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1984-08-07 第101回国会 参議院 地方行政委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年八月七日(火曜日)    午後一時開会     ―――――――――――――    委員異動  八月六日     辞任         補欠選任      高杉 廸忠君     寺田 熊雄君      刈田 貞子君     鶴岡  洋君  八月七日     辞任         補欠選任      上田  稔君     海江田鶴造君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長        大河原太一郎君     理 事                 岩上 二郎君                 真鍋 賢二君                 志苫  裕君                 三治 重信君     委 員                 井上  孝君                 加藤 武徳君                 海江田鶴造君                 上條 勝久君                 古賀雷四郎君                 出口 廣光君                 松浦  功君                 吉川 芳男君                 上野 雄文君                 佐藤 三吾君                 寺田 熊雄君                 鶴岡  洋君                 原田  立君                 神谷信之助君    国務大臣        自 治 大 臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    田川 誠一君    政府委員        警察庁長官    三井  脩君        警察庁長官官房        長        太田 壽郎君        警察庁刑事局保        安部長      鈴木 良一君        自治大臣官房長  津田  正君        自治省税務局長  矢野浩一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        高池 忠和君    説明員        警察庁刑事局保        安部防犯課長   古山  剛君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○風俗営業等取締法の一部を改正する法律案(内  閣提出、衆議院送付) ○地方行政改革に関する調査  (風俗営業規制等改善対策確立に関する決  議の件) ○小委員会設置に関する件 ○地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び  納付金に関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○地方自治機能充実、強化に関する請願(第一  一号) ○料理飲食等消費税の一部の交付金制度に関する  請願(第二二号) ○人口急増後の都市基盤整備のための財政措置に  関する請願(第一一一号) ○住居表示に関する法律改正に関する請願(第三  一五号) ○地方自治体に対する国庫負担肩代わり反対等  に関する請願(第四三六号) ○料理飲食等消費税増税反対等に関する請願  (第四八九号外三件) ○身体障害者自動車運転免許証に付される重量  制限廃止等に関する請願(第八九九号外二二件  ) ○重度障害者固定資産税非課税に関する請願  (第九〇〇号外二二件) ○身体障害者に対する地方行政改善に関する請願  (第九七二号外四件) ○豪雪地帯高床式住宅建築における地階高二  メートル以上の税制上の優遇策に関する請願  (第一八九八号) ○地方財政確立に関する請願(第二一六〇号) ○地方自治の擁護、地方財政拡充に関する請願  (第二二二三号外二件) ○道路交通安全確保に関する請願(第二五七一  号外一二〇件) ○地方財政拡充等に関する請願(第五〇〇八号) ○風俗営業等取締法改正案に関する請願(第六四  九七号外二三件) ○地方財政対策に関する請願(第九四五九号) ○昭和六十年度地方財政対策等に関する請願(第  九五八九号) ○岩手県警察本部へのヘリコプターの早期配備に  関する請願(第九五九〇号)     ―――――――――――――
  2. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨八月六日、高杉廸忠君及び刈田貞子君が委員辞任され、その補欠として寺田熊雄君及び鶴岡洋君が選任されました。  また、本日、上田稔君が委員辞任され、その補欠として海江田鶴造君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 風俗営業等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  4. 志苫裕

    志苫裕君 本法案審議もいよいよ大詰めに来ているようですが、衆議院を起点にいたしますと随分長い時間をかけて審議をしたような感じもいたしますが、しかし審議をすればするほど、対象営業その他が多岐にわたっているせいもあり、また長い間法律目的がなかったので次々といろんなことを書き連ねてきて、それをまたまとめ上げた、規定整備したということから来る問題点どもあって、必ずしも今までのところで法案趣旨なり目的とするところがそうすとんと胸に落ちているわけではありませんが、一応今までの経過を振り返りながら、少しまとめになるような質問をしたいと思います。  まず最初に、警察組織を管理する公安委員長、同時に自由と民権最大価値にして政治活動を続けておられる田川さんにお伺いをいたします。  本改正法が最近の少年非行の増大と風俗環境の変化、特にあからさまな性を売り物にした産業の規制というものを名目に、基本的には現行法の枠組みをそのまま盛り込んだと、こうは言いながらも、実は現行風俗営業概念を随分変えておりますし、また風俗にかかわる営業のすべてと少年育成にまで警察の管理を広げようとするものであることは、本委員会審議を通じて私は浮かび上がったと思うのです。私自身も、八月二日の当委員会でそのことには触れました。  実はこのことは、基本的人権を保障する民主的理念に基づく警察責務を逸脱するのではないかという懸念を抱かせるものでありまして、公安委員長三井長官が幾らそうじゃないのだというふうに否定をし、また現場の警官にも職権乱用ども戒めてまいりますと言いましても、にわかに危惧をぬぐえないというのが率直な気持ちであります。  私が問題にいたしますのは、職権乱用するかもしれないという警察官一人一人のことではないのです。警察官にはいろんな方もおります。時々へまをする人もいるし、一生懸命やっている人もいます。しかし、概して言えば普通の社会人だと思うのです。しかし、警察組織ということになりますと、これは基本的性格権力でありまして、統治権に基づいて人に命令する、実力をもって人を拘束する、こういうものでありますから、その意味では警察組織は非常に冷厳であります。時には非人間的であります。決して人情話や世話物の世界じゃないということを申し上げておきたい。  でありますから、歴史的に見ても警察民衆は絶えず押したり押し戻されたりという関係にあるようですが、戦後改革で、どちらかというと民衆権力を押さえ込んでおる。脱警察化現象といいますか、そういうふうにも言われたのでありますが、今日では実は権力増殖作用を続けておるというふうにも私は見ます。今次の法改正を実はそういう脈絡で見ますと、民衆である国会としては憶病なくらいに警察組織に幾重にも縄をかけておきたいというのが心情でありまして、今まで慎重審議を求めてきたのはその理由であります。また、八月の二日に私はそういう認識でこの委員会におきまして、かつての警察のOBの皆さんや先達に当たる皆さん発言を引用して長官所見を伺ったのもその意味であります。  衆参を通じていろいろありました。しかし、懸念はここに絞られるという意味で、改めてひとつ公安委員長の確固たる所見を伺いたいのです。特に、未来の社会を担うような少年育成警察がかかわること、言いかえれば一つ価値観を定めようとすることに危惧を持つのもその理由でありますし、犯罪の予防を徹底しようとすればするほど、それだけ常時におけるすべてに目を配るという必然性が出てまいります。それはすべての国民素通し金魚鉢の中で住むようなことになってしまうということでありまして、そういう意味懸念を表明してきたところであって、ひとつこの際、田川さん、あなたは今警察を管理する公安委員長の席におられるわけでありまして、私はあなたを個人的にはまさに自由と民権最大価値にしていなさる人だと信じています。そのあなたが公安委員長の在職のときにこういう法案が出てきたことは極めて残念だ、そう思います。この機会に改めて委員長所見を伺いたい。
  5. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) この法案につきまして、衆参両院を通じまして大変熱心な質疑が続けられました。その質疑を通じまして委員の各位からいろいろな御疑念あるいは危惧の念が表明をされたことは私もよく承知しておりまして、こうした国家権力を伴ういろいろな改正の問題につきまして危惧懸念が寄せられること自体、私は大変結構なことでございまして、こうした危惧懸念が寄せられることによって権力乱用が防止せられるものでございまして、そうした意味で、私どもはこれまでの御質疑に対しまして十分耳を傾けて今後反省をしていきたいと思っております。  警察仕事は、志苫さん御承知のように警察法の第二条に示されておりまして、この範囲内であくまで仕事をやっていかなければなりません。今回のこの法律改正につきましてもこの警察責務範囲内で行われている、このように私は確信をしているのでございます。しかし、先ほど来申し上げましたように、いやしくも権力を伴ういろいろな仕事を幅広く持っているのでございまして、そうした意味警察仕事はあくまで自戒自粛を忘れてはいけない。そしてまた、警察法に示された第二条第一項、第二項をあくまで厳守していくという気持ちを維持していかなければなりません。国家公安委員会といたしましてもこうしたことを十分念頭に置いて、これからも警察を管理してまいる決意でございます。
  6. 志苫裕

    志苫裕君 警察組織の長である長官所見ございますか。
  7. 三井脩

    政府委員三井脩君) 警察がその仕事を行うに当たりましては、警察法に示された目的範囲で、またその手段方法を適正に行うということについてはかねがね我々は留意しておるところでございまして、警察は大きな権限を持っておると言われますけれども、私たちは大きな権限を預かっておる、これの運用が間違ってはならないということで日日苦心をしておるといいますか、そういう立場でございますので、この法ができました後の運用につきましても同じ心構えで臨んでまいりたいと思います。
  8. 志苫裕

    志苫裕君 次に、法作成経過に触れまして私この間少しやりとりをいたしました。関係方面からの意見聴取に手落ちが少しあったのじゃないかということを申し上げて、公安委員長からもいろいろ聞いたつもりだが、例えば弁護士会などの意見も聞かなかったようだという点で少しこれはまずかったかなというお答えもございました。  それはそれといたしまして、本法運用に当たって、今も御答弁ありましたが、当然慎重な配慮がなされていくべきでありましょうし、また、一つの法は絶えず検証と検討が加えられていくことは当然だと思います。したがいまして、謙虚に広く各界の要望を吸い上げることなど、本法のみならずもう少し警察行政国民が参加する機会を心がけるべきだ、このように思いますが、いかがですか。
  9. 三井脩

    政府委員三井脩君) 警察仕事の運営につきましてはただいまも申したところでございますが、この法案作成過程あるいは今後の運用につきまして、広く民意を十分に考慮して我々の仕事に誤りなきを期するという態度で今後ともやってまいりたいと思います。
  10. 志苫裕

    志苫裕君 次に、善良の風俗保持という仕事は、地方公共団体から見ると固有の事務でございます。同時にまた、警察組織としてもそれぞれ風俗保持にかかわる責任や分野を持っておるわけでありますが、今度の法案が従来地方公共団体条例に、都道府県の条例に任せていた部分を、少し規定整備、あるいは全国的にばらぱらになっちゃ困ると思われるものを法律に勢ぞろいさせたという内容を持ってはいますが、しかし一面で若干の懸念がありますのは、そうすることによって地方公共団体裁量権が狭められては困るということについても種々御論議がございました。ましてや現行条例が無効になるような規定なり運用があっても、これは困るわけでありまして、そういう意味で、地方公共団体のそういう自治権裁量権というようなものを最大限に尊重し保障し、かつ活用をして、両々相まって効果を上げるべきであろう、こう考えますが、いかがですか。
  11. 三井脩

    政府委員三井脩君) 風営法が取り上げておるこのテーマといいますのは、もとより地方公共団体が本来持っておるその任務でもあり仕事でもあるというように思うわけでありまして、警察がこの問題について仕事をする場合におきましても、地方公共団体の十分な協力なり活力なりというものが警察仕事と相まって十分な効果を上げていくようにすべきものだと考えるわけでありまして、この点につきましては、この法に基づく条例の制定とかあるいはその運用についても、それがそういう趣旨で行われるべきものというように考えます。
  12. 志苫裕

    志苫裕君 続きまして、少年に対する有害な環境をなくするため、この法は業を対象にしておるのが基本的な性格であるが、しかし少年指導委員という制度設置に伴って少年が直接対象になる、少年健全育成というすぐれて教育的な分野警察が、少年指導委員という民間ボランティアを通じてにせよ、何らかの規制の能力を持つということはいかがなものかという視点で、この間もこの点については詳しくやりとりをいたしました。しかし、少年保護なり育成に無関心であっていいわけではないのでありますが、それらは学校、家庭あるいは社会教育というふうなものの充実基本なのであって、警察が奇妙な使命感のようなものを持って少し出過ぎると、その少年問題の基本がずれてしまうということが大いに懸念されるところだし、また警察も絶えず考えておかなければならぬ点だと思います。  当面する少年非行問題、これはひとしく頭の痛いところであり、また我々大人社会対応しなきやならぬ緊急の課題ですが、そうかといっても、これも警察だけでできるものじゃない。関係機関協力あるいは総合的な科学的な対応というふうなものが当然望まれるわけであって、この分野もまた警察の一人舞台ということはいかがなものかという意見をこの間も申し上げました。また、警察対応善意であったにしても、少年成育過程のある時期に警察のお世話になったということがまたゆがんだものを、何かしみを残さないとも限らないという意味でも、これは絶えず慎重で謙虚な対応をとるべきものだろう、こう思いますが、この点はいかがですか。
  13. 三井脩

    政府委員三井脩君) 少年問題が現下の大変重要な問題であり、少年健全育成国民みんなが大いにこの際力を入れなければならない重要問題であるということも今日の現状でございます。したがいまして、これにつきましてはひとり警察だけが、あるいは警察が主体となってこの問題に取り組むというのではなくて、みんなそれぞれの立場あるいは持ち場という角度から取り組むべきものであると考えるわけでございます。警察立場から申しますと、少年の健全な育成のうち、それの「健全な育成障害を及ぼす行為を防止する」というように今回の法案でも表現されておるわけでございますが、そういう意味で、非行防止という観点からこの少年健全育成アプローチをしていくという立場であろうと思います。その場合にも行き過ぎてはならないというのはそのとおりでございまして、少年という人生の一時期における重要な時期、この過渡期少年ができるだけ円滑に障害少なく乗り切って立派な大人になっていくという配慮というのが基本にあるべきものであるというように考えるわけでありまして、そういう意味におきまして、警察の担当する少年問題あるいは少年問題への警察取り組みというのは、その辺の限度を謙虚に認識して取り組むべきものであるというように考えるわけでございます。  少年指導委員等お話もございましたが、これは現にやっておる、警察だけではない民間ボランティアとしての活動というものがますます重要であるという現状にかんがみ、この法案が取り上げておる風俗営業全体としての関連における少年非行への取り組みといいますか、アプローチという角度に限定をしてここでは取り上げたというようなことでありまして、基本的に、先ほど来申しておりますように、警察だけが無用に出しゃばるというようなことのないように慎重にやるべきものであるということは十分考えておるわけでございまして、そういう意味で、少年犯罪を犯しましても、大人犯罪の場合と違って、特にこれを少年警察活動として、普通の刑事警察とは違った取り組みをすべきものだということで、少年警察活動要綱というものを基準にしてやっていくというような配慮をしておるところでございますが、この法案とともに、この運用についてはそういう考慮を徹底してまいりたいと思います。
  14. 志苫裕

    志苫裕君 その少年警察活動要綱にも問題なしとしないということで、少し意見はこの間申し上げましたから繰り返しません。  これは保安部長で結構なんだけれども、今長官お答えありましたが、少年が自分に全然罪の意識もない、悪いことをしたとは思わぬのだけれども、ちょっと大人が見ますと危ないなというようなことがあるかもしれませんが、これは案外ちょっとした屈折があっても、すっとまた真っすぐ伸びる者が多いと思うのですが、どうも私は皆さん表現で非常に気になるのは、ちょっと子供が少し元気出しているとこれは非行入り口だという観念、あるいは初発型だという観念ですね。これは必ず続けて悪いことをするだろう、あるいは繰り返し悪いことをするだろう、非行の入り日なんだというこの決めつけ方はやっぱりいかがなものかという気がするのですよ。皆さん表現がそうなっておるもので、したがって継続補導とかアフターケアのようなそういう取り扱いなども少年警察活動要綱にはあるようですが、ちょっとこれが、非行少年不良行為少年という非常に概念の広いところまで初発型あるいは非行入り口というふうに全部画一的に取り扱うことは、これはやっぱり慎重であるべきだ、こう思いますが、いかがですか。
  15. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 少年保護育成に当たりましては、少年特性を十分考慮してやらなければならないのは先生のおっしゃるとおりだと思います。私ども少年犯罪あるいはそういうふうな不良行為等につきましていろいろ申しておりますのは、何もそういうふうな少年非行を行いますと全部それが深化していくのだということを申し上げているわけではございません。あくまでもそういうふうな初期段階において適切な措置がとられますと非常に健全な形で子供が伸びていくということは当然あるわけでございまして、そういう意味で、初期段階にひとつ十分注意してやりましょうという意味で申し上げておるということでございまして、すべて不良行為なりあるいは犯罪がそういうふうなものの入り口であるという考え方は私どもとしても毛頭持っていないわけでございます。  少年非行あるいは不良行為少年等補導に当たりましては、少年特性を十分考慮して、どういうふうに一体持っていくのが少年のためになるかということを今後とも十分配慮してまいりたい、かように考えております。
  16. 志苫裕

