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1984-07-24 第101回国会 参議院 地方行政委員会 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年七月二十四日(火曜日)    午前十時九分開会     —————————————    委員異動  七月二十日     辞任         補欠選任      高杉 廸忠君     秋山 長造君  七月二十四日     辞任         補欠選任      中野  明君     刈田 貞子君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長        大河原太一郎君     理 事                 岩上 二郎君                 真鍋 賢二君                 志苫  裕君                 三治 重信君     委 員                 井上  孝君                 加藤 武徳君                 上條 勝久君                 古賀雷四郎君                 出口 廣光君                 松浦  功君                 吉川 芳男君                 秋山 長造君                 佐藤 三吾君                 寺田 熊雄君                 刈田 貞子君                 原田  立君                 神谷信之助君    衆議院議員        修正案提出者   小澤  潔君        修正案提出者   草野  威君        修正案提出者   岡田 正勝君    国務大臣        国 務 大 臣        (国家公安委員        会委員長)    田川 誠一君    政府委員        警察庁長官    三井  脩君        警察庁長官官房        長        太田 壽郎君        警察庁長官官房        審議官      福島 静雄君        警察庁刑事局保        安部長      鈴木 良一君        自治政務次官   伊藤 公介君        自治大臣官房審        議官       土田 栄作君        自治省行政局公        務員部長     中島 忠能君        自治省財政局長  花岡 圭三君        自治省税務局長  矢野浩一郎君    事務局側        常任委員会専門        員        高池 忠和君    説明員        警察庁刑事局保        安部防犯課長   古山  剛君        警察庁刑事局保        安部少年課長   山田 晋作君        青少年対策本部        参事官      梅沢 五郎君        法務省刑事局青        少年課長     松浦  恂君        法務省人権擁護        局調査課長    永井 敬一君        文部省初等中等        教育局高等学校        課長       中島 章夫君        文部省初等中等        教育局中学校課        長        遠山 敦子君        厚生省生活衛生        局指導課長    瀬田 公和君        通商産業省産業        政策局物価対策        課長       綾部 正美君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○風俗営業等取締法の一部を改正する法律案(内  閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  去る七月二十日、高杉廸忠君委員辞任され、その補欠として秋山長造君が選任されました。     —————————————
  3. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  風俗営業等取締法の一部を改正する法律案審査のため、参考人出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 風俗営業等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  前回に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  7. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 まず、自治省にお伺いしますが、本改正案が成立して施行される、こういう事態になれば、あなたの方の一番心配するのは定員増予算増、しかも県費負担、こういうことになるんじゃないかと思うんですが、この点について、これは自治省じゃなくて警察の方ですね。平年度でどういう見積もりをしておるのか。少年指導委員であるとか協会協会補助とか、こういったいろいろの問題がございますが、そこら辺について、まず警察庁にお聞きして、自治省にお聞きしたいと思います。
  8. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この風営法改正によりまして、私どもの方は内部努力によりまして運営をしていくつもりでございまして、職員増員等は、この問題に関しましては考えておりません。
  9. 花岡圭三

    政府委員花岡圭三君) この風営法改正に関しましては、特に内部努力によりまして警察の方で対処されるというふうに聞いております。
  10. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 現在、五十九年度のいわゆる警察関係県費負担というんですか、これは一体、実態はどうなっていますか。
  11. 太田壽郎

    政府委員太田壽郎君) 五十九年度地方警察官県費負担警察官でございますが、人数は二十一万五千三百六人、地方財政計画上の所要額でございますが、一兆三千四百九億六千五百万円、それから、同じく県費負担警察事務職員関係でございますが、五十九年度におきまして、人数は二万七千四百三十四人、地財計画上の所要額でございますが、千四百七十九億二千万円ということになっております。
  12. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 その中で、都道府県警察署装備費活動経費専用回線防犯費交通対策、こういうのを見ますと、三百八十九億六千四百万ですか、こういう予算が計上されておりますが、この中でいわゆる捜査費というのはどうなっておるのか、報償費県費負担はどうなっておるのか。
  13. 太田壽郎

    政府委員太田壽郎君) ただいまお話しの五十九年度地方警察費都道府県警察費というものがございまして、三百八十九億六千四百万円でございますが、その中でいわゆる捜査費というものは二十億三千九百万円ということになっております。
  14. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 これはそれぞれの都道府県監査をするんですか、一括して国全体で、検査院の方でやっておるんですか、どうなんですか。
  15. 太田壽郎

    政府委員太田壽郎君) 一応補助対象でございますので、会計検査院検査対象にはなり得る、また現実検査も受けておりますが、県の方の監査委員による監査というものも行われているわけでございます。
  16. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 その辺で、何か自治省の方で問題になった点ございますか。
  17. 花岡圭三

    政府委員花岡圭三君) 特に聞いておりません。
  18. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そうしますと、今、鈴木さんの答弁と合わせますと、この経費については、県費負担を含めて本法改正案の施行による平年度予算増定員増はない、そう言い切っていいですね。
  19. 太田壽郎

    政府委員太田壽郎君) おっしゃるとおりでございます。
  20. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 わかりました。  次に、十九日の中野議員質問のときに、本法に基づく営業許可、変更、廃止届、こういう書類申請の際に、第三国人外国人の場合は指紋をとっておるのじゃないのかという質問に対して、指紋はとってない、こういう回答であったように思うんですが、いかがですか。
  21. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 一切そういうことは考えておりません。
  22. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 ところが、あるんですね。例えば五月中旬に八王子申請した法人、その法人の役員の五人が指紋をとられた。この五人の名前は、リ・ケンユウボク・トウゲン、こういう方々の五名ですね。はっきり本大もとられた、こう言っておる。それから、新高島平申請の際にもリさんという人たち四人の方がやはり指紋をとられた。いかがですか。
  23. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) ちょっと事実関係を承知いたしておりません。
  24. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 事実関係を承知してないと言っても現実本人がとられておると言っておるわけだからね。これは、現実には全国的に、あなたの知る知らぬは別にして、実際はとられているんじゃないですか。
  25. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 初めて聞くお話でございまして、私どもはそういうことはないというふうに考えております。
  26. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 ないと言ったって本人があると言っておるんだから、とられておるわけだから、警察の徹底がいってないのか、もしくはそういうことが常時行われておるのか、そこら辺については僕はやっぱり直ちに調査して、しかも東京都だから、きょうじゅうにもすぐできるはずだよ。  もう一遍申しましょうか。八王子ではリ・ケンユウボク・トウゲン、こういう方々法人として出したパチンコ店申請でサイン、指紋を四人ともとられた。新高島平は、リさんら四名がとられた、これは事実です。ですから、あなたたちがここで絶対ないと言うことが、現地では絶対あるわけだ。そういうことでしょう。
  27. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) ただいまの点につきましては早速調査をしてみます。
  28. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 ひとつ調査をして早急に報告してもらいたい。  それから、私が先般の委員会質問中で、どうしてもこの委員会提出しないと審議ができないと申し上げた覚書の問題ですね。これはなぜかといいますと、私はその際に、下位法令具体案と各省庁警察庁の間の本法立案過程に当たっての覚書、この提出を求めたわけですが、これは理事会議論されまして、委員長要求として、早急な提出が通告されたわけでございますけれども、きょうまでに出された内容を見ますと、警察の方から一括して私の方に持ってきた覚書は、農林水産省、自治省、環境庁、通産省、運輸省、労働省、建設省、文部省、郵政省、総務庁と、こういう各省庁との覚書があるということが確認されたわけです。ところが、その出された内容を見ると、依然として覚書じゃなくて覚書の概要になっている。私が要求したのは覚書なんです。同時に下位法令についても、いわゆる見込み事項という中身を見ると全部、など、など、などがついているんです。そうじゃなくて、きちっとした具体案を出してもらいたい。  なぜこういうことを私が要求するかといえば、また理事会がそれを承認したかといえば、この法令というのは、もうほとんどが八十四項目にわたって下位法令に委任しておる、国家公安委員会規則であるとか政令であるとか府令であるとか条例であるとか。そういうものがそろわないと、事が人権にかかわり営業の自由にかかわるそういう内容でありますから、審議できないじゃないかと、こういうことで私は要求したわけであって、中身を見ると秘密に類する内容は一つもないんですよ。既に一部では業界コピーが流れておる。業界の方にコピーが流れておる問題が、どうして出せないんだ。私はもう奇怪千万だと思うんですね。しかし、昨日まで覚書は出てこない。これはこの委員会として委員長要求したことにもなっておるわけでございますから、私はどうしてもこの問題については納得できない。なぜなのか。
  29. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 今回の覚書でございますけれども、本来、政府としての最終的な意思決定の場は閣議でございまして、法案を決定するまでの作成過程におきます政府部内の意思形成の経過、そういうところで取り交わされるものであるわけでございます。そういうことで、法的な意味というのはないわけでございます。また、最終的な意思表明でもないということでございます。政府としての意思というのは法案で具現をされておるということでございます用意思形成過程論議であるということにかんがみまして、一般的に外部に対して公表するのは好ましくないというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、委員長の御趣旨もございまして、佐藤先生の御趣旨を体して措置をするようにということでございましたので、各省庁とお諮りをしながらその趣旨につきまして提出をさしていただいた、かようになっておるわけでございます。
  30. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 最後は今何と言った。
  31. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 委員長お話で、佐藤先生の御要求趣旨を体して措置をするようにというお話でございましたので、各省庁とお諮りをいたしまして取り交わしました覚書等のそういうふうな文書の趣旨について提出をさしていただいたと、かような状況でございます。
  32. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 法案の今審議過程ですから、ぴしゃっと定まったというふうな保、そういう趣旨のものではないという説明がありましたが、私もそれは百も承知です。  しかし、この法案が各省庁にわたる法案であるから、恐らく各省庁としてもいろいろ意見があっただろう、そういう意見を調整しなければ閣議決定ももらえない、こういうことでおたくの方で調整をしていった。しかし、それでも覚書を結ぶということは一体何かと言えば、やはり各省庁にしてみれば、主管省である警察庁の方に自分の縄張りというか、建前は業者保護というか、こういう意味できちっとしておかなきゃならぬ。そういうことを見ると、恐らくこの法案が成立しますと、実際執行に当たっていく警察庁としてはこの覚書がそれぞれ基準になってくるに相違ない。そうしないとここでトラブルが起こりますからね。そうなるとすれば、この法案中身がほとんど下位法令に委任しておるという実態から見て、それをこの委員会の場で審議をしないでセミの抜け殻みたいな法案審議してみてもしようがないんです、率直に言って。そういう私は考えから要求しておるわけですよ。  ですから、きのう各省庁が来まして、委員長が——議事録見ればわかりますが、「警察庁を初め、関係各省に申し上げます」ということで要求したと思うんですね。ですから、省庁意見をいろいろ聞きますと、警察庁の方からなぜ覚書を出さないかというプリントを各省庁に回して、そのプリントどおり意思表示しか私のところに出てこない。何でそんなことを警察庁がしなきゃならない。私は、これはまさに院に対し、この委員会に対する挑戦としか思われぬですね。  各省庁意見を聞いてみると、省庁の中には、警察庁が出すと言えば結構です、これは秘密事項でも何でもございませんと、こう言う省庁もある。問題は、警察庁がそれを出させないという仕組みになっておる、省庁意見を聞いてみると。こういうことがあっていいのか。これでは私は、まともに審議しろと言われてみても審議できぬじゃないですか。どうなんです。
  33. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 覚書の取り扱いにつきましては、関係各省庁と協議をいたしまして、そして決まったというものでございまして、私どもが一方的に要請したり依頼したりというような性格のものではないということを御理解賜りたいと思います。
  34. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 覚書をなぜ出さないかというプリントをおたくの方で用意をして各省庁に配っているでしょう、どうですか。それまで否定しますか。
  35. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 私ども考え方は大体こういう考え方であるということを参考までに各省庁にお示ししたということはございますけれども、何もそれが各省庁のお考えを拘束するものでも何でもございません。
  36. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 それを読み上げてみなさい、見出しを含めて。
  37. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 「今回の覚書は、政府としての最終的な意思決定の場である閣議風営法の一部改正法案を決定するまでの法案作成過程における政府部内の意思形成途上において取り交されるものにすぎず、何ら法的な意味はなく、また最終的な意思表明でもない。政府としての意思は正に法案に具現されているのであり、意思形成途上論議であることにかんがみ、一般的に外部に対して公表することは好ましくないと考えている。」。  以上でございます。
  38. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 だから、あなたの方のそれには、見出しが、なぜ覚書を出さないかと、こうなっておるんでしょう、その見出しは。そういうふれを回しておるから各省庁が出せないと言っておる。それならあなたに聞きますが、この覚書は全部秘密事項ですか。
  39. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 秘密にわたるものではないと考えております。
  40. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 なぜ委員長要求したのにそれ出さないんですか。
  41. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 委員長の御要求趣旨を体して提出をさしていただいたものでございます。
  42. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 それはどういう意味だ。
  43. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  44. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 速記起こして。
  45. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 それなら、例えば一つ挙げますが、通産省、四項の「十三条一項の「特別な事情がある日」とは、善良風俗保持等観点からある程度社会的に許容される期日をいう。」と、こういうふうに私のところに出された了解事項はなっておるわけです。そうして、それを受けてつくられて提出されておるこの「下位法令規定見込事項」、ここでは、「クリスマスイブ、大晦日、地域の祭礼の日など善良風俗保持等観点から社会的に許容される期日考えられる。」と、こうなっておる。ところが、実際の覚書を見ると、ちゃんと休日、休日の前日、祝日祭礼市場の開かれる日、こういうふうになっておる。このいずれを見ても今出された内容から見ると全然違っておる。どうなんです。
  46. 綾部正美

    説明員綾部正美君) 先生ただいま御指摘の四項でございますけれども当方としましてはクリスマスイブ云々のところは存じ上げませんけれども当方警察庁との間で取り交した内容によりますと、そこのところは、休日、休前日、祝日祭礼の日、市場開催日等は含み得ること、こういった表現になっております。
  47. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 でしょう。
  48. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 通産省が今お話し覚書内容といいますものはあるわけでございますけれども、その休日というようなものが一体どういうものであるかというのを具体的にそこでもって例示を挙げたというものでございまして、趣旨が変わるものではないというふうに考えております。
  49. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 それなら通産省と違うじゃないですか。
  50. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この十三条第一項の条例で言います「特別な事情のある日」といいますのは、善良風俗が若干害されることが社会的に許容される期日というものを言うものでございまして、具体的には条例で定めることとなるわけでございます。そういう意味で、例示といたしましてクリスマスイブであるとか祭礼の日だとかいうことになると考えておるわけでございます。  そこで、今お話しのありましたことでございますけれども、休日等の問題は、そういうものも含み得るというふうに覚書でもって書いておるわけでございまして、この含み得るというのが条例でもって書かれるということになりますので、そこを一体どういうふうに条例上あらわしていくかということを具現化していくという形でここに例示として挙げたということでございます。
  51. 寺田熊雄

