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1984-04-19 第101回国会 参議院 逓信委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年四月十九日(木曜日)    午後一時開会     —————————————    委員異動  四月十八日     辞任         補欠選任      吉川 春子君     佐藤 昭夫君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         大木 正吾君     理 事                 長田 裕二君                 成相 善十君                 宮田  輝君                 片山 甚市君     委 員                 大木  浩君                 岡野  裕君                 沖  外夫君                 志村 愛子君                 新谷寅三郎君                 西村 尚治君                 山内 一郎君                 大森  昭君                 服部 信吾君                 三木 忠雄君                 佐藤 昭夫君                 中村 鋭一君                 青島 幸男君    国務大臣        郵 政 大 臣  奥田 敬和君    政府委員        郵政大臣官房長  奥山 雄材君        郵政省郵務局長  永岡 茂治君        郵政省電気通信        政策局長     小山 森也君    事務局側        常任委員会専門        員        酒井 繁次君    説明員        通商産業省機械        情報産業局電子        政策課長     関   収君        日本電信電話公        社総裁      真藤  恒君        日本電信電話公        社総務理事    岩下  健君        日本電信電話公        社技術局長    桑原 守二君        日本電信電話公        社営業局長    草加 英資君        日本電信電話公        社業務管理局長  神林 留雄君        日本電信電話公        社計画局長    池沢 英夫君        日本電信電話公        社経理局長    飯田 克己君        日本電信電話公        社宅内サービス        本部長      山本 千治君    参考人        国際電信電話株        式会社常務取締        役        高仲  優君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○公衆電気通信法の一部を改正する法律案(内閣  提出衆議院送付)     —————————————
  2. 大木正吾

    委員長大木正吾君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨十八日、吉川春子君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。     —————————————
  3. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 次に、参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会国際電信電話株式会社常務取締役高仲優君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  5. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 次に、公衆電気通信法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  6. 片山甚市

    片山甚市君 まず、法案に入る前に、けさラジオ、テレビあるいは各新聞によると、一斉に第二電電に対抗して値下げをするという真藤総裁の談話が発表されています。恐らく私が聞いたら、それはオフレコで言うたんで勝手に新聞社が書いたものだと言うに違いない。これは総裁常套手段でありますから大変納得しないので、初めから言ってください。こういう答えはあかん。オフレコであろうと何であろうと、書いた以上は事実ですから。  そこで、大臣と両方に聞きますが、今度電電改革法案がまだ衆議院においても参議院においても趣旨説明がされておりません段階で、これがあたかも決まったということを前提にした話をしていることについては、国会議員として国会軽視甚だしい越権行為だと憤慨するものであります。大臣は、いやそういうことは大いにやりたまえと、こういうふうにおっしゃるかどうか、こう思います。特に、料金体系のあるべき姿も明らかにしていない今、部分的に引き下げていくことは絶対困ると思うんですが、大臣まずお答えください。
  7. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今電電改革法案の御審議をまだ国会提出、御審議願うことができない状態でもございますし、そういう点を踏まえますと、きょう私も新聞で拝見した限りでございますが、今中距離料金を含めて値下げの案を本委員会でも御審議願っておるやさきでございますから、そういった形の情勢も踏まえて考えますと、公社総裁としての遠近格差を一日も早く解消して理想通話料金に持っていきたいという御意思のほどはよく理解できますけれども今中距離料金値下げの御審議を願っているやさき、まだまだ安く将来においてできるんだという可能性を指示しますと、また皆さんの御審議過程の中でとかくの論議を起こすんじゃなかろうかと実はけさ方ちょっと心配しておったところでございます。大変国会軽視のそういったそしりのないように、今後ともこれは総裁のみならず私も含めて言動に注意してまいりたいということでございます。
  8. 片山甚市

  9. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 今大臣がおっしゃいましたように、時期的には非常に悪いときに悪いことを言ったということでございます。ああいう記事が出ましたいきさつについて簡単に御説明を申し上げますが、国会でいろいろ新規参入についての御質問がありました中で、今の料金体系のままだと新規参入が非常に入りやすい状態であるという意味のお答えをしたことが、衆議院の方でも、ここでも、大蔵委員会でもございます。それについていろいろ質問がありましたので、結局突き詰めて、それじゃ新規参入ったらどのくらいのコストになるのだろうという質問がございましたので、大ざっぱに計算すると幹線部分だけでは今の料金体系の三分の一ぐらいで済むだろうと思われるということを説明しましたのがああいう記事になっておるというのが事のいきさつでございます。しかし、いずれにいたしましてもこういう時期にああいう記事の出る可能性のあることを言ったということに対しては全く私の責任でございまして、この場をおかりいたしまして深くお断り申し上げます。
  10. 片山甚市

    片山甚市君 今三百二十キロメートル以上は三分で四百円ですが、それが三分百円ということになると四分の一で通話ができるということになります。そこで、一般には現行料金は非常に不当に高いという印象を与える。そして電電はこの上にあぐらをかいている。非効率、親方日の丸の最たるものと受けとめられかねないのですが、この点について総裁のお考えはどうですか。
  11. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 百円という具体的な数字は申しておりません。
  12. 片山甚市

    片山甚市君 書いておるやないか、これ全部。
  13. 真藤恒

    説明員真藤恒君) いいえ、それは新聞記事でございまして、私の口からは言っておりません。さっき申しましたように、三分の一ぐらいでできるだろうと申しております。
  14. 片山甚市

    片山甚市君 いつもマスコミがいいかげんなことを書くものだということをここでしゃべりますか。それだったらそれについて訂正を要求しましたか。三分が百円と書いてあるから、それだったら過当でありませんか。非常に不当ないわゆる値段を吹っかけておることになります。そこで私は、こういうようなことについて先ほど申しましたように電電改革法案がまだ審議をされておらないときにやられることについて納得できない。  いずれにしても、この時期にこういうような発言をすることについて、経営責任者として全く不謹慎だと考えるし、この発言真意は今言われたことで明らかではありません。こういう無責任発言に対して責任をとってもらいたいと思います。大臣、先ほど謝るように言われたけれども、謝ったら済むのですか。謝るだけで、以後気をつけますというようなことで片がつきますか。それはどうでしょう。
  15. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今総裁懇談会の場で、しかも自分の所管として全く気の置けない記者皆さんオフレコという形で将来あるべき電電料金のそういった気持ちを訴えられた、話題に供せられたというだけだと私は受けとめております。記事が非常にセンセーショナルな形で、しかもこういった時期であったということについては大変私も遺憾に思っておるところでございます。
  16. 片山甚市

    片山甚市君 それに関連をして、長距離は下げられる話をしましたけれども、まさか市内料金をこの際動かしたいというような話はしたことないでしょうし、動かす意思はないでしょうか。
  17. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 触れておりません。
  18. 片山甚市

    片山甚市君 触れておらないということは触れるつもりがあるということですか。
  19. 真藤恒

    説明員真藤恒君) これはこの間からの御質問でいろいろ御説明申し上げたとおりでございまして、私どもから積極的に上げるの上げぬのと言う性質のものではございませんで、御質問があればそういう現在の実態を御説明するのが私の役目だと思っております。私の意見を言うということは、公式の席上では言わぬつもりでございます。
  20. 片山甚市

    片山甚市君 記者会見というのは公式でないということを言ったことになりますが、どの新聞社記者会見によればと、こうなっていますね。あなたも、大臣記者をやったことがあるのですが、記者会見をしたときには非公式があるのですか。そしてこれは書かぬでおいてくれと頼んだら書かぬという前提で、そういうことで新聞記者というのは聞くんでしょうか。大臣マスコミにおられた人間として、きびきび白状してほしいんです。
  21. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 会見にもいろいろなスタイルがございます。確かに公式の会見が通例でございますけれども、親しい記者たち情勢一般について、ニュースを提供するというんじゃなくて、一つ予備知識なり基礎知識として最初からこれはオフレコなら応ずるというような懇談に近い形で、お互いにニュース意識に走らない形での懇談の場もあり得ることは事実でございます。恐らく公社総裁も、そういった平生気心の知れた担当の記者たちオフレコ懇談のつもりで話されたことが大きく記事になったものだと理解いたします。
  22. 片山甚市

    片山甚市君 大臣も、通弊な言葉で言うと、同じ穴のムジナみたいに言っていますが、普通面の皮が厚くなければ、法案がかかっておるんでありますから、それにかかわる問題で、特にきょう参議院では中距離値下げ法案審議するときですから、遠距離がこれからうんと下がるというんならもっと下げてもらって結構だという話も出るだろうし、市内電話料金の問題も出るだろうし、過疎地域電話の問題も出るだろうし、そういうことを目がけて国会で議論させようということですか。その真意は何でしょうか。  私は、四百円で三分かかっておる電話を百円程度でできるという将来の見通しであれば、それは電電公社が改革してからの話でありまして、今の段階ではこんな料金体系改正展望を示したことがありますか。この間から電気通信政策について言いよるのは、大きな流れとしてこういう方向でいくんですという話について確認をしたことがないんです。全国均一的な料金制度ができたらいいなあと。それはできる道理がないんです。  今までの電話料金の問題は、アメリカと比べてみれば、ヨーロッパと比べてみれば、自分の国はどうあろうともよその国と均衡をとりたい、こんなばかなことばっかり言っておるんです。おれのところの物差しでこうしたいというんじゃなくて、アメリカよりも高いとか安いとか、いいとか悪いとか、どこかの国を模範にしていつもやってきたのはそうじゃないですか。この問題は撤回をしてもらいたいんです。これは全くそういう趣旨でないということで、大臣から取り消してくれませんか。この話の「三分百円」と書いてあるのは総裁言ったことがないと言いよる。新聞が間違っておるということを言明してほしいんです。それでなかったら対決してほしいんですよ、新聞記者呼んで。私はそのぐらい言いたい。今まで、全部新聞記者が勝手に書いたんでわしは言うた覚えはないと、そういうのは真藤流経営方針なんですよ。あなたたちに言うことと、組合に言うことと、政治家に言うことと、見事に使い分けてこういうことを言うとるからそうなるんですよ。大臣、お答えください。
  23. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 繰り返して申すようでございますけれども、こういった国民要望にこたえて、できるだけ中距離料金を含めて値下げ法案審議を行っておるさなかでもございます。そういうときに将来展望あり方とはいえ、こういったいろいろな意味で、御審議願っている先生方にも、また国民皆さんにも、いい夢と解していただける方もおいでるでしょうけれども、今日の電電改革法案も踏まえて、こういった料金体系についても大きくメスを入れた御審議を願わにゃいかぬときにまことに残念で遺憾であったと。総裁も、今いろいろ聞いてみますと、全くオフレコ懇談の中で口走ったことがこういった大きなニュースになったということでおわびしておられるわけでございますので、どうか先生方にもそういった意味合いでひとつお許しを賜りたいということでございます。
  24. 片山甚市

    片山甚市君 総裁を糾弾するのが私の目的じゃなくて、電電公社親方日の丸大変金をもうけておるじゃないかという印象を与えるので、個人的に我々はそういうような状態なのかどうか、相当頑張ってきたと思っておる部隊がけさほどから、どうなっておるのかと私に対して質問がある。今の電電公社は結局余裕があり、親方日の丸でしっかり仕事してないという印象を受けるからそれを受けないようにしてもらいたいということですが、総裁はそれについてどうお答え願えますか。
  25. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 私は、就任もう既に三年超しておりますが、今日までも公社職員の動きというものには深い感謝の念を持っております。一番感謝の念を持っておりますのは、こうやって値下げしてまいっておりますけれども、この収支差額の黒字というものが減らずに動いておるということは、これは非常に大きなみんなの努力というものの結集であるというふうに深く評価いたしております。また、そういう力がだんだん出てきておりますので、今度の値下げ法案にいたしましても、その他の国の御要望に応じて対応していくのにも少しずつ自信ができつつあるという感じでございます。そういう意味で現在の我々の職員あり方ということについては高い評価を心の中では持っております。
  26. 片山甚市

    片山甚市君 それでは、法案について御質問に入らせていただきます。  料金体系についてはどのような基本政策を持っておられて、どのような考え方に立って対処してきていただいたのかということについてまず聞きたいと思います。
  27. 小山森也

    政府委員小山森也君) 電話はいわば国民生活に不可欠の存在となっていると考えております。したがいまして、その料金がいかにあるべきかということは非常に重要なことと理解しておりまして、それではどういうことを基本的に考えているかということでございます。一つは一面から見ますと、使う方から見ますと家計や企業にとって利用しやすい安いものであるということが必要であろう。また一面、事業体から見ました場合は、長期的に安定的なサービスの提供が可能となるような料金が設定される必要がある、このように基本的には考えるわけでございます。  ただ、このような前提のもとに距離と時間を克服する電気通信特性、要するに距離をゼロにし、時間をゼロにするという電気通信特性を生かしながら、遠近格差を縮小して全国民がどこにいても同一の条件で利用できるようにすることが理想の形だと思っております。むろんこれは理想でございます。ですから、その努力は常にそれに向けまして一歩一歩時に応じて努力すべきであろうと思っております。  なお、料金決定原則でございますけれども、現在先生御理解いただいているとおり、公衆電気通信法の第一条におきまして、「公衆電気通信役務を合理的な料金で、あまねく、且つ、公平に」云々という規定がされておりますが、何が合理的なものであって、何が最も使いやすいものであるかという明確な根拠というものはございません。  そこで、私どもといたしましては、当委員会等からも公衆電気通信法改正のたびに附帯決議等でこういった原則について確立すべきであるという御指摘を受けておりますので、電気通信料金の問題につきまして調査研究会を設けました。それによりまして料金決定原則料金水準あり方について検討を行ったところでございますが、その結論について一言ではなかなか申し上げにくいんですけれども、手短かに申しますと、一つ料金水準でございますが、料金水準位合理的な経営、これを前提といたしまして、これに公正報酬、今までこういった料金には利潤というものは考えてなかったんですけれども公正報酬という利潤を加えた総括原価主義によることが適当であろうと。また、料金体系、これは、総括原価主義というのは水準そのものでございますけれども、今度は全体の料金の中の個々別々のどういうようなサービスごと料金をかけていくかという体系の問題でございますが、これにつきましては個別のサービスごと原価を求めてこれに対応する料金とすることが適当であろうという、こういった結論を得たわけでございます。これは要するにコスト主義で行けということであるわけでございます。  ただ、そうしますといろいろな、今度は遠近の問題にいたしましても市外料金がどうかというようなことが直ちに問題になってくるわけでございます。しかし、そういった問題になったとしましても、現に存在する料金というのはやはりいろいろな歴史的な積み上げになってできているということでございまして、現存する料金を土台として検討せざるを得ないという実情もございます。理論面と同時にこれまでの料金沿革とか利用効用利用者生活実感とかサービス利用実態、こういった現実的な問題等を総合的に判断するということをせざるを得ないと思っております。  具体的には、料金の総収入が合理的で能率的な電気通信事業経営に必要な総費用を賄うものであるということ、それから原価効用、他の類似サービス料金との均衡、過去の沿革との整合性、こういったものを勘案していかざるを得ない、理想は先ほど申し上げました理論的にすべてを進めるべきであるという、こういった一つの目標を立てながら現実の料金というのをそこから決めていかざるを得ないのではないかと考えております。今後ともこういった考え理想の形へ近づけるように年々努力をしていくべきであろうと、こういうふうに考えております。
  28. 片山甚市

    片山甚市君 今報告があったのは伊東光晴さんが主宰する電気通信料金問題調査研究会報告の中の料金決定原則についてのお話をされているわけです。承知しています。それは報告でありまして、省としてきちんとそれを統括するような文書になっていますか。
  29. 小山森也

    政府委員小山森也君) それを公文書のような形で省の一つ意見であるというような形にはまだ整理しておりません。
  30. 片山甚市

    片山甚市君 そういう意味ではまだ体系が明らかになっておりませんのにもかかわらず、何回も遠距離値下げをやってまいりましたが、その根拠はどういうことでありますか。まず省から簡単に答えてもらって、電電公社も答えてもらいたい。
  31. 小山森也

    政府委員小山森也君) やはりこれはコスト主義で行くべきであるということから、そのコストに見合う形の料金に近づけていくという一つのステップでございます。
  32. 草加英資

    説明員草加英資君) 我が国の電話通話料金体系というのは、過去からずっとでございますが、諸外国に比べて遠距離通話料が高く、近距離通話料が二分の一から三分の一という遠近格差が非常に大きいという問題がございます。これは過去の沿革その他いろいろございますが、遠近格差を是正していくことが最重要緊急課題と私ども思いまして、過去三回にわたりまして夜間通話料遠距離通話料引き下げを実施してきたわけでございます。遠距離通話料引き下げに伴います中距離通話の是正ということで今回の法律案をお願いしていると、このようなことでございます。
  33. 片山甚市

    片山甚市君 遠距離値下げについての根拠を聞いたんですが、それは外国と比べて高いということだけが根拠ですか。
  34. 草加英資

    説明員草加英資君) 体系を申し上げますと外国と比べて相対的に日本遠距離が高く、近距離が安いということでございますが、コストの面から申し上げますとやはり近距離コストに対する料金は安く、さらに遠距離通話料近距離を賄っておると、このようなことでございます。
  35. 片山甚市

    片山甚市君 聞かないことまで答えてもらわなくてよろしい。遠距離値下げする根拠は何かと聞いておるのでありまして、近距離が安いから上げたいと思うとか、近距離の足りない分を遠距離が補てんをしておる、言葉をかえて言えば、遠距離を下げることは近距離を上げる用意をしておるというように草加君は言うんですか。
  36. 草加英資

    説明員草加英資君) 今後遠距離財務の許す限り下げていくということを申し上げたわけでございまして、近距離の今後の問題について申し上げたわけではございませんので御了承いただきたいと思います。
  37. 片山甚市

    片山甚市君 了承はしないけど、それでは総裁は、この間衆議院逓信委員会で、これから次々と値下げをしてまいりますと言った。次々とはどういうことですかお答えください。衆議院逓信委員会で言うただろう、総裁が、今後遠距離については次々と値下げしていきたいと。次々って何だ。
  38. 草加英資

    説明員草加英資君) お答えいたします。  今回の中距離通話料引き下げを実施いたしまして先ほど申し上げましたように遠近格差がかなり縮まってきたわけでございますが、それでもまだ一対四十という形で遠距離通話料は諸外国に比べては遠近格差が高いと、こういう実態でございます。したがいまして、今後財務の許す限り慎重に検討を重ねました上で遠距離通話料を下げるということも検討すると、こういうことを申し上げたわけでございます。
  39. 片山甚市

    片山甚市君 遠距離を下げていくということはわかった。そこで、近距離を上げるという話はしない、こういうことでよろしいか。上げるんだぞ。調整じゃないぞ。
  40. 草加英資

    説明員草加英資君) 先ほどから申し上げておりますように近距離には種々の問題がございます。いわゆる近近格差と申し上げるものでございまして、いわゆる近距離につきましては道一つ隔てて料金が非常に格差があるとか、地域が非常に連檐してくると、こういう問題がございます。したがいまして、これらをどのように解消していくかということも含めまして近近格差近距離の問題につきましてはこれから慎重に検討さしていただきたいと、このように思っているところでございます。
  41. 片山甚市

    片山甚市君 それでは遠近格差について日本の国と諸外国と比較をするとどういうことになっていますか、今日。
  42. 草加英資

    説明員草加英資君) お答えいたします。  昼間の三分間通話した場合でお答えいたしますと、日本の場合には最低通話料が十円、最高通話料が四百円、比率が一対四十でございます。アメリカは同じく為替レートをことしの一月現在で換算いたしますと十九円と四百二円、一対二十二。イギリス二十九円と百七十五円、一対六。西ドイツ十九円と二百九十円、一対十五。フランス十七円と二百五十二円、一対十五。このようなことでございます。
  43. 片山甚市

    片山甚市君 アメリカとの例で言えば、遠近の遠の方は大体同じだというように理解してよろしいか。
  44. 草加英資

    説明員草加英資君) そのようなことで結構でございます。
  45. 片山甚市

    片山甚市君 遠近格差の問題については、遠いところの問題は一番日本の政府やあるいは電電公社が心配するアメリカとの間では大体つり合いがとれておる。そこで、料金水準について諸外国との比較はどういうことになりますか。今お話があった水準。
  46. 草加英資

    説明員草加英資君) 水準ということでまいりますと、最低通話料で比較いたしますと、先ほど申し上げましたように、日本が十円でございまして、アメリカ十九円、イギリス二十九円、西ドイツ十九円、フランス十七円ということで、日本が一番最低通話料につきましては低い、こういうことになっております。
  47. 片山甚市

    片山甚市君 二回聞いて済みませんでしたが、その次の問題として、今お話聞いておる限りでは大きな格差外国との間に今日的には存在しない、市内料金の問題は別として遠距離の問題は解決しておる、こういうことで理解してよろしゅうございますか。
  48. 草加英資

    説明員草加英資君) 先ほど申し上げましたように、アメリカと比較しますと大体水準は同じになってまいりましたが、その他の国と比較いたしますと、遠距離につきましてはまだ若干高いのではないか、このように思っております。
  49. 片山甚市

