○横江
委員 金の現物まがい商法、
豊田商事の
被害者は全国的に広がっており、その救済を求めて全国の
消費者センターや
法律相談所へ殺到していると今言われているわけであります。
名古屋弁護士会は、前々から名古屋先物
取引被害研究会を設けておりまして、この研究会が
豊田商事の
被害の多いことに驚き、
昭和五十八年一月から
昭和六十年三月までに弁護士が関与した全国の
豊田商事被害者の
実態調査を実施いたしました。この集計がまとまりましたのがここ少し前でございまして、それをこれから
指摘をして御
答弁を賜ってまいりたいと考えるわけであります。
今申し上げましたように、その
調査対象は五十八年一月から六十年三月までの弁護士が関与したものでありまして、都道府県の県別の回答数は青森、宮城、富山、東京、愛知、大阪等、すべて、来てないところもありますが、来てないというのは
被害がまだ埋もれておって来ていないところでありまして、実際に三百二十一件の係争、そして弁護士が関与した数字が全国的に出てきているわけであります。そして、その
被害者の性別、年齢別の
被害状況の数を見てまいりますと、二十代が男が三人、女が十三人、三十代が男が四人、女が二十二人、四十代が男が六人、女が十二人、五十代が男が一人、女が二十八人、六十代が男が二十九人、女が五十四人、七十代が男が二十八人、女が七十三人、八十代が男が十一人、女が十八人、そして九十代が男が二人、トータルでまいりますと、三百十八人のうちの二百十三人が実は六十代から七十代、八十代の
皆さん方の
被害状況であるわけであります。
この二百十三人の六十歳以上の
皆さん方の中で独居老人と老人世帯の数を見てまいりますと、独居老人は男二十九人、女九十二人、老人世帯は男二十二人、女十四人、トータルで百五十七人、全体からまいりまして約五割近い数字が実は老人であるわけであります。この百五十七人の
被害者の分析をまたされておりますので、これまた私は
指摘をしてまいりたいと思いますが、六十歳以上の独居老人及び老人世帯のケースの
内容の分析でありますけれども、今申し上げましたように、独居老人、老人世帯含めて百五十七人、約四九・四%、この
皆さん方の実際の
被害額というのは、三百万円未満が四十八人、三百万円以上五百万円までが二十三人、五百万から一千万が四十人、一千万から二千万が二十八人、二千万から三千万が三人、三千万以上が二人、こういう額の
被害を実は受けてみえるわけであります。
そして、この百五十七人のうちの、まさに私は驚くべきことだと思いますが、
被害者の判断力に影響を及ぼすと考えられる老人の障害例が出ておりまして、百五十七人のうち十六人が老人性痴呆症なんです。また、判断力の低下をしている人が九人、精神分裂症の人が一人入っているのです。うつ病の人が一人、目の見えない視力障害の方が一人、聴力障害の方が一人、その他の身体障害が一人、脳梗塞一人、脳卒中二人。百五十七人の独居老人、老人世帯のうちの四十人がまさにこのような障害者で、しかも自分の判断ができない人が実は
被害にかかっているわけであります。
今、社会全体では二五%が老人世帯だと言われます。この老人世帯、その老人を相手にする商売、シルバーマーケットが今この
豊田商事だ。収奪をしている、老人を相手にして収奪をしているというのがこのありありとした
実態でわかると私は思うのです。
その中で、時間がございませんから
一つだけ、老人性痴呆症、これは名古屋市南区の
関係の人でございますが、事例を申し上げてまいりたいと思います。
この方は七十歳だそうでございますが、仏壇職人でございまして、三年前に奥さんを亡くしました。奥さんが亡くなりましてからぼけ始めて、そのぼけ始めたところをねらって
電話で
確認をして、そして余りはっきりしない、管理能力がないという点を
確認した上で、そこをねらって
豊田商事の女を含めて三人ぐらいで入れかわり立ちかわりして、そして結果的に一千七百万円取っていってしまったのです。一千七百万円取り上げた上で、しかし、すかんぴんにしてしまったらその方は食うわけにいきませんから百万円は残しているのです、百万円残して、この方は老齢年金をもらっていますが、
通帳を見ても老齢年金が幾ら入っているか、生活費が幾ら出ていっているか、百万円から出ていっていることもわからない。記憶がとぎれとぎれなんです。
こういうような、実際まさに自分で判断できないような人を相手にして
契約している。この
実態について、名古屋弁護士会が
努力されてつくったこの統計
調査について、今申し上げました事実について
大臣はどのような感想をお持ちなのか、まず、私が今読み上げましたこの点についてひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
〔
委員長退席、浦野
委員長代理着席〕