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1984-12-20 第102回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年十二月二十日(木曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 竹内  猛君    理事 青木 正久君 理事 亀井 静香君    理事 佐藤 信二君 理事 浜田卓二郎君    理事 金子 みつ君 理事 武部  文君    理事 浜西 鉄雄君 理事 草川 昭三君    理事 田中 慶秋君       伊吹 文明君    工藤  巖君       湯川  宏君    中村 正男君       松浦 利尚君    元信  堯君       小谷 輝二君    駒谷  明君       塚田 延充君    藤田 スミ君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      金子 一平君  出席政府委員         公正取引委員会         事務局経済部長 厚谷 襄児君         公正取引委員会         事務局取引部長 利部 脩二君         公正取引委員会         事務局審査部長 佐藤徳太郎君         経済企画政務次         官       中西 啓介君         経済企画庁長官         官房長     窪田  弘君         経済企画庁長官         官房会計課長  長沢 哲夫君         経済企画庁調整         局長      赤羽 隆夫君         経済企画庁国民         生活局長    及川 昭伍君         経済企画庁物価         局長      斎藤 成雄君         食糧庁次長   山田 岸雄君  委員外出席者         警察庁刑事局保         安部経済調査官 上野 治男君         大蔵省主計局主         計官      吉本 修二君         通商産業省産業         政策局商務室長 棚橋 滋雄君         通商産業省機械         情報産業局電気         機器課長    広野 允士君         通商産業省生活         産業局窯業建材         課長      新村  明君         建設省建設経済         局建設業課長  小野 邦久君         特別委員会第二         調査室長    秋山陽一郎君     ――――――――――――― 委員異動 十二月十三日  辞任         補欠選任   松浦 利尚君     元信  堯君 同月十八日  辞任         補欠選任   中川 嘉美君     小谷 輝二君   福岡 康夫君     草川 昭三君   宮地 正介君     駒谷  明君 同月二十日  辞任         補欠選任   元信  堯君     松浦 利尚君 同日  辞任          補欠選任   松浦 利尚君     元信  堯君 同日  理事松浦利尚君同月十三日委員辞任につき、そ  の補欠として金子みつ君が理事に当選した。 同日  理事中川嘉美君同月十八日委員辞任につき、そ  の補欠として草川昭三君が理事に当選した。 同日  理事武部文君同日理事辞任につき、その補欠と  して浜西鉄雄君が理事に当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  物価問題等に関する件      ――――◇―――――
  2. 竹内猛

    竹内委員長 これより会議を開きます。  理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事武部文君から、理事辞任申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 竹内猛

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、理事補欠選任についてお諮りいたします。  ただいまの武部文君の辞任による欠員のほか、委員異動により、現在理事が三名欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 竹内猛

    竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に       金子 みつ君    浜西 鉄雄君    及び 草川 昭三君を指名いたします。      ――――◇―――――
  5. 竹内猛

    竹内委員長 この際、金子経済企画庁長官並びに中西経済企画政務次官から、それぞれ発言を求められておりますので、これを許します。経済企画庁長官金子一平君。
  6. 金子一平

    金子国務大臣 先般企画庁長官に就任いたしました金子一平でございます。どうかよろしくお願いいたします。  我が国経済は、インフレと石油危機時代国民の英知とすぐれた対応力で乗り越え、諸外国に比べて良好なパフォーマンスを上げてまいりました。  我が国経済現状を見ますと、昨年春以来アメリカ経済回復を背景に着実に回復を続け、本年度に入りましても、物価安定基調が続く中で国内需要回復力を次第に確実なものとしつつ、全体として拡大を続けております。輸出が増加傾向にあり、設備投資が順調に増加しているほか、その他の国内需要も緩やかに増加しております。他面、対外面では、経常収支の大幅な黒字と長期資本収支の大幅な流出が続いております。また物価面では、卸売物価は安定した動きを示しており、消費者物価も落ちついた動きを示しております。  かような内外経済情勢のもとで、私は、今後とも適切かつ機動的な経済運営によりまして、我が国経済潜在力を生かして、物価安定基調を維持させながら内需中心持続的成長を達成するとともに、世界経済における我が国経済の地位と役割を自覚して世界経済に積極的に貢献するよう努めてまいりたいと考えております。  私は、物価の安定は国民生活基本条件であり、特に今後社会の高齢化が急速に進行する中で最も重要な政策課題一つであると考えております。今後とも物価の動向に細心の注意を払いながら、機動的な運営に努めてまいりたい所存でございます。  また、消費者を取り巻く諸条件の変化に対応して、消費者利益の擁護、増進のための所要の施策を進めてまいる所存でございます。  経済企画庁長官として、これらの課題に取り組み、我が国経済の安定と国民生活充実向上を目指して全力を尽くしてまいりたいと存じますので、どうかよろしく御支援、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。  以上、ごあいさつといたします。(拍手
  7. 竹内猛

  8. 中西啓介

    中西政府委員 このたび図らずも経済企画政務次官を拝命いたしました中西啓介でございます。至らぬ者でございますが、金子長官を補佐し、我が国経済の安定と国民生活充実向上のために全力を尽くしてまいる決意でございます。  委員長初め委員皆様方におかれましては、何とぞ御指導、御鞭撻のほどをよろしくお願い申し上げて、ごあいさつにかえる次第であります。ありがとうございました。(拍手)      ――――◇―――――
  9. 竹内猛

    竹内委員長 物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部文君。
  10. 武部文

    武部委員 きょうは大臣就任後初めての委員会でございまして、いろいろ時間の制約がございますので、改めて休会明けに具体的な問題を質問させていただく予定にしておりますが、とりあえず当面する問題について企画庁長官見解を知りたいと思います。  ただいまあいさつの中に、物価安定基調だという言葉がございました。確かに現在の消費者物価、私は、きょうはこれから申し上げるのは消費者物価だけでありますが、数字から見ますと二%台、こういう状況でありますから、かつての狂乱物価時代から見れば、まさに数字の上から見ると安定基調であるということは言えると思います。問題は、国民がその物価安定基調をどのようにとらえておるか、国民実感は一体何だろうか、こういう点が私は問題だと思います。  この委員会では常々総理府統計についていろいろな意見が交わされました。私も、総理府統計局物価の内容について必ずしも賛成できない面がたくさんあります。それはきょうはできませんが、一体国民は、今大臣が述べられましたように物価安定基調にある、したがって物価にはほとんど不満はない、このようにお考えだろうか、まず最初にこの点をお伺いしたいと思います。
  11. 金子一平

    金子国務大臣 物価が、特に消費者物価世界でも有数の安定した国であることは事実であると考えます。ただ、御指摘ございましたように、消費者物価指数全国平均的な家計消費構造に基づく客観的な統計数値でございまして、一方において、消費者生活実感として意識する物価上昇率は地域や家族構造などの違いで個人差があるということも、これは全く御指摘のとおりでございます。一般消費者物価指数より物価上昇についての実感の方が高く感じられますのは、生活実感では、生活水準向上やあるいは子弟の進学等に伴う家計支出増加物価上昇による支出増と混同して考えがちであること等によるものでございまして、特に総理府家計調査でも、中年の層になるに従いまして教育費はうんとふえておりますから、その辺は、今おっしゃったように、消費者物価指数からいえば違うじゃないかと言われれば、まさにそういう実感がすることは事実であろうと考えます。
  12. 武部文

    武部委員 わかりました。  先ほど申し上げたように、きょうは時間がございませんから私の方が発言が多くなるかもしれませんが、お許しをいただきたいと思います。  中曽根内閣再選をされましてから、その後全国紙が三紙ばかり世論調査をいたしておりました。その中で、現在の政策について不満なものは何か、やはり第一位は物価であります。これから政策に何を望むか、大体一番、二番の中に物価が入っておる。このことは我々が心して気にどめておかなければならぬ数字であります。総理府広報室昭和三十三年からずっと。「政府に対する要望」という世論調査をとっています。今日まで二十六年間毎年「政府に対する要望」がパーセントで出ておりますが、そのうちわずか三十四年と三十五年の二年だけを除いて実に二十四年間、トップ物価安定であります。物価対策政府要望する第一位、トップを実に二十四年間占めておるというこの事実を我々は忘れてはならぬのであります。そういう意味からいうと、今日確かに二%台とかいろいろなことが言われておりますが、現実国民物価問題に非常に関心を持っておるということがこの中曽根内閣再選後の三紙の世論調査数字を見ても明らかであります。常に物価に対する警戒は怠ってはならぬ、こういうふうに私どもは常々思っておるわけであります。  特に、今日一国主義ということが通用しない。したがって、我々は物価問題については、為替相場変動の問題とか原油の問題とか、ここで塩崎長官ともお話し合いをいたしましたが、ホルムズ海峡が封鎖されたら一バレル九十ドルになる、こういうことが既にアメリカ世論の中には出ておるという話もやりとりをいたしたことがあります。確かに今二十九ドルですが、そういうこともまた突如として物価問題に影響する可能性もある。さらに天候は生鮮食料品に直ちに結びつく。こういうことを考えると、物価の番人である経済企画庁はこういう問題について常に警戒を怠らぬようにしてもらわなければならぬ、これが私どもの今日まで当委員会を通じて政府要望したところであります。  そこでまず最初に、新聞にも報じられましたけれども、今度の六十年度予算について大蔵省物価対策費をばっさり切ろうとしておる、こういう報道がされました。確かに経済企画庁予算の中で物価対策費といえば、米の問題とかいろいろな問題の金額を並べ立てれば何兆にもなる。しかし、現実に直接急変する物価対策について金を使うのは本当に微々たるものである。企画庁が主になって各省物価担当者を呼んで、各省にできるいろいろな政策各省にお願いしてそれぞれの省で物価対策費を計上しておることも事実でありますが、その元締めはあくまでも経済企画庁であって、指導力を持ってこられたはずです。それが今度の六十年度予算で、新聞報道されたように物価対策費をばっさり切るということが事実とするならば、これは私が今申し上げたようなところから見ればまさしく相反するやり方だ。むしろ常に警戒するためには、いつも対策を立て、特に生鮮食料品の急変については直ちに対策が立てられるような予算を立てておって、それが余れば結構なことであります。使わなければ結構なことでありますが、その準備だけはやはりしておかなければならぬ、このように思うのです。この物価対策費大蔵省との折衝はどうなっておるか、これをひとつお伺いしたい。
  13. 金子一平

    金子国務大臣 経済政策中心物価の安定による国民政策にあることは当然でございまして、物価担当官庁として経企庁の責任の重いことを痛感いたしております。今までもこの問題につきましては最大限努力をしてまいりましたけれども、今後もこの姿勢は変えるつもりはございません。  御指摘のございました、一部新聞報道されておるような物価対策費をばっさり切るということは、事実ではない。そういう話は正式に聞いておりません。ただ、一般の範囲内においての切り込みは若干あるかもしれませんけれども、我が方としては最大限に頑張ってまいりまして、物価対策に万全を期するように、万一のことがあってもいささかも心配のないようにする構えで目下事務当局の間で折衝中であると伺っております。
  14. 武部文

    武部委員 そういうことであれば別に心配することはなかろうと私は思います。今までの物価対策費というのは、数字にも若干の変動はございましたが、毎年大体同じ水準で決定をしてきたわけでありまして、それが現実にある程度効果を上げておるということを我々は評価してきたわけですから、よもやこういうことが行われるとは思っておりませんが、こういう報道がされましたので、この機会に、国民が今の日本の物価数字に対してずれを感じておる、長官がおっしゃるように、平均数字と自分の生活とを比べたときには全く違和感があるということを申し上げるわけです。  私は長官一つ聞いてもらいたいことがあるのです。五十五年ごろだったと思いますが、授業料値上げの問題をここでやりとりしたことがございました。私はよく記憶しておりますが、当時、高校の値上げは月に八百円、大学の授業料が三千円という値上げでありました。これは久しぶりのことであったので相当論議したわけですが、このときに、一体それが国民生活にどういう影響を与えるのかという答弁を求めたところが、たしか〇・〇一ぐらいな公共料金値上げになる、これは全く話にならぬ数字だから心配ない、こういう話でございました。確かに平均でとれば、全世帯で割るわけだからそういう数字が出てくるでしょう。しかし、現実大学生子供を一人持ち高校生子供を一人持っておる家庭はどうなるかといえば、大学生は年に三万六千円、高校生は九千六百円という値上げ現実にもろにその家庭にぶつかるわけですから、これは子供たちを持っておる家庭にとってみれば大変なことなのです。その大変な家庭ということを頭に入れて対策を立ててもらわなければならぬということを私は言いました。全部の世帯で割れば確かに月に十円、年に百円だ、そんな微々たる値上げ統計上は家計影響がないということになる。しかし、国民統計生活しておるのではないのです。これは一つの例ですが、そういう点を頭の中に入れて考えなければ物価政策は万全ではないと私は思うわけです。これから米のことを申し上げますが、これも同じことなのです。  したがって、統計にあらわれる数字国民が感じておる物価上昇との間には大変大きなずれがある。このことを経済企画庁は常に頭の中に置いて政策を立ててもらわなければならぬし、そういう政策実現のために努力してもらわなければならぬ。  一つだけ例を言います。これはことしの五月の総理府広報室の「世論調査」というものですが、物価指数は、五十八年十一月に、交通費は一%しか上がっておりません。これに対して、消費者が一番値上がりしたと感じたのは何かという数字のパーセンテージは交通費で、一四%です。光熱水道は二%しか上がっておりませんが、五十七年十二月に国民が一番値上がりをしたと感じておる数字は二四%ですから、統計は二%、国民は二四%値上がりしたと感じておる。十倍ですね。これが実際の国民感覚統計とのずれだ。一つの例ですが、こういう点をぜひひとつ参考にして過ちのないようにしてもらわなければならぬ、このように思うわけです。  そこで、きのうから米審が開かれております。消費者米価と麦価の問題が論議をされておるわけですが、企画庁が農水省や大蔵省といろいろやりとりをすることが報道されております。先ほど申し上げるような状況の中で、今三・七%と報道されておりますが、消費者物価値上げが妥当なものであるかどうかについて私どもは大変疑問に思うものであります。しかも大豊作自主流通米は、しょうゆや砂糖やおまけをつけて、値下がりで売られておる。これも報道されておるとおりです。自主流通米はどんどんダンピングで売られている。こういう中でなぜ政府標準米だけを上げなければならぬか、これは消費者から見れば全く理解に苦しむことだろうと思います。そういう意味で、企画庁長官はこの消費者米価について一体どういうような見解を持っておられるか、まず最初にそのことをお聞きしておきたい。
  15. 金子一平