    片山甚市君 それでは、どういう国を見本にして比較して下げたいと思っていますか。
  50. 草加英資

    説明員草加英資君) どういう国ということではございませんで、やはり私ども考えております通話料金あり方と申しますのは、遠近格差ができるだけ少ない料金体系ということが理想でございます。INS時代になりますと遠近格差をできるだけ縮めていくということを考えておるわけでございますが、それに一歩でも近づくように遠近格差をさらにこれから縮めていきたいというふうに考えておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、イギリスで一対六、西ドイツで一対十五、フランス一対十五というようなことも頭に入れながら今後遠近格差を解消していきたい、このように考えております。
  51. 片山甚市

    片山甚市君 四月五日の日の総裁の御発言によると、単純な料金引き上げになるとは限らないけれどもということで、例えば単一料金通話できる地域を都道府県レベルに広げた上で、現行の三分十円を二十円に改めるなどの考えを持っておる、こういうことで、見直す意向を明らかにしたと言われてます。せんだって同僚議員から聞いたときには、それもオフレコで話をしたんであって、それは固まったものでないというふうなことを言っておりますが、そういうことをどう考えますか、総裁
  52. 草加英資

    説明員草加英資君) 先生のおっしゃるのは近近格差も含めてのことだと思いますので、近近格差についてちょっと御説明いたします。  近近格差につきましては、先ほど申し上げましたように、近距離のいわゆる道一つ隔てた格差、さらには地域社会の広がりによる不公平感、さらには行政区域と加入区域の不一致による問題点等、いろいろと問題が生じておるわけでございます。これにつきましては、グループ料金制を採用することも含め、さらにこれを拡大発展した県内均一料金制というものも採用して解消していく方向が一つございますが、果たしてこれが一番正しいやり方かどうかにつきまして現在検討している段階でございまして、この案を検討していく過程でいろいろな問題について解決していきたい、このように思っている次第でございます。
  53. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 今草加局長から申し上げましたように、だんだん電話でない高度情報通信網の性能を生かした通信線の使い方というものが急速に広がってまいりますと、今までの電話で使っておる通信線の使い方とまるで異質な使い方になるわけでございまして、したがいまして、そういう異質な使い方が本当に世の中に役立つように使うことができるような新しい技術の進歩に伴う新しい使い方に対応する料金をどうするかという問題が、今までの料金の歴史のほかに新しく出てき始めておるという現実の姿が今日ございますが、これにどう対処していくかというのはこれから慎重に勉強しなきゃなりませんけれども、世の中のこの方面への需要が今急速に広がりつつありますので、あんまり時間かけるわけにもまいらぬのじゃないかというふうに考えております。
  54. 片山甚市

    片山甚市君 先ほど聞きましたのは、総裁が個人的見解だということだと言いますが、その中で今の三分十円を二分十円に改めるなどの案などを含め見直すべきだと言っておるが、きょうはその提案ありませんね、大臣大臣に聞いてるんです。これを勝手に法案がないうちから、今市内電話三分十円です、それを総裁は二分十円などに変えることを見直してみたいと、こう四月五日の日に新聞で言っていますね。  この間聞いたら、いやあれはオフレコで言うたんだよと、何も格別にフリーな立場でやったんだから追及される必要はないじゃないかと言わぬばかりの答弁をされていますが、同僚委員は納得したのかどうか余り追及しませんでしたが、私はそういうような放言癖をやめてもらいたい。法案にかかることについて、省が法案を出さなきゃならぬような二分十円であるということは今法律で決まっておるわけです。今度変えなきゃならぬでしょう。変えるのは提案は電電公社がするんじゃないでしょう。郵政省が今するんじゃないですか。これから決まって認可料金になれば、省として決めることになる、大臣として決めることになる。今は国会が決めることになってるんですよ。それを誘導して勝手に何ぼでできます、何ぼでできますというんなら、もっと大きく経理を公開すべきじゃないですか。大臣、今総裁はこういう発言をすることは当然だと、四月五日の発言ですよ、私は納得しません。監督官庁としてどうですか。
  55. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 大臣の答弁の前に私から一言注意申し上げますが、過去二回の電話料金改定の際にも、一時は電電側が先に発表したことはけしからぬという話もございましたし、本日委員会審議中の法案につきましては、去る解散、総選挙直前に前郵政大臣が発表しております。かかる経緯にかんがみましても、慎重に御答弁をお願いいたします。以上。
  56. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 現在のところ市内通話料の値上げは全く考えておりません。
  57. 片山甚市

    片山甚市君 考えておるって、見直す用意を考えておるじゃないか、ここに書いてあるのは。見直さなきゃならぬと言っておるじゃないか。今出さないけど、それは基本でしょう。市内電話料三分十円というのが一つの基準になってすべての通話料が高いとか低いとか言っておるのじゃないですか。そうですね。そういうときに、今聞くんでありますが、こんな発言をして個人でやったからいいと。総裁は公人ですよ。小さい会社の一社長ではないんですよ。日本電信電話公社の総裁ですからね。日本電気通信の国内通信を全部持っておるんですから、こういうことを基本料金を上げて、基本的な市内料金を上げていくような話を提案しても何ともありませんか。当然ですか、郵政省としては。相談をしてやっておるんですか。基本のことですからもう一度聞きます。
  58. 小山森也

    政府委員小山森也君) 市内料金についてどうするかというのは、やはり単位料金区域のあり方とか、基本料金の問題だとか、級局区分のあり方、こういった基本問題を十分検討したかなり踏み込んだ形での検討をしなければなかなか結論が出ないものであろうと私ども思っております。  したがいまして、今度のいろいろな電電公社の方の御発言も、そういった私の方の理解といたしましては、直ちにそれを法的なもので考えるというのではなしに、事業者の立場の現状からいくと、こういうこともある、ああいうこともあるというような一つの事業者の立場としての御意見を申されたものだと思っておりまして、これといわゆる法的に当院にお諮りして決めるべき法定料金の問題と直ちに結びつく問題ではないと思っておりますし、またそういった意味での慎重な御発言が願いたいということはかねがね思っているところでございます。
  59. 片山甚市

    片山甚市君 慎重にやらないところに真藤総裁の独特のマスコミを使った世論操作があると思います。  それで、私は今まで値下げしたことについては無原則的な値下げで納得できないと思うんですが、これからどのように値下げの問題を展開していくのか説明してください。
  60. 小山森也

    政府委員小山森也君) やはり料金というのは、先ほど申し上げましたように、一つ理想としては全国民がどこにいても同一の条件で利用できる、通信の中にもいろいろありますけれども、特に電話というのは我々の国民生活に不可欠の存在となっておりますので、常にここに焦点を当てていかなければいけない。しかしながら、これは理想でございまして、その近づくためのステップとしてはやはりここでコスト主義ということで、外国がどのようであるかというのは大きな参考にはなりますけれども、具体的にどのようなコストがかかって、そのコストに見合うべき利用者の御負担はどういただくかということの基本を守りながら進めていくべきであろうということでございます。したがいまして、先回の遠距離電話料金引き下げというものもそういった考えに立っておりますし、決して外国料金だけを見てやったものでもないということは御理解いただきたいと存じます。
  61. 片山甚市

    片山甚市君 私が思いつきだと言って指摘したのは、総裁が先ほど言ったように三分十円を二分十円にしてみたいとかということで市内料金の引き上げをにおわす発言をしておりますので許せないと思います。総裁発言がどんな状況で取り上げられたにせよ、公人としてマスコミを媒体とするものだけに私たちとしては総裁の本音が出たと思うんです。そういう意味で常に一貫して言えることは、いわゆる次の段階市内電話料金をいかにして上げるかということにあるように思いますが、大臣それは私の推理は当たりませんか。そんなことありませんか。一貫して市内電話料金を上げていくための布石と思われますが、いかがでしょう。
  62. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今回発言じゃなくて前回発言に触れてのことでございますけれども、私は素直に受けとめておるわけでございます。  要するに、我が国の市内通話料金は世界どこよりも安いんだ、遠距離料金に関しては残念ながら我が国の料金体系は決して国民皆さんに喜んでもらえるほどそんな安いものじゃない、したがって努力目標としては何としても遠距離通話料というものをうんと値下げの方向の中で努力していきたいというその話の中で、市内料金の安さを強調した形がああいった記事になったんじゃないかと思うことで、これは料金はあくまでも今日の段階においては法定の形の中で今日のように国会の御審議を経てようやく決まるという状態のものでございますから、そういった料金に関して国会審議の過程を経ない前から、いろいろ一般論として申されることは結構ですけれども、個別的具体的にお話があるということは慎んでいただかなきゃならぬと痛感をいたしております。
  63. 片山甚市

    片山甚市君 非常にくどくて申しわけないんですが、前回の値下げ遠距離アメリカ並みになったはずであり、草加局長もそう答えられました。我が国が世界的に誇れる技術水準とともに市内料金の三分十円制を維持していける制度が、また世界一安いということなら、公共事業、公企体としての仕事として国民生活安定のためにもまことに喜ばしいものだと思いますが、その維持のためにも経営者として最大限努力すべきであり、政府当局もそうすべきであると思いますから、これは郵政省と公社からこのことについての一応意見を開陳してもらいたいと思います。
  64. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 公社からもお答えがあると思いますけれども、世界一安い、それは誇るべきことでございますし、安い近距離市内料金を維持しながら遠距離中距離料金段階的にできるだけ世界一これも安い水準に下げていく方向で努力してまいるということでございます。
  65. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 今大臣からお答えがありましたように、私どもはこっちを下げるからこっちを上げるというふうな考えで事をやっておりません。下げられるだけ下げていくということでございまして、そういう考え方で日夜いろいろなことを考えておるというふうに御了解いただきたいと思います。
  66. 片山甚市

    片山甚市君 今総裁がおっしゃるように国民が使う電話でありますから、できるだけ安く、しかもサービスのいいものを努力していただくことについては、私たち尊敬をすることがあっても、これについて否定をすることはありません。ただ、今日までの電話料金値下げに当たりましては、政治的妥協をしてきたというにおいが非常に強い。一つ電話料金値下げするについても、政権政党含めて目的あって下げたようにとれる。これをそうしないためにもきちんと料金決定原則を決めてやってもらいたいと思います。  そこで、まず第一に、この料金決定原則の確立を法的にいつごろされますか。今度私企業になるでしょう、今の話によれば。今度電気通信事業法ができれば、料金決定原則をつくらなければならぬと思いますが、どうでしょう。
  67. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今いつごろまでにということはなかなかお返事申し上げるわけにまいらないわけでございますけれども、まさに先生御指摘のように、これからは認可料金として、しかも電電公社のこれから変わりますであろう御審議いただいておるこの法律が通ればの仮定でございますが、なれば新会社になる、そういった会社も複数の会社になるとなりますれば、やはり料金決定原則の基準というものが非常に大きな存在になると思いますので、私どもなるべく早く努力してそういったものもつくらなければならない、こう思っております。
  68. 片山甚市

    片山甚市君 そこで、料金体系に対する原則が、料金決定原則が明らかにされておって初めて国民も納得した料金だと思うと思います。そうして値下げについては、上げても下げてもこういうサービスとこういう条件だからということで国民のコンセンサスも得られるものと思います。特にあまねく公平にサービスを提供するという公共事業としての料金について不信感が起これば大変ですが、その上に経営形態を変えればやはり私企業的になったならば、最もその面が、料金の問題が国民の目にとまってそれに対する信頼、不信頼によって通信の安全保障にも関係すると思います。そういう意味料金の決定原則こそ、事業法の中核をなすものだと私は思いますが、大臣、局長の方で御答弁願いたい。
  69. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) そのとおりであると思っております。
  70. 片山甚市

    片山甚市君 そこで、グループ制料金の問題ですが、この十年間グループ制料金について附帯決議等行われましてやってきたけれども、やらなかった理由、やれなかった理由、簡潔に述べてください。
  71. 草加英資

    説明員草加英資君) かなり以前からグループ料金制につきまして御指導をいただいております。私どももグループ料金制の採用につきまして種々検討いたしているところでございます。  ただ、現在グループ料金制と言われておりますのは、イギリスで行われておりますグループ料金制を私どもは想定いたしておりまして、その場合には隣接の単位料金区域に同じ単位料金でかけられる、こういう仕組みでございますが、先ほども申し上げましたように、非常に家屋が連檐しまた社会生活圏が拡大してくる、さらには加入区域、行政区域の乖離もあるわけでございまして、    〔委員長退席、大森昭君着席〕 これのみで解決することについていろいろと慎重に検討してまいったわけでございまして、私どもは十分に検討を続けていくつもりでございます。
  72. 片山甚市

    片山甚市君 十年間検討しました。それで遠距離は四回に分けて値下げを始めたのです。大臣遠距離の問題は値下げはできますが、近近格差をなくするためにこれほど電話がついておらぬときからグループ料金制をしきなさいということで昭和五十一年以来正式な委員会での決議になってきています。今まだ電電公社担当は、グループ料金制をしいても矛盾が生ずるのでもっとうまい方法がないか考えておる、こう言います。  それに加えて、先ほどのように、大臣が言ったからいいけれども市内電話料金三分十円を値上げする前提でいろいろ工作するような発言をする。国民にとっては不利益な話はするけれども一つも利益が伴わないじゃありませんか。今グループ料金制について十年間かかったんですが、そこでそれを実施するためにはお金は幾ら要るということですか。
  73. 草加英資

    説明員草加英資君) お金が要るという面で言いますと、工事自体はほとんどかかりません。ただ、単位料金でかけられる範囲が広がるわけでございますので私どもの収入に減を来す、このようなことでございまして、試算いたしますと約六、七百億、六百五十億ぐらいかかるんじゃないか、このように思っております。
  74. 片山甚市

    片山甚市君 遠距離には大盤振る舞いをしながらアメリカ並みにやってきました。今度は近距離に対してサービスの向上のためにはどうしてもグループ料金制をしく、そのために六百五十億円程度、七百億円程度でありますが、ぜひともそれを実行するようにしてもらいたい。そして、それがまずければさらに手直しすればいいんでありまして、十年間ほったらかしにして次々とサービスの向上を図らない。こういうことについては納得できないんですが、それについて大臣お答えください。
  75. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今電電公社側の意見を聞いておりますと私は理解できるんです。  要するに、一番安い単位料金、市内通話でございますけれども、この範囲を拡大するという形は今まで過重なコストを担いておる近距離の範囲をさらに拡大することになると。利用者側から言えば、確かにサービス面においては非常に価値の高いことになるわけでございますが、それは余りにも合理的ではないと。しかし遠距離は、これはやっぱり技術革新、そういった光ファイバーのケーブル網のネットによって、遠距離中距離料金コストというものは技術革新によってまだまだサービスできるような方向でいくということですから、そのことはむしろ全国あまねく均一な料金体系の方向への努力過程として私は評価してもいいんじゃないかと。大体電話というものはテレフォンの名前のとおり遠くへかけて、こう——いろいろな情報通信サービスという本来の目的からいっても、そういった形で遠中距離近距離に縮まってくるという方向がやはり一番好ましい方向の電信サービスではないか、私はそのように思っているんですが、間違いでしょうか。
  76. 片山甚市

    片山甚市君 間違い。  実は真藤総裁皆さんも言うんですが、電話の時代が去って何かニューメディアの時代に入るような話を、ユートピア的な寝言をよく言いますが、    〔委員長代理大森昭君退席、委員長着席〕 アメリカでも今日ATTの収入などを見ても八〇%程度が電話であることは御承知のとおりです。そういう意味で、電話の収入という中で国民生活に占める割合は非常に大切なものです。日常の必需品としてのサービスでありますから、そういう意味で今お聞きをしておると、市内電話料が云々でなくて、道一つ隔てたところが市外電話であることに矛盾を感ずると言いながら、なぜ直さないのかと言っておるわけですよ。それで、聞いたら本当は金が減るから、もうけが少なくなるからやらなかったと言って告白していますが、それじゃ今度は中距離で御承知のように一年間千四百億円程度値下げすることも当然だとして今度改善します、本案ですね、我々も賛成です。  ところがそのところで、電話の区域帯を変えて調整をするというので六百五十億円程度、七百億円程度あればいけるというのです。それについて検討中ということはいけないんです。実施ができるようにすることによってやってそれで調整とるのが政策ではありませんか。やらずに頭の中で拒否をする。政治的圧力がないからそうでありましょうが、これは市民の圧力が加わるのは、御承知のように三分十円をいらうときには電電公社あるいは郵政当局は大変な問題になりますよ。そうするならば、それをいらわない前から少なくともどこにかけても一つの単位で同じような電話料金電話がけられるようにしてある。だから、結果上げても下げてもどこも不都合はないから納得してもらえる、こういうような状態をつくるべきだという説について、イギリス型論では不十分で、現在近近格差の中で隣接区域でもっと無理が生ずるじゃないかと言っておりますが、実施をせない前からそういうふうに言って断わるのは納得できません。六百五十億円要ろうと、ぜひとも次の段階でグループ料金制について本当に検討してもらいたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  77. 草加英資

    説明員草加英資君) 先ほどお答えいたしましたように、グループ料金制も一歩進んだ解決になると思いますが、先ほど申し上げてくどいようでございますが、その先の問題その他いろいろございますので、グループ料金制、さらにはそれを拡大した形での県内均一料金制、これらを総合して検討し、政府の御指導を得ながら次回に解決していきたいと、このように思っている次第でございます。
  78. 片山甚市

    片山甚市君 きょうは検討の域を出ないそうでありますが、それは本当に検討してくれると考えても、なおかつ私は総裁発言に見られるように新サービスを口実に値上げをする前提条件としての新料金体系考えているのではないかと思いますが、そういうことはないのかどうか、お答え願いたいと思います。それを口実にして電話料金を値上げする状況をつくろうとしているんじゃないでしょうか。
  79. 草加英資

    説明員草加英資君) この近近格差を解消するということは国民の皆様の御不便を解消するという観点に基づいて行うものと私ども考えております。
  80. 片山甚市

    片山甚市君 もう一度言ってください。
  81. 草加英資

    説明員草加英資君) 近近格差につきまして、先ほどるる申し上げましたいろいろな御不便があるわけでございますので、国民の皆様の御不便を解消するという観点から実施していきたい、このように思っております。
  82. 片山甚市

    片山甚市君 グループ料金制は考えないということですか。
  83. 草加英資

    説明員草加英資君) 先ほどから申し上げておりますようにグループ料金制またはそれの拡大した形での県内均一料金制を検討していきたいと、このように御了解いただきたいと思います。
  84. 片山甚市

    片山甚市君 わかりました。今までグループ料金制について実施をしてこなかったということについてはどういう責任を感じられるか。今までにも部分的にせよ料金を安くすることができたのに、制度を十分検討する時間があったはずでありますから、適切な対策をこれからとられるとして、いつごろまでに結論を出される予定ですか。
  85. 草加英資

    説明員草加英資君) 過去、夜間割引遠距離通話、今回御審議いただいております中距離通話料引き下げを四回実施してまいりまして、これらがどのように通話料体系に影響を及ぼすかということを非常にこれから分析、検討いたしたい、このように考えておるわけでございます。これらを十分に分析いたしまして、最も理想的な形での近近格差の解消をしたいということでございまして、若干お時間をいただきたい、このように思っている次第でございます。
  86. 片山甚市

    片山甚市君 それでは、例を出してお聞きします。  例えば神奈川県下に所在するところの横浜港北区日吉局の番号は〇四四ですが、行政区域は今申しましたように横浜〇四五であります。川崎〇四四の管内になっておりまして、日吉の局が料金体系も横浜が市外扱いになっています。このような不合理なケースは全国にどれほどあるのか、まずお答えください。
  87. 草加英資

    説明員草加英資君) お答えいたします。  全国に単位料金区域が五百六十七ございますが、このうちの百六十五、市町村にいたしますと、市町村三千二百ございますが二百十八ということでございます。
  88. 片山甚市

    片山甚市君 公社の置局計画の都合で、利用者の便とは関係ないような形でつくられておると思いますが、問題があります。このような現実の不合理を公社の手で直ちに改めることが先決だと思うんですが、それはどうでしょうか。
  89. 草加英資

    説明員草加英資君) 単位料金区域を三十七年から設定しておるわけでございますが、当時、地域、経済その他を勘案して幾つかの加入区域を集合して単位料金区域をつくったわけでございます。その後、経済の連檐、さらには地域社会の発展その他によりまして、または行政の統合等がございまして、今申し上げましたような数が乖離しておるわけでございますが、これらにつきまして、一つ地域をもう一つ別の地域に移すということになりますと、そこにお住みの加入者に非常に利害関係がございまして、歓迎なさる方または反対なさる方、いろいろございます。そこで、その地域の方々が全員別の単位料金区域に移りたいという御希望を出された場合に、私どもは単位料金区域を移しておるわけでございますが、そのような形でないと加入者の間にいろいろな摩擦が起こると、このようなことでございますので、そういう形で解決しているところでございます。
  90. 片山甚市

