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1984-07-31 第101回国会 参議院 逓信委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年七月三十一日(火曜日)    午前十時一分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大木 正吾君     理 事                 長田 裕二君                 成相 善十君                 宮田  輝君                 片山 甚市君     委 員                 大木  浩君                 岡野  裕君                 沖  外夫君                 志村 愛子君                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 山内 一郎君                 大森  昭君                 中野  明君                 服部 信吾君                 佐藤 昭夫君                 中村 鋭一君                 青島 幸男君                 田  英夫君    国務大臣        郵 政 大 臣  奥田 敬和君    政府委員        郵政大臣官房長  二木  實君        郵政省通信政策        局長       奥山 雄材君        郵政省電気通信        局長       小山 森也君    事務局側        常任委員会専門        員        酒井 繁次君    説明員        外務省北米局北        米第二課長    七尾 清彦君        大蔵省主計局主        計官       日高 壮平君        通商産業省機械        情報産業局電子        政策課長     牧野  力君        日本電信電話公        社総裁      真藤  恒君        日本電信電話公        社総務理事    山口 開生君        日本電信電話公        社総務理事    児島  仁君        日本電信電話公        社総務理事    岩下  健君        日本電信電話公        社職員局長    外松 源司君        日本電信電話公        社営業局長    草加 英資君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本電信電話株式会社法案内閣提出衆議院  送付) ○電気通信事業法案内閣提出衆議院送付) ○日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の  施行に伴う関係法律整備等に関する法律案  (内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  日本電信電話株式会社法案電気通信事業法案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法施行に伴う関係法律整備等に関する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 大森昭

    大森昭君 今回の電電改革法案は、明治以来一世紀余にわたりまして一元的に運営されました電気通信事業に大変革を来すという法案でありますが、いずれにいたしましても、この大変革の中で後世に災いを残さないように真剣かつ慎重な審議が必要だと思います。しかるに、先般の本会議で我が党の片山理事代表質問指摘されましたように、政令、省令の委任が八十五項目、不透明な部分がたくさんあります。したがいまして欠陥法案という指摘をいたしましたけれども、またこの審議の仕方もこれは三法案一括でありますから、本来慎重に審議をするという立場に立ちますと、一法案ずつ審議をしていくということが慎重審議だと思うんでありますが、国会のいろんな関係から一括審議ということになっておりますが、こういうようなやり方もどうも私は余り賛成できません。同時にまた、中曽根総理が本会議でいやしくも利権が絡んではいけないような意味合いのことを言われておりますが、どうも裏返すと何か利権があるのかなというようなことも思い当たるような言い方もしておりますが、まずもって前段にこの法案審議の重要さにつきまして指摘をしておきまして各項目に入りたいと思います。  昔は郵便が大体国民の基礎的な通信手段でありましたけれども、そしてまた電気通信そのものがその上に立ってという位置づけてありますが、今日の状態電気通信そのものがまさに基礎的通信手段でありまして、水道や電気などと同様に国民生活に欠くことのできない存在になっているというふうに思いますが、特に情報化進展に伴いましてその公共的使命はますます重くなっていると思いますが、電気通信事業公共性について郵政省はどのように考えておられますか。
  4. 小山森也

    政府委員小山森也君) 電気通信は、まさに仰せのとおり、非常に公共性の強いものであります。なぜならば、情報の伝達に際して時間と距離とを克服できるという非常な特性を持った機能を持っておりまして、今日の国民日常生活産業経済活動に欠かすことのできない存在となっていると思っております。今後の高度情報社会においては、情報の有する社会的価値が飛躍的に増大いたしまして、これに伴い情報の生産、流通及び利用国民生活においても産業経済活動においても従来にも増して重要になるものと考えております。したがって、この情報を、いかに円滑に流通させるかということは非常に重要なことでありまして、これはまさに電気通信によってのみ可能であろう、こう考えております。したがいまして、高度情報社会におきまして電気通信は基盤的な活動をするものと考えております。このような意味電気通信事業公共性は今後ますます高まると考えられますので、公共性確保することが電気通信事業にとってまず第一に求められる使命である、このように理解している次第でございます。
  5. 大森昭

    大森昭君 今言われましたように、公共性が極めて高いということでありますし、とりわけ秘密の保持だとかあるいはネットワーク安全性信頼性確保などたくさんあります。同時にまた、通信事業というのは安い料金全国あまねく公平に提供されなければならないと思うのでありますが、という意味合いからいきますと大体私と意見一致をするということになりますと、そのことを会社法案の一条だとか事業法案の第一条に、極めて公共性が高いということになれば、そのことをきちっと明記をして電気通信事業を発展をさしていくというふうにしたらいいと思うのでありますが、どう考えますか。
  6. 小山森也

    政府委員小山森也君) まず第一に、日本電信電話株式会社法案でございますが、これは当然に電気通信事業法枠組みの中へ入るわけでございます。したがいまして、その電気通信事業法においてどのような形の枠組みにあるかということをまず申し上げなければならないと思いますが、電気通信事業法の第一条におきましては、「電気通信事業公共性にかんがみ、」ということで公共性をまずうたっております。また同時に、その公共性のもう一つの側面でありますところの通信秘密保護とか安全性信頼性確保という点から、「電気通信役務の円滑な提供確保するとともにその利忍者利益保護しこということで、その利用者利益保護という条項を第一条に置いております。したがいまして、これを受けております電信電話株式会社法案というのは当然にこの公共性の全体を受けているわけでございまして、法全体の形でこの公共性利用者保護というものがこの電信電話株式会社法案にかかってくるということでございます。
  7. 大森昭

    大森昭君 いや、現在の公社法にはちゃんと明記されておるわけでありまして、したがって今あなたが、お互いに考えていることが一致をしておって、私の言うことが会社法の中あるいは事業法の中にきちっと明記されないというのには少し答弁がわかりませんがね。私の言っていることが言葉は違うけれども入っているということなのですか。
  8. 小山森也

    政府委員小山森也君) 仰せの点は入っていると私ども理解しているところでございます。
  9. 大森昭

    大森昭君 入っているということなら、きちっと公共の福祉の増進、国民の利便の確保ということを明記したらいいじゃないですかと言っているのです、私は。
  10. 小山森也

    政府委員小山森也君) 先ほど申し上げましたように、電気通信事業法の第一条に、「公共性にかんがみ、」云々というのが入っていると。これは明らかに電気通信事業者全体に及ぶわけでございまして、したがいまして日本電信電話株式会社というものもこの電気通信事業者の一事業体でございます。したがいまして、この電気通信事業法の第一条というところに明記してある、したがってそれはかかってくるものであると、このように御理解いただきたいと存じます。
  11. 大森昭

    大森昭君 どうも納得できませんが、時間が限られておりますから、これだけで半日やっているわけにいきませんから、またほかの方々からも当然質問があろうかと思いますから、納得いたしませんが先へ進みます。  そこで、今議論がありましたように、電気通信事業公共的使命というのはお互い一致をしておるわけでありますが、その観点から見まして、電電公社民営化いたしまして競争原理を導入するというのは何がメリットがあるわけですか。
  12. 小山森也

    政府委員小山森也君) 先ほども申し上げましたように、公共的使命につきましては、特に特徴的にあらわれるものは通信秘密保護とか、ネットワーク安全性信頼性確保ということでございますが、それと同時に、電話等基本的サービス確保も図られなければならないと思っております。それではなぜ電電公社民営化することがこのメリットになるかということでございます。  最近におきましては、御指摘のように、技術革新によりまして通信メディアが非常に多様化してまいりました。従来の電気通信と申しますと、電報電話ということがほとんど主でございまして、それ以外の通信媒体ということは余り考えられなかったわけでございます。そのようなことでございましたけれども、その後、ビデオテックスであるとか、ファクシミリ通信、それからDDX網によりますデータ通信等がいろいろ出てまいりました。そういたしますと、多様化したこういった通信メディア、これを利用者側から、いつでもこれに対応する形で自分の利用しやすい形でこれを利用するということができるような通信事業体というものを求める状態になってきたわけでございます。そういたしますと、今までのように電信電話を専ら国民のために提供してきた電電公社という一事業体だけではなかなかきめ細かくこれに対応していくというのは無理になってきた状態で、むしろ一社体制よりも複数事業体というものをこれに対応する形で出現させて、それぞれの利用者の求める電気通信ニーズに機敏に対応していく方がよろしいのではないか、こういう点から電電公社一社体制独占体制というものから複数体制へというふうに政策転換を図ろうとするものでございます。それならば、そういうことによって複数体制にするなら減、電電公社ということではなしに、その複数事業体の中において効率的な運営をし、利用者に対して十分なサービス提供していくというためには、やはり公社株式会社に改組いたしまして多数の事業体の中の一つにするということにすべきであろう、そういうことから今回民営化ということを考えたわけでございます。
  13. 大森昭

    大森昭君 まあ、よくわかりませんね、正直申し上げて。今日まで長い間にわたりまして電電公社貢献をしてきたというのは、私どもが素直に見て大変一生懸命やってこられたし、政府は何回も、一生懸命とにかく働いて黒字を出せばその金をみんな納付金でかっぱらったみたいな格好でね。どうも何か、一つよりか二つあった方がいいというのはよくわかりません。もうちょっとそれでは具体的に、一般国民大衆生活面においてどういうメリットが出てくるのか、具体的に説明してください。一よりか二がいいなんていうんじゃ、これはよく話はわかりませんよ。
  14. 小山森也

    政府委員小山森也君) どのような形のサービスがこれから出てくるかということと関連すると思います。電気通信の新しい利用形態を具体的に考えますと、一つは、例といたしましては、ホームリザベーションのようにキャプテンシステムによって在宅から各種切符の予約ができるというようなこと、またホームセキュリティーのように遠隔地から留守宅の管理を行えるというようなシステムが可能になるというようなことができますし、それからこれは今のところ銀行法上の問題がいろいろありますけれども、いずれはそういった解決をいたしますれば、キャッシュデスペンサーで他行からでも預金の払い戻しが可能になるというようなことも可能になるということでございまして、こういったような具体的なメリットというものが、今後国民の皆様に還元されていくのではないか。そのためにはやはり、こういった多様化したところの、何といいますか、電気通信媒体、それぞれ特徴のある使い方ができるように、そういった特徴を生かした通信提供事業体というものがあってしかるべきではないか、こう考える次第でございます。
  15. 大森昭

    大森昭君 電気通信事業は、いずれにいたしましても技術進展が進むわけですから、だからしたがっていろんなエリアのものができてくるということは、これは先ほど言って乱すように、一つよりか二つの方がいいなんていう問題じゃないんですよ。電電公社はそれじゃ今までおくれていたかといえば、おくれているわけじゃな。いんですね。ですけれども、そこのところの議論はさておきまして、問題は、私が今説明を求めているのは、国民大衆にどういう具体的な利益がもたらされるのか。もう簡単に言えば、いろんなことはありますが、公社一つよりかも複数競争さした方が電話料金は安くなるんですと言えば、もうみんな、そうか、この法案は立派な法案だからやっていこうじゃないか、こうなるわけですから。そこのところはどうなんですか。
  16. 小山森也

    政府委員小山森也君) やはり、技術革新成果というものを利用者に還元するためには、複数事業体競争によりまして、相互の経営比較を通じて、既存の事業体に対しても効率的経営のインパクトが与えられるというようなことから、一つとしては料金面での低廉化ということを促すことになるであろうと考えられます。また、サービス面メリットといたしましても、一事業体の枠の中だけでのサービス提供でなく、複数事業体によって多様なサービスを需要に応じて供給し得るということは、確かなメリットであろうと考えておるわけでございます。
  17. 大森昭

    大森昭君 どうもこれまたよくわからないんです。私が、安くなるんですかと言ったら、低廉な料金になるでしょうと言うから、大体同じなのかな、この安いというのと低廉というのと。  だから、そういうように、素直に——いや、一致しなけりゃ一致しないでいいんですよ、局長。冗談じゃない、料金安くなるなんていったって、そんなことわかるかいというなら、わからないと言えばいいんだし、いやもしかするとこれは高くなるかもわからないよというときは、高くなるかもわからないと言えばいいんですよ。何も私が言うとおりにそうです。そうですと言うこともないんだけれども、何か、安くなるんですかと言えば低廉化と言うから、ああこれは必要だな、こう思ったら違ったりなんかすると、これはもう、国民皆さん方に十分理解してもらうために私は質問しているんですから、これからずっと、今後これは審議を進めますが、一致したところは一致したように、しないところはしないようにはっきりしておかないと困りますから、大体今のやつは何か安くなるように理解して進めて——あいつ勝手に理解して進めてなんて思われたんじゃ困るんだけれども、大体あれですか、原則的には料金は安くなる方向に行くであろうということを局長言われたわけですか。
  18. 小山森也

    政府委員小山森也君) おっしゃるとおりでございます。
  19. 大森昭

    大森昭君 電電改革の理由として、現行の公社制度では多様化高度化する利用者ニーズに敏感に対応できないようなことが言われているわけでありますが、どのようなニーズに対応できないのか、もうちょっと具体的に言っていただけませんか。
  20. 小山森也

    政府委員小山森也君) ここで大事なことは、今非常に技術革新というものがこの電気通信の世界には非常に急速に広がっているわけでございますが、この技術革新をいかにニーズに適応したものとしてその成果利用者に還元するかということが大事であるわけでございまして、今後多様化高度化していくニーズにいかに適切に対応さしていくか、そのためにはどのような制度的な枠組みが最も適切かということを考えなければならないと思います。  そういった意味におきまして、従来公社でやっておりました仕事というのは電報電話というものを中心にやっておりましたが、これにつきましての公社機能というものは歴史的に見ましても確かに非常に目をみはるような立派な成果を上げたものと私ども思っておるわけでございますけれども、ただそれが、従来の単一通信媒体単一サービス役務というものをやっていたときはよろしかったんですけれども、この量的な拡大というものは今後それほど大幅には見られないということになるのではないかと思います。  そういたしますと、今後はきめ細かい形でいろいろな通信媒体を使ったサービスというものが応じていくということが必要であるわけでございまして、それには、先ほど申し上げましたように、VANであるとか、高速度、高容量伝送というようなものとか、あるいはビデオテックスあるいはファクシミリ通信というようなものを具体的によりよい形でそれぞれ利用者の求めに応じて供給していくということが必要であろうと考えております。
  21. 大森昭

    大森昭君 どうもところどころ意見一致しているようで一致していないようでちょっとわからないんだけれども、今までやってきた公社の歴史上の貢献度合いというのは大変すばらしいというところはどうも一致しているようなんですね、前段のところで。ところが、ただしと、こうくっつくわけですね。それで全部ひっくり返すような意味合いのことを言うんでありますが、ただし、量的拡大だとかあるいはきめ細かいだとか、VANだとか、そういうような言われ方をしてすうっと逃げていくような——逃げていくという言い方はよくないかもわかりませんが、少しどうもそういう点がわからないんですよ。  もちろん、今までの公社大変貢献をしてきましたけれども、そのままでいいとは私自身も思っておりません。  いずれにしても大変なスピードでもって電気通信事業が発展しているわけですから何かの変革をしなきゃいけないという考え方には立つんですが、あなたがさっきから言っているように、公社一つよりかも二つにした方がいい、もっと言えば三つにした方がいい、四つにした方がいいという、単にそういう競争原理を導入すればいいということだけでこの問題を理解していますと、冒頭言いましたように、これだけの大転換を図る電気通信事業に誤りが起きるんではないかという私は気持ちがあるものですから実はあなたにさっきから質問しているわけであります。  そこで、問題はいろんなことがあるわけでありますが、いずれにしても、この利用者ニーズというのは、これからの事業を運営する場合にどの点に的を当てて、この利用者立場といいますか、置かれておる状態といいますか、あるいはこの利用者のために何をしなきゃいけないかということははっきりしているわけですか。
  22. 小山森也

    政府委員小山森也君) 公社一社体制というのは、この法律にも書いてますように、全国的にいわゆるあまねく公平に一つ公社自身経営政策というものを持って推し進めていくという場合には非常によい結果になろうと思います。通信媒体というものが電話であるとか電報であるとかというように、非常に多様化していない場合において特に効果といいますか、大きな力を発揮するものではないかと思います。  ただしかし、これから、先ほども先生が御指摘されましたように、いわゆる高度情報社会におけるインフラストラクチャーとしての機能である電気通信というものはいろいろの特徴のある形でいろいろな方々から求め方をされると思います。場合によっては、ある地域に特定の通信媒体利用した形のサービスというのを求める場合もありますし、それはある地域だけであって、全国的から見たならば非常に特別な地帯である。そういったときには、全国一律に同じような形でサービスを進めていくということが一つの理念であります公社の場合におきましてはなかなかそれに応ずることができない。例えば全国的な計画のもとにおいて行うとなれば、ある地域がそのサービスを欲したとしましてもそれは後回しになってしまうということになります。これに比べまして、複数事業体があったときには、それに対してその地域特性というものに、あるいはその地域特性から求める役務というものに機敏に対応できる事業体というものがそこにできてくるということになります。そこにおいてやはり多数事業体メリットというのは出ようかと存じます。
  23. 大森昭

    大森昭君 まあ利用者と言うといろんな形でとらえるとらえ方があるんですが、一般の庶民の立場通信事業高度化多様化といろいろ言われましても、実際には電話端末機だとかあるいはデータ通信だとかファクシミリ通信など、ある程度限られていますよね。企業はいろんなことでもってこの電気通信事業というのは利用されているわけであります。ですから、電気通信回線設備に、すなわち全国ネットワーク提供という面から見れば、そう大きな変革をしなくても利用者ニーズには電電公社の今のような状態で当然十分に対応ができるんじゃないかという考え方を持っているんですが、どうですか。
  24. 小山森也

    政府委員小山森也君) ただいまの御説は、端末機自由化回線利用の制限を撤廃すればそれであとは問題がないではないかというような御趣旨かとも存じます。  ただ、これからは電気通信利用面にとどまらず、先ほど若干申し上げましたけれども、広帯域大容量伝送サービスとか地域社会に根差したニーズに対するサービスというような形で、いわば先ほどもちょっと申し上げましたようなきめの細かい形の供給で対応していかなきゃいけないということになりますと、もう一つの新たなネットワークというものも必要になってくるのではないかと思います。  このネットワーク提供でございますけれども、新電電が一元的に提供するということでございますと、先ほども若干述べましたけれども、結局はネットワークという構築そのものが一事業体事業計画の範囲内でしか利用者利用できないということになりまして、この枠を外れた形での利用というものに対しまして満たされない場合も出てくるわけでございます。そこで、ネットワークそのもの複数事業者が多層的に構築していくということが必要であり、しかも今の接続技術の向上から、それぞれのネットワークが個別に単体としてあるのではなしに、お互いネットワークがつなげるというのが技術革新できるようになっておりますので、そういった意味で広がりも持ってくるということになるのではないかと思います。
  25. 大森昭

    大森昭君 いや、もともとこの変革をするにいたしましても、大体この基礎的な考え方というのは、あなたはさっきから私と同じような意見一致しているんですが、今までやってきた公社の評価が少し違うんじゃないかという感じがするんですけれどね。公社がやってきたことについては、今日の電気通信事業の中では大変な貢献を果たしてきたと。しかし、これからいわゆる高度化多様化するそれに部分的にそれで果たして補完していけるかどうかということが基本なのか、今まで電電公社がやってきたやつは全部取っ払っちゃって新しい絵を描いてやっていくということなのか。そこで大分私が幾ら質問してもところどころすれ違うんですが、いわゆる今までやってきた公社が大変立派にやってこられて、これが基本で、これからしかし多様化高度化する問題について、これを補う社会情勢をつくるということで、例えば第二種の事業者だけは認めていこうじゃないかということなら私どもどうもすっきりするんですが、本体自身をいわゆる第一種事業者の新規参入まで認めてやっていこうというのは、ある程度今までやってきた公社じゃどうもうまくないという考え方があるような感じがするんですね。だから、その辺のところは多少今まで電電公社がやってきた評価の違いから出てくるのか、それとも本当にこれから高度化多様化技術が進んでいくから、この際、今まで公社がやってきたやつを全部御破算にしちゃって、とにかく新しい視点で電気通信事業をやろうとするのか、この辺がどうも明確にならないからこのやりとりが行き違いが出ているんじゃないかと思うんですが、この辺はどうですかね。
  26. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今までやってきた公社事業というのは、これはもう先ほどからも申し上げておりますように、日本でも珍しい成功したプロジェクトであろうと思っております。また、今後ともそれを全部御破算にするのではなしに、これはますます進めていただかなければ、これは日本の電気通信のためには進めていただくということが必要だろうと思います。  ただ、それと同時に、もう一つのあるいは二つの、多数のネットワークが構築されていくということによってお互いに競い合う形においてサービスを充実していくということを私どもは願って、この複数事業体制というものをとることが利用者にとって利益になる、このような政策の選択をしているということでございます。
  27. 大森昭

    大森昭君 御案内のように、現在の電電公社の固定資産だけで十兆円近くあって、極めて膨大な社会資本があるわけです。しかも、今日まで一元的に集中的に投資をいたしまして開発、建設を行ってきた結果なんですね。電気通信が高度情報化社会のインフラというなら、できるだけその重複投資を避けて、広い意味での公共性という立場で、分散するよりかも集中してやっぱりやることが、より能率的、効果的、合理的ということだってあるわけですから、どうしてもそういう視点には立てませんかね。何でもかんでも分散してやっていくということはどうも私どもは賛成ができないんでありますが、どうですか。
  28. 小山森也

    政府委員小山森也君) 確かにお説のとおり、過剰な投資が行われて、その結果利用者に無用な負担を強いるということになりますれば、これはまさに意図したものとは違いまして、利用者の負担が増加するという結果を招くわけでございます。しかしながら、すべて——どうもしかしながらと言うとおしかりをこうむるんでございますけれども、すべて集中ということが果たしていいかということでございます。ただ、集中するときは確かに能率は非常によろしいんでございますけれども、その集中された一社の都合というものも、これまた非常に強く出てくるわけでございます。一社の経営の都合によって、やはりいろいろな点におきまして、本来ならばある件がもう後回しになってしまって、もっと優先するところがいくというようなことは当然一事業体に集中する場合あるということでございます。したがいまして、多数の事業者の場合におきましてはそういった点を補うことができるということがございます。したがいまして、私どもといたしましては、明らかにその結果、利用料金にはね返るような過剰投資が見込まれるという場合は、これは一つの行政的な措置を必要とするわけでございますけれども、それ以外についてはやはり事業者の自由な発意によりまして、ここに利用者がいる、電気通信サービスを求めているというときに機敏に反応していくということが結果的には一般利用者利益をもたらすものではないか、こう思うわけでございます。
  29. 大森昭

    大森昭君 あなたはそう言われますが、今この法案が通る通らないという過程の中で、よくわかりませんが、マスコミの報道によれば、新規参入の利用者についても、経団連あたりが、そんな幾つも複数につくったってあれだから、一本化の方向でやろうじゃないかというようなことが、これは新聞報道なりにされておりますが、どうもある一面では多数で競争さしてということを言いながら、ある点ではまた一元化して新規参入をしていこうじゃないかというようなことで、これいろいろあるわけでありますが、いずれにしても競争原理の導入が一般利用者にどういうふうに利益になるかというのが私が聞いているところでありまして、ここで哲学を述べたり、経済原理を述べ合っているのじゃないのでありまして、私どもは国民にどういう利益をもたらすか、同時にまた、働いている皆さん方にどういう労働条件が確保できるのかと、この二つの視点でずっと質問しているわけですからね。  どうもあなたがさっきから言われておりますことが納得できないのは、これはマスコミ報道などが真実かどうかわかりませんが、新規参入者は一本化するんじゃないですか。きょうもまた何か新聞に出ていましたけれどもね、東電だか何かが。それは郵政省直接関係ないと、ちまたのことだからということになるのかどうかわかりませんが、何か所感ありますか。
  30. 小山森也

    政府委員小山森也君) 私どもの立場といたしましては、行政が介入して一本化していくということは、これからこの法律が成立した後の問題でございますけれども、法律ができましたとしても、この法律の精神としては最初から需給の枠を官製といいますか、行政が枠を決めて、その中に事業体をはめ込んでいくというようなことは、やはりこの法の精神とは反するものであると思っております。やはりあくまでも事業者の自由な発意に基づきまして企業計画を立て、それぞれの方たちの御判断によって経営計画を立て、どうしてもある意味においての大同団結が必要であると認めたときに部分的に相補うという現象は出るかもしれませんけれども、それは現実の現象でございまして、建前といいますか、この法の精神は初めから行政が枠組みをつくって介入するというのは望ましくないと、こういうふうに考えております。
  31. 大森昭

    大森昭君 これ以上この問題で議論してもあれですけれども、私は回線提供者が多元化されることが一般利用者利益をもたらすということは到底考えられないんです。もしか多元的に運営されるとすれば、もうかるところだけ結局やるということになれば、これは端的に申し上げまして産業界の利益を代弁をしているということであって、一般利用者は蚊帳の外というふうに断ぜざるを得ないんですけれども、少しそういう言い方は断定し過ぎるじゃないかということを皆さん方がお考えなら、郵政省公社の方も何か御意見があればちょっと聞かしていただきたいと思うんですがね。
  32. 小山森也

    政府委員小山森也君) 適切な御返事になるかどうかわかりませんけれども、確かにおっしゃるとおり、いわゆる新しい通信媒体というのは当初企業間というようなもので使われるということは大きな流れとしてあろうかと思います。ただしかし、一方におきましてキャプテンというようなものを使うことによります家庭でのいろいろな使い方もあることも事実でございます。ただしかし、企業間で利用されるというのが先行することは確かに一般的な状況であろうかと思います。  ただ、ここで、先生十分御存じのことと思いますけれども、電気通信といいますか、通信媒体というものは、技術の向上と、それからそれに伴います利用料金との兼ね合いで非常に形態がどんどん変わってまいります。私どもの経験といたしましても、電話というものは非常に貴重な、ある意味におきましては企業においてのみ必要で、一般家庭では必要でなかった時代もあったわけでございますが、今ではもう当初御指摘いただきましたように、各家庭において既存的な通信の役目を果たしているということもございます。また、現実にファクシミリ通信なども見てまいりましても、かつては本当に珍しい使い方だったんでございますけれども、今は次第に一部の利用者から一般的な利用に広がっているということもございます。したがいまして、どうしてもある意味におきましては、最初先行的には企業間通信というのがありますけれども、次第に通信の手段というのは一般化していくということが言えようかと思います。そういった意味におきまして、利用者の面から見ましても、この多様な通信媒体を便利に使えるということは、最終的に個人レベルでも非常に便利な使用方法になってくるのではないか、こう思っております。
  33. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 今の御質問の御趣旨は、一事業になぜ競争原理を導入しなきゃいかぬのかという御質問というふうに考えますが、そういう面から御説明申し上げますと、競争原理に入るということは競争している私ども当事者にとっては第一番にお客本位に物を考えなきゃならぬということがこれ大原則でございます。一元的なやり方でございますと、果たして徹底的にお客本位に物を考えて経営するか、あるいは職員が本当にお客本位に考えて行動できるかということに対して、私は民間から来ましたせいもございますけれども、多分に疑問を持っております。お客本位にやる、いかにお客本位にいろんな知恵を出し、いろんなサービス高度化していくかということが競争に勝つ第一原理だと思います。  したがいまして、まず考えなきゃならぬのは、お客のニーズに対してお客の可処分所得の中の料金体系にいかに入れていくか、それの競争だというのが一元的と競争原理の中との根本的な違いだろうと思います。それが現在の日本の法体系の中で言いますと、そういうことが自主的な発想で完璧にやれるという姿は、国有の形ではなくて株式会社の形でやるよりほかに、現在の社会構造の中ではそういう目的を十分達し得るメカニズムはないんじゃないかというふうに考えております。  そういうふうに考えてまいりますと、発展の過程ではいろいろ問題は起こりましょうけれども、究極的には電気通信サービス高度化多様化というものを競争しながら、新しいものを導入しながら、同じ新しいものであってもその使い方をいろいろ新しい知恵を競争しながら、お客のニーズに即応できるような競争をそこでやっていくという、そして値段の競争を始める。したがいまして、文明の地域格差を少なくするということに大きな効果もあろうと思いますし、可処分所得の中に入れるということは大企業、中小企業との格差を縮めるということにもなりましょうし、あるいは多額収入者と一般のレベルの収入者との間の、自分の生活に即応するサービス多様化を自由に享受できるように持っていくという結果になろうかと思います。  そこで、現在のこの一元的なやり方でまいりますと、一元性の裏打ちといたしましてどうしても国家統制というものがかなり強く出てこざるを得ない。その国家統制というものが強く出た結果といたしまして、現在私どもの公社法と現実の私どもの動きというものはかなり大きな食い違いができてしまっております。公社法に書いてあるとおりには私どもは今動かされてはおらないわけです。したがいまして、そこに硬直性が出てくる。硬直性が出てくるからその一元的な組織の中の職員にとってはいわゆる働きがいのある職場とは必ずしも言えない。その事業の目的なり姿なりとかなり違った理念で職員の待遇、給与というふうなものも実質上コントロールされているのがきょう今日の状態ではなかろうかと思います。  そういうふうな状態の中でいろんな発想なりお客本位に徹した経営が果たしてできるかというと、必ずしもそうとはならないんじゃないか。やりにくい形にしかなっておらないと思います。  そういうふうな考え方からいたしまして、やっぱりここで複数の業者を入れていただいて、私どもの競争力をフルに発揮しながら行政指導に基づく競争と協調というもののバランスをとりながら、一般皆さん方料金のことを考えなさらなくてもいいものは随時御利用できる世の中にできるだけ早く持っていくのが私どもの社会的使命じゃないかというふうに考えております。  例えば現在のカラーテレビの発展の段階を考えましても、あんなものがこんなに一般化するとはあれが出てきた当時はだれも考えなかったんですけれども、今カラーテレビが当たり前のものでございますし、車にいたしましてもそうでございますし、それから家庭電器にいたしましてもそうでございますが、やはりああいうものの普及、発展の歴史に学びながら、この問題も私どもが努力していけるような、また、努力しがいのあるような形に持っていくのが、今度の法体系で大体いけるんじゃなかろうかと私どもは考えております。  そういう考え方で私どもは考えておりますが、この一方、そうなりますと、私どものこれから先の動きというものは全部私どもの責任でございまして、顧みて他を習うことができなくなります。そこがまた非常に大事なことじゃなかろうかというふうに考えております。
  34. 大森昭

