいたしたいと存じます。  また、規制緩和法案には、対外経済摩擦解消のために総理が直接督励して取りまとめられたアクションプログラム関係事項も盛り込まれております。私も、日本国民の一人といたしまして、諸外国から日本がアンフェアであると言われることには、我慢ならないのであります。したがいまして、このようなものがあれば、徹底的に見直しを行って是正しなければなりません。ただ、諸外国におきましてもそれぞれ国民感情というものがありまして、我が国市場開放に向けて最大限努力をしても、なおなかなか理解が得られないという面もございます。  国民の目からしますと、時には諸外国要請には際限がないように見えますが、このアクションプログラムを着実に実施していけば、諸外国からの批判はなくなるとお考えになっておられるのか、また、対外均衡是正のためには内需拡大が必要であると考えられますが、このための施策をどのように進めていかれるおつもりか、これらの点について総理の御見解を伺っておきたいと思います。さらに、若干個別の問題になりますが、例えば輸入制限問題、とりわけ皮革革靴に係る輸入制限の問題につきましては、政府ガットの場で適切に対処するとの基本方針であると承知しておりますが、国内中小企業への配慮を含め、どのような対処方針で臨まれるのか、この際、あわせて伺っておきたいと思います。  また、アクションプログラム基本原則一つは、消費者の自由な選択と責任であると言われております。私も基本的には、国民自主性自律性にゆだねていくということが、今後の我が国において民間活力を発揮し、推進していく上で基本であると考えているわけであります。しかし、昨今の航空機の事故、あるいは不適正な食品の流通など、国民企業に対する不信感にはかなり根強いものがあり、性急な制度改正は、国民に不安を抱かせることになるのではないかと考えるものであります。  先般の総理所信表明演説においても、国民生活における安心、安全の確保こそ政府責任であり、政治の原点であるとありました。私も全く同感であります。今回のアクションプログラムの中にも、例えば自己認証制の導入が主要施策一つとして挙げられておりますが、総理国民の安全の確保ということをどのように考えておられるのか、お聞かせ願いたいと存じます。  総理、あなたが御就任当初の国民支持率を御記憶でありましょうか。私は、当時、総務副長官を務めておりましたが、比較的低い支持率に心を痛めたときもございました。自来三年、今や国民支持率は、六〇%を超えるという圧倒的な高いものになっております。これは、総理国民期待にこたえ、国の内外を問わず、積極果敢な政治を断行してこられたゆえであると考えます。国民は、総理の主張する「戦後政治の総決算」を支持し、引き続き総理の御活躍を期待しているのであります。  幾多の困難もありましょうが、その困難を避けて通ることなく、二十一世紀日本建設のために一層の御努力を続けられることを期待をいたし、私の質問を終えたいと思います。(拍手)     〔内閣総理大臣中曽根康弘登壇
  11. 中曽根康弘

    内閣総理大臣中曽根康弘君) 深谷議員お答えをいたします。  まず、行政改革の今後の進め方でございますが、政府は、臨調答申を受けまして、累次にわたる行革大綱を決定して、計画的かつ着実に進行さしてきたつもりでございます。これまで行政機構整理合理化国家公務員数の縮減、電電専売公社民営化医療保険制度改正厚生年金等制度改革地方に対する国の関与等整理合理化など、着実に実行したつもりでございます。しかし、御指摘のように、共済年金制度改正危機的状況にあります国鉄再建、あるいは地方行革推進臨時行政改革推進審議会から御提言のあった内閣機能の充実など、今後の課題は多く、これからが行革の正念場であると心得ております。  政府といたしましては、当面、国会に御審議をお願いしておりまする共済年金制度改正法案の成立を期するとともに、臨時行革推進審議会答申及び日本国有鉄道再建監理委員会意見について、既に閣議決定を行った具体化のための方針に基づき、次期通常国会所要法律案提出するなど、改革推進を図っていくつもりでおります。また、本年一月に策定した地方行革大綱に沿って、地方公共団体行政改革推進されるよう、政府としてもその積極的な推進を図ってまいります。行政改革内閣の最重要課題でありまして、不退転決意で取り組んでまいるつもりでおります。(拍手)  アクションプログラムの問題でございますが、各国とも基本的には評価しつつも、今後の実施状況を見守るという態度でございます。政府としては、このアクションプログラムに盛られました各項目を誠実に、着実に実行してまいるつもりであります。関税引き下げの繰り上げ実施、あるいは今回法律として御審議願っております基準認証制改革、あるいは輸入増大内需の振興、これらの問題につきましては、今後とも着実に実行してまいります。  なお、総じて日本社会経済体質というものは、輸出に非常に向いておるようにできております。そのために毎年毎年大きな輸出超過を累積しておるわけでございますが、このような状況が長続きすると、各国からさらに熾烈な批判日本に沸いてくる危険性もございます。政府といたしましては、やはりある程度の適正外貨量というものは、日本に必要でございます。これは、輸出入を行い、外国経済協力を行う、あるいはインベントリーの資金も必要でございます。そういう意味におきまして、適正外貨量は常に必要でありますが、適正を超える部分については、外国から批判を受けるという点がございます。  そういう意味におきまして、この輸出輸入のバランスを今後いかに図っていくかということが、長期的に見た我々の大きな課題でございます。そういう点から、日本社会経済体質あるいは貿易構造等を見直し、あるいは、国際的な通貨制度につきましても、これを適切に調節するために、国際協力をいかにするかという問題も出てきておるわけでございます。これらの問題につきましては、みずから改革すべきところは改革すると同時に、関係各国とも緊密な話し合いを続けていきたいと思っております。  次に、皮革革靴の問題でございますが、我が国皮革及び革靴産業については、中小零細性が高い上に、国際競争力に乏しく、また不況に呻吟している等、厳しい状況にあることは認識しております。しかし、外国から常にガット違反批判を受けてきておるわけでございます。そこで、皮革及び革靴輸入数量制限については、ガットの場において適切に対処するとの方針に基づき、輸入数量制限にかえて関税上の措置へ移行すべく、引き続きガットの場における関税交渉に全力を尽くしてまいる所存でございます。我が国の国益を守りつつ、しかも国際協調の場を見出すように努力してまいりたいと思っております。  次に、基準認証制度改善の問題でございますが、今回のアクションプログラムにおきましては、原則自由、例外制限、すなわち、政府関与をできるだけ少なくするという観点から既存の制度を総点検したところでございますが、もちろん、国民生命や衛生に関するものにつきましては例外として取り扱われているところであり、これらに係る改善措置を具体的に決定するに当たりましては、いやしくもこれにより国民生命と健康に支障が生ずることがないように、十分配慮してまいるつもりでおります。自己認証制をどのような分野について導入するか検討する過程におきましても、当然のことながら、消費者の安全を損なうことのないように配慮してまいります。  なお、最後に御言及になりました国民の御支持、御鞭撻に対しましては、心から感謝申し上げ、精いっぱい努力することをお誓いする次第であります。(拍手)     〔国務大臣後藤田正晴登壇
  12. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) 深谷議員の御質疑お答えを申し上げます。  何のために、なぜ今規制緩和にこういった法律案で取り組むのか、こういう御質疑でございますが、御承知のように、先般の本院における総理所信表明にもございましたとおり、経済社会活性化対外経済摩擦の克服は、政府の今日的な最も重要な政策課題であると心得ておるわけでございます。その実現のために、諸般の施策を早急に実施をしていく必要があると思います。公的規制緩和もこういった一環をなすものでございまして、行革審答申を受けまして、政府としては、時代変化等に伴って不要あるいは過剰あるいは不合理となっているものについて、その是正に積極的に取り組んでいくつもりでございます。  経済活性化市場開放内需拡大に、したがって、我々としては最大限努力を傾けていきたい、かように考えておるわけでございますが、そういった観点から、今回の改正案での公的規制緩和の問題は、その重要性緊急性にかんがみる、いま一点は、行革審の御答申の中にも政府に対して速やかな実施要請をせられておる、こういったようなことを考えましてい当面措置し得る事項一括をして法律案として取りまとめて御審議を仰ぎたい、かように考えて御提案を申し上げた次第でございます。(拍手)     —————————————
  13. 坂田道太