    志苫裕君 余談ですけれども、私の生まれた田舎は随分田舎、純朴なところでして、人に会ったらあいさつをしなさいというふうに教えられて、今でも、どこのおっさんだかわからないが通ると、おはようございますとか、随分気持ちいいですよ。ところが最近は、私その辺と別のところに住んでいるんですが、人を見たら口きくなというふうにだんだん世の中なってしまって、まあ悪い大人もおるものだからそういうことがあるんでしょうが、何か人を見たら悪者思えと。――どうも私は、警察皆さん少年見たら不良だと思えというようなところまで広げられては困るという意味で申し上げている。  特に非行少年不良行為少年、さらには今度は少年一般に対して社会規範意識を持たせるというふうになってまいりますと、これは長官から先ほどお答えがありました、悪い環境とか間違った少年とかというところから広がって少年一般にまでいく。無犯罪都市をつくろうとすれば、市民一人一人これは素通し金魚鉢に住んでもらわぬといかぬというふうになる。私はこれが警察国家なんで、それは嫌だということを申し上げて射るわけです。  だから、長官はこの間、規範意識といってもそう大げさなものじゃないのだというお話がありまして、まあ剣道でもやって体でも丈夫にして、礼儀正しくでもしてという程度のものなんだとはいうのですけれども、やっぱりそれの基本的な性格権力であるという警察組織がばかに熱を入れるということについては、我々にとっては少し警戒をしたいという気持ちで申し上げました。  この点はいかがですか。
  17. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先生のおっしゃるとおりだと思います。私どもも十分そういう先生のおっしゃるような点を踏まえながら慎重に対処してまいりたい、かように考えております。
  18. 志苫裕

    志苫裕君 それで、警察善意でやっても云々ということを私申し上げましたが、例えば三十五年に我が党の浅沼委員長少年に殺されまして、そのころまた少年非行ピークになりまして、皆さんの方では今度も総合少年対策要綱国民運動ということが企画されていますが、あのときも国民運動の一種として刃物を持たない運動というものを展開されました。その後、幾つ皆さんの内側の諸君の論文なんかを読んでいると、刃物を持たない運動を展開した結果学校からは一切の刃物が追放されたと、そこまでは一応いいとしましょうか、本当はよくない、問題があるのですけれども。ところが、刃物を持たない非行がまたピークになったと、こうなるわけですね。  これは私は何のことだかわかりませんが、刃物を持たない運動というのは、そのときにおける浅沼さんの問題のみならず、小刀で学校でちょっと過ちしたとかおどかしたとかいうのが相次いで起こったことが背景にありまして、そこで対症療法としてこの刃物を持たない運動を展開した結果、学校刃物がなくなって、鉛筆削りの時代になったわけです。彼らはやがて成人して今社会にいるのです。刃物を使えない人間なんですよ。社会人として日曜大工もできない、刃物も使えない、子供に鉛筆削りも教えられない、ちょっとした竹細工もできない、こういう人間刃物を使わない運動の結果生まれたとしたら、それはいびつじゃありませんか。だから、事は善意対症療法としてそれしかないと思っても、しかしもう少し総合的、科学的に見ると幾つかの問題点が差し挟んでくるということが私はこの運動一つの証明だと思うのです。こういう点は、私は今総合的、科学的にということを申し上げたんですが、田川さん、私が今指摘をした一例は、これは刃物を持たない運動です。  そういうふうに何々の運動というようなのを対症療法として精一杯やるのだが、それはまたいろんな意味で、多角的に見るとどこかにやっぱり欠陥を持っているということもあり得るわけでして、ですから、こういう何々の運動などというふうなものは警察サイドだけでやるとそうなっちゃうという代表例として私申し上げたのですよ。これに何か所見がありますか。
  19. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 何々運動とよく言われるのがありますけれども、ただいま志苫さんおっしゃられました刃物の問題については私は詳しくは知りませんけれども、こうした年少者の犯罪についてどうやったらこういうことを防げるかということは、目先の問題だけでこれをやると今指摘されたような面も出てくるわけでございまして、やはり広い視野で、広い立場から各方面の見解なども聞きながら対処していくということが必要ではないかと思います。そういう意味で、少年の健全な育成を阻害する行為をどうやって防ぐかということは、ただ私たちだけでこれを判断せずに、各方面の意見も聞きながら広範な立場で対処していく必要がある、このように考えております。
  20. 志苫裕

    志苫裕君 保安部長、この刃物を持たない運動は、皆さんの中では何か総括をされたことございますか。
  21. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) ちょっと今詳しく私どもその総括をしたかどうか手元にないのでございますけれども、この運動自体は中央青少年問題協議会と地方青少年問題協議会が実施したものである、警察もそういうものに参加をして運動したというふうに聞いておるものでございます。そして、これはこれなりに効果はあったと思いますけれども、ただ、なかなかこれだけで少年の不良化防止、健全育成というものが図られるものではないというふうに内部では考えておるようでございまして、そういう意味で、やはり総合的な施策をさらに進めていく必要があるのではないか、こういうふうに当時はいろいろ検討をしたというふうに聞いておるところでございます。
  22. 志苫裕

    志苫裕君 これは一例として、対症療法に目を奪われていると実は大きなところで見失うことがあるという例として引用させてもらったわけです。  次に、基本的には業を対象とする本法少年指導委員制度であるとか環境浄化協会、ちょっと考えるというと場違いな条項が盛り込まれたというので、ひとしきりの議論も呼びました。しかし率直に言って、いろいろと長い時間、私のみならず同僚委員からもこの両者についてやりとりをいたしましたが、御答弁を伺う限りにおいてはそう余り成熟した話でもない。これからいろいろと中身を詰めていきたいというふうな分野も随分多いようです。それについても私は基本的には賛成じゃございませんが、しかし賛否のいかんにかかわらず法ができるということであれば、先ほどちょっと少年指導委員に絡んで、長官答弁で先を見越したような御答弁いただきましたが、    〔委員長退席、理事真鍋賢二君着席〕 その答弁もさることながら、やっぱり基本的にはボランティアの任意活動基本であるというこの筋を外してほしくない。法の規定には警察組織の関与が幾分かは書いてはございますが、しかし努めて警察のストレートな関与は避けるという認識を、改めてひとつ表明を求めたいと思う。
  23. 三井脩

    政府委員三井脩君) 少年指導委員のことがこの法で規定されておるわけでございますが、この点につきましては、お話のようにあくまで民間ボランティア活動がこの少年非行の防止、健全な育成障害を及ぼす行為を防止する意味で大きな役割を果たすという認識の上に立っておるわけでございまして、したがいましてその少年指導委員権力的なことあるいは権力とのかかわりを別に持つわけでございませんで、あくまでもその活動は任意の活動というものでございます。そういう点については、我々といたしましては誤りのないように運用をしてまいりたいと思います。
  24. 志苫裕

    志苫裕君 同じく管理者の制度もあるいは管理者の規制もそうなんですが、これも言ってみれば風俗営業規制はいろんな法律条項があります。    〔理事真鍋賢二君退席、委員長着席〕 そして、その企業の内側の管理体制というものは、外枠に随分規制条項を盛り込んであるわけですから、踏み出せば、足が出た手が出たといえば警察の取り締まり対象になるわけですから、本来であればその企業の内側の管理体制のことまで警察があれこれ言うことはないというふうに思います。これが風俗営業だから、まああの連中はしょせんろくな商売もしないだろうからというふうに我々が見逃しますと、これは風俗のみならず他の企業にまで実は累が及ぶことを心配をいたします。  本来、営業の自由あるいは私自治というのですか、警察・公共の立場からいけば、そう内側までのぞかぬでもいいわけであって、そういう点の法規定は、営業者が自分の営業所を直接営業できない場合には管理をする者を置かなきゃならぬという訓示規定で、強いてその訓示規定につけ加えて、人的欠格条項のようなものは営業者の方に倣うようにしてくださいというあたりで、まあいいのではないかというふうには思うのですが、ともあれ法の規定はそういう意味では少しおせっかい過ぎる、本法規定はおせっかい過ぎるという感じがいたします。  同僚の委員からもこの点については幾つかの点で想定される事態として懸念を述べましたが、何か管理者が従業員のくせにお上の手下になったつもりで親方ゆすったりする、これはあり得ることですよ、本当に。そういう点で心配等も出ました。こうなりますと、まさに営業権の侵害まで行ってしまうわけであって、どうも私は、法が勧告どまりに修正でなったけれども皆さんの余計なお世話だという感じがいたします。  いずれにしても、何らかの特権を持つものでも何でもないということはきちっとしておきませんと、よくこういう風俗営業にはえてして、今度人的欠格で除きましたが、怖いお兄さんたちが随分紛れ込むというお話皆さん自身が心配しておるでしょう。その怖いお兄さんが管理者にでもなったら、これどうなるのです。そのうちに警察までゆするかもしらぬですね。これは本当にこの点は慎重でないといけませんよ。皆さんにもその辺ぐらいの懸念があってもいいと思うんだが、念を押して聞きますが、どうですか、この点は。
  25. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先生おっしゃるとおり、これは何らの特権などを持つものでも何でもないわけでございまして、私どもは、やはりこういう営業の持つ社会的な責務から見まして、ぜひ自主的な形で営業の健全化を図っていただく一つの方法としてこういう制度を設けていきたいというふうに考えたわけでございますけれども、当然のことながら、営業者の営業の自由を不当に制限するようなことがあってはなりません。最大営業の自主性を尊重してこの制度運用していかなければならないということで、第一線に対しましてそういう面で指導を徹底してまいりたいと、かように考えております。
  26. 志苫裕

    志苫裕君 悪口を言うようですが、今度の法案、いろいろ考えさせられる点が多いのですが、冒頭に申し上げた警察権限というものとのかかわりでこの法案を見ますと、くしくも営業所に管理者、業界に協会、地域に指導委員と、これがいずれもお上の十手を預かるような形になっちゃったですね。これ全部任意のものなんです。任意のものなんですが、何らかの法的な位置づけをしましたから警察当局とかかわり合いを持つ。また公安委員会規則で定めるものを行う等々のことになりますと、企業、業界、地域というこの三つの分野警察が網を張った。しかし、警察自身は手不足で、そんなにできるわけじゃありませんから、十手を預けたおかっぴきがここにいる。何かテレビで見ている、皆さんのところが八丁堀になるのかな。八みたいなのがいろいろあちこちいることになるのか、ちょっとわかりませんが、どうもこの構図は余り気持ちのいいものじゃないですね。しかし、しばしば公安委員長初め長官保安部長は、慎重の上にも慎重に、また民間の活力やボランティアの任意行為規制する気は毛頭ないという答弁かございましたので、それはそれで伺っておきましょう。  次に伺いますが、指示あるいは条件の付与等々、警察限りの措置というのが随所にございます。物は見方でありまして、保安部長の御答弁は、現行法が直罰主義になっているところをワンクッション置きまして、いわば行政行為を入れると、そう言われるとそういう感じもするのですが、受け取る方は行政行為でも直罰でも似たようなものなんで、商売できないというのじゃ同じことなんですが、特にそういう警察限りの措置という点については、これは個々の警察官気持ちの持ちようではやっぱり差がついてくるという危惧をぬぐえません。  言うまでもないのですが、法の規定のないことあるいは法を超えることを命令はできないわけだし、そういう枠があるにしても、これは指示を受ける側からすると不気味な存在になるわけです。ですので、職権乱用を戒めることはもちろんですが、こういうものは努めて指示の基準ともなるべきものを明定をして、恣意が入り込むことがないように努めるという点はいかがですか。
  27. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この指示の規定は、現行法で従来、その他の処分という形でありますものを指示というものに切りかえたわけでございまして、格別に変わったものではないわけでございます。また、この指示という行為は公安委員会が行うものでございまして、個々の警察官が行うものではないわけでございます。  ただ、先生御指摘のとおり、こういうふうなものにつきましては、やはり裁量性のある行政措置でございますので、従来からもその運用が恣意的にならないように配慮をしてまいりましたけれども、今後さらにその運用に当たりましては明確な基準を設けまして、その乱用が行われることのないように都道府県に対する指導を徹底してまいりたい、かように考えております。
  28. 志苫裕

    志苫裕君 ちょっと条文に戻りますけれども、この指示に基づく営業の停止等の処分ですね、これにかかわるものが二十六条、三十条、三十四条と、こう三つございまして、三十条にだけ「重大な不正行為」という文言が入っていますが、この意味はどういう意味ですか。
  29. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 実はこの二十六条と三十条のその書き方というのは変えてあるわけでございます。  それは、二十六条はその「法令若しくはこの法律に基づく条例規定に違反した場合において」という一つ条件がありまして、さらに「著しく善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害し、若しくは少年の健全な育成障害を及ぼすおそれがあると認めるとき、又は風俗営業者がこの法律に基づく処分若しくは第三条第二項の規定に基づき付された条件に違反したとき」ということで、二つの条件があるわけでございます。そういう条件に当たりますときに取り消し、停止ができると、こういう書き方になっておるわけでございまして、したがいまして単に法令等に違反しただけでなくて、もう一つ善良の風俗等を害するというおそれが将来にわたってあるという場合にこの営業の停止等ができるというのが、これが風俗営業に対します行政処分の規定でございます。  ところが、風俗関連営業に対しましては、これはやはり法違反がありましたらきちっと対処するということにすべきであると、こういう考え方に立ちまして、ここにありますように三十条は、「この法律規定する罪」、それから「刑法第百七十四条、第百七十五条若しくは第百八十二条の罪若しくは売春防止法第二章に規定する罪に当たる違法な行為その他善良の風俗を害し、若しくは少年の健全な育成障害を及ぼす重大な不正行為で政令で定めるもの」、いわば違法な行為、そういう違法な行為がありましたときにはこの行政処分をかけることができると、こういう形に書いてあるわけでございまして、この「重大な不正行為で政令で定めるもの」というものは大体この法案の四条の一項の二号に列記しておりますような内容のもの、こういうものを考えておるわけでございまして、四条の一項の二号、これに列挙する罪に当たる行為、こういうものを考えておる。こういうふうな違反行為がありましたときには、八カ月を超えない範囲内で期間を定めて当該風俗関連営業の全部または一部を停止することができるというふうに、直接にいくというものになっておるものでございます。
  30. 志苫裕

    志苫裕君 そう読むのですか。――二十六条と三十四条は取り扱い方同じですね。で、三十条、これはすなわち何ら社会的有用性なしとあなたが答弁なさっておる営業のところだ。この三十条がほかの二十六条、三十四条と違う部分は、その取り扱いの違いは別としまして、法の規定の仕方ではこの「重大な不正行為」というところが、規定の仕方が違っているのですよ。  私の方から念のため聞きましょう。例えば四条一項各号、特に二号の中に児童福祉法とか労基法違反とか、そういうのが欠格条項になっていますね。ところが、三十条の営業の停止のところでは、そういう幾つかの法律の罪が抜けていますね。それをこうずらずら書くのをやめて、政令に法律名でも書くのかというふうにだけ見たのです。皆さんの政令委任条項もそう書いてございます。しかし、それを書くのであれば、重大な不正行為その他何とかかんとかの法律に何とか罪とかなんとかというような書き方もあるわけです。全くそのとおりでいいのですか。四条一項二号にずうっと罰則を伴う法律名が書いてありますが、それの省略した部分がこの分だというふうに見ていいのですか。例えば労基法あるいは児童福祉法その他のものが入るのか、この「重大な不正行為」というのは。
  31. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 省略したという先生の御意図がちょっとわかりにくいのでございますけれども、実はここで書いていきます場合に、よくキャッチバーというような料金をぼるような業態がございますね、そういうような場合には逮捕監禁の罪に当たる違法な行為というのがあるわけでございますが、この風俗関連営業営業の停止では、やっぱり営業との兼ね合いがございますから、したがいまして、例えば逮捕監禁の罪に当たる違法な行為、こういうふうにいたしまして、そして少年の健全な育成障害を及ぼす行為に係るものに限るとか、そういう書き方をここでもってしていくということができるようにしていきたいということを考えておるものでございます。
  32. 志苫裕