    大森昭君 総裁、誤解しないようにしてもらいたいんですが、私は今までの公社のままでいいということは言っていないんですよ。それから、新時代に対応するために変革も必要であるということも言っているんです。  それから、今お客様本位じゃないというような言い方、これもちょっと少し総裁、言い過ぎじゃないかと思うんですが、いずれにしても公社に働く人たちというのはいろいろやっているけれども、確かに多少の制約があって、あなたがどういう経歴をお持ちかわかりませんが、あなたがやった民間の会社とは違うんですよ。  まずちょっと理解してもらいたいのは、さっき初めから公共性の問題、議論していますね。あなたはどういう経歴をお持ちの方か知りませんが、今この電電改革というのは、まず公共性一つ。それから真に国民のためにという問題が最重点です。ですから、ただ民間会社では競争してもうけて、おい、みんな、よく働いたからことしはもうかったぞ、ボーナスたくさんやるぞということじゃないんですよ、今ここで議論している問題というのは。どうも少し、あなたの話は飛躍が多過ぎて、私ちょっとついていけないんですがね。まず、一般の民間会社とは違うとにかく任務があるということでこの法案審議をしているわけですから、そういう意味合いでひとつやっていただけませんと、株式会社しか、しょうがないんだと。そうすると、今の株式会社というのはとにかくもうからなきゃいけないんだからどんどんもうけるということになれば、今度、あれおかしいな、さつきは利用者立場で安い料金になるのかといえば低廉になるというのは、この辺はどういうふうにこれは一体調整していくのかとか、それからまた十兆円に近い、これは利用者がみんな営々として積み立てたのを株式会社にして何か株を売って、今行革だとか滑ったの転んだのっていろんなこと言って、国の財政が大変な状態だからこれに持っていっちゃうのかとか、そういうふうになるんで、あなたがそういう断定をして言われるんなら、私はもう一度言いますが、今までの公社ではお客様本位でない、あるいは利用者本位でない、あるいは賃金なんかもどこもここもみんな一緒だからそれがよくない、労働条件もよくしたいと思うんだけれども公社だからできない、こういうことなんですか。
  35. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 多少私の説明に行き過ぎがあったことは反省いたしますが、さっき第一番に申しましたように、お客様本位に徹するということが先生のおっしゃいます公共性なりあるいはあらゆる公共性に対する責任を果たすこれが第一番の出発点だというふうに考えております。したがいまして、私どもはこの会社法事業法というものにつきましては、これが御承認いただければ現時点においては全く満足できるものだという立場に立って考えておるわけでございます。したがいまして、この法案が御承認いただければ、この法案の精神に沿っていろいろやっていくというやり方の中で当事者の立場に立ってこういうふうに考えてやるべきだということを申し上げた次第でございます。  したがいまして、私どもは株式会社イコール利益さえとればいいんだというふうには毛頭考えておりませんで、やはりあくまでも公益事業の中の一事業体であるという考え方に立ちますと、そういうことは全然考えられないことでございまして、まず公益性を充足してその後での問題ということがこの利益どうこうということにつながってくる問題というふうに考えております。殊に初期状態では、何を申しましても、実質上まだ一元的な姿でしばらくの間運営され、時間がたつにつれて競争がだんだん強く出てくるという変革をたどるであろうと思いますので、その間は十分その点は考えながらやっていかなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
  36. 大森昭

    大森昭君 物事を少し素直にやっぱり理解した方がいいと思うんですよね。  この五十一年の料金改定のときに、とにかく五十一年から五十三年度までの収支均衡を図るということの目的で料金を決めたんですよね。そして五十三年まで収支均衡をこれで図っていけるかなということで決まったんですが、実はこれは大変な御努力をいただきまして再三にわたって遠距離料金の値下げを行いました。そして六千八百億円に及ぶ巨額な臨時国庫納付金政府に召し上げられたんですけれども、しかし、まだ三千億円を超える収支差額を生み出してきたわけですね。ということになりますと、大変な努力をしてきているというやっぱり理解をしなければいけないし、同時に現行公社制度のもとにおいても、それは今総裁が言われるようにすべて満足ではないんでしょうけれども、少なくとも私の見る限り、事業の効率化だとか活性化だとか、あるいは積極的にそういうことを進めてきた証拠だと思うんですね。ですから、今私が前段で言ったような五十一年から五十三年まで収支均衡をとるということで料金の値上げを決定したわけですが、決定をしたのを乗り越えて多くの努力をしてきたということなんですから、そういう現実的な経過を経ながら今日の公社がきていると。しかし、まだまだ技術高度化多様化の中である程度変更しなければいけないんだという立場なのか、それとも従来の公社の評価は、おれは知らないよと、総裁になったときは五十一年はいなかったし、五十三年いなかったというなら話は別ですけれども、あなたが来る前にいろんな議論したことが、少なくともそれを大幅に越えて遠距離料金を再三にわたって引き下げられたり、六千八百億も国庫に納入されたり、なおそしてまた三千億も今日利益を得ているというこういうものを認めながら、これから新しい経営形態に移っていくというなら素直にどこかで議論というのは合うんですよ。  だから、そういう立場で今私どもが言っていることについて素直に認めて、そしてそういう基本お互い一致するけれども、しかしこれからの高度化多様化の中で部分をやはり手直しをしていくというところで、国会でお互い意見の開陳を図って理解し合おうじゃないかという姿勢なのかどうなのかが私どもには理解できないから、再三にわたって同じようなことを繰り返しているかもわかりませんが、私は主張しているわけですから、そういう点一体どういうふうに考えるんですか。
  37. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 今の先生の御質問でよく私了解できたんでございますが、根底的な考え方は先生の今おっしゃっておることそのままでございまして、今まで皆の努力で今先生のおっしゃいましたこの初めの値上げのときの計画以上の成果を上げてきておりますけれども、これがやはり今の制度のままでは、これから多様化するサービスにも、またこれから先、料金を合理化していくプロセスの中でも、限界がもう非常に近いところにあるから、この法案のとおりのような形に御承認いただいた方が私どもはもっと世の中のお役に立てるだろうという、またそういうことができる自信も少々あるんだというふうに考えておる次第でございまして、先生の御質問のとおりでございます。
  38. 大森昭

    大森昭君 そこで、少し行き違いになったんですが、今公社法の一条に書いてあることと、今度会社が目的を明記していますが、これとは本当に一致しているのか一致していないのか。くどいようでありますが、この現行の公社制度、さっき言うようにいろんなことがありましたけれども、第一条の公社の「目的」でやってきて大変な成績を上げてきたわけですから、それも今総裁認められたわけですから。ということになってくると、この「目的」に間違いなかったわけですから、後経営形態をよりよくするためにということは別にいたしまして、公社法の目的と今度の会社の目的とは同じなんですか違うんですか。——いや、総裁じゃなくて、郵政省
  39. 小山森也

    政府委員小山森也君) 意味するところは、目的といいますか、最終的に国民の利便を確保するという点におきましては変わりないわけでございますが、ただ、この公社法はあくまでも国内公衆電気通信というものを独占するという形の建前からつくられているわけでございまして、そういう形においては変わっておりますけれども、内容として、電気通信によって国民利益を増進させていくという精神は変わりないものでございます。
  40. 大森昭

    大森昭君 いや、そうしますと、ここでよく見ますと、これ欠落しているのは、「電気通信による国民の利便を確保することによって、公共の福祉を増進する」というところが欠落しているんじゃないかということを指摘しているんですが、それは一緒なんだということになれば、なぜ挿入していないかということが、くどくて申しわけないんですけれども、残りますからね。  今、小山さんが言うように、私の言っていることが違ってないというんなら、取り扱いを委員長に一任しますから、委員長、私の言っているのと同じだというんだから、そういうことになれば私は、会社法案の第一条を翻してそこへ入れたらどうかと、こう言っているわけです。それはどうも即答できないようですけれどもね。しかし、同じだということになれば、どこかのところで、委員長はまだこの国会が終わるまでに調整してください。それで私は質問をやめますから。
  41. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 委員長から発言をしますが、重要な問題でございますから理事会で相談いたしますが、その際に、郵政当局の見解も具体的にただしまして整理させていただきます。
  42. 大森昭

    大森昭君 そこで、委員長がそういう御発言ですからあれですが、いずれにしても一般国民にわかるようなひとつ取り扱いをよろしくお願いしておきます。  次に、いろいろ公社がやってきたわけでありますが、電報はどうなんですか。電報は、これは公社法と今度のやつではまた大きく違いまして、会社法の二条に電報が抜けちゃって附則の方にあるということですけれども、どうも何かこの辺も取り扱いが違うということは何か意図があるんじゃないかと思うんですが、その理由をひとつ説明してください。
  43. 小山森也

    政府委員小山森也君) 会社法案の第二条にございますのは、要するに新会社が特に配慮すべき重要事項というのを規定したわけでございます。電話電報ともに基本的な業務だということには、もう御指摘のとおり間違いない点でございますが、こういった点で基本的な業務をすべて掲げるのではなくて、最もその中で国民日常生活に不可欠な密着度の高い役務を規定したというわけでございます。そこで電話役務を特記したものでございます。さらに申し上げますけれども、電報の役割と重要性そのものを決して否定するものではございませんけれども、ただ、現時点におきまして電話役務に比べまして、若干日常生活の密着度において、重要性といいますか、密着度が異なっているということを申し上げられるのではないかと思います。  なお、重ねて申し上げるようでございますけれども、電気通信事業法案附則の第五条によりまして、従前どおり新会社が独占でサービス提供できるものとしているところでございまして、こういう点からも、一方で独占を規定しながら他方で特に責務として規定するということには若干重複感があるのではないかということでございます。
  44. 大森昭

    大森昭君 何ですか、この電話電報といったときには日常生活に差があるとか、どうも僕らに言わせると、育ったあれが違うのかわかるぬけれども、電話なんというのが普及されてないときに育ったからかどうか知らぬけれども、電報はそんなに日常生活に何か関係ないみたいな、関係ないというか極めて薄いなんという、どうもそういうことで言われたら——もっと言うとあれですか、いやそんなにこだわらなくてもいいんですよと、電話電報と一緒にしたっていいんですよというふうにある意味じゃ聞こえるんですが、こういうとり方をしちゃいかぬですかな。
  45. 小山森也

    政府委員小山森也君) 先ほど申し上げましたように、電報が軽いと申し上げたわけではございませんでして、ただ、現時点において電話役務に比較しては、比較しての問題でございます、日常生活の密着度において異なった位置づけになっていることは確かではないか。したがって、最も日常生活に不可欠な電話役務というものを、特に基本的なものの中で代表的なものをこの責務として挙げたということでございます。
  46. 大森昭

    大森昭君 そういうことを言われますが、正面申し上げて、職場の皆さん方とか我々はこの法案審議する前にいろんなことが言われているんですよ、そうでしょう。総裁から電報はなくすという話があった。我々が聞いた。いや、あれは少しマスコミの人がとり方を間違えた、私は電報をやめるという意味合いなんて言ったことはありません、そういう釈明も受けた。そういう経過の中で私どもは今一体この問題で電報電話はどうなのかなと、素面にとればどうも電話は主体的な業務だと言っているけれども、電報はもう附則の方にやっておいて、いや将来はこれはなくすんじゃないかという懸念を持っていますよ、正直に申し上げて。  今私が質問しているのも、そういう流れがなくて、単に日常生活の問題で希薄性だとか、基本的であって、多少基本問題よりか外れているぐらいの議論ならああそういう考え方かなとなりますけれども、少なくとも今までの経過の中で電報はやめたいとか、もっと言えば、電話はもうかっているけれども電報は赤だからということで附則の方にやってだねというような、これは勘ぐりじゃなくて、そういう経験を経て私どもはきているわけですから、今あなたが言われたように、確かに今度の会社ができたとき電報は当然この新電電がやることはよく理解していますが、そういう私が今言うような経過の指摘というのは当たらないと、そんなことじゃないと、まあ未来永遠とは言わぬけれども、とにかく我々が生きている間はもう電話電報も新電電のもう業務としてやるんだということですか。
  47. 小山森也

    政府委員小山森也君) おっしゃるとおりでございまして、今でも四千三百万通という非常に多くの電報が現実に利用されているということでございます。  ただ、電報という名前において今現在行われているサービスが確かに年間千二百億という膨大な赤字を出しているということでございまして、これをどのように改善していくかということはやはり必要だと存じますけれども、今の電報というようなこういった役務、これが必要でないということは決して申し上げているわけではございません。むしろやはり今後とも重要な通信媒体として新電電会社において重要な第一種電気通信事業役務として提供していただきたいと、こう考えております。
  48. 大森昭

    大森昭君 だから、お互いにその電報というのは重要なことで一致をしたんなら、そうこだわらずに会社法案電話電報と入れたらいいじゃないかと私はなるんですよ、そういうふうに、私は単純なのかもわかりませんが。ところが、あんたは電話電報を同じように並べておかないで附則にやっておいて、それで同じようにやっていくんですよと、こう言うから素直じゃないんですよ。だから、素直じゃないということは端的に言うと、いや何かこれは考えてるんじゃないかと、それはそうでしょう。附則の方が簡単に外せるからね、まあ簡単に外れるかどうかしらぬけれども。だから、もうちょっと実際に新電電でやってもらうと言うのなら、やっぱり新電電の社員の皆さんに、今は電報は非かもわからぬけれども、しかし電話も重要な事業だけれども、電報も重要な事業なんですよと、こういうふうにしなきゃ、電報に従事している人は何かおれたちは附則でもって仕事してて、片方は本法で仕事しているのかと。何ですか、あんた、働いている人たちを活性化するとか一生懸命やってもらうなんて、意欲なんかわかないよ、附則でやるのと本法で書いてあるのと。だから、そんなことはもうお互いにやってもらって、これは百年や二百年先は電報がどうなっているかわかりませんが、とにかくやると言うのなら素直によしわかったと、電報会社法案に入れて、とにかく新電電で一生懸命お互いに働いてやろうじゃないかという気持ちになりませんかね、だめですかな。
  49. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 委員長から答弁者に言いたしますが、質問は極めて具体的でございますから、なるべく具体的にお答えを願います。
  50. 小山森也

    政府委員小山森也君) 先ほどから再々申し上げておりますように、電話という役務についてのみ、ここでは代表的な形で念のためにこれを入れたわけでございます。そのほかの役務はどうでもよいという意味ではないわけでございます。確かに歴史的な重みを持つという点からもし電報も入れるとなりますと、いろいろな役務をこの中へ列挙しなければならないということになってまいります。  それと同時に、もう一つ御理解いただきたいのは、今回の法案の中におきましては電気通信役務というのを法定からみんな外してございます。法定から外すということは電報というのも法定から外されております。したがって、どういう位置づけにするかというのは、どこかで法律でその役務をきちっと規定しなければいけないというところで附則の方で、この電気通信役務は普通は省令になるわけでございますけれども、特に法律レベルに上げて、これを新電電の独占とするということに位置づけたわけでございまして、決して電報の位置を非常に軽く見ているということではございません。
  51. 大森昭

    大森昭君 軽いとか重いとか言ってんじゃなくて、これは電信電話の会社の法案審議しているんでしょう。あなた電話ばかり言うけれども、電話会社の法案審議しているんじゃないんだよ。  じゃ、電信とは何を言うんだ。
  52. 小山森也

    政府委員小山森也君) 条約上の定義はございますけれども、今までの法律上の定義としては電報は何かということにつきましては、これは公衆電気通信法の十三条に「電報の種類」ということで規定しているわけでございます。  なお、条約上の定義でございますけれども、電信とは何かということです。読み上げますと、「筆記され若しくは印刷された物若しくは静止影像のような記録物件の内容を伝送して遠隔地において再現し、又はすべての種類の情報をそのままの形式で遠隔地において再現するための操作に要する電気通信方式。無線通信規則の適用上、「電信」とは、別段の定めがない限り、「字号の使用によって文言の伝送を行う電気通信方式」をいう。」と、このような形で電信が条約上定義されているわけでございます。
  53. 大森昭

    大森昭君 そうすると、電報はどうなります。今、あなたが読んだのでいくと。
  54. 小山森也

    政府委員小山森也君) 電報は電信の一つでございます。
  55. 大森昭

    大森昭君 そうすると、今度できる会社は何ですか。電信電話会社なんでしょう。  そうすると、さっきから言っているのは、あなたは電話の話はいろいろ言われているけれども、電信は何か軽いみたいだという……、そうすると電信というと、今公社がやっているのは電報だけなんでしょう、違うんですか。
  56. 小山森也

    政府委員小山森也君) 電報のほかに加入電信をやっております、テレックスでございます。
  57. 大森昭

    大森昭君 テレックスはじゃどうなっているの。
  58. 小山森也

    政府委員小山森也君) 電信の一つの形態でございます。
  59. 大森昭

    大森昭君 いや、そういう意味じゃなくて、会社の法案にはどうなっているんですかと聞いている、どういうふうに明記されているんですかと。電報と同じようにこれも附則なの。
  60. 小山森也

    政府委員小山森也君) これにつきましては会社法の中には格別にテレックスという言葉は入っておりません。
  61. 大森昭

    大森昭君 だから、そうすると電信電話会社と言うけれども、この法案の実態は会社法としては電話会社なんだということになるんですねと、こう僕はさっきから聞いているわけです。
  62. 小山森也

    政府委員小山森也君) 先ほど申し上げましたように、電信は独占的にこの会社で行うということに全体の法体系でなっているわけでございます。会社法案で定義しているのではなしに、電気通信事業法案の附則の方でこのような形に定義しているわけでございます。
  63. 大森昭

    大森昭君 だから会社の法案というのが基本法案なんでしょう、それから事業法があるわけでしょう、そして整備法があるわけでしょう。違うんですか、そういう立て方だと私は理解しているから、事業法にあると言うけれども、基本会社法の中でなぜ電信電話会社というこの新しい会社をつくるのに電信の位置づけをきちっとしないんですかということをさっきから質問しているわけです。事業法案にあるからいいじゃないか、整備法案にあるからいいじゃないか、附則にあるからいいじゃないかと、そういうふうに言いたいんでしょう。
  64. 小山森也

    政府委員小山森也君) ちょっと御説と違う見解でございまして、事業法案基本法になっておりまして、その中で電信電話株式会社というのは何をその事業の中でやるかという形でございまして、事業法案を受けて会社法案があるということになります。なりますけれども、これはしかし、それじゃどっちが主で従だということはこの法律の位置づけとしてはありませんけれども、基本法としては事業法案基本法になるわけでございます。
  65. 大森昭

    大森昭君 それを僕は少し誤解しているようですが、ただ問題は事業法案基本であっても、事業法案の本文にあるか附則にあるかというところの問題はあるわけですな、そうでしょう。
  66. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今回は、先ほども申し上げましたけれども、事業法案の中で電気通信役務というのは法定しておりませんで、これは役務の内容は全部省令で定めることになっております。  したがいまして、電報であるとか電話であるとかという役務の名前は出てまいらないわけでございます。そこで、電報というのがその法定から外されたままであってはこれが一つの独占的な形で新電電が行うという法的な一つの裏づけがないというところから、附則において、特にこの電報の仕事は、これは第一種電気通信の行う電気通信役務であると、このように規定しているわけでございます。
  67. 大森昭

    大森昭君 規定しているというのはわかるんだけれども、電報電話の取り扱いが違うんでしょう、同じなんですか。実際に新電電ができたときは電話電報もやってもらいますよというところは一緒かもわからぬけれども、法案の立て方からいくと電話電報と一緒なんですか、一緒ならいいんです、私はもうこれ以上質問する必要はないんだ。
  68. 小山森也

    政府委員小山森也君) 会社の仕事としてやらなければならないという点においては変わりございません。
  69. 大森昭

    大森昭君 いや、それはわかっているんだよ。法的に同じ位置づけになっているかと聞いているんだよ。
  70. 小山森也

    政府委員小山森也君) ただ、責務として書くところにおいては電話だけを書いたということでございます。
  71. 大森昭

    大森昭君 だから違うんじゃないか、違うんでしょう。
  72. 小山森也

    政府委員小山森也君) 責務として入れてあるかないかという点においては電話と違っているということは言えますけれども、内容としてやる分においではこれは変わりはないということでございます。
  73. 大森昭

    大森昭君 だから、さっき言っているように、もうやるというのはわかっているんだというんだよ。  問題は、じゃ一体「責務」とは何ですか。
  74. 小山森也

    政府委員小山森也君) 会社として特に重要なものとしてやらなければならないということを書いてあるのが第二条の「責務」でございます。
  75. 大森昭

    大森昭君 そうすると、「責務」にないわけだから特に重要じゃないということですか。
  76. 小山森也

    政府委員小山森也君) 特に重要ということと一般の重要ということとは違うかということでございますけれども、特にここに列挙したということでございまして、仕事の内容として他を怠ってよいということとは異なるわけでございます。
  77. 大森昭

    大森昭君 だから、そうなるから看板の問題に今度またいくわけですよ、電信電話とは一体何か。そうしたら電信というのは電報も入っているというから、そうしたら、当然看板から言ったって、「責務」に電報入れたっていいじゃないか、こう言っているわけです。なぜ入れないのかと言っているんです、会社の看板から言ったって。
  78. 小山森也

    政府委員小山森也君) 先ほどからるる申し上げているところでございますけれども、全部を列挙するのではなしに、電話というものの日常の密着度の高いものだけをここに例示的に載せたということでございます。
  79. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 委員長からお願いをいたしますが、先ほどの一条関連にもございましたけれども、理事懇で相談いたしますから、その際には、もう少しお答えを整理をして、当局からの御説明をお願いしたいと考えております。  大森君、質問を進めてください。
  80. 大森昭

    大森昭君 次に、会社法の第二条の問題の新電電の、今も議論ありましたけれども、「責務」の問題でありますが、「国民生活に不可欠な電話役務を適切な条件で提供することにより、当該役務のあまねく日本全国における安定的な供給の確保に寄与する」とされておりますが、国民に対する電話サービス提供はだれが責任を持つのか。新電電が責任を持たざるを得ないのならば、「寄与する」という言葉は、私は小学校では習わなかったかわからぬけれども、「寄与する」というのは大体言葉の表現としては責任が明確じゃないというふうに考えます。したがって、私としては真に二条の新電電の責務についてこのようなことをうたう限り、まさに「寄与する」のじゃなくて確保する、まさに責任を持って確保してやるんだというように変えるべきだと思うんでありますが、一体この「寄与」というのはどの程度のことを指すんですか。
  81. 小山森也

    政府委員小山森也君) この「寄与」でございますけれども、先ほどからるる申し上げておりますけれども、公社というのは新電電に全部の業務を引き継ぐわけでございます。その中で、特に日常生活に不可欠な電話役務を適切かつ安定的に提供すべきということを新会社の責務として期待したいわけでございますけれども、その責務規定の表現に当たりましてはやはり法律上の強制義務規定として位置づけるよりも、会社でございますので、新会社の指針的な責務として位置づけて規定する方がより適当であろうという判断からそのようにしたわけでございます。
  82. 大森昭

    大森昭君 どうも、活性化を図るとか、効率化するとか言ったって、大体この法案自体、言葉を難癖つけるわけじゃないけれども、迫力がないんだよ、大体僕に言わせると。大体「寄与する」なんというのは一般的には何かそこに加わっていればいいみたいなような調子で、やはりちゃんと新電電の会社はこういうことをきちっとやっていくという意味合いで考えれば、私は今の答弁納得いたしませんが、時間がだんだんなくなってきますから先に進みます。  そこで、今度附帯業務の問題でありますが、いろんな議論があったんでしょう、修正をされて送ってきたわけでありますが、しかしいずれにいたしましても、修正をされてきたわけでありますが、その内容は省令で定める、こういうふうになっているわけでありますが、この省令は明らかになっているんですか。
  83. 小山森也

    政府委員小山森也君) 衆議院における修正の御趣旨、これは私どもの政府提案でございませんので、修正の御趣旨というのは説明を聞いておるわけでございまして、附帯業務について収支相償うなどの要件が担保される必要があると、こういうようなことから今回の修正がなされたということを私ども聞かされております。したがいまして、この趣旨を受けまして今後省令というものをつくっていくべきであろう、こう考えております。
  84. 大森昭

    大森昭君 衆議院の先生が修正をした、その趣旨合いはこういうことだからということは、それを無視しろとは言いませんが、しかしあくまでもこの内容というのは、どのような経過があっても結論は郵政省が決めるというふうに修正されたことは間違いないんでしょう。
  85. 小山森也

    政府委員小山森也君) そのとおりでございます。
  86. 大森昭

    大森昭君 そうなれば、参議院段階の中では、少なくとも院が違うんでありますから、衆議院の人が言った内容で参議院はいいとか悪いとか言っているんじゃないんですから、そういうように衆議院でもって修正されたら、郵政省郵政省令で決めるときはかくかくしかじかでやりたいということを明らかにしてもらいたかったんですが、どうもきょうはそういうようなことになりませんが、ただ、あなたの回答でちょっと気になるのは、収支相償うなどの要件が担保される必要があるということは、これは事前に何かチェックするんですか。何か見なければ収支相償うか償わないかわからぬからね。新電電が少なくとも附帯業務をやるときには事前チェックですか、これは。
  87. 小山森也

    政府委員小山森也君) 事前チェックということではありません。ただしかし、その事実がわからなければこの郵政省令としては機能を果たさないので、開始の際に何らかの形で知るということは必要であろうと思います。
  88. 大森昭

    大森昭君 そうすると、届け出制ですか。
  89. 小山森也

    政府委員小山森也君) まだ具体的に考えておりません。
  90. 大森昭

    大森昭君 ですから、附帯業務は外されたから、新電電はこの附滞業務というのは、これは経営の自主的な——大損するやつをまさか附帯業務でやることじゃ、さっきの総裁の言ったのと全然違うからね。だから、少なくとも収支均衡するぐらいで、やってみた結果収支がどうなるかというのは、これは計画と予算と実行どこれはいろいろ違うことはあるけれども、当たり前の話なのに収支相償うというようなことが担保される必要があると言われると、何かこれは事前に外したはいいけれども、郵政省は勝手にはさせないぞというふうに私は理解するんですけれども、私の理解間違っていますか。
  91. 小山森也

    政府委員小山森也君) 行政的な措置でそういうチェックをするつりはございません。
  92. 大森昭

    大森昭君 そうしますと、あなたは収支相償うなどの要件が担保されるなんて余計なことを言わないで、前の発言は全部取り消してもらって、とにかく附帯業務については経営の主体性の中でやるということがあれば、何をどういうことでやるんだということは郵政省も知らなきゃ困るけれども、とにかくそういうふうに附帯業務をやることは全部認めますよということになるわけですな。
  93. 小山森也

    政府委員小山森也君) 先ほどから申上げておりますように、私ども省令というものもやはり立法の趣旨の粋の中での処理をしなければならないわけでございまして、その中において収支相償うことという立法の趣旨があるわけでございまして、したがいまして、その趣旨を織り込んだ形の省令になると思っております。  これはまだ成立しておりませんし、私どもの政府提案ではないんではございますので、よく御趣旨を承ってその枠の中で省令をつくらなければならないと思いますが、私どもの推測するところでは、恐らくこの収支相償うというのは本来事業の的確な遂行に支障を与えないようにという考慮であると、こう思っております。
  94. 大森昭

    大森昭君 そういう無責任なことを言うんなら参議院でもってもう審議をやめようじゃないですか。私は、少なくとも政府が提案をした、修正をされた、修正をされたということは小山さんの立場からいえばそうかもわかりませんが、しかし、行政府としてはそういう立場であっても、この修正をするときにその修正されたことがどうなるかということを理解しないでもって修正に応じるんですか。少なくともこの修正は、この法案の中でどういう位置づけになってどういうふうになるということを了解したから自民党も了解して修正したんでしょう。それが参議院に来て衆議院の提案者に聞いてみなきゃわかりませんとか——提案者なんていうのは関係ないんだよ、そんなものは。受け入れた政府がそのことを理解して参議院に送付されてんだから、そしたらみずから郵政省の責任として郵政省は何をこの修正に基づいてやるんですということがはっきりしなきゃしょうがないじゃないですか。何で提案者の話ばっかりするんですか。もう修正になった途端にあなた方が責任を持つんだよ、違うの。
  95. 小山森也

    政府委員小山森也君) やはり立法の趣旨というものがあるわけでございまして、その立法の趣旨の枠の中で省令はつくられるべきであろうと、こう思います。
  96. 大森昭

