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1985-11-29 第103回国会 衆議院 地方行政委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年十一月二十九日(金曜日)     午前九時三十五分開議 出席委員   委員長 高鳥  修君    理事 愛知 和男君 理事 糸山英太郎君    理事 臼井日出男君 理事 平林 鴻三君    理事 加藤 万吉君 理事 安田 修三君    理事 柴田  弘君 理事 岡田 正勝君       伊藤 公介君    伊吹 文明君       尾身 幸次君    大島 理森君       大村 襄治君    工藤  巖君       坂本三十次君    鈴木 宗男君       関谷 勝嗣君    仲村 正治君       長谷川 峻君    林  大幹君       細田 吉藏君    松田 九郎君       綿貫 民輔君    伊藤  茂君       小川 省吾君    清水  勇君       田並 胤明君    細谷 治嘉君       小谷 輝二君    宮崎 角治君       吉井 光照君    藤原哲太郎君       経塚 幸夫君  出席国務大臣         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長     古屋  亨君  出席政府委員         警察庁警備局長 三島健二郎君         自治省行政局公         務員部長    中島 忠能君         自治省財政局長 花岡 圭三君         消防庁長官   関根 則之君  委員外出席者         人事院事務総局         給与局給与第一         課長      小堀紀久生君         総務庁恩給局恩         給問題審議室長 鳥山 郁男君         大蔵省主計局共         済課長     坂本 導聰君         厚生省年金局年         金課長     谷口 正作君         厚生省年金局数         理課長     坪野 剛司君         自治省行政局公         務員部福利課長 松本 英昭君         地方行政委員会         調査室長    島村 幸雄君     ————————————— 委員の異動 十一月二十七日  辞任         補欠選任   仲村 正治君     江崎 真澄君   松田 九郎君     大島 理森君   綿貫 民輔君     中川 昭一君 同日  辞任         補欠選任   江崎 真澄君     仲村 正治君   大島 理森君     松田 九郎君   中川 昭一君     綿貫 民輔君 同月二十九日  辞任         補欠選任   尾身 幸次君     大島 理森君   工藤  巖君     林  大幹君   細田 吉藏君     関谷 勝嗣君   松田 九郎君     鈴木 宗男君   五十嵐広三君     清水  勇君   佐藤 敬治君     伊藤  茂君   山下洲夫君     田並 胤明君 同日  辞任         補欠選任   大島 理森君     尾身 幸次君   鈴木 宗男君     松田 九郎君   関谷 勝嗣君     細田 吉藏君   林  大幹君     工藤  巖君   伊藤  茂君     佐藤 敬治君   清水  勇君     五十嵐広三君   田並 胤明君     山下洲夫君     ————————————— 十一月二十八日  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案反対等に関する請願井上泉紹介)(第  四七〇号)  同(上原康助紹介)(第四七一号)  同(伊藤茂紹介)(第四八六号)  同(左近正男紹介)(第四八七号)  同(水田稔紹介)(第四八八号)  同(天野等紹介)(第五二五号)  同(岡田春夫紹介)(第五二六号)  同(水田稔紹介)(第五二七号)  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案廃案等に関する請願田中美智子紹介)  (第五九四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案内閣提出、第百二回国会閣法第八四号)      ————◇—————
  2. 高鳥修

    ○高鳥委員長 これより会議を開きます。  内閣提出地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安田修三君。
  3. 安田修三

    安田委員 地方公務員等共済組合法につきまして、先般来、連合審査を初め本委員会でも重ねて質問が行われてまいりました。質問がより深まってまいりますと、今度の年金改革は極めて多くの欠陥を持っていることが露呈されておりまして、大臣初め公務員部長もかねがね主張されます。その仕事の特性という点からしまして、これで公務員が将来本当に勤勉で、職務に精励していくことに対して制度としてそれを守る、その生活やあるいはそれぞれの環境を守っていくことにふさわしいかどうか、大変疑念がわいてくると言わなければなりません。  そこで、私は、この年金法に入るに先立ちまして、大臣国家公安委員長を兼ねておられますので、けさほど首都圏を初め大阪の国電が全部ストップするという異常な事態が発生いたしました。これにつきましてまず冒頭お尋ねをしておきたいと思います。  昨年の自民党本部襲撃事件、既に一年有余たちました。その当時も我が党初め各党全部そろって、こうしたいわゆる暴力集団もしくは暴力的行為法社会において許されざる行為に対して警察は速やかに対処してもらいたい、また対処はしているであろうが、その追及あるいは捜査のやり方は手ぬるいのではないか、あるいは場合によったら意識的に泳がせているのじゃないかという指摘まで実はあったわけであります。かねがね成田問題を初めとして各地でこうした事件が起きてまいりましたが、けさほどはまさに大きな打撃を与えまして、善良な多くの国民に多大な迷惑をかけております。これにつきまして、まず公安委員長に、この状況とそしてこれにどのように対処されるかということにつきまして御意見をお伺いしたいと思います。
  4. 古屋亨

    古屋国務大臣 今、安田先生からお話がありました公安事件につきましては、国鉄千葉動力車労働組合、御承知のようにこれは普通の、一般動力車組合とは離れておりますが、分割・民営化、十万人首切り阻止を呼号いたしまして、きのうの正午から総武線緩行線快速線について二十四時間ストに突入いたしました。乗客への影響につきましては二十八日中は八〇%の運行が確保されたこともありまして、主要駅での乗客滞留に起因する不法事件は発生しておりません。また、このストライキを支援するとして極左暴力集団は二十八日午後一時から千葉県習志野市所在の津田沼公園等最盛期七百九十五人を集めて集会、デモを実施しましたが、この過程で警備中の警察官に対し、足げり等の暴行を加えた男一名を公務執行妨害検挙しております。二十九日も引き続き津田沼公園で同様のデモを行うことになっております。これに対しては、警察部隊を的確に対処しております。警察部隊警視庁が三千、千葉が三千五百名を動員しております。  二十九日、けさの午前三時三十分ごろ、東京都内を含む全国都府県東京、神奈川、千葉、埼玉、京都、大阪の六都府県において、列車運行用信号ケーブル等が切断されるという、極左暴力集団によるものと見られる同時多発ゲリラ事件が発生し、現在列車運行が不能となっております。警察といたしましては、本事件による乗客施設等への殺到に伴う雑踏防止のための所要の体制をもって対処しておりますほか、事件悪質性にかんがみ、徹底した捜査を行うということにしております。  なお、ゲリラ事件を敢行したと思われる極左暴力集団四十六名を、けさ午前八時半までに検挙しております。検挙は、兇器準備集合罪火炎びん罪等でございまして、このほか、浅草の駅のホームを含むものにつきまして放火等もございました。  大体事件の概要はこうでございますが、警視庁にも公安捜査本部を今暁設置いたしました。鋭意全力を挙げて関係県に連絡をとりまして捜査に当たっておる次第でございます。
  5. 安田修三

    安田委員 抹消の関係検挙されてもその中枢がなかなか検挙されないという非常に難しい問題が介在しております。したがいまして、最近は私たちもよく、刑事事件についてはどうも今まで、森永・グリコ事件等の場合に、公安関係重点じゃないか、こう言ってきたのです。いわゆる今の警察行政というのは公安関係に人員その他予算等がかなり偏重しておるのではないか、だからこれはちょっとおかしい、こう言っておったにもかかわらず、私がそれほど指摘するほど皆さんがかなり公安関係重点を置いておる。しかし、事この関係については皆さん捜査がなかなかうまく進まないというもどかしさがあります。速やかにその中枢部をひとつ捜査検挙してこうした不安のないようにしていただきたいと思いますが、大臣、もう一遍決意を伺いたいと思います。
  6. 古屋亨

    古屋国務大臣 御意見公安関係の問題につきましては、御承知と思いますが、ディジタル化の方策も着々と進んでおりますし、また、サミットを控えまして、公安関係、特に毎日全国で盗まれる車が百台というような状況で、これがほとんど凶悪犯あるいは公安事件等に使われておる状況でございます。これに対する対策を含めまして、そしてまた火炎瓶等もその距離が三百メートルぐらいが一千メートルぐらいになっておるというような状況でございますので、警備の手法にもいろいろ考慮を加えまして、これらの事件徹底的検挙と抑圧に今後も警察を総動員いたしまして努力させてまいりたいと思っております。
  7. 安田修三

    安田委員 それではひとつ公安委員長の方で格段の御尽力をお願いしたいと存じます。  それでは本論の方に入りまして、まず改正案内容は、一つ給付の切り下げ、二つ目負担の引き上げ、三つ目公的負担の削減などが行われておりまして、いわゆる法にあるところの国及び地方公共団体共済組合の健全な運営と発達が図られるよう必要な配慮を加える、こういう趣旨に反しておるのではないだろうか。総括的に、極めて抽象的でありますが、そういう考えを私は持ちますが、さて、その担当部長であります中島部長の方ではどういう所感を持っておられますか。
  8. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 共済年金の今回の改正に関しましては、いろいろな観点から御議論をいただきまして、私も大変勉強になったというふうに思います。  ただ、先生が今御指摘になりましたように、今回の法案というものが、一つ給付を切り下げているじゃないか、もう一つ負担を増加させているじゃないか、三番目は公的負担を減額しているじゃないか、こういうお話でございます。ただ、私たちの方は、公的年金制度、特に共済年金制度がこれからの高齢化社会等経済社会の変貌というものに対応して、長期的に安定した運営ができるようにという観点からある程度の給付というものを適正化していかなければならない、そしてまた成熟度推移等から見ましてもある程度の負担というものをお願いしていかなければならないだろうというふうに考えたわけでございます。  ただ、この公的負担の問題につきましては、たびたび御説明させていただきましたけれども、やはり給付の増加のテンポというものが非常に大きゅうございまして、その中に占める公的負担の割合というのは、今度の改正案によりましても、やはり税収に占める比率とかあるいはまたそれでもなお増加するテンポというのは無視できない非常に大きなものがあるということで、こういう改正案を提出させていただいたわけでございますけれども、いろいろ先生から御指摘をいただきましたので、そういう御指摘とかあるいはまた御批判というものをよく整理させていただきまして、私たちもまた勉強させていただきたいというふうに思います。
  9. 安田修三

    安田委員 人事院の方はお見えでございますか。——それでは、これは大臣にも私お聞きするわけでありますが、先に人事院の方にもお伺いいたしますが、共済年金地方公務員法上の公務員制度一環である、これはかねがね当委員会でも当局から強調されておるところであります。それだけにその特性が強調されておるにもかかわらずいわゆる官民格差、これは世間的にそういう問題点がたくさん指摘されたし、いろいろと議論になってまいりましたが、その官民格差ということ、これが非常にクローズアップされて、そしてそのために何かこの公務員制度のいろいろな特性というもの、その特性官民格差の最も大きな障害であるというぐあいにすりかえられていっているところはないだろうか。本来の官民格差と言われるところの本旨というものが浮き彫りにされないで、制度上あるものが何か障害になっているような感じで、そして今度の改革案をつくるに当たっても、いわゆる公務員制度一環として出すべき特徴というものすら失われてきておるのではないだろうかと実は思うわけです。そういう点で、人事院はいろいろとこの年金制度改革に当たって関係省庁の方にもいろいろな話し合いもされたようでありますが、まず人事院のお考えをひとつお伺いしたいと思います。
  10. 小堀紀久生

    小堀説明員 お答え申し上げます。  官民格差と言われておりますいろいろな点につきましては、それぞれこの沿革とそれから公務員特殊性等から出ております問題がございまして、一概にそれがいい、悪いというのは私どもとしては言えない点があると思っております。ただ、今回の年金制度改正案、これは御指摘のとおり基礎年金導入を初めといたしまして、給付水準の引き下げによる給付負担適正化を図り、他の公的年金制度との整合性配慮する等の内容になっておりますので、確かにそういう見方もあろうかと思いますけれども、一方におきましては、公務員制度の側面を考慮いたしまして、職域年金相当部分が設けられているということにかんがみまして、今回の改正案についても引き続き公務員特殊性というものに対して配慮がなされているものと考えております。
  11. 安田修三

    安田委員 課長がおいでになるとどうも余りすっきりした言葉が出ませんが、むしろあなたの方の内海総裁になりますと、率直に言って大蔵委員会でこう話しておりますよ。今度年金に関しては、これはかなり厳しい改革でもありますし、その内容におきましてもかなり厳しい内容を持つものでありますから、それに対していかように公務員年金という問題に関する条件をつけ加えていくか、それを加味していくか、こういうことで私たち配慮しながら大蔵省主計局長にも意見を申した、こう言っているのですよ。あなたの話を聞いていると、総裁が言っている言葉一つも出てこぬ。総裁は率直にこう言っておるのですよ。どうなんですか。
  12. 小堀紀久生

    小堀説明員 総裁も申し述べておりますように、改正そのものといたしましては公務員にとってはかなり厳しい内容のものになっているということは事実であろうと思います。
  13. 安田修三

    安田委員 そこで大臣にお伺いいたします。今の件でございますが、今もお聞きになったように、人事院の方は、大変厳しい内容になっている。さて大臣として、先ほど私申し上げましたように、この改革案というものは公務員制度一環としては、いろいろ考えはあります、私は不適当だと思うのですが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
  14. 古屋亨

    古屋国務大臣 今回の改革案におきましては、御承知のとおり基礎年金導入給付水準適正化等を行うことによりましていわゆる官民格差論議にもこたえることとしているところでありますが、こういう点につきまして特に地方公務員公務特殊性等にも私どもは十分考慮いたしまして職域年金相当部分を設けるなど、特に公務等による障害共済年金遺族共済年金につきましては高い年金水準とするなど、公務員制度一環としての面から所要の措置を講じたところでございます。  今先生お話しのように、官民格差という声に余り公務員の方が脅かされて、何といいますか努力が足らなかったあるいはやることが低かったじゃないかというような、恐らくそういう意見お話しになったと思うのでありますが、これは人口の高齢化に伴いまして今後年金を維持していくということと同時に職域部分を設けるなど、公務員につきましてはそういう特殊な点も相当検討して改めたということが言えるのではなかろうかと私は思っておるところでございます。十分でない点ももちろん予算の点その他でございますが、私は、何といっても共済年金というものについて公務員の方々が非常に影響を受けられることは多いのでありますが、公務としての特殊性から見たこの共済につきましての職域部分につきましては、何とかしてこれをできるだけ公務能率が上がりますような方向において努力をしていかなければならないと思っております。
  15. 安田修三

    安田委員 そこで、次も人事院それから大臣も聞いておっていただきたいと思うのですが、今いろいろなお話をした中に、そういう特殊性をつけるということで職域年金問題というのは出ております。これが千分の一・五ということになっておりますが、一体その根拠——今まで何遍もお聞きしました、しかしその皆さんの理由づけにもかかわらず、どうも根拠というのは私ははっきりいたしません。極めて情緒的な感覚で訴えておるところがたくさんございます。そこで、例えば前国家公務員等共済組合審議会の会長で社会保障制度審議会委員の有名な今井一男さんがおっしゃっておるには、これは「共済新法」二月号の座談会に載っているわけでありますが、「あれは僕もわからぬね。まるでクイズ並みだよ。」こう述べていらっしゃるのです。この方は御存じのように極めて賃金が専門の、こういう理論家でありますが、そうおっしゃっております。改正案原案策定作業に参画された朝日新聞の編集委員で、これまた現国共審委員であります橋本司郎さんも、この座談会でその後を受けて、二〇%であってもいいし、別に三〇%を考えでつくっても差し支えなかった、こう発言していらっしゃるのです。  さて、官民格差論議、これは非常に難しい問題でありますが、私たちは確かにある、それはむしろ官の内部にあるのじゃないか。下と上との給与、それから年金格差、特に高級な官僚の方の第二の人生、いわゆる天下り第二の人生等においての問題点が大変指摘されるわけでありますが、後ほどもちょっと触れますけれども、むしろそういう中に象徴されるし、また象徴以上に現実の問題としてあって、本来の一般に勤務している多くの公務員人たちの中には、他の厚生年金関係と比べた場合にも決して高くない、低いという関係者が随分存在しているわけでありますが、さて、人事院の勧告の中にも、そういう点ではなるべく下に厚く、中に厚くというような問題点がよく出てまいります。  そこで、年金が一元化される、こういう制度の中にあって、公務員共済制度特殊性というものは今の千分の一・五の職域年金という部分でどうも生かし切っていない、今度はもう厚生年金にかなり横並びいたしてまいりますが、完全に横並びし切れないそういう一つ問題点、そして公務員特殊性を生かそうとしてもなかなか生かし切れない、そういう点が千分の一・五という中にあらわれているのじゃないかと思います。そういう点で、まず人事院の方にお聞きいたしますが、あなたの方はこの千分の一・五ということについてどういう考えを持っておられるかということです。
  16. 小堀紀久生

    小堀説明員 今回の改正案職域年金部分につきましては、公務能率的運営に資する、そういう観点から公務員の身分上の制約等特殊性あるいは現役とOBの世代間のバランスの維持、それから現役公務員費用負担限度等を総合的に勘案されて決定されたものと承知いたしております。
  17. 安田修三

    安田委員 どうも課長が出てまいりますと、普通の極めてのっぺらぼうな答弁しか出ませんが、おたくの方ではかなりこの企業年金との問題も調査されてそういう点の問題点もほかの委員会では指摘されておるのですが、どうも普通の答弁しか出てまいりません。  さて、当局の方にお聞きいたしますが、千分の一・五、どういう根拠でしょうか。
  18. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 この問題につきましては、たびたび御質問いただきまして私も説明させていただきましたが、一つは、この水準をどうするかということによりまして現役の方の負担にどのようにかかわってくるかということ、もう一つは、現役の方の報酬との関係がどういうふうになるだろうかということを考えなければならないわけでございますけれども、もう一度私が御説明したことを繰り返させていただきますと、現在地方公務員の方は平均在職年数が大体三十二年だ、そして、三十二年お勤めになりまして平均給与月額に対して何%の年金が裁定されておるかといいますと、おおむね六八%から七〇%ぐらいだということでございます。ところが、その三十二年の在職というのが四十年になった場合にどういうふうになるだろうかということを現在の制度で計算してみますと、八五%ぐらいになるということでございます。そうしますと、現役の方の平均給与月額に対して八五%ということになりますと、これは高いんじゃないかということの議論が出てくるだろう。そこで、それをどのように適正化していくかということなんですけれども、今お話しの千分の一・五ということで計算いたしますと七四%ぐらいになる。六九%ぐらいのものが七四%ぐらいになるということでございます。千分の一・五じゃなしに仮に千分の二で計算したらどうだろうかということになりますと、七四%が大体七五、六%になるだろう。そうしますと、厚生年金は大体六九%だというふうに言っておりますから、まあ七四%ぐらいならば官民格差議論をされる方にも公務員年金特殊性として御納得いただけるのじゃないだろうかということを私たち期待いたしておるわけでございますけれども、それよりもさらに高くなるということについては公務員の立場としてやはり遠慮した方がいいのじゃないかという気持ちがございます。  それともう一つは、これからの掛金率というのがどういうふうになるだろうかということでいろいろな前提を置いて計算してみました。そうしますと、昭和百年には現役の方の掛金が一七・二五%まで上っていく。月給の一七・二五%が長期の掛金にとられることが予想されるということになりますと、その掛金をさらに引き上げるような要素をこの際積み重ねるということについては、私たち公務員ですから千分の一・五より千分の二・〇の方がいいわけですけれども、そこはその当時の現役の方のことを考えてやはり遠慮した方がいいのじゃないだろうかという気がするわけでございます。そこで、千分の一・五というものを、何か算式で算出いたしましてこういうことで千分の一・五になりました、こういうふうに申し上げれば安田先生も、そうか、それならおれもその算式は間違ってないから納得しようと言ってくださるのでしょうけれども、なかなかそういうわけにはまいりませんで、私が今申し上げましたようないろいろな要素考えまして、千分の一・五ぐらいならば官民格差議論をされる民間の方にも御納得いただけるのじゃないだろうか、こういうふうに考えて御提案申し上げておる、そういうふうに御理解いただけないかというふうに思います。
  19. 安田修三

    安田委員 それが民間の方にも御納得いただけるか、民間の方もいろいろと問題点があるわけです。御存じのように、企業年金制度にはいろいろな問題があるけれども、だが、大企業がほとんど入って、全体の企業の半数以上を占めるということは先般の各委員質疑のとおりです。しかもそれが大体三〇%水準になっておるし、また事実、企業年金の調整は三〇%ということになっておりますから、それと対比いたしますと、どうも公務員の方は企業年金的な性格の職域年金というものは低い。しかも将来双方の制度上の引っ張り合いということになるわけですから、それぞれに対応したものがなければ民間の方としても決して快しとしない。そういう点で一・五にはそれなりの理論づけがなければならぬと私は思います。横並び問題についてはいろいろな理論づけがあるけれども、職域の千分の一・五については、今のように民間に納得していただけるだろうとか、さきにおっしゃった年金のいろいろな財源率等を背景にした御説明の場合にはなるほどそれは負担の問題があるのかという気がしましたが、後の方になりますとそうではございません。  そこで、年金の裁定問題でも、皆さんの資料をいただきますと、実際の年金の裁定からしますと、例えば二百万円までの裁定をされた人が全体の五九%、二百五十万円までのクラスに引き上げてみても全体の八六・二二。二百五十万円以下が八六・二二%。そうしますと、御存じのように二百五十万円で月約二十万円です。このクラスまでで八六・二二%を占めてしまっている。ですから、高い年金裁定者は極めて少ない、こう言わざるを得ません。そういう状況ですから、皆さんの指標のとり方には、いろいろな計算方式がありましょうからそれぞれの基礎が違えばかみ合えないとは思いますけれども、これはぜひ皆さんの方でお考えいただかなければならぬ部分ではないか。決して私は官の方を高くせいとは言いません。バランスがとれない。そういう点で大臣、お考えをお聞きしたいと思います。
  20. 古屋亨

    古屋国務大臣 一・五を二にすべきであるというような御意見でございます。私どもは、地方公務員公務特殊性にもいろいろ配意をいたしまして職域年金相当分を留意をしておるのでございますが、この水準につきましては、公務特殊性を考慮するということが一つ、他面におきまして費用を負担する現職者の負担の限度、つまり現役とOBとの負担給付のバランスを勘案して設定しなければならないというような考え方、それに共済年金制度改革検討委員会におきまして主として学者、経験者の方の意見もいろいろ聞きまして、そういうような三つの点を考慮いたしまして私どもは千分の一・五とするようにしたのでございます。
  21. 安田修三