    志苫裕君 私は心情的には、二十六条と三十四条の扱いと三十条の扱いは差がついて、三十条の方はどうぞ徹底的にやってくれという心情は持っていますよ。心情は持っていますが、しかし法律の上で差をつけていいものかどうかということになると、これはまた別の議論があるかもしれません。どうもここの規定の仕方が、皆さんが政令等の指定事項としてお示しいただいたものよりも、今ちょっと補足して説明ございましたが、この「重大な不正行為」というのは、法律のみならず社会的に見て不正行為という判断もこれに入りますか。
  33. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 当然のことながら、「罪に当たる違法な行為」ということがあるわけでございまして、その中でこういうふうな営業の停止等をすべきそういう行為というものを書いていくということになるわけでございます。
  34. 志苫裕

    志苫裕君 そうすると、この読み方は、中ごろに、売防法第二章に規定する罪に当たる違法な行為その他以下は、この違法な行為の説明なんですな。ちょっとそれは違うのでないかな。
  35. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先生おっしゃる「売春防止法第二章に規定する罪に当たる違法な行為」と、それから「その他」以下云々というふうな形で「政令で定めるものをしたとき、」までがパラレルになるということでございます。
  36. 志苫裕

    志苫裕君 じゃ、ここで伺っておきましょう。前のところに「違法な行為」というのがございますが、ここでは「不正行為」となっていますので、違法行為と不正行為というのは範囲はどっちが広いのかな、不正行為の中に違法行為もきっと入るのでしょう。そうすると、不正行為の方のこれが広いというふうに解釈して、今の御答弁では、「重大な不正行為」というのは罪に当たる行為というふうに伺っておきましょう。私は心情としては、二十六条、三十四条にも指示違反が営業停止の対象になり得るというふうになっておりますが、これは運用面ではどうぞひとつ三十条の方はそれでびしびしおやりください。しかし、二十六条あるいは三十四条の方は、これは非常に柔軟な対応で臨むということを希望しておきます。よろしゅうございますか。
  37. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先ほども申しましたように、二十六条の方は、当然のことながら、後で善良な風俗等を害するおそれがあるかないかという判断をするわけでございます。こちらの方の三十条は、こういう不正行為があったというときに直にいくものでございますから、三十条につきましては厳正な運用ということに努めてまいりたい、かように考えます。
  38. 志苫裕

    志苫裕君 次に参りますが、言うまでもないのですが、風俗は絶えず変化をしていますし、これからも変化するでしょう。その意味では、例えば一号営業から七号営業まで、伝統も古いし取り込んでからもう長い、それからまた、それなりに社会的な基盤も持つようになっている、業界もそれぞれ自主管理能力をそれなりにつけてきておる、努力をしておるという向きも多いし、そのうち、興行界については認められたわけだが、ほかのところについてはもう少し不安定なところもあるというふうな御答弁を伺ったところですが、いずれにせよ、そういう長い年月を経てそれなりのプレゼンスを持ったものについては――私は特に公述人何人がから御意見を伺って私も不勉強だったなと思うのですが、風俗営業に指定されるというのは必ずしも名誉なことじゃない、社会的にも、例えば金融一つを見ても麗々しくそれが書いてあるという、公の金にもそれに近いものがあるということになってまいりますと、これは一方ではまだ少し不安定だから業に取り込んでおこうかといっても、そういう実は苦しみがもう一方の方にあるということをそれぞれ考え合わせると、これはやっぱり見直すものは見直して、新しい変化に対応するものは大胆に取り込んで、自主規律でやっていけるものはそれなりに、それこそ民間活力に任せるというふうにしていくべきだということを主張しますし、これはもう公安委員長からも御答弁をいただいてはおるのですが、少なくとも三条の三項、四項の規定は、他の風俗営業との整合性、そういうふうなものも持たせて見直す時期にも来ているだろう、こう考えます。この点いかがですか。
  39. 三井脩

    政府委員三井脩君) 法律一般について常に見直し、検討が必要でございますが、とりわけこの風営法につきましてはその対象社会の一般庶民といいますか、生活に一番密着した部分でのものでございますので、いろいろの情勢の変化というのは激しい部分ではないかとも思うわけでございます。そういう意味で、過去の経過を見ましても、あるものを外したり入れたりというようなこともございますので、こういうふうな点については十分社会の情勢と、それの今まで規制する必要性、こういうふうなものを勘案して十分検討して対処すべきものというように考えております。
  40. 志苫裕

    志苫裕君 つまらぬようでいて案外当事者は大事なのかもしらぬが、例えば七号営業、「まあじやん屋、ぱちんこ屋」となっているでしょう。昔、床屋といったものですよ。床屋の大将と言われるのが昔は偉かったのだろうが、今は大将がはやる時代じゃありませんから、これは今理髪店と呼んでいますよね。で、そこの経営主は、先生だ。こういうふうに従業員からも呼ばせるようになっておりまして、それはそれで非常に近代的でいいと思うのです。いつまでも「まあじやん屋、ぱちんこ屋」ということはないのじゃないかな。保安部長の答弁を私は聞いていましたが、多くの場合、パチンコ店とあなたは言っている。パチンコ店でもいいでしょう。何となく「まあじやん屋、ぱちんこ屋」というよりはそっちの方が近代的な感じがしないかな。
  41. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この名称でございますけれども、こういう法律的な名称を使っていることによりまして非常に営業上支障があるということでございますれば、これはもう何とか変えなきゃいかぬということになるわけでございますけれども現状でいって、この名前が法的に使われていることが、一般のそれぞれの営業でもってどういうふうな名前でもって呼ぼうとそれは構わないわけでございますが、そういうことでなくて、法律上こういう言葉を使っていることが非常に営業上支障があるという形の現状は現時点では認められないのではないか。これをいろんな形で直してまいりますと、実は逆の面で言えば、その法的安定性を害するといいますか、営業の中身が名前を変えたことによって違ったのかというようなことに受け取られる危険性もあるというようなことで、いろいろ検討はいたしましたが、とりあえず現状で参りたいという形になっておるものでございます。  いろいろこういうふうな名称につきましては時代の変遷もございますから、今後私どもも十分検討をしてまいりたい、かように考えております。
  42. 志苫裕

    志苫裕君 昔から使っている名前がえてして差別と受け取られる場合もあり得る、世の中の人権意識などが進んでまいりますと。いろいろな、特に衛生立法の用語が差別用語に当たるかというので大幅に手直しをしたこともございましたね。それはやっぱり我々案外むとんちゃくでいましても、そういう印象で受け取らないとも限らないので、これは関係業界などの御意見も伺ったらよろしかろうという意見は申し上げておきます。  これに比べて、関連営業概念に取り込まれた営業、これは言語道断でありまして厳しく対処をすべきで、それにしてはこの法形式が少しおかしいということでの議論はありましたが、その繰り返しはいたしませんが、特にこの際付言しておきたいのは、二十八条三項の規定あるいは附則四条とも絡みますけれども、いわゆる法律ができたときに現に営んでいる営業、これは今度、届け出をして営む者とみなされるわけですが、現に営む者の解釈、これはその人一代限りでもちろん相続はないということを言いましたが、新築は該当しませんね。
  43. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 新築は該当いたしません。
  44. 志苫裕

    志苫裕君 移築もそうですね。
  45. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) おっしゃるとおりでございます。
  46. 志苫裕

    志苫裕君 増築はどうですか。
  47. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 増築も該当しないと思います。
  48. 志苫裕

    志苫裕君 そうすると、確認しますが、増築も現に届け出をして営む者でないというふうに解釈していいですね。
  49. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) おっしゃるとおりでございます。新築、増築はこの現に営む者ということになりません。
  50. 志苫裕

    志苫裕君 この点は実は従来法でも、これはこの法律ばかりじゃありません、例えば旅館が住居専用地域に指定されて、後から増築が営めるか営めないかということで論議を私もやったことがありまして、建築基準法上では増築は新築になるという取り扱いのようでございますので、今の答弁を了承いたしました。この点を少し念を入れてやっていけば新宿も幾らかきれいになっていくだろう。それが甘いとなかなかこれはやっていけないだろうという点で申し上げておきます。  トルコぶろの規制は随分議論もございましたし、議員提案もなされておりますが、厚生省とも協議をして、私はこれはいわば公衆浴場でないという規定をすれば、公衆浴場ではないものがあるということになりますと、それなりに対応はしやすいと思うのですが、この点は要望にとどめておきます。  同じ関連営業のモーテルですが、モーテルは従来法の規定ですと、清浄な環境というこの目的に合うというか、該当する建築物だったんですが、モーテルが清浄な環境を害するということになりますと、うちの中で何かごそごそやっているということよりは、何かとんがり帽子、デコレーション、ぴかぴかぴかっと小さい電球がこう走ってついたり、パチンコ屋さんとモーテルがそうなっていますが、モーテル営業で実は私も何遍か取りつぶしの運動をしておるのですが、最後に落ちつくところは、なかなか全部撤去できませんで、あの表のとんがり帽子取れとか、デコレーションやめるとか、ぴかぴかして何となく人が行きそうになるような雰囲気やめるとか、そういうことで随分析り合いをつけたことも多いんです。また、お母さん方ぎりぎりいきますと、あれだけやめてくれということもあるわけで、これは広告宣伝の規制になるのか、建築規制、構造規制になるのかわかりませんが、その辺については十分ひとつ検討を加えるべきだと、対応すべきだと思いますが、いかがですか、そういう規制
  51. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) このモーテルの外装につきましては、風営法の対象になりますのは卑わいな看板みたいなものが中心になるわけでございまして、そういう形で広告宣伝の規制運用ということになるわけでございますが、今お話しのような関係は、直にはなかなかいかないことではないかというふうに思います。そういう意味で、旅館業法あるいは建築基準法あるいは屋外広告物法あるいは都道府県、市町村のモーテル等の規制条例、そういう規制もありますので、関係機関、団体等と、あるいは地方自治体等と十分連絡をとりながら対応していくということにいたしたいと、こう思います。
  52. 志苫裕

    志苫裕君 この点は私は強く要望をしておきたい。皆さん方、深夜酒飲むのに黙って飲めと、こういって無理な法律書いておるけれども、モーテルそのものの是非は別にしまして、どうぞお使いになるなら静かにどうぞと、それをつっつくならそういうあれだってあるわけで、何だかここがそうですよというようなことをしゃばじゅうに言いふらすような広告なんかしておるなという気持ちもあるわけです。大体、一見してそれと見える。子供に聞かれるのも、あれ何よお父さんと、こうなるんです。静かなたたずまいなら決して聞きやせぬです。そういう意味では、やっぱりそれは検討、一考してもらいたいという意見は申し上げておきます。  時間が迫ってきましたが、第八号営業、これも随分論議をされて、いろいろと言う人、答える人、一番時間を使ったようですが、なるほど絶対的に射幸心をそそるおそれのないものはない。しかし、相対論で言うならば、ある。私も実はこの勉強のためにこれは随分行ってきました。もう、すっと一万円札のまれるところもあるし、まあ百円もやっておれば結構という……。例えば野球とポーカー見ますと、野球は一回から七回、八回、九回でしょう。随分時間かけて、点数が二点、五点開いたから、それでかけましょうかという、そんなばかばかしい、のんびりしたことやりませんよ。ぱっとボタン押すと、ぱっと一万円取られちゃうわな、これ。そういう意味では、やっぱりゲーム機によってはおのずから使い方の差があるわけで、私は、この問題には、著しく射幸心をそそるおそれという概念を持ち込んでくれば決着がつくのじゃないかというふうに思うのですが、いかがですか。
  53. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 実は、この点は七号営業との兼ね合いもあるわけでございまして、七号の方は「著しく」という言葉はついてないわけでございます。しかし、それが賞品にも絡むということで前々から対象になっておるという、そのバランスもやっぱり考えなきゃいかぬというふうに思います。  それから、著しいか著しくないかという一つの、何といいますか、量的な概念というものが入りますと、逆にどこが限界かということが非常にわかりにくくなるということがございまして、脱法的に賭博が行われることを放置することにもなりかねない、そういう問題がございます。それから、前々から議論がありますように、ゲーム内容が容易に変更できるという問題もございます。  そういうそれやこれや考えますと、「著しく」というふうに絞るのはちょっと好ましい区分とは考えられないのではないかと、こう思います。ただ、「射幸心をそそるおそれのある遊技」、この解釈、運用に当たりましては厳格に適用してまいりたいと、かように考えております。
  54. 志苫裕

    志苫裕君 これはあなたもなかなか辛抱強い。この点は衆議院からまさに延べ数十時間にわたってこれ譲らぬね。本当に恐らくこの後何百時間やってもどうも譲らぬような感じもするが、しかしこれは、附帯決議などでも引き続き検討しろということも含まれていますし、当委員会においてもそういう課題を後刻挙げるでしょう。ひとつ継続課題にしておきましょう。  それからもう一、二問。立ち入りですね、もう修正も行われたし、また、ここでも議論がありましたが、やはり心配だというお話が絶えないのであります。皆さん自身も法の規定で厳しい枠はめをしましたし、衆議院での修正が行われたことにかんがみまして、公安委員長から、あるいは長官からも御答弁はいただいておるところでして、一応は子といたしますが、八月二日の参考人の意見陳述をここでいただきましたが、全遊連の理事長さんというのか、代表の方がおいでになって、どんな形で立ち入りが実際に行われているのですかということを伺いました。いろんな御説明もいただきましたが、私ら別に立ち入られたことがないものだから、ちょっとわからなかったので一応伺いました。で、従前と異なることがないという答弁からしましても、改正法による立ち入りも、例えばその全遊連の代表が話したような、そういう従前の取り扱いと変わることはないのだというふうに理解しておいていいですね。
  55. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 現行法運用と格別に変えることを考えておりません。
  56. 志苫裕

    志苫裕君 それから、この法の規定で不備があるのじゃないかということを、私は立法政策、立法技術等々の問題で少し取り上げましたが、法律の専門家などに言わせますと、例えば、少し皆さんも急いだのじゃないかなというようなことで例を引きますと、本法にいう「少年」というのは、我々は少年法にいう「少年」ということかなと、こう思っておるのですが、四条一項の八号、それから二十四条二項一号は、「未成年者」という表理ですね。二十二条五号、二十八条五項四号は「二十歳未満」、こういうふうに、「少年」あるいは「年少者」、「二十歳未満」あるいは「未成年者」というふうに、法律幾つも使ってありますと、別に断り書きがついているわけじゃありませんから、同じ法の中に幾つ表現の仕方がある、規定の仕方があるということになりますと、少年の定義が面倒になってしまう。その場所場所のこれは一体どういう少年か、これはどういう何々かということでですね。どうもそういう意味では少し法律の整理が足らぬのじゃないかという意見がありますが、どうですか。
  57. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 改正法案で使っております言葉でございますけれども、まず、「少年」という用語は満二十歳に達しない者全般を指称する場合に一般的な形で用いておるというときに使っております。それから「未成年」と「二十歳未満の者」という用語は、個々の要件の中で満二十歳に達しない者を指称する場合に用いておる。それでは、未成年と二十歳未満とどこが違うかといいますと、未成年と申しますのは、本来司法上の行為能力というものに着目した概念でございますので、改正法案では、人の資格あるいは欠格事由、そういう場合を表現する場合に用いておる。それから、二十歳未満の者というのは、これは禁止行為におきまして、営業者により明確にその構成要件の内容を表示する場合に用いると、こういう使い分けをしておるわけでございます。同じことが「年少者」と「十八歳未満」についても言えるわけでございまして、年少者もやっぱり包括的、一般的に用いている場合は十八歳未満の者を年少者と、こういうふうに使っておりますし、それから個々の場所で、遵守事項、禁止行為の個々の要件に当てはめて、営業者により明確にその内容を表示していくという場合には十八歳未満と、こういう使い分けをしているわけでございまして、全部そういうことで一つ一つ意味を持たして使っておるわけでございます。
  58. 志苫裕