    片山甚市君 今例で出しましたところの川崎管内の日吉局、すなわち横浜にあるところの電話局ですが、この区域については是正をするように下からも要求はありませんか。
  91. 草加英資

    説明員草加英資君) この地域につきましては、何回か地元の当該の方々、または行政から移してほしいという御希望がございます。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、この地域が、東京、川崎へ通話をよくなさる方、または逆に横浜によくなさる方といろいろ分かれておりますので、全員で移るという御希望があればということを申し上げておりますが、これはまだ実現いたしておらない状態でございます。
  92. 片山甚市

    片山甚市君 そうすると、住民が全部というときには、どういうような判断を住民の全部と言いますか。
  93. 草加英資

    説明員草加英資君) 今までに全国で約四十カ所そのようなケースがございますが、いずれもその地域の方々の御了解の判をいただきまして、その一覧表を御提出いただきまして実施しているところでございます。
  94. 片山甚市

    片山甚市君 そうすると、地域から要求があれば、それについては改善をしていく用意がある、こういうような御答弁だと考えてよろしゅうございますか。
  95. 草加英資

    説明員草加英資君) そのとおりでございます。
  96. 片山甚市

    片山甚市君 私は、近近格差の問題が甚だしいということを言いながら、その解決としては、とりあえずグループ料金制をしいてくださいと言うと、それはそれよりも大きい枠をつくってこれからゆるゆると検討する、いつまでに出すかということは言ってない。ところが、電電公社が民営にさえなれば明くる日にでも三分十円を変えてみたり、あるいは電話料金先ほど三分四百円の料金を百円にもできるというような玉手箱みたいなことを言うのは国民を愚弄することだと思いますが、公社が都合悪ければ、いわゆる先ほど申しますようにグループ料金制度をしくことについてはしり込みをする。政治的な圧力があれば、ついこの間まで三百二十キロメートル以上の距離を三分四百円にした、この成果がきちんと見きわめられるまでは次の中距離値下げの問題については結論出せないと言いながら、先ほどもお話があったように、選挙の前に突然中距離値下げの案が出される。非常に政治的なものであり利権的なものである、非常に感じられる。これは利権的なというのは失礼になるかもしれないが、政治的な行動であると思います。そういう意味で私はもう一度強く要求しておくんですが、グループ料金制という形でとにかくどこからかけても料金についてサービスが同じようなものになるように速やかに結論を出してもらいたい。今実施部隊の電電公社の答えなんですが、郵政省は今までの答弁からいって私の要求についてはどうお考えですか。
  97. 小山森也

    政府委員小山森也君) ただいま遠距離のを下げるような法案を出しましたのは、ただ省の責任でやったわけでございます。したがいまして、それではどういうことでそういう判断をしたかということでございますけれども、やはり今までの遠距離を下げだというのは、余りにも日本遠距離が高過ぎたということからまず緊急にこれに手をつけなければいけないということから、優先順位としてやったわけでございます。遠距離に手をつけますと今度は中距離と、中距離についても同様なことが言えるので、次の段階として中距離を今ここに御提案申し上げて御審議いただいているというわけでございます。  そういたしますと、次は何かというと、まさに先生御指摘のような近近格差、具体的にはグループ料金制というのはとるべきか、あるいはそれをさらに拡大した県内均一料金制にするかというような、まさに次の課題は近近格差をいかにするか、単位料金区域というのを今のままでよろしいのかというようなことであろうと思います。したがいまして、遠距離から中距離へ、中距離から近距離へというのはその緊急性の問題から出たわけでございます。決して当委員会等で御指摘いただいているグループ料金制というのを検討がおくれているということではなしに、より早く解決すべきところから手を打ったということでございますので、ぜひ御理解のほどを願いたいと存じます。
  98. 片山甚市

    片山甚市君 先ほどから申しますように、グループ料金制の問題は十年間言ってきたのでありますが、実施できておりません。それが近近格差改正になるかどうかということの前に、とにかく道一つ隔てて市外電話ということにならないようにしてほしいということについては解決を強く求めたいんです。
  99. 小山森也

    政府委員小山森也君) 御説のとおり道一つ隔てて途端に市外通話料になるということの生活実感から来ます違和感というのはやはり何らかの形で解決すべきであろうと、こう思います。
  100. 片山甚市

    片山甚市君 自民党の電電基本問題調査会料金問題小委員会に頼まれて日本電信電話公社が料金体系に関する利用者へのアンケートの結果、今おっしゃるようなことになっておりませずに、市内通話区域に不便を感じておるかというものについては、それぞれ市内通話についてはよろしいということになっておる。ところが、市外電話料を下げて市内電話料を上げてもよろしいかということについては、遠距離を下げるかわりに近距離を上げてもよろしいかということについては、この世論調査によれば、上げることには賛成できないという人が多数であることについて小山さんはよく知っていますか。
  101. 小山森也

    政府委員小山森也君) 存じております。
  102. 片山甚市

    片山甚市君 声が大きいのは、むしろ遠距離を下げてくれというよりも、遠距離を下げることによって近距離が上がるようなことをしてほしくない、このことについての、これは電電公社の資料でありますから、そういうことでしかと聞いておいてほしいと思います。  そこで、電力料金の決定はどのような手順でやられておるかお答え願いたいと思います。電電公社わかっておるはずだ。
  103. 草加英資

    説明員草加英資君) 私どもで調べさしていただきました。電気の料金の進め方でございますが、認可料金——電灯、電力料金等となっております。決定手続といたしましては、電力会社から通産大臣に認可申請を行いまして、公聴会を料金改定の都度開催し、陳述人百名、二日間という公聴会を経まして、通産大臣に戻しまして通産大臣が認可すると、このような形になっております。
  104. 片山甚市

    片山甚市君 その前に、前段階としてどういうような措置をまずとられていますか。
  105. 草加英資

    説明員草加英資君) 申しわけございませんが、ちょっと存じ上げておりません。
  106. 片山甚市

    片山甚市君 前提計画の重要な役割として、それぞれ資料を添付し、そうした上で、その内容は、資金計画、燃料計画、業務計画、設備計画等が出されておるんですが、そういう中で電力の料金が決められています。今度料金を決めるときには、郵政省は電力料金を決めるときと同じように資料の提出を要求するんですか。
  107. 小山森也

    政府委員小山森也君) 法律案国会提出したばかりでございまして、まだ御審議まで至っていないというような状況でございますので、そういった具体的な手続までは決めていないところでございますけれども、当然公共料金として、しかも特に電話につきましては国民の生活に不可欠のものでございます。この公共料金としての重要度を考えますと、いろいろな書類等によって、よく認可するに当たって御利用する皆様方の納得を得られるような手続というのをつくるべきであろうと、こう考えておる次第でございます。
  108. 片山甚市

    片山甚市君 せめてガス、電力会社が通産大臣から認可を受ける程度のものに、法が変わったとしてもきちんとしてもらいたいし、料金決定原則を速やかに法定化した中でその規範をつくることはできませんでしょうか。
  109. 小山森也

    政府委員小山森也君) 料金決定原則を今、法定化するというのは、私どもの法律の建前としては考えておりませんけれども、ただしかし、料金決定原則というものがやはり利用者の皆様、ということは、電話の場合は全国民の皆様方が明らかにわかるような形でそこに存在さしておくということは必要なことであろうと思っております。
  110. 片山甚市

    片山甚市君 そうすると、法定はしないということはわかりましたが、それが明示されて、国民の前にもどのようなことで電話料金が決まっていくのかということは物差しが明らかになる。そのために、今言った電力の決定も参考になり得ると理解してよろしゅうございますか。
  111. 小山森也

    政府委員小山森也君) 料金決定原則がどれくらいの透明度を持つかということは、電話料金というものが非常に、今までに積み重ねのいろんな歴史的なものでございますので、最大の努力はずべき、透明度を持つべきであろうと思います。それと同時に、電力でやられているような、そういった一つの手続というものは明らかにしておくべきであろうと、こう思います。
  112. 片山甚市

    片山甚市君 真藤総裁が言われるように、電話料金というもの、いわゆる料金のものについては可処分所得に見合うもの、これはもう公社の幹部というのは、どこへ行っても同じこと、金太郎あめみたいに言うんですが、などと抽象的な水準を示しておっては料金決定はできるものではありません。あくまでも根拠を示して決めてもらいたい。料金というのは可処分所得の範囲内でと、見合いでと言われていますけれども、それは可処分所得というのは、電電公社に使う部分、電気通信に使う可処分所得というのはあったらよろしいけれども、そうじゃなくて、一人一人について額も違えば使い方も違うしニーズも違う。そういう意味で、ここのところで言えば、料金決定は、お金を持つとか持たないじゃなくて、国民の最低の生活を保障する、あまねく公平に、生活保護者も身体障害者も失業しておる人たち電話の利便が受けられるようなものでなければならぬ、そういう意味での料金決定であろうと思うんです。総裁が言っておるのは、可処分所得の枠でなければ、INSといってもそれは発展はしない、将来見通しがない、光ファイバーといってもこれは発展できない、経営者が使ってくれなけりゃどうにもならぬという意味はわかりますが、料金を決めるときにはやはりそういう物差しをきちんと決めてやらなきゃならぬと思いますが、いかがです。
  113. 小山森也

    政府委員小山森也君) 貴重な御意見でございまして、私どももそういった努力をすべきだろうと思っております。
  114. 片山甚市

    片山甚市君 そこで、遠距離引き下げてきて悪いと言いませんけれども遠距離を下げて一番もうかったところはどこの通話地帯ですか。
  115. 草加英資

    説明員草加英資君) ちょっと御質問趣旨に合うかどうかわかりませんが、当初は七百五十キロ以上というところがございまして、現在は三百二十キロメートル以上がフラットでございますので、七百五十キロメートル以上のところは、かなりそういう意味では恩恵といいますか、利益を得たと、このように考えております。
  116. 片山甚市

    片山甚市君 それはどういうような業種、どういうような人たちが一番よく使われるということになっていますか。
  117. 草加英資

    説明員草加英資君) 通話の内容と申しますか、利用する業種ということは、私どもとっておりませんが、当初は比較的事業用にお使いになる方が多かったのではないかと推定いたしております。  最近におきましては、地方と大都市間の人口の流動、核家族の進展を考慮いたしまして、住宅用の利用もかなりふえているというふうに理解いたしております。また、夜間、深夜における遠距離通話は住宅用の方がかなり多く利用しているのではないかと、これは統計的ではございませんが、私どもでそのように理解しておるところでございます。
  118. 片山甚市

    片山甚市君 遠距離利用者についての統計はとれない、わからない、そういうことの上に立ってお話してありますか。
  119. 草加英資

    説明員草加英資君) そのようなことでございます。
  120. 片山甚市

    片山甚市君 うそつけ。ええかげんにせい。住宅用電話が加入者の大体六九%から七〇%あって収入が総収入の三〇%しかない、こんなデータが出ているじゃないか。なぜ市外電話料金がわからない。いわゆる遠距離料金がどういう人たちがたくさん使っておるかということについてわかりませんか。
  121. 草加英資

    説明員草加英資君) 先生のおっしゃるように、ダイヤル通話の回数が、遠距離と申しますか、距離刻みごとにどのような率でお使いになっているかということ、またはそれが週にどのような率であるかというようなことは私ども統計持っておりますが、どういう業種の方が御利用になっているかということにつきましては、申しわけありませんが、資料を持っておりません。
  122. 片山甚市

    片山甚市君 それじゃ言葉をかえて言います。産業用あるいは商売用に使っておるのが大体遠距離として考えられますか、大半の場合の話です。
  123. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 答えてください、草加営業局長。
  124. 草加英資

    説明員草加英資君) まことに恐縮でございますが、ちょっと先生の御質問趣旨がわかりかねますので、もう一度お願いいたしたいと思います。
  125. 片山甚市

    片山甚市君 住宅用が収入の三〇%ですから、住宅用以外の電話といえば業務用の電話ですが、業務用が大体今度の遠距離について大半の値下げになっているというふうに理解してよろしいか、こういう趣旨です。住宅用は収入の三〇%、安定しているんですから、それはどうですか。
  126. 草加英資

    説明員草加英資君) 住宅用の比率が七〇%弱でございまして、それから通話が大体三〇%で、先生の御指摘はそのとおりでございます。これが遠距離にどのように分布しておるかにつきまして、私どもはっきりした数字を持ち合わせておらないわけでございますが、現在の利用の形態を見ますと、夜間の深夜料金またはさらに深夜のもう一段下げたところに非常に通話のピークがまいっている現状を勘案いたしますと、住宅用の通話遠距離にはある程度あるのではないか、このように理解しております。
  127. 片山甚市

    片山甚市君 ある程度わかりますが、遠距離値下げをした背景が大商社や大会社、そういうものが力をもって強引に国会で決められるようにしたんです。先ほどのグループ制料金については声が小さいということでもみ消されておるということであります。そういうことで料金体系がないままに思いつきのままで値下げが行われる。政治的な圧力があれば、ふらふらふらふらとそのときの顔色見ながら、自分が欲しいものをもらうためにはどんな妥協もしてはばからないという態度が見え隠れするところです。  そこで、住宅用電話、今おっしゃるように七〇%程度でありますが、収入が三〇%です。景気に関係なく電話がずっと使われておるということで最も安定した部分だと思いますが、そういう認識はとれませんか。
  128. 草加英資

    説明員草加英資君) 現在住宅用電話の一人当たり単金が大体五千円でございまして、事務用が一万一千円でございます。景気その他の変動は住宅用電話の方が受けずに単金が伸びておるという意味から申しまして住宅用電話は安定しておる、このように思っております。
  129. 片山甚市

    片山甚市君 大臣国民所得がよく安定し、総裁のお好きな可処分所得がふえれば、住宅用電話についての国民利用は今よりももっと安定する、好不況はないということで、これについてはこれからの電気通信事業の中の電話の政策をつくるときに国民優先の政策として打ち込んでもらって、これについてのいわゆる保障をしてもらいたい。すなわち、これについてこれ以上重荷をかけることがないようにしてもらいたいと思っていますが、大臣いかがですか。
  130. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 国民生活が安定していけばいくほど電話利用もそれにつれて安定度を増すという御意見には全く賛成でございます。そういった点を踏まえて通信行政に当たりたいということでございます。
  131. 片山甚市

    片山甚市君 草加局長が言われたように、大体好不況に関係なく安定的な収入を得ておるということでは一つの特徴を持っておるし、そういうことで国民のための電信電話電気通信という立場からも、この住宅用電話が安定ができるように措置をしてもらいたいと思いますので、もう一度同じことを聞きます。この値下げ法案の裏返しとして、いわゆる市内電話料金を引き上げるような用意がない、今考えてない、そういうことを前提にしてないということで確認したいんですが、大臣からしかと御答弁をいただきたい。
  132. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) そのようなことは考えておりません。私も就任間もない大臣ではございますけれども、先ほど来論議の過程にございましたグループ制云々の問題も電電側ではさらによりよい方向で努力をするということを約しておることでもございますし、私としても遠距離から中距離中距離から近近格差解消へと進んでいってくれるものだと期待もいたしております。
  133. 片山甚市

    片山甚市君 その基本に三分十円というものをないがしろにしないという考えがあったことについてもう一度私もみずからも確認しておきたいと思います。  最後に福祉電話についてのお話を聞きたいと思います。昭和五十八年の参議院逓信委員会における公衆法の一部改正について附帯決議がありました。それには福祉電話機器についての施策はどうなっておるか。そのときの附帯決議にありました機器開発と同時に料金についても特に配慮すべきじゃないかと思いますが、お答えを願いたいと思います。
  134. 山本千治

    説明員(山本千治君) お答えいたします。  今先生のお話のありましたとおり、私どもといたしまして、国等あるいは身体障害者の団体等の御協力をいただきまして、現在取り組んでいるものにつきまして御報告申し上げます。  まず、ひとり暮らしの老人の方々に御使用いただいております「あんしん」という機械がございますが、これにつきましてはさらに利便性の向上、小型化、低価格化を目指しまして現在改良中でございまして、私の予定といたしましては、郵政省の御指導もいただいて、本年度の第二・四半期ぐらいには販売できるようにしていきたいと考えております。それからもう一点、耳や口の不自由な方々に対しましては、手書きパッドといいまして、ボールペンなどであるディスプレーの上に手書きした文字をそのまま表記する方法によりまして、いわゆる筆談できる電話機を開発中でございます。試作品ができてまいりましたものですから、目下東京、大阪等の身体障害者の団体の皆さん二十六名の御協力をいただきましてモニターテストをさせていただいております。評判が区々でございまして、目下四月いっぱいこのことを続けてみたいと思います。モニターの方々の御意見等承りまして、参考にしながらこれも早期に販売できるように努力してまいりたいと思います。  また、今回お世話になります工事料金につきましても、従来同様、福祉機器につきましては減額等の措置をいたしておるところでございます。
  135. 片山甚市

    片山甚市君 ありがとうございました。  電電公社も大企業のために奉仕をすることもありましょうし、また心ならずも国民のために奉仕することもありましょうが、特に電電公社に力を入れていただきたいのは、福祉の問題について、電話そのもの、通信機器そのものが命にかかわる、生活がどういうふうに営まれるかということについて大きな役割を果たすだけに、今おっしゃったように利用料金あり方も可能な限りそれを軽減すると同時に、これは厚生省の立場でなきゃならぬことなんですが、国務大臣としての郵政大臣電話利用のしやすいように福祉のあり方をやってもらいたい。電電公社はこの十何年間、非常に福祉電話についての開発を他の国と比べてみてもやってきた。欲ぼけのATTと比べましてその点は見事なものであります。金もうけのために手段を選ばない会社とは違いがありましたけれども、不幸にして欲ぼけになりそうなことを心配しながら、これで終わります。ありがとうございました。
  136. 沖外夫

    ○沖外夫君 ただいま議題となりました公衆電気通信法改正案について、さらに関連する事項について次の五点ほどお尋ねをいたしたいと思います。  第一に、公共料金としての通話料政策の基本方針についてであります。  かねてより、私ども自由民主党におきましては、電話料金問題を研究討議するために特別の機関を設けて勉強してまいりました。内外における経済活動あるいは国民生活にとって時間と距離とを縮める働きをする電話遠近格差是正等々の問題と取り組んでまいりました。その結果として、今回中距離通話料引き下げを中心とした内容の本改正案が出されたのでありますが、これを可能にさせたのは電話の普及度、利用度の向上と同時に、電電公社関係者のたゆまぬ努力の成果でもあるわけで、これを多とするものであります。  かつて公社が赤字に悩み料金改定に追い込まれたこともありましたが、幸いここ数年黒字が続き。遠距離通話料引き下げや夜間割引も行えるようになりました。しかし、多少の黒字蓄積ができた途端に、これからの財政再建のために特例措置として国庫に差し出すという変則的な状態になっております。この辺のところを踏まえて、公共料金としての電話料のあり方について、基本的な考え方を簡単にひとつ大臣から承りたいと思います。簡単で結構でありますから。
  137. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 御指摘のとおり、国民の経済、そしてまた私たちの生活にとって全く不可欠の存在でございます。そういった意味合いから、電話料金ができるだけ安く、企業にとっても、また家庭にとっても利用しやすいものであるということが第一の前提でございます。しかも、この公益性を持つ通信サービスが私たちにとって長期的かつ安定的なサービスの提供でなければならぬということも当然でございます。その上に立った料金体系ということになるわけでございます。  今先生から御指摘ございましたように、確かに最近の通信技術の進歩と申しますものは目をみはるものがございます。まさに距離と時間を克服した電気通信体系になってまいりました。したがって、今後は全国どこでも至るところで公平で低廉なサービスを受けられる、利用できるということが私たちの目標でなければならないと思っております。そういった意味合いから、電電の今回の中距離料金値下げも、こういった技術革新とともに、労使一体となって効率化を図ってきた成果でもあるということで、高く評価しているところでございます。  なお、先般の特例納付の措置でございますけれども、五十八年度利益から五十九年度に限っての措置でございます。国家財政のまさに危機的な情勢のときでもございます。予想差益が非常に努力によって大きく見込まれるようなことになった等々の条件を踏まえて、今回は特別今年度限りということでお願いをして同意をいただいたということでございますので、ぜひ御了承賜りたいと思います。
  138. 沖外夫

    ○沖外夫君 第二番目には、電話料金体系の整備についてお尋ねをいたしたいと思います。  このたび新しい電電会社法案電気通信事業法案とが国会提出になりました。両案の審議に入っていない段階でかれこれ申すのもいかがかと思いますが、両案をのぞいてみますと新しい民間の電気通信事業者が参入可能になるようでありますので、その場合、新しい考え方で料金体系が整備されねばならぬのではなかろうかと考えるわけであります。  けさ新聞、テレビはこぞってきのうの電電公社真藤総裁記者会見のトップ記事を報道いたしておったわけでありますが、電電としては現行の長距離料金引き下げの方針を打ち出されましたが、そうなりますと新規参入してくる第二、第三の電電経営が初めから苦しいものにならざるを得ないと思うわけでありまして、参入は極めて難しくなるのではなかろうかと思います。新規参入を促すことと予想される電電料金引き下げとどう調整していかれるのか、とりあえず料金政策の基本的な方針をお話していただきたいと思います。
  139. 小山森也