    安田委員 そうおっしゃるけれども大臣、私さっき言ったように国共審の前会長の今井さんのように、まるでクイズだ、それから現国共審委員の橋本さんの意見のように、それは二〇%であっても三〇%でも差し支えないのだ、学者や組合の幹部が言っておるのじゃないのです。今現にこの作業をやっておる人たちがそう言っておるのですから、学者先生意見を聞いたとおっしゃるけれども、どうもそうはいかぬ。だから、皆さんの方でこれについて決してこれでいいんだと思っていない。部長はこう言ってないと大変なんです。しかし、大臣は政治の責任者ですから、どうなんでしょう。
  22. 古屋亨

    古屋国務大臣 今申しましたように、OBと現役との負担のバランスを考えますと、私は現在のところは一・五が相当ではないか、こう思っておりますが、なお将来の問題としては私も十分検討していかなければならぬと思っております。
  23. 安田修三

    安田委員 とにかく、これはひとつ考慮していただきたいと思います。  次に進みますが、法三条には、それぞれの職員をもって組織する地方公務員共済組合を設ける、こういうことになっております。こういう中で、公立学校、警察を除く八十九単位共済が連合会をつくっておるわけでありますが、今後このような地方公務員共済組合制度、単共を堅持していってもらいたいと思っております。とかく一元化という中に、財布を一つにするかせぬかという話がたびたび連合審査でも出ますが、単共を堅持していくということについて部長の所見をお聞きしたいと思います。
  24. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 連合会を発足させていただきまして、そこで先生が今お挙げになりました八十九の単位共済組合の財布を一つにしよう、財源率を一本化しようということで現在運営させていただいております。それは長期給付の財政調整ということで連合会をスタートさせていただいたわけでございますけれども、八十九の単位共済組合がそれぞれ長期の事業、短期の事業あるいは福祉事業を現在行っておりますし、単位共済組合がそれぞれ今までと同じようにそういう長期、短期の給付事業を行うという制度はこれからも維持していきたいと考えております。
  25. 安田修三

    安田委員 そこで、共済組合は職員をもって組織するということになっております。したがって、共済組合運営は、使用者である地方公共団体を代表する者と職員を代表する者とで協議しながら運営することになっております。共済組合は、そうした労使ともが相互救済を目的として自主運営ということが建前になっておりますので、その建前論というのは今後もずっと続くと思いますし、堅持していかなければならぬと存じておりますが、そういうふうに解してようございますか。
  26. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 現在もそれぞれの共済組合は法の定めるところに従いまして、その趣旨、目的に即しまして自主的に運営していただいておりますので、そういう体制というのはこれからも維持していきたいと考えております。
  27. 安田修三

    安田委員 そこで、この改正案は「共済年金制度改革の方向」という検討委員会の結論、これを基礎に成り立っておると思っておるのでございますが、どうでしょうか。
  28. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 その報告書というのをたたき台にいたしましていろいろな方面の意見を聞き、審議会の方でも御審議いただきまして今回の法案を作成させていただいたということでございます。
  29. 安田修三

    安田委員 この共済年金制度改革検討委員会の中に、公益、使用者、職員と三者に分けた場合に職員の方がどうも入っていない、三者構成になっていない、これはどうしてなんでしょう。
  30. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 共済年金制度というのは先生よく御存じのように非常に専門的、技術的であるということと、それがいろいろな制度にがかわっておるというような面もございますが、いずれにいたしましても将来のあり方を議論するときには、今先生お話しになりました組合員を代表する音あるいは地方公共団体を代表する者、平たい言葉で申し上げますとどちらも利害関係者ということになるわけでございますけれども、そういう方は一応遠慮していただきまして、実務の責任者と一般の中立的な学識経験者で議論をしていこうじゃないかということで進めたわけでございますけれども、その過程におきましてはいろいろな方の御意見というものを吸収しながらたたき台というのをまとめていったということでございます。
  31. 安田修三

    安田委員 私はそもそもここに、今の改革案の中にいろんな欠陥が出る一つの要因があったと思うのですよ。共済の組み立て方が相互救済だからということで、使っている人も使われている方もともにこの運営に当たっているという自主運営を建前にして今まで制度が円滑にやられてきた、今度の改革に当たってはその大事なパートナーを切ってしまった。こうなりますと、中曽根総理がかねがね進めておるたくさんの審議会や私的諮問機関やそういうものをつくって、自分の好きな人を集めては答申を出してそれに乗っかっては進めていこうとする、そういうやり方と全く一緒だと私は思うのです。自治省も地方公務員の問題については言うべきところは言っておられる場面は今度の場合にも制度上ではあることは承知しておりますが、共済制度改革委員会にはちょっと手落ちでなかったか。今の部長の答弁では私は承知しかねる。自治省の進め方としてはおかしかったのじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
  32. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 せっかくのおしかりでございますけれども、私たちは今度の改革を進めるに当たりましては、できるだけ中立公正の立場の方、学識経験豊富な方というのを中心にいたしまして、実務の担当責任者が入ってもらって案をつくらせていただいた方が今度の改革の性格からかんがみていろんな方に御納得いただけるんじゃないか、こういうふうに考えたわけでございますけれども、先ほども御説明申し上げましたように、でき上がる過程におきましてもいろんな方の御意見というものを聴取するように努めてまいったわけでございますので、そういう過程というものもひとつよくお酌み取りいただきまして、御了解いただけないかというように思います。
  33. 安田修三

    安田委員 初めからそういうパートナー抜きということが結局地方公務員共済組合審議会の報告が出た場合に、今度は案の定職員層の代表から盛んにいろんな意見が出されているのを見ます。そこで、いろんな意見が出されたが、それが部長の方で今度の改革案にどのように反映されてきたのか、その点ちょっとお聞きしたいと思います。
  34. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 地方公務員共済組合審議会において御議論いただきましたその結果というのは、今回の制度改革というのは、「高齢化社会の到来を控え、将来にわたる地方公務員共済組合制度の堅持を前提として、長期的に安定した年金制度とするとともに、組合員の負担の増加を抑制するためには、やむを得ない選択であるとするのが大方の意見であった。」という答申を取りまとめておられます。しかし、先生が今お話しになりましたように、個々の問題については若干異なった意見が述べられておりますけれども、それを御紹介申し上げますと、基礎年金制度についての意見ですが、「基礎年金については、定額支給、全額国庫負担方式をとるべきであって、当面公的負担を増額して対応するべきである」「基礎年金水準は、政府案よりも改善する必要がある」「基礎年金のうち、公的負担当額については、受給要件を設けず、六十五歳以上の国民等に無条件に支給すべきである」、共済年金制度プロパーの問題につきましては、「職域年金相当部分については、公務員制度一環として機能し得るよう更に充実するとともに、その費用負担については、組合員三〇%、自治体七〇%の負担とすることを目標とするべきである」「退職共済年金等の特別支給に当たっては、基礎年金相当額について、諮問等の基礎年金拠出金と同じ割合の公的負担措置を講ずるべきである」、そういうようないろいろな意見を答申の中では記述しておられます。  そこで、私たちの方でもいろいろな意見というものを踏んまえまして改正案というものをつくったわけでございますけれども、結局法律案作成の段階で修正いたしました事項としましてどういうものがあるかということなんですが、それを少し御紹介申し上げますと、一つ基礎年金の支払い事務というのを共済組合が行うことができるようにした方が事務の効率化の面から、あるいはまた年金を受ける方の立場から見て便利であろうということでそのようにいたしました。また二番目に、組合員の配偶者にかかる市町村長への届け出を配偶者にかわって共済組合が行うことができるようにしようというふうなことを考えております。三番目に、月の途中に退職した方につきましては、当該月の掛金をこれからは徴収しないようにしようじゃないか。四番目に、既に裁定されております年金に所得制限の規定を適用する場合には、従前額保障を行うようにしよう、従前額保障につきましてはスライドをさせないということにしておりますけれども、その従前額保障の中の老齢加算部分についてはスライドを適用していこうというようなことで、私たちも案を作成する段階におきましては個々の問題についてできるだけ細かい配慮をしていって、そういういろいろ出されました意見の中で吸収できるものは吸収していこうというふうに努めたわけでございます。
  35. 安田修三

    安田委員 共済組合で支払い事務を行う、そういう要望に沿った新しいものが入ったものもありますが、しかし大事なところはどうも全部、細かいところでちょこちょこっとというような感じがして、大きいのは全部捨てられた、こういうことになります。とかく最近審議会とか何々委員会というものについての無力感というものが各方面であるわけでありますが、私は、やはりこの種の審議会で出された意見というものについていろいろな角度で皆さんの方で尊重するような運営というものが望ましいし、またそういうことをぜひ今後に向かって追求してもらわなければならぬと思います。  さて次に、ちょっと基礎年金関係で少し入りますが、実は特別支給が六十歳からということになっております。五十八年度末現在の国民年金の老齢年金受給者のうち、五年年金やあるいは高齢の任意加入の十年年金の受給者以外の受給者の四分の三は実は繰り上げ支給ということになっております。新規裁定者についてもその四分の三は繰り上げ支給で、そのうち六十歳からの受給者が実に六五%、六十一歳からの受給者が一三%、これを合わせますと実に七八%、六十歳から六十一歳というこういう多くの受給者をまぜますと随分高率になっております。ということは、いわゆる国民年金は六十五歳からの支給であるが、これは減額されても早く欲しいというニーズのあらわれだろうと思います。総理府の国民生活の意識調査によりましても、四十代から五十九歳にかけて貯蓄率では非常に高まるわけでありますが、それは全部老後に備えてということでございます。そういう点が年金の場合にも端的にあらわれておると私は思うのです。そしてこの繰り上げ支給、もちろんこの中には現行三分の一の国庫負担が入っておりますが、そこで、今度新制度になった場合でも六十一年四月以降の老齢基礎年金については繰り上げ支給制度がございます。これは共済全部共通事項ではございますが、とにかく繰り上げ支給制があります。もちろん拠出金の三分の一について公費の負担共済の場合もあるわけでありますが、先ほど触れました現行の国民年金の老齢年金については老齢基礎年金給付とみなされる費用、現行の場合はみなされる、みなし費用として実は三分の一の国庫負担があるわけです。したがって、建前としては六十一年四月以降からの六十五歳支給の老齢基礎年金について三分の一の公費負担ということになるわけでありますが、実際は国民年金の四分の三は六十四歳以前の支給でも国庫負担のついたものをいただいておる。要するに、国庫負担ということになると老齢年金はもう六十歳からついてしまっている。ところが今度の新制度による共済の特別支給の場合には六十歳からの特別支給には何ら公費負担はつかない、こういうことになってまいります。そうしますと、どうもこれはバランスからいってもおかしいのではなかろうかということを言わなければなりません。  そこで、私は、本則六十五歳からのこの種の繰り上げ支給ということにもし考えてみれば、そういうぐあいに置きかえてみたということになれば、公費負担というものはあってしかるべきではないか、これは先般のときにも公費負担問題ではいろいろと述べておったわけでありますが、そういう感じがするのですが、部長はどうでしょうか。
  36. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 先生お話しになられました基礎年金の繰り上げ支給ということに関しては、共済年金が適用される組合員もその被扶養配偶者も同じように適用されますので、その限りにおいて国民としては平等の取り扱いを受けているわけでございますけれども、だからといって六十歳からの特別支給に公的負担が入るべきではないかという議論につきましては、少し御説明させていただきますと、基礎年金というものを繰り上げ支給するというふうにいたしました場合の減額率でございますけれども、その減額率というものは保険数理に基づいた減額率ということを行いますので、もう少し平たく申し上げますと、平均余命というものを想定いたしまして、その平均余命というものを生き抜くんだということを考えました場合には、六十五歳から丸々もらうのと減額支給された額をもらうのと同じ基礎年金の額が支給されるということでございますので、公的負担としては同じ額がどちらにも支給されるというふうになりますので、先生お話しになられましたことをもちまして六十歳からの共済年金の特別支給に公的負担を入れなければならないということには少しなりにくいのではないかというふうに思います。
  37. 安田修三

    安田委員 それは繰り上げ支給すれば、今部長のおっしゃったように全部平均余命でいけば国庫負担を入れるのは一緒の額になりますよ、だから仮に将来共済で六十五歳という制度になって、そこで基礎年金の繰り上げということがあった場合も公的負担は一緒ですよ、こういうことになることは理屈の上ではそうなんだけれども、しかし今の特別支給の場合に、だからといって全然公的負担なしということはどういうことなのか。今度の場合はそれに合わせて公的負担負担率が小さくなったということならわかりますが、何にもなしというのはちょっとおかしいじゃないですか。
  38. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 結局公的負担というものをどのように考えるかという問題になるわけでございますけれども、これも御説明申し上げましたけれども、今度の公的負担のあり方というのはすべての公的年金制度について等しくしていこう、すべての国民というものに年金を保障する、そして保障された年金にすべて公的負担を同じように入れていこうということでございますので、先生お話しになりますように六十歳からの特別支給に公務員についてのみ公的負担を入れるというのはやはり難しいのじゃないかというふうに思います。
  39. 安田修三

    安田委員 それは公務員だけに公的負担といいますが、問題は、公務員の使用者がたまたま自治体であった、国も国民の税金、自治体も国民の税金から成っているという、そういう経済の仕組みがたまたま一緒だということから国庫負担が直に入らないというだけの違いであって、本来は国民年金制度というものは基礎段階で全部一限化されれば、それは国がその基礎について当然持つべきであって、その上に乗っかる共済年金なり厚生年金というものは当然別の仕組みになっていく、基礎は本来は国の仕組みの中に一限化されるのが当然ではなかろうか。それはだれだって当然なんですが、たまたま今度の場合はこういう立て方になっているから部長はあえてそうおっしゃるのでしょうけれども、しかし、これは幾ら言ってもなかなかそう簡単にそうかとお互いになるような問題でございませんので、次の方に進ませてもらいたいと思います。  さて、在職中の低所得者に対する特別退職年金について、これはいわゆる高級な官僚の方の天下りという場合には共済年金給与との二重所得が非常に世間の批判のあるところでありまして、厳しい規制が私は必要であると思います。しかし今回の在職中の特例年金の場合、厚生年金方式の支給率になるわけでありますけれども職域年金相当部分がその場合には実は除外されているわけです。なぜ除外されたのか。恐らくこれは厚生年金とのバランスをとってということなんだろうと思います。これは職域、厚生年金にすればいわゆる企業年金に該当する部分だから除外しなければならぬのだという理屈になるかと思うのですが、その辺の見解はどういうことでしょう。
  40. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 先生がもう答えをおっしゃいましたので余り御説明することは実はないわけでございますけれども公務員在職中に年金が受けられるようにしようじゃないか、特に公務員給与が低い場合にそういう制度導入しようじゃないかということを今回考え、そういう御提案を申し上げておるわけでございますけれども、現在厚生年金制度にある制度との横並びということで考えましたので、今先生が御質問の中で指摘されましたように厚生年金との関係においてのことでございますので、職域年金部分というのはその対象になってないというふうに御理解いただきたいと思います。
  41. 安田修三

    安田委員 そこで、民間の場合は企業年金は、国の制度厚生年金からは出ないけれども企業年金は出るわけですよね。だからそれと横並びということになると、こちらの方のは出ない、ちょっとおかしいんじゃないですか。
  42. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 頭の中の整理といいますか、物の考え方として私が申し上げましたような考え方で制度をつくらしていただきましたということでございます。
  43. 安田修三

    安田委員 部長はこれから曲げたことを言ったら部長のあすはなくなりますので、恐らくそれはそうおっしゃるのでしょうが、ちょっとおかしいですね。  さて、これは大臣のおるときに聞かなければならぬことだったのですが、私ちょっと忘れてしまいまして、五十七年度から六十年度までの公的負担の四分の一カット分です。地共済は二千二百億円に及んでおりますが、この返済対策、これはどうなっているのでしょうか。
  44. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 特例法に基づきまして現在そういうことが行われておるわけでございますけれども、その特例法の中に書いてございますように、国が国家公務員共済組合等に講じた措置に準じて地方公務員共済に対しても返済をしていくというふうに考えております。
  45. 安田修三

    安田委員 そこで、これは速やかに返してもらわなければだめなんで、これはもちろん去年も予算委員会その他、ことしも大変議論になってきたところでありますが、さて予算編成期に入るわけですが、自治省としてこれの対処をひとつきちっとやっていただきたい、私はこう思いますが、部長、その点どうでしょうか。
  46. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 これから国の方が予算編成期を迎えましてその問題も議論されるんじゃないかというふうに思います。現在のところ、国の方の措置がまだ決まっておりませんので、私たち何とも申し上げられませんけれども、国の措置というものを見ながら私たちの方も共済組合の長期給付影響がないようにしてまいりたい、支障が生じないようにしてまいりたいというふうに考えております。
  47. 安田修三

    安田委員 さて、先ほど言いました在職中の特例年金の支給制度ができました。いろいろとこれはこれで厚生年金に横並びになっていい制度なんですが、問題は所得、いわゆる支給制限がありますので、これは今の厚生年金受給者もいろいろな配慮をしているところでありますが、いわゆる支給率を考えながら給与を決めてもらっている。したがって、これでいきますと中には大変安いお金でそして再雇用あるいは再任用というケースが出てくるのではなかろうかと思います。そういう点で下手をしますと、何か高齢者の低賃金を固定して、それが他にも波及するというようなことになったりしてくることが考えられます。  また、定年後の再任用の場合に今度はいわゆる本俸プラス補正率、その報酬の全部の平均ということになってまいりますので、そうしますと長年再任用されてうまく勤めたけれども、低い給与で再任用されたために全体的には平均報酬が下がってくる。だからせっかく長く勤めたけれども、どうも年金額は現状から余り上がらないというケースの場合も出てきたり、いろんな問題が今後出てくるということが考えられます。そういう場合に対処して、ひとつ任命権者が任用時にこういう点の不利益等が起きないように、あるいは先ほど言いましたように低賃金の固定化というような問題に波及していかないようにいろいろとこれは今後の制度運用上配慮していかなければならぬ問題が出てくるんじゃないだろうかと思います。そういう点で自治省の方で万端、行政上の指導なり誘導というものを考えていってもらいたいと思いますが、どうでございましょうか。
  48. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 一つは、再任用者について年金が支給される可能性があるから給料を低く抑えるようなことのないようにしなさい、こういう話でございますが、私たちは再任用者に係る給与の決定につきましては、それぞれの地方団体が持っております初任給、昇格、昇給等の基準に関する規則というのがございますが、それに基づいて再任用者の給与を決定するように指導しておりまして、年金が支給される可能性があるからそちらの再任用者の給与を低く抑えるというようなことがないように心がけてまいりたいと思います。  それからもう一つは、再任用者に係りまして、再任用されますと通常は退職前の給与よりも低くなりますが、そうしますと全期間の平均給料月額が低くなるのじゃないかということに関連いたしまして年金額が低くなるのじゃないか、そういう御心配でございますが、私たちの方の専門家でいろいろ計算させてみますと、期間が長くなりますので年金額が低くなるというケースは出てこないようでございます。
  49. 安田修三

    安田委員 以上で終わります。
  50. 高鳥修

    ○高鳥委員長 午前十時五十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十時三十八分休憩      ————◇—————     午前十時五十分開議
  51. 高鳥修

    ○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。吉井光照君。
  52. 吉井光照

    ○吉井委員 まず、私は逆官民格差の問題からお尋ねをしたいと思います。  私は、本年六月十八日の本会議で、厚年よりも不利な条件に置かれている共済年金につきまして厚年並みに引き上げないと片手落ちである、このような指摘をしたわけでございますが、このようないわゆる逆官民格差の具体的内容につきましては、連合審査で我が党の大橋委員一つ一つ問題について取り上げたところでございます。これに対して大蔵大臣は、これらは現行制度による過去のもので今から過去のものを拾い出すのは困難という趣旨の答弁をされたわけです。しかし、改正案でも逆官民格差と思われるものが依然残されているわけでございます。そのうちの一つがいわゆる加給年金です。  現行制度では、厚年の老齢年金では配偶者が十八万円、子供のうち第一子、第二子についてはおのおの六万円、第三子以降は二万四千円という多額な加給がつくのに対して、共済年金の退職年金にはこれがありません。まず、この理由についてお尋ねをしたいと思います。
  53. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 主として沿革的な理由に基づいて今先生が御指摘になるような事態になっておるわけでございますけれども、簡単に申し上げますと、共済年金というのは沿革的には恩給制度の流れをくんだ制度でございまして、恩給制度に加給年金がないということで共済制度にも加給年金がないわけでございます。  ただ、厚生年金共済年金とを比べました場合に、算定基礎につきましては、厚生年金の場合には勤務した全期間の給料の平均で、平均標準報酬をもとに年金額を算定する、ところが、共済年金の場合には退職前一年間の給料に基づいて年金額を算定することにいたしておりますので、水準といたしましては、この算定基礎のとり方によりまして加給年金部分は吸収されているのではないかと一般的には理解されているところでございます。
  54. 吉井光照

    ○吉井委員 改正案では既裁定年金についてはすべて通年方式に裁定がえをすることになっているわけですが、厚年ではこの既裁定年金には何ら手を加えておりません。にもかかわらず、共済ではこのような改正をしようとしておるわけですが、この点はいかがですか。
  55. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 厚生年金の場合には、現在の算定方式と六十一年四月から施行されます新しい算定方式は、その方式そのものの仕組みは変わっておりませんので、算定がえということが起こってまいりませんが、共済年金の場合には、現在、基本ルールと通年ルールという二つがございまして、その通年ルールは仕組みといたしましては厚生年金の算定方式に類似いたしておりますけれども、基本ルールというのはそれよりも若干有利なルールだと言われております。  そこで現在、基本ルールで年金額を裁定されている方については新制度の施行に伴って裁定がえをして通年ルールというものに置きかえていこうということでございまして、共済年金における基本ルールと通年ルールの選択制ということから先生が御疑問を抱かれました裁定がえが由来しているのだと御理解願えないかと思います。
  56. 吉井光照

    ○吉井委員 現行では、共済では配偶者の加給等がありません。改正案では、共済でも新規裁定者には加給年金がつくことになっております。ところが、既裁定年金については通年方式に裁定がえをしても配偶者加給等がありません。これでは依然、厚年と不均衡のままであるし、また新制度で新たに裁定を受ける現役との間でも不均衡が生じるのではないかと思うわけですが、いかがですか。
  57. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 通年ルールに裁定がえするということは現在の通年ルールで年金を裁定するわけでございますから、算定基礎というのはあくまでも退職前一年間の給料をもとに裁定がえいたします。今先生お話しになりましたように、新方式に基づく年金の裁定というのは全期間平均の標準報酬ということになりますので、通年ルールで裁定がえされた場合には退職前一年間の給料をもとにいたしますので、その水準といたしましては、一番最初の御質問にお答え申し上げましたように、その退職前一年間の給料のとり方の中に今の先生が御指摘になりました加給年金部分水準としては含まれているというふうに御理解いただきたいと思います。
  58. 吉井光照