    志苫裕君 これは答弁が苦しいな。三様の表現一つの法の中にあれば、同じ何歳の人間が、あるときは未成年者といい、あるときには少年というということになりますと、やっぱり解釈上の疑義を生ずるという法問題もあろうかと思うのです。これはやっぱり検討の対象になると思いますね。  ともあれ私の時間も参りました。一番最後にちょっと法のつくりの問題に触れましたが、本委員会審議経過を通じて、本法にいろんな問題点があるなどいう共通認識は生まれたようでございます。したがいまして、議会は議会なりの今後の調査活動、立法活動を続けるであろうと、このように思いますが、この際に公安委員長に要望いたしますが、当委員会あるいは議会の立法調査活動についてひとつ警察庁は積極的に協力をしてほしい。  なぜこのように言うかといえば、私は本委員会審議における警察庁の協力の仕方が非常にかたくなで不十分だと思う。資料を一つ出すにも小出しで、だんだんだめなものが出てくるとか、そういう点で非常に不本意でありました。これは行政官庁たくさん多いのですが、どうも私の知る限りでは警察庁をもって筆頭とするという感じがいたしまして、遺憾であります。その点について、最後にひとつ閉鎖体質を改めて、積極的に協力を求めたい。公安委員長いかがですか。
  59. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 風俗に関する法制が国民基本的人権ともかかわるものであることを十分踏まえまして、この委員会におきまして今後立法調査活動をする場合に円滑にこれができますように、警察庁といたしましてもできるだけ協力するように指導をしてまいるつもりでございます。
  60. 志苫裕

    志苫裕君 終わります。
  61. 原田立

    ○原田立君 衆議院で附帯決議がついて当院に参ったわけでありますけれども、附帯決議について国家公安委員長並びに警察庁長官は一体どういうふうに受けとめておられるのか。附帯決議についてです。
  62. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 附帯決議は法案審議した際の立法府の意思として、法律運用上十分にこれを尊重していかなければならないと、こういうふうに附帯決議について考えております。従来、附帯決議、附帯決議と言われても余り附帯決議が十分実行できないというようなこともよく言われておりますが、私はこうした院の表明された法律審議に対するいろいろな御意思というものは必ず実行できるように、十分これは努力していかなければならない、このように考えております。
  63. 三井脩

    政府委員三井脩君) もとより附帯決議につきましては、十分にその内容について、我々としては法の運用等についてその趣旨に沿うようにやっていくつもりでございます。
  64. 原田立

    ○原田立君 お考えはわかりましたけれども、例えばこの法案の修正の話が我々のところにも随分相談がありました。だけれども、いろんな状況でそれがなし得なかったということで、じゃ、あと附帯決議並びに当委員会の大臣あるいは部長等の答弁で補足しようというような考えは持っているわけです。しかし、法律にないと、附帯決議なんかつけてもそれが六法全書に載るわけじゃないから、要するに法律がひとり歩きすると附帯決議はいつの間にやら忘れられてしまうというような不安の声が実は非常に多いんです。そういうことがあってはならないと思って、通告はしていなかったのですけれども、そういう質問をしたわけなんです。法律のひとり歩きと附帯決議と現場と三者並べた場合に、附帯決議が十分に活用されるように強く要望するのですけれども、いかがですか。
  65. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) おっしゃるとおりでございまして、これは委員会の決議として十分これを尊重していかなければならない、このように思っております。
  66. 原田立

    ○原田立君 その中で特に心配するのが、風俗営業は許可制であり、風俗関連産業は届け出制であること。この届け出制というようなところによって、いろんな人たちの声は、国がセックス産業を正式に許可して売春防止法を骨抜きにしている、これは世論の逆行為であると、こういうふうな非難がもうどんどん来ております。ここら辺は、今度は法案が提出されてもうまさに採決せんとするときに来ているのですから、もうどうしようもないとしても、こういう非難があった場合にどういうふうに受けとめますか。
  67. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) どういう法制度をとるかというのは一つの政策の問題であろうと思います。私ども風俗営業に対しまして許可営業という制度をとり、風俗関連営業については届け出という制度をとりましたけれども、それはこの風俗関連営業についてとりました届け出制というのは、何せ御存じのとおりこういうふうなセックス産業が次から次へとできてまいりまして実態が把握できないということがありまして、やはりその実態を把握するために必要であるという形から届け出という形をとろうと、こういうことにしたわけでございます。  しかし、いわゆる風俗営業風俗関連営業とは、規制の仕方を大変風俗関連営業について厳しくしておるわけでございまして、御存じのとおり、風俗関連営業につきましては地域の禁止規制も含みます規制、しかもそこの禁止地域で違反があれば営業の廃止命令までも含むそういう厳しい行政処分が課せられる。それから、先ほども指示等の問題が出ておりましたけれども、違法行為があればそういうことで直ちに指示あるいは営業停止というふうな形に持っていくというような形で、全般として厳しくそういう形で臨んでいくということがこういう次から次へと短期間に荒稼ぎをする営業形態に対しては適切な措置である、こういうふうに考えてとったものであります。したがいまして、許可というものと単に届け出というものだけを比べますと、何か届け出の方が簡単なようなお感じを与えるかもしれぬのでございますけれども、今申しましたように、許可の方は一つの条件が整えば許可されていくというような形でございまして、大幅にある意味では営業というものができるわけでございますが、風俗関連営業の方では、非常に地域規制が厳しくなりますと営業しようと思ってもできなくなるという形態になるわけでございまして、そういう意味では大変厳しい形になっていくというふうに考えておるわけでございます。  そういうようなことで、総体としてそういうふうな風俗営業及び風俗関連営業にどういうスタンスで臨んでおるかというものをトータルとして見ていただいて、そうして評価をしていただくというふうに考えておるものでございます。
  68. 原田立

    ○原田立君 附帯決議の第十項の1及び3で、報告または資料の提出は必要最小限のものに限定する。また、関係のない経理帳簿等を提出させ又はみることのないようにすることと、こういうことが衆議院の附帯決議で決まってきているわけでありますが、元来三十七条の立入検査の問題でありますけれども、本法案のもとの法、今までの法律第六条は、ただ警察官は「立ち入ることができる。」だけでとどまっている。それが今回出てきたのは、立ち入りはおろか「帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させる」と、これじゃ余り広いじゃないかということで衆議院で修正されてきた。それで今の「報告又は資料の提出」というものだけが残った。それで、今も申し上げたように必要最小限のものに限定する、あるいは関係のない経理帳簿等を提出させたりまたは見ることのないようにすると、こういうふうに衆議院の附帯決議ではなっているのですけれども、この点はいかがです。
  69. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) おっしゃるとおりでございます。あくまでもその報告、資料の提出というものでできる限りカバーをしていくということ、それも必要最小限度の形でもって運用していくというふうに考えておるものでございます。
  70. 原田立

    ○原田立君 三十七条の第一項には、「風俗営業者等に対し、その業務に関し報告又は資料の提出を求めることができる。」としておりますが、この報告または資料の提出について、具体的にはどのようなものを対象に考えているのか。もちろん、この法律が成立した場合にこれから各業界と打ち合わせをしてということになるのだろうと思うのですけれども風俗営業の中にはパチンコ屋さんあるいはマージャン屋さんあるいはいわゆる風俗関連営業者、いろいろたくさんあるわけですけれども、画一的なものにするわけにはいかないと思うのでありますけれども、この「報告又は資料の提出」というものは一体どんなふうなことになるのか。
  71. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 報告、資料の提出というのがどういう場合に何を見るのかということでございますけれども、例えば例を挙げますれば、風営法の中にいろいろな遵守事項が定められておりますけれども、そういう遵守事項等の規制が守られているかどうかというような場合、そういうことを見る必要がある場合に報告、資料の提出というものを求めていくということになろうと思います。当然のことながら、その報告、資料の提出で求めるものは本法規制関係のあるものでございますし、それから本法目的を達成するために必要な限度においてやるものでございます。したがいまして、関係のないものを見るというようなことは当然あってはならないわけでございまして、例を挙げますれば、保健衛生上の見地からその提供する飲食物について報告、資料の提出を求めるだとか、あるいは経営状態を把握するために会計帳簿の提出を求めたりというようなことは当然この本法目的に入っていないわけでございますから、そういうことは一切するものではないということでございます。
  72. 原田立

    ○原田立君 定期的に年に一回とか二回とか、あるいはまた二年に一遍とか、そういうふうな定期的にやるような考えがあるのか、あるいはまた警察署などの判断で自由に勝手に要求するということができるのかどうか、するのかどうか、その点はどうですか。
  73. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この報告、資料の提出というのはあくまでも必要な限度において行うわけでございます。したがいまして、当然のことながらその限度を明確にして行う、むやみに実施することめないように配慮をしなければならないことは当然でございます。したがいまして、その報告、資料の提出は、新しい施策をとった場合というような場合を除きまして、定期的にとかあるいは年に何回とかというような一律の方法でとる必要というのは少ないというふうに考えております。  それからもう一点、こういうふうな報告、資料の提出というのはあくまでも公安委員会権限でございますから、したがいまして公安委員会の適正な判断を求めながら行っていくというものでございまして、決して警察官が恣意的に行うというものではございません。また、私どもはそういうことを担保する意味でも必要な基準をしっかり定めまして第一線まで徹底をいたしたい、かように考えております。
  74. 原田立

    ○原田立君 参考人として過日ここで陳述のありました全国遊技業協同組合連合会の松波理事長などのお話によりますと、従来は機械の検査、これが一つ、それから従業員名簿、それから賞品の適格性などが行われておったということでありました。大体三つのことを資料の提出というようなときには出しておった、また聞かれておった、ところが今度のこのことについては、はあっと膨らまされて、それ以上のものを要求されるのじゃないかという非常に不安を感じている、だからこれはもうとってくれというふうな強い意見もありました。これらについて法改正に伴い新しい資料の提出や報告があるのかどうか、現状どおりなのかどうか、この点はいかがですか。
  75. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 私ども現状の運営を変えるつもりはございません。
  76. 原田立

    ○原田立君 この「報告及び立入り」の項は「風俗営業者等に対し」と明文されているとおりです。すべての風俗営業、関連営業対象となる各業種の営業内容によってそれぞれ報告の内容が違うわけですね。資料の提出もまた違ってくると思うんです。先ほどもちょっと触れましたけれども、画一的な報告または資料の提出ということにはならないと思うのです。今も部長からもそういう話ありました。じゃ、一体どう対処するのか、業種別の基準づくりが必要だと思うのです。深夜における飲食店営業の場合とかあるいは深夜におけるお酒の販売の場合であるとか、あるいはパチンコ屋さんとかあるいはマージャン屋さんとか、これいろいろあるわけですね。ゲームセンターもそうでしょう。どういうふうな基準づくりがなされるのか。
  77. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 各業態を通じまして共通のものもあると思います。そういうもののほかに各業種別に特有のものもございますので、それぞれの業者の方とよく意見を交換いたしまして、そして先ほど言いました必要の限度とは何かということを十分配慮いたしまして、各業種別に基準を決めてまいりたい、かように考えております。
  78. 原田立

    ○原田立君 それで、この資料の提出、報告しなければならないその業種数、それから内容、回数、それぞれの各業種別に提出内容の基準を明確にする必要があることは今るる申し上げているとおりです。で、この基準づくりはどのようにするのか。これからの段取りですね。
  79. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先ほど申しましたような考え方に基づきまして各業界とも十分お話し合いをいたしまして、そして今先生のおっしゃったような内容のものについて基準を定めてまいりたいと、かように考えております。
  80. 原田立

    ○原田立君 衆議院の附帯決議第九項目に「本法に基づく政令等の制定及び本法運用に当たっては、研究会等を設置し、地方公共団体関係者を含め各界の意見を聞くこと等により、法の運用に誤りなきを期すこと」と、こうあるわけでありますけれども、研究会などの設置関係者などからの意見を聞くことについて、これからのことですけれども、具体的にどのようなスケジュールで進めていくのか、アウトラインいかがですか。
  81. 古山剛

    説明員(古山剛君) 御指摘の附帯決議を尊重いたしまして、研究会設置の細目につきまして至急検討いたしたいというふうに考えております。  スケジュールといたしましては、この改正案は成立後六カ月以内に施行ということになるわけでございますので、これに十分間に合うように作業を進めてまいりたいというふうに考えております。
  82. 原田立

    ○原田立君 政令や国家公安委員会規則等の制定、実際この法案の中に。は七十七、もうちょっと細かく見ると百以上もあるというふうな、そういう委任事項がたくさんあるわけですけれども、この研究会によってそれらが審議されるのかどうか、いかがですか。
  83. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 下位法令の制定に当たりましては、研究会の検討結果が十分反映されるように配慮をしてまいりたいというふうに考えております。
  84. 原田立

    ○原田立君 地方公共団体関係者とはどのような団体を考えているのか。また、「各界の意見を聞く」と、こうしておりますけれども、各界のメンバーについては具体的にどのような人たちのことを考えていますか。
  85. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 御存じのとおり、今度の改正につきましては新宿区等からも大変強い要望がございました。全国市長会あるいは十大都市の代表の方々からもいろんな要望をいただいております。そういうことで、こういう方々にも参加を呼びかけて御参加を願いたいと、かように考えておるわけでございます。  それから、各界のメンバーでございますが、これは既に懇談会等のメンバーの方がおられますが、さらに学識経験者あるいは関係協会の代表など広く国民各層の意見が十分反映されるように、メンバーの人選につきまして配慮をしてまいりたいと、かように考えております。
  86. 原田立

    ○原田立君 これは聞いた話でありまして、真偽のほどはわからないのだけれども警察はこういう審議会とか研究会とか、こういうものをつくるのは余り好まないのだ、自分のところでやるのだというような意見を聞いたことがあります。だから、地方公共団体関係者の意見を聞くなんということは大変好かないのだという話を聞いておるのですけれども、そんなことがあるのかないのか。あるいはこの各界の意見という中には学識経験者は当然入るでしょう川業界の人も入るのかどうか、その点はどうですか。
  87. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 広く各層の方々の御参加を得たいと、こう考えておりますから、業界の方にもお入りをいただこうと、こう思っております。やはりこういうふうな関係の内容はできる限り広く意見を聞いていくことが私どもも大事だと、こういうふうに考えておりますので、そういうふうな方々にお入りいただくように作業を進めてまいりたいと、かように考えております。
  88. 原田立

    ○原田立君 この附帯決議では「法の運用に誤りなきを期すこと」ということになっているのですけれども、この研究会でいろいろと議論されたことを当委員会等に、実はこういうことがありましたというような報告等はなされる気はありませんか。
  89. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 時期をとらえまして御報告を申し上げたいと、かように考えます。
  90. 原田立

    ○原田立君 どうかひとつ、この衆議院の附帯決議に盛られていることでありますし、そういうことで冒頭国家公安委員長の意見も、警察庁長官意見も聞いたわけなんです。この附帯決議にあることが何の力もない無力なものだということであったのでは本当に意味をなさないことでありますから、そういうことがないように十分配慮をしてもらいたい、これだけは強く要望しておきます。  それから第三十九条第二項では、都道府県風俗環境浄化協会の事業を決めておりますけれども、この第二項第五号及び第六号の「調査」とは一体具体的にはどういうことをやるのですか。
  91. 古山剛

    説明員(古山剛君) 環境浄化協会の調査業務でございますけれども、都道府県の公安委員会が各種の申請を受けた場合に、本来公安委員会が行うべき許可をするかどうかの判断に当たっての現場の確認の業務を公安委員会の委託を受けて環境浄化協会が行うものでございまして、具体的には構造設備、あるいは場所の位置について法で定める基準等に合致するかどうかということについて調査を行うものでございます。そういうことでございます。
  92. 原田立

    ○原田立君 これらの事業は、今度は都道府県あるいは全国風俗環境浄化協会をつくるわけですが、今まではどうだったのですか。  要するに、許可の申請に係る調査あるいは承認の申請に係る営業所の構造及び設備についての調査、これが内容でしょう、五号、六号というのは。だから、これが都道府県風俗環境浄化協会でやる事業だ、こうなっているわけです。これは今は浄化協会ないのですから、現在は一体どこがやっているんですかと聞いている。
  93. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 現在は全部都道府県公安委員会が直接にやっているわけでございます。
  94. 原田立

    ○原田立君 公安委員会が直接やっているのじゃなくて、これは行政書士会が公安委員会の委託を受けてかどうか知らぬけれども、こういう書類づくりをやっているのじゃないですか。
  95. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 公安委員会がやっておると、こう申しましたけれども、実際にやっておりますのは警察職員がやりまして公安委員会に報告をしておるという形になっておるわけでございますけれども、こういう点につきましては行政書士会は関係がないわけでございます。
  96. 原田立