    寺田熊雄君 関連。  我々は、やはり国会の今までの慣例等もこの問題についてはかんがみる必要がある。  あなた方も御存じだと思うけれども、過去においてロッキード事件など、捜査秘密でさえも委員会の強い要求があれば秘密会と称して理事会には全部報告しているというような慣例もある。  あなたは、この内容秘密でないと言われる。秘密でないものならば、委員要求があれば拒む理由は全くないわけだ。殊に、そういう覚書内容というようなものは法案立法過程だ。法案立法過程を明らかにすることは法案内容を明らかにすることだ。また法の運用についてもそれが示唆を与えるわけだ。それならば、その法案審査に必要な資料であることは疑いがない。信用しろなんと言ったら国会審議なんて意味ないじゃないか。政府の出したものを信用しろと言ったら審査する必要なんかない。これは当然法案審査に必要な資料だから、秘密でなければ出しなさいというんだから、出したらよろしい。
  52. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) やや繰り返すようになりますけれども、この内容は、覚書というのは法的な意味はない、もちろん我々の役所間では尊重していかなければならぬことは当然でございますけれども、法的に言えば法的な意味はない。それから、最終的な意思表明でもないということでございまして、そういうことで、一般に外部に対して公表するのは好ましくないというふうに考えておるわけでございます。  特に、実は表現等の問題を含めて、ある意味ではひとり歩きするというような形になりますと、かえって誤解を招くということもあり得るのではないかというふうに考えておるわけでございます。特に、こういうふうな内容はあくまでも法律が成立したならばという仮定の上でできているものでございまして、政府部内においても内閣法制局等意見によって修正が加えられることもありますでしょうし、また国会の御審議でいろいろ論議をされるということも、また修正されるあるいは附帯決議等によりまして変わってくるということもあり得るわけでございまして、そういう意味で、行政の便宜のために定めておるにすぎないという覚書を出すということは適当ではないと、かように考えておるわけでございます。
  53. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 速記とめて。    〔速記中止
  54. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 速記を起こして。  委員長から申し上げます。  先般、委員長理事会の御議論を踏まえ、佐藤委員資料要求趣旨を体して可及的速やかに資料提出を求めたところでございますが、ただいままでの質疑過程におきまして、必ずしも佐藤委員要求する資料を反映した資料提出がなかったという御議論でございますので、さらにその点について明瞭にいたすよう資料提出を求めます。  よろしゅうございますか。  関係各省ございますけれども、一方の了解事項の当事者である警察庁から一括して、ただいまの委員長発言に対して答弁を求めます。
  55. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 速やかに努力いたしたいと思います。
  56. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 今の委員長の言った趣旨は、原本のコピーですからね。ひとつ確認をしておきますよ。  次に、内容に入りますが、二条一項八号の遊技機の問題です。  八号規制が新設をされた。で、遊技機を設備の全店舗、これに類する施設を持つ営業が、今度の内容を見ますと、一網打尽に網をかぶせておるという内容になっておりますね。これは一体どういう理由なのか。まさか大阪の遊技機事件のかたきを江戸で討つという意味ではなかろうと思うんですが、衆議院論議を見ますと、各党共通してこの点を指摘しております。これは与党も野党もです。  その要旨を見ますと、スロットマシン、それからルーレット、ポーカーなど国際的なギャンブル機については、仮にメダル疑似機も含めて、賭博の練習をやるようなものでありますから、少年には全面的に禁止をすべきである。また八号はそこに限定すべきだと、少なくとも健全なゲーム機については規制から除外すべきだと、これが与党、野党含めて衆議院議論の共通した意見になっている。ところが、それに対して保安部長鈴木さんは、現金の出るのが賭博機であって、これは禁止する。しかし、それ以外の健全なもの、メダル疑似のもの、これも本来の用途以外の用途に使える、射幸心をそそる、こういう意味店舗はだめだ。ただし、デパートであるとかスーパーであるとか、こういう見通せる場所については除外してもいい、こういう議論がやられておるようであります。  私は議事録を随分読み返して見ましたが、どうもやっぱり警察の論理には矛盾が多過ぎて強引な答弁に終始をしておるようですね。これだけのことをやるということについての業界との話し合いの経過も衆議院の中であなた述べられておりますが、それを見ると、これもNAOとはかなりやっておるような感じがしますが、そのほかとはほとんど一方通行、まあ一回ぐらいやっておるかもしれません。そうして、結果的には、この法案に出てきておる内容を見ますと、疑似賭博を公認して少年賭博練習の機会を公認する、こういう内容になっておる。これはやっぱり大阪賭博遊技機事件というものが警察に与えたショック、それが大きかったこともある。それをこの法案でひとつ一網打尽にやるんだというような感情が込められた新設、こう受けとめられても仕方のないような衆議院でのやりとりになっておるような感じがします。  私は、やっぱりここら辺は謙虚に立法府の中における議論というものに耳を傾けて、ひとつこの機会に反省をして、大阪の事件というのは、これは遊技機の業者も問題でしょうけれども、あれはほとんど賭博機を持った業者、そことの警察の癒着の問題ですから、そこら辺を新設でもってひとつ報いようという、そういう感情的な意図は除いた方がいいんじゃないか、こう思うんですが、いかがですか。
  57. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) ゲームセンターを風俗営業の許可対象にいたしますのに、大阪の事件の関係を頭に置いて、その感情でもってこれを許可対象にするとかしないとかということを考えたことは一度もございません。  御存じのとおり、ゲームセンター等におきまして非常に賭博事犯が近年多発しておるということは事実でございまして、五十八年、昨年度におきましても千六百七十件余り、八千四百人余りが検挙をされておる。しかも、全賭博事犯の五六・四%をこのゲーム機関係が占めておるという状況があるわけでございます。それからまた、少年のたまり場となっている率もほかの営業に比べて大変高い。それから、ゲームセンターに暴力団等が関与している実態というものも一〇%ぐらいになる。そういうような実態があるわけでございます。  そういう実態に対しまして、本来であれば、いろいろおっしゃるとおりその遊技をするということは、決してそれ自体が不健全ということではないわけでございますけれども、しかしながら、やはりそういう遊技機を使いながら、営業者の姿勢によりましては大変賭博に用いられやすい状況になる。それからまた、先ほど言いましたような非常に少年の問題もそこでもって発生するという実態があるわけでございまして、そのためにやはり許可対象といたしまして、そうして問題のないようにしていくということがとるべき道であろう、かように考えたものでございます。
  58. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 しかし、あなたはそうおっしゃるが、あなたの衆議院段階の答弁見ると、やっぱりできぬことはできぬというような、そういうような答弁が終始散らばっておりますね。  テレビのゲーム機の問題でも、野球、テニス、サッカー、陸上競技、こういう反射神経を、瞬間的に判断していく力を養うものであるとか、囲碁であるとか将棋とかこういう思考能力を高める健全なもの、こういうものも今度の八号の中には一網打尽に入れておるわけですね。あなたにすれば、すぐ現金の賭博機に変質できるんだと、こういうことのようでありますけれども、私がいろいろ調査した結果、そういうことにはなっていない。  ですから、何が目的とか言えば、賭博性にこのゲーム機のポイントがあるなら、そこはきちっとして、そうして今むしろ先端産業というのがこれからの国際舞台の中でも、日本の場合でもひのき舞台になるわけですから、それを養成するようなある意味の健全なゲーム機についてはこれは認める。むしろこれは外していく、これの方が私は八号制定の意味になると思うんですね。そこら辺はいかがですか。
  59. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) テレビゲーム機が非常に反射神経を養うなり、あるいは知的なゲームで、それが知的な面での向上に役立つということは私どもも否定をいたしません。そういう面で非常に大きな寄与があるということは私ども考えております。  ただ、それが賭博に使われるかどうかという問題とはちょっと別問題の面がどうしてもあるわけでございまして、今先生お話しのように、こういうふうな一般的なテレビゲーム機が現金の賭博機に変質していくというふうにお話しがございましたけれども、私どもは現金を入れて現金が出てくる賭博機に変質するとは必ずしも思ってないわけでございます。そこでもって行われますテレビゲーム機の、勝敗が決するあるいは点数が出てくるというふうな形に賭博的な使われ方がある。現にそういうものがかなり出ておるということがあるものでございますから、そういうふうなものを直にゲームの内容が健全であるかどうかということによって分けるということは難しいんではないかというふうに申し上げておるわけでございます。  現にゲーム機は、今申しましたようにいろいろなゲームがございますけれども、実はそれは非常に簡単にほかのゲームに変えられるということに現在はなっておるわけでございます。そういうふうな機器が非常に多いわけでございますから、そういうふうにいたしますと、一応健全なゲーム機であるということで許可を取らないという形でもって営業をしてまいりまして、それが悪質な営業者になりますと、ちょっと先ほど言いましたように、ソフトなどを変えることによりまして悪質なゲーム機に変えて、しかもそれは許可を取らないでいくという形で、そこで違法が行われる、あるいはそれが少年のたまり場にもなるというようなことになりかねないわけでございまして、業者の方々の大多数は、やはりそういうふうなゲームの内容によって分けることは無理ではないかというのが大方の御意見でございます。  そういうふうな今申しましたようなもろもろのことを考えて、ゲームの内容によって分けるべきではない、かように申し上げておるわけでございます。
  60. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 あなたの言うように、機械そのものよりも、健全なゲーム機でも賭博をやろうと思えばできるじゃないか、こういう議論が成り立ちますと、これはもう例えばゴルフもそうでしょう。これは握手をしたときに  私はゴルフの通じゃありませんが、握手をしたときに賭博をやる、ばくちをやるという意味らしいですね。そういうこともやるだろうし、それから今はやりなのは、自動車の後ろナンバーを見てそれでかけをしたり、野球だってそうだし、奄美大島では選挙を賭博に使っておる、そういう論理なら、選挙もゴルフも自動車も全部八号に入れなきゃいかぬ、こういう論理なんです。だから、それは暴論というものですよ。あなたのは衆議院議論でそんな議論をやってますが、それは暴論だと、私はそこを言っておるわけです。それが一つ。  それからもう一つは、あなたは機械のソフトをちょっとかえればいつでも賭博機になるんだと、こうおっしゃる。これは本当に確信を持ってあなたおっしゃっておるんですか。衆議院の場合には、そういうことを聞いておると、そう言っておる、あなたは確信を持っておるんですか。
  61. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先生お話しのように、いろいろな形でもって賭博になるということはあり得ることだと思います。もちろん、先ほどのように、ゴルフで手を握ったらばすぐ賭博になるかということになりますと、それはいろいろ問題はあると思いますけれども、いずれにいたしましてもいろんな形でかけごとが行われるということはあり得ることだと思いますけれども、私どもがやはり問題にいたしますのは、それが営業として行われる、しかもそういうものの蓋然性が高いというところにやはり着目をしなければならぬと思うのでございます。したがいまして、たまたまいろいろな形でもって賭博が行われるという問題と、こういうふうに店を構えてそれを営業としてやる、そこに賭博が行われるという問題とはやはり質が違うと考えるべきではないかと、かように考えております。  それから、機械を簡単にかえられるのかということでございますが、これは私どもは十分勉強をいたしまして、現物もいろいろ見ております。非常に簡単なものはカセットを一つかえるだけでゲーム内容が変わるというものもあるわけでございまして、そういうようなことで、私どもは非常に簡単にかえられるということを実地に見ております。
  62. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 私が調べた内容で見ると、不健全なテレビゲーム機と健全なテレビゲーム機というのは、まず操作盤が違いますね。それから料金の投げ入れ口が違いますね。一方は百円、五十円、十円の受け箱だけですが、一方は紙幣装置がついていますね。ブラウン管の表示も違いますわ。数字がギャンブルの場合増減をしていく、しかし健全な場合は下がっていく、そしてゼロになっていく。それから、技術的な機能も違う。なかなか装置をかえることはできないと思うんです。  それから、ゲームの内容もそうですが、これはあなたがそこまでおっしゃるなら、私は委員長にひとつ要求しておきたいと思うんですが、やはりこれはここに二つ機械を持ってきて、そんなに簡単にいくかいかないか技術者を入れてやってもらわなければ実証できないと思うんです。これを委員長の方で早急にひとつこの委員会の中でやれるように要求しておきたいと思います。
  63. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) お答え申し上げます。  特別な御要求でございますので、理事会にお諮りして結論を出さしていただきます。
  64. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 次に、少年指導委員の問題でお聞きしておきたいと思うんですが、選定要件ですが、三十八条の一項、これを見ますと、四点ございますけれども、極めて抽象的で、四点の「人格及び行動について、社会的信望を有すること。」、「職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。」、「生活が安定していること。」、「健康で活動力を有すること。」、何を言っているかさっぱりわからない。結果的にはそれを選ぶ警察庁の方の一方的な人選になるような感じですね。この人選基準、これは政令事項何もついておりませんが、どういう形で選ぶのか。警察のOBを中心に選ぶのか。「健康で活動力を有する。」ということですから、そうお年寄りのようではないようでしょうね。しかし、これは名誉職になっている。こういうことについてどういうことなのか。  それから、この方々については何か手当、金品の支給というものを考えているのかいないのか。  それから権限を見ますと、「少年を補導し、少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止し、」と、こうなっている。そうして、それは「国家公安委員会規則で定める」、こうなっていますが、規則を見ると、広報または少年または保護者に対する相談に乗る、これはどういう相談をするのか。広報とは一体何なのか。いかがですか。
  65. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 幾つかございますので、順次御説明申し上げたいと思います。  最初に少年指導委員を委嘱でさる要件でございますけれども、これは第三十八条の一項に書いてございますが、最初の「人格及び行動について、社会的信望を有すること。」、この件につきましては、「社会的信望を有する」というのは、その方が居住しておられる地域において人格識見ともにすぐれた立派な方、その地域の方々の信頼がある、いわば地域の篤志家のような方でございます。この少年指導委員の活動は地域の社会というものを基盤として行われるものでございますので、地域の協力が得られやすいということが当然必要になりますので、こういう要件を設けたわけでございます。  それから「職務の遂行に必要な熱意及び時間的余裕を有すること。」ということでございますが、職務の遂行に必要な熱意を有する人とは、これは少年問題でございますから、少年に深い愛情とか理解、こういったものを持っておられ、少年の健全な育成に資するための活動の推進に旺盛な熱意とか使命感、こういったようなものを当然持っておられる方ということでございます。  それから「時間的余裕」でございますが、その方の生活が時間的な拘束を受けているということになりますと、そういった方に余り時間を割いていただけませんので、特に指導委員には自発的協力とか参加というふうなことを当然お願いしなければなりませんので、こういった要件を置いたわけでございます。  それから、三つ目の「生活が安定していること。」でありますが、生活が安定しているものとは経済的な余裕が当然ございませんと困るわけでございますけれども、そのほかにも家庭的にも円満な方ということでございます。少年指導委員は無給職ということでございますので、自分の生活状態に何ら問題がなくて、安心してその仕事というか、この任務に専念していただける方、こういうこと。それと、当然少年の健全育成ということで少年にいろいろと接触されるわけでございますから、家庭的に問題があるとこれは困るということでございますので、こういう要件を定めたわけでございます。  それから最後の「健康で活動力を有する」という要件でございますが、少年指導委員にはデスクワークとか研究というものではなくて、やっぱり実践活動が中心になりますので、その活動には当然心身ともに健康で、熱意というんでしょうか、やっていただく気持ちというんでしょうか、そういったようなことが旺盛な方ということが必要でございます。で、こういった要件を設けたわけでございます。  それから、人選でございますけれども、どういうふうにやるのかということでございましたが、この委嘱方法につきましては「国家公安委員会規則で定める」というふうになってございますけれども、この公安委員会規則では委嘱とか解嘱の手続を定めることにしてございますが、私どもとしましては、先ほどから申し上げておりますように、少年に深い愛情とか理解というふうな、少年問題を取り扱うにふさわしい方をお願いするということでございますので、具体的には地域の関係団体とか関係機関とか、あるいは警察署長とか、そういった方々からいろいろと推薦をいただく。で、資格要件に該当するかどうかということを公安委員会の方で厳重に審査いただくということでございます。その上で適任者がいらっしゃれば委嘱するということを考えておるわけでございます。  それから、そういうことをすれば、それでは警察のOB中心になるんではないかというふうなお話ございましたが、私どもとしましてはそういう考えは一切持ってございませんで、先ほどから申し上げております、こういった非常に厳格というんでしょうか、厳密な要件、この要件を充足しておられる方で適任者がいらっしゃればお願いする。したがいまして、年齢とか性別とか職業とか、そういったことには一切関係ございませんで、適任者をお願いしたいということでございますので、警察のOBがほとんどを占めるんではないかというふうなことは私ども考えてございません。  それから、金銭的にどうかということでございますが、私どもとしましては、先ほど要件で申し上げましたように、経済的にも余裕のある方ということを申し上げましたけれども、「名誉職」ということで法律上は書いてございますが、この名誉職といいますのは法律上は無給職——生活を保障するための俸給とか給与、こういったものを受けないで公の機関の職にある者ということでございまして、有給職に対するもの、無給職という趣旨でこういう名誉職という言葉を使ったわけでございます。したがいまして、要件にも盛り込みましたように、経済的な余裕のある方ということでカバーしていこうということでございます。そうすることによりまして、こちらの方で、無給でもひとつ少年の健全育成とか非行防止に一肌脱いでいただけないかということをお願いして、それではよろしい、やりましょうと言っていただける方がいらっしゃれば、むしろこう言っては何ですけれども、わずかばかりの報酬よりもその熱意の方に期待したいというふうに考えておるわけでございます。  それから、権限でございますが、権限につきましては法文の三十八条の二項に書いてございますけれども、私どもとしましてはこういった方々にどういうことを期待するかということでございますけれども少年指導委員には風俗関係営業が及ぼす悪影響、現在こういったことから悪影響を受けて少年非行に走るとかいうふうな少年が多いわけでございますけれども、こういった悪影響から少年を守るために例えば深夜の盛り場等を供回するような少年に帰宅を促す。で、必要な注意とか助言を与えるといったようなこと。また、少年に悪影響を及ぼしている成人、これは大人でございますけれども、などに対しましても、少年の健全育成のために必要な協力をお願いする、要請するというふうなこと。それからまた、地域における環境浄化活動その他少年の健全育成に役に立つような活動を促進していただくというふうな活動をお願いしたい、こう考えておるわけでございます。  これが三十八条の二項でございますが、当然この三十八条をごらんいただいておわかりいただけると思いますけれども、特別の権限を何ら付与するものでございませんで、あくまでボランティアにふさわしい、強制力を伴わない、言うならば非権力的な活動を行っていただくというふうに考えておるわけでございます。  以上でございます。
  66. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 各省庁の皆さん、先ほど再度提出ということになりましたから、きょうは質問取りやめますから結構です。どうも済みません。  時間がございませんから、ひとつ簡潔に答弁してください。  これは守秘義務が少年指導委員にはついていますね。そして罰則はついてない。協会職員については罰則はついている。どういう類の範疇に入るのか、これが不明確。任期がどうなっているのか、人員はどのくらいなのか、こういった点が全然出てないんですが、そこら辺はどうなのか。  それから、補導目的という理由で風営業から関連業プラス飲食店、興行まで立ち入ることになるのかどうか。
  67. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 少年指導委員の人員でございますが、先ほど申し上げました要件に該当する方、こういった方がいらっしゃるかどうかを慎重に判断して決めたいと思っておりますが、現在のところ法案審議の段階でもございますので、これだけの人員をというふうなことまで決めておりませんけれども、慎重に委嘱してまいりたいと、かように考えております。
  68. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 何。
  69. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 慎重に、厳密な審査を経まして慎重に選んでいきたいと、こういうことでございます。したがいまして、段階的に——一遍にどさっと選ぶ、委嘱するというふうなことはいたしません。  それから、任期でございますけれども、これは法文にたしか書いてございませんが、二年ないし三年程度、これはほかに保護司さんとか、それから民生委員さん、大体要件が同じようなものでございまして、仕事の内容は全然違いますけれども、性格的には民間ボランティアということでございますので、そういったことも参考にして決めてまいりたいと、そのように考えております。  それから罰則でございますけれども、これはあくまでボランティアの活動ということでございまして、特に強制にわたるような権限を与えるというふうなものでもございません。もちろん、こちらの方で委嘱する場合には、これこれこういった要件で、こういったことをお願いしたいということはいたすわけでございますけれども、立派な方を選ぶというふうなことでございますので、それに反するようなことはまずないだろうと考えておるわけでございます。  それと、守秘義務に罰則がついていないのはどういうことかと、こういうことでございますけれども、これはあくまでボランティアの方に、相手の方の人格というんでしょうか、そういった方を信頼申し上げてお願いするということでございまして、守秘義務に反したからこれを処罰するとかいうふうな筋合いのものではないと考えます。あくまで信頼関係というふうに考えております。それと保護司さんとか民生委員さんにつきましてもそういった罰則がございませんので、そういったことも参考にさしていただいたわけでございます。  この活動の範囲が、二項で「風俗営業及び風俗関連営業等」というふうになってございまして、広いではないかと、こういうことでございましたけれども、現在少年非行の実態を見ますと、やはりこういったところが少年非行のたまり場になり、あるいは少年非行のきっかけができ、あるいは少年非行の、例えば少女の性非行のようなものが行われるというふうなことでございまして、こういったところをまず解消する必要があるだろうということでございます。ただ、この少年指導委員には特別な権限を与えてございませんので、こういった営業所の中に強制的に立ち入るということはこれはできませんし、そういうこともさせないようにしてございます。ただ、あくまで営業所の例えば経営者の方とか、それから管理者の方とか従業員の方、こういった方の承諾なり了解なり、そういったことを経て中に立ち入るということは、これはもう当然でございますけれども、いろいろとこちらの方からお願いするような筋もございますので、お願いするというか、少年非行の防止の見地からお願いすることもございますので、そういったことはあろうかと思います。  以上でございます。
  70. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 「補導」という言葉がここで初めて出てきていますね、二項で。これは我が国の法律用語としては初めての言葉なんですね。これは警察庁少年警察活動要綱二十条の「補導」と同意語ですか。
  71. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 補導と申しますのは、私どもは、個々の少年に対しその健全な育成のために働きかけて善導する、よく導くという活動と、こういうふうに解しておるわけでございますけれども少年警察活動要綱に書いてございますのは、この少年警察活動要綱そのものが警察内部通達でございますので、警察官が行う場合にはこういうことを行うというふうな決め方をしておるわけでございます。したがって、少年警察活動には、警察官が行う場合には捜査とか調査とか、それから送致とか通告、こういったことは刑事訴訟法なり少年法なり、そういった法律に基づいて実施する。そのほかに連絡とか注意とか助言といったようないわゆる事実行為でございますね。相手方の協力あるいは了解を得ながら行うという事実行為でございますけれども、こういったことも警察官は行えると、こういうふうに書いてございます。  ただ、少年指導委員の場合は特別の権限を定めてございませんので、あくまで盛り場での少年に対する指導とか、それから助言とか、それから場合によっては注意を与えるとかいったような、あくまで相手方の了解とか承諾とか同意とかいったようなことを前提にした活動、任意の活動、こういうことでございます。
  72. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そうすると、少年警察活動要綱二十条の「補導」という言葉とは別だと、したがって相手側の同意を得ることを前提とした内容だと、こういうふうに理解していいんですか。
  73. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) さようでございます。
  74. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 それはまた後ほどこの解釈の問題については議論もあると思うんです。  もう一つ聞いておきたいと思うのは、この指導委員というのを今あなたは、信頼しておる、それからボランティアとして違法なことはやらぬだろうと、こういう前提でお話がありました。しかし、これほど危ないものはないんですね、逆に言えば。そこら辺がやっぱりきちっとしておかないと、もし万一それが起こった場合にどうするかということも起こり得る。特に、少年を指導するといってみても深夜でしょう、深夜の場合もあるでしょう。それから、立ち入る場合もあるでしょう。今あなたは同意をなしに立ち入ることはないと、こう言っているけれども、それは必ずしもそうならない点も起こってくるだろう。そうしますと、少年指導委員というのはボランティアだからというだけではなくて、やっぱりそういう行為が万一起こる場合も想定して、その場合の救済規定というものは当然これは入れておかないと、まさかそんなことはあるとは思わなかったというようなことでは困る。それから、こういう指導委員がまさかが起こった場合、そういうまさかが起こった、不法行為が起こった場合に対する民事責任の追及の場合に国家賠償の適用になるのかならぬのか、こういう点についてはどういう見解なんですか。
  75. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) お尋ねの、少年指導委員が仮にその職務に伴いまして住民や業者の方々に損害を与えるようなことがあったという場合には、これは都道府県は賠償の責めに任ずるということになると考えております。
  76. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 都道府県が。
  77. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) はい。しかしながら、その人選に大変留意をしてまいりますし、実際にもそういう方々によく指導をしてまいりたい。活動の中にも強制力を伴わない非権力的なものに限っておりますので、そういうふうな御迷惑をかけることはないんではないかというふうに考えておりますが、しかし今後とも万一そういうことのないように私どもは的確に指導に努めてまいりたいと、かように考えております。
  78. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 的確な指導はやるでしょう。やるのは当たり前なんですが、そういう場合もあるわけですね。現実にそういう事例が起こっておる例もたくさんございますからね、民生委員とかいろいろの中で。そこら辺はきちっとあらかじめ予防措置をとるのは当然ですから、ここは私は救済措置をきちっと入れるべきだと、こういうふうに思いますが、その点はまた後ほど議論の中でひとつやっていただこうと思っております。  時間がございませんから、次に行きます。  環境浄化協会についてちょっとお尋ねしますが、これは今度新たにできる内容なんですが、見込事項のあれを見ると、早々ともう防犯協会をもって充てると、こうなっている。法律のこの規定を見ると、何かこうこうこういうことでもって、そうして業者の皆さんの人選をしていく、県に一つずつ定めていくと、過程をいろいろ書いていますが、法令事項の基準を見ると、何のことはない防犯協会を充てると、こうなっているんですね。これはどういうことですか。
  79. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 環境浄化協会をどう指定するかという問題でございますけれども、いろいろの御意見を踏まえまして、現在こういうふうな活動をしておりますのはほかにもあるかもしれませんのでございますけれども、一応防犯協会というものがこういうものの活動をしておると、そういうことになりますと、新しくつくっていくというのはいろいろの問題もあるわけでございますから、そういうふうな既存のものを活用していくというのが適当ではないかということで考えておるものでございます。特に衆議院における論議等も踏まえまして、やはりそういうふうに既存のものをできる限り活用すべきで、新しくつくるということは適当じゃないというふうな御意見等もちょうだいをしておるわけでございまして、そういうことから防犯協会を充ててまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
  80. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 それなら、この八十五ページの法案の中に「次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、全国に一を限って、全国風俗環境浄化協会として指定する」と、こういうややこしい持って回ったような−都道府県の場合でも同じですよ。「善良風俗の保持及び風俗環境の浄化並びに少年の健全な育成を図ることを目的として設立された民法第三十四条の法人であって、次項に規定する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、その申出により、」と、こんな持って回ったようなことを書く必要ない。そうして、今あなたは適切な機関としては防犯協会があると言うけれども、この防犯協会実態をあなたどう見ておるんですか。  全国の防犯協会、これ見てみなさいよ。あなた方の提出した資料です。各県ずうっとありますが、もうほとんど共通して言えることは、例えば岩手県の場合、役員数が四十一あって、職員数が六人おって年間予算が五百万という。年間予算が五百万で六人というのはどういう賃金をもらっておるのかと思う。職員ですよ、これ。それから群馬は年間予算が四百万で職員が五人。それから岐阜の場合には年間予算が二百万で職員が四人。年俸五十万というわけです。こんな防犯協会実態ですよ。ほとんどそうだよ、これ見れば。これが何でここに書いておる「適正かつ確実に行うことができると認められる」機関ですか。冗談もいいかげんにしなさい。
  81. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 防犯協会実態はおっしゃるとおりいろいろございます。大変県によりまして体制の弱いところもございます。そういうことで、現在あります防犯協会がすべて当然に指定される適格性を有しているというふうには今すぐには考えてないわけでございます。それはそれぞれの防犯協会等のやはり内部努力というものがなければならぬでしょうし、私たちとしてもそういうものを期待をしていくということになろうかと思いますけれどもお話しの点はいろいろあることは存じております。  しかしながら、その防犯協会というのは、今先生お話しになりました関係は県単位のもののお話でございまして、さらに市部との兼ね合いというものも検討していかなければならないわけでございまして、そういうものを含めて防犯協会というものをどういうふうに整備をしていくか、これはどういうふうなものを我々としては期待していくかということがあり得るわけでございまして、そう簡単ではないと思いますけれども、そういうふうな適格を持ったものからこういうものを指定していきたい、かように考えておるわけでございます。
  82. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そんないいかげんなことを言っちゃいかぬよ。ちゃんとこれには書いてあるんじゃないか、防犯協会にすると。そして、しかも通産省との覚書の中には、だから早くその準備をしなさいということまで言っている。そういうようないいかげんなことをあなた言っちゃいかぬよ。こういうことが一つ一つ出てくると、どうもあなたの答弁というのは信用できないんですよ。  それからもう一つ聞きますと、浄化協会というのは、あなたが言うのは、関係業者を全部含めるという考え方ですか。その環境浄化協会というのは業界を全部入れるということですか。そういう発想ですか。それとも別個につくるのですか。この浄化協会というのはどういうことなんですか。業界はもう全部排除するの。
  83. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 各種の業界とは直接の関係はございません。
  84. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そうすれば、これはどういう構成になるの、この浄化協会の中の構成は。
  85. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先生のおっしゃる構成という意味がちょっと理解しがたい面があるのでございますけれども、こういうふうな浄化協会趣旨に賛同していただく方々の浄財等をもとにしながら組織化していくということになろうかというふうに考えております。
  86. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 会員はどうなるのか。これは例えば四十三条政令で、実費を勘案して手数料を定めるとか、それから負担金を取るとか言っていますね。この覚書の中を見ますと、余り高くない負担金を取るとか言っていますでしょう。どこから取るんです。
  87. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 会員が浄化協会に特別にできるということではございませんで、防犯協会を指定するということでございますから、そういうことで防犯協会の何といいますか、構成メンバーというものがある意味では浄化協会というふうな業務を行うということになっていくのであろう、そういう意味で、防犯協会の中でこういうふうな浄化協会的な仕事をするもの、そういうふうな体制というものをつくっていくということになるのではないかというふうに考えております。
  88. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そうすると、あなたが提出した了解事項の中の十九にあるように、「風俗営業浄化協会の事業は業界団体の経営指導等と重複しないようにし、経費業界に過度の負担とならないようにする。」、こういうふうにしている。業界から銭を取るんじゃないですか。
  89. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 今のお話しのば通産でございましたでしょうか。——これはそういう通産の方に御懸念があったものですから、決してそういうふうなものではございませんということで確認をした事項でございます。
  90. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 決してそういうことはございません  銭を取ると書いてあるのだ。何を言うの、間違っておるの。
  91. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この点は、「経費業界に過度の負担とならないようにする。」というのを先生お話しになっておられるのかと思いますけれども、私どもは、何も業界だからどうだからという形でもって寄附金を集めていこうというような考え方を持っておるものではございません。広く一般に浄財を集めるということで御協力をいただこうと、こう思いますけれども、その中に業界方々から寄附をちょうだいすることもあろうと思います。しかしながら、それが一方的に割り当てをしたり過度の負担になったりするということは絶対にあってはならないということをこの文書で確認をしたということでございます。
  92. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 時間がないから、こういうことでやっていてもしようがないのだけれども、構成員はだれなんですか。浄化協会の構成員はだれがなるのですか。
  93. 古山剛