    大森昭君 だから、立法の趣旨というのは省令に任せるというのが立法の趣旨なんでしょう、提案理由はいろいろなことを言っていますよ、提案理由は、あなたが言わなくたって、この間、畑さんという人が来て紙をもらったからわかっていますよ。しかし、立法の趣旨はそうであるといっても郵政省が決めるんでしょうと言っているんだよ。そうすると、あなたは郵政省が決めるといっても立法の趣旨合いをまるきり外すわけにいきませんから、立法の趣旨合いにのって省令を決めるんですと、こう言っているわけだ。おれはみんなわかっているんだよ。だけれども、じゃ収支相償うということが条件だとすると、それはあなたのところでもって収支相償うのか償わないのか、あるいは収支相償うように報告が来ているけれども、これはインチキじゃないかとか、そんなことを育ったってもうかるわけないじゃないかとか何かするんじゃないですかという気になるでしょう、私が。いや、そんなことはないと、立法の趣旨は収支相償うということで言われておるけれども、郵政省令ではそういう趣旨合いであっても、とにかくもう新電電の会社の方でこれをやりたいと言えば、公社の幹部の皆さんだって、民間会社になるのにそんなような仕事をどんどんどんどんやったら、さっき総裁が言うように、そこに働く人たちの賃金を上げてやるなんて言ったって上がりゃしないじゃないの、まさに名実ともに民間会社になるんだから。そうすれば、そこに経営の責任というのはおのずとあるんだよ。  そうなれば。郵政省がそういう事前チェックするとか、あるいは何とかこの計画は営業の見込みが少し高過ぎるんじゃないかとか、実際にはこんなふうに販売できないじゃないかとか、こんなに人員がたくさんいたんじゃこれはうまくいかないんじゃないかとかという、収支相償うということは、その価格を幾らにするのか、販売するのに人員は何ぼ必要なのか。そうでしょう、私だって簿記を少し勉強しているけれども、収支相償うというのは少なくとも幾ら入って幾ら出るというのが収支償うということでしょう。そうすれば、明らかにその附帯業務の事業計画、販売計画、そこに基づく人員、要員、その要員の賃金、あらゆることが収支相償うという簡単な言葉に表現されているけれども、それは全部ひっかかるんですよ。それをあなたは言っているんですかと、そういうふうに。
  97. 小山森也

    政府委員小山森也君) この趣旨は私どもはどういうふうに理解しているかと申しますと、要は公正競争の問題だろうと思います。電話事業の収益を附帯業務につき込むという形でいろいろな業務を行うということになりますと、これはやはり電話利用者利益というものを侵害するということが一つございます。それと同時に、今度は同じような仕事をしている類似の会社との関係におきまして不公正になるということでございます。  それではチェックをするのかどうかということでございますけれども、私どもは、立法の趣旨から見ますと、これによってチェックするということの機能は出てこないであろうと思っております。ただ問題は、そういうことを、収支を明らかにすることによりまして、今申し上げましたように電話利用者に対してその公正さを明確にするということ、また同種事業者に対しても不公正な競争でないということを明らかにしていくということができればそれでよいのではないか、こう思っております。
  98. 大森昭

    大森昭君 申しわけありませんが、そこでこんな長い議論をしてもしょうがないから、この参議院の審議が進む間に具体的に提案できるのかどうか、でなきゃできないで法案の対処の仕方も私どもも考えなきゃいけませんから、委員長のところでこれまた預かってください。
  99. 大木正吾

    委員長大木正吾君) これは衆議院の議事録を拝見いたしましたけれども、相当重要な課題だと考えております。いずれにいたしましても、今の小山局長の答弁には委員長といたしましても若干理解のできない点もございますので、理事懇等で協議いたしますから、当局からもぜひ加わっていただきながら協議を進めさしてもらいます。  質問を続けてください。
  100. 大森昭

    大森昭君 冒頭にも言いましたように、私も難癖をつけているんじゃないんですが、余りにも不透明な部分が多過ぎまして、私は、端的に申し上げて、これから進んでいく高度化とか多様化ですから、ある程度わからない部分があることは認めるんです、正直言って、それはいろんなことが変化が出るから。しかし、少なくとも法案が通れば四月から会社が発足するんでしょう。そのときには、やっぱりこれとこれとこれはこうなりますというふうに私はやってもらわなきゃ、この国会でもって審議している責任を持てないから、さっきから言っているように、問題はここで本来なら国会の質疑をやめて明確にしてもらいたいぐらいの気持ちはあるけれども、それでは余り議事に協力する建前からするとよくないからこれは委員長に預かっていただいているわけです。  どうかひとつ、そういう意味合いで、あんまり責任持てないようなことは私どもはできませんから。次に、また料金の問題もそうなんですね。衆議院でいろいろ議論したのを参考にきょう実は読ましてもらったんですけれども、これ主要な料金については例示的に挙げているんですね、例示的に。それから、認可の必要でないものは省令で決めるんですか。衆議院議論したでしょう、料金のところ。認可するのはこれと、それから認可の必要じゃないものはこれと——これというんじゃないんだ。認可の必要じゃないものは省令で決めるとなっているのか。これもどうもはっきりしないんだよね。どういうものが認可をして、どういうものが認可が必要ないんだというのははっきりしてないんだよね。もちろん認可をすることだけはっきりしていれば、あとは認可が必要ないということになるしね、そうでしょう。あるいは認可の必要じゃないというやつがわかればそのほかは認可するのかなと、こうはっきりするんだよね。どっちでもいいからさ、これははっきりしてないんでしょう、しているの。
  101. 小山森也

    政府委員小山森也君) これにつきましては認可に係るもの、そうでないものということで読み上げさしていただきますけれども……
  102. 大森昭

    大森昭君 いや、これ衆議院でやった資料があるから一々読み上げたって時間がないけれども、主要な料金とか、それじゃ困るんですよ、私が聞いているのは。主要だとか例えばとかという言葉じゃなくて、これとこれとこれは認可です、それ以外は認可じゃありませんというんなら、これから時間がかかっても私はじっくり答弁聞きますがね。
  103. 小山森也

    政府委員小山森也君) 申し上げます。  主要な料金として認可にかかるものとして私ども考えておるのは、まず電話関係でございます。電話では基本料、ダイヤル通話料、設備料及び公衆電話料でございます。電報関係では基本料及び累加料、専用関係では設備料及び回線料、DDX関係では設備料、基本料及び通信料、ファクシミリ通信網及びビデオテックス関係では通信料、それからデータ通信設備サービス関係では設備料、回線使用料及び中央装置使用料でございます。あと付加的なものはこれは認可の対象にしないという考えでございます。
  104. 大森昭

    大森昭君 そうすると、今あなたが読んでいただいたけれども、主要なじゃないんでしょう。主要は外して、料金で認可をするものはというふうに理解していいんですか。あなた主要なというから、ずっと読んでも何かこのほかにもあるのかなと。それはそうでしょう。言葉というのはみんなそうじゃないか。主としてはこうなんですと言えば、じゃあまた何かあるのかなあと、こうなるから、今あなたが列挙したやつは、主要じゃありません、許可になる要件はこれだけですというふうに言ったということでいいんですか。
  105. 小山森也

    政府委員小山森也君) 主要というものの中身を申し上げたわけでございまして、これが認可の対象になるわけでございまして、その他は認可の対象にしないということでございます。
  106. 大森昭

    大森昭君 あなた、人をばかにしなさんなというんだよ。主要ということは、主たるものはという意味に私は理解するわけだよ。そうすると、主たるものじゃないものでもある程度認可が出てくるのかと理解するのは——私は少し頭悪いのかね。私が聞いているのは、料金の認可はこれです、それ以外の料金は認可じゃないんだなと、こういうふうに理解したいけれども、あなたは主要など言えば、主要じゃないものがあるというふうになるでしょうよ。はっきりしなさいよ、あなた。余り人をばかにしなさんな。
  107. 小山森也

    政府委員小山森也君) 主要のほかに付加的というのがございまして、付加的な料金は認可の対象にしないという意味で主要と付加的と申し上げたんですが、認可の対象にするかしないかということでございますれば、主要な料金イコール認可の対象である、こういうことでございます。
  108. 大森昭

    大森昭君 だから、あなたはその法律用語で主要なという言葉があるのと、付加的な料金というのがあるから主要な料金はと言っているんだと言われたよね。そういうように主要なという問題と付加的な料金というのとあるから区分けしたというけれども、私が聞いているのはそういうのじゃなくて、主要という言葉は、付加的という言葉があろうとなかろうと、それ以外にあるかもわからんからというふうに私は聞いただけで、今あなたが言うように、たまたま主要なというのは、付加的なという料金があるから主要なという言葉を使ったのであって、その内容はまさに今あなたがずっと列挙してきたものが認可であって、それ以外は認可じゃないと、こういうふうに理解していいんですな。
  109. 小山森也

    政府委員小山森也君) そのとおりでございます。
  110. 大森昭

    大森昭君 そこで、今問題にちょっとなっておらないんですが、レンタルは一部認可ということになるんですか。黒電話なんかどうなっちゃうんですか。
  111. 小山森也

    政府委員小山森也君) これからは黒電話という概念はなくなるわけでございます。ただ、利用者の方としては、電気通信役務の一部として電話を使いたいという人と、それから端末機を個別の物品として購入して別に使いたいという人といろいろあるわけでございます。そうした場合に端末機自体を物品として扱うのでなしに、電気通信役務の一部としてそれを使いたいというときには、しれは電気通信役務料金の中へ入ってしまうということでございます。したがいまして、認可になるということでございます。
  112. 大森昭

    大森昭君 黒電話という言葉はなくなるけれども、今の黒電話のみは認可であると、こういう答弁ですな、今の答弁は。
  113. 小山森也

    政府委員小山森也君) 黒電話であっても、これは端末機を別に購入した場合においては、これは認可にかかりません。要するに黒電話であろうと附属電話機であろうと端末機全体がそれを物品として購入するのも可でございますし、それから役務提供の一部としてこれを公社といいますか、新会社から、何といいますか、役務料金として払う、どちらでも採用できるということでございます。
  114. 大森昭

    大森昭君 料金のことで衆議院でもいろいろ議論しているようでありますが、料金の決定原則というのは省令で決めるんですか。
  115. 小山森也

    政府委員小山森也君) これは決定原則はここにまず法定がございます。法律案の三十一条第二項に二つのことが書いてございます。一つは、「料金が能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。」、第二が「料金の額の算出方法が適正かつ明確に定められていること。」と、こういうことで、これが料金決定原則の第一の法定の項目でございます。
  116. 大森昭

    大森昭君 そうすると、法定には二項目が明記されているわけですが、大体総括原価方式ということになるわけですな。
  117. 小山森也

    政府委員小山森也君) 総括原価方式というのを否定するものじゃありませんし、当然とってよいということでございます。
  118. 大森昭

    大森昭君 どうもあなたの言葉というのは、否定するわけじゃないとか、ちょっと何というのか、親切に答えてくれているのかどうかわからぬけれども、総括原価方式でとにかく省令で決めますと、こういうことでいいんでしょう。
  119. 小山森也

    政府委員小山森也君) 実はこれは第一義的に認可でございますので、これは事業者が決めるものでございますから、事業者の方が決めたということについて否定するものではない、こういうことでございまして、法定のようにこれこれであるべしという形ではございませんので、このような言葉になったわけでございます。お許しいただきたいと存じます。
  120. 大森昭

    大森昭君 ちょっと時間がありませんからあれですが、料金の決定原則については適正な利潤を含む総括原価方式を採用するということで省令で明確になることを期待いたしまして、次の質問に移ります。  次は、設立委員会でありますが、この会社ができるということになると、設立委員会をつくらなきゃいけないわけですが、どうもこれ衆議院の討議の過程を見ても明確じゃないんでありますが、大臣、設立委員会というのはだれの目から見てもわかるようなものにするとかいろいろ答弁されておりますが、具体的にどのように委員を任命をして、どこに設置をするわけですか。
  121. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 設立委員の人選というのは、新会社の定款並びに人事、役員選考等に当たりまして大変な責務を負っておるわけでございます。したがって、人選に当たっては国民の皆さんから納得できるような人選をすることはもちろんでございますが、また設置の場所に関しましても、できるだけだれから見ても中立性を担保できるというような場所の中でこういった基本原則を決めていただきたいと思っておるわけでございます。
  122. 大森昭

    大森昭君 まだ法案が通ってないわけだから余り詰めてもあれだけれども、法案が通ってからになるんでしょうな、設立委員会というのは。そういうことになるとこれは余り詰めてもあれだから……。  大蔵省来ていますか。——じゃ、あなたが来ているからちょっと質問の順序を変えて、午前中で無罪放免をいたします。  実は、この株式の売却がいろんなことで議論をされておりますが、いずれにいたしましても、さっきからあなたも討論を聞いていますように、とにかく、新電電政府保有株式といったって、これはもうとにかく長年にわたって蓄積されました加入者の貴重な財産であるわけです。そういう立場に立つと、まず、この売却に当たっては国会で十分慎重に検討を加える必要があると思うんですが、こうした意味からいきますと、単に当該年度の予算に売却の限度数だとか売却予定収入を計上するということでは不十分でありますので、私といたしましては通信政策の問題を専門に議論をしております当逓信委員会においてじっくり時間をかけて慎重審議すべき案件じゃないかと思うのでありますが、そのことがどうか。  それから、ちまたでいろいろ、私もよくわかりませんが、株の処分に絡んだ利権の発生などもうわさされておるわけでありますから、そういう立場で、国会で慎重に審議をするという必要があると思うんですが、郵政省と大蔵省はどのように考えていますか。
  123. 日高壮平

    説明員(日高壮平君) まず第一点の、株式の売却について国会の御審議にどういう形で供するか、御意見をいただくかという点でございますが、法案の策定の段階から郵政省とも十分協議いたしました結果、私どもとしては、今法案の内容でお示ししているような形が一番望ましいのではないかというふうに考えた次第でございます。
  124. 大森昭

    大森昭君 郵政省はどうですか。
  125. 小山森也

    政府委員小山森也君) 私どもとしては、新会社の資産というのは国民利用者の拠出により形成されたこと、また株式資産が巨額のものであるということ等から、その処分に当たりましては、御指摘のように国会の御意思を経た上でこれは慎重に行うべきものと考えております。その結果、株式売却につきましては歳入予算の見積もりに計上されるため、それとの見合いで、予算総則に処分限度数を計上して国会の議決をいただく方法を大蔵省との間で合意したわけでございます。  実際のこの運用の問題につきましては、十分今後大蔵省と郵政省が連絡協議をしながら取り運んでいきたいと思っております。私どもとしては、御指摘のように通信政策にかかわる問題であるという認識のもとにおりますので、十分にその御意思を外しまして、大蔵省当局と協議に臨んでまいりたいと思っております。
  126. 大森昭

    大森昭君 そうすると、この法案審議がどういうぐあいになるかわかりませんが、これは法案審議の途中で郵政省と大蔵省というのは調整できるんですか。
  127. 日高壮平

    説明員(日高壮平君) その株式の売却を今後どういうふうに行うか、先生今御指摘がございましたように、この新会社の株式につきましては国民共有の資産であるという観点から、国益にかなうように……
  128. 大木正吾

    委員長大木正吾君) はっきり答えてください。聞こえませんぞ、こちら側は。
  129. 日高壮平

    説明員(日高壮平君) はい。国益にかなうように政府部内で今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
  130. 大森昭

    大森昭君 いや、国益にかなうとかかなわないとか言ったって、国益は私とあなたと全然違うんだから、そんな違うことを一致させたって困るんだけれども、そうじゃなくて、今これ以上議論していても難しいから、いずれにしても、具体的に郵政省と大蔵省との調整はできるんですかと言っているんです、私は、この法案審議の過程の中で。国益なんて言ったって全然違うんだ、あなたの国益と私の国益は、住んでいる国は一緒でも。
  131. 日高壮平

    説明員(日高壮平君) 今御審議をお願いしておりますこの会社法案が成立した後、初めて、先ほど指摘がございました設立委員会において資本金等も決まってくるわけでございますから、法案が成立した後、その点は十分郵政省と協議したいというふうに考えております。
  132. 大森昭

    大森昭君 国民がみんな出し合って今の電電公社を立派に育て上げ、もちろん、そこに働く人たちが一生懸命働いたから立派になったんですけれども、その金がどこへ行くわからないでもってこれはもう法案を通すわけには私はいきません。したがって、これは明らかにならない限り私どもは絶対承服しません。そうでなきゃ、もっと言えば、余りいやらしいことは言いたくないけれども、いろんな報道がされていることが事実みたいになりますよ、そんなことをやっていると。  どうかひとつ、そういう重要なことは、法案の字句を少し直すとか、附帯決議をつけるとかいう問題と違って、基本の問題ですからね。基本の問題が明らかにならないで法案が通るなんということはこれは絶対許しませんから、そういうことでひとつやっていただきたいと思います。
  133. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまの大蔵省の答弁等につきまして、委員長伺っておりましても、竹下大蔵大臣の答弁等と奥田さんの答弁にニュアンスの違いがございますから、記録を読んでみますので、この委員会はまだまだ相当長期に続く見込みでございますから、ぜひ、国会の審議の過程で奥田郵政大臣、竹下大蔵大臣等のお話し合いを願いまして一本の答弁が出るように期待いたします。  午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時より再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      —————・—————    午後一時二分開会
  134. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、日本電信電話株式会社法案電気通信事業法案、並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法施行に伴う関係法律整備等に関する法律案、以上三案を便宜一括議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  135. 大森昭

    大森昭君 国際電電関係について御質問いたしますが、附帯業務についての政府原案では新電電と国際電磁とは横並びに取り扱われていたわけでありますが、今回衆議院において新電電会社法案が修正をされまして、新電電については郵政大臣の認可事項から除かれたわけでありますが、そこで、国際電電の附帯業務についても新電電同様、郵政大臣の認可事項から外すよう修正すべきと思うが、郵政大臣はどう思われますか。
  136. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のように、新電電に関する附帯業務というのは衆議院の修正で外されることになりました。今御指摘のとおりに国際電電もそういう立場から言うと横並びとしてそういった形で筋として外すことが当然であろうと思っております。したがいまして、国際電電も近いうちに正式に検討いたしまして、そのような方向で処理してまいりたい、検討に移りたいと思っております。
  137. 大森昭

    大森昭君 そうすると、これは衆議院段階で漏れたやつですから、これは参議院で修正ということになるんですか。
  138. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) これは国際電電法で認可事項にしてあるわけでございますので、この法案とは別個に取り扱いをいたすことになります。
  139. 大森昭

    大森昭君 それから、これまたいろいろ議論がありまして、収支計画と資金計画は認可の対象としない、今国際電電もそういうことになっているわけですから、そのとおりでいいということですね。
  140. 小山森也

    政府委員小山森也君) そのとおりにいきたいと思っております。
  141. 大森昭

    大森昭君 次に、第二種電気通信事業者による専用線の単純再販売を禁止する契約約款を認可する方向を郵政省は示唆しているようでありますが、国際電電の専用線についても単純再販の禁止の契約約款を認可する考えでありますか。
  142. 小山森也

    政府委員小山森也君) 新電電と同じような考え方で臨みたいと思っております。したがいまして、単純再販することによりまして国際電電の適正な財務が維持できないというような場合においてはそういった契約を禁止するということは妥当なことだと思います。
  143. 大森昭

    大森昭君 次に、現行の公衆法によりますと、国際電電は国際通信料金の不払い者に対しまして通話停止などの措置を電電公社に求めることができるように、公社だからそうなっていたんだと思うんですが、今度は新電電ということになるわけでありますが、そこで六カ月に限りその加入者の通話停止処分を行うということができる、この措置について事業法のもとにおいてもこういうことが担保ができているのかどうか、これは郵政省電電の方からお考えを聞きたいと思うんですが。
  144. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今回の法律では、事業者間の協定という——無論、今でも公衆法の中でも事業者間の協定になっておるわけでございますけれども、この電電公社とKDDの関係というのは事業面におきましても今後とも変わりないわけでございます。したがいまして、一義的には電電公社と国際電電の契約といいますか、協定によるものでございますが、内容は何ら変更ないんでございますので、新電電と国際電電の両者の契約によりまして、そのような状態といいますか、通話停止の措置がとり得るようになるよう協定が結ばれることを望んでおります。
  145. 草加英資

    説明員(草加英資君) 先生御指摘のように現在公衆法四十三条におきましてKDDの料金に対します私どもの通話停止措置というのが法定されておりますが、今郵政省電気通信局長がお答えになりましたように、今回から契約約款の中で国際電電との間で協定を結ぶ、このような法的措置になっております。  そこで、我々といたしましては、今まで法定であったものをどのように扱うか、契約としての建前を検討していきながら、今郵政省局長が申し上げましたように、今までの体系と変わらない方向でこれから検討して、国際電電と話し合いをしていきたい、このように考えている次第でございます。
  146. 大森昭

    大森昭君 私は今度の新電電関係して国際電電にかかわる話を質問して、大体私の質問に沿って処置ができるような感じがいたしますが、新電電との関係であと別に処理しなければならないというようなことはもう残っていないのですか。
  147. 小山森也

    政府委員小山森也君) 基本的にはないと思っております。
  148. 大森昭

    大森昭君 十分、新電電法案に熱中するのはいいんですけれども、国際電電の方もひとつそごのないようにお願いしておきます。  それで、ちょっとさっき私も局長の話を十分理解しないで実は話を進めちゃったのでありますが、例の売り渡しする機械は電気通信役務でないので認可は要しないということは、これでいいんですか。
  149. 小山森也

    政府委員小山森也君) そのとおりでございます。
  150. 大森昭

    大森昭君 それで、レンタルの機器が電気通信役務であることですべて認可対象とすることと、こうなるわけですか。
  151. 小山森也

    政府委員小山森也君) その端末が役務提供一つの手段と、要するに端末まで入れまして役務利用者が買いたいと、こういった場合には認可料金になるわけでございます。
  152. 大森昭

    大森昭君 そうすると、いろいろこの端末機があるわけですが、プッシュホンだとかカラー電話だとかビジネスホンだとか、いろいろありますね。これを販売に行くと。で、これをその場でレンタルで売る場合と、単なる物品として売る場合と二つ出てくるわけですけれども、レンタルじゃなければ必要ないと、認可じゃなくていいと、レンタルの場合の料金は認可にすると、こういうことなんですか。
  153. 小山森也

    政府委員小山森也君) そのとおりでございます。
  154. 大森昭

    大森昭君 どうもよくわからないんですがね。お客様のところへ行って、とにかくこれはどうですか、これを使わないですかと言って、お客さんが、レンタルなら公社はこれは認可で料金は決まっているし、これ単に買うんなら認可はないんだしということは、買う方は判断をする必要ないんですけれども、殊さらこのレンタルと単に売るというのにどうして認可と認可じゃないのとにしなきゃいけないわけですか。レンタルを認可にするというのはどういう意味があるんですか。
  155. 小山森也

    政府委員小山森也君) それは要するに、例えば電話で言いますれば、電話という一つ役務をそこで利用者が買うというときには全体が一つ役務提供となりまして、これは料金も認可になるということでございます。ところが、その役務ではなしに、その役務提供は例えばローゼットまででよろしいと、あとはほかの端末機器を購入してそれに接続するのであるということになりますと、役務提供というのは一応ローゼットまでで切れるわけでございます。したがって、それについては物品の一つの販売ということになるわけでございまして、それは物品の販売でございますので、電気通信役務提供料金ではないということになるわけでございます。
  156. 大森昭

    大森昭君 いや、同じ機能を発揮するわけですけれども、それがレンタルだから認可、レンタルじゃなければ認可じゃないというのは、今の局長の話だと、電気通信役務であるとかないとかということには直接関係しないんじゃないんですか、関係しますか。
  157. 小山森也

    政府委員小山森也君) 一番簡単なことで申し上げますと、これは何しろ利用者側が判断することでございまして、利用者側の方が、例えば一つ電話機を買ったとします。それを販売いたしますと、これは今の電電公社、ポストの新電電でありましても電気の器具メーカーから買いましても、どっちでもよろしいわけですが、そのときの役務が、故障を起こした場合において、それはもし端末であるならば端末を売った側にこれは責任がかかるわけです。片方の、今度は役務全体として利用者が選択した場合は、例えぱそういうことは複雑であると、電気通信のことだったらば全部新電電会社の責任にしてもらいたいと、端末であるかどうかというので一々そういったことでは困るというようなことを利用者側が判断すればそういう買い方もできる。それから、端末だけをいろいろなバラエティーに富んだものをつけたい、そのかわり、その端末についての故障があった場合は、自分が買ってきたものであるから、自分が販売会社へ行って万一の場合には責任をとってもらうと、こういうことになろうかと思いまして、片方は、利用者によりまして全部の役務というものを買うということになるわけでございます。
  158. 大森昭

    大森昭君 ちょっと私の理解が悪いのかどうかわかりませんが、勝手に買ってくると今言われましたけれども、勝手に買ってくる場合と公社の皆さんが家庭に売る場合と二通りあるんですよ。ですから、公社の方がこれから営業活動をやって売りに行きますね。で、問題は、そこでレンタルかレンタルじゃないかという問題が起きるわけでしょう。それで、レンタルなら認可で、レンタルでなきゃ認可じゃないという、ここがちょっとわからないんですよ。いや、ほかから買ってきたやつだから、それは今度新電電に何か事故が起きたら——問題が起きるとか起きないとかというのはちょっと問題別にして、公社の人が行くでしょう、そしてその買い方が違うんで違うだけでしょう、レンタルとレンタルじゃないというのは。違うの。
  159. 小山森也

    政府委員小山森也君) 片方の、端末機を完全に端末機械として買った場合は、これは一つの何といいますか物品の売買ということになるわけですけれども、レンタルの場合は、これは役務提供契約になるわけでございまして、物品というのは、ただ単なる端末機役務提供の手段であるにすぎないということになるわけでして、そうなりますと、役務提供契約というのは端末だけ切り離せないということになるわけです。  それじゃ、具体的にどういう料金になるかといいますと、大体基本料に片方は入ってくるということになりまして、片方は物品代金として払うということです。実態的にこれをどうするかということにつきましては、今論理を通せばこういうことでございますが、いろいろ物品の販売方法には、例えば新電電会社の職員の方が端末機を売る場合におきまして月賦販売方法というのだって当然あるわけでございまして、そういった場合においては、これは物品の販売と、こうなるわけでございます。
  160. 大森昭

    大森昭君 仮に認可が必要だということになると、今の黒電話の場合なんかは、今局長が言ったような形になっているんだと思うんですが、そういうように単純な機能に限定するとかしないとか、いずれにしてもこれから新しい営業活動をとにかく会社の自主性に基づいてやろうというわけですから、きょうはこれ以上詰めませんが、ひとつ十分検討をして、とにかく新会社の方がいろんな行政的な許可の粋の中で仕事がやりづらくなってはいけないわけですから、きょうはこれ以上言いませんが、そういう意味合いでひとつ検討してもらうことをお願いをいたしまして、また後日質疑を続けたいと思います。  次に、これは本会議でたしか服部先生の方からもお話があったと思うんですが、第一種の電気通信事業の許可や料金などの契約約款の認可等、郵政大臣が重要な処分を行う場合は、政令で定める審議会すなわち電気通信審議会に諮ってその決定を尊重するということになっているわけでありますが、いずれにしても午前中からの討議の過程の中で、私どもはいかにして利用者各界各層の意見が反映をできるのかというところがこの法案の中で十分反映されなきゃいけないという気持ちがあるんでありますが、この「電気通信審議会委員の人選、運営に当たってはこということで、前にもいろいろ国会で議論されているんですが、この趣旨はどのように生かされることになるでしょうかね、今度は。
  161. 二木實

    政府委員(二木實君) 電気通信審議会ができましたのは五十七年の十月でございますが、その前に本院の内閣委員会で、広範な人選をやって、「有識者を網羅し、民意が十分に反映するよう配慮すること。」という附帯決議をいただいているところでございます。  それで、十月一日から電気通信審議会ができましたが、この発足に当たりましては国民の意向を代表するにふさわしい方々に参集いただいておるわけでございます。広く各界有志の方々に参集していただいておりまして、また運営に当たりましても部会あるいは委員会等を設けまして活発な御論議をいただいているところでございます。
  162. 大森昭

    大森昭君 ここに委員の名簿もありますが、大学の教授というのは偉いんでしょうし、何々会社の社長というのも偉いのかもわかりません。これは見解の相違になるかもわかりませんが、こういう委員構成が必ずしも——難しい話は別ですけれども、例えば、午前中にも可処分所得のというので総裁から料金決定についていろんな意見が述べておられましたけれども、大学の教授だとか社長が、料金が高いとか安いとかという、それは議論はあるんでしょうけれども、可処分所得の何とかという意味合いから料金を諮るなんといったら、大学教授だとか何とか会社の社長じゃ、そういう人もいてもいいけれども、そういう人ばかりじゃ広く国民意見を反映できますか。
  163. 二木實

    政府委員(二木實君) 電気通信審議会は、今までは電気通信に関する重要な事項を諮問いたし、建議していただいているわけでございますが、御指摘のように、この法案が通りますと、第一種の電気通信事業の許可、あるいは第一種電気通信事業者料金等契約約款の認可等大変重要な処分を審議していただくということになるわけでございます。  そういう観点からは、やはり大変この電気通信審議会の果たす役割は重要なものになってくると思うわけでございますが、先ほども申しましたように、現在でも大変各界を網羅しているわけでございますが、今後とも慎重かつ適切に対処してまいりたいと思っております。
  164. 大森昭

    大森昭君 そうすると、電気通信審議会には今と同じような、多少人員の変動もあるのかないのかわかりませんが、このほかに、電気だとかガス料金と同じように別に公聴会をつくるということですか。
  165. 小山森也

    政府委員小山森也君) いろいろな国民の皆様の意見が反映するというのは、公聴会を開くということは極めて有益なものだと私ども思いますので、審議会が公聴会を開催する手続をどうするか、政令によるものかどうかといういろいろなそういった法的な措置のことは、まだ検討いたしますけれども、御趣旨を生かしまして、公聴会を開催できるような方向で検討したいと思います。
  166. 大森昭

