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政府委員(矢崎新二君)
お答え申し上げます。
御指摘の量の面と質の面と二つございますが、まず量の面から申し上げますと、先ほど
大臣からも申し上げましたように、例えば海上自衛隊の作戦用
航空機は、大綱の別表では約二百二十機となっておりますし、航空自衛隊の作戦用
航空機は約四百三十機ということになっております。これは大綱ができた当時の勢力としては大体まあそのぐらいのものがあったわけでございますが、その後減耗が、その当時の
飛行機が寿命が来ましてダウンをしてくるものが非常にふえました。その後も逐次新規装備はしておりますが、そういう
関係で数はむしろ今はかなり減っておりまして、六十年度の予算での事業が完成したときの勢力で言いますと、海上自衛隊の作戦用
航空機は約百四十機でございまして、大綱の約二百二十機に対して八十機程度不足をするというかなり落ち込んだ状態にございます。それからまた、航空自衛隊の作戦用
航空機の六十年度完成時勢力は約三百六十機でございまして、大綱水準の約四百三十機に比べますと約七十機ほどこれもダウンをしておるというような
状況になってきておるわけでございまして、
私どもはかねてから申し上げておりますように、この水準をできる限り早く大綱水準に回復したいということを
考えておるわけでございます。
そこで、二番目の質の問題でございますが、質の問題といたしましては、先生御指摘のとおり、例えば海上自衛隊の作戦用
航空機でございますとP3Cという性能の高いものを今整備をしつつございます。それから、航空自衛隊で申し上げれば、F15というものを今整備をしている途上でございます。これはどういうことかと言いますと、例えば海上自衛隊のP3Cが対象にいたしますのは、諸外国のいろいろな科学技術の進歩によりまして、例えば潜水艦が原子力推進の、高速で深く潜れるものが非常にふえてきておるというような
状況の変化がございます。そういった
状況を踏まえて
考えますと、やはり我が方の能力というものもそれに
対応できるような高性能のものを装備していかないと、これはやはり力が十分なものが持てないということでございますし、航空自衛隊のF15の問題にいたしましても、これは諸外国の航空技術の進歩はもう年々著しいものがございまして、大変高いところ、あるいは低いところを高速で飛行できるというふうなものがふえてきております。航続距離もどんどん延びてきております。そういうものに
対応していくためには、我が方の航空自衛隊の要撃戦闘機等もそれに応じた能力を備えていないと十分な防衛力を達成できない、こういう問題があるわけでございます。
そういう点を勘案いたしまして、従来から質的な水準としては
世界の一流のものにすべくこれは努力をしてきているわけでございまして、ただいま申し上げました量と質と両面が合わさって、初めて
我が国を守るための必要最小限度の大綱水準の防衛力がそこででき上がっていくという
関係にあるものと
考えておる次第でございます。