    政府委員小山森也君) 料金はやはりいろいろな種類があるわけでございます。電話料金もありますし、そのほかの電気通信、例えばファクシミリ通信であるとかのようなものがあるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、どの料金でも、電気通信というのは、先ほども大臣からも申し上げましたように距離と時間というものをゼロにするということでございますから、あとはやはり経済的距離を縮めるということが一番大事なことでございまして、経済的距離とは何かと言えば料金でございます。そういった場合のことを考えますと、これからの電気通信料金は、特に複数の事業者がそこに生ずるということになりますと、非常にどなたにでもわかりやすい形のものでなければならないと思うわけでございます。  ただ問題は、それでは具体的に内容がどういうことがよろしいかということでございますけれども、やはりこれは最終的にはコストをいかに明確にあらわすものであるか、またそれに対して正当な再生産ができるための利潤というものをどのような形で御利用の皆様に納得できるような形に明らかにしておくべきかということだろうと思います。  したがいまして、コストに見合った形の料金ということになってまいりますと、これはただいまも話題になりましたように、遠近格差というのが不当な形でコスト見合いではないという場合には是正するのは当然でございまして、そういったことで行われるところの料金であるならば、新規参入の方は新規参入の方でそれは新しい技術を導入してきましてそこで一つの事業を営むわけでございますから、最新の技術から来るところのコストというのは、それなりにまた、従来の電電公社とは変わったものを持ってくるのじゃないかと思います。したがいまして、コスト主義というものをやはりこれからも貫いていくのが基本ではなかろうか、こう思っております。
  140. 沖外夫

    ○沖外夫君 第三番目には、いわゆるVANの振興育成政策についてお尋ねしたいと思うわけです。  最近は連日のように高度情報化社会の具体的な現象としていわゆるVANの問題が新聞、雑誌に掲載されております。この際、郵政省としてVANの育成発展のためにいかなる振興施策をとられるのかお尋ねをいたしたいと思います。
  141. 小山森也

    政府委員小山森也君) 仰せのとおりVANは企業間の通信を合理化する手段として今後の社会経済活動の効率化とか、国民生活の充実に大きく寄与するであろうと考えます。したがいまして、高度情報社会において大きな役割を担うことが期待されております。  ただ、しかしながら、VANが事業として発展するためには、まずユーザーが安心して使えるという、そういった通信であることが第一であろうと思います。したがいまして、そういった意味の企業としての安全性、信頼性をまず保つように我々としてそれを確認する、それで使われる方が安心して使えるような法的な地位を与えるということが大事だろうと思います。それと同時に、非常に設備にもかかるわけでございます。無論第一種事業のような膨大な設備投資を必要とするわけではございませんけれども、設備投資資金、こういったものを確保する必要がありますし、技術開発というものが必要だろうと思います。  そこで、具体的には、VAN同士がつながって相互に円滑な通信が行えるような通信手順、これにつきまして標準化を進めていくということを推進するということがまず第一に国として必要ではないか、また技術開発についてもこれを促進していくことが必要だろうと思います。また、安心して使えるという意味では、安全性、信頼性というようなものについて推奨基準というようなものをつくっておきまして、基準に合っているVAN事業であるということになりますれば、まず第一にユーザーの方が安心して使えるということでございますし、それと同時にそういった信頼性基準を通して事業者の技術水準の向上を図っていくということが可能だろうと思っております。  それから、資金面でございますけれども、これは財政資金を使うというようなことは今とてもできないことでございますけれども、財政投融資等の金融面からの資金援助を行うというような施策は行っていくように努力すべきではないかと思っております。
  142. 沖外夫

    ○沖外夫君 四番目に、ひとつ新しい電気通信事業法案の運用の基本方針についてお尋ねをいたしたいと思います。  技術の進歩に伴い情報化が急速な進展を見せる今日、二十一世紀を見通した、中長期的展望のもとに子々孫々まで繁栄することができる高度情報化社会の構築に向け、今からその基盤づくりに努めていかねばならないかと思うのであります。その意味で、新しい電気通信事業法案は国家百年の計を企図する重要法案であります。競争原理の導入によって民間事業者の創意と活力を最大限に生かすという趣旨に沿って弾力的な運用をしていただきたいと思います。郵政省、それから通産省の御所見をお伺いいたしたいと思います。
  143. 小山森也

    政府委員小山森也君) 仰せのとおり、今後の情報化の進展、高度情報社会に占めます電気通信の役割というのは非常に大きいものでございます。それは何によってそれを維持できるかと申しますと、やはりこれから先は民間活力の導入ということによって、企業者といいますか、事業者の方の創意工夫というものを導入していくということが非常に大事なことであるわけでございます。したがって、新しい電気通信事業法の運用に当たりましてはそういったことが阻害されることのないようにということが一番大事な行政の姿勢であろうと思っております。  ただ、もう一つ、通信には独特の制約がございます。それは何かと申しますと、先ほどから申し上げておりますように、通信というのは一対一の一つの事業ではなくて、真ん中に事業者が入って多数と多数との間のネットワークを構成していくということでございます。したがいまして、通信に特有な秘密の維持とか、それから、これがシステムダウンするということになりますと安定的な通信ができませんので、こういった意味での安全性、信頼性というようなものは常に保っていかなければならないという通信独特の要請もございます。したがいまして、ある意味におきましては民間活力と矛盾する点が出てまいるわけでございますけれども、この両者が矛盾にならないようにできる限りこれを調整を図りまして、整合性のある形で、しかもどちらかといえば民間活力というものを優先的に考えて、それで後に通信独特の締めをするという形でこれから進めていかなければならないんじゃないかと、こう思っております。
  144. 関収

    説明員(関収君) 先生御指摘のとおり、最近の通信技術あるいは情報処理技術の進歩を背景といたしまして、それらを活用した形でいろんな問題に対応していく、いわば高度情報化社会に対する期待というのは大変高まっておるわけでございます。こういった高度情報化社会の実現を図ります上で非常に重要なファクターをなしておりますのが、先生御指摘のように通信回線の利用制度、これがどのようになっておるかということでございます。この点につきましては、先ごろの臨調答申あるいは各種の審議会等におきましても極力民間の創意工夫が最大限に生かされるようにすべきであるといったような御指摘もなされておるわけでございます。  先般閣議決定されました電気通信事業法案におきましては、特に先生御指摘の部分でございますいわゆる第二種電気通信事業に対する規制の部分でございますが、私ども考え方も踏まえていただきまして、簡素化され、また緩和されたものとなっていると、かように理解をいたしているわけでございます。  通産省といたしましては、この枠組みの中で今後ともできる限り民間の活力を生かした形での高度情報化社会の健全な構築ということに私どもなりの立場で努力をしてまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
  145. 沖外夫

    ○沖外夫君 五番目に電気通信技術の開発問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  将来、電気通信は情報処理技術と関連し、複合した形態で国際的にも激しい競争場裏に置かれると予想されます。民間企業の旺盛な研究開発意欲にまつことも大切でしょうが、やはり国の立場から研究、開発、振興のための政策的配慮もあってしかるべきではなかろうかと思います。大臣の御所見をお尋ねいたします。  また、真藤総裁に伺いたいんですが、公社は既に高い技術開発力を蓄積しております。先般我々委員会でも横須賀の電気通信研究所の視察をしてまいりました。すばらしい成果を上げていることをこの目で見てまいりました。特に、私は単純な質問したんですが、アメリカのベル社あたりと技術水準はどうだろうと、こう言いましたら、所長からまさるとも劣らないという力強い実は返事が返ってきまして、帰りの車の中でも一堂、一層これは研究開発の充実のために我々も協力しなきゃならぬなと、こういう気持ちを持ってきたわけでございます。そういうことを踏まえて、新会社になった後もこのすばらしい蓄積された技術開発力をどのように生かしさらに発展させるつもりか、今後の研究開発体制についてもお伺いをいたしたいと思います。
  146. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先生が今御指摘のとおり、私たちは大変な高度情報社会へのまさに入口に今差しかかっておるわけでございます。こういった技術革新をもたらしてきたゆえんは、先ほど来の論議の過程にございますように、コンピューターの大変な情報処理能力、そしてまた、こういった電気通信技術の光ファイバーケーブルなんかを中心とする大変な技術革新の成果がまさに融合した形で、複合された形の中での新しい理想社会に入りつつあるということであろうかと思います。  したがって、今後の政策展開に当たりましては、このような観点から民間の自主的な技術面、そして自主的な開発、民間活力等々を伸ばす意味から言いましても、財政面、税制面の優遇措置はもとよりでございますが、研究開発の振興についても、これは郵政そしてまた通産それぞれの分野の中でお互いに研究開発の振興を図ってまいらねばならないと考えているところでございます。先生の御趣旨と全く同感でございます。
  147. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 今私どもの関係いたします技術開発という面で今一つの開発の基礎の技術の転換点が始まりつつあると思っております。今日まで進歩してきましたシリコンをベースにしたマイクロチップの技術がさらに高度な要求にたえるために、ほかの素材に転換する可能性を今各国本気になって勉強を始めておるというのが現状でございます。  それに関しまして、今まで手をつけてないようないろんな関連の基礎技術というものに非常に大きな力を持たなければなりませんので、そういうふうなことを考えまして、現在私どもは五十八年度までに五十六、七と勉強をいたしまして、五十八から手をつけておりますが、五十九年度から本格的に研究設備の近代化ということに手をつける考えのもとに、五十九年度の予算からこの研究費に投ずる金額を三百四、五十億増額いたしておるということで対処しようというふうに考えております。  と同時に、やはりそういう素材の勉強ということになりますと、今まで全然縁のなかった違った部門の企業の基礎研究部門と新たに技術的な交流を進める必要がありますので、今その面も急速に進めるということにしております。ここのところがこれから先の我々みたいな性質の研究所の存在の意義が長続きするかせぬかということの境目に来ているんじゃないかというふうに考えております。かなりこれから大きな金額を投入しないと問題が解決しないと思っております。
  148. 沖外夫

    ○沖外夫君 現代は情報化社会と言われまして、まさにきのうの夢がきょうの現実ともそしてあすはもう郷愁と化す、こういう極めて変化の激しい今日であります。しかも、それがもうグローバルに、地球的視野で転換しておるという今日であります。したがいまして、今我々が、国家であろうとあるいは会社という組織体であろうと、まず第一はむだを排除すること、第二番目には変化に対応すること、第三番目には絶えず活力ある組織体を運営していく、こういうことが私は今一番重要な課題ではなかろうかというふうに思います。特に、私も民間の経営者の一人として——今サービスの時代になってきております。いかにサービスをお得意先の満足を得ていただけるか、消費者のニーズに合わせるかということが我々経営者の一番大きな課題になっておるわけでありまして、そういう意味も含めてどうか今後とも一層の御精進、ただいまのお返事ありましたことにつきまして御努力されんことを希望いたしまして、私の質問を終わります。
  149. 服部信吾

    ○服部信吾君 初めに、先ほどもお話ありましたけれども、昨日の総裁の発表の件ですけれども、私も朝見てびっくりしたわけですけれども、この辺、大臣総裁、この新聞発表に関してどのようにお考えですか。
  150. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先ほど来、片山先生の御質問の中にもあったわけでございますが、実はけさ新聞報道ぶりから見て、実は今国会中距離料金値下げ問題の御審議を願っておるやさきでもございます、電電側にとりましても国民的な要望の中でできるだけ精いっぱい努力した企業努力の中で中距離料金の精いっぱいの値下げを御審議願っておるというやさきのことでもございましたから、本日の委員会の中でもこういった形が問題点として取り上げられるんじゃなかろうかなと、実は個人的にはひそかにそういった感触を持つたわけでございます。  しかし、よく聞いてみますと、昨日の全く個人的な記者懇談会の形式の中で、将来のあるべき通信料金体系の目標として個人的な考えを漏らされたようにも聞いておるわけでございます。  しかし、いずれにしましても電電法案はまだ国会審議の俎上にも上らない状況の中でもございます。しかも、今日的段階において時期的には大変遺憾であるということで、総裁にもそういった気持ちをお伝えしたところでもございます。
  151. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 今大臣がおっしゃいましたように、これから先の努力目標という意味、それから新規参入が入ってきたらどうなるんですか、どのくらいのコストになるんでしょうかという質問に対して、端的に簡単に計算すれば三分の一ぐらいになるだろうということを説明いたしましたのがああいう記事になったわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても時と場所とに対する心がけ方が大いに欠如しておったということは深く自己反省いたしておる次第でございます。
  152. 服部信吾

    ○服部信吾君 そこで、いよいよ電電の民営化というのも来年ぐらいから始まるようでありますけれども、当然、今総裁が言われましたとおり新規参入等もこれからどんどん進出してくる。今までは独占企業として、いわゆる先ほどお話ありました親方日の丸的に悠々とやっていた。しかし、これからいよいよいろんな新規会社が入ってきてそして競争しなければならぬ、こういうような状況の変化が大分していると思うんですね。それに対して公社としてもこれは何とか対応しなきゃならぬだろう、そういうような一つのあれとして総裁もちょろっと漏らしたのじゃないか、このように思うんですが、この点はどうでしょうか。
  153. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 実は正直に申し上げますが、そこまで深い考えは頭に浮かばずに、事実は事実のままというふうな気持ちで話したということでございます。
  154. 服部信吾

    ○服部信吾君 それはそれとして、国民から見ますと、とにかく長距離電話が四百円ぐらいが百円ぐらいになるんじゃないかということで、これはある面からいえば大変朗報だな、同時に、今回いわゆる中距離通話料金引き下げということで、これは国民にとっては大変いいことだな、国民生活には大変密着しているし、と同時に、総裁なんか笑うかもしれませんけれども、特に長距離電話するときにぱっぱっとお金入れまして、そうするとからゃっからゃっと音がするわけですよ。もうお金がなくなっちゃうんじゃないかとか、それでピーと鳴りますと非常に心臓に悪いですよね、これはね。そのくらいやっぱり国民というのは敏感に考えているわけですよ。タクシーの料金だって、四百七十円が五百二十円になるとからゃっと、この音で何となく心臓が悪くなるわけですよ。そういうことを考えますと、大変、いわゆる国民としては、この料金値下げでいいな、生活も非常によくなるなということを考えつつ、その反面、それじゃ、こんなに安くなるなら今まで少し電電公社もうけ過ぎじゃないか、いよいよ民営化になってきて、泡食って少しでも企業努力してきたんじゃないかと。これはいい面かもしれませんけれども国民とすれば、やはり大変ある面からいえば喜びと同時に、今まで、じゃ、どうだったんだということの不信といいますか、そういうものがあるんじゃないかと思うんです。この辺は大臣総裁どうでしょうか。
  155. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) いや、今の先生がお話しになったようなことを実は私もちょっと心配したわけです。技術革新の成果とはいえ、労使も大変努力いたしてまいりました。そして今回の長距離料金に次いで中距離料金値下げということで、国民皆さんには、この公共料金が矢継ぎ早に値上げばかりのときに、これは大変結構なことだという形の中で喜んでおるやさきでもございます。そういうときですから、今言いましたように、将来の夢というよりも近い将来の目標ではございますけれども、そういった言葉だけが先走りするということになると、はっきり言ってありがたみが薄れると、今まで一体ぼろもうけしておったんじゃないかというような印象だけで、今までの積み上げてきた技術的成果なり労使の一体的な努力なりというものが、あのニュースでむしろ逆な効果になるんじゃなかろうかということも懸念したことも事実でございます。それに加えて、まだ目下のところ国会審議にも上らないという大事な二法案審議も控えておるときでもございますし、そういった情勢の時期的な点からいったら、今先生のお話のとおりの感触を持ったということも事実でございます。
  156. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 全く今大臣のおっしゃったとおりでございまして、けさ起きてびっくりしたわけでございまして、あんな大きな記事になっているというふうな感覚も予想もございません。もともと話したときの前後のいきさつからいいまして、そういうふうな空気でもなかったわけです。しかし、御迷惑をかけるという点においては、やっぱり確かに御迷惑をかけた、プラスにもマイナスにもいろんな影響を与えている、時期が悪いというふうなことに対しては、さっき申しましたように、ちょっと申しわけのしょうがないという感じでございます。
  157. 服部信吾

    ○服部信吾君 そこでお伺いしたいんですけれども一つ心配するんですけれども新聞報道によりますと、三分間四百円が百円ぐらいになるんじゃないかということなんですけれども、例えば余り大胆な値下げ考えるというか、これから考えることになるか、それは知りませんけれども、とにかくこれからいよいよ第二電電、いわゆる新規参入会社がこれから参加してこようと、こういうことを思いますと、これに対して競争するためにはどうしても値下げしなくちゃならぬという公社の気持ちはわかりますけれども、余りこういうふうにやりますと、これから出ようという会社が何となく二の足を踏むんじゃないかと、やっぱり電電公社さんと対決はできないと。こうということになったときに、かえって新規の参入会社が減ってくんじゃないか、こういうふうに考えますと、これはこれからの問題ですからそんなことはないかどうかわかりませんが、そういうことを心配するわけです。と同時に、そうなってくると、要するに余り新規企業が参入しなければやはり電電の分割なんという話にも発展するようにもなるかもしれないわけですけれども、この点は心配ないでしょうか。
  158. 真藤恒

    説明員真藤恒君) この新規参入に対して私どもがこれから基本的にどう考えるべきかということは、当事者の私どもは私どもなりに慎重に考えなきゃならぬ問題と思います。もともとこの新規参入ができるようにするというのは、終局的にはやはり競争の原理で国内の通信の総合的な合理的な値下げに持っていくと、そしてそれによって高度情報社会の発展を助長するというのが今度の法案の御趣旨というふうに私は考えておりますが、そういう面から、私ども実質上の独占形態を今持っておるが、私どもがこの新規参入に対して具体的にどういうふうに対処するかということについては、これからの問題として勉強しなきゃならぬ問題でございますが、その辺につきましては、この法案のまとめ方の責任を持っておられる郵政の皆様方のいろいろ御指導を仰ぎながら腹固めしていかなきゃいかぬのじゃないかというふうに思います。  といって、我々が今の長距離料金なり近距離料金なりを全然これ以上改良する力がないと思わせていいのか悪いのか、あるいは大幅に直せる力が新しい法体系のもとで出てくるよということを過大宣伝するにはいきませんが、全然それを知らせずにおくということもどうかというふうには考えますけれども、このタイミングのとり方あるいはその表現の仕方と、またそういうことの対外的な物の言い方のステップのとり方と順序のあり方というふうなことも、これから慎重に研究しなきゃならぬ問題だというふうに考えております。
  159. 服部信吾

    ○服部信吾君 大臣、その点はどうでしょうか。
  160. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 今の総裁言葉に尽きているわけですけれども、ただ、私が思うのは、恐らく郵政省にとっても始まって以来くらいの大きな法案審議を今願う前でございますし、新しい法案の目指すところは独占の弊を排して競争原理を導入して、そして活力あるそういった意味の高度情報社会へという方向へのまさにステップの段階でもございます。民間の新規参入意思を持っておる方もいらっしゃるようでございますし、それらとお互いに将来は切磋琢磨して、国民にとっては最も負担に耐え得る安い形の料金体系ということは最も好ましいわけでございます。しかし、そういったこと等々を目指す法案もまだ国会に上程——上程はしておりますけれども、本会議審議にまだ至らないという状況でもございますので、そういった点を含めてひとつぜひお許しを賜りたいということでございます。
  161. 服部信吾

    ○服部信吾君 ちょっと具体的にお伺いしたいんですけれども電電改革後、東京、大阪など特定のいわゆるもうかる地域、そういうところに民間企業が新規参入すると、いわゆるいいところだけ取っちゃうと、クリームスキミングと言われるそうですけれども、その結果もうからない地域料金、こういうところが一緒に出てくると思うんですけれども、この点はどのようにお考えでしょう。
  162. 小山森也

    政府委員小山森也君) 今の電電公社あるいはこれからの新電電会社というものだけを一つ想定いたしますと、まさに先生御指摘のようなことを心配せざるを得ないと思うのでございます。ただ、これからの通信というのはいわゆるスケールメリット、通信というのは大きければ大きいほど安くなってよくなるというのが今までの考えでございますし、これからもその面はあると思いますけれども、スケールメリットばかりではなしに非常に内容としてきめの細かいサービスができるかどうかということが、まさにこれからの新規参入者というものが伸びるか伸びないかということだろうと思います。ただいまやっている電電、新電電と同じことをやっていたら、競い合うだけでしたら、これはとてもじゃないですが、今までの信用とそれから技術力というものがありましたらば、これは新電電にかなうはずはないと思います。ただしかし、問題は非常に全国的なネットワークを持つと同時に画一的なサービスを全国的に行うということでございますので、そういった意味でのきめ細かいソフトを持ったところのサービスというのは、これからの新しく出るであろう新規参入の事業者の方たちに期待されている部門だと思うんです。  そういたしますと、完全に電電と新電電、今の電電公社と同じレベルでもって競い合ってクリームスキミングが起きるということには直ちにはならない。直接的にはならない。間接的にはあり得たとしましても、直ちにはクリームスキミングが生じて電電の不採算地域というものに対する措置が、手おくれといいますか、手を抜くことによりまして過疎地帯の電気通信が非常に不利な状況になるということはまず考えられないと思います。  それと同時に、やはり電電そのものといたしましても、そういう新規参入者を迎えでみずからの働き方といいますか、機能の仕方というものに対しての創意工夫というものによって合理性をたっとんでいくということ、それから、いろいろ本来の事業でないものをどうやって縮小していくか、合理化していくかということの努力もあると思いまして、当分の間はそういった現象から全国網のネットに支障を来すということはないのじゃないかと私ども思っております。
  163. 服部信吾