    金子国務大臣 御指摘のとおり、米が過剰基調にございますし、また自主流通米の安売りの現状標準米を上げるのはいかがかという感じで大蔵省農林省当局折衝をしてまいりましたことも事実でございますが、昨日三・七%の引き上げに同意いたしましたのは、財政的な見地から到底大蔵省はもたないということで、まずこの程度はやむを得ないだろう。ただし、実施の時期につきましてはできるだけ繰り下げることにいたしまして、国民生活へ極力影響を及ぼさないような努力をしたいということで、まだその実施時期についても事務的に折衝しておる最中でございまして決定いたしておりませんが、三・七%の引き上げにつきましては、昨日の昼、同意いたしました。
  16. 武部文

    武部委員 この間消費者米価が三・七六%上がりました。あのときにもちょっと問題がありました。また再び三・七%ですから、実にことしは二回、合計七・四六%も消費者米価を上げる。これは私どもとしては全く理解に苦しむのであります。先ほど申し上げるような豊作状況、あるいは自主流通米ダンピングの問題、しかも、現在都市における自主流通米標準価格米との流通の比率というのはむしろ自主流通米の方がふえてきておる、こういう状況であります。こういうときに、今長官実施時期について若干の問題点があるとおっしゃったが、数字については経済企画庁としては三・七%をおのみになったのですか。
  17. 金子一平

    金子国務大臣 これは財政的な見地もございまして、大蔵省も今大変苦しい立場に追い込まれておりますし、農林省自体もそういう状況でございますので、まあ三・七%は望ましい数字とは考えておりませんけれども、万やむを得ない。しかし、一面おいて実施時期につきまして十分配慮することによって家計への影響を極力引き下げたいということで、今審議会審議をしてもらっておる状況でございます。平年度ベースで申しますと、その消費者物価に与える影響は〇・一%、これは先ほども指摘ございましたように、それどころじゃないぞということは、言われてもそのとおりだと思いますが、平均的に申しますと、一カ月当たり世帯に対しては百八十三円ぐらいの影響があるというふうに聞いております。
  18. 武部文

    武部委員 私は時間の関係でこれだけで終わりますが、〇・一%程度消費者物価指数影響する、こういうお話であります。  食糧庁、おられますか。いつも消費者米価が上がったときにそれがどういうふうに影響するだろうか、どういう便乗値上げを誘発するだろうか、これを論争しておるわけです。三・七%消費者米価というものが上がった場合に、例えば茶わん一杯分で幾ら上がるか、こういうことがよく論争されますが、食糧庁は計算してますか。
  19. 山田岸雄

    山田(岸)政府委員 お答えいたします。  今御質問のございました三・七%の政府売り渡し価格の改定によって一食当たりどの程度上がるか、こういうことでございますが、一食当たり精米価格は、現行価格で計算させていただきますと、百グラムといたしまして三十六円程度である、このように見ておりますが、これが三・七%のアップ、こういうことによりまして、これは細かく申し上げた方がいいかと思いますが、三十六円二十八銭程度でございますが、それが三十七円六十四銭程度、プラスの一円三十六銭ぐらいになろうか、このように計算しております。
  20. 武部文

    武部委員 一食当たり一円三十六銭、家計に与える影響は先ほど長官の説明では百八十三円、これは月当たりのことでしょうね。  我々がいつもここで指摘をするのは、外食のことであります。今非常に外食利用者が多い。したがってお昼はほとんど我が家で食べない。この外食は一体どういうことになるだろうか、それは物価にどういう影響を与えるだろうか、これをやはり考えてみなければならぬのであります。皆さんが御案内のように、一円三十何銭といったって、それが外食になった場合には、五円なんというものはないんですからね、もうごらんのように十円単位です。したがって、一円三十六銭は必ず最低十円、三十円、五十円という値上がりになって外食にあらわれてくる、これはもう今までの経過がそれを裏づけておるわけです。ですから、一食一円三十何銭だから家計に与える影響は大したことはないという物の考え方で消費者米価考えると大間違い外食産業に至っては直ちに十円単位で上げていく、これは二月もたたぬうちです。ライスだけです。ましてやそれにちょっと手をかければ、三十円、五十円という値段に化けて出てくる。これは今まで何遍も言ったことですが、それと同じことがこれから起きるわけです。せっかくあなた方は物価数字が安定しているとおっしゃっておるが、本年度の第一発目に消費者米価がこういう形で値上げをされて公共料金値上げが行われるならば、そのことが引き続いて次の物価に波及することは当然であります。こういう点はどういうふうにお考えでしょうか。
  21. 金子一平

    金子国務大臣 武部先生指摘の問題、従来からいろいろございました。特に外食等で大幅な値上げがないように、この点は関係方面とも十分連絡をいたしまして極力自粛をしてもらうようにこれからも指導してまいりたいと考えております。
  22. 武部文

    武部委員 外食を行政で指導するなんということはとても、それは言うだけのことであって絶対に効果は上がらぬ、これはもう間違いない。問題は、もとを絶たなければだめなんです、長官とここで何時間やりとりしたって同じことですから。私が申し上げたいのは、こういう形で物価というものは影響がくるんだ、そのことを常に考えて、消費者米価はそれこそ本当に抑えていかなければならぬ、これが経済企画庁の任務だ、私はこう思っておるわけですから、そのつもりで。答申もまだ出ておらぬわけですから。  私は、米価審議会は全く存在価値がなくなったと見ています。あの生産者米価のときだって三論併記でしょう。三論併記で結論を出さずに答申して、これは明らかに政治加算の道を米価審議会が与えてやったようなものじゃないでしょうか。三論併記で、大幅に上げろと言う者がおる、いや小幅でいいと言う者がある、上げなくていいと言う者がある、三つ書いて出せば、子供でもだれでもできますよ。そういうことを米価審議会が鳴り物入りでやって、そうして三論併記して答申した。消費者米価のときだけ何で一致するのでしょうか。こんなばかげた米価審議会ならやめてもらった方がいい。それが今、現実に三番町で開かれておりますね。どういう答申が出るかわかりませんが、いずれ答申が出れば、農水省から企画庁長官に対して相談があるだろうと思います。  今申し上げたような点から見ると、大蔵大臣もされておりますからおわかりのとおり。ですが、今、財政の赤字があるとおっしゃいました。それは、食管法の精神は逆ざやを認めておるのですよ。食管法は逆ざやは当然認めてあの法律ができておるのですから、逆ざやがあるからどうとかいうことは、これはもう話にならぬのです。  そういう意味からいうと、国民だれしもが毎日三食食べておる米、波及効果の大きい、しかも年度の初頭に公共料金トップを切って消費者米価を上げる、これが物価影響を与えることは当然だと思う。引き金になる。しかも、先ほどから申し上げておるとおり、流通の段階は情勢が全く一変しておる。こういう情勢の中で、消費者の皆さんが三・七というような数字を一体納得されるでしょうか。私は、むしろ米離れを加速させるようなものだ、このようにしか思えないのであります。  きょうは、たまたま初めてでありますから、消費者米価のことだけ申し上げましたけれども長官は、こういう問題についてぜひ消費者の立場を代表して、物価の安定のためにも、さっき言うように国民は今の数字と全くかけ離れた感覚を持っておる、このことは常に忘れてはならぬことだと思いますし、私はこれからいつでもこの問題を取り上げたいと思っておりますが、そういう点をぜひ頭に入れて農水大臣折衝をしてもらいたい、こういう要望ですから、最後に大臣見解を聞いて終わりたいと思います。
  23. 金子一平

    金子国務大臣 武部さんの御意見、全く同感でございます。今後も、物価問題についてはきめ細かく取り組んでまいりたい、消費者の皆さんの御期待にこたえられるような企画庁の行政でありたい、政府の行政でありたいと考えておりますことを申し上げます。きょうはいろいろ、どうもありがとうございました。
  24. 武部文

    武部委員 時間が来ましたので終わります。
  25. 竹内猛

    竹内委員長 次に、松浦利尚君。
  26. 松浦利尚

    松浦委員 私は、米の話と少し内容が違ってきますが、本委員会で過去に家電業界の流通問題を取り上げまして、今日まで正常化されてきておったと思っておったのでありますが、また過去の事例と全く同じような状況が生まれてきておりますので、きょうその事実を指摘申し上げまして、行政あるいは公取等の見解を承りたいと存じます。  きょうは、公正取引委員会委員長が事件等の処理でお忙しい、こう承っておりますので、部長さん方の御出席で了解をさせていただいたわけでありますが、まず冒頭お尋ねいたします。  今年度に入りまして公正取引委員会が案件として立入調査等を行った件数が何件あるのか、そしてまた、どういう業種がその立ち入りの対象になったのか、そのことを明らかにしていただきたいと思うのであります。  なぜこのことを御質問するかと申し上げますと、あの四十八年の狂乱物価当時、国会等でも指摘をいたしました業界というものがたくさんあったわけでありますが、そういう業界が今日さらに公取のそういった立ち入りを受けておるのかどうか、私自身そういう点について委員各位に御判断をしていただくために質問をしておるわけでありますから、会社名等は結構ですから、業界等についてぜひひとつお知らせをいただきたいと思います。
  27. 佐藤徳太郎

    佐藤(徳)政府委員 お答え申し上げます。  ここ二、三年ほどの立ち入りの状況をお話し申し上げますと、まず件数でございますが、五十七年度が八件、五十八年度が十二件、それから五十九年はまだ十二月末になりませんが、ことしはもう終わりますので、六件ということになっております。  被疑の態様別に見ますと、五十七年度はカルテルが四件、再販が二件、その他が二件ということになっております。五十八年度はカルテルが五件、再販が五件、その他が二件。それからことしはカルテルが四件、再販が二件ということになっております。  それから最後に、先生の方で狂乱物価時との関係でということをおっしゃったわけでございますが、この五十七、五十八、五十九年の三年間に私どもが立ち入りをいたしましたもので、かつ四十八年度以降で見ますと二度になるというような企業が四企業ございます。
  28. 松浦利尚

    松浦委員 よろしかったら業種をちょっと教えていただけませんか。
  29. 佐藤徳太郎

    佐藤(徳)政府委員 業種といいましてもなかなか難しゅうございますが、五十九年度で申し上げますと、食料品製造業に関係するものが二業種、それから建設関係の資材に関連しますものが二業種、その他製造業に属しますものが二業種、こういうようなことになっております。以上で六業種でございます。
  30. 松浦利尚

    松浦委員 それでは一般論としてお尋ねをいたしますが、どういう基準でそうなるのかわかりませんが、あるメーカーが希望小売価格というものを頭に描きまして、恐らく自分が主張する希望小売価格以下で売っておるからだと思うのでありますが、メーカー側が小売店に行って家電製品を買い取る。そして、そのときに領収書をその小売店からちょうだいをして、その領収書をもってメーカーが家電の製造番号を調べて、その製造番号からブロックの販社を調べまして、その販社に領収書とペナルティーというのですか、乱売の責任というのですか、そういった請求をする。販社はまた、このナンバーを調べまして、自分の製品を流通させた小売業者を調べ上げまして、その小売業者から、メーカーが買い取った価格プラスペナルティー料を取る。言うことを聞かなければ流通を締める。こういう状況が今日具体的な形であらわれてきておるのですが、今のような行為、これは昭和二十二年に法十九条による同意審決が出されておるわけであります。まさしくそういう内容と類似した行為だとも思われるのですが、一般論としてで結構です、どのように御判断になりますか。
  31. 佐藤徳太郎

    佐藤(徳)政府委員 お答え申し上げます。  一般論ということでございますので、ただいま先生が御指摘いたしましたような形態の行為につきましては、独禁法上二つの被疑行為といいますか、疑いがあるのじゃないか。  一つは再販でございまして、メーカーが商品の小売価格を決定しまして、卸売店をして小売店に対してその小売価格を守らせておる、そしてその実効を確保するためにペナルティー等の御指摘の行為を行っているということでございますと、先生が今お話ししましたように、原則といたしまして一般指定の第十二項「再販売価格の拘束」ということに当たりまして、独禁法の第十九条に違反する疑いが出てくるというぐあいに考えております。  もう一つは、地域のテリトリー制を拘束するような問題でございまして、メーカ-が卸売店の卸先の小売店を特定のものに限っておって、それに違反した卸売店に対しましては御指摘のような行為を行っている、そしてそのことによって公正な競争が阻害されるおそれがあるということでございますと、一般指定の第十三項の「拘束条件付取引」に当たり、独占禁止法第十九条に違反する疑いが出てくる、こういうことでございます。
  32. 松浦利尚

    松浦委員 今、業界、これはすべての業界含めてでありますが、こういったところから独禁政策の見直し、それから独禁法の改正、こういった議論が出てきておるのであります。しかし、法の改正問題は別にいたしまして、やはり従来から堅持されてきた独禁政策というものは堅持されなければならぬという立場で質問をするわけでありますが、公正取引委員会に対する批判というのが今非常に大きい。それは、どうも公正取引委員会というのが最近力が弱まってきておる、業界の力が強大になったためにほどほどに手控えておるというようなちまたの声が非常にあるわけであります。今度の家電業界のこの問題につきましても、私は土曜、日曜かけて神田、秋葉原等を調査をしてまいりました。しかし、そのときに狂乱物価で行われたことが公然として行われておるにもかかわらず何ら手が打たれておらない。また、公正取引委員会に資料等を提出しておるにもかかわらず公正取引委員会動きがない。ですから、こうした問題は、極秘捜査、そしてまた先ほどお聞きしますと本年に入りまして既にきょう現在で立入検査等を六件行っておられるわけでありますが、しかしいずれにいたしましても、こうした末端消費者が不利益をこうむるあるいは流通市場が現実に混乱をするというような状況が来たときには、直ちに対応できるという姿勢をとってもらいたい。私は名前を挙げることに大変ちゅうちょするわけですけれども、大変申しわけないのですが、悪いことは悪いわけですから、私が集めた資料に関してメーカーの名前を指摘をしてお尋ねをしたいと思います。  それは三菱電機でありますが、三菱電機というメーカーが先ほど言ったような行為をされまして、しかもそれによりますと、廉売品買い取り費及び手数料ということで明確に販社に対してペナルティーを課して請求をいたしておるわけであります。その請求を受けた三菱の販社が、自分が流通させました小売店に対しまして、ペナルティー料、これを具体的な数字を挙げて請求をいたしております。これは十四型テレビでありますが、ペナルティーの合計額でいきますと約十万近くのペナルティーを小売店に課しておるわけであります。  この小売店は悪いことをしたわけではない。たまたま三菱というメーカーの、これは会社全体が行っておるかどうか私は定かではありませんが、その買い取りをされた職員の方は、希望小売価格よりも少なかったから、それは明らかに間違っておるという意味かどうかわかりませんが、廉売だということで今のようなことを実は領収証等が出されて行われておるわけでありますが、これが行われたのが実は昨年の七月から八月にかけてであります。こういう問題について公正取引委員会は既に把握しておられるかどうか、現在調査中なのかどうか、どのようになさるのか、その点のお答えを聞いた上で次の質問を行いたいと思いますから、明確にお答えをいただきたいと思います。
  33. 佐藤徳太郎

