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対馬孝且君 これも後でも申し上げたいと思ったが、申し上げますけれ
どもね、私は、これを機会に
保安総
点検を、これは単に山に今言った局長の
指示だけじゃなくて、
操業を一時停止して。特に
ガス山といわれる山を限定するとかしないだけでなくて、
ガス抜きボーリングを一斉
点検をやってみたらどうかと、私は、後で申し上げます、これは
操業を一時停止をして
ガス抜き総
点検を一回やる必要があると。何もびたっととめるとか言っているんじゃないんです、私も
炭鉱マンですからよく知っていますけれ
ども。だから、やり方が、いま一歩強化
対策として、後で申し上げますけれ
ども、
ガス抜きが十分でなかったんではないかという感を深くするだけに、そういうこともこれから
対応すべきであろう、こう思っています、これも後でひとつ申し上げますが。本当に残念なことに、あそこで私は二度このことを繰り返さないと言ったことが、結果はこういう現実になってしまったということを全く返す返すも残念に思います。
そこで、大
夕張災害につきまして、私もすぐに
現地へ飛びまして、それなりに、ぎちっと実態をつかんでまいりました。また、今回の大
夕張災害につきましては、村田通産
大臣がいち早く
現地に飛んで、それなりの
現地対応をし、また人心の動揺に対しまして
大臣としてこれからの石炭産業における影響等について確信あるお
答えをしたということに対して、私は敬意を表したいと思います。
そこで問題は、私も随分今まで三十数年間
炭鉱事故に必ず
対応して
坑内に入り、私なりに経験をしてきたんでありますが、今回のこの大
夕張災害というのが非常に疑問点が多いという点を感じざるを得ません。幾つか、時間もあれですから、私は現実にまだエネルギー特別
委員会として
調査に行ってないわけですから、
調査に行った後にもう一度エネルギー特別
委員会を開くと思いますから、
調査の結果に基づいてまた開いてもらわなきゃならぬと思いますし、まず、とりあえず早急に
現地調査をしていただくということで、先ほど理事会で二十七日
現地に派遣をするということが決まったようでありますから、それでひとつ
対応することになりますが。
そこで、いろいろマスコミが、私も随分持っています、全部見ています、説があるんですが、いろいろな
問題点が出されているんでありますけれ
ども、私は第一にこの問題について、一体今回の
災害の特徴というか
問題点というのをどういうふうに考えていくべきかということを労働組合、
会社、
保安監督局、私も何人かの方に直接
現地で聞いてみました。率直に申し上げますけれ
ども、これは渡辺教授の説が我々
炭鉱を経験した者としてはこれは一つのやっぱり考え方だと思います。私はここに今回感する点があるんです。
これを要約しますと三つ考えられるんですよ、この
問題点を整理してみますと。第一は、マスコミなんかでもいろいろ出ているんですけれ
ども、
炭鉱の
現場の言葉の使い方、何といっても誤解をよく招く点もあるものですから、この機会に整理しておきたいと思うんですが、やっぱり一つは
ガス突出ですね、
原因として考えられることは。
ガス突出という場合は、これ御案内のとおり、メタン
ガスが〇・五以上から一・五の間に、大体この間も
高島炭鉱の僕は爆発のメタン
ガスの係数というのは大体力ないし一〇であったろうと私この間申し上げましたね。大体同じ一〇%前後だろうということを後で伊木
先生も言っています。私は、そういうふうに思ってまいりますと、この
ガス突出の現象だとするならば、第一の問題は、これやっぱり
坑内火災が起きている。なぜかというと、あの
現場に入ってみて、
現場というか
現場の略図を見てわかったことは、あすこに、八片、七片の右手の方に、これは沿層掘進かかっているんです。これは
炭鉱用語ですから、岩石掘進という、掘進には
二つあるんであって、掘進というのは採炭
現場をつくる、先行する
現場をつくることを掘進というんです。これ、先行する掘進
現場が二種類ありまして、岩石掘進と沿層掘進がある。ところが、八片、七片のあの図面を見ますと、ちょうど沿層掘進が一本入っている。この沿層掘進にもし、発破が三時五分に、
会社に聞きましたら三時五分に発破をかけたと、こう私に言っています。だから第一点は、その沿層掘進によって発破をかけた後における現象として
ガス突出をするという例はこの前も幌内
炭鉱の例もありますし、遠くは雄別
炭鉱の例が私は経験しております。
ただ、今回は
ガス突出ではないという印象を受けるのは、そうであれば当然
坑内火災が起きなきゃならぬ。炭じんと、沿層というのは炭じんと石がまざって砂利みたいになっておって、そこへ発破をかけるわけですから、えぐるわけですから当然これ炭が噴き出すんです。そこで当然
坑内火災が生ずる、これが
ガス突出現象なんです。これは最悪の
事態でありまして、したがってこの場合はやっぱり炭じん爆発になり、ひいては
坑内に水を入れる、これがこの前の
夕張新鉱であります。これを見ますと、
ガス突出という現象は今どうも考えられないということが一つですね。
それで第二の問題はどういうことが考えられるかといいますと、