    ○吉井委員 共済の場合、既裁定年金の算定基礎が退職前一年間平均の給料で厚年の既裁定年金よりも有利になっているということはあるでしょうけれども、しかし、それは算定方式の問題であって、実際の年金受給者の中には年金の基礎となる給料が少ないとか、それから加給対象者が多い場合には厚年よりも不利になっているような人もいるのではないかと思うのです。現在の共済年金受給者の中で仮に算定基礎を厚年と同様のものとして、そして加給年金をつけたとしても、現支給額を上回ることになる人がいるのではないかと思うのですが、この点はどうでしょう。
  59. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 共済年金厚生年金の比較というのは、それぞれ別に制度が生まれまして、別に制度が発達してまいりましたので、その制度の仕組みが異なりますのでなかなか難しい問題がございます。  ただ、厚生年金の方が共済年金よりも有利じゃないかという点はございます。先生お話しになりました加給年金があるなしというのもその一つでございますし、遺族年金について厚生年金では二百四十月みなしという制度があるのも一つでございますし、さらに公務によらない障害年金とか遺族年金の支給要件については在職六カ月あればその支給要件を満たすという制度厚生年金でとられておりますが、共済年金では一年間の期間が必要だというようなことがございまして、そういう個々の点を拾い上げていけば、先生が今お話しになりましたように厚生年金の方が共済年金よりも有利な点が存在することは否定できないと思います。
  60. 吉井光照

    ○吉井委員 現行制度では共済年金算定方式に一般方式と厚年に準じた通年方式があって、いずれか有利な方法を選択させることによって厚年を下回ることのないようにしている。それと同じように、既裁定年金についても少なくとも厚年を下回ることのないようにする措置を講ずるべきではないかと思うのですが、この点はいかがですか。
  61. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 共済年金厚生年金というのは、今申し上げましたように制度の仕組みが異なっておりますのでなかなか難しい問題がございます。ただ一般的に申し上げますと、先ほどから御説明申し上げておりますように算定基礎のとり方が、共済年金厚生年金の場合には共済年金の方が有利にできておりますので、厚生年金よりも共済年金が不利になるということはそんなに多くのケースではないと思います。  ただ、先生先ほどから厚生年金共済年金とを比較されまして共済年金の不利なところをよく御指摘いただいておりますけれども、少し違った立場といいますか私たちの目から見ますと、なお共済年金の方が厚生年金に比べて有利なものも相当ございます。例えて言いますと、先ほどから御議論いただいております職域年金部分のあるなしであるとか、あるいはまた業務によって、公務執行中に障害になった場合の障害共済年金とか遺族共済年金というのは厚生年金に比べて非常に高い水準年金が保障されているとか、あるいはまた基礎年金の保険料の滞納期間というものと関係なく障害共済年金遺族共済年金が保障されるとか、そういういろいろな制度がございますので、制度そのものを共済年金厚生年金総合的に比較するということになりますと、やはり共済年金制度の有利な点というのは相当ございます。そういう点も先生よくごらんいただきまして、評価をしていただけないかというふうに思います。
  62. 吉井光照

    ○吉井委員 このような問題は障害年金にもあるわけですね。今回の改正で通年方式に置きかえられる障害年金にも子供に対する加給年金や寡婦加算がないことになっておりますが、厚年を下回ることのないよう同様の措置を講ずるべきではないかと思うわけですが、この点はどうでしょう。
  63. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 先生がおっしゃいますように、そういう点については私たちも若干考えさせられるものが実はございます。既裁定の遺族年金の最低保障額につきましては、厚生年金の既裁定の遺族年金水準を考慮いたしまして何か考えなければならないものがあるのじゃないかと思いますので、それはひとつ検討課題にさせていただきたいと思います。
  64. 吉井光照

    ○吉井委員 次に、障害共済年金についてお尋ねをしたいと思います。  初めに、現行法では障害等級表が法律で定められているのに対して、改正案ではこれを政令で定めるということになっておりますが、この理由についてはいかがですか。
  65. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 この問題につきましは先国会の改正案のときにも社会労働委員会で随分議論されておりました。結局政令で定めることができるように国会で御了解いただいたわけでございますけれども、要点を申し上げますと、結局、障害等級の変更は医学の進歩とかリハビリテーション技術の進歩というものとの関係考えられなければならない、そして、そういう進歩というのが最近相当著しいものがあるというので、世の中の動きに迅速に機動的に対応していくために政令でさせていただけないかということを社会労働委員会でも政府委員がよく御説明申し上げておりましたけれども、そういう改正に今回平仄を合わせまして政令で改正させていただけないかということをお願い申し上げたいと思います。
  66. 吉井光照

    ○吉井委員 確かに、さきの厚年、国年の改正では政令に譲るように改正されているので、これに合わさざるを得ないという点もあると思います。そして、当時厚年、国年の改正において、今も御答弁がございましたように、政令で障害等級表を書く理由としては、厚年と国年の障害等級にはどうしてもずれがある、したがって、これを整合させて一元化をする、その作業が法改正時までに間に合わない。また、今もおっしゃったように医学、医術の進歩やリハビリテーションの技術の進歩に応じた障害等級の認定を弾力的に行うためには、やはり法律よりも政令で定めた方が好ましい、こういう点はあると思うのです。  ところで、地共済障害等級表も厚年、国年と全く同じ内容になると思うのですが、この点はいかがですか。
  67. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 厚生年金とは同じ被用者年金ということで一致しておりますけれども、国民年金とは——被用者年金の場合には稼得能力の喪失、減少ということになりますけれども、国民年金の場合には生活能力の喪失、減少という観点の相違から、若干の違いがございます。  ただ、これも連合審査のときに話が出ておりましたけれども、国民年金との違いにつきましては関係省庁の間で意見の交換をして、できるだけ調整するように努力しなければならないなど考えております。
  68. 吉井光照

    ○吉井委員 厚年、国年の改正時に厚生省は、今も答弁されたように、厚年の障害等級表は労働能力の喪失程度、こういうことを基本にしておりますね。一方、国年は日常生活能力を基本にした障害という考え方をとっているわけですが、一元化に際しては国年を基本にして統一する。つまり、労働能力喪失ではなくして日常生活能力をもとにして障害等級を設定するとされていたわけです。今回の改正で、地共済障害等級は厚年、国年とも一元化されることになるわけですが、そうなりますと地共済障害年金は、従来の労働能力の喪失に対する所得保障ではなくして、国年に合わせるなら日常生活能力の喪失に対する所得保障というように考え方が変わってくるのかどうか。また、これによって障害年金の取り扱いに今後違いが生じてくるのではないかと懸念するわけでが、この点はいかがですか。
  69. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 稼得能力の喪失または減少、そういうものに対する所得保障であるという考え方は、被用者年金である限りにはそれが基本にならざるを得ないと思いますが、先生が御指摘になりますように、生活能力の喪失に対する所得保障という側面も、国民年金との関係で調整してまいりますと、そういう側面もあわせて持つようにならざるを得ないのではないかというふうに今のところ考えております。
  70. 吉井光照

    ○吉井委員 障害等級は障害年金の重要な支給要件であって、これを安易に法律から政令事項に移すことは問題ではないか。近年、行政改革の名のもとに従来法律事項とされていたものを政令事項におろす立法例が増加しているわけですが、今回の改正もその一例ではないか、こういうことも言われております。ほかにもこの種の立法例があるとされておりますが、地方公務員災害補償法のようにきちんと法律で規定されているものもあるわけです。それとも、これも将来政令に移すというのか。重要な支給要件について国会の審議権を奪おうとすることは、これは問題だと思うのですね。厚生省の新障害等級表の作業がまだ終わらないようですけれども、その整理ができた段階でまた法律できちんと明確に定めるべきだと思うわけですが、いかがですか。
  71. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 先ほども申し上げましたように、政令で定めるようにさしていただきたいと考えておりますのは、医学の進歩とかあるいはリハビリテーション技術の進歩等、そういうものに対応して弾力的といいますか、機動的に障害等級の変更をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。その変更をするに当たりましては、関係審議会の意見を聞くとかというふうにいたしまして、非常に私たちもそういう点については配慮をしてまいりたい、そして先生が御心配になられますようなことがないように努めてまいりたい、そのように考えております。
  72. 吉井光照

    ○吉井委員 では次に、新規に裁定を受ける三級障害年金についてお尋ねをしたいと思います。     〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕  これにつきましては、同じくさきの厚年、国年の改正時におきまして現行と比べて年金額が激減することから大きな問題となったわけですが、結局月額三万七千五百円の最低保障が修正で設けられて、そして地共済改正案もこれをそのまま踏襲しておるわけです。しかし、一級や二級には妻の加算が出ますし、障害基礎年金もあって、これには子供の加算もつくのに対して、三級では年金の計算が二級と同じであるけれども障害基礎年金はありません。また子や妻の加算もありません。したがって、給料の低い人はわずかの年金になるわけで、最低保障が修正で設けられたといってもなお十分ではないと思うわけです。  そこで、まずお尋ねしたいのは、地共済障害年金受給者のうちで三級に該当する人が何人くらいいらっしゃるのか、またそのパーセントはどうなっているのか、まずこのあたりをお聞かせ願いたいと思います。
  73. 松本英昭

    ○松本説明員 御説明申し上げます。  地共済の連合会で三級障害の受給権者が約千九百人で、全体の二五・七%程度になっております。
  74. 吉井光照

    ○吉井委員 全体の二五・七%、かなりの数がいらっしゃるわけですが、しかもその中には複雑な公務の増加に伴って、本来なら公務上の障害と認定されてもよいような障害を持つ人もかなり含まれているのではないか、こういうように思うわけですが、厚年にはない公務による障害年金の最低保障は一級三百四十万円、それから二級が二百十万円、三級が百九十万円です。この二級と三級のバランス、また同じ三級の公務上による障害年金公務によらない障害年金の最低保障額のバランスから見ても、この公務によらない三級の最低保障いわゆる月額三万七千五百円、年額四十五万円は、これは余りにも低過ぎるのではないか、このように思うわけですが、この点いかがですか。
  75. 松本英昭

    ○松本説明員 御説明申し上げます。  御指摘は、先生たびたびおっしゃっていますように、今回の改正によりまして三級の障害者に対します基礎年金及び障害共済年金合わせた水準が従前よりも相当落ちるじゃないか、またその絶対的な水準も大変低いではないか、こういう御指摘かと思いますが、確かにそういう面がございます。そういうことで、先ほども指摘のように国会の修正におきまして最低保障の年額四十五万、月三万七千五百円という修正が入ったわけでございますが、私ども障害共済年金におきましてはその上に職域年金部分もこれに加算をいたすことになっておりまして、大体七千五百円程度の加算がつくのではないか、そういう点では改善になっておるわけでございます。
  76. 吉井光照

    ○吉井委員 確かに三級障害の人は一、二級に比べまして障害の程度というものは軽いかもしれません。また、現実に働いている人もいるかもしれません。しかし、公務障害の性質上働くことが困難な障害者もかなりいることも事実でございます。その結果、これらの人は働けなくなって掛金が払えなくなる。六十五歳になって老齢基礎年金も満額もらえない、あるいは全くもらえない可能性も非常に大きいわけです。一、二級の人は基礎年金が出ているけれども、三級の人は基礎年金を全くもらえなくなることもあり得るわけです。  そこで、三級障害者については共済年金において基礎年金分も含めて支給することとして、二級障害者が受ける共済年金及び基礎年金の額の百分の七十五に相当する額を支給するとともに、妻及び子に対する加算を行うべきではないか、このように考えるわけです。この点についてと、また、厚年の横並びが問題というならば、同時に厚年も改正すればいいのじゃないか、このようにも思うわけですが、この点はいかがでしょう。
  77. 松本英昭

    ○松本説明員 御説明を申し上げます。  ただいま先生おっしゃいましたように、障害三級の方の年金支給額の水準考えます際に、障害の三級の方々については働けるではないか、そういうことがあったこともまた事実でございます。そういうことでございますが、先ほども申し上げましたように、公務員につきましては職域年金部分を加算するというような手当てを行っております。ただいま先生指摘のように基礎年金部分全体を加算をすればいいじゃないかというような御意見でございますが、やはりこの点につきましては厚生年金等とのバランス等でなかなかそういうふうにはまいらない。厚生年金の方も変えればいいではないかという御意見もございますけれども、ただいま申し上げましたようなことで私どもとしては障害共済年金水準としてはこの改正案の方でいかしていただきたいと考えておる次第でございます。  それから、受給権者が国民年金、いわゆる基礎年金も無年金者になるのではないかという御意見がございましたけれども障害年金の受給権者につきましてはいわゆる国民年金法上の免除者というような取り扱いになりますので、全くの無年金者にはならない、すなわち免除期間中はその三分の一は国民年金、いわゆる基礎年金として計算の基礎に入ってくる、こういう格好になりますので、その点もあわせて御理解をいただきたいと思います。
  78. 吉井光照

    ○吉井委員 今回の改正障害年金には在職支給制度が新設をされて、給料の額が一定の額を下回る場合には在職中でも障害年金の一部を支給することとされておりますね。この障害年金在職中であっても全額支給すべきだと思うわけですが、改正案によるとした場合でも、在職支給をしようとする度合いは一、二、三級という障害の程度に応じて異なるわけですから、支給基準となる給料の額や支給額は障害の等級によって異なるようにすべきであると思うのですが、この点についてはいかがでしょう。
  79. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 先生御存じのように、障害共済年金そのものが障害等級によって現在既に差が設けられておりますので、先生が今お話しになりましたように、今度は支給割合についてもさらにそこにまた障害等級を加味しろ、こういうようなお話のようでございますけれども、そこまでしなくても御了解いただけないかということでございます。障害共済年金そのものに等級によって現在差が設けられておりますので、その点は御了解いただけないかと思います。
  80. 吉井光照

    ○吉井委員 次に、現行制度では三級の障害年金の受給権者が死亡した場合でも遺族年金が支給されることになっておりますが、これも厚年との横並びで、改正案では一級または二級の障害年金の受給権者が死亡した場合に限定をして、三級は遺族年金の支給対象から除外されているわけですが、この理由についてお尋ねをいたします。
  81. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 これは今福利課長も御説明申し上げましたように、三級障害者の場合には通常そのまま在職されるという前提で今度法令の規定を整備さしていただいたわけでございます。そこで、一級、二級の障害者がお亡くなりになったときには遺族共済年金が支給されるということでございますけれども、三級の障害者の方はそのまま在職されるという前提でございますので、組合員が死亡したときということでやはり同じように遺族共済年金が支給されることになりますので、その点は実体的には変わらないというふうに御理解。いただいて結構じゃないかと思います。
  82. 吉井光照

    ○吉井委員 確かに、厚年では現行法でも遺族年金障害の一級、二級だけになっておるわけですが、共済はそれを上回っているから形式的には官民格差かもしれないわけです。しかし、三級障害者であっても、少額とはいえ年金によって遺族になるような人の生計を維持しているわけですから、むしろ厚年こそ現行共済のように改正すべきと思うわけです。また、厚年にはない公務上の理由による遺族年金は、三級障害障害年金の受給権者が死亡した場合には出ています。改正案で三級障害年金の受給権者の遺族年金について、このように公務外とそれから公務上の遺族年金で取り扱いの差をつくっているのはどういう理由なんですか。
  83. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 公務によってお亡くなりになるということは、使用者たる地方公共団体にいたしますと、やはり補償的な性格を持った年金考えなければならないというので非常に高い水準年金を保障することになっておりますので、今先生お話しになりましたような差が出てくるのだというふうに思います。したがいまして、そういうふうな高い水準年金を保障するということは、ある意味においては、厚生年金のサイドから見ると、公務員は優遇されているのじゃないかというふうになりますけれども、その点はやはり公務能率的な運営という面に配慮いたしましてそういう制度を設けておりますので、その差そのものはひとつ御了解いただけないかというふうに思います。
  84. 吉井光照

    ○吉井委員 三級障害者の障害年金について、改正案では年金給付額を大幅に引き下げた上で遺族年金の支給対象からも除いてしまうというのはちょっと問題があるのじゃないか、こういうような気もいたしますが、公務上の遺族年金とのバランスから見ても、やはり三級障害障害年金の受給権者が死亡した場合にも遺族年金を支給するという現行制度はやはり残すべきではないか、このようにも思うわけでございます。障害者の生活実態無視の単なる形式的な厚年横並びでは年金のいわゆる低位平準化にほかならない、このように思うわけですが、大臣、ひとつ御意見をいかがですか。
  85. 古屋亨

    古屋国務大臣 三級の障害年金は稼得能力の減少を補てんする考え方に立つものであることは御承知のとおりでありますが、通常の場合、三級の障害年金受給権者は引き続き在職し勤務できるものと考えられておりますので、その者が死亡した場合には在職死亡に該当し、一般公務員の場合と同様に遺族共済年金が支給されることになりまして、実体的には改正前と変わるものではございません。したがいまして、三級の障害年金受給者の死亡を遺族共済年金の支給事由から除外したものでありまして、この取り扱いにつきましては厚生年金保険と同様に扱っております。
  86. 吉井光照

    ○吉井委員 では次に、年金の算定基礎についてお尋ねをいたします。  今回の改正で、地共済年金の算定基礎は、全勤務期間を通ずる平均給与月額となっておりますが、二つの点で厚年や国共済等の他の共済と異なっております。そのうちの一つは、標準方式をとっていない点ですね。例えば厚年では、実際に支給されている報酬、つまり給料と諸手当を仮定の標準的な報酬に当てはめて年金計算や掛金算出の簡便を図っているのに対して、地共済はこのような簡便性を考慮しておりません。厚年や国共済でも取り入れられているこの標準方式を地共済で取り入れられないのはどういう理由なのか。  また、違いの第二は、諸手当の取り扱いですね。厚年や国共済等では支給される諸手当を給料と合算をして標準報酬月額に当てはめておりますが、地共済では、全地方公務員に支給された給料総額に対する給料総額と諸手当の総額との合計の比率を出して、この比率を補正率として各人の給料に掛けて、そして諸手当を算入することとしておるようですが、どうしてこのような複雑な方式をとっているのか、この点はいかがですか。
  87. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 算定基礎を国家公務員共済と異ならしめておる理由でございますけれども、地方団体というのは先生御存じのように、三千三百近い地方団体がございます。その三千三百程度の地方団体のそれぞれにつきまして、手当の状況というのを見てみますと、手当の種類も異なりますし、同じ手当でもその支給状況というのも異なってまいりますので、たまたま団体が違うからということで同じような仕事をしておる公務員の間で年金に差が出てくる、それぞれの団体の手当をそのまま年金に反映させますと、そういう違いが出てくる、そのことはやはり公平の観点から見てどうだろうということで、地方公務員の場合には国家公務員と異なりまして、今先生お話しになりましたように、本俸の額に対しまして一定の率を掛けまして算定基礎にしていこうということを考えたわけでございますけれども、そのときに対象にいたします手当の種類というのは、国家公務員が平均標準報酬を出すときに算入する手当というものと同じ種類のものを算入いたしますので、水準といたしましては国家公務員と同じ水準になるわけでございます。そのようにさしていただきたいと私たち考えておるわけでございますけれども、そうする方が地方団体というものの実態、その数を含めまして、その実態から考えた場合に、むしろ事務は簡素化されて、しかもすべての地方公務員というものを眺めた場合に公平な年金支給というものができるんだろうというふうに考えて、関係審議会等に御説明を申し上げたところでございます。そうしますと、関係審議会でも私たちの説明を了とされまして、今回の法案を作成させていただいたわけでございます。そういう経緯がございますし、そういうねらいもございますので、先生の方でそれをひとつ御理解いただきまして、御承認いただきたいというふうに思います。
  88. 吉井光照

    ○吉井委員 今御答弁にもありましたように、確かに各地方団体間でこの諸手当の支給状況はばらばらではございますが、民間はこれはもっとばらばらですね。地方団体の手当の支給状況をやはり是正すべきであるのに、そうしないで、そのばらばらな状況を前提にして年金面で調整をするというのはちょっと不合理なような気もするわけでございます。また、この考え方を推し進めると、各団体間で給料の支給状況も当然ばらばらなわけですから、これも年金面で調整すればよいということにはならないのか、この点いかがですか。     〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕
  89. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 手当というのは、先生お話しになりましたように各地方団体それぞれ異なっておりますけれども、その異なった手当の支給状況まで私たちの方で非常に統一性を図るといいますか均一性を図るかというところまで指導するのが果たしていいかどうかということでございますけれども、現在私たちはその点については若干慎重にならざるを得ないというふうに考えております。したがいまして、それを前提にいたしまして、どのように年金というものを公平、公正にとにかくつくっていくかということでございまして、そういう考えから申し上げますと、先ほど申し上げましたように、公務員の平均的な手当率というものを本俸に掛けさしていただいて年金制度というものをつくらしていただいたらどうだろうかということでございます。  ただ、先生が御心配になられておるかもわかりませんが、手当の中で非常に常識外れの手当があるとか批判の対象になるような手当というものについては、その是正というものは指導してまいらなければならないと思いますけれども年金の支給というものに関連して相当程度の手当の均一化というものを図れということになりますと、これはちょっと私たちももう少しよく検討さしていただきたい、そういうふうに考えます。
  90. 吉井光照

    ○吉井委員 そこで、現在の公的年金制度では、定額である基礎年金を除いて、所得の額に比例した給付額という方式がとられております。ところが、地共済改正案のように、諸手当が実所得ではなくして全国平均で算入をされるために給付額は所得額に比例しないこととなるわけです。確かに掛金の拠出額とは比例をしておりますが、これでは所得に応じて拠出を求め、またこれに応じて給付するといういわゆる公的年金制度の仕組みに反することになるのではないか、このように懸念をするわけですが、この点はいかがですか。
  91. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 拠出していただくときには給料、いわゆる本俸に基づいて拠出をしていただくわけでございますので、その点は地方公務員の間にほぼ公平性が保たれているのじゃないかと思いますが、今度は給付するときに、今先生お話しになりますように、それぞれの手当というものをそれぞれの地方公務員年金算定の基礎の中に正確に反映させるというのもそれは一つの方法でございますし、一つ考え方だというふうに私たちも思います。  ただ、地方団体の現在の手当の支給の実態というものを考えますと、そのこと自体を行うのが果たして年金制度全体として眺めた場合にいい制度になるだろうかということになりますと、やはり私たちはその点についてはなかなか踏み切れないものがございまして、今回御説明させていただいておりますように、平均的な手当率というものでひとつ年金支給額の基礎にさせていただくという方がやはり地方公務員全体の立場から見ても御納得をいただけるのじゃないかというふうに考えております。私たちはこの考え方をいろいろな方に御説明申し上げまして、おおむねいろいろな方の御承認というのはいただいておるのじゃないかというふうに現在考えているところでございます。
  92. 吉井光照

