○藤原房雄君
状況の違いとか意識の相違とか、確かにそれはあるんだろうと思いますが、意識あるいはまた
状況が変わっているという中にありましても、やはり今日まで続けてまいりました仕事を転換するというのはそれは大変な勇気の要ることであり、
状況が変わったからさっとほかのものにかえるというわけにいきません。やはり
一つの業種としてそれに携わる以上は、その中で何とか生きていこうということで大変な自主
努力をする、しかしそういう自主
努力ではもう今日、こういうアメリカにもソ連にも、このような新しい時代を迎えますと、対処、対応し得ないような
状況を今日は迎えているんじゃないか。
意識は、確かに五十二年、五十三年の当時とは違うのかもしれません。しかし当時よりは、ずっとここしばらくの間、減船、共補償、いろんなことで業界としましても降ってわいたような話ではないのかもしれませんけれ
ども、危機的なそういう
状況を迎えながら、いつどうしようかと迷いながら、しかしやってきたことだということで今日まで続けてきたのではないでしょうか。
そういうことでは、関連するサケ・マス、北洋に関連する二十万とも言われる方々、また大変な借財を背負って何とかそこで一旗、一旗というか、挽回しようという、そういうことで今日まで営々として続けてまいりました方々、またその他城に及ぼす経済的な問題、輸送業やそのほかのいろんなことに携わる方々、こういう方々等を
考えますと、地域として、たまたま北洋問題、またアメリカ、ソ連との漁業交渉の中でこうあったということではなくして、これは地域問題としても大変な問題だろうと思うんであります。ぜひこれは国務大臣という立場からひとつ農水大臣、これらの問題については真剣にお取り組みをいただき、適切な対処をひとつ
お願いを申し上げたいと思うんであります。
もう時間もありませんから、最後に、こういう遠洋漁業、今までの公海、それから他国の二百海里内、こういうところでの規制というものはだんだん厳しくなる、勢い沿岸漁業の
振興というものもしっかりしなければならぬだろうと思うんでありますが、これも公共事業の一割一律カットですか、こういうことで、現在進めております第二次沿岸漁業整備
計画や第七次漁港整備長期
計画事業とか、新沿岸漁業構造改善事業とか、いろいろ事業をやっているんですけれ
ども、ところが遠洋で締め出されるということとともに、国内的な整備というものも補助金の一律カットということで進んでいないという、進捗率を一々お聞きしなくとも大体わかっておりますけれ
どもね。
こういうことで、私は
米価についても麦価についても思うんですが、いわゆるいろんな
方式で算定をしますが、米も単年度
需給ということで今までかかっていたお金がかからないように、できるだけお金をかけないようにしよう、それは当然そういう合理的な運用というのは必要でありますけれ
ども、しかしそれは米なり麦なりの安定的な推進のためにそういう合理化されたお金が投資されるという、本当に再
生産のためにそれが大きな力を発揮するということならよろしいんですけれ
ども、削ったら削っただけということで、それが基盤の確立というものに何の寄与もし得ないというところに問題があろうかと思います。何せ、
農業、漁業、林業いずれもミッテランのあれではございませんが、非常にひ弱な分野という、こういうところでありますから、他産業並みなことをしましてもなかなか再建というのは難しい。日本の国もこういう国際的不況の問題で、日本だけでどんなに力んでも解決し得ない非常に厳しい
状況の中にある。
魚を副食として、重要な動物たんぱく源として今日まで参りました日本食の中で占めるウエートというのは非常に大きいわけでありますけれ
ども、それを
供給するためには当然この沿岸漁業、これらの
政府の立てた施策というものを着実に推進すること、こういうことが大事なことになるんだろうと思います。農水省ももう予算がどんどん削られっ放しということじゃなくて、一方が削られたら別な面でその補うべき施策というものがちゃんと芽を出すというような次善の策が講じられなきゃならないだろうと思います。同じことを
今後続けるわけにはいかない非常に大事なときを迎えているだけに、この沿岸漁業の整備
計画、漁港の整備
計画、こういう問題につきましてもぜひ来年度の予算、いよいよこれからまたいろいろ審議され検討するときに参りましたが、林業の活性化のためにいろんな施策をすることになりましたが、漁業もより以上に重要なウエートを占めているということで、この問題については大臣に一層のひとつ御
努力をいただきたいということを申し上げて、大臣の所信を承って終わりたいと思います。