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1985-06-13 第102回国会 衆議院 交通安全対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和六十年六月十三日(木曜日)     午前九時五十一分開議 出席委員   委員長 小川新一郎君    理事 浦野 烋興君 理事 太田 誠一君    理事 高村 正彦君 理事 関山 信之君    理事 永井 孝信君 理事 坂井 弘一君    理事 玉置 一弥君       加藤 卓二君    津島 雄二君       船田  元君    山村新治郎君       網岡  雄君    上野 建一君       沢田  広君    森中 守義君       伏屋 修治君    辻  第一君  出席政府委員         内閣法制局第一         部長      前田 正道君         警察庁交通局長 太田 壽郎君         総務庁長官官房         交通安全対策室         長       波多 秀夫君         運輸省運輸政策         局長      山本  長君         運輸省地域交通         局次長     熊代  健君         建設省道路局長 田中淳七郎君  委員外出席者         警察庁交通局交         通企画課長   安藤 忠夫君         大蔵省銀行局保         険部保険第二課         長       鏡味 徳房君         建設省道路局高         速国道課長   布施 洋一君         日本国有鉄道旅         客局サービス課         長       丸山 智之君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     加瀬 正蔵君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     大久保一男君         特別委員会第一         調査室長    内野 林郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  交通安全対策に関する件      ————◇—————
  2. 小川新一郎

    小川委員長 これより会議を開きます。  交通安全対策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本道路公団理事加瀬正蔵君及び大久保一男君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 小川新一郎

    小川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     —————————————
  4. 小川新一郎

    小川委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上野建一君。
  5. 上野建一

    上野委員 私の方からは、高速自動車道有料道路、それらに関しまして若干質問していきたいと思います。  まず、ことしの四月十八日付になっておりますが、「高速自動車国道整備採算性の確保についての中間答申」というのが出ております。これによりますと、道路審議会でこの答申がつくられているわけですが、建設大臣が同審議会に五十五年十二月二日に諮問をされています。そして五十六年七月二十四日に中間報告を出されている、こういうことであります。五十六年の中間答申については、研究を要するものなどを含めて出されたようでありますけれども、それからことしまで四年間かかっておるわけなんですが、率直に申し上げて、内容に対しては、この程度のことがこんなに長い時間かかるのかという感じがまずいたします。それと、これだけ都市問題を初め激動しておる時代に、この審議会というのはこんなにのんびりやっておったのではどうするのだという気がするわけであります。それに加えて、料金問題がかねてから問題になっているわけですから、それなどについてももっと積極的な答申があるのかというので中を拝見いたしますと、これには極めて若干しか触れられておらない。  これからさらにそれらの問題は検討するのだということでありますけれども、こういう手間のかかる審議会をやる必要があるのかどうか、率直に言って疑問に思いました。むしろ道路公団初め建設省、そういう実際にやっておられる方々が積極的にいろいろな提言をするなり改善をするなりの案をつくって、それを有識者に検討してもらう、あるいは相談に乗るぐらいの、そういうことでいいのではないか、こう思う点があるわけですが、この答申を受けて建設省はどのような対策を考えられておるのか、それからこの審議会に対しては今後どういう対処をしていくのかをまずお伺いいたしたいと思います。
  6. 布施洋一

    布施説明員 ただいまお話のございました道路審議会中間答申でございますが、ことしの四月に出ました中間答申は、御案内のようにプール制のもとにおける内部補助あり方につきましての御答申をいただいたものでございます。したがいまして、この取り組みいかんということでございますが、取り組みにつきましては、五十六年の中間答申並びに今回の中間答申関連がございますので、それぞれの内容を踏まえましてこの答申の趣旨に沿っていろいろな対策を講じてまいりたい。あるいは、五十六年の答申につきましては一部既に実施に移しているものもございますが、まだ未実施のものにつきましてはこれから早急に実施に移すべく検討してまいりたい、かように思います。  それから、今の料金でありますとか、そういった今後の検討課題として記載をされている事項がございます。この点については、時限がいつまでということではございませんが、今後引き続き御検討をいただくという予定になっているところでございます。
  7. 上野建一

    上野委員 そこで、今も質問の中で申し上げましたが、これはもうちょっと急がないといかぬのではないか。答申が出てからもう五年もたっているのに、率直に言ってまだ重要な点については解明されていない。そういうことですから、どう考えても、五年間もかけてこの程度では審議会はなくてもいいのではないかと思うぐらいでありますので、なお審議会を活用しようというのなら、何らかの形でもっと促進をして当面する問題点に対処してもらいたい、冒頭からまず要請をしておきます。  そこで内容なんですが、一つ料金の問題であります。  道路整備特別措置法の第十一条、それから第十一条の二項、三項、これらの中に料金の問題がございますが、料金は「公正妥当なものでなければならない。」ということを言っておるわけなんですけれども、その公正妥当ということから考えると、このプール制度には多くの矛盾があるのではないか、こう思いますが、その点はどうでしょうか。
  8. 布施洋一

    布施説明員 プール制ということと公正妥当ということの関連についてのお尋ねでございますが、プール制につきましては、今の料金というようなことではございませんで、高速道路ネットワークとして構成すべき路線が同時に建設されるものではないというようなこと、あるいはネットワーク区分自体が便宜的なものであるというようなこと、そういったようなことから、高速道路ネットワークとして一体として考えるべきだということから定められたものでございます。  一方、今お話のございました公正妥当ということでございますが、これは利用いただく方々支払い能力と申しますか、負担力と申しますか、そういったようなもので決まるわけでございますけれども、これに対しまして、利用者が負担すべきものに対して著しく高いというようなこともいけませんし、また著しく低いというようなこともいけない、こういうような意味で公正妥当ということが決められているわけでございます。  したがいまして、プール制というものと公正妥当というものとは直接結びついているものではないというふうに考えるものでございます。
  9. 上野建一

    上野委員 だけれども料金というのはどうしてもプール制によって、簡単に言いますが、もうかる道路採算のとれない道路、これが出てきますね。それから、建設省などの考えていくと、これからどんどん高速道路をつくる方向にありますから、そうすると、料金の上がらないようなところまでつくる。それを全国的にプールすれば、もうとっくに無料にしてもいい道路すらいつまでも料金を取られるということになる。こういうことはどうしたって関連をするし、矛盾になると思うのですけれども、その点はどうですか。
  10. 布施洋一

    布施説明員 ただいまおっしゃいましたように、路線別に経理をいたしますと、路線別採算のよろしいものが採算の比較的よろしくないものを補助するという形になってまいります。そういう意味で、ことしの四月にいただきました答申は、その点につきます、いわゆる内部補助の問題についての御答申をいただいたわけでございます。  それで、償還したと思われるような路線についてどうしたらいいか、それが回るということはおかしいのではないかというようなことでございますが、これは先ほどもちょっと申し上げましたが、路線の決め方が便宜的であるというようなこととか、あるいは路線相互間にお互いに利用する可能性があるというようなこととか、いろいろなことをその答申に書いてございますが、そういうようなこともございまして、内部補助が行われることには一応の合理性はある、こう考えております。しかしながら、内部補助が過度に行われるということにつきましては問題があるということでございまして、内部補助あり方、歯どめと申しますか、そういった点につきまして前回の道路審議会答申で御指摘をいただいた、このように受けとめているところでございます。
  11. 上野建一

    上野委員 ところが、私は、今の高速有料道路料金というのは高い、こう思いますし、公正妥当かどうかというのは、理屈をつければいろいろな言い方があると思いますけれども、簡単に言うなら、払う側がこれは幾ら何でも少し高いと……。もともと道路というのは無料というのが原則じゃないですか。これは原則無料でしょう。金を取るというのは特殊なことであって、もともと無料であるべき道路から金を取るということなんですから、そうすると、この公正妥当というのは、かなり金を払う側の立場に立って考えないといかぬだろうと思うのですね。  現に、諸外国の例を見ましても、アメリカなどはキロ当たり三・八円、高いもので四円四十銭。それから、フランスで高い方が七円五十銭、安い方は四円七十銭。それから、イタリアは二円七十銭、高い方で三円三十銭。それに比べ日本は十九円六十銭になっているわけですから、相当な高額です。これはもうそれぞれの国の道路発展事情あるいは社会的ないろいろな条件がありますから、一概には言えない点が確かにありますが、しかし、どう考えても三円と十九円では相当な開きでしょう。フランスなどにしても、高い方を見ても日本の場合はこの約三倍近い。  そういうことをずっと考えてみますと、日本有料道路料金水準は高くなっている。高いのは、収入のある方から新しく建設される道路の方に内部補助をやる、こういうことが原因なのだろうと思うのですけれども、ここら辺の、有料道路を安くするということについて今後どういう対策をとられようとするのか、それをまず建設省にお伺いし、道路公団の方には、方向としてどうすればこれは料金を安くすることができるのか、そこのところを実際に料金を取っておる立場からお伺いしておきたいと思います。
  12. 布施洋一

    布施説明員 今の点につきましては、五十六年度の中間答申に主として述べられていることでございますが、例えばプール制に編入する時期を変更するとか、あるいは償還年限を延長するとか、あるいは一般道路計画調整を進めるとか、それから、直接的に一番響きますのは建設費でありますが、維持管理費節減する、安くするようにするとか、あるいは横断道等比較的採算のよろしくない路線に対しまして国の資金の援助を強化するとか、そういったような提言が行われているわけでございます。  それで、これのうち例えば今の横断道等への国の助成の強化でありますとか、あるいはプール編入時期の変更でありますとか、料金を低く抑えていくための方策につきましては、既に実施に移しているところでございます。
  13. 大久保一男

    大久保参考人 建設費管理費低減料金水準の上昇を抑えるということは仰せのとおりでございまして、ただいま建設省高速国道課長が申したことに尽きるわけでございますが、まず建設費につきましては、少し具体的になりますが、暫定二車線と申しまして、通常上下車線高速道路建設するわけでございますが、交通量が少ないと見込まれる地域につきましてはとりあえず二車線建設をするということで工事費節減を図っておるというようなことをやっております。  それから管理費低減につきましては、現在、料金徴収機械につきましては、従前パンチカードという方式でやっておりましたけれども、性能のよい、情報量が十倍も入ると言われております磁気カード方式に逐次切りかえつつございまして、六十三年度末にはこれは全部切りかわるというような合理化管理費節減もやっております。  それから、先ほど高速国道課長から話がございましたように、資金コスト低減ということで、横断道等につきましては、一般原則が六・五%であるのに対しまして、三%という手厚い資金コスト建設が行われているわけでございます。
  14. 上野建一

    上野委員 そうすると、建設省の管轄になりますけれども全国道路網をこれからも拡充をしていく、それは全国から要望が相当あることも、私も委員会などで承知をしておりますが、しかし、高速有料道路をやたらにつくるような形になったら、今言った内部補助プール制、こういう制度のもとでは、料金の方は当然安くならぬですよ。その中からいろいろな費用を全部引くわけでしょう。かかる費用を全部引いていくわけですから、それから内部補助をほかに広げていくということになりますから、そうすると、今の料金は当分安くなるような見込みは、どうもあなたの答弁ではないように思われますけれども、その点はどうでしょうか。
  15. 布施洋一

    布施説明員 高速道路料金につきましては、現在の料金水準は、現在施行命令が出ております区間あるいは供用している区間を含めました五千四百十五キロという延長でございますが、その事業費を三十年間で償還するということで定められている料率でございます。したがいまして、現在五千四百十五キロの事業をやっているわけでございますが、先ほどからお話のございましたように、全体計画といたしましては、法定されております予定路線が約七千六百キロあるわけでございまして、今後また新しい区間を取り込んでまいりますと、それに伴いまして改めて採算計算を行いまして料金を定めていく、こういう形になるわけでございます。
  16. 上野建一

    上野委員 では、安くなるのかならないのか。ならないのでしょう。
  17. 布施洋一

    布施説明員 それはまだ厳密に計算しておりませんが、これから入ってくる方の路線採算性がどうかということが影響してくるわけでございますが、感覚的に申しますれば、これから比較的お金もかかり、比較的交通量の少ない横断道等路線に移ってくるということになりますので、そういう意味では安くなる見込みは比較的少ないというふうに思われます。
  18. 上野建一