    佐藤(徳)政府委員 最近、先生ただいま御指摘のような案件に対する申告がございまして、その件につきましては、現在、関係する参考の業者等から事情聴取を行う等関連事実の把握に努めておるところでございます。現在そういう状況にあるということでございますので、詳細については差し控えさせていただきたいと思います。
  34. 松浦利尚

    松浦委員 既に公取の方で聴取をし、詳細にこれから調査を進めるということですから、進行中の案件ですから私はこの問題について触れません。問題は、これがユーザーに対してどういう問題を起こしておるかということを具体的にお聞かせしようと思うのであります。  それは、私の部屋にビデオが来ておりますが、きのう私が指示して買い取ってきたものであります。これは大きいですから、この中に持ち込めませんので私の部屋に置いてあるのであります。必要であれば持ってまいりますが。このビデオの保証書が改ざんをされておるわけであります。本当の保証書はこちらであります。三枚つづりの、これが本当の保証書であります。御承知のように最近は技術が非常に発達をいたしまして、一年間たっても故障する機械というのは余りありません。ですからユーザーの方はこの保証書については余り関心を示さない。ですから、このように明らかに改ざんをしておるのであります。どこで改ざんをしておるか、これは定かでありません。まだ追及をいたしておりません。そうして、この保証書の入っておったビデオは製造番号が消してあるわけです。製造番号の書いてあるところを消しておる。そして保証書には新たな、改ざんをした保証番号を書いておるのであります。  なぜこういうことが行われるか。一つは、先ほど三菱電機の例、一般論でも指摘をいたしましたように、職員が行って買い取る、買い取ってきてずっと調べ上げる、調べ上げてペナルティーを課する、言うことを聞かなければ流通を締められる、首を絞められる。ですから、追跡ができないようにこのように番号を消したり改ざんをするのであります。  これは公取の範疇から、行政指導される立場の通産省にお尋ねをするのでありますが、こういう事実は、電気機器課長さん、あなたは四月から御就任になった課長ですから余り把握はしておられないかもしれませんが、質問を通告しておきましたから十分御存じかどうか、その点をお聞かせをください。
  35. 広野允士

    ○広野説明員 お答えいたします。  一般的に、製品につきましてはメーカーの方では品質管理上、また家電製品につきましては電気を使います関係上、電力保安上の観点から製造番号が付されているわけであります。また、先生御指摘の保証書との関係消費者の買われた製品が、保証書と同時にいい品質の物が消費者の方に渡るようにという観点から製造番号も付されているわけでございます。  そういうことでなされているわけですが、一部の分野におきまして製造番号が改ざんされているという点は承知をしております。そういたしますと、消費者に渡りました物品と保証書とが照らし合わせができなくなりますから、消費者保護上も問題があるというふうには考えております。
  36. 松浦利尚

    松浦委員 この問題はかつて本委員会でも問題になり、また商工委員会等でも議論のあった内容であります。直っておると思っていたのでありますが、またこういうふうに出てきた。その出てきた原因はどこにあると思われますか。
  37. 広野允士

    ○広野説明員 製造番号改ざんの原因につきましてはいろいろな理由があるのではなかろうかと思いますが、先生御指摘のルート追及というのですか、ルート追及ということにつきましてもどういうことを意味されるのか必ずしも承知しておりませんけれども、そういうところを逃れるといいますか、そういうことで改ざんが行われているということがあるいはあるかもしれまん。
  38. 松浦利尚

    松浦委員 課長さん、四月に御就任になったわけでありますから、最終的に不利益をこうむるのは消費者でありますし、私ですら二日歩いてすぐわかるわけですから、ぜひこの問題はチェックをし調査をしておいていただきたいと思うのであります。  そこで私は、業界、メーカーの方と言ったら大変失礼ですから、要するに家電の流通を担当しておられる方に少し誤解があるのではないかと思うのでありますが、御承知のように、六月十一日に家庭電気製品小売業における表示に関する公正競争規約の認定を公取が行いました。それから、五十九年の十一月二十日に不当廉売に関する公取の考え方を発表なさいました。  お尋ねをいたしますが、十一月二十日の不当廉売に関する考え方の大筋としての基準はどういうところにあるのか。小売希望価格よりも安いから不当廉売なのか。私はオープン価格になっておると思うのですが、いずれにいたしましてもここで言う不当廉売というものの定義。私は、仕入れ価格よりも下回って販売をしたものが不当廉売だと思う。流通過程に、メーカーから卸、二次卸、小売と、いろいろなバイパスする流通段階がありますが、そういう流通段階の仕入れ価格というのがそれぞれあります。その仕入れ価格を割って販売をしたものが不当廉売である、これが公取の一般論としての考え方だと私は思うのでありますが、その点についての御見解を承っておきたいと思います。
  39. 利部脩二

    ○利部政府委員 公正取引委員会がこの間発表いたしました不当廉売についての考え方の中で示しております不当廉売の基準の一番大事な部分は、先生御指摘のとおりでございまして、仕入れ価格を割って安く売る場合を不当廉売と見るということでございます。メーカーの示した標準価格あるいはその業界の平均的な価格なんかを基準にして、それより安ければ不当廉売扱いにすべきだという考え方も一部にありますけれども、独占禁止法の考え方ではそれはとりませんで、おっしゃるとおり、仕入れ価格を割ったものを基準にするということでございます。  したがいまして、仕入れの際にいろいろ工夫して安い物を仕入れてきて、その仕入れ価格にある程度のマージンを乗せて売るということは、仮に業界の平均的な価格に比べて安い場合であっても独禁法で言う不当廉売にはならないということでございます。
  40. 松浦利尚

    松浦委員 この十一月二十日の不当廉売に関する公取の考え方がある程度市場混乱を起こしている原因でもあると私は思うのです。不当廉売の考え方がそれぞれの業界にいっておると思うのでありますが、それぞれ勝手に解釈して勝手な行動をとるという動きも逆の形であらわれてきているという懸念があると思いますので、もう一遍正確にお伝えをいただきたいと思うのであります。  ですから、今言ったような考え方に立ちますと、自分の考えておる価格よりも安いからといって買い取って、廉売だと決めつけペナルティーを取って、その売った業者から金を取り上げる、そしてけしからぬからといって流通を締める、こういう行為はどだい独占禁止法違反であると同時に、公取の言う不当廉売に該当しないとしても、これはまさしく業者独自の独善的な行為だと言わざるを得ないと思うのであります。  これは担当しておられる電機課長さん、公取の言われたとおりですから、あなたもそのように解釈しておられるのでしょう、どうですか。
  41. 広野允士

    ○広野説明員 お答えいたします。  先ごろ公正取引委員会から出ました通達でございますか、その中身に関しては承知しております。継続して仕入れ価格を下回って売られておる、またそれが他の事業活動に悪影響を及ぼすというような観点、三点の要件がその骨子ではなかろうかと感じております。
  42. 松浦利尚

    松浦委員 そこで、通産にお尋ねをしておきますが、御承知のように、この電機業界というのはカメラ、時計と同じように成熟産業であります。しかし、ここに到達するまでにいろいろな販売の方法があったと私は思うのです。今、ディスカウンターというものが登場いたしまして、確かに末端価格に相当大きな格差が出てきておることは事実です。地域小売店、それからディスカウンター、量販店あるいはスーパー、デパートといったところで同じメーカーの、例えば十四インチのテレビを買いましても、価格に非常に大幅な差があるわけであります。それがなぜ起こったかというと、これは起こり得べくして起こってきているのでありまして、今までメーカーがお互いに競争して、ちょっと過熱ぎみで過当競争でありますが、より多くの自分の製品を消費者に売り渡したいということからいろいろな流通を図る。一つはインテグレーション、垂直統合することによって自分のところの製品を販売させる。これは往々にして地域小売店等がその類似店になるのでありますが、要するにほとんどが三カ月ないし六カ月の手形決済で商品が流れていく。ところが一方では、新しい技術開発がどんどん進みますから古い型の電気製品は早く市場で消化したいという意味で、現金仕入れ問屋の方に大量に流れていく。ですから、資金コストの面から見ましても、現金決済、しかも大量に購入してくれる分野については価格が大幅に下がった形で仕入れ伝票が切られている。系列小売店というのは手形決済でありますから、せいぜいマージン率二五%程度でしか売れない。そうすると、おのずからそこに大きな格差を生んでおるわけであります。しかも、御承知のように新しい製品がどんどんつくられてくる時代でありますから、手形決済をしておる小売店といえども新しい製品を入れなければ消費者に売れない。ですから、古い型になった在庫品は、みずからの仕入れ値を割らないように仕入れ値にプラスわずかな額で現金問屋の方に持っていく。そういう持ちつ持たれつの形態で、一つは量販店、デパート、スーパーに、一つは小売店にという二つの流通経路が今日までつくられて家電市場は形成されてきたと思うのです。そういう点は、課長どう思われますか、あなたの御意見は。そうだと思われるでしょう。
  43. 広野允士

    ○広野説明員 お答えいたします。  家電流通に関しましては、先生御指摘のとおり量販店で行われますもの、百貨店、スーパー等で行われますもの、それと系列店と申しますか、一般的には地域小売店と言っておりますが、それで行われますルート、そういうものがそれぞれの役割を果たして消費者の方へ製品が流れていると考えております。
  44. 松浦利尚

    松浦委員 ですから、末端消費者は、現金市場にいけば安く買える。地域小売店で買えば密着して買える、すぐそばにあるお店でありますから、気安く夜でもちょっと修理に来てくれと言えば修理に来てくれる、そういうつながりで地域小売店というのは存在価値があった。安く買おうとすれば秋葉原等の量販店で買ってくればいい。ですから、こういう二つの流通過程を通じてずっと今日まで家電業界は我が国の基幹産業になるように大きく成長してきたと私は思うのです。ところが、御承知のように成熟産業ですから、新しい製品開拓というのがなかなか難しい。ビデオならビデオというものを普及するだろうと思って盛んに製造いたしましたけれども、ビデオというものが国民所得の低迷、伸び悩みによりまして余り業界の見通しどおり伸びない。しかも、アメリカ市場はどうかといえば、御承知のように発展途上国、韓国、台湾あるいはシンガポールといったところがばあっとアメリカ市場まで押さえまして、最近は韓国のカラーテレビがダンピングの疑いありということでアメリカで審査が始まろうとしておりますね。また、三百五十億ドルに達する我が国の貿易黒字等から見て、来年度米国市場というものはそうそう開けた展望は持てない。EC諸国はどうかというと、御承知のように我が国の製品に対して輸出規制の要求が非常に高まってきておる。そういう意味で、成熟産業として今日まで成り立ってきた電機業界というものが飽和状態に今日来てしまっておるのですね。  こういう状況になってくると、私は人情だと思うのでありますが、今まで安く売っておる量販店というものがどうも目ざわりになってきた。この際、行政の力もかりて、こういった安売りをしておる市場を閉鎖したい。ある業界のトップの方がおもしろいことを言われましたが、今まではペットだった、ところがペットが猛獣になってしまった。カメラ、時計業界と同じように家電業界がなってしまっては困る。そういう意味で、今日この量販店、こういったところに対する業界の締めつけ、圧力が非常に強まってきておるのではないかというふうに私は想像するのです。  ですから、先ほど言った三菱の事件というのは、三菱の方に申しわけないのですが、実際悪いことをしておられたので、私のところに資料が来たから三菱と申し上げるのですけれども、三菱のような姿というのは大同小異行われているのだろうというふうに思うのです。そうすると、一方では手形決済等の小売店の皆さん方は、この量販店等には価格では太刀打ちできない。ですから量販店の皆さん方に対して、何としてももっと価格をおれたちと同じような価格に戻して、地域小売店と同じような価格で売るようにやれと言って、メーカーも通産等に圧力をかける。それは私は当然だと思う。だから小売店の皆さん方が量販店に対して厳しく糾弾したり通産に対して行政を強化せよ言うのは、私はそれは生き延びる道ですからよくわかる。しかし、実質的には今までのそういう流通機構というのはメーカー自身がつくり上げてきた、あるいは意図しなかったかもしれぬが、そういうことを是認をしてきた今日の状況であります。こういう状況に対して通産としては、電気機器課長としてはどのようにこれから電機業界を指導しようとしておられるのか、そのことを明確にお聞かせいただきたいということが一つであります。  それからもう一つは、これは業界のうわさでありますけれども、通産が時々アドバイスとかヒアリングとかという形で業界を指導なさる、業界全体からヒアリングをされる、あるいは業界のそれぞれを呼んでアドバイスをなさる、そういったことを今日までやってこられたかどうか、あったかなかったか、その点についてお聞かせいただきたいと思います。
  45. 広野允士

