○安倍(基)
委員 私は、民社党・国民連合を代表して、今日まで論議されてまいりました
国家公務員等共済組合法等の一部を改正する
法律案につきまして、修正案及び修正部分を除く
政府原案に賛成の討論を行うものであります。
我が国の二十一
世紀への道は、高齢化社会が急速に進展する道でもあります。本格的高齢化社会の到来は、当然のことながら人生八十年時代、すなわち長寿社会に突入することを
意味します。人生八十年時代における国民の願いは、生きがいのある老後生活を営みたいということでありましは
一つ。
公的年金制度は長くなる老後生活を支える経済的基盤であり、公正な年金給付の確保、
年金財政の長期安定を図ることは、政治に課せられた重要な責務であります。御
承知のとおり、我が国の公的年金制度は三種七制度に分立し、さらにそれが個別集団に分かれているがゆえに、個別制度ごとに財政が破綻することになり、共済年金制度もその例外ではありません。既に
国鉄共済の財政は破綻し、他の共済の組合員の方々に財政援助を仰いでおり、その救済策が今回論議の的となったごとく、いずれ他の共済組合年金も
国鉄共済と同様な財政危機を引き起こすことは確実と言えます。ここ数年来、国民の間に、多年にわたり保険料を払い込んだにもかかわらず年金がもらえないのではないかという不安が急速に高まっていることは否めない事実であります。こうした事態を克服し、国民に信頼される年金制度を確立することは急務の課題であります。
また、制度の分立はいわゆる官民格差と言われるような制度間の不公正を招き、今日まで大きな社会問題となっておりまして、その是正も急がねばならない課題と言えます。
さらに、世代内のみならず世代間の公正を期すことも年金改革に不可欠な課題であります。
年金財政は、人口の高齢化と年金受給者の増大に伴い、必然的に賦課方式に移行することになりますが、そうしますと、当然現役世代の負担も増加することになります。したがって、これまで以上に年金生活者の給付額と現役世代の負担の適正化を図ることが重要となり、そうした視点からの年金改革も政治に求められているのであります。
今回の改正は、年金制度一元化の第二段階の制度改正であり、私が
指摘した諸問題の解決を図る一助になるものであります。
今回盛られましたもろもろの改正案につきましては、それぞれの
立場から強い不満や反対があることは十分
承知をしておりますが、この改正を断行しなければ公正な年金制度の確立は大幅におくれ、何よりも
年金財政がパンクし、老後の経済基盤がなくなり、あすのパンを求める老人が続出する事態も予想され、社会不安を惹起することになります。不満や反対があったとしても、国家百年の大計を考えれば、今回の改正は必要不可欠であり、我が党はこの改正を高く評価するものであります。
しかし、今回の改正は制度発足以来の大改正であり、多くの問題点がありましたため、我が党は十二項目にわたる修正要求を行い、
政府・自民党と
協議を行ってまいりました。
その結果、第一に、職域年金部分については二十五年未満二分の一支給を加入年数二十年未満とする法修正の約束がなされました。
第二に、年金計算
経過措置のうち、施行時四十歳を中心に年金水準を改善し、完成時の水準を下回らないようにすることも附帯決議に盛り込み、次の見直しの時点までに調整することも確約いたしました。
第三に、禁錮刑、懲戒免職など職域年金部分の支給停止は本人掛金部分については行わないこと、第四の職域年金部分の支給停止は遺族に及ぼさないことの二点につきまして、実質的に我が党の主張に沿うよう、政令を定める時点で改める方針が打ち出されました。
さらに、最大の焦点となりました
国鉄共済の財政対策につきまして、「
国鉄の自助努力と国の負担を含め、諸般の検討を加え、支払いに支障のないようにする」との
政府見解がなされたことも御案内のとおりであります。この際、
政府見解を誠実に実行し、
国鉄職員の年金支給に対する不安を解消するよう
政府は万全を期すべきことを強く要請するものであります。
最後に、年金制度の一元化の今後の具体的スケジュールと年全体系等のビジョンを早急に国民に提示するよう
政府に強く要求し、私の賛成討論を終わります。(拍手)