    上野委員 そうだとすれば、やはりこれはプール制なり内部補助についてのやり方を変えなければいかぬのじゃないですか。例えば、フランスでは都市部料金無料になっているそうですね。東京のこの辺を走っている高速道路フランスではただなんですよ。日本はさっぱり安くもならなければ、この調子でいくと、これからつくられるところというのは大体採算余りないところですよ。どちらかといえばむしろ政治道路だ、政治的、社会的要求のあった道路だ。そうなると、十九円六十銭というのはさっぱり下がらないし、下がらないところじゃなく、さらに加わってくる可能性すら私はあると思うのです。そうすると、このプール制度というもの、それから内部補助というものを、やり方を切りかえていかなければいかぬ。ただこの答申だと、これからもやれ、ただし国の補助を多くとれというようなことを書いてありますね。それでカバーする。ところが補助金を削っておる最中ですから、今、国の補助を多くとるなんというどころじゃないでしょう。そういうことになりますと、やり方を変えなければならぬところに来ているのではないでしょうか。この点はどうですか。
  19. 布施洋一

    布施説明員 今からやってまいります路線内部補助がどうかということでございますが、これも御案内と思いますが、先般の答申内部補助あり方について二つ書かれておりまして、採算の悪い路線につきましてはよそから内部補助を受ける額を半分程度に抑えなさいということが一つ言われているわけでございます。それから、採算がよろしくて内部補助を与える側の路線につきましては、その路線が現在建設されたとした場合幾らになるかという再生産コストに基づく料率によってその料金計算をいたしまして、歯どめを考えるべきである、こうなっているわけでございます。したがいまして、十九円六十銭の現在の水準でございますが、そういうものと今申し上げましたような内部補助を半分にするという限界、それから再生産コストによります料率と、その辺を見きわめながら料金を定めていくようにという御答申をいただいておりまして、私どもはそういう考えで進めてまいりたいと思っているところでございます。
  20. 上野建一

    上野委員 さらに具体的にお伺いいたしますが、今三つの区分によって料金を取っておりますね。その中で先ほど言った公正妥当でないと受け取られている点では、トラック乗用車バイクも同じ料金になっている。これじゃ幾ら何でもひどいじゃないかという形があります。現にバイクの場合には訴訟まで起こされている状態、これはバイクに乗るとか乗らないとかは別にして、バイク乗用車料金が同じというのはどう考えても常識的には納得できない、そう思われますので、この点に対してもやはり早急に区分をしてやらなければいかぬのではないかと思うのですが、現在のところどう考えておられますか。これは両方から、公団の方にもお伺いしたいと思います。
  21. 大久保一男

    大久保参考人 おっしゃるように、バイク料金乗用車に比べて割高ではないかという御意見があるのは承知しておりますし、それからさらに、乗用車トラックと同じなのは不公平じゃないかというような御意見があることも承知しております。しかしながら、高速道路料金区分につきましては、余り細分化をいたしますと料金徴収にかかる経費がかさむこと、それから料金所における利用者の時間的損失を招くというようなことから、なるべく数少なく統合されることが適切だというふうにされておりまして、現在の三区分、すなわち普通車大型車特大車となっておるものでございます。そういった観点から、二輪車につきましては、普通車という一番最低のランクの区分になっておりますけれども、多少の問題はないわけじゃないと思いますが、公平性を著しくゆがめるものではないと私どもは考えております。
  22. 布施洋一

    布施説明員 ただいま公団担当理事から御説明申し上げたのと基本的に変わるわけではございませんが、若干つけ加えさせていただきますと、先ほど来出ておりますことしの四月の道路審議会中間答申におきましても、この問題は触れられているところでございます。現在、先ほども御説明がございましたパンチカード方式から磁気カード方式機械の切りかえを行っておりまして、こういう機械変更をすることによりまして、将来においては車種区分を若干追加するというようなことが考えられてよいという言い方道路審議会の御答申をいただいているわけでございます。私どもといたしましては、先ほどお話のありましたような批判があることは十分承知しているところでございまして、この答申に沿いまして適切な車種区分等について検討してまいりたい、かように思っております。
  23. 上野建一

    上野委員 公正妥当については問題ない、こう言っているのですけれども、それでいながら一方では余り区別をすると徴収時間がかかるからこうやっているんだ、そういうことでしょう。だから時間さえかからなければやはり変えなければならぬというふうに考えていいのですか。  それから、バイク乗用車も一緒で何ともないというのもおかしな話ですね。現にこの答申も、まだこれから検討する中ですけれども、とりあえず言っていることは、車種区分をもっとふやしなさい、そう言っている裏は、結局簡単に言えば、バイク乗用車は別にしなさい、トラック乗用車は別にすべきだ、こういうことでしょう。あるいはさらに言うなら軽自動車もありますね。そうだとすればやはり公正妥当でないから、この十一条の法の精神からいってもぐあいが悪いから細分しなさい、もっと分けなさい、こう言っているわけですね。だから、料金は高い、高い上に今度は公平でない、これはやっぱり改めなければいかぬでしょう。もっと大胆に、そういうことは率直に認めたらいいじゃないですか。今まではこういう事情でできなかった、しかしこれからはこういうふうに努力してやります、これでなければおかしいでしょう。これは法の精神にも反しますよ。どうでしょう。
  24. 布施洋一

    布施説明員 今御質問のありましたように、現在の機械のシステムとかいろいろなものから直ちにふやすということは困難だという状況がございます。しかしながら、先ほど答申にもございましたように、機械の改良が行われれば追加するということが可能だというふうに私どもも受けとめているところでございまして、そういう意味車種をふやすことについても検討してまいりたいというふうに考えております。
  25. 上野建一

    上野委員 私もいろいろ調べてみましたら、確かに新しい機械を入れなければだめだ、こういうことのようです。それならやはり料金の多く取れるところ、都市部ぐらいから始めたらどうなんですか。全国に全部機械が行き渡るといったら三、四年かかるでしょう。それまで待たせるということはどう考えてもおかしいでしょう。どうも答申なんかも五年間もかかっているのを見ると、そういうのに合わしているのですか。本当の答申じゃなくて、いわゆるあなた方の都合に合わせて答申をずっとおくらせているという感じすらするのですね、悪くとると。答申は何年かかろうといいけれども、実際やらなければならぬことがあるわけですから。そうすると、せっかくやるというなら都市部から始めたらどうでしょうか。今の機械でも一部はまだ余裕があるという話も聞いているのです。実際扱っている人の話では。例えば身障者の場合に一つやっているでしょう。それからもう一つぐらい余裕があるそうですよ、新しくやっている機械の中で。そういうことでできるところ、東京とか大阪とか、とりあえず都市部で、しかも古くからやっている道路から始めたらどうですか。それなら妥当じゃないですか。
  26. 大久保一男

    大久保参考人 おっしゃるように料金徴収機械の切りかえをやりつつあるところでございまして、逐次入っております。先ほども申し上げましたように、六十三年度末に全部完了する予定でございます。先生のおっしゃるように入っているところから区分をふやしたらどうかというお話でございますが、一連の道路におきまして入るところと出るところと両方すべての区間インターペアと申しますけれども、すべてのインターチェンジ間がそのような新式の機械になっておりませんと機械の操作ができませんので、ちょっとできかねると思いますので、六十三年度の完成を待っての検討課題といたしたいと思います。
  27. 上野建一

    上野委員 あなた方の言う理由は機械の問題から言えばよくわかるのです。しかし、六十三年まで待てというのもおかしいのではないかと思うのですね。現にことし出た答申でも「車種区分を若干追加することが考えられてよい。」こう言っているのですから、そこまで答申が出ているのですから、それなら直ちに実施すべきじゃないですか。全部はできないから、それじゃここら辺からやりましょう。今言われた答弁でも、都市部だけでやろうと思えばやれないことはないですよ。多少は手数がかかるかもしれませんよ、僕ら素人でもそう思うぐらいですから。まして新しい機械が部分的に入ってくれば可能性は十分ある、やれる、こう思います。問題は、やる意思があるかどうか。この答申を前向きに解釈をして、ここには「したがって、より公平性を高める観点から、将来、車種区分を若干追加することが考えられてよい。」こう言っているのですね。この料金の問題についてはこれから検討します、こう言っているのでしょう。そうだとすれば、これはまず区分をもう一つぐらい追加する。とりあえず問題になっているバイクでもいいから始めたらどうですか。そうして、次はトラックをやるとか、トラック乗用車の関係をあれするとか、そういうことぐらいはやらなければいかぬと思うのですね。  料金も下げない、車種区分も依然として今までどおりにしておく、こういうことでは、公正妥当ということからはおかしいと思う。「公平性を高める観点から、」とここで言っているのですから。公平じゃないということを言っているのですよ。ただ、余りはっきり言っていないですね、これは役所用語でしょうけれども。皆さんに配慮して随分やわらかい言葉を使っています。しかし、この答申ですら認めざるを得ない不公平さが現実にあるわけですから、できるところからやるということでどうでしょう。
  28. 大久保一男

    大久保参考人 車種区分を車両総重量なりその他の要素によってできるだけ細分化するということは、純粋に公平化という観点からは理にかなうものだと思いますけれども先ほど申し上げましたように、経費の問題とか、時間の問題とか、実務上の要請との兼ね合いもございまして、先ほど答弁申し上げましたように、機械の性能もございまして現在三区分となっているわけでございます。  おっしゃることでございますが、先ほど申し上げましたように機械の性能がよくなりまして、それに対応できるようなものをどんどん入れかえておりますので、それが完了する時点での再検討でございますが、バイクを別区分にして安くするとかというようなことではなくて、先生もおっしゃったようにトラック乗用車の問題とか、乗用車の中でも普通車、小型車と軽自動車との間の問題も言われておりますし、そういった観点を総合的に勘案しまして判断をしてまいりたいと思っております。
  29. 上野建一

    上野委員 大久保さん、あなた盛んにバイクを——僕はバイクのことこそとりあえず第一段階として重視すべきだ、そう申し上げているのですよ。そうでしょう、車が二つしかないのと四つあるのと道路の損傷だって違いますよ。それから占有する面積も小さい。それから見ていると、車だと窓をあけたりいろいろあるのですけれどもバイクの方が速いですよ。そういうことを考えますと、今せっかく問題にされているとするならば、あなたはバイクを外すような話をしているけれどもバイクを含めて総合的というのならわかるが、バイクを外して総合的というのはどういうわけですか。そんなばかなことはないでしょう。
  30. 大久保一男

    大久保参考人 私の答弁が下手で誤解をお与えしたかと思いますが、バイクを除外するという意味じゃなくて、バイクの問題も含みますし、乗用車トラックの問題も含みますし、乗用車の中でも普通車、小型車と軽自動車の問題も含めた全体を勘案して、新しい車種区分機械の対応に応じて検討をするということを申し上げたわけでございます。
  31. 上野建一

    上野委員 僕もそれならそれでいいのですが、今言ったように六十三年まで待てというのはどう考えてもおかしいですよ。やれるところからやるというのが親切なんじゃないですか。もともと道路というのは無料が本当なんで、金を取るという今日の状態になっているが、高速道路の場合、もともとは建設省が管理者で、管理費は国がやらなければならぬことなんですよ。前は法律がありましたね。今変わったのですか。本来は、管理者は建設省で、したがって管理費は管理者が持つ、こういうことじゃないのですか。それはどうでしょう。
  32. 布施洋一

    布施説明員 今先生から御指摘がございましたように、高速自動車国道道路管理者は建設大臣でございます。ただ、現在、道路整備特別措置法によりまして日本道路公団建設、維持管理を行わせるということにしているものでございます。(上野委員費用の面、管理費は」と呼ぶ)管理費等も現在道路公団で支弁をいたしまして、料金徴収し、それによりまして償還を図っていくということにいたしているわけでございます。
  33. 上野建一

    上野委員 それじゃ、車種区分を改めてバイクも含めてやるという答弁がありましたから、私の方から特に、早急にできるところからやるように検討してもらいたい、この点を要望しておきたいと思うのです。全体なんという時間のかかることを言わないで、できるところからやる。道路公団余りメンツにこだわらないで、やはり公正妥当ということ、それから常識的に考えてこれは安いか高いかということ、そこら辺の庶民的な感覚、住民的な感覚といいますか、そういうものを道路公団は持ってもらわないとぐあいが悪いと思うのです。外国に比べても何倍も高いという料金ですから、そういう意味では早急にできるだけの配慮をすべきだ、こう思いますので、この点を要望しておきたいと思います。  それから、最後の段階になりましたが、道路公団高速道路有料道路との関連で、サービスエリアができていまして、そこで食事とかいろいろなことがあるわけですけれども、どうもサービスエリアのところでは、売っているものも高いし、それから大体食べるものもまずいという声がもう一般的なんですね。中にはうまいというところもたまにはあるようですけれども、全体としてはサービスエリアで食べるとろくなものを食べさせられない、何を食わされるかわからない、これは私が言うわけじゃありませんが、こういうことすら言う人もいます。そういうことなんで、あの改善についてはどのように考えておられるのか。  それから、あの営業ですね。今、これだけ行革だとか、いろいろな地方自治体の補助金までカットする時代に、サービスエリアのあの営業部門、これは直営もあるというふうに聞いていますけれども、大部分は直営じゃない形なんで、これはやはり改善して、さっき言った全国的な収益を上げることに努力をすべきじゃないのか。わずかな占用料だけ取っているというのは、どうも国民感情としても納得がいかない点であります。時折、新聞などでもその利権との関係でも問題になるような状態がありますが、これについては改善は考えておられないのか、私が今申し上げたようなことについてはどう対処されようとしているのか、お伺いいたします。
  34. 加瀬正蔵

