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国務大臣(竹下登君)
総理のおっしゃっています公平、公正、簡素、選択、
活力、で、そのゆがみ、ひずみとは何ぞやと。ゆがみ、ひずみを我々が主観的に断定するわけにはまいりませんが、従来
国会の論議と、それから税刷
調査会等でゆがみ、ひずみとして
指摘されたものをおおむね整理をいたしましてそのようなことで
お答えをいたしておるところでございます。
一つは、いわゆる所得の再配分機能の問題でございます。所得水準の平準化の動向等にかんがみ、中堅
所得層の
負担の緩和にも配意して全体として若干なだらかな累進構造とする方向で
見直しを行うことが適当である。
二番、所得の捕捉でございます。そのイ、所得課税にについては、これまで
執行面で把握差が生じやすく、実質的公平確保の面で問題があるとの批判が少なからず見受けられ、とりわけ個人が稼得した所得に対し直接に
負担を求める
所得税においては、制度及び執行の両面にわたり実質的公平確保のための工夫を強く要請する。それからロ、法人申告状態を見ますと、約五〇%が赤字申告をしておる。これらも公共サービスを享受しておるという何らかの応益的
負担を求めてもよいのではないか。
それから三、課税ベースの浸食。
租税特別
措置はいわゆる特定の政策
目的を実現するための税
負担公平その他の
税制の
基本原則をある程度犠牲にして講ぜられたものである。したがって、個々の政策目標と
税制の
基本原則との調和を図る見地から吟味を行う。それからロ、非課税貯蓄残高の総額、これが個人貯蓄残高の六割を占めるに至った。したがって、非課税貯蓄制度の取り扱いが極めて大きな比重を占めておる。
四、間接税の課税ベースと税率構造。イ、これは
我が国間接税は酒、たばこ、自動車、揮発油等の特定品目に対する課税が大勢を占め、しかもそれは従量税である。消費態様の変化、課税ベースの相対的縮小から税
負担水準の低下が生じやすい。また、サービスについては近年その消費が急増しているが、
国税としてはほとんど課税対象になっていないという問題がある。それからロ、酒税でございます。いわゆる高級酒、大衆酒といった分け方の持つ意味が弱まっておる。税
負担格差の縮小を図ることが適当である。
これらがいわば中期
答申の中の
指摘された問題であります。
それから
国会等でございます。世上、
我が国の税体系が結果的にではあるが、近年直接税に偏り過ぎているのではないかといった
指摘もある。そういう
指摘を全部
税制調査会の方へ
国会の論議を忠実に報告し、その中で議論をしていただこう、こういう
方針でございます。