    ○広野説明員 お答えいたします。  第一の点でございますけれども、現在、家電業界は確かに非常に大きな問題を抱えております。ただ、完全な成熟産業になったかどうかという点に関しましては、新しい商品も出てきておりますので、また消費者ニーズにこたえて製品が出てくるということでございますから、必ずしも成熟産業で成長がとまった、そういうところではないのじゃなかろうかというふうに考えております。  また、量販店に関する問題でございますが、個別の問題に関しましては必ずしも承知をしておりませんけれども、もし不公正な取引方法といいますか、そういうもの等がございますれば、公正取引委員会とも連携をとりつつ流通問題に関して取り組んでまいりたいというふうに考えております。  また、第二の点でございますが、通産省としまして、昨年の三月でございますか、小林政子先生から量販店と地域小売店との仕入れ価格の差ということに関して御質問がございまして、当時は山中大臣でございましたけれども、実態調査をするというふうにお答えになりまして、昨年の八月ごろから各社個別に、地域小売店あるいは量販店の仕入れ価格に関しまして主要商品につきまして実態調査をいたしました。これは量販店と地域小売店との間に不当な仕入れ価格の差があるのじゃなかろうかという点につきましての御指摘でございましたので調査をしたわけでございますが、これは現在のところ不当と言えるほどの差はないということで、行政的に立ち入る考えは持ち合わせておりません。  そのほか、業界に対しまして需要動向ですとか生産動向についていろいろとヒアリングをさせていただいていることはございますが、通産省の設置法上許される範囲での指導でございます。
  46. 松浦利尚

    松浦委員 端的にお尋ねをしておきますが、そういう状況を踏まえまして、十四インチのカラーテレビがまさしく過剰生産だということで通産が各メーカーに対して生産指導、端的に言えばカルテル行為を指導したといった事実はあったのですか、なかったのですか。うわさがありますから、否定するならここで明確に否定をしておいてください。
  47. 広野允士

    ○広野説明員 十四インチのカラーテレビの生産指導という点でございますが、そういうことに関しましては通産省は指導はしておりません。ただ、カラーテレビ全般につきまして需要動向について個別にヒアリングをさせていただくという点の行政は行っております。
  48. 松浦利尚

    松浦委員 通産省にぜひお答えをいただきたいと思うのですが、私は今度のこの事件をずっと調査してまいりまして非常に心配なことがあるのです。それは、十一月二十日に「不当廉売に関する独占禁止法上の考え方」という公取の文書が出て以来、現金市場等で製品の流通がとまっておる分野が非常にたくさんあるのです。メーカーの名前はあえて申し上げませんが、それは各メーカーに行き渡っております。  今現金市場でささやかれているのはどういうことかというと、やはり現金市場というのは、生きていかなければならぬ、しかも消費者のために安いものを供給しなければならぬということで、日本の電機のプラントを韓国、東南アジア等に輸出いたしまして、アメリカ市場でもシェアを拡大するぐらいの力をつけた韓国のカラーテレビあるいはシンガポールのカラーテレビ、しかも、ナショナルとか東芝とか日立という日本の優良メーカーが出資しておる現地会社というものもあるわけでありますが、そういった物を日本に逆輸入しよう、そして消費者に安く供給しようというような動きが出てきておるのですね。そういう事態になれば、まさしく日本の電機市場というのは、外国製品も入り乱れての大変な競争市場ということになりかねないのですね。自由経済でありますし、貿易の自由化が進んでおる我が国ですから、そのことにあえて規制を加えようとは思いませんけれども、しかし、そういうことに進むような動きが、業界みずからの手で、あるいは小売店同士の争いの中から今まさに生まれようとしてきておるのです。ただ単に言葉だけでは問題は解決しない。通産行政としてはこうした問題に対して早急に指導改善をしていく段階にもう来ておる。安く売ることが悪であるという考え方は独禁法上成り立たない。そういう独禁政策の上で、今言ったような客観情勢というものをこれからどのようにして克服するかというのが電機業界に課せられた大きな命題だと私は思うのです。コップの中の争いをする段階は過ぎておるのですね。  そういう意味課長さん、私はこの問題はもう本委員会で取り上げるつもりはありませんけれども、結果によってはまた取り上げるかもしれませんよ。あなたは四月に新しい課長として新しい背広を着たわけだから、古い背広はかなぐり捨てて、こうしますという信念を述べていただきたい。ここには通産大臣はおりませんから、あなたが通産大臣になったつもりで――あなた、なるかもしれない、電気機器課長が自民党の代議士になっているのだから。あなたもなるかもしれぬのだから、そういうつもりで大臣にかわって的確に答えなさい。いいかげんな、ただ口先だけの答弁ではいけませんよ。だから大臣は呼ばなかったのですから、ちゃんと答えてください。
  49. 広野允士

    ○広野説明員 過分な御紹介、どうも恐れ入ります。  家電流通問題に関しましては、非常に大きな課題があると存じております。先生御指摘の海外からの輸入問題もございますし、量販店と地域小売店との問題、また消費者とのつながりでございますから、品質保証の問題、適切な価格での販売の問題、またアフターサービスの問題等、多々課題が残されているわけでございます。関係省庁とも連携をとりながら適宜適切に指導してまいりたいと存じております。
  50. 松浦利尚

    松浦委員 適宜適切などという言葉では解決しない。それは官僚用語というのですよ。電機メーカーというのは非常に大きな資本です。過当競争も激しいですから、表面はまとまっておるようだけれども、裏に回ればばらばらだ。うちの製品をどんとふやせ、向こうがどうとかやっておるときにおれの方のシェアを拡大しよう、こういう競争をする業界だから、あなたが言うような適宜適切、そんな言葉ではなかなか言うことを聞かぬですよ。しかも目の前にそういう状況が生まれてこようとしておるのだから、私はもっとちゃんとした方針を立てていただきたい。私は今度予算委員で行きますから、予算委員会の場でやらせてもらいますよ。  そこで、私は経済企画庁長官にお尋ねをいたします。  離席をしておられましたが、今度の家電業界の問題というのは、結局最終的に犠牲をこうむるのはユーザーなんですよ。消費者なんですよ。保証書を改ざんしたり、量販店は勝手に安く売っておるからけしからぬといって調べ上げて、流通を締め上げて製品を流さない。製品を流さないということは消費者は高いものを買わされるということですから、安いものを買ってはいけないというのが今のメーカーの考え方になるのですよ。ですから、結局最終的に困っておるのは消費者なんです。  大臣はこういった消費者行政を担当される経済企画庁大臣です。金子大臣はこういう状況に対して、消費者保護という観点から一体どのようになさるのか。通産行政というのは今言われたとおりであります。公正取引委員会は、独自の立場でこうした問題については独禁法違反という角度で調査に入っておる。現実調査を始めておる。恐らくこれは独禁法違反という審決が下るでしょう。しかし、まだそれで解決はしない。その後に、今言ったような過当競争という問題、また、一方的な流通の締め上げ、そしてそれに対抗するための外国からの逆輸入、こういった問題が起こってきて、結果的には消費者が大変高いものを買わされるということになるのです。  大臣一つだけ例を申し上げておきますが、今コンピューターが非常に入ってきております。OA機器等もたくさんあります。これは新しい技術であります。例えば五十万円で機器を買ったといたしますと、買ったときには新品だけれども、六カ月たったら古い製品になる、六カ月たったら新しい製品が出るので価格は二十五万、半値に暴落するというのが今の状況です。だから消費者からメーカーに対して、あるいは小売店に対して、この前五十万だったものが何で今二十五万なんだという苦情が出る。これはやむを得ないのです。新しい技術が出るから古いものは安くなるわけです。そういう繰り返しが、現実にコンピューター社会に向かう中で行われておるのです。ニューメディアに関する製品もそういう状況です。家電業界も今言ったような状況があるわけですね。こういうものを消費者の立場に立ってこれからどのように調整をなさるのか。私は非常に重要な問題だというふうに思います。特にこの電気機器というのは高いですからね。そこら辺にあるような百円とか千円じゃないのです。どんなに安くたって五万以上はするのです。消費者は大変な買い物をすることになる。大臣おられなかったから、この際局長さんの答弁をいただいた後、補充する意味大臣の方からお答えをいただいた方がいいと思うのです。
  51. 金子一平

    金子国務大臣 中座をいたしておりまして、申しわけございません。  基本的には私は、消費者保護の立場から、安く売られても品質さえ保証できれば消費者の利益は損なわれないわけですから、あくまでそれはそれで貫きたい。ただ、今お話が出ておりましたようにいろいろな動きがございますので、そこら辺の実態を通産省とも連絡しながら十分把握して、さらに消費者保護の立場から行政を進めてまいりたい、基本的にはさように考えております。御了承いただきたい。
  52. 松浦利尚

    松浦委員 大臣の御答弁でもう結構です。ぜひそういうことで進めていただきたいと思います。  なお、最後に公取の方にお願いをしておきます。私の方に資料がありますので、もし必要でしたらお貸しをいたします。公正取引委員会の立場で既に調査をしておられ、資料等も収集しておられるということでありますからそういう必要もないと思いますが、間違いは間違いですから、そういうことを野放しにすることが逆に混乱をもたらす原因をつくり出すわけですから、公正取引委員会は勇気を持ってぜひひとつ努力をしていただきたいという希望を申し上げておきます。公正取引委員会よろしいですね。どうぞ答えてください。
  53. 佐藤徳太郎

    佐藤(徳)政府委員 先ほども御説明いたしましたが、御指摘のような製品につきまして先生がお話しになったようなことにおおむね近い申告がありまして、私どもとしては今関連事実の把握に努めておるわけでございます。そのような私どもの把握活動の結果、もし独禁法違反に通ずる違法行為があるという疑いが認められるような事態になりますれば、これは法律に従いまして当然対処する、こういうことでございます。
  54. 松浦利尚

    松浦委員 私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。
  55. 竹内猛

    竹内委員長 次に、草川昭三君。
  56. 草川昭三

    草川委員 公明党・国民会議草川昭三でございます。  私は、後半で悪徳商法の問題を取り上げ、前半で特に、最近の経済企画庁が抱えておるあるいはまた発表しておりますもろもろの経済的な問題について大臣にお伺いをしたいと思うのです。  まず最初に、経済企画庁が十二月五日に発表しました七-九月期の国民所得統計なんかを見ておりますと、今も大臣のごあいさつの中にもございましたように、日本の景気が、実質成長率がダウンをした。これが一時的な景気ダウンにとどまるのか、それとも中期的な不安材料の一つと見るべきか、本来ならば相当な議論をしなければいかぬと思うのでございますけれども、この問題は、いわゆる景気回復の中身がどうなっておるか、特に現在予算編成が行われておるわけでございますが、この判断によって複雑に絡み合っていくのではないかと思うわけです。  その中にも、輸出は伸び悩むけれども内需は非常に強くなった、内需主導に変わったというような言葉もあるわけでございますが、私ども現場を歩いておりますと、内需主導とはいうものの、上向きなのは民間設備が中心なので、肝心の個人消費というのは相変わらず低迷をしておるのではないか、いわゆる国民不在の景気回復の動向ではないだろうか、こういうように判ずるわけであります。あるいはまた、国民総支出の半分以上を占める個人消費の伸び悩みというのは、経済企画庁がまとめました国民生活白書の中にも個人の消費の重要性というのは非常に大きく取り上げているわけです。ところが現実には、今新聞を見ましても増税の議論が優先でありますし、あるいは先ほども出ておりますが、いわゆる公共料金のアップという問題、国鉄運賃を初め米価値上げ、今まさしく問題になっております米価問題等についても、個人消費に水をぶっかけるような要因というのは非常に多いわけですね。そういうことに対する経済企画庁の役割というのは非常に重要であり、まさしくこの委員会での中心的な議題にならなければいけない問題だろう、一連の流れの中から私はこう申し上げておるわけですが、まず長官の方から私が今指摘をしました問題についての御見解をお伺いしたい、こう思います。
  57. 金子一平

    金子国務大臣 今草川先生からお話のございました点がこれからの日本経済の政策を決める一番のポイントになるわけでございますので、それだけに私どもも注意をしながら動きを見ておるわけでございます。従来は、日本経済はとかくいたしますると輸出主導型の経済だということを言われておりましたけれども、最近の動きを見てみますと、これは中小企業と大企業とを問わずどんどん設備投資が伸びておる、しかも、それは輸出をもとにした投資だけではなくて、全般的に内需中心の投資も伸びておるというふうに私どもは判断をしておるわけでございます。それから、住宅等もだんだんと活況を呈しておるのでありますが、御指摘のございました個人消費が実は思ったほど伸びてないのは事実でございます。八月の統計を見ますと、私どもは、ことし相当大幅の所得税減税をやりましたから、ある程度個人消費が伸びることを期待しておったのでございますが、期待ほど伸びていない。そこら辺の理由が一体那辺にあるか、私どもも的確に今つかみかねておる状況でございます。  ただ、全体として徐々にではございますが伸びておることは事実でございまして、この九月に経済見通しを企画庁会議で五・三%実質成長に上方修正をいたしました。七-九の計数では少しダウンいたしましたけれども年度内は五・三%を確実に達成できる、こういうふうに考えておる次第でございます。
  58. 草川昭三

    草川委員 今長官の方から当初四・一%の見通しがプラス一・二上方修正で五・三、そのとおりだと思いますが、私ども非常に気にするのは、本来ならばあの種のものは閣議決定で発表されるべきものが、経済企画庁独自の試算という形で発表せざるを得ない。大蔵の反対があった。ここに、逆に言うならば、今日の経済見通しあるいはまた自然増収をどう配分するか等のいろいろな関連の問題が出てきますから、生活的にも国民の不安というものがあるのではないだろうか。思い切ってお金を懐から出して購買意欲を高めていくというようなプレッシャーがかからない、私は問題があると思うのですね。ですから今の公共料金の問題、例えば米の問題についても、経済企画庁は頑張っておみえになるという話は新聞ではお伺いをいたしますけれども、結局諮問どおりになってしまう。また、その結論が早晩成ると思うのですが、これはひとえに長官の姿勢にかかってくると私は思うのですが、公共料金引き上げについてもどう思われますか。
  59. 金子一平

    金子国務大臣 公共料金引き上げにつきましては、経企庁としては従来どおりの姿勢で臨む考え方でございまして、米価を今度上げることにいたしましたのは、私自身の気持ちとしては大変残念なのです。できるだけ抑え込みたいということでやったのでございまするけれども、財政的な見地からとにかく大蔵省動きがならぬのが現実の姿でございますことは草川さんも重々御承知のとおりでございますので、まあ上げ幅については同意いたしましたけれども実施の時期についてはまだ事務折衝の最中だ、こういうことでございまして、あと国鉄その他いろいろ出てきますけれども、私自身としては、あくまで抑え込んで皆さんに御心配をかけないように努力をしてまいるつもりでおります。
  60. 草川昭三

