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参考人(
坂本常蔵君)
先ほどから、私は国民健康保険の問題、これが老人医療の制度の導入、さらにまた昨年の十月には退職者医療制度の導入というようなことで国保
財政が非常にプラスになるだろうというようなことで実施されたわけでありますが、実際におきますると
政府の金減らしということを大いに助けたという
実態だろうと、約六千億ぐらいは
政府はもうかっているわけなんです、実際のところ。
そこで退職者医療につきましても四百万余の加入者があると言われるが、掘り起こしが足りない足りないというおしかりを受けていますけれ
ども、我々のような小さい
町村についてはもう大体においてこれは把握ができて掘り起こしは済んでおるわけです。そして、そういうようなことで見ましても、確かに本人、家族見ますると本人よりは家族の方の掘り起こしが少ないようでありますが、二百六十何万かというようなことでありますから、当然そのメリットというものが当初考えられましたときより見ますると、
退職医療制度のメリットはわずか二百二十億円しかない。そして片一方で持ち出している金を見ますると二千五十億円ですから、大体一千八百三十億円が市
町村の
負担増になっているという形なわけなんです。したがいまして、
先ほどからも
お願い申し上げたとおり、我々はこの
退職医療制度についても危惧はしつつも今までよりもよくなるであろう、悪くなることはないだろう、よくなるだろうというようなことでまいったんですが、実際においての姿がそういうことであるわけでありますし、ただいま御指摘いただきましたように、もう保険税につきましては限界に達しているんじゃなかろうか。と申しますのは、私の隣の郡、十二カ
町村あるわけであります。これは全国的にもそうでありますけれ
ども、年々保険税の徴収率というものが減少しつつあるんです。それから、いわゆる調定額、いわゆる滞納分に対する収納率というのは極めて悪いということなんです。ですから現
年度分の徴収はいいけれ
ども、調定額で見ますると九〇を割らんとしているような姿でありまして、いわゆる保険税が滞納が累増してくる。また国の方では一方については
補助金削減をする。国保についてもこれは本当は約束事なんですから、これが六・五%の
削減をする。一方については高度医療といいますか、医療も高度化してまいりまして、医療技術が進歩しましたが、大変検査づけで医療費が増し高になってくる。しかも今度また医療費の値上げ、薬価の
引き下げがありましたから、こういうふうなことが相まちましてますます国保というものが私は大変な
状況がくるんでなかろうか。
我々
町村については大体納税組合というのをつくりまして、回り番ですから、義理にもおれが組合長になったら納めなくちゃしょうがないからというわけでみんなが納めているということでありますから、現
年度分の納税組合については一〇〇%が救いでいっているわけでありまして、このことがいわゆる収納率が減っていくというような場合、これについては確かに税を上げると大変だということで、私の郡なんかでも私の
町村以外はほとんど
町村の
財政から出しているようですけれ
ども、しかし一万人の加入者があるところで三千万円を出しても三千円なんですね、実際のところ救いというものは、三千万円出しましても。私はこういうことはやるべきではないという主張を持っている者でありますけれ
ども、根本的な問題を解決しなかったならば、この保険というものに対しても非常に福音と言われながら荷物になってくるんじゃなかろうかというようなことを大変私たちは心配いたしまして、実際の国保の
実態、決算で見ますると一般会計の繰り出しやあるいは基金取り崩しによって黒字にしましても、単
年度赤字であっても黒字だという数字は新聞やその他に出てくるわけです。
実態においては単
年度赤字であり、あるいは赤字なんです、これは一般会計から出さなかったら。ですからその
実態というものを私たちはそのままにして何もそれは補正
予算を組まぬ、繰り上げをしましてそして
措置して、実際の姿における国保の
実態というものを国や厚生省や大蔵省初め
皆さん方に、
先生方にも知ってもらうのが一番いいだろうというようなことで、私の名前で
先ほども全
町村に対しましてそのような通達を出したという経過があるわけであります。何分にもよろしく
お願いしたいと存じます。