    ○原田立君 要するに私が申し上げるのは、これらの事業について現在は、その書類作成業務は行政書士の皆さん方が公安委員会があるいは警察がへ届け出る前の書類づくりをやっているのでしょう。それが今度は浄化協会ができてそれをやりますと、こうなると、こっちの仕事がこっちへ移行しちゃうことになるのですね。その点はどうなのかということを聞いているんです。
  97. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) こういう許可の業務を営業者の方々が公安委員会に申請をする場合、そういう場合に行政書士の方々に頼んで書類をつくってもらうというようなことがあるわけでございます。それは今後も同じでございまして、浄化協会の仕事になっておりますのは、そういう許可申請を受けまして、そうしてそれがその基準に合っているかどうかというものを現場で確認をする作業ということでございまして、したがいまして許可を申請をするということと、それから今申しましたような、受理して復そういうものが適正なものであるかどうか調査するというのとはちょっと別の面であるわけでございます。
  98. 原田立

    ○原田立君 私も不勉強で、部長の言うのが本当だろうと思うのだけれども、何となくまだ納得しがたいのだけれども、結論的に、要するに三十九条の二項第五号、第六号に定める事業については行政書士会の業務が侵されない、現行どおりなんですと、侵される心配はありませんよと、こういうことははっきり言えますね。
  99. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) はっきり申し上げられます。現状と全く変わりございません。
  100. 原田立

    ○原田立君 私のところにも全国レベルの団体から、ここのところはもう重大な問題だからこの風営法を廃案にしてくれ、こういう陳情が来ました。それで心配で聞いているわけです。  それから、第二条の用語の意味についてお伺いするのですけれども、第二条一項八号の、テレビゲーム機等については健全なものとそうでないものについては明確に分けるべきだということを従来も申し上げてまいりました。ところが今日までの部長の答弁は、射幸心をそそるおそれがある場合とか青少年のたまり場となる可能性があるということで、どんな場合でも八号営業対象から外す考えはないということをあなたは言われてきた。再度お伺いしますけれども、八号営業対象外となるものは全くないのか。また、外すとすればどのような場合が考えられるのか。
  101. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 八号営業対象となります遊技設備と申しますのは、定量的に遊技結果があらわれるものあるいは勝敗が決し得るものという、そういう本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるものである、こういうふうに申し上げておるわけでございます。したがいまして、定置式の乗り物であるとかあるいは通常の占いゲーム機みたいなものは、これは点数も結果も出るわけではございませんので対象外でございます。  それから、もちろん現金を入れて現金が出てくるようなものはもともと賭博そのものでございますから、そういうようなものはもともと認めるものに入らない、そういうものを除いた、先ほど言いました定量的に遊技結果があらわれるもの、勝敗が決し得るもの、そういうものになるわけでございます。
  102. 原田立

    ○原田立君 前にちょっと問いたのですけれども、僕もゲームセンター行ってみたけれども、何かこう自動車に乗っかってぐうっと運転して追突しないようにやるような、こんな機械は別に八号規定の中に入れなくてもいいのじゃないのか。たまたまゲームセンターがいわゆるたまり場になるからいけないのだと、こういうようなことだけなんだけれども、この八号営業対象外となるもの、そういうものは業種としてないのかどうか、その点をお伺いしたい。
  103. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) そういう何といいますか、乗り物的といいますか、単に乗り物的なものであればこれは外れるわけでございますけれども、結果が出てくるものでございますね、先ほど申しましたような勝敗の結果が出るあるいは点数で表示されるというものにつきましては、現実にそういうものが賭博に使われているということもあるわけでございまして、もちろんよく機械を見てみなきゃいけませんけれども、一般的にそういうふうな、先ほど言いましたように結果が出る、点数が出るというものについてはにわかに外すわけにはまいらないのではないか。かように考えております。
  104. 原田立

    ○原田立君 この前、議員会館の地下一階で機械を見ました。そのときの説明は、テレビゲーム機ですが、もう簡単にぱっぱっとやれば一分ぐらいで機械の中身を変えることができるのだという説明をしていました。そこら辺を受けて部長や課長は、テレビゲーム機は賭博性を帯びるのだと、そういうおそれがあるのだと、こういうふうなことを裏づけの材料にしておられる。だけれども、ある人に聞きましたら、本当に賭博用にテレビゲーム機を使えるかどうかというのは、そういう賭博用に使うようにつくってあれば簡単に入れかえできるけれども、そうでないものについてそれを直すにはやはり四時間、五時間かかりますよ、そんなこと何回もやったら機械ぶっ壊れますよというような意見もある。そういうようなこと等で現在の遊技機、テレビゲーム機の中で青少年が娯楽として遊ぶことが認められるものはあるはずだと思うんです。いかがですか。
  105. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) ゲーム機がいろいろな遊技として有用である、あるいは知的なものであるというようなことは私どもも決して否定をしておるわけでも何でもありません。しかしながら、そういうふうな機械がいわゆる賭博に用いられる可能性があるというものにつきましては、やはりそういうものに対しまして必要な規制というものが加えられなければならない、かように考えておるわけでございます。したがいまして、ゲームの内容が非常に知的であるあるいは有用性があるという問題と、それが賭博に用いられるというものとはやはり別の面であるというふうに考えなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。
  106. 原田立

    ○原田立君 結局、部長の考えているのは、最初から賭博をできるような構造でつくってあるテレビゲーム機、それと、そうでなくていわゆる健全な遊技用としてつくってあるテレビゲーム機とあるはずだと思うのですが、あなた方はそれはそういうものはないと言う。しかし、現実にあの説明している人たちの話を聞いているうちに、最初からつくってあれば、それは当然すぐぱっと機械の入れかえすれば賭博用に使えますよ、そうでないものはやるのに三、四時間かかるのですよ、こういう説明をしておりましたよ。だから、そうなると何でもかんでも八号営業ではっとかぶせるものじゃないのじゃないのかということを私は聞いているのですよ。
  107. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 確かに機械によりましては数時間かかるものもあると思いますが、また簡単に変わるものもあるわけでございます。いずれにいたしましても、数時間が長いと見るか短いと見るかという問題はありますけれども、そういうふうに一晩で変わり得るということになりますと、本来許可対象でなかったという形でもって出発したものが、しかし本来こういうふうにゲームを変えるのならば許可を取らなきゃならぬ。こういうふうに一晩で変わるということになりますと、かえって悪質な者は最初許可を取らないで、後でそういうものに切りかえてやるということが可能になる。そういうことで脱法行為を助長するような形になるということで、私どもは今申しましたようにゲームの内容でもって分けることが適切でない、こういうふうに申し上げてきているところでございます。
  108. 原田立

    ○原田立君 ゲームの内容ですね、今部長の言われているのは。しかし、機械そのものが賭博用につくられているかどうかというのがその先に来るのじゃないですか。私は、だから健全な遊技のためのテレビゲーム機と、いわゆる賭博用として、表面立ってじゃないですが、内々こうつくっちゃったものと、画然と分ける必要性があるのじゃないのか。
  109. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 本来賭博用につくられたものは私どもは認めるつもりはない、こう申し上げておるわけで、それは現金を入れて現金が出てくるようなものは本来認めるべきものでない、こういうふうに申し上げておるわけでございます。しかしながら、ゲームの内容が、例えばマージャンをやるようなゲームであるというものは対象になるけれども、野球ゲームは対象にならない、こういうふうにいたしますと、今申しましたように、野球ゲームとマージャンゲームの間に変えるということが比較的容易にできるということがありまして、それをそういう形で、一方は許可、一方は許可対象でない、こういうふうにいたしますと、先ほど言いましたように脱法行為みたいなものが出てきて、かえって業界も大変混乱をする、こういうふうな御意見もあるわけでございます。  そういうようなことで、私どもは、今申しましたような賭博にもなるものは当然別でございますけれども、そうでなくてもゲームの内容によって分けるということはやはり適切でない、かように考えておるわけでございます。
  110. 原田立

    ○原田立君  第二条第三項「接待」の行為について「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす」と、こうしてありますけれども、この「歓楽的雰囲気を醸し出す方法」という文言についても非常に範囲が広いわけです。個々人の判断によってすべて対象に入ることになるおそれがあるわけですが、この件に対して、接待の対象となるものとそうでないものとの区分をどこで線引きするのか。例えば「著しく」とか、明確なる基準、判断の目標を明示すべきだと私は思うのです。  過日の料飲業界の代表の井上専務理事から、非常に零細な業者の人たちが営業しておる、客がもう少なくなって、時間も遅くなってたまたま客のそばへ行って一杯ついだら、そのところを見つかってぱかっとやられたなんというようなことがあったという話がありました。それで、だからそれは一杯ついではいいけれども二杯目はだめだとか、そんなこともおかしな話で、いわゆるここに法律でいう「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなす」という、そういうのと現実は余りにも違うのじゃないか。言うならば、著しくそういうことをもたらすものということにするのならば大体見当がつきます。その点はいかがですか。
  111. 古山剛

    説明員(古山剛君)  接待の定義につきましては、従来の解釈、判例等にも出ているわけでございまして、そういう従来の考え方というものを変更するつもりは全くないわけでございまして、今回これを明示いたしまして業者の利便を図るということにしたものでございまして、先生が今お話しのような、ちょっとそばへ寄ってついだというようなものは当然接待には入らないわけでございます。  「著しく」という文言を入れたらどうかということでございますけれども、これを入れますと、接待の定義というものを従来とは大幅に変更するということになるわけでございますし、またその行為の程度によって接待か否か、すなわち風俗営業としての許可を要するか否かということを区分するということについて不明確な規制にかえってなるのではないかということで、そのように「著しく」という文言を入れるということは適当ではないのじゃないかというふうに考えております。  なお、この接待の規定運用に当たりましては、具体的に明確な基準を定めまして、都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底いたしたいというふうに考えております。
  112. 原田立

    ○原田立君 実は我が党は衆議院で修正して賛成で来ているわけです。衆議院で賛成して参議院では反対というわけにはまいりませんので、基本的には賛成なんですけれども、広げてみると余りにもやっぱり穴ぼこがたくさん目に映るわけです。だから、それをきちんとしたものにして、いやしくも警察権の拡大である、昔の臨検体制の復活であるなんというようなことはあっちゃならないと思うのですよ。  これでもう最終にしますけれども長官並びに円川国家公安委員長から今後のことについての御決意をお伺いして質問を終わります。
  113. 三井脩

    政府委員三井脩君) いろいろ御意見を承りました。これの運用につきましては、いろいろお話がございましたように、慎重に運営をしてまいり、とりわけ第一線によく徹底をして誤りなきを期したいと思います。
  114. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) 衆参両院の御審議におけるいろいろな御意見を踏まえながら慎重にこの法律運用を図っていきたいと思っております。また、権限を持つ警察は、警察法第二条に示された範囲を逸脱しないように慎重に仕事を遂行していくように国家公安委員長としては努力をしてまいる、指導をしてまいるつもりでございます。
  115. 神谷信之助

    神谷信之助君 前回、少年指導委員制度の問題でいろいろお尋ねをいたしました。それで、これは法律施行までには大体委嘱を全体としてされるのか、あるいは適当な人が見つかるのに応じてずっと委嘱をしていくということになるのか、この点をまずお聞きしたい。
  116. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) やはり非常に厳しい条件がございますので、適当な方が見つかっていくという過程において充足をしていくというふうに考えておりまして、この施行の時期に一斉にそろえるというような考え方は持っておりません。
  117. 神谷信之助

    神谷信之助君 それにしても大体一定の期限というものがあるわけですよ。あるいはそうしないと一体どれだけの人数になるのかというのも、前回お聞きしたときはまだ確定的にはわからぬということですが、ずるずるというか、二年、三年でどんどんふえていくというようなことになるのか。その辺は大体どういうお考えになっていますか。
  118. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 私どもの希望といたしましては、なるべく早い時期に充足いたしたいと思っておりますけれども、やはり事はそういうふうな適格性にかかわる問題でございますから、場合によりますれば若干の年月がかかるということもあり得るのではないかと、こう思っております。
  119. 神谷信之助

    神谷信之助君 任期というのはどういうことになりますか。
  120. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) まだ最終的に決めておりませんけれども、ほかのボランティア関係が大体二、三年ぐらいで決めておりますので、そういうふうな形で運用してまいりたいと、こういうふうに思っております。
  121. 神谷信之助

    神谷信之助君 私は前回、この制度については警察本部長なり警察署長のもとに委嘱をしなければならない積極的な理由というのがどうにも納得できないので、都道府県、市町村長のもとに委嘱をするということでいいではないかというように思っているのですけれども、これは見解の相違ということになるのだろうと思うんです。  ただ、この間の参考人で少年補導員の協議会の会長さんが見えました。盛り場なんかへ行って、年少者を使っていないかあるいは入り込んでいないかというふうなことで行くと、暴力団風の人が出てきて脅迫されると、だから傷害保険を掛けて行っているという、そういう人も多いのだという話がありました。そういうことがあれば、これは脅迫行為なりあるいは実際暴力を振るえば暴力行為になるし、そういうのでびしびしこれは警察としてその方をもっと取り締まっていって、実際に少年補導に当たる人たちが身の危険を感ずることなしにやれるような状態というものを、これは警察の責任としてやらにゃいかぬだろう。ところが、見えた参考人の補導員の人がそういうことをおっしゃるということは、警察は一体どうしているのだろうかという感じをしているのですが、この点はいかがですか。
  122. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 当然のことながら、それが犯罪に及ぶような行為であれば必要な措置をとっていかなければならないわけでございますけれども、なかなか実際に行っております行為では、それに至らないような中間的な形態のものもかなりあるようでございます。私どもといたしましては、そういう暴力的な行為というものに対しましては、今先生御指摘のように、当然警察責務として厳格に対応しなければならないと、かように考えております。
  123. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは警察の方が委嘱をされている少年補導員、ボランティアの人たち、そういう人たちが実際にそういう危険を感ずるという状態が生まれているということは、私は遺憾だと思うんですね。だから、今度の少年指導委員制度をつくっても実際そういう状況が起こる。だから、盛り場でそういうところへ行くときには警察官に同行してもらうなり何なりせざるを得ぬという話もありましたけれども、警官が行げば、それは向こうはそんなことはしないしということになります。だから、警察の方が委嘱をしているそういう人たちがそういう経験をしたら、それに対しては厳格にやっぱり対応していくということをやらないと野放しになってしまう問題があると思います。  そこで、次の問題に移りますが、この浄化協会のことです。  同僚議員もいろいろお尋ねをしていました。部長の答弁では、防犯協会を指定をするが、しかしその防犯協会がこの業務を遂行する能力を持たない場合には直ちに指定するわけにはいかぬ、だから能力を持った段階で指定をするのだと、それは法律が施行されて以後の場合もあり得るというように今までの答弁で聞いているんです。  そうすると、それまでの間は今までどおり警察署で代行するといいますか、法律ができるまで代行するということになるのか。現状そのままでいくということ、そういうことになるということなんですか。
  124. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 現在でもいろいろな形で民間ボランティア活動は行われておるわけでございますから、そういうボランティア活動というものをいろいろ警察の方も一体となりましてそれまでの間はやっていくということにならざるを得ないと、こういうふうに思います。
  125. 神谷信之助

    神谷信之助君 それはちょっと違うのじゃないですか。ここで挙げている風俗環境に関する苦情の処理、それから違反行為の防止の啓発活動少年指導委員活動の援助、それから講習、それから先ほどの調査ですね、    〔委員長退席、理事真鍋賢二君着席〕 これは現在は警察署の職員というか、警察官がやっているのでしょう。ボランティアにやらしたりしているのじゃないんでしょう。
  126. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) おっしゃるとおりでございます。ここの浄化協会の仕事の中で現在警察がやっているものというのは当然あり得るわけでございまして、私が申しましたのは、いわゆる一般的なボランティア的な活動は、そういうふうな従来からやっております民間ボランティアの方々と一緒にやっていくと、こういうふうに申し上げたところでございます。
  127. 神谷信之助