    大森昭君 どうもそうなってくると少しあいまいなんですよね。公聴会を開くということができるようにするということと、必ず公聴会を開いて、料金などは大変公共性も高いし、社会的な影響も大きいからということとまた違うんですよね、あなたが言っているのと私が言っているのとね。公聴会と言うと開くようにすると言うんでしょう。私は、公聴会という制度の中で、少なくともこの料金認可等の諮問をするということにしたらどうかという質問なんですがね。
  167. 小山森也

    政府委員小山森也君) 御趣旨のとおりのことを言ったつもりですが、言葉が足りませんで、どうも申しわけございません。
  168. 大森昭

    大森昭君 そうですか。そうすると、まだ検討しなきゃいけませんが、いずれにしても、電気だとかガス料金の場合と同様に公聴会制度をとるということでいいんですね。
  169. 小山森也

    政府委員小山森也君) そのような形にしたいと思います。
  170. 大森昭

    大森昭君 そういうことでできる限り、いろんな問題もありますけれども、とにかく、いろんな意見を聞きながら料金を決めるということでぜひひとつお願いをしたいと思います。  次に、七月の十一日の日経新聞によりますと、アメリカ政府は、九月に開かれる日米高級事務レベル協議あるいは日米通商円滑化委員会などで電気通信審議会など我が国政府審議会への参加要求を強めてくる見通しであると報道されておりますが、電気通信審議会委員に外国人を任命することについて郵政大臣の見解を伺いたいと思います。
  171. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) それらの報道の内容については何ら関知しておりません。特に、電気通信審議会の委員というのは国家公務員であると同時に国家意思形成に参画する重要な立場でございますので、外国人の任用は考えておりません。
  172. 大森昭

    大森昭君 その問題とちょっと関連いたしますが、外資の問題が大きな問題になっているんですが、ちょっとあるところで記事を読みましたら、総裁——総裁でなくてもいいけれども、公社の方は、とにかく、外資を認めても、我が日本の国内産業の中ではそう簡単に外国の業者が入るようなことはないというような意味合いの記事を読んだことがあるんですが、この辺の見解はどういう見解なんですか。
  173. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) アメリカは、かなりVAN事業というものは現在でも急速に発展しつつありまして、かなりいいソフトも持っているという話でございますが、なるほど基本ソフトはかなり進んだものを持っておりましょうけれども、それを実際日本に持ってきてそのまま使えるということはございませんで、日本のお客の仕事の進め方、日本社会の商取引の実態というものにその基本ソフトを修正しながらでないと使えないというふうに考えております。その意味からしますと、入ってきて、たちどころにマーケットに大きなお客を求めるということはとても無理じゃないかというふうに考えております。  それで、ごく具体的に考えまして、仮にアメリカのそういうものが入ってまいりましても、一〇〇%アメリカの事業としてやれるかというと、非常に困難じゃないかと、将来の具体的な問題としてはそういうふうに考えられますので、今、うわさに聞きますといろんなそういう計画があるようでございますが、ほとんどがやはり日本の企業とのジョイントベンチャーでというふうなことのようにちらちら聞いております。  一方、今日まで、電電郵政省の認可を受けながらかなり大規模な実質上のVAN事業をやっておりまして、それがかなりのスケールになっております。それで、こういうふうな仕事といいますのは、事業なり何なりの内容をすっかりさらけ出すような格好になるものでございますので、やはりお客の方からは、その業者の信用度、信頼性というものがかなり大きなファクターになるんじゃなかろうかと思います。そういう意味から、私ども及び日本のしっかりした業者の方が日本の社会ではずっと競争上優位に立てるんじゃないかというふうにも考えられます。  それともう一つ、日本のマーケットに外国の資本が入ってきましても、簡単に日本のマーケットを占有できないという例も幾らかございます。例えばIBMのマーケットなんかでございますけれども、IBMのマーケットシェアはアメリカで七〇%、EC諸国で総体で六〇%でございますけれども、長い間日本に来ておるIBMでありながら日本では三〇%しかマーケットシェアを持たないというふうな過去の実績もございますので、私どもはこの問題についてはそう心配する必要はないという考え方でございます。
  174. 大森昭

    大森昭君 統計を言われたり、話としては何かわかりやすいような話ですけれども、ただ総裁、ちょっとこれ例がいいかどうかわかりませんが、例えば今国内で農産物が大きな問題になっていますね、米なんか。まさか我々が米を外国から輸入するなんて夢にも思ってなかったですけれどもね、これはちょっと例が少し違うかもわかりませんが、今総裁が言われますけれども、しかし世の中というのはそういうことで果たしていくかどうかというのも、私は正面言って門戸を広げるというところに入ってくるとかこないとかという以前の問題として問題を実は提起をしておるわけですけれども、きょうはこれ以上言いません。  いずれにしても総裁の見解に私ども反対ですけれども、またこれは別なところで別な方にまた審議していただくかもわかりませんが、どうもそういうように、今ヨーロッパにおいてはこうだ、アメリカにおいてはこうだ、日本はこうだ、だからというだけのやっぱり問題で二分の一の外資を認めるなんということは、もうとてもじゃないけれども私どもは納得できませんので、きょう総裁の見解だけ承ってきょうは終わりにしますが、そういうことを考えています。  そこで、いずれにいたしましても問題がたくさんあるわけでありますが、例えば一つの例として、局長、需給調整なんかでもあなたの答弁だと衆議院において、軽微な変更についてはとかというふうになっているんだよね。そうすると、軽微と言ったって、我々軽微と言えばちょっとのことを軽微と言うんだけど、どうもあなたの方の軽微というのはまた違うんだよね。だから、仮にこういう需給調整なんかは具体的にどういうぐあいでどういうふうに決めていくんですか。
  175. 小山森也

    政府委員小山森也君) これは具体的な場合におきましては、前もってこういった場合というのはなかなか決めにくい問題がございます。というのは、一つの需給調整——需給調整という言葉はちょっと私ども使ってないんでございますけれども、著しく過剰な設備になったときのみと言っておりますけれども、例えば東京−大阪間というような問題をとりましても、そのときのいろいろな、個々別々によって変わってまいりますし、例えばある一定地域電気通信設備というのになりますと、一般的な尺度でなかなかはかれないという点がございます。したがって、前もってこれを一つの定型化した形でこれが需給といいますか、過剰な設備というのはこれであるということがなかなか言いにくい点だと思います。  ただ、御質問の中にあったどれくらいが軽微かというのは、変更の場合だろうと思いますけれども、変更する場合におきましては、この電気事業では当初の計画に対して二〇%を超えた場合は軽微でないと言っておりますし、ガスでは一〇%と言っております。ただしかし、電気通信の場合は非常に技術革新の最も著しい場面でございますので、このような二〇%、一〇%というような形をとるとおよそ実情に沿わないのではないかというところから、量的な変更についてもこれは相当大幅な形で認めなければ実際と計画との間で往々にしてというか、非常に多い機会でずれが出てくるであろう。それを一々変更というような形で許可をするというのは実情に合わないと思っている次第でございます。
  176. 大森昭

    大森昭君 私も正直申し上げて余り技術的なことは専門家じゃないからよくわからないのですが、いずれにしても、こういう新会社が仮に発足するようなところは、そういうのは公社郵政省ときちっと詰めてからということになるんですか。  どうもこの法案をずっと審議していくと、あいまいなところは明確にしてもらいたいのだけれども、何かあいまいなところはみんな郵政省が行政権を持ってというようないや、これは私の感じですよ。いや、そうじゃないと言えばそれでいいんですが、何かそういうふうに感じられるのですがね。いろいろ公社とは恐らく技術的なことからいろんなことから相当綿密に打ち合わせしてやられているのじゃないかと思うのですが、そういうふうに理解していいですかね。
  177. 小山森也

    政府委員小山森也君) この法律をつくるに当たっての公社等の御意見というものは、かなり密接な関係で御意見を伺ったところでございます。  じゃ、これから先はどうかということですが、行政は事業者を離れて行政だけでできるということはまず不可能でございます。したがいまして、事業をやる方と、何も新電電だけでなしに、新しく参入する方も含めましてそういう事業者と意思疎通を密接に行わなければ、遊離した行政というのは事実上あり得ないわけでございます。したがいまして、今後ともそういった意思疎通を行って、適切な形で運ぶというのが私たちに課せられた一つの仕事だろうと思っております。
  178. 大森昭

    大森昭君 話としてはよくわかるんですが、ただ新しい会社の方を何とかしてやろうという気持ちが動きますと、新電電は、とにかく巨大な資本と、巨大な歴史と、巨大な伝統と、とにかくさっきも質問したように優秀なあれですから、こっちを少し押さえ込んで、今度できる新規参入の方を少しよくしてやろうなんという、一般的に私はそういう発想しか浮かばないのですけれどもね。それはどうも公正か公正じゃないかわからないけれども。だから、新しい通信事業をやるときには、少なくとももうまさに公正であらねぱならないということを感じますので、何か郵政省も三流から二流だなんということになっているようでありますが、行政官庁の形はかりじゃなくて、頭の方もひとつ三流から二流にならないとこれはいけないわけでありますから、先の話ですけれども、どうかひとつお願いしておきます。  次に、これだけはどうしても確認してもらいたいのは、いずれにいたしましても、総裁も午前中いろんなことを育っておりましたけれども、とにかく労使間でこれからいろんな問題が取り扱われるわけでありますが、公社の中ではいろんな制約があると、新しい会社にすれば、賃金にいたしましても、労働条件にいたしましてもとにかく自主的に物事は解決できるのだということを言っているわけですから、少なくともこの経営形態の変更の中で、労使間における賃金だとかその他の労働条件の自主的決定には一切行政的な介入は郵政省はしないんだと思いますが、どうですか。
  179. 小山森也

    政府委員小山森也君) お説のとおり、事業当事者に十分な自主性を与えて、それによって事業活動をしていただきたいというのが立法の趣旨でございます。したがいまして、労使間の賃金その他の労働条件の自主決定について行政が介入するということは毛頭考えておりません。
  180. 大森昭

    大森昭君 ぜひそういうことでやっていただきたいと思うのです。  もう私どもは心配すれば切りがないんですが、例えば仲裁裁定も、今だって本当は仲裁裁定をこれは政府が介入できないのに、衆議院はこの間通ったようですけれども、まだ今日実施がされないというようなことですから、そういうことで、今局長が言ったやつ、また疑っているわけじゃありませんが、いろんなことが制約されるわ、労使でもって団体交渉をやるやつもいろいろ介入されるわということでは、これは何のために経営形態を変更するのかよくわかりませんので、どうかひとつ今局長が言った趣旨合いでやっていただきたいと思います。  そこで、労使間が自主的にいろいろ決めることに介入をしないということになると、まずその前提としてやっぱり労使間がお互いに物事を自由に決定できる基盤がなくちゃいけないと思うんですね。そうすると、労働組合というのは少なくともストライキをやることがいいと私は言っておりませんが、しかし余り経営者の回答が理不尽だということになれば、やはり労働組合はストライキを構えて問題を解決していくというのが私は素直な形だろうと思うんであります。  きょうは労働大臣が実はおりませんので、というのは労働大臣を実は私呼ばなかったんでありますが、少し所管等は離れますが、郵政大臣、あなたもこの事業をいろいろ監督する立場でありますから、衆議院の修正についての、見解というと少しきつくなりますから、いずれ労働大臣にいろいろ質問したいと思いますが、所感といいますか、御感想といいますか、これはどういうふうにお考えでしょうかね。
  181. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 今回の民営化に当たって重要な点は、労働三法が適用され、スト権が付与されていくということでございます。ただ、特例的な経過措置として見直し規定も設けられておるわけでございますが、過日の参議院本会議におきましての総理答弁にもございましたように、三年間の良好な労使関係の中で、三年間の見直しのときにはスト特例措置の廃止も含めて検討したいという御答弁があったところでございます。通信主管の担当大臣としても、そのような方向で三年後の見直し時期においては当然廃止されるという方向の中で処理されることを願望いたしております。
  182. 大森昭

    大森昭君 いずれにいたしましても、きょう午前中から今の時間までいろいろ質疑をいたしましたけれども、端的に申し上げましていろいろ難しい問題もありますが、委員会の中ではっきりできるものははっきりしていただく。そしてまた、冒頭に郵政省側から、あるいは電電公社の方から、この改革についてはこういうことでぜひ改革をしたいというのなら、それに沿ったような、まあストライキの方は規制はするわ、営業の方もやたらと——やたらと言うと少し言葉がよくないんですが、私に言わせれば、もう会社になったんだから少しは自由にさしたっていいじゃないかというやつもどうも一々行政が関与する。何かこの話を質問していても、端的に言ってもうちぐはぐ。そして、まあ法案さえ通ればとにかくうまくやるよというんじゃ、これは正直申し上げて私ども責任持てませんから。  もう私は時間がありませんから、最後に総論的なことで申しわけありませんが、私どももそれぞれ私どもの言ったことを全部やっていただくことが一番いいんでありますが、しかしなかなかそういうわけにいかないときには、わかりやすく、そのことが受け入れられる受け入れられない、こういうことをきちっと——まだ私も六時間の質問で、きょうは二時間四十五分で、委員長質問しなければそのまた半分の三時間が私のところに来るようでありますからゆっくり質問もしたいと思いますが、時間ばかりかけたからいいということじゃないんでありまして、問題が一つ一つ解明されればそれでいいんだろうと思いますから、どうかひとつそういうことを最後にお願いをいたしまして、私の持ち時間も来たようでありますから終わりにしたいと思います。  どうもありがとうございました。
  183. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 大森委員の質問はとりあえず終わりました。
  184. 中野明

    ○中野明君 きょう私持ち時間を百十分いただいておりますが、けさほど来同僚の大森委員の方から重要な点についてだんだんにお話がありました。  まず、私最初に、この日本電信電話公社の経営委員会、この経営委員会というのがどういう権限を持ってどういう仕事をしているのか、そこのところを最初にお答えいただきたい。
  185. 岩下健

    説明員(岩下健君) お答えいたします。  経営委員会の機能あるいは職能につきましては、公社法に定めがございまして、端的に言いますと、重要事項の決定ということでございます。例えば年度の予算あるいは事業計画、資金の調達ないしは償還計画の設定、こういう事業運営の基本にかかわる問題につきまして決定をするという、これが経営委員会の基本的な機能でございます。
  186. 中野明

    ○中野明君 今回のこの三法案は結局、我が国が従来とってきた通信の一元化ということを大変革する大変な画期的な過渡期の法案であります。電電公社にとっても公社から会社組織になるということですから、私は、今お答えがありましたように、経営委員会というのは公社法公社の業務の運営に関する重要事項を決定すると、こういう機関であるというふうに承知しております。それで、きょうは私、参考人として当委員会に経営委員会の代表である経営委員長の出席を求めたわけですが、他にお差し支えがあるということで、おいでになっておりません。非常に遺憾に思っております。公社のいわゆる最も重要なことをこの法案でやろうとしているときに経営委員長としての見解なり、御意見なり、日ごろいろいろ議論なさっていることについて私確認をしたい、また議論もしたいと思って要請をしたわけですけれども、おいでになっておりませんので、きょうは経営委員長に対する質疑というのは、委員長にお願いを申し上げますが、留保さしていただいて、次においでになってきたときに質問をさしていただくと、こういうふうにしたいと思います。
  187. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまの中野委員の御発言は非常に重要でございますから、次回の委員会においてさよう取り計らいます。  質疑を続けてください。
  188. 中野明

    ○中野明君 よろしくお願いいたします。  それでは最初に、総裁は民間から総裁におなりになりました。今回のこの法案が成立いたしましたとして、電電公社が特殊会社に移行する、このことについての総裁として忌憚のない御意見をお聞きしたいんですが、この特殊会社に移行したことによって、けさほど来、郵政省の考えはある程度承知いたしましたが、総裁として民営化になったときのメリット、そしてデメリットもあると私は理解しておりますが、メリットとデメリットについてどのようにお考えになっておるか。
  189. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 今度のこの法案のとおりに私どもが動けるようになったというふうになりますと、まず一番変わってくるのは職員の考え方がずっと変わるだろうと思います。要するに働きがいのある職場ということが期待できるんじゃないかというふうに考え方が変わってくる職員が大部分だろうというふうに思っております。  企業というものが自立するためには、その企業の中の職員の仕事に対する意欲のあり方というのがその企業の活力の源泉でございまして、この意欲、仕事をしようと、それによって自分の生活を向上しよう、またその可能性があるという状態に持っていくということが一番大事なことじゃなかろうかと思います。そういうことを考えますと、この法案に書いてありますいろんな内容から、私どもの職員の中に持っております技術なり組織力なり作業意欲なりというものをこれから先の高度情報社会にかなり有効に利用できて、それによって日本の社会の高度情報社会への進歩を早める、それに貢献するということによって、それをやる新しい仕事につく職員もそれなりのやはり希望が持てるというふうなことが、たくさんの種類のことが手を出せるようになると思います。と同時に、そういうことによりまして、この本体事業の方はずっと現在よりも合理的な運営ができやすくなるというふうに私どもは考えております。  要するに、平たく申しまして、私どもの仲間の職場が広がり、そして仲間の働いたための収入のパイが大きくなればということが、可能性が開けできますので、そういうことを基準にして合理的な経営を労使協調しながらやっていくということの中から、非常に明るい将来の道が開ける可能性があるというふうに考えておりますので、私どもの経営の基本理念は、その線に沿っていくのが常識だというふうに考えております。  と同時に、いろいろ国会の方で御議論もございましたし、世間でもいろいろ議論もありますように、公共事業というものだよということを決して忘れてはいけないということなんです。しかも、新規参入が入ってまいりましても、当分の間は実質的な一元コントロールみたいな形がしばらく続くわけでございますから、この公共事業だよということを十分頭に入れながら、公共事業のあり方ということは、やはり今日まで長い間公社制度でやってまいりました公共事事に対する義務感というものは、いい伝統として残していかなきゃいかぬというふうに考えております。で、積極性と自制力というもののバランスを上手にとっていくということが一番大事じゃなかろうかと思います。自制力を落としますといろんな問題が将来出てくる可能性もあると思いますので、その辺は十分引き締めながら、自粛しながら行動すべき問題だというふうに考えております。
  190. 中野明

    ○中野明君 デメリットの方はどう考えておられますか。
  191. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) デメリットは、その自制力が失われたときに出てくるというふうに考えられますので、わがままがちょっとでも出ますと、公益事業公共事業というものは、その存在の根本の形を失っていくという危険性は多分にあると思います。
  192. 中野明

    ○中野明君 そのほかに、経済的なことを言えば、民間会社になるんですから、結局納税もしなきゃならぬでしょうし、あるいは株式の配当もしなきゃならぬ。そういう面で、財政的にある意味ではデメリットが出るんじゃないかというものも一応考慮に入れておく必要があるんじゃないかと思いますが、今の総裁のお話では、まあ職員が、どういうんですか、ますますやる気——現在もやる気でやっているんでしょうけども、お話をちょっと聞くと、現在はあんまり意欲がないような言い方をなさっているんですが、今日まで頑張ってきた、そしてこういう結果を出した公社の経営といいますか、従業員とそして経営陣が一体になって行ってきたこの公社経営の評価というものは、総裁としてどう思っておられますか。
  193. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 私、就任以前に考えておりましたよりも、今日まで参りまして私の予期以上にいい結果が出ておるというふうに考えております。そして、今先生のおっしゃいましたような数字を出すのには、ただ単に通話量がふえてきて自然的に発生した増収というものの力よりも、むしろ社内で努力して生み出した冗費節約といいますか、費用の使い方の合理性というものの進歩によって得られた部分が非常に大きいというふうに、私自身も予期以上の成果が出たことに対しては深く感謝いたしております。  そういう面で、この新しい会社になりますと、今先生おっしゃいましたように、納税の義務も出てまいりますし、配当もしなきゃなりませんが、現在の数字の動きから予想いたしまして、この納税の義務あるいは配当の支払いその他のことにつきましては、数字の上ではかなり自信が持てるというふうに思っておりますし、またそういうことが現在のままでいきますと、案外そうそう無理が続いていけるもんじゃございませんで、現在のように電気通信事業以外にはほとんど手を出してはいけないという環境の中では、ちょっといろいろな問題が出てまいろうかと思います。要するに職場が広がらないわけでございますから。
  194. 中野明

    ○中野明君 以下、私、これから質問をするわけですが、通信の一元化をとってきた電気通信をここで競争原理を導入するわけですから、大変革になります。その結果として、国民に迷惑がかかるといいますか、負担がかかるようなことになったらこれは何にもなりませんので、そういう形から先ほども、後ほどこれは法案の中身に触れていきますけれども、過剰投資というような心配も一部出てくるわけでして、今総裁も御案内のように、アメリカも自由化に踏み切って、かなり思い切ったことをしているわけですが、アメリカにおきましてもATTの解体といいますか、そういうことによりまして結局いろいろの問題が派生しておりますし、日本とは少し形態が違うようですけども、一部の意見では、結局裕福な人がショッピングやあるいはバンキングのためにコンピューターにアクセスはできる、そのために片方でいわゆる老人世帯とかあるいは大半の一般大衆は自分の電話を賄うのに大変だと、こういうようないわゆる一種の情報貴族を醸し出すというような議論がアメリカでも出ているようでございますが、こういう心配をないようにしていかなきゃならぬというのが私たち審議に当たる者の一つのねらいなんですが、けさほど来、大森委員も質問しておられますように、今回の法律も結局は、確かに具体的に技術の進歩とかそういうことがありますから、挙げられないものはあるかもしれませんが、政省令にこの法案でも八十五項目ゆだねられてるということです。  郵政大臣ね、私最近特に強く感じるんですが、郵政大臣は今大臣の立場ですけれども、やはり同じく国会議員として法案審議にも当たられた経験をお持ちなんですが、この国会の法案を見てみますと、風俗営業法というこれの改正が出ております。これも政令委任が、私細かく計算すると百項目、通常七十七項目と言われております。あすですか、参議院で審議が始まろうとしている男女雇用均等法、この法律も重要なところ十八項目というのが政令に委任される。ですから、議論をしていくと、それはまだ決めておりません、これから検討しますというようなことがこの政令の中に多々出てくるわけですね。そうすると、我々法律審議して、そして国会で成立をさしたときに、果たして白紙委任をしておって責任が持てるかどうか、余りにもこれが多過ぎるということ。ですから、こういう傾向というものは私は決して好ましくないと思っておりますし、このままで通って、後になってからそれは約束が違うじゃないかと言ったってこれはもう話になりません。ですから、可能な限り具体的にこうしますと大事なところは我々に示していただかないと、これは責任を持って審議をできないということになるわけです。この点、特にこの国会は目立ってしょうがないんですが、大臣として、私はそういうことになるということになると法案の出すのが少し早いのじゃないか、もっと話を詰めて、政令に任せるところはこうなりますよということがきちんとしてから国会へ出されるのが法案提出のあり方と違うだろうか、このように私考えているんですが、大臣の所見を聞かしてください。
  195. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 目下御審議を願っているのはまさに基本的な骨格に当たる本法でございます。したがって、政令にゆだねる部門というのはあくまでも本法の枠組みの中で実施細目についてのそれぞれの形を決めていくわけでございますが、本法の御審議を願っておる段階で既にもう政令内容云々という形になると、また立法府の立場である先生方からの強い御指弾、御指摘も受けてきたことも、これまでの経緯から言ってよくそのように理解しているところでございます。したがいまして、あくまでも本法の法の明定する枠から離れないということは当然でございますし、できるだけ審議の過程において政令にゆだねる部分の内容も明らかにしていくことは当然必要であろうと思っております。そのようにまた政府委員にも答弁するように申しつけてあるところでございます。
  196. 中野明

    ○中野明君 余り自由裁量が多いと非常に不安が出てくるわけでして、これから項目を追って私気にかかっているところをはしょって御質問いたします。  まず、事業法でございます。これが公衆電気通信法にかわる基本的な法律になるようでございますが、この事業法でもそれから会社法でも同じなんですが、目的にいわゆる公共の福祉ということを外された。公共性を外されたというのは何か意識して外されたんじゃないか、そのようにとられてしょうがないんですが、これを外されたというのは何かわけがあるんですか。
  197. 小山森也

    政府委員小山森也君) これは会社法には入っておりませんが、電気通信事業法の第一条に「電気通信事業公共性にかんがみ、」という言葉が入っております。それで、さらにそれを敷衍いたしまして「利用者利益保護しこということでございまして、この電気通信事業法の第一条というものは電信電話株式会社法にも、これは基本法でございますが、かかってくるということでございます。したがいまして二重の表現を避けたということでございます。第一条には入っているわけでございます。
  198. 中野明

    ○中野明君 そうすると、この事業法で書けているからもう会社法では改めて書く必要はないと、このような理解ですか。
  199. 小山森也

    政府委員小山森也君) 会社法は当然この事業法の中に規定しますところの電気通信事業者一つであり、しかもこれは、それではなぜ会社法という特別のものを設けたかといいますと、従来の電電公社というものの行っていた仕事、それから法的独占によって行っていた仕事をそのまま受け継いでくるというところから、これは特別な法律をもって特殊会社としているわけですが、位置づけとしましてやはり電気通信事業法のもとにおける電気通信事業者一つでございます。したがいまして、電気通信事業者としては当然この電気通信事業法の第一条というものほかかってくる、こういうふうに理解してこのようにしたところでございます。
  200. 中野明

    ○中野明君 それじゃ次にまいります。  第九条第一種電気通信事業関係でございますが、いろいろ巷間言われておるわけですが、新規参入について一元化が好ましいとか、あるいは競争をもっと自由にさしたらいいんじゃないかとか、特に郵政省サイドから一元化というような話も出たやに伝えられているんですが、その辺の事情、新規参入の見通しといいますか、状況をちょっと説明してください。
  201. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 恐らく先生の御指摘の点に触れると思いますので私から最初に答弁さしていただきますけれども、恐らく一種事業の新規参入を予定されているいろいろな動きについての私のコメントの一部が報道されたことが原因ではなかろうかと思うわけでございます。  結論から申しますと、一種業者に関しまして新規参入に関してあらかじめこれに対して政治的に関与して、あるいは需給調整に関するような行為をいたすというような気持ちはありません。  ただ、私が言ったのは、新電電は、たとえ民営化移行後といえども、その持てる資金、持てる技術、持てる人員、すべてにおいてガリバー的な巨大企業である。一種に新規参入を予定している業者はそれぞれ今プランを持ってそれぞれの特徴を生かそうという動きはあるけれども、これらの業者もできるだけお互いの知恵を出し合い、お互い技術を出し合い、お互いの資金を出し合い、そういった形の中でそれぞれの長所と知恵を生かしてやる方向に現実的には落ちつくのではないか。要するに、建前の上では新規参入、我も大もというような風潮ですけれども、なかなか一種事業に関しては技術といい、資金といい、並み大抵の企業ではありません。しかもガリバーに比較して民間新規参入と予定されている個々のプランを見てもこれは小人ぐらいでございます。したがって、それらがガリバーに協調的、競争的な形でやるとしても、これらはそれぞれの特徴を生かし合っていった方が、より現実的な処理としてはそういう方向に動くんではなかろうかという私の一つの見通しが非常に最初からクリームスキミングされまして、言ったうちの一つの言葉が非常に大きく報道になったという経緯がございます。  したがって、私としては、当初にも申し上げましたとおり、新規参入に関しては競争原理を公正に働かすような方向にいってほしい。しかし、新電電とは競争料金を安くというメリット国民に還元していただかなければなりませんけれども、将来におけるアクセス等々においても新電電とは協調体制の中でもまたやらなければならないという一つの点を指摘したわけでございます。
  202. 中野明

    ○中野明君 今の郵政大臣のお話の中に、結局「許可の基準」の二項ですか、「電気通信回線設備が著しく過剰とならないこと。」、このように許可の基準をうたっているわけです。ですから、結局著しい過剰ということになると、今おっしゃったように次々に出てくれば著しい過剰になってくるわけですね。そういうところから大臣としては一本化が好ましいというふうに思っておられるんじゃないかということなんですが、この著しいというのはどの程度のことを考えておられますか。
  203. 小山森也

    政府委員小山森也君) これはなかなか一つの数量的なことで基準を示すというのは難しいわけでございます。当該事業を行う区域または区間において電気通信回線設備が著しく過剰とならないことというふうに理解しておるのでございますが、これは事業の安定性を確保するという立場から電気通信役務提供の基盤となる電気通信回線設備の量的な適合性を見ようとするものでございます。  なぜこういうことを入れたかと申しますと、電気通信回線設備というのは莫大な投資を行って設置されるものでございまして、しかもその用途は特定化され、その撤去ということも容易なことではございません。また転用も不可能であるということでございまして、電気通信回線設備の過剰投資を放置すると結果的に利用者にはね返ってくるということになる、そういった考えでございます。  ここで、「著しく過剰」というのはどういうことかという御質問でございます。これは個別、具体的なケースごとに見るよりか手はないのでございまして、その個別、具体的な地域の需要の見通し、市場の規模、当該事業者の採算の規模、既存事業者の有する既存回線設備、こういったものを見て総合的に判断するということでございます。これは前もって全国的な規模における基準というのはつくりにくいということでございます。例えばある区間、東京−横浜間であるとか、あるいは仙台−東京間であるというようなことになってまいりますと、初めてそこにおいて既存の事業体回線設備との関係がどうなるかというのが出てまいりまして、それと需要予測ということとを見合わせて出ると考えるということでございます。したがって、一般的、総合的基準というのはなかなかつくりにくいということでございます。
  204. 中野明