    ○吉井委員 では次に、厚生省にちょっとお尋ねをしておきたいのですが、このような厚年や他の共済とも異なる地共済独自の算定基礎方式の導入は、将来の公的年金一元化に支障を来すのではないかと思うのですが、この点いかがですか。
  93. 谷口正作

    ○谷口説明員 お答え申し上げます。  地共済年金の算定方式についてのお尋ねでございます。確かに、今までるる御議論ありましたように、地共済とそれから厚生年金、それと他の共済とではこの方式が異なっているわけでございますけれども、私ども、これはそれぞれの制度の性格あるいは沿革等に由来するものだというふうに理解しておるわけでございます。その点が将来の公的年金一元化の中で支障とならないかという点のお尋ねでございますけれども、私どもとしましては、この点も含めまして今回この一連の年金改正におきまして各制度間で給付面での調整がかなり進んだというふうに考えておりますが、なお各制度間で残されている異なる点もあるわけでございますけれども、それらの点につきましては今後の一元化に向けました検討の中でさらに関係者がいろいろ協議をいたしまして調整すべきものは調整していくという必要があるのじゃないかというふうに考えております。
  94. 吉井光照

    ○吉井委員 では次に、スライドの問題でお尋ねをいたします。  私は、過日の連合審査の折に、今回の改正共済年金のスライド方式が、従来の給与基準の政策スライド方式から物価基準の自動スライド方式へ変更になることに伴う問題点について質問をしたわけですが、その際、恩給のスライド方式について恩給局からは、長期的にどうあるべきかは慎重に検討するが、来年度のスライドについては本年の公務員給与改定率五・七四%のうち約五・二%が基準となること、公務員給与改定に合わせて七月とするかまたは四月とするかは検討する、こういう旨の答弁があったやに記憶をいたしておりますが、来年度の恩給改定につきまして、公務員給与改定に準じて実施するのかどうか、改めてお尋ねをしたいと思います。
  95. 鳥山郁男

    ○鳥山説明員 先日の連合審査でお答えいたしましたとおり、恩給のベースアップの方法という点につきましては、従来から前年度の公務員給与の改善を基礎としてやってまいったわけでございまして、本年も先ごろ公務員給与の取り扱いが閣議決定いたしましたので、六十一年度のベースアップにつきましても従来どおりこれを基礎としてやりたい、このように考えておるところでございます。
  96. 吉井光照

    ○吉井委員 では、自治大臣にちょっとお尋ねをしておきますが、今回の改正で、既裁定年金者のうちいわゆる一般方式を選択している人は六十一年度から通年方式に裁定がえをされて、その裁定がえ後の年金額にスライドした額が現支給額に到達するまでの間、その人の年金額は現支給額に凍結されてしまうことになっております。このような人は既裁定者のうち六四%、四十六万人、このように聞いておりますが、この人たちは本年の公務員給与改定による差額が現金でもらえなくなってしまうわけです。もし恩給が来年度に公務員給与改定に準じて恩給額を改定するとなりますと、この人たちと均衡がとれないわけでございます。また、現役公務員は来年度から従来の人勧の凍結、見送り分が完全に解消することになっておりますが、この人たちとも均衡がとれません。しかも五・七四%のうちには人勧の凍結、見送りによる昨年までの積み残し分も含まれているわけです。もし人勧が完全実施されていたならば、この積み残し分は本年までの地共済年金改定によって既に既裁定者の手に渡っていたはずのものですね。せめてこの積み残し分くらいは一般方式をとっている人に現金で交付はできないものかどうか、この点いかがですか。
  97. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 年金の裁定がえに伴う恩給との不均衡の問題でございますけれども、この年金の裁定がえといいますか一般方式から通年ルールの裁定がえというのは、この委員会でも御説明させていただきましたけれども、仮に改正法が施行されますと、それ以後裁定される方につきましては相当程度年金給付水準というものが適正化される、そうしなければ現役の方の負担というのが大変だということで、それとのバランスで既裁定者についても通年ルールヘ裁定がえをさせていただこう、こういうことを考えておるわけでございますけれども、その場合に従前額保障というのは本年の三月三十一日現在の従前額で保障されるわけでございますので、今先生お話しになりました本年度のベースアップというのは本年三月三十一日の従前額には反映されないことになります。ただ、通年ルールで裁定されたその額には反映されますので、それだけスライド停止期間というのが短くなる、こういうふうにお考えいただいて御了解いただけないかなというふうに思います。
  98. 吉井光照

    ○吉井委員 次に、ちょっと人事院にお尋ねしておきますが、人事院は人勧の凍結、見送りに対しまして今まで再三反対の意見を表明されてきたわけです。現役は六十一年度からようやく凍結、見送り分が解消するわけですが、一般方式をとっている年金生活者については、今まで私が主張してきたように凍結、見送り分さえ現金でもらえないわけです。このような人は国共済にも相当いると思われるわけですが、このような状況について人事院はどのようなお考えなのか。また、このような人のために国家公務員法第百八条によって意見の申し出をすべきではないかと思うのですが、この点についての人事院の御見解をお尋ねしたいと思います。
  99. 小堀紀久生

    小堀説明員 御指摘の件でございますけれども公務員年金が、職員の退職後の適当な生活を維持する、そういうことによりまして公務の公正かつ能率的な運営に資する、そういうことを目的としておりますので、そういう性格からいたしましたらできる限りの配慮をしていただくというのが望ましいと考えておりますが、ただ、保険料負担の限界と保険数理との兼ね合いもございます。それから新旧退職者の給付のバランスという問題もございまして、そういう点からおのずから限度のあるということは理解できるところでございまして、このような点を考慮されまして具体的な措置につきましては所管省庁の方でまず御配慮をいただきたいと考えております。
  100. 吉井光照

    ○吉井委員 次に自治省にお尋ねしますが、今回の改正後においては四十年勤続の夫婦二人の年金が六十五歳支給で現役給与に対して六九%、これは厚年と同率でございますが、もちろんこれには期末・勤勉手当は含まれておりません。この六九%は将来とも維持されるのかどうか、この点いかがですか。
  101. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 六九%というのは厚生年金改正されるときによく厚生省の方から御説明された数字だというふうに思いますが、私たちの方で現在退職される方の年金状況を見てみますと、平均在職年数がおおむね三十二年でございます。そして、今先生お話しになりました期末・勤勉手当を含まない平均給与月額、それに対しましてどれくらいのパーセントになっているかというと、まだ六九%にまでは達しませんが、大体六八%を少し超えるくらいでございます。  ただ、六十歳定年になりましてこれから四十年勤務ということが多くなると思いますけれども、そういたしますと、現在の年金制度をそのまま置いておきますと八五%近くなるということでございますので、今回それを少し改正させていただこうということで提案しておるわけでございますけれども、今回の改正案というもので仮に計算いたしますと、平均給与月額に対しまして大体七四%ぐらいになるかなというふうに考えております。したがいまして、厚生年金の場合の六九%よりも若干高いところの水準になるのじゃないかというふうに考えております。
  102. 吉井光照

    ○吉井委員 時間がありませんので、財源の再計算についてもう一度お尋ねしておきたいと思うのです。  年金財政の財源再計算は法律上では少なくとも五年に一回行うこと、このようにされております。昨年十二月に行われたばかりでございますが、しかし今回の改正のように大改革がなされた場合には改めて財源の再計算をすべきである、このように考えるわけですが、いかがですか。
  103. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 先生お話しになりましたように、昨年の十二月に財源率の再計算を行いまして、そして五年に一度ということですから六十四年の十二月までに財源率の再計算をしなければならないわけでございますが、ただ、今回のように大きな制度改正が行われますと財源率再計算を行う場合のいろいろな要素について変更がございますので、私たちの方でもいろいろな要素を見ながら今後考えていかなければならないと思います。  ただその場合に、基礎資料の収集とかあるいは基礎年金拠出金の算定のための公的年金制度全体における基礎年金給付費の将来の推計方法等の問題、そういうようないろいろな問題がございますので、そういうようなものの関連を見ながら、他の公的年金制度の扱いも見ながら私たちはこれから考えてまいらなければならないというふうに思います。
  104. 吉井光照

    ○吉井委員 今回の改正共済は六十一年度以降物価基準の自動スライドを行って、その内容は政令で定められることになっておりますが、せんだっての連合でも、給与改定が高い場合には財源再計算時以外の年度でも政策的にスライド改定を行う、このように大蔵省は答弁をされたわけですが、この場合の政策スライドの内容は政令でなくて法律で定められることになるのかどうか、この点はいかがですか。
  105. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 賃金の動向を反映させるための再評価といいますか、その基本的な事項は法律で規定することになるだろうというふうに今のところ考えております。
  106. 吉井光照

    ○吉井委員 終わります。
  107. 高鳥修

    ○高鳥委員長 次に小谷輝二君。
  108. 小谷輝二

    ○小谷委員 年金の審査の中でございますけれども、今未明に突如発生いたしました過激派ゲリラによる国鉄通信ケーブル切断事件について、この際二、三お尋ねしておきたいと思います。  この事件の被害は余りにも大きいものでございます。全国七主要都市で同時に発生した事件でございまして、いまだに国鉄の一部では開通の見込みが立たない、このように報道されておりますが、こんなことがあってよいのかとただ憤りを感ずるものでございます。  そこでまず最初にこの事件の事実関係について警察庁に御説明をいただきたいと思います。
  109. 三島健二郎

    ○三島政府委員 お答えいたします。  国鉄千葉動力車労働組合、これは通称勤労千葉と言っておりますけれども、この組合は国鉄の分割・民営化反対、それから十万人首切り阻止というようなことを主張いたしまして、昨日の十一月二十八日の正午から総武線緩行線及び快速線につきまして二十四時間のストライキに突入したわけでございます。このストにつきましては、昨日は国鉄側での列車運行の確保が約八〇%くらいありましたので、結果的には乗客の滞留等の大きな問題も生ぜず、警察といたしましてはこれに対応するための必要な処置をとったわけであります。  また同時に、このストライキを支援するということで極左暴力集団、これは過激派と一般には言われておりますが、これが昨日の午後一時ごろから、千葉県では習志野市の津田沼公園あるいは千葉市内等に全体で約八百人くらいを集めまして、このスト支援のための集会、デモ等を実施したわけであります。これに対しまして必要な警備処置をとったということで、結果的には一名の者を公務執行妨害罪で検挙した、こういう事態でございます。  ところが、本日になりまして、けさの段階でありますが、三時三十分前後でございます、東京都を含めまして全体で七つの都府県におきましてそれぞれゲリラが行われたということでございまして、内容といたしましては、例えば信号ケーブルの線を切るとか、あるいは変電所に対しまして火をかけるとか火炎瓶を投てきするといったふうな事件でございまして、全体で三十二件のゲリラが発生したわけであります。その結果、関東周辺におきまして二十一の路線、関西で二つの路線、全体で二十三の路線がとまったという事態が発生しているわけであります。  これに対しまして、警察といたしましては直ちに緊急配備その他態勢を構えましてこれに対応したわけでありますが、その結果四十八名の者を現在までに検挙いたしておるところであります。  この検挙内容でございますが、犯罪といたしましては、兇器準備集合罪あるいは火炎びん法、それから公務執行妨害罪等々でございます。その中には中核系の全学連の委員長であります鎌田、それから副委員長であります深田あるいは書記長であります小林といったふうな中核系の全学連の幹部も含まれておりますし、そのほかいわゆる非公然組織の軍事部門と申しますか、それに属すると思われる者も検挙いたしているところでございまして、その意味では、これらの犯行に関係いたしました者たち検挙に全力を尽くしてきた、こういう状況でございます。  なお、これに対しまして、大変大きな影響をもたらした事件でございますので、警視庁といたしまして公安部長を長といたします特別捜査本部けさ五時の段階から設置いたしまして、鋭意その捜査に尽力をしているというところでございます。  以上です。
  110. 小谷輝二

    ○小谷委員 今回の事件に対する警察の対応は今御説明があったわけでございますけれども、これは東京都内でも四百万人の足を奪われた、このようにも報道されておるわけですし、大阪においてもかなりの被害が報道されておるわけでございますが、この種の大がかりなゲリラ事件全国主要都市にまでまたがるような事件がなぜ事前に情報を入手して対策がとれなかったのか不思議に思うわけでございますが、この点はいかがですか。
  111. 三島健二郎

    ○三島政府委員 お答えいたします。  こういうゲリラ活動等の事前情報の入手につきましてはいろいろな形で実は努力をしてきているところでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、こういうゲリラ活動を行う者はいわゆる極左暴力集団の中でも非公然組織に属しているものでございます。それだけに情報の収集というのは大変難しい状況でございまして、これにつきましては、日ごろから警察といたしましてはいろいろな手段を講じて何とかして情報を入手したいという努力は続けてきているところでございますが、今後ともその努力は続けてまいりたいと思っております。
  112. 小谷輝二

    ○小谷委員 要するに、これだけ大きな被害が起こるような事件、簡単に通信ケーブルが切断される、ここらにも今後、保安上問題があるかと思います。同時に、今報告がございましたけれども、こういうふうなゲリラ事件を起こす指揮所、根っこ、ここらに対する取り組みがどうなっているのか、ここら辺が問題ではなかろうか。ただ準備集合罪等で集まった兵隊というよりも指揮所、ここに対する捜査というのはどうなっているのか、この点はいかがでしょうか。
  113. 三島健二郎

    ○三島政府委員 こういうゲリラを敢行いたします組織は、極左暴力集団の中でもいわゆる公然部門と非公然部門と分けますと非公然部門に属するものであります。この非公然部門に対する捜査というものは、過去にも、例えば本年に入りましてから既に五十一件のゲリラが成田空港関連等でも発生しているわけでございますが、その捜査等を通じまして何としてもそのゲリラの根拠をつきたい、その根本的な組織に対してメスを入れたいということで捜査を進めてきているところであります。ただ、結果的には、何分にも非公然組織そのものが大変かたいガードで囲まれておりまして、捜査そのものを進めていく上にもいろいろな困難があることは事実でございます。  いずれにいたしましても、このような社会に大きな影響を与えるゲリラを起こさせないということが大事でございますので、何としてもその根拠を突きたいということで今後も捜査を進めてまいりたいと思っております。
  114. 小谷輝二

    ○小谷委員 時間もございませんが、先進文明国としてこの種のゲリラ事件が続発することは非常に我々としては恥ずかしい思いもするわけでございますし、また最近に自民党の本部、大阪の科学技術センター、また新空港関係事務所等のいずれも爆破事件等がなりこういうふうなゲリラ事件が起こっておるわけでございますが、これらに対して警察庁を初め、国家公安委員長として大臣もどのような関心を持っておられるのか、この取り締まりに対して今後どのような決意で臨まれるのか、お聞かせをいただいて質問を終わりたいと思います。
  115. 古屋亨

    古屋国務大臣 けさほどのような事件はまことに残念な事件でございます。やはりはっきり言えば民主主義に対する大きな挑戦であり、また国民の生活に大変大きな脅威を与える事件でございます。したがいまして、こういう事件に対しましては今後全警察力を動員いたしまして、しかも重点的にこういうような非合法的組織に対しましてもできるだけ早くメスを入れるように努めていかなければならないと思いまして、そういう点警察に指示をすることにいたしております。  なお、今後の再発防止につきましても十分努力をしてまいるつもりでございます。そのための一環としてディジタル化の方もおかげさまで相当進んでおります。まだ全部の警察官には行っておりませんが。それから自動車が一日百台盗まれておる、これに対してどういうふうに識別するか、そういうような問題につきましても、東京サミットを控えまして警察当局も今予備費をいただきまして全力を挙げてそういう方の施設の整備に努めておりますので、一層これを促進いたしまして、こういうような不祥事件の再度暴発のないように十分努力をしてまいるつもりでございます。
  116. 高鳥修

    ○高鳥委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二分休憩      ————◇—————     午後六時七分開議
  117. 高鳥修

    ○高鳥委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。  この際、警察庁三島警備局長より発言を求められておりますので、これを許します。三島警備局長。
  118. 三島健二郎

    ○三島政府委員 午前中の小谷委員質疑に対する私の検挙内容の説明中、書記長の小林と申し上げましたが、その後の調べで小林書記長本人ではないことが判明いたしましたので取り消させていただきます。
  119. 高鳥修

    ○高鳥委員長 小谷輝二君。
  120. 小谷輝二

    ○小谷委員 本臨時国会の重要法案であります年金改革法案の審議につきましては、本委員会を初め連合審査を含めまして各委員から細部にわたっての質問が行われました。いよいよ大詰めに来たわけでございますけれども、確認を含めまして二、三質問をさせていただきます。  地方共済、この将来の見通しについてでございますけれども、今回の改正による将来の収支見通し、この点についてお尋ねをしたいと思います。  これは、厚生年金とかなりかかわりが深いものですから、地方共済厚生年金の収支見通しはどのようになっているのか。年金という性格上、短期とか中期ではなく非常に長期にわたる収支見通しが必要でございますので、まず昭和百年度、この時点においてはどうなるのか、資料も出ておりますので御説明をまず最初にいただきたいと思います。
  121. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 地方公務員共済の収支の将来見通しということですが、連合会について申し上げたいと思います。まず現行制度をそのままにしておいた場合どうなるだろうかということなんですが、現行制度をそのままにしておきまして、財源率もそのままにしておきますと、昭和七十五年度には収支がマイナスになりまして、八十四年度には現在持っておる積立金を食いつぶしましてゼロになります。それ以後、完全な賦課保険料になるわけですが、昭和百年度には組合員の掛金率が二一・七七%ということになります。一方、今回御提案申し上げておる改正案でございますけれども、この改正案に基づく収支というのを御説明する前に計算の前提を申し上げますと、五十九年十二月に財源率の再計算をいたしましたが、組合員をそのときの組合員の数に一定させていただきまして、給与改定率及び年金改定率を年五%、運用利回りを七%にいたしまして、昭和六十五年度に厚生年金の保険料に合わせるという前提でございます。そして、それ以後厚生年金と同じように保険料を引き上げるということを行いました場合には、昭和九十二年度には一度収支がマイナスになりますけれども、九十五年度に再び財源率を引き上げる関係上収支が均衡いたします。そして、先生お話しになります昭和百年に収入と支出の比率がどうなるかといいますと、収支比率が九一・四%ということで収入が支出を一〇%ばかり上回ります。そして昭和百年時点における積立金は、支出に対して大体三・一倍の積立金を持つことができるようになります。また掛金率は一七・二五%ということで、おおむね二割ばかり掛金率は低くなるという予定でございます。
  122. 坪野剛司

    ○坪野説明員 厚生年金保険の収支についてのお尋ねでございますが、かいつまんで御説明したいと思います。  厚生年金の保険料は、昭和六十一年度一二・四%でございます。これを一応の前提といたしまして五年に一回一・八%ずつ保険料を引き上げていきまして、七十年の後半になりますと一・八%では収支バランスはとれないわけでございます。それを収支バランスがとれるように保険料を引き上げ、昭和百年におきまして二八・九%の保険料率にいたしますと、積立金は支出に対して一年分を割って〇・九一という数字になるかと思います。  以上でございます。
  123. 小谷輝二

    ○小谷委員 今の御説明では、百年度ベースで厚生年金の方では積立金が支出金を下回ることになるようでございます。そして、地方共済の場合は積立金が支出金を三倍も上回るということですね。今御説明のように、将来地方共済厚生年金よりも収支ははるかによくなるという数字が出ているわけですけれども、この理由と試算の根拠、なぜこういう大きな差ができるような試算になったのか、これはいかがでしょうか。
  124. 松本英昭

    ○松本説明員 御説明申し上げます。  ただいま先生が御指摘になりましたような差が昭和百年の時点では確かにございます。ただ、その段階におきます掛金率、ただいま部長の方から御説明いたしましたように、対給料比一七・二五%という数字でございますが、私どもそういう高い掛金率を設定いたしておりまして、そういう高い掛金率を前提にした収支見通しであるということは前提にして考えていただかなければならないだろうと思っております。  したがいまして、私ども地方公務員共済のその時点におきます積立金が約三倍でございますけれども、そのことをもって直ちに地方公務員共済は将来財政状況がいいのだ、そういう状況では必ずしもないというように御理解を賜りたいと思っております。
  125. 坪野剛司

    ○坪野説明員 お答えいたします。  厚生年金の財政の見通しを立てるに当たってどういう前提を置いているかという御質問だと思いますけれども、先ほどちょっと言い忘れましたが、収支バランスを考える場合、厚生省の推計では経済的要素はいろいろございますので一通りの計算というわけにいきませんけれども、いろいろなケースを考えまして、標準的なケースとしてお示しいたしましたのは、利回り七%、それから年金改定率が五%ということを前提にして計算しているわけでございます。  では、どういうふうに収支バランスあるいは保険料を設定したかといいますと、現在の被保険者と将来の被保険者との間で極端に費用負担に差がないようにしたいということが第一点。それから短期間のうちに急激に保険料を引き上げるような事態が生じないようにしたいというのが第二点。第三点としては、経済情勢が短期間に急激に変化した場合、かつてオイルショックのときにございましたけれども、そのような場合においても年金財政を円滑に運営していくことができるような積立金を持っておく必要があるのじゃないだろうかということで、積立金は最小限半年ないし一年程度は持っておく必要があるのじゃないだろうかということを前提に置きまして保険料率を設定して収支バランスを考えておるわけでございます。
  126. 小谷輝二

    ○小谷委員 給与改定率、年金の改定率を収支見通しで厚生の方も地方共済の方も五%と見ておられますね。こんな高率なアップが将来とも持続できるのかどうか非常に疑問に思うわけですけれども、これは一方的に考えたら、収支計画の財源率のかさ上げのために一応こういう数字を出したのではないか、このような疑問すら起こるわけでございますけれども、この点厚生、自治両省いかがですか。
  127. 坪野剛司