    草川委員 それで、ちょっと話が余談になりますが、今、比較的物価が落ちついておるというのが一つの救いではあると思うわけでございます。ですけれどもアメリカ経済をどう見ていくのか。これも、経済企画庁の方から世界経済白書というのがつい最近出たわけですね。アメリカ経済が比較的落ちついておるというような言い方をなされておみえになりますね。しかし、アメリカの高金利問題だとか、それから米国内の投資超過に基づく経常収支の赤字分等の判断については、本来ならば非常に大きく悲観論として見るべきなのか、あるいは逆にそれを楽観論として見ていくのか、非常に読み方が難しいと思うのです。私自身もなかなかわからぬ点がございます。しかし、経企庁のこの世界経済白書は、この問題については比較的高く評価をする、買いかぶっておるというのが強いんじゃないかと思うぐらいに、アメリカ経済については世界の中でも相対的な地位の低下をする傾向は終わったということまで言い切っておるわけですね。海外からの大量の資本流入によって赤字というものが埋まっておるという言い方がいいのか知りませんが、つじつま合わせが行われているわけでございますけれども、こういう仕組みについてはいつまでも続くのかどうか、下手をすればドルが暴落をしてくるのじゃないだろうか、こういうような心配もあるわけですね。それを日本がもろにかぶったときに一体物価はどうなるのか、国民生活はどうなるのか、これはもう慄然とせざるを得ないような、綱渡りのような状況ではないかと思うのですね。本来ならば、事前に私どもはそういう場面を想定もしながら、経済企画庁、本当にいいのですかというように考えていかなければいけないと思うのです。  そこで、今度の経済企画庁予算等を見ましても、物価局なり生活局ですか、関連の予算というのは、新聞報道でございますけれども、大蔵サイドによって大分削られるのではないかと言われておりますね。例えば目玉のフードウィークですか、何かありましたな。それはまた結論が出ると私どもいろいろとけちをつけますけれども、それでも私はなかなかいい仕事だと思うのです。やり方だと思う。この予算が削られてくると、これはまた企画庁としても困るわけでしょう。一体ここら辺をどのように、アメリカ経済はもう間違いなくいいんだと見通しをつけておるとか、あるいは物価も、当分の間は狂乱物価のようなことはありませんとか大きな変動はないんだとか、国民の皆さんに安心していただけるのだということが言い切れるのかどうか。そのことも含めて、あるいはまた主計局あたりから相当切り込まれている予算をどのようにはね返していくのか、見解を賜りたいと思うのです。
  61. 金子一平

    金子国務大臣 今御指摘の点は実は判断が大変難しい問題でございまして、一部にはアメリカ経済シャボン正論、そのうちに風船玉のようにしぼんでしまうのじゃないかという議論があることも事実でございます。しかし、あれだけの大きな、世界の二割、二割五分を占める経済のことでございますから、仮にことし七%であった経済成長が来年三、四%に落ちましても、それは世界経済に対するそれなりの大きな影響を持っておると思います。  どうも最近、国際会議等に出席して帰ってくる諸君の話を聞いてみますと、やはり各国は政治的、軍事的にドルに対する信頼感というものが非常に強いんですよ、それで、なかなかそう簡単に引っ込むようなことはございませんという話をしておりますが、私は、ある意味においてそれは事実じゃないかと考えます。私ども経済企画庁には研究所を持っております。これは世界に誇るスタッフをそろえておる研究所でございますが、この間モデル計算をしてもらいまして、もう新聞で出しておりますのでごらんいただいたと思うのでございますが、現在の状況、これは完全なモデルケースですから政策的な配慮は一切いたしておりませんが、このままの政策を各国が放置しておったら世界の経済はどうなるか、日本の経済はどうなるか、まあ来年ぐらいはもつだろう、しかし再来年は世界的に少し下降するぞというのが結論でございます。これに対して、ある程度アメリカ政策転換をして財政赤字の圧縮をやり軍備の切り込みをやる、金融緩和をやる、日本自体あるいはヨーロッパ各国も同じようなことをやるならば、来年、再来年も依然として景気は続くであろう、しかし保護主義をとったらこれは問題になりませんよというのがその結論でございまして、私は、考え方としては、これはそのとおりじゃなかろうかと思っているのです。  来年の経済、世界がどうなるか、日本はどうなるか、今経済見通しの策定の最中でございますから、事務的な詰めをやってもらっておる最中でございまするけれども、まだ結論的に申し上げるわけにいきませんが、アメリカが最近経済的な陰りが、個人消費が落ちたとか輸入がふえ過ぎたとかいう陰りは出ておりますけれども、きょうも対外経済閣僚会議での民間委員の報告がございましたけれども、案外強いんですよというような話を、それで日本の貿易が伸びて、黒字減らしをどうするんだというような話が今出ておりましたが、そういう見方も一面にある。まあ企画庁の見方は中間的な、割と公平な見方ではなかろうか。決して楽観しておるわけではございません。事に際しては即座に対応できるようなスタンスをとりながらこの問題に取り組んでいるというふうに御了承賜れば幸いに存じます。
  62. 草川昭三

    草川委員 私どもも、そういう意味では世界経済の見通しができないわけですから、経済企画庁が本当にいろいろな統計等を、あるいはまたアメリカの現地の情報も把握をしておみえになりますから、それを信頼をしてそれぞれのスタンスを決めていかざるを得ない、こう思うわけでございますから、ぜひ正確な対応を立てていかなければいけないと思うのでございますが、一面、アメリカの方も技術革新が進んでおるようでございますし、財政赤字の大幅な削減計画も出しておみえになりますけれども、我が国は何といったって、私が一番最初に申し上げましたように、個人消費がどうして拡大をしないのか。目の前に増税、公共料金値上げ、こういうものがどんどんぶら下がってくるようでは、一応個人としての自衛手段をとらざるを得ないのではないだろうか。しかし、逆に政府の方は、今度財政赤字を理由にして、いわゆる短期国債を日銀が引き受けるかどうか、引き受けさせるようなことはもう新聞にも出ておるわけでございますし、もし日銀が短期国債等を引き受けるようなことになってまいりますと、いわゆる来年度から始まる国債の大量償還に絡んで国民としては当然のことながらインフレになるのではないかという不安を持つわけでございまして、これは逆に長官として、経済企画庁として非常に大きな責任を持っていただかなければいけないことになるわけであります。しかも、これはどこへどう伸びていくかわかりませんけれども、下手をすると単年度予算主義ということにも影響をしてくるのではないか。単年度予算主義がなし崩しになってくるような形で国債償還が歯どめを失われたとするならば、まさしくこれは国民生活の破壊になってくるわけでございまして、そこらあたりの長官の決意をこの際お伺いしておきたいと思います。
  63. 金子一平

    金子国務大臣 一時新聞に発表されておりましたような短期国債の日銀引き受けが事実かどうか、私も存じません。あの記事は大蔵省当局によってその後公式に否定されておりますが、こんなことが行われたのではそれこそ御指摘のようなインフレに火をつけることになりかねませんので、経済企画庁の責任者としてはこれはもう絶対に反対してまいるつもりでございます。  さっきから日本の物価世界で最優秀だと胸を張って申し上げておりますが、一番心配なのは、財政問題からこれが崩れていくことなのです。一番の心配は財政なのです。そういう意味で私は、あなたのお話のようなことが事実起こりましたならば、これはもう徹底的につぶすつもりでおりますので、さよう御了承いただきたいと思います。
  64. 草川昭三

    草川委員 きょうの委員会の最大の収穫ではないかと私は思うのですが、大蔵大臣の御経験もあるわけでございますし、財政のことについては非常に明るいわけですから、国民の代表としてぜひ頑張っていただきたいと思うわけであります。  きょうは時間がないのであれでありますが、日米円ドル委員会というのがあったのですね。これは一応経済企画庁もかんでいるわけでありますが、この日米円ドル委員会の中で、日本とアメリカの間で政府の短期証券制度についての議論をやっておるのですね。「この政府短期証券についての制度・慣行は現行の財政、金融、国庫制度に適合した効率的なものであることに言及した。」とか、その後の方で「多様化を図っていく必要もあろうと説明した。」とか、かなりひっかかるような言葉というのを日本側がアメリカに言っているのですね。これは本来ならばここの委員会の場ではございませんけれども、非常に気になることなのできょうは本当は少し議論をしたかったわけでございますが、時間の関係でまた別の機会に譲りたいと思いますが、あくまでも今の大臣の御答弁を貫いていただきたいと思うわけでございます。  それで、大変恐縮でございますが、大臣にもう一つ。  今、景気刺激を行うか行わないのかという問題にも関連をしますが、民間活力ということを中曽根総理は盛んに言っておみえになりますね。経済企画庁もそれなりの答申案をとっておみえになります。ところが、民間活力も、いろいろ具体的に出てこないとわかりませんけれども、簡単な言い方をすれば都市環境の質を低下させたり、それから、いろいろな新しい民間活力の引用だと言いながら取り返しのつかないような結論だけは避けなければいけないというのが私どもの意見なのです。だれのための民間活力をやっていただくのか。業界ばかりじゃないよ、日本の国全体のことを考えて民間活力の取り入れということをやらなければいけないと思うのでございますが、これも長官の意見を聞いておきたい。
  65. 金子一平

    金子国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、国民経済全体としてプラスになるような方向での民間活力の活用でなければいけないと考えております。例えば私は投資減税を長年主張してきておりましたが、中身はまだ決まっておりませんけれども、今度ハイテク減税をやることが決まっておりますし、それから第三セクターでやるものとしては、例えば関西の国際空港がそうですね。あるいは神戸のポートピアですか、ああいった式のもの、あるいは東京湾の横断道路とか、いろいろなやり方がたくさんあると思うのです。それが今予算編成の段階を通じて逐次実現してくると思うのでございますが、例えば情報の分野において今の電電公社、解体されましたからそれに民間会社が大いに参画するとか、いろいろな規制がかかり過ぎておるその規制を極力外して、都市開発等に民間会社がもっと積極的に投資してもらえる。住宅につきましてもそう思うのですよ。自治省、農林省、建設省がそれぞれ網をかぶせ過ぎて、本来住宅ができるところがなかなかできないような状況が手近な例を申し上げればたくさん出ておりますが、あんなものはもう少し省いてしまえばもっと住宅はどんどんできると思うのですよ。そういうことに一つずつ着実にこれから手を染めてやってもらいたいという気持ちで、今いろいろ議論をしている最中でございます。
  66. 草川昭三

    草川委員 じゃ、少し視点を変えまして悪徳商法の方へ移りたいと思います。  これは私かつて本委員会でも問題提起をしたことがあるわけでございますし、それから予算の分科会でも取り上げたことがあるわけでございますが、最近、我々国民と言ってもいいのですけれども、日本経済は将来どうなるのだろうか、安定成長をするのか、インフレになるのじゃないだろうかといろいろな心配があるわけですから、普通の方々は預金をする。それが郵便貯金であれ定期であれ、とにかくいろいろなことをやるわけでございますが、これは御存じのとおり国というものを信用するからこそ、我々は貯金をするわけでありますし、国はそれを財投に回して再活用するわけですから、日本経済というのは世界でもすぐれたものになってきておるわけです。  だから、信用というのは非常に重要でございますけれども、どうやらマル優預金にも税金がかかるとか、いろいろな話になりますと、悪徳商法というのが巧みにそこの中に入ってくるわけでございまして、後ほども触れますけれども、豊田商事の金の販売等につきましては、これは非常に大きな例でございますけれども、具体的に金を売りつける、品物を売りつければいいのですけれども、ただ売ると言う、そして預けますよ、一割の保管料をあなたにお渡しします、こういう形で、解約を申し込みますとそれがなかなかうまくいかない。  しかも、この業界というのは、今全国的に急速に伸びていっているわけでございまして、私は通産省にも警察庁にも関係省庁にも、もっと関心を持ってもらいたいということを主張してきておるわけでございますが、実はその被害者が、今お年寄りに非常に拡大してきておるわけでございます。また、別の品物といたしましてダイヤモンドとかルビー、サファイヤ、白金というようなものに置きかえて、そういう品物を売りつけていくというのがはやってきております。しかも、クレジット会社にそれを肩がわりし、クレジット会社が今度は一般庶民を相手に取り立てをするということで、非常にトラブルが増加してきておるわけでございます。  国民生活を本当に守っていくという経済企画庁として、こういう悪徳商法のはんらん、あるいは海外先物市場というのがまた新しく生まれてきておりまして、トラブルも多くなっておりますけれども、一体どのように把握をしておみえになるのか、まずお伺いをしたい。
  67. 及川昭伍

    ○及川政府委員 最近の消費者苦情の非常に多くが、そのような悪徳商法と言われているような取引に関する部面で多くなっているということを承知しております。  そういう点からいきますと、今御指摘のありました豊田商事の事例なども消費者苦情として具体的に多発しておりますので、消費者全般に対して情報提供するなどして、関係各省とも協力しながら、そういう商法から消費者が被害を受けることをできるだけなくするように努力をしているところであります。
  68. 草川昭三