    説明員(古山剛君) 防犯協会の会員といいますのは、地区の防犯協会でございますとか、あるいは職域の防犯団体でございますとか、あるいは特別に趣旨に賛同して会員になる方、そういうような方でございます。浄化協会というのは、その防犯協会が浄化協会として適当であればそれを指定するという関係になるわけでございます。
  94. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 それなら防犯協会ときちっと書けばいいじゃない。浄化協会なんて変なものを書かぬで防犯協会とすればいいじゃないか。そういう会員でない者から何で銭を取るの、業界から。どういう意味なんです。
  95. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この書き方の問題を先生おっしゃっておられるのだと思いますけれども、現在あります防犯協会は、先ほど先生も御指摘のように、いろいろな防犯協会があるわけでございまして、任意の団体もございますし、あるいは法人になっているものもあるわけでございます。そういうものを受けて書く場合には、大体こういうふうな形でもって書かれておるということでございまして、そういう立法例に倣って書いたというものでございます。
  96. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そんな鈴木さんごまかしちゃいかぬよ。あなた、この機関を見てみなさいよ。これは少年指導委員を助けるとか、さっき言ったボランティアを助けるとか、どういう助け方をするのか知りませんが、それから協会職員は公務員とみなして、そして守秘義務を課して、しかも罰則ではそれを犯した場合には最高一年以内、五十万の罰金を科すという機関ですよ、これは。そうして、事業としては、管理者の講習をやり、そして許可申請調査をやり、構造、設備の調査をやり、恐らくこれは二十条の試験機関、遊技機なりそういう機械の判定をする試験機関というこれもこの機関にさせようとしているのじゃないんですか。含まれるのじゃないですか。民法第三十四条の確かな法人と、こういう表現になっていますが。こういう、ある意味では警察の分身的な役割の機関をつくろうとしているのでしょうが。ですから、十九日の質問の際に中野議員が、行政書士会との業務の競合はないのかと、あなたはないとおっしゃった。ないとおっしゃったが、これは何かといえば恐らくあなたの答弁というのは、言うならば行政書士会の業務というのはいろんな申請業務を肩がわりするわけですから、そういう業務には手をつけないけれども、現行の場合には、それに伴って今度は警察官が直接調査に行って申請書どおりであるかどうかを調べる、この役をこの協会にさせようとしておるわけでしょう。警察官と同様のことをさせようとしておるわけでしょう。だから競合しないとあなたは言ったんだ。言ったんだけれども、そうじゃないのか。そういうことを考えてみると、こんなあいまいな格好でこの法案を通して、そうして協会というものが何か覆面部隊のように、表は民間みたいな格好をして、守秘義務を持ち罰則を伴って、そして警察官の代行機関をやっていく、こういうことをねらっておるんでしょうが。いかがですか。
  97. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 私どもは決してそういう先生のおっしゃるようなことを考えておるわけではございませんで、やはり環境浄化というものを達成するためには民間の活力を導入して、民間の方々に御協力を願ってやっていくということが大変大事であるということから考えておるものでございます。
  98. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 今私が言った内容に答えてないじゃないですか。違うんですか。中野議員との問題もそうでしょうが。
  99. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 行政書士会との問題と申しますのは、ここに掲げてあります三十九条の二項五号、六号の関係は、これは公安委員会からこういう協会が委託を受けてやる業務でございますから、したがいましてこの点は行政書士会とは関係がないと、こういうふうに考えておるわけであります。  さらに、中野先生等からいろいろお話がございましたのは、こういうふうな浄化協会が例えば報酬を得て書類作成業務を行うなんということが決してあってはならない。これはもう当然行政書士でない者が行うことは法律違反でございますからできるはずがない。さらに、報酬を得ないで例えば書類作成業務、そういうふうな相談を受けて書類作成業務というふうなことを行うかというような御質問ございましたから、そういうようなことは考えておりませんと、こういうふうにお答えをしたわけでございまして、五号、六号の問題だけじゃなくて、一般的にそういうふうな方々から御相談を受けて、たとえ無料にせよそういうふうな書類作成業務みたいなものをやるかやらないかということに対して、それはやりませんと、こういうふうにお答えを申し上げておるわけでございます。
  100. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 もう最後です。  私が聞きたいのは、この法律における五号、六号、この調査。三十九条二項の五号、六号、これは今まで警察官がやっておったんでしょうが。だれがやっておったんですか。行政書士会がやっておったんですか。そうじゃないでしょう。警察官がやっておったのを今度は協会にさせるというんでしょう。どうなんですか。
  101. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) それは従来公安委員会がやっていたものでございます。
  102. 佐藤三吾

    佐藤三吾君 そうだろう。だから私はえたいが知れないというのはそういうことを言っておるわけだよ。しかも法案には、申し出によって、そうして厳正的確に設立された民法第三十四条云々と書きながら、もうこの法案のできる前から防犯協会ということを想定しておる。約束しておる。  こう考えてみると、私は、まだそのほか時間があればいろいろやりたかったんですが、この後に例えば許可基準の問題であるとかパチンコの問題であるとか、それから行政の罰則整備の問題とかいろいろございますが、時間がございませんから私はもうこれでやめますけれども、どうもやっぱりこれは長官、大臣、この法案というのは審議していけばいくほどいろいろな問題が出てくる。やっぱりこういう法案の扱いをもっときわめていかなければいけないような感じがしますね。  私は、警察の方ももし今国会でこの法案を何とかしてもらいたいという気持ちがあるなら、もっと赤裸々にその内容を明らかにして、そうして充実した審議ができるようなそういう努力をしてもらわないと、とてもじゃないけれども、私はこの国会でこの法案を上げるということにはならぬと思うんですね。もっとやっぱり慎重な議論をしていかなきゃならない性格のものだと思うんですよ。  長官と大臣の見解を聞いて私の質問を終わります。
  103. 三井脩

    政府委員(三井脩君) この法案は、現下の少年非行等の状況にかんがみまして、ぜひともこの際、最小限この程度のことは必要であるという判断に立って御提案に至った、こういうようなものでございます。御疑問の点については我々が審議を通じて十分にお答えを申し上げ、疑問のないように努力をしてまいりたいと考えるわけでございます。
  104. 田川誠一

    ○国務大臣(田川誠一君) 御疑念の点がいろいろとあると思います。大変細かい問題もたくさんございまして、なかなか複雑多岐にわたる法案でございますから、これからの審議におきましてもどうぞ十分御疑念の点を出していただきまして、ひとつ成立をさしていただきたいことをお願い申し上げます。  やはりこういう法案を出さなければならなくなったというのは、余りにも環境がひどいし、規制や取り締まりだけで解決できる問題ではもちろんございませんけれども、地域の住民の方々あるいは地方自治体の方々のこのまま放置していっていいのかどうかというような声も無視するわけにはまいりません。  どうかそうしたことを御理解の上、御審議をしていただきたいことをお願い申し上げる次第でございます。
  105. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十分まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      —————・—————    午後零時五十五分開会
  106. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日、中野明君が委員辞任され、その補欠として刈田貞子君が選任されました。     —————————————
  107. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 風俗営業等取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。  休憩前に引き続き、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  108. 神谷信之助

    神谷信之助君 本改正案の提案理由説明の中で、あからさまに性を売り物にした産業等善良風俗及び少年の健全な育成の上から問題の多い営業が増加をしているということで、風俗環境を害しているだけでなく、少年の非行が四年連続戦後最高、最悪の記録を更新しているのが大きな要因の一つだということになっているんですが、私はまず最初に、少年非行の増大の問題、それに対する改正案による対応、これらの問題について質問していきたいと思うんです。  そこで、警察庁長官に聞きますが、少年非行が増大をしていっているということに対して、この改正案ではどういう対処をするというようになさろうというのか、まずその点をお聞きしたいと思います。
  109. 三井脩

    政府委員(三井脩君) 少年非行増大の現状を踏まえまして、それにはいろんな事情、条件が関与しておると思いますが、特に風俗環境というものに手を加えていってはどうか。  それからまた、その風俗環境というのは主として大人がつくり出しておるわけであります。もう一つは、それと関連するわけでありますが、直接少年を食い物にしておる大人の犯罪、こういうものがあるわけでありまして、こういうものについて現行法以上に措置を加えていくということがこの際必要ではないかという考え方に基づくものでございます。
  110. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから、今度の少年非行の増大というものを風俗産業の、特にセックス産業の増大というところにとらえ、そこから今度の改正を出しているということになるわけですか。
  111. 三井脩

    政府委員(三井脩君) 風俗環境の悪化の中にはセックス産業がありますし、またその他の風俗、ここで風俗関連営業としてとらえておるようないろいろのゲーム機関係が醸し出す風俗環境というものも大いにあるのではないかというように考えておるわけでございます。
  112. 神谷信之助

    神谷信之助君 風俗環境に関する問題は後ほどまた質問するんですけれども、そういう風俗環境の悪化という条件に対して、具体的に少年の非行に対する対応というのはどういうことになるんですか。
  113. 三井脩

    政府委員(三井脩君) 基本的にはそういう営業の側に規制を加えて、限度を超えて少年に悪影響を及ぼさないようにするということが一つと、それからまたもう一つは、少年がそういうところに余り近づかないといいますか、接近をしないように営業者の側でも心がけるというように努力をしてもらうというようなことが基本がと思います。
  114. 神谷信之助

    神谷信之助君 しかし私は、あの改正案を見ますと、子供たちがそこへ近づかないようにという範囲をさらに超えて、もっと広い対策を考えるというのが今度の改正案のねらいじゃないかと思うんですね。少年指導委員制度の創設というのは、子供がそっちへ行かぬようにするという面もあるでしょう。同時に、午前中の答弁を聞いていましても、地域における少年の健全な育成ですか、こういった面を、これを前面に警察自身が取り組もうというのが今度の法改正の一つの柱になっているんじゃないかと思うんですが、その点はいかがですか。
  115. 三井脩

    政府委員(三井脩君) 基本的な考え方といたしましては、現にやっておることをもう少し法的根拠等を明確にするといいますか、現にやっておることを大いに熱を入れてやるというようなことが基本になっておるというように考えております。
  116. 神谷信之助

    神谷信之助君 そこで、いよいよそうやって現にやっていることをさらに熱を入れて少年の非行をなくすというか、補導といいますか、あるいは健全な育成というか、それに乗り出そうというわけですが、私はその問題をひとつまず議論をしてみたいと思うんですね。  少年が非行に走る原因というのは、私はいろいろあると思うんです。しかし、その原因を明らかにして初めてそれに対する対応、対策が立てられるわけですから、セックス産業がはんらんをし、風俗環境が悪化をするというのも原因の一つである。同時に私は、いろんな現代社会の言うたら病理の影響といいますか、これが非常に大きいというように思うんです。  その点で言えば金権汚職の政治がそのまま温存されているという問題もあれば、あるいは社会的風潮としてお金万能といいますか、強い者勝ちというか、力のある者が正しいという、そういう風潮も一つあるでしょうし、性風俗の乱れというのも言えるでしょうし、あるいは教育では受験地獄、落ちこぼれ教育といいますか、差別、選別の教育といった教育問題、これもあるでしょうし、あるいは高度成長下における共同体の崩壊といいますか、子供の孤立化というそういう問題もあるでしょう、そういういろんな社会的な現代社会の病理の影響が非常に少年の非行化の大きな原因になっているとすれば、これは端的に言うなれば、取り締まりと処罰の強化という側面だけでは、言いかえれば治安対策としての対応のみではなかなか解決ができないのじゃないかというように思うんですけれども、この点、公安委員長はどういうようにお考えでしょうか。
  117. 田川誠一

    ○国務大臣(田川誠一君) おっしゃるとおりでありまして、取り締まりや規制だけで解決できる問題ではないと思います。  神谷さんおっしゃったように、少年非行の原因が社会全般の病理の影響から来ていると、私も確かにそう思います。そういう意味から家庭教育の面あるいは地域の社会教育の面、我々大人がまず範を垂れて一般社会の姿勢を直していく努力をしなければならない。そういう一面から、今度は警察警察としての立場から、少年が何でも自由にどこへでも入れるというような、未成年の者が見ていけないところに入っていけるというようなことはやっぱり直していかなきゃならぬし、余りにもこの東京の歌舞伎町に見られるような、ああいうようなところへ少年がたむろしているということを放置しておいて一体いいのかどうか、こういうことを考えると、警察警察としての立場からやっていかなければならない。そういう意味で今回の風営法改正になったということでございまして、これだけですべてが解決できると、こういう問題ではないと思います。
  118. 神谷信之助

    神谷信之助君 今、公安委員長おっしゃるように、私もそう思うんです。  問題は、警察警察の立場から非行少年をなくしていく、そのために一体どういう役割を演ずべきだろうかという点が一つ大切だと思います。  そこで、もともと非行というのは子供の成長過程に生ずる現象で、これは適切な援助といいますか、これを行えば、みずからの成長によってこれを克服していくものというように思うんですね。非常に大きな可能性を秘めているのが子供たちですから、そういう点では、非行があればすぐ警察というそういう短絡的なやり方ではなしに、保護者なりあるいは教育を担当する教師集団なり、あるいは地域の人々がこれらに対して協力をし、教育的な援助と社会的な保護といいますか、こういうものが大切にされなければならないだろうというように思うんですが、この点で若干歴史的に見てみますと、昔は外国でもそうだし、日本でも少年に対して、犯罪行為があれば大人と同じように処罰をした時期もありますね。外国では昔は八歳の少年が絞首刑になったり十三歳の少女が火あぶりの刑になったという、そういう時代もあるし、日本でも明治十三年に財布を盗んだ初犯の十六歳の少女が終身懲役刑になったという例もあるわけです。しかし、それが十九世紀から二十世紀にかけて、社会の近代化、工業化の中で少年の犯罪も増加をする。だから、重罰主義といいますか、重い刑罰を加えるだけでは少年の犯罪はなくならない、こういうことが実践的にも明らかになってきて、犯罪を犯した少年といえども可能性を秘めたそういう存在だということで、言うなれば犯罪は成長過程におけるゆがみの一つ、だから刑罰だけではなしに保護と教育を与え、成長を助けるべきだと、そういう考え方というのが国際的にも広まってきたというように思うんです。  こうした中で、一八九九年にシカゴで初めて非行少年を刑事法制から切り離して、保護と教育を優先して与えるという、日本で言う少年裁判所なり家庭裁判所方式といいますか、そういうのが生まれ、そしてそれがアメリカ、ヨーロッパ、そして日本にも広がってきたというのが今日の少年法に至る少年法体制の基本的な流れたというように思うんですが、法務省見えていますか。  そこで、したがって少年法の目的というのは、大人の犯した犯罪に対して刑罰を科し、そして収監をし、同時に更生を期待をするというより以上に、子供に対しての保護と教育といいますか、こういうことが中心になっているんじゃないかと思うんですが、その辺のちょっと説明をお願いしたいと思います。
  119. 松浦恂

    説明員松浦恂君) 少年法の目的はただいま委員御指摘のとおりでございまして、この法律は非行のある少年、即ち犯罪少年、それから触法少年及び虞犯少年、この三種類の要件に該当する少年についての取り扱いに関する手続、これを保護処分に付するための手続、それとまた少年の福祉を害します一定の成人の犯罪についての取り扱いを定めた法律でございます。
  120. 神谷信之助

    神谷信之助君 今、公安委員長お聞きのように、そういう少年法体系というのが国際的にも確立をされて、大人の犯した犯罪と子供の成長過程に起きたゆがみのあらわれとしての少年犯罪というのとでは明らかに違った対応というものをしているというように思うんです。したがって、警察とか検察とかいう捜査機関といわれるところが犯罪を摘発をし、あるいは捜査をし、これに対して国家が刑罰を科するという、そういうのを職務としているところが主体的にといいますか、前面に出て少年の非行問題を扱うというのは、そういった今までの歴史的な発展過程考え合わすならば、行き過ぎになってしまう危険があるというように思ったりするんですが、その辺はいかがですか。
  121. 田川誠一

    ○国務大臣(田川誠一君) 少年事件の捜査に当たりましては、警察としてはいつも健全な育成という、そういう精神に立って、子供たちが一体どういう性格を持っているかというような子供の特性を考慮しながら、精神上傷つけない、こういう配慮を持ってやっていかなければならないと私は思っております。  非行少年に対する態度としては、今後も取り締まりをするという観点よりも少年の保護、健全な育成という立場を重点にして扱っていくべきである。また、少年を非行に陥らせないというためには、関係の団体とか学校だとか、そういうところとも連絡をとって、一体としてやっていかなければならない、こういうふうに考えております。
  122. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは私自身も昔、旧制中学時代に同級生の中で集団万引き事件が起こりまして経験をしたんですけれども、それはそういう事件を起こすような条件が学校の中にあったわけです。  当時は、御承知のように今と同じ受験地獄と言われるような時期でありましたから、合格率を高めるために、ちょうど私の中学の三年のときに一番から百番までは二つのクラスに固めてしまう、残りは三つのクラスに固める。そうすると、この三つのクラスに入れられている部分が今で言うたら落ちこぼれといいますか、差別感を味わう。そこから四十数名の集団万引き事件というのが起こりました。幸い、当時学校当局も敏速に対応し、警察の方も調書をとったりしましたけれども、事件にはしなかったわけです。それから、それらの諸君も皆今では大学の教授になったり医者になったり薬剤師になったり、あるいはいろいろな職について立派な成人になっている。だから非行が、少年の犯罪行為が起こったときにどのようにその事件を見、その少年の成長過程に信頼を寄せて援助を与えていくかという点がこれは非常に大事なんですね。そういう経験を私はしたんです。  同時に今度は、もう一つはその犯罪を起こす前の非行の防止の問題です。非行防止の段階に対して一体警察はどういう役割を分担すべきかという問題なんです。犯罪を犯した少年に対しても刑罰主義ではなしに、少年の未来に信頼をして保護、教育という、そういう対処を少年法は期待をしている。まして非行を起こしていない、あるいは犯罪行為を起こしていない段階、あるいは先ほど言いましたように、触法少年とか虞犯少年という段階にも至らないような段階にまで警察が乗り出すことがいいのか悪いのかという問題が一つあると思うんです。  それで、警察なり検察庁というのは、これは先ほども言いましたように、権力を持った機関だし、そしてこれは犯罪の捜査をし、犯罪容疑者を逮捕し、最終的には社会的制裁を加えるというところですから、それが非行までいかないそういうところまで優先的に進むというのはいかがなものか。それよりも教育なりあるいは福祉なり、これらが優先をされるような、そういう体制というものが少年非行の防止の上では極めて重要なのではないか。学校教育とか福祉の面とか、そういう角度での子供たちに対する援助の体制というのが基本にならなければならないんじゃないかというように思うんですが、この辺は長官、どういうように思いますか。
  123. 三井脩

    政府委員(三井脩君) こういう少年非行の問題につきまして社会全体が関心を持ち、努力をしなきゃならぬということであると思いますし、その社会全体という中で一番少年に直接的にかかわるのは学校教育であると思いますから、そういった教育の面、それから家庭もまた直接にかかわっておる、こういうことであると思いますので、家庭もしっかりしてもらわにゃいかぬというように思います。  そうすると警察はどういう立場になるかといいますと、今の家庭、学校以外のところは——少年の場合は職場は少ないと思いますけれども——一般社会ということになると思いますが、少年の家庭、学校の問題もありますけれども、そこは主としてそういうところで直接的にやり、警察はむしろ二次的だと思いますが、社会ということになりますと、家庭や学校もまた直接の立場ではなくなってくる。  警察は社会一般の秩序、治安の維持ということになりますし、その秩序維持、治安維持の中には、起こった犯罪の捜査、検挙も極めて重要な仕事でありますけれども、同時に犯罪の予防といったような、起こらないようにする面がありますし、犯罪予防に限らず、社会の障害になる、また犯罪に発展する事故あるいは事案、こういうようなものについても、できるだけ警察がかかわる限りにおいてこれを防止するということもまた重要な仕事であろうというように思うわけでありまして、法的に言いますと、警察法二条に言う意味警察の責務として与えられておるわけでありますので、その立場からやっていく。  その場合に、おっしゃるように、犯罪の捜査とは違って、犯罪以前の段階の問題について扱う場合にはいろいろと考慮せにゃいかぬ。犯罪を犯した場合でも、少年の特性にかんがみて、その扱いは成人の場合とは違った配慮をせにゃいかぬ、こういうことでありまして、その犯罪や事故の問題以前の段階においては、少年の特性に対する配慮、考慮というものがより高度なものでなけりゃならぬというように考えるわけでございます。
  124. 神谷信之助

    神谷信之助君 今長官おっしゃったように犯罪を犯した少年に対する対応、それから触法少年なり虞犯少年という段階の防犯的対策といいますが、そういうのは一般の健全な少年ですよ。それもおそれがあると言うたら皆どれもこれもということになってくるんですね。だから私は、治安対策を担当している警察が非行防止に名をかりて、少年一般に対して非行防止ということで警察主導型の非行対策を行うということはいかがなものかということを提起をしている。  それに対して、今長官は警察法第二条の警察の責務を引用して犯罪の予防という側面からおっしゃった。だが、犯罪の予防という側面から言うならば、全国民は犯罪を犯すおそれがあるんだから、全国民を対象にして犯罪の予防をやるんだ。健全であろうと不健全であろうと、犯罪を起こすおそれがあるから全少年を相手に非行防止を警察がやるのが当たり前だ。それが第二条に該当するんだということになると、これはもう国民全体、少年全体を警察の活動の対象にしていくことになる。ここの区別をはっきりしないと、私はそれこそ警察国家になってしまうと思うんだけれども、この辺はいかがですか。
  125. 三井脩

    政府委員(三井脩君) 犯罪発生後の捜査、検挙ということ以外に、犯罪とのかかわりでいいますと、その予防というものも重要な任務であるということを申し上げたわけでございますが、少年の問題に関していいますと、犯罪だけでなくて、警察法的にいいますと「公共の安全と秩序」といった任務があるわけでありまして、その両方にかかわってくるというように思うわけでありますが、それは警察がそういう関係を、違法行為だとか社会の秩序、安全にかかわるような行為をやるとか、そのおそれがあるとかというような関係において見るわけでございまして、極めて抽象的に、論理上は普通の人でも何かやればみんな警察がそれにかかわりを持ってくる、こういうごく一般的なことを言って、そういう観点から全部が対象と、こう言っているわけではございませんで、具体的にかかわりを持ってくる限りにおいて警察としてのその任務が具体化していくんではないか。  少年の問題につきましては、ただいまの現状というようなものが、一般的な少年が成長過程にあるために時々踏み外して問題を起こし、やがてそれを自己の経験として健全に成長していく、こういうような問題もあろうかと思いますが、ただいまの少年非行の問題はそれを超えまして、大変深刻になっておるというようなところに現在の問題がある。それが現代社会の病理にかかわっておるということであろうかと思いますが、そういうような深刻なただいまの現状にかんがみ、警察としてやるべき仕事、警察の立場においてこれに対処するためにやることを大いにやっていこうというのが今度のねらいでございます。
  126. 神谷信之助

    神谷信之助君 警察が積極的に、あるいは熱意を持ってやるというのは極めてよいように見えますけれども、逆に、警察は権力を持っているわけですから、極めてまた一方では不安を与えるという問題があると思います。  現行警察法の第二条、先ほどおっしゃいましたけれども、これはそういう警察の権力が暴走しないように極めて限定的になっているのが戦前の警察法との大きな違いだというように考えるんですけれども、これは長官もよく御存じのように、戦前の我が国の警察制度が大陸法系を継受して国家警察を建前としたために、その職務範囲を治安維持とか犯罪捜査、生命、財産の保護のほか、国家行政の便宜からして、いわゆる行政警察に属するものとして、衛生、労働、消防、建築など多くの分野を受け持っていて、それが戦後の民主化の中で、警察機関が国民の生活に干渉するような行政を担当することをできるだけ少なくするという趣旨で、二十二年制定の旧法の第一条では「国民の生命、身体及び財産の保護に任じ、犯罪の捜査、被疑者の逮捕及び公安の維持に当ることを以てその責務とする。」と、こう明確にされた。それで、現在の第二条に変わってきているんですけれども、その根本は変わっていないというのが通説だと思うんですね。  これは、行政官庁として昔の警察が許認可の権限をたくさん持って、そして国民生活全般にわたり関与できるそういう状態であったのを、警察の執行面を限定をして、そして秩序維持に当たるという、そういう側面を明確にしたというように思うんです。だから、できるだけ警察が前面に出て広くやっていこうと、現在の少年非行化の現状からやるのはもう警察としては当然だというようにおっしゃると、私はその一面、限定的な側面というのが外れてしまって、先ほど言いましたように、警察国家の危険を我々は感ぜざるを得ないというように思うんですね。この辺が一つ大きな点だと思います。  特に「八〇年代の警察」ですか、この考え方でいきますと、長官おっしゃるように、積極的に警察行政といいますか、警察の権限というものを拡大をしていこうという状況なんですけれども、あの考え方でいきますと、例えば生活水準の向上と「余暇時間の増大も、ギャンブルブームにみられるように、享楽的風潮の高まりをもたらすほか、麻薬、覚せい剤等の薬物の乱用、遊び型非行や少女売春に代表される少年非行の増加を促す」場合がある。したがって、これは治安にかかわる。このような論理でいきますと、日常生活を含めて、あらゆる問題がよかれあしかれ治安にかかわりがあるものという解釈ができ、治安の視野の中に含まれていく。そのことによって、国民のあらゆるレベルでのあらゆる行動が治安的に取り扱われるということになる危険があると思うんです。  だから、今度の少年指導委員制度をつくり、そして単に盛り場をうろつく子供に注意、助言をするということだけじゃなしに、これはおそれがある少年ということなんでしょうが、地域社会における一般の健全な少年に対しても、警察の組織された末端といいますか、そういうものが非行防止に手を出していくというのは、私は非常に問題があるというように思うんですよ。  そこで、もう少し具体的に聞きますが、五十七年五月二十七日に策定をされた少年非行総合対策要綱及び少年非行総合対策要綱実施計画、これがありますが、「少年警察体制の充実」という項を設けて、対策本部をそれでつくったりなされているんですが、具体的にはどんな活動をなされているわけですか。
  127. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 少年非行総合対策要綱につきましては、五十七年の五月に、長期的な展望に立った総合的な少年非行対策を進めていく上での指針ということで、内部通達としてまとめられたものでございます。  その中で「少年警察体制の充実」というくだりがございますけれども、これは少年非行対策を総合的、計画的に進めていく上で、警察本部に少年非行総合対策委員会を設置する。そしてまた、この委員会と連動しまして、少年非行対策を総合的に推進するためには、警察署にも警察署長を長とする少年非行総合対策本部を設置するというふうなことが書いてございますけれども、この総合対策委員会とか総合対策本部といいますのは、少年警察、これは相手が少年でございますので、いろんな配慮が必要でございますし、いろんな部門が有機的に連携して、まさに総合的に力を発揮しなきゃならないということでございます。また外部関係機関、団体とも十分連携をしなきゃなりませんので、言うならば非常に連携を密にしながら多角的にやらなきゃならないということなものですから、警察内部の各部門が、少年担当部局だけではなくて各部門が相互に知恵を出し合って、力を出し合ってやっていくというために設けられたものでございます。
  128. 神谷信之助