    ○坪野説明員 お答えいたします。  年金の財政計算においてはいろいろな要素が絡んでいることは先生よく御案内のとおりだと思うのですけれども、経済的要素というのは特に変動が激しいものですから、どういうふうに設定するかということは非常に難しいわけでございます。厚生年金、国民年金も同じでございますけれども、一通りでやるということはなかなか難しいだろうということで何種類も想定をしまして計算しているわけでございます。  先ほどから予定利回り七%、標準報酬の引き上げ、いわゆる年金改定率五%を使っているというふうに申し上げておりますけれども、もう少し詳しく申し上げますと、年金の改定は法律的には一応物価というふうになっておるわけでございます。したがいまして、再計算から再計算の間につきましては、一応物価で年金が改定されるという前提を置きまして、その後再計算の時点において物価と賃金との差を過去において一応全部取り戻しておりましたので、これはあくまで試算でございますので、そういう面では再計算ごとに取り戻すということで計算しているわけでございまして、年金改定率五%と申し上げたのはそういう意味でございます。  それでは、なぜ五%、高いではないかという御指摘でございますけれども、例えば「一九八〇年代経済社会の展望と指針」というので閣議決定されたのがございますけれども、これも経済成長率実質四%程度とか、名目では六ないし七%程度というような数字もございますし、あるいは民間の賃金の上昇率を見ますと、過去五年間ぐらいの平均は四・九%というような数字もございますし、そういうようないろいろな経済指標をにらみながら、五%にしたらいいのか、四%にしたらいいのか、六%にしたらいいのか、いろいろ考えましたけれども、あらゆるケースについてやっておりますけれども一つの標準的なケースとして五%という数字を使わせていただいたということでございます。
  128. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 今厚生省からるる説明がございましたが、私たちがこの際、どういう数字を使うかということにつきましては、先国会におきまして厚生年金について将来の収支見通しが出された、厚生省が一定の条件を置かれて国会に対しまして説明をされましたので、やはりそれと同じ条件を使わせていただいて私たちが御説明する方が、我々の収支見通しのつくり方としては国会に対して素直な態度であろうということで、厚生省がお使いになったのと同じものを使わせていただいたわけでございます。
  129. 小谷輝二

    ○小谷委員 今御説明がございまして、給与の改定率等の伸びが五%ずつというのは結構な話ですけれども、そうあってほしいと思うわけですけれども、ちょっと不安が残るような気がいたします。  さらに、先ほど説明がありましたように収支の見通しから見ますと、掛金率が現行の六・九%が一七・二五%、率としてはかなり大幅に上がるわけですけれども、先ほどの内容から見まして、将来、特に自治省の地方共済の方ですけれども掛金率をもっと引き下げる余地、こういう考え方もあるのですか。
  130. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 先ほど御説明させていただきましたが、厚生省のお使いになった前提条件を今度使わせていただいて、収支の見通しというのをごらんいただいたわけでございますけれども、今後、実際にどういうふうに財源率を設定していくかというのは、仮に五年に一回、財源率を設定するということになりましたら、そのときの経済環境とかもろもろの条件というものを考えまして、そのときそのときに適切な財源率を設定していただくというのが現実の姿になろうかと思いますので、私たちがこの際、先生方に収支見通しをごらんいただくときには厚生省のお使いになった前提で見ていただく、そして実際にそれぞれの保険者がどういう財源率をお使いになるかというのは、そのときそのときの経済情勢に応じて決定していただくというのが実際的だろうと思います。
  131. 小谷輝二

    ○小谷委員 では、次は公的負担の減少額、このことについてちょっとお尋ねしておきたいのですが、まず最初に、公的負担減少額が現行に対して二〇%を上回るのかどうかということ。今回の改正案では給付は二〇%ダウン、したがって負担も二〇%ダウンということでございますが、公的負担がどれだけダウンするのか、ダウンが二〇%をざらに上回るのかどうか、この点はいかがですか。
  132. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 大分先生もお調べになっておられるようでございますので、結論的に申し上げますと、昭和六十一年度から昭和九十年度まで、その間の公的負担の額というのは現行のままで累計いたしますと六兆八千六百億円、ところが制度改正後の額で申し上げますと四兆五千百億円、したがってその差が二兆三千五百億円ということになりますので、率といたしましては六六%ということになります。  そこで、先生お話しになられますのは少し下がり過ぎじゃないかという御指摘だと思います。それはそれで事実でございますけれども、少し違った観点からもごらんいただけないだろうかと思います。と申しますのは、今度の改正案で申しましても、昭和六十一年度の公的負担の額が八百億円というふうに予想される。そして昭和九十年度にはそれが二千二百億円になる。そうすると何倍になっておるかというとおおむね二・七倍になっておる。片一方、組合員の掛金率が現在から九十年度までの間に幾らふえるだろうかということを計算しますと、二・七倍まではふえなくて改正案でいきましても二・三倍くらいになるわけでございます。  そういう観点からいきますと、改正案に基づく公的負担の増加額というのはやはり掛金率の増加率よりも大きいということが説明できるんじゃないかと思いますし、さらに、これもかつて一度御説明させていただいたと思いますが、改正案に基づく公的負担というものはしょせんはやはり税金から出ていくわけでございますが、その税収に占める比率というのはいろいろな委員会でいろいろ議論されておりますけれども、年度の経過とともに徐々に上がっていくというようなことを考えますと、公的負担改正案に基づいて現行よりも減少することは事実でございますけれども、そういう違った立場からごらんいただきますと、また先生の方からの御批判というのも少し和らぐのではないかというふうに私自身思うわけでございますけれども、そういう観点からもごらんいただきまして、私たち改正案というものを少し御理解いただけないものかなというふうに思います。
  133. 小谷輝二

    ○小谷委員 観点を変えればわからぬでもありませんが、今おっしゃったようにトータルで二兆三千五百億、要するに改正されて負担の減る額ですね、これがいわば二〇%ならわかるわけですよ。負担も二〇、給付も二〇、公的負担額も二〇、これはわかりますよ。公的負担だけが大幅にばあっとダウンして負担額が極端に減るわけですからね、これでは今回の改正は公的な負担の減少を目的とした改正ではないか、このようにもろに受けとめられますよ。この点はいかがですか。
  134. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 先ほども御説明申し上げましたように、現行の制度をそのままにしておいた場合の公的負担の額と今度の改正案に基づく公的負担の額というのは、先生が厳しくお話しになりますように減額になることは事実でございますけれども、それと違った立場から申し上げますと、先ほど御説明申し上げましたような評価もできるわけでございます。したがいまして、公的負担の減ったこと、そのことだけをごらんになって御批判いただくということではなくして、やはり国の全体の財政との関連において、あるいはまた私が申し上げますように組合員の掛金率の増加テンポとの関係においてごらんいただきますと、少し変わったような評価もできるのじゃないかというふうに思いますし、何といいましても年金給付費というのがこれから年を追うごとに大変なテンポでふえていきますので、現行の制度のままに置いておくと公的負担の額というものに財政が耐えられなくなるのではないかというような心配もございますので、こういう改正案というのを御提示申し上げまして先生方に御理解いただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。
  135. 小谷輝二

    ○小谷委員 今回の地方共済改正のねらいの一つ官民格差の是正ということが非常に表に出ておるように思いますが、その点についてお尋ねしておきたいと思います。  今回の官民格差の是正という観点から、厚生年金との横並びということを余り強いて行おうとすれば、公務員特殊性といいますか、勤務条件等、一般の会社と異なるわけでございますから、むしろ条件が悪くなるおそれがないのか、これを危惧するわけでございますけれども、この点はいかがですか。
  136. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 いわゆる官民格差の問題につきましては、先生よく御存じのようにいろいろな方面からいろいろな議論がなされておりますけれども、現在の共済年金というものの性格が若干あいまいなことも手伝いまして、誤解もこれあり、厳しい批判があるわけでございますが、今回そういう面にも配慮いたしまして、公務員共済年金特殊性というのを職域年金部分というところに設定いたしまして、その部分民間にない年金部分ということで国民の皆さん方に御理解いただいて、そして厚生年金よりも若干高い年金というものを支給さしていただきたいというふうに考えておりますが、それ以外の現在ございます制度格差、例えて言いますと、年金額を算定する場合の基準のとり方とか、あるいはまた算定方式の違いとか、そういうような問題につきましてはこれを解消して、そして国民の批判にこたえていかなければならないというふうに考えておりますが、先生が御指摘になり御心配になりますように、だからといって一律に何でも厚生年金に足並みをそろえればいいのじゃないかというふうには実は私たち考えずに、例えて言いますと、公務に基づく障害年金とか遺族年金については厚生年金にない高い水準年金を払っていくとか、あるいはまた基礎年金の保険料の滞納状況というもののいかんにかかわらず、公務員障害年金、遺族年金というものは支払っていこう、あるいはまた遺族のとり方とか中高齢寡婦加算の要件のとり方につきましても、公務員共済年金というものについては厚生年金と違った構成をとるというようなことを考えまして、先生方がいろいろ私たちに対して指摘がなされる問題にもこたえていかなければならないということで準備をさしていただいておるわけでございます。
  137. 小谷輝二

    ○小谷委員 私が心配しますのは、公務員公務員なりとして特殊な義務、またいろいろな制限もみずからかぶっているわけです。守秘義務とか兼職の禁止とかいろいろあるわけでありまして、全く横並びということはできないと思います。  これは一つの例としまして、例えば障害年金の受給者、厚生年金の場合は在職中でも満額支給されておるということになる。しかし地方共済では今回の改正で特に低所得者のみ一部支給、これは格差ですな。これは答弁は要りませんけれども、今後ここらを十分配慮すべきではないかという点をひとつ申し上げておきたいと思います。  今部長から話がありました、公務員にとっては職域年金、これがちゃんとそれにかわるものとして唯一の特殊性を補うものだ、こういうふうに言われておるわけですけれども、この職域年金部分で、まずこれは図解が今まで随分あるわけです、一階は基礎年金、二階が報酬比例、三階が職域年金、こういうふうな形で。私は一番不思議に思うのはこの三階の部分です。これを二階の部分、要するに報酬比例部分の二〇%にしたという根拠、これは非常にあいまいであると思うのです。これは非常に大事なことなんです。この二〇%の根拠はどういうことなんですか。
  138. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 それを二〇%にした、どこから出てきたのかというお話でございますが、何か方程式でもありまして、その方程式を解いたら二〇%という数字が出てきたということになりますと非常に明瞭で、先生方にもすぐ御理解いただけるのじゃないかと思いますけれども、実はこの問題につきましては、御説明もさせていただきましたけれども一つはやはり現役公務員皆さん方の給料水準との関係ということを申し上げなければならないと思います。四十年間勤務して公務員をおやめになった方、モデル的に申し上げますと、大体平均給与月額の七四%ぐらいになるというのが今回の改正案でございますけれども、それを先生お話しになりますように若干上げるということをもしいたしますと、それが七五%を超えるということになります。そうしますと、厚生年金の場合には六九%というふうに言われておりますので、やはりそれとの関係で少し高くなり過ぎるのじゃないかというような心配もしなければなりません。もう一つは、先ほども御説明させていただきましたけれども、今回の改正案でいきましても現役の方たちの保険料負担というのは、一番高いときには一七・二五%までなるということですから、その保険料を少しでも押し上げるような要素というのはこれ以上は遠慮した方が公務員としてはいいのじゃないかというような気持ちもございまして、大体二〇%ぐらいならば納得していただけるかなというふうに私たち考えたわけでございますが、これはこの案を作成するまでに民間の専門の方たちの御意見というものを聞き、そういう方たちも大体千分の一・五ぐらいならばというような御意見もいただきましたので、そこで私どもは千分の一・五、すなわち先生のおっしゃる二〇%という額にさせていただいたというわけでございまして、繰り返し申し上げますけれども一つの方程式があって出てきたというほど明確なものでないことは事実でございます。
  139. 小谷輝二

    ○小谷委員 ここを明確にしておかないと、要するにお手盛りであるとかいう批判が起こったり、それに対してもあやふやな答えしかできない。これをもしアップする場合も、この算出基礎の問題を論議して、アップも考えられるわけですし減少も考えられるわけですから、ここらが非常に不明確ということはよくないのじゃないか、説得力がないのじゃないかというふうに思います。これは公務員特殊性と言われておる点で、懲戒処分、この場合は給与停止二〇%、こういうふうに今までなっていますね。これも関連して二〇%を決められたということですか。その点はどうですか。
  140. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 現在公務員の方が禁錮以上の刑に処せられるとか、あるいは懲戒処分に処せられた場合には、先生お話しになりますように二〇%の年金の支給停止というのが行われておりますけれども、その二〇%というのは、もともと地方公務員共済がスタートいたしましたときに国家公務員共済の二〇%を持ってきたわけでございますが、ただ、その当時の話を聞きますと、厚生年金公務員共済を比較いたしますとおおむね二〇%ぐらい高いということでその二〇%という数字が設定されたようでございます。そこで、その二〇%を今回の職域年金部分に持ってきたかということになりますと、現在の二〇%というのは全体に対する二〇%でございますが、今度の二〇%というのは基礎年金部分を除く二〇%でございますので、その部分は直接にはつながっていないというふうに御理解いただきたいと思います。
  141. 小谷輝二

    ○小谷委員 公務員特殊性から見まして、こういう点につきましては要するに民間の場合との差、公務員としての特殊性を加味した差ですから、この差はなぜつけたんだ、その根拠は何だということをはっきりしておかぬといけない。これは地方公務員共済としては一番大事な論拠であり、また十分理解できるものでなければならぬと思うわけでありますから、もっと具体的に、客観的な基準を明確にしていかなければならぬ、こういうように思います。そうでないと、この分の基準が具体的でなければ、いろいろな批判が出たりした場合でも今のような言い分しゃ説得力ありませんよ。だから明確な基準をまず設定すべきである、このように申し上げておきたいと思います。  次に、公的年金制度改革につきまして昭和五十九年二月二十四日閣議決定がなされておるわけでございますが、これは年金改革の憲法と言われているものであると私は認識しております。その中で、高齢化社会の到来、社会経済情勢の変化に対応して、公的年金制度の一元化を展望しつつ改革を推進する、こういう決定がなされて、そこで、昭和六十一年度以降において給付負担の両面において制度間調整を進める、こうあるわけです。  まず、給付の調整は、今回の改正案でかなりそれぞれの制度間で図られたと思っておるわけでございますが、給付の面ではまだまだ調整が必要なのかどうか、この点はいかがですか。
  142. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 例えて言いますと、所得制限につきまして今度改正案によりまして公務員の場合には現在の所得制限よりも厳しい所得制限というものを考えておりますが、厚生年金の場合には現在公務員共済が予定しておりますような所得制限というものを予定しておりませんので、やはり厚生年金につきまして公務員共済をにらみながら所得制限というものを考えていただく必要があるのだろう。それは給付の面の調整の一つの例でございますけれども、そういうことで、これからこの改正案を成立させていただきましたならば、それぞれの制度を所管する省庁で給付面の問題を持ち寄ってその議論をしていく、そしてそういう差異というのが国民に納得していただけるような差異なのかどうかということを考えながら取り組んでいかなければならないだろうというふうに考えております。
  143. 小谷輝二

    ○小谷委員 今までの連合審査等においては、それぞれの所管の大臣は、給付の調整については今回の年金改正でほとんど終了した、あと微調整を残すのみだ、こういうふうに言われております。この閣議決定では、六十一年度以降において調整を行う、こうなっているのですけれども、今回急遽これが繰り上げて実施されたわけでありますが、この理由はどういうことなんですか。
  144. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 五十九年二月二十四日に閣議決定いたしましたときには、国会で御審議いただいております現在の法案の内容というのはその当時まだ固まっておりませんでしたのでそういう閣議決定になっておるわけです。その閣議決定をいたしましてから、現在の法案の内容というものを固めまして国会に御提案申し上げております。したがって、先ほど先生お話しになりましたように、各大臣が御答弁いたしておりますように、今回の改正法案を成立させていただきますと私が挙げました例を除きまして給付面の大きな調整というのはほとんどないだろうというふうに私たちは認識しております。
  145. 小谷輝二

    ○小谷委員 給付制度間調整はまあまあ大まかな点においては終わった。これは大蔵大臣連合審査ではそのように言っておられたのであります。あとは要するに負担制度間調整が一番問題であるわけですけれども、この負担の調整というのは国鉄共済の救済も含めての負担の調整ということなのかどうか。これは閣議決定にも負担の調整とありますが、いかがですか。
  146. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 負担の調整というのはこれからの問題の一つでございますけれども、それぞれ公的年金制度というのは生まれた歴史も違いますし、育ってきた経過も違うわけでございますので、この負担の調整の面についてはかなり難しい問題がそこにあるだろうと考えております。ただ、地方公務員共済の分野でだけ申し上げましても、現在公立学校共済警察共済と連合会に入っております一般地方公務員共済との間においても異なりますし、私たち負担の調整の面において最初に取り組むのは公立学校共済警察共済に連合会に入っていただくことだろうと考えております。  そういうことで、この問題というのはこれから取り組んでいかなければならない問題でございますけれども、国鉄共済のいわゆる救済問題というものを念頭に置いての負担の調整というふうには考えておりませんで、そのこととこの公的年金一元化を目指しての負担の調整とは別個の問題であると考えております。
  147. 小谷輝二

    ○小谷委員 負担の調整は国鉄共済の救済も含まれているかいないかという問題ですけれども、これは大蔵省どうですか。
  148. 坂本導聰

    坂本説明員 ただいま公務員部長から御答弁申し上げましたように、今回の改正法案を成立させていただきますと給付面の調整はほぼ完了する、したがって負担面の調整が残るということでございまして、これは昨年二月二十四日の閣議決定に基づきまして各公的年金制度を通じて負担の調整が七十年までに進められていくというふうに理解しております。
  149. 小谷輝二

    ○小谷委員 これはちょっと違いますな、自治省の考え方と。大蔵省が言っているのは、国鉄共済の救済も含めて公的年金すべての負担の調整、こういうような判断ですな。これは要するに年金問題の憲法とも言われる閣議決定の内容の問題です。これは認識が違いませんか。どうですか。
  150. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 公的年金一元化に向けての負担の調整ということで負担の調整をやっていくわけでございまして、国鉄共済を救うために負担の調整をやっていくということではないということでございます。
  151. 小谷輝二

    ○小谷委員 いや、おっしゃるとおり。私は、国鉄共済の救済も含めて負担の調整ということなのかどうか、こう聞いているのですよ。  昨日の統一見解等もあったわけですし、公的年金の一元化というのが七十年度、目の前にあるわけでございますから、国鉄共済の救済を含めて公的年金制度改革が進められていく以上、地方公務員共済改正案の審議につきましても国鉄共済問題は避けて通れないと思うわけでございます。昨日統一見解として出された国鉄共済年金についての政府の統一見解、この内容は「昭和六十四年度までは、政府として、国鉄の経営形態等の動向を踏まえつつ国鉄の自助努力と国の負担を含め、諸般の検討を加え、支払いに支障のないようにいたします。」という統一見解でございまして、これの問題につきましては、今までもこの委員会で国の責任において解決すべきであると政府の見解を求めてきたところですが、六十四年度までは、この解釈からいきましたら他の公的共済制度、この支援は求めることはあり得ない、このように解釈していいのですか。いかがですか。
  152. 坂本導聰

    坂本説明員 ただいまの点でございますが、国鉄の自助努力も幾らぐらいになるかという点が現時点ではまだ申し上げられませんし、あるいは国の負担につきましても理屈のあるものしか出せませんので、現時点ではなかなかお答えできませんが、理論的には他制度からの連帯というものはあり得るが、しかし強いて現時点で言えばそういうことは考えていないということでございます。
  153. 小谷輝二

    ○小谷委員 きのうも大蔵大臣、そのような、似たような答弁に終始されたようでございますけれども、国鉄の自助努力と国の負担を含め検討するということですけれども、国鉄の自助努力というのには何を指して言っておるのか。また、これには限界があるんじゃないかと思うのですが、この点はいかがですか。
  154. 坂本導聰

    坂本説明員 ただいま申し上げましたように、国鉄の自助努力につきましても今の時点では明確に申し上げられませんが、例えば資産処分等というようなものも当然検討させていただく、あるいは国鉄が保有しております積立金をどう使っていくかというようなことも当然検討させていただく、こういうことではないかと考えております。
  155. 小谷輝二

    ○小谷委員 いや、六十四年度までにおいても、例えば地方公務員共済に国鉄共済の救済を求めることも理論的にはある、それも含めて検討する、こういうことですか。どうなんですか。
  156. 坂本導聰

    坂本説明員 先ほどお答えいたしましたように、理論的にはあり得ますけれども、現時点ではそういうことは考えておりません。
  157. 小谷輝二

    ○小谷委員 国鉄の自助努力には限界があるということは、まあ現在国鉄の所有している不用用地とかいうふうなものの処分ということは考えられますけれども、とてもそれでは長期にわたっての国鉄共済の救済ということには事足りないことはわかるわけでございます。この不足分は、要するに地方公務員共済にもあるという判断をするとしたら、これは審議が前に進まぬわけですし、そこらが明確でないとこの論議は全く意味のない、まさに砂上の楼閣ということになるわけですけれども、この点は自治省の方はどうですか。これはあり得ないという考え方を持っていますか。
  158. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 昨日の連合審査で官房長官とか大蔵大臣がお答えになりましたけれども、現在私たちの方ではあの答弁を政府の統一見解といたしております。
  159. 小谷輝二

    ○小谷委員 政府の統一見解はよろしいがな。だから、地方公務員共済からも国鉄共済の援助ということがあり得るかどうか。あり得ると判断してまんのか。どないしてまんねん、自治省は。
  160. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 現在のところは考えていないということでございます。
  161. 小谷輝二

    ○小谷委員 あり得ないと考えているわけですか。——まあ難しい。皆さん方に答えを求めるのは無理な点があろうかと思います。  これはもう国鉄共済も日本の国策の一つとして避けて通れませんので、これは近い将来にこの問題を検討する場というものを早急にこしらえて、そうして国民の納得のいく対策を講じなければならぬ、このように思うわけでございます。この点について大蔵省の方はその場づくりについてどんな考え方を持っていらっしゃるのか、その点をお答えいただきたいと思います。
  162. 坂本導聰

    坂本説明員 ただいまの時点で具体的には申し上げられませんが、ただいまの御意見等も踏まえまして、政府としてこの国鉄共済問題につきまして責任を持って解決できるような場を当然検討していかなければならないというふうに考えております。
  163. 小谷輝二

