○橋本敦君
大蔵省の計算でも臨調行革の四年間に内部留保をふやしておる。今お話しの内部留保に
大蔵省が計算に入れない各種の引当金、特別損益や役員賞与、退職引当金等を入れて計算しますと、今日、大企業が内部にため込んでいる内部留保の金は四十六兆円に達するというように私
どもは試算しているのであります。
それはともかくとして、
大蔵大臣、このようにまさに赤字国債の発行で景気対策を国の主導でやってもらって、大企業は、今お話ししたように、多くの内部留保も含む利益をため込んでいる。しかも経常利益を上げ続けている。こうなりますと、財政再建ということで今後やっていく根本的な問題として、これを野放しにして国民にいろいろな
補助金のカットや、あるいは社会保障その他の
予算の削減ということを押しつけていいのであろうか。私はここが根本的な政治問題として大事だと思うんです。
例えば、臨調の第四部会長であった加藤寛さんは、こういう問題を取り上げて、「青臭いと言われるかもしれませんけれ
ども、李下に冠を正さすて、五大企業も」——五大企業というのは東芝、日立その他でありますが、「多少そこら辺は考えるべきじゃないか」、
補助金をもらい続ける、委託費をどんどんもらい続けるというのは問題じゃないか。「国のために必要ならわれわれは自分の金でやりますというぐらいのことを言ってほしかったなあという気持ちが、私、ないわけじゃありません。」と、こう言っている。それからさらに、「自由民主」の機関誌を見てみますと、その九月号で藤尾政調会長は、やはりこの問題をとらえられて、今後
政府は赤字国償からの脱却、これでやっていくわけだけれ
ども、例えばこの問題について言うならば、「経済界の方々がお持ちになっている国債の
利子といったものについても「こういう非常事態だから、私
どもにも協力させてくれ。我々が受け取る利息は半額でよろしい、三分の一でも結構。場合によっては利息分はいらない」というくらいの協力態勢を経済界も、あるいは国民の
立場からも言っていただくような空気が出てこないものであろうか」「そういうことを考えてみますと、いま言われている、すべてのことを抑えつけて「歳出をチョン切れ、無駄が多すぎる、行政改革を徹底せよ」という一本ヤリではちょっと困るのであります。」と、こう言われておるのでありますが、私はまさに聞くべき言だと思うのであります。今日、こういう
立場で政策の思い切った見直しが必要ではないか。
具体的に言うなら、大企業優遇税制の見直しをかねてから私
どもは言っており、軍事費の削減を言っておりますけれ
ども、さしあたってこれだけの大企業が得た利益を財政再建と国民の利益に還元させる、こういう措置をとらなければ、この
法案で一方的に
自治体や国民に犠牲を強いるなどというのは政治姿勢として間違いではないか、私はこのことを厳しく思うのでありますが、
大蔵大臣、せめて今年度見送った退職引当金や各種の準備金、これに対する税制上の見直し、外国税額控除の見直し、こういったことぐらいは来年度でも早々に手をつける方向で検討するということをはっきり言明されてはいかがですか、このことをお伺いしたいと思います。