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栗林卓司君 ぜひその方向でよろしくお願いをしたいと思います。安くできるんだからいいじゃないかという見方もありますけれども、灰が降ってきたところから引っ越すわけにいかぬというつらい思いでいる住民の
皆さんを考えますと、ぜひ、鋭意その方向でお進めいただきたいと思います。
では、
長野県の
地すべり問題なんですが、先日
委員会で
現地を視察してまいりました。そのときに、市長さん、県知事さんにお目にかかったんで。すが、市長さんから言われた言葉が妙に耳に焼きついているものですから、その点を取り上げてひとつお尋ねをしたいと思います。
これが
長野市長から寄せられました陳情書なんです。中を見ますと、「
災害復旧について」とあって、「埋没宅地の
復旧に関連するたい積
土砂排除」とありまして、後段のあたりで、「なお、都市
災害としては、まれに見る大
地すべり災害であり、
被災住民も原形
復旧ができない場合には、
被災宅地の買収を要望しておりますので、この点につきましても特段の御配慮をお願い申し上げます。」、このことを御説明になった後で、H鋼の内側の膨大な堆積した
土砂を取り除くというと、今一生懸命見積もりの作業をしておりますが、べらぼうに金がかかる。いっそのこと買い取ってしまった方がよっぽど安く上がるんではないか、そう思ったりするんだけれども、現在の法
体制ではできないので、やむを得ず原状
復旧という形で見積もり作業を進めております、こういったお話があったんです。
この点についてお尋ねをしたいんですが、もともとここは県の
企業局が
実施をしたわけですね。一般の宅地造成ですと、県の認可を得て造成するわけでありまして、しかもそれは
建設省令にのっとって認可をするわけなんだけれども、認可をする県の
企業局がやった宅地造成がこういう
地すべりに見舞われた。これは、その事態が
見通し得たかどうかという話は別にしまして、俗に言って、随分罪の深いことをしたな。この際の
復旧というのは、一体どうなんだろう。
復旧というのは、こうしたことがわかっていたら第一買わなかった。その買わない状態に戻すのが本当の
復旧ではないかという気もいたします。
今、私がここでお尋ねしたいのは、小
規模の
地すべりあるいはがけ崩れの場合には、原状
復旧ということはよくなじむと思うのです。大
規模の
地すべりの場合、原状
復旧というのはなじむんだろうか。地形が変わってしまったと見た方が実態に合うんではないか。これまで、私が
委員会で参りましたときには、たまたまかんかん照りが続いていたものですから、その後の
地すべりの進行はとまっておりまして一安心ということだったんですが、さてこれから来年、再来年と見ながら、あの大
規模な
地すべりが今後一体どうなんだろうか、依然として不安は去らないと思うんです。したがって、とにかくあの
地すべりの
被害を大きくさせないためにまず
対策を打つ。これは何をさておいてもしなければいけないと思うんですね。既に
地すべりが起こってしまった状態というのは、大
規模であればあるほど、
復旧という言葉になじまないんじゃないか。逆に言うと、そういったぐあいに地形が変わっちゃったんだ。あの
地すべりが起こった
原因については触れません。起こった後の判断としては、ああいう地形が変わってしまったんだということを念頭に置いて
対策を講ずるのが、正確に言いますと、
対策を講ずることも選択肢の一つではないんだろうか。
国土庁でも
建設省でも結構でございます、その辺の基本的
考え方をお答えいただきたいと思います。