    議長坂田道太君) 小川仁一君。     〔小川仁一登壇
  14. 小川仁一

    小川仁一君 私は、日本社会党護憲共同を代表し、ただいま議題となりました許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案につきまして質問いたします。  議題となっております法律案は、二十六本の法案一括まとめたものであり、うち、二十二本は行革審答申関係、一本は重複しておりますが、五本はアクションプログラム関係となっており、法案提出するに至る経過も異なるものであります。行革審関係総務庁長官アクションプログラム関係特命事項担当大臣担当であり、各法律所管省も八省に分かれております。このように多岐にわたる法案一括としたのは、法案国会通過を容易にしようとするたくらみとしか考えられません。(拍手)  しかも政府は、行革関連規制緩和について、さき閣議決定した規制緩和事項二百五十八項目のうち、十四項目について、すでに告示、通達等をもって措置済みと聞いております。私は、これは国会審議権の侵害、常任委員会制度の無視であると考えます。総理を除き、八省の所管に分かれているこの法案に対し、この本会議質問においてもすべての大臣答弁期待できませんし、内閣委員会で具体的に審議するに際しましても、総理を筆頭に十人の大臣がそろって委員会に出席し、実質的な審議を保障することはできないのであります。  例えば、地代家賃統制令一つをとりましても、昭和三十五年、三十六年は政府提案廃案、三十七年、三十八年は議員提案廃案と、都合四回も廃案になっております。統制令に頼ってしか住宅確保できない弱い立場の人たちを切り捨てるようなことは、政治基本に背くものと言わなければなりません。この法案は、政府住宅政策一環であり、実務的なものを伴うものであります。同時に、以上の経過的な事実を含んでおりますので、一括法にはなじみません。単独法として当該委員会提出するのが筋と考えられます。(拍手)  これらのことは、国権の最高府としての国会の今後の位置づけ、国民国会信頼関係の問題であります。具体的な総理及び担当大臣答弁を求めます。また、私は、今後かかる一括法案の形をもってする法案提出は行うべきでないと考えますが、総理の御所見を伺います。さらに、法案審議中に閣議決定に基づく政省令通達等の改廃については自粛を要求しますが、お約束いただけるかどうかをお答えいただきたいと思います。  第二に、私は、政府行政運営についてお伺いいたします。  最近、政府においては、私的諮問機関という安易な機関をつくり、その答申報告に沿って行政を行う風潮が出ていますが、まことに遺憾なことであります。法律に定められた審議会答申の活用についても、政府の好むところはこれをとり、好まぬところは黙殺しているかに見受けられます。靖国神社の公式参拝問題は、私的諮問機関悪用象徴とも言えるものであります。行革審のごとく何にでも首を突っ込んでひっかき回すという現状、そして政府があたかもこれを国民世論のごとく装い、施策を進めるというのは、正常ではありません。社会保障の問題は社会保障制度審議会が、地方自治の問題は地方制度調査会調査議論をする。立法化が必要なものは、まず国会において議論を尽くし、政府はそれに基づいて行政運営を行うという本来の筋道に戻るべきものと考えます。総理は、私的諮問機関法律で定めるところの審議会、そして国会、それぞれをどう位置づけられておられるか、明確にお答え願いたいと思います。(拍手)  第三に、行革国民生活について伺います。  さき通常国会におきまして、高率補助金一律カット等一括法が、一年限りという公約つきで成立いたしました。しかし、その後の推移を見ていると危惧の念を持たざるを得ません。大蔵厚生自治大臣覚書に基づき、社会保障制度検討を行うために設置された補助金問題検討会においては、社会保障のみならず、文教、建設農林水産行政までがいつの間にか検討対象に入っているというのは、なぜでしょうか。また、一年限りの特別措置とされた厚生年金基金等に対する国庫負担の四分の一繰り延べが、六十一年度に返済が開始されるか否かは、共済年金法案審議の重大な前提であります。どうなされるのでしょうか。行革関連法案は次々と出すが、その後の約束は守らないというのでは、今回の法案審議できません。この際、これらのことを公約どおり六十一年度において通常に戻すとお約束いただきたいが、総理及び大蔵大臣答弁を求めます。(拍手)  次に、アクションプログラムにかかわる経済問題について質問いたします。  第一に、先般、政府によって決定された市場アクセス改善のためのアクションプログラムは、非関税障壁象徴として欧米各国から批判されている基準認証制度輸入プロセス改善などの措置によって、国際水準を上回る我が国市場開放を達成し、輸入増大を通じて日米貿易摩擦を頂点とする国際通商摩擦解消を図るものとされ、今回のこの法改正もその一環とされています。しかし、我が国実行税率先進国中最低であり、また、残存輸入制限品目も二十七品目に減少しているなど、我が国市場は十分に開放されております。したがって、今回のプログラムによって、通商摩擦解消効果期待することは困難と判断されます。政府はどのような効果が上がると具体的に考えておられるのか、担当大臣の明確な答弁を求めます。  第二に、規制緩和による国内中小企業に対する影響については、どのようにお考えでしょうか。例えば、皮革革靴製品の山場開放問題については、日米間で現に協議中であるにもかかわらず、レーガン大統領米通商法三〇一条の発動を言明するや、政府がこの問題を政治的駆け引きの道具として使用しようとしていることは、まことに遺憾であります。日本皮革革靴製品輸出については、アメリカにおける当該業界労働者にいかなる被害も与えておりません。このことは明らかな事実であります。しかも、日本における当該産業は、中小地場産業として形成されており、地域不況内需停滞のもとで疲弊しているのが実態であります。規制緩和国内中小企業に与える影響について十分調査を行っておられますか。緩和に対抗していかなる保護育成策をお持ちなのでしょうか。私は、影響調査具体的育成策の提示を政府に求めます。  第三に、この法案に盛り込まれているものは、消費生活用品消防器具ガス器具自己認証制や航空機関士の乗り組み規制緩和など、いずれも国民生命身体の安全にかかわるものであります。さきの日航機事故、ワインへの不凍液混入事件等々を考えますと、国民生活の安全を担保する社会規制を安易に緩和することは認められない、これが国民全体の世論でもあります。国民生活の安全をどう考えておられるのか、あえて危険を冒しつつ緩和をすることによって具体的に輸入増加の効果をどの程度見込んでおられるのか、お答えをいただきたいと存じます。  第四に、社会党は、日米貿易摩擦の根本的原因は、両国の経済政策の違いとおのおのの矛盾から生じているものと考えます。すなわち、貯蓄不足下におけるアメリカの大胆な内需喚起政策による過剰投資という現象と、貯蓄過剰下にある我が国内需抑制政策による過小投資という状況から派生しているものであります。したがって、日米貿易摩擦は、市場開放を云々するのではなく、日米両国間の貯蓄と投資のバランスの不均衡を中期的、構造的に調整するための、日米おのおのの経済政策の転換によってのみ打開し得ると言っても過言ではありません。  しかるに政府は、二面的な財政緊縮政策をとり続け、個人消費の拡大策を放置し、実効性の極めて疑わしい市場開放策と財政の自治体や国民負担への転嫁、そして歴史的に失敗している公共部門の民間への移転、すなわち民間活力の導入という誤った道を歩もうとしております。我が党は、高年齢化社会に対応する生活関連社会資本、住宅の整備と社会保障制度の拡充、大幅な所得減税、政策減税の実施と労働時間の短縮、給与、年金水準の引き上げこそ緊急に実施推進すべき政策であると主張します。総理はどのような対案をお持ちであるのか、明確に御提示いただきたいと思います。  以上をもって私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣中曽根康弘登壇
  15. 中曽根康弘

