○黒柳明君 そうするとレーガンさんの熱意に負けて何となくイエスと言わざるを得なかったわけですね。ただ今までの国会で、冒頭から、衆議院の予算からこの問題が熱を吹いたわけですから、ワシントンの出先の人は一生懸命やはり国防総省か何かからいろいろな意見を聞いているし、報告は当然あっているかと思うのですけれども、
外務省の人からもいろいろな党としてもレクチャーを聞いておりますし、ただ正式にこれから、きのう事務次官が総理のところに行って
説明を求めるためにアメリカから
派遣してもらう、こういう
要請をした。こういうことですが、正式に
要請して
説明を聞く。その中で
一つ忘れてはならないのは、やはり材料が持ち合わせがなかったけれども、研究に対しては理解をした。レーガンさんの情熱に対してはある意味では理解した。ですけれども、三項目じゃなくて、四項目ですよ。対ソということが入っているわけです。これはもう米ソの宇宙核競争の何物でもないわけなんです。ソ連からの核に対してアメリカがどういう構想であるか、どういう
考え方であるか、それを撃ち落とす、こういうことですから、この研究についてコミットしたことについては当然冒頭ソ連からクレームのつくことは間違いないのでありまして、ですからこんなことは釈迦に説法ですけれども、研究に参加するという理解を示しただけでもやはりあれだけソ連から反発があってせっかくこれから日ソ間というものはうまくいきたい、うまくいかせよう、これは
外務大臣がもう先頭切ってこれからやるわけです、やらなければならぬわけです。
説明を聞く、この
説明といったって今
外務大臣の感触で私は
判断すると全くアメリカだって長期的なもので、そんな具体論は持っていなかろう。その
説明を受けるということだってソ連から反発の声が入っております、
大使館あたりからは。それについてどういうアクションを起こすかあるいはそれを聞いてからワインバーガーのあの参加
要請に対して答えを出す、こういうことは、
外務大臣けさの
新聞報道で出ておりましたけれども、これはもう本当に慎重にしませんと、アメリカの核抑止力の中に
日本はいる、あるいは巻き込まれる、こういう論議が今までさんざんあるし、今も消えないわけです。ところが今度は対ソ核戦略の中に、アメリカの戦略の中に完全に
日本は民間企業であろうとそれに参加するということになるわけです、これに理解を示せば。だからあれほど核を人質にとっておる西ドイツだってワインバーガーさんからじかに
要請を受けてもちょっと待ってくれ、こういうことで保留の態度をとらざるを得ないわけでありますから、まして
日本はアメリカの核戦略の中に組み込まれているということは現実であっても、そんなことはない、抑止はあるんだけれども、そんな組み込まれてはいない。こういうふうにはっきりと正式の場では拒否しているわけでありますから、今度は研究に理解を示し、さらに
説明を聞く、
説明を聞いてこれに何らかの理解を示す、あるいはこれに参加するとなったら、ソ連と米日と、あるいはそれに理解を示した西側諸国と完全に核では競争し合っていく。こういうことに常識的にはなるのでありまして、だから私
たちは慎重にしなければならない。参加は反対だよと言わざるを得ない。こういうことなんですが、ひとつ向こうからの
説明人の
派遣を
要請した。この
時点については
政府として今
外務大臣のおっしゃったようにそれは決まった。じゃあこれから来る、それから後ともかく聞いてみなきゃわからない。聞いてみるといっても非常に漠たるものであろうということは今から想像できるんです。シュルツさんに聞いた、大統領に聞いた、そういったって、長期的に漠たるものが、一
説明員が来たといったって、今までの雑誌やなんかで皆さん方がとっているその
情報以上のものを、まず私は報告するはずはないと、こういうふうに思うんです。ですから、今現在とほとんどニアイコールじゃないかという感触も私
たちは国防総省のいろんな人から聞いて得ているわけです。そうなると、やっぱり
説明を受けて正式に
日本は聞いちゃう、この
時点から後は返答を待つだけなんですね。返答をしなきゃならない、こういう迫られた
立場になるわけです。それまではわからないわからないですけれども、その後さてどうするかということについて、これは非常に日ソ間について重大局面に発展するという
可能性があるんですけれども、これは
外務大臣、
外交当局はこんなことはもう百も考慮して、
説明員を呼ぶ、こういう正式な
要請をしているんだと思うんですが。済みません、変な話を長くしましたが、
外務大臣いかがでしょう。