    加瀬参考人 御指摘のサービスエリアにおきますサービスでございますが、これは高速道路でございますので、出入の制限があるということから、サービスエリアでレストラン、休憩所、便所等をつくりまして、利用者の利便に供しているところでございます。  当初、公団が直営でこれをやった時代もございます。直営の名残で大津のサービスエリアでまだ直営の施設が残っておりますが、直営でやりますと非常に巨額の資金と組織、人員が必要でございまして、公団の予算上の制約から、利用者に十分な利便が提供できないという制約がございます。そこで、私どもといたしましては、昭和四十年五月に財団法人の道路施設協会をつくりまして、この施設協会にその業務をやらせるということにしているわけでございます。ただ、協会が営業料を取りまして収益を上げておりますが、その収益の相当部分につきまして、私どもとしては、事実上エリア内の便所の清掃とか園地の清掃、それから道路案内所の運営とか交通遺児の奨学資金援助、こういった公益的な仕事にその金を還元させる等、利用者の利便にそれが戻るという配慮は十分いたしておるわけでございます。  それで、サービスエリアのレストランの食事につきましていろいろ御批判があることは承知しております。私どもアンケートをやりますと、数字の上では大体合格点はいただいておるわけでございますが、いろいろ個々のサービスエリアによりまして、あるいは御利用になる方の好みによりましてのいろいろな差異があるということもございますので、こういった点、さらにサービスの向上に努めていかなければならないと思っております。  先生御指摘のように、新聞等の御批判もございまして、一昨年以来、建設省の御指導を得て、私どもと施設協会と三者で時々会合を持ちまして、そういった面の改善に今後とも努力していきたいということで努めておる最中でございます。
  35. 上野建一

    上野委員 時間が参りましたので、最後に要望を申し上げておきたいと思いますが、最後の方のサービスエリアの問題については、きょうは時間がありませんので深くは申し上げませんが、今国鉄がいろいろな努力をしている、その辺のところも参考にしながら、やはり収益を上げていくために、これは全体にかかわってくるわけですから、どう考えても占用料だけもらって、あと先ほど便所の掃除をさせているとか、いろいろなことを言われましたけれども、かなり利益の上がっているところはあるわけですから、それをやはり高速道路の方にとっていく、全体のプラスになるようにしていく、これはもうどうしたって欠かせない問題だろうと思うのです。したがって、その観点から、ぜひ改善の努力をしてもらいたい、この点を第一に申し上げておきたいと思います。  それから、この全体の料金については、これは道路局長さんもおいでになったから特に申し上げておきたいのですが、これからのこの建設の動向を見ますと、どう考えても安くなる方向じゃなくて、むしろ高くなる方向に進むだろう、こう思われますので、それについては一段と努力をしていただきたい。そして車種区分ども、これはやはり分けてもらって、一日も早く利用者立場に立って、この程度なら妥当だから納めようという気持ちになるような、そういうものにしていただきたい。  それから、やはり不公平な中では、どう考えてもバイク、二輪車と四輪車が同じ料金というのは、これはだれが考えてもおかしいですよ。だから、これは一日も早く改めるように要望しておきたいというように思います。  私の質問は以上で終わりますが、きょうは参考人方々、忙しいところおいでいただいてありがとうございました。申し上げた点について、一段と努力をお願いしたいと思います。  ありがとうございました。
  36. 小川新一郎

    小川委員長 次に、沢田広君。
  37. 沢田広

    ○沢田委員 一昨日、参議院において、道交法のシートベルトの着用ほか案件等通過いたしまして、心ならずお祝いを申し上げます。  それに関連して幾つか質問をさせていただきたいと思うのでありますが、一昨日の参議院の中でも、五〇%に達したとき、こういうことが一つありまして、高速道路は施行がされれば直ちに発足するわけであります。今も質問がありました公団の方に聞きますが、高速道路とはどう解釈しておりますか。
  38. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 失礼でございますが、高速道路の区域のことをおっしゃっているわけでございますか。(沢田委員「いや、解釈」と呼ぶ)高速道路は、要するに踏切と申しますか、原則として信号のない、往復分離されました、それから高速道路と交差する道路とも必ずインターチェンジを通じて結ばれている、そういう自動車専用道路でございます。
  39. 沢田広

    ○沢田委員 建設省に伺いますが、高速道路とはどういうものをいうのですか。
  40. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 まず往復分離されまして、原則として信号がなくて、あらゆる交差点と立体交差で交わっている、それから自動車専用道路であるということ、以上でございます。
  41. 沢田広

    ○沢田委員 今度の法令は、高速道路ということで規定をされておりますが、もう一点聞きますと、料金所までの距離は、これは高速道路と言うのですか、言わない一のですか。
  42. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 一般論で申し上げますと、高速道路から一般道路への取りつけ部、これは先生御案内のように一応ランプと言っておりますが、そのランプの部分までが高速道路の区域でございます。もちろん国道は一般国道でございますので、高速道路ではございませんが、一般的には、要するに交差する道路高速道路料金所を含めましてランプで結ばれているわけでございますが、そのランプの先端までを高速道路の区域といたしております。  ただ、インターチェンジの中にも、請願インターチェンジと申しますか、そういうのがございます。今申し上げました前者は、整備計画を出しました場合に高速道路整備上必要なインターチェンジでございまして、当初から設けられておるわけでございますが、その後、地域の発展等々によりまして、高速道路がオープンしてから、市長さんあるいは県知事さんの非常に強い要望で、後日請願という形で設けるインターチェンジがございます。そういうインターチェンジにつきましては、先ほど申し上げましたランプの部分、その部分は一般国道になっております。  以上でございます。
  43. 沢田広

    ○沢田委員 警察庁はこれで、そのとおりの解釈でよろしゅうございますか。
  44. 太田壽郎

    太田政府委員 高速道路の区域につきましては、御案内のように、高速自動車国道法等に基づきまして、一般の縦覧に供するというような手続が行われて決定されるものでございます。ただいま建設省の方からお答えになりましたのは実質的な内容についてお話しされたわけでございますが、片一方の方でそういう手続も行われておりますので、それに従って対応してまいりたいと考えております。
  45. 沢田広

    ○沢田委員 そうすると、進入していくまでのインターチェンジのらせん形の部分、これは一般国道に続いている場合は、そこは高速道路とは言わない、こういうことでまずいいですか。
  46. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 先ほど説明申し上げましたように、ランプ部分は、一般国道がこうございまして、高速がこうありまして、普通、料金をいただくところがございます。それからランプがございます。そのランプから一般国道までの部分は原則的に高速道路の区域としております。正式には、今交通局長さんがお答えになりましたように、高速国道法で規定されまして、書類でいろいろ、あるいは図面で添付いたしますが、実質的な解釈は、原則、私が申し上げましたように、ランプ部分を含みまして一般国道と接するまでが高速道路の区域でございます。  後者がちょっと紛らわしくて申しわけございませんが、それ以外にいわゆる請願インターチェンジというのがございます。それはむしろ申し上げなかった方がよかったかもしれませんが、そういう場合には、そのランプ部分は通常一般国道部分だから、原則、大部分のインターチェンジはランプまで、県道があるいは一般国道に接するまでの部分は高速道路の区域とされております。  以上でございます。
  47. 沢田広

    ○沢田委員 それでは次に、先ほども議論が出ました休憩所、それからバスの通過道路、これは高速道路と言うのですか。
  48. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 先生御指摘の高速道路上のサービスエリア、パーキングエリア、それからバスストップ、すべて高速道路の区域でございます。
  49. 沢田広

    ○沢田委員 そうすると、これは警察の方に聞きますが、例えば休憩所に入って、入るまではシートベルトをしていて、取って休憩して、それを今度、車を動かす場合にもシートベルトをしなければ違反ということになるわけですか。
  50. 太田壽郎

    太田政府委員 そのとおりでございます。
  51. 沢田広

    ○沢田委員 その車の移動までしなければという、わずか三分か五分ぐらいの間にしなければ違反だという解釈は少し行き過ぎということになるのではないのか。例えば休憩所内において車の移動というのは少なくとも高速道路中という解釈には当てはまらないと思いますが、いかがですか。
  52. 太田壽郎

    太田政府委員 実質的に行政処分点数をいただくかどうかというような判断をする場合の情状的な材料にはなり得ることかと思いますけれども、法律上の解釈といたしましては、先ほど先生からお話がございましたように、適用の対象となるという解釈でございます。
  53. 沢田広

    ○沢田委員 これじゃ、おっかなくて休憩所にも入れないということになるわけで、休憩所に入って車を移動して、今度はトラックの多いところから違ったところへ移動するときにも一々それをやらないと違反になる。意地の悪いお巡りさんがいれば、休憩所にいれば違反車なんというのはばたばた捕まってしまう、こういうことにもなりかねないのであります。そういう解釈をすること自身に間違いがあるのじゃないのかと思うのですが、いかがですか。
  54. 太田壽郎

    太田政府委員 座席ベルトの法案を御審議いただく際に、私どもの方、これの運用についての基本的な姿勢につきまして、大臣、長官等からも御説明申し上げたところでございますけれども、基本的にこの座席ベルトの問題というのは、いわゆる取り締まりのための取り締まりという形で行われるべきものでないのは当然でございまして、法律上の解釈と実際上のその取り締まり上の姿勢といいますか、運用上の問題ということにつきましては、私どもやはり区別して解釈している。運用上の問題につきましては、衆議院あるいは参議院の附帯決議というようなこと、あるいはここの審議の過程でのいろいろな御議論というものを十分踏まえた上で対応していく、非常識な形にならないように対応するというのは当然でございます。  私、さっき申し上げましたのは、いわゆる法律上の解釈としてどうかということで詰められましたのでお答えしたところでございます。
  55. 沢田広

    ○沢田委員 法律はひとり歩きをするというのは、これは後の質問で言いますが、今あなたがおっしゃったって、もう少したって異動しちゃってかわれば、じゃ、ここの答弁が何らかの通達によって末端の警察官に伝わるという確証、担保がないと、これは単なる行ったり来たりのものになる。だから、少なくとも休憩所等については、末端までその取り扱いについて十分配慮してそのものを取り締まるという形のものはとらぬと……。  私の一つの例を言うと、うちで一杯飲んでいて、車を外に置いておいたから車庫に入れようと思って、出て車庫に入れただけで飲酒運転で処罰をされた、こういう例もある。ステテコのまま出ていって、やろうと思ったら、ちょうど駐車違反で捕まった例もあるわけです。  ですから、頑迷固陋なる者がいれば、必ずしもあなたの言ったような人情は発揮しない場合があり得る。ああそうか、今これは下がるところだったのかぐらいで済ませるのが普通常識でしょう、これは人間社会。それをわざわざ、車庫へ入れに来た者を飲酒運転で捕まえたという例もあるわけです。これは人間ですから、やることには限界があると思うのでありますが、そういうあくどいのも中にはいるわけであります。ですから、今言われたことがやはり徹底されるということが必要だ、こういうふうに思いますが、いかがですか。
  56. 太田壽郎

    太田政府委員 この問題、ケース・バイ・ケース的な要素があると思います。特に飲酒運転のような場合は、非常に短距離でありましても、国道に出るというようなことになりますと、やはりこれは大目に見るというわけにはまいらないということだろうと思いますが、座席ベルトの着用の問題につきましては、基本的なことをさっき申し上げましたが、そういう今御指摘いただいたような点も十分第一線の末端まで徹底させるように配意してまいりたいと考えております。
  57. 沢田広