    神谷信之助君 ちょっとわかりませんが、浄化協会というのはボランティア的な活動もやるわけですか。これは非常に身分も厳格にして、それから公務員並みの公務に従事する職員とみなすというこの浄化協会の役員または職員は、刑法その他の罰則の適用に関し、法令により公務に従事する職員とみなすということにして、守秘義務も課し、いろいろやっていますね。だから、公務員並みの仕事を期待しているわけでしょう、役員及び職員について、こうなってきます。だから、単にボランティアみたいな活動というわけにはいかぬのじゃないですか。この辺はどうなんですか。
  128. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この浄化協会の活動の中にはやっぱり二つございまして、この三十九条の二項の一号、二号に当たるような活動、特に二号に当たるような活動、これは従来からのいわゆるボランティア活動、そういうものを助ける、こういうふうなものになるわけでございます。そうでなくて、今先生お話のような問題、四号あるいは五号、六号、こういうのは先生の御指摘のような公安委員会の委託を受けてやるそういう事務ということで、若干その二号なんかと性格を異にしておるというものでございます。
  129. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから、そうすると一号、二号の仕事というのは、これはボランティア活動的なものだから、いわゆる先ほど言いました役員または職員というようなことで厳格な責任といいますか、義務、これを課すわけではない。五号、六号、これはそういう点ではちゃんと守秘義務を課してぴちっと仕事をやってもらうのだと、こういうふうに分かれるのですか。法律の条文ではそうならぬでしょう。    〔理事真鍋賢二君退席、委員長着席〕
  130. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 三十九条の五項、六項でございますけれども、この調査業務に当たる職員、これの守秘義務あるいは「法令により公務に従事する職員とみなす」というような規定は、これはいわゆる調査業務というものに従事する者にかかわるものでございます。
  131. 神谷信之助

    神谷信之助君 ちょっと終わりの方今聞こえなかったが……。
  132. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 五号、六号というのが調査業務に係って、そういう責任と申しますか、そういうものが出るものであるというものでございます。
  133. 神谷信之助

    神谷信之助君 私はそうは思わないんですがね。その部分はそうですよ。しかし一号の苦情処理、これはプライバシーにかかわる問題が当然出てきます。少年指導委員を援助する活動、これもそういうプライバシーあるいは人権問題にかかわる問題も出てくる。だから、そういう相談を受けたりするのは、それはいわゆる秘密漏えいは構いはしませんというようなことになったら、うっかり相談も行けないわけです。苦情処理もできない。だから、啓発活動はある意味では守秘義務とかどうとかないかもしれぬけれども、これはやはり全体としてこういう業務を行うから、しかもそれはプライバシーにかかわる問題だから、これの役員または職員に対しては公務員並みの義務を課し、守秘義務を課しますよ、それで罰則もありますよと、こうなっているのでしょう。それで、五号、六号はそうだけれども、一号や二号あるいは三号はどうでもいいのですよと、そういう問題じゃないと思うんです。
  134. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この法律上の問題といたしましては、五項、六項はこういうふうに限定して書いておるわけでございますから、当然こういうふうな形に限定されるべきものでございますけれども、その精神は先生のおっしゃるとおり尊重していかなければならない、かように考えております。
  135. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう一つ歯切れがよくないですな。  それで、現存の防犯協会を指定をする、防犯協会が浄化協会という二枚看板になっていく、こうなってきますね。ところが防犯協会なんですけれども、これは同僚議員も前回言っていましたが、大体警察本部あるいは警察署に事務所を置いているところが圧倒的に多いのじゃないかと思うのですが、現状どういうことになっていますか。
  136. 古山剛

    説明員(古山剛君) 都道府県の防犯協会の事務局はすべて都道府県庁所在地の都市に置かれておりまして、事務局の場所でございますけれども、県所有の会館でございますとかあるいは県庁の庁舎内、それから警察本部の庁舎内などが中心でございます。
  137. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで、そういう関係になっておって、場所がそういう状況で、警察と防犯協会との関係はお互いの立場を尊重し合っての協力関係にあり、警察は防犯協会に指揮命令をしてはならないし、警察もまた防犯協会の意向に左右されるものではない。防犯協会は任意団体ですから、そういう関係になるというのはあなた方の資料に書いてある。今度浄化協会はこの法律で法定されますね。法定された場合の浄化協会と警察との関係、これは防犯協会のような任意団体ではないですから、その場合はどういうことになりますか。
  138. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 民法の公益法人になるわけでございますから、そういう形での役所の監督を受けるということが当然あり得るわけでございます。さらに、こういうふうな業務に関しましては、法律上例えば三十九条の三項あるいは四項ということによりまして、「改善に必要な措置を採るべきことを命ずることができる」あるいはそれに違反した場合には「第一項の指定を取り消すことができる」と、こういうふうな関係に立つわけでございます。
  139. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで、浄化協会の業務、一号から七号までありますが、この業務については警察の指導というか、それを受けてやるわけでしょう。それとも独立した機関で一切指揮命令関係はない、指導、被指導もないと、こういうことになるのか。この辺はどうですか。
  140. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 民法上の監督に服するということは当然あるわけでございます。一つはそういう監督的な立場と、それから先ほど言いましたように三項、四項のような格別のもの。それ以外は警察と浄化協会との関係は指導の関係立場に立つというふうに考えるべきではないかと思います。
  141. 神谷信之助

    神谷信之助君 それは今までは警察が直接やっていた仕事を今度は浄化協会をつくってそれにやらせるのですから、それは当然指導、被指導の関係というものが出てくるというように思うんですよ。  そこで、浄化協会の役員は別にして、職員というのは警察官ではありませんね。だから、これは団結権も保障されているし、労働基本権も保障される。これは間違いないですね。
  142. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 警察職員ではございません。
  143. 神谷信之助

    神谷信之助君 したがって……
  144. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) したがって先生のおっしゃるとおりでございます。
  145. 神谷信之助

    神谷信之助君 その次、浄化協会の財政というか経費、これはどういう予定をなさっていますか。
  146. 古山剛

    説明員(古山剛君) 環境浄化協会が行ういろんな活動についての趣旨に賛同していただく方々からいろんな浄財を仰いで、それで運用していくということになろうかと思います。
  147. 神谷信之助

    神谷信之助君 もうちょっと大きい声でみんなに聞こえるように言ってください。
  148. 古山剛

    説明員(古山剛君) 大変失礼いたしました。  この環境浄化協会の行う活動についていろいろとその趣旨に賛同していただく方々の浄財によって主として運用していくことになろうかと思うわけでございます。ただ、そのほかに公安委員会の委託を受けて行う業務につきましては委託費。
  149. 神谷信之助

    神谷信之助君 委託費なの。手数料じゃなくて委託費なの。どっちなんです。
  150. 古山剛

    説明員(古山剛君) 手数料ではございません。手数料収入そのものは県に歳入で入りまして、その中から委託費として予算を計上して、そして委託するという形になろうかと思いまして、その委託費の中からそういった講習とか調査業務とか、そういうものは運用していくということになるわけでございます。
  151. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、手数料を取って、そしてそれは都道府県に入って、それで別に公安委員会から委託料をもらう、だから、件数が多かったり手数料が余計入っても全部はもらえぬかもわからぬし、それが少のうても一定のものは委託料としてもらえると、こういう関係になるわけですか。
  152. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 当然のことながら、その委託を受ける業務についてどのぐらいの手間がかかるということを積算をいたしまして、こういう業務を一件こなすのにこれだけというような形になって積算をされるものと、こういうふうに考えられます。
  153. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで、これに賛同する者とかいうふうに先ほどおっしゃいましたけれども、浄化協会のここがおかしいのですね。  この防犯協会というものがあるわけで、それでこれが業務遂行能力を持つようになったら指定をするという。だから、現に防犯協会があっても職員が一名ぐらいしかおらぬとか二名ぐらいしかおらぬとかいうのでは仕事にならぬから、五名なら五名の職員ができたと、そうしたらそれを委嘱するわけでしょう。指定するわけだ。それで委嘱したら防犯協会が浄化協会の看板を持つわけだ。それには防犯協会に入っている団体なり個人が既におるわけでしょう。改めて指定されたら防犯協会として会員募集するわけですか、あるいは防犯協会に入っている会員がイコール浄化協会の会員である、こうなるのか、どっちです。
  154. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) あくまでも母体は防犯協会でございますから、防犯協会の会員になるということでございまして、浄化協会という指定を受けて仕事をするというだけでございます。
  155. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから、さっき課長の言ったやっとはちょっと違うんですね。課長のは、何か浄化協会に協力をする者が金を出すみたいな言い方をされたけれども、そうじゃなしに防犯協会に入っている者、防犯協会を指定するのだから、それが会員イコールそのままこっちの会員と、こうなるわけでしょう。  それで、防犯協会に加入している業者団体というか業界というか、一番多いのはどういう業界になりますか。
  156. 古山剛

    説明員(古山剛君) 都道府県の防犯協会の会員といいますのは主としてその地区の防犯協会が会員になっておられるということでございまして、その地区の防犯協会の会員としてはいろいろな業界の方も入っておられるというふうに伺っております。
  157. 神谷信之助

    神谷信之助君 防犯協会に入っている業種別で見ると、遊興関係の業者が多いのじゃないですか。業者団体というか、業者というか。わかりませんか。
  158. 古山剛

    説明員(古山剛君) その辺のところの詳細については私どもはつかんでおりません。確かにその遊技業関係の方も業界として入っているとかあるいは個人として入っておられるとか、あるいはそのほかの業界で旅館関係の方が入っておられるとか、あるいは商店会というような形で個人的に加入しておられるとか、いろいろな形態はあるようでございますが、詳細については、どの辺のところが多いかどうかということはちょっと私どもつかんでおりません。
  159. 神谷信之助

    神谷信之助君 警察白書で見ると遊興施設が圧倒的に多いですね。市町村単位組織数で言えば遊興施設が四百九十八、これは五十七年度の資料で四百九十八、金融機関等が五十二、質屋、古物商等が百二十八、自転車等の販売修理が七十九、危険物販売等が多いですね、これが四百三十一というようにずっとありますが、そこの遊興施設関係というと、今度のこの風俗営業とか風俗関連営業が入っているということになるのですか、入っていないのですか。あるいは今度は入れるのですか。
  160. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 風俗営業関連のような営業が入っているものもあると思います、現状といたしましてですね。関連営業は恐らく少ないと思います。余り聞いておりません、そういうものが入っておるという話は。ただ、例えば旅館業として一体として入っているというようなことはあり得るだろうと思います。  今後どうするかという問題でございますけれども、私どもはそういうふうな形で特別に業態別に働きかけていこうというようなことは考えておらないわけでございまして、特に風俗関連営業につきましては、これはどうも適当でないのじゃないかというふうに考えておるものでございます。
  161. 神谷信之助

    神谷信之助君 しかし、防犯協会は任意団体であって、それに対して警察は干渉はしない。だから、その防犯協会にどの業者が入るかというのは自由じゃないですか。そうすると、今度は風俗関連営業というのは届け出をして警察の取り締まりの対象になる。今までのように野放してはなくなってきた。そうしたら、この際防犯協会に入りましょう。もう防犯協会に入るのは好ましくないと言ったって、これは入るわけです。そうすると、その防犯協会は今度は浄化協会に指定されると、こうなるのです。だから、好ましくないということで防犯協会の加入は規制をする、風俗関連営業まかりならぬ、こういうことにきちっとされるのかどうか。そこのところをはっきりしてください。
  162. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) これは私どもが一律に指導をするというわけにはならない問題だと思います。それぞれ定款があり、会員の取り決めがあるわけでございますから、それぞれ自主的に御判断をいただくというものであろうと、こういうふうに思いますけれども、やはり防犯協会は公益法人になっていただくべきものでございますから、しかも、そういうもので初めて浄化協会として指定をしよう、こういうものでございますから、そういう公益的な目的に合致するかどうかということはやはり自主的に御判断をいただくということになってくるのではないかと思います。その場合にどういうふうな会員に入っていただくのがいいのかということもやはり十分検討されていくべきものと、こういうふうに考えておるところでございます。
  163. 神谷信之助

    神谷信之助君 そこで、そうすると防犯協会は会員の会費と、それから寄附金と、それから地方公共団体の補助金、大体それで財政をやっていますね。その防犯協会が、同僚議員も言いましたように、東京のように年間一億五千万円前後の予算を持っているところもあれば、二百万円ぐらいの予算しかない防犯協会もある。二百万ぐらいで職員数も少ない状況では、これはやってもらえない。だから、これはそういう業務遂行能力を持つまで待つのである。業務遂行能力ができるまで待つと言うのだけれども、その業務の内容というのは今まで警察がやっていたことだ。それを今度下請さすわけでしょう。今まで警察のやっていた仕事を協会にやらすわけです。警察はただでやらすわけだ。  そうすると、防犯協会がそういう能力を持つようにしようと思うたら、会員をふやし会費をふやし寄附を集める、あるいは地方公共団体からの補助をふやしてもらうと、こういうことになってくる。警察は自分たちが今までやっている仕事を下請にさせるけれども、その財政保障はしませんよ、おまえらの会費でやりなさいよ、楽者団体で集めなさいよと、こういうことになってくるわけね。これは一体どういうことなんだろうかと私は思うんです。例えば二百万ぐらいしか年間予算を持っていないそういうところでは能力がない、困る、もっとふやしてくれ――職員が倍要るとかどうとかになってくるでしょう、今までの防犯協会の仕事以外に浄化協会の仕事がふえるのだから。その辺はどういうようにお考えなんですか。
  164. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 今まで防犯協会が全部警察の下請をやっていたというものではないと思いますびこういうふうな業務は、やれているものもあればやれていないものもあるということであろうと思います。それから、委託の業務みたいなものは、もともと直轄で警察職員等がやっておったということはあるわけでございます。  いずれにいたしましても、業務はいろいろなものがあるわけでございますが、こういうふうな風俗環境浄化という問題に国民の皆様から御理解をいただいて、そうして必要な浄財を集めていくということをやっていくわけでございまして、やはりこういうふうな運動活動というものに賛同をいただく国民の方々はかなりあるというふうに私どもは考えておるわけでございます。  さらに防犯協会は、先ほどお話のように、都道府県単位のものというのは、どっちかといいますと各警察署単位あるいは市区町村単位に置かれております防犯協会の連絡調整役というような立場から、必ずしも体制が充実していないものもございますけれども、その市区町村あるいは警察署単位のものを含めて考えますと、非常に大きな形で仕事をしておるというところがあるわけでございます。そういう意味で、必要なものにつきましてはそういう地区の防犯協会にもいろいろ協力を願うということもあり得るわけでございまして、そういうものと相まって、私は防犯協会がそういう浄化のための活動に向けて体制を強化していくということは可能であろうと、こういうふうに考えておるものでございます。
  165. 神谷信之助

    神谷信之助君 実態が一体どうなのか、私は京都の府警本部にうちの府会議員にいろいろ聞かしたのですよ。わからぬと言うのですね、京都府の防犯協会連合会は。だから、各署にあるのだから各署に行って聞いてみいと言って、それで聞いた。なかなか言わない、予算がどのくらいだ、会費はどうなっているのだ、役員はどういう人だ、どんな活動をなさっているのだと。警察は、私は知りませんと。だから本当に一体やれるのかやれないのか、防犯協会の実態がどうなのかというのはなかなか言わぬ。しかし、警察白書には総括的に出ていますね、先ほど言いましたように。実際の現場では一体どうなっているんだというのはなかなか言わぬのだ。それはどうしてですか。
  166. 古山剛

    説明員(古山剛君) 先ほど先生がおっしゃいました遊興施設が非常に多いとかというような、そういうお話ございましたけれども、これは職域防犯団体の結成状況の資料ではないかと思うわけでございます。したがいまして、これは防犯協会の会員になっているということとはまた別の問題でございます。  それから、各県の防犯協会の体制が弱いということで、できるのかという御懸念でございますけれども、手弁当で働いていただいているというような、そういう篤志家の方を除きましても、地区の防犯協会の職員等も含めますと一県平均十人ぐらいというふうなことで、かなりの体制もございますし、こういった方々に対しまして、地域ごとの業務をやっていただくために例えばそういう人たちにお願いするということになれば、風俗環境浄化のための事業もかなり適正に行い得る陣容が整うというふうに考えている次第でございます。
  167. 神谷信之助