    内閣総理大臣中曽根康弘君) 小川議員にお答えをいたします。  まず、一括化の理由でございますが、今回の法律案は、行革審答申公的規制緩和実現を図るものであり、趣旨、目的が共通であるものを取りまとめて提案した次第でございます。これらの措置内容をまとめて把握することができ、国民の理解も得やすいと思いますし、前例も多々あり、これを変更する考えはございません。  次に、政省令等改廃自粛の問題でございます。  行革審答申規制緩和に係る個別指摘事項につきましては、民間活力の発揮、推進のため極力前倒しで実施することとして、措置方針を決定して実行しておるところです。政省令通達等事項につきましては、その内容、緊急度等を勘案して、政府責任において適時実施推進しておるものでございます。  私的懇談会の問題でございますが、これらは関係各界から有識者の参集を求めて懇談会を開催して、その意見を聴取するということでございまして、言いかえれば、民意を吸収し官庁の独善を防ぐ、そういう意味において行っておるものなのでございます。もちろん、これらは参考意見の一つとして活用されることがありますが、あくまでこれは政府責任において政策決定を行うものでございます。行革審におきましては、行政改革に関する一般的、総合的な政府施策推進の見地から調査審議を行っていただいており、各種の専門的審議会には、それぞれの担当分野において専門的な調査審議をお願いしておる次第なのであります。また、国会での御論議につきましては、申すまでもなく、国権の最高機関でございまして、国会所要法律案提出して御審議を願い、最終的な御決断は国会で仰いでいる、こういうことになっておるわけであります。  補助金の問題でございますが、国と地方はいわば車の両輪であり、共通の行政目的の実現を分担して、責任を分かち合う関係にございます。六十一年度以降の補助率のあり方についても、幅広い御意見を承りながら検討の上、適切に対処してまいります。この検討を行うために、補助金問題関係閣僚会議及び学識経験者等から成る補助金問題検討会を随時開催しておるところでございます。  次に、国庫負担の四分の一の繰り延べ措置の取り扱いの問題であります。  六十一年度の国の財政事情は、六十年度より一段と厳しい事情にあります。また、年金制度改革は六十一年度から実施されるところ。六十一年度の厚生年金等国庫負担金の取り扱いについては、これらの事情を踏まえ、現在政府部内で、六十一年度の予算編成過程の一環として慎重に検討中であり、年末までに結論を得る所存であります。行革関連特例法による年金国庫負担金の減額分については、国の財政改革をさらに一層強力に推進する等、誠意を持って対処し、積立金運用収入の減額分を含め、将来にわたる年金財政の安定が損なわれることのないように、今後国の財政状況を勘案しつつ、できる限り速やかに繰り入れに着手する所存でございます。  最後に、日米貿易摩擦解消策でございますが、経済拡大均衡を通じて経済摩擦を解消するという基本方針を持っております。我が方としては、市場開放を中心とするアクションプログラムを実行していく、円高の定着を図りつつ内需拡大していく、このような方法によりまして不均衡の是正努力してまいるつもりであります。先般、先進五カ国蔵相会議で、為替レート適正化のための適切な協力が行われましたが、今後ともこれらの措置を着実に実施することにより、相乗効果が貿易バランスにおいても発揮されるものと期待されております。  残余の答弁関係大臣からいたします。(拍手)     〔国務大臣竹下登君登壇
  16. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) 私に対する小川さんの御質問は、総理からもお答えがございましたが、いわゆる高率補助金一律カット、厚生年金基金等に対する国庫負担の繰り延べ等の問題であります。  六十一年度以降の補助率のあり方につきましては、国、地方の役割分担、費用負担の見直しとともに、十分検討を進めて最終的な結論を得るものとしております。このような検討を行います場として、先ほどお答えがありました補助金問題関係閣僚会議及び学識経験者等から成ります補助金問題検討会を随時開催しているところであります。既に九回開催をいたしております。これらの御意見を踏まえまして適切な対処をしなければならぬ、このように考えております。  それから、厚生年金国庫負担の繰り延べ、これは、六十一年度の国の財政事情は六十年度より一段と厳しい事情にあります一方で、年金制度改革が六十一年度から実施されるということを期待をいたしておるところであります。したがって、このため、六十一年度の厚生年金等国庫負担金の繰り延べ措置の取り扱いにつきましては、これらの事情を踏まえて、現在政府部内で、六十一年度の予算編成過程の一環として慎重に検討しておるところでございます。この問題は、年末までには結論を得なければならない問題であるというふうに考えております。なお、社会保障でない分野につきまして、これも必要に応じて検討を加えていくという考え方の上に立っておるわけでございます。  以上でお答えを終わります。(拍手)     〔国務大臣村田敬次郎君登壇
  17. 村田敬次郎

    国務大臣(村田敬次郎君) 規制緩和による国内中小企業に対する影響及び対応策につきましてお答えを申し上げます。  まず、小川議員から御指摘のありました皮革革靴製品問題につきましては、ガットの場において適切な対応を図りつつあるところでございます。  通産省といたしましては、中小企業の占める重要な地位にかんがみまして、創意と活力ある中小企業の育成を図るべく、従来より中小企業対策を最重点施策一つとして位置づけをいたしまして、その充実強化に努めてきたところでございます。今後とも、種々の規制緩和国内中小企業に与える影響にも十分所要の配慮を加えながら、中小企業対策の一層の充実強化に努力してまいる所存でございます。(拍手)     〔国務大臣金子一平君登壇
  18. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 御質問の第一点は、今回のアクションプログラムによって、通商摩擦の解消効果期待できるのかという点でございますが、今回のアクションプログラムの目標は、関税面ではもとより、基準・認証等非関税面においても、日本市場国際水準を上回る開放度を達成することでありまして、千八百五十三品目関税引き下げ、撤廃を行うほか、基準・認証の分野におきまして八十八事項改革に思い切った措置を講ずることにいたしております。これらの措置実施することによりまして、我が国市場へのアクセスは格段に改善され、この結果、諸外国からの輸入が増加するものと期待しておるのでございます。また諸外国も、アクションプログラム経過を注目しておりまして、基本的にこの構想を評価しつつ、今後の実施状況と成果を期待しておると言っていいと思うのでございます。  それから、御質問の第二点、国民生活の安全が阻害されるのではないかという点でございます。それからまた、これらの措置によって、具体的に輸入増加の効果がどの程度見込まれるのかという点でございますが、既に総理からお話のございましたように、アクションプログラムの策定に当たりましては、原則自由、例外制限、すなわち政府関与をできるだけ少なくするという観点から、既存の制度を総点検したところでございますが、当然のこととして、国民生命、健康にかかわるものにつきましては、例外として扱うことになっておりまするから、御心配ないように全力を挙げておる次第でございます。  なお、今回の措置により、我が国市場アクセスが改善されて、その結果、諸外国からの輸入が増加するものと期待しております。ただ、実際の輸入の動向につきましては、今後の為替相場なり、内外の景気動向なり、諸外国における輸出努力等のさまざまな要因によって決定されるものでございますので、今回の措置効果を具体的に計算することは困難と考えます。  以上でございます。     —————————————
  19. 坂田道太

    議長坂田道太君) 日笠勝之君。     〔日笠勝之君登壇
  20. 日笠勝之

    ○日笠勝之君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま提案されました許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案に対し、総理並びに関係大臣質問を行うものであります。  そもそも立法府たる国会は、各種法案に対し、国民の代表として、慎重かつ誠意を持って審議に当たるのは当然のことであります。しかるに、行政改革一環として許認可等の規制緩和し、もって市場開放するという大義名分のもとに、安易な便法として八省庁にわたる二十六法律案一括して審議するということは、立法府の審議権を拘束するものであり、まことに遺憾であります。こうした一括方式は、中曽根行管庁長官時代からとみに顕著で、今回で六度目であります。この一括法案は、もともと成立の趣旨経過も異なる二十六の法律案で構成されていますので、それぞれ分割して慎重に審議すべきものではないかと思うのは、私一人ではないでありましょう。まず、一括法案として提出された理由と審議権を拘束するのではないかという疑問に対し、総理に御見解をお伺いいたします。  さて、臨調第一次答申以来、五年が経過しました。中曽根総理も、総理就任以来三年間、行政改革を国政上の最重要課題一つと位置づけをされてこられました。しかしながら、国民の中には、中曽根行革も結局は、つまみ食いに終わってしまうのではないかとの懸念の声も出てきております。例えば、国土庁、沖縄開発庁、北海道開発庁の三庁統合についても、臨調答申に明記されて久しいわけでありますが、総理府と行管庁の統合による総務庁設置によって中央省庁の行革は事足りたと思っておられるのか、一向に進展する気配が見られません。このほか、オンブズマン制度、プライバシー保護、国家公務員の削減状態、そしてまた特殊法人活性化の進捗状況と今後の見通しについて、それぞれ明確に総理並びに総務庁長官に御答弁をいただきたいと思います。  次に、明年六月二十七日に三年間の行革審設置の期限が切れます。そこで、行政改革が達成五合目と言われる中にあって、いわゆる積み残し分について、さらに監視し、推進していく機構が必要であることは論をまちません。総理は、行革審設置期限切れ以降、どのように対応していくお考えか、しかとお伺いいたします。  ところで、今回の規制緩和一括法案は、巷間、市場開放により輸入拡大促進され、貿易摩擦が解消されるものと喧騒されています。しかし、規制緩和により市場開放され、輸入拡大されたとしても、国民の消費購買力が喚起されないことには意味がないものとなります。去る四月九日、総理は、マスコミ等を通じて、国民一人当たり百ドルの外国製品の購入をと呼びかけましたが、その効果は一体どうでありましたか。可処分所得の目減りで、国民は協力しようにも先立つものが乏しいのであります。やはり景気をよくし、消費を喚起しようとするなら、大型所得税減税しかないのではないでしょうか。  対外貿易摩擦解消のためには、外国からも厳しく指摘されているように、内需拡大しかありません。そのためには、民間設備投資、公共事業の拡大民間住宅投資、そして個人消費の拡大の四つの方法があると言われております。中でも、六十年度の経済見通しては、GNP、国民総生産の約六〇%を占めると言われる個人消費の拡大こそ、内需拡大のキーポイントであります。私は、減税による消費拡大こそ最良の方法と思いますが、大型所得税減税に対して総理は今現在どうお考えであるか、このところ減税に抱き合わせての増税を考えていると言われておりますが、本音での御答弁期待するものであります。  続いて、先日「総理にきく」という番組で総理は、円高は対米経済摩擦の切り札になる旨の発言をされました。この円高について、一つには、為替レートは一ドル幾らぐらいがターゲットゾーンとして好ましいと考えておられるのか。二つには、円高差益の還元をどのようにされるお考えか。例えば、電気料金、ガス料金、灯油等の値下げ指導はおやりになるお考えがあるのかどうか。三つには、現在の円高基調が続くと、輸出関連産業の中小零細企業への対策が緊急課題となりますが、年末も控え、どのような対応をお考えか、総理並びに通産大臣に御所見をお伺いいたします。  行革審規制緩和分科会の報告によると、今回の規制緩和がされると、民間活力が発揮され、長期、短期ともに経済成長に大きく寄与すると言われておりますが、具体的に今回の規制緩和による経済効果は金額的にどのくらいになるのか、また経済成長率を何%押し上げると見込んでおられるのか、経済企画庁長官にお伺いいたします。また、緩和により一時的に市場の混乱が予想される場合もあるので、政府は必要に応じ、消費者労働者中小企業などに向けた対策を準備すべきであると指摘されていますが、中小企業等には具体的にどういう対策を準備しておられるのか、通産大臣に御答弁を願います。  次に、規制緩和は、行革審が指摘した二百五十四項目だけにとどまることなく、今後とも引き続き精査していくべきものであります。政府規制緩和のタイムスケジュールはどうなっておりましょうか。続いて、指摘されて久しい許認可等の総数の実態は、どこまで把握できていますか。さらに、許認可等の新設についての審査する制度の確立は、具体的にどこまで煮詰まっておりますか、総務庁長官にお伺いいたします。  ところで、今回の一括法案は鳴り物入りで、民間活動を高め、ひいては市場開放内需拡大を進める打ち出の小づちのごとく声高に言われています。しかし、法案の中の四十二項目の内容をよく見ると、新鮮味の乏しい有名無実、名のみあり実体なしと言っても過言ではありません。そこで経企庁長官は、この二十六法案によって内需拡大がどのくらい引き出せると考えておられるのか、お伺いいたします。  最後に、基準認証制度についてお尋ねいたします。  市場開放を求める諸外国要請に対し、我が国自己認証制度を取り入れていくのも時代の流れであり、やむを得ないとは思います。しかし、先般のワイン騒動発生後の調査追跡体制の不備に見られるように、自己認証制度は、事業者の社会責任が重くなるのは当然ながら、消費者の自由な選択と責任にゆだねると言われては国民の不安は高まるばかりであります。例えば、輸入食品の行政検査はわずか六十七人の食品衛生監視員で行っており、昭和五十九年度の輸入件数約三十六万四千件のうち、検査はわずか四・六%しかできていないのが実態であります。  総理、今後市場開放を進めることにより外国製品などの輸入が増加したとき、現在のこの体制で十分なのかどうか。国民生命と健康を守るという見地から考えても、また台所を預かる主婦の皆様の立場にとっても、大変に関心の高いものであります。ゆえに、輸入食品の安全性確保にどのように対応されるおつもりでありますか。さらに、我が国では立ちおくれており、その確立が急務と言われております被害者救済制度に対し、総理はどう取り組まれるお考えか、あわせてお尋ねをいたします。  今、内外の政治情勢を見渡したとき、行財政改革、高齢化社会への対応、福祉切り捨て、防衛費の増大、教育のひずみ、対外経済摩擦等々、重要課題が山積しております。二十一世紀までのこの険しき道のりを踏破し、平和で暮らしやすい社会を築き、次なる世代へ引き継ぐことこそ、私たち政治家の任務と確信をしております。言葉だけが先行する中曽根式政治手法でなく、我が国が抱える諸問題の先取り解決のために、国民の合意を得ながら、実のある着実な成果への前進を期待し、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣中曽根康弘登壇
  21. 中曽根康弘