    ○沢田委員 次に、お盆とか帰省客の多い時期に、三十キロ渋滞、二十キロ渋滞、こういう渋滞が続く場合ですね。一定の速度があった場合にその危険度は増す、こういうことになると思うので、そういう渋滞で十キロぐらいで走っている場合にはその義務は適用されるのかどうか。あるいはもうとまったきりで動かないというような状況もありますが、その点はどう解釈していますか。
  58. 太田壽郎

    太田政府委員 そういう場合も法律上の義務は発生しているという解釈でございます。
  59. 沢田広

    ○沢田委員 高速道路中だから義務としては発生しているが、そういう場合についてシートベルトの効果から考えると、法律はそうなっているが、内容的には意味余り少ない、こういうふうに解釈できると思うのですが、いかがですか。
  60. 安藤忠夫

    ○安藤説明員 シートベルトの効果実例を調査いたしましたところによりますと、割合低い速度での交通事故が圧倒的でございまして、四十キロ以下での衝突時の死傷者が全体の七五%ぐらいを占めておりますので、低速であるといっても一概に効果がないというわけではなくて、やはり相当な効果が期待できるというものだと解釈しております。
  61. 沢田広

    ○沢田委員 あなたの型どおりの答弁はこれ以上詰めている時間がありませんから、そのうち、そのことの事実が、食管制度を守って死んだ学者もいますけれども、そういうことにならぬようにひとつ考えてほしいと思います。  続いて、今の問題と関連しますが、高速道路を走っている自動車の年間の総車両数は幾らになりますか、わからなければ今すぐでなくてもいいから、わかったら教えてください。
  62. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 約五億台でございます。
  63. 沢田広

    ○沢田委員 念のためですが、きょう配られた書類によりますと、高速道路中の死亡は百六十六、重傷は四百四十九、軽傷が二千二百一、そうすると五億分の二千八百十六、こういう比率のためにシートベルトの必要性はある、こういう意味になりますが、そのとおり解釈してよろしゅうございますか。
  64. 太田壽郎

    太田政府委員 高速道路におきます死亡事故等の数字につきましてはただいま先生がお挙げになったようなことだろうと思いますが、ただ、高速道路におきまして一たん事故が起きますと、非常に大きな事故に結びつくという危険性が高いのもまた経験的に言われている事実でございまして、そういうことからいいまして、母数の点につきましては今建設省の方からお答えのようなことだろうと思いますけれども、私どもの方としては、そういう面から高速道路においてはやはり座席ベルトをやっていただくということでお願いをしたところでございます。
  65. 沢田広

    ○沢田委員 私は、政策選択の中の意味を今実は聞いているわけであります。五億分の二千八百という比率の確度においても、それを防護していくという政府自体の政策の意思、それは単に自動車シートベルトだけの問題にとどまらない、あるいは母子家庭の問題もあるだろうし、あるいはその他の心身障害者の場合もあり得るわけですから、五億分の二千八百という比率がやはり政策決定をしていくという必要性、それはあらゆる他の分野にも同じように響いていくという意味で実は確認をしたわけでありますので、人命を大切にするという必要性については私も尊重いたしますが、五億分の二千八百、この比率もまた新たな政策決定の一つの基礎になる、こういうふうに判断をして、今後我々の要望等についてもその必要性に応じて対応していただきたい、これは一応念だけ押して次に行きます。  実は自転車置き場法をつくりましたときに、放置という言葉は「相当の期間にわたり放置された自転車の撤去等に努めるものとする。」という第五条でありますが、私もこの法律をつくるときに立ち会った一人として、「相当の期間にわたり放置された自転車」、実は施錠のときもそうなんでありますが、錠は要らない、この放置の期間は遺失物法を適用して六カ月ということを当時確認をしたと思うのであります。ところが、いつの間にか放置自転車取り締まり条例だとかなんとかということで、放置という解釈を、私もいろいろな辞典を引きましたが、放置という解釈を総理府としてはどういうふうに考えているわけですか。
  66. 波多秀夫

    ○波多政府委員 いわゆる自転車法で用いております放置の用語につきましては、自転車の利用者が当該自転車を有効適切に管理することができない状態で路上等に駐車することを指しているというふうに解しておるところでございます。
  67. 沢田広

    ○沢田委員 だから、放置とはほうりっ放しにするということですね。これは言海とかいろいろな辞典で引きましたが、ほうりっ放しにして捨てておく。皆さんのところの子供だって、おもちゃをひっくり返してほうりっ放しにしておく、これは放置ですね。そういうことです。後で後片付けをする意思があれば、これは放置とは言わない。その自転車を本人は取りに行くわけですね。だから、取りに行くことを前提とするならば、これは放置と言うべきではない、正しい日本語ではないというふうに思うのです。しかも一週間とか、だんだんこのごろは狭まってきまして、放置自転車取り締まり条例なんというようなものができて、一週間なり十日、十四日なりたったならばそこに物をつくる、これはそういう意味ではなくて、置き場がないから置かざるを得ない。これは国民の必要な自衛手段なんです。ちゃんと置き場をつくってくれれば問題がないわけなんです。ないからやむを得ず国民生活の実態の中から生み出された自衛の手段としてそこに置かざるを得ない。それは、帰りにちゃんと乗って帰るのですから放置ではないのです。だから、その放置という言葉は差別用語だ、人をばかにしておる、自分は置き場所がないからそこに置かざるを得ないのであって、そして電車に乗って帰ってきたときには、その自転車に乗って帰るのです。そういうことを言うならば、無断駐車とかなんとかいうことも同じように放置自動車という名前にすればいいのであって、自転車だけが放置という名称で、取りに来る意思を無視して放置という言葉を使うことは妥当ではないと思いますが、いかがですか。
  68. 波多秀夫

    ○波多政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、当該自転車を有効に管理できない状態、そういう状態に着目いたしまして放置という用語を使われているものと解しておるところでございます。もちろんいわゆる放置されております自転車の中には駐車というふうな形のものもあろうかと思いますが、自転車法あるいは自転車条例におきましては、そういった状態の自転車が大量にあることによりまして駅前広場等におきます良好な環境あるいは機能の低下といった事態を防止するという必要のために撤去等の措置をとろうということからそのような用語が使われておるというふうに考えております。
  69. 沢田広

    ○沢田委員 そんな何かわけのわからぬお経みたいな答弁を聞いているんじゃないんだ。放置という言葉。じゃ、ここにある書類を持っていってここに置いて、これは放置であるということが言えますか。これを一つ例にとって、言えますか。言ってみてください。
  70. 波多秀夫

    ○波多政府委員 そのものが置かれております状態、いわばそのものを有効に管理できるというふうな状態があるかどうかということによりまして、それを放置というふうなことで表現することもあり得ることかと考えます。
  71. 沢田広

    ○沢田委員 具体的に聞いているのです。これを放置と言うかどうかということ。放置と言うのか言わないのか、どっちなんです。
  72. 波多秀夫

    ○波多政府委員 具体的な今の例でございますが、先生の手近なところにこういう状態であるというものでございますと、放置というのは一般的には当たらないかと思います。
  73. 沢田広

    ○沢田委員 私がいるからそれは放置でないということなんですか。それとも、取りに来る意思があると思われるから放置でないというのですか。どっちなんです。
  74. 波多秀夫

    ○波多政府委員 近くにいらっしゃるということから、放置ではないというふうに一般的には言えるのではないかと思います。
  75. 沢田広

    ○沢田委員 そうすると、市役所などで、雇用促進事業団あるいはお年寄り、高齢者などが、そういうふうに置かれている一時駐輪、私はそう言っておりますが、一時駐輪をしている車を監視していればこれは放置ではない、こういうふうに言えるわけですね。
  76. 波多秀夫

    ○波多政府委員 いろいろな駐車の形態があろうかと思いますが、通常、駅前等に置かれております自転車につきましては相当長い期間、短いものにありましても、通勤の際、朝晩の間、こういった時間というものは直接、適切に管理できるような状態にはないというふうに考えられるところでございます。先ほども申し上げましたが、放置自転車につきましては、そのような状態にあるものが駅前広場の環境あるいは有効な機能を低下させるという観点から措置をとられているものでございますので、そういった状態をとらえて放置という言葉を使ったということにつきましては御了解いただきたいと思います。
  77. 沢田広

    ○沢田委員 了解できないんだよ。第五条第五項「相当の期間にわたり放置された自転車の撤去」、この「相当の期間」とはどういうふうに解釈していますか。
  78. 波多秀夫

    ○波多政府委員 各自治体の運用によりまして……(沢田委員「自治体じゃないんだよ、この法律の解釈を聞いているんだよ」と呼ぶ)法第五条第五項に申しております「相当の期間」というものは一定の期間を指しているものではございませんで、当該地域の性格あるいは支障の程度等を勘案いたしまして具体的に決定されるべきものであろうと考えております。
  79. 沢田広

    ○沢田委員 内閣法制局が来ておられると思いますが、この「相当の期間」とはどう解しておりますか。
  80. 前田正道

    ○前田政府委員 言葉の意味といたしましてはある程度の期間ということになろうかと思いますが、いわゆる自転車法の第五条第五項の規定に即して申し上げますと、同項は「駅前広場等の良好な環境を確保し、その機能の低下を防止するため、必要があると認めるときは、法令の規定に基づき、」という要件をかぶせているわけでございます。それが放置との関係で用いられていることからいたしますれば、先ほどお答えがありましたように、当該地域がどういう性格の地域であるかというようなこと、あるいはそこに置かれている自転車の状態が道路交通の支障にどの程度の影響を与えているかというような事実関係とも関連して決められるべきものだと考えますので、あらかじめ一概にどの程度の期間ということを申し上げることは困難かと思います。
  81. 沢田広

    ○沢田委員 だから法律はひとり歩きをするということを言うわけであります。これはちょっと古いですが、五十四年の十一月の総理府の調査では、一週間未満が九%、三週間以上が二三%、二週間以上三週間までが三五%。期間とは少なくとも時間ではないですね。いかがですか。
  82. 波多秀夫

    ○波多政府委員 先ほど内閣法制局からも御答弁がございましたように、その地域の状況あるいは放置されておる状況等から具体的に判断されるべきものであると考えております。
  83. 沢田広

    ○沢田委員 期間は時間を含むと言うのですか。どちらかを聞いているわけです。期間とは時間も言うのですか。
  84. 波多秀夫

    ○波多政府委員 状況によりましてそのような場合もあり得るかと思います。
  85. 沢田広

    ○沢田委員 じゃ、「相当の期間」というものをどの程度と解釈をしているのですか、時間的に言えば。答えてください。——委員長、どなたが答えますか。
  86. 波多秀夫

    ○波多政府委員 先ほどから申し上げておりますように、具体的な状況によって判断すべきものであると考えております。
  87. 沢田広

    ○沢田委員 だから、具体的な状況で期間はどの程度の時間を言うのですか。いいかげんな答弁ばかりしていたのでは話に劣らない。あなたも法律をつくったときにはいなかったのだけれども、今も言ったように「相当の期間」というのはそういう時間帯を指してなんかいない。内閣法制局もいいかげんな答弁をしている。これは時間のあるときにまた詰めるけれども内閣法制局ではどの程度のものを「相当の期間」という言葉であらわされると思うのですか。言ってみてください。そんな迎合した答弁なんかするなよ。
  88. 前田正道

    ○前田政府委員 先ほどもお答えいたしましたとおり、ある程度の期間ということを意味していると思いますし、その事柄を考えるに当たりましては、その対象となる事柄との相関関係において決せられるべきものだと考えます。
  89. 沢田広

    ○沢田委員 これから法律をつくる場合、こういうことではとてもじゃないが危なくてつくれない。さっきも言ったように、「相当の期間」というのは遺失物法との関係もある。だから、本人の所有権は六カ月にわたって存在するであろう。極端に言えば、建設省が来ているから言うが、道路上に無断で建築した建物の撤去を建設省はできますか。行政執行その他でなくて動かせますか。
  90. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 無断で建てられました御本人の一応了解をとらないと、無断で勝手に壊すわけにはまいらぬと思います。
  91. 沢田広

    ○沢田委員 それがやはり今の所有権の原点なんですね。それは簡単に動かせるものであれば、何でもそこに置いてあれば、例えばこれからも起こり得ることですが、よその家の自転車が道路に置いてある、持っていっちゃっても違反でない、処罰されない。警察庁に聞きますが、こういうふうに自転車が道路上に置いてある、それは放置であるから、時間を問わないのですから、持っていっちゃっても泥棒にもならない、こういうふうに解釈してよろしいですか。
  92. 太田壽郎

