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政府委員(
宮地貫一君) 基本的には
大臣からお答え申し上げましたように、今後の
高等教育の
改革についても現行
制度の
弾力化を進め、
大学関係者等の
意見を十分聞きながら進めていくという
考え方でございまして、今日までの進めてきた面はどうかというお尋ねでございます。
これは、基本的には
高等教育そのものが大変量的に拡大をいたしまして、全体的に進学率が非常に上がってきたというようなことに
対応して、質的な充実も図りながら、さらにそれぞれの
高等教育機関が教育
研究目的に即してそれぞれ
機能を発揮し得るように多様化を図っていくというようなことが基本的にあるわけでございます。
そしてまた、
我が国の経済、文化等、各方面非常に国際的な活動が増大をし、例えば帰国子女の受け入れを含めて
大学の
国際化でございますとか、あるいは生涯教育の観点から
社会人の受け入れを積極的にやっていくというようなことでも、それらを
弾力化していくというようなことで
対応してきておるわけでございます。
具体的には
昭和四十五年以降、
大学設置基準の
改正については既に数次にわたりまして
改正等を行いまして、
制度の
弾力化を図り、さらにまた
大学入学資格についても拡大をしてきております。
なお、
昭和五十九年度におきましては、期間を付した入学
定員増についての専任教員数、校地
基準の緩和あるいは
大学の通信教育の聴講生が
大学の通信教育の課程に入学した場合の特例でございますとか、
先ほど大臣もお答えしました
大学教員資格の拡大等の
措置を講じているわけでございます。
若干
項目的に申し上げれば、
一般教育の
弾力化については、
一般教育科目として修得すべき単位数について、従来、人文、
社会、自然の三分野から各十二単位を修得するということでございましたものを、それぞれ三分野にわたって三十六単位を修得すればいいというようなことにしたこと。それから総合科目ということで、二以上の学問分野の
内容を総合して編成された授業科目の開設を認めるというようなこと。あるいは
一般教育科目として修得すべき単位の一部を、外国語科目、基礎教育科目あるいは
専門教育科目の単位でかえることができるというようなことなどがございます。
それから単位の互換
制度の実施でございますが、これは四十七年以来、学生が他の
大学の授業科目を履習することを認めて、そこで修得した単位を当該
大学において修得したものと見なすことができるというような
制度でございます。
それから教育
研究組織の
弾力化としては、学部にかえて学部以外の教育
研究上の基本となる
組織を置くことができるようにしたことがございます。
入学時期の
弾力化の問題については、従来の
大学の授業期間について二学期制のほかに三学期制もとれるようにし、さらに入学時期について学期の区分に応じて学生を入れさせるというようなことで入学時期を
弾力化するというようなことも実施をしております。
入学資格の点では、国際バカロレア資格を採用するというようなことで入学資格を認めるというようなことで、国際的な観点から入学資格についても弾力的に取り扱うというようなことなどを実施しております。
教員資格の
弾力化の点については、
先ほど大臣からも御答弁申し上げたとおりでございます。
以上のようなことで、それぞれ実施をしてきているわけでございまして、例えば具体的な単位の互換の
制度について若干現情を御
説明申し上げますと、
大学における単位の互換
制度は
先ほど申し上げたようなことで、
制度としてそれぞれ導入をして各国公
私立大学間で逐次採用が広がってきておると。
大学院の間あるいは海外の
大学との交流はかなり活発になってきておりますけれ
ども、まあ国内の学部段階では必ずしもまだなお十分ではないというような現状ではないかと考えております。
ちなみに、
昭和五十八年度現在では国公私を合わせて百二十一
大学、学生数で千七百七十四人について単位互換が行われておるわけでございまして、これらの
制度についてはさらに短期
大学相互間及びあるいは
大学と短期
大学間にも今広げておるというようなことで、これはそういう
意味でそれらの
制度が広がっていくということはなかなか時間を要する点もございますけれ
ども、
大学の
制度の
弾力化の
一つとして具体的な点で御
説明を申し上げたわけでございますが、総じて言えば、
制度的には相当積極的な姿勢で取り組んできておりますが、なおそれを実効あらしめるためには
大学人みずからそれぞれの
大学において積極的な取り組みをしていただくことも必要なことではないかと、かように考えております。