    草川委員 非常に簡単な御答弁でございまして、豊田商事以外の話にもなりますけれども、信販会社に肩がわりをしまして取り立てをする苦情というのが非常に多くなりまして、簡易裁判所、これは当然のことながら簡裁にはここへ来ていただけませんので、私は改めて事前に裁判所の方に御連絡を申し上げまして、昭和五十六年から五十八年度の簡易裁判所における通常の訴訟事件の件数を調べていただきました。  その中で、立てかえ金、求償金等訴訟事件、いわゆる信販会社が取り立てをする事件は、昭和五十六年にはすべての簡裁の件数の四九%だったのです。これが四万三千件でございますけれども、これが五十七年には五六%になるわけです。七万件になります。昭和五十八年になりますと、簡裁の全体の扱い数がふえておるので、パーセントは五四%に減るのでございますが、件数では九万四千六百三十七件になるわけであります。注として、立てかえ金、求償金等訴訟事件の大部分はクレジット関係の事件である。しかもまだ、督促事件というのがそのほかにもございますけれども、これも五十八年では五十五万八千件、その督促事件の約八〇%はクレジット関係の事件である。こういうことで、裁判所の機能も麻痺をしつつあるわけです。これは非常に重要な事実だと思うのでございます。  例えば豊田商事の例を申し上げますと、これはつい最近秋田で行われた民事の話で、見せ金商法的な契約については事実上の敗訴だということで新聞にも報道されておりますけれども、豊田商事は十四日までにA子さんの主張を全面的に受け入れ、認諾した。認諾は確定判決と同じ効力を持ち、豊田商事の事実上の敗訴だというようなことにもなっておるわけでございますし、豊田商事事件は、そのほかにも全国各地で、台帳についての証拠保全が認められたり、あるいはまた、これは愛知県の私どもの地元でございますが、エンテルジャパンというのがあります。これは詐欺罪で名古屋地検が取り調べて起訴をしております。  これは中身を言いますと、豊田商事の商法をそっくりまねたと本人は自供をしておる。エンテルジャパンが客に渡していた預かり証券は、豊田商事の預かり証券のうち「純金」とあるのを「白金」と書きかえ、あとは社名を変えただけである、こういうのがどんどんふえてきておるわけでございますし、事実、検察当局も警察当局も、それなりの周辺的な問題は当たっておるようでございますが、どうでしょう、警察庁、どのような対応をなされておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
  69. 上野治男

    ○上野説明員 お答えします。  証券取引ですとか商品取引をめぐりましてお客が多大な迷惑をこうむる事犯というものが、先生御指摘のとおり、最近各地で大変多発しておる次第でございます。そういう面で、警察としましては、消費者保護ということを重点的に一特に消費者、お客さんの立場に立ては、業者というのは専門的な知識を持っているもの、そう信頼してその助言に従っているわけでございますから、それを裏切るような行為があるとしたら、それは商取引の中で非常に秩序を崩すものですから、そういったものを重点的に取り締まるということで、全国に今まで繰り返し指示をしておりますし、最近もいろいろな検討をしておる次第でございます。  相手側も法すれすれの行為をするとか、法律をよく勉強して非常に巧妙になっておりますので、捜査上難しい面もございますが、いろいろな法律を多角的に活用して取り締まりをしている次第でございます。
  70. 草川昭三

    草川委員 また後で、もう一回警察庁に聞きます。  通産省は、この問題についてはどのように今判断をしておみえになりますか、お伺いします。
  71. 棚橋滋雄

    ○棚橋説明員 先生の御質問に御説明申し上げます。  私どもが担当しておるものは海外先物でございますが、最近、海外先物業者による被害も多発しておるわけでございます。海外先物取引規制法という法律がありますが、この法律が施行されましてから既に一年十一カ月たっておるわけでございます。当初、香港の市場を指定しておったわけでございますけれども、最近ではアメリカの市場とかイギリスの市場の方に移行して、そちらの方に関する苦情相談がたくさん持ちかけられております。それにかんがみまして、私どもとしましては、そういった市場を新たに追加指定すべく政府部内で検討しておりまして、この一両日中にその決定ができますように、その手続を今進めている段階でございます。  以上でございます。
  72. 草川昭三

    草川委員 今御答弁がありましたように、海外先物商法の規制というのは、今地域規制は香港だけなんですね。香港だけなのを、アメリカなりその他の地域に広げざるを得ないということだと思うのでございますが、一両日中にそれが拡大をするということが行われることは、私どもにとりましては非常に歓迎すべきだと思うことなので、ぜひ地域規制を拡大していただきたいと思いますが、具体的にどこら辺まで拡大をされるのか。  それからもう一つ、私はぜひ対象商品の幅を広げていただきたいと思うのですが、その点についてどうでしょう。
  73. 棚橋滋雄

    ○棚橋説明員 先生の御質問に説明申し上げます。  具体的な市場について申し上げますと、例えばの例でございますと、最近とみに多いのは、ロンドンとかアメリカの市場における石油製品、あるいはこれは農林水産省の管轄になるわけでございますけれども、シカゴの大豆とか、そういったものがあるわけでございます。  今検討しておりますのは、八市場を追加指定したいと考えておりますが、また新たなる被害が起こる市場がありました場合は、臨機応変に市場を指定してまいりたいと考えております。
  74. 草川昭三

    草川委員 対象商品の方は……。
  75. 棚橋滋雄

    ○棚橋説明員 今申しましたように、対象商品は、大豆とか石油製品とか、その他もろもろがございます。
  76. 草川昭三

    草川委員 石油、大豆、あるいはまた地域指定でロンドンあるいは東南アジア、アメリカ、ヨーロッパということになると思いますが、先物市場というのは、それなりのプロの段階から全く一般の庶民の段階まで入ってまいりますと、傷が大変大きいわけでございます。ぜひ規制の方はきちっとしていただきたいと思うわけでございます。  そこでもう一回、今度は警察庁の方にお伺いをいたしますけれども、今申し上げましたように、悪徳商法というものの範囲が非常に拡大をしてきておることも事実でございます。しかも、その中身を見てまいりますと、例えば私ども、出身が名古屋でございますけれども、駅前に会社がある。そこへ行きますと、必ずしも体をなした事務所ではなくして、事務所のある階には百何台という電話がだあっと並んでおりまして、しかもそれはほとんどプッシュホン。ですから、そこに雇い入れられました方々がいろいろな名簿を持ってまいりまして、電話でセールスをする、少しでも反応のいいのを、今度はセールスマンがそこへ行く、こういうようなシステムになっております。しかもその入り口には、豊田商事なら豊田商事ではなくて、実は別な会社の看板がかかっているという、いわゆる通常の商取引の企業ではない形になっておるわけでございまして、私はこれは必ずどこかで大きな被害が出てくることはもう目に見えておるのではないかと思うのです。  逆に言えば、警察当局は、だからこそ周辺的にエンテルジャパンのようなものについては少し調査をというのですか、取り調べを行いながら本丸をうかがっておるのではないかと私どもは推測をするわけでございますが、本当にそういう形でいくのかいかないのかということになりますと、ある程度警察当局の関心というものを少し持っていただきませんと、これは認められた商行為なんだという形でネズミ講的に広がっていきますと、それだけ被害者が多くなるわけでございます。その点はひとつ、慎重な態度は十分わかりますけれども、もう少しはっきりとした態度があってもいいのではないか、私はこう思うので、お伺いをしたいと思います。
  77. 上野治男

    ○上野説明員 お答えいたします。  ただいま先生の御指摘の点、私どももよくわかる次第でございます。同じように私どもも危惧しておりますし、全国的にも、最近確かにそういうような法すれすれの行為を行って多大な被害者が出ている事件というのは、多発している次第でございます。したがいまして、私どもも各府県に対しまして、消費者の保護という見地から、それを重点的に取り締まるようにということは繰り返し指示をしておりますし、本年だけでも商品取引、証券取引関係で同じような摘発された会社が合計八企業に達しております。  今後ともそういうような事犯がある場合は徹底して取り締まるつもりでございますが、なかなか相手側も法律を研究していて、すれすれの行為というものが多いものでございますから、取り締まる場合も、技術的に大変難しいことがよくあるわけでございます。ただ、それを上回って捜査をしていかなければならないということは常に考えておる次第でございます。
  78. 草川昭三

    草川委員 時間が来ましたのでこれで終わりたいと思いますけれども、今警察庁がおっしゃいましたように、いわゆるすれすれということだと思うのです、実際やっていることは。だから今日まで行動しておるわけでございます。だけれども、常識的に見るならば、ひっかかる方も悪いかもわかりませんけれども、そういうような環境があるからそうなるわけでございます。しかもまだ被害者がお年寄りに多くなってきておるということも十分認識をしていただいて、対応を立てていただきたいと思います。  また、経済企画庁の方も、個別のものは別といたしまして、国民生活を本当に守っていただく役所でございますので、このような問題等についても、PRなり、被害者の方々がこれ以上広がらないような対応を関係各省にも呼びかけていただくというような、十分な対応を立てていただきたいということを要望いたしまして終わりたい、こういうように思います。  どうもありがとうございました。
  79. 竹内猛

    竹内委員長 次に、田中慶秋君。
  80. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 私は、経済企画庁長官に対して御質問申し上げたいと思います。  先ほども長官は、日本経済の順調な伸びや、あるいはまたそれぞれ期待できるような発言をされているわけでありますけれども、輸出の伸び悩み等も最近は聞けるわけですし、完全失業率の問題についても二・七八%と依然高い水準にあるわけであります。同時に、中小企業の倒産は相変わらずふえている、こういう実態があるわけです。  これらについて、景気の持続的拡大を図り、内需の拡大も図るべきところであろうかと思いますけれども現実には、例えば昨年一年でも、軒並みそれぞれ公共料金がアップをされたわけであります。この辺について、経済のかなめであります長官としての所信をお伺いしたいと思います。
  81. 金子一平

    金子国務大臣 今田中さんから御指摘のございましたように、経済全体は確実に上向いておると思うのでございますけれども、地域によって、あるいは業種によって、なかなか景気がよくなったぞという実感を持てないところが大変多うございますので、私どももそういう方面に対する景気浮揚策をしっかりやってまいりたい。これは私どもの一番の関心事でございまして、例えば公共事業等につきましても、ここずっと数年間実質減らしてまいっておりますので、ことしはぜひひとつ事業量全体としていろいろな方策を講じて、去年を下回らないようにやろうというふうなことで、今予算編成の段階でいろいろお骨折りをいただいておるような状況でございます。  そういった公共事業をうんと――うんとというわけにいきません、正直に言って。経済企画庁長官の立場といたしましては、公共事業もふやしますよ、減税もやりますよ、こう申し上げたいのですが、そういったことをやれる財政上の幅が非常に少ないものですから、限られた範囲内において最大限努力をしてまいりたい、こういう気持ちでやっておるのが私の立場でございますので、御了承いただきたいと思います。
  82. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 前の河本長官は、例えば公共事業の拡大、減税、あるいはまた行政改革というのは、基本的に日本のこれからの経済の柱であろう、こんなことを述べられたわけでありますけれども金子長官はこの辺はどう考えておりますか。
  83. 金子一平

    金子国務大臣 ことしの予算編成期を控えての、短期的な問題としてのことを今申し上げたわけでございます。  私は、中長期的には、例えば下水道一つとってみましても、道路一つ取り上げてみましても、公共事業のおくれというものははっきりしておるのですから、日本のこれからの社会、経済づくりで一番大事なことは、例えば地方の農山村、それぞれの古い歴史と文化を持っているのですから、そこの環境を整備して、砂漠の都会地にいつまでも定住しなくとも、田舎へ帰って、地元で職場がなければ困るから、道路を改良して職場にどんどん進出してもらって、そこに若い人が定住できるような方策をとっていくのが政治として大事なことだ、そういう意味において公共事業の大事なことを考えております。  また、減税につきましても、ことしの増税どこに重点を置くかなんていろいろやっておりますけれども、やはり所得税、法人税が高過ぎることは事実でございまして、ああいう直接税中心の制度は、戦後シャウプの税制が持ち込んだ制度でございまして、あれが唯一の公平な税制だと考えておるような国は、日本以外にどこもないと思うのです。方向としては、直接税をたんたんと減らしていって、間接税の方に重点を移すのが筋でございますが、これは中長期的な問題でございますから、きょうここで、それじゃどうするなんということを申し上げるつもりは毛頭ございませんけれども、そういうことによって財政の幅を持たせて、財政金融政策を機動的に運営できるように一日も早く持っていきたいなというのが、私の率直な気持ちでございます。
  84. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 いずれにしても、今予算時期でありますけれども、御案内のように減税は見送られ、例えば五%のベースアップをしても、住民税などでそのうちの約七〇%を持っていかれてしまう、これが消費者といいますか国民の感覚だと思います。  こういう中で、今予算編成期で、増税路線がいろいろな形で検討されておりますけれども昭和六十年度の経済見通しといいますか、これらについて、どのように長官として考えられておるのか。
  85. 金子一平

    金子国務大臣 先ほどもちょっとほかの委員の先生から御質問がございましたので申し上げたのでございますが、ただいまちょうど関係各省、大蔵、通産、経企と事務的に詰めておる段階でございまして、まだ名目成長率を幾らにするか、実質成長率を幾らにするかという確定的な数字を申し上げる段階に至っておりません。  ただ、感じとして申し上げれば、各方面の調査機関も金融機関も、今発表しておるところでは、そう悪い数字を出しておるところはないと思うのです。四%台、中には五%台もありますが、ことしのように五・三%というような調子には、アメリカの景気が下降いたしまして、多少の影響はありますから、いきませんけれども、私はできるだけひとつ皆さんに御安心いただけるような見通しを出したいなと思って、今せっかく事務当局を督励しておる最中でございます。
  86. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 そこで、日本の経済というのは輸出依存型の経済が現況でありますから、そういう点で対外経済問題関係閣僚会議等が設置され、対外経済対策の検討をされる。主務大臣は河本さんと金子長官がそれぞれお互いに役割分担をされておるようですけれども、いずれにしても、アメリカ経済一つとっても、六十年度大幅に引き締め、あるいはまた軍事予算等々考えても大幅にダウンをされる、こういうことが報道されていることは事実だと思います。そういう点で、日本の全体の貿易の中でも、アメリカに対する依存度が高いわけでありますから、こういう点について、長官としてこれらの問題をどういうふうに考えられておるかということが一つと、あるいはまた、今申し上げたようなそれぞれの役割分担等についても、どのようにされているのか、お聞きしたいと思います。
  87. 金子一平