    ○中野明君 そうすると、例えば東京−大阪間だったら幾つぐらい通信回線設備があっても著しいと思わないのか、その辺はどう考えておられますか。
  205. 小山森也

    政府委員小山森也君) そういった特定区間の著しい過剰とはどの程度であるかということについてはまだ検討していないということでございます。
  206. 中野明

    ○中野明君 具体的にやっぱりある程度考えておかれないと、許可の基準がはっきりしていないということになるとなかなか、これ参入しようとしても、さっき大臣が言ったように、一元化しなければしょうがないのかなというふうなことになってくるわけでして、その辺がどうも煮詰まっていないような気がしていけません。  それで、いずれ後にも関連してくるんですが、許可をするに当たりまして、先ほども話が出ておりましたが、この電気通信審議会に諮ることになります。今回は、この大改正によりまして電気通信審議会の役割といいますか、これは非常に旧来と全然趣が変わってきて、この中身も非常に電気通信政策の重要な部分にかかわってくるんで、この審議会の状況、これがこのままでいいかという私非常に疑問を持つわけです。公聴会の話もさっき出ておりましたが、今回は会社法が成立をしますと当然経営委員会も要らなくなります。今までは一つ電電公社という会社の経営に対して重要事項を決定するために経営委員会というのが設けられておったわけです。そして、これは国会承認大事になっておりました。今回はこの審議会が、これからの我が国の電気通信政策の根幹にかかわることを許可したり、あるいは審議、諮問をしたりすることになるわけです。ですから、この電気通信審議会というものを拡大強化して国会承認大事にするという、この考え方を持つのが私は至当じゃないかと思います。そうしないと、結局国会とはもう完全に離れてしまって、そして国会として日本の国の最も大事な電気通信行政を何ら、チェックと言えば言い過ぎかもしれませんが、関連ができない、郵政大臣の諮問機関ではいかぬと、同じ諮問機関でもこの人事は国会の承認に係らしむるべきじゃないか、私はこのように考えるんですが大臣の見解をお聞きしたいと思います。
  207. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) ちょっと先に政府委員に。
  208. 奥山雄材

    政府委員(奥山雄材君) 電気通信審議会の委員の任命形式についてのお尋ねでございますが、例えば郵政省に置かれております審議会のうち、電波監理審議会につきましては、先生御承知のとおり、両院の同意を得た上で郵政大臣が任命をしております。その趣旨は、電波にかかわる重要事項を審議することもさることながら、電波に関する郵政大臣の処分あるいは行政処分あるいは決定に対する不服申し立て、異議申し立て等行政処分等に対する国民の権利義務直接を踏まえてのいわゆる行政不服審査の一環としての権限を持っているわけでございます。そのような機能を持っている電波監理審議会につきましては国会の御同意を得た上で郵政大臣が発令さしていただいておりますけれども、電気通信審議会につきましては電気通信に関する基本的な事項を審議し、あるいは郵政大臣に建議するという諮問機関ないし建議機関でございますので、電波監理審議会のように準司法的な機能を持っておりません。したがいまして、任命行為といたしましては郵政大臣が直接任命する形をとらしていただきまして、その運営の中で、先ほど来言っておりますような公聴会の道を必要とあれば開くとか、その他の方途を講じてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  209. 中野明

    ○中野明君 それではあかんから言っておるわけです。  これは大幅に変わってきたわけです。今度の第二種、第一種から第二種、許可、それから届け出、そういうことについて許可とか、それは全部ここにかかってくるわけです、料金も。ですから当然、今言われたように電波とそれから電気通信とはこれはもう双壁ですね、国の行政の中でね。双壁に当たります。だから、どうしても、言葉は悪いかもしれませんが、郵政大臣が気に入った人をずっと選んで、それをその審議会にかけて云々ということになると、これちょっと私どもは気にかかる問題があるわけです。ですから、一電電公社の経営委員も国会の承認案件になっているぐらい電気通信事業というものを重要視しておったわけです。それが今度は、公社は特殊会社になったかわりにそれに競争相手が出てくる、それに許可を与える、あるいは料金の決定をする、その諮問は全部ここが受けていくわけですから、やはりこれは国会の承認大事にするべきじゃないか、私は強くそう思っているわけです。そうしないと、これこの法律が通ってしまったら、国会として、電気通信行政といいますか、国の電気通信のあり方について私どもがある程度関与できる糸口というものはなくなってしまうわけです。この点について御一考される気持ちはありませんか。郵政大臣、どうですか。
  210. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 電気通信審議会のメンバーの任命に当たっては今政府委員がお答えしたとおりでございますけれども、恐らくこれは各省の審議会と多分に横並び的な形での方向で処理、法案化されたものだと思っております。しかし、今御指摘の御趣旨は十分私も理解できます。しかし、今ここですぐ結論めいた形でやるという形は差し控えさせていただきますけれども、先生の御趣旨を生かした方向の中で何とか処理する方途を検討させたいという気持ちでございます。
  211. 中野明

    ○中野明君 現在の審議会委員の名簿をちょっと見せていただきましたが、これでは到底期待にこたえられないと思いますし、現在この委員の中に、将来要するに第一種で競争しようじゃないかという関係の出資をしておられる方も入っておられるんですね。京セラですか、ここに出資している会社の頭取も入っておられる。こういうことになってきますと、やはりいろいろこれは問題が出てくるんじゃないか、このように思いますので、これはぜひ委員長にも私お願いしたいと思いますが、ぜひこれは国会の承認人事という経営委員会並みにこの審議会を権威を持たして、そして国民の前に納得のいくような許認可、料金の決定、これをされるべきである、このように思っておりますので、大臣の今御答弁がありましたが、少し含みがあるようですから、検討事項にさしていただきたいと思うわけでございますが。
  212. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 委員長から一言申し上げます。  ただいまの点につきましては、後ほどこの委員会の審議の過程におきまして関係当局も含めて理事懇で協議いたします。
  213. 中野明

    ○中野明君 それでは次にまいります。  第二種の問題です。第二種に当初は郵政省としては外資規制を考えておられたようですが、これがなくなったのはどういう理由ですか。
  214. 小山森也

    政府委員小山森也君) 第二種につきまして外資規制というのを初め考えたわけです。これにつきましては、外国、特にアメリカの巨大通信事業者、これが資金力、技術力というものを動員いたしまして国内市場に来た場合において、貿易の問題としてではなしに、当初外国の通信業者に国内の通信を席巻されるおそれがあること、こういった点から一度確かに外資規制ということを考えたわけであります。ただ、その場合も原案といたしましては二分の一以上はだめということではなしに、二分の一以上あって国内通信の自主性が損われるおそれがある場合においてと、こういうことでございまして、二分の一以上の資本が入っては全部だめという原案ではなかったわけです。しかしながら、よくその後調べてみますと、二番問題になります我々考えましたATTとかIBMというような巨大資本、これがVAN業務にいつから入ったかということを見ますと、つい昨年から参入したばかりでございまして、それまでは禁止されていたわけでございます。それに対しまして電電公社は、もう既に十二年前から全国の銀行を対象とした為替交換システムなどをやっておりましたし、またDDX網サービスなどというのもかなり前からやっているという実態で、このIBM、ATTというような巨大な通信事業あるいは電算機メーカーというものが、この面についてはまだ非常に参入したばかりであるということが一つございます。したがって、むしろ我が国の電電公社の方の大規模VANの方が先行しているということがあります。  ただ、問題はそうではなしに、小規模のVANでございます。これはやはり十年前に既に通信網を開放してございますので、このレベルのものでございますと日本より経験が非常に深いということになります。さらに検討を進めますと、要するにこういったVAN業務というのは、ただ単にアメリカのソフトをそのまま持ってきて通用するわけじゃない。要するに帳簿一つのつけ方にいたしましても日本の税法とアメリカ税法が変わっておりますので、そういったソフトをつくるに当たりましても、そのままアメリカのソフトを持ってくるわけにいかない。それと同時に、商慣習というものも大分違って、直ちにこれを参入するというのはなかなか困難であろう。こういう小規模VAN、大規模VANそれぞれについて考えたわけです。そういった場合に、我々は事業者がどうかということで、外国の席巻がないということになれば利用者にとってどれが最も安く便利に使えるかということを考えるべきであろう。そうであるならば、やはり内外無差別にして各事業者が競い合って、そのことによって利用者料金を安くしていって使いやすいものにするという方が政策としては適切ではないかという判断に立ち至ったものでございます。
  215. 中野明

    ○中野明君 小規模のVANはある程度私わかりますけれども、特別第二種大型VANというのは少しアメリカを甘く見ておられるのじゃないかというふうに心配をしております。いまだにその懸念は私たち払拭しておりません。やはり総裁も先ほどおっしゃっておりましたが、小規模VANということについてのデータだろうと思うんですが、これはかなり執拗に外資規制を外せ、開放しろと迫ってくるだけの私は根拠と自信をアメリカも持っているんじゃないか、こう見るのが正しいと思うんです。ところがどうなんですか、特別第二種電気通信班業とそれから一般の二種電気通信事業、これの基準といいますか、どこで線引きをするのか、通産省との話し合いは終わったんですか。
  216. 小山森也

    政府委員小山森也君) これにつきましては、特別第二価と一般第二種の切り分けでございます。  まず、特別第二種事業法律にありますように「不特定かつ多数の者の通信の用に供する」ものだということ。それからもう一つは、条件として「当該設備の規模が電気通信回線の収容能力を基礎として」というのは、数量的に「政令で定める基準」と、こういうことでございます。  そこで、私どもとしましては、政令でございますので、どういうような案を今持っているかと申しますと、大体千二百ビットのレベルの五百回線、これを境にして特別第二種と一般第二種に分けるようにしたいと思っておりますが、これは政令でございますので、まだ法律ができておりませんので、各省協議をするという段階にまいりません。したがいまして、これを郵政省原案として各省に照会をして進めていきたい。そういった場合には当然密接な関係があります通産省とも折衝するということでございまして、通産省との関係はまだ決まっておりません、それが実情でございます。
  217. 中野明

    ○中野明君 通産省は、今の郵政省基本的な考え方にどうですか。
  218. 牧野力

    説明員(牧野力君) お答えいたします。  今、小山局長からお話がありましたように、これは法案が通りました後で、この原案は郵政省がおつくりになるわけですから、私どもが協議を受けまして御意見を申し上げ、意見を調整するということになっております。今局長が申されましたように、私ども今までそういう話を何ら伺っておりませんので、今この数字についてどうこうということは申し上げられないことをちょっと御了解いただきたいと思います。  ただ、一般論といたしまして私どもとしましては、なるべく民間事業者が創意と工夫を最大限に発揮し得るように自由な活動の範囲を広げるということが必要であろうというふうに思っておりますので、そういう観点から、特別第二種、一般第二種の線引きが行われる、そういう原案が示されるということを期待をしているところでございます。
  219. 中野明

    ○中野明君 だから、さっき私、政省令が多いといって文句を言うたわけですが、こんな大事なことがまだ詰まってないというのは問題だと思うんです。特別第二種にするのか第一種にするのか、こんなことは既にもう通産省と話を詰めてこうなっていますと、こういうふうにしていただかないと、我々この法律を通した後から、通産省と話がうまくいかぬで基準が変わりましたとか、そういうことになる心配をしているわけです。ですから、こういう大事なことを決めないで、話が詰まらないで、今腹の中でそう思っていますだけでは、私はこの法案をああそうですかと言うわけにいかぬ、これは非常に大事な問題で、二種に入るか、一般の二種か特別二種かということは大変な制約が違ってくるわけですから、こういうことがまだ煮詰まっていないというのは非常に問題だと思います。  それからもう一つ気になるのは、この四月六日に伝えられております、アメリカが、マンスフィールド駐日米大使が非常に注文をつけていますね。そして、それに対して安倍外務大臣は、この法案は米国など外国の立場を十分に配慮しながら慎重に検討してきた、なお煮詰めるべき若干の要素が残っており、それらは政省令の中で結論を出す、日米間の協議は必要があれば開く用意がある、こんなことを言っているんですがね。だから、こういうことになると、先ほどの外資の規制から始まって政省令の中身までアメリカが首を突っ込んできてがしゃがしゃかき回すということになると、これ一体どうなるのか。だから、積極的にここまで来ているということは、アメリカとしてはかなり自信を持っている。そして、この開放を契機にして、日本のいわゆる情報通信産業をどんどん侵食していこうという意欲がありありと出ているんじゃないか、こう思うんですが、外務省来ていますか。——これについて、どういうことなんです、説明してください。
  220. 七尾清彦

    説明員(七尾清彦君) 御指摘のマンスフィールド大使の外務大臣訪問は、四月の五日、訓令によりということで外務省に来省したわけです。  その際のまず第一点、先方が強調をいたしましたのは、この四月五日に至る過程におきまして、法案準備の段階、異例のことではありますけれども、アメリカ側との意思疎通、連絡をとったことに対する国務長官からの謝意を表明したというのが第一点でございます。  それから第二点は、その当時アメリカ側も最大の関心を持っておりました特別第二種事業、これが新聞紙上に届け出制、許可制あるいは登録制、いろんな報道もございまして、できるだけ特別第二種につきましても事実上の許可制にならないよう、内外無差別ということが確保されることを要望したい。  第三点は、アメリカとしては今後、国会での法案審議の後の実施段階、政省令におきましてできるだけ行政の簡素さあるいは透明性、そういったものが確保されることを希望する。  これを受けて、外務大臣からは、極めて大事な問題であるので、アメリカ側の要望の諸点は関係閣僚には伝えることにしましょう。むしろ政省令の策定の過程でアメリカと協議する云々という報道が行われましたが、実は外務大臣の方からは、この問題につきましては極めて機微な問題であって、アメリカ側も慎重に対応することを要望する。アメリカ側の本日御提起あった要望については、念頭には置いておきますというような応答をしております。  以上でございます。
  221. 中野明

    ○中野明君 ですから、アメリカは日本の法の運用にも注文をつけたということで、マスコミからもかなり批判の論陣が出ているわけですね。そういう状況下において、先ほど局長が言っていますように、自信があります、アメリカが来たって大丈夫です、こういう安易な考え方でいいんだろうか。特に、これは大変な情報をプールするわけですから、一つ違うとという心配をしております。  それに関連をしまして一般第二種は、これも届け出だけで、やめるときも届け出だけで何もないんですね。今日どういうのですか、非常にVANVANということで、えらい猫もしゃくしも人気が出てきているというような感じで、希望者が殺到しているやに聞いておりますけれども、しかしながら、やはり新規のことについてはだれしも関心があって、そしてたくさんあちらこちらにVAN事業をやりたいという人が出てくるでしょうけれども、そう簡単に林立して過当競争になってそしてつぶれていく、あるいはもうからぬからやめたと、そういうところも出てくるのではないか。今はとにかく何か日本国じゅうが一斉にVANでみんなが踊っているみたいな感じに受け取っておられるようですけれども、さあできてみた、競争が激しい、そして結局、経営上こんなものは大したことはないということでやめるようなときが出たときに、この目的でおっしゃっているように利用者保護ですね、利用者保護というものをどうするかということですね。急に調子が悪いからもうやめましたということになると、データを預けている人たちは大変な迷惑をこうむって、またそれが悪用されるということもなきにしもあらずなんですが、その辺の利用者保護についてはどうお考えになっていますか。
  222. 小山森也

    政府委員小山森也君) 一般第二種の場合でございますが、確かに届け出だけでこれは事業を開始することができるようになっております。ただしかし、ただいま先生が御指摘なさいましたような一般第二種の事業者が大勢の利用者を抱えたまま、ただ単に経営上の問題であるとか、あるいは通信秘密等を守らないままで事業をしているということになりますと非常に被害が及ぶわけでございます。  したがいまして、まず第一に届け出という行為はどういうことを意味するかといいますと、これは届け出をしたことによって一般第二種事業者になったということの資格を得たということ。それから、この一般第二種の事業者になった場合においては、第三十七条によりまして、「第二種電気通信事業者の業務の方法が適切でないため利用者利益を阻害していると認めるとき、」など、これのときには「業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。」といっておりまして、まず事業者に届け出という行為により事業者になる資格をそこで確定し、そのことによって今度は三十七条によって改善命令をかけることができるということにしてあるわけでございます。
  223. 中野明

    ○中野明君 やめるときにこれはやめましたという届けが出たら、これどうなるんですか、利用しておった人は。
  224. 小山森也

    政府委員小山森也君) やめるときには別に措置はございません。ただ——ただと言いますと非常に言い方が極端になるんでございますけれども、今でございましてもVAN業務というのは、一般第二種は特別と違いまして比較的複数事業者があるものですから、代替性があるということは言えるわけでございます。普通、電気通信ネットワークというのは代替性がないと言われております。一つネットワークに参入しましてそこから退きますと、今までの一対一の関係でなくて複数に網の目状になっているので非常に代替性が乏しいと言われておりますけれども、一般第二種の場合は電電公社ネットワークのような、あのような大企模、複雑ということでもございませんので、特別第二種等に比べまして、これについては代替性があるのではないかということを私ども考えておりまして、現在でも届け出状況を見ますと、四十二社五十システムが中小企業VANで動いているというようなことでございまして、その事業者がやめたことによってその瞬間どうする、これは被害は当然あります。ないということはあり得ませんけれども、そのかわりの業者というのは案外見つけやすいのではないか。これが特別第二種と一般第二種と大分様相が変わっている点だろうと思っております。
  225. 中野明

    ○中野明君 ですから、今のお話でもあるように、全然被害がないことはないんです。ですから、事前届け出というような考え方は持てないんですか。それだけの責任ある仕事をしているんですから、ある日突然きょうやめましたと、好きなところへどこか変わってくれというような、これでは大変な迷惑なんで、事前に何か予告して何カ月か後には経営が成り立ちませんとか、おもしろくないからやめますとか、そのかわりどこそこを紹介しますとか何とか、事前届け出というような考え方は持てないのかということなんです。
  226. 小山森也

    政府委員小山森也君) これにつきましては、いろいろ検討したところでございますけれども、やはり全体として企業が自由に活動できるということが今回のこの法の精神であるということで政府部内の統一がされたということでございまして、事前届け出というのは私どもとして、政府全体としてとらないことにしたという経緯がございます。
  227. 中野明

    ○中野明君 ちょっとそこのところ気になることです。  それから、料金のことで進みたいと思いますが、料金の認可基準ですね。「料金が能率的な経営の下における適正な原価に照らし公正妥当なものであること。」、先ほどの答弁では総括原価主義というふうにお答えになっておったと思うんですが、総括原価主義ということになると競争に耐えられるかどうかという心配を私はするんですが、その辺はどうお考えですか。
  228. 小山森也

    政府委員小山森也君) 競争に耐えられるかどうかということは、個別のサービスそれぞれについて原価主義をとるべきであるというお説かとも思われますけれども、これも一つ考え方でございますが、ただ、三十一条の考え方というのは、「適正な原価」というのは個別、具体的なサービスそれぞれについての原価ではない。総体としての経営が能率的に行われていたならば、その内部についての配分状況はそれぞれの事業者によって任されるべきであろう、こういうふうに考えておりまして、競争に耐えられるかどうかということは、やはり第一義的には事業者、これが判断によって総括原価主義の中におきまして料金の配分を決めていただくということに考えている次第でございます。したがいまして、競争をどこにするかというようなことは、やはり事業者の第一義的に判断する問題でございます。
  229. 中野明

    ○中野明君 それで、これは事業者はこれからなんですから何ですけれども、要するに電報はやはり赤字になっていますね。そうすると、総括原価主義ということになると、電報の赤字もカバーせにゃいきませんね。だから、どの程度電報をこれ許容できるかという問題も出てきましょう、総括原価主義ということになりますと。そういうことを私は心配して申し上げているわけでして、新会社の方針によるでしょうけれども、競争になってくるわけですから、片方は赤字を抱えている、これはもう法律でせにゃいかぬようになっているわけですから、総括原価主義ということになってくると、それが入ってくる。  それから、問題になっております市内料金と市外料金ですね。これだって格差がありますね。市内はどちらかというと損をしておって遠距離でもうけている、こういうことも公社の方での説明がありますね。そういうふうに考えていきますと、総括原価主義だけで単純に割り切れるのかなということになんですが、その辺をもう二度。
  230. 小山森也

    政府委員小山森也君) 電報の問題でございますけれども、電報の位置づけというのはなかなか従来の歴史上の役割とか、それから現在における役割を考えますと、料金全体が論理だけで割り切れているものでない一つの代表的なものであろうと思います。やはり歴史的な積み上げからできたものでございまして、さりとてこれにつきましては非常に重要なまだ通信媒体でございます。赤字であるからといってやめるわけにいかないものでございます。  そういたしますと、どうしてもこれについて、まず第一にやはり収支改善というものに努力をしていただくということは、これからも「能率的な経営の下における」というのは、やはり電報という業種にも当てはまろうと思いまして、実はこれが独占に今度位置づけしてありますのも、ほかの電話などはいろいろ事業者によって行われますが、電報については独占にしております。特別の位置づけにしているということは、これが他の業者によりまして、特定の例えば東京都区内だけというように電報事業者があらわれましたら、これは今の電報体制はとても維持できないという現状がありますので、そういった法的にも採算地域、非採算地域を合わせて一本で経理してもらい、その中において努力していただくということで料金全体が先ほど申し上げましたように、合理的、論理的に組み立てられてないその一つとしては典型的なものだろうと思われます。こういった場合においてはやはり総括原価主義であるのもやむを得ないのではないかと思っております。  それから市外と市内の関係でございます。これはまだいろいろ私ども行政だけではなかなか内容わからない点がございまして、これは事業体であるところの電電公社がいろいろ御資料をお持ちでございます。ただ、しかし一般的に言われているのは、市外が比較的採算がよくて市内に対して補助をしているというようなことが言われております。そういったときに、それでは市内だけを持つ新電電会社は、市外だけをやる第二電電に一方的に奉仕するのではないかというようなことが考えられます。そういったときには、競争条件としてはやはり新電電の市外から市内へ補助しているのと同様な考え方で、第二電電がアクセスするときに市内網に対して同様な市外から負担をする、いわばいろいろ実質は違うのですけれども、アメリカで言うところのアクセスチャージ、これに似たような手段を導入することによりまして、そういった不均衡は直すべきではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  231. 中野明

    ○中野明君 これはアクセスチャージの問題になりますと、私も議論がありますが、きょうはこれを留保しておきます。  時間、もうちょっとありますので、先ほど議論になっておりました本電話機の開放ですが、現在の公社の、本電話機の開放の方法で現状のままでいいという人はそのままでいいことになるわけですが、本電話機もかえたいという人、これも当然出てくるわけですね。この人たちのいわゆる基本料といいますか、これはどうなるんですか、かえたときに。
  232. 小山森也

    政府委員小山森也君) これは当然基本料というものは、今はレンタルを前提として、そのレンタルの料金基本料の中に含ませておりますので、端末だけを別のものにした場合においては、当然基本料にかかわってくるものと思っております。
  233. 中野明

    ○中野明君 だから、端末をレンタルから買い取りにしたときには、基本料はどうなるんですかと聞いているんです。
  234. 小山森也

    政府委員小山森也君) 下がることになります。
  235. 中野明

    ○中野明君 どの程度下がるんですか。
  236. 草加英資

    説明員(草加英資君) 先生御指摘のように、本電話機の自由化に伴って、現在の基本料の額の中に当然端末部分も含まれておるということでございますので、今電気通信局長がお答えしましたように、下がることになるわけでございます。  ただ、どの程度の額を下げるかというようなことにつきましては、基本料が全体の支出に見合うだけのものを確保しているかどうかというようなことも含めまして慎重に検討いたしたいと思いますが、契約約款の中で端末機部分を考慮に入れながら下げていくと、このようなことを今考えているところでございます。
  237. 中野明

    ○中野明君 それはいつ決まるんですか。そんなこと決まらないとこれ前に進まぬでしょう。
  238. 草加英資

    説明員(草加英資君) 当然レンタル料金でございますので、基本的な料金でございますので、法案が通りまして、契約約款の中で作成いたしまして、郵政省の認可をいただくと、このようなことになりますので、決まるのは認可をいただく時点だと、このように思っております。  現在、私の方といたしましては、端末機部分をどの程度にするかにつきまして案を考えておりまして、郵政とこれから話をしたいと、このように思っておるところでございます。
  239. 中野明

    ○中野明君 これ本当に大体の目安を、やっぱり国会の審議の場で大体こういうことを考えていますということは出てこないと、我々としては審議をする上において本当に困るんでして、何でもかんでももう任しておいて、後で計算したらこうなりましたといって、それが思惑が違ったとか不満があったとかいうんじゃしようがありません。そういう点。  それから、今基本料の話になりましたが、この基本料、これが住宅用と事務用とに分かれていますね。で、日ごろ、私ももう事務用と住宅用ですか、これは住宅用に統一すべきだということを言っておるんですが、新しい会社ができるわけですが、この点について基本料というものの性格が、今言ったようにちょっと何かあいまいもことしているような気もするんですが、わざわざ事務用と住宅用に分けているんです。ですから、小山局長もさっき話が出ておりましたが、アメリカが今度こういうふうに変わったときに、事務用の一個ですね、電話機が一つしか持ってないんで事務用になっているというのがかなりあるんです。大きな会社は何本も持っていますね。これは事務用として私はわかります。だけれども、住宅用と事務用との区別が、一台だけしか持ってない家庭と商売と兼用しているような家でも事務用になっておる。これだから、一台しか電話を持ってないところはもう住宅用として扱っていいんじゃないか、こういう考えを持っているんですが、その辺はどうでしょう。
  240. 草加英資

    説明員(草加英資君) お答えいたします。  まず、基本料の性格でございますが、基本料は、現在の考え方といたしまして、加入者が所属しておりますから加入者の宅までの回線並びに加入者宅内の装置についてのレンタル料金をいただくと、こういう仕組みで成り立っておるわけでございます。現在、それでは基本料が収入、支出で引き合っておるかということでございますが、試算をいたしますと、現在若干支出の方が収入よりも多いということでございまして、そういうことを勘案いたしますと、現在先生が御指摘の事務用と住宅用をなぜ区別しているかということでございますが、これは過去経緯がございまして、お客様の負担力、電話利用価値等、過去の沿革から事務用と住宅用というものが出たわけでございますが、これを今回の法律が通りました場合、このまま事務用、住宅用の料金のままで行かしていただきたいと私どもは考えておるわけでございます。アメリカの場合にはやはり事務用、住宅用の区別がございまして、先生御指摘のように今回のいわゆる加入者個々に貸しますアクセスチャージにつきましては、確かに住宅用並びに一回線用の事務用につきまして、複数回線の事務用よりは安いアクセスチャージという形で貸しておるということを伺っておりますが、現在の公社状態から申し上げまして、今回の改正に当たっての料金の認可につきましては、今までの事務用、住宅用の区別または解釈で進めさせていただきたいと、このように考えておる次第でございます。
  241. 中野明

    ○中野明君 それは今まではそれでよかったと思うんですけれども、新会社ができて競争が出てくるわけですから、やっぱりそういう点の一個しか持ってないというのは住宅用扱いにしていいんじゃないかという考え私は持っております。そのことだけ申し述べておきます。  それじゃ、もう一点だけ聞いておきます。  これは総裁の先ほどのお話でも、非常に努力をしてたくさん利益が出れば従業員にも配分してあげられると、パイが大きくなればというお話なんですが、一部に、私自身もそうなんですが、公社の研究開発部門というものはこれは非常に評価しております。立派な研究もなさっておりますし、かなりの資本を投下して研究開発を遂げて、今日すばらしい業績を上げているわけですが、会社組織になって競争が激しくなると、もう研究に金なんか使っておったんじゃもうけにならぬということで、研究がおろそかになる心配はないかということなんです。しかしながら私は、どこまでも現在以上に日進月歩の業界ですから、研究費だけは確保して、そして日本のいわゆる技術の最先端をリードしてもらいたいという希望は持っております。この点について一部そういう心配の人もおるようですから、研究費のことについての御答弁をお願いしたいと思います。
  242. 山口開生

    説明員(山口開生君) お答えいたします。  ただいま先生が御指摘ございましたように、電気通信事業というのは最も技術革新の著しい分野でありまして、この電気通信事業を支えております電気通信技術でございますが、この技術は先端技術の最たるものだろうというふうに考えております。今後の情報化進展とか、あるいは省エネだとか省資源、こういった時代の要請から見ましても、さらに一層の研究開発というものが期待されるというふうに考えておりますし、また国際的にもこの研究開発というのがますます激しい競争に入っていくと、こういうふうに考えております。  私ども公社におきましては、これまでも研究開発費につきましては収入の約二%強、具体的に申し上げますと、五十七年度は八百八十五億円、五十八年度は九百三十九億円、本年度、五十九年度は一千二百六十六億円、これはいずれも売り上げの、全収入の二%強に当たっておりますが、こういった金額を研究開発に投入しておりまして、この技術の研究開発を強力に推進してやってまいりました。  御承知のように、電電公社以外の電気通信関係のいわゆる世界的に競争しております企業を見ましても、例えば日本電気とかあるいは日立とか、あるいは外国の企業でいきますとIBMとかATTとか、こういった企業も、民間の企業ではありますけれども、研究開発には大変力を入れておりまして、いずれの企業も全売り上げの二%から五%にわたる研究開発費を投資しております。したがいまして、私どものもし経営形態が変わりましても、この技術の開発につきましては、研究開発について特に重点的に進めてまいりたいと、このように考えておるところでございます。
  243. 中野明

    ○中野明君 留保しました質問がありますので、この辺で終わらしていただきたいんですが、まだ事業法も途中までで、会社法も、あるいは関連法律法案もまだ入っておりません。いずれ機会をいただくと思っておりますので、そのときに質問をさしていただきたいと思います。  じゃ、きょうは以上で……。
  244. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 中野君の質疑は、KDDに対する質疑時間約三十分を留保しまして終わります。
  245. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 今次の法案の核心であります電電公社民営化をされると、その業務運営についての国会の審議統制が外れるため非民主的な運営がはびこるのではないかと、こういう危惧が国民の中で非常に強いのであります。そのためにも、我が党は民営化に強く反対をして、公社国民本意の改善、改革、これを強く要求をしているわけでありますが、いずれの道をとるにしましても、現行公社の公正、民主的な運営の徹底が今こそ求められていますし、この点で、本日は私は公社運営の基本姿勢についてまずお尋ねをいたしたいと思います。  最初に、電電公社は職員の思想調査をやっておるんじゃありませんか。
  246. 外松源司