    ○小谷委員 地方公務員共済が国鉄共済の救済に参加しなければならぬのかどうかということについては明確でありませんので、これ以上質問を続けるわけにまいりませんが、自治大臣にお尋ねしておきたいことは、もしこの国鉄共済の救済に参加するということになった場合、地方公務員共済の今試算されておる掛金また給付、これが掛金率を引き上げる、また給付を引き下げるというようなことがあり得るのかどうか、これは地方公務員にとっても、広く国民にとりましても非常に不安を抱いておるところでございます。この点について、まず所管の自治大臣としてどうお考えになっていらっしゃるのか。これは責任者として、地方公務員共済をつかさどる省庁の最高責任者として、公務員にも納得のいく考え方、また方向というものをお示しをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  164. 古屋亨

    古屋国務大臣 今のお話しの点で、六十五年以降の措置につきましては、きのう官房長官から申し上げましたように、六十五年以降の措置については昭和六十五年度以降速やかに対策を講じ、支払いの維持ができるよう措置することとしており、現段階では白紙でありますということを答弁をしております。したがいまして、私としてはいずれにしても、関係方面や国民的合意が得られる方向で対策を講じなければならぬというふうに考えておるということを申し上げておきます。
  165. 小谷輝二

    ○小谷委員 終わります。
  166. 高鳥修

    ○高鳥委員長 細谷治嘉君。
  167. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 質問に入る前に、委員長にちょっとお願いがあるのです。
  168. 高鳥修

    ○高鳥委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  169. 高鳥修

    ○高鳥委員長 速記をつけてください。細谷治嘉君。
  170. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 そこで、時間に協力する意味におきまして、少し順序を逆にいたしまして、せんだって山下委員から消防職員についての特別措置についての質問がございました。この関連合審査で竹下大蔵大臣はいみじくも、共済問題というのは非常に難しくて、国会議員でも百点から五点くらいまであるだろう、こういう話がございました。私もその五点組の方ですから、ひとつきちんとした言葉でお答えいただきたい、こう思います。  山下委員質問に対して自治大臣は、消防特例措置存続は消防職員の声であるという山下委員意見を受けとめ、私どもで検討させてほしい、これが自治大臣の最後の結びでございます。完全な速記でありませんから、少しは違っているところがあるかもしれません、こういうふうに答えております。これを進めますと、具体的に自治大臣としてどう考えておるのか、これをまず聞かせていただきたい、こう思います。     〔委員長退席、臼井委員長代理着席〕
  171. 古屋亨

    古屋国務大臣 きのうの連合審査の場合に大原先生にその問題を言われまして私お答えしたのでございますけれども、要するに消防の六十歳というのは、体の錬成とか、そういうことは今後私ども努力をしてまいりますので、とにかく消防長会議の結論とか、そういうことを尊重いたしまして、私は、五十五歳というのはちょっと今のところはとれないということを申し上げましたが、その気持ちには変わりありません。ただ、山下先生お話で消防職員側でそういう意見があるということでございますので、消防長会議意見とは違っておるので、私もそういう消防職員等の意見を聞いてみる機会を自分で持った方がいいなという意味で、私、山下委員にはお答えをしたことを記憶しておるところでございます。
  172. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 ここで自治大臣山下委員答弁なさったのを私も聞いておりますし、その要約速記が手元にありますから、それを今申し上げたわけであります。きのうも連合審査で大原委員から本件についての質問があり、自治大臣も答えておりましたが、もう時間も十分ありませんから、自治大臣はいわゆる特例措置を残す意思はなくて、廃止するんだ、こういうことであります。これはそもそも数年前に定年制問題、そして共済問題というのが定年制と即応しながら十八年間かけて手直ししていく、こういう経過期間に今もあるわけですね。  そこで端的にお尋ねいたしますが、六十歳定年ということはきちんと決まりました。これは五十五歳という特例措置ですね。そうしますと、どうこれを解決するかといいますと、何らかの雇用の環境あるいは消防の環境というものを整備していく以外にないと私は思うのです。それを具体的にどう考えているのか、御説明いただきたい。
  173. 関根則之

    ○関根政府委員 消防職員の定年につきましては、一般の職員と同じように六十歳ということになったわけでございます。これは私どもといたしましては、一般の消防職員につきましてもできるだけ定年を高めていきたい、働く意思と能力のある消防職員については五十五歳でやめるのではなくて、一般の職員と同じように六十歳まで仕事ができる、勤めていることができるようにしたい、そういう要望も非常に強いものですから、そういう形で定年制をセットしたわけでございます。定年を六十歳にしておきながら、実際には五十五歳なり六歳でやめなければいかぬということになりますとこれは大問題でございますから、消防職員にとりましても六十歳までちゃんと勤められるような職場環境をこれからつくっていく、そういうことは我々としても一生懸命やっていかなければならない課題であるというふうに考えます。  ただ、中高年層の体力というものは、先生も十分御承知だと思いますけれども、ここ十数年来で飛躍的に高まってきておる。昔の五十五歳と今の六十歳というのは、むしろ今の六十歳の方が若いぐらいという見方もできないことはない。いろいろな体力の測定結果なんかを眺めましても、五十歳代ないしは六十歳近くの年齢の方々の体力の増進というのが数字として随分あらわれてきております。そういうようなことから、これからも消防職員につきましては、特に体力錬成というようなものにつきましては注意深く健康管理をきちんとやって、体力錬成のためのいろいろな訓練等についても努力をしていかなければならぬと思います。と同時に、また個人差がいろいろありますから、中にはやはりなかなか難しくなってくる、そういう人たちにつきましては配置転換とかというような問題もやはりやっていかなければいけないであろうと思います。  これは何も私ども消防庁だけで実現できる問題ではないと私は思います。それぞれの任命権者である個別の消防本部における上司、任命権者が消防職員の職場環境等についていろいろと苦労をし、自分たちでも、消防職員自身もいろいろな健康管理その他について努力もしていく。そういう関係者が挙げて努力をすることによりまして、六十歳までちゃんと勤め上げることができるようなそういう環境をぜひつくっていきたいと念願をしているところでございます。
  174. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 長官、端的にお尋ねしますが、あなた最近はしご車に中段ぐらいまで登ったことがありますか。消防のはしご車、半分ぐらい登ったことありますか。体力の差とかなんとかありますけれども、登ったことあるかどうか、それを聞いているのですよ。
  175. 関根則之

    ○関根政府委員 私自身は、はしご車に登ったことはございません。
  176. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 私は、四十三くらいのときに、初めてつくった消防署の望楼に登っていったのです。私は、子供のときは木登りが好きで、猿と言われたくらい好きだったのです。ところが、四十三のときに初めてできた望楼に登ったところが、十五メーターのところへ行ったら目が回っちゃったですよ。望楼ですらもそうでありますから、三十六メーターとか三十八メーターのあのはしご車で作業をするのは容易ならぬことであって、これは高所恐怖症といいますか、とてもじゃないが二十代前半くらいでないとああいう軽わざのようなことはできないと思っている。したがって、消防については今まで五十五歳という特例措置があったわけですから、この特例措置は——消防というのは、ああいうはしご車に登って危険な仕事もしなければいかぬ、人を助けなければいかぬということでありますから、物理的にも理論的にも今までの経過からいっても残すべきだと私は思っているのですよ。この間、山下委員のやりとりは私も聞いておりますから繰り返しませんが、それをどうして——あなた、登ったことがないから、いやおれでも登れる。登ってごらんなさい、三十八メートルのはしごの上へ。もう全然震えちゃって、目が回っちゃいますよ。ですから、そういう点からも残すべきじゃないでしょうか。  残した場合に、その年がいった人をかえなければいかぬですよ。消防職員として働けるところをかえなけれがいかぬ、してやらなければいかぬ、それが環境整備じゃないですか。その両方をやっていかなければいかぬ。若い人に新陳代謝をする。そして、高所の問題は二十代前半の人が担当するくらいに思い切ってやらなければいかぬ。そして、そういう人が年をとって四十五とか五十、あるいはそれを超していった場合に、六十の定年までには今までの経験を生かして消防のしかるべき仕事に移す、それでできなければ一般職に移すとか、そういうことをやるのが環境整備だと思う。それをやらないで、六十歳の定年になったから特例措置を切っちゃうんだということは理に合わない。あなたがどう百方言を費やして個人差があるとか今は人間が丈夫になったとか言っただけでは済みませんよ。どうですか。
  177. 関根則之

    ○関根政府委員 私自身がはしご車に登ったことはありませんが、先生お話のように消防の仕事というのは大変なものでございます。特に最近のはしご車は、日本では四十八メーターというのができております。外国では五十メーターというのがありますが、先端にまいりますと大変振動、動揺がひどいという話も聞いて承知をいたしております。訓練の状況等を見ておりましても、消防士の職務というのは肉体的にも大変過酷なものであるということはよく承知をいたしておるつもりでございます。しかし、繰り返すようでございますが、やはりいろいろ個人差がありまして、五十五を過ぎてもまだぴんぴんして現役でやっていらっしゃる消防士の方もいらっしゃるわけでございます。しかし、そういう中ですべての人が必ずしもそうではないかもしれない。そういう場合にはそこでやめていただくというのではなくて、今先生お話しになりましたような配置転換等によって、人の配置をうまくやることによって何とかそういうその個人ではとても無理な仕事から外して、消防の枠内で、あるいは消防の枠内でうまいポストがなければほかの市長部局なりほかのところで御勤務をいただくというようなやり方もできるのではないか。いろいろそういうことを、消防の中だけではできないかもしれませんけれども、他の任命権者の方ともよく連絡をとりながら配置転換その他の方策を講じていくということも考えていかなければいかぬだろうと思います。  いずれにいたしましても、消防職員がおやめいただくのは、将来のでき上がりの姿としては六十歳という形で持っていく、それが望ましいことではないか。しかし、それを一挙にやりますと非常に無理が起こる心配もございますので、十五年間の暫定措置を講じておりますので、その程度の目標の期間で、ぜひとも消防職員についても六十歳の定年が無理なく実現できるようにお互いに努力していく必要があるのではなかろうかと考えておるわけでございます。
  178. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 特別措置になりましてから、私の知っている限りにおいては、やるやると言っていますけれども、この経過期間中に十五年あるいは十八年と——三年ごとですから、三、五、十五、それに最初のあれがありますから三年加わって十八年、こういうことでありますけれども、とにかくはしご車とかなんとかという消防の特殊性からどんなにぴんぴんしておっても、あなたもぴんぴんしておると思っておるだろうけれども、はしご車の作業なんかできないですよ。三十半ばを過ぎたらとてもじゃないができないですよ。危険です。そうなってまいりますと職場転換をしなければいかぬ。それはまず消防の経験を生かすということでしょう。それでもいかぬ場合には一般という形になるでしょうけれども、そういうのが環境整備の一つの具体例だと思うのです。特別措置に入ってから今日までその環境整備が進んでいますか。私は余り進んでおらぬと思う。やるならば、職場の環境整備はこうやってやるんだと計画的にぴしゃっとやらなければいかぬと思うのですが、進んでおらない。——進んでおると思っておるのですか。
  179. 関根則之

    ○関根政府委員 五十五歳特例をどうするかという問題が起こりましてから私どももそれに対応できるように、消防職員も六十歳まで働くことができるように、そういう具体策についての検討を私ども自身も努力していかなければならぬと思いますし、それから現場の消防本部においても検討するようにお願いしてきておるところでございます。全国消防長会議におきましても、そのための人事教養委員会におきましてこの問題を具体的に取り上げまして、現場における実際のやり方、大変難しい問題があろうと思いますけれども、そういう現場の具体的問題への取り組み方につきまして研究を始めているところでございます。そういった検討の成果も踏まえながら、私どもは先ほど申し上げましたように、そういう条件整備がある日突然ぱっとできるとは考えておりません。非常に難しい問題だろうとは思いますけれども関係者がお互いに努力し研究し合うことによって具体的な解決策を見出し、それを実施に移していきたい。そのために、そういう余裕期間と言ってはちょっと失礼かもしれませんが、三年間で一年延ばしていく、そういうやり方をいたしておるわけでございますから、そういう期間の中で何としてもそういう環境整備を図っていきたい、実現していきたいと考えておるところでございます。
  180. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 六十歳定年、消防の特殊性、それから特例措置は残っておりますから、大臣は否定しているんだけれども、この特例措置はその特殊性から存続させた方がいいじゃないか。そして、定年制が法律で決まった以上はこれを生かすための環境整備をしていかなければならぬ。環境整備に努力すると言っておりますけれども、私の目では一つも進んでないのですよ。  数字をもって例を挙げましょう。あなたは私が例を言うとどこかすぐわかると思うのですけれども、これは大分県の例です。それを見ますと、条例に基づいて百五名の消防職員がおるわけです。あなたの方が決めた「消防力の基準」によりますと百五十九名おらなければいかぬわけです。百五十九名おらなければいかぬけれども、条例で百五名しか置けないことになっております。したがって、条例どおり百五名置いております。そうしまして、現員は条例どおり百五名でありますけれども、百五十九のあれで五十四の不足があるのです。かくのごとく消防庁が決めた「消防力の基準」を今人員面でも充足してない。それから、それでは消防機器はどうかといいますと、これも大体においてあなたの方で決めたものの七十%ぐらいというのが相場です。そういうことでございまして、甚だしいのになりますと、消防が今一生懸命やっているのは救救隊でありますが、これはあなたの方はその規模はざっと八名置けよと言うけれども、実際は三名しかおらぬ。それから、消防の予防というのが大変重要でありますけれども、十七名要るよと言っているけれども、たった四名しかおらぬ。それなら、教育訓練要員というのが七名必要だと言っておりますけれども、二名しかおらぬ。そういうことで、消防の経験を生かして、そしてはしご車は無理あるいはいろいろな激労をするような消火関係は無理としても、第一線は無理としても、その辺のことは今までの経験を生かせばやれると思うのです。そういう問題は、環境整備をしていきますと、当面経過期間において間違いなくできると私は思うのです。  けれども、心配なのは、こういうところでは急激に今消防力が整備されつつありますから、どういうことかといいますと、三十歳から四十歳ぐらいまでが大体六〇%以上、そして二十歳代というのは極めて少ない。そして、あとは四十五からもう定年に近い、これは管理職ですね、そういう状況であります。でありますから、私が言ったようなところへ、第一線じゃなくて、そういうところへやってもなおかつ環境整備は不十分でありますから、それも行く行くは考えていかなきゃいかぬ。しかし、当面はそういうことでやっていけるのですよ。もちろんそれは財政上の問題もあるでしょう。しかし、大臣、そういうことでやろうとすれば環境整備はできるわけですよ。それをやっておらない。ですから、これをやっていただかなきゃいかぬ。  ですから、大臣、私が言いたいことは、ひとつ特例は残したらいかがですか。同時に、環境整備をやらなきゃ片づかないわけですから、年齢があるところにコンパクトに集中しているのですから、それがきたらどうにもならぬわけですから、その辺のことに対して、定年制を守っていくという環境はどうつくっていくのか、これを計画的に進めていかなければいかぬ、こう思っております。大臣、いかがですか。私の議論は間違いですかね。
  181. 古屋亨

    古屋国務大臣 お話はよくわかります。よくわかりますが、きのう私が答弁しましたことをもう一遍ちょっと。先生承知と思いますが、六十歳に引き上げることにいたしましたのは、定年年齢が本年三月三十一日から六十歳となったこと、二、五十五歳支給を維持すると消防職員の掛金率一般の職員に比して高くなることなどによるものであります。また、消防職員の監督者であります全国消防長会からも六十歳支給にしてほしい旨の申し入れを受けております。消防職員が六十歳まで安んじて勤務ができるよう、消防職員の体力錬成への配意、適正な人事交流の推進等、その条件整備にも努めてまいりたい、これがきのう私が連合審査のときに答弁したことでございます。  なお、今申しましたように、消防職員の年金支給開始年齢を五十五から六十に引き上げたのは、大体昭和七十五年までの十五年をかけて行うものでありまして、この間にもちろん消防職員の勤務環境の整備にも十分努力してまいる、そのための必要な問題についてもぜひ広い意味において検討させてもらいたい、これはきのう山下先生にもそういうふうにひとつ検討させてもらいたいということを申し上げたのでございまして、私としてはこの点は、六十歳に引き上げておりますが、五十五歳支給を維持するということは、錬成その他を考えて消防長会の意見をぜひ——私は消防では御承知のように国会に出ましてからいろいろ消防関係を議員連盟で勉強させてもらっておりますけれども、私自身がやったことはございませんので、私はそういうことを地元の消防職員の者からいろいろ意見を聞く機会をつくってもらいたいということをここで申し上げたのは、私は話はわかっても実際の経験がございませんので、そういう点を実際の地元の職員から聞いてみたい、そして検討してみたいという意味があったからでございまして、その気持ちは今も変わっておりません。
  182. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 今この席、きのう、またきょうと三遍自治大臣に要望申し上げておるんですけれども、この特例措置の廃止ということについては今のところやりましょうという前向きの答弁を得られないわけですけれども、何か新聞によりますと年末にちょっと人事異動があるようでありますけれども、私は大臣が引き続いてやることを望みますけれども、専門家は長官がおるわな。長官、どうなんです、進んでいないのですよ。逆になりますけれども大臣はさっき基本的な姿勢を示しましたが、あなたは一体長官としてどうなんですか、お答えいただきたい。
  183. 関根則之

    ○関根政府委員 消防職員が安んじてと申しますか六十歳まで勤務を継続することができるようにそういう環境整備をしていくことは、確かに先生指摘のように、今まで必ずしも十分に進んでいないじゃないかというお話でございますが、私どももさらに努力を続けていかなければならない面が多いというふうに考えております。  例えば御指摘をいただきました「消防力の基準」の充足状況につきましても、概して申し上げますと、これも御指摘いただきましたように、機械器具等につきまして七割程度の充足率しかないというのが現状でございます。与えられた機械に対する職員の充足率というのはもうちょっと高いと思いますけれども、八〇%近くの数字ではないかと思いますが、いずれにいたしましても機器等の充足率、職員の充足率がなかなかそう簡単には上がってきていないということも事実でございます。しかし、これらの問題につきましては、国の財政が大変厳しい状況ではありますけれども、私どもは私どもなりに財源の問題等につきましても工夫を凝らしまして、できるだけ早く消防力の最低限であると言われております「基準」の充足をしていくようにさらに努力をしていきたいというふうに考えておるところでございます。  それから、職員のいわゆる年齢構成が偏っておるという問題も確かに御指摘をいただいたことがございます。特に消防の常備化というものは今から十年ほど前が最盛期だったわけでございますけれども、大変積極的に常備化を進めてまいりました。そのときに組合方式、広域消防というような形でやったものですから、ぽっと常備がある日突然といいますか、ある年度に今まで全然なかったところにできる、そのための職員の新規採用をするというようなことで、どうしても若い人たちをそこで採用いたしましたものですから、それが十年たちますと二十代で採用した職員が三十代でだんごになって、つり鐘型というよりはむしろそこだけ中膨れみたいな形で年齢構成ができておるという問題もございます。これらの問題につきましても、このままずっと上まで上がっていっては困るわけでございますから、できるだけ他の部局とうまく人事交流ができるものにつきましては人事交流も考えていかなければいかぬ。あるいは組合そのものの構成というものをもう少し大規模に持っていくというような動きもところによってはあるわけでございますから、そういうチャンスがうまくつかめるところについてはそういうことも考えていくというようなことをしていく。お互いに努力をその場その場におきまして、置かれた消防本部の実態に応じて努力をしていくことによって年齢の偏在というものを解消していくことに努めていかなければいけないんじゃないかと思います。  それから、御指摘をいただきました、定年は六十でいいけれども、支給開始年齢の五十五歳特例というものは残しておいたらどうだというお話、理論としては確かにわかるのでございますけれども、これを残しておきますと例の掛金率が高くなるという問題があるわけでございます。それについて消防職員の中から相当不満が出てまいりまして、一般職員と同じようにおれたちは六十歳まで勤めるつもりなんだ、またそういう環境整備をしてもらいたいと言っているんだ、それで六十になってやめたときに同じような給付をいただく、そのときに掛金を見ると一般職員よりも高くなっているというのはおかしいじゃないか、こういう話もあるものでございますから、そういう御意見も踏まえながら、私どもとしてはこの際五十五歳特例というものは撤廃をし、漸減的に六十歳に持っていく、そういうやり方にせざるを得ないのではないかということを考えているわけです。  環境整備につきましては、私も本当に真剣に取り組んでいきたいと考えておりますので、ひとつお酌みおきをいただきたいと思います。
  184. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 そこまでおっしゃるとまた貴重な時間を使わなければいかぬようになるのです。掛金が高くなる、掛金が高くなると中島部長が言っているかと思うと、あなたまで言い出しているんだ。五十五歳特例を残すと幾ら高くなるのですか、言ってください。
  185. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 五十五年七月から五十九年十一月までは千分の四・五、それ以降は千分の三、一般職員に比べて高うございます。
  186. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 高くなることは当然だ。しかし金額は大したことはないでしょう。千分の四・五が千分の三・幾らですか、六九ぐらいのが七二か三になる、こういう話ですから大体三%ぐらいでしょう。大したことないんですよ。それが五十五歳を廃止した決定的な理由じゃない、私はこう思わざるを得ないんですよ。  そこで大臣、もうこれ以上議論しておっても、もう三遍目ですから、二度あることは三度といって余りいい答弁は出ませんけれども、実態はそういうことなんですよ。ですからこれは再考をいただきたい。しかも経過期間がまだあるのですから、その経過期間中にできるだけ早くこの問題を解決してこういうふうに計画的にやるんだということを示すと、三%ぐらいの値上がりについては皆さん納得するんですよ。納得しないようなやみのような状態に置いているから問題が起こるわけです。そういう点を特にお願いしたいと思うんですよ。大臣、どうですか。
  187. 古屋亨

