○横手
委員 万全を期していただきたいと思います。
次に、先ほど来、東海沖
地震の
予知問題についていろいろと議論がなされておりましたし、私も以前、本
委員会においてこの問題について何遍か
政府の方針をお聞きをしたところでございますが、きょうは少し変わった
観点からこの問題についてお伺いをしたいと思うのであります。
それは、
東海地震の警戒宣言解除の問題について、
東海地震の警戒宣言が発令された後、
地震が長期間
発生しない場合の対処についてお伺いを申し上げるのであります。
御案内のとおり、去る一月二十三日に、イタリーで、北部山岳
地域に四十八時間以内に大
地震が起こる
可能性があるという内容の
地震警報がテレビやラジオを通じて初めて出されました。このため、
関係市町村を初め周辺
地域の
住民約五万人が直ちに避難をしたのであります。その時間切れの二十五日になっても幸いにして何も起こらなく、この警報は空振りに終わりました。
イタリーは、
我が国と異なって、法律上
政府が
地震警報を出す権限はなく、イタリー
政府があえて警報を出したということは、イタリーの農村部は石づくりの家が多く、
地震のたびに多くの
被害に遭っているので、無警報で
地震に襲われるよりも、空振りでも警報を出した方がいいという判断があったものと思われるのであります。
このことは、警報下での社会
生活や経済
生活はどうなるか、警報解除の際の安全確認はどうかなど、
我が国の
地震対策への教訓も大変多かったと思うのであります。
東海地震については、いつ
発生してもおかしくないと言われており、その切迫性が世界でも例を見ない大震法の制定動機ともなったのであります。
昭和五十二年に制定された大
規模地震対策特別措置法は、異常データの判定から
予知情報の伝達、警戒宣言の発令、
関係機関の処置などを決めた法律であることは御案内のとおりであります。この法律では、大規模な
地震により著しい
被害を受けるおそれがあり、
地震防災対策を
強化する必要がある
地域を
地震防災対策強化地域として指定することになっており、
東海地震については、
昭和五十四年八月に静岡県を
中心として六県百七十市町村を
地震防災対策強化地域として指定をしております。
警戒宣言は大
規模地震対策特別措置法で定められ、東海地区の観測網に一定以上の異常が出された場合、判定会が招集され、その結論によって内閣総理大臣が発令するとなっております。一たん警戒宣言が発令されると、この法律によって
住民の
生活や経済
生活がさまざまな規制を受けることになります用
地震防災対策強化地域内では、公共交通機関、金融機関、病院などの営業や外来診療が停止され、電話は通話規制、道路も速度制限や
強化地域への進入禁止
措置などがとられます。このため、
地震が
発生しないで宣言状態が長引くと、
強化地域内での
住民の
生活や経済活動に支障が出て、解除を望む声が高まることも予想をされます。
こうした事態を避けるため、大
規模地震対策特別措置法第九条第三項では、
地震の
発生のおそれがなくなったと認めるときは警戒解除宣言を発すると定められておりますが、問題なのは、
発生のおそれが遠のいたことをどう判断するか、警戒宣言解除の基準や方法をどのように決めていくのか、このことが大変大事なことであります。イタリーのときは、警報の対象になった
地域は
人口わずか五万人の山村
地域であったが、
東海地震の
対策強化地域の
人口は、静岡県だけでも三百五十万人に達するのであります。警戒宣言が発令されてから一定期間を過ぎても
地震が起きなかった場合、社会的混乱が起こるおそれがあります。
そこで
政府は、平素からの
住民のコンセンサスが必要でありますが、これについてどのように対処されておりますか。警戒宣言解除の基準づくりやその方法についてお伺いを申し上げます。
一部新聞報道によりますと、「
東海地震の「警戒宣言」が発令された後、
地震が長時間
発生しない場合の対応がまったく考えられていなかったが、
気象庁は十四日までに、宣言解除の基準や方法について、検討をはじめることを決めた。
地震が
発生しないまま宣言状態が長引くと、
国民生活や経済活動が大幅に規制される。このため、
地震発生の危険が完全に去らなくても、解除せざるを得ない
状況がありうる、との判断に立ったものだ。」このように報道されておりますけれ
ども、その点についてお伺いを申し上げる次第であります。
また、この
地震予知、それは先ほど来議論が繰り返されておりますように、完全に
予知ができないということであれば、その
地震予知には空振りがつきものだ、これは避けられないことだろうと思います。
先ほど申し上げましたイタリーの空振りの後、静岡県では早速
現地へ
調査団を派遣された模様であり、次のとおりに報道されているのであります。「幸い、この警報は空振りに終わったが、
地震国ニッポンからみると、貴重な〝実験〟をしてくれたようなもの。警報下での社会
生活や経済活動はどうなるか、警報解除の際の安全確認は、などわが国の
地震対策への教訓も多い。東海大
地震への備えを急ぐ静岡県では早速、
現地調査団を派遣したが、「
人口五万人のイタリアの山村地帯と
人口が密集しているわが国の太平洋ベルト地帯では規模が違いすぎるが、警報にもあわてないおおらかなイタリア人気質を学ぶべきだ」というのが結論だった。」このように報道されているわけであります。
しかし、ただ単にイタリーかたぎを期待するということでは少し寂しいような気がいたしますし、あるいは
気象庁では空振りを許す寛容さを、こういうことを言っておられるわけでございますが、空振りがあるということが避けられないことであるとするならば、こういったことについての日ごろからの
住民のコンセンサス――私も多くの
地震の現場に行ってまいりました。北海道へ行ったときにほとんどの家庭で火を使っていた。にもかかわらず、あれだけの
災害を起こしながら火災が一件も起こらなかった。こういうことで、ぐらっと来たら火を消せというのはかなり普及してきたことをその事実として見せつけられたわけでございますけれ
ども、このような空振りの場合の
地域住民との普遍的コンセンサスが必要であると思いますが、これに対する具体的方針をお伺いするものであります。