    内閣総理大臣中曽根康弘君) 日笠議員にお答えをいたします。  まず、一括化の理由につきましては、先ほど申し上げましたとおり、同じ趣旨、目的が共通である、そういうことから取りまとめて提案した次第でございます。  なお、三庁統合に関する御意見でございますが、国土開発行政関係三庁連絡会議を設置いたしまして、関係施策及び計画の円滑な調整等を図るために協議をし、実施しているところでございます。統合につきましては、当該機関担当する行政の特殊性にも配慮し、各方面の意見も今後とも聴取して検討してまいるつもりでおります。  次に、ポスト行革審への対応でございますが、これからさらに国鉄再建地方行革の一暦の推進内閣の総合調整機能の強化など、今後推進すべき課題がまだたくさんございます。しかし、これらを着実に実行してまいりますが、行革審の設置期限は来年の六月までとされておりますが、なお相当期間もありますので、現在のところ具体的にお答えすべき段階ではございません。しかし、政府といたしましては、やはり今後、行革審あるいは臨調答申でいただきましたことは、今まで逐次、内閣の決定をもちまして行革大綱で決めておるところでございますから、政府責任において、国会の御監督をいただきながら、全力で実現していくつもりでおります。  所得税の減税につきましては、シャウプ税制勧告以来、三十五年経過いたしまして、ひずみやゆがみや重税感等が大変多く出てまいりました。したがいまして、これに対する見直しというものを検討願うために九月二十日に、まず第一に減税を考えていただきたい、その後に包括、一体として財源措置考えてもらいたい、そういう意味で税制調査会に審議をいただいておるところでございます。  円高誘導の目標につきましては、幾らにするというような目標は具体的に持っているわけではございませんが、やはり五カ国蔵相会議でも合意したように、秩序あるドル高是正期待をしております。結論としては、ファンダメンタルズに相応する国際通貨価値の長期安定を望む、そういうことに尽きると思います。  食品の安全性につきましては、基準認証制度に関して政府の介入の縮小などの見地からいろいろ努力してきているところでございますが、いやしくも国民生命、健康、安全に支障を来すことがないように十分に配慮いたしており、今後も配慮いたす考えでございます。  残余の答弁関係大臣からいたします。(拍手)     〔国務大臣後藤田正晴登壇
  22. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) 日笠議員にお答えを申し上げたいと思います。  行政改革、つまみ食いではないか、積み残し等を含めて一体今後どうするんだ、こういう御質疑でございますが、政府としては、行政改革につきましては、誠意を持って最後までやり抜かしていただいて、決してつまみ食いというようなことはしないで、国民期待にこたえたい、かように考えているわけでございます。  そこで、まず第一に、オンブズマン制度の問題でございますが、これは、六十年の行政改革大綱で「我が国の実情に適合したオンブズマン等行政監視・救済制度の在り方について、苦情事例、既存諸機能等を踏まえた具体的検討を行う。」こういう旨決定をしておるわけでございます。当庁といたしましては、この方針に沿って、学識経験者から成るオンブズマン制度の研究会を開催をいたしております。現在、関連をする既存の諸制度の対応状況について調査研究を進めておる段階でございますが、いろいろ困難な課題もありますけれども、この研究会の検討を待って具体的な結論を得たい、かように考えておるわけでございます。  次に、プライバシー保護の対策でございますが、政府は、臨調の答申を受けまして、閣議決定によって、関係省庁の間で緊密な調整、協議を図るとともに、総務庁におきましては、学識経験者の意見を求めて、個人情報保護の制度的な方策を現在、鋭意検討を進めておる段階でございます。これらの検討結果を総合的に勘案をいたしまして、政府としての方針を取りまとめるよう努力をする所存でございます。  次に、特殊法人の問題でございますが、この合理化活性化を図る、こういう観点から、電電公社あるいは専売公社等については既に改革実施をしたわけでございます。さらに現在、臨時行政改革推進審議会で特殊法人の活性化について審議をお願いをいたしております。その審議結果を踏まえまして、引き続いて改革推進してまいりたい、かように考えておるわけでございます。  それから、国家公務員の定員削減の問題でございますが、これは、行政改革の重要な一環として、従来から各省庁の事務事業の合理化、効率化を図ることによって、計画的に推進をしておることは御承知のとおりでございます。今後とも国家公務員につきまして、厳正な定員の管理を行って、定員削減に最大限努力を払ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。  次の問題は、今後における規制緩和のタイムスケジュール、そしてまた、現在許可認可等の総数が幾らあるんだ、さらに、許可認可等の新設についての審査機関はどうするんだ、こういう御質疑でございますが、申し上げるまでもなく、行革基本理念の一つは、変化への対応、こういうことでございます。公的規制につきましても、行革審答申を受けまして、先般の行革大綱で決定をした事項を着実に実施をしていくということはもとよりでございますけれども、これだけにはとどまらない。その他の事項につきましても、時代変化に伴って不要あるいは過剰あるいは不合理、こういったようなものにつきましては、第一次的にはやはりそれぞれの各所管省庁の責任で随時見直しを行っていく、こういう考え方で臨んでいかなければならぬと思うわけでございます。  また、公的規制の大部分を占めております許認可等について、総務庁といたしましては、まずその総数を統一的に把握をする、そして定期的な見直し、そして同時に、新設についての審査等の具体的方策については所要の調整、立案を行って、今後とも一層規制緩和推進してまいりたいと考えているわけでございますが、なお、許可認可等の総数の統一的把握につきましては現在、既に作業に着手をしておるような段階でございます。  以上をもってお答えといたします。(拍手)     〔国務大臣村田敬次郎君登壇
  23. 村田敬次郎