    神谷信之助君 そういうことで警察庁あるいは各府県本部、それから出先の各署に対策委員会なり対策本部をつくり、そして外部関係機関とも連絡をして今やっておられるというわけですが、そこでこうやって積極的に出てこられるのはいいようだけれども、私が先ほどから指摘をするように、本来、少年の非行の問題については刑罰をもって臨むよりも教育、保護、福祉、これを優先をして対処すべきだという点から、実際にそういう警察のやり方が一体どういう影響を与えているだろうかということが非常に重要だというふうに思うんです。  そこで、文部省見えてますか。  小学校、中学校、高校生の名簿を、名簿だけあるいは写真をつけてとか、あるいは保護者の職業とか思想状況まで付したもの、これらを警察に出している県あるいは数、こういったことについてちょっと報告をいただきたい。
  129. 中島章夫

    説明員中島章夫君) お答えをいたします。  五十八年当時、新聞等で生徒の名簿等を警察に提供しているということで報道されました十四県につきまして、私どもで調べをいたしましたうち、十二県で生徒の名簿等を提供しておりました。多くの場合は生徒氏名、保護者氏名、現住所、電話番号等を記載内容としておりまして、一部に保護者の職業を記載しているものもあったという状況であります。ただ、思想状況といったようなものについては、把握しております限り、提供している事実はございません。生徒の顔写真につきましては、その十二県のうちごく一部、二県の一部の学校で提供しているという結果が出ております。
  130. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは現在はどうなっているんですか。それは回収されているんですか。それとも、いまだに続いているんですか。
  131. 中島章夫

    説明員中島章夫君) その後私どもでは特にこういう形の調査はいたしておりませんが、例えば高等学校長協会の生徒指導部会とか教育長協議会あるいは生徒指導担当指導主事研究協議会あるいは生徒指導の担当の主管課長会議等におきまして、この名簿問題につきましての基本的な考え方を指示をいたしまして、各県においては、安易に一括をしてその名簿等を提供するということ等はできるだけ慎重にやる。特に学校が、それが何にどういう目的に使われるのかということを明確にはっきりして、学校の主体性を持って提供する。  青少年非行、健全育成というのは非常に重要な問題でございまして、警察等と密接な連携を持って行こうということは、私ども指導の重要な柱にしておりますので、そういうことは大切でございますが、今申しましたような基本的な考え方をきちっとしてやってもらいたいという指示を行っているところでございます。
  132. 神谷信之助

    神谷信之助君 その先ほどあった五十八年当時特に問題になった秋田県とか静岡県、これらの状況をちょっと報告をしてもらいたいというふうに思います。
  133. 中島章夫

    説明員中島章夫君) 秋田県におきましては小中学校につきまして、まず児童生徒名、保護者名、現住所、電話番号を記載内容としますものが一般的でございまして、これらの名簿が一部の学校、小学校では三校、中学校では十一校で提供されておりました。また、高等学校につきましては、ほとんど同一内容でありますが、一部出身中学とかクラブ名等を記載していたようでありますが、七十二校中三十九校で提供されていた。さらに一部、うち五校でありますが、顔写真を提供していた。こういうことでございます。  静岡県につきましては、小、中、高の一部におきまして、小学校では五百四十七校中百八十一校、中学校では二百八十六校中七十九校、高校では百四十四校中四十七校について名簿等が提供されていたということでございます。
  134. 神谷信之助

    神谷信之助君 文部省としては慎重にという目的を明確にして、そして主体性を持ってやりなさいというように指導されているようですが、警察はこういう名簿とか写真等の提供というのを警察の方が求めたのか。なぜ必要なわけですか。
  135. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この生徒名簿の提供というのは、本来警察署と学校とがそれぞれその地域の生徒の非行を防止するあるいは健全な育成を図るという、緊密な連携をとるというもとで独自に判断をされて行ってきたものと承知をいたしておりまして、警察庁が格別に統一的に組織的に進めておるものではございません。  当庁といたしましては、警察が街頭で少年を補導した場合に名簿等を利用いたしまして、その氏名、学校等を確認をして速やかに学校に連絡をすると、連絡を受けた学校がそれに基づいて適切な指導を行うという、そういう必要があるというふうに判断をされておるというときにこういうふうな名簿が提供されておるというふうに理解をしておるわけでございます。そして警察は、こういうふうに提供されました名簿等を利用する際には、提供されました目的というものを、趣旨を厳格に踏まえて行う必要がある。そうして、決してその目的以外に利用するようなことがあってはならないということで厳に戒めておるわけでございます。また、生徒が卒業した等によりまして必要がなくなったという場合には、そういう名簿を速やかに返却するかあるいは焼却をするというふうにしておるところでございます。
  136. 神谷信之助

    神谷信之助君 生徒の全員の名簿はどうして必要なんですか。
  137. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) それは現地の学校と、それから警察がそれぞれ相談をして決めていくことであるというふうに考えております。
  138. 神谷信之助

    神谷信之助君 全校生徒の名簿と写真の提供を求める、これは長官が先ほど言われたように、犯罪を犯すおそれがあるかもわからぬ、非行に走るおそれがあるかもわからぬということで求めるわけでしょう。問題起こした者についてどうのこうのじゃないわけだ。全校生徒、学年一年だったら一年金員の名簿と写真を提出求める。これは全部容疑者だと、こういうことになるわけですよ。そういうようにあなた方の方は、それぞれの現場の警察署がそういう判断をしてもいいという、そういう態度で指導しているわけですか。
  139. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 決してそういうふうに、その生徒を被疑者扱いにするというような考え方は毛頭ございません。現実にそういうふうな場合におきまして速やかに指導するということが必要であるということに基づいて、そういう必要がある場合にはそういう形になっておるというふうに承知をしておるわけでございます。
  140. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは当然本人の子供はもちろん保護者の了解も得てない。学校当局が出す、提出をする場合、そういう了解を求めて出すことになっているんですか。どういうことになっているんですか。
  141. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) この名簿提出の件につきましては、先ほども答弁いたしましたとおり、警察の方から特に要求したというものではございませんで、学校と警察署といった段階で平素から少年非行問題とか少年健全育成の問題でいろいろと意思の疎通をやったり勉強しておるわけですけれども、そういった協力関係というんでしょうか、場合によっては信頼関係といってもいいのかもしれませんけれども、そういったものを背景にして、ベースにして、少年非行、しかも街頭で補導した場合に少年をどうすればいいのかというふうなことについていろいろと知恵を出した末にこういったものができ上がったのだと思います。  また、特にこの名簿につきましても、私ども聞いておりますのは、大体父兄の方とか生徒だとか、そういった方が持っておられるようなものが多いというふうに聞いております。そういたしますと、特定の生徒ですとか児童につきましてそれだけを持つ、仮に学校の方から提供いただくということになりますと、また別の問題が出てくるんではないか。やはり少年非行を防止する、街頭で補導した場合に、早期発見、早期補導という趣旨からしますと、学校側の御協力を得てこういった措置をおとりになったんじゃないかと、かように解釈しております。
  142. 神谷信之助

    神谷信之助君 じゃ文部省、今のような警察考えですが、少年非行をなくす協力をする。だから、そのために警察に名簿や写真まで渡す、それは非行防止に役に立つのだからと。警察の権力で非行防止をしよう、してもらおう、教育する責任義務というものを放棄をして、みずからの教育権、教育する力、あるいは家庭を含めてそういう非行を絶滅をする、なくすという努力をしないで警察の力に頼るのがよろしい、こういうのが文部省の方針になっているんですか。
  143. 中島章夫

    説明員中島章夫君) 学校におきまして児童生徒の健全育成、教育について第一義的な責任があり、それに主体的に取り組むというのは極めて基本的な大事なことでございます。  ただ、昨今の少年非行といったような問題はなかなか学校だけでは解決されない部分もございます。そういう意味で、先ほども申しましたように、私どもでも生徒指導共同推進地域といったようなものを設けまして、学校とそれから警察あるいはその他の関係機関とが協力をして、これに積極的に取り組んでいくということを前向きに推進をしているところでございます。  学校といたしましては、先ほども申しましたように、それが何に使われるか、そして学校ではできない部分をどういうふうにお願いするのかということをはっきり主体的につかみました上でそういう問題に対処するということが大切だと考えております。
  144. 神谷信之助

    神谷信之助君 法務省の人権擁護局にちょっとお尋ねしますが、子供たちの名簿やあるいは写真、これらが警察の方に、自分も知らないし保護者も知らないということは、逆にそれはなぜかいうと、非行をもし犯したときあるいは犯すおそれがあるときに警察が指導をしたり、あるいはもし本当に犯罪を犯しておればそれが事件にされる、立件されるというのに使われるんですが、これは人権の点からいってどういうことになりますか。
  145. 永井敬一

    説明員(永井敬一君) 御指摘の点につきましては、青少年人権擁護の観点からは慎重に対処すべき事案と考えます。  学校が青少年の非行の対策の一環等から警察に生徒名簿等を提供することは、現在児童生徒の非行が激増している面から見れば、非行があった場合、警察からの連絡により的確な生徒指導を行うためにやむを得ない面があるということも否定できないと考えます。しかしながら、これら情報を警察に提供することは生徒、父兄等のプライバシーを侵害する危険もありますので、提供される情報は必要最小限度にとどめるべきであって、生徒等の顔写真や保護者の具体的職業などを記載した名簿を一般的に提供するということは、人権擁護の観点からは好ましくないと言わざるを得ないと考えております。  当時私どもの方でも一般的な調査を行いましたが、その際にもこのような考え方を一応伝えでございます。
  146. 神谷信之助

    神谷信之助君 校内暴力事件とかあるいは少年の犯罪事件が起こる、そういう場合に捜査の必要上の協力というのはあり得るかもしれない。しかし一般的に、問題校でもないのにああいう騒ぎの中で全校生徒の名簿や写真を渡してやるというのは、私はこれは大変な、教育者の風上にも置けないけしからぬやり方だというように思うんですよ。だから、この点ではもうなくなっているのかと思うと、そうじゃないんですね。なかなかそうじゃないようで、この名簿の問題が重大な問題を起こしているのに弘前市の事件があります。  五十七年の十月三十日に起こった連続アパート空き巣事件、これに関連をして授業中の中学校の生徒を教室から警察署に連行したという問題について、この事件の概要の報告をしてもらいたいと思う。
  147. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) お尋ねのありました事案につきましては、五十七年の十月三十日、青森県の弘前市内のアパートで発生した空き巣事件につきまして被害届を受理しました青森県の弘前警察署の方で捜査をいたしました。その結果、中学生風の少年が現場付近にいたという話もありましたので、同年十一月二十四日、学校にも連絡をいたしまして、本人の同意も得てこの少年警察署の方に来ていただいて事情を聞いたというものでございます。
  148. 神谷信之助

    神谷信之助君 青森県警本部からの報告がしらぬけれども、極めて何といいますか、事件の本質を隠した報告ですね、今のは。  おっしゃったように、連続アパート空き巣事件が十月三十日起こった。捜査をしていた弘前署の刑事が十一月の二十四日に市内のB中学校に出向いて生活指導担当教師に名字Aの少年との面会を要求した。なぜ名字Aの少年要求したか。それは名簿があるからですね。これは後で市会でも問題になって、市教委が五十三年から小中学生の名簿を全部警察提出したことが明らかになった。だから警察は、いろんな聞き込みの中からAという名前の少年らしいというのでやった。そのAという名前の少年はその中学に二人いて、その二人と面会をさせたら、あんたの方だ、署まで来てくれと。先生は、放課後にしてくれ、今授業中だと、こう言ったけれども、午後からは会議があって忙しいんだ、今来てもらうと、こう言って弘前署に連れて行ったわけでしょう。鉄格子の入った取り調べ室でその少年を一人だけで調べた。保護者の立ち会いもなければ教師の立ち会いもない。そこではその少年は、空き巣に入ったろう、正直にしゃべれと、こういって言われた。    〔委員長退席、理事真鍋賢二君着席〕 目撃者はおるんだ、連れてきて顔見せたらすぐわかる、だから言えと。警察に連れてこられているんだからこれは親に知らせないかぬ、電話番号言えと。親に知らせていいのか、正直にしゃべれ。何もやってないといって訴えても聞かぬ。目撃者がおる、親に知らせると、これをおどし文句にしてうその自白を迫った。私も送りたくないし、おまえも送られたくないだろうと。余りの悔しさにそのA君というのは泣き出した。母親に対して、おれは絶対にやっとらぬのだけれども、もう余りひどいんで、うそでも何でも言おうというように思ったと。幸いそれでうその自白をせずに学校へ戻ってきたわけですよ。こういうことがやられているんですよ。  警察庁の指導は、そうやって容疑者があれば授業中であっても署に連れてきて、そして付添人なしで取り調べるということに指導しているんですか、どうですか。
  149. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 警察庁の方では、少年事件を取り扱う場合には少年警察活動要綱の中に、少年の処遇上の基本的な心構えというのがございますので、こういった趣旨を十分に踏まえて行うようにというふうに指導してございます。
  150. 神谷信之助

    神谷信之助君 その指示どおりやっておらぬじゃないか。弘前署でそういう事実があったことは御承知でしょう。そういう少年に対する取り調べをやったことは事実でしょう。
  151. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) この事案につきましては、学校の方に一応出向きまして生徒指導担当の先生に御了解を得て、本人の同意を得て警察署の方に来ていただいた、こういうことでございますが、短時間でいろいろと事情をお聞きして、その際にも、今いろいろ御指摘ありましたように、やはり少年の心情というのがございますので、スポーツの話をしたり、何が趣味がというようなことを聞いたりしたようですけれども、やはり少年の調べにつきましてはいろいろと配慮をしたようでございますが、その上でこの少年は問題ないということで短時間で、極めて短時間で面接を打ち切って、その上で、送っていこうかということを言いましたところ、いやいいと言ったんですが、学校の方に一応同道して送り返しまして、最初に了解いただきました少年指導担当の先生、教諭の方ですけれども、その旨をお話しして引き渡した、こういうことでございます。
  152. 神谷信之助

    神谷信之助君 その少年を調べる場合は付き添いはなくてもいいんですか。保護者なりあるいは学校の教師なり、付き添いなしでやっているんでしょう。付き添いなしでやってもいいわけですか。
  153. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 少年警察活動要綱によりますと、やむを得ない場合を除き、保護者その他適当と認められる者の亡い会いのもとに行うと、こういうことになってございますので、この件につきましては、こちらの方でその生徒指導担当の先生に同道願いたいとお願いしたんですが、時間的に無理だということであった。そういう事情はあったにしろ、私どもの指導には必ずしも沿ったものではないというふうに考えております。
  154. 神谷信之助

    神谷信之助君 これはあなた方の方で、少年の調べについてのそういう取り決めをちゃんとして、それで指導を徹底しておってもこういうことが起こっているわけですね。  これは五十七年の十二月の六日の青森県議会で我が党の木村君が追及して、警察本部長も事実を認め、そして「今回の少年の取り扱いについて適正を欠いた点があるということは事実でありまして、その責任は挙げて私にあるということも事実であります。」というようにお認めになったわけなんです。しかし、これは私は教育上からいっても大変なことだと思いますね。犯罪事件があった、少年に容疑をかける、授業時間中に引っ張り出す、生活指導担当の教師がそこにおる、あんたが一緒に付き添ってくれ、立ち会ってくれということをやればいい。それもやらないで少年だけだ。そして、あんた方の報告で言えば、スポーツの話を言うたり野球の話をしたりして少年をうまくしながらやったと言うけれども本人は悔しくて悔しくてたまらなかったと言って、帰ってきて母親に訴えている。取り調べた警察官とその子供しかおらないんだから、警察が本当のことを言っているのかうそを言っているのかわからぬ。  文部省、こういうことが警察でやられていて、教育上あんた方はどう考えますか。
  155. 遠山敦子

    説明員(遠山敦子君) 御指摘の事例につきまして青森県教育委員会の報告を受けましたところ、やはり授業中の中学生が警察署において事情聴取を受けたということでございます。  年少者であります中学生につきましては、事情聴取自体が慎重な配慮のもとに行われるべきものでありますし、また、授業中の生徒を教室外へ連れ出して行うことは、本人とともに他の生徒にとりましても教育上好ましくないということでございまして、まことに遺憾であるというふうに考えております。  このことにつきましては、青森県教育委員会におきまして、その後、児童生徒の在校中に警察等の関係機関が児童生徒との接触を希望する場合には、校長は児童生徒に与える影響を十分考慮の上、適切に対処する旨を通知等によりまして指導いたしております。今後ともこの線に沿って指導をしてまいりたいと考えております。
  156. 神谷信之助

    神谷信之助君 長官、今お聞きのような事件の経過ですよ。先ほどからたびたび言っていますように、捜査上必要があったかどうかは知りませんけれども少年が容疑者にされた。事実は、その少年は犯人ではなかったわけです。しかし、事情聴取に生徒を授業中に教室から引っ張っていく。担当の生活指導担当の教師は、放課後にしてくれと、こう言っても、おれら忙しいのだと言ってそのまま連れていく。そして、少年一人だけで付き添いもいない鉄格子のはまった取り調べ室で取り調べをする。これは、少年に対する取り調べあるいは捜査取り調べの上では、指導上あなた方の指導の方向としてはやってはいかぬことをやったことになるんだけれども現実に弘前ではこれが起こっている。こういう点について長官のひとつ所見を伺っておきたいと思います。
  157. 三井脩

    政府委員(三井脩君) この事例は不適切な事例でございます。今後このようなことのないように指導してまいりたいと思います。
  158. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう一つ同じような問題を提起をしたいと思います。  これはつい最近ですね。ことしの六月七日の朝、市川第一中学校で起こった生徒四十人余りの指紋採取事件、これについて報告をしてください。
  159. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 御指摘のありました事件につきましては、本年の六月六日の夕刻から翌六月七日の朝にかけまして市川市内の中学校のテニス部室が荒らされた。学校側から被害の届け出と警察官の臨場の要請を受けたものですから、警察官が、署員が現場に赴きまして所要の捜査、鑑識活動を行いましたところ、現場から遺留指紋と思われる指紋が発見されたということでございます。それで、この指紋につきまして、被疑者というんですか、犯人の指紋を特定するという意味から、日ごろこのテニスの部室に出入りしている部員の指紋、これを除きませんと犯人とか被疑者の指紋等が特定できませんから、そういう趣旨で御協力を得て指紋をとるということで、そこの学校の教頭先生にお願いいたしまして、了承を得た後、また生徒指導担当の先生とテニス部の部長の先生からテニス部員に事情説明いただいて、生徒の皆さん方の了解を得て、先生の立ち会いのもとで指紋の採取を行ったと、こういう事案でございます。
  160. 神谷信之助

    神谷信之助君 今もお話がありましたが、六月の六日の夜ですか、テニス部の部屋が荒らされていたことが次の日わかった。厚さ五ミリのガラスを四、五センチ四万切って、そこから腕を入れてかぎをあけて入ったというわけですから、大体玄人といいますか、そういう犯人のしわざだろうということだった。だから、今もお話があったように、消去法で犯人の指紋というものを特定をするということでテニス部の女子部員ばかり四十人ほどの指紋を採取したというんですが、これは文部省、教育的見地からいったら、これは教頭先生が許可をしたというんだけれども、非常にこれは問題があることじゃないかというように思うんですが、いかがですか。
  161. 遠山敦子

    説明員(遠山敦子君) 御指摘の事例に関しましては、この盗難事件につきまして、生徒と外部からの侵入者とを区別するために、学校の同意のもとに生徒の指紋の採取が行われたということでございます。学校といたしましては、被疑者としての指紋の採取ではないということから応じたものでございます。しかしながら、教育の場である学校といたしましては、年少者である生徒の心理に対する配慮が必ずしも十分でなかったと考えております。  今後とも、こういう面の事例に際しましては、生徒の心理を十分に理解して、学校として、より適切な措置ができるように指導してまいりたいと思います。
  162. 神谷信之助

    神谷信之助君 指紋を採取された部員たちは、被疑者ではないというように聞いたので生言いますが、本人たちは、やっぱり犯人扱いされたみたいで嫌な思いだったと言っていますし、中の一人は、先生は友達に、盗んだのはおまえしかいない、素直に言え、と犯人扱いをするような問題もあったというように報道もされています。事実、確かめてみたらそういう状態もあったようで、学校側も行き過ぎだったと、保護者や担任の先生からの指摘で教頭さんがおわびをなさっているようです。その翌日、警察に返還を求めに行ったところが、県の鑑識課に送ったということで持ち帰れずに、結局七月の十二日になってから連絡があって返還してもらった。保護者、指導主任立ち会いで焼却をしたわけです、これは。  しかし、指紋の写しかなんか知らぬが、それはそのまま残ってしまうということになっているわけで、これも大変な問題だと思うんですが、こういう点、これは人権擁護局、指紋をこういう形で子供たちから仮に学校の教頭先生が承認をされたといっても、本人や親たち、少なくとも保護者たち意見も聞かないでやるということについては、これは人権上どういうことになりますか。
  163. 永井敬一

    説明員(永井敬一君) 本件につきましては、現在人権擁護機関でも事実関係調査してございます。  仮に具体的嫌疑がないにもかかわらず多少とも本人の任意性に欠けるようなやり方で指紋採取をしたとするならば、やはり人権上問題があると考えますので、事実が認められれば所要の対応をしたいと考えております。    〔理事真鍋賢二君退席、委員長着席〕
  164. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは、調査結果に基づいてしかるべく処置をしてもらいたいというように思いますが、警察はそういうように権力を持っているわけですから、子供たちの教育に責任を負っている学校の教師たちでも、本来簡単に認めるべきではないことをやっぱり警察が怖いわけで承認をしてしまう。これは弘前の場合もそうですし、市川の場合もそうだと思うんですよ。事ほどさように警察の力というのは国民の側から見たら非常に恐ろしいものなんですね。学校の先生という、言うなれば一定の理性を持った人たちでもそうなんだ。それが、少年に対して前面に警察権力が出ていくということは、これは事間違えば大変な事態になるし、まして今のように教育上重大な問題になるというように思うんですが、この点について警察庁長官は、十分にひとつ謙虚に部下の指導に当たってもらいたいと思うんですが、この点いかがですか。
  165. 三井脩

    政府委員(三井脩君) 権限を警察官が持っておるわけでありますが、その権限行使であると権限行使でない場合とを問わず、職務執行に当たっては謙虚にこれはやらなきゃならないわけでありまして、この点についての指導は怠りなくやってまいりたいと思います。  ただいまお話の市川の例は、犯罪捜査のために届出があり、現場に臨み捜査をするためには、常道として関係指紋をとらなければ捜査は成り立たないということでありますので、これはちょっと事情は違うのではないかと私は思います。  問題は、生徒個人に対する説明の仕方にやや不十分な点があったのかと思いますが、それは学校の先生警察官とよく相談して、納得のいくように説明した上で関係指紋をとらなければ捜査は成り立たないと、こういうように私たちは思います。
  166. 神谷信之助