ガス湧出であります。つまり断層があって、じわじわと
ガスが出てきている。じわじわと
ガスが出てきて一定量、さっき言ったように、メタン
ガスの〇・五から一・五の間の、
高島で私申し上げました、先ほ
ども申し上げた、大体一〇%前後でバンといったという
状態が一つ考えられますね。ところが、じわじわといったとすれば、これは後から申し上げますけれ
ども、いわゆるセンサーが、
ガスを感知するセンサーが百十五カ所にわたってるんです、これ
現地で全部調べましたが。そうすると、少なくともセンサーである
保安感知器が、これは完全に作動してないんだと、それはもう全部電波に、集中監視システムに全部出てきます、全部。だから、そういう
状態ではないのではないか。やっぱり今言った湧出による爆発現象ということはちょっと断定しがたいという点が第二であります。
そこで、第三の問題なんでありますが、これが、まあ渡辺教授と私と大体一致する点があるのでありますけれ
ども、やっぱり断層がずっと走っておりまして、あすこに、走っているという意味はどういう意味がといいますと、さっき言ったように、沿層掘進と岩石掘進があるんですが、あの八片、七片を通じて一定の断層が走っていると、これは
現地でも確認いたしました。したがってそうしますとこの断層から出たメタン
ガスによる、噴出による爆発ではないかと、この第三の説が私はやっぱり私の今までの経験から
判断をいたしまして、大体断層が走って、そして一定のメタン
ガスの強度になって、そして
ガス噴出がしたと、これがやっぱりこの説が当たってるんじゃないかという、そういう意味の
ガス爆発だと、こう私は考えたいわけであります。
しかし、全体を見ますと、六片の方が、七、八片の六片の方が炭車が亀裂を生じたり、炭車が破損をしたり、それから殉職者の遺体の損傷が非常に激しかったということがあるんです。だから、
現地へ行ったときも、
災害地点は六片ではないのかと、こういう説があるんでありますが、これは私はそうは思っておりません。むしろ、
災害地点として考えられることは、やっぱり採炭
現場の七片、八片にかかったあの
地点ですね、七片、八片の
区域地点がやっぱりこれは
災害の
地点であると、こう考えますと、これは私の説ですよ、これはどなたの説でもありませんが、
ガス噴出によって、亀裂
状態によって
ガスが噴出したと、そのときに、
ガス誘導管が一応走っています。走ってるんですね、聞きましたら
ガス誘導管が実際には走っている。この
ガス誘導管に対して崩落
状態があったんではないかと。これはもっとも七片、八片、今
現地で調べていますけれ
ども、かなり六片も損傷も激しかったけれ
ども、崩落はなかったというんだね。崩落はなかったが、六片はさっき言ったように遺体の損傷と炭車の十五両の脱線、あるいは炭車がへこむという、あれだけのものがへこむというのは相当強度なものだったろうと思う。その七片、八片が、これ奥地の方を私は想定しておるんでありますが、やっぱりここに崩落があったのではないのか。
ガス噴出による崩落があった。崩落によって
ガス誘導管が破裂をしたんじゃないか。問題は火源ですから、何ぼ
ガスが出ても火源がなければ爆発しないわけですから、
炭鉱というのは。火源は何であったか。静電気だ、
電気系統だ、あるいは発破による火花であるとか、極端なことを言えば、キャップランプが割れて火が出たというようなことはありますけれ
ども、ここで考えられることは、一つはやっぱり私は七片、八片の
地点でさっき言った——一説、二説、三説を申し上げてきました、
ガス噴出による崩落
状況があって、
ガス誘導管が破裂をして、やっぱり金と金とのあれですから摩擦が生じてああいう大きな
災害発生に至った、これは断定しませんよ、これは大事なことですからしませんが、一つ有力な問題として考えられることである。この説は、後段の方は言っていませんが、渡辺教授が——後段の方は私の見解ですから、前段の、やっぱり
ガス突出現象ではない、
ガス湧出ではない、したがって
ガス噴出による
ガス爆発だ、こういうことを大体説として渡辺教授がとっておるわけでありますが、第三をとっておるんでありますけれ
ども、私はそれに加えて、そのことによってこういう
状態が考えられるのではないか。そうしないと、あと考えられることは、さっき言ったように炭じん爆発であれば
坑内火災が起きるし、水が入らなかったということはこれ最悪の
事態を避けたんです。炭じん爆発が起きていない、あるいは崩落
状態になっていないというような話でいくと、どうもつじつまが合わない。じわじわじわと湧出で
ガスが出たとすれば、当然、さっき言ったセンサーが百十五もあって、これは感知していなければならない。これは
炭鉱人であれば常識のことですから、これは
炭鉱マンであればわかることであって、私はこの点が一つの重大な、いろんなことを言っていますけれ
ども、
災害の
ポイントは
そこらあたりの第三のあれではないか、こういうふうに私はこれ断定はしません、これは大事なことですから。ここら
あたりを重大な
ポイントに置いてこれから
保安調査に当たってもらいたい。この点はどういうふうに
立地公害局として
判断していますか、
判断と、まだこれからの考え方についてお伺いしておきたいと思います。