    説明員(外松源司君) 電電公社は、これまでも職員の思想、信条調査というようなことを行ったことはございませんし、本社といたしましてもそのようなことを指示したことはございません。
  247. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そういったことをやっていないというのは、してはならないと、こういう考えに基づいてですかね。
  248. 外松源司

    説明員(外松源司君) 独法などに定められております、先生よく御承知の、もとはそういった規定から発して、公社としてはそういうことはしてはならないというふうに考えておるところでございます。
  249. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 憲法の言葉が出ましたけれども、公社も含めまして、思想調査、思想差別、これを禁止をしている根拠法規は何でしょうか。憲法の第何条にどう定めているんでしょうか。
  250. 外松源司

    説明員(外松源司君) たしか憲法十九条だったかと思うんでありますけれども、思想、信条の自由の不可侵性といいますか、ちょっと正確な条文は覚えていないんでありますが、そういうことをうたっておりますし、それから十四条でございますか、法のもとの平等というようなこともうたわれている。私ども、決して法律を有権解釈する立場にございませんけれども、そのようなふうに理解をしているところでございます。
  251. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 十九条、十四条の引用がありましたが、そのほかに基本的人権、十一条で定めておりますね。あるいは結社の自由、二十一条で定めています。このように、憲法はいわば三重、四重に思想調査、思想差別、こういうことは断じて許されないんだということを憲法上の理念として明確にしている。  労働基準法は、この問題にかかわって、どういう定めをしているんでしょうか。
  252. 外松源司

    説明員(外松源司君) 労働基準法は、たしか三条だと思いますが、に同様の趣旨の規定があったかと記憶いたしております。
  253. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そのとおり、第三条で均等待遇を定めておるわけですね。  そうしますと、これらの法に違反をして、もしも思想調査、思想差別、こういったようなことが行われたとすれば、一体その責任はどうなるんでしょうか。
  254. 外松源司

    説明員(外松源司君) 電電公社といたしましては、先ほども申し上げましたように、思想、信条の調査をしてはならないということで、本社としてそのようなことは一切いたしておりませんので、万が一そういうような御指摘がございましたならば、よく事情を調査の上対応さしていただきたいと考えます。
  255. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私からあえて言うまでもないと思いますけれども、同じく労働基準法の百十九条に、さっきあなたもおっしゃった第三条違反行為、これがあったときには六カ月以下の懲役あるいは五千円以下の罰金、こうした罰則を明確に定めていますね、刑事罰の問題について言えばそういうことだと。行政上の責任の問題について言えば、当然のこと、さっきも確認をしたとおり、三重、四重の憲法上の定めがある。したがって、また、電電公社としても、これはしてはならぬことだと、こういうことで今日までやってこなかったわけでありますから、行政上の責任が明確であることは、これは言うまでもないことだと思います。  ところが、電電公社の東京無線通信部、ここにおいてかつて職員に対して思想調査が行われていたことを示す重大文書を私は最近発見をいたしました。きのう、この問題について質問通告を兼ねてよく調査を公社側に要求しておいたところでありますけれども、どういう結果でしたか。
  256. 外松源司

    説明員(外松源司君) 昨日御連絡をいただきまして、直ちに当該通信部を、関係者を呼びまして調査いたしたところでございますけれども、そのような思想調査は行っていないし、そのような心当たりはないという報告を受けております。
  257. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 昭和何年度まで、何年度といいますか、何十何年度までさかのぼってそういうことがあったのかなかったのか、お調べになったんですか。
  258. 外松源司

    説明員(外松源司君) 現職の責任者等を呼びましたので、そう古い資料のことまでは、いつまでというようなことはつまびらかにはし得ないんでありますけれども、最近の状況を聞いたところそのような報告を受けたわけでございます。
  259. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 最近の状況というのは、くどいようですけれども昭和何十何年から何十何年までですか。
  260. 外松源司

    説明員(外松源司君) ちょっとその辺になりますとあれでございますが、現在の当該機関の責任者等はたしか着任二年ぐらいになりますから、その辺のことが中心に話を聞いたことになろうかと思います。
  261. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 公社側に昭和五十年代の東京無線通信部の職員録をぜひ持参してこちらへ出向いておいてくださいということを前もって言っておきましたのであれですが、昭和五十五年九月現在、東京無線通信部の部長は佐々木、次長野尻、労厚課長——労務厚生課長ですかね、佐藤、労厚係長押木、労担——労働担当でしょうね、分担調査委員須長、労厚係添田、調査係長伊藤、係員石山、こういうメンバーに間違いありませんか。五十五年度です。
  262. 外松源司

    説明員(外松源司君) 昭和五十五年の職員録を見ますと、通信部長佐々木敏夫、次長野尻俊一、それから労務厚生課長佐藤、労務係長押木というようなメンバーになっております。
  263. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 先ほどの調査が、現部長さんが就任をされたのがそのほぼ二年前、大体そこらをめどに調査をしてきたということでありますが、私は非常に重要な資料を入手をしておりますので委員長、お許しを得まして、委員長以下各理事さん、会派の代表の方、そして大臣と総裁にこの資料を配らせていただきたいと思います。
  264. 大木正吾

    委員長大木正吾君) どうぞ配付してください。    〔資料配付〕
  265. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 先ほど私が公社側の調査が昭和何十何年にさかのぼってやられたのかというのを随分しつこくお聞きをしたゆえんはここにあるわけでありますけれども、ごらんのとおり昭和五十五年九月段階の部長名による傘下機関に対する調査指示とそれに基づいての報告であります。この第一ページにも、またしばらくめくっていただきますと「厳秘」——厳重秘密という判こが押されたそこにも出てまいりますが、先ほど確認をいたしました佐々木本部長以下係員石山さんに至る八名の判こがずらっと並んだそういう「厳秘」、「取扱注意」の文書を私は入手をしたわけであります。すなわち、昭和五十五年九月四日付の東京無線通信部部長名による「特定グループの調査について」、そして同じく五十五年九月二十九日付の「労務対策上の重点局所の選考について」という二つの指示文書とそれに基づく傘下中継所長からの報告が添付をされた文書ということになっています。今お配りをしましたのはその要約でありますが、委員長、ごらんをいただきたいと思いますが、こういうふうにその上に表紙がありまして、そこには関係者の朱肉による印もはっきり押されておる、こういうことでありますからこれは紛れもない実物であります。  先ほどのどこまでさかのぼって調査をしたかという点が不鮮明でありましたけれども、五十五年は調査をしたのですか、しないのですか。
  266. 外松源司

    説明員(外松源司君) 何分にも急でございましたので、古くこの辺まではさかのぼって調査いたしておりません。
  267. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 調査をしていない。  私はきのう繰り返し現在の部長さんに部屋へ来ていただいて本当にこういうことが過去にもなかったんですかと、よくよく調べておいてくださいよと言っておいたのにわずか二年分だけしか調査しなかった。自分が部長に就任をしたしてからのこの二年間というのは、こんなものはもうそれこそうそでもつかない限り物の一秒もたたない間に結論は出ることですね。肝心なのはその前任者の時期にどういうことが一体あったのかなかったのか、このことを本当に真剣に調べなかったということじゃないかと、あれほど私は念を押して要望しておいたのに何たることだというふうに言わざるを得ませんね。  そこで、この席に重要な当時のことを御記憶のはずの人物が一人いらっしゃいますのでお尋ねをいたしますが、児島理事さん、この五十五年当時あなたは電電公社の職員局長でもありましたね。このことは全くお知りにならなかったんですか。
  268. 児島仁

    説明員(児島仁君) 私は五十五年のたしか一月に職員局長に着任したと思いますが、この件については全く知っておりません。
  269. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 この今お示しをしております第一ページの関係でいきますと、こういう書式ですね。すなわち、部長以下次長、課長、係長、ずっと次々決裁としての判こが次々押せるという欄があると。そしてその上に「無連」、「無指」、私はよく意味はわかりませんけれども、無線通信部からの連絡あるいは指示と、こういう意味かと読み取るんですけれども、そして第何号、そして年月日が入る、これは大体公社で定めておる書式ですね、これは。間違いありませんね。
  270. 児島仁

    説明員(児島仁君) この手の文書等は各機関でそれぞれ文書の分類をするためにつくっておりまして、本社が画一的に仕様を決めておるというものはございません。
  271. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 この無線通信部ではこういうのを使っているかどうかというのは御存じありませんか。
  272. 児島仁

    説明員(児島仁君) ただいまは知っておりません。
  273. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 まあいいでしょう、それは調べればすぐわかることですから。  ところで問題は、とにかくこの二つの文書の内容です。これは紛れもない思想調査であるというふうに私は言わざるを得ません。  例えば表題、特定グループの調査、そうしてあと幾つかの注釈が出てまいりますけれども、甲乙丙あるいは共産党、協会派、こういう名前も出てまいります。そうして、この職場ごとにそれらのグループの人数、個人の経歴、動向、日常的な活動状況、過去一年間の事件と組織的な活動、そうしてそれらの上に立っての管理対策調書、こういったように詳細をきわめておるわけであります。尋ねますけれども、この特定思想グループというのは一体何ですか。そして、しかも、この中にも出てきますけれども、それを甲について一、三、五、乙について七、九、丙について十一、十三と、こういうふうにランク分けせいと言うわけですけれども、これは一体何を意味しているのですか。
  274. 外松源司

    説明員(外松源司君) お答え申し上げます。  今ただいま先生からこの文書の写しをお見せいただいたわけでございまして、中身を今読ませていただいておるわけでございますけれども、これが私どもの下部機関の先生御指摘の無線通信部が出しております文書であるかどうか、この内容がどうかというようなことを含めまして一度私どもの方で調査をさせてから御報告させていただきたいと思います。
  275. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 同じくこの文書の中に、肉筆による報告文の中で出てまいりますけれども、これらグループの塩漬け制度の検討の必要を提起している。私はこの塩漬けというのは一体何かと。かつて私は電電公社でこういう言葉がいろいろ出ているということを耳にしたことがありますけれども、漬物ですから、つぼに閉じ込めてそうして押しつける。気に食わぬ者をそういうふうにやるんだということかということでありますけれども、まさかナスビやキュウリであるまいし——これは人間を塩漬けにするわけですね。そういうようなことを今まで公社の中で労務対策の一つのやり方として話に出ているんですか。
  276. 外松源司

    説明員(外松源司君) 電電公社本社といたしまして、そのような個々人について不穏当な塩漬け云々というようなことを指示したことはもちろんございませんし、そのような考えは毛頭持っておりません。
  277. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 この二つの文書の中で、さらに特定グループの影響排除の方策として輪番の組み合わせや無人局への出勤、こういった問題を挙げておるわけでありますけれども、これこそ明らかに思想差別に基づいての不当な措置をやろうとする、こういうことを一体公社としては日常的に指導しているんですか。
  278. 外松源司

    説明員(外松源司君) 冒頭にも申し上げましたように、電電公社は職員の思想、身上調査を行ったことはございませんし、また本社としてそのような調査を指示した事実もございません。また、いわんやそれに基づいて職員の差別取り扱いをする、そのような考え方は持っておりませんし、指示したこともございません。
  279. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 私はさっきも実際に提示をいたしましたように、朱肉による判こまでついたこういう表紙がついておる実はこの資料なのですね。どうでしょうか。この中の主要な問題点をピックアップをして幾つか私は重大性を指摘をしたわけでありますけれども、判こまでつかれておるこういう文書がある、昭和五十五年度。このことについて重大性を感じられますか。総裁どうでしょう、お聞きになっていて。
  280. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) もしそういうことが現実にあれば、私の責任として相当慎重に対処しなきゃならぬというふうに思っております。五十五年でございますから私の就任前でございますから、今までのところ何らのそういうことについての知識がございませんけれども。
  281. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 少なくとも私の指示をしておるこれが非常にインチキな捏造物だというふうにだれか言う人があったら言ってください。ここまで判こをついた実物でありますからそんなことを言えないはずだと思うのですが、だれか言えるのだったら言ってください。それはうそでしょう、インチキな捏造物だろうというふうに言える人ありますか。
  282. 児島仁

    説明員(児島仁君) ちょっと子細に検討してみませんと捏造物であるかどうか私にもわかりませんが、それは朱肉のついた公的な文書であるとすれば、電電公社の文書であるとすれば、それはいかなるルートをもって先生の手元に渡ったのか、それもよく調べまして、真偽のほどを確かめたいと思います。
  283. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 入手ルートがどうだこうだと言う、何ですかその態度は。あなたは当時職員局長をやっていたのでしょう。百歩譲って、総裁は五十五年以降の就任者です。あなたがおった五十五年の時期にこういうことが起こっておったら、それこそあなたの責任の一半は免れないじゃないですか。何という答弁ですか、それは。これが事実であったらあなたは責任をとりますか。
  284. 児島仁

    説明員(児島仁君) よく調べてからみずから判断したいと思います。
  285. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 そこで総裁、あなたの先ほどの御答弁で、事実であれば重大であり、総裁としても就任以前のことであるとはいえ、慎重な対処を考えなくちゃならぬという意味合いのことをおっしゃったわけでありますけれども、本当に電電公社の総裁として、事柄の真実を明らかにするということと、明らかになった事実に基づいて本当にこういうことが行われておったということであれば、これに関係をした責任者に対する厳重な措置、これをやってもらう必要があるというふうに思いますけれども、総裁としての決意のほどはどうでしょうか。
  286. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) 事実を明らかにして慎重に対処したいと思います。
  287. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 事実を明らかにする、これがまず第一に必要なことです。そして慎重に対処をするという表現を使っておられるその意味合いが私はまだあいまいだというふうに言わざるを得ないのですけれども、この点はさらにまた最後でもう一遍総裁によく確認をいたしましょう。  ところで我が党は、今までも国会の場で衆参何回となく公社の思想差別問題を追及してまいりました。しかし、公社はいつも事実隠しで押し通してきたわけでありますが、しかし今回のこの問題についてはもうそういうように隠しおおせない。何回も言うようですけれども、当時のこれに関係をした、しかも一人、二人じゃありません、もう数人、八人にも及ぶ、そういう判こまでついた隠しようのない、逃れようのないこういう証拠物が出てきた、こういうことでありますから、今度こそこれを機会にこういう間違った公社運営の姿、これを一掃していく必要があろうかと思います。こうした点で、そのことを改めて強調いたしますと同時に、今回はしなくもこういうことで露呈をいたしました思想調査問題はいわば私は氷山の一角じゃないかというふうに思うんです。単に東京無線通信部だけじゃなくて、全公社的に以前も今も行われているんではないかというふうに私は思います。  それはずっとページを繰ってごらんをいただいたらわかると思いますけれども、この五十五年文書、この中に従来から年一回実施してきたと書いています。ですから、五十五年以前もやってきたということをみずから告白をしている。五十六年度も実施すると書いています。現在の部長さんは就任二年ぐらいだそうですから、一体この二年間はどうなっているのかということは私もただしたいわけでありますけれども、ともかく一年きり、東京無線通信部というところだけでこういうことが起こっていったという、そういう単純な問題じゃないだろう、もっと根の深い、規模の広い問題じゃないかというふうに私は思わざるを得ないわけでありますけれども、そうしたことの何よりの証拠、証明が、こうした思想調査などの結果として給与、昇任などの面でも思想差別の例というのが枚挙にいとまがないというふうに私、思うんであります。  今も言いましたように、何回となく国会の場で取り上げてきたんですけれども、例えば電電公社北陸電気通信局作成の共産党対策報告集というものが出されたという。あるいは東京中央電報局の個人別の色別表、あるいは通信研究所における管理者研修の問題、こういう具体的な事実を取り上げて繰り返し追及をしてきました。  その中で明確になったことは、当局の労務管理の手口というのがいずれも共通をしておって、系統的、組織的に、インフォーマル組織も使って職員を思想別にランク分けを行う。管理職はそういうのを定期的に情報を収集、交換をする。そういうふうにして、甚だしい例でいきますと、党員、活動家と思われる人物の結婚式場にまで出向いて行って、一体どんな人物が参加をしているのかというのをずっと調べていく。その交友関係、集会参加、来訪者、立ち話に至るまで聞き耳を立ててやっておるという、こういう姿があるということを私はしばしば今日までも耳にしてきたわけであります。どうしてこんなことをやるのかと。で、さっきも塩漬けのことをお聞きをしました。また干し上げという言葉も聞きました。ということで、特定思想の持ち主には昇任昇格をさせないと、勤続二十五年のベテラン職員が勤続三年にも満たぬような人にあれこれ職場で監督を受けていると、こういうひどい姿さえあるというじゃありませんか。あるいは、仕事上必要な職制を発令をしてもほかの職員には知らせないと、秘密に発令をすると、こういうやり方。休日出勤や超過勤務は全然やらせない。出張や他産業の見学もさせない。社内のサークル、お茶やお花、ゴルフやスポーツサークルにも入れない。課内の親睦会や、年に一回の課内慰安旅行にも参加させない。家族連れで行く場合に子供も仲間外れにして、一緒のバスにも乗せない。あいさつや口もきかない。こういう、本当に枚挙にいとまがないほどいろんなことが全国的に起こってるわけであります。あるいはまた、研究テーマを与えない、成果が上がりそうになるとほかのテーマに変える。学会にも参加させぬ。したがって、おまえは無能だと、こういうことでそれを逆の材料にしたり、退職にまで追い込む。こういうあの手この手のいろんな不当な差別があり、こうした中の幾つかの問題が苦情処理ということで当局にその改善を求める要求が出ていること、総裁、幾つかは耳にしておられますか。
  288. 大木正吾

    委員長大木正吾君) どなたか答えますか。
  289. 外松源司

    説明員(外松源司君) お答え申し上げます。  苦情処理機関といたしましては、全国たくさんございます職場におきまして苦情処理委員会というのがございまして、そしてほとんどその場で解決されておると。まあ、その上の苦情処理委員会に上がってくるというようなのもまれにはあるようでありますが、とにかく非常にケースがたくさんございまして、私ども一々その苦情処理の内容については把握いたしておりません。
  290. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 総裁、お尋ねをします。  さっき私は、とにかく徹底して真実を明らかにするという問題と、明らかにされた事実の上に立って、本当にこうしたことが事実行われておったという場合には厳正な対処、関係をする責任者に対しての厳正な処置、これをやってもらいたいということを要望しておって、あなたの方からのお答えとしては、とにかく真相ははっきりさせなくちゃならぬということと、それから処置については慎重に対処をいたしますというお答えであったわけですけれども、私が今かなり、ちょっとるると時間をとるような形で実例を幾つか挙げました。この実例を挙げましたのは、単に調査というその範囲にとどまる思想調査の問題だけではありませんよと、こういう思想調査というのが手段になって、その結果として、職場において本当にいわれなき思想差別、さっき幾つか例挙げましたけれども、レクリエーションにも参加をさせないと、子供まで区分けをする、こういうやり方、そうして給与や昇任の面についても大変な差別が起こっているということに結びついているということを強調したいがために、さっきからるる申し上げたわけです。  そこで、そういう認識の上に立って重ねて総裁にお尋ねをいたしますけれども、本当にこの思想調査が五十五年度——ここまで私は証拠物を提示しているわけでありますから、これが事実であったとすれば、これに関係をした責任者に対してはきっぱりとした処分を行ってもらわなくちゃならぬということと、このことによって現実に不利益をこうむり、いろんな不当な措置を受けた人々、こういう人たちに対しては是正措置を講じてもらう必要がある、このことを重ねて二つ要望をし、お尋ねをしたいんですけれども、総裁の決意のほどはどうでしょう。
  291. 真藤恒

    説明員(真藤恒君) さっきお答えした言葉どおりに、慎重に対処したいと思います。
  292. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 大臣にお尋ねします。  ずっとお聞きをいただいておったわけでありますけれども、結論としての総裁の決意のほど。私は、これだけ時間をかけて申し上げたにもかかわらず、慎重に対処をしたいと、これにとどまっておるということは極めて残念なんです。やっぱり悪いことは悪い、こういうことできっぱりとけじめをつけていくというのが国の行政でなくちゃならぬし、また、その監督のもとで行っておる公社の運営でなくちゃならぬ。それでなくては国民の信頼を得ることはできぬだろう、こういうふうに思うわけでありますので、こうした点で、ぜひ大臣の方から総裁に対して、適切なというよりも強力な指導を行ってもらいたいというふうに思いますが、ひとつお約束いただけますか。
  293. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 今ほども総裁初め公社の幹部から、真実であるかどうかという形については誠実に調査したいという返事がございました。今先生の御指摘がもし事実であるとすれば、これは大変思想差別を含めて重大なことだと認識をいたしております。  しかし、何にも内容のない、言ってみれば、調査一つ一つ項目をさっきから丹念に見させていただきましたけれども、この内容の方は先生の方で伏せてあるのかもしれません。
  294. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 肉筆ですからね。
  295. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 肉筆の部分が今、削除されておるもんですから。  それと、この判こもみんな同じような判こ——公社の制度かもしれませんけれども、いずれにしても、この書類そのものの真偽も含めてこれはやっぱり慎重に当たるべきことだろうと私は思います。  わけて、先生が先ほどから御指摘されているいろいろ事実かもしれないことを聞いておりましたけれども、もしそのとおりのことを、子供、家族に及ぶまでの差別をやっておったとするならば、公社というのはもう暗黒経営、ファッショ的な形を感じます。そういうことはないと信じております。そうでなければ、今日までの公社現業においては優等生としての実績を上げてきたということも、こういう形までやっておったとは到底、私としては信じがたいことでございます。しかし、そういった、あの手この手でこういうファッショ経営的なことをやっておったとすれば、それは先生の御指摘なさるように、決して等閑視することではなくて、公社の幹部自体についても厳しい調査をなさるべきことは当然であろうかと思います。ただ、真偽のほどは、今申したようなことで私としては信じたくないというのが今、実感でございます。
  296. 佐藤昭夫

    ○佐藤昭夫君 本日の一連の質疑を通して一つ明確になったことは、私がきょうこういう形で具体的な証拠物を提示したわけでありますけれども、きのうあれほど、過去にさかのぼって本当に思想調査ということがやられてないのか、よく調べておいてくださいということでお願いをしておいたんですけれども、その部分は調査はほとんどやられなかった。それで結局、現任者の部長の在任、この二年間だけやったと、こういう姿になっているという事態を、全貌を明らかにするために本当に真剣に公社は調べていないじゃないかということ、これがはっきりしたという問題が一つだと思うんです。こうした点で、これは私の推測ですけれども、調べてみて五十五年度あたりがどうもやばいというふうにあなた方は感づいたんじゃないか、ですからきょうの席上ではその点をひた隠しにしているんじゃないか。  いずれにしても、総裁として徹底して真実を明らかにしますというふうにおっしゃっているんですから、ぜひ過去にさかのぼって東京無線通信部ではどうであったのか。通信部だけじゃない、この全公社的にどういう姿になっておるのかということを、ぜひこの際、全貌について掌握をして、国会に対してきちっと報告してもらいたい。  とにかく事実までひた隠しに隠す、こういうやり方では、冒頭に申し上げましたように、本当に現行公社の公正で民主的な運営、これがしっかり座っていずして、もしも民営化というような道へ進んでいった場合には国会の監視を離れるわけでありますから、どんなひどいことが起こるかわからぬというここの不安を国民は大きく持っているだろうし、私もその点を強く指摘をしているわけです。ですから、こうした点でとにかく権力を背景にしておったら黒も白と言えるんだ、こういう態度は絶対に公社はとったらだめだ、このことを厳重に申し渡しておきたいと思います。とにかくこの点を徹底してはっきりしない限り、私はこの民営化法案のおよそまともな審議がやれないんじゃないかというふうに言わざるを得ませんね、大臣。  こうした点でもしも公社当局が事実隠しという態度を続けるならば、総裁の言明によればそんなことはやれないはずでありますけれども、そういう不当な態度を続けるならば私は、真相を明らかにするために関係者を証人として喚問をする、こういう措置も提起をしたいと思っているんですけれども、少なくとも次回に公社側からみずから進んですべての真相を明らかにする、こういう積極的な態度を次の委員会に向けてとってもらいたいということを重ねて法案審議の前提の問題として強く要求をしておきたいと思います。そして、こうした角度から委員長としても適切な指示をしていただきますようお願いをいたしまして、私の本日の質問はちょっと残っておりますけれども、これで終わります。
  297. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまの発言の中にございました公社当局の調査等は当然のことでしょうが、本委員会といたしまして、証人という言葉ございましたけれども、証人の喚問ということにつきましては、少しく委員長といたしましては考えるべき問題点がございますから、直ちに証人という立場でもって付すわけにはまいりません。いずれにいたしましても理事懇で協議いたします。
  298. 青島幸男

    ○青島幸男君 私まず申し上げたいのは、第一回の一巡、まだしませんけれども、議題になっております三法案についての第一回の審議、やっと私の番まで来たところでございますけれども、ここまで来る間にも、省令に残された疑点だとか、その他さまざまな、もし本当に民営になった場合はどういう形をとって公社が運営されるのか、そこにそごはないか、あるいは不安がないかという点をさまざまな形から皆さん方追及をなさいましたけれども、たった一巡をもってしても、余りといえば疑点が多過ぎる。そういうところから、ちょっと準備が足らなかったんじゃないかという気がして仕方がないわけでして、なぜこんなに急いで、まだ疑点も明らかになっていないのに突っ走ってしまわなきゃならないのかという疑点を私もぬぐい切れませんので、冒頭私は、即座にこういうことをしてしまうということにどうしても納得がいかないという立場質問をさしていただきます。  まず、公社民営化によりますと、どういうことがメリットとして浮かんでくるのかということは、さんざん議論がなされましたけれども、一般に家庭で電話機に始終触れていて、もうなくてはならない道具として日常触れているユーザーの方々にどういうメリットがもたらされるか、まずその点からお尋ねしたいと思います。
  299. 小山森也

    政府委員小山森也君) けさほど来、再々、なぜ競争原理を導入したかということでございます。  これは、先生の御質問前段になるので、ちょっと申し上げておかないとならないと思いますが、私ども電気通信というものが非常に技術革新を伴いまして媒体がふえてきたということは事実でございます。そういたしますと、どうしても今までの体制というのは、電信電話を中心にいたしまして、それを電電公社、国際電電と、両社によって独占的に運営させて、しかもそれによってあらゆる資金、人材、それから技術を集中させて、そこの事業体にその電気通信に関する粋を集めて、それでサービスをしていったわけでございますが、これが電話という形のもの以外のものになりますと、電話だけに集中してきたこの一つ体制というのを、もっと多くの媒体に、しかもそれを要望するところの利用者、これに適時適切に対応していく形をとる、そういうことがこれからの電気通信には課せられてきた一つの義務ではないかと、こう思ったわけでございます。そういたしますと、今まで電信電話を中心にしてきたこの電電公社、国際電電のやり方というものを、多数の媒体を使う、それを十分に利用者に需要に応じて供給していくということならば、やはり一つ事業体であるよりは、複数事業体としてそれぞれに特性を持って、求めるべきところに供給していくという体制にした方がよいのではないかという一つ政策の選択をしたわけでございます。そういたしますと、今度は電信電話公社も、これは多くの事業体一つということになりますので、公社という形態をほかの事業体と同じような形の会社形態に変更して、それで、そういった競争的な事業に耐え得る自主性を持った体質に変えていくべきであろうということで、ワン・オブ・セムの事業体とし、その経営形態を公社から会社に変えていくべきであろうと思ったわけでございます。  そういうことでございますので、今御質問にありました、電話だけを今我々が使っている過程、その電話だけにはどのような形のメリットがあるかということにつきましては、電話だけということになりますと、これは従来の、何といいますか、多数の媒体ということにはなりませんので、それにおいては範囲は狭まろうかと思います。ただ、しかし競争原理の導入ということは、一つの私たちの願望といたしましては、市外通話というものは競争原理の導入によって安くし、市内通話料というものはそのままにしておくことが可能であろうという一つの見通しのもとにやろうということでございまして、総体的に通話料全体、電話料全体は低廉化に向かうのではないかと思っておる次第でございます。
  300. 青島幸男

    ○青島幸男君 電話料金が安くなるからというのが最大のメリットということですか。つまり、あなた方がおっしゃっていることはそこに矛盾があるんじゃないかと思うんですけどね。第二電電ができても、今まで電電公社がつくってきたネットワークというのは膨大なネットワークがありますね。しかも世界的に品質が評価されているわけですね。後から入ってくる第二電電は、個々の加入者のところまではネットをつくらないわけでしょう、それは二重の施設になってしまうから。そこは今までの電電ネットワークを使えばいいじゃないか、あと付加価値で出てくるものだけやればいいんだということでしょう。だったら、電電の運営自体の拘束を緩めるような法改正で済むわけじゃないですか。何もそれを民営化する必要はないと思うんですよ。  それで、民営化すると競争原理が働くからたくさんのものができてくるかもしれない、しかもそれもつぶれるようなものもできてくるかもしれないという指摘があると、いえ、どう競争原理が働いたとしても、今まで培ってきた電電ネットワークの偉大さというものはだれも侵すことはできないから、そこに競争の原理の入り込む余地はないんですとおっしゃるわけですね。で、後から参入してくる者が個々の加入者の宅までネットワークを新たに組むということはないだろう、従来の電電ネットワークをそのまま使って、付加価値の分だけほかの業者に任せるんだと、そういうお話でしょう。付加価値の分だけ電電でやれるように法体系を緩めていくという角度の方が、よりわかりやすいんじゃないですか。  で、ネットワークというものは個々に存在していたんじゃ意味がないでしょう。相互に綿密な連絡がとれて、九州からでも北海道からでも一元的に均一の品質を守った通話が確保されるということに意味があるわけですから、ですから、分散しろあるいは競争原理を推し進めろということも一つのお考え方ではあるけれども、それは均一さと平等さというものを根底から覆すことになりはしませんか。この二つの違った考え方を同時に推し進めようとするところに無理がある、その無理を会社経営にするということですりかえようとなさっている。そういう気しか私はしないんですけれど、私の解釈はどうしても間違っているようにお考えですか、どうでしょう。
  301. 小山森也