    ○服部信吾君 電電改革後、当然競争原理が導入されるわけでありますけれども、現行の政策料金、こういったことは難しくなってくる。当然費用を重視した料金体系をとらざるを得ないと思いますけれども、この辺はどうなんですか。
  164. 小山森也

    政府委員小山森也君) おっしゃるとおり、これは今の電電公社、これから生まれるであろうと予想される新電電におきましてもそうですし、新たな新規参入の事業者にしてもそうですけれども、いわゆる過度な政策料金というのは次第にコスト主義に移っていくであろうと思います。
  165. 服部信吾

    ○服部信吾君 電電公社では距離段階通話コストをどのように把握しているのか、また電電公社考えている全国一律料金としてはどのくらいの料金になるか、この辺はどうですか。
  166. 草加英資

    説明員草加英資君) 現在市内または市外通話につきまして具体的にコストを分計いたしておりません。実は交換機が多種類にわたり、またルートが多岐にわたっておる関係で現在距離段階別のコストを把握しておらないわけでございますが、今後きめ細かいサービスを実施し、またコストに基づく料金を設定するという意味で、早急に事業別、サービス別、そして距離段階別のコストを把握していくように努力していきたい、このように思っている次第でございます。  それから、全国均一料金ということは私どもINS時代の一つの目標と申しますか、理想と申しますか、そういうことで考えているわけでございまして、今後これまで実施いたしました遠距離値下げ中距離値下げ、さらには近近格差の是正ということを通じながら、ステップ・バイ・ステップでINSの完成する時点に全国均一料金を実現したい、このように考えておるわけでございます。  それでは、先生御指摘のどの程度の料金水準と申しますか、どの程度のことを考えておるかということでございますが、実は現在仮に今のままで全国一律にすれば、例えば三分五十円とか六十円ということでできるわけでございますが、なるわけでございますが、これからINSの完成までに技術開発、効率化、合理化というのをいろいろと繰り返して行いまして実施いたすわけでございますので、現在その時点でどの程度の水準でできるかということにつきましてはまだ検討段階でございます。
  167. 服部信吾

    ○服部信吾君 検討段階ということで結構でございますけれども、特に新規参入者の新電電回線ですね、これに接続するためのアクセスチャージ、こういうものに対して電電公社の基本的な方針をお伺いしておきます。
  168. 草加英資

    説明員草加英資君) 実は、先ほど申しましたように現在の料金体系遠距離が相対的に高く、近距離が安いということでございまして、これをコストに合わせまして遠距離を下げ、遠近格差を是正していく、こういう努力をこれからいたしていくわけでございますが、こういう努力が実現いたしますと、アクセスチャージ、いわゆる接続料というのではございませんで、アクセスチャージという形では徴収しないような方向で努力いたしたい、このように考えているところでございます。
  169. 服部信吾

    ○服部信吾君 徴収しないということですね。
  170. 草加英資

    説明員草加英資君) 今のような前提ができればそういう方向で努力したい、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  171. 服部信吾

    ○服部信吾君 次に法案について少々お伺いしたいと思いますけれども、今回の料金値下げについては過去において五十六年、五十八年、二回連続遠距離値下げしてきた。今回は中距離値下げ、こういうことですけれども、この趣旨とその経緯、この点についてお伺いします。
  172. 小山森也

    政府委員小山森也君) これは前の遠距離を下げたときにさかのぼらなければならないわけでございますけれども、要するに、今現在、先ほど来るる申し上げておりますように日本遠距離は余りにも高過ぎるということで、何しろ火急の問題としてこれは是正しなければ、我々の通信、特に電話というものが私どもの身近に使われる必需品としては余りにも高過ぎるということで、これをまず是正しなければいけないっ  それはどこによって一番極端にあらわれているかと申しますと、遠距離でございました。特に沖縄とか鹿児島へかけるのが六百五十円というような非常な高さであったわけでございます。これを何しろ是正して我々の身近な電話にしなければいけないということから、去年御審議をお願いしてそれを下げたわけでございます。そういたしますと、次のステップといたしまして、今度は中距離遠距離に比較して不均衡になっているということが出てまいりました。  そこで、今回は全体の体系的な形で整合性を持たせるという意味で、中距離引き下げる。そのことによりまして、それでは事業体の方としてはどうか。問題は料金を下げることは利用者にとって非常にいいことですが、そのいいことばかりではないわけでして、それによって事業体自身が財務的な負担に耐え切れなくなるということになりますと通信の内容が落ちてくる、やるべきサービスもしなくなるということになりますので、結果的には高いものになるということでございます。そういった意味での財務的な裏づけはどうかということを考えましても、現在の電信電話公社では今回の引き下げということを行ってもこれは耐え得る。このように判断いたしまして、前回の遠距離整合性を持たせる意味で、今回中距離というものを引き下げるべきであろうということにしたということが今回の法案料金体系に占める位置づけでございます。
  173. 服部信吾

    ○服部信吾君 今まではいわゆる中距離通話料金については一応六段階に分けてやってましたね。それを今回四段階にしたわけでありますけれども、この辺の何か理由がありましたら、ひとつ。
  174. 草加英資

    説明員草加英資君) 実は電話料金あり方でございますが、なるべく国民の皆様にわかりやすい形で料金体系をつくるということが私ども理想でございます。そういう意味では今まで距離段階というものが非常に多かったということでございまして、昨年の遠距離通話の際に三百二十キロメートル以上フラットにいたしました。その前はその先も段階が幾つかあったわけでございますが、今回中距離値下げする際に六段階を四段階にまとめまして、皆様にわかりやすい、御利用しやすい形にいたすということで、距離段階の数を縮小いたしたわけでございます。
  175. 服部信吾

    ○服部信吾君 そうなると、今後は二段階なんかにも統合する可能性があるのか、また近距離におきましても随分細かくなってますね。    〔委員長退席、大森昭君着席〕 こういうのも将来的には統合するような形にしていくのか、この点について伺います。
  176. 草加英資

    説明員草加英資君) 先生今二段階とおっしゃいましたが、二段階になるかどうか別といたしまして、今後さらに縮めていきたいと思っております。例えばイギリスなどでは現在三段階ということになっておりますし、世界各国とも段階を少なくしてわかりやすい、利用しやすい料金体系にいたしている、こういうことでございます。  それから、近距離につきまして、確かに御指摘のように現在大体二十キロ刻みで料金体系ができておりますので、これをどうするかということでございますが、現在近距離のいわゆる近近格差というものが問題になっておりまして、道一つ隔てたところでもすぐに市外通話というところも随分ございますし、行政と加入区域の一致しないところ、または加入区域の面積その他が、同一でかけられる単位料金区域の面積が大小が必ずしも均一ではございません。このような問題を解消するために、今後グループ料金制またはそれの発展した形での県内均一料金制、こういうものを研究いたしているわけでございますが、こういうものを採用する過程で、現在の二十キロ刻みの、距離段階の刻みをさらに大きくいたしまして、段階を減らしてわかりやすい御利用のしやすい料金にいたしていきたい、このように考えているところでございます。
  177. 服部信吾

    ○服部信吾君 だんだん遠距離中距離、いよいよ近距離というところまで来るのかなというふうな期待もするわけでありますけれども遠近格差の是正についてはとにかく早急に制度化しなくちゃならぬ、こういうことで総裁としては、遠近格差が今現在一対四十だそうですけれども、我が国としては大体どのくらいが一番遠近格差のあれとしては正常と見るのか、この点について総裁
  178. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 今お答えするのは非常に難しい御質問でございますけれども、後しばらく時間がたちますと、日本にも大型の通信衛星というものが具体的に使われるようになりますと、遠近格差という考え方も大分根本的に考え直しませんと、今度地上の通信線と衛星通信との競争というものがおかしなことになっちゃってしまうんじゃなかろうかということでございますけれども、まだ現段階では衛星通信が日本に導入されるかどうかも、また導入されたとしてどのくらいの料金になるかも全く想像つきませんけれども、いずれにいたしましても遠近格差を縮める方向に歩いていかざるを得ないということは間違いございませんので、    〔委員長代理大森昭君退席、委員長着席〕 できるときにそれを実行して、前もって縮めていくという行動は私ども当事者としてやらざるを得ぬのじゃないかというふうに考えております。
  179. 服部信吾

    ○服部信吾君 ということは、要するに、例えば今一対四十とかいろいろ言っておりますけれども、そういうあれじゃなくても、もう全部均一と、こういう意味でしょうか。
  180. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 宇宙衛星がかなりのスケール、たくさん常用されるようになりますと、宇宙衛星は全くその常態になるわけでございますので、従来の有線通信のときの遠近格差あるいは距離に応じてコストがかかるからというものは根本から覆されるということでございます。
  181. 服部信吾

    ○服部信吾君 心配するのはそこまで行く間ですね。今まで要するに遠近、中近と来て、先ほどもお話しありましたけれども、じゃその負担を近距離料金にかけるんじゃないかとか、こういう心配は国民もすると思うんですけれども、こういうことはございませんか。
  182. 草加英資

    説明員草加英資君) 先ほどから御説明いたしておりますように、今まで、今回の中距離料金値下げをお願いしておりますことを含めまして四回やってまいったわけでございますが、財務の許す限り遠距離中距離というものを下げてまいったわけでございます。今後も財務の許す限り下げていきたいと思っておるわけでございますが、先ほど申し上げました近近格差というものも、これも緊急重要な課題でございますので、これにつきましてどのような形でやるのが利用者の皆様方に最も喜ばれる形であろうかということを考えながら、遠近格差の是正と近近格差の是正あわせてこれから早急に検討していきたい、このように思っているわけでございます。
  183. 服部信吾

    ○服部信吾君 今回の値下げに関しては、総裁、なかなか記者会見するといろいろ問題になるようですけれども、去年の秋、北海道で、総裁としてもことしの夏、遠距離電話料金値下げをしたばかりであり、まだその後収支バランスが一年経過しなければ確定できないので、来年夏の中距離電話料金値下げは六十年度にしたい、このように語ったようでありますけれども、これは非常に早めていいことなんですけれども、一応総裁としてもそのようなことを言っているわけであります。一年経過してないのでまだ収支のあれがわからない、そういうことで五十九年度は無理じゃないかというようなお話もあったようでありますけれども、今回六十年度に二年連続遠距離中距離値下げに踏み切った、これ何か状況の変化があったんでしょうか。
  184. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 正統的な考え方でいきますと、今おっしゃいましたように二年に一遍かなり思い切った値下げをしていくのが私ども経営の立場からいいますと一番論理的であり合理的でございますけれども、去年値下げしてことし続けて値下げするというのは、実は私ども財務の体質の、財務の数字の動きが私が予想しておりましたよりもはるかにいい方向へ向き始めてまいりましたものですから、この傾向が出てくるならば続けて近距離値下げをやっても大きな問題には財務的にはならないなという自信がつきましたので、今度の値下げについては前向きに対処をする覚悟をいたしたわけでございます。
  185. 服部信吾

    ○服部信吾君 そうしますと、昨年七月の料金値下げ後の利用動向とかその収入状況、大変よくなったようだ、こういうふうにとってよろしいですか。もしそうであればもう少し具体的に。
  186. 真藤恒

    説明員真藤恒君) そうでございます。特に昼間の値下げは、やっぱり常識のとおりそう急速な通話の時間の伸びには出ておりませんが、夜間の中距離三分二百円というのが、実は家庭の皆様に非常に一年ちょっと時間がたちまして、御利用度が急速に今伸びております。これはもう明らかに使いやすい値段になればお使いになる度数が非常に多くなって値下げ前よりも総収入はずっとふえるという、やっぱりマーケットの値段と需要とのバランスというものがプラスに大きく予想以上に出ておりますので、その影響で続けて近距離をやってもまず大丈夫だろうという見当をつけたわけでございます。  一つのいい例でございますが、夜間の料金値下げをしたり長距離値下げをしますと、九州、北海道というところはがたんと収入が減ったんでございますけれども、実は長い間赤字であった九州が五十八年度は黒字になった。どこで黒字になったかといいますと、やはり九州と東京の夜間通話が想像以上にふえておるという現象も考えられますので、そういうことで続けて二年の値下げということに積極的に対応することにいたしたわけでございます。
  187. 服部信吾

    ○服部信吾君 そうなりますと、例えば二回遠距離やってきまして、かなり遠距離値下げをしたということでいろいろ増収も出てきたということなんですけれども、今回中距離をやった場合にこれはどのようなあれを予想しておりますか。
  188. 岩下健

    説明員(岩下健君) お答えいたします。  今回の御審議をお願いしております中距離料金の改定、これにおきます値下げの幅から申しますと、通話料そのほか若干の関連の要因がございますが、平年度を見まして一千四百億円と見込んでおります。これに対しまして、御利用の増加が、ある区間あるいはある種の通話については当然想定されると、これも過去の実績から推定をしたわけでありますが、これを約四百億円。ということは結局収入への影響は平年度で約一千億円というふうに見込んでおるわけでございます。ことしの場合には一種の初年度でございますので、この夏ごろの実施を法案成立後さしていただきたいと思っておりますので、五十九年度についていいますと、これが収入の影響額が約六百億円というふうに見ておるわけでございます。  なお、補足いたしますが、この料金の改定を行います場合、特に値下げをします場合に、これは一過性のものではございませんで、当然一度料金を下げればその後五年、十年、いわば未来永劫、財務上の影響があるわけでございます。したがって、この決定に当たりましては、慎重に財務上の検討をするわけでございますが、この場合、一つ財務体質といいますか、例えば総資本の構成を見た場合に、その中で固定負債、つまり借金がどのくらいになっているかといった、いわば一種の財務体力、耐える力、あるいは体の力がございますが、財務体力の面と、それからその改定を行った場合の収支、特に収入面への影響という、いわばフローといいますか、こういった両面からの検討が必要であろうと思っております。この点、昨年の夏以降秋にかけまして、五十七年度の決算その他を詳細見ました結果、今のようなストックあるいはフロー両面におきまして、五十九年度においてこうした中距離料金の改定を行っても事業計画の遂行には差し支えないという確信を得ましたので、今回の値下げということをお願いしておるわけでございます。
  189. 服部信吾

    ○服部信吾君 増収もあるけれども当然減収もあるわけですね、この値下げによって。そのあれはどのくらいになりますか。それからことしはまた二千億円の臨時国庫納付金というものを出すということで、何だかどんどんどんどん電電公社から持っていかれちゃうような気がするわけですけれども、今後の公社経営への影響、これでいいんですか。どんどんいろいろやっていってもそんなに経営には余り影響ありませんか。
  190. 岩下健

    説明員(岩下健君) ことしの中距離値下げの影響が先ほど申し上げましたようにプラス・マイナスいわば相殺いたしましてネットで平年度一千億円という減収でございますが、これは事業収入全体が四兆五千億強でございますから、これの約二、二%という決して少なからぬ数字でございます。これの影響が事業計画の遂行にマイナスになってはいけないということは当然でありますので、これについては先ほど申し上げましたような形で吟味をいたしました。  収入につきましては、地道なトラフィック販売といったような増収の努力、あるいは各商品の販売、こういった努力を重ねる一方、費用面につきましては、金融取引をできるだけ弾力的にといいますか、今の制度の枠内で弾力的にやって節減をする、あるいは仕事全体を見直すことによる経費の効率化を図る、こういったことを行いながら、同時に資金の調達につきましても幾つかの調達手段を多様化いたしまして総資金コストをできるだけ小さく、しかもそれで必要な設備投資の資金の調達ができるように工夫をしていく、こういった努力を重ねることによりまして、決してこれは易々としてできるものとは思っておりませんけれども、しかし努力を重ねればこの達成も可能だろうというふうに思っております。こういった考え方を盛り込んだこの五十九年度の予算でございますが、端的に言いまして収支差額で約一千八百億円、五十八年度のこれは予算ベースではありますけれども、対しまして約五百億円程度の増加という形で収支計画につきましても当面考えておるということでございます。
  191. 服部信吾

    ○服部信吾君 そこでお伺いしたいのですけれども公社の事業収支の見通しでありますけれども、昭和六十四年度まで黒字が続く。そして六十年度に特殊会社に移行した場合には六十四年度以降も黒字が続くとの見通しを立てておりますけれども、今回のこういう料金値下げがあってもこの見通しについては変わりございませんか。
  192. 岩下健

    説明員(岩下健君) 事業の中期あるいは長期の見通しを常に検討するというのがこれは事業として当然でございます。今までも特に何々計画と銘打つかどうかは別といたしまして、こういった作業は事務的には何回か繰り返してまいりました。現在のところ実は私ども責任を持って、例えば今後五年間、特に今想定しておりますところのいわゆる会社移行後の、民営化移行後の収支がどうなるか、あるいは資金調達をどうするかということにつきまして具体的な数字をもって責任のあるものをお答えできるようなものを現在のところは用意はしておりません。しておりませんけれども、しかし今後仮に会社になりました場合も想定をいたしまして、このためには想定上の条件は幾つかまだ不明なものがございますが、そういったものを明らかにしながら、収支あるいは資金調達両面につきまして片方でサービスの提供それから建設計画の円滑な遂行、これを達成すべくどうやって収支あるいは資金計画をつくり上げるのかということについては現在検討中という段階でございます。
  193. 服部信吾

    ○服部信吾君 次に、料金明細サービスについてお伺いいたします。  電電料金に対する問い合わせ、それから苦情件数の現状、現在とのぐらいありますか。
  194. 神林留雄

    説明員(神林留雄君) お答えいたします。  最近、五十七年度のデータでは料金に関するお問い合わせ、苦情、こういったもの合わせまして年間で約十八万件出ております。
  195. 服部信吾

    ○服部信吾君 電電料金の苦情対策の一つとして、料金明細サービスがありますけれども電電公社では昨年一月から東京二十三区内と横浜で料金明細サービスの技術上の総合的な試験を実施した様子でありますけれども、その結果を伺いたい。  また、本年二月から運用の試験を行っているようでありますけれども、その状況をお伺いしたいと思います。
  196. 神林留雄

    説明員(神林留雄君) 料金明細につきましては先生御指摘のとおり、昨年の一月から六月まで横浜の西局に機械を置きまして、東京都内六局、横浜二局、約十万の加入の方たちに機械の動作試験、私ども設計して、現実にその機械うまく動くかという、こういう点を中心にいたしまして試験をいたしました。結論的に申し上げますと大変うまく動きました。若干あったところは若干プログラムの虫食いといいますか、その程度のことでございまして、結果的には大変よかった。  こういうことを踏まえまして、これまた先生御指摘のとおり、二月というお話がございましたが、二月以降いろいろ準備段階に入るわけでございまして、五月ぐらいから本年いっぱいぐらいかけましてこういうふうにしてとりましたいろんなデータ、料金の明細データですね、去年の一月−六月はこれはお客様用には全然使わなくて私ども内部用にとったのですが、今回はお客様との苦情、問い合わせの応対用に使ってみると、こういったかっこうで、私ども運用試験と呼んでおりますが、こういったものをしたいと、こう思っております。対象等は技術試験のときの対象の十万加入と同じ方を予定しております。
  197. 服部信吾

    ○服部信吾君 五月からやるようでありますけれども、運用上の試験終了後は本格的にこれを実施するんじゃないかと思うんですけれども電電公社の今後の方針を伺っておきます。
  198. 神林留雄

    説明員(神林留雄君) 私ども料金明細については、将来していこうという前提に立ちまして、技術試験なり運用確認試験やっておるわけでございますが、それではこの運用確認試験が終わった後、いつからどの程度の期間等でやっていくのかという問題は実はまだはっきり決めておりません。実はその決めていくための一つのいろんな条件といったものを今回の運用確認試験の中でつかみたい、こういうふうに思っておりますので、運用確認試験の進行状況、場合によっては終わった結果等を見ながら早急に本実施の方針を私どもで策定いたしまして、また関係の向きの御意見等も伺いながら本実施の方針を進めていきたい、こう思っております。
  199. 服部信吾

    ○服部信吾君 この料金明細サービスを全国的に実施する場合、かなりのお金が必要だと思いますけれども、どのくらい投資額が必要なのか、また本年度は予算ではどのぐらいになっておりますか。
  200. 神林留雄

