○安倍(基)
委員 私は前の大臣に「タワーリングインフェルノ」という映画を見たことがあるかという話をしたのです。そのときに御本人は知らなかったのでございますけれども、今改めて新しい大臣に聞くこともございませんけれども、高層
ビルが火事になってどうしようもなくなってしまった。最終的にはある勇敢な男が屋上に行って、屋上にある
貯水槽を爆破してようやく消したという映画です。これは非常にスリリングな映画でございましたけれども、この前ホテルニュージャパンで何人か死んだだけであれだけ大問題になった。となると、大震災のときに一体どうなるのだ。どの
ビルも倒れはしないかもしれないけれども、大火事になるだろう。例えば、スプリンクラーあたりがあって水が出るといって安心しても、
水道管が破裂したらもうお話にならない。そうなると、大火事になったら本当に阿鼻叫喚ではなかろうか。
したがいまして、
地震を早く知らせるとか知らせないというようなことばかりに余り集中して日ごろからどういう
建物を建てるとかそういうことを見逃しておくと、幾ら早く教えてみたところでしようがないわけですね。
地震の前に、火を消すという
程度のことはできるかもしれないけれども、どこからどう発火するかわからぬ。各
ビルがぼうぼう燃え出したときに消防車なんか走れやしない、スプリンクラーも役に立たない。そうなると、本当にすごい損害になる。かつての
関東大震災どころの騒ぎではない。
私はそのときに、これから高層建築を建てるときの規制というものをよほど前から考えておかなければいけないのじゃないかということをお話ししたのでございます。この点について去年ある
程度質問したのですけれども、若干の改善がされているのだろうか。
建築基準でいろいろこうやっております、こうしておりますという話はあるのだけれども、本当に
地震のときに
火災が
発生しないようにできているのだろうか。特に最近は、有毒
ガスを
発生するいろいろな室内のものもある。焼けるあるいは有毒
ガスが出て死ぬというのが、どのくらい死んでいるかわからないのじゃないか。私は、
関東大震災よりもよっぽどすごい
災害になると思います。東海地区もあれでございますけれども、私どもが住んでいます浜松というのは
東京ほどの高層建築はない、それでも結構建っておりますけれども。私は、そういう基本的なことを考えないで、ただ早くみんなに知らせるとか
避難道路をつくるということだけで物事は処理できないのじゃないかと思うのでございます。もちろん、そういった規制を設けると
建設会社なんかもまた大変経費がかかるということもございますけれども、ただみんながそういうルールのもとにつくることになれば、それなりの
体制になる。
そういった点、現在建築的な面からいって
災害対策に対する考慮がなされているのだろうか。特に
地震が起こったときにどうなるか。どうも倒れないことばかりに集中しているような気がするのでございますが、そういった
災害を考えた上での
建築基準になっているのか。しかも、室内のものが焼けないようにとかそういった配慮がされているのだろうか。これはアメリカあたりであると、マンハッタンは随分高い
ビルがございますけれども、いまだかつて一度もそういった
地震がない。今まで
日本は余り高層建築はなかったのでございますけれども、戦後あれだけ建ってきている。それについてちゃんと
地震のことを考えながら建てさせているのかどうかということでございますけれども、この点はいかがでございますか。