    神谷信之助君 問題は、大体そういう捜査は、出てきますと現場を確認し、現場を維持するわけでしょう、そしてすぐ捜査にかかる、捜査の常道というのは初動捜査をいかに早くやるかということが大事になるわけですからね。そうすると、指紋をとるという場合でも、必要があって指紋をとるんでしょうけれども、教頭の許可だけ取ってやった。本来なら担任の教師や保護者、それらの意見も聞き了解を求めてやる。そうすると時間がかかるからそんなことじゃ困る、早いこととらす、こうなってきているから教頭だけの、教頭のそういう判断でやって、担任の教師や保護者から批判が出たわけです。だからその点では、捜査の協力にわたる部分にしても、そういう少年に対する事人権にかかわるような問題というのは慎重にやっぱり警察の方がやってもらわないと、また学校側にも重大な問題があると同時に、警察側にもそういう点での慎重な態度というのが必要だということを指摘をしておきたいと思うんですよ。  それから、その次の問題で、最近警察官が自治体、都道府県、市町村に出向なり派遣をされている状況が非常にふえているんですけれども、特に教育関係ですね。教育委員会とか社会教育を含めて、こういうのに出向なり派遣なりの状況というのをまず報告をしてもらいたいというように思います。
  167. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 御指摘の点につきまして、警察庁の方で必ずしも詳細に把握しているわけではございませんけれども、青少年関係部局への出向派遣について申し上げますと、都道府県当局からの要請などにょりまして四件、六名が出向いたしています。そのほか、府県とか市へおおむね五十名程度が派遣されているというふうに聞いております。もちろん、こういった出向したり派遣した職員は、知事部局とか、それから少年補導センターとか、こういった箇所におきまして少年非行の防止対策、少年補導活動といったような、少年非行防止とか健全育成といったような業務に従事しておるわけでございます。もちろん私どもとしましては、関係機関の連携という見地から行われているものというふうに理解しております。
  168. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは福井県の敦賀でしたかの問題で、衆議院でも議論になった問題であります。聞いてみますと、出向というのは非常に少なくて、ほとんど派遣で、すなわち警察官の身分はそのままで教育委員会の職場に配置されているという状況があるんですが、先ほどから言っているように、警察官が直接教育行政警察官の身分をそのままにして乗り込むというのは、教育上からも私はよくないというように思うんですが、その辺の見解はいかがですか。
  169. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 出向にいたしましても派遣にいたしましても、地方自治法によりますと二百五十二条の十七という条文がございますけれども、いずれも地方公共団体の長  知事部局の方から要請があって、警察官が出向あるいは派遣という身分上の措置を受けるということでございますが、いずれにしましても、出向はもちろんそうですが、派遣にいたしましても、身分上は両方を持つにいたしましても指揮系統ということになりますと当然、出向したあるいは派遣された先の上司の指揮を受けて仕事をするということになりますし、実際に行う仕事につきましても、先ほど申し上げましたように、少年非行の防止とか健全育成とかいったような見地から行うものでございまして、一般的な教育とか社会教育とかいったようなものではない、こういうふうに理解しております。
  170. 神谷信之助

    神谷信之助君 そういう答弁衆議院でも同じようにやられているんですが、私はそういうように思いません。特に少年の非行防止というもの、これが先ほどからも言っていますように無限に拡大をされる危険を持つそういう状況ですから、まして警察官、指揮系統は違うといっても、司法権というんですか、その権限を持っておられるわけでしょうから、それが少年の非行の行政の中心に座っていくということ自身が私は問題だということを指摘をしておきます。  これは議論してもなかなか一致しない問題だろうと思いますから、そこで今度は、具体的に改正法で提起をされている新しいねらいなんですが、まず現在警察少年補導員制度ですか、それがありますね。これはどういう組織がという点についてお伺いしたいと思うんです。法的根拠、どういう人たちで構成をされているのか、その人たちの身分あるいはどういう職業の方が多いのか、それから人員、全体でどのぐらいおられるのか、それから各署ごとにするとどれぐらいの人数になるのか、大体そういうことをまずお聞きをしたいと思うんですが。
  171. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 少年補導員につきましては、少年の健全な育成に熱意を持っておられる方、そういった方の中から警察本部長あるいは警察署長等が委嘱した民間のボランティアでございます。現在全国で約五万四千人の方が委嘱されて私どもの方に参加しております。  これらの方々がボランティアとして活動いたしているわけでございますけれども、法的根拠としましては、これはこちらの方のいわゆる部長通達というんでしょうか、保安部長通達というふうなものに根拠がある……
  172. 神谷信之助

    神谷信之助君 阿部長。
  173. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 警察庁保安部長通達でございます。こういう取り扱い方針を示しているだけでございます。法律とか何とかではなくて、そういうものでございます。  それから、職業でございますが、自営業の方が二四%ばかり、そのほか会社員の方が一五%、農漁業が約一〇%といったような方々でございます。  それから、こういった方々は、身分的には今申し上げましたように民間のボランティアでございますけれども、平素それぞれの居住しておられる地域におきまして、日常的に少年に対する声がけ運動とか、それから警察が各県といろいろ協力して行います街頭補導活動とか、そういったところに出ていただくといったような御協力をいただいております。
  174. 神谷信之助

    神谷信之助君 大体、各署ごとで言うとどのぐらいの人数になるんですか。一警察署当たり大体どのぐらいになりますか。
  175. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 一警察署平均大体三十名から四十名ぐらい、署の規模にもよりますけれども、三十名から四十名ぐらいでございます。
  176. 神谷信之助

    神谷信之助君 青少年対策室にお願いしますが、今の警察の組織している少年補導員以外に、都道府県あるいは市町村等で少年補導を行う組織といいますか、これは現状どういうものがあり。どうなっているのか。今のような法的根拠、構成、身分、職業、人員、こういった点についてお答えいただきたい。
  177. 梅沢五郎

    説明員(梅沢五郎君) お答えいたします。  少年補導員でございますが、先ほどのお話にもありましたように、市町村等自治体が設置いたします少年補導センター、これは条例あるいは規則で設置しておるわけでございますが、これを拠点といたしまして活動しておるわけでございまして、人数でございますけれども、全国で約六万七千人と、こういったことでございます。身分につきましては、民間のボランティアということが基本でございますが、非常勤の職員扱いといいますか、こういったものも少なくはないということでございます。  総理府といたしましては、この少年補導センターの一部に補助をやっておるわけでございますが、そういった補助対象少年補導センターにつきましては、規模といたしましてはおおむね百名前後ですか、そういったことでございます。補助対象以外の少年補導センターにつきましてはそれよりも小規模のものが多いというふうに承知いたしております。
  178. 神谷信之助

    神谷信之助君 これらの組織と警察との関係、あるいは警察のつくっている少年補導員制度との関係、これはどういうことになりますか。
  179. 梅沢五郎

    説明員(梅沢五郎君) お答えいたします。  少年補導員は、地方公共団体の長等の委嘱を受けまして地方公共団体が設置いたします少年補導センター、これを拠点といたしまして地域の街頭補導あるいは少年補導等の非行防止活動に当たっておるわけでございます。  警察少年補導員でございますが、私どもといたしましては、警察本部長等の委嘱を受けまして、主として街頭補導に従事しているというふうに承知しておるわけでございます。  いずれにいたしましても、私どもの立場からいたしますと、関係機関あるいは関係方面がそれぞれの立場から青少年の非行防止に努力することが大切なことではなかろうかというふうに考えております。
  180. 神谷信之助

    神谷信之助君 自治体の方が委嘱をしてやっている少年補導委員の方、これは同じょうに街頭行動をやる、それで非行などの、あるいは夜遅くまでうろうろしている少年を見つけたりしたら注意や助言などをする。あるいは場合によったら警察に通報する、連絡するということもあるわけですか。
  181. 梅沢五郎

    説明員(梅沢五郎君) お答えいたします。  関係機関ということで、当然必要がございますれば学校あるいは警察、児童相談所といった関係機関と連携をとっております。
  182. 神谷信之助

    神谷信之助君 おっしゃるこっちの少年補導委員の方は、そういう街頭行動をしたりするときは少年補導委員の人だけでおやりになるか、あるいは警察にも連絡をとって、場合によったら警官も一緒に行動するということであるのか。これはどうなんですか。
  183. 梅沢五郎

    説明員(梅沢五郎君) お答えいたします。  少年補導委員の設置主体あるいは設置の拠点というのは、これは警察とは違うわけでございまして、独自の活動、こういうことを当然原則的には行っておるわけでございます。しかしながら、先ほどもお答え申し上げましたように、必要がありますれば当然関係機関と連絡をとって行うと、こういうこともありますので、場合によりましては警察と補導委員等と一緒になって街頭補導に当たると、こういうこともあり得るかと思います。
  184. 神谷信之助

    神谷信之助君 警察がつくっている方の少年補導員ですが、これが街頭行動するときは警官が同行する場合もあるわけか、あるいはまた注意なんかやったり、問題があれば警察に報告するあるいは学校に連絡するということをなさるのか。この辺はいかがですか。
  185. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 少年補導員の方、全国で約五万四千人を委嘱しておると申し上げましたけれども、いろんな方がいらっしゃいまして、それぞれの地域で活動をいただいておるわけですけれども、街頭補導などをされるのに非常に、何というんでしょうか、向いた方というのもいらっしゃるし、そうじゃなくて、例えば有害図書類の自動販売機があるよといったような通報をしていただくのに向いたような方もいらっしゃるわけです。私どもとしましては、街頭補導をする場合には、できればそういった適性のあるというんでしょうか、向いた方にお願いして警察官と一緒に街頭補導に回る、あるいは例えば春とか秋とか、現在も青少年を非行から守る運動月間というのをやっておりますけれども、そういった特別の期間には警察官と一緒に行動するというようなこともいたしております。
  186. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすると、両方合わせて十二万人ほど少年補導をやっている人たちがおられるわけですね。それで、どちらもいわゆる名誉職というかボランティアで、無報酬でやっておられるという状況です。これ両方の違いはどこにありますか。
  187. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 私ども少年補導員と先ほど総務庁の方から説明ありました少年補導委員、よその制度ちょっと御説明しにくいんですけれども、私どもの方といたしましては、警察本部長なり警察署長から委嘱をするというふうなこと、それから、地域的にも特定の地域の居住者に偏らないで配置するというんでしょうか、委嘱をするといったような、全国に配置するといったような点、それから、これは当然でございますけれども警察署あるいは駐在所、派出所、そういったところと連携をとりながら仕事をしていくといったような点が総務庁のおっしゃった点と若干違うんじゃないかと、こういうふうに思います。
  188. 神谷信之助

    神谷信之助君 総務庁の方でつくっている少年補導委員、これだけでは足らぬわけですか。逆に言うと、警察でつくっている少年補導員というのはやめてしまって、人数はふやすならふやしてもいいけれども、総務庁がやっている少年補導委員ではできないことがあるので警察が独自の少年補導員というものをおつくりになっているのか。この辺はどうなんですか。
  189. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 二つの制度、どちらが早いか遅いかということは私もよくそこまで勉強しておりませんけれども、いずれにしましても、私ども少年補導員につきましては少年の非行とか健全育成の面で、警察の手ではとても足りない、もっともっとやりたいけれども足りないというふうな点をいろいろとボランティアの目から見てやっていただくというものでございまして、あくまで警察との関連が深い、こういうことだと思います。  少年補導委員の方は、これは市町村の補導センターを中心にして活動しておられると、こういうふうに理解しておりますので、内容的にも若干違うんではないかと、こういうふうに思っております。
  190. 神谷信之助

    神谷信之助君 なるほど。そうすると、警察の方でおつくりになっている少年補導員というのは、警察官が少ないので、その不足を補ってもらうということで必要になってつくられているということになるわけですね、今の説明ですと。
  191. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) ちょっと説明が足りなかったかと思いますけれども警察官が足りないからというんではなくて、現在の少年非行情勢のようなものを見ますと、警察だけではなくて民間の方にももっといろいろとやっていただきたい。  現在、少年非行の原因が家庭にあり学校にあり地域社会にあるということをいろいろ言われますけれども、やはり地域社会の少年の教育機能というんでしょうか、そういったようなものは必ずしも十分でない、むしろ不足しているんじゃないか。そういった面から見ますと、やはり少年補導員といった民間のボランティアの方が、警察官が足りないから補うということではなくて、独自に動いていただくことも必要である。ただ、独自に動く場合も、じゃ何をやっていいのかわからないというのがむしろ実情ではないか。そこで私どもとしましては、少年の補導というんでしょうか、街頭補導だとか、それから有害環境の除去だとか、こういった問題についていろいろとやっていただければ非常にありがたい、助かるというふうなことでお願いしておると、こういう趣旨のものでございます。
  192. 神谷信之助

    神谷信之助君 警察官が足らぬからではないということならば、逆に、警察が直接少年補導員を持たなくても、同じボランティアですから、総務庁でつくっている少年補導委員の制度を充実をする、強化をするということでいいわけだよ。そこで実際に街頭行動もやるし地域の活動もやる、健全な育成もやれば触法少年や虞犯少年に対する指導や注意や助言もやる、それで必要な連絡は学校の現場なり警察にもする、これでやっているわけですね。何で直接それがあるのにどっちが先にできているのか知らぬみたいに、それがあるのにどうしても警察は自分の直接の部隊を持っておらぬといかぬというのかと聞いているんです。
  193. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 一つの例を挙げますと、私ども少年補導員は警察本部長、警察署長から委嘱されますが、一つの署で三十から四十人ということを申し上げました。それをさらに割りますと、駐在所とか派出所あたりに二人とか三人というふうに、非常に何というんでしょうか、網の目が細かいというふうなこともあろうかと思います。  少年補導委員の方は私もよく存じませんが、少年補導センターを中心にして活動しておられるということでございますから、そのあたりのカバーできるエリアの問題も若干違うんではないかと思いますし、それから私どもそれだけ網の目が細かいということになりますと、何か問題があった場合にも対応が早くなるんではないかというふうに理解しております。
  194. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから、やっぱり警察署単位に警察の必要に応じてボランティアというものをつくって、その人たちの協力を得て少年補導員をつくっている。だから警察のいわば手足として、片一方の方はそんな警察の手足ということではない少年補導のまさにボランティアで、都道府県知事なり市町村長からの委嘱を受けてやる、こういうことなんですね。だから、どっちの方が権限を持っているものかわかりませんけれども、どっちの方がそういう点では強いのかな。青少年対策室とあれとで、少なくともやっぱり警察の方が怖いから強いというのかな。どうなりますか。どうもそれがわからぬのですよ。
  195. 梅沢五郎

    説明員(梅沢五郎君) お答えいたします。  権限という面におきましては、これは私の理解からしますれば、ともに特別の権限というのはない、こういうことかと思います。
  196. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 権限の面では、いずれにしましても民間ボランティアでございますから、強制権にわたるものは全然ございません。任意でございます。したがって、そういう面ではどちらがどうとも言えないんじゃないかと思います。
  197. 神谷信之助

    神谷信之助君 今度、少年指導委員制度がまたできるわけですよ。それで、こっちの青少年対策室の方の少年補導委員しかないんだと思っていましたけれども、ところがよく聞いてみたら、別に警察署が握っている少年補導員という部隊があるというのがわかった。それで、何でそれを二つ別々に持たないかぬのかというのがどうしてもわからない。それでその上に今度、少年指導委員をつくるんですな。少年指導委員というのは、説明を聞いたときには、警察がつくっている少年補導員の中から少年指導委員をお願いをしようと思っているというお話を聞きましたが、そういうことじゃないんだろうか。
  198. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 先ほどから御説明申し上げております少年補導員と、それから風俗営業法の改正で新しく設けていただきたいと申し上げております少年指導委員は全然別個の制度でございます。実際に委嘱する場合も別個の制度でございまして、しかも委嘱する場合の要件というんでしょうか、資格要件につきましても、私が今申し上げました後の方の少年指導委員の方ははっきりと四つの要件をうたってございます。したがって、この要件に該当するというんでしょうか、要件を満たされた方で適当な方、そういった方を委嘱するということになりますので、全然別個のものでございますが、たまたま一致することはあり得るということでございます。ですから、ストレートに平行移動するというものではございません。
  199. 神谷信之助

    神谷信之助君 少年指導委員は何人ぐらいおつくりになる予定ですか。
  200. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 具体的な人員につきましては、現在のところまだ考えていないわけでございますけれども、いずれにしましても、厳格な要件を備えた方で地域の篤志家といったような方でございますから、そう人数がいるとは思いませんが、私どもとしましてはやはりそういった適任者がいらっしゃると。それから、実際に活動していただく場、これは私どもとしましては盛り場を中心に考えておるわけでございますけれども、そういった管内の実態と、それから適任者がいらっしゃるかどうかというふうなこと、両方を勘案しながら徐々に委嘱してまいりたい、こういうふうに考えております。
  201. 神谷信之助

    神谷信之助君 比喩的に言うと、例えばテレビに出てくる、テレビの銭形平次があるが、与力、同心の方は警察官の方、それで今度できる指導委員というのは銭形平次親分やら万七親分で、それで補導員というのはその下におる御用聞きというような形になってくるの。どのようになるんですか。
  202. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) ちょっと比喩が難しいので私も的確に答えられるかどうかわかりませんが、警察官はあくまでもこれは警察法に基づく警察官でございますが、少年指導委員と申しますのは、これはあくまでも民間のボランティアでございます。民間のボランティアでございますが、その任務の範囲というんでしょうか、補導とか、それから少年の健全育成に障害を及ぼす行為の除去とか少年の健全育成に資する行為とかといった任務の範囲を定めまして、それから身分につきましても一応名誉職、無給で公の機関の職にある者ということでございますけれども、そういったある程度の委嘱に当たっての要件のようなものを法律で定めておる民間のボランティアということでございますから、あくまでもこれは全然別個でございまして、先ほど比喩でおっしゃいましたけれども、そういったものではございません。
  203. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃ、現在警察の方にある少年補導員、これはどこが指導することになりますか。指導の責任は。
  204. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 少年補導員につきましては警察本部長あるいは警察署長が委嘱ということにしておりますので、委嘱をした者、これが指導していくということになろうかと思います。
  205. 神谷信之助

    神谷信之助君 もちろん、直接本部長なり警察署長がやるわけじゃないので、そうすると少年課長なり少年係、少年担当の直接には指導を受けるというか、指揮を受けるというか、それとの関係を持っているわけですか。
  206. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) やはり民間のボランティアの方でございますから、一つの組織の中のように上意下達というんでしょうか、命令でというふうな、そういった形のものではございませんで、あくまで私どもの方では、委嘱というのはこういうことをお願いするという趣旨でございますから、むしろそういったことをお願いしておるということでございまして、指揮するとかなんとか、そういった形のものではむしろございません。
  207. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで今度は、法定される指導委員というのは、その指導とか指揮とかいう関係というのはどういうことになりますか。
  208. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 基本的には変わらないであろうと思います。少年補導員の方は警察庁保安部長通達に根拠がございますけれども少年指導委員の方は現在御審議いただいております風俗営業法ですか、この法律に根拠を有するものでございまして、いずれも民間のボランティアでございますから、委嘱者と委嘱された方の関係というものは基本的には変わらないと思います。
  209. 神谷信之助

    神谷信之助君 基本的には変わらぬのじゃおかしいんだけれどもね。片一方は保安部長通達でしょう。片方は法定するわけだ。基本的に変わらぬのだったら別に法定せぬでもいいはずです。どうなんですか。
  210. 山田晋作

    説明員(山田晋作君) 少年補導員、現在ございます少年補導員についてちょっと説明申し上げたいと思うんですけれども少年補導員は確かに全国に五万四千ばかりいらっしゃる、こういうことでございますが、こういった方々は、私どもとしましては網の目を細かくするというふうなことで、むしろ私どもの方でお願いしてやっておるというふうなことでございますけれども、根拠というのは警察庁保安部長通達というふうなこともございまして、どちらかといいますと、いろいろ活動をいただくわけですが、その活動に対する権威ですね、権威といったようなものも必ずしも十分ではないし、場合によっては存在が知られていないような場合だってあり得る。言うならば正当に評価されていないというふうなこともございます。それと、全国的に散らばっておりますから、特定の地域でというわけにはまいりません。そして、日常活動をいただいているわけでございますが、それに対しまして少年指導委員の方は、現在大変問題になっております盛り場、少年のたまり場だとか、それから非行の場所、性非行の場所、こういったようなものが集中しておりますたまり場における少年の非行防止活動、健全育成活動、こういったものにもう少し力を入れたい、こういうことでございまして、たまり場を中心にこういったボランティア制度というものを充実していくと、こういうことでございます。
  211. 神谷信之助

    神谷信之助君 部長、私はこれはひっきょう何というか、屋上屋を重ねている。総務庁の方の少年補導委員制度があって、これは六万七千人あるわけです。それと別に、今度は警察の方に少年補導員というのが五万四千おる。それで、この上に今度は法定をする少年指導委員制度というのができるわけですね。そうして、やっている業務の内容といったら大体似たようなことだ。ただ、今の話を聞いていると、少年指導委員の方は盛り場とかそこを中心にやるので、だから金と暇があると同時に力の強い人じゃないといかぬみたいな感じを受けるんだけれども、それにしても、現在の補導員なり補導委員の人が全国で十二万ほどになるわけです、両方合わすと。同じようにボランティアだ。どれもこれも皆同じだ。それで、少年指導委員の方は、今度つくるのは四つの資格要件があるので、大分厳しい条件でちょっと違いますなんというふうに言われますけれども、やる仕事の内容というのは余り変わらぬ。どちらも皆盛り場に行く。皆盛り場に行くわけじゃないけれども、盛り場も行くし、あるいは問題少年の相談に乗る、母親の相談に乗って、そして子供に触れ合いながら育成をしていくという、そういう仕事をやっている。屋上屋を重ねている感じで、何というか、警察の自分のところの私兵をつくっていこう、そして少年に対する警察行政の領域を少年の非行化の増大ということを理由に拡大をするというように感じられて仕方がないんですが、この辺は部長いかがですか。
  212. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 総務庁の方の少年補導委員というのは私ども必ずしも十分よくわからない点があるわけでございますけれども、私の方の少年補導員のでき上がりました関係はいろんないきさつがありまして、各地域で、ある意味では自然発生的にそういうボランティアが活動できてきたということであろうと思います。したがいまして、その内容は大変区々にわたっておるわけでございまして、県によりまして非常に整備されているところもありますでしょうし、そうでないところもありますでしょう。  それから、実際に行います活動は、先ほども少年課長申しましたように、職業的にも、ごらんいただきますとわかりますように、非常にいろいろなバラエティーに富んでおられるわけでございます。実際の活動も、なかなかそう厳格な資格要件でなっていただいているわけではございませんので、活動といたしましても必ずしも十分な形になってないところもあり得るわけでございます。  そういうようなことと、特に一番問題になりますのは、先ほど課長申しましたように、盛り場におきます関係、特に環境浄化の活動というものがどうしても弱い。しかし、そこに大変な問題を抱えておるということでございます。そういうことから、盛り場の浄化活動という点についてさらに民間の活力を、また民間のそういう知識、経験、熱意というものをぜひ活用していただきたいという趣旨考えたものでございまして、決して屋上屋ではないと私ども考えておるわけでございます。  特に、現在の少年の補導員と申しますのは、先ほども説明していますように、単なる通達でやっておる。で、現場に行きまして、特に盛り場等の活動では非常にどうもやっぱり難しい状況が出ておる。それはどういうことかと申しますと、今はなかなか同じ委員の活動をするにいたしましても、例えば補導員が子供に声をかける、そうすると、何であなたは声をかける権限があるのかというようなことを聞かれる。実際にはそういうようなことで、声をかけること一つにしてもなかなか難しいような状況もあるというようなことでございまして、やはりそういうふうな難しい場所につきましては、活動が法的に認められていくということが大事であろうというふうに考えられるわけでございます。  そうかといって、決して格別の権限を持ってやるということではございませんけれども、やっぱりそういう活動をするにふさわしい地位なり任務なりというものを明確にしていく。そうして、厳格な資格要件のもとでやはりそういう活動をやっていただくということが現時点において大変大事ではないか、こういうことで考えたものでございまして、    〔委員長退席、理事真鍋賢二君着席〕 決して警察が領域を拡大するとか何とか、そういうようなことからこういう制度を考えたものではないわけでございます。
  213. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃ、今度できる指導委員というのは、警察官のかわりをするわけではないということははっきりしているわけですね。
  214. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) そのとおりでございます。
  215. 神谷信之助