    説明員(神林留雄君) 料金明細の本実施についてどのくらい費用がかかるかというのは、実は大変いろんな複雑な要素がございます。一言で言いますと、こんな言い方はおかしいんですが、なるべく遅く、しかも長い期間をかけてやると安くて済むということでございます。ということは、電話の交換機ですね、これが私どもいろいろ、古い形、新しい形いろいろございまして、一番最新式のコンピューターの交換機、電子交換機、こういったものを使いますと、いろんな機能がその中に入っておりますので、特に特別な施設を加える必要もない。ところが、今主として使っておりますクロスバー型という交換機ですと、いろいろな機械をつけていかなければいかぬと、こういうことがございまして、なかなか幾らかかるかということを明確に申し上げられないんですが、私ども事務的な試算でございますけれども、仮にまあ六十年ごろから十年間ぐらいかかってやったらどのぐらいかなあという形で計算してみますと、トータルで三千五百億前後、十年間全部ででございますが、そのくらいの投資額が要るかなあというふうな見通しを立てております。  それから、今やっております実験でございますが、これ、本年度予算というのはちょっと私ここにデータ持ってないんですが、こういった実験総体全部含めまして五十億強のお金を私どもいろんなことで使っております。
  201. 服部信吾

    ○服部信吾君 この料金明細サービスに当たっては、一番問題になるのは通信の秘密やプライバシー保護、こういうことでありますけれども、これについてはどの程度御配慮されておりますか。
  202. 神林留雄

    説明員(神林留雄君) 先生御存じのとおり、現在日本ではプライバシーに関する法というのはないわけでございまして、ただまあいろいろ、外国の、例えばOECDのガイドラインだとか、あるいは行管庁でやられました委員会の答申だとか、こういったものを何となく参考にしているような現状かと思いますが、私ども今回の試験実施に当たりましては慎重に配慮しようという、こういうスタンスに立ちまして、例えて申し上げますと、料金明細を完全に全部とるか、あるいは反対側で全然とらないでほしいというか、その中間として一部の電話番号にしていくかと、こういう三つのオプションをお客様にお聞きいたしまして、そのお答えに従って私どものプログラムを組んでいきたいと、こんなふうに思っています。その他、現実にお客様から問い合わせがあった場合に、全く関係ない第三者に問い合わされて教えたりするとこれは困りますので、お問い合わせの際は、若干事務的には繁雑になりますけれども、本人であるということを確認する手段を講じていきたい、こんなふうなことでございます。こういったことを頭に置きながら、先ほど来の本実施以後の取り扱いについても慎重に対処していきたい、こう思っております。
  203. 服部信吾

    ○服部信吾君 電話料金に対する苦情が年間百万件以上あるというんでね、これいろいろ大変でしょうけども一日も早く実現をしていただきたいと思います。  次に、電話福祉対策についてお伺いしたいんですけれども電電公社の身体障害者などに対する電話福祉対策はどのようになっておりますか。
  204. 山本千治

    説明員(山本千治君) お答えいたします。  公社は、社会福祉の増進に寄与するために、これまで、ひとり暮らしの老人あるいは身体障害者の皆様に容易に利用できるような電話機器につきましていろいろとやってまいりました。それぞれの普及につきまして御説明申し上げます。  ひとり暮らしの老人などのためのシルバーホン、通称「あんしん」と呼んでおりますが、これは千人当たりで考えてみまして三台といった数字でございます。それから耳の不自由な方のためのシルバーホン、これ、「めいりょう」と呼んでます、あるいは「ひびき」でありますとか、「フラッシュベル」であるとか「シルバーベル」といったものがあるんでございますが、千人当たりで申しましておよそ二百七十ぐらいの数字になるんではなかろうか。それから肢体の不自由な方のためのシルバーホン、これは「ふれあい」というものでございますが、これは五十七年度からやった関係もございまして、数が五十七年で百六十台、五十八年に入りまして十二月までで四百台強といった数字でございます。また、目の御不自由な方々のための盲人用のダイヤル盤は、五十七年度末で六十五万という数になっておりますので、これは相当普及してるんではなかろうかというぐあいに考えております。
  205. 服部信吾

    ○服部信吾君 先進国なんかでは電話料金に対して福祉割引を行っているところもあるようでありますけれども、その実情についてはどうなっておりますか、また、民営であるアメリカなんかはどうなんですか。
  206. 草加英資

    説明員草加英資君) 先生質問の、電話料金に対する福祉対策としてどのようなことを考えているかということでございますが、公社の基本方針といたしまして、福祉対策は本来、国、地方公共団体等の行政サービスに属する事柄であるという基本に立ちまして、国等の社会福祉政策全体の中で考慮されるべき問題であると考えておりますので、独立採算による事業経営を行っている公社みずから企画し、実施する立場にないというスタンスに立っているわけでございます。  このような考えで、基本料とか通話料などの料金については現在減免を実施いたしておりませんが、国等に対してきる範囲で協力することといたしておりまして、具体的に、例えば市町村あるいは社会福祉法人が社会福祉事業としてひとり暮らし老人の方や身体障害者の方などに設置するいわゆる福祉電話については、市町村名義であっても住宅用電話料金を適用いたしております。また、身体障害者の方などであって経済的に困窮している方及び生活保護を受けている方からの電話申し込みについては、設備料の分割払いの実施、これは二回から十二回、無利子でございますが、このようなことを実施いたしております。さらに、先ほど御説明いたしましたように、シルバーホン「あんしん」等の福祉用機器につきましては、付加使用料について半額程度の軽減をいたしておる、このようなことでございます。
  207. 服部信吾

    ○服部信吾君 これは、民営であるアメリカもこういうことをやっていますか。
  208. 山本千治

    説明員(山本千治君) ただいま手元に資料ございません。私の承知している範囲では、余り聞いておりません。
  209. 服部信吾

    ○服部信吾君 最後にお伺いしますけれども経営状態も大変いいようでありますので、総裁、福祉用電話機器の開発だとか、あるいはそういうもろもろの普及について、今時に経営状態もいいということなので今後ずっとやっていただきたいと思いますけれども、この点はどうでしょうか。
  210. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 福祉につきましては今御説明申し上げたような具体的な状態になっておりますが、今後この問題は、さらに国の福祉政策に並行しながら積極的に事を進めていこうという方針でおります。
  211. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 昨日の記者会見における真藤総裁発言がきょうも冒頭から問題になっているところでありますが、片山委員の御指摘にもありましたように、電電の民営化を前提にした料金問題での総裁発言というのは、いわば国会審議権に対するじゅうりんであるということはもちろんのこと、それにとどまらず、民営化になれば値下げができるんだ、こういう宣伝で民営化法案に賛成する国民世論を誘導しよう、こういう極めて政治的な意図があったんじゃないかというふうに私は見るんです。単に発言が不謹慎であったというだけじゃなくて、わざと発言したんじゃないだろうかと思うんでありますが、もう何人かの応答があった問題でありますので、私は、そういうことをひとつ指摘をして、今後絶対にこういう言動のないように強く抗議を、まず冒頭に表明をしておきたいと思います。  そこで、議題の本法案料金値下げ問題については私は賛成をするものでありますが、問題は、その値下げの内容、規模の適否を判断するためには電電公社経営実態が明らかにされなくちゃならないと思うんです。  こうした点で、以下幾つかの点をお尋ねしますが、まず第一に、拝見をしております昭和五十七年度電電公社の監査報告書、これによりますと、事業収支別の状況として、電話、電報、電信、専用、データ通信などの各部門別収支状況が百二十ページに出ています。  それによりますと、電話は五千二百二十三億円、専用は三百七十六億円、データ通信は百六十七億円の黒字。片一方、電報は千二百億円、電信は十八億円の赤字、全体のトータルで約三千七百億円の黒字、こういうことになっておりますが、新データサービスとしてDDXというのがありますが、これはどういう状況になっておりますか。
  212. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) DDXサービスにつきましては、昭和五十七年度八億円の収入、それからファクシミリ通信サービスにつきましては四千万円、そういうことであります。
  213. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 それぞれの収入はどこの分野に入っているんですか。
  214. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) それぞれ専用収入の中に入っております。
  215. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 五十九年度予算でDDXとファクシミリのこの関係の収入見込みはどのように計上していますか。
  216. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) 五十九年度予算につきましては、DDXサービスにつきましては約四十九億円であります。それから、ファクシミリにつきましては九億と予定しております。
  217. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 それでは、それぞれの建設投資額は幾らですか。
  218. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) 建設投資額につきましては、これはサービス工程という部分とそれから基礎工程と申しますか、そういった部分と二つに分かれておりまして、それぞれいずれも電気通信設備費という中に包含されております。
  219. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 それで、額は明らかに示せないというわけですか。
  220. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) 今手元に資料がございませんが、今申し上げましたとおり、総額は電気通信設備費という中に入っております。
  221. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 事前に説明を求めてきておるその限りでは、DDXは九十一億円でファクシミリは五十六億円と伺っているんですが、そういうことじゃありませんか。
  222. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) ただいま手元にその資料がございませんので、正確な数字につきましては別途お答え申し上げたいと思います。
  223. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 だれか御存じありませんか。
  224. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 質疑の通告があったものと委員長考えますが、答弁できませんか。
  225. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) 失礼いたしました。  投資額は五十九年度で約九十億円でございます。
  226. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 今ありましたように、DDXについて見ますと、五十九年予算での収入見込み四十九億、建設投資額九十一億円、こう見ますと、収入の約倍、建設投資をやっていくという、こういう計画になっている。ファクシミリの方は今答えありませんでしたけれども、建設投資額の方は五十六億円ですね。そうしますと、収入見込み九億円に対して五十六億円というんですから、これは約六倍規模の投資を行う。こうなりますと、非常に大きな赤字が出てくるということが今後予想されるわけですけれども、DDX並びにファクシミリ、それぞれの分野、部門についての収支はどういうふうにしているんですか。
  227. 草加英資

    説明員草加英資君) 今先生、単年度の投資額並びに収入で御質問でございましたが、このDDXサービス並びにファクシミリ網通信サービスにつきましては、サービス開始以来、実施地域を拡大しております。したがって、単年度の投資とそれからその収入とでは対比できませんので、サービス開始実施以降、数年度にわたって回収できるというような形で計画を立てておりますので、そのように御了解いただきたい、このように思う次第でございます。
  228. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 要するに、単年度の収支は明らかにできないというわけですね。この数年を見渡さぬと何とも言えぬと。それならば、DDXあるいはファクシミリの料金設定、一体何を基準にやるんですか。
  229. 草加英資

    説明員草加英資君) 当然当初におきまして需要を勘案いたしましてモデルの設計をいたします。そのモデルの設計をいたしましたコストをもとにいたしまして償却年度、それから保守、運用、営業経費その他を加味いたしまして料金を設定する、このようなことでございます。
  230. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 幾つかの指標を挙げられましたけれども、例えばそういう指標を五十九年度についてはどういうふうに分配をしているという、この計画が明らかにできるはずですね。ですから、私が聞いているのは、DDXあるいはファクシミリというこういう部門について五十九年度の収支の内訳はどうなるのかと聞いているんです。
  231. 草加英資

    説明員草加英資君) 先ほど収入につきましては経理局長からお答えいたしました。  支出でございますが、実は先ほど先生からも御指摘ありましたように事業別分計を行っておりまして、これは電話、電報、加入電信、専用、それからデータ、五つの事業分野で分計しておるわけでございます。さらにこれを各サービスごとに分計するということにつきましては、電気通信設備の複雑多様性で現在のところはまだ行われておりませんが、今後これらにつきましてもさらにサービス別に分計するような方向で努力していきたい、こういうふうに思っておる次第でございまして、現在のところはサービスごとの支出につきまして分計はいたしておりません。
  232. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 この五つの部門に限って分計をしているということですけれども公社の経理運営はそういうやり方でやるということを公社の会計規程などで決めていますか。
  233. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) これは先生御案内のように、現在の公社の会計規程と申しますか、御質問のような勘定体系なりあるいは原価計算制度と申しますのは郵政大臣の……
  234. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 もう少しよく聞こえるように鮮明に。ちょっと聞こえにくいんです、あなたの。
  235. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) 今申し上げました公社の会計制度と申しますのは郵政大臣の認可を得て決めておりまして、その中では先生御指摘のような五事業分計というものは必須項目というものにはなっておりません。  ただ、私どもの内部の経営管理をいたします場合に、どうしてもこれは可能な限り正確に収入と対応する支出というものを明らかにしていくということが必要でございますので、内部管理体制上実施しておるということでございます。
  236. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 五分野に限っての分計方式でやる、こういうことを必須条件としてきちっと決めているわけではない、郵政大臣の指示があるわけではない、こういうことでありますが、ところがどうでしょうか、この監査報告書でありますけれども、この冒頭から「サービスの状況」ということで、要するにこういう種類の電電公社サービス部門がありますということで、もちろん言われておる五分野、これが冒頭に出てきますね。「電話サービス」、それから二番が「電報、加入電信サービス」、三番「専用サービス」、四番「データ通信サービス」、五番「新データ網サービス」、六番「ファクシミリ通信網サービス」。ですから、監査報告書には仕事の分野はこういうふうにありますということで明らかに打ち出しながら、会計処理というこういう問題になると、私が今例として挙げておるのはDDXとか、これは新データ網サービスの関係だと思いますけれども、この分野あるいはファクシミリのこの分野、これはよそへ突っ込み会計にすると。こういうやり方というのが道理が通っているんだろうかということで私は問題提起をしているんですけれども、どうですか。
  237. 飯田克己

    説明員(飯田克己君) 先ほども営業局長が御答弁申し上げたとおりでございますが、当公社の事業といいますのは、例えば組織面について見ましても、電報電話局という名前が示しますように電話だけでございませんで、電報の事務もやっておると。それから場合によってはデータ通信関係の仕事もやっておると、それから当然専用線関係の仕事もやっておるということで、一つの組織、一つの機関というもので複合した業務をやっております。これはやっぱり効率性の立場上から必要なことだと考えております。そういった組織の面でそういうふうになっておると。それからまた、一方におきまして要員も当然のことながらそういったいろいろな多目的な業務に従事していると。それからさらに、私どもの事業の費用上の大きなウエートを占めております減価償却、そういったものにつきましても、このもとになります固定資産と申しますのは、例えば一つのケーブルでも電話も通れば加入電信も通る、あるいはデータ通信も通るということで非常に複合的な状態になっております。簡単に申し上げますれば、いろいろな設備にしろ、組織にしろ、従業員にしろいろいろ複合的、共用的な多重的な構造になっているわけでございます。  したがいまして、決算段階でそれを明らかにするということは現在の体系では不可能なわけでありますので、私ども公社といたしましては、そういった一連の現在定められております決算というものが完結しました後、その数字をもとにいたしましていろいろ原価というものを各部門別に一定の仮定を置きまして配賦という行為を行って、それで先生御指摘のような五事業の収支というものを出していると、そういったことでございますので、その辺の事情をひとつお酌み取りいただきたいと思います。
  238. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 前段で言われた公社の名前が電信電話公社だからという、したがって、この分野にすべて突っ込んで会計処理をやっていくんだというその論法というのは、これはもうだれが聞いたってうなずける論法じゃないと思いますよ。私さっき言いましたように、この業務報告書じゃない、まあ言うなら監査報告書、監査報告書というのは会計報告書ということだと思うんですけれども、これに冒頭から電電公社のやっておるサービスの姿はこういうことでありますということで、そこには数字的指標も含めて、この八つの分野についてのサービスの状況ということでの分野別の報告が順次記載をされておる。それなら、なぜこれに沿っての会計処理が一体できないのかと。  私は思うんですけれども、この電話部門が大幅黒字だと。一方、DDXとかファクシミリとか、ここは赤字だと。ここを主として利用をする対象というのは大企業の関係が多いんじゃないかと。これを分野別にやったらこういうところの利用料金を上げざるを得なくなってくると。しかし、それを何とか回避をするためにということで電話のところへ会計を突っ込んで、そして電話の黒字幅をできるだけ少なくして、もっと値下げができるはずの電話料金値下げをできるだけ回避をしようと、どうもこういう意図があるんじゃないかというふうに私は今のこの会計処理のやり方を思わざるを得ないんですけれども総裁どうでしょうか。郵政大臣からの指示事項でもない、慣習として電電公社としてはこういう会計処理をやってきているということでありますが、総裁こういうやり方がいいという根拠は何ですか。総裁の指示でこういうやり方をやってきているんですか。
  239. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 今の会計処理のやり方は、長い昔からやっておるやり方のようでございまして、そこの辺の会計の処置について、ついこの間からこの辺少し根本的に見直そうじゃないかということで、今勉強チームをつくって着手しているところでございますが、これはずっと昔からのやり方がそのままになっているというふうに了解しておりまして、私が意図的にどうしろこうしろということをこの面で申したことはまだ就任以来ございません。
  240. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 総裁の指示で絶対これでなくちゃいかぬというふうに命令しておるわけでもないと。むしろ、どういうやり方がいいか、今も勉強中なんだというお話でありますけれども、私は内部補助制度といいますか、という形で新しい事業分野が出てきたときに、ほかの分野から多少お金の面で都合をしてここの援助をすると。こういうことをあながち否定をしているんじゃないんです。絶対にそういうことはいかぬということを言っているものじゃないんです。しかし、少なくとも、今電話の関係では収支がどういう姿になっていますかと。それからこのDDXの関係ではどうなっていますか、ファクシミリの関係ではどういう姿になっていますかということを、少なくとも公社の会計報告書でもこういう分野がありますということで分類をしておるその分類に沿ってそれぞれの分野についての収支の状況をつまびらかに出すということは、これはいわゆる公社のガラス張り運営、要するに今電電公社の財政、経営の状況はこういう姿になっていますということを国民によくわかるようにする、国会にもよくわかるようにすると。これは最低限必要なことじゃありませんか。  こうした点で、総裁としても目下勉強中ということでありますが、大臣、お尋ねをし、また要請をしたいと思いますけれども、今申しましたように、国民に対しても、いわんや国会に対してそれぞれの分野別に収入、支出の姿がどういう姿になっているかと。ここの分野はこっちへの突っこみですからどういう姿になっているかそんなことはわかりませんと、こういう会計報告、監査報告というものは私は改めなきゃならない、ガラス張りにする必要がある。ぜひ郵政大臣の方から公社総裁に対しての助言をしてもらいたい、指導をしてもらいたいという点、強く求めるものですが、どうでしょう。
  241. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 公社は確かに今はもう一元体制のもとでの、しかも公共的な大切な事業を運営しておるわけですから、先生の言わんと欲せられるところは、恐らく透明度の高いガラス張りと申しますか、わかりやすい形で国民経営内容を公開すべきだということであろうかと思います。それは当然のことで、そういうことで例えば会計の明確化を期するために、公社としても今御指摘のように五事業の形での分業といいますか、収支を出しておるんだと思います。  ただ、これはやっぱり内部相互補助はできるだけ恣意的にやられては大変ですし、これはやっぱり民間との公平競争も欠きますし、そういうことで非常に厳しく指導しておるところです。ですけれども、今御指摘のようなDDXとかファクシミリとか、私は今そこまで精査して聞いていない御指摘でございますので、御答弁はちょっとできかねますけれども、しかしこれはやっぱり将来分野において非常に大事なINSに対する基礎投資であるとか、基礎研究の段階にも入るんじゃないかと思うんです。そういうことで、どの分野にどれを突っ込んだかということになると、公社の担当の局長からお聞きしなきゃならぬことでございますけれども、そういうことはやはり間々あると思うんです。それで……
  242. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 いや、それは否定しないですよ、内部補助を。
  243. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) そういうことは別に秘密にすべきことでもございませんし、そういった技術開発の面でかくかくしかじかの経費が必要でございましたと、五事業分類の中にはこの中に突っ込んであるというか、入れてありますという形は当然国会の場においても明確にされるのが至当であろうと思っております。
  244. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 総裁としても勉強中だということでありますし、ただいまの大臣の、やっぱり国会国民によくわかるようにする必要があるという、まさにそのとおりであります。  これはちなみに聞いておきますけれども、郵便の関係はサービス分野別に収支明らかにしていますね。局長、そうですね——どなたでも。常識なんですよ。
  245. 小山森也