    政府委員小山森也君) 複数ネットワーク存在した場合において、品質その他において問題があるのではないかという御指摘でございますけれども、これにつきましては、技術革新上の革新というものの裏づけになっておりまして、接続技術というのが非常に高度化してきたというところから、技術基準というものを一定にしておけば、ネットワーク同士がお互いに接続が可能であり、しかもそれがかえって広がりを持つというのは、技術の裏づけがあるということが一つあります。  それと同時に、もう一つ大事な点で私申し上げたいのは、電磁公社という公社形態の中でそれは可能ではないか、その改善の仕方によるのではないかということでございますが、実は電電公社という公社形態、これは発足の当時国営に比べまして確かに自由な弾力的な経営のできるよい制度であるということでございましたし、私どもも今回そういった意味公社制度というのの改善ということによって、何かの形で一つの次の時代に対応できる形態にならないかということで随分検討したわけでございます。しかしながら、本来公社そのものの制度にも、やはりいろいろな意味で公的関与というのが非常に大きくできるという欠点といいますか、逆に特徴といいますか、そういうのがあるということから、この三十年間にわたりまして積み上げられた一つの運用の歴史というのが、本来の生き生きとした公社形態というものを、ある意味においては硬直化した形にしてきたということも言えるのではないかと思うんです。そういたしますと、非常に問題なのは、それではそういった硬直化したものを除いて本来の形に変えればよいではないかということですが、この三十年間にわたります一つの硬直化、それから他の関与、特に政府関与というようなものは、その延長線上ではもうなかなか解決できないような形に意外にかたく中まで食い込んでいるわけでございます。  そういたしますと、やはり事業体らしく生き生きとした形によみがえらせて、かつ新しい高度情報社会のインフラストラクチャーの機能を中心的に果たす会社として生まれ変わらすということがやはり日本のこれからの電気通信の運用の上において非常に必要である、こう考えるに至ったものでございまして、それで公社の延長線上での解決というのではなしに、すっかり経営形態というものを変えて新しい時代に即応さしていこうという考えに至ったものでございます。
  302. 青島幸男

    ○青島幸男君 それは私もわからないわけじゃないんです。せっかく皆さん方の骨を折った結果として蓄積された相当額の金がいきなり政府考え方いかんでぼんと持っていかれるというようなことがありましたし、それから給与の問題にしても他の公社並みに足を引っ張られるというようなことがあれば、先ほども総裁が言われましたように、新しくやったらやっただけの、工夫すれば工夫するだけの見返りがあるビビッドな希望の持てる職場にするということ、これは大事なことは確かなんですよね。それにしてはちょっと関与が大き過ぎて、このまま余り金縛りに遭ったような状況で企業体自体がビビッドに動いていかない、何らがこの辺で手を打ちたいという気持ちはわからないわけじゃないんですよ。しかし、だからといって、今の格好で民営化することに賛成とは言いがたい。というのは、さまざまな疑点が残されてただ混乱を招くだけじゃないかということがどうしても払拭できないからですね。  それで、今あなたがおっしゃった、連絡するために相互のコネクションの技術が非常に進んできているから第二電電と新電電が即座につながるんだ、だから新たなネットワークをつくらなくても即座につながっていくからいいじゃないかというお話ですけれども、それは第二電電がやろうとするのは幹線だけでしょう。幹線ができてそれで需要がふえたからといって、いっぱいになったからそっちに回るというのじゃないでしょう。例えばVANというようなものができて相互に独占的に使える部分ができたら、公社の今までのこの新電電のものを使うより安く上がるかもしれないという部分だけそっちへ回ってくるわけですね。そういうもののそのおいしいものはみんな第二電電に吸われるわけでしょう。  第一、第二電電と新電電技術的には接続は可能だというお話ですけれども、たしか三つ方式があると伺っていますけれども、加入方式とそれから相互方式ですか、もう一つ何かありましたけれども、二番目にすると、まず会社を選ぶか電電を選ぶかの局番をまず二けた回して、それから相手を指定するためのダイヤルを三回回してというような形で、いずれにしてもユーザーとしては六けたなり八けたなり余計に回さなきゃならないという煩雑さをどうしても免れないわけでしょう、このネットワークができても。果たしてその煩雑さにあえて抵抗しても安い方をとりますかね。それだけメリットが生まれるような新会社ができるんですかね。その点だけとっても大変乱、疑念が残るんですが、どうでしょう。
  303. 小山森也

    政府委員小山森也君) ダイヤルの細かい正確な数字というものは、ちょっと私専門でないので申し上げにくい点もございますけれども、幾つということの正確な数字ではございませんが、従来の使い方に比べて多数のけた数になることは確かに間違いのない点でございます。  それでありましても、特定のあるサービスが、役務提供が非常に利用者にとって利益があるという場合においては、やはりそういった第二電電を選択していくということは当然あり得ると思っております。
  304. 青島幸男

    ○青島幸男君 それは、中距離料金を光ファイバーなどの設置によって安く提供できるという会社ができるかもしれませんね。しかし、そうなれば中距離料金だけそっちへいっちゃうんですよね。そしてそこで競合していた分の損失を市外通話で補わなきゃならないという事態も予想されると各報道機関に書いてありますが、その懸念はどうなりますか。
  305. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今御説によりますと、一つ通信量というのはもう限定されていて、総体のパイが大きくならないということを一つ——ちょっと私の聞き違いかもしれませんが、そうかなという気もいたすのでございますが、ただ電気通信というのは、先生御存じのように、これからは今の電話だけでなしにいろいろな意味電気通信がふえてまいりますので、総体としての電気通信のトラフィックというのが非常に増加する。その増加する部分を、新電電、それから新規参入者というようなことでそれぞれ特徴を持っていくわけでございます。そういたしますと、そこによってふえたトラフィックというものがまた市内網へ戻ってくるということになってくるのでございまして、アメリカのように千五百にも電話会社が分かれていて地域的にトラフィックが非常に偏っているという場合ならともかく、日本の場合においては市内網をおよそ新電電全国一律に受け持っていくということになりますと、総体のトラフィックが増加するということは市内回線網のトラフィックも増加するということになりまして、経営の問題としては安定性がふえてくると私ども思っておるわけでございます。
  306. 青島幸男

    ○青島幸男君 私はそうは考えないですね。例えばVAN業者に電話事業を認めるような方針で臨むわけでしょう。で、新電電電話利用に対する影響はどういうことになってくるかということですね。VAN業者の方へどんどん移行してしまうんじゃないですか。
  307. 小山森也

    政府委員小山森也君) VAN事業でございますけれども、この主流はやはりプロトコル変換とネットワーク機能に加えまして、そういったパケット交換、メールボックス、いわゆる蓄積交換機能、これがほとんど主流になるのだろうと思います。そうなりますと、これは一つのディジタル交換網ということになります。そうなりますと、即時性を必要とするアナログの音声通信には余り適してないわけでございまして、既存の電話網に取ってかわるということにはならないのじゃないか。もしそのようなことになりますと、非常に多額の経費がかかるということになろうかと思います。
  308. 青島幸男

    ○青島幸男君 ですから、今までアナログで話をしていた分を今度機械的にディジタルで処理するとすればもっと短時間に済むわけでしょう。そうなると、VANで仕事を済ましてしまえぱそれだけトラフィックとしては減るわけでしょう。しかもそのおいしいところはみんなVAN業者に吸われるわけでしょう。しかも、VAN業者が使うネットワークは既存の今まで三十年間培ってきた電電ネットワークなんでしょう。それはおかしいんじゃないですか。
  309. 小山森也

    政府委員小山森也君) VAN業務というのが、今までの音声通信、アナログの音声通信が全部移行するという前提の御議論ではなかろうかと思うのでございますが、必ずしもそうではないのでありまして、やはりVAN業務によって出てくるトラフィックというのは新たに増加してくる問題であると、こう思っております。
  310. 青島幸男

    ○青島幸男君 そうすると、今度できる新電電じゃない会社ですね、新会社が東京−大阪間に光ケーブルを持ちまして、それで従来の電電が培ってきたネットワークを使ってVANのネットをまた別につくりますね。そうすると、その東京のVANと大阪のVANを光ファイバーで結んで新電電とは違った料金サービスするわけですね。そのときに、従来のネットワークを使わないでそっちに集中してしまうから、その分逃げるんじゃないかということを言っているんですよ、私は。
  311. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今のお説ですと、VANといいますか、第一種業者の兼ねるVANというふうにとるわけでございますけれども、そういった場合、やはり増加分のうちの一部は、確かに従来の新電電のネットからトラフィックとしては増加すべきものが増加しないものもあると思いますが、逆に、今度は市内網としては、VAN業務ですから、結局最後は市内網を使わなければいけないわけでございまして、ふえる部分もあると、こういうことでございます。
  312. 青島幸男

    ○青島幸男君 それじゃなおのこと、新しい会社をつくらせてそこでそんな業務をやらせて競争原理を働かせる必要はないんじゃないですか。従来どおりのサービスのあり方で、VANにまで手を伸ばしてサービスの枠を広げていくという方向で検討した方がもっと手早く確実にいくんじゃないかという気がしますけれどもね。
  313. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今までの事業体それ自身というのは、やはり画一的に全国あまねくという、本当にそういった公平の精神でつくられているのが電電公社であり、また今度の新電電株式会社も、法案が通ればそういう精神で発足するわけですが、そういたしますと、やはり事業体といたしましては、全国的にあまねくサービスをするという点から、若干個別的な需要というものに対して一々それに対応していられない点もあろうかと思います。  例えば、ある地域において特別なサービスを要望すると言われましても、新電電としては全国網を持って常に安定した形で品質管理し、しかも運営していかなければならないというと、一特定地域の要望だけにこたえられない場合もある。そういった場合におきまして、他の事業者がこれに応ずる形であらわれるということによって電気通信事業のいろいろな多層的な使い方に対して分厚く応じていける体制になるのではないかと、こう思うわけです。
  314. 青島幸男

    ○青島幸男君 あなたの言い方でいきますと、新たに特定の地域で特別に要望されるある種のサービス全国ネットを持っている新電電では対応し切れないから、そのきめの細かいサービスは新しくできた会社に任せればいいじゃないかということですね。そうでしょう。すると、そこのサービスの品質は下がっても構わないということになるんですよ。全国ネットであまねくやっていなきゃならないという特殊性を持っておるから、がたとえ会社になってもですね。だから、地域の細かい特別な要求には対応し切れないというのは、そこに対応していれば品質は下がるかもしれない。あるいはすべての品質を保持しなきゃならないという宿命があるから、新たな会社で、多少質が悪かろうと通じる、事故があろうとどうしようとそっちへ任せればいいじゃないかという話ですか、これは。
  315. 小山森也

    政府委員小山森也君) そういうわけじゃないんでございまして、例えばある地域に多数のトラフィックを要求するというときに、全体計画の中からそこだけに集中できない場合もあると。そういったときに、それに応ずる事業体が出てくるということは非常に分厚くそれに対応できるということで、品質を落とすからそこにできないということではなしに、量的な意味でできない場合もあるわけでございます。そういったときに、今度は技術基準をきちっと守った形でそこに事業体ができれば、何も品質の問題とは関係なしに需要を満たすことができると、こういうことでございます。
  316. 青島幸男

    ○青島幸男君 もっとわかりやすく私申しますと、こういう例が当たっているかどうかわかりませんけれども、新幹線ができる前のことを想定していただきたいんですけれども、新幹線ができる前も、国鉄の路線というのはもう全国あまねくおおむね走っていましたね。経常的に赤字線もあれば、優良な線もありました。そこへもってきて新幹線という非常に利率の高いものができましたね。それと同時に、個人会社による、民間会社による宅配サービスという実にきめの細かいサービスが行き届きまして、おかげで国鉄さんの赤字はもう救いがたくなっているわけですね。こういう事態になってしまうんじゃないかという気がしているんですよ。ですから、東京−大阪間に光ケーブルみたいなもので非常に割安で、しかも能率が高くて、しかもディジタル化していて速いと。しかも双方のVANをつなぐと、とても銅線を導いて通しているなんかよりはずっと大量を即座に、正確に伝えることができて、しかも料金が安いという、新幹線並みのものが在来線に対してできてしまう。しかも、個々には民間の宅配便みたいに、うちまでとりにきてくれて、しかも包装向こう持ちで、格安の料金で、フロム・ドア・ツー・ドアで届けてくれるという新しいサービスが誕生する。そうなるとそこまで対応し切れませんからね、今の国鉄は。やっとこのごろゴルフ場へバッグ運ぶようになりましたけれども、あの程度の対応の仕方じゃもう間に合わないわけでしょう。ですから、今せっかく三十年かかって培ってきた電電は在来線と。そこへ民間の新幹線ができて、民間の何とか宅配便ができて、そこにいいお客がみんな持っていかれる、利率のいいところみんな持っていかれるということになったら困るなという考え方で今質問申し上げておるわけですよ。  何となく電波、電信というものは目に見えないものですから、話がややこしくなったときにお互いに理解が行き届かないんで、今そういう簡単な例をつくって、目に見える形面下の問題のもので例示しましたけれども、そういう懸念はぬぐい切れないんですよ。それで、細かい問題ができてきて煩雑になってきたらあとは省令でやるからいいじゃないかというような格好じゃ困るということが、前段質問に立たれた議員さん方の口からも出ましたけれども、それはどなたもその不安はぬぐい切れずお持ちだと思うんです。その点はどうなんでしょう。
  317. 小山森也

    政府委員小山森也君) やはり電気通信は非常に発展の度合いが高いものでございますから、それはすべてがすべて透明度が高いわけでございませんので、携わる方もいろいろ不安といいますか、不透明な部分に対するいろいろな考え方があろうかと思います。  それで、私どもの考えといたしまして、確かに先生のおっしゃった今の新幹線と国鉄の関係、こういうような現象が出ては困るんでございます。ただ、しかし問題は、新幹線といいましても、これは事業体自身も新電電もやりますし、ほかの事業体もこれに参加しようということでございますし、それから先生は例えにおっしゃったんでございますので、それをまともにお話しするのもどうかと思いますけれども、例えば宅配便というのはこれは電話にはあり得ないわけでございまして、これは、どうしても最後のところは今の新電電ネットワークに頼らざるを得ないという、一つの事実の問題としては当分の間残ろうかと思います。  したがいまして、能率のいい光ケーブルというのは、新規参入者が引けば、やはりこれに応じた形で、しかも新しい需要に応ずるという計画のもとに新電電会社も当然それに対応した形のものは引けるわけでございまして、その中においてお互いにより品質の高い、より安い、そういったサービスが結論的にできるというもので競い合っていく、これが最終的に競争原理で臨むところの料金低廉化というところであるわけでございます。
  318. 青島幸男

    ○青島幸男君 料金低廉化は結構なんですよ。それも一般の加入者の家庭用の加入電話にまで波及するかどうかがまず問題でして、最初出てくるのは、私は企業間の電話料金の低下だと思いますね。双方の企業間が、例えば東京—大阪の企業間の連絡を民間企業のネットワークの中に組み込んでおいたら、例えばそういうところから回線を借り受ける。借り受けてもある程度のオーダーを超えれば割安になるということはありますよ。そうすると、幾つかの企業が連携して、相乗りで回線を借りてそこへ乗っかってくると事実上安くなるということもあるかもしれませんね。そういう幾つかの線が、あるいはそういう業者が出てくるかもしれませんね。東京—大阪間の電話料金については私のところで前もって何回線か確保しておきます、それぞれの企業に御参加くださいと、すると新電電料金よりも五割安で、昼間、夜間問わずできますと。しかも、そのやり方によっては確かにレンタルできるわけでしょう。ですから、それにのっとっていけぱ非常に安上がりな通話が可能かもしれない。そこにお客をみんなとられるということもありますね。  それから、CATVなんかを第一通信事業として許可する方針もあるんでしょう。そうすると、CATVを第一通信事業として扱う業者が出て、それでネットワーク結ばれたら、うんと割安な質のいいサービスが可能なんじゃないですか。しかも、向こうは営利目的で細かいことに気を使ってがちがちきますからね。今までのように殿様商売でいかなくなる部分がかなり出てきて、対応も難しくなるし、これは省令なんかじゃどうにもならないことになってきたら大変な混乱を招くと思いますが、その辺はどうですか。
  319. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今まず最初に御指摘なさいました点は、いわゆる単純再販の問題であろうと思うんでございます。  これにつきましては、やはりこれは第一種事業者とそれを借りる事業者との間の料金の契約の問題でございます。これにつきましては再々、大森先生の質問にもお答えしたわけでございますけれども、この料金の決め方の問題でございます。完全に、例えば新電電がある会社に貸して、その会社が専用線でもって大束で借りて、それでお客さんをとって安くという場合に、その大東で借りる料金をどうやって決めるかの問題でございます。ただ、今の専用線のように、専用線の価格というのはこれは非常に安くなっております。今の単純再販売を前提としない料金でこれを、こういう業者があらわれましたら、電電公社はもう商売としては非常に大打撃を受けるわけでございまして、これはとても商売が成り立たないわけでございます。したがって、そういうような場合は別の料金設定をするということは一向差し支えないわけでございまして、それによって第一次的には事業者間でそれを決めるということが、これがまた法定とはちょっと違った点でございます。電電株式会社、新電電がある通信事業者に、単純再販売という形でもってならこれは貸しませんという契約をすることは、これは一向違反でも何でもないわけでございまして、当然そういう契約はあっていいわけでございます。したがって、そういうことの単純再販による第一次事業者への打撃というものは、今回の法案においては当然防げるようになっておると私ども考えておるわけです。
  320. 青島幸男

    ○青島幸男君 その辺がよくわからないんで説明していただきたいんですけれどもね。新電電と違う会社が東京−大阪間に新たなケーブル、連絡網を持ったんですよ。そこがどんどんダンピングしていったら困るだろう。それはできない。——できるんですか。
  321. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 質問者と答弁者にお願いします。そちらが近過ぎる関係委員長席によく聞こえませんので、質問者と答弁者、もう少し大きい声でお願いします。どうぞ。
  322. 小山森也

    政府委員小山森也君) 失礼しました。  ただいまの新しく第一種業者がつくったそのケーブルを安く売ったらどうかと。売った場合においては新電電のトラフィックがそっちに移動してしまうではないかということだろうと思います。  これにつきましては、やはりこれこそ競争でございますので、これを防ぐすべはございませんけれども、ただしかしそんなダンピングをいたしましたら、第一種業者はそもそも成り立たないということになります。そういったときに第一種業者が契約金でその単純再販をやれば自分のむしろ財務に影響を与えるというような場合には、そういう何といいますか、契約は結ばないということは一向差し支えない、こういう話でございます。
  323. 青島幸男

    ○青島幸男君 しかし、事は商売ですから、最初は元値を切ってでもお客をつかんでいこうという人が出てくるかもしれませんな、普通の営業から考えますとね。スーパーの目玉商品みたいになるかもしれませんし、東京−大阪間みたいに非常に頻度の高いサービスが要求されるところは、それは何本つくってもいいわけでしょうし、中にはダンピングで今までの新電電のお客をとろうという精神で食い込んでくる業者が当然ありますよ。競争の原理で仕方がないでしょうね。で、企業に呼びかけをしまして、私どものサービスが非常に上質で安いんだということをまず知っていただく。最初足が出て赤字だと、しかし三年後に着実にお客をつかむんだという考え方で猛然と対抗してくる業者がいたとしますね。これはあっても仕方がない話でしょう。それどうなんですかね。
  324. 小山森也

    政府委員小山森也君) それなるがゆえに、その料金というのは認可制にかからしめているわけでございます。そういった不当なダンピングということによって——ダンピングというのは結果的にいずれは利用者にかかっていくわけでございます。そういった点を防がなければならないということ。  それから、ある特定の人に安くするということは、これは法律違反になるわけでございます。第七条に「利用の公平」というのがございまして、ある特定の人に安く貸すということは、何も新電電に限らず、第一種業者全部にかかるわけでございます。それはなぜかというならば、ある特定の人に対して安くするということは、企業上の採算をとるためにはどこからか、それに対して当然不利益をこうむる人が出てくることがありますので、利用の公平という点からそれは許されていないわけでございます。  それと同様な形が、時間的な差によっても、当然ある程度の資金をかけて、それに費用、資金のコスト、いろいろかけまして、当然それでは採算がとれないという数値が出てくるわけでございまして、そういった場合を防ぐというからこそ認可料金になっておるわけでございまして、認可料金になるということは、また逆から言いますと、これで不当なダンピングを抑えるという意味もあるわけでございます。
  325. 青島幸男

    ○青島幸男君 認可料金でそこに輪をかけるということは、省がしばしば口に出される競争の原理を働かせてサービスの向上に努めるということと相反するんじゃないんですか。競争の原理があるからこそサービスの充実と切蹉琢磨があるんでしょう。それに料金の枠をはめて、公正に競争する原理がなくなっちゃうじゃないですか。  もう一つ私が心配しているのは、東京から埼玉へかけても、東京から大阪へかけても、東京から九州へかけても原価は余り変わらないんでしょう、事実はね。ただ、遠いところへ行けば高くなるんだという従来から来た、交換業務やなんかずっとありましたね。遠くへ行けば飛脚は高くなるんだ、そういう使用者の錯覚に基づいているわけですよ。私に言わせれば、遠隔料金の高いのは詐欺行為ですよ。コストと関係なく高いんですよ。だから、東京−大阪は、〇三はかなり高いですな。しかし、埼玉へかけるのと事実上同じなんですよね。電気の食い方も、何回かけても電線が減るわけじゃないですしね、そうでしょう。だから、遠いところは高いんだという今までの歴史的経緯に基づく一般民衆、ユーザーの錯覚に基づいて遠近格差の料金というのはなっているわけでしょう。そこのところへ新規参入の業者がずどんと入ってきたら対応のしょうがないでしょう。  それだったら、遠近格差の料金体系の基本から直していかなければならないでしょう。しかも、全国即時通話になってきたでしょう。理由が立たないんですよ、遠いところは高いという。昔の電話だったら、九州の親戚にかけるのに、朝特急で申し込んで、夕方になってまだ届かないということがあったでしょう。これはいっぱい手間がかかっているんだから高いんだという認識があったんです。今、自動交換機で回せば、子供が回しても大人が回しても一緒です、打っちゃうわけですから。だから遠いところは高いんだという認識はもうこれ絵そらごとになっているわけです。崩壊したんですよ、その理屈は。だからこそ、そのことに一般ユーザーが気がついたら、これは安い方に殺到する。しかも、そのことを明確にした業者があらわれてくるに違いない。あらわれてきても競争の原理を働かせて切磋琢磨させなきゃならないのか。だったら、料金を法的な枠で決めるのはおかしいじゃないかということにまた戻ってつながっているわけですね。その辺のところを明確にしてからじゃないと、いきなりこういう格好で取ってつけたように民営化しても無理なんじゃないかというところにまた私は戻るわけですけれども、今までのお話についてはどうでしょうか。
  326. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 確かに一種事業に関しては非常に厳しい技術水準なり、そういったアナログからディジタル社会には移っておりますけれども、基幹的なサービスが課せられておることは事実です。  ただ、今現在の電気通信というのは、もう私はくどいほど申しません、先ほどからの質疑を聞いていて思うわけですが、電話中心のアナログの社会から完全にディジタルの社会のサービスに移行しておる。先生の言われる御指摘は、一元的なあまねくやってきた形はそのまま残しておいて、それならそれはわかったと、恐らく二種のVANなりテレックスなりファクシミリなり、あるいはキャプテンなり、いろいろなメディアのサービスは二種事業に開放したらいいじゃないか。一種事業はそういった形にする必要ないじゃないか。全国あまねくの基幹サービスをして、そうして多彩なメディアのつまみ食いするやつは、それぞれの業者の自主活動にやらせればいいじゃないかと、そういうことだと思うんです。幹線のクリームスキミングと言われているような状態のいいところだけを食う一種業者が出た場合に、電電公社の今日の経営体というものの原則の中で地方へのサービス、中央でもうけた形を遠隔地、僻地にまでサービスしているというサービスが不徹底になってくるんじゃないかというような御指摘でもあったかと思います。  確かに、クリームスキミングにすれば、その形の区間だけには競争原理が大いに働きます。あるいは宇宙衛星を使ってやるのかもしれませんし、あるいはマイクロを使ってやるのかもしれません。あるいは道路のそういった敷設や国鉄の脇を使ってするのかもしれませんし、その間における光ファイバーの新技術によって見れば、確かに今までの電電はコスト計算がなかったんですから、その意味においてはその区間は半分になるかもしれない。ですから、電電公社もそれに対応してもう既に光ファイバーの敷設網は持っているわけです。ただ、今までは競争相手がいなかったから、どんぶり勘定と言っちゃ悪いですけれども、そういった形になっていたやつを今度ははっきりしたコストに基づいた一つの企業競争という形がその間には行われるということは間違いない。  それじゃそれが不当に行われるか。不当というか、国民にとったはいいことですけれども、ただでもいいわけですから、ただにこしたことないわけですけれども、それに近い形にまでダンピングされた場合どうするんだという場合に、それでは今の民間の新規参入といえども、全国あまねくという形は別としても、東京−大阪間といえども、個人の家庭に引く場合には、これだけのネット網を何十年にわたって蓄積してきた電電公社にとても対抗できない。結局アクセスは電電公社に頼まなきゃいかぬということになれば、アクセス料なり、あるいは今さっき言ったように、例えばVAN業者が電電公社対相手の対取引によって、やっぱり相当額の専用線以外、目的以外、電話線に使うんだったら、我々の営業にも差し支えあるからこれに対してはこれだけの料金にしてほしいという私契約に基づいてやるでしょうし、また民間の今言われたうまいところを食う、効率の高いところを食べるというようなコスト主義の業者というのは当然あらわれるでしょう、公益業務という厳しい基準はありますけれどもそれにパスした業者なら。  しかし、そうなった場合でも、接続料、アクセスチャージに関してはやはりある程度の公正競争が保たれると。もちろん新規参入業者は今の新電電より必ず安い料金で参入します。そうでなければユーザーがつかぬわけです。それによって電電も新電電お互い競争するという形の中で、それよりも高いだろうけれども、けたの大きくなる分くらいは確かにある程度料金は高くなるでしょうけれども、しかし、今までの慣例、信用も含めて、やはり私はそれでもかえって市内料金のトラフィックもふえることですし、私はこれからの技術革新の度合いから言うと、市内料金の十円のコストがあるいは実際は安いのかもしれない。  だから、そういった意味合いにおいて——いや、これからの技術革新は、本当に先生がさっき言われたように、網を持っていれば遠近格差がゼロになるくらいのそういう時期なんですから、そういった形の将来の技術革新の動向を踏んだときに、まさにそういった改革というものを今の時点においてやらないと、新規参入といいましても実際には二年、三年の時間経過がかかります、現実には。ですから、そういった形において今からやっても、この法案を通しても実際の競争原理が現実に働くというのは二年半ないし三年後になる、四月からこの法案がもし断行されると仮定して。そういった状態も踏まえて、しかしそれなら三年後にはこの社会はどうなっているのだということを考えると、今のうちからやっておかなければ、いろいろな人の個人ニーズにも企業ニーズにもこたえるわけにいかないんじゃなかろうかという懸念があるわけでございます。  NHKと民放とを比較するのじゃありませんけれども、電波を開放して、NHKは現在の公共体質を持ったままやってまいります。民放が二百社ほどふえたことによってやはりいろいろな批判もありますけれども、いろいろな電波の恩恵というものを国民が受けるようになってきた。電信においても、それらと同等とは言いませんけれども、じゃ公共放送のNHKと同じように電電公社をしておけばいいじゃないかというと、それでは今の経営体質も含めて果たして当事者能力を持ってやれるだろうか。何年ごとに料金の値上げをまたこうして頼まなきゃいかぬような体質になった場合に、果たして同じ二の轍を踏んじゃおかしい。それよりも、むしろ新しい先行した情報社会に先導的な役割を果たすために、通信のある程度の開放というのはこの際断行すべきではなかろうかという形に達したというわけでございます。
  327. 青島幸男

    ○青島幸男君 それはもう、鉄は熱いうちに打てとか、今やらなきゃやるときはないだろうとか、三年先どういう世の中になっているかわからない。これはだれにも予測が立たないことですし、おっしゃられることもよくわかるんです。  しかし、それならそれでもう少し、前に質問した方々も納得のいくような整理の仕方があったのではなかろうかという気が私はしていて、御説はわかるんですけれども、それならそれでもうちょっと長い期間準備をして、ここ一年ぐらい延ばしてもいいんじゃないかと。ここ一年ぐらいに皆さん方の疑念をもう心底から払拭するような深い検討があって、どなたからも納得が得られる、しかも国民皆さん方の納得も得られるという状況を醸し出して後、一歩踏み出すべきだったんではなかろうかという気がしておりますが、その点はいかがなものでしょうか。
  328. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 確かに先生の御指摘のように、そういった意味合いにおいてはまさに電気通信の分野のみならず、これが企業の分野、個人の生活の分野、文化の分野、あらゆるところへ大変な影響を及ぼす大法案であるということは確かに認識を同じくしております。  したがいまして、今日においては参議院、こちらの方に参るまでには衆議院において慎重に御審議を願い、私たちはこれが今日の段階においては最上の法案であろうということで御提出を申し上げましたけれども、先般来のいろいろな先生方の御指摘等を踏まえて、衆議院段階においてもある程度のそういった修正も含めて善処してまいったところでございます。したがって、私たちは慎重審議という形についてはいささかも先生と——まさに大事な大改革法案であると、まさに国益も含めて、こういった、しかし新しい社会形成の方向へ、これは好むと好まざるとにかかわらず行くであろうと。先行的、先導的な法案でありますから、慎重に御審議のほどをお願いしたいと思っておるわけでございます。
  329. 青島幸男

