○藤原房雄君 テレビのような不特定多数というそういう形じゃなくてシンポジウムのようなこととかそういうことに、運動論というか、運動を展開したというか、これはただ
予算のつじつま合わせということでは決してないのだろうと思うのです。それは総枠の中でのことですからわかるのですけれども、どこをどうするかということになりますと、今まであったものがなくなるという、それが
啓蒙宣伝に集中的にということになりますと、じゃ当面する問題としてその中の柱は一体何にするのか。確かに副読本はそれなりの、シンポジウムはそれなりの大きな効果のあることは間違いありませんけれども、そういう運動論において何か方針なり何なりというものはここでひとつ再考していこうという上での
予算なのかどうか、こんな気持ちがあったものですからちょっとお伺いしたのです。
聖域なしという
予算の中だということですけれども、しかし
長官、防衛費には聖域はあるのでございまして、これは
北方領土にも聖域をつくっていただきませんと、わずかな金額で、何億なんていう単位で私は減っているなどと言っているのじゃなくて、何百万という単位なものです。しかし、この中で全体縦枠としては一・二%も伸びておるということですからあれですけれども、国民世論として大いに県民
会議やいろいろなものをつくってやっていこうという非常に盛り上がりをつくり、
北方領土の日までつくって、そしてその方向に進みつつある。この方向性が出たと思うとすぐ手を引いて二階から落ちなきゃならないみたいな形では、ちょっと緒についたという感じですから、その点十分に勘案していることだと思うのですが、どうも今回の
予算を見まして、一生懸命頑張ったという総枠の中での話もありますけれども、全体を見まして緒につきつつあるものがこれで着実に進んでいくのかどうかという危惧も抱かざるを得ないという私どもとしては不満といいますか、心配する面もあるのです。
これは
北方領土というと沖縄と対比していろいろなことが言われるわけですけれども、沖縄は現実に百万を超す
方々がいらっしゃる。
北方領土には四島だれもいらっしゃらない、こういうことでいろいろな議論をしておるわけでありますが、そういうことから周辺住民の
方々また元
居住者、漁業権者、こういう
方々に対する政策というようなことが待たれるわけで、ここがある程度生活基盤というものをきちっと確立いたしませんと、島よりも魚なんというこういう風潮に流れていくようなことがあってはならぬ、そういう非常に危機意識みたいなものがありまして、
政府としても法律をつくって、またこの周辺の問題については
一括していろいろ目を通していこう、
基金をつくって推進していこうということになったわけです。
私は、やはり団体をつくったりいろいろなことをするということも大事なことですが、
北方領土を見に年間相当な
方々がいらっしゃる、さらにまた、根室の方から全国へキャラバン隊を出す。こういうことでいらっしゃる
方々は
観光を
中心にしていらっしゃる方、こちらからはPRということで出す、こういうことをやっているわけですけれども、最近ずっと見ますと、高校生の修学旅行なんか随分
北海道へ来ております。名所旧跡を歩くとか、温泉地を歩くというのは修学旅行の大体のコースになっているのですけれども、
北方領土に関連する町村とかその地域は文部省推薦じゃないけれども、
北海道の道東へ来たらそちらの方へ足を延ばす。
それから、高校のいろいろな競技大会の全国大会みたいなものがあるのですけれども、高校は根室にももちろん長い歴史を持った高校もございますし、根室、標津とずっと高校があるわけですけれども、そういう全国的な大会を開くとか、こっちから
啓蒙宣伝という意思で出かけていく。実際、現地を見てこようという
方々の
啓蒙宣伝ということも大事なのですけれども、自然の形で修学旅行とかそれから競技大会とか、そのほか文化、芸術でもよろしい。最近はいろいろな施設もできたようでありますけれども、そういうことでそう大きなことはできないかもしれませんけれども、そこで全国の若い
人たちが集まる。そのときにさりげなくといいますか、そこまで来たのだからということでやる。
啓蒙宣伝の仕方というのは、何かかみしもを着てさあ宣伝するぞというこういう形のことばかりで、もっと自然の流れの中でいろいろなことが工夫できるのじゃないか。そういうときに、根室へ修学旅行に来たときには宿泊費はどうするとか何かこういろいろなことを考えてみたらどうかなあという気もするのです。
さらにまた、体育大会については、これは地元でいろいろな援助をするとか、多くの
方々がそこに来てその現状、現実、やはり遠くで活字で見るなんということよりもそこの場へ行って見るということは、一番実感として真実味が出てくるのじゃないか。特に高校生、大学生という若い
世代の
方々は感受性が強い、こういうようなことも非常に思うのです。今後こういう問題についてもう少しどういうことができるのかということで検討したらどうかと私は思うのですが、どうでしょう、
大臣。