    政府委員小山森也君) 私ちょっと余り経理の方詳しくないんでございますけれども、多分小包がどういうふうになっている、それから郵便がどうなっている、それから恐らく種類別の計算もしているはずでございます。
  246. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 大体そういう会計処理というのはそれが常識なんです。ということも郵便の関係はそういうことをやっているんですが、ところが電信電話公社の関係は別だと、こんな論法は通らないんですから、ぜひひとつ大臣いろいろ助言をして、そういう方向に進んでいくように御努力をお願いいたしたいと思います。  最後に、もう一つお尋ねをしておきますが、六日の当委員会で私の取り上げた親子電話の付加使用料金に関する問題でありますが、あのとき公社側は、私はちょっと高過ぎると、もうけ過ぎじゃないかという問題を提起したんですが、公社は、保全費や営繕費が含まれているから適当な料金だということで言い張られたわけでありますけれども、この監査報告に同じく「保全サービス水準」というこの問題が報告が出されています。加入電話についていうと、故障は一カ月百加入当たり〇・五、ですから、これ一加入当たりで換算をしますと一カ月〇・〇〇五の故障。ということは、二百カ月に一回の故障、こういうことに算術でなるわけですね。それは十六年に一回ということで、これはこれでいいことだと思いますけれど、しばしば故障が起こるよりは。ということですが、そうしますと、この付加使用料、この前も言いましたように月三百円、一件について。そうすると、二百カ月で入ってくるお金掛け算して六万円と。ところで、この間質問で確認しますと、親子電話の大体機械本体のこの購入費というのは五千八百円ぐらいだと。そうしますと、一体、工事料、手数料なんかを入れても本体五千八百円、まあまあ数千円の範囲、これがなぜ六万円利用者から取らなくちゃならぬのかと。親子電話は六万円取るというのを逆算していきますと、二年に一遍故障をするという計算になるんです。ほかのあれは二百カ月に一回の故障、親子電話は二年に一回の故障。これはまあ妙な話だということで、重ねてきょうもう一遍親子電話の付加使用料というのは高過ぎるんじゃないかということを私は問題の提起をするわけです。こうした点で、前回の質問の際に、大臣よく実情も聞いて必要な相談をしたいというふうに御答弁をいただいたわけでありますけれども、私は重ねて、その後これが出ましたので、これをもとにして計算をしてもなお一層値下げをやるべきだという感を強くしますので、重ねてこの点をきょうは提起をいたしまして、前回の大臣の御答弁に沿ってひとつ一層、この付加使用料高過ぎはしないかという私のこの問題提起についてよく御研究願いたい、必要なひとつ指導をお願いしたいということを最後に質問をしておきます。大臣、どうでしょう。
  247. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 簡潔にお願いします。
  248. 山本千治

    説明員(山本千治君) 先生の今お話しございました〇・五という値は宅内だけでございませんでして、電話機から、ケーブルから、交換機から入っている値でございまして、宅内の占める値は、その中では、絶対発生件数ではほとんどこの数年間変わっておりませんということが一点でございます。それから私たちそういったレンタルバックであるとか、あるいは途中故障したものだとか、あるいはもっと長時間使うといったものを平均しまして、現在このものの、前回もお答え申し上げましたけれども、九年というような耐用年数を使っていますということでございまして、今先生お使いになりました宅内の電話機故障件数ということでは今お話のような形にはならないというぐあいに思っております。
  249. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 大臣、御答弁を。
  250. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) 先般の先生の御質問にお答えしたわけですけれども、私も単純に六千円の電話機が計算していくと六万円という形で、それはちょっとおかしいじゃないかという単純な疑問を持って、公社皆さんに、再検討してできるだけ安く利用される道を開かれたらいかがかということで言ったわけですけれども、これよく調べてみますと、やっぱり減価償却とかそういうのは大したことなくても保守費ですね、安いといっても利子はやっぱり加算されていくわけですし、いろいろな意味でやはり付加使用料の算定方法というのは相当細かく計算されてきておることは事実です。  ちなみに、取りつけ費、利子、減価償却、保守費、営業費、創設費等々細かいことを言うといろいろな形になって、やっぱり月額三百円くらいが——これ民間のことも考えなきゃいかぬわけです、私もうかつだったのですけれども、民間の同種業者と申しますか、こういうのはむしろ公社はまだ税金も払っていないし、何にもしなくて、PR費もかけないで、もうえらく安い工事で、自分らの民業圧迫もいいところだというような批判も多いことは事実なんです。ですから、利用者サービスももちろん安いにこしたことはない形で、公社側もこれは真剣な検討課題としてとらえていただいておるわけですが、民間業者からのそういった苦情にもやはり配意していかなければいかぬという点もあることも御理解いただきたいと思います。公社にもそういった意味合いでは細かいデータ提出を求めておることも事実でございます。
  251. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 時間ですから簡潔にお願いします。
  252. 佐藤昭夫

    佐藤昭夫君 今のような大臣のお話が出てきますともう一言言っておかにゃならぬのですけれども、後段で言われました民間業者の立場もあるからと、あるから、したがって、公社の関係について言えば安くできるんだけれども安くするわけにはいかぬのだということが理由の一つに入ってくるんであったらこれは絶対に承服ができないということと、さっきもああいうちょっといろいろ弁解的説明をなさっていましたけれども、この点はそれならば一遍きちっと三百円ならなぜ三百円が必要かということについての根拠資料を正式に出してください。そして、それに対して私の方から数字に基づいてのそれに対しての反論をしますから、正々堂々とひとつ引き続き論争をしていきましょう。一遍大臣としてはよくひとつそこのところに注目をしていただいて、やっぱり適切な料金、価格にしていくという方向での御検討を願いたいと思います。
  253. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 委員長からお願いいたしますが、なるべく時間を正確にお守りくださいますようお願い申し上げます。
  254. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 きょう午後の委員会の冒頭に片山委員からも指摘がありました、ただいまも佐藤委員からも指摘がございましたけれど、きょうの朝刊に報じられました遠距離料金値下げ総裁発言は、私は意図的に世論操作をするためになされたものではない、そう理解はしております。しておりますし、それから将来的に遠距離料金が安くなる、これはいわばいいニュースでございますから、これはユーザーも歓迎をする明るいいいニュースだったとは思います。けれども、いかにも本日公衆法の採決が行われるその日の朝刊にああいう形で報じられること、これは総裁も承知はしておられると思いますよ。それは新聞記者記者会見発言されたことですから、当然ながらビッグニュースでありますから報ずるわけでございまして、その点において総裁が非常にこれから競争社会に耐えていくためには電話料金もかくあらねばならないんだ、そういう一つ理想の形を真摯にお示しになったということは認めますけれども、いかにも発言の仕方が軽率であった、TPOをわきまえないものであったということは、御自分の御年齢と人生のキャリアにかんがみてひとつ反省をしておいていただきたい、こう思う次第でございます。  一つだけ確認をさしていただきますが、これまでの質疑でも出ておりましたけれど、これは総裁、決してバーター取引とでもいいますか、遠距離料金を安くする、かわりに市内料金を、一部新聞にも報じられておりますけれど、高くする、そういうことを意図的に考えておやりになったのではなくて、遠距離料金は自由競争社会に耐えるためには将来かくあるのが望ましい、近距離につきましてはこれは近近格差の是正という問題はおのずから別問題でありまして、これはこれ、それはそれという意味で御発言になったんですね。決して遠距離を安くして近距離を上げる、そういう意図ではなかったんでしょうね。それだけ確認をさしていただきます。
  255. 真藤恒

    説明員真藤恒君) さっきからの御質問の中にもそういうことをはっきりお答えしたと思いますが、遠距離問題は遠距離問題、近距離問題は近距離問題ということで、遠距離を下げるために近距離を上げるという考えのもとに発言したものではないということをここではっきり申し上げておきます。
  256. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 今光ファイバーの敷設状況は現状どのようになっておりますか。
  257. 池沢英夫

    説明員(池沢英夫君) 御説明申し上げます。  光ファイバーといたしましての主軸は御案内のとおり、まず北海道から九州に至ります日本縦貫ルートでございます。これにつきましては五十七年度から着手をいたしておりますが、全長で約およそ三千キロの行程がございます。これはちょうど今年度末、五十九年度末に完成の予定でございます。そのうち一、二区間につきましては部分的に開通はいたしておりますが、全部がつながるのが五十九年度末ということでございます。それ以外、民間ルート以外に光ファイバーの区間がございますが、前年度からの継続的な工事も含めまして五十九年度では二百四十六区間を予定しております。そういう状況でございます。
  258. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 その進捗状況は、電電公社がスケジュールをつくっておられますね。スケジュールどおりですか、スケジュールどおりにいっていませんか、それともスケジュールよりもさらに早く進行しておりますか。
  259. 池沢英夫

    説明員(池沢英夫君) 今先生がおっしゃいましたとおり、毎年度の予算でお願いしておりますが、それにつきましては順調に予定どおりに進捗しているというふうに考えております。
  260. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 まあこれから審議することですけれども、通信事業がこの電気通信事業法が成立いたしまして自由化されますと、既に新聞等にも再三報じられておりますように、いわゆる第二電電、第三電電という形で新規参入の会社ができてまいります。だから、やっぱりそういう後発の事業者に対してのいい模範になるようなひとつINS体系をおつくりくださるようにお願いを申し上げておきたいと思います。  電話ですけれども料金もさることながら、例えば電話機、それから電話の耳に入ってくる音質、こういうものも不断の研究努力を怠ってはいけないし、それがまた、一番実は考えてみたら市民が電話を使う場合には直接耳にするのは相手方の音声でございますから、こういうものが単に通信されて耳に入れば事足れり——明治時代じゃないわけですから——というものでもないと思いますが、こういう問題についての電電公社の研究開発の現状はどのようでございますか。それから、これからの見通しをお伺いしたいと思います。
  261. 桑原守二

    説明員(桑原守二君) 御質問がございました電話の音質を評価する尺度としましてはいろいろございまして、音の了解度という点からの尺度もございますし、音の大きさあるいはお聞きになった方の満足度といったようないろんな尺度がございます。しばらく前までは、かなり電話の品質が悪かった時代には了解度というのが非常に大事でございまして、単音明瞭度と言いまして、「あ」とか「か」とかといった言葉を何%わかるかという尺度がございましたが、それが品質が非常によくなってきたものですから、最近では世界的に音の大きさであらわすのが通例になっておりまして、国際的にもそのような方法が標準として定められておるわけでございますが、現在の我が国の電話について外国と比較する場合に、国際電気通信連合でもう七、八年前にまとめたデータがございますが、それを見ますと、世界の中でも一番品質のいい国の一つになっているのではないかというふうに考えております。  このようなものの研究につきまして大きく二つございまして、一つはそういう電話の品質を左右する要因がどういうものがあるかと、例えば音量であるとか、それから周波数の特性でありますとか、あるいはしゃべった声が耳に返ってくる、サイドトーンという言葉で呼んでおりますが、あるいはひずみがどのくらいあるかというようなことの要因をそれぞれ調べております。また、それを評価する、最終的にはお聞きになる方がどういうふうに受け取るかということになりますので、それにはたくさんの方のオピニオンをとるという方法、あるいは専門家がグループをつくりまして、そのグループで評価する方法といったような方法がございます。また、そういう主観に頼るよりも、もう少し機械的に客観的な測定といったものも必要でございまして、そのような評価することの研究も行っております。また、実際にそれを電話機に組み込みますときに電話機の中の回路の設計であるとか、その自然性に対して電話機の形などがどう影響するかといったものの研究も重要でございます。で、国際的にもそういうことの研究する国際電気通信連合の中に委員会がございまして、そこにも電電公社から長く副議長を派遣いたしましたり、論文を発表するなどして世界的にも貢献をしているところでございます。  以上でございます。
  262. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 私は、おととし上海へしばらく行ってたんですけれども、上海のホテルで隣の部屋に電話がけると、それがかえって聞きにくかったり、同じホテルの中でですね。ところが、少し距離の離れたところへかけているのに、べらぼうに、もうむちゃくちゃに高い音量で入ってきたりするわけです。常識的には遠距離になればなるほどいわゆる音量というものはリデュースしていくものだろう、低減していくものだろうと思うんですけれども、そういうことについては、今日本電話の水準というのは世界第一等に位するものなんですか。
  263. 桑原守二

    説明員(桑原守二君) 先生御指摘ありましたように、例えば東京都内でもかけました電話に比べて札幌の方が余計音が大きいというようなこともございます。それはどうしてかといいますと、お客様のお宅の電話機から電話局の交換機のところまでの音が低くなる要因である損失がどのくらいあるかが非常に大きな要素になっておりまして、電話局から先にまいりますと、これは最近では光ファイバーケーブルとか、マイクロウェーブを使いまして、途中で増幅器が入るものですから、その音が低くなった分を増幅作用でもとに戻してまいりますので、その遠距離の部分は比較的その音を小さくするという要因からは余り大きな要因にはなってないというふうに考えられます。そのときのそういう市外回線の品質というものができるだけよくないとその遠距離通話が品質が悪くなるわけでございますので、その辺も国際的などのような比率であるべきかという研究が進められておりまして、我が国もその国際的な標準に合う装置を開発しまして設備しているところでございます。
  264. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 先ごろ横須賀の通研へ当委員会から視察に参りまして、電話が二つ置いてありまして、隣同士に並べてあって、こちらで目の前の隣の電話にダイヤルして、それが衛星に打ち上げられて帰ってきて、それでこの電話が鳴って、隣同士で委員二人が並んで通話をしてその音の非常に明瞭なのにびっくりしたんですけれども、有線で結ぶ場合、それから星に打ち上げて帰ってくる場合、音質というのはやっぱり差があるものなんですか。
  265. 桑原守二

    説明員(桑原守二君) 有線で結びました場合も、その衛星まで行って帰ってくる場合にもその音質ができるだけ同じになりますように、周波数の幅でありますとか、それから先ほどの損失、音の大きさがどのくらい低くなるかというのは、すべての電話に対してなるべく同じレベルになりますようにその損失の配分などを定めておりますので、その衛星を使ったか、地上だけで行ったかということに対しては余り関係ない品質が得られるんではないかというふうに考えております。
  266. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 ということは、今日本のそういう技術は、電電公社の持っておられます技術は世界の最先端を行っている、アメリカなんかと比較しても決して遜色ないと、こう理解しておいてよろしいわけですかね。
  267. 桑原守二

    説明員(桑原守二君) 先生今おっしゃいましたように、我が国の技術もおかげさまをもちまして非常にメーカーの方の御協力もいただきまして、この二十年間の間に非常に技術が進歩してまいりました。現在のところではアメリカの技術と比較しましても決して劣るものではないんではないかというふうに考えております。
  268. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 電話機ですけれども、今一台目はこれは電電公社の持ってきていただく電話機ですね。それから親子電話といいますか、室内に幾つか置く、それはこのごろほかのメーカーのおつくりになった、例えばクラシックな形をしたアンティークのようなものだとか、それから子供部屋に置くのは非常にカラフルで、ちょっとディズニーの漫画のデザインを取り入れたような物もできておりますね。これから自由化されますと、そういう点でもやっぱり電電公社努力をしなければいけない、こう思うんですよ。だから、例えば受話器の形一つにしても、バイオテクノロジーとでも言うんですかね、手のひらにしっくりなじんで耳に当てやすくて滑らなくて、そして非常に通話のしやすい、デザイン的にもそういうものが要求されるようになると思うんですけれども、そういった面での研究もおやりになっていらっしゃるんでしょうか。
  269. 桑原守二

    説明員(桑原守二君) 先生おっしゃいましたように、この電話機の送受話器の形というのも簡単なようで非常に難しゅうございまして、例えば耳と口との長さというのがやはり日本人の特有の長さ、西欧人に比べると若干短いというようなこともございまして、また送受話器の重さにつきましても、軽ければいいというものではございませんで、それで電話機に置きましたときにスイッチが完全に働かないといけませんし、余り重過ぎてももちろんいけませんし、ということで大体今の電話機ですと二百五十グラムから四百グラムぐらいの重さになっているんでございますが、そのようなことについてかなり人間工学的な研究も必要でございまして、その面での研究も進めているところでございます。
  270. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 私の車の電話ですけれども、今、最初についてたのと取りかえていただいているわけですね。あれちょっと磁石が強過ぎますよ、今のは。通話が済んでからやっとはめて、今度はやるときに相当力を入れないと外れにくいわけですね。小さなことのようですけれども電電公社は例えば政策の展開において事業の経営において努力をなさる、これは当然のことでありますけれども、一番肝心な、例えば耳に快い音声が常に同質同量にユーザー間に伝達される、それから電話一つにいたしましても、例えば受話器を外す磁石の強さ等々についても細かい神経を働かせて、一番実はそれを使うわけですから大切なことなので、これからも研究を怠らないようにお願いを申し上げておきたいと思います。  今自動車電話と申し上げましたが、これ私委員会で何度も申し上げていることなんですけれども、やはり私は自動車電話の今の通話料金というのは大変高い、こう思うんですね。  それで、高いと申し上げますと、自動車電話は自動車電話料金で中継局をつくっていかなきゃいけないから、だから日本全国にそういう自動車電話のネットワークが完成するまではなかなか料金下げるわけにはまいらぬ、こういうことなんですけれども。きのうも記者会見総裁は競争に耐えるためには遠距離料金はもう将来は四分の一ぐらい、こういうふうにおっしゃったようでございますね。とすれば自動車電話も一部特定の人のための利用に供するものではなくて、今や非常に大衆化されつつある、こう思いますので、やはり料金格差の是正という観点から自動車電話通話料金についてもひとつ御研究をお願い申し上げたい、こう私は思うんですけれども総裁いかがでしょうね、これについては。
  271. 真藤恒

    説明員真藤恒君) この間から自動車電話についていろいろ御質問がございましたので、その御趣旨に従って今検討を開始いたしております。
  272. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 ありがとうございます。検討を開始したということは値下げの方向で検討を開始した、このように理解をさしていただいてよろしゅうございますか。
  273. 草加英資

    説明員草加英資君) 今、総裁が申し上げましたように、今後どのような形で値下げをするかは検討するわけでございますが、先生御指摘のように、通話料金それから基本料も高いという声も随分聞いております。したがいまして、これはもっと広く御利用いただくためには、たくさん御利用いただいて、そしてまた値段も下げていくと、こういう思想をとらなくちゃいけないというふうに私ども考えておりまして、たくさん使えばまた機器のコストダウンにもつながりますし、そういう意味を含めまして、総裁が今申し上げましたように今後検討していきたいと思います。
  274. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 KDDの参考人に来ていただいております。御苦労様でございます。  お伺いいたします。KDDの今の国際電話通話料金体系と、それから例えばアメリカあるいはヨーロッパ等にあります国際電話の事業を営んでおります会社の料金体系の対地の料金の比較をお教え願いたいと思います。
  275. 高仲優

    参考人(高仲優君) これはなかなか概括的に申し上げるのが難しいのでございますが、このたび料金値下げを実施いたしました後の当社の料金外国側の日本あて料金というものを概括的に比較いたしますと、電話テレックスについては主要十八対地で大体カバレージがダイヤル自動通話で九一・三%、番号通話で九二%のカバレージになるわけです。それを相手国の料金を単純算術平均で、全部合わせまして平均をとって日本料金と比較した場合に、平日の昼間の自動発信ダイヤルの通話の場合、日本料金を一〇〇といたしました場合、外国側は一一二という形になります。単純算術平均型では安くなっております。夜間の場合はこれが日本を一〇〇として主要十八対地の算術平均は一二三、深夜は日本を一〇〇として一三五。これは平均をとりますと一二三という形に相なっております。
  276. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 アメリカですね。
  277. 高仲優

    参考人(高仲優君) これは十八対地についてです。個別の問題についてまた申し上げます。まず概括的に……。  それから、テレックスは、同じようにしまして、日本一〇〇に対して相手国九八。わずかに相手側の平均の方が安い。それから専用線は、電信級は日本を一〇〇として一五〇、音声級専用線は日本を一〇〇として一二二ということになりますが、これはごく概括的な話でございまして、個別に見ますと、こちらは地域別に決めておりますから、高いところ、安いところがこれは出るわけでございます。  お示しのアメリカについて申し上げますと、日本料金は平日の昼間が五百六十円、夜間が今度値下げして一分間五百円、それから深夜は四百五十円ということになりますが、アメリカ料金建てが大変難しくて、基本の部分が高くて後の追加分が安いわけですが、五分間自動ダイヤルで話をしたということを前提にいたしますと、日本を一〇〇といたしまして、平日の昼間が相手側が九〇、それから向こうの方もディスカウント料金、エコノミー料金という制度をとっておりますが、ディスカウントとこちらの夜間を比較いたしますと、下げましたものの、まだ七六。それから、一番安いところと安いところを比較した場合に六八に向こうはなっております。全体的に見て相当努力の成果が上がったと思っておるんでございますが、個別に見ました場合にはこのような形になっております。  なお、米国の場合は自動ファクシミリの場合も一分一分制でございます。今日本の場合は初めから六秒ずつに区切っております。今ファクスなんかを送りますと、高速機でございますと一枚多分四十秒ぐらいで通るんじゃないかと思いますが、そうした用にお使いになった場合は日本の方がずっと安いという利用の仕方にもよる部分がございます。  なお、ちなみに、現在自動ダイヤル発信のうち音声と——人のお話、旧来の電話とそれからファクシミリデータ伝送等に使われている割合を抜き検査したのがあるのでございますが、先進国対地で、多いところは自動発信のうちの八〇%がファクシミリあるいはカプラを介してのデータ伝送という形になっております。少ないところで、十一対地を見ました場合、六〇%が非音声になっておる、こういう姿になっておりまして、したがいまして、一度当たりの分数が縮んでおるという点から見まして、基本の料金建てというのは、日本料金建ては六秒ずつに区切ってあるというのはある程度有利に働いておるのではないかと考えておる次第でございます。
  278. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 今、非常に細かく教えていただきましたので、私、全般的に言って、なかなか日本の国際通話料金も諸外国に比較してよく努力している、頑張っている、そういう印象参考人の御意見から受けたんですけれども、その印象は誤りじゃございませんね。
  279. 高仲優