    古屋国務大臣 先生のいろいろのお話で私も消防関係につきまして、国の予算影響を受けまして消防関係ももう大変大きく削られておりますから、何とかそれに対する対策を考えて、今の機械の整備や、そういうことにつきましてもできるように今一生懸命に考えて、大体そういう点を今度の予算の結果によっては実現したいと考えておるのでございまして、御意見の点は私もよくわかっておりますし、そういう点でもう一遍私にひとつ御信頼をいただきたいと思います。(発言する者あり)
  188. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 長谷川大先生が後ろの方から不規則で言っているのですけれども、自治大臣、大分大きな援軍を得ているのですから、言葉だけでなくて実態をつかんでやっていただきたい、こう思います。  これで予想以上に時間がかかってしまったので今度は少し本論に……。  私は今度の地共済の法律を読んで、少しもわからないんですよ。年金を決める大きな土台というものは平均の給料額でしょう。その平均の給料額が地共済の法律と国家公務員共済でどうして違うのですか。基本が違っているでしょう。違わぬですか。違うなら違う、違ったメリット、デメリットを率直に言っていただきたい。
  189. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 地方公務員の場合には、掛金の基準になります給料そのものに対しまして公務員の平均的な手当率というものを掛けまして、それをもとに年金額を計算しよう、こういうことを考えておるわけでございますが、そういう方式をとるというのは、御説明したことがございますけれども、地方団体の場合には非常に数が多い。その数が多い地方団体で手当が区々である。そして、区々である手当についてまた支給状況が異なる。それをそのまま年金額に反映させることにしますと、同じような職務を行っている地方公務員がたまたま団体が違うがために年金の額が異なってくる、そういうことを避けなければならないということで、今回、私たちは平均的な手当率というものを使って年金を算定するようにした方が地方公務員全体の年金の公平性を保てるだろう、こう考えたわけでございます。  国家公務員の場合のことは、国家公務員の所管省である大蔵省の方から御説明があるかもわかりませんけれども、これは電電とかたばこ産業というものにやはりある程度は引きずられたといいますか、そういうものを片目で見ながら平均標準報酬というものをおとりになったのだというふうに私たちは理解をしております。
  190. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 私は今、どうして二つの方向が生まれたのかということについて、そのデメリット、メリットをお聞きしたのですが、私は、あなた方が地共済で採択した方式が正しい、こういう基本的な態度から申し上げておるわけです。国家公務員にとったあの物差しは、どうも少しおかしいのじゃないかという感じがしてならないわけですよ。  そこで、私は支持しておる地共済の平均給料額について少し質問したいわけですが、いろいろありますね。来年の四月一日以降採用の人と、来年の三月三十一日以前に在籍した人、その人の中でも在籍が非常に短かった者、いろいろあるのですが、大まかに言って四月一日を境にして、後の人と前の人、今の人は、大部分は前の人ですね、その前の人の平均給料基本額というのはどういうふうにして決めるのですか、御説明いただきたい。
  191. 松本英昭

    ○松本説明員 御説明申し上げます。  先生の御質問は、現在在職しております者、すなわち、来年四月一日の施行日の前日において在職しております者の過去におきます平均給料月額というものをどうやって出していくのかということだと思うのでございます。  この出し方は、まず過去五カ年の給料の平均をとります。その五カ年の給料の平均というのは生のものではなくして、これを現在価格に置き直したものでとります。それと、それぞれその職員がお持ちになっております過去期間、例えばAという職員でございましたら二十年、Bという職員でございましたら十五年というように、それぞれ過去期間が違ってまいります。したがいまして、最終の五カ年の平均給料月額をそれぞれのお持ちになっております過去期間の平均的な給料に直すならばおよそ幾らになるだろうかというその補正値を——俗に給料表を歩かせるという言葉を使っておりますが、その人がお入りになり、そして十五年かかって現在の給料表の上を歩いたらおよそどういう給料になるだろうかという計算をいたしまして、それを先ほどの五カ年間をもとにして求めました最終の給料で割ります。そういたしますと、その補正値が出てまいるということでございます。
  192. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 素人にはなかなかわからぬわけです。来年の三月三十一日以前にさかのぼって五年間を、五十九年度価格なら五十九年度価格に直すのでしょう。今度は六十年ですから、六十年度価格に直す。そして、それをその人の在籍期間——五年間の補正値というのがあるはずです、六十年価格に直すのですから。その補正値はどうするのか。その補正値で五年間の価格、平均が出てきて、それを全期間補正率をまた掛けるわけです。そして、全期間というのは、二十年なり二十五年というものを掛けるわけです。  そうしますと、決定的なのは、五年間の補正率は余り変わらぬでしょうけれども、五年間を拾ってみた、それをさらに全期間補正率を掛けるというのですから、補正率掛ける補正率。補正率というのは我々議員はわからぬわけです、政令にゆだねるわけですから。煮て食おうと焼いて食おうと、この法律を通してもらいさえすれば我々のものです、これがあなたの姿勢じゃないのですか。一つ出たものに補正率を掛けて、また補正率を掛ける。その意味においては、大蔵省がとっているように一定の補正率というのは手当ですから一プラスアルファ、アルファが幾らになるか。補正率はあるいは変わるのじゃないですか。うわさとしては一・二五ぐらいだろう、こう言われているわけです。それを掛けるのは簡単です。この方式は理論的には正しいけれども、補正率を求めてまた補正率を掛けて、その補正率というのは五カ年間の補正率、全期間の補正率を掛けるわけです。こうなりますと、年金計算の一番基本の土台がそのときになってみなければわからぬ、自分で計算できぬ、こういうことになるわけです。  私は、その補正率がどういう内容なのか、法案を審議する際の重要な資料になるから知らせてほしいと言ったら、資料には一言も書いてないのです。一体どういうふうになるのですか。全期間補正といいますと、二十年の人もいますし、その人々によって一つ一つ違うのです。五年間の補正率も個々に違う、全期間補正率も個々に違う、そんなまだるっこいことならば一つの補正率でやった方がわかりやすいのじゃないか。おかしいと思うのです。これはどうしてくれるのですか。
  193. 松本英昭

    ○松本説明員 ただいま先生から御指摘のように、確かに大変複雑な形になっております。おのずからそうならざるを得なかったと申し上げた方がいいかと思うのでございますが、補正率が二つ、三つと出てまいることは確かに事実でございます。  ただ、そのもとになりますデータというものは私どもが恣意的に出すものでは決してございません。今回の六十年度人事院勧告に基づきます新しい給料表の上を地方公務員になられて十五年の方、二十年の方が多かれるとそれぞれモデル的にどういうふうになるだろうかということをもとにしてそれぞれの補正率を出していくわけでございますので、決して恣意的に出すものではございませんので、大変複雑であることは申しわけございませんけれども、そういうことで御理解賜りたいと思うのでございます。
  194. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 政令なり省令で決める補正率が恣意的、情実的だとだれも考えないのです。しかし、およそわからないような、全期間補正率、五年間補正率、こんなことを、しかもわからないものを掛け合わせたら、さらにわからなくなってしまうでしょう。例えば、過去にさかのぼっての詳細はわかりませんから、五年間なら五年間という給料を、近いですから出しやすいですね、出したものについて一定の補正率だけを政令で決めて、そして現実に合うように調整すればいいのであって、そしてその補正率は大体こうなりますよということが公になっていきますと、自分の年金がどうなるのかわかるわけです。  私はせんだってこの法律を担当しておるある部長に、あなたの年金は大体どのくらいになるのですかと聞いた。これは国家公務員ですから割合に出しやすい。そうしたら、マイナス三五%ぐらいだろうと言われる。年金が三五%も下がってよく辛抱できますねと言ったら、法律を推進する方だからしようがないと言っておりましたが、これはそれよりももっと複雑なんです。  補正率は国の方は一・二五、それが変わってくればいいから簡単ですけれども、補正率を掛ける補正率はわからないのです。何かいい手はありませんか。私はずばり言うと、来年の三月末からさかのぼって五年間というものを見てもらって、そして現実にはこういうことになっておる、その補正率を一つぐらい決めるべきではないか。そんなことを言ってもむちゃだと言われるかもしれませんが、五年間出したら五年間そのものを基礎にしてくれという意見もあります。それでもできないことはないのです。どうなんですか。
  195. 松本英昭

    ○松本説明員 先生指摘の過去の期間の出し方というのは、国の場合も地方の場合も変わりございません。ただ国の場合には、いきなり平均標準報酬をとります関係上、いきなり手当率も加味した補正率を使います。私どもの方は、出したものに先ほど出ております一・二五程度の手当率の平均を掛ける、それだけの差しかございません、したがって、過去のものについては、国の仕組みも私どもの仕組みも全く変わりございません。そういうことでございますので、どうか御理解をいただきたいと思います。     〔臼井委員長代理退席、委員長着席〕
  196. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 簡単明瞭、そして信頼が置けるということが重要でありますから、そのために飯を食っているわけですから、頭をひねってきちんとしていただきたい。これは審議の過程に各党間でもいろいろ問題として取り上げられておるようでありまして、参議院の方にも問題が残っていっているようでありますから、この点はこれ以上は申し上げないで検討課題、とにかく計算したものを推定して全期間に延ばしてまた補正するなんというのは適当ではないですから、そう思います。  もう一つこの問題に関連して、今度の方式でスライドが停止される部分があります。これは気の毒じゃないですか。私が調べますと、五%くらいのスライドとして大体二年か三年ストップになるのです。功なり名を遂げてやめた人が年金をもらって、その年金が物価スライドを考えられないということは問題があります。  あなたの方からいただいた資料ですと、地方公務員の場合は五七%程度足踏みするのです。学校の先生方ですと給料がちょっと高いものですから、七六%ぐらいが足踏みするということになります。そして、公務員部長のように給料の比較的高い人が足踏みのあれが大きいのです。どうせあなたは三五%くらいのマイナスを覚悟しての話なんだからそれはそれでいいでしょうけれども大臣、長い間勤めて四十年間やったのに二年か三年間スライドをとめるというのはまことにお気の毒じゃないでしょうか、考え直したらいかがですか。
  197. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 スライドの停止の話はいろいろな方からいろいろお話をいただきまして、私たちも何遍もお答え申し上げたわけでございますけれども、結局この改正法が成立いたしますと、その後に年金の査定され方はやはり新しい方式で年金が裁定される。今いみじくも言われましたように私たちもそういうことになるわけでございますけれども、それはなぜかといいますと、今のままにしておきますと結局年金の額が高くなる、そして現役の方の保険料というものがやはり高くなっていかざるを得ない、そういうことで、新しく裁定される方は遠慮するわけでございますから既に裁定されておる方もやはり従前額保障はいたしますからどうぞひとつしばらくの間は御辛抱いただきたい、こういうふうにお願い申し上げておるわけでございます。先生がおっしゃいますように私たちも非常に気の毒だと思いますし、心が痛む思いでございますけれども制度全体というものをうまく運用していくためにはみんながそこは我慢していただきたいなという気持ちでいっぱいでございます。
  198. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 この問題もかなり議論されてきたわけで、モデル計算をしますと、大蔵省の計算もあるいは我々の方で計算してもあなたが言う共済年金の減額というのは随分大きいのです。低いところで一五%ぐらい、多いところで四〇%ぐらい。その四〇%、あなたが大体そのグループなんです。これはやはりちょっと問題があるのじゃないかという気がいたしますが、これも問題になっていますから。  ところで、これに関連して、今度のこの法案でも問題になっておって、そして、この間参考人として佐野さんが来て言ったことは、ここで随分議論されましたね。千分の一・五というのは少しおかしいんじゃないか。あの専門家、年金の生き字引と言われる佐野さん自体が大体千分の二・〇ぐらいが妥当であろう、これは三階部分なものですから余り声を大にして——官民格差論というのがまかり通っている時期に、官民格差とは一体何物なのかということについて余り議論が深まっておりませんけれども、例えば地方公務員共済についての審議会にいたしましてもあるいは人事院にいたしましても公務を遂行するにふさわしいようなレベル、そういう年金、こういうことをきちんと書いておるわけですが、それは何物かというと具体的にはいろいろ議論がありましょうけれども、そういう点からいって、私も佐野さんの意見、千分の一・五というのは、千分の二・〇、今までの例からそれを計算しますと千分の二・三とかあるいは千分の三なんという数字も出てくるわけですよ。どうですか。これをやる気はございませんか、直す気持ちはございませんか。
  199. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 年金水準というものを考えます場合に、私たちの方ではやはり年金を受ける方の立場に立たなければならないというのは最初に考えるわけでございます。しかし、それだけを考えておるわけにもどうもいかなくなったなというのが今の率直な私の気持ちでございまして、もう一つ要素、すなわちその年金を支える人たちがどれだけそれによって負担することになるのだろうか、あるいはその人たち給与水準との比較がどうなるのだろうかというもう一つ要素もやはり考えなければならないなということで、千分の一・五ということですべての国民の方のおおむねの御了解がいただけないかなということで御提案申し上げたわけでございます。私も公務員でございますから、千分の一・五より千分の三の方がいいに決まっていますけれども、ただ、そういうことを御提案申し上げるには私が申し上げました後半の、第二の要素というものをもう少し落ちついて考えた方がいいのじゃないかということでこういう御提案を申し上げておるわけでございます。  ただ、この問題につきましては連合審査の場合にもいろいろな御意見がございまして、人事院の方でもそれなりの関心をお持ちのようでございますので、私たちはそういういろいろな方のこれからの研究とか御提言というものを勉強させていただかなければならないなと思います。
  200. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 あなたの答弁を聞いておると一貫して、多々ますます弁ずとは言わぬけれども、多い方がいいけれども、その制度の推進者の一人としてみずからを犠牲にする以外にないという血の叫びをしているような感じがするのですよ。それでは全体としての年金制度のあるべき姿というのは、大蔵大臣は他の共済が応援してくれるので随喜の涙を流したということをここで言ったけれども、あなたも同じように自分が辛抱すればいいのだ、他の方にそれで辛抱を押しつけよう、こういうことではあるべき姿の年金は求められない、こう私は思うのですよ。大臣、これは随分問題になったようでありますけれども、千分の一・五を引き上げるべきである、二・七五とか二・二五とかあるいはいろいろありますが、私は佐野さんが言うように、二・二〇、この辺までに引き上げることが妥当ではないか、こう思いますが、いかがですか。
  201. 古屋亨

    古屋国務大臣 今までお答えしてきました職域年金相当分の給付水準は、公務員公務特殊性現役とOBの負担給付のバランスを勘案して設定されたものでございまして、原案の水準が妥当な水準として私どもお答えをしてきたのでございますが、なおそれに関連して大蔵委員会におきまして大蔵大臣が、御承知のように職域年金相当分については人事院等の意を踏まえ将来結論を出すということも聞いておりますので、地方公務員についてももちろんこれに準じて考えるべきだと考えております。
  202. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 これは国共済も言わずもがなでございますが、両方に関係する問題でございますので、真剣な課題としてこれから参議院でも議論がありますけれども御検討をいただきたい、専門家ですらもそう言っているわけですから、それを一つお願いしておきたい、こう思います。  その次に、ここでも問題になっておりますけれども、四現業とかあるいは地方公営企業については基礎年金の三分の一の国の負担というのはあってしかるべきじゃないか、こういう議論が展開されております。この点いかがでしょうか。
  203. 花岡圭三

    ○花岡政府委員 前にもこの席でお答え申し上げましたように、地方公営企業の職員につきましてこの公的負担部分、これを一般会計で見るべきではないかということでございますけれども、この公的負担部分につきましては三十七年に共済制度発足当時のいきさつもございますし、また今回新しい制度ができたわけでございますが、なお国の四現業取り扱いがどうなるか、こういったことの関連を十分見て検討しなければならないと考えておるところでございます。
  204. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 そういたしますと、四現業の問題も含め、地方公営企業の問題も含めて、これは独立採算だから料金で持ちなさい、こういうことは申し上げないでその関連において総合的に検討して結論を出すということなのですか、もう一度お答えいただきたい。
  205. 花岡圭三

    ○花岡政府委員 四現業との関連を踏まえて検討するということでございます。
  206. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 今度の制度によりますと、現行制度による公的負担額というのは六十一年はともかくとして逐次減っていきますね。そのとおりですか、お答えいただきます。
  207. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 現行制度に基づく公的負担というものと比べますと、今度の改正案に基づく公的負担は減額されることになります。ただ、今度の改正案に基づく公的負担そのものも相当なテンポでふえていくということも御理解いただきたいと思います。
  208. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 財政局長見えておりますから地方財政の方に限って例を言いますと、地方公営企業に対しては規定に基づきまして料金のほかに一般会計から繰り入れが許されておりますね。その繰り入れについての相当分というのは交付税でカウントされていますね。その交付税のカウントはどの程度になっていますか、ちょっと数字だけ聞かしていただきたいと思います。
  209. 花岡圭三

    ○花岡政府委員 公営企業に対します一般会計からの繰り入れにつきましては、公営企業に対して、本来性質上こういった一般会計で持つべきものというようなものを規定いたしまして、そういったものにつきましては一般会計から繰り入れて、そしてそれについては交付税で算定することにいたしておりますが、ちょっと数字は今手元に持ち合わせておりません。
  210. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 私がいただいた数字で申し上げますと、六十年度は都道府県、市町村に対して基準財政需要額として一兆四千八百億円カウントしているのですよ。この一兆四千八百五十億の中には地方公営企業で働いておる人たち年金についての公費負担というのはカウントされてないのです、繰り入れされてないのです。交付税で見ていないのです。したがって、四現業、地方公営企業というのはすべて料金収入で賄いなさい、こうなっております。今後基礎年金というのは国費で三分の一、今まで三公社でありましたNTT、たばこ産業には三分の一つくのですよ。そうしますと体系としておかしくなってきませんか。バランスを失しませんか。基礎年金というのはその性格からいって、額全体について問題がありますけれども、その辺の公費負担の問題もきちんと整理されなければならぬと私は思うのですが、いかがですか。
  211. 花岡圭三

    ○花岡政府委員 この問題につきましては、今度の年金制度改正という趨勢から見ますと先生おっしゃるような考え方に将来持っていくべきではないかというふうには考えておりますが、現段階におきましては、国との関係もございますのでなお検討を進めなければならないと考えております。
  212. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 大臣、いろいろ聞いていきますとわからないところは政令で、補助率ですよ、年金の額が決まる一番大切なところは補助率、補正率ですよ、その補正率はこの法律が通りましてからいろいろ計算して決めます、今の公費負担の問題になりますとこれは今後検討いたしましょう、こういうお言葉で、難しいところ、一番大切なキーポイントはみんな後でやります、政令でございます、補正率でございますという形で逃げておるところにこの法律の問題があると私は思うのですよ。社会保障は後退を許さぬというのが政治的な哲学だそうでありますけれども、そういう形じゃなくて、この法律は後退する形じゃなくて土台に問題点がある。土台がゆらゆらして、それは後で専門的に決めますということに大変な問題があるのですよ。今ここまで来たからそれ以上は申し上げませんけれども、そういう点で、今私が申し上げたようなところは真剣にやってもらわなければ、国民皆年金といいましても、その皆年金の中からいよいよ政治不信というのが生まれてくるのではないか、こう思いますが、いかがですか。
  213. 古屋亨

    古屋国務大臣 やはり年金というのはお話しのように、国民の信頼とかそういうことが極めて大切でございます。と申しますのは、御承知のように公務員制度が国民によって支えられておるものだからと思います。そういう意味におきまして、御指摘のような点につきましては十分検討をいたしまして、いやしくも国民の信頼を裏切ることのないような方向に向かって努力をしてまいります。
  214. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 これは既に問題になっていますけれども、行革法が五十七年で、臨時国会で審議されたときに当時の鈴木総理は、行革法に基づいて減額した分については五十七、五十八、五十九年の三カ年間はもちろんのこと、利子をぴしゃっとつけて六十年度にお返しをします、こう言ったのです。ところが六十年になったら、もう一年そのまま凍結しましょうということで今日まで、五十七、五十八、五十九、六十と四年間になっておる。  そこで、その四年間にカットした分、それを利子をつけてお返ししますとお約束した分は、金額は幾らになっているのか、どう処理するつもりなのか。これは大臣ですか、財政局長ですか、お答えいただきたい。
  215. 中島忠能

    中島(忠)政府委員 四年間の額は二千億円、利子をつけますとおおむね二千二百億円ということでございますが、その基本法でございます法律に書いてありますように、国が国家公務員共済組合に対して講ずる措置に準じて地方の場合には地方公務員共済に対して措置を講ずるということになっておりまして、私たちは、国が措置を講じましたら、必ずきちっと間違いのないように措置を講じてまいりたい。  いずれにいたしましても、地方公務員共済の長期給付事業に影響のないようにしてまいらなければならないと考えております。
  216. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 大臣影響のないようにということなんですが、運用というのは大変重要なんですね、この辺の基金については。運用をどうするのかというのが大変貴重なんだ。  今お答えがありましたように減額分が千九百九十四億円、運用利息分が二百十億円、合わせてお答えのように二千二百五億円ばかりになっておるのですよ。本当のところはもう返してもらわなければいかぬですけれども、年賦になるのかしりませんけれども、これは年金基金でありますから遊んでおるわけではありませんから、きちんと約束どおり返していただきたい。これは理の当然だと私は思います。大臣の御答弁を求めます。
  217. 古屋亨

    古屋国務大臣 この問題につきましては今公務員部長から言いましたように、特例期間の経過後におきまして国家公務員共済組合に対して国が講ずる措置に準じて減額分の払い込みその他適切な措置を講ずることとされておりますので、この方針に沿いまして適切に、間違いなく処理してまいりたいと思っております。
  218. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 適切に間違いなく処理していく。大臣、もう一つ足らぬですよ。適切に間違いなく正確に、早急に処理します、それを入れてもらわなければいかぬです。どうですか。
  219. 古屋亨

    古屋国務大臣 早急という言葉が落ちておりました。やはりそういうようなふうにしてまいりたいと思います。
  220. 細谷治嘉

    ○細谷(治)委員 夜も大分更けてまいりましたので、まだ私の持ち時間は少しあるのですけれども、二十分ばかりありますけれども委員長に協力して終わります。
  221. 高鳥修

    ○高鳥委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕
  222. 高鳥修

    ○高鳥委員長 速記をつけてください。  これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————
  223. 高鳥修

    ○高鳥委員長 本案に対し、臼井日出男君から自由民主党・新自由国民連合の提案による修正案が提出されております。  提出者から趣旨の説明を聴取いたします。臼井日出男君。     —————————————  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法   律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————
  224. 臼井日出男

    ○臼井委員 ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。  本修正案は、第百二回国会で成立いたしました国民年金法等の一部を改正する法律の参議院における修正等に伴いまして、原案の附則の規定について、所要の条文整理を行うことにしようとするものであります。  何とぞ御賛成くださいますようお願い申し上げます。
  225. 高鳥修

    ○高鳥委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     —————————————
  226. 高鳥修

    ○高鳥委員長 これより討論に入ります。  原案及びこれに対する修正案を一括して討論に付します。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。糸山英太郎君。
  227. 糸山英太郎

