○田英夫君 繰り返して申し上げますけれ
ども、今の
電波法、特に四条、そして
放送法という
規定の中で、
NHKは時の政府・与党というまさに政治の権力の
影響を非常に受けやすい体質につくられているということを私は危惧をしている。しかし、
NHKの皆さんの非常な御
努力によって
NHKの独自性というものが一生懸命で守られていると、そういう姿を実は私は十分承知しております。このことを特に私は郵政省の皆さんは十分、
大臣初め御配慮をいただきたいと。
報道機関的な性格を強く帯びている
NHKがいかなる政治権力にも干渉を受けてはならないんでありまして、機会を改めまして実際に
放送における政治権力の介入という実態をお話をする機会を持ちたいと思いますので、このことはきょうはこの程度にしておきます。
次に、これは大変
NHKの皆さんに言いにくいことでありますが、国鉄、日航、
NHKと、こういう言葉を吐く評論家の人がおります。私も実はなるほどと思ったんでありますが、国鉄対私鉄、そして日航対全日空、東亜国内航空、そして
NHKに対して
民放、まあ冗談半分にこれにジャイアンツを加えた人がおりまして、これは冗談でありますけれ
ども、どこが共通しているんだといいますと、常に王者でなければならない、あるいは
時代の先頭に立っていなければならない、こういう感覚を持っているという
意味で国鉄、日航、
NHK、ジャイアンツなんだという話をした人がいるんでありますが、私はこれはいささか冗談が過ぎるというふうに思いますが、前の三つを並べた限りではややその心配を私はしないではない。国鉄の運命をたどってはならない。今率直に言って、日航はやや国鉄の運命をたどるのではあるまいかということを既に危惧され始めております。
NHKの場合は、今回の
値上げがあらわすように、そういう
意味で
経営という
意味で、ひょっとするとということが言えるかもしれない
状況が今起こってきているんじゃないか。
そこで、本論に入りますけれ
ども、今回の
衛星BS2の打ち上げによって、先ほどから皆さんも触れておられましたけれ
ども、新たに二波が加わると、青島さんがおっしゃった点も私も全く同感なんでありますけれ
ども、ラジオそして
テレビの地上二波、これに加えて
衛星二波と極めて巨大な
電波機構というものに
NHKはますますなっていくということなんですね。これがますます王者でなければならないということが言われるような方向に行ってしまうんじゃないだろうか。そういう心配をするわけです。
さっきの
会長のお答えにもありましたけれ
ども、やはり私もそれは同感なんで、
衛星二波というものは決して難
視聴解消だけで終わるもんじゃない。特にBS3になればそれも独立した
番組を流すものになるんだという
大臣のお話もありましたし、私もそのとおりだと思います。そうしますと、
NHKというものは極めて巨大な
電波媒体になるわけであります。そういう中で、先ほどの一種の
批判めいた言葉と並べて
考えたときに、ひとつ
大臣、
会長からこの辺のところのお気持ちを、
NHKというものはそういう方向に行くんじゃないかということについての私の危惧に対してのお答えをいただきたいと思います。