    太田政府委員 いわゆる放置してある自転車を持っていったという場合には、占有離脱物横領罪等は、それは成立するかどうか非常に問題があるわけでございますが、ただ具体的に占有の意思があったかどうかというような個別の立証上の問題になろうかと思います。
  93. 沢田広

    ○沢田委員 そういうものにまで、所有権の侵害にまで及ぶ問題であって、放置ではなく自衛手段として通勤上利用して、置き場が整備されるまでの間はこれはやむを得ない状況だということで今日に来たわけです。それで法律をつくるときには、今度新しい都市計画をつくるときには必ず駐輪場をつくりなさい、こういう指導要綱を入れてこの法律をつくってきたわけですね。そのことは知っていますか。知っていたら首を縦に振ってください。総務庁は知っていますか。建設省も知っていますか。そういうことでしょう。だから、新しい駐輪場が都市計画上できるまでの間というものは経過措置とみなすべきではないのですか。その点いかがですか。これは答えてください。
  94. 波多秀夫

    ○波多政府委員 新しい駐車場、十分な自転車の駐車場が整備されまして、そちらに自転車を駐車されるということは望むべきことでございますが、それまでに至る間におきましても大量の自転車が駅前等にございまして、これによって駅前等の良好な環境が阻害され、あるいは機能が低下するというふうな実態がある場合におきましては、そのようなことを防ぐためにこういった措置をとることはやむを得ないことであろうかと考えております。
  95. 沢田広

    ○沢田委員 私は、自転車置き場法をつくるために七年間やってきたのですよ。そして、これをつくってみたらとんでもない方向へどんどん走っていっちゃって、いわゆる自転車置き場法をつくったことが逆に市民をいじめる役割を果たしているということは極めて遺憾なんです。私は、あなたがそういうことを知ってか知らずかわかりませんけれども建設省も含めてみずからを省みて、この法律の趣旨というものを、「相当な期間」というものは、議長応接室で議論をした結果、それは六カ月だ、こういうことまで決めてかかった仕事であったにかかわらず、それがだんだん短縮されて、内閣法制局まで今度は時間だ、こういうようなことを言うに至っては、これはまさしく白を黒と言い含める、こういうような論理であって、客観情勢だとかそういうことによって行政府が勝手な解釈をしていくということは極めて遺憾な状態である。このことは今後、また時間のある場合に限って申し上げることにします。  あと、時間がありませんから、最後に自賠責の保険のあり方について一点だけ質問します。  自賠責の方の収支の関係ではとんとんになってきている。しかし、任意保険の方では一兆四千億で七千億、半分ぐらいの支出である。この状態を、これは大蔵省、運輸省、どういうふうに見ておられますか。言うならば、自賠責の方で相当部分の支払いが過度にわたっておるということが一つ。そして任意保険の方は、代行者と称して自賠責の分も含めて代行しながら、みずからの会社の利益を守って代行しているという事実、この二点。それから、この自賠責の値上げの内容、厚生省を呼んでいるのですが、これを答えてもらって終わりにしますが、いわゆる医療の請求内容の審査、これが極めて甘い。昔も普通診療の八倍、十倍というのが常識だ、こういうふうに言われている実態は、今日においても変わっておりません。その辺の是正についてどのように考えておるのかお伺いをいたしまして、極めて不満でありますが、このことは必ず取り返しますから、そのつもりでひとつ覚悟しておいていただきたいと思います。答弁をお願いします。
  96. 鏡味徳房

    鏡味説明員 自賠責保険の問題につきましては、その支払いの適正化にかねてから努力をいろいろしているところでございまして、今回の自賠責審議会答申でも医療費の適正化のために医療費の診療報酬基準をつくるように御指摘をいただいておりますが、その方向で今努力をしている途中でございます。  それから任意保険の関係でございますけれども、任意保険の先生が今掲げられました数字は、いわゆるリトンベースと申しますか、収入保険料と実際に支払われている支払い金額との関係でございますが、このリトンベースですと、実際に収入保険料が入りましたその保険者について、保険給付が行われるのには、請求がおくれて参りますとか、医療の診療期間がかかるとかいうことでどうしても時間的な経過がございまして、実際に収入保険料が入ってから保険金が支払われるまでに差がございます。それから、今おっしゃいました数字の中には実際の手数料、代理店の手数料等の営業のための経費も含まれてございますので、どうしても収入保険料と支払い保険金に差が出てまいりますが、これを実際にその収入保険料とそれから支払い保険金とを契約年度、ポリシー・イヤー・ベースで組み立て直して計算をいたしますと、現在のところ収入保険料に見合った支払い保険金ということになっておるわけであります。
  97. 沢田広

    ○沢田委員 時間が来ましたから、あとの答弁は要らないです。
  98. 小川新一郎

    小川委員長 次に、伏屋修治君。
  99. 伏屋修治

    ○伏屋委員 本題に入る前に、まことに恐縮でございますけれども、先般行われた一般質問で私一問残しましたので、その問題についてちょっと先にお尋ねをしたいと思います。  私の国元の問題でまことに恐縮でございますが、もう御存じのとおり国道二十一号線、これが関ケ原町を縦貫しておるわけでございまして、これが建設工事というものが予算がついておるわけでございますけれども、その進捗状況あるいは今後の完成の見通し等についてお尋ねをしたいと思います。  この関ケ原町というのは岐阜県においてもかなり雪深いところでございまして、大雪が降ったりしますとただでさえ狭い二十一号線が雪によってさらに狭められるということにおいて、住民の方々の生活というのは麻痺状態に陥っておる、こういうのが現状でございますので、その工事は一日も早く完成してもらいたい、これは地元の強い要望でございますので、その進捗状況あるいは完成の見通し等についてお伺いをしたいと思います。
  100. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 御指摘のバイパスは、先生御案内のように岐阜県の垂井町から関ケ原町に至る延長十・四キロメートルのバイパスでございます。  このうち、関ケ原町中心部の交通混雑に対処いたしますために、当面、国道三百六十五号線から大高地区に至る延長三・六キロメートルの部分につきまして整備を重点的に進めることとしております。昭和五十五年度より用地買収に着手し、昭和五十八年度から一部工事に着手したところでございます。今後とも引き続き事業の促進に努めてまいりたいと考えております。
  101. 伏屋修治

    ○伏屋委員 余り納得のできる答弁ではないのですけれども、五十八年から予算がついておるわけでございますが、御存じのとおり財政が非常に苦しい中で公共事業というものは抑制されておるわけでございまして、そういう点からしますとその完成というものが非常に財政的な面からも厳しいのではないか、そういう地元住民の強い心配があるわけでございまして、その辺の見通しをお尋ねをしておるわけでございます。  もう一度お答えいただきたいと思います。
  102. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 先ほど申し上げました三百六十五号から大高地区を第一番目に整備する予定でございます。  先生御案内のように、四車線のバイパスでございますが、とりあえず暫定二車で、今のところこの区間は延長三・六キロございますが、六十五年度くらいに二車でオープンするであろう、かように考えております。全体につきましては、残事業が六十一年度以降百五十一億ほどございますので、一生懸命努力させていただきますが、大分かかるであろう、さように考えております。
  103. 伏屋修治

    ○伏屋委員 では、その問題、さらに御努力をお願いを申し上げたいと思います。  では次に、本題に入りたいと思いますが、私の本題は、交通渋滞問題とそれから道路指導線改善の問題等についてお尋ねをしてまいりたいと思います。  最初に交通渋滞問題についてお尋ねをしたいと思いますが、警察庁初め関係官庁がそれぞれ交通渋滞問題の解決に当たって日々御努力をなさっておるということに対しましては敬意を表するわけでございます。しかし、現在、都内一日七百万台の車が動いておるというのが現状でございますし、また、十年前と比べると車の保有台数は二倍になっておるわけですが、道路は一割程度しか改善されておらない、こういうような問題で、交通渋滞というものは非常に難問であり、なかなか解決の出口が見出し得ない、こういうことが言われておるわけでございます。  しかし、この交通渋滞というものが人命にもかかわる、あるいは都市機能の低下にもつながっておるわけでございますので、出口がないと言って済まされる問題では決してないと思います。そういう面で、今日までいろいろ関係各省庁でこの交通渋滞問題について積極的な取り組みをなさってきたと思いますが、そういう取り組み方の経緯等について経過をお話しいただきたいと思います。
  104. 波多秀夫

    ○波多政府委員 都市交通の渋滞解消対策につきましては、先生御指摘のように大変難しい問題でございます。  交通対策本部といたしましては、これまでにも交通対策本部の決定等を行いまして、これに基づきまして道路の改良、交通規制の適正化、公共輸送機関の整備、大都市における時差通勤、通学の実施等の各種の施策を関係省庁が協力して推進いたしてきたところでございます。
  105. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 概念的には今交通対策室長がお答えになったとおりだと思いますが、建設省について申し上げますと、完全かつ円滑な道路交通を確保いたしますために、まず地域内交通と通過交通を分離する、次に自動車、歩行者さらに自転車等の質の異なりました交通の流れの分離、さらに交差点及び鉄道踏切の改善等が最も抜本的な施策であると考えております。  このため、大都市及び地方都市等におきますバイパスあるいは環状道路整備、それから歩道、自転車道の整備、交通のネックとなっております交差点及び鉄道踏切の立体交差化等の事業を進めるほか、道路標識、道路照明、植樹帯の設置を積極的に推進しているところでございます。  今後ともなお一層円滑かつ安全な道路交通の確保に努めてまいりたい、かように考えております。
  106. 太田壽郎

    太田政府委員 警察といたしましても、交通渋滞緩和のためにいわゆる交通総量の抑制という施策を中心に、大量公共交通機関の優先対策あるいは都市内の全面駐車禁止規制というようなものを柱にいたしまして、さらに一部交通管制センター等の整備によりまして道路交通環境の改善に努めてきているところでございます。もちろんこの過程におきまして道路管理者との十分な連携というものが大事でございますので、ただいま道路局長からもお話がございましたけれども、バイパスの建設とか道路の改良あるいは路外の駐車場の整備等、そういう点につきまして都市計画審議会の場とかあるいは各レベルにおきます道路管理者との協議の場というものを通じまして、相互に協力しながら交通渋滞の解消に努力しているところでございます。
  107. 伏屋修治

    ○伏屋委員 大体今までの概括をお話しいただいたわけでございますが、過去の経緯の中から現在重点的に交通渋滞解決のために施策として今具体化されておる問題は何ですか、各関係省庁でお答えください。
  108. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 まず、大都市におきましては一番大きな問題が環状道路であろうかと思います。  御案内のように、東京を例にして申し上げますと、首都高速の道路がございますけれども、たくさんの高速道路が東北あるいは関越道等入ってきまして、すべてそれが首都高速の道路に乗っておりまして、いろいろなところで渋滞が起こっておりますので、まず東京外郭環状道路のようなものの設置が一番望まれるのじゃないかと思います。名古屋におきましても名古屋二環、福岡におきましても福岡環状道路等々、我が国に一貫して言えますことは、大都市あるいは地方都市の環状道路が非常に不足していることであろうかと思います。環状道路やバイパスを整備することによって通過交通が先ほど申し上げましたように地域内の一般道路に侵入することを防ぐ、とともに既存道路につきましても立体交差化、それから右折車線の設置を含みます交差点の改良、それから現道拡幅等の施策を総合的に実施することが最も必要であろうかと思います。  なお、既存道路におきましては、短期間で効果が上がります応急的な対策としまして、右折車線の設置等によります交差点改良が、交通渋滞の解消だけではなく、交通安全の点からも有効であることから、地元住民の理解と御協力を得ながらその整備に今後とも鋭意努めてまいりたい、かように考えております。
  109. 太田壽郎

    太田政府委員 警察といたしましても、今後とも都市計画審議会等の場を通じまして、渋滞の緩和を含め都市構造そのもののあり方等について積極的に提言を行うという姿勢が基本でございますが、最近の事案といたしまして、例えば名古屋市におきますバス優先対策とか、あるいは全国的に都市部を中心に重点的な駐車取り締まり等を推進いたしております。  さらに、交通管制センターの拡充あるいは信号機の高度化、さらには交通情報関係の充実ということによりまして道路交通環境の改善に重点的に取り組んでまいりたいと考えております。
  110. 熊代健

