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下村泰君 先般の
委員会のときに、私はこういう
質問をさせていただきました。二つの
年金がもらえるものと喜んでいたものが、今回の
改正によりまして
一つの
年金しかもらえないという新聞の記事、私はこれを
質問させていただきました。
厚生年金など
国民年金以外の
年金制度に加入している人が障害者になって退職した場合、障害
年金を受給しながら
国民年金に
任意加入できる、加入すれば通常六十五歳からその
期間に応じた
老齢年金をもらえたのが、
改正案では、併給を認めないためにどちらか
一つを選ばなければならない、こういうふうになっております。そして、
老齢年金の方が有利という人はほとんどいない。したがって障害
年金の方になる。それでは
国民年金に掛けていた人はどうなるのかということをお尋ねさせていただきました。それに対して
年金局
年金課のお
答えは、「障害の
程度が軽くなったり、内部性疾患なら治ったために失権(障害
年金がもらえなくなる)する人が出てくる
可能性があります。そういう人のために
老齢年金を残しておく必要があったわけです。つまり
任意加入を認めたのは、二つの
年金を
支給するためではなく、無
年金者を救うというのが基本的な
考え方です。障害の
状態がずっと続いた場合は”結果的に”二つの
年金がもらえるということであって、それが目的ではなかったという点を
理解していただきたい。”掛け捨てになる”というお気持ちはよくわかるのですが……」と、こういう
年金課のお
答えなんです。これをたまたま先般
質問させていただきました。これを取り上げさせていただきましたときに、この
委員の中に田中正巳
先生がいらっしゃいます。田中
先生は元厚生
大臣の経歴のある方でございます。田中
先生が、いやそれは気がつかなかったな、随分細かく勉強してみたつもりではいたけれ
ども、そこには気がつかなかった、こういうお言葉をちょうだいしました。別に、元厚生
大臣が言ったから何としても責任とれと言うんじゃありませんよ。たまたまそういうお話を伺ったときに、なるほどな、立案者側の、これをそしゃくしている側の政府与党の
委員の中にも、なるほどそこには気がつかなかったなとおっしゃっている方もいるということを今例に挙げたわけです。
それで、パーキンソン病にかかっていらっしゃる方々ですね。全国パーキンソン病友の会、こちらの方から事例を出していただきました。神奈川県にお住まい、五十歳の男性、仮にAさんとしておきます。この方は、パーキンソン病により退職し、四十一年四月より
国民年金に強制加入し、五十九年九月まで
保険料を払い込んでいます。この間、五十四年一月に
厚生年金の障害
年金の
給付が決定され、現在に至っています。障害
年金の五十九年度
受給額は六十八万九千八百八十三円です。
国民年金の払い込み
保険料の合計額は四十三万五千八百七十円。ただし四十一年度より四十五年度までは、受領印だけで払い込み受領書が保存されていないため全額が不明であります。それでこれは含まれておりませんが、四十三万五千八百七十円。これはAさんの場合。Bさんの場合、この方は大阪府の五十歳の男性の方です。この方もやはりパーキンソン病により退職し、五十四年七月より
厚生年金の障害
年金を受給し、現在に至っております。この間、老後の生活設計のため五十七年十月より
国民年金に加入し、五十九年十二月まで
保険料を払い込み続けております。障害
年金の五十九年度
受給額は九十万六千三百三十二円です。
国民年金の払い込み
保険料の合計額は十五万七千二百六十円、これだけ払い込んでおるわけです。それで先ほどの
年金課の方のお
答えがこうなってくるんですけれ
どもね。
私はつまらない神経の働く人間で、例えば
厚生省、その「厚生」というのはどういう
意味だろうと広辞苑を引いてみた。そうしたら、「厚生」ということは、「健康を維持または増進して、生活をゆたかにすること。」、「
厚生省」というところには、「社会福祉・社会保障・公衆衛生の向上増進を任とする中央行政機関。」、そして
厚生省の省」というところだけ見ますと、「はぶくこと」というんですね。省略の省なんです、これは。省かれちゃ困るんだ、これは。そしてまた、官庁あるいは宮中という
意味になるんだそうですな。「中国で、唐代以降の中央官庁」のこと、また、「一八六九年(明治二)の官制改革で設けられた中央行政機関」と、こういうふうに広辞苑に載っていました。
これ、
大臣にいきなり伺います。
大臣は、「社会福祉・社会保障・公衆衛生の向上増進を任とする中央行政機関」の最高の長でいらっしゃいます。そうしますと、今のこの方
たちの、これないがしろにされていいものなんでしょうかということなんです。先ほどお話しましたように、
厚生省の
年金局
年金課は、こういう
答えを新聞の活字で
答えています。活字になっております。これで済むことなんでしょうか。先般もお伺いしましたけれ
ども、なおもう一度私は詰めてお伺いしたいんですけれ
ども、こういう方
たちを救済する方法をお考えなのか、お考えでないのか。先ほどの広辞苑のように省いてしまうのか、それとも省かないのか、ここのところをちょっとお
答え願いたいと思います。