    金子国務大臣 役割分担につきましては、御承知のとおり経済対策閣僚会議は私が主宰いたしまして、その下部機構といっては語弊がありますけれども、対外経済問題関係閣僚会議が設けられており、その諮問委員会、きょう実はその初会合があったものですから、私ちょっと中座して出てきたわけでございますが、この会議対策のフォローアップ、中長期の課題等は民間の諮問委員を入れて、諮問委員の意見を聞きながら具体的に進めていただく、そしてそれをまた経済対策閣僚会議に諮っていただく、こんな段取りで進めておりますから、もうそれこそ閣僚の衆知を絞って万遺憾なきを期したいという気持ちでやっておる次第でございます。  それから、最初の問題でございますが、経済の見通しにつきまして、特に対米輸出の関係につきましては、来年度は千三百億ドルぐらいのアメリカの赤字が出て、そのうちの二五%ぐらいは日本が持つことになるぞというような話を、先ほど会議で専門家から聞いてきたところでございますが、考え方といたしましては、一つは内需の方に極力振り向けて、アメリカだけで日本経済が持っているんだというようなことのないような方向へ持っていくことが大事なことでございますし、さりとて一遍に対米貿易が減るわけじゃございません。また、ASEANへもどんどん日本の輸出は伸びておりますから、海外経済協力という立場からいうと、極力市場開放して経済摩擦を減らしていくこと。各国が保護主義をとるようなことをやりましたら、それこそ何といっても日本は輸出立国でございますから、それは避けなければいかぬ。ただ、農産物等で譲られぬ一線がございましょうから、そういうところは理解を求めながら、極力市場開放に努めていくということが大事なことじゃなかろうか。基本的にはさように考えております。
  88. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 いずれにしても、国内経済の指針といいますか、方向とかいろいろな問題について、昭和六十年度以降含めて、間違いのない指針を出していただきたいと思うし、またそういうことがぜひ必要だと思います。内需の拡大を図るといっても、減税はしないわけですし、むしろ増税の路線といいますか、そういうものが敷かれている実態でありまして、そういう点では長官の心境と現在の実態とは違うわけですから、そういう点を含めて、これから具体的にいろいろな形でリーダiシップをとるあなたとして、いいムードのことだけをおっしゃられると大きな間違いを来すであろうし、そのツケはやがて国民に来るわけですから、そういうことのないように、この辺は要望しておきたいと思います。  次に、消費者米価の問題が、いずれにしても一両日に決まるようであります。これは経済企画庁及び食糧庁の問題になろうかと思いますが、三・七%ということで、先ほど長官実施時期を少しでもおくらすということであるわけですけれども、先ほど来この問題がいろいろな角度で検討されたり、あるいはまた消費者あるいは末端では、現実外食という形の中で――私もことしの前半ここで、物特の席上で、食堂の御飯が一ぜん当たり一円程度だということであるから、そういう統計的なマジックでこういう問題をされたのでは、現実の数値として、あるいは現在の暮らしという問題が本当に把握できないのじゃないか、こういうことを申し上げた経緯もあります。年に二回消費者米価が上がるという――まだ上がっておりませんが、そういう動向ですから、そういう点で末端として、現実には消費者の皆さんなり外食をされる皆さんが、一円、二円ということじゃなく、十円、二十円、五十円、こういう形で上がってまいりますので、そういう点を含めて、ぜひそれぞれの省庁でこれらに対する対策を検討していただきたいし、それらに対する考え方を述べていただきたいと思います。
  89. 金子一平

    金子国務大臣 かつて私も消費者米価引き上げの際に、外食料金が便乗値上げされた苦い経験を持っておりますので、その点は全く同感なのです。数字のマジックにとらわれてはいかぬぞという御指摘はそのとおりだと思いますので、十分注意して関係方面ともやってまいりたいと考えております。
  90. 山田岸雄

    山田(岸)政府委員 お答え申し上げます。  外食価格等の便乗値上げにつきましては、私ども従来から消費者物価安定の重要性にかんがみまして、次に申し上げるような措置を講じている次第でございます。  まず第一番は、業界に対する指導、協力要請でございますが、米価改定の実施される以前におきまして、外食関係団体に対しまして、米価改定について便乗値上げは絶対にしないように、こういうふうな指導をまずやらせていただいているわけでございます。  それから第二番目には、価格動向の調査だとか指導、監視、こういったものをやらさせていただいております。これは、米価改定前後の期間に、私ども全国に食糧事務所というのを持っておりますが、その職員、それからさらには食糧モニターというのも依頼しておりますが、その食糧モニター等を使いまして、外食価格の調査なりまた巡回指導、こういうことをやりまして、必要があればさらに具体的指導もやろう、こういうことでございます。  それから、消費者に対するPRといたしましては、テレビ、新聞等を通じまして、米価改定に対する外食への影響、こういうことにつきまして、消費者に的確な御認識をいただくようなことを考えておるわけでございます。  今回の消費者米価の改定につきましても、実施する以前から、私どもとしましては、便乗値上げ等が起こらないように、これまでの経過を踏まえまして万全の対策を講じてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  91. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 いずれにしても、現在の逆ざや制度ということの中では、いろいろな問題を含めて、法的にこういう制度があるわけです。食管制度を含めて現在あることは疑いのない事実でありますし、この制度を改正する以外に、現実には何もできないわけです。そういう点では、今政府として、これらの問題でより消費者米価値上げを抑制するためには、やはり何といっても管理コストというものを徹底して下げていかなければいけないのではないかと思います。その管理コストを下げるためにどのような対策や、これらの問題について具体的にどのような取り組みをされているのか、その辺をお伺いしたいと思います。
  92. 山田岸雄

    山田(岸)政府委員 お答え申し上げます。  今先生御指摘のように、米価改定という問題につきましては、私ども家計に与える影響等を考えまして、必要最小限度、こういうことで従来からお願いしてまいったわけでございますが、それ以前におきまして、私どももできるだけの管理経費の節減、こういうことはやっていかなければならない、こう考えております。  管理経費の中身といたしましては、物流にかかる経費。これは運送だとか保管等の問題でございますが、こうした問題は民間貨物等におきましても同じような経費がかかる。こういうことでございますけれども、そうした面における合理化ということはもちろんのことでございますし、さらには食糧事務所の組織、機構、これは定員の削減とかこういう問題。それから、具体的には食糧事務所の支所の統廃合の問題。こういった問題につきましても、臨調等でも御指摘もいただいておりますし、その辺についてもできるだけの努力をさせていただいているような次第でございます。  そのほか、食管運営全般につきましてできるだけ合理化をしていく。具体的には検査業務等につきまして、検査官の能率化だとか、またそれには関係団体といいますか、お米を売っていただく方の農協等の協力も必要なわけでございますが、そういう協力も得ながら検査業務等の合理化もやっていこう。万般につきましてできるだけの努力をいたしまして、それの縮減合理化には努めていきたい、こういうふうに努力しております。
  93. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 きょうは何しろ時間が少ないものですから、それぞれもっと申し上げたいことはありますけれども、いずれにしても、先ほど長官が言われていたように、その三・七%という答申があって、実施する時期というものはそれぞれ大蔵とのやりとりを今されているようですけれども、できるだけ四月以降とか、それぞれ報道によって、いろいろな綱引きをされているようですから、その辺はぜひできるだけ後段に持っていくように努力をしていただきたいし、食糧庁におきましては、今それぞれ管理コストの問題で、出先の整理統合あるいはまた業務の再検討、検査業務、委託業務を含めてこれから徹底的にその辺をしていただかなければ、いつもツケは逆に消費者に、消費者米価のアップという形で来るわけでございますので、その辺を徹底してやっていただきたいということだけを、この辺は要望しておきたいと存じます。  次に、今建設産業の問題で、実は建設価格の標準設定というものがそれぞれされておるわけでありますけれども、それらに基づいて大体機能的な役割、そしてまた物価にも影響もあるでしょうし、全体的には業界の問題もいろいろな形であるわけでおりますけれども、建設省はこれらについて、現在どのような形で運用されているか。あるいはまた、皆さんが行っている適正価格という問題について、現時点でどのような形で運用されているか、この辺についての考え方を述べていただきたいと思います。
  94. 小野邦久

    ○小野説明員 お答えいたします。  先生の御指摘の、各種資材関係をどうするかということでございますけれども、例えばビル用サッシの建て値と実勢価格の間に大変な開きがあるということは、我々といたしましても十分承知をしているところでございます。  これはいろいろな原因があろうかと思いますけれども、例えばビル用サッシについて例を申しますと、アルミ地金が低落したにかかわらず建て値は引き下げなかったとか、あるいは近年の建築不況による需要の低迷のため、建て値と実勢価格に大変な乖離が生じだということが原因だろうと思います。  建設省といたしましては、建設業行政といたしまして、使われておりますいろいろな資材についての的確な需要の把握あるいは価格というものについて常に注視をいたしておるところでございます。特に発注の部門におきましては、これは建設省もある意味では最大の発注元でございますけれども、的確な発注の単価と申しますか、的確な資材価格の把握と申しますか、そういうものに常に努めるように努力をいたしておるところでございます。
  95. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 全般的に建設資材あるいは建築の関係というものは、標準価格というものが物価や、あるいはまた公共事業を含めて全体的に与える影響というのは大きいわけでありますけれども、その辺は、例えば官公需が発注されても、適正価格があって、現実にはそのとおり行われていないような問題も、今のような話で出てこようかと思います。  今たまたまアルミの問題が出ましたので、このアルミの関連について私は若干質問してみたいと思います。  例えばアルミサッシあるいはアルミドア、カーテンウォール、こういう問題について、現況というものは、カタログ価格がありまして、そのカタログ価格の半値、八掛けの四〇%台で、それぞれ大手メーカーから、逆に実態としてはこんな形でダンピングをされている、こういうことだと思います。それはなぜかというと、例えば一時は建設戸数が約百九十万戸ぐらいありました。それが現時点では百十万戸。こんな形で、大手の皆さん方も含めてその業に当たる人たちが、固定経費やいろいろなことを含めてかかるわけですから、それを捻出するためにはどこかにしわ寄せが来る。あるいはまた架設のそれぞれの適正価格が認められていないとか、いろいろなことがございまして、そのしわ寄せが全部一番弱いところに来てしまう。それが現在のサッシ業界に来ているのではないかと思う。  そういう点でサッシ業界は、例えば建設省に対してそれぞれの行政指導をやっていただきたいとか、あるいは通産省に対してもそれぞれの行政指導をやってもらいたい。労働省に対しても、もう既にこの十年間で約十万人の人員整理がされておりますし、あるいはまた、去年どことしても約五社、それぞれサッシ業からその仕事を変えているというのが実態であります。  特に、それだけではございませんで、現実には労働時間を延長し、あるいは逆に賃金をダウンする。さらにはまた割り増し賃金、要するに残業手当等についても、従来まで三〇%あたりだったものが二五%、あるいは労働基準法違反すれすれのところまで、少なくともそこまで詰めなければ、現実にはそれに対抗できない。こういう実態であるわけですから、これらの問題は、ただ安ければいいという問題じゃない。ここは物価委員会ですけれども、やはり適正価格、物価安定とか品質保証やいろいろなことを含めてやらなければいけないわけですから、監督省庁も、民間の企業努力ではどうすることもできない。業界全体が、労使そろってそれぞれの関係省庁に陳情に来られている。こういう実態を見ても、業界が一丸となっても、それぞれ業界全体がおかしくなってしまうところまで来ているというのが実態だと思います。  この辺について、関係省庁であります建設あるいは通産、あるいはまた今申し上げたような労働省の関係の皆さんのところで、具体的に取り組みやいろいろなことを含めて、時間の関係で今一括しましたので、述べていただきたいと思います。
  96. 新村明

    ○新村説明員 御説明いたします。  今先生おっしゃいましたように、アルミサッシ業界、若干の回復ということはございますが、現在大手二十社中十二社というものが赤字になっておる状態でございましたので、依然として厳しい状況にあるというふうに我々は考えております。  特にその中で、先ほど先生おっしゃいましたように、サッシ業界はアルミドアとかビル用のサッシあるいは住宅用サッシとございますが、特にビル用サッシにつきまして、いわゆる受注契約価格というものが見積もり価格を大幅に下回っておるというところが、赤字の一つの大きな原因になっておるのではないかというふうに考えております。そういうことでございますので、我々といたしましても、こういったいわゆる掛け率販売というものを是正いたしまして、また、余りにも大きな割引ということで不信感もございますので、こういったものをぜひ是正いたしたいということで、本年の八月三十一日、生活産業局長通達を出しまして、その是正をお願いしておるところでございます。  これにつきましては、……
  97. 竹内猛

    竹内委員長 ちょっと答弁者に申し上げますが、時間が詰まっておりますので、簡単に。
  98. 新村明

    ○新村説明員 一応、一月一日以降こういった新しい価格で見積もりを出すということになっておりますので、またいろいろと指導をしてまいりたいと思います。
  99. 小野邦久

    ○小野説明員 先ほど通産省の方からお答えございましたけれども、掛け値販売と実質的なカタログ価格との乖離が出てきて、その問題につきましては私の方でも、生活産業局長の通達がどういう形で業界の方へ浸透していくのかを十分見守ってまいりたいと考えております。  また同時に、通達の趣旨等を元請の関係団体に十分説明いたしまして、現在建設投資は厳しいものでございますから、建設業界も厳しいわけでございますけれども、関連業界としてのサッシ業界も厳しいという趣旨を踏まえて、理解と協力を得るように要請しておるところでございます。  以上でございます。
  100. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 労働省及び公正取引委員会等々からまだ答弁いただきたいところでありますけれども、時間の関係もございますし、これからまたそれぞれの動向を見守って、私はまた次の機会に皆さんに御質問させていただくとか、あるいはまたそれぞれの動向についてお伺いをさせていただきたいと思います。  きょうは決められた時間でございますので、終わらしていただきます。ありがとうございました。
  101. 竹内猛

    竹内委員長 次に、藤田スミ君。
  102. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 きょうはこの委員会大蔵省から吉本主計官もお願いをしております。大変お忙しい時期に、ありがとうございます。  そこで、私は、地方の消費者行政を進める上で不可欠な消費者啓発費補助制度が全面廃止されるということについてお伺いをしたいわけです。  まず最初大蔵省にお伺いをいたします。  大蔵省は、消費者行政は地方自治体に定着をしたから、このような補助金は必要はないとの御判断のようであります。しかし、どのような根拠で定着をしていると判断されたのか、また、補助制度がなくなることによる影響はどういうふうに考えておられるのか、お伺いいたします。時間がありませんので、できるだけ簡単に答えてください。
  103. 吉本修二