    ○青島幸男君 私の予想に反しまして、図らずも大臣から結論めいたお話が出てしまいましたので、私はCATVのあり方だとか、あるいはケーブルの埋設の問題だとか、あるいは新規参入業者になると今までのようなやり方ではなくて、そこら辺の電力会社の電柱に構わずかけてしまうような事態も起こりはしないかとか、個々に細かい問題についていろいろお尋ねしたいことがありましたけれども、今大臣が決意表明みたいなものをなさいましたので、多少時間が残っていますけれども、この程度でやめます。
  330. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 青島君の本日の質疑は終わりました。
  331. 田英夫

    ○田英夫君 私も素人であるからかと思っておりましたが、朝からの皆さんの御質問、お答えを聞いていて大変疑問がたくさん出てくるわけです。  まず疑問の第一は、これはもう先日御質問がありましたし、確認のようなことになりますけれども、なぜ今電電改革なのかという基本の問題についてですが、世間一般ではこれは行革法案だと、こう言われていて、新聞にもそういうふうに書いてあるのが多いわけでありますが、私の以前の質問に対して局長が、これは行革法案ではありませんというお答えをされたと思います。一体これはどういうことになるのか。いわゆる臨調答申に基づいて始まったことではあるかもしれませんが、私も内容はむしろ行革法案とは言いがたいという気がするわけですね。それよりも新しい時代に即応するという言い方の方が近いのではないかという気がしますが、この点は確認ですが、いかがでしょうか。
  332. 小山森也

    政府委員小山森也君) 行革法案ではないと言ったのは、もしそうだとすれば私の言い過ぎかと思いますが、行革というものは確かにきっかけにはなっておりますけれども、実際においては電気通信のこれからの発展をここで見直しまして、発展に対して応ずる体制をつくらなければならない時期に来ていたことは確かでこざいまして、そういった意味では単なる行革法案ではない、これからの新しい電気通信体制をつくるための法案であると、こう思っております。
  333. 田英夫

    ○田英夫君 これ大事なことですから大臣にもお答えいただきたいんですけれども、世間一般で行革に賛成か反対かという議論が非常に今高いわけですね。そういう中で、これは発端は行革であるけれども、内容はそうじゃないんだと、新しい時代に即応するためのものだということになると大分様子が変わってくるわけですよ。で、おれは行革に賛成だからこういうものは賛成なんだというふうに庶民は簡単に思うわけです。御専門の皆さん、ここはまあ専門の皆さんの議論の場かもしれませんけれども、私はむしろ、後で申し上げるけれども、庶民の立場というか、一般の皆さんの感覚で物事を考えたいと思っておりますから、そういう立場で考えますと非常に惑わされるわけです。一般の報道も行革法案の中に数えているわけですね。大臣にこの点を伺いたいと思います。
  334. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) これはちょっと局長を横に置いての不統一な形になりますけれども、私は、これは臨調答申を受けての行革の法案であると思っております。それはなぜか。やっぱり膨大な公社機構をこれから責任経営に基づく民営化に持っていくわけですから、これはある意味においてはやはり行政改革の趣旨に沿ったものである。しかし、それと同時に通信技術進展に伴ってこういった民営化を打ち出すことによって臨機応変的な柔軟な一つの民業経営に持っていこうと、新しい高度通信技術にも対応しようという意味においては確かに高度情報社会に対応する一つ電気通信技術を中心にした改革法案であるとも言えると思います。しかしながら、他方、行革には関係ないということは断じてないと思っております。
  335. 田英夫

    ○田英夫君 行革論議をすると切りがないんですけれども、そもそも行革というのは一体何かということになってしまうんでありまして、大臣は非常にうまい答弁をされたと思いますけれども、一般の庶民は行革と言うと人間の数が減ったり、機構が簡素化したり、そういうことを行革と思っているんでありまして、今度はそういう意味の行革でないことだけは庶民の方が感じているんじゃないでしょうか。  そこで、朝からの議論あるいは私自身前からの感じでずばり今度のこの三つの法案を総合的に見ると、郵政省の非常に過剰な介入があるというふうに私は受け取っています。これは事業法の第一条に「利用者利益保護しこというふうに書いてあるわけでありまして、本来、あらゆる問題がそうであるように、やはり利用者国民立場から物事を考えなければいけないはずでありますが、どうもこの法案の行間に盛られているものは郵政省の非常に強い立場を盛り込もうと、民営という形の変化をとりながら実は今までの電電公社以上に郵政省の力が加わるんじゃないかという感じを持つわけです。非常に抽象的な言い方ですが、この点についてはどうお考えですか。
  336. 小山森也

    政府委員小山森也君) まず数量的な点で御説明申し上げたいと思います。  公衆電気通信法と磁気通信事業法案を比べてみた場合に、今現在あります公衆電気通信法の認可件数というのは三十四件ございます。    〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕これに対しまして電気通信事業法案では六件に減っております。三十四対六でございます。それから同種の似たような事業法の点を見ますと、これは電気事業法と道路運送法がございます。これの許可の数を見てまいりますと、電気通信事業法案では許可は八件でございます。電気事業法は二十一件、道路運送法は十六件でございます。それから、届け出その他でございますけれども、届け出につきましては電気通信事業法案は三十、電気事業法は三十四、道路運送法はこれは少なくて二十七になっております。したがいまして、こういった公益事業の場合の許認可というのは、政府というのは利用者立場に立った形での介入というのはどうしてもせざるを得ない点がございまして、特に料金との兼ね合いで、事業が全く自由な形で参入できる場合は市場価格が生まれまして、これは非常に行政がかかわるということは問題であるわけでございますけれども、例えば第一種事業にいたしましても、これを開始するのは許可であるということになりますと、完全な自由市場における市場価格が形成されないということになりまして、どうしてもこういった国民全体の利用者側利益保護という立場において行政がそこへタッチするという形が出てまいるわけでございまして、これはやはり今申し上げましたように電気事業法とか道路運送法もそういった趣旨になっておる次第でございまして、私ども郵政省の権限をというようなことでは決してございませんので、その辺ひとつぜひとも御理解いただきたいと存じます。
  337. 田英夫

    ○田英夫君 局長は恐らく数を挙げて答弁されるだろうということは私予想してたんですね。この前、自民党の委員の御質問にもそういう答えをしておられました。私の感じはちょっと数も違うんですけれども、それは別にして、数の問題じゃなくて内容の問題だと思うんですが、例えば会社法の十五条の二項に「郵政大臣はこという書き出しで、「命令をすることができる。」という結びになっている条文がありますね。とにかくこれを読んでみると、本当に「郵政大臣はこと書き出して、非常に強烈な部分がたくさんあるんですけれども、一つの例を言うとそういう部分がありますね。一般に、命令するというのは非常に強いことですね。この第十五条について大臣はどうお考えですか。
  338. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 法的な面については政府委員からお答えさせますけれども、やはりこの一種に関する通信役務提供、一種事業の問題でございますが、これらはもうあくまでも利益性よりも公共性という、あるいは個人の機密、企業の機密、プライバシー問題を含めて大変な公共的性格を持っておる事業であるということを念頭に置きますならば、この業務に関しての監督命令権というのは、一種に関しては確かに厳しい規制措置をとっておるということは認めます。
  339. 小山森也

    政府委員小山森也君) 実はどこの特殊会社にもそういう条項がございまして、国際電信電話株式会社法も、この十五条で、「その業務に関し必要な命令をすることができる。」となっておりまして、特にこの会社法で強く特徴的に出しているわけではないということも御理解いただきたいと存じます。
  340. 田英夫

    ○田英夫君 私が言っているのは郵政省の体質を言っているわけでありまして、今国際電電のことを教えていただきましたけれども、これも含めまして、私が以前に申し上げた電波法第四条の問題などはその最も強烈なあらわれだと思います。放送局の免許権を郵政大臣が持っているということは民主主義の原理に反する、アメリカのFCCのようにしろということを繰り返し私は申し上げているわけでありまして、こうしたことをやり抜いている日本の郵政省の体質に問題があって、それが今回のこの法案にも、はしなくも同じように出てきているということを私は申し上げたいわけでありまして、例えばスト権の問題、これも衆議院でも議論がありましたし、一般国民の皆さんもこの点については注目をしておられるわけでありますが、衆議院では総理のお答えも本会議でもありましたけれども、一般の人の感覚でいえば、民営になったということはイコール全く民間の会社ということの扱いになるべきで、公共的だから規制をするというならば、それはストをやってその結果を、利用者国民の皆さんがそのストが適切であったかどうかということを判断をするというのが民主主義の原理だと私は思います。  ですから、今までの電電公社という場合はさておいて、民営化したというにもかかわらずスト権について一定の何か制限をしようという精神そのものが、既にお上という感覚があるんじゃないかという気がしてならないんでありまして、このスト権については全く一般の民間会社と同じようにすべきだというのがこれはもう庶民の感覚じゃないでしょうか。この点、郵政大臣、総理の発言もありましたから非常に微妙なところでしょうけれども、率直なお気持ちを聞かしていただきたいと思います。
  341. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御指摘のとおり、完全な民営会社であるならば、労働三法に基づくスト権に対していたずらな特例のそういったことをすべきでないという御意見だろうと思います。私もその点については同感です。  しかし、この会社はまだ特殊会社ということで、公益事業の範疇の中でやはり電力やガス会社よりもむしろ緩やかになっておるという形で、しかもこの見直し規定を含めて三年間の特例措置ということになっておるわけでございます。もちろん所管大臣は労働大臣でございます。労働大臣も、そういった公益事業でこの三年の間はまだ一元的な体制が続くということを仮定すれば、これくらいの緩やかな政策的な担保としては御了承願いたいというような口調でお答えになっておられるところでございます。しかも、総理の場合は明確に、御指摘にもありましたが、過日の参議院の本会議において、三年の見直し期間はストの特例措置の廃止を含めて見直しに当たりたいということでございました。私も、先ほども答弁でお答えしましたけれども、そういった方向になって、先生の御指摘のように特例措置の一日も早い機会に廃止されることを願望しておるという形で御答弁申し上げたところでございます。
  342. 田英夫

    ○田英夫君 郵政省の力の問題ということでもう少し具体的に入ってみたいと思いますが、事業法の九条でいわゆる第一種事業の許可について規定しておりますけれども、こういうものを、例えば「氏名」、「名称」とか、「電気通信役務の種類」、「態様」とか、「業務区域」とか、それから「設備の概要」とか、そういうことを出さにゃいかぬわけですね。ちょっとこれは伺っておきたいのは、「態様」というのは一体どういうことを指すんですか、素人でわからないんですが。
  343. 小山森也

    政府委員小山森也君) 東京−大阪間回線交換網というような、そういったことでございます。
  344. 田英夫

    ○田英夫君 それからもう一つ、今申し上げたこれは、「役務の種類」とか「態様」というのは省令で決めるということになるわけですね。
  345. 小山森也

    政府委員小山森也君) 省令で決めますのは「電気通信役務の種類」まででございます。「態様」の方は省令がかかっておりません。「電気通信役務の種類」は郵政省令で定める区分でございまして、今法律に書いてあります電報であるとか、電話であるとか、データ通信というようなもの、それから試行役務になっているファクシミリ通信とか、そういったものが「電気通信役務の種類」ということになりまして、ある事業者データ通信であるとか、ファクシミリ通信、それから電話もやるというようなときにその役務を書く、こういうことでございます。
  346. 田英夫

    ○田英夫君 大変細かいことですから教えていただきたいんですが、そうすると今の「態様」あるいは「設備の概要」という部分もこれ出さなくちゃいけないわけですが、これの内容についてはもう常識でわかっているということで特定に決めるということはないんですか。省令で決めるわけじゃないということになると、これはどういうところで決めるんですか。
  347. 小山森也

    政府委員小山森也君) これは、「電気通信設備の概要」というのは、例えば東京−大阪間一万回線であるとか、そういったような設備のことでございます。これは特に内容について区分というのはありませんが、その内容につきましては第二項の初めにありますように、「郵政省令で定めるところによりことなっております。やはり「電気通信設備の概要」というのはこういったことまでということは省令で書くことになっております。
  348. 田英夫

    ○田英夫君 そこで今、「役務の種類」ということが出てきたわけですけれども、どうもわかりませんのは、こういうことを第九条に基づいて第一種事業をやろうとする者は、その許可を申請しなければならないということでこれ出しますわね。そうすると、その内容というのは今おっしゃったように決まっている。そうすると、もう一つ契約約款というのが認可の対象になっている、この関係はどういうことになりますか、ダブりませんか。    〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕
  349. 小山森也

    政府委員小山森也君) ただいまのあれは許可の問題でございまして、片方の契約約款はこの利用者との関係において決める契約約款でございまして、許可の申請というものと、事業者がお客さんとの間で決める契約の内容を契約約款として三十一条で認可を受けるということでございまして、これとは重複はいたさないものでございます。
  350. 田英夫

    ○田英夫君 内容的にはどういうことをやるかという意味では同じことになってくるような気がするわけですよ。  つまり私が申し上げたいのは、役務の種類というところをもっと大ぐくりにしておいていいんじゃないだろうかということを申し上げたいわけなんですね。非常に細かなところまで郵政省の介入を受けるということになるんじゃないだろうか。ほかの電気とかガスなんかはもっと大ぐくりでやっているんじゃないかというふうに思えるもんですから、えらく細かなところまで気を使われるなどいう気がするわけですよ。
  351. 小山森也

    政府委員小山森也君) どうも私の説明がへたで申しわけございません。  第九条にいうところの区分ではそれは大分類でございまして、今で言う法定のサービス程度でございます。ただ、その具体的なサービスの内容をどうするかは、これは事業者が決めるわけでございまして、ですから、その部分は契約約款になってぐるわけでございまして、最初の九条の方は大ぐくりなものでございまして、あとはその利用を具体的にどうしていくかという提供条件、これは事業者が決めることでございまして、それだと認可するという形になります。
  352. 田英夫

    ○田英夫君 それだとわかるんです。そういうことで確認をしておきたいと思いますけれども、九条の方は大ぐくりなことでいいんだということで理解をさせていただきたいと思います。  それから、その前の、さっき言いました「設備の概要」という方ですね。これもさっきお話がありましたけれども、これはかなり大切な、例えば新電電というようなことを考えたときに非常に重要な部分になるんじゃないんでしょうか。これは省令で定めるというような程度でいいことなんですか。
  353. 小山森也

    政府委員小山森也君) これはその内容を省令で決めるということでございまして、概要としてはどういうことかといいますと、電気通信回線設備の設置の区間または区域、電話級換算等一定の単位で表現されるところの回線設備容量とか、あとは光ファイバーを使うとか、同軸ケーブルであるとか、そういった伝送交換の方式、アナログ、ディジタルの区分というようなものが大体中心になるわけでございまして、これは御指摘のように非精に大切な部分でございます。
  354. 田英夫

    ○田英夫君 私は一貫して郵政省が非常に細部にわたってまでチェックをされるという精神が余り強過ぎるんじゃないかということで伺っているものですから、私も細かい条文のところはなかなか理解できないんで、言葉の解釈から伺いながら聞いているもんですから、大変面倒かもしれませんが教えていただきたいんです。  そうしますと、今おっしゃったようなことだと、私の言うこれもまた大づかみなところでいいんだと、細かな問題は一々チェックしないんだというふうに理解していいんですか。
  355. 小山森也

    政府委員小山森也君) ただいま申し上げたその程度のことでございまして、それ以上細かいことはこれには求めてないわけでございます。例えば東京−大阪間であるとか換算何単位であるとか、それから同軸ケーブルを使うとか、その程度のことでございます。
  356. 田英夫

    ○田英夫君 それから、庶民感覚で物を考えるという意味では、青島さんもさっき触れられましたけれども、今この電電改革法案が国会で審議されているということを知っておられる町の皆さんの声、そういう感覚でぜひ大臣以下あるいは電電公社の幹部の皆さんもお考えいただきたいと思うんですけれども、みんな非常に心配しているわけですよ。青島さんのおっしゃったことも私全く同感なんですけれども、わからない部分が多い。今私が申し上げた郵政省の力が強過ぎるんじゃないかという感覚は、これはかなり多くの人が持っていることだと思います。私も条文を一生懸命で試験勉強のように読んでみて、さっぱりわからないんですよ、この文章の中の。それで今、こんなことを拾い上げてみましたけれども、これでもまだ勉強足りませんから、もっともっといろんな部分があるんじゃないか。専門の皆さんはそこがよくおわかりでしょうから、ぜひそういう立場があるんだぞと。郵政省の権限が強過ぎると、民営化したと言いながら実は、さあ始まってみたら、むしろ電電公社時代よりも新電電は大変なことになる。あるいは新規参入をしてみたけれども、法律上は大変規制が厳しいんだと、こういうことではたと当惑するというようなことが起こってくるんじゃないか。  全く庶民感覚で申しますと、例えばさっきもダイヤルがうんとふえるんじゃないかというお話がありましたね。これ私はわからないんですが、例えば第二電電というものができる計画のようですね。そうすると、私なら私が第二電電を通じて大阪に電話をしようということになりますと、まず第二電電を呼び出すわけですね。これ東京にあるとすれば、それは七けたになるんじゃないですか。局番が三つとすれば七けたになるんじゃないでしょうか。それはまずそういうことになるんじゃないですか。
  357. 山口開生

    説明員(山口開生君) ただいま先生がおっしゃいました東京から大阪にかける場合でございますが、第二電電の新規参入の線を通って大阪にかける場合には五けたぐらいでよろしいというふうに技術的には検討しております。ただ、それは今の電電に加入しております加入者は当然そのままよろしいわけですね、電電の線を使う場合は。電電の線を使いながら新しい第二電電の線を使うという、両方使いたいという場合の話でございまして、今の加入者が、電電は少し高いから使わない、新規の安いところしか使わないというふうに固定しますと、今と同じようなけた数で使うことはできます。これは技術的に可能でございます。
  358. 田英夫

    ○田英夫君 もう少し詳しく教えていただきたいんですけれども、例えば今だと大阪にかけるのは〇六で、あと局番が三つとすれば、七つ足すから九つ回すわけですね。第二電電を通じて大阪にかけるとなると、第二電電を呼び出すのに五けたかかるわけですか。そしてそれに今の設備でいくと自分の電話番号をやらなくていいんですか。それから、相手の電話番号がありますね、全部足すと幾つになるかというのをちょっと教えてください。
  359. 山口開生

    説明員(山口開生君) アメリカの場合と違いまして、今例えば東京と大阪を考えますと、東京と大阪の間に伝送を使う線を選別すればいいと、こういうことだけでございますので、したがいまして、その選別をするために五けた以内のけた数で選別ができる、こういうふうに考えておりますので、したがって第二電電の線を使う場合には、現在よりも、五けた程度のけた数を、ですから十五けたぐらいになりましょうか、そのくらい回せば使えると、こういうことでございます。
  360. 田英夫

    ○田英夫君 いずれにしても、庶民の心配はそんなところにあるということをひとつぜひわかってください。  これは、恐らくそうなりますと、若干安くても、回さないで新電電の方を使う人がもちろん一般の人は多いでしょうね。しかし、企業の方はそうではなくて、もっと簡単に、第二電電を使って企業間の通信をやるということを考えるでしょうから、さっきもお話に出たように、結果的には第二電電は企業専用会社ということになるだろうと、こう見ていいわけですね。
  361. 山口開生

    説明員(山口開生君) 今五けた程度回しますが、結局回しただけは若干そちらの方が安いという格好に、利用者からはなるわけですね。ただし、その線以外に電電公社の線をいつも使うとしますと、やはり電電利用のために便利な方がいいというお客さんもございますので、必ずしも企業の全部がそちらに入るということでもなくて、やっぱり電電公社の線を使えば全国どこでも今と同じようなけた数でかかりますので、そちらのお客さんも私はあるんではないかと思っております。
  362. 田英夫

    ○田英夫君 いろいろ雑多に庶民的心配を並べますので、関連がなくて恐縮ですけれども、例えば、新聞が今のような配達ということではなくて、新聞社にとってはこの配達ということが経営のもう非常に重要なウイークポイントであるわけですから、恐らくそう遠くない将来に、ファクシミリで家庭に伝えるということが実現をするだろうと思いますけれども、その場合には、今度の法律によると一体どういうことになるかということをちょっと教えてください。
  363. 小山森也

    政府委員小山森也君) いろんな形が考えられます。一種事業者に対する単なるユーザーとして新聞社がかかわってくるという場合もあります。それから、新聞社自体が二種事業者になりまして、第一種から借りて、その設備は全部新聞社が持つというような形も考えられます。  それから、これはちょっと飛躍かもしれませんけれども、通信衛星などを使って、みずから一種業者になって、それでみずからのものと合わせてほかのものも通信するというような場合も考えられまして、いろんな形態がありまして、これはこうだというのはなかなか押さえにくいところでございます。
  364. 田英夫

    ○田英夫君 これはしかし、そう遠くない将来に現実のものになると私は思いますので、今局長おっしゃった中で、二番目のみずからは第二種になるというようなね、そういう可能性が一番強いかもしれませんね。みずから施設をするということは、少なくとも当初はなかなか困難であって、第二種になると。そうすると、まあ新電電というものの一つの伝える設備の方では、新電電の役割ということがそこに出てくると。恐らくそれは新電電の会社を利用するということになると見ていいわけですか。
  365. 小山森也

    政府委員小山森也君) 各家庭となりますと、どうしても加入者線、市内網につなげなければいけないということになりますので、これは新電電の御厄介にならなければできない話だと思います。
  366. 田英夫

    ○田英夫君 全く次も雑多なことなんですけれども、これも庶民の心配の一つは、公衆電話、これはもう今非常に庶民にとっては便利になりまして、助かっているわけですけれども、民間会社になった以上は、電話ボックスをただでその土地を占有するわけにいかなくなるということになると、あれだけのスペースですけれども、その占有料というものを新電電は当然その所有者に対して払うということになると、これもばかにならぬのじゃないでしょうか、全国で。しかし、夜になりますと赤電話はたばこ屋さんがしまってしまうと、しまわれてしまって使えない。夜よく一生懸命で電話ボックスを探すというようなことを私も経験をいたします。そうすると、例えばあるちょっとへんぴなところへ電話ボックスを建てた。これなら土地代が安いからいいけれども、割合繁華街のところだと土地代が高いからというようなことで、しかし案外利用者は少なくて、そこの電話料金による稼ぎとその占有料を支払う方の支払いとが、逆に支払いの方が多くなるというようなことになったら、民営である以上絶対そんなところへ電話ボックスを置くはずがないですね。そうすると、庶民は電話ボックスの数が減るんじゃないか、そういう心配を既にしてますよ。これはやっぱりこの場でひとつ明らかにしておいてほしいと思います。
  367. 岩下健

    説明員(岩下健君) ただいまお尋ねのいわゆる道路占有料でございますが、これは御指摘の公衆電話ボックス以外にも、電柱あるいは地下ケーブルを入れます管路、こういったかなり膨大なものがございます。これの専用料をいわゆる新電電になりますと支払うことになるわけでございますが、これの対象の施設なりあるいはその料金政府の方で具体的に御検討でございますので、現在明確な数字は確定的なものは出ておりませんけれども、ざっとマクロで試算いたしますと、三百億円程度の年間負担になろうかと思います。その中で、今の公衆電話ボックスに見合うものもあるわけでございますが、だからといって公衆電話料金を上げるとか、あるいはまたその設置について手かげんをするというようなことは全くございませんで、むしろこの三百億の専用料、これは新しい税負担についても同様でございますけれども、こういったものは新しい会社になりましてから、現在の公社の制度では得られなかった経営の弾力性なり、あるいはその機動性、あるいはまた業務範囲の拡大、こういったことをベースにしました経営の中で、現在以上に経営の効率を上げるということは可能でありますし、また私どももやるつもりでおります。そういう中で、ただいま御指摘のような新会社に移行したことによる新しい負担増というものは、十分吸収していけるだろうと考えておりまして、これは公衆電話だけでなしに、サービスの質を向上、増しこそすれ、これを減退といいますか、後退するようなことは全くしないつもりでおります。
  368. 田英夫

    ○田英夫君 もう一つ、けさ大森さんが質問しておられた点で、私も全くお答えにもかかわらずよくわからないんで、局長に教えていただきたいんですけれども、端末機の問題で、いわゆる従来の黒電話に当たるもの、それは役務として契約するんだから支払いは要らないと、それから片っ方は物品として買うという場合に、その違いが出てくるというお話だったんですけれど、これは何か最初端末機については新電電は販売を扱わないというようなことがあったためにですね。何かその名残じゃないかというような気がしてしょうがないんですけれども、なぜああいう違いが出てくるんですか。
  369. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今の公社法の建前では、端末機を売るという建前になっておりませんので、全部電電公社というのは役務提供であると、こうなっております。したがいまして、ファクシミリというようなものでありましても、ファクシミリという端末機を通してサービス役務の内容を売るんだということになっております。ですから、今の公社法では物品を売るということを全く前提としていないわけでございます。  それで、新電電はどうかといいますと、これはもう今度の修正等によりまして自由にできるわけでございます。物品販売というのは、これは特に事業に非常に密接にかかわりのある端末機などは、これは物品として売るということです。それと同時に、事業法におきまして端末はこれは一定の基準さえ満たしていればどの端末をつけてもよいといったてまえになっておりまして、にする予定でございます。そういたしますと、端末を物品として買ってきてもよい、それを接続してもよいと、こういうことでございます。そうしますと、電話機そのものも、利用者側から見た場合には、一つの物品として買ってきてそこにつけたいというときもありますし、物品が独立してしまっては役務の内容が、もし変な電話、音質が落ちたときに電話機を買いかえなければいけない、そんなのは嫌だ、やはりそれは役務一つのサイクルの中で買いたいと。だから、それについては電話機を買うんではなしに、電話機を通してくるところの電話サービスという音声を買うんだということになりますと、これは役務の購入になりまして、この形が変わってくるわけです。片方は役務の購入になり、片方は端末機という一つの物品を買うということになり、そうしますと物品を買うということについては、物品はいろいろな点におきまして自由に買えるわけですから、この販売価格は当然いろいろな事業者がみずからの販売価格でお客様に売るということになりますし、片方は役務の一端、一つの先端として買うということですから、役務提供ということになりまして、これは役務料金というのは、先ほど申し上げました三十一条の料金の中に入ってくるということでございます。これにつきましては、一つの論理の問題と実態の問題とをあわせてお話ししているものですから、非常にわかりにくい点があって申しわけないと思っております。
  370. 田英夫

    ○田英夫君 これは専門の方がそういうふうにおっしゃるのはそれなりにわかるんですけれども、もう奥さん方の会話が今から予想されるような気がして、おたくは役務を買ったのというような、こんなことを言ったって、それはわかりませんよね。うちは物品を買ったのよなんという話になってしまいまして、これはやっぱり修正の生んだ一つのあれかもしれませんけれども、何とかそこのところは実態の中で庶民が惑わないようにお考えいただけないものかと。従来のやはり電電公社の黒電話という役務まで提供していたという伝統と、会社にかわったということの中の切りかえがどうもちょっと複雑過ぎてわからないと。原案はやはり従来の方をとっておられたものですから、そこで修正されると、修正ということになって、その二つが複雑に絡んじゃったという実態なんじゃないでしょうか。
  371. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今修正によって変わったわけでございませんでして、もともと今度の法体系では新電電は端末を売ることができることになっておりましたが、ただその場合は郵政大臣の認可が要るということになっているんですが、今回認可を外したということでございます。  それから利用者方々役務を買ったのか電話機買ったのかというような会話というようなことでございますが、これはやはりどちらでも買えますよと、レンタル料で、基本料でもってお払いになってもいいですし、電話機を買ってくだすっても結構ですと、どちらでもお好きな方で結構ですと、こういう話になろうかと思います。
  372. 田英夫

    ○田英夫君 ちょうど私ここへ持っていたんですが、テレホンカードというのをこれもまことに旅行中などは便利なもので驚きましたけれども、こういうことが一つのあらわれのように、電信電話というものがもう非常にすばらしいスピードで変化、発展をしているという中での今度の改革といいますか、変化になるわけで、我々なかなかついていけない部分があるのはこれやむを得ないかもしれません。しかし、まだこの法案が成立したわけじゃありませんから、あらかじめそういうことをやるわけにはいかなかったとおっしゃるかもしらぬけれども、一般の人にどういう変化が起こるんだろうかという具体的な実態が余りにもつかみにくいんですよ。私も、繰り返して言いますけれども、利用者の側の立場を強調したいんですけれども、その立場からすると、一体どういうことが自分たちの生活の中で電話をめぐって起こってくるだろうかということがわからない。近い将来のニューメディアを含めての変化ということももっと、郵政省なり、あるいは電電公社なり、関係者の皆さんが教えていただく、庶民に対して啓蒙活動をやっていただくようなことがあってよかったんじゃないかなと、こういう気がしてなりません。  まだこれからも審議の日数があるわけでありますから、私の方も勉強しますけれども、そういう庶民感覚ということをぜひ含めてお考えをいただきたいということを申し上げて、終わります。
  373. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 電電三法に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十七分散会      —————・—————