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青木薪次君
道路特定財源の問題についてはまた別に後で質問いたしたいと思っておりますが、今も
官房長から話のありましたように、
特定財源確保という問題は、
社会資本の
整備から考えても、あるいはまた
景気浮揚というような
立場から考えても、これは極めて重要な問題だと思っているわけでございます。
特に、
政府の
公共事業費の
抑制措置によって、
建設省関係の
各種五カ年
計画の
進捗状況が
計画から非常におくれていると思うのでありまして、この点について、これはもう既にどうしてもこの
水準でいくんだということを決定いたしてまいったのでありますが、
建設省の
関係の対
大蔵との
折衝の
過程における
資料だと思うのでありますが、
下水道の
関係、これは五十六年から六十
年度の五カ年
計画十一兆八千億円が五十九年末で五九・一%、それから六十年末の
要求基準でいきましても七二・三%の
進捗率になっているわけでございます。
公園が二兆八千八百億円、これが五十九年末で六〇%、六十年末七三・三%。海岸が同じく九千三百億円、六五・四%が五十九年末、八一・七%がこの
計画の
終年度における
進捗率になっております。
住宅が七百七十万戸で、これまた五九・九%が五十九年末、六十年末で七四・六%。
交通安全施設が、これまた九千百億円で五十九年末が六九・三%の、六十年末で八六・九%。
治水対策が五十七年から六十一年までということで、これが五十九年末で四六・三%、六一・四%の
終年度の
達成率。
道路が、五十八年から六十二
年度の第九次五カ年
計画だと思うのでありますが、三十八兆二千億円、五十九年末で三四・五%で、六十年末に五一・四%。急
傾斜地対策が五十八年から六十二
年度まで五千五百億円で、五十九年末が三二・二%で、四八・八%が六十年末の大体
達成率ということになってまいりますと、これは今も話のありましたように、
公共事業費が
昭和五十五
年度以降連続して
抑制されたと。
したがって、
道路、
治水、
下水道、
公園等の
重要事業に
事業費が
確保できなかったということから五カ年
計画の
進捗が非常におくれて、引き続いて
抑制予算のもとでは、テクノポリスだとか
関西新
国際空港等の
新規重要施策にかかわるところの
予算が本当に達成できないのではないだろうか。したがって、
民間活力を活用いたしました再
開発事業等についても
計画の実施がなかなか困難であるということになりますと、これは絵にかいたもちになってしまう
可能性というものがあるのであります。
私は、その点から
各種の
社会資本整備水準の
国際比較を見たのでありますが、
下水道の
普及率が、
日本は昨年、一九八三年をとってみると三二%、それから
アメリカは一九七九年、今から五年前をとってみて七二%、
イギリスはもっともっと前の八年前をとってまいりましても九七%、
西ドイツが八八%、
フランスが六五%と、こういうような形になっております。一人
当たりの
公園の
関係は、
日本が二・一平米、
アメリカは何と四十五・七平米、それから
イギリスが三十・四平米、
西ドイツが二十六・九平米、
フランスが八・四平米、こういう実態でありまして、
道路の
舗装率についても
日本は五〇・七%で、
アメリカが八五%、
イギリスが九六・四%で、
西ドイツが何と九九%、ほとんど舗装されている。
フランスが九二・四%。これが
世界第二位のGNPを誇る
日本の姿であるということになると、大変悲しい姿ではないだろうか。
第二次
世界大戦でそれぞれの、ヨーロッパなんかは特に破壊され尽くしてしまったわけでありますが、その後の
努力でこのように
社会資本を造成してきたということになりますと、確かに今、
財政の
改革というような
議論というものはあったにいたしましても、何とも寂しい話だし、悲しい思いさえしてくるのでありますが、この点について
大臣、あなたのいろんな談話をあちらこちらで拝見いたしているわけでありますが、
国民生活に密着した
社会資本の
整備は今後とも長期的な展望に立って進めていくと、これはこれなりにわかるわけでありますが、
行政改革と
財政再建という
政治課題を踏まえつつ、
産学官民の共同で
知恵を出し合いながら、
事業費がなければないなりに、
計画的、効率的、効果的にどっかを
一つやればいい。見方によれば、
関西新
国際空港の場合におきましては、運輸省が一兆五千億で
建設省は何と二兆五千億出さなければならないということになりますと、これは一度に出すわけじゃありませんけれども、少なくともそうなればほかの方の
社会資本の
整備のおくれというものが目立ってくる、打ち出の小づちを持っているわけじゃございませんから。
そういう
意味で、大変言いにくい話でありますが、あなたは
総裁派閥の中にあって、しかも
新聞によれば
中曽根総理の
秘蔵っ子中の
秘蔵っ子だと、こういうように言われているわけでありますが、あなたの
大臣としての
姿勢については、やはり
皆さん、
国民ひとしく
木部さん何と言うのか、どういうことをやるだろうかということをかたずをのんで私は見ていると思うのでありますが、その面で、私の今申し上げました
資料をもとにいたしましたこの
考え方のもとに立って、もう一度
大臣、ひとつ
決意のほどを示していただきたいと思います。