    国務大臣(村田敬次郎君) 日笠議員の私への御質問は三点であろうかと思います。  まず第一点は、電気、ガス、灯油について円高差益の還元を行うべきではないか、この問題でございますが、現在の円高傾向は、5G会議以降、まだ五十日間しかたっておらないわけでございまして、始まったばかりである、その影響を見通すことは現在の段階では困難であると思います。また、為替レートの変化によりまして収支面に影響が及ぶまでには、相当のタイムラグがございます。直ちに収支に影響が出てくるわけではございません。いずれにいたしましても今後、為替レートの動向等、事態の推移を慎重に見守って対処する所存でございます。なお、灯油でありますが、この灯油は市場商品でございまして、価格は市場メカニズムによって決定されることが基本である、このように考えておるところでございます。  次に、円高により影響を受ける輸出関連中小企業の対策はどうか、この問題でございますが、現在の円高の進展は、国際的に見て大きな流れとしては望ましいものである、輸入拡大するためにもあるいは貿易インバランスの解消のためにも望ましいものであるという受けとめ方をしておりますが、ただ、円高の進展によって、中小企業を中心に一部の業界等への影響が出てくることも懸念されるため、円相場の動向あるいは中小企業への影響等、今後の動向を十分注視していくことが必要と考えます。通産省としては現在、調査検討を進めておるところでございまして、さらに年末を控え、情勢の推移にはりましては、所要の必要措置を講ずることを検討する所存であります。  それから第三点は、行革審規制緩和分科会の報告を御引用になりまして、規制緩和に当たっては中小企業対策を準備すべきとあるが、その対策いかんという御質問でございます。  種々の規制緩和中小企業に与える影響につきましては、いろいろ検討中でございますが、中小企業活力ある育成を図るために、中小企業の自主的な努力、そしてまた創意を生かしまして、今後とも種々の配慮を加えながら、中小企業対策の一層の充実強化に最大限努力をしてまいる所存でございます。  以上、三点についてお答えを申し上げた次第でございます。(拍手)     〔国務大臣金子一平君登壇
  24. 金子一平

    国務大臣(金子一平君) 私に対する御質問は、行革審指摘の二百五十八項目にわたる規制緩和による経済効果は、中長期的に経済成長率を何%押し上げるかということが一つ。また、今回の一括法案四十二項目によって内需拡大がどのくらい引き出せると考えておるかという点でございますが、規制緩和が中長期的な我が国経済成長率にどの程度寄与するかを計量的に把握することは、技術的に困難でございまして、この席で確たることを申し上げるのは難しいと存じます。ただ、一般論として申し上げますと、規制緩和は、競争の促進によりまして経済全体の資源配分の効率化に資しますとともに、事業機会の増加による投資拡大効果等を通じて経済成長にも寄与するわけでございます。  いずれにいたしましても、我が国内需中心の成長を達成していくためには、民間活力最大限に発揮させることが不可欠でございまして、かような観点から公的規制を見直し、民間部門が自由に活動し得る領域をさらに一層広げることが必要であると考えておる次第でございます。  以上、答弁を終わります。(拍手)     —————————————
  25. 坂田道太

    議長坂田道太君) 和田一仁君。     〔和田一仁君登壇
  26. 和田一仁

    ○和田一仁君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっておりますいわゆる規制緩和一括法案について質問をいたします。総理並びに関係大臣の明確な御答弁をお願い申し上げます。  まず初めに、規制緩和のための定期的見直し制度必要性についてであります。  政府は、本法案提出理由として、民間の事業活動に対する公的規制緩和し、民間活力の発揮を図るとうたっております。     〔議長退席、副議長着席〕 その趣旨には賛意を表するものでありますが、しかし、その内容を見るときに、極めてささいな事項の羅列にすぎない、例えば、諸外国の厳しい批判の的となっている我が国の複雑な貿易手続もほとんど手が触れられていない、余りにも不十分なものと言わなければなりません。これでは諸外国からの批判解消も、民間活力の発揮も、到底不可能であります。この程度の規制緩和をもって民活が図れるなどと唱えるのは、私は誇大広告に類するものと言わざるを得ないのであります。  私は、本法案がこのような不十分に終わった原因は、そのやり方にあると思うのでございますが、総理は先ほどの答弁で、総点検をしたと言われました。政府は、許認可の一つ一つを拾い上げて、整理合理化必要性の有無を判定するという手法に終始しておるのでございまして、これでは各省庁からの抵抗を許すことになってしまって、結局、妥協の産物として本案のようなものしか出てこないことになるのでありまして、私はまさに発想の転換がなければならない、このように思います。  今、約一万件の許認可事項あるいは約二千件に及ぶ補助金などの政府制度施策がございますけれども、これがその目的に沿って機能しているかどうかを、例えば五年たったらそれぞれ見直しをやるとか、また、新たな施策については、その存続期限を定めまして、期限到来とともに、一定の基準に基づく業績評価によってその継続の有無を決定するという、いわゆるサンセット方式の制度化を図ることが不可欠であると思うのでございます。この方法によってこそ、行政の簡素効率化と民間活力の発揮が可能になると確信をいたしておりますが、この点について総理並びに総務庁長官の御見解をお伺いいたします。(拍手)  次に、民間活力政府の果たすべき役割との関係についてであります。  本法案のごとき内容では規制緩和といっても不十分でありまして、これだけによって民間経済活性化が有効に図れるというものではございません。そこで、政府が本来果たすべき基本政策のあることを忘れてはならないと思うのでございます。特に、社会資本整備の立ちおくれた我が国においては、国が本来なすべき公共投資の推進をまず行うべきであります。例えば、下水道、道路、公園などの都市基盤が未整備のまま都市計画に係る線引きの見直しなどがもし安易に行われるならば、逆に乱開発を促進して、そのツケは地方自治体や住民が負わなければならないのであります。この際、政府は、その本来の役割を果たすために、今年度事業ベースにおいて、少なくとも一兆円規模の公共投資の追加を行うなど積極的経済政策をとり、内需拡大とあわせ、民間活力の開発を講ずべきであると考えますけれども、この点についての総理の明快な見解を求めるものであります。(拍手)  質問の第三は、輸出入検査の簡素化についてであります。  政府は、貿易摩擦緩和一環として、さきの行動計画に基準・認証の改善措置を盛り込みました。しかし、この措置は、先ほど来言われておりますように、原則自由、例外制限基本方針とはかけ離れた極めて不十分なものでありまして、煩雑極まる貿易手続はほとんどそのままでありまして、我が国市場の閉鎖性を象徴するものとして今日、諸外国から厳しく批判をされているところであります。特に緊急を要する課題は、輸出入検査であります。我が国の過度に複雑な輸入検査制度は、経済の国際化の流れに逆行し、輸入障壁と非難されてもやむを得ないものがあります。総理は、このたびの基準・認証の改善によって「我が国市場国際水準を上回る開放度を達成したと考えておられるのかどうか、また、今後さらに基準認証制度整理合理化し、行動計画に追加するお考えはあるのかないのか、あわせてお伺いを申し上げます。  さらに、輸出検査についての方針もお尋ねいたします。  例えば、輸出検査法でございますけれども、メーカーが自主的に行った検査の後に、同じ設備、同じ試験機器を使う同じ方法で政府輸出検査を受けなければ輸出を受け付けないといったことが今、依然として行われているのであります。現在の輸出検査制度は、工業技術水準が著しく向上した今日、その歴史的役割を終えたと言うべきであります。加えて、これはさらに、民間企業にも多大の負担を強いているのであります。例えば、その例をとりますならば、技術水準を誇るテープレコーダーについて申し上げますと、その検査は、五十万台を一単位として行われております。五十万台の中から三十二台を抜き取りにいたしまして検査をいたしております。検査料は、一台について二十三円でありますけれども、これを三十二台について取るのではなく、何と五十万台全部にこの料金をかけて取っているのであります。こういうことからも私は、政府は、輸出検査の廃止に向けてのスケジュールを早急かつ明確に示すべきだと考えておりますが、総理の御所見をお伺いいたします。(拍手)  次の質問は、金融の自由化についてであります。  対外経済摩擦解消する上で、金融並びに為替政策は大きなウエートを持っております。国際的にも重要な位置を占める我が国が金融面において市場開放をより一層推進していくこと、すなわち金融の自由化、国際化に十二分に対応していくことが、内外から強く求められていることは御承知のとおりでございます。しかるに、本法案に示されました改正は、極めて限定的なものでありまして、十分なものとは到底言えないのであります。  そこで、総理並びに大蔵大臣に若干お伺いをいたします。  まず、去る十月一日に大口預金金利が自由化をされたのに続きまして、大蔵省として今後、金利の自由化、弾力化に向けての環境づくりをどのような手順で進めていかれるのか、明確に示していただきたいのでございます。そして第二に、金融の自由化によりまして、中小金融機関の経営の悪化が懸念をされてまいりました。預金者を保護し、信用秩序を維持するために、金融の自由化に当たっては、中小金融機関に対する十分な配慮が必要だと考えられますが、どうでございますか。以上の諸点についての所見を求めるものでございます。  次に、労働時間の短縮について御質問いたします。  対外経済摩擦解消考える中で忘れてならないものは、労働時間の短縮でございます。週休二日制の普及など労働時間の短縮対策の推進は、先般経済対策閣僚会議で決定した内需拡大に関する対策でも触れているところでありますが、経済の国際化が進み、国際労働基準の内容も向上している中で、自由世界第二の経済力と強い国際競争力を持った我が国の現行労働時間水準の立ちおくれは、ますます明瞭になってまいりまして、貿易摩擦の要因として国際的な批判を受けていることは御承知のとおりでございます。そこで総理、一九三五年のILO四十七号条約及び一九六二年の百十六号勧告で到達すべき社会的水準として、国際的に確立している週四十時間労働をいつ実現しようとされているのか、そのための労働基準法の改正案をいつ国会提出されるのか、明確な御答弁を求めるものでございます。  最後の質問は、運輸行政のあり方についてでございます。  この法案においては、運輸省関係が十三事項と一番多いのでありますが、今ここにその一例を挙げてみます。  その中の一つに、タクシーの運転者がその登録をするときに、従来必要とされていましたものは、住所、氏名、生年月日、そして本籍でございました。それをこの規制緩和の中では、今後その本籍だけは不必要にしよう、これが一項目ございますが、この程度の瑣末なものが並んでいるのにすぎないのでございます。果たしてこのようなことで運輸行政は、民間活力の導入を図り得ると考えているのでありましょうか。現在、許認可総数約一万件と言われるうち、運輸省関係は約二千二百件、その五分の一を占めんとする実態にあるのでございます。国際化の進行、モータリゼーションの進展など、交通をめぐる情勢は日々急激に変化をしているのであり、今こそ運輸行政に抜本的なメスが入らなければならないと思うのでございます。  私は、本法案にとどまることなく、もっと大きな抜本的改正が望まれるのでありますが、その一つに、航空行政の見直しというものがございます。  我が国の主要航空三社の事業分野は、いわゆる航空憲法によって、ここ十数年がっちりと規定されているのでございます。しかるに、今春締結されました日米航空暫定協定によって、太平洋路線に新規企業の相互乗り入れが認められるなど、新たな局面を迎えていることは御承知のとおりでございます。このような情勢変化の中で、航空憲法の見直しをどのように進めようとしているのか、御所見があればお伺いしたいのでございます。加えて、この際、日航の羽田沖墜落事故、また今回の航路逸脱事件等は、一体何がこうせしめるのか、何が原因とお考えかをお聞きいたします。日航は、政府依存の体質から今こそ脱却すべきだと考えますが、その民営化を含め、総理並びに運輸大臣の見解を伺うものでございます。  最後に総理、これからの我が国の歩みは容易ではございません。国際環境は一段と厳しく、国内的にもかつてない高齢化社会を迎えんといたしております。加えて、科学技術の急速な進展は、産業分野はもちろんのこと、日常の国民生活そのものをも大きく変えようといたしております。二十一世紀日本総理の言われる輝かしい日本となるかどうかは、今日ただいまの我が国の諸対策、対応の可否いかんにかかっていると言っても過言ではございません。次世代への遺産として立派な国づくりを果たしていくためにも、なすべきことは断固たる決意を持ってなさねばならないと思うのでございます。  行革は、その一つにすぎませんが、総理決意のほどを再度お伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣中曽根康弘登壇
  27. 中曽根康弘

