○藤原房雄君 五十八年度
国有林野事業業務方針、この中にも四ページのところで、「効率的な
予算執行管理」、二番目に、「
事業収入の
確保」、ここにも「
林産物の販売に当たっては、
計画的安定的な販売に努め、新鮮材の
供給、
需要に応じた採材と販売、高品質材の選木販売等を行うとともに、各販売ブロックにおけるマーケッティング活動を充実させ、有利販売を図る。」、これは私
どもは、全国のことですから、どこでどういう材をどういうふうに売っているかなどという全体的なことはとてもわかりません。また、今後同僚委員からもこの点についてはいろいろ
お話があろうかと思うのですが、
お話のありましたように、
国有林野事業としてこの素材の販売というのは唯一の収入になるわけです。
ここにありますように、
計画的な安定的な販売というのは大事なことはもちろんでありますけれ
ども、新鮮材の
供給、
需要に応じた採材と販売、高品質材の選木販売、こういうその土地その土地のものについて、また建築様式、また使用者側、こういう方々の
需要に応じた形で、素材といいましても工夫、考慮をしていきませんと、十年一日のごとく同じようなことをやっていると、せっかくの素材といいましても、それがいつも同じ価格で、生産性、人員的な面についてはいろいろな
努力をしましても、せっかく六十年、七十年たった木を切る、その切り方一つ、またその製材についても価格に大きな影響力がある。
これは、衆議院の方でもいろいろ議論があったようでありますけれ
ども、このように
事業計画の中にもはっきりうたわれておりますし、どう見ましても組織とか人とかということには随分御熱心のようですけれ
ども、私はこういうことから、後ほどまた同僚委員から話があろうかと思うのですが、どうも私も九州とか京都、東北、
北海道はもちろんですが、回りますと、その
地域地域で随分いろいろ工夫をしているようです。林野の中におりますとどうしても
地域性というか、その枠の中にありまして、これは消費動向というものとの間のコミュニケーションというか、また市場との関係性とか、それは京都なんかに行きますと、本当にそういうことを関西方面で痛感いたしておるのです。
こういうことから言いまして、林野
事業というのはなかなか難しい一面はあるのですけれ
ども、日本全体が
外材に押されているということです。これは林野庁としまして、やはりもっと取り組むべき方途というのはあるのじゃないか。現在はこうです、住宅
事情がこのように減ってまいりましてという、そういうことは一般論としてはわかりますけれ
ども、大事な
国民の
共有財産であります
国有林、少しでも価値あるものとしてそれが市場に出されているのかどうかという観点から見ますと、これは大いに各地を回れば回るほど疑問を抱かざるを得ない。私
どもも各地にいろいろな調査をしますが、私
どものはほんのわずかな間のことですから、もっと広範囲に見ますとこれはいろいろな問題が多々あるだろう。今日また同僚委員からもこの問題については
お話があるのですが、ぜひこれは
事業収入の
確保ということでいろいろ
事業計画としてはうたわれておりますけれ
ども、この
内容のより一層の検討と、それからそこにいる人がそういう意識にならないといかぬ。そういうことから、これは意識を変えていくということが必要ではないか。
作業
能率だけを上げても、とったものをより価値のあるものにするということを怠るようではこれは本末転倒です。そういうことから、こういう一つの
経営といいますか、収入部門の大事な部門についてのもっと強力な指導性といいますか、皆さんに対しては指導性、また、日本全体の市場の動き等総体的な問題について御検討いただいて、またみんながそういう意識で、それはみんなが切る人は切る人、そういう立場はあるのでしょうけれ
ども、それぞれの
営林署、
営林局、そういう当事者の方々の頭をまず切りかえてもらわなきゃいかぬと思うのです。きょうは詳しいことを申し上げる時間もございませんから、この
事業計画の中にも文章としてはあるのですけれ
ども、実体が今
お話を聞いてもどうもない。こういうことで、いろいろ工夫をし、
努力をし、少しでも収入を高めようということで御
努力なさっている
営林署もあるようでありますが、そういうことで研修といいますか、人の交流とかコミュニケーションとか、こういうものを林野庁としてもぜひ進めるようなこともあわせてお考えいただけたらどうかと思うのです。大変ですけれ
ども、どうでしょう。