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関委員 科学技術庁長官に
お尋ねをしたいと思います。
科学技術庁長官は、我が
青森県出身の
長官でありまして、念願ようやくかなって
大臣の地位を得た方であります。私は、党派は異なるけれ
ども、我が
青森県から
長官の生まれたことを、これは歓迎する次第であります。しかしながら、国の総理たるものが皮肉にも
青森県の
核燃料サイクル基地の推進のために
竹内長官を任命したのかなと思いますと、まことに非情なものだなというものをまた反面感ずるわけであります。
そこで、私は
長官に
お尋ねしたいんですが、この
核燃料サイクル基地、とにかく千二百トンの再処理をするという再処理工場でありましたが、にわかに四百トン減じまして八百トンといたしました。八百トンにいたしましたけれ
ども、今日、東海の再処理工場の四倍であります。世界の進んだ国々においては、もう再処理工場はやめております。一番進んでいるところはアメリカだと言っていいでありましょう。アメリカは、言うなれば商業ベースの再処理工場は断念。イギリスもその方向、ドイツもしかり。ひとりフランスはやっておりますけれ
ども、これはフランスの国策というものでありましょう。国営のものでありましょう。商業的なものだとは言いかねるかと思います。
しかし、この三点セットの
適地条件というものを考えてみますときに、
青森県のあの
地域というものは最も不
適地な条件を具備し過ぎると言ってもいいんじゃないだろうかと思うんです。
空を見ますと、爆撃機が毎日のように飛ぶ、訓練をする、特別のこれは航空管制の区域であります。地上を見ますというと、これはやわらかい地盤であります。資料によりますというと、地盤のかたさがN値が四十もある、五十もあるなんというのは真っ赤なうそ。十か十二、場所によっては一もない、そういうようなN値の低いところであります。さればこそ、あの備蓄タンクをつくるときに不等沈下が随所に起きたじゃありませんか。また、使えないタンクまでできたじゃありませんか。つくればいい、つくる側に収入になればいい、こうした程度でやっているからであります。
さらに、あの
地域は活断層が走っております。活断層が随所に走る、地震の巣だと言ってもいいでありましょう。陸上を地下を走っているだけじゃなくて、下北半島太平洋沿岸三キロの沖合には百キロに近い活断層、これまた走っております。東京、東北両
電力会社は活断層殺しをしてしまいまして、湊正雄という御用学者に自分たちの資料を見せたままで、活断層はないと強弁してまいりました。私は、歴代
科学技術庁長官に、今は亡き中川
長官を初めとして、安田、岩動それぞれの
長官に、
電力会社の資料に基づいてあそこには活断層は走っていないとおっしゃいますが、その
電力会社の資料をお見せください。国は、借りてきたものだから見せるわけにはいかない、こう言って逃げる一方であります。言うなれば、核行政における、原子力行政における自主、民主、公開、これが閉じ込められたままの運営にしておいて事を進めようなんということは許されないことではないだろうか。湊正雄という方は、昨年、天罰てきめんと言えば言葉が悪いかもしれませんが、屋根の雪の下敷きになって死んでしまいました。私はつくづく、うそ言っちゃならないものだなということをこのとき感じました。天を欺き地をだまし、そうして海をばかにしたままで事を進めようといったって、これは許されないと思うのです。
そうしてもう
一つ、海。これは
我が国固有の、特に三陸沿岸は漁業の宝庫です。今、日ソ漁業あるいは日米漁業、いずれも二百海里問題で締め出しを受け、いずこに漁業の基地を求めようかというて日本は困っております。そういうときに再処理工場八百トン、これのもたらす影響というものは、あの
地域における漁業をも滅ぼしてしまうでありましょう。
そうしてやってくるものは、日本国内の
電力会社でつくり上げるところの使用済みの核燃料、国内における全原発の使用済みの核燃料をわんさと
青森県の上北・六ケ所村に持ってこようと。三千トンであります。三千トンで終わるものじゃありません。三千トンから六千トンになり、九千トンになり一万トンを超え、大体二〇〇五年には二万一千五百トンぐらいになるであろう、こう計算されております。そうなりますというと、あの六ケ所の
土地というものは、
地域開発などというものではなくて、すべて使用済み核燃料の置き場にされてしまう。低レベルのドラム缶の置き場にされてしまう。言うなれば、放射能のごみ捨て場に
青森県が今されようとしておると言ってもいいでありましょう。
どこの県も断っているものを、
青森県の知事がどこがよくてこれにほれたものか、引き受けようというのであります。地元では、働く場所が欲しい、金が落ちればいい、こう言っております。しかし、金が落ちるかもしれませんが、今も落ちるような問題について、落ちてから考えたのでは遅過ぎる。そういう意味において、空からも陸からも海からも何
一ついい条件がない。いい条件があるとするならば、先ほど申し上げた
むつ小川原開発株式会社が三千ヘクタールになんなんとする
土地を余して、これの下敷きになって今倒産しようとしておる、その倒産を救済する、それだけがねらいのようである。
もう
一つ、
青森県の知事は言っております。これが言うことを聞けば新幹線が来るであろう、新幹線が来なければこれが言うことをまた聞きませんよ、こう言って、全く次元の異なる問題を聞きやすい話として県民に言っているわけであります。いずこにも真実と誠実がない。まして科学的な根拠は
一つもない。
私は、
竹内科学技術庁長官がこの設置の許可権者であることを承知するときに、
青森県から出ている
長官であるだけに軽率なことをさせたくない、またしてはならない、こう思うわけであります。そういう意味において、ここを
適地とする根拠があるならばこの際聞かせてほしい、こう思います。