    神谷信之助君 こればかりやっているわけにいかぬのですが、いずれにしても、他の行政官庁がそれぞれの業界団体に寄附の要請をする、あるいは協力要請するというと、やっぱりそれなりにこわもてしますから、にらまれないようにというので適当に協力する。まして警察が後ろについている防犯協会やあるいは今度の浄化協会、こういうことになると、ますますそういう点で、強制はしていませんとは言いながら、自発的寄附でございますと言いながら、実際は出さざるを得ないというような状況が今までも生まれてきているし、そういう苦情というのは我々もよく聞いているわけです。だから、その点はひとつ十分配慮して慎重にやってもらいたいということだけ申し上げておきます。  それで、風俗営業の許可の申請が物すごく厳しいという問題が現行であるのです。同僚議員からもありましたが、例の構造のことは建築基準法に基づくものではなしに内のりでやりますから別のものをつくらなきゃいかぬ。それもぴしっとつくらなきゃいかぬし、それから付近の見取り図というのも、単に近所に学校とか病院とか、そういうものがあるかどうかというそのことが一つの許可基準になりますから、そのために必要な見取り図を出すのだけれども、それは何百分の一でないといかぬ、それもぴしっとしてなきゃいかぬ、単なる見取り図ではだめだと突っ返されちゃう。それで、それ全部をいろいろそろえると大分分厚い書類になりますが、ちゃんとこよりでとじて、そして端がちゃんとそろっていなければ突っ返される。これが今の現状なんですよ、京都の場合。よそもそうだと思う。  それで、こんなのはいかぬと特定の行政書士を警察に推薦される。そこへ頼んだらすっといくわけです。それ以外の行政書士の人だったらどうのこうのといちゃもんをつけられる。これで二十数万円かかるのですよ。そこの行政書士へ行くと二十万円以上かかるんですね。安いところ、高いところありますけれども、十万円前後から、そういう意味では二十数万円取られるところもある。業者に聞いてみたら、そうすると同じ人を指名されて、それでやっているという状態なんですよ。  だから、これ今度は、深夜営業の場合、届けをせにゃいかぬでしょう。届けを同じようにやりますと、構造その他いろいろ問題が出てくる。そういう現在やっている許可手続の簡素化といいますか、それは私ひとつ努力してもらいたいし、今度新たに深夜営業の届けをせにゃいかぬということになった場合に、同じようなそういう業者泣かせというか、弱い者いじめにならぬように考えてもらいたいと思うのですが、この点はいかがですか。
  168. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 一部の県におきましてそういうふうな許可手続が非常に煩瑣であるという声を私どもも耳にしたことがございます。そういうことであってはならないということでございまして、実はこの法案をつくるに当たりましても、やはりできる限り簡素にできるものは簡素にしていこうというふうに考えてつくっておるつもりでございます。そういうことで、五条の「許可の手続及び許可証」につきましても、従来と異なりまして、準備するものにつきましても営業所の構造及び設備の概要でいいというようなことにもしておるわけでございます。同じように、深夜飲食店の届け出につきましてもできる限り簡素なものにしようという形で、必要な書類を限定をして二十七条で書いておるということでございまして、私ども先生のおっしゃる点、御趣旨を十分体しまして、できる限り簡素な形でいけるように努めてまいりたい、かように考えております。
  169. 神谷信之助

    神谷信之助君 次は、セックス産業の問題ですが、先ほど同僚議員の質問で、既存の風俗関連営業でも新築、移築、増築、これはもうだめ、新規になる。功に営む者には入らないということになりましたが、そういうことでいって、現存の例えば端的に言って新宿の歌舞伎町というのがこの法律が成立すればどのように取り締まることができるか、どのくらいの時期にどのような状況で清浄化といいますか、というのがつくれるのか、この辺はどうですか。
  170. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 非常に難しい御質問でございまして、今後の見通しということになりますとなかなか難しいわけでございます。そもそも現状が必ずしもよくわからないという面があるわけでございまして、そういうことで今度はいろいろ御議論ございましたけれども、届け出をさして実態を把握しよう、こういうことにしておるわけでございます。そういうことで実態を把握し、そうしてあそこにありますような年少者の従業規制、立ち入り規制を行い、また必要な地域規制というものをやっていく、あるいはそこで違反があれば営業の廃止命令までかけていくというような形のことでこの法律を精いっぱい運用する。それで、さらにこの法律のほかに関連の売春防止法なり児童福祉法なり職業安定法なりという、そういう関連の法律をやはり駆使いたしまして、そうしてその効果を上げてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  歌舞伎町の状況なんというのは日々変化をしておるような状況でございまして、現状ではかなりの人員を投入して連日取り締まっておりましてもなかなかやっぱり完全にいかないわけでございますが、今度の法律をお認めいただいて、関連法令と関連してやりますれば、どれだけということはなかなか定量的にはかるわけにいきませんけれども、かなりの効果を上げることができるというふうに確信をしておるところでございます。
  171. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう一つ聞いておきますが、雄琴のような状態、あれは今度の改正で変化は起こりますか。
  172. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) ああいう雄琴のような地域をどう扱うかという問題との兼ね合いがあると思います。現在は、あの地域は地域規制がかかってないわけでございますから、それを県の方と御相談して、ああいうものに対してどういうスタンスで臨むかということがまず第一番目にあろうと思います。そういう地域規制の問題が別途あるわけでございますが、それを除きましても、現実にいろいろな形での先ほど言いました年少者規制、従業規制あるいは客引き、そういうふうな行為もかなりあるわけでございます。それから、そこでのいろいろな違反というものも当然のことながら、かなりあるはずでございます。現にやっておりますけれども、さらにそういうふうな現行法と、それからお認めいただけますれば改正法案とあわせて駆使することによりまして、もちろん今申しましたように前提があるわけでございますが、そういうことによりましてかなりの効果を上げることができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  173. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう時間がありませんので、次は接待、遊興の解釈の問題。これは前回も大分やりましたので、もう時間もないのでそれほどやり合おうとは思いませんが、ただ、今度の改正で接待の定義というのを明確にした。だから、従来は法定されていなかったのですから、その面では接待の中身が一面はっきりしたように見える。それから、幾つかの判例も出てきております。ただ、私は警察庁でもひとつ考えてもらいたいと思うのは、風俗営業と料飲業者との線引きを接待という定義でやるのが現在の風俗環境の中で適当かどうかという点なんです。先ほど同僚議員の話にもありましたが、「歓楽的雰囲気を醸し出す方法」というやつを、例えば「著しく」という言葉を入れれば、これは保安部長もおっしゃるように、新しくもう一遍定義を考えなきゃならぬ、どういう範囲を超えれば著しくなるかということをですね。だから、確かに苦労は要ると思うのだけれども、この点をひとつ考えてみる必要があるのじゃないのか。  前個も言いましたように、母子家庭なり、あるいは夫婦で、あるいは一人か二人従業員を雇って、そうしてやっている零細な業者が非常に多い料飲業ですね。そこにしばしば入ってくるというのは大変なことだ。立ち入りされる、そこで文句を言うたら、生意気だということで余計に目をつけられるという。だから、泣く子と地頭にはかなわぬと、こうなって辛抱せざるを得ぬという状態が続いているわけですよ。これは決して好ましいことではない。そういう状況というのはなくしていかなければいかぬだろう。そこに今やはり過当競争の中でサービス競争を強いられて、そして一人でも多くのお客さんに来てもらうということなしには営業が成り立たない、生活が成り立たないという現状があるわけですから、この辺はひとつ十分に配慮して具体的執行にかかってもらいたいというふうに思います。  同時に、未成年者であるかどうかというのは、業者に対して「未成年者への酒類、たばこの提供禁止は、これで年齢の確認の義務まで課すものではない」というように農水省との覚書にあります。だから、業者自身がお客に聞かなければならない、たださなければならぬというその義務を課しているわけではない。話の中でわかる場合もあるでしょうけれども、そういうことと同時に今度は、警察官が立ち入りをして客にみだりに質問をするということ、これはできるだけみだりにはいたしませんということになると思うのだけれども、その場合、未成年者の客であるかどうかということを警察官が確認をするというようなことを立ち入りの際に行うのかどうか。この辺はどういうふうになりますか。
  174. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) いろいろお話ございました。  接待の基準は、「著しく」ということになりますと、これは非常に量的な問題で、かえって不明確になるということがございますので、難しいかと思いますけれども、できる限り明確な基準を設けて、第一線が迷わないように指導をしてまいりたい、かように思います。  それから、年齢の確認の問題と立ち入りのお話が出ましたが、これは私どもが立ち入りで行いますのは、やはり営業者なり従業員というものに対してのいろいろな質疑等でございまして、そこに立ち入っている客に対しましては、私どもはこの立ち入りの運用としてはやるべきではないというふうに考えております。例えば非常に明らかに未成年者だということがわかっておるということがありますれば、営業者なり従業員に対して、どういうふうに確認しているのか、一度お客さんに聞いてみなさいというような形で運用していくのが望ましいのではないか。かように考えております。
  175. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  176. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認めます。  本案の修正について神谷信之助君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。神谷君。
  177. 神谷信之助

    神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の風俗営業等取締法の一部を改正する法律案に対する修正案の提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  今回提出されました政府案は、従来風俗営業等取締法規制対象外であった各種セックス産業を初めて規制対象に取り入れてはおりますが、この改正案では性の商品化、環境破壊と非行の温床となっているセックス産業のはんらんに対する国民の厳しい批判にこたえ、実効ある規制を期待することができないのであります。しかも他方では、衆議院で修正が加えられたとはいえ、依然として残る「接待」や「遊興」の解釈と相まった警察官の立ち入り権限乱用のおそれなど、行政警察権拡大が行われているのであります。また、本法のそもそもの立法趣旨を踏み越えて、青少年健全育成と称した警察主導型の青少年対策をも強行しようとしているなど、容認することのできない点が少なくありません。  我が党の修正案は、セックス産業等に対する規制効果が十分上がるように政府案の不十分な点を改善するとともに、人権侵害につながる警察権限拡大の部分は削除することとしております。  以下、概要を御説明申し上げます。  第一は、目的条項の新設は、清浄な風俗環境、青少年健全育成、業務の適正化の名のもとに行政警察権を不当に拡大強化することとなるため、目的条項は削除し、法の目的を防犯に限定することといたしております。  第二は、善良な風俗環境を守るための地域規制につきましては、住民に最も身近で町づくりに責任を負う市町村条例にゆだねることによって、住民の正しい意見を反映できる措置を講じることといたしております。  また、風俗関連営業の時間規制の上乗せ措置を、風俗営業と同様に都道府県条例にゆだねることにしております。  第三は、既にはんらんしておりますセックス産業などの既存唐につきましても、現状を改善するために、市町村条例で業種と地域を限定して適用できることにいたしております。  第四は、深夜における飲食店営業に対する規制現行どおり都道府県の条例にゆだね、一律に行わないこととし、「接待」の定義も厳格にするなど、一般営業者の正当な権利を守る措置を講ずることといたしております。  第五は、立ち入りの規定現行に戻し、従業者名簿の規定、公安委員会の指示権の規定などを削除することとしております。  また、風俗関連営業の業種の指定に関する政令委任事項を削除し、ノーパン喫茶、個室マッサージを法規制するための措置をとっております。  第六は、風俗環境浄化協会、少年指導委員規定は、警察の責任で行うべき行政を民間に下請させ、警察主導型の青少年対策を強化するものであり、削除することといたしております。  以上が修正案の概要でありますが、何とぞ慎重審議の上、御賛同くださるようお願い申し上げて説明といたします。
  178. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
  179. 佐藤三吾

    ○佐藤三吾君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました風俗営業等取締法の一部を改正する法律案につきまして反対の討論を行うものであります。  本案につきましては、既に本院並びに衆議院における審議の中で問題点の多くが指摘され、また、それに対する政府答弁は紆余曲折をきわめ、混乱に満ちたものでありました。  私は、かかる立法体系上の構造的欠陥を持つ法案を政府が国会に提出したことに対し、まことに憤りを感じます。本院におきましては、特に十二名の参考人の方々が意見を開陳されておられますが、参考人の多くの方も同様の感想を表明されておられます。  以下、その重大と思われる問題点のみを指摘いたしたいと考えますが、その大前提は、政府の国会審議に臨む姿勢の問題であります。本案については、現行八条の法律を五十一カ条として、さらに七十七カ所の政令、規則への委任箇所が含まれておりますが、政府は衆議院審議においてこの下位法令への委任事項の内容の提出を求められたにもかかわらず、極めて不十分なものしか提示せず、本院においても、ようやくその多くを明らかにいたしましたが、いまだ不明確な部分を残しております。かかる法文を読んでも不明解、予定政令を読んでもなお不明解という、国権の最高機関たる立法府の審議を軽視した法案は例を見ず、まことに遺憾と言わざるを得ません。  第二に、これも本院で明らかにされた点でありますが、本案の作成過程においては、警察庁と厚生省、通産省、建設省等との間に覚書が交わされております。これにつきましても我が党が具体的に指摘するまで全くこれを秘匿し、再三の要求でようやくこれを明らかにするという不見識きわまりない態度を示しました。  さらに、衆議院におきまして政府原案は三項目の修正が行われましたが、このうち、営業所の管理者、警察官の立ち入りに関する修正につきましては極めて不十分ではありながら、原案と比較しますと改善されていると評価するものであります。しかしながら、本院における修正条項の質疑において警察庁は、修正趣旨を曲解し、何ら実質上変更なきかの答弁を重ね、これも公安委員長の答弁でようやく修正趣旨を尊重する旨の表明があり、一応の改善であることが確認された次第であります。  以上に見られますように、警察庁の姿勢は、国会軽視、陰湿きわまりなく、ひたすらみずからの権力と影響力の拡大のみを追求する企図が露骨にあらわれております。  また、審議の過程におきまして、少年指導委員制度風俗環境浄化協会、風俗営業における許可制と風俗関連営業における届け出制等につきましても矛盾百出し、政府は整合性ある答弁を行うに至っておりません。再三にわたる警察官の不祥事、元警察幹部の内部告発についてもひたすら事実と原因の解明を回避し、みずからその体質の改善を追求しようとはいたしておりません。  私は、このような不十分きわまりない審議状況においてここに本案が採決されるに至ったことは、国会の職責を全うせず、国民に対する背徳であるとすら考え、極めて不満であります。  我が党は、委員各位に対し、本案及び警察問題につきましては、さらにその問題点についての調査、解明を進め、可及的速やかに再改正を図るべきであることを御提案申し上げたいと考えます。  日本社会党は、本案が危険きわまりないものであり、本案の施行が少年の健全な育成に何ら貸せず、警察権力の肥大化のみに帰結するおそれが大であることを改めて指摘し、反対の態度を貫くことを表則して、討論を終わりたいと思います。  なお、共産党の修正案は大幅な改善ではありますが、風俗営業と関連営業との関係など改正法が持つ法体系の不備を補っていないので同意できないことをつけ加えさせていただきます。  以上です。
  180. 三治重信

    ○三治重信君 私は、民社党・国民連合を代表して、風俗営業等取締法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。  青少年非行は連続四年にわたり記録を更新し続け、また、大人少年少女を食い物にする児童福祉に反する犯罪も戦後最悪の記録を樹立するに至っております。その大きな要因の一つに、あからさまに性を売り物にする性産業の野放し同然のはんらんがあることは、紛れもない事実であります。また、これら産業のはんらんが地域環境の悪化を招いており、その改善が急がれているのであります。  このような状況を背景として、年少者の保護と善良な風俗保持基本目標として、野放しの性産業に法の網をかぶせることを主たる目的とする今回の改正は、部分的には不十分な点はあるとしても、全体としては適切であり、我々はこれを率直に評価するものであります。  しかしながら、法改正に便乗する形で警察権力の肥大化を図ったり、企業の営業の自主性を著しく損うごとき規定を盛り込むことは許されません。この点、衆議院において、警察職員の帳簿、書類等の検査及び関係者の質問の条項を削除し、現行法規定に即して整備する及び管理者の指導に対する風俗営業者の遵守義務を尊重に変える、また、公安委員会による管理者の解任命令を勧告に変えるというように原案を修正したことは、まことに当を得た適切な措置であり、高く評価すべきであります。また、青少年非行防止の立場から、非行少年の巣窟となっているゲームセンターへの年少者の立ち入り時間を条例により午後十時以前に制限することとしたことは、まさに適切な措置でありました。  以上、私は本法案に対する主たる賛成理由を申し上げました。しかしながら、青少年健全育成及び善良の風俗保持を図るためには、今回の改正のような取り締まりという法律にゆだねるだけでは甚だ不十分であります。自分さえよければ、もうかりさえすれば何をしてもよいという社会風潮を是正し、健全な社会道徳を確立するとともに、教育のゆがみを正し、青少年のあふれるエネルギーを健全な方向に発揮させる措置があわせて講じられなければなりません。それこそ我々大人の責任であり、政治に課せられた使命であります。  私は、政府に対し、今回の法改正で事足れりとするのではなく、将来の我が国を担う青少年健全育成のため、諸般の問題解決のため全力を挙げて取り組まれることを強く要望して、本法案に対する賛成の討論を終わります。  なお、共産党の修正案には反対であることをつけ加えておきます。
  181. 神谷信之助