    神谷信之助君 それで、この少年指導委員というのは、したがって犯罪を摘発をするとかということではなしに、いわゆる教育的見地といいますか、指導、注意、助言、そういうことで、まず動いてもらおうと予定しているのは盛り場の地域だけれども、そこでやっていく主たる活動の理念というのは教育的見地だということも間違いないわけですか。
  216. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 活動の理念はあくまでも指導なり助言なりというものを中心に考えていくということでございます。
  217. 神谷信之助

    神谷信之助君 それでは、総務庁の青少年対策本部ですが、あなたのところで全国に、自治体がほぼ中心になって条例に基づいてつくっている少年補導委員というのは、これもいわゆる少年の保護育成というか、教育的見地、これが理念といいますか、趣旨であるだろうと思うんだけれども、どうですか。
  218. 梅沢五郎

    説明員(梅沢五郎君) 自治体が設置しております少年補導センター、ここに少年補導委員がおるわけでございますが、これの活動の理念といたしましては、基本的には、単に例えば非行少年の発見それ自体を目的にする、こういうふうなことではございませんで、少年の健全育成、それから同時にあわせまして非行防止といったことでございまして、たまたまその補導活動の過程におきまして非行少年等を発見した場合には関係機関に連絡とか、あるいは家庭とも連絡をとってしかるべく対応する、こういった形でございます。
  219. 神谷信之助

    神谷信之助君 そうすれば、保安部長は、今度新しくつくる少年指導委員制度というのは警察の権限を拡大をするというようなそんなけちな根性じゃございませんと、それで、今までの少年補導員というのでは、保安部長通達でつくられてきておるんで、権威というか、そういう点では不十分さがあるし、しかも、なっていただいている人たちというのは、ある意味で言うと、今度意図する盛り場を中心にしたような活動には向いている人もあるけれども、不向きの人も余計ある、だからつくりましたと、こう言われる。しかし、それを警察のところにつくらぬで、総務庁の青少年対策本部あるいは自治体につくる。警察につくるんじゃなしに、知事なり市町村長のもとに今少年補導委員というのがありますね。これをしっかり法的に整備をして、そして警察考えているような役割を分担をする、そういうものをつくっていくということにしてもいいわけですな。
  220. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) いろいろなお考えはあると思いますけれども、実際に盛り場という状況は風俗営業なり風俗関連営業というものと大変密接に関連をしておるわけでございます。そういう意味で、風俗営業法との兼ね合いというものが大変強いわけでございます。ですから、先ほど申しましたように、少年に対しましては、当然のことながら、指導なり助言ということで臨むわけでございますけれども、さらに営業関係の方にもいろいろお話を申し上げるということも出てくるわけでございます。  そういうことから盛り場というものを考えてみた場合に、これはやはり今申しましたようにこの法律との兼ね合いが大変強い、そういうことを実際に的確にやっていくためには、やはり警察が一番適当ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
  221. 神谷信之助

    神谷信之助君 総務庁のもとで各自治体につくられている少年補導委員制度を今度つくろうという少年指導委員と同じように法制化もし、資格要件も整えて、そして置く。同じものですよ、警察庁の下に置かれるものと都道府県、市町村長の下に置かれるものと。しかし、それよりは警察の下に置いた方が盛り場という、あるいは相手が風俗営業なり風俗関連営業だから暴力団のかんでるものもあるだろうし、だから警察というはっびを着せていった方が都合がいいということになるわけですか、今のお話は。
  222. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 何も警察のはっぴを着てやるわけではないわけでございまして、あくまでも民間のボランティア活動としてやるわけでございます。ただ、実際にそういうふうないろいろの関係でお願いをするというのは、先ほど申しましたように、大変この法律との兼ね合いが強いということから見ますと、やはりこういうふうな形でやっていくことが望ましいんではないか、こう申し上げておるわけでございます。もちろん総務庁の方の少年補導委員方々とも十分協力してやっていかなければならない、かように考えております。
  223. 神谷信之助

    神谷信之助君 この少年指導委員の制度というのは各都道府県の公安委員会の規則で具体的には決まって、それに基づいて委嘱というんですか、都道府県本部長なりがやるわけでしょう。そういうことになるんですな。そういうように今これになっているわけでしょう。だから、この法案の中で、都道府県条例で、都道府県知事なり市町村長が委嘱をするというようにしたって構わぬと言うのです。それはいかぬのだ、警察がやっぱり握ってないといかぬのだと言うなら言うで、はっきりその理由を言えと言ってるんです。
  224. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 公安委員会が任免をして運用をするということになるわけでございます。それはいろいろなやり方はあり得るだろうと思いますけれども警察制度と申しますのは、大体都道府県単位で、都道府県警察という形でもって運用をされておるわけでございまして、従来から市町村との兼ね合いももちろんございますけれども、しかし行政をやっていくというスタンスからいきますと、やはり都道府県警察というものでやるのが一応警察法の仕組みになっておるわけでございまして、そういうものの方が仕事のやり方として適切であろう、かように考えておるわけでございます。
  225. 神谷信之助

    神谷信之助君 現在でも警察がつくっている少年補導員と総務庁が都道府県、市町村につくらしている補導センターあるいは少年補導委員、これとの関係は、警察それから学校も含めてしょっちゅう会議をやっておるところでしょう。協力し合っておるところでしょう。だから、別にこっちは総務庁で、都道府県知事、市町村長の委嘱を受けるんだから、使い物にならぬということではないんでしょう。
  226. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 当然のことながら、そんなことはございませんで、一緒に相協力しながらやっておるわけでございます。
  227. 神谷信之助

    神谷信之助君 それならば、都道府県の公安委員会規則で決め、そして任命するということでなくても、都道府県知事なり市町村長が議会で条例を決め、そして任命なり委嘱をすると、そういうことを法定しておいて都道府県で自主的にやらせる、その方が、今度は地方議会で議論になるわけですから、自分たちでその自分たちの地域をこの法律趣旨に沿ってどのようにすれば少年の非行化を防ぐのにいいかと、基本は法律の中に決められておるそれに基づいてそれぞれの地域の体制というのをどうつくっていくかというのが議論になり、より一層地域的な非行防止のための運動というのが起こるわけでしょうが。警察権力でつくろうというのがどうしても抜けぬから、公安委員会規則じゃないといかぬと、こうおっしゃるように聞こえてしようがないんですが、いかがですか。
  228. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 何も警察権力というような発想から出ているわけではないわけでございまして、先ほどから申し上げましたような形の仕組み、特に盛り場、風俗営業等との兼ね合いということになりますと、やはり警察行政といいますのは都道府県単位という形でやってきたわけでございまして、そういうふうな仕組みの上に乗ってやることがやっぱり仕事を円滑、適正に行うのに適当であろうと、こういう判断でこうなっておるものでございます。
  229. 神谷信之助

    神谷信之助君 こればっかりやっておるわけにいきませんので、あとまた浄化協会の問題や防犯協会の問題との関連がこれについてはあるのですが、次の機会に譲りたいと思います。    〔理事真鍋賢二君退席、委員長着席〕  それじゃ、次の問題に移ります。すなわち風俗営業、関連営業あるいは料飲業等の問題に関する今度の改正問題について。  衆議院修正案の発議者の先生方御多忙のところ御出席いただいてありがとうございます。  早速お尋ねをさせていただきます。  修正案の提案者にお聞きしたい点のまず第一点は、原案にありました報告、資料提出などを削除して、そして一項と二項に分割をされた修正案ですね。この意味はどこにあるのかどいう点をまずお聞きしたいと思います。
  230. 小澤潔

    衆議院議員(小澤潔君) お答えをいたしたいと思います。  政府原案では、公安委員会は、警察職員風俗営業者等の営業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させ、又は関係者に質問させることができることとなっておりましたが、このような規定の仕方では現行法の立ち入りに比べましてその範囲が拡大するのではないかとの疑念がありましたので、このような疑念を解消する目的で、修正案ではこの部分を削除しまして、これにかえて現行法の立ち入りの規定に即して整備した規定を設けることといたしました。  右の結果、経営状態の把握の目的からする会計帳簿、経理書類等の検査や保健衛生上の見地からする調理場の検査本法の立ち入りに含まれないことが明確になりました。  なお、これに伴い、罰則規定の部分についても、修正案では現行法の規定に即して整備することといたしております。  以上が修正内容であります。
  231. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう一つ、今度は附帯決議ですが、十項で、警察職員の立ち入り問題について、「いやしくも職権の乱用や正当に営業している者に無用の負担をかけることのないよう適正に運用すべき」だということにして、一号で「報告又は資料提出によってできる限り済ませるものとするとともに、報告又は提出書類等については、法の趣旨に照らし必要最小限のものに限定すること。」と、こういうふうにありますが、これは直接営業所に立ち入りしなくても、できるだけ報告または資料提出で済ませるようにと。で、立ち入りをするという場合は、よっぽどといいますか、その必要がある、報告や資料提出だけでは不十分だというそういう状態のときに初めて立ち入りをするんだという趣旨に解しているんですが、この点はいかがでしょうか。
  232. 草野威

    衆議院議員(草野威君) 私ども修正並びに附帯決議をいたしたその精神はそういうところにあろうかと思います。
  233. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから、単純に現行法に戻ったと、警察庁の方は、現行法でやっていることを明文化したのが原案だ、しかし今度修正がされて、それは現行法に戻ったにすぎないという主張ですけれども、単純に原案に戻ったというわけではないというのが修正者の意思ではないかというように思いますが、いかがでしょうか。
  234. 小澤潔

    衆議院議員(小澤潔君) お答えをいたします。  政府原案のような規定の仕方では現行法の立ち入りに比べてその範囲が拡大するのではないか、また運用上、立ち入りが強化されることになるのではないかという疑念があったため、これを解消し、現行法による立ち入りと同じように戻したのであります。その上に詳細な附帯決議をつけまして、政府に対し、立ち入りについて慎重かつ適正な運用をするよう求めたものでありまして、これによってこのような運用がなされることを期待しているのであります。
  235. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから修正案は、現行法ですと単に「営業所に立ち入ることができる。」、それから「深夜においては、設備を設けて客に飲食をさせる営業営業所についても、同様」という、単純に「立ち入ることができる。」という規定だけでしたが、今度修正されたものは、第一項に「業務に関し報告又は資料提出を求めることができる。」というのを入れて、そして第二項に、改めて「立ち入ることができる。」という規定にしたということは、附帯決議と相まって、できる限り書類あるいは報告、これの資料提出、これでまずやって、できるだけ立ち入りは避けなさいと、立ち入りの行使を厳格にといいますか、したというのが趣旨だと思うのですが、それでよろしいですか。
  236. 岡田正勝

    衆議院議員(岡田正勝君) お答えさしていただきます。  私どもがこの第三十七条におきましてセパレートにいたしまして、報告させるということと、それから立ち入りをするということとを分けたというその趣旨は、できる限り立ち入りに及ばないで資料と報告を求めることで済ますことが最もいいではないかという、いわゆる運用上そうありたいものだという願いを込めてセパレートにしたんでありまして、したがって報告と資料を求めたら一切立ち入りまかりならぬという意味ではないのでございます。  今先生が御指摘のとおりの趣旨で私ども修正をさしていただきました。
  237. 神谷信之助

    神谷信之助君 次は公安委員長ですが、前回同僚議員がこの問題で警察庁議論やりました。最後に公安委員長の方から、修正者の趣旨に沿ってやっていくんだという意味発言があったと思うんですけれども、もう一度確認をしておきたいと思います。
  238. 田川誠一

    ○国務大臣(田川誠一君) 修正者のもちろん意思のとおり、意思に沿って運営していかなければならないと思っております。
  239. 神谷信之助

    神谷信之助君 三井長官もその点よろしいですか。
  240. 三井脩

    政府委員(三井脩君) 同じでございます。
  241. 神谷信之助

    神谷信之助君 じゃ、どうも修正者の皆さん御苦労さんでした。  ということを確認をして、私は具体的なものに入っていきたいと思うんですが、この立入権というのは犯罪人の捜査とは関係ないというように言っていますね。そうすると、これは行政権の範疇に入るということになるんだと思うんですが、具体的には、この行政権の行使の内容というものはどういうことになりますか。
  242. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この法律を施行するために、行政目的として必要な調査等をやるという形でもって立ち入りというものを行っていくということになるわけでございます。
  243. 神谷信之助

    神谷信之助君 具体的には、例えば料理飲食業者なんかに立ち入りをする必要というのはどういうものが今までもあったし、今度修正されましたけれども資料提出、文書の報告以外にどういうものが予想されることになりますか。
  244. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 具体的な中身はいろいろあるかとも思いますけれども、いろいろ構造、設備の基準等も法律では設けておるわけでございまして、そういうふうな構造、設備の基準が維持されているかどうかというようなこともございますでしょう。あるいはいろいろな遵守事項を定めております。照明の問題であるとか年少者の従業の禁止であるとか、いろいろのものを定めておるわけでございます。そういうものが実際に守られておるかどうかということもあろうと思います。この法律は、そういう形で必要なものが正規に守られておるかどうかという形のものを現場でもって確認をするということになろうと思います。
  245. 神谷信之助

    神谷信之助君 ちょっと具体的に聞きます。  これは京都の西陣署のなにですけれども風俗営業用の警告指導請書というのがあって、「私は風俗営業等取締法令による下記違反行為について現認され指摘を受けましたがこの違反事実については今後諸規定を厳守し以後絶対に違反のないように営業することを誓います」、こうして五項目——書いてあるのは四項目ですが、一項は空白になっていますが、その中の「風俗営業等取締法令による許可を受けずに午前〇時三十一分ごろ営業所内で飲食客二名に対し、飲食物等を提供して従業者一名が接待をして無許可の風俗営業を営んでおりました。」と、こういって、あと代理人の氏名があるんですが、これは行政行為になるわけですか。そして、犯罪捜査の行為というのはここから始まるのか、どこから始まるのか。この辺はいかがですか。
  246. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) ちょっと今先生お話の具体的な事例で、どういう形で立ち入りをしてどういうふうになったのかということがわかりかねますので、ちょっと即断をしかねる状況でございますけれども
  247. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは先ほどちょっと読んだように、午前零時三十一分ごろに、もうちょっと早かったのかもわからぬが、立入検査に三人見えたんですね、三人警察官の名前が出ていますから。そして、「飲食客2名に対し、飲食物等を提供して従業者1名が接待をして無許可の風俗営業を営んでおりました。」ということを、そこにおった、現場におった代理人の女性が確認をした。そして、それを署長あての文書です。だから、この違反事実について現認され指摘を受けましたが、今後は厳守して違反のないように営業をすることを誓いますという、警告とそれからそれの請書というか、そういうことです。
  248. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先生からお話あったんですが、ちょっと全体の状況が定かでございませんので、はっきりしたことは申し上げられないのでございますけれども、今のお話でございますと、始末書でございますか、誓約書でございますか、そんなようなものになっておるんでございましょうか。
  249. 神谷信之助

    神谷信之助君 始末書とは書いてないんだけれど、警告を受け、指導を受けたという警告指導請書。
  250. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 恐らくそれは、もしも無許可風俗営業ということで検挙をしているならばともかくといたしまして、そういう指導をしているということでございますから、ちょっと確たることは申し上げられませんけれども、それは行政指導の範疇ではなかろうかという感じがいたします。
  251. 神谷信之助

    神谷信之助君 私はこういうのを見て、立入検査をして、風俗営業の無許可の営業をしていることを現認をしたという場合には、その現認をすると同時に、今後はもうしたらいかぬよという指導というのをまずやって、これを何回かやっても現認が何回か続くという場合に、今度は違反事案として呼び出すなり何なりして捜査活動に入るということになるだろうというように思うんですが、それでいいですか。
  252. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 恐らくそういうことだろうと思います。現実にそういうふうな関係で何遍も指導をしていくということが普通行われることでございまして、しかも、なかなかどうしてもそういうことでいかないということになれば、別途それは犯罪捜査として行っていくということでございまして、この立ち入りとは切り離してやるということで考えていかなければならないと、こう思っております。
  253. 神谷信之助

    神谷信之助君 したがって現実の、これはスナックでしょうね、風俗営業の無許可営業ですから。こういう場合の立件というのは何回かの現認、それから何回かの指導、これらの上で重なる場合に悪質だということで立件をするあるいは捜査に入る。だから、初めてどうのこうのということは余りない。だから、その辺の指導はどういうように実際の問題としてなされていますか。
  254. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 当然、我々営業に対します指導の姿勢といたしましては、指導というものを中心に考えていくべきものであるというふうに考えておりますから、悪質であるかどうか、もちろん回数を重ねるというのも一つの悪質でございましょうし、それからそのやっておる行為が大変悪質だという場合には一回でも悪質という場合もあり得るとは思いますけれども、いずれにいたしましても、そういう意味で悪質なものを初めて捜査という形でもってやるべきものでございまして、できる限り事前の指導で直せるべきものは直していく、こういう姿勢で臨んでいくべきだと、こう考えておりますし、今後もそういうふうな形でやってまいりたいと、こう思います。
  255. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう一つ、ちょっと具体的に言いますが、客が数人おって、カラオケ鳴らしてくれ、この曲がけてくれと言って、その女性がかけて、そして客席の近くまで来てそこへ一緒に座って聞いていると、これはやっぱり接待になるわけですか。
  256. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 今のお話しのようなことでは直ちに接待にはならないと、こう思います。
  257. 神谷信之助

    神谷信之助君 そこへ立ち入りがあってその状態を現認したというなら、これは何回か回を重ねておればなんだけれども、そう悪質な無許可営業ということにもならないんじゃないかと思うんですが、この点はいかがですか。
  258. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 今お話しのように、接待というものになっておるかならないかということで、いわゆる無許可営業になるかならないかということが決まるわけでございますから、その点は厳密に解釈をしていかなければならない、こういうふうに思っております。
  259. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは、私は一つ具体例言いますが、京都の中京の木屋町で起こった事件ですが、六人ほどの客が来ていて酒を飲んでる。それで、今話したようにカラオケ、この曲がけてくれと言ってそれをセットして、それで客のおる横のところに座って聞いていたところへ立ち入りがあったわけ。その店今まで四回ぐらい立ち入りやったんだけれども、現認され注意を実際に受けたのはそれが初めてだ。ところが、それは立件をされて、略式で罰金二万円で、あと公安委員会の聴聞にかかって五日間の営業停止だ。そこらは署によって、先ほど言ったのは西陣署で、これはまた別の署ですが、署によってこういう立件をするしない、あるいは現認をしたそのことについての対応、これがそれぞれ違うのかどうか。いわゆる現認をした警察官の恣意によって立件をされたりされなかったりするというように思うんだけれども、この点はどうですか。
  260. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) こういうものの運用というのはできる限り斉一でなければならない、こういうふうに思います。したがいまして、署によってアンバランスがあるというのは望ましいことではございませんので、今の具体的な事例というのを私どももちょっとわかりませんけれども、一般論として申しますれば、今後よく指導をしてまいりたい、かように考えております。
  261. 神谷信之助

    神谷信之助君 これは私は、そういう事案で立件をされたのは、詳しく事情を調べたらわかりました。  それはどういうことかというと、保安の係長さんが二人の部下を連れて立ち入りしたわけです。それで女の子にも、あんたがそんなところにおったら接待になるよと言って注意し、指導をされたんでしょうね。ところが、お客の六人が飲んでおられるわけで、お客さんの方は酔っぱらっているから、たまたまその係長さんの頭がはげていたものだから、はげちゃん、何を言うかと言ってやったわけだ。警察官に対してやじったわけだ。それで口論になったわけ。だから、そこの店の者と口論しているんじゃなしに、酒を飲んで大分酔っぱらっている客と口論をしているのに、これはもうただでは済まさぬと、こう言って帰って、そして改めて署に呼び出された。その経営者は女性ですから、始末書ぐらいだろうと思った、それをやられたのは初めてですから。ところが行ったらそうじゃなしに調書をとられた。  先ほど言いましたように、四回来ているんですね。一回目はカウンターの中におったわけだ。二回目に来たときはカウンターから出たところに行き当たって、カウンターから出たらいかぬよと言われて終わったわけだ。三回目に来たときは、そこに働いている従業員の女性が自分の親戚の者を連れて映画を見に行った帰りに客として来たわけだ。客として二人で飲んでいた。そこへ来たから、これはきょうは休みで客として飲んでいるんだと言う。それで四回目に来たときに、その女の子がおるものだから、客と違うじゃないかということに重なってくるわけだけれども警察官の方は、もうあれは客ではなしに接待をしておったと、こうみなすわけだ。いかに抗弁をしても、今なお逃げ口上を言うのか、こう言って大きい声出されるから、これはもう警察と余りけんかしたら損だといって調書に判こ押した。それで略式二万円になり、そして今度は聴聞になって五日間の営業停止と、こうなったわけですね。  先ほどもちょっと言いましたけれども、学校の先生でも、警官が来て授業中であってもどうしても連れていくと言われたらよう抗弁できない。指紋をとると言ったら、十分にちゃんとそれなりの了解を得てやるとかいうことはしないわけだ。まして零細な業者のママさんが警察へ一人呼び出されて、はげちゃんと言われた腹いせもある、ぎゃあぎゃあ言う。大きな声で言われたら、もう下手に絡まれたりなんかしたら商売ができぬようになる。業者というのはそういう点では弱い立場ですからね。そういうことになってしまう。だから何回か、先ほどお見せした西陣署のような警告をし指導をし、それを受けましたというやつが重なってやったら、これは客観的にもはっきりするし、あるいは現に入ったらわいせつ行為をやっておった、これは許しはせぬと、これだったらわかりますよ。悪質だと思います。たまたま座っておったからというだけで、しかも、自分がそうやって一まあ、それは人間だれでも自分の肉体的欠陥を指摘されたら頭にきますからそれはわかりますけれども、だからといって、それで立件をして処罰するというのはこれは行き過ぎじゃないかというように思うんだけれども、これどうですか。まあ早くに、行かぬ前に我々相談受けたら、そんなもの簡単に行くなよ、うっかり警察へ行って判こ押したらいかぬよ、事実と違う点は断固拒否したらいいんだと言います。場合によってはついていってあげなきゃいかぬと、こう思うわね。だけど、まさかそんなのじゃなしに始末書ぐらいだろうと思って行かれたら、途端にそうやって、もうこれはいかぬということになったんだね。  この零細な、しかも母子家庭だとかそういう業者の多い料理飲食業ですね。いわゆる飲み屋と言われるところで警察官というのは物すごいこわもてしているんですからね。実際に立ち入り権を行使をする。それが行政行為であろうと極めて慎重にやらにゃいかぬし、立件をする場合でも慎重にせにゃいかぬと私は思うんですよ。この辺いかがですか。
  262. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 具体的なケースはちょっとわかりかねますので、一般論でお答えをすることになるわけでございますが、やはり警察が職権を行使しますときにはあくまでも慎重でなければならない。十分自戒してやらなければならないと思います。そういう意味で、決して感情的に物事を処理するとかということがあってはならないことは当然でございまして、今後ともよくそういう点で指導をしてまいりたいと、かように考えております。
  263. 神谷信之助

    神谷信之助君 そこで、私が今度この法案を一生懸命勉強している中でちょっとわからぬのは、例えばお客さんに酒ついたら何でいけないのか。何で風俗紊乱になるのか。ちょっとそれを教えてもらいたい。
  264. 古山剛

    説明員(古山剛君) 何で酒をついだらいかぬのかというお話でございますけれども、酒を単につぐというだけでは接待に当たらないというふうに私ども考えております。
  265. 神谷信之助

    神谷信之助君 じゃ、横へ行って酒をついでもいいわけね。酒つぐんだよ、酒つぐのに立ったままではつがない、相手は座っておられるんだから、お客さんは。それで、ついで、できるだけ余計飲んでもらわなければもうけ少ないんだから、余計飲んでもらえるように話もするわね。構わないでしょう、それは。
  266. 古山剛

    説明員(古山剛君) 単に酒をつぐということだけでは接待にならないわけでございますけれども、客の傍らにはべって、そしてついだりあるいは談笑して話し相手になるとかというような一連の行為があれば、この「接待」の定義で言いますところの「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により」客をもてなした、こういうことになるわけでございます。  したがって、この辺のところは通達で明確にしなければならないわけでございますけれども、ちょっとその横におって酒をついだという、その辺の程度では接待にならないというふうに考えております。
  267. 神谷信之助