    熊代政府委員 大都市を中心とした都市路面交通の混雑緩和に対しまして、運輸省といたしましては基本的に鉄道、バスといった大量公共交通機関を中心とした交通体系の整備というのを考えていくということで、地下鉄等を中心にしました鉄道の整備及び都市におけるバスの走行環境が非常に悪くなっておりますので、先ほどお話がありましたように、交通環境を整備するという意味で、専用レーンあるいは優先信号あるいは隅切り改良といったような都市バスの復権といいますか、走行環境の整備をして信頼性を取り戻すということにも重点を置いてやっていく必要があるという考え方に立って進めておる次第でございます。
  111. 伏屋修治

    ○伏屋委員 各省庁からそれぞれお答えをいただきましたけれども、警察庁の方にお尋ねしたいのですが、名古屋市におけるバス専用レーンが始まりましてもう二カ月経過しようとしているわけでございます。その功罪、長短についてはまだ結果的にははっきりはしないと思いますけれども、警察庁で今までつかんだ状況等を御説明いただきたいと思います。
  112. 太田壽郎

    太田政府委員 手元に資料がございませんので概括的な御説明になって恐縮でございますが、実質的にあのバス専用レーンというものは非常に効果を発揮しているという実情でございます。当初、最初の日等は若干の混乱が見られましたけれども、名古屋市の運輸当局とも十分な連携をとりまして、その面についても改善を図りまして、現在は当初の期待どおりの効果を発揮しております。  ただ、問題はそのバス専用レーンを確保するために警察官を事実上五十名以上配置しているという実情があるわけでございます。この辺につきましては、今まである定員の中からそういう人たちを生み出すということで、ほかの交通取り締まり等に若干のしわ寄せが生ずるおそれなしとしないというわけでございますので、長期的にその辺の問題をどうやって解決していくかというような点が当面の警察としての課題というふうに考えております。
  113. 伏屋修治

    ○伏屋委員 それに関連しまして、二カ月でございますから、そういう面での警察官のいろいろな指導があって今のところは滑り出しは順調であるというようなお話でございますけれども、路面電車にかわると言いますと建設省の方は大変耳が痛いかもわかりませんが、路面電車の代替というようなバスの専用レーンというふうにも考えられるわけでございまして、そういう面で、今後長期にわたってくる場合に、専用レーンが追い越し車線にされるのではないかという心配があります。しかし、この二カ月間を見れば、名古屋市におけるラッシュアワー時の交通渋滞解消への一助になっていることは間違いないというふうに考えるわけでございますが、こういうようなバス専用レーンが交通渋滞解消の一助になるとするならば、他都市への適用はどういうふうに考えておられるのか、その辺もお答えいただきたいと思います。
  114. 太田壽郎

    太田政府委員 バス専用レーンにつきましては、これまでも可能な限り設置する方向で進めてきているところでございます。ただ、今御指摘のような名古屋市におきましては特別な投資を行いまして、安全施設とか路線のところもカラー舗装するとか、名古屋市当局においてもそのために二十数億円の投資をした。警察関係の安全施設の整備をとりましても、約三億円弱の投資をいたしております。そういう形で画期的なバス専用レーンが今できているわけでございます。これにつきまして、今他の都市からも見学者等も非常に来ているというような話も聞いておりますけれども、ただ、御案内のように、名古屋の場合は道路環境といいますか、道幅が広いという特別な事情がございまして、こういう形でのバス専用レーンが他の都市にどの程度応用できるか、これにつきましては相当慎重に対応していく必要があるのではないかと感じているところでございます。
  115. 伏屋修治

    ○伏屋委員 総務庁の方は時差出勤に力点を置いておられるというふうな御答弁がございましたが、時差出勤の現状等がわかればお教えいただきたいと思います。
  116. 波多秀夫

    ○波多政府委員 大都市におきます時差通勤通学の制度でございますが、現在東京、大阪等五つの都市におきまして交対本部決定に基づきましてこれを実施しておるところでございます。計画の達成率については都市によって格差が、ございますが、東京、大阪等につきましてはかなり高い達成率を得ておるような状況でございます。  しかしながら、最近その進展の状況につきましては鈍化の傾向が見られますし、また他方、御指摘のように渋滞の状況等も大変激化しておるということもございます。現在実施中の通勤通学制度につきましては六十年度が一応終期ということになっておりまして、六十一年度から新しい計画をつくるということになっておりますので、これらの状況等を踏まえましてさらにこれが推進されるよう計画検討いたしてまいりたいと存じます。
  117. 伏屋修治

    ○伏屋委員 この時差通勤の実施状況について私の手元にも資料があるわけでございますが、それを見ますと東京地区は八七%、大阪地区九〇%、福岡地区八一%。それに比べますと、名古屋地区が三七%、仙台地区二三%。極めて格差が激しいわけでございますが、それはどういう理由からなんですか。
  118. 波多秀夫

    ○波多政府委員 仙台市につきましては、実施いたしまして非常に期間が短いというような状況もございますし、また、それぞれその都市のいろいろ固有な問題もあろうかと思います。それらの点につきましても今後十分調査をいたしまして、新しい計画検討に資してまいりたいと存じます。
  119. 伏屋修治

    ○伏屋委員 時差通勤通学対策についてということで、対策本部長がいろいろな推進計画の策定とか、そういういろいろな細々としたことが決められておるわけでございますが、その中で時差通学とか時差通勤の懇談会を開くというようなこともうたわれておるわけでございます。そういうことは今までに実施されてきたのか、実施されたとするならばどういう反響があったのか、その辺もお聞きしたいと思います。
  120. 波多秀夫

    ○波多政府委員 時差通勤通学に関する計画の策定の際に、そのような懇談会を開きまして計画の推進を図るという建前になって実施をいたしておるところでございます。
  121. 伏屋修治

    ○伏屋委員 実施されたのですか、されないのですか。
  122. 波多秀夫

    ○波多政府委員 実施されております。
  123. 伏屋修治

    ○伏屋委員 実施されたとすれば、その反響はどのような反響があったのか、懇談会における反響は。
  124. 波多秀夫

    ○波多政府委員 その懇談会におきます意見を踏まえまして、計画の充実に資されたと聞いております。
  125. 伏屋修治

    ○伏屋委員 実施した後のそれぞれの当事者等の御意見等は、まだ反映されてないわけですか。
  126. 波多秀夫

    ○波多政府委員 それらの点につきましては、今後調査をいたしまして次の計画の充実に資したいと考えております。
  127. 伏屋修治

    ○伏屋委員 ただ政令でそういうふうにうたうだけではなくて、そういう懇談会を密にしながら利用者方々意見もそこに吸い上げ、そして自家用車ができるだけ都心部に流れ込まないようにする、そういう手だてとして時差通勤が考えられておるわけでございますので、極力そういう懇談会を通じながらきめ細かい時差通勤対策を推進していただきたい、このようにお願いしたいと思います。答弁は結構です。  あと運輸省の方ですが、名古屋市におけるバス専用レーンというものは発足して二カ月で、今好調な滑り出しをしておるわけですが、それ以外の都心のバスあるいはそれ以外の大都市のバスというのは非常に利用者の不評を買っておるわけでございます。非常にバスの待ち時間が長い、いらいらするというようなこと、あるいはまたバスに乗ったとたんに後続車とだんご状になって走らなければならないというような状況、そういう中でバス利用者東京都内においては非常に少なくなっているというようなこともありますので、運輸省としては、その辺の公共輸送のそういう細かい配慮はどのようにされておるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  128. 熊代健

    熊代政府委員 先ほどもちょっとお答えいたしましたように、都市部におきますバス輸送が路面交通の混雑に巻き込まれまして非常にだんご運転になる、あるいは時間がかかる、定時性が確保できないといったような状況からお客さんの利用離れが起こるといったような状況に対しまして、これまで、先ほども触れましたように一番全般的にやらなければいかぬものとしましては、警察なり道路管理者の協力を得て走行環境をよくする。そういった意味から、専用レーンあるいはバス優先通行信号等の設置でありますとか、バス路線における駐車の取り締まりの強化といったようなことをやっていただいておるわけでございますが、これらにつきましては、私どもといたしまして今後特に具体的な問題点を把握して、それに基づいて対策をいろいろ講じていくということが必要かと思います。  従前、いらいらの解消等につきましては、都市バスについての新たな試みということで、五十四年ごろからバス・ロケーション・システムというようなもので接近表示をする。今どこを出ている、これは新宿駅の西口で始めたのが最初でございますが、そういうのを十数カ所、低額ではございますが、補助金を出してやった。それから、先ほどお話しになっておりますいわゆる都市新バスシステムと言っておりますが、五十八年度から東京、新潟、五十九年度予算におきまして金沢と先ほど説明のあった名古屋、六十年度も他の二都市を今予定して、金額的には一カ所一億程度のもの、これは専用レーンとかいろいろな都市バス、バス自体の整備ということ、あるいはシェルターつきの停留所を設けるといったようなことのほかに、だんご運転を解消する通信機構を備えるといったような格好のものをやっております。  先ほど来の中央走行方式、名古屋式の専用レーンを伴う都市新バスシステムというのはなかなか適用困難な都市が多いと思いますけれども、我々としましては、いろいろな問題、先ほど来警察の方でもそれを定着させるための御尽力をいただかなければならぬという面もございますが、都市新バスシステムの効果というものを我々はそれなりに効果があるというふうに認識しておりますので、先ほど申し上げた一般的な走行環境の整備のほかに、都市新バスシステムというものをさらに各都市適用できるところに順次広めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  129. 伏屋修治

    ○伏屋委員 今御答弁の中にありましたように、東京の中の渋谷、六本木、新橋というこのあたりは非常に好評のようでございます。やはりそれだけ運輸省が御努力を払い、利用者への細かい配慮をしていけばバス利用者もふえてくる。バス利用者がふえれば当然自分のマイカーをパークしてそして今度はバスに乗る、こういうパーク・アンド・ライドの方式が徹底してまいりますと、やはり大都市の交通渋滞というものの解決につながってくるのではないか。そういう面で、なお一層の運輸省のバス利用者、公共輸送の利用者に対する配慮をお願いしたいと思います。  次、建設省の方へお尋ねしたいのですが、いわゆる今月を入れておられる問題については、交差点における右折左折の御努力というようなことがございますけれども、今東京都心部での交通渋滞というのは、何といいましても放射道路が先行して環状道路がそれを後追いしておるというところにバランスがとれない、そこに交通渋滞が起こっておるということが言えるわけでありまして、いわゆる環状七号線あたりは、昭和二年都市計画の中で考えられながら、もう半世紀でやっと完成というような状況であるし、その構想の中には環八も入るし、また半径十五キロから五十キロの範囲での環状線、そういうようなものも考えられておるようでございますが、その見通し等についてはどうなんですか。
  130. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 東京のみならず日本の大都市では、先生御指摘のような放射道路が先行しまして環状道路がおくれているというのが現状でございます。  具体的に東京で言いますと、御指摘の環状七号線、環状八号線、それからその外側に東京外郭環状線、さらにまた外側に、これは半径四十ないし五十キロになりますけれども、昭和六十年度から首都圏中央道というのを設けまして予算要求させていただいたわけでございますが、環状七号線は大体今度の五カ年計画、すなわち六十二年ごろには概成すると思います。それから環状八号線は御案内のように羽田のところが残っておりまして、本当にごくわずかでございますが、そのために環八を使って羽田空港へ行けないというふうなことで、これも鋭意東京都と打ち合わせまして、これは東京都の事業でございますので……。  それから一番大事な、一番大規模な交通を処理できます、先生御指摘の半径十五キロないし五十キロの東京外郭環状でございますが、これは現在関越自動車道がことしの秋には開通するわけでございまして、そうなりますと、それを迎え撃ちます首都高速道路公団道路が全然予定されておりません、超長期的には予定されておりますが。そうなりますと、現在でも谷原の交差点の交通渋滞が問題になっておりまして、さらにひどい状態になる。そのためには東京外郭環状の練馬の都市計画決定、これは東京都のところでございますけれども東京都練馬区から、時計回りと同じ方向でございまして常磐道まで、埼玉県側は都市計画決定が終わっておりますが、これを変更しなければいけません。この埼玉県側の都市計画決定の変更は大した問題ではないと思っておりますけれども、現在既に東京外郭環状の用地買収も進んでおりまして、問題は東京都内の練馬でございまして、今東京都の鈴木知事さん、そのほか区長さんその他者さん方に鋭意努力願っておりまして、近々中に都市計画決定の手続をとり、都市計画決定をしたい。そうなりますと、外環の関越からずっと時計と同じ方向に新大宮バイパス、東北道、常磐道までのいわゆる外環の自動車専用部を日本道路公団高速道路でやるということになろうかと思います。平面部は一部、先ほど申しましたように埼玉県内は着工しております。  以上でございます。
  131. 伏屋修治