    参考人(高仲優君) 私どもといたしましては、いわゆる競争原理を導入するまでもなく、導入したと同じような経営効率を発揮すべきであるということをかねてから考えておりまして、そうした点から累次にわたる値下げをやっておるわけでございます。今後、いろいろ高額の投資等は必要といたしますものの、こうした基本的な姿勢を変えるということは全く考えておりません。
  280. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 大変結構でございます。  時間がありませんので急ぎますけれども、オペレーター通話の場合、これは当然ながらパーソン・ツー・パーソンなんかの場合は大変威力を発揮いたしますが、今は、ダイヤル通話も即時で外国と話をできるところが大変ふえてきている、こう思いますけれども、それぞれにメリット、デメリットはあるでしょうけれども、これも概略で結構ですけれども、今その比率、どうなっていますかね。オペレーターを経由する場合とダイヤル即時、度数でも結構ですから、簡単に。
  281. 高仲優

    参考人(高仲優君) 五十八年度を通しまして、ダイヤル通話が約五八%、指名通話が一九%、番号通話が二三%、これも平均でございます。ずっと後ろにいくほど高くなっておりまして、三月で見ますと、自動ダイヤル通話が六二%、着々と伸びております。
  282. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 KDDのこれからの計画はどうなんでしょう。ダイヤルをどんどんふやしていくのか、それともオペレーションは、交換を経由するのは一定の比率はきちっと残しておくのか、その辺をお教え願いたいと思います。
  283. 高仲優

    参考人(高仲優君) ダイヤル通話は交換手等人件費の節約にもつながり、経営上プラス効果はございます。しかし、どの通話種別をお選びになるかはお客様の選択でございます。  例えば、パーソンコールでございますと、その本人が出るまで料金がかかりませんから、ホテルに止宿している方に電話をかけるという場合でしたらパーソンコールをお選びになる、こうしたことは残ると思いますし、それぞれがそれぞれ固有の伸び率で、低いながらパーソンコールも大略五%ぐらいずつの割合で伸びておりますので、これにはこれの需要があるものと考えております。
  284. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 交換を経由する場合は三分ですね。ダイヤルの場合は六秒ごとの加算でございましたね。
  285. 高仲優

    参考人(高仲優君) 交換手を通す場合は、最初、基本三分料金をいただきまして、超過する次一分ごとに料金をいただく、ダイヤル通話の場合は最初から六秒ごとに区切っていただく、このようになっております。
  286. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 その時間取りを変えることはございませんか。そのオペレーションの場合は三分、これを例えば一分刻みにするとかいうような考えはございませんか。
  287. 高仲優

    参考人(高仲優君) 将来の検討課題として検討はいたしますが、大体の諸外国の慣習も、ステーションコールの場合、三分一分制をとっておるところが多うございます。また、自動ダイヤルであっても、アメリカのように一分一分制で、三十秒で終わっても一分いただくというところもございます。これらは今後のお客様の御意向等も考えて、十分検討いたしたいと思っております。
  288. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 その点ひとつ大いに研究をしていただきたいと思うんです。  六秒の場合ですと、ダイヤルでしょっちゅう電話をする場合は、つながってすぐに六秒以内に、あしたロンドンに着くと、こう言えばそれで用の足りることですね。ところが、交換を経由すると、三分でございますから料金も大分違ってまいりますので、そういった点も検討課題としてこれから御研究をお願い申し上げたいと思います。  最後に大臣、通信事業が自由化されますと、当然ながら国際通話の業務にも日本の業者がこれから参入をしてくる。いわば、KDDの独占というのは大きく崩れていくだろう、こう思います。したがって、KDDに対してもさらに自由競争に耐え得る体質をつくることを省としても要求なされなければいけませんし、それから、新規参入を求めてくる業者にどういう基準でこれに許可を与えるのかというようなことについても、これは郵政省としては大きな課題であるだろうと思いますので、こういった国際通話業等につきましての今現在の郵政省の対応等をお伺いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
  289. 小山森也

    政府委員小山森也君) お説のとおりに、これからは、国際電気通信事業にも競争原理を導入することで複数の業者が入ってくることが考えられます。これにつきましては、当然そういった競争原理に対応できるようにKDD自身が体質を強化していかなければならないと同時に、諸外国との関係でいつも共同して行う事業でございます、KDDだけで事業はできない、相手国との関係において行う事業でございますので、そういった意味でも国際的な信用度を常に高めていくというのが必要であると同時に、料金につきましても非常な努力をしていくということが大事でございまして、これにつきましては今高仲常務からお話がございましたように、非常に料金努力はしている、そういった意味でも競争力に対応できると、こう思っております。  それでは今後どうするかということでございます。制度的には、参入が大いに入ることは基本的に郵政省の態度としては歓迎すべきことであると、こういうふうに理解いたします。  ただ問題は、国際条約とかいろいろ国際規約、あるいは相手国との関係がございまして、これにつきましては、やはり政府として相当な何か一つの世話をしなければいけないんじゃないかと思います。インテルサットの問題とかインマルサットの問題があとございます。したがいまして、そういった点につきましても十分に配慮いたしまして、いわゆる国際通話というものが日本が体力が弱くならないような配慮ということが必要であろうと思っております。
  290. 中村鋭一

    ○中村鋭一君 ありがとうございました。参考人、ありがとうございました。
  291. 青島幸男

    ○青島幸男君 ただいま議題になっております公衆電気通信法の一部を改正する法律案の内容につきましては、いずれにしても実質値下げでございますので私は異を唱えるものじゃございません。賛成でございますので、これにつきましてさまざまな角度から質問をするという気持ちはないんですけれども、冒頭から議論を伺っておりますと、どうも遠近格差というものの実態が昔とかなり違ってきているんじゃないかということを実感しているんですね。  遠いところへ物を届けたり、遠いところと話をしたりするのは金がかかると。昔の飛脚のころは確かにそうですね。ところが、確かに初期の電話では、それこそ、東京から京都、大阪なんかへかけましても、朝特急で頼んで、夕方になって向こうが出るか出ないかわからないというような状況でした。と申しますのは、それぞれの交換手さんにそれぞれ伝えて、まあ駅逓のごとくにつないでいったわけですね。ですから、当然遠くへ行くほど金がかかるという事実はあったわけです。それにのっとって料金体系はできて、それをそのまま踏まえて歴史的に進展してきているわけですね。ところが現在では、随分マイクロを使ったりいろいろしますから、隣にかけるのと大阪にかけるのと実質的には余り変わらない。遠いところへかけると高くつくんだという固定観念と申しますか、ある種錯覚に基づいて料金体系は現在あるわけですね。  ところが、なぜ下げなきゃならなくなってきたか、遠近格差の問題がクローズアップされてきたかと言えば、技術革新と相まってこれが錯覚であったということが一般ユーザーが認識してきたわけですね、遠いところへかけると高くつくと。それは確かに九州に電話がなかったら、出かけていって話ししてこなきゃならないとすれば、労力も大変ですし運賃も大変でしょう。やっぱり電話は安いやということになりますね、幾ら遠いところだからといって高くとも。ところが、事実はそうでなくなっているわけですね。先ほども総裁いみじくもおっしゃられましたけれども、例えば将来衛星を使って通信を行うような場合ですね、電話回線を。先ほど例が述べられましたけれども、一万二千キロだか二万キロだか知りませんけれども、その上空に衛星を打ち上げて、そこへ一たん送ったものをおりてきて通話するわけですから、隣へかけても北海道へかけても、一万二千キロの隔たったかなたから戻ってくるわけだから、これは事実上は遠近格差はないわけですね。そうなったときに、遠近格差を今までの料金体系で、遠いところは高いんですという錯覚に基づいた料金体系をこのまま保持していくということはもう無理ですね。だから、総裁のきのうの、新聞に出た御発言のような結果になっていくんじゃないかと、こう思うわけです。  今度上程されてきます二法案について、その審議をする前にこういうことを申し上げるのもなんですけれども、そのとき当然審議に参加しなきゃならない私としては参考のためにぜひ御意見を承らしていただきたいんですけれども、十年後、十五年後の電気通信のあるさまはどのようなものになっているとお考えになるかというのを電電と郵政省と両方からお伺いしたいと思うんですけれどもね。未来図というものをある程度想定しておかないと手当てにそごを来すんではないか、多少狂っても恐らくこんな形になるであろうという未来図を想定するぐらいのことは当然行われているはずだと思いますが、その辺いかがなものでございましょう。
  292. 小山森也

    政府委員小山森也君) 実は私どもも、事業といいますか、電気通信事業を監督する立場になりますれば十年先というのを見通すべきのは当然でございます。しかしながら、なかなか今電気通信の技術というのが日進月歩というところでございまして、なかなか透明度の高い見通しというのが難しいということは率直に申し上げられると思います。ただしかし、これからの社会というのは、高度情報社会と言われる中で何が必要かということは、国民のそれぞれの皆様方がいつでも必要なときに必要なデータを自分の身近にしかも使いやすい形でそれを取り出せるということで、この役目を果たすのは電気通信という手段によらざるを得ないんではないかということになります。そうしますと、電話は当然のことといたしまして、そのほかのいろいろな電気通信の手段が身近になければならない時代になるであろうと、しかもそれは料金というものが使いやすい料金でなければならないであろうと、こういうようなことは想定するわけでございます。ただしかし、これはあくまでも非常に抽象論でございます。  それで、私どもがこれであっては将来の電気通信政策に支障を来すおそれがあるとして考え出したのがテレトピア構想と言われているところのものでございます。  これは何かと申しますと、新しいいろいろな電気通信の媒体、これを先取りいたしまして、何年か先の社会というものを一応先取りしてみようと。そのことによって生ずるところの制度的な問題であるとか科学技術的な問題、あるいはそのほか生活上の問題、例えばこれから家計に占める比率というのはどれくらいになるであろうかというようなことを早くこれを一度実験的に実用上において手に入れてみたい、その上で制度に対応する形、また家庭に及ぼすところのいろいろな光の部分、影の部分というようなものも取り出してみたいと、こういうふうに考えてテレトピア構想というものを打ち出したわけでございます。  それでは、テレトピア構想でもって何らかの資料がなければこれから先に対応できないのかということは、私どもとしてはそういうことは言えませんけれども、非常に透明度の高い形での先取りということはそういうことによって行いたいと、こう思っております。
  293. 青島幸男

    ○青島幸男君 そのテレトピア構想も結構なんですけれども、それに民間が参与してきて、十年先にテレトピアとテレトピアを結ぶ間に民間の光ケーブルの事業者が入ってくるとか、あるいは余ったキャパシティーにリースする者が今度は出てくるとか、そういうところまでは想定しないわけですか。
  294. 小山森也

    政府委員小山森也君) 当然想定しておりまして、一例を申し上げれば、CATVというものが双方向通信をやったらどうなるか、その双方向通信と今の公衆電気通信網とをもし接続したらどういう現象ができるかというようなことも想定して、そのような形の実用をパイロット計画にしていることでございます。
  295. 青島幸男

    ○青島幸男君 それは私は相当煩雑な、大変なことになるような気がしますね。今あるCATVはまだ微々たるものでしょうけれども、これがCATVのネットワークがかなり錯綜して各家庭に入るようになったとしますね。しかも双方向ができる。そうすると、東京−大阪間の東京なら東京のターミナルヘ入れると大阪のターミナルまでは光ファイバーで持っていってディジタルにして、そのまままたアナログに直して大阪のCATVのネットにかかわるとなりますと、今まで営々として築いてきた電電のネットワークと全く別のネットワークが存在するわけですね。しかも、先ほど申し上げましたような遠近格差というような概念はこの際はもう取り払われているわけですね。そうなりますと、料金体系のありようもかなり違ったものになってきますね。これは局長先ほどいみじくも言われましたけれども、法文の中にも合理的料金を設定せよというんだけど、その合理的というものの意味合いが何を指すのか明確でないと。ですから、しまいにはコスト考えていかなきゃならないんじゃないかと。となりますと、設備産業ですから設備の減価償却費とか運用費とかというものをコスト考えて、それこそファクスから何から何まで一切ひっくるめて、とにかく利用できるすべての利用方法、手段をひっくるめて費用として換算して出してこないと原価のつかみようがないですね。そういうところまでやっぱりお考えになってないとぐあい悪いと思いますがね。
  296. 小山森也

    政府委員小山森也君) これができるかできないかは問題は別といたしまして、そういう努力をしなければこれからの料金一つとりましても解決はできないんじゃないかと。  ただ問題は、今の電電公社——これから御審議いただいていることで、もし御可決いただくならば新会社になるわけですが、これは非常に歴史が古いということから、一つの回線ルートも予備も含めていろんなルートがある、新しい交換機もあれば古い交換機もあるというので、これが一番難しいことになるのではないかと思っております。
  297. 青島幸男

    ○青島幸男君 そのうち電子交換機の普及率が高まってまいりますと、本当に遠近格差というのは事実上意味がなくなってきますし、その辺のとろは総裁はかなり将来的な展望をお持ちのように私は拝察するんですけれども、十年後、十五年後の電気通信界のありようを電電公社はどのようにとらえていらっしゃるか御説明いただけますか。
  298. 真藤恒

    説明員真藤恒君) 非常に難しい御質問でございますけれども、御参考までに、私どもが現在のような財務状況を持ち続け得るということを前提にいたしまして、それからディジタルサービスが今常識的に考えられるようなスピードで世の中から御要求が出てくるということが続くと考えまして、大体今から五年たちますと、今私どもの計画は——計画といいますか、確定計画じゃございませんが、目標としておりますところは、五年たちますと全国どこででもどなたにでもディジタルサービスは現在の銅線を通して差し上げることができるというところまで持っていき得ると思います。それからあと五年いたしますと、大体全体の交換機の五割あるいは五割以上ぐらいがディジタルに変わっておるんじゃなかろうかと。そして全国どこでも先ファイバーを直接引き込む御要望に対して対応できるようになっていくんではないかというふうに考えておりますし、また私ども当事者としてそのくらいのことは覚悟していろんなことを考えておかなきゃいかぬのじゃないかということで今おるわけでございまして、しかしながら世の中のこれからVANとかいうふうなものがどういうふうに伸びてくるのかということが非常に大きな決め手になると思いますので、ちょっとまだここで具体的にどうだという予想を申し上げるところまではなかなかできない状態におりますけれども、そのくらいのスピードでこの世の中の御要望にたえる設備の入れかえをやるということで今考えておって、世の中の御要望が急速に出てくる、あるいはそれほど早く出てこないというときには、そこで健全な体質を持ちながら、それに対応できるだけの力を持つということが一番大事なことではないかと思っております。
  299. 青島幸男

    ○青島幸男君 そうですね。そういうお覚悟で事を進めておかれないと、これから民間が参入してくると、それはもう利益追求型で、あんまり公共のこととかそういうことは考えずにばりばりやってくると思いますね。ですから、今までのネットワークもあるし、従来型の大きな資産を持っているんだから、これで脅かされることはないんではなかろうかというような甘い考えでおられると大変だと思うんですね。  ですから、総裁の御決意は私も是とするところでございますけれども、そのうちに今もう既にパーソナル無線の普及が五百万台を超えているというようなことですし、近々一千万台に乗るんではなかろうか。そうなりますと、パーソナル無線というものは電話にとってかわる時代も来るんじゃなかろうか。例えばパーソナル無線が東京にキー局をつくって、そのキー局からマイクロで大阪へ飛ばす。そうすると、パーソナル無線で大阪と交信ができるというような事態になりますと、高い電話料金を払っているよりは、パーソナル無線とそれから途中を中継してくれるINSの会社——INSと申しますかグラスファイバーの会社とがキー局をそれぞれ東京、大阪に持てば、そうするとパーソナル無線で東京、大阪の連絡も可能になる。そうすると、高い電話料金を払わなくても済むというような事態もできるでしょうし、先ほど申し上げましたようにCATVのネットワークがそれぞれ全国的な規模でつながってくると、双方向通信が自由に行われるようになる。そうすると、今まで誇っておりました電電の持っていたネットワークが実は意味をなさない格好になるだろうし、そのほか衛星通信というようなものがもっと普及してまいりますと、ますます相互の間の料金格差というものも生じてくるでしょうし、料金格下げ競争というものは熾烈になってぐるということで、電気通信自体が非常に錯綜混乱しているんじゃないかという予想も立つんですけれども、その辺に対しての配慮はどうなんでしょうね、郵政省は。
  300. 小山森也

    政府委員小山森也君) パーソナル無線のお話が出たんでございますけれども、今の数字、私のところの数字と若干異なっておりまして、パーソナル無線、三月三十一日現在で五十三万四千局でございまして、ちょっとけたが違うんじゃないかと思います。  ただ、今の場合のパーソナル無線は一般電話と異なりまして交互に通話する、いわゆる片通話方式でございますし、それから到達距離が五キロメートル以内ということになっておりますので、それだけでは今の電気通信、いわゆる公衆電気通信網になかなか対抗できないんじゃないかと思います。  先生のおっしゃるように、そこにキー局が入りまして、そこで一つの新しい会社ができてということになりますと、また一つ体系ができるかと思います。ただしかし、その場合の経費等を考えますと、やっぱり電電の回線を通した方がむしろ経済的であるということになるんじゃなかろうかと、甘いかもしれませんけれども、というようなことを考えます。  それから、CATVのことでございますけれども一つ考えとして先生のおっしゃるとおりにこれがネットされるということも想定されますけれども、問題はCATVの双方向をやりまして、これをセンターとしました場合、かなりの電話と同じような通信の品質を保つということになりますと相当な経費がかかるのじゃないかと思います。したがいまして、これは時間をかけますとどういうことになりますか、まさに透明度がないからこそこれからの実用実験をしていくということになるんでございますけれども、そういった結果をまたないとなかなか正確な見きわめができないような気がいたします。まだ非常に抽象的な検討でまことに申しわけないのでございますけれども、現状はそういったところで私ども見ているということを御理解いただきたいと思っております。
  301. 青島幸男

    ○青島幸男君 まさに冒頭におっしゃられたようにこの技術的な面の開発のスピードは日進月歩でしてね、本当にグラスファイバーなんてついこの間までは想像もつかなかったんですけれども、今やもう実用の段階を迎えているということでしょう。だから、十年後、十五年後の電気通信あり方を的確に予測し、未来図を描いて誤りなくこれに近づけて運用するということは大変難しいことだということはよくわかりますけれども、しかし世の中には未来学者なんていうのもおりましてね、あるいは空想科学小説などをお書きになる方も大勢おいでになりますし、空想科学漫画というようなことで私ども見てきました高速道路のありようなどはまさにそのとおりですね。  ですから、そういう方々の想像力も結集して将来どういうことになるだろう、どんなことが考えられるだろうというようなことを自由に討議してもらって、ある程度外郭だけでもつかめるようにしておくというようなことは、大臣これは所管の長としてはかなり必要なことじゃないかという気がしますけれども、そういうことをお考えになってみてはいかがかと思うんですが、どんなものでしょうかね。
  302. 奥田敬和

    国務大臣奥田敬和君) だけれど、固定観念は確かに狂ってきましたね。今言うように、確かに雨が降るように、もう宇宙通信衛星一つの例をとってみても、遠いとか近いとかという形の概念は、まさにこれ電気通信に関する限りなくなってきました。これは近い将来もう間違いなくなくなる。それだけははっきり言える。それと、今の電電公社がディジタル・サービス・ネットを全部やるということによって、これはまあいわば遠近格差のない形の中で新しいメディアはもう存分に吸収できる。そこに今先生の言われたようなあっちこっちの有線であれ無線であれ、入りまじってくるということになったら全くそれは混乱してしまって、僕なんかどっちかというと早く透明人間になってもうそういう世界から逃げ出したいというぐあいに思っております。確かにそういう点で予想もし得ない時期が来るのじゃないかということだけは漠然と、期待感と同時に、何かかえって住みにくくなるのじゃないかなというまさに漫画の世界が目の前に来ておるんだなという気もいたします、空想時代が。
  303. 青島幸男

    ○青島幸男君 もともとこの法案に私は反対しているわけじゃありませんから、これ以上時間を費やすことはないんですけれども、いろいろ聞いても読んでもまさに十年後どうなるかということはどなたにも的確に想像することはできないということで、ですから透明人間になって消えてしまいたいと思われるような心境をお持ちになるのも当然かもしれないと思うんですけれども。ですから、先ほど申し上げましたように、あらゆる手だてを尽くしてある程度のことが想定できるような方向で検討して事態に備えるということは必要なんじゃないかと思いますので、その点だけその方向で御検討あらんことを期待いたしまして質問を終わります。  ありがとうございました。
  304. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  305. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、直ちに採決に入ります。  公衆電気通信法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  306. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  307. 大木正吾

    委員長大木正吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十分散会