    神谷信之助君 酒ついで談笑して何で風紀の紊乱になるのか、ちょっと教えてくれ。
  268. 古山剛

    説明員(古山剛君) 接待行為を行った場合に、それが直ちに風紀の紊乱というふうには考えてないわけでございますけれども、接待というものが営業として行われるという場合には、やはりそれがさらにそのまま放置しておきますと、警察の適切な行政指導とかあるいは業者の自覚というようなものなしにそういうことが常時行われるということになると、風紀紊乱に移行するおそれがあるということで、許可対象営業として必要な規制を行うということにしているわけでございます。そういうことによって業としての健全化、業務の適正化を図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  269. 神谷信之助

    神谷信之助君 それがわからぬのだ。風俗営業で「接待」とか何とかというのは、例えばアルサロだとかいって横へ座ったりするとかいろいろな、まあキャバレーとかピンサロとか、それならわかる。しかし、普通の割烹料理屋が、これは風俗営業の許可を持っている。芸者も入ってくる。それで、芸者を呼んで一緒に酒を飲む。それは構わぬ、そっちは。こっちの料理飲食業の方は、そこの女性が酒ついだり談笑したりしたら、おまえ接待やっとる。そうしたら風俗営業の許可取れと。何でとらなけりゃいかぬのか。風俗営業の許可を取るということは、そういう構造を野放しにしておいたらわいせつ行為や風紀の紊乱になるおそれがあるから、風俗営業を一定のものを決めて、そのかわり接待はよろしい、しかし構造はこうしなさいと、こうなっているわけだろう。しかし、料理飲食業の方は、接待しても何でわいせつ行為になるのか。向こうの方は座敷があったり、いろいろなことがある。それはどこかで風紀紊乱の行為が起こるかもわからぬと仮にそうしといて、こっちの方のスナックとかここのカウンターでちょっと四つか五つのボックスがある、そこで横に座って談笑しながら酒を飲んだら、それは接待だと。接待するのだったら風俗営業の許可を取れ。それで、おまえのところの構造はどうだと。あんな構造で何がわいせつ行為ができる。風紀の紊乱が起こるんだ。勝手にお客さんが来て、示し合わせておいて風紀の紊乱やるなら、それは知らぬ。みんなが見ておるところじゃないか。  この法律で言っているのは、風紀の紊乱が起こらぬように、そういうものをするためにやっているわけでしょう。なら、料理飲食業者が酒飲むのにこうやったらいかぬというのは、そうやったら風紀の紊乱のおそれがあるというのはどうしてもわからぬ。なぜいけないのか。もう一遍ちょっとそこのところちゃんとしてほしい。
  270. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先生の御質問趣旨が私どもちょっとわかりかねる点があるんですが、要するに風俗営業といいますのは接待行為等が伴うんで、そういうふうな問題が生ずるおそれがあるということで風俗営業にしておるわけでございます。接待行為という形と同じことが飲食店で同じように行われるということになれば、同じようなことが言えるわけでございまして、一方は風俗営業に入るけれども一方は外すんだというのも、これは非常におかしな形になるわけでございまして、あくまでもそういうふうな接待ということが行われるか行われないかが風俗営業のメルクマールであるわけでございまして、それが料理屋で行われようと飲食店で行われようと、それは同じことである。  構造、設備のお話がございました。もちろん構造、設備の問題もありますけれども、やはり現に飲食店等で卑わいな行為まで行くものもございますし、実際にそういうふうな売春等が行われるものもありまして、そういうような問題というのは飲食店でもかなりあるわけでございます。それはなぜかと言えば、今申しましたように、そういうふうな接待からさらに進んでそういう状況になるというものがあるわけでございまして、それを飲食店ならば接待はいいんだと、しかし料理屋ではだめだと、こういう分け方はこれはやっぱりこういうものの立て方として大変おかしなことになるんではないか、かように考えておるわけでございます。
  271. 神谷信之助

    神谷信之助君 いや、法律というのは現実の社会に適応せにゃいかん。ストレス解消、疲れをいやすために飲みに行って、我々たまに安いところしか行かぬからしようがない、そこへ行って、そしてとまり木に座って飲んでおる。そこで酒をついでもらったりあるいは談笑する。憂さを晴らす。そしたら、それは接待だと。もしそこへ立ち入り来たら、現認者でおまえも証人になれというようなことになってくるわけだ。それだったら、あなた、飲み屋へ飲みに行く意味はないものね。家へ帰って嫁さんとやっとったらいいです。だから、大体生活の実態と合わぬ、無理があるのと違うか。これはどうなんですかね。私はどうもわからぬです、ここ。
  272. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 結局、接待というものがあるかないかということの解釈だと思うんでございます。今の先生がおっしゃったように座っているだけだという状況ということになりますと、それは当たらない場合もありますでしょうし、当たる場合もある。それは、あとそういうふうな歓楽的な雰囲気を醸し出す方法があるかないか、要するにそういう積極的な行為があるかないかという判断がどうしても必要でございますから、そういうものがあるかないかという判断でございまして、そういう行為がある以上は、それは飲食店でやろうと料理屋でやろうと、キャバレーでやろうとそれは同じことにならざるを得ない。それはそうでない、やはり料理屋でやればそれは風俗営業だと、そうでないところのあれはそうでないんだ、こういうことになりますと、やはり公平性というものを害することになるわけでございまして、結局、それぞれの店で接待が行われれば——何もやるなということじゃないんで、風俗営業という許可をとっていただきたいということを申し上げているわけでございますから、決して憩いの場を奪うなんという考え方を、そういうやぼな考え方を持っているわけでも何でもないわけでございまして、それはやはり公平な立場で、そういうところで接待が行われるならばやはり風俗営業の許可をとっていただくという、そういうことになるんではないかと、かように考えております。
  273. 神谷信之助

    神谷信之助君 自治省、あれ風俗営業にやってしまったら料飲税の免税点というのは適用されぬのでしょう、どうですか。
  274. 矢野浩一郎

    政府委員矢野浩一郎君) 料飲税におきまして免税点が適用になりますのは、飲食店等における飲食の行為が適用になるわけでございまして、いわゆる遊興を伴う行為につきましては適用にならないわけでございます。したがいまして、料理店とかバーとか、そういったところでは免税点の適用がございません。
  275. 神谷信之助

    神谷信之助君 だけど、料飲業者のところに、これは免税点の適用対象になるかならぬかというので、点数制で何点以上あったら免税点の適用にせぬというような調査をやったりしている県があるでしょう。この辺はどうですか。
  276. 矢野浩一郎

    政府委員矢野浩一郎君) 御指摘のように、県によりましてはそういった実態につきまして、点数などによりまして調査をしておるという事例があるようでございます。
  277. 神谷信之助

    神谷信之助君 この料飲税における遊興とか接待という定義というのはどういうことになっていますか。
  278. 矢野浩一郎

    政府委員矢野浩一郎君) 「接待」の定義でございますが、料飲税におきましては、接待というのは酒間のあっせん、歌舞音曲その他興趣を添える仕方で客にサービスを行う、こういうことを指しておりまして、単に配ぜんとかあるいは食事の世話を行う程度、こういったものは接待には当たらない、こういう解釈をいたしております。
  279. 神谷信之助

    神谷信之助君 それは風営法の接待の解釈と一致しているのか、違うんですか。
  280. 矢野浩一郎

    政府委員矢野浩一郎君) 今度の風俗営業等適正化法案による「接待」とは、客に遊興または飲食をさせるため「歓楽的雰囲気を醸し出す方法により客をもてなすことをいう。」と、こういう定義でございますが、料飲税における接待と類似の内容を持つものであるというぐあいに理解されますけれども、これは運用の実態を見なければ正確な比較は困難かと存じます。
  281. 神谷信之助

    神谷信之助君 それから、ちょっとついでに厚生省見えていますか。——それじゃ後回しにしよう。  それから、深夜の営業の場合は遊興したらいかぬ、こういうんですな。それはなぜですか。
  282. 古山剛

    説明員(古山剛君) 客に遊興させる行為の規制でございますけれども、深夜飲食店というのは、深夜という風俗上問題が起きやすい時間に現実には多くの酔客相手の営業となっているわけでございまして、接待とかあるいはそれに類似する行為が行われてエスカレートすることによって風俗上問題が生ずるということを防ぎまして、あわせて酔客が叫声を上げる等によって周囲の清浄な風俗環境を害することを防止するために、そういった静かにといいますか、遊興の禁止ということを設けているわけでございます。
  283. 神谷信之助

    神谷信之助君 簡単に言うたら、夜の静かなときに近所に迷惑をかけたらいかぬということですか、難しゅう言われるけれども
  284. 古山剛

    説明員(古山剛君) 大体そういう趣旨でございます。
  285. 神谷信之助

    神谷信之助君 それじゃ、このごろはちゃんと防音装置というやつも大分できておるんだから、外へそういう騒ぎ、音が漏れぬようにしたらいいのか。
  286. 古山剛

    説明員(古山剛君) 深夜における飲食店で遊興を禁止しておりますのは、周囲の清浄な風俗環境を害することを防止するということでございまして、先ほど静かに云々ということで、大体そういうことだと申し上げましたけれども、音の規制だけで済むというものではないというふうに思います。接待をする許可営業というものが午前零時以降営業できないということで、そういう考え方に立って今度の規制でも考えておるわけでございますけれども、やはり深夜飲食店についても、やっぱり周囲の清浄な風俗環境を害するということを防止するためということから考えますと、やはり単に音を出さないというだけの問題ではなくて、やはりその風俗上の問題からいろいろと考えなければならないということで今回の規制にしたわけでございまして、これは現行法のもとにおきましても、各県の条例で、深夜飲食店につきましては「営業所で、ダンス、ショウ、楽器による演奏、競技その他興行の類をし、又は客にこれらの行為をさせないこと。」というふうに定められておりまして、改正案につきましても内容的にはこれと同じであるというふうに考えているわけでございまして、今回新たにそういうような規制をしようというようなものではないわけでございます。
  287. 神谷信之助

    神谷信之助君 今のお読みになった現行法の条例、それは結局音ですな。音が外へ漏れぬように、そんなものをやるなよ、騒がしくするなよと。だから音の出るような、騒ぐようなことはしなさんなというのが現況でしょう。  それで、私の言うのは、このごろは騒音防止条例その他いろいろ出てきて、騒音なんかについては非常に大きな不満があるから、防音装置をつけるとかいろんなことをやっているところもある。だから、音ですから、仮にそんな楽器とか機械を使わなくても、酔っぱらって声が大きくなって、ワアワアどなるということもあり得るわけだ。それもいかぬということなのか、それはいいということなのか、どないなります。
  288. 古山剛

    説明員(古山剛君) この風営法改正案も業者に対する規制でございまして、たとえ防音装置をつけたりいたしまして営業音というものを外に出ないようにいたしましても、やはり酔客が帰るときに、外へ出てきていろいろ騒ぐというような、そういうようなこともございますし、防音装置で中の音が外に出なければいいんではないかというわけにはまいらないというふうに思います。
  289. 神谷信之助

    神谷信之助君 飲んでるうちに酔っぱらって、帰ろうと思って門出てから大きな声出しおったその責任まで業者は持たなならぬのかな。仮に中では静かに飲んでおっても、出てから、わあっとやりおったと、そんな殺生はないやろと思うがな。どうなのか、今の話はわからぬな。
  290. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) この深夜の遊興を禁止するというのは、やっぱりあくまでもこの法律は、そういうふうな営業者に対しての規制でございますけれども、客が騒ぐということについて営業者に責任をとれというのはなかなか難しいことでございますが、そうならないように持っていくというのがやっぱり営業の仕方だと思います。そうでないと、客がやるからしょうがないんだということになれば全部しようがないことになってしまうわけですから、やっぱり営業者というのは、そういうふうな形になる蓋然性が大変強いということがあるものに対しましては、そういうふうにならないように努めていく、それが営業というもののやり方じゃないか、かように考えておるわけでございまして、その物の考え方は現行法をそのまま踏襲をしておるというものであるわけでございます。
  291. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから私は、現行法自身にも問題があると思うから、現行法を踏襲しておろうと、少し今日の状況では、この風俗営業法全体を見直す必要があるんじゃないか。あなた方は性産業が増大をしたということで立法当時からいったら情勢が変わっている、こうおっしゃるならば、制定をされた二十二年当時からいったらもう今は大きく変化をしているわけなんで、そういう意味では、接待とか、あるいは深夜の遊興か何かについても、今の情勢、状況で考え直さなきゃならぬ問題があるんではないかと言っているんですよ。  だから、特に私は、保安部長、飲む打つ買うを対象としているんですと言うんでしょう。打つ買うはわかる。飲むのが何で対象になるのかと思って、私は酒好きだから余計気になる。うっかり気楽に飲めんな。酔っぱらって出てから、大きい声出したらいかぬわけや、道へ行って。何も若山牧水みたいに、酒は静かに飲むべかりけりといって黙って飲んでいるのが好きな人もいる。しかし、私らはやっぱりおもろい方がいいわけや、憂さ晴らすのだから。何でそれがいかぬのや。何でわいせつ行為になったり、風紀の素乱になったりするのや。みんな楽しく飲んどるんだからいいじゃないかというように思うんだけれども、その辺をちょっと考え方を聞かしてもらいたい。
  292. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 社会実態もいろいろ変わっているじゃないかというお話がございました。確かにそういう点もあると思います。したがいまして、今度の法律は従来よりも深夜の酒に対して緩和をしておるわけなんです。それは、従来は主として酒を出す店というのは十二時でもってやめなきゃいけないという形になっておるわけでございます。それを今度は、主として酒類を提供する店でも一応やってもいいですよという形にしておるわけなんです。そういう意味では社会実態に合わしておるというふうに考えておるわけでございます。しかしながら、やっぱりそれは風俗環境を維持していくということの要請も当然充足していかなければならないということがあるわけでございまして、やはり深夜というのはどうしても風俗上の問題を生ずる余地というものが大きいと見なければいけないと思います。  そういうことから、従来のやり方をその面では緩和しながら、例えば酒類提供店につきましても酒類提供飲食店にいたしましても、住宅地等ではこれはやはりそういうふうな環境を乱すという問題もあるんで、その点は少し場所的にも考えていかなきゃいけないというようなことを含めながら、そうして今言った風俗上の問題も防ぎながら現在の実態に合わしていこうと、こういうふうにしたわけでございまして、そこら辺のところをひとつ御了解いただきたいと思います。
  293. 神谷信之助

    神谷信之助君 戦後我々が若い時期よく何軒もはしごして徹夜で飲んだりしましたけれども、本当に深夜まで飲み歩くというのは奨励すべきことじゃないという気持ちは持っておるわけで、それは飲みたい人もいるからそれはよろしいわ。  それで今度は、今おっしゃったように、時間を延ばしましたよ、緩和したんですよと。緩和したことはいいけど、黙りこくって飲めというようなそんな殺生な話はないと言ってるんです。限度があるだろう。だから住宅地域、そこではそれなりの御近所からもいろいろ意見出るでしょう。それはその中で自主的に話し合って、どういうように対処するかというのをやればいいと思うんですよ。それでもなにをしない場合、これは例えば騒音条例とか迷惑条例があるわけでしょう、警察にも通報して何とかしてくれと、こうあるでしょう。そうすると警察が中へ入って調整をしてあげるというようなことも今まで事例があるでしょう。だから、そういうのはお互いの社会生活やっていく中で処理できる問題だ。それをやかましく言うなと言って、声出したら違反だと言ってくるというのは、これはまさに権力的な取締行政以外の何物でもない。だから、打つ買うはちゃんとやりなさいよ。飲むまでがやがや言いなさんな。飲んだ上で打ったり買ったりすることに発展する条件はあるかもしれん。それは打ったり買ったりしたところでやったらいいんだよということじゃないんですかね。
  294. 古山剛

    説明員(古山剛君) 今回、飲むということについて、従来は深夜、夜中の十二時以降は、主として酒を提供する店というものは、これは各県の条例で禁止されておったわけでございますけれども、今回それを認めることにした。ただ、届け出をしていただくというようなことに、一般的にはそのようにしたということでございまして、ただ、従来から主として酒を提供する店でなくても遊興といいますか、ダンス、ショー、楽器による演奏とか、それからその他の興行の類をしたりさせたりしないというようなことの精神を受け継いで、「遊興をさせないこと。」というふうにしているわけでございまして、この遊興というのは、要するに客に対して飲食とともに遊び興しさせないということを求めているわけでございまして、単に音量のことだけではないわけでございます。  それから、これも申し上げるまでもなく御承知のこととは思いますけれども、深夜において遊興させないことということにつきまして、これは、これに反するようなことがございましても罰則の適用はないということを念のために申し上げておきたいと思います。
  295. 神谷信之助

    神谷信之助君 念のためにと言われると、罰則の適用はないんだからやってもらって結構ですよという意味がな。そうなるでしょうが。とにかく深夜になったら本でも読みながらでも酒飲んでおれというようなことになってくるわけでしょう、接待はいかぬのだし。だから、三人でも五人でも友達同士で静かに話ししてやっているか、一人だったら本でも持ってきて、本読みながら飲みなさいと。そんなことで酒飲みに行くんじゃないんだからね。楽しみに行くんですよ。そうすると、そこにおるママさんにしろ女性従業員にしろ、世間話をしたり、おまえも一杯飲めやということになったりする。別にそれが何でいかぬのか、何で風俗の素乱になったりするのか。これどうなんですか。  大体二十二年当時この法律ができた。そのときは売春と賭博に着目してこの法律をつくった。当時は戦後の混乱期で、我々もそうだったけれども、将来の展望がまだはっきり持てない時期であるし、進駐車の占領軍が来て、我々の風俗とは全く違うアメリカの風俗というのも入ってくる。それで、米軍と日本女性とのいろんな売春の問題も起こったり、そういう中で赤線地帯ができてきたり、そういう風俗の素乱というのがあって、それをなにするために風俗営業というものを規制をし、料飲業と区別をする。だから、遊廓地域とか赤線地帯とか、そういうとこら辺に風俗営業法というのは当初はずっと着目してつくられていく。いわゆる売春の場所を提供することのないようなそういう方向でずっと生まれてくるというのが出発点ですよ。違いますか。だから、その点でいくと今はうんと違ってきているんでしょう。売春防止法ができたけれども、単純売春は罪にならぬ。だから、あっせん売春とか仲介とかあるいは管理売春、これをやられるとなかなかつかみにくい。だから、私は大分情勢が変わってきているんじゃないかと思うんです。  例えばマージャン屋だったら公開になるわけでしょう。幾つかテーブルがあって、そこでマージャンやっている。そこで公然とかけマージャンやるわけはない。かけマージャンをやるというのは、そんなところで公然とやらぬ、別のところへ行くでしょう。一番安全なのは、この間も言うた警察署長の官舎ですよ、これ一番安全だ。そこは捕まらないんだ。だから、この辺のところは、風俗営業法の対象になる風俗営業あるいは関連営業、この対象になるものというのは今日の情勢でもっと整理をせないかぬのと違うかということですよね。そういうように思うんだけれども、この辺見解はどうですか。
  296. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 飲むという問題をどう考えるかということになるんでございますけれども現実にやはり深夜飲食店等は風俗上の問題をかなり起こしておるわけです。そういうふうな飲むということから売春、わいせつというものに移行しているものもかなりあるわけでございまして、昨年のデータでいきますと、深夜飲食店で売春だけで百八件というようなものが行われたということもあります。そういうことで、やはり飲むということからエスカレートをして性の問題等に行くということもあるわけでございまして、その点はやはりしっかり見ていかなければならない問題であろうというふうに考えられます。  さらに、深夜飲食店というものが昭和三十四年のときに、御存じのとおり改正になりました。少年の問題等もありまして、そういうものも入ったわけでございますけれども、やはり現在の法律は環境の問題、正常な風俗環境という問題もあわせてやっぱり考えられてきておるわけでございます。そういうふうな問題をあわせて考えますときに、飲むという問題を全く野放しにすると、先ほども言いましたように、むしろ今度の法律は緩和している、緩和しているから、それじゃ全部緩和しなさいということになるのか、それとも今申しましたようないろいろな問題点というものがありますので、現時点では時間的には一応緩和をするけれども、やっぱり飲み方というものはそういう形で風俗上の問題を起こさないようにやっていくということが必要になると、こういう判断でございまして、この点は先生と御意見を異にする状況になっておるということだと思います。  環境の問題でもってあえて一言つけ加えますと、仰せやはり昔と違いまして、だんだん騒音の問題も大変大きな問題になってきておるということも事実でございます。これは先ほど言いましたように、店の中だけでなくて、やはり酔客が外へ出てくればそれはそれなりの周辺の環境に問題を起こすわけでございまして、これは自分の私的な経験になって恐縮でございますが、私もそういうふうな盛り場の真ん中に住んでいたことがありますけれども、朝の四時、五時ごろにならないと静かにならない、そういう酔客が騒ぐというような状況がやっぱり出てくるわけでございまして、それを現時点では防いでいくということも必要ではないかと、こういうふうに判断をしているところでございます。
  297. 神谷信之助

    神谷信之助君 ちょっとさっき厚生省さんおられなかったので話を飛ばしましたので、ちょっと厚生省にお尋ねしたいのは、厚生省でやっている風俗営業とそれから料理飲食業の区別は警察の言っているやっと同じかどうかということと、融資制度についての違いですね、この二つについて。
  298. 瀬田公和

    説明員(瀬田公和君) 先生の第一点のお尋ねでございますけれども、料理飲食店のうち風俗営業取締法の対象になるものとその他の一般の飲食店というものがあるわけでございまして、厚生省関係法律に環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律というのがございまして、この法律によって各環境衛生営業について環境衛生同業組合というものを組織するという形になっておりますけれども風俗営業対象になる環境衛生営業につきましては、社交業環境衛生同業組合、それから料理業環境衛生同業組合という二つの組織に大別されておるというのが現状でございます。  それから、第二点の融資のお尋ねでございますけれども、現在私たち、環境衛生営業に対しまして環境衛生金融公庫の融資を行っているわけでございますが、一般的に申し上げますと、料金等から見て大衆的でないと判断されるようなもの、例えば高級割烹でございますとか高級の会員制クラブでございますとか、そういったものまたは営業実態から見て社会的な批判を受けるような営業、例えばストリップ劇場でございますとか特殊なラブホテルでございますとか、そういったものが該当すると思いますが、そういったものに対しては環境衛生金融公庫の発足当初から融資は行わないということで現在まで参っております。風俗営業の許可を受けている営業でありましても、スナックに類するような大衆的な飲食店につきましてはこれは融資をするという形で整理をしております。
  299. 神谷信之助

    神谷信之助君 大体スナック等、零細な酒類を提供する飲食店は、一種の生活の知恵みたいなもので、ぎりぎりのところで客にできるだけ来てもらい、そして生活ができる、そういう状況をつくってきているわけですね。だから、全体としてそういう業者というのは夫婦でやったりあるいは母子家庭で従業員一人がせいぜい二人ぐらいのところが非常に多い、そういうところですね。しかも、過当競争の中で景気が悪いから客も少ない、そういう状況の中で何とか生きていくために苦心惨たんしておる。そこへ行ったら、隣に座って酒ついだり談笑したりしたら接待になるから、そうすると風俗営業の許可を取れとこう言う。しかし、なかなかこれは風俗営業の許可一つでもそう簡単には取れないですね。許可申請するのに二十万ぐらい要るでしょう、たしか。全体いろいろな構造から何から全部つくらなきゃいかぬですからね。見取り図だけではいかぬですからね、あれは。だから大体二十万ぐらい要る。今はそういう程度だったら融資してあげるという話だけれども、大体風俗営業になったら融資はしてもらえんと、こういうこともある。零細なそういうやつだから免税点もあると。ところが、これが風俗営業だったらそういうものはもちろんなくなる。だから、なかなか、そう簡単に言うけれども、業者の方にしたら、実際にそれで生活をしている者にとったら、これは大変なことなんですよ。  先ほど、私はわからぬのだけれども、料理飲食業で売春違反が百何件あったという話でしたね。そうすると、これはその店でやりおるの、店でやった現場を捕まえたというわけ、どういうことなのか。
  300. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 先ほど私が申しましたのは深夜飲食店でございまして、これはほとんどが店内においてということでございます。
  301. 神谷信之助