    ○吉本説明員 既に御承知のとおり、財政というのは膨大な累積の国債をこうやって抱えておりまして、毎年急増する国債費の増加圧力ということで大変な重圧下にあるということでございます。そういうことで、現在、何とかそういう財政の状況から抜け出すために、一刻も早く公債依存体質からの脱却ということで、歳出の削減ということに全力で取り組んでおる。特にいろいろ御批判をいただいております補助金問題については、その施策の基本にさかのぼりましていろいろな見直しを行うということで、総合的にやっておるわけでございます。  ただいま御指摘の、この補助金自体についてどういうことかということでございますが、個々の補助金の問題につきましては、そういう検討の結果どういうふうに持っていくか、そういうことにつきまして、経済企画庁と十分な調整をこれから重ねてまいりたい、こういうことでございます。
  104. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 私が尋ねているのは、これから調整していきたいのはわかっていますが、私自身が大蔵省に行ってお伺いをしたら、地方自治体に定着をした、だから補助金は必要ないというふうな判断を示された。そこで、私はきょうこの場で、何を根拠に定着したというふうに考えておられるのか、そこのところをお聞きしているわけです。そんないろいろなことを言わないで、そこのところだけもう一回言ってください。
  105. 吉本修二

    ○吉本説明員 簡潔にお答えいたします。  補助金は、その基本的な考え方としてどうか、定着をしておるかとか零細補助金であるかとか、そういう観点で全体にわたって見直しておるわけでございます。  この補助金についても、長年にわたってやってまいりまして、地方行政にかなりの数のセンターもできましてやっておるというような実態がある。そういうことから、これはどうか、定着していると言えるのではないかというような観点で検討していることは事実でございますが、それが本当にそういうことであるかどうか、よりよい消費者行政をどのように行っていったらいいか、そういう点に関して今勉強中である、したがって、経済企画庁と検討してまいる、こういうことでございます。
  106. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 まだ勉強中だ、定着しているというふうには言い切れない、まだそういう段階であるということなら、太いに勉強してもらいたいわけです。私は、少なくとも財政の観点から、つまり財政上の理由から、もう地方に定着したなどというようなことは、少なくとも今日の地方の消費者行政を見る限り、それはまさにごまかしであるというふうに考えざるを得ません。  この「国民生活研究」といいます中に、「地方自治体の消費者行政の現状」というのが、八四年の六月、ことし出ているわけなんですが、これは二カ年にわたって、現下の地方の消費者行政の変化を調査されているわけです。そしてこの中で、七つの自治体を調べておりますが、その中の四自治体は予算減です。三自治体は人員が削減され、定着どころか、発展どころか、ますます大変危なくなってきている状態が非常に生々しく書かれております。ぜひ読んでください。予算のときには読んでください。「消費者行政にとって〝厳しい事態〟ともいえよう。」「県と市町村の役割分担論についても具体的日程に上り始めたと言える状況にある。」ようやくそういう段階なんだというふうにこの報告の中では書かれております。きょうも先ほどから悪徳商法の話がありました。今ごろはもう大変な悪徳商法で、商品は複雑化し、かつ悪質、そして有害なものがふえているのです。販売方法なんというのは非常に巧妙になっています。私は、消費者というのは、今落とし穴の上を歩かされているようなものだなといつも思っているのです。うっかりしたら、ぼんとはまってしまうのです。そこで消費者行政というのは、まさに求められている行政なんです。商品テストだとか苦情相談なんというのは、これからますます求められているものだというふうに思います。今から勉強するということですが、少なくともこういう点については、大蔵省はどういうふうに理解をしておられますか。
  107. 吉本修二

    ○吉本説明員 いろいろ御指摘いただきましたけれども、先生方の御努力によりまして、消費者行政というもの、消費者保護行政ですか、そういうものの重要性が十分認識されてきています。国の財政は非常に厳しい。そういう中で、国と地方の役割分担なり、あるいは地方の自主性の問題なり、費用負担の見直しなりの観点から、どういう形で行政を進めるのが最もいいかということを検討しておるわけでございます。
  108. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 どういう形じゃないのです。今本当に財政のことからしか物事を言っておられないのです。そこで、私は一言あなたにもこのことを伝えておきたいと思うのです。  我が党の経塚委員が地方行政委員会の中で発言をしたことに対して、自治省の花岡財政局長がこういうふうに言っています。「現在の交付税の率の中で補助率カットによる影響を措置するということになりますれば、」「地方団体が非常に苦しくなる、それ以外の何物でもない」、このこともぜひ覚えておいていただきたいと思います。  そこで、経企庁にお伺いをしたいわけです。六十年度消費者啓発費補助金の要求案の内訳を見せていただきますと、現在サービス関係の苦情処理が急増していることに対応して、苦情処理専門員謝金を充実する、あるいはまた商品テストの事業費を充実するといったことをなさろうとしているわけです。これは私は大変時勢にかなったいい要求だなと思って見せていただきました、こういったことが補助されなくなれば、事態は極めて深刻なことになると想定されますが、この点はどういうふうにお考えでしょうか。
  109. 及川昭伍

    ○及川政府委員 消費者行政は、これからますます充実拡充していかなければならない行政部門だと私ども考えているわけであります。ただその中で、大蔵省からも御答弁ありましたが、国も地方も財政は非常に厳しい状況にありますので、国と地方がどういう役割分担をしながら充実し拡充していくかということが非常に大事でありまして、御指摘のあったような消費者苦情の処理であるとか、いろいろな問題の対応についても、それが前進するような方向で解決をしていきたいというふうに考えております。
  110. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 大蔵省にお伺いします。  おたくの大臣、大蔵大臣も、この消費者保護会議委員に入っておられるわけです。御存じですか。消費者保護会議というのは、消費者保護基本法に基づいて設置され、会長は総理大臣です。そして、第十七回の消費者保護会議において、これからは、特に来年度消費者行政のこういうところに力を入れていかなければいかぬということを非常に熱心に検討された。  そして、最後の方をめくっていきますと、「地方に対する指導・助成等」という項目の中で「当面(五十九年十一月以降六十年度中)講ずることとしたい措置」の中で、「引き続き、消費者に提供する商品の比較情報等の収集のため、消費生活センターの行う商品テスト等に対し助成する。」こう書いてあります。それから「引き続き、消費生活センター等の商品テスト機器の整備につき助成する。」こういうふうに書いています。また「苦情処理」の項を見ましても、「地方公共団体が行う苦情相談処理(中略)に対する助成を通じて、」とあるだけで、役割分担なんてどこにも言ってないのです。  まだ国が助成しなければいけないんだということを、大蔵大臣も参加をされ、そうして総理大臣を会長に据えた消費者保護会議の中で決めておられるのです。大蔵大臣異議を唱えておられないわけです。そういうふうにおたくの大臣も賛成しておきながら、どうして助成措置をカットするというようなことができるのかということになると思います。この消費者保護会議の決められたとおりに実行していただきたい。そういう点ではどうでしょうか。
  111. 吉本修二

    ○吉本説明員 消費者行政の重要性というものを否定しているわけではなく、そういう中でどのような行政をやっていくのが一番ベターであるかということについて検討しておるということでございます。
  112. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 だけれども、一番トップ会議の中で、来年度はこういうふうにしていこうという基本線を決められた。予算をつけるこの数日間に、消費者行政が大きく曲がっていくような、そういう重大な問題を決める権限があなたにあるんですか。これが一番トップなんです。総理大臣を筆頭にしてトップが決めたんです。大蔵大臣も、そのときはそうだということで賛成された。これを守られますかどうですか。私は守らなければならないと思います。
  113. 吉本修二

    ○吉本説明員 大蔵大臣と私どもは、もちろん一体で仕事をしておるわけでございます。
  114. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 長官、ぜひとも意を強くしていただきたいわけです。材料が大変たくさん並んでおります。先ほどから申しましたように、この消費者啓発費補助金の国の助成を廃止するといったようなことはできない条件が、今たくさんあるわけです。きょうはもう時間がなくて本当に残念なんですが、ある意味では地方も、そして国の段階では今日こういうようなことが言われている中で、消費者行政というのは非常に危機的な状態になっているんじゃないか。長官のお力で、ぜひそうじゃない方向で前進をさせていただきたいわけです。  そういうことで、消費者保護基本法を見ますと、その第六条には、「政府は、この法律の目的を」つまり消費者保護という「目的を達成するため、必要な財政上の措置を講じなければならない。」こういうふうに書いております。先ほどお話をいたしましたが、この補助制度がなくなりますと、地方の消費者行政は非常に大きく後退するということはもう必至だと思います。したがって、そういうふうな六条の趣旨にも背かないように、この補助制度存続のためにひとつ長官の決意を示していただきたい。
  115. 金子一平

    金子国務大臣 大変力強い御支援をいただきまして、心強く思っております。国の助成があってだんだんと消費者保護の体制が整備されてまいりましたことは事実でございまするけれども、先ほど来お話のございましたように、情報化、サービス化あるいは高齢化等のいろんな変化が目まぐるしく行われている際でございますので、私は消費者行政の重要性というものは、これからもますます大きくなってまいると思います。そういう際でございますから、皆さんに御安心いただけるようにしっかりとやってまいりたい、これが私の気持ちでございます。  時間的にも、まだ最終的な結論を出しているわけでは毛頭ございません。大蔵省は財政的な見地から、いろいろな御主張があることは事実でございますけれども、私どもは私どもの立場がございますから、できるだけ最後まで頑張ります。
  116. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 ぜひ頑張っていただきたいわけであります。  もう時間がなくなりましたので、最後に一問だけ、消費者米価の問題についてお伺いをしておきたいと思います。  先ほどから、机の上で計算をした上がり幅と、実際にみんなが米代が上がったことによって受ける影響とは随分違うのだというお話がありました。私は特に、ことしの米不足のときに随分いろいろな卸屋さんだとか倉庫だとか行きまして、改めて知りましたのは、徳用米だとか標準価格米というのは、実はこれは企業内の食堂だとか、また余り高くない、一般大衆が利用する食堂、こういうところにたくさん使われております。それから施設ですね。そしてもう一つは、一般家庭ではどちらかというと非常に所得の少ない、五分位で分けまして第一分位に属する、ここのところの家庭が、こういうふうな標準価格米あるいは徳用米というのを消費される大舞台になっているわけです。そういうふうに考えましたら、今回標準価格米の三・七に対して、徳用米は八%に近い上げ幅になっておりますが、これは低所得者に対する打撃が非常に大きいという、この点について経企庁の方はどういうふうにお考えになったのか。また農水省の方は、この点については消費者家庭を安定させるという点で、食管法の趣旨をどういうふうに考えておられるのか、この点をお伺いをしたいわけです。  あわせて一緒にお伺いをいたしますが、もう一つ大臣にお伺いします。  自主流通米の安売りが始まっている。しかも過剰だ。にもかかわらず、ことし二月に上がったばかりの消費者米価がまた上がる話が出てきている。こういう点では、大臣もそういうことで、それは大変困ったことだ、そういうことだから認められないというお立場で農水省と折衝されたというふうに、私は先ほど聞かせていただいたわけですが、いずれにしても、その自主流通米が安売りされている、にもかかわらず、政府管理米が引き上げられる。こうなりますと、食管法そのものが、そういう形の中でなし崩しにされてしまうのではなかろうかというふうに考えますが、いかがでしょうか。  もう一つは、先ほどから何遍も御決意を聞かせていただいておりますが、私は、低所得者に対する打撃を考えるときに、何とかこの値上げ自体を見直していただきたいと言いたいわけですが、その御答弁はいかがでしょうか。  それから、四月の実施というふうな先送りを主張しておられるわけですが、少なくともそこのところはぜひとも頑張って、国民への打撃を少なくするために御奮聞いただきたい。  たくさん申しましたが、長官、恐れ入りますが一番最後にして、あそこら辺から……。
  117. 金子一平

    金子国務大臣 それでは先に答弁させていただきますが、一年間に二回も値上げする、しかも、今お話しのように米がだぶついておる、あるいは自主流通米が投げ売りされているという状況のもとで値上げされるということは、これは国民を納得させるのは大変難しいと思うのです。そういう意味におきましてできるだけの努力をしたつもりでございますが、先ほど来申しておりますように、財政事情もこれあり、財政再建が何といっても今一番大事なことでございますので、涙をのんでと言っては言い過ぎかもしれませんけれども、私も同意を与えたわけでございます。  ただ、実施の時期につきましては、これは四月になるのか三月になるのか、まだ結論を出しておるわけじゃございませんけれども、何としてでも先送りしたい、少しでも消費者の皆さんに御安心いただけるように持っていきたいという気持ちでおることは事実でございます。まだ最終結論は出ておりません。
  118. 山田岸雄

    山田(岸)政府委員 それではお答えいたします。  徳用上米の上げ率の問題につきましてでございますが、御案内のように、私どもの価格改定におきましては、原料米につきまして類別に同額の改定を乗っけているわけでございまして、今回六百五十四円を乗っける、こういうふうにやっているわけでございます。  前回の例で見ますと、前回改定におきましては三・七六%改定する。額としまして六百四十円でございます。これを標準価格米なり徳用上米、徳用米、こういった原料価格に乗っけて計算いたしますと、精米で見ますと、標準価格米では四・二%になります。それから徳用上米では五%、徳用米では六・二%。いわゆる乗っける額が同額でございますので、今申し上げましたような徳用上米とか徳用米は、分母になる数字が非常に小さい、こういうこともございまして、逆の数字上のマジックという点が一つあるわけでございます。  そのほかに、今回は徳用上米につきまして、原料となりますところの三等米の問題があるわけでございます。三等米につきましては、従来から、品質格差から見たよりはさらに安くという感じで価格を設定しておったわけでございますが、今回は、そういうふうなことによりますと、一般家庭に消費されるものよりは、主として業務用等に消費されるものが非常に多いということもございまして、いわゆる玄米の流通に混乱を来すおそれがある、逐次それを是正していく必要もあるのじゃないか、こういう考え方で、三等米につきまして若干手直しをしよう。こういう影響も出て七・二%になっておるわけでございまして、そうしたことにつきましても御理解を得ながら、価格なり流通秩序を適正に運営してまいる、確保してまいりたい、このように考えております。
  119. 藤田スミ

    ○藤田(ス)委員 どうも意見がありますが、また次のところに回しまして、終わります。  どうもありがとうございました。
  120. 竹内猛

    竹内委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十八分散会