    内閣総理大臣中曽根康弘君) 和田議員にお答えをいたします。  まず、許認可やあるいは補助金に関するサンセット化の推進でございます。  私は、この一般的方針については賛成でございます。許認可にいたしましても補助金にいたしましても、ややもすればマンネリズムになりまして既得権化してまいります。そういう意味において、不断の見直しが必要であり、定期的に常に審査をしていくという態度は好ましいと思っております。御指摘の趣旨を踏まえまして、行政の面において反映させるように努力してまいりたいと思います。  次に、公共投資の追加の問題でございますが、我が国財政が巨額の公債を抱えておりまして、大幅な財政赤字を続けているという現状から見ますと、公債の追加発行による一般的な公共事業の追加は極めて困難であります。国庫債務負担行為の活用、あるいは地方債の活用、財投の活用、あるいは民活、こういういろいろな政策の組み合わせによりまして、内需の振興に努めてまいりたいと思います。  輸入検査制度につきましては、国の法令等に基づくすべての基準認証制度及び輸入のプロセスに関する規制について総点検を行い、種々の改善措置を講じているところでございまして、現在、我が国市場は、国際的に見て遜色のない開放性を有するものになっていると考えております。今後は、これらの措置についてもさらに着実な実施推進を図るように、適時フォローアップを行いたいと思います。  輸出検査の問題でございますが、従来から検査成績、輸出金額等を勘案して、検査対象品目の大幅な整理等、必要な見直し作業を実施してきております。御指摘のように、企業の技術水準が著しく向上している今日におきまして、一般的に優秀な製品が多いと認められておりますが、新製品開発競争の激化、部品点数及び工程数の増加等を背景に、品質管理面での問題がある品目等も少なくなく、引き続き輸出検査は必要としている状態でございます。なお、本年九月の行政改革大綱に基づきまして、今後の検査成績動向を勘案しつつ、品目の削除を今後とも推進してまいる所存でございます。  金融の自由化、国際化の問題でございますが、今後とも金融・資本市場に係るアクションプログラムを踏まえまして、金融・資本市場に係るアクションプログラム推進を実行いたしてまいりまして、金融の自由化、国際化を前向きに、主体的に、漸進的に取り組む所存でございます。なお、信用秩序に混乱をもたらすことなく金融の自由化、国際化を進めていくことも大事であると思います。  労働時間の問題については、労働時間の短縮は、労使の自主的な努力により行われることが基本であると思います。行政といたしましても、過般の経済対策閣僚会議で決定しました内需拡大に関する対策等に基づき、その推進努力してまいります。今後の労働時間法制のあり方については、労働基準法研究会の最終報告を受けまして、関係審議会の意見を聞きつつ、労働基準法の改正所要施策について検討いたす所存であります。  航空行政の問題でございますが、運輸省は、本年九月、運輸政策審議会に対して、我が国航空企業の運営体制のあり方に関する基本方針について諮問をいたしました。この見直しは、航空輸送の安全を確保しつつ、利用者サービスのより一層の向上等を図っていくために必要なものであります。現在、同審議会において、国際線の複数社制、日航の完全民営化国内線における競争促進施策推進等の問題について審議が行われておるところであり、日航を含む特殊法人のあり方については、臨時行政改革推進審議会において審議が行われておるところでもあります。政府としては、これらの結論を待って適切に対応してまいります。  日航の体質の問題につきましては、いずれにせよ、あのような大惨事を起こしましたことは、同航としても厳重に反省すべきものであります。日航みずからが企業体質の改善を図り、職員が一丸となって活力のある企業として国民の信頼を回復する必要があります。政府は、かかる意味におきまして人事の刷新を行いましたが、なお、監督を厳重にいたしまして、国民の日航として再生するように適時指導監督してまいる所存でございます。  残余の答弁関係大臣からいたします。(拍手)     〔国務大臣後藤田正晴登壇
  28. 後藤田正晴

    国務大臣後藤田正晴君) 和田議員から規制緩和について極めて積極的な御提言を賜ったわけでございますが、私はその趣旨においては全く同意見でございます。  申し上げるまでもなく、行政改革変化への対応力を養うということでございますから、やはり既成のいわゆる許認可等につきましても随時、これは見直していくということでなければならない、こういう考え方で今日までも、行革審等の提言を受けながら、政府としては数次にわたって規制緩和を行っておる、こういうことでございます。また、さき行革大綱におきましては、行革審答申を受けまして、総務庁で許認可の総数を統一的に把握をする、そして同時に、定期的な見直し及び新設に当たっての審査の具体的方策について所要の調整、立案を行う、こういうことに決定をしておるわけでございますので、この線で我々としては仕事を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございますが、ただいま御提言のありました、その際サンセット方式の導入はどうか、こういう御意見でございますが、私は、これは貴重な御意見として検討の過程において参考にさせていただきたい、かように思うわけでございます。(拍手)     〔国務大臣竹下登君登壇
  29. 竹下登