    神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提案の風俗営業等取締法の一部改正案に反対、我が党提出の修正案に賛成の討論を行います。  反対理由の第一は、性犯罪の予防や有害環境規制などに名をかりた行政警察権の拡大の問題であります。  この改正案は、新たに法の目的条項を規定し、取り締まりだけでなく、風俗営業健全育成をもこの法の目的に取り込み、従来の法律違反の取り締まりに限っていた警察活動を拡大して、合法的な風俗営業に対しても警察が積極的に行政指導に乗り出すこととしています。  警察権限の拡大で問題となった警察職員の立ち入り、質問、検査権についても、衆議院における修正案で質問、検査権が削られたとはいえ、風俗営業範囲の拡大、風俗関連営業の新設により、立ち入り対象が大きく拡大されるのであります。さらに、公安委員会の指示に違反すれば行政処分、行政処分に違反すれば刑罰に結びつく仕組み、「接待」や「補導」などに見るあいまいな規定と、その判断の政令、規則等の下位法令への委任等々と相まって、行政警察権の拡大が図られているのであります。  この委員会審議の中でも、私は、スナックなどの料理飲食業者が、「接待」の定義の解釈と適用次第で風俗営業とされ、警察職員の立ち入り対象となり、あるいは料飲税の免税が適用されず、公的融資にも支障を生ずるなど営業困難をもたらす心配があることを指摘し、スナックなどで、談笑しながら酒を飲む、飲ませることがなぜ警察規制対象となるのかとただしました。しかし、警察は明確な答弁ができなかったではありませんか。  こうした国民生活に対する警察権力の介入こそ厳に慎しむべきものであります。本来、警察権の行使は必要最小限のものでなければなりません。憲法が警察権の行使を厳格に規定しているのは、国民の権利と自由を保持する上で、物理的強制力を持つ警察権の乱用を戒めるためにほかなりません。  この改正案は、こうした憲法の趣旨に反し、警察による国民生活への全面的な介入に道を開くものであり、断じて認めることのできないものであります。  反対理由の第二は、青少年健全育成と称して、警察主導型の青少年対策を強化することであります。  本来、少年非行は、社会の病理を根源とするものであるとともに、子供の成長過程から生じるゆがみであり、それゆえに少年非行については刑罰中心ではなく、教育、保護を優先すべきことは、我が国においても少年法体系に見られるところであり、これが国際的な潮流の基本でもあります。  ところが、近来、警察は早期発見、早期予防をかけ声として、学校警察連絡協議会とか少年補導員、少年警察協助員など警察主導型の少年非行防止網を張りめぐらせてきています。こうした中で、生徒の名簿や写真の提出、名簿による生徒の誤認連行、テニス部会負の指紋採取、理職警察官地方自治体教育部門への出向、派遣等の弊害が生じていることは、この委員会でも指摘したところであり、教育上からも、人権擁護の上からも問題があると文部省、法務省も認めているところであります。  少年指導委員制度風俗環境浄化協会の新設は、こうした警察活動の下請機関をつくるものであり、警察主導型のもとでは、一般の健全な少年補導対象とされ、善意国民や業者が取り締まりの対象とされる危険も強いのであります。浄化協会と指定される防犯協会の実態については、本委員会審議でも明らかになりませんでした。このような状況で浄化協会の新設をどうして認めることができるでしょうか。  反対理由の第三は、セックス産業に対する実効ある規制が期待できないことであります。  近年増大する青少年非行問題の解決は、日本の将来を託す後継者を健全に育成できるかどうかにかかわる重大な問題であります。とりわけ、性を商品化するセックス産業のはんらんは、人格、人権の否定とともに、環境破壊と非行の温床となっており、国民から厳しい批判が高まっています。  したがって、法律改正に当たっては、当然この国民の批判が正しく反映されなければならないことは言うまでもありません。  ところが、今回の改正案は、こうした期待にこたえるものとはなっていないのであります。  セックス産業などの規制に対して強く望まれているのは地域規制でありますが、それは、住民に最も身近で住民の声が反映しやすい市町村が主体となってこそ、初めてきめ細かい規制が講じられるのでありますが、改正案では何らその措置が講じられていません。  さらに、現に営業しているものについても変更の措置が講じられなければ環境改善には役立たないことになりますが、それもないのであります。これでは、事実上セックス産業を野放しにする結果となることは明白であります。  以上が、政府案に反対する主な理由であります。  我が党提出の修正案は、政府案に見られる風俗営業風俗関連営業規制に名をかりた少年補導、飲食店営業に対する規制を削除して、警察権限の不当な拡大を防ぐ一方、地域規制については、住民に最も身近で町づくりに責任を負う市町村条例にゆだねることとして、既存の営業についても適用が及ぶとするなど、セックス産業に対する規制効果が十分上がる措置を内容としています。  この内容こそが、はんらんするセックス産業の規制を求める国民の期待にこたえ得るものと確信するものであります。  以上で討論を終わります。
  182. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  183. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより風俗営業等取締法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、神谷君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  184. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 少数と認めます。よって、神谷君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  185. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  186. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  187. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 真鍋賢二君から発言を求められておりますので、これを許します。真鍋君。
  188. 真鍋賢二

    ○真鍋賢二君 私は、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各会派共同提案による風俗営業規制等改善対策確立に関する決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     風俗営業規制等改善対策確立に関する決議(案)  風俗営業等取締法の一部を改正する法律案(以下、本法)は、最近における少年非行の増大と風俗環境の変化という実情にかんがみ、あからさまに性を売りものにした産業等の規制をはじめ規定整備を行おうとするものであるが、本委員会としては、審議経過にかんがみ国民基本的人権警察責務との関係及び法形式等について継続的に調査、検討を行うものとする。  政府においても法の運用に当たって慎重を期するとともに、所要の再検討を加えるべきである。  なお、本法の施行に当たっては、政府は、次の諸点について善処すべきである。  一 少年の健全な保護育成は、家庭、学校社会教育充実基本施策とし、当面する少年非行の防止に当たっては、関係機関協力を緊密にし、総合的科学的調査の上有効な対策を確立するとともに、現下の世相にかんがみ、性病の予防及び売春の防止についても更に徹底を期すること。  二 本法運用に当たっては、職権の濫用をいましめるとともに、表現の自由、営業の自由等憲法で保障されている基本的人権を侵害することのないよう慎重に配慮すること。  三 風俗営業者への指導に当たっては、営業の自由を最大限尊重するとともに、管理者制度については、営業の自主性を損うことのないように、また、営業者の立場を尊重して特に慎重に運用すること。  四 「接待」の意義については、社会通念上風俗営業と認められるものについて、具体的に明確な基準を定め、恣意的な業態変更とならないよう都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること。  五 ぱちんこ屋など七号営業にかかる許可の更新期間については、他の営業との整合を図るよう速かに措置するとともに、ゲーム機の規制の在り方について引き続き検討すること。  六 遊技機の技術革新が著しい現状にかんがみ、技術上の規格の検討に際しては、学識経験者及び業界代表等第三者の意見を聴取して尊重し、機械の画一化を招いたり、時代のニーズにマッチした技術開発を遅滞させることのないよう運用に特段の配慮をすること。  七 広告及び宣伝の規制に当たっては、公正かつ効果的に行われるようその基準の明確化を図り、都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること。  八 風俗関連営業については、売春防止法等に基づき今後とも有効適切な取締りに努めるとともに、これらの法の網を逃れる脱法的な形態の営業についても違反の取締りを強化すること。なお、あからさまに性を売りものにし、人間の尊厳を傷つける営業及び行為については公共の立場からこれを厳しく規制し、現に届け出して営む風俗関連営業についてもその実効を確保すること。  九 本法に基づく政令等の制定及び本法運用に当たっては、風俗環境の改善等に関する事項が、本来地方公共団体基本事務であるごとにも配意し、また、研究会等を設置して、広く各界の意見を聞くこと等により、法の運用に誤りなきを期すこと。 十 警察職員の立入りに当たっては、次の点に留意して、いやしくも職権の濫用や正当に営業している者に無用の負担をかけることのないよう適正に運用すべきであり、その旨都道府県警察の第一線に至るまで周知徹底すること。  1 立入りの行使はできる限り避けることとし、なるべく公安委員会が求める報告又は資料の提出によって済ませるものとする。また、当該報告又は資料の要求に当たっては、今回の法改正趣旨にかんがみ、風俗関連営業規制目的に重点を置いて行うべきものであり、特に風俗営業については、その内容、種類及び回数について基準を明らかにし、行政上の指導、監督、助長のため必要最小限度のものに限定すべきであって、犯罪捜査の目的や他の行政目的のためにこの規定を用いてはならないものとする。従って、正当に営業している者に無用の負担をかけることのないように適正に運用すべきであるとともに、本法運用関係のない経理帳簿等を提出させることのないようにすべきである。  2 立入りは、都道府県公安委員会の判断により行い、その結果は必ず上司に報告することとし、立入りの行使に際しては、本法の指導に当たる旨を明示する特別の証明書を提示すること。  十一 少年指導委員は、現在地方公共団体に置かれている少年補導委員等と同様、その活動は何ら強制力を伴わず、また少年犯罪を摘発するものではなく、あくまでも任意に風俗営業等に係る有害環境から少年を守るもので、少年の人権を尊重しその健全育成に寄与するものであることを周知徹底すること。  十二 風俗環境浄化協会は、営業に関与するものではなく、民間における環境浄化の機運を一層盛り上げるためにあくまで啓発活動専任意的な活動を行う趣旨のものであるので、指定に当たっては、この趣旨に沿い基準を明確にし、また、その運営については、警察の関与を避け、業界の協力は自主的なものとし、関係業界からの寄附は求めないこと。また、行政書士等の権限を一切侵すことのないよう配慮すること。  右決議する。  以上でございます。
  189. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) ただいまの真鍋君提出の決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕
  190. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田川国家公安委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。田川国家公安委員会委員長
  191. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) ただいまの決議の御趣旨を十分尊重いたしまして法律運用してまいる所存でございます。     ―――――――――――――
  192. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 小委員会設置に関する件を議題といたします。  ただいまの決議に基づきまして、風俗営業等に関する制度及び運用について調査検討するため、小委員六名から成る風俗営業等に関する小委員会設置することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  193. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認めます。  つきましては、小委員及び小委員長の選任は、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  194. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、小委員に岩上二郎君、真鍋賢二君、志苫裕君、原田立君、神谷信之助君及び三治重信君を指名いたします。  また、小委員長に岩上二郎君を指名いたします。  なお、小委員及び小委員長辞任の許可及びその補欠選任、並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  195. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  196. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府から趣旨説明を聴取いたします。田川自治大臣。
  197. 田川誠一

    国務大臣田川誠一君) ただいま議題となりました地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由とその趣旨につきまして御説明申し上げます。  この法律改正につきましては、日本専売公社及び日本電信電話公社の経営形態の変更並びにたばこ事業法及び電気通信事業法の制定に伴い、道府県たばこ消費税及び市町村たばこ消費税についてたぱこ専売制度改革対応した改正を行うとともに、これらの公社に係る固定資産税等の非課税措置及び公社有資産所在市町村納付金等に係る制度を廃止し、あわせて日本たばこ産業株式会社が行う塩専売事業に係る固定資産税の課税標準の特例措置を講ずるとともに、日本電信電話株式会社に対し日本電信電話公社から出資される一定の償却資産に係る固定資産税の課税標準の特例措置等を講ずることとするほか、所要の規定整備を図る必要があります。  以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。  次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。  第一は、地方税法改正に関する事項であります。  その一は、道府県たばこ消費税及び市町村たばこ消費税についての改正であります。  これらのたばこ消費税につきましては、従来の制度基本的枠組みを維持しつつ、たばこ専売制度改革対応した改正を行うこととし、日本たばこ産業株式会社、特定販売業者及び卸売販売業者が小売販売業者に売り渡す製造たばこに対し、従価割額及び従量割額の合算額によって、小売販売業者の営業所所在の道府県及び市町村において課することといたしております。  その二は、不動産取得税についての改正であります。  不動産取得税につきましては、塩専売事業が維持され、日本たばこ産業株式会社がこれを行うこととされることにかんがみ、日本たばこ産業株式会社が直接塩専売事業に係る業務の用に供する一定の不動産の取得について非課税措置を講ずることといたしております。  その三は、固定資産税についての改正であります。  固定資産税につきましては、日本たばこ産業株式会社が所有し、直接塩専売事業に係る業務の用に供する一定の固定資産に係る課税標準の特例措置を講ずることとするほか、日本電信電話株式会社に対し日本電信電話公社から出資される償却資産のうち基幹的な設備について、一定の期間、課税標準の特例措置を講ずることといたしております。  その四は、特別土地保有税についての改正であります。  特別土地保有税につきましては、日本たばこ産業株式会社が直接塩専売事業に係る業務の用に供する一定の土地またはその取得について非課税措置を講ずることといたしております。  その五は、事業所税についての改正であります。  事業所税につきましては、日本たばこ産業株式会社が直接塩専売事業に係る業務の用に供する一定の施設について非課税措置を講ずるとともに、専ら公衆のために第一種電気通信事業を営む一定の者が当該第一種電気通信事業の用に供する施設について非課税措置を講ずるほか、日本たばこ産業株式会社が直接葉たばこの貯蔵の用に供する施設について、一定の期間、資産割につき課税標準の特例措置を講ずることといたしております。  第二は、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律改正に関する事項であります。  公社有資産所在市町村納付金及び公社有資産所在都道府県納付金につきましては、日本専売公社及び日本電信電話公社の解散によりこれらの公社がその適用対象外となることに伴い、所要の規定整備を行うことといたしております。  以上が、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  198. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 本案に対する質疑は後日に譲りたいと存じます。     ―――――――――――――
  199. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 次に、請願の審査を行います。  第一一号地方自治機能充実、強化に関する請願外二百十三件を議題といたします。  まず、理事会において協議いたしました結果につきまして、専門員から簡単に報告いたさせます。高池専門員。
  200. 高池忠和

    ○専門員(高池忠和君) 理事会における協議の結果について御報告いたします。  お手元の資料に基づき順次申し上げます。  一ページの請願第一一号地方自治機能充実、 強化に関する請願は、請願項目のうち一から七まで採択、八及び九は保留。同じ一ページの第三一五号住居表示に関する法律改正に関する請願は、全体の趣旨としては賛成であるということで採択。四ぺ-ジの第二一六〇号地方財政確立に関する請願は、請願項目一から六までのうち、六の2及び3に関する部分は保留とし、その他は採択。六ページの第九四五九号地方財政対策に関する請願は採択。同じページの第九五八九号昭和六十年度地方財政対策等に関する請願は、請願項目一及び二は採択、三は保留。以上の請願を除くその他の請願は保留。  理事会におきましては、付託請願について以上のとおり決定すべきものとの協議結果でありました。  以上、御報告いたします。
  201. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) それでは、理事会において協議いたしましたとおり、第三一五号住居表示に関する請願外一件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第一一号地方自治機能充実、強化に関する請願外二件につきましては、専門員の説明のとおり意見書を付して議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付することを要するものとし、第二二号料理飲食等消費税の一部の交付金制度に関する請願外二百八件は保留と決定することに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  202. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  203. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  明日の委員会は午前十一時に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十七分散会      ―――――・―――――