    ○糸山委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、原案並びに修正案に賛成の立場から討論を行うものであります。  我が国の人口構造は、現在、諸外国に類例を見ない速い速度で高齢化し、二十一世紀初頭には本格的な高齢化社会を迎えることが予想されておりますが、老後の所得保障の中核をなす公的年金制度の役割は今後一層重要となるものであります。このような現状下において、来るべき高齢化社会の到来に備え、長期的に安定し、国民すべてが安心して信頼できる年金制度を実現することが、現下の国民的課題となっているところであります。  今回、政府によって提出されましたこの法律案は、このような観点から、さきに創設された基礎年金地方公務員共済制度への導入給付水準適正化、婦人年金権の確立、老齢世代と現役世代の均衡等を図ろうとするものであります。  また、共済年金制度公務員制度一環として極めて重要な役割を果たしていることから、地方公務員公務の公平、公正の確保の必要性と身分、職務、責任等の特殊性にかんがみ、職域年金相当部分を設ける等の措置を講じているところであります。  既裁定年金についても、世代間の公平等を考慮して給付水準の見直しを行うこととする一方、既得権及び期待権も十分尊重し、給付水準の見直しの際に従前の年金額を保障する等、所要の措置を講じているところであります。  自由民主党・新自由国民連合といたしましては、これらの措置を内容とする政府提出の改正案は、高齢化社会の到来等、社会経済情勢の変化に対応し、地方公務員共済年金制度の長期的安定と整合性ある発展を図る適切なものとして十分評価できる内容と認められますので、本法律案内容に賛成するものであります。  また、修正案につきましては、さきの国会で成立いたしました国民年金法等の一部を改正する法律の参議院における修正等に伴い所要の条文整理を行うもので、これに賛成するものであります。  以上をもちまして、原案及び修正案に対する賛成の意見の表明を終わります。(拍手)
  228. 高鳥修

    ○高鳥委員長 次に、加藤万吉君。
  229. 加藤万吉

    ○加藤(万)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について、以下述べる理由により、反対の意見を表明するものであります。  本法改正の理由は、高齢化社会の到来に備え、公的年金制度の長期的安定と、負担給付の公平を図り、公的年金制度の一元化の一環としてその改正の趣旨を述べております。しかし、当委員会における審査及び連合審査の経過を見ても明らかなとおり、その基本的な趣旨を本法改正の中にみじんも見出すことはできず、それのみか国民の求めている我が国の年金制度のあり方にも耐え得るものではなく、むしろ背を向ける改悪案と言わざるを得ません。  長期的公的年金制度の安定を述べながら、既に破綻した国鉄共済年金という一つ年金制度にすら、六十五年度以降については全くの白紙であると大蔵大臣答弁し、六十四年度までの同共済年金制度の救済すら、六十一年度中に結論を得ることとする政府の統一見解を見出すことがようやくであり、現実から長期的な展望を見出す手法にすら大きな乖離があり、いわんや基本趣旨も美辞麗句を書き連ねたものにすぎないと言わざるを得ないのであります。  加えて、共済年金改革についての政府・自民党の国鉄共済救済措置に関する協議は、国庫負担にあわせて地共済はもとより、厚生年金被保険者及び四十九兆円に及ぶ同年金積立金との財政調整に魔手を伸ばす全年金制度の支援等が報道され、大蔵大臣もまた理論的にはあり得ると公式に述べるなど、二千五百万人の厚生年金全被保険者を本法改正の審議の参加対象の外に置いたまま、将来の潜在的年金債務負担答弁の積み重ねの中に既成事実として取り込もうとする本音が随所にあらわれ、年金に対する全国民の不信をますます募らせようとしているのであります。  国鉄共済年金の破綻は、戦後から引き続く国の政策線上の上にあることや、今回の分割・民営化という政策執行の中にその極限に達したことは、もはや何人も否定しがたい現実であります。この破綻を国鉄職員と労働者連帯という美名のもとに、各年金被保険者に覆いかぶせることは、本来、同共済に国が負担をすべき分野と、将来公的年金一元化のため全被保険者がどのような社会連帯をすべきかという異質の課題の区分を不明確にし、いたずらに混乱を導き出す言動と政策であると言わざるを得ません。私は、この際、国鉄共済に対する年金被保険者の負担によらず、文字どおり国の責任において解決をするということと、地共審の答申どおり履行されることを強く要求するものであります。  さらに、ビジョンとプログラムのない公的年金一元化の一環等の提案理由は撤回をし、その本質である財政調整が本音であることを内外に明らかにすべきであると思うのであります。  改正案は、当面の国鉄救済を初め財政調整に主眼がありますがゆえに、制度改正においても慎重に検討すべきもの、他の年金との制度調整を伴うもの、さらに基礎年金導入という公的年金一元化に向けての制度改正は、その長期的展望があいまいのため説得力を持たず、国庫負担のあり方や積立金運用の将来に向けての整合性等、各所に多くの矛盾と大幅な修正を求めなければならない課題を積み残したまま、提案されているのであります。  第一に、今回の改正により一般方式と通年方式の選択の自由を奪われ、その上、基礎年金制度導入年金支給額においても大幅な減額を生ぜしめ、職域報酬部分厚生年金並みの引き上げも不十分のままの状態であります。  第二に、支給開始年齢の本則六十五歳は、その経過措置はあるとはいえ六十歳定年制度と矛盾をし、定年後の生活設計を著しく脅かすに至っております。  第三に、既裁定者の通算年金方式への裁定がえは多数の減額年金受給者を生み出し、あまつさえ既裁定額との調整は物価スライドの停止によって補うに至っては、受給者にとっては三年から七、八年の停留の期間を招き、年金に対する期待権を奪うこととなり、潜在的な財産権の侵害にもなりかねないのであります。  第四に、このスライド停止は、恩給法の改正が行われないため、恩給と年金の通年による受給者との間に矛盾を生み、官官格差を招くに至っているのであります。  第五に、年金制度に懲戒処分を挿入することは、公務員特性を他では排除し、この部分については挿入をするということはまさに片手落ちであるとともに、年金制度としてなじまないことは論をまちません。  第六に、本改正案は、従来の共済年金制度から基礎年金部分は国民年金へ移行することになっております。したがって、将来基礎年金部分の拡大を我が国の公的年金制度の基盤とするならば、この基礎年金部分にかかわる国庫負担はあらゆる年金制度の被保険者に与えられるべきであります。各地方団体がこの公的負担をすることはもちろん、特に公営企業に公経済負担を強いることは許されるべきことではないのであります。  以上、私は幾つかの反対理由を挙げましたが、検討を加えれば加えるほどその整合性の矛盾は枚挙にいとまがありません。言いかえれば、当初指摘をしたとおり、本改正案が高齢社会を迎えての基本的な我が国の年金制度にじっくりと腰を据え、その上に立っての改革ではなく、職域年金制度を単位とした保険料方式による年金制度の破綻を財政調整と負担の拡大、給付の削減によって当面を糊塗しようとするこそくな手法によるものであるからであります。  私は、現在までの討論を踏まえ、政府が改めて本法の改正を提起されることを強く要求し、反対討論といたします。(拍手)
  230. 高鳥修

    ○高鳥委員長 次に、吉井光照君。
  231. 吉井光照

    ○吉井委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案及び自由民主党・新自由国民連合提出による同法修正案に対し、反対討論を行うものであります。  我が国の平均寿命が最近急激な伸びを示している中で、老後の所得保障の中核としての役割を持っている公的年金制度は、ますます重要さを増しております。年金制度は、国民皆年全体制がとられて以来、今日まで数次にわたって改正されてまいりましたが、各制度の目的、創設時期等の違いなどからそれぞれ複雑な分立体制となっております。そのため、官民格差と言われるように年金間の格差給付負担の不均衡が生じてきたことや、また産業構造、就業構造の変化に伴い、国鉄共済などのようにその存立基盤が危ぶまれる事態が生じるなど、問題は少なくありません。  今回の改正は、こうした背景のもとに、国民年金法改正導入された基礎年金制度導入されておりますが、この制度は、我が党が既に昭和五十一年に作成した福祉社会トータルプランにおきまして提唱した個人の年金権を定めた国民基本年金構想と大枠においで一致しており、その意味におきましては今回の改正案は評価するものであります。しかしながら、本改正案は、審議の過程で多くの問題点が浮き彫りにされてまいりましたように、私どもは、年金制度の将来を考え、これらの問題を解決すべく、自民党にその修正を要求してまいりました。しかし、重要な点についての改正は何ら行われず、まことに遺憾に思う次第であります。この際、同法案の問題点を明らかにしておきたいと思います。  その一つは、我が党がさきの国民年金法改正の審議を通じて主張してきたように、政府提案の基礎年金そのものが国民に等しく保障するという基礎年金の基本理念に十分沿ったものではないということであります。  第二は、公的年金全般の給付負担とが見直されている中で、共済年金だけを例外とするものではありませんが、国鉄年金の財政問題を含め、今後の共済年金のあり方と公的年金制度の再編成の過程が明らかにされていないということであります。  第三は、現行の共済年金制度公務員制度一環として位置づけられており、その意味から考えても、それに沿った年金水準とはなっていないのであります。  第四は、既裁定年金を含め、共済年金厚生年金に準ずる方式に改めるに当たり、従前から厚生年金より不利になっていた者については、これを国の社会保障水準である厚生年金並みに引き上げるべきでありますが、こうした措置がとられていないことであります。  これが主な問題点であります。  次に、改正案に対して修正すべき事項について申し上げます。  その第一は、賃金に著しい変動が生じた場合は速やかに年金額改定の措置が講ぜられるべきであることを明記すること。二つには、通算年金方式によって計算されている退職年金等については、従前の厚生年金水準を下回らないよう加給年金を加算する等配慮をすること。三つには、職域年金部分については、企業年金の実態等を考慮し、その水準については人事院の報告を受けて見直しが行えるようにすること。四つには、厚生年金の場合に準じ、老齢基礎年金の受給を満たしている六十五歳以上の在職者は長期組合員の資格を喪失させるとともに、その者に支給されている退職年金については満額支給すること。五つには、女子については、厚生年金と同様昭和七十五年までに六十歳となるよう段階的に引き上げるとともに、厚生年金と同様、在職中であっても満額支給すること。六つには、組合員期間が六カ月以上一年未満で障害者となり、障害年金が支給されていない過去の障害者等についても、改正法施行日以降は、従前の厚生年金の場合に準じ、障害年金を支給すること。七つには、組合員期間が二十年未満で、私傷病により死亡した場合の従前の遺族年金については、改正法施行日以降、従前の厚生年金の場合に準じ、組合員期間を二十年として通算年金方式により計算した額の半額に加給年金を加えた額を下回らないよう、改定すること。八番目に、現に懲戒処分等により年金の支給を制限されている者については、国の社会保障である従前の厚生年金給付水準を下回らないよう回復させること。九番目として、厚生年金の場合に準じ、施行日において四十五歳以上で、組合員期間が十年以上である者については、職域年金を除く部分について任意継続組合員の制度を設けること。十番目として、他の共済年金と同様、掛金及び給付の算定基礎となる給与は、標準報酬とすること。  以上が改正すべき点でありますが、これらの点が盛り込まれていない改正案及び修正案には賛成できないのであり良す。  以上で反対討論を終わります。(拍手)
  232. 高鳥修

    ○高鳥委員長 次に、藤原哲太郎君。
  233. 藤原哲太郎

    ○藤原委員 私は、民社党・国民連合を代表して、今日まで論議されてきました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、修正案及び修正部分を除く政府原案に賛成の討論を行うものであります。  我が国の二十一世紀への道は高齢化社会が急速に進展する道であります。本格的高齢化社会の到来は、当然のことながら人生八十年時代、すなわち長寿社会に突入することを意味するのであります。人生八十年時代における国民の願いは、生きがいのある老後生活を営むということでありましょう。  公的年金制度は、長くなる老後生活を支える経済的基盤であり、公正な年金給付の確保、年金財政の長期的な安定を図ることは政治に課せられた重要な責務であります。御承知のとおり、我が国の公的年金制度は三種七制度に分立し、さらにそれが個別集団に分かれているがゆえに、個別制度ごとに財政が破綻することになります。既に国鉄共済の財政は破綻し、他の共済組合の方々に財政援助を求めており、その救済策が今回大論議の的になったのでございます。他の共済組合年金もいずれは国鉄共済と同様な財政危機を引き起こすことは必定と思われます。ここ数年来国民の間に、多年にわたり保険料を払い込んだにもかかわらず年金がもらえなくなるのではないかという不安が急速に高まっていることは否めない事実であります。こうした事態を克服し、国民に信頼される年金制度を確立することは急務の課題であります。  また、制度の分立は、いわゆる官民格差といわれるような制度間の不公正を招き、今日まで大きな社会問題となっており、その是正も急がなければならない課題と言えます。  さらに、世代内のみならず世代間の公正を期することも年金改革に不可欠な課題でございます。年金財政は、人口の高齢化年金受給者の増大に伴い、必然的に賦課方式に移行することになりますが、そうしますと当然現役世代の負担も増加することになります。したがって、これまで以上に年金生活者の給付額と現役世代の負担適正化を図ることが重要となり、そうした視点からの年金改革も政治に求められているのであります。  今回の改正は、年金制度一元化の第二段階の制度改正であり、私が指摘した諸問題の解決を図るものであります。  今回改正の柱の第一は、全加入者に厚生・国民年金と同じ基礎年金制度導入し、共済年金制度からの給付基礎年金に上乗せする報酬比例年金とすること。第二は、公務員特殊性考え、報酬比例年金に上積みをする職域年金導入すること。第三は、報酬比例年金の算定方式を、厚生年金と同様、全加入期間の平均月額に改めること。第四は、共済年金独自の職域年金年金額は、その水準厚生年金相当部分の二〇%とすること。第五は、既裁定年金者については改正後の通年方式により計算した額に裁定がえするが、現に支給されている年金額は保障することとし、年金額はダウンすることはないが、裁定がえされた年金額がスライドによって従前の年金額に達するまでは年金額は変わらないようにすること。第六に、支給開始年齢は昭和七十五年までに六十歳に引き上げることとされているが、これを昭和七十年から六十歳となるよう改正することであります。  これらの改正に対し強い不満や反対があることを十分承知しておりますが、この改正を断行しなければ公正な年金制度の確立は大幅におくれ、何よりも年金財政がパンクし、老後の経済基盤がなくなり、あすのパンを求める老人が続出する事態も予想され、社会不安を惹起することになるのであります。不満や反対があるとしても、国家百年の大計を考えれば今回の改正は必要不可欠であり、我が党はこの改正を評価するものであります。  しかし、今回の改正制度発足以来の大改正であり、多くの問題点がありましたため、我が党は、政府・自民党と十二項目にわたる修正要求を行ってまいりました。  その結果、第一には、職域年金部分について、二十五年未満二分の一支給につきまして加入年数を二十年未満とする法修正の約束がなされました。第二には、年金計算経過措置のうち、施行時四十歳を中心に年金水準を改善し、完成時の水準を下回らないようにすることも附帯決議に盛り込み、次の見直しの時点までに調整することを確約し、合意がなされたのであります。第三の禁錮刑、懲戒免職など職域年金部分の支給停止は本人掛金部分について行わないこと、第四の職域年金部分の支給停止は遺族に及ぼさないことの二点につきましても、実質的に我が党の主張に沿うよう政令を決める時点で改める方針が打ち出されました。  さらに、最大の焦点となりました国鉄共済の財政対策につきましても、「国鉄の自助努力と国の負担を含め、諸般の検討を加え、支払いに支障のないように」するとの政府見解がなされました。政府は、この見解を誠実に実行し、国鉄職員の年金支給に対する不安を解消するよう万全を期すべきであり、強く要望いたします。  最後に、年金制度の一元化の今後の具体的スケジュールと年金体系のビジョンを早急に国民に提示するよう政府に強く要求し、私の賛成討論といたします。(拍手)
  234. 高鳥修

    ○高鳥委員長 次に、経塚幸夫君。
  235. 経塚幸夫

    ○経塚委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案並びに自由民主党・新自由国民連合提案の修正案に対しまして、反対の討論を行います。  政府は、今回の改定案提出の理由として、高齢化社会の到来に備え、公的年金制度の長期的な安定と整合性ある発展を図るためと述べております。しかし、今回の改定案は、公的年金制度の発展どころか、抜本的な改悪であり、その被害は年金受給者はもとより、現役などあらゆる階層に及ぶものとなっておるのであります。  第一の問題は、給付水準の大幅な引き下げであります。  施行日に、年齢五十歳で二〇・四%、二十歳で二八・三%、夫婦共働き、単身者で実に四〇%の引き下げであります。これで果たして老後の暮らしが守れるでありましょうか。  自治省が行った実態調査では、平均の年金受給額十七万三千円に対しまして生活費は二十一万六千円、総務庁の調査では三十万六千円となっており、現行の年金額でも生活できないことは余りにも明らかであります。にもかかわらず、さらに給付額を大幅に切り下げ、既裁定者に対しても物価スライドを停止、さらに支給開始年齢も六十五歳に引き延ばそうと企図する今回の改定案は、退職年金者の暮らしを一層困難に追い込むとともに、現役年金期待権をも損なうものと言わなければなりません。  年金は老後保障のすべてではないなどとの答弁もありましたが、自治省の実態調査でも、働きたくとも病気で働けない、仕事がないと答えた人が六一・七%にも達しているではありませんか。これでは「地方公務員及びその遺族の生活の安定と福祉の向上に寄与するとともに、公務能率的運営に資する」と定めた地方公務員等共済組合法の目的にも反するものと言わなければなりません。  第二の問題は、保険料の大幅な引き上げによる負担増であります。  給与に対して現行六・九%の保険料が収支試算では将来一七・二五%と、実に二・五倍にも引き上げられることになっております。現行でも減税ストップ、保険料引き上げで、非消費支出は月収の二〇%となっておりますが、将来はこれが三〇%を超え、消費支出を大幅に抑制し、事実上の賃下げとなることは必至であります。大蔵省年金制度研究会の意見でも、保険料負担の限界が一〇%から一二・五%と言われておるにもかかわらず、これを大幅に上回る今回の改定案は、生活の実態を全く顧みないものと言わなければなりません。  さらに、政府は、国鉄共済の赤字対策について、国の負担において措置するとの姿勢を明確にしておらず、今後、給付負担の両面にわたってさらに厳しい改悪が行われることが十分予測されるのであります。  第三の問題は、国庫負担、自治体負担の大幅な削減であります。  現行、拠出時一五・八五%の公費負担基礎年金の三分の一となることによって公費負担率は実に現行の五五%にまで引色下げられることになり、厚生年金、国公共済年金などを合計すれば、昭和九十年度では実に二兆六千三百億円にも達するのであります。  政府は、口を開けば年金財政の破綻を口にいたしますが、それならなぜ国庫負担公的負担を削減をするのか。しかも臨調行革前の昭和五十六年度予算と六十年度予算とを比較すれば、社会保障はわずかに八・三%の伸びに比べまして経済協力費は三七・八%、軍事費は三〇・七%と、大幅に伸びているではありませんか。この事実は、軍拡と福祉とは両立しないばかりか、福祉が犠牲にされることを実証するものであります。  我が党は、最低保障年金の財源は国と企業負担で賄う、現行の保険料負担は労使折半を三対七に改めるなどを骨子とした「年金改革への提言」を行いましたが、公的年金制度長期安定のための抜本的対策は国と企業負担責任を明確にすることをおいてほかにないことは明らかであります。  これに反する政府案の撤回を求めて、討論を終わります。
  236. 高鳥修

    ○高鳥委員長 これにて討論は終局いたしました。     —————————————
  237. 高鳥修

    ○高鳥委員長 これより採決に入ります。  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について採決いたします。  まず、臼井日出男君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  238. 高鳥修

    ○高鳥委員長 起立多数。よって、臼井日出男君提出の修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  239. 高鳥修

    ○高鳥委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     —————————————
  240. 高鳥修

    ○高鳥委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、平林鴻三君外三名から自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。平林鴻三君。
  241. 平林鴻三

    ○平林委員 私は、この際、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四党を代表し、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の施行にあたり、左の諸点について善処すべきである。  一 今回の改正は、共済年金制度の歴史上例をみない抜本的な改正であるので、共済組合員はもとより、国民全体の理解と納得を得られるよう周知徹底を図ること。  二 公的年金一元化の内容及びスケジュールが依然として明らかにされていないので、今後できるだけ速やかに、負担の問題その他その内容等につき明らかにすること。この場合現行共済制度の存続及び積立金の自主運用の推進等を引き続き図ること。  三 基礎年金水準費用負担のあり方等については、国民年金法の附則の規定に基づき、できるだけ速やかに検討に着手すること。なお、国の四現業及び地方公営企業公的負担のあり方について検討すること。  四 今回の改正が行われると、共済年金と恩給との間に大きな相違が生ずるので、恩給制度についても、公的年金制度改正をふまえつつ、検討を加えること。  五 今回の改正における職域相当部分根拠水準が必ずしも明瞭でないので、この点につき、人事院等の意見もふまえ、見直しに関して検討すること。  六 今回の改正法では、共済年金の政策改定の根拠につき、賃金の変動という要素が明らかに規定されていないが、政策改定を行うに当たっては、この要素を明らかに規定するよう十分配慮すること。  七 既裁定の遺族年金については、最低保障の改善を図ること。  八 職域年金相当部分の支給要件については、その緩和を図ること。  九 懲戒処分等による給付制限措置については、今回の改正後、本人の掛金相当部分については行わないこととすること。  十 所得制限の具体的な運用に当たっては、退職者と現役公務員との間の生活の均衡が図られるよう十分考慮すること。  十一 併給調整については、その実施過程における問題を見極めて、再検討すること。  十二 現在四十歳の者については、将来給付が最も低い水準になる点について次の見直しの時点までに調整するよう努めること。  十三 特定消防職員の支給開始年齢の段階的引上げに当たっては、消防職員の体力練成への配慮、適正な人事交流の推進等、六十歳まで安んじて勤務ができるよう、条件整備に努めること。  十四 国鉄職員を地方公共団体が受け入れる場合には、これらの者に係る年金支給に要する費用のうち、追加費用は、旧国鉄等において負但し、国鉄共済期間に係る費用については、完全にその資金の移換を行うなど地方公共団体及び組合員の負担とならないよう措置すること。    また、これらの者に係る退職手当支給に要する費用のうち国鉄在職期間に係るものについては、地方公共団体負担とならないよう措置すること。   右決議する。 以上であります。  何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
  242. 高鳥修

    ○高鳥委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  243. 高鳥修

    ○高鳥委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、古屋自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。古屋自治大臣
  244. 古屋亨

    古屋国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、善処してまいりたいと考えております。     —————————————
  245. 高鳥修

    ○高鳥委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  246. 高鳥修

    ○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————
  247. 高鳥修

    ○高鳥委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時五十四分散会      ————◇—————