    国務大臣(竹下登君) まず和田さんの質問の第一は、金利自由化の問題であります。  金利自由化につきましては、今後とも前向き、かつ主体的に進めていくわけでありますが、信用秩序に大きな混乱をもたらさないということが大事なことでありますので、漸進的に実施していくことがまた望ましい姿であるというふうに考えております。この観点から、金利自由化は大口のものから順次段階的に今日まで実施しておるところであります。大口預金につきましては、昭和六十二年春までには、金利規制緩和及び撤廃を実現するということにいたしております。そこで、小口預金金利につきましては、預金者保護、それから郵便貯金とのトータルバランス、これらの環境整備を前提といたしまして、具体的諸問題について早急に検討を進め、したがって、大口に引き続いて自由化を推進していくという考え方であります。  なお、一層の金融自由化を図りますためには、信用秩序の維持、預金者保護のための方策が必要であることは申すまでもありません。今後、先般ちょうだいいたしました金融制度調査会の答申等を踏まえまして、預金保険制度の整備拡充等、金融自由化を一層進めていくための環境整備を行っていくという基本的な考え方であります。  それから次は、オフショア市場の創設、この問題についての御質問でございます。  これは、ことしの三月五日の外為審議会の円の国際化についてという答申におきまして、その一方策として積極的に検討を進めるべきである、このように指摘をされております。また、その審議会専門部会報告、これにおきましても、「東京オフショア市場の創設は国際的にも国内的にも大きな意義があり、早急に具体化を図るべきものと考える。」とされておりますので、その報告趣旨に沿って鋭意検討してまいる、こういう考え方であります。  それから、金融自由化に当たっての中小金融の問題についての御意見を交えての御質問であります。  当然、自由化が進展しますならば、競争の激化等によりまして一部金融機関の経営悪化をもたらすようなおそれもございますが、同時に、競争の促進によって金融機関の効率化をもたらす、こういう効果ももとよりあります。金融の自由化が進む中におきましても、中小金融機関は健全経営を確保して、中小企業、そして地域経済に対する役割を的確に果たす必要がございます。金融の自由化につきましては、今後とも中小金融機関への影響問題等には十分注意を払いまして、健全経営の確保に配意しながらこれを進めてまいりたい、このように考えております。(拍手)     〔国務大臣山下徳夫君登壇
  30. 山下徳夫

    国務大臣(山下徳夫君) 和田さんの御質問お答えいたします。  運輸事業に対する規制は、利用者が必要な輸送サービスを安全かつ良好な状態で安定的、効率的に受けることができるようにするという、運輸行政の目的を達成するためのものでありますけれども、運輸事業が経済社会の情勢の変化に伴う利用者ニーズに的確に対応し得るとともに、国民負担の軽減を図るため、随時その見直しを行う必要があると認識いたしておる次第でございます。今後十分心して取り組みたいと思っております。  次に、我が国航空企業の運営体制は、四十五年の閣議了解及び四十七年の運輸大臣通達、いわゆる航空憲法、これによって定められているところでありますが、運輸省は、本年九月、運輸政策審議会に対し、我が国航空企業の運営体制のあり方に関する基本方針について諮問を行ったところでありますが、これは、航空輸送の安全性を確保しつつ、利用者サービスのより一層の向上、我が国航空企業の国際場裏における適切な役割の確保等を図っていくためには、現行の航空企業の運営体制の見直しが必要と判断したためであります。現在、同審議会において、まず国際線の複数社制、その次に日航の完全民営化、さらに国内線における競争促進施策推進等の問題につき審議が行われているところでありまして、運輸省といたしましては、同審議会の結論を待って適切に対応してまいりたいと考えております。  なお、日航の体質につきましては、総理からお答えがございましたけれども、若干補足いたしておきたいと思いますが、日航の企業体質としては、私のところにも御意見や御指摘をいろいろちょうだいいたしております。特に、親方日の丸意識あるいは特殊法人としての問題点が日航の事故等に関連して指摘されているところでございまして、これが今回の事故に直接結びついているか否かということは、必ずしも明らかではございません。しかしながら、いずれにいたしましても、このようなことが問題となること自体、日航として反省すべきであると私は考えております。なお、事故の原因につきましては目下、事故調査委員会において鋭意調査を進めております。その結果を待って適切に対処してまいりたいと思っております。  今後、日航がみずから企業体質の改善を図り、職員が一丸となって活力ある企業として国民の信頼を回復することが重要であり、政府といたしましても、かかる観点から、日航に対し適切に指導監督してまいりたいと思っております。(拍手)     —————————————
  31. 勝間田清一

    ○副議長(勝間田清一君) 三浦久君。     〔三浦久君登壇
  32. 三浦久

    ○三浦久君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、許可認可等民間活動に係る規制整理及び合理化に関する法律案について、総理並びに関係大臣質問をいたします。  法案基本的な立場を貫いているのは、中曽根内閣の対米従属、大企業本位の政治姿勢であります。  総理は、七月の自民党軽井沢セミナーの講演で、国際国家日本を前進させるために、経済摩擦を解消していくということが、将来とも繁栄していくための死活的な政策になってきていると強調いたしました。中曽根内閣はこれまで日米貿易摩擦解消と称して、アメリカに対し、譲歩に次ぐ譲歩を重ねてまいったのであります。アメリカの世界戦略の遂行のための大軍拡要求を受け入れたこと、世界一低い日本関税をさらに大幅に引き下げたこと、農家の強い反対を押し切ってオレンジや牛肉などの輸入拡大で農業破壊を促進をしたこと、革靴など皮革製品の輸入自由化の方針を決め、零細企業が圧倒的な皮革業界に深刻な打撃を与えようとしていること、どれをとっても対米従属そのものではありませんか。大企業の集中豪雨的輸出によって招いた貿易摩擦の犠牲を、一体国民や中小零細企業がなぜ負わなければならないのでしょうか。全く本末転倒も甚だしいと言わなければなりません。(拍手)  その上アメリカは、サゼスチョンと称して数十項目にわたる要求を突きつけており、その中で、税制、金融政策はもとより、大店法改悪など流通政策の変更や、日本国民のライフサイクルまで変えよと主張していると伝えられております。総理は、日本を属国扱いしたこのアメリカの理不尽な要求まで受け入れようというのでしょうか、明らかにしていただきたいと思います。あわせて、総理が強調する国際国家日本とは、アメリカの主張を受け入れ、日本国民に犠牲だけを強要することなのかどうか、明確な答弁を求めるものであります。  総理は、就任以来、民間活力の活用を政策の柱として掲げてきましたが、それが専ら大企業の利益を図るものであることは、今や明らかであります。電電公社専売公社民営化に続き、国鉄の分割・民営化を強引に推し進め、大企業に新たなもうけ口を提供しようとしていることは、その最たるものであります。来年度予算の概算要求を見ても、東京湾横断道路、明石海峡大橋など超大型プロジェクトの復活、国有地を切り売りをし、しかも税金まで軽減するという、大企業への至れり尽くせりの手厚い策を施そうとしています。  総理が民活の第一号と称して行っている新宿西戸山公務員宿舎跡地再開発計画では、住民無視、環境破壊もさることながら、再開発計画の中心企業から総理政治団体が違法な政治献金を受け取っており、民間活力は中曽根活力とまで言われているのであります。総理、あなたは、この違法献金の責任をどう認識しているのでしょうか、お答えをいただきたいと思います。(拍手)  もとより、国際貿易の発展を図る上で、諸外国批判に真摯な態度で臨まなければならないことは、言うまでもありません。殊に、我が国行政の官僚主義的伝統は根深く、この中で形成された制度には見直すべき点も多くあり、これらについて合理的な是正が求められるのは当然なことであります。しかし、本法案の柱は、中曽根内閣基本姿勢、すなわち国民犠牲、日米企業奉仕の路線を貫く不当なものと言わなければなりません。  その第一は、航空機の安全確保に関してであります。  本年八月十二日の日航機墜落事故は、五百二十名のとうとい命を一挙に失うという大惨事となりました。もう二度とあってはならない出来事であります。我が党は、事故原因の徹底究明を求めるとともに、事故の背景にある日航のもうけ本位、安全軽視の経営体質、さらに、日航にこれを強要してきた政府・自民党の責任を厳しく追及してまいりました。にもかかわらず政府は、市場開放を理由に、航空機関士を乗務させなくても運航できる航空機の範囲拡大しようというのであります。航空機関士が航空機の安全運航に重要な役割を果たしていることは、あの日航機墜落事故の際の航空機関士の果たした役割を思い起こすだけでも明らかであります。しかも、重大な安全問題を市場開放という立場から処理するなどというやり方は、国民の安全を犠牲に外国の航空機メーカーと国内航空会社への奉仕を最優先させる、中曽根政治の反国民的本質を改めて示すものと言わなければなりません。  総理は、所信表明演説で、日航機事故について、このような不幸な事故が二度と起こることのないよう、万全の努力を重ねていくと言明いたしました。しかし、今回の航空法改悪は、航空機の安全確保という方向と全く逆行する措置ではありませんか。総理の明確な答弁を求めます。(拍手)  第二は、国民生命と健康に関する問題であります。  政府が発表した市場アクセスの改善のためのアクションプログラムの中で見逃せないのは、医療器具、薬品、農業、自動車、化粧品などの安全基準を大幅に緩和し、国民の安全を根本から脅かしていることであります。周知のように、一九七二年、衆参の社会労働委員会は、食品の安全確保について、国民の健康の保護増進、食品添加物については常時その安全性を点検し、その使用を極力制限することなどを内容とする決議を全会一致で採択をしているのであります。アクションプログラムの安全基準緩和措置は、この決議に真っ向から挑戦するものであります。総理は、この決議を尊重する意思があるのかどうか、尊重するというのであれば当然、食品の安全に係る基準緩和を直ちに撤何すべきではありませんか、お尋ねをいたします。  また、ガス用品や消費生活用製品、消防機械器具などに対する公的検査を緩和し、製造企業輸入業者が安全基準に適合していると届け出るだけで、これらの製造、販売ができるようにしようとするいわゆる自己認証制度の導入は、消費者の安全にとって極めて重大であります。最近の有毒輸入ワイン事件や金属バット破損事件などにも示されているように、企業の利益優先の姿勢によって消費者の安全が侵された事例は、枚挙にいとまがありません。自己認証制度の導入は、国の安全行政の大幅な後退であり、消費者の安全を守る国の責任放棄と言っても過言ではありません。総理は、自己認証制の導入が国民の安全を守ることになると思っているのでしょうか、それとも、市場開放のためには国民の安全を犠牲にしてもやむを得ないとでも思っているのでしょうか、総理並びに関係閣僚の明確な答弁を求めるものであります。(拍手)  第三は、地代家賃統制令の廃止の問題でございます。  これは、輸出主導型の経済是正し、内需拡大推進するためと称して、一方的に国民を犠牲にし、大企業の利益を図ろうとするものであります。統制令の廃止を借地、借家法の改悪とあわせて強く要求してきたのは、大手民間デベロッパーなど建設、不動産業界であります。統制令の廃止、借地、借家法の改悪は、大企業による都市再開発を促進するために、借地、借家人の追い立てを合法化しようとするものにほかなりません。全国の統制令対象戸数は公共住宅戸数にほぼ匹敵する百二十四万戸に上り、しかも、居住者の多くが住みかえ困難な高齢者や母子家庭世帯であります。統制令の廃止がこうした人々を路頭に迷わすことになるのは、火を見るよりも明らかなことなのであります。  また、零細な地主やアパートの経営者にとっても、大企業による再開発が土地や家屋を根こそぎ吸収して進められることから、地主といえども、長年住みなれた土地を追い出されることになるのであります。さらに、統制令の廃止が、統制令対象外の地代、家賃の引き上げと地価の高騰をもたらし、広範な国民生活影響を与えることは必至であります。政府は、統制令の撤廃が国民生活に及ぼす影響をどう考えているのでしょうか。それでも統制令の廃止を強行しようというのでしょうか、答弁を求めるものであります。(拍手)  そもそも日米貿易摩擦の原因は、アメリカの大軍拡による巨大な財政赤字、これを原因とするドル高と、日本の大企業の低賃金、長時間労働、超過密労働、下請中小企業への締めつけによって保障されている異常に高い国際競争力にあります。この根本原因を取り除き、同時に、軍拡優先の財政配分を改めて、所得減税、労働時間の短縮など、国民生活の立場に立った国内市場拡大策をとることこそが政府責任であることを、私は強く強く指摘しておきたいと思います。  最後に、法案提出のやり方と議会制民主主義についてであります。  総理は、これまで臨調や行革審を初めとする各種審議会私的諮問機関を事実上の国権の最高機関扱いし、さらに法案国会提出でも、行革特例法や補助金カット一括法など数十本の法案一括して提案をするなど、国会審議を軽視し、議会制民主主義をないがしろにしてまいりました。今回の法案に盛り込まれた事項は四十二項目の多岐にわたり、関係法律は二十六本、所管省庁は八省庁に及んでおります。しかも、その多くが国民生命と健康、安全を直接脅かすものばかりであります。また、これを一括して提出する、そういう態度は、議会制民主主義をじゅうりんする暴挙であり、断じて許すことはできないのであります。  私は、本法案の速やかな撤回を強く要求して、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣中曽根康弘登壇
  33. 中曽根康弘