    ○伏屋委員 今後さらに御努力をお願いしたいと思います。  それから、交差点における御努力もさることながら、いわゆる道路をアンダーパスする、あるいはオーバーパスというような形での立体化の問題、こういう問題についても御努力をいただきたいと思います。  それからまた、都心部へ入ってくるところの幹線道路、それを時間帯によって、いわゆるラッシュ時には車線をふやすとか、あるいは帰るときには車線をまたさらにふやす、ふだんはそのとおりにするというような、オーバーヘッドとかオーバーハング式のそういう交通標示というものによっての都心部流入の渋滞を緩和する、そういう御努力もあわせて、いわゆる交差点における、今導流島というのですか、安全島というのですか、島ですね、常時右折したり左折できるようなそういうものもさらに今後ふやしていっていただいて、直進車が渋滞しないような御努力を今後お願いをしておきたい、こういうふうに思います。もう時間がありませんので、御答弁は結構でございます。  現実に今取り組んでおられる問題、今までの取り組み、それは大体わかったわけですが、今後も二十一世紀に向けてさらに交通渋滞が深刻になってくるということが予想されるわけでございます。そういう意味で、現時点で今御努力なさっておられること以上に、将来二十一世紀に向けていろいろなお考えがあると思います。それをお聞きしたいと思いましたけれども、もう時間がありませんので、今実施されておるそのところに力点を置きながら、今後も進めていただきたいと思います。  もう一つ、交通渋滞の問題で一つだけお尋ねしたいことは、いわゆるマイカー、ドライバーの意識の変革を図っていかなければならないのではないか。これだけ車の保有台数がふえてきて、それぞれがマイカーで都心部へ入ってくるということになれば、やはりそれも問題になるので、さっきのバスの問題ではないですけれども、パーク・アンド・ワイドという方式をとれるような、そういうドライバーの意識変革、こういうものも強く求めていかなければならないのではないか、そういう面で総務庁はどういう御努力をしようと考えておられるか、お尋ねしたいと思います。
  132. 波多秀夫

    ○波多政府委員 ドライバーの意識の変革につきましては、先生御指摘のように大変大切なことであろうと思っております。この意識の変革というふうな問題につきましては、ただいま各省庁から御答弁がございましたような具体的な対策の進展と相まちまして、それに即応した形で安全運動あるいは安全思想の普及等、いろいろな機会を通じましてそれに資するよう努めてまいりたいと考えます。
  133. 伏屋修治

    ○伏屋委員 時間がありませんので、次の問題に進んでいきたいと思います。  道路指導線の改善ということでお尋ねをしたいのですが、最近、道路に書かれておるところの指導線というのが非常に一般の人に理解しにくい面があるのではないか、そういう心配がある。それは、事故防止のために警察庁としてはそういうような道路標示をしたのではないかと思います。二輪車レーンとかバイクレーン、あるいは二輪レーンとか二輪車専用レーンなどとも言われておるわけですが、事故防止のためにこういうことをしたのですけれども、その運用がどういうふうに運用されるのかということが、ドライバーになかなかそれが徹底されておらない。いわゆるPR不足のためにそういうことが徹底されておらないということが、事故防止がかえって事故を多発させる、こういうことにつながりかねませんので、その辺はどうお考えになっておるのか、お答えいただきたいと思います。
  134. 太田壽郎

    太田政府委員 指導線につきましては、ただいま御指摘のようなそういう目的のもとに、各都道府県警察がそれぞれの道路につきまして、その状況あるいは交通の実態というものを踏まえまして、最も安全と思われる方法で現在設置をしているという状況でございます。ただ、お話しのように、ややPR不足という面もないわけではないという状況でございますので、この点につきまして、全国交通安全運動とかあるいは免許取得時の講習とかあるいは更新時講習、その他各種の機会をとらえまして、関係機関、団体とも協力いたしまして積極的にPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
  135. 伏屋修治

    ○伏屋委員 それは道交法に規定されたところに基づいてのそういう指導線でございますけれども、道交法に規定されておらない指導線というものもあるようでございます。歩道寄り一メーターから二メーターのところに白線を引いて、そして二輪車の専用レーンと、こういうようにするというようなことがあるわけでございますが、その実態等もお答えいただきたいと思います。道交法に規定されてない白線で、自動二輪車がそこを走るということにおいて、非常に危険を伴う面が多いのではないか。そういう面で、東京都の目黒ではそういう白線、指導線を消しておるという例がありますし、片一方では、神奈川県では指導線を強力に今後推進していく、事故防止につながるということから推進しようとしておる。非常に相矛盾しておるわけでございますが、その辺は警察庁としてはどうとらえておりますか。
  136. 太田壽郎

    太田政府委員 いわゆる指導レーンといいますか、そういうものにつきましては、現在私どもの方で把握いたしておりますのは百五十八区間、約二百四十六キロメートルという状況でございます。ただ、その指導線の引き方につきまして、ただいま具体的な目黒区あるいは神奈川県の例をお引きになってお話がございましたけれども、確かにやや区々にわたっているところはあるわけでございます。  今の具体的な例につきましては、特に指導線がずっとつながって引かれておりました場合に、四輪車が左折する場合に、その指導線の外側を回るという可能性があるのじゃないか。これは先ほど御指摘がありましたいわゆる指導線についてのPRの問題とも関連すると思いますけれども、そういうことでむしろ指導線を交差点の近くでは切った方が、四輪車が左折する際に道路に従ってその直近を左折するということになって、危険が少ないのじゃないか。しかし、これは原則論で申し上げますと、その指導線というものがあろうとなかろうと、四輪車が交差点で左折する場合には、道路の左側端に寄って、後方の安全を確認しながら回るというのが道交法の建前になっておるわけでございますが、ただ、指導線がそういうふうにありますと、そういう建前を承知しながらも、ややそういう外回りになる可能性もないとは言えない。そんなことで、県によりましてやや考え方が分かれているという実情でございます。  ただ、警察庁といたしましては、そういう問題につきまして、さらに詳細な効果測定というものを行いまして、できる限り統一するという方向で指導してまいりたいというふうに考えております。
  137. 伏屋修治

    ○伏屋委員 二輪車の巻き込み事故を防止するということから、五十三年十一月からいわゆる二段停止線方式というものを交差点で設けたわけでございますが、これに指導線が重なってまいりますと、非常に危険性が伴うのではないか。だから、交差点のところは、今のように指導線というものもなくして、二段停止線にしなければならない。この二段停止線も必ずしも万全ではないわけでございまして、先頭車においての左折する場合の注意ということにおいてはその効果は発揮できると思いますが、続く後続車においては案外それができない。だから、信号が青に変わってわずかの時間内において左折巻き込み事故が後続車において起こりかねない、こういうことでございますので、それに指導線が加わってくるとさらに事故を増幅させるということになりますので、その辺は十分に考慮していただきたい、このように要望しまして、この問題は終わりたいと思います。  次に、総務庁の方にお尋ねしますが、いわゆる第三次交通安全施設等整備事業五カ年計画というのが今年度で最終年度ですけれども、その達成率というか、進捗率というのは非常に低いわけでございます。その低い理由は一体何なのか、まず一点。  それからまた、来年から第四次交通安全施設等整備事業五カ年計画が本年度策定されるわけでございますが、財政が非常に厳しい中で、この第三次が進捗率が低い。さらに第四次は、聞くところによれば、単年度でやるべきだ、五カ年も考えなくてもいい、単年度でやるべきだというような声もあるやに聞いておるわけでございますが、その事業五カ年計画に対して、建設省とかあるいは警察庁はどういう態度で今度の予算の獲得に臨む考えがあるのか、お聞きしたいと思います。
  138. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 まず第一点の、昭和五十六年度に発足しました第三次特定交通安全施設の建設省分について申し上げますと、御指摘のとおり昭和六十年度に最終年度を迎えるわけでございますが、道路事業の投資が抑制されました中で、交通安全事業の重要性にかんがみまして特に重点を置いて整備を行ってきたものの、全体としましては、達成率は道路管理者分としましては八九・一%となる見込みでございます。  それから来年以降についてでございますが、特定交通安全施設等整備事業の対象としている既存道路につきましては、まず、歩道等を初めとしました交通安全施設の整備がまだまだ不十分であるということ。それから二点としまして、お年寄り社会の到来、それから身体障害者の社会参加のだ凶の環境整備、さらに道路交通情報に関する認識の高まりなど、交通安全事業を取り巻く社会的なニーズがますます多様化しているのが現実であろうかと思います。しかも交通事故が昭和五十三年以降増加の傾向にあるなど、緊急に解決すべき問題が非常にございます。このため、昭和六十一年以降につきましても引き続き着実かつ計画的に交通安全施設の充実を図ることができるように、新たに五カ年計画を策定すべく現在検討を進めておるところでございます。
  139. 伏屋修治

    ○伏屋委員 警察庁は時間がないので結構です。非常に財政が厳しい中ですので、今建設省もお答えになりました、そういう姿勢で警察庁も予算獲得のために格段の御努力をお願いしたいと思います。  最後に、総務庁の方にお尋ねしたいのですが、先般の道交法の一部改正のときの附帯決議にもありましたが、今の整備事業計画、これを完全実施すると附帯決議にあるので、関係官庁それぞれが積極的な姿勢で臨んでいただきたい、こういうことを思います。  それから、先般埼玉の方を視察したときに埼玉県の方の陳情がございました。いわゆる自転車に関する法律の中で、鉄道事業者等が協力をしなければならないという面があるのですが、これを義務化するというようなお考えがあるかなしか。要請、陳情は義務化してもらいたい、そして地方自治体にそれを権限を与えてもらいたい、こういうような非常に過密県の埼玉県の方の陳情があるわけでございまして、そういう自転車の法律の中の一部改正の御意思がありやなしやをお聞きしたいと思います。
  140. 波多秀夫

    ○波多政府委員 御指摘のように、いわゆる自転車法では鉄道事業者に対する自転車駐車場設置義務は課しておらないところでございますが、同法の五条第一項におきまして、自転車駐車場の用地とするために「地方公共団体又は道路管理者から鉄道用地の提供について申入れがあったときは、鉄道事業者は、」「積極的に協力しなければならない。」旨が規定されておるところでございまして、この趣旨に即しまして運輸省が鉄道事業者を指導いたしておるところでございます。現在の状況でございますが、昭和五十九年三月末で国鉄、私鉄から千九百四十カ所、四十五万九千平方メートル、収容能力に換算いたしますと四十五万九千台分の用地が提供されておるところでございます。自転車駐車場の整備に大きく寄与をいたしておるところだと思います。  御指摘の法律の改正といった点につきましては、義務化するというふうなことになりますと相当な投資を要するものでございまして、これが運賃にはね返る一つの原因になるというふうな指摘もなされておるところでございまして、いろいろと難しい問題が多いと思います。今後も話し合いに基づきまして自転車駐車場の整備、用地提供が円滑に行われますように、関係機関と連携を保って問題の解決を図ってまいりたい、かように考えております。
  141. 伏屋修治

    ○伏屋委員 埼玉の方からそういう陳情が出るということは、自転車駐車需要というものがますますこれからふえてくる、そういうことを心配しての陳情だと私は思います。そういう面での法律の一部改正ということを陳情されたと思いますが、今お聞きしたところでは積極的なそういう改正の意思はなさそうでございますが、それがないとするならば、そういうような心配がある方々に対して、そういう杞憂に過ぎたというような処置を、やはり今お話があったように当事者同士の話し合いの中でその自転車駐車需要を満たすだけの供給を考えてもらう、そういうような積極的な御努力を強くお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
  142. 小川新一郎

    小川委員長 次に、辻第一君。
  143. 辻第一

    ○辻(第)委員 私は、障害者の交通あるいは交通安全の対策についてきょうは質問をいたします。  昭和五十五年の厚生省の調査では、十八歳以上の身体障害者は二百三万人、在宅が百九十七万人、そのうち肢体不自由者が百十二万人、視覚障害者が三十四万人、聴覚言語障害者が三十二万人、内部障害者が二十万人、大変たくさんの障害を持っておられる方がおられるわけであります。そして、国際障害者年を迎えて「完全参加と平等」を目標に運動やいろいろな施策が行われてまいりました。交通安全の対策も一定の前進をしているということでありますが、まだまだ大変な状況であります。私も障害者の方々に交通安全上の問題についていろいろ御要望を聞いてまいりました。その何点かについてお尋ねをしたいと思うわけであります。     〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕  まず最初に、障害者用の施設ですね、これの規格を統一することが本当に大切だということであります。例えば、建設省にお尋ねをするのですが、点字ブロックの張り方ですね、これがやはりまだまちまちのところがある。これを全国的に統一をしていただくということでどのように対応されているのか。また警察庁、いわゆる視聴覚障害者の音響信号ですね、これにいろいろあるようであります。これの統一を促進すべきだ、してほしいという要望があるわけでありますが、どのような対策をとっておられるのか、お尋ねをいたします。
  144. 田中淳七郎