    内閣総理大臣中曽根康弘君) 三浦議員にお答えをいたします。  まず、大店法の改正の問題でございますが、これは、届け出制のもとに所要の出店調整を行っておるところであります。今後とも、大店法に基づく出店調整制度の適正かつ円滑な運用に万全を期する所存でございます。なおまた、外国からの要請があったとかという話でありますが、要請があったことは事実でありますが、決めるのは日本が独自に決めていくということであります。  次に、いわゆるライフスタイルの話でございますが、資源のない日本の生きる道は、貿易国家として生きるよりしようがないわけです。そのためには、国際国家として生きる以外には方法はないわけです。自由貿易体制の最大の恩恵を受けている国は日本であります。そういうことを考えてみますと、外国並みの市場開放をやらなくしてどうして日本の将来があり得るか、現在の状態を見れば十分お考えいただけることであり、この点について、共産党は目を開かれるように希望いたします。(拍手)  次に、農民、中小企業の問題でございますが、いわゆる自由化、市場開放の問題とともに、最も農民や中小企業のために心を砕いてやっているのは、自由民主党であるということを申し上げるものであります。(拍手)  次に、政治資金の問題でございましたが、これは、相手の寄附が規定をオーバーしているということを知らずに受け取ったということがわかりまして、早速返還をいたしたところでございます。今後とも、政治資金の取り扱いについては慎重に行いたいと思います。  航空法の改正の問題でございますが、今回の航空法の改正は、最近の技術の進歩により、現行の規定が技術的合理性を欠くようになったものと判断をしての改正でございまして、安全性に支障を与えるものではないと考えております。  市場アクセスと食品安全の問題でございますが、いやしくも国民生命、健康、安全に支障がないように、もちろん十分配意してこれは行っておるところでございます。なお、自己認証につきましては、日本民間の技術力やあるいは人間的な能力等を見ますというと、もう自己認証をやるに十分であるだけの実力が備わってきている、そのように考えて、適当なものは自己認証に任す時代に入ってきたと考えておるものであります。  最後に、一括化の理由でございますが、先般来申し上げますように、これは趣旨、目的が共通であるものを取りまとめて提案いたしまして、前例もあることでもあり、撤回の意思はございません。  残余の答弁関係大臣からいたします。(拍手)     〔国務大臣村田敬次郎君登壇
  34. 村田敬次郎

    国務大臣(村田敬次郎君) ガス用品、消費生活用製品に対する自己認証制度の導入に当たりましては、現在と同水準の安全水準を確保いたしまして、消費者保護上遺漏なきを期しておるところでございます。  具体的に申し上げますと、第一に、自己認証品目の製造、輸入事業者に対して一定事項の届け出義務、製品の基準適合義務等を課しまして、義務違反に対しては改善命令、回収命令等を発することができることとしております。第二に、製品が満たすべき安全基準につきましては、今後とも安全性の確保に遺漏なきよう、国が定めることといたしております。第三に、自己認証品日の具体的選定に関しましては、当該品目に係る技術水準等を十分勘案した上で、審議会等を通じまして広く意見を聴取して決定することとしております。通産省としては、今般の法改正において、以上のような点に配慮を行ったところであり、今後とも消費者の安全の確保に努めてまいる所存でございます。(拍手)     〔国務大臣増岡博之君登壇
  35. 増岡博之

    国務大臣(増岡博之君) 食品の安全に関する御質問お答えいたします。  今般の市場アクセス改善のためのアクションプログラムに基づく措置につきましては、あくまでも食品等の安全性の確保基本としておりまして、食品添加物の取扱いにつきましても、この基本姿勢のもとで、各国衛生当局と十分協議しつつ対処してまいります。なお、昭和四十七年の衆参社会労働委員会での附帯決議につきましては、今後とも、食品等の安全性の確保を最重点とする決議の趣旨を踏まえ、対処してまいりたいと考えております。(拍手)     〔国務大臣木部住昭君登壇
  36. 木部佳昭

    国務大臣(木部佳昭君) 地代家賃統制令は、戦後の厳しい住宅難を背景といたしまして制定されたものでありますが、今日では、住宅事情も大幅に改善され、統制の必要性が失われておりますので、今回、約一年後に失効することとするものであります。廃止の影響につきましては、統制の対象となる住宅が一部の住宅に限定されており、廃止されました場合も、当事者の借地法、借家法上の地位には何らの変更がないこと等から、その影響は比較的小さなものと考えております。統制令の廃止に当たりましては、国民生活への影響がないよう配慮してまいる所存であります。(拍手
  37. 勝間田清一

    ○副議長(勝間田清一君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  38. 勝間田清一

    ○副議長(勝間田清一君) 本日は、これにて散会いたします。     午後四時十九分散会      ————◇—————