    ○田中(淳)政府委員 視覚障害者誘導用ブロック、俗称点字ブロックと申しておりますが、に関しましては、その設置参考例を昭和四十八年十一月十四日付での都市局長道路局長通達によりまして地方建設局、都道府県等各道路管理者に通知し、その適切な設置に努めてきたところでございます。一部の視覚障害者誘導用ブロックの設置に関しまして、適切ではないものがあるとの御指摘がございますが、視覚障害者誘導用ブロックにつきましては、春秋の全国交通安全運動等におきましてその点検を各道路管理者に実施していただきまして、必要な改善措置を講ずることにより、その適切な設置に努めているところでございます。今後とも視覚障害者の安全な歩行が確保できるよう努めてまいったいと考えております。  また、社団法人日本道路協会というのがございまして、そこで歩道設置分科会という委員会、これは学識経験者から成る委員会、もちろん建設省その他も入っておりますが、そこで現在視覚障害者誘導用ブロック設置指針、同解説案というのをつくりまして、まだ市販しておりませんけれども、これを最終的につくりまして成案を得ましたら各県に流したい、かように考えております。
  145. 太田壽郎

    太田政府委員 視聴覚障害者用の信号機の音色についてでございますが、今御指摘のように従前は各都道府県ごとにばらばらな方式が用いられておりまして、一時それが二十一曲ぐらいにわたるというふうに言われておりましたけれども、これではいかぬというので、昭和五十年の四月でございますが、学識経験者、それから視聴覚障害者の代表の方、交通工学者、あるいは厚生省、警察庁等の行政関係等から成ります視聴覚障害者用信号施設の研究委員会というものを発足させまして、集団面接等も含めましたアンケートを行って、利用者側の御意向も伺って結論を出したわけでございます。     〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕  それを昭和五十年の七月でございますか、交通局長通達ということで全国に流しまして、統一的な方向に持っていくという指示をしたわけでございますが、その内容といたしまして、音色は鳥の鳴き声の方式、これは「ピヨピヨ」というのと「カッコー」という、それからオルゴール方式のもの、これは「通りゃんせ」と「故郷の空」と、この二つの方式に統一をする、各県ごとにとりました場合にそのいずれかにまとめてもらいたいということで今日まで努力してきているわけでございますが、若干その併用式のところというようなところが予算の関係その他で残っております。例えば奈良県などではメロディー式のところが一カ所で、あと七十三カ所は鳥の鳴き声式というような形で、統一の方向に進んでおりますけれども、まだ若干例外的な面が残っているという状況でございます。
  146. 辻第一

    ○辻(第)委員 ぜひ全国的な統一を進めていただきたいと強く要望しておきます。  次に、点字ブロックというのは視覚障害者にとっては本当に大切な大切なものなんでありますが、その上に自転車が置かれるなどの状態がたくさんあるわけですね。どうしてもこれを防止をする対策をもっともっととっていただきたいというふうに思うわけであります。駅前周辺などについては自転車法などの対応がとられているわけでありますが、それ以外のところ、その点字ブロックのところに安易に物が置かれる、自転車なんかがぼっと置かれるということもあるわけですね。そういうことも含めて十分な対応をとっていただきたい。  奈良市では奈良市自転車等の安全利用に関する条例というのがつくられて、これは駅前のそういうところだけじゃなしに、点字ブロックの上は放置禁止区域というようなところとして規制をされておる。こういうふうな強い力を持った規制の仕方をやられるべきではないかというふうに思うわけでありますが、総務庁の御見解を伺いたいと思います。
  147. 波多秀夫

    ○波多政府委員 駅周辺におきます放置自転車の対策につきましては、先生ただいま御指摘のとおりの状況で行われているわけでございまして、禁止区域に指定された区域内に放置されております自転車につきまして、点字ブロック上の放置自転車につきましてもこれによりまして条例の適用の一環として排除がなされておるという状況でございます。  なお、これらの放置禁止区域を広げるという点につきましては、いわゆる自転車関係条例は、自転車法の趣旨を受けまして駅前広場等の良好な環境を確保し、その機能の低下を防止するため、そういった目的で大量の放置自転車に対する対策を講ずるために自治体が制定をしておるところでございます。したがいまして、駅周辺を離れまして点字ブロック等を設置しております歩道等を放置禁止区域に広く含めるということにつきましては、条例の範囲が広がり過ぎるのではないか、困難ではないかという考え方を持っております。
  148. 辻第一

    ○辻(第)委員 一層積極的な対応をとるような御努力をいただきたい。  次に、運輸省は、昭和五十八年三月に公共交通ターミナルにおける身体障害者用施設整備ガイドラインというのを作成されました。関係者の御努力で大変立派な内容のもの、このように考えているわけでありますが、このガイドラインに基づいて、その整備を促進させるために運輸省はどのように対応されてきたのか、お尋ねをいたします。
  149. 山本長

    ○山本(長)政府委員 お答え申し上げます。  御質問の中にございましたガイドライン、国際障害者年が始まったということを記念してというのは語弊があるかもしれませんが、これを契機といたしまして、前々からこういう方々のモビリティーを確保するということで推進してきたわけでございますけれども、御指摘のように五十七年度の事業といたしまして身体障害者施設整備ガイドラインというものを学者の先生方、事業者の方々、身体障害者の団体の方々あるいはそれの専門家の方々、官庁の人たち、集まりましてつくっていただきました。  内容は、御存じのように各種の施設がございますが、望ましい施設の整備の基準、これに沿ってやってもらいたいということでございまして、各施設の規格とでもいいますか、こういうものが望ましいというものを図、表あるいは写真のような形であらわすという形で統一を図ったということでございます。  これの実施でございますけれども、このガイドラインというものは広く交通事業者に伝わっております。そしてこの指針に従ってターミナルの施設整備が進められるように事業者を指導いたしておるのでございますが、仰せこういう指導と申しますのもやはり持続的に息長くやっていく必要があるというふうに考えております。同じことを言うわけでございますけれども、あらゆる機会をとらえてこの指針に従ってやってもらいたいということを指導いたしております。例えば運賃改定があるというふうなときには、サービス向上の一環といたしましてこういう施設を促進するようにということをそういう機会をとらえてやっておるというのが現状でございます。そういう方向でやってまいりたいと思っております。
  150. 辻第一

    ○辻(第)委員 ぜひさらに積極的に対応していただきたいとお願いをしておきます。  次に国鉄にお尋ねをいたします。  去年八月に国鉄の大森駅というのはいわゆる障害者の対策など非常にやられて福祉駅というふうに言われ、利用者や障害者に大変喜ばれておるということであります。しかし、全国的に見てまいりますとまだまだおくれている、大変な事態だというのが現状だと思います。それで、関西線で券売機駅化というのがたくさんやられましたね。そういう状況の中で券売機の点字シール、これが使われているのが十八駅中五駅しかないのですね。ですから、視力障害者にとっては本当に御不便な状態になっているわけであります。また、奈良駅などで点字ブロックをそのままずっと歩いていきますと階段の柱に当たる、そういう形のところもあるのですね。それはいろいろ難しい条件があって結果的にそういうことになっているということだとも思うわけでありますが、いずれにしましてもそういうことであります。また、階段の手すりをもっと改善をしていただきたい。これは肢体不自由者なんかの方の声でもあるわけであります。それから視力障害者で言えば、ホームへ上がっていく階段、あるいはおりていく場合もあるのですが、そういうところで番線名あるいは方向、こういうような点字シールをぜひ張っていただきたいという要望があるわけでございます。これなどは非常に着手がしやすい問題ではないかというふうに思うわけでございます。  こういう点を含めて全国的な改善の計画を持たれて、そしてそれを実現をするために努力をしていただきたいというふうに考えるのですが、いかがですか。
  151. 丸山智之

    ○丸山説明員 お答えいたします。  券売機の点字シールの設置につきましては私ども従来から取り組んできたわけでございますけれども、五十九年度末現在で約五百駅の設置になっております。先生御指摘のように全国的に見た場合いろいろまだ抜けている部分もありますので、今後ともさらに努力をしてまいりたいというふうに思っております。  手すりを階段の踊り場等に設置することにつきましては、物理的、技術的に非常に難しいケースもあるわけでございます。また、今から改良しますとかなりの箇所もあってお金もかかるということもございますけれども、私ども、駅舎改築等の機会をとらえまして積極的に極力設置するように努力してまいりたいというふうに思っております。  階段の手すり部分に点字の案内情報を貼付するということにつきましては、そういう不自由な方々の利用の非常に高い駅などを中心といたしまして、盲人協会等と御相談いたしまして貼付できるよう、今後とも努力してまいりたいというふうに思っております。
  152. 辻第一

    ○辻(第)委員 ぜひ全国的な改善計画というようなものをつくってやっていただきたいというふうに思います。  それから、聴覚障害者はいわゆる表示物というのが本当に頼りなんですね。ところが、私自身なんかも感じるのですが、駅名表が非常に少ないところがありますね。しかも、非常に見づらいところがあります。あるいは車両なんかで行き先の表示が正面だけしかないというようなところもあるのですね、あるいは後ろ。そうすると、途中からではわからぬというようなことがあるわけですね。たくさんあるわけであります。そういう点ぜひ改善をしていただきたい、表示を多くわかりやすくしていただきたいということがあります。  それから、緊急のときの案内、これは大体放送でやられていることが多いようでありますが、やはり文字による表示機を設置をしていただいてやっていただきたいという要望があるわけですが、いかがですか。
  153. 丸山智之

    ○丸山説明員 事故等の緊急のお知らせをする場合は、特に東京地区等では赤い掲示板というのをつくっておりまして、それをお客さんの目につきやすいような場所に出して、手書き等によって対処しておりまして、周知の徹底を図っております。その他新幹線の駅等を中心といたしまして、発光ダイオードというのを使いまして大型の異常時の情報案内装置というのを最近設置しておりまして、そういうことで今後さらに対処してまいりたいと思っております。
  154. 辻第一

    ○辻(第)委員 駅名表だとか、そういうものはどうですか。
  155. 丸山智之

    ○丸山説明員 駅名表等につきましても、今後なるべく表示がわかりにくいところ等については検討して充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
  156. 辻第一

    ○辻(第)委員 一度そういうものもできれば点検もしていただいて、きちっと対応をしていただきたい。いやというほど駅名表の載っているところもあるのですよ。ところが本当に載ってない、本当にわかりづらいところがまだまだ、殊に新幹線ではあるように私は思うのです。そんなことも含めてぜひやっていただきたいと思います。  最後に、障害者のための公共交通機関利用のためのガイドブック、こういうものをつくっていただく、これは大切なことだと思うわけでありますが、何年か前に阪急で時刻表が発行された、それに障害者用設備のあるなしを表示されておって、障害者には非常に喜ばれたということであります。国鉄を中心にした全国の交通案内は、主要な都市の駅の略図があるようですね。そういうところに障害者の施設、ここに障害者の便所があるとかあるいは障害者のエスカレーターがあるとか、いろいろなそういうのを表示していただければ非常にいいのではないかと思うのですが、その点いかがですか。
  157. 丸山智之

    ○丸山説明員 時刻表に出ております駅構内図につきましては、三カ月に一回、特に御利用のお客様の多い駅につきまして、かつ駅の構造が大変複雑なところの案内図を載せております。ただ、非常に複雑な駅構内を限られたページでお客様にもわかりやすく案内するために極めて省略した表示になっておりまして、そういう要請につきまして、ちょっとなかなか御要望に沿うことができないというような状況になっております。
  158. 辻第一

    ○辻(第)委員 今あるところで少し障害者の、便所という表示があればそこのところへ障とつけてもらえる、そういうことができるのではないかというふうにも考えるので、これはそんなに費用もかかることでもないし、私はやってやれないことはないというふうに思いますので、再度検討をいただきたい、こういうふうに思います。  どうか障害者の交通安全対策について関係の皆さん方の一層の十分な対応、御努力をいただくことを強く要望して、終わります。
  159. 小川新一郎

    小川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十五分散会