    神谷信之助君 大体、京都でも結局できぬで、あるいはサラ金の借金の対象になって廃業する。そうすると、その権利を暴力団が継いでいく。そして、そこで表向き商売をやっているように見せながら、実際はそこで管理売春の巣になっていくとかいうのが出てきますよ。そういうのが集合ビルというのか、その中に一軒出だすとだんだんふえてきて、客筋がうんと悪くなって、ほかのまじめな健全な業者も商売が成り立たぬようになっていくと、こういう状況というのが起こってくるんですね。  だから、僕はそういうのはもっとびしびしやり、健全な業者が店を畳まなきゃならぬ、逃げ出さなきゃならぬというようなことをなくすというならわかるが、そういうところについて接待をしてはいかぬぞというのもおかしなものだ。だから、著しく享楽的雰囲気をつくるとかいうようにもっとするならば、そうするとまた違ってきますね。しかし、今のように物すごく厳しく、ちょうど警官が立ち入ったら隣に座っておったということで一々警告をしていくというような、そういうものとしてあの接待というのを見なきゃいかぬのか。だから、隣に座ってお酌をしたり談笑するというのはよろしいと。あちらの方の接待、風俗営業の接待というのはもっと芸者も入れ、三味線も入れ、あるいは踊ったりダンスをしたりというやつがあるでしょう。だから、それは接待というのはわかる。しかしこっちの接待まで、そういうささやかなというか、ありきたりの当たり前のものまで接待という概念に入れるのはいかがなものかというのがどうしても抜けないというように思うんですけれども、どうですかね。
  302. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 接待になるかならないかということだと思うんでございます、先生お話は……
  303. 神谷信之助

    神谷信之助君 だから、接待の内容をもっと変える。
  304. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 接待の内容は従来から判例等がございまして、それに基づいて今度の関係でもって明確にしたわけでございまして、決して一つも変えているものでも何でもないわけでございます。従来からこういう形でやってきておる、これを明確にしてやっていこう、こういうことでございまして、その運用につきましては、先ほどから申しましたように、我々の方も厳格に運用してまいりたい、こういうふうに考えておりますけれども、その点は従来の解釈をさらに明確にして、そうして通達、執務資料等で明らかにして、一線に徹底をして厳格な運用をしてまいりたい、かように考えておるところでございます。
  305. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう余り時間がなくなってきましたが、もう一つ、この改正案が仮に成立をすると、新宿の歌舞伎町なんかの言われているところ、ああいうのはもう清潔な環境になりますのか。
  306. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) かなりのものは対象になり、清浄化の方向に持っていけるのではないかというふうに考えております。
  307. 神谷信之助

    神谷信之助君 具体的にはどういうことになりますか、どういう点が改善されると。
  308. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 従来から対象になっておりませんでした風俗関連営業というものを規定の中に取り込みまして、この関係は何といいましても非常に厳格な地裁禁止規制がかけられるということでございますから、そういうふうな関係の運用の仕方によりまして、かなりのものが規制できるというふうに考えられるところでございます。ただ、そうは申しましても、営業権その他の関係から、既存のものを全部廃止するというわけにはいかないわけでございます。そこで厳格な規制をかけて、そうしてそこに違反があれば、悪質な違反があれば、それに対しまして、たとえ既に営業しているものにつきましても営業廃止命令までかけられるという形でございまして、そういうふうな形で厳格な運用ができるのではないか、かように考えておるところでございます。
  309. 神谷信之助

    神谷信之助君 ちょっと時間が足らぬようになって中途になりますが、もうちょっとで済みますが、現行法では、モーテルは既存のものであっても一年間猶予して、一年後にはだめ、こうなっているんでしょう。今度はそれはなくなる、既存のものはもう一切しようがない。なぜそうなるのかという点についてちょっと聞きたいんですが。
  310. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) モーテルの規制は、先生お話しのとおり、四十七年の改正で設けられたわけでございまして、これは当時ワンルーム・ワンガレージというモーテルが大変流行いたしまして、非常にその原因というものがその営業の秘匿性にあると考えられたということから、問題のある地域では、これを改造してその秘匿性を解消すれば異性同伴客のための営業も引き続き営業を営むことができる、また、その改造も通常は軽微なもので容易であろうということから、営業の自由の問題あるいは財産権の保障の観点からも問題がないと考えて、一年間の経過措置期間が置かれ、そしてそういうふうな秘匿性の高い施設を禁止することによりまして問題を解消しよう、こういうふうにしたものだというふうに理解をしております。  ところが、今度の改正案ではむしろ四十一年のトルコぶろと同じ方式をとっておるわけでございますけれども、これは例えば今度のモーテルを例にとりますと、異性同伴の客のための施設でも営業そのものを対象としておるということで、対象が現行法に比べて非常に広くなっておる。そこで、営業を禁止いたしますと、ほかの営業に切りかえなきゃいかぬ、あるいはその場所での営業ができなくなるというような問題になる。そこで、営業者にこのような義務を課すというのは、やっぱり営業の自由あるいは財産権の保障という問題から問題があろうという形から、現行の先ほどお話ししました四十一年のトルコぶろの規制と同じ形をとったというものであるわけでございます。ただ、そういう方向をとりましたけれども、四十一年のときよりも強めておりますのは、そういうところで違反があれば、それは営業廃止処分までかけられるというところまでいっておるわけでございまして、これは四十一年の方式をとりましたというものの、さらに厳しくなっておるということでございます。
  311. 神谷信之助

    神谷信之助君 今度きつくなったというけれども、その違反の事実を確認できない限りはいかぬわけでしょう。だから、結局警察に見つからぬようにやっておったら、いつまででもやれるわけです。現に売春事犯なんかは、部長もしばしば言うように、なかなか立件するのは難しいぞ、こう言っておられるわけでしょう。だから、これはどうも話が現実的ではないですね。今の答弁聞いていると、違反をすれば廃止処分まで今度はかけられるのだというのだけれども、名古屋地裁の判決が最高裁で支持されているけれども、あの愛知の豊橋のモーテル事件、あの判決に言うように、秘匿性、秘密性、それと異性同伴客を対象にしてやっているのに対して廃止処分をするというのは合憲であるという判例ですね。それで、賠償する必要もないというところまできちっと出しているでしょう。あの趣旨からいくならば、一年の猶予期間を置いてやるのは可能じゃないのかというように思うんですがね。
  312. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) モーテルの場合には、先生御存じのとおり、現在の規定は、個室が個々の車庫に接続する、こういう形で秘匿性が問題だということになったわけでございます。  四十七年当時のモーテルの規制ができましたときは、ちょっと定かではございませんが、約三千五百軒ぐらい対象のモーテルがあった。ところが、その後この法律が施行になりましてから、個々に車庫が接続するという問題が改造されまして、実はこれは現在モーテルというのは七軒になってしまった。これは一つには、要するに個々に車庫が接続するという秘匿性が前よりも緩和されたんだから、これはそれでもいいじゃないかという議論もあるかもしれませんけれども、そういう何といいますか、今申しましたように、その時点ではそういうふうな形でカバーできると考えた。しかし、そういうふうなものが割合に簡単な改造でモーテルでなくなったというような形に実はなったわけでございまして、そういうものと今度の関係はちょっと違うわけでございます。そういう簡単な改造で済まないという問題があるわけでございまして、どうしてもその点で営業の問題、財産権の問題というものを考慮に入れなければならないということがございまして、四十七年のような方式がとれなかった、こういう点を御了解いただきたいと思います。
  313. 神谷信之助

    神谷信之助君 もう次に入ると時間がなくなりますからもうなにしますが、私はまだ今の答弁では納得できないんで、あとトルコぶろ問題とも関連しますので、この問題はひとつ次回に譲りたいというように思います。
  314. 三治重信

    ○三治重信君 今度の風俗営業法の改正案は大改正なんですが、これだけ風俗営業法を改正するならば、もう少し風俗営業というものと風俗関連営業というものを整理したらいいような感じがするわけなんです。  風俗営業の中にマージャン屋、パチンコ屋を入れて、そして浴場とかヌードスタジオとか、こういうようなみんな風俗営業的なものが関連営業というふうになっておるわけなんですが、それからまた、スロットマシンとかテレビゲームとかいうような遊技設備のものを風俗営業に入れた。これはマージャン屋、パチンコとの関連で風俗営業に入れたんだろうけれども、こういうような風俗営業というものの業種と風俗関連営業との区別をもう少しひとつ整理した方が、後の規定なんかでもいろいろいいような気がするんです。  従来の慣例風俗営業というものと風俗関連営業というものの延長をしているというのは、それがそういう理由かもしれぬけれども、何かそういうふうな新しく両方を分けて入れているんだけれども、その点、風俗営業風俗関連営業というものが、後の規制の強弱が違うにかかわらず、実態的からいくというと、風俗営業は非常に取り締まりが厳しい、風俗関連営業は若干緩和してある。しかし青少年の育成というような関連から見ると、規制の厳しい方からいくというと、やはりそういう異性を同伴する客の宿泊とか性的好奇心をそそる衣服を脱いで人に見せるような営業とかいうようなのは風俗営業になるような気がするんだけれども、その点のいきさつというものと、それからもう一つはここへ残っている喫茶店やバーで照明が十ルクス以下とか、喫茶店、バーで五平方メートル以下の客席を設けて営むもの、こういうようなものは時代おくれの営業になって余りこんなのははやらぬようになっているんじゃないかと思うんだけれども、そういうのがどうも整理が足らぬような気がするんだが、どういう関係になっていますか。
  315. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 私どもは、風俗営業というものと風俗関連営業とを毅然と区別したというふうに考えておるわけでございます。  風俗営業の方は、従来から一号から七号まであるわけでございます。  今お話しのように、低照度の喫茶店とか、それから狭い囲う喫茶店でございますね。こういうものは確かに数は少なくなっておりますけれども、現在も残っておるということでこれを外すわけにいかないという形で残しておるわけでございますが、いずれにいたしましても、一号から七号まであります営業というものに加えまして——これは当然のことながら、それが適正に行われれば健全な憩いなり娯楽を国民に提供するものであるという考え方であるわけでございまして、そういうふうな問題がやはりゲームセンター等にも起きておりますので、適正に営業していただくという角度からゲームセンターは風俗営業の方に入っていただくということにしたわけでございます。  逆に風俗関連営業の方につきましては、これは従来から浴場業の関係あるいは興行場の関係が一部、それからモーテルの関係が一部というふうに入っておりましたのを一括整理をしようという形で、性に関係のあるものをここでもって整理をしたというふうに考えておるわけでございます。  大変何といいますか、片一方の許可営業の方が厳しくて、風俗関連営業の方が緩いじゃないかという御指摘もあったわけでございますけれども、実は私どもは、風俗関連営業というのは大変厳しい規制であるというふうに考えておるわけでございます。と申しますのは、それは地域の禁止規制というのが大変ある意味で厳しいものである。現実にいろいろな条例がございますけれども、そういう地域規制条例が現在でもあるわけでございますが、やはり非常に営業する場所が限られるということになっておるわけでございまして、そういうふうな営業の場所が限られるということがやはり一番厳しい規制ではないか。許可営業の方は必要な条件を満たせば、それは法規裁量として、覊束裁量としてこれは認めていくというものでございます。  そういうものに反しまして、一定の地域では営業ができないという、むしろその一定の地域がだんだん広がって、逆にもう一定の地域だけしか営業ができないということは一番やはり厳しい規制ではないかというふうに考えておるわけでございます。しかもそれが廃止ということまで、そこで違反があれば廃止命令までかけられるということになるわけでございまして、一たん廃止になりましたらそこではもう永久にその形では復活できないという規制は何としても一番厳しい規制ではないか。そういう意味で、風俗関連営業というものを厳しい規制のもとに置きながら見ていく、こういうふうなスタンスに立ってまとめたものでございます。
  316. 三治重信

    ○三治重信君 営業地域の規制が非常に厳しい。それは一つの非常に特徴であるわけなんです。  そこで、風俗営業に取り込んだスロットマシンとかテレビゲーム、その他遊技施設、遊技設備についての問題で、ここでは「国家公安委員会規則で定めるものに限る。」ということだと、国家公安委員会で決めない遊技施設、遊技設備というのはいいわけなのか。その他の遊技設備というのも、国家公安委員会規則で決めないようなものはいいのかということと、それから「を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。」とありますが、旅館とかその他はかの営業で随伴してこういう又ロットマシンとかテレビゲームその他の遊技施設を客に供するやつは除く、こういう解釈でいいわけですね。
  317. 古山剛

    説明員(古山剛君) 八号営業のところで「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの一国家公安委員会規則で定めるものに限る。)」と、こういうことでございます。したがいまして、スロットマシン、テレビゲーム機も含めて国家公安委員会規則で定めるものがいわゆる許可対象の遊技設備で、そういうものを置いてやっているというものが一応許可対象のゲームセンター等になる、こういうことでございます。  それから「旅館業その他の営業に供し」云々と、こういうことでございますけれども、区画された施設というのは原則として入るということでございますけれども、その括弧書きの中を除く、その除くものについてはこれは政令で定めていくと、こういうことでございます。
  318. 三治重信

    ○三治重信君 具体的に聞きますが、「スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備」というのは、オートレストランのアミューズメントマシンと書いてあるのだが、そういうのは国家公安委員会規則で定める遊技設備になるのかどうかというものと、もう一つはオートレストランの一画でこういう設備をしてあるやつはこの政令で定めて除く部類に入るのか。  これはオートレストランという業種の説明は、全日本オートレストラン協会というのがあって、これは割合にしっかりした企業が経営をしている。そして全国の主要な道路に長距離トラックの運転手さんの休憩場所としてオートレストランをつくっている。その特徴は深夜二十四時間営業だから人を置かないで、みんな飲食や飲み物も自動販売機でやっている。だからオートレストランと言うのだろうと思うんですね。自動販売機で販売をしている、そこへ長距離の運転手さんのほとんど全部と言ってもいいぐらいだが、主として長距離運転手さんがそこへ寄って飲食をするのと、またひとつ休憩をする。そこへ、アミューズメントマシンというふうに書いてあるんだが、そういうものが置いてあって、遊んで、またそこで長距離に乗っていく、そういうのがこの風俗営業対象にされてはかなわぬということなんですが、それはどういうこと。この適用除外になるのかどうか。
  319. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) オートレストランというのは私ども承知しておりますが、どうも営業の形態がいろいろあるようでございます。オートレストランに第二条第一項八号の国家公安委員会規則で定める遊技設備を設けている場合には、その形態にもよりますけれども、通常はやはり当該施設が当該遊技設備による営業のための店舗に当たるというふうに考えられるものが多いようでございまして、こういうふうなところではやっぱりゲーム喫茶と同じように、賭博の問題あるいは少年非行の問題というのがございます。そういうことで、一般的には許可の対象になるものというふうに考えておりますが、ただ、法にありますように、遊技施設を備える店舗という解釈といたしまして、非常に大きな店舗で、しかもオープンな状態で、しかもゲーム機がこの一画でしか置いていないというような、それ自体がゲーム的な営業と言えないようなものでゲーム機が附置されておるというようなものにつきまして、それまでそこにある「備える店舗」というふうに読むことはないんではないか、こういうふうに考えておりまして、この点はまたよく運用基準を統一をするなり、また業者の皆さんの御意見も聞きながら、過度の負担を課すことのないように検討をしてまいりたい、かように考えております。
  320. 三治重信

    ○三治重信君 その許可の対象業種に新しく加わるのかどうかというのが一つの関心なのと、もう一つは、これは二十四時間営業をやっている。そうすると、深夜の営業時間の制限に、もしもこれが許可対象になると、ひっかかってしまうわけだ。だから、そういうので、どちらかにひっかかるとオートレストランの機能がなくなってしまうわけなんです。だから、ここですぐ結論をと言っても難しいでしょうが、これは全日本オートレストラン協会というしっかりしたものがあるわけだから、そういうものを呼んでもらって、その実情を   資料も非常に詳しく書いてあって、協会員の名簿もあるし、それからいろいろ定款もあるし、それから風俗営業ではない、そういうふうに思われちゃいかぬように、いわゆる地元青少年健全育成推進協議会との覚書とかいうようなものもいろいろ配慮してやっているわけなんですよね。これはひとつ、そういうまじめな長距離運転手のレクリエーションセンター、それから飲食を兼ねたものなんですから、こういう風俗営業としないように、ひとつぜひ何でも取り囲んで許可の対象だ何だ生言わぬで、できるだけ外すように、そういう風俗営業みたいな中身でもそれは青少年の育成強化や、風俗的なものに余り興味がないように営業をしているという業種についても、何でも取り囲んで風俗営業だと、こういうふうにしないようにひとつ配慮をしてもらいたいと思います。  これはまた僕も実際上の運用についてのやつはトレースしますけれども、そういうことで一つ問題を提起しておきますから、よろしくひとつお願い申し上げます。  それから、風俗営業の許可制で、一般の許可制は何年なんですか。二条七号のものだけ、マージャン屋やパチンコ屋だけ許可期間が一年と法律は書いてあって、ほかの風俗営業の許可期間というものは何も書いてないわけなんですが、同じような許可手続をとっていながら、マージャン屋、パチンコ屋だけ何で一年というふうにはっきり書いて、そのほかのは許可期間というものが何年ということも何もないわけなんですが、それは何で決めるのか。もちろん許可の条件で決めるのでしょうが、これは、どの営業は何ぽ、どの営業は何ぼというふうにやっているのか、それとも許可の申請中身によってこれはちょっと一年にしておこう、これはしっかりしているから三年でいいとかいうふうな決め方をやるのか、どうですか。
  321. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 許可制度の更新がありますのは、ここにあります三条の三項によりまして、「まあじゃん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業」、これが一年ごとの更新が必要であるということでございまして、あとの営業関係につきましては許可の更新制度はとっておりません。  これはマージャン屋、パチンコ屋等の七号に係る営業に対します許可が一年になりましたのは、二十九年に地方税法の附則の改正等で入りましたいきさつというものが今日においても、状況はかなり変わっておりますけれども、やはりなお不安定な要素があるということでございまして、そういうことで現在まで残っておるというものでございます。  なお、この点はもっと前の規定では短い期間になっておりまして、それが五十七年でございましたか、六カ月が一年に延びたというような経緯があるわけでございます。そういうようないきさつというふうなものがございまして、現在こういう形に残っておる。今回はこの点について格別の改正をしなかったというものでございます。
  322. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、許可制でも後の風俗関連営業の届け出制でも一たん許可や届け出をしたら、それについての特別な営業違反がなければ更新ということは、パチンコ屋、マージャン屋を除いては、行われないでいけると、こういうふうな解釈でいいわけですか。
  323. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) おっしゃるとおりでございます。
  324. 三治重信

    ○三治重信君 それから、名義貸しの問題ですが、風俗営業の部面にだけ名義貸しの禁止の規定があるわけなんですが、風俗関連営業関係については名義貸しがないのはどういう理由か。その理由は、これは取り締まりを強化する方だから余り言いたくないんだけれども、これは風俗営業においても風俗関連営業においても、結局資本主が営業停止とか禁止とかいうものを恐れるために、名義貸しが風俗営業ばかりじゃなくて風俗関連営業、ストリップとか、のぞきとかその他トルコとかいうのも、そういう実際のいわゆる営業主というものと資本主というものが違っている。だから、何遍営業停止をやっても資本主はちっとも関係なく利益を受けられる。営業停止を食らう者はそれはそれなりに幾らでも人のかわりがある。名義貸しの問題で風俗営業の方にはあるんだけれども風俗関連営業の方にはない。しかし、むしろ風俗関連営業の方に、そういうふうないかがわしい風俗営業の方に名前貸しがあるんではないかと、こういうことを言われているわけなんですが、その点はどうでしょうか。
  325. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 風俗営業の方は許可対象業者というものが当然のことながらあるわけでございますけれども風俗関連営業につきましてはむしろそうでなくて、実際に経営しているものに着目して書いておるわけでございます。もともと許可とかなんとかという制度でとっておるわけでございませんから、名義貸しという制度はなじまないということで、むしろそうでなくて実質上の経営者というものに着目していこうと、そういうことでいけるという形でこの条文をつくっておりますので、したがいまして違反があった場合には、実質上の違反者、実質上の経営者というものに対しましてこの違反を問擬ていくということになるものでございます。
  326. 三治重信

    ○三治重信君 じゃ、この風俗営業の方でも名義貸しの問題は同じような規定でいけば、名義貸しの規定がなくたっていいわけです。実質上の営業者でやっていくといえば、風俗営業風俗関連営業の方も業者の実質で規定していくということになれば、その区別は要らぬようになるんじゃないか。
  327. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 許可の方につきましては、これは許可業者を対象法律は書いておるわけでございます。そういうことで、名義貸し問題ということが出てくるわけでございます。ところが、関連営業の方につきましては、例えばこのトルコぶろの書き方になりますと、「浴場業の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する営業」というとらえ方をしておりまして、こういう形で実質的な経営者というものをとらまえていくことができると、かように考えておるものでございます。
  328. 三治重信

    ○三治重信君 佐藤さんのきょうの午前の質問のときにも、通産省とおたくとの協定の中で十分書いてないというようなことで非常に不満が出たわけなんですけれども、この営業時間の除外、「その他の特別な事情のある日として条例で定める日にあっては、午前零時以後においてその定める時」、これは条例に委任している。そうすると、条例だから各都道府県がやるのだということなんだけれども、これは風俗営業が今度各都道府県条例から法律事項に規定を上げたのが多くなってくると、結局この条例についても、条例の規定の仕方について一つの通達を出すことになるんではないか、こういうことになるし、あなたのところと通産省との協定もこれあり、ひとつ希望意見として、特定の商業地域などで住宅環境に直接影響のある地域を定めてでも、週休二日制の社会情勢の実際にかんがみて、土、日の二日週休制ということになると、金曜日の晩とか、それから祭日の前とかいう場合には、この業界としては営業時間を延ばしてほしい、これは今まで都道府県でやっていたからここで条例というふうに書いてあるのだけれども、これはまた通産との関係でおたくの方もある程度譲っている事情もこれあり、こういう部面について、風俗営業だから一般的に十一時のやつを午前零時まで延ばしたからといって、余りぴしゃっとやってしまわぬで、営業に特別になるようなときには、そういう緩和規定というものを都道府県できちんと、せっかく警察庁の方でこういうふうに統制したならば、開放するときもまたできるだけ広く開放する姿勢で臨んでほしいと思うのですが、いかがですか。
  329. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 「特別な事情のある日」と申しますのは、いろいろ支障はあるかもしれないけれども、若干社会的に許容されるというものであろうと、こういうふうに考えておるわけでございまして、その接点が一体どこら辺であるかという問題になるわけでございまして、通産省との関係でも、休日等の関係を定め得るというふうに書いたものでございます。それを一体どういうふうに運用するかという問題は、これから、今申しましたように社会的に許容できるかどうかという問題との兼ね合いだろうと思います。  そういうことで、そういうふうな休日におきましても、地域によりまして善良風俗を害されることがある程度許容し得るという地域があるとすれば、そういうことを条例で定めるということもあり得るというふうに考えておるものでございます。
  330. 三治重信

    ○三治重信君 だから、その条例で定めることもあり得るというのは、結局おたくの方が地方へ、こういうことはこの限度において条例で定めていいという通達を出さぬことには条例が実際動き出さぬことになりはせぬですか。
  331. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 結局、そういうふうに社会的に許容されるかどうかということを判断して決めなさい、こういうふうな形で一線を指導することになろう、こういうふうに考えておるわけでございます。
  332. 三治重信

    ○三治重信君 そうすると、週休二日制だと金曜日とか、それから祭日の場合にはその前日とかというように具体的には示さぬで、今おっしゃったような、許容される範囲でということで条例で決めなさいという一般的な抽象的な指示で、実際は各都道府県の実情によってある程度でこぼこはできてもしようがない、これは各都道府県の自主性に任すと、こういうことでいいわけですか。
  333. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) やはり条例の問題でございますので、地域の実情を判断しなければならぬと思います。したがいまして、こちらの方でもって、いついつとかなんとかということを決めるというのはどうもこの関係には適さないんじゃないか。物の考え方としてはこういうふうな考え方とこういう考え方がある、これを地域の実情に応じて判断してほしいと、こういうことになるのではないか、こう思っております。
  334. 三治重信

    ○三治重信君 それから、許可の手続の関係なんですけれども、こういう手続が非常に統一化されたということになってくると、県内なりに多数、複数で営業をやる、だんだん多店舗化が含まれてくる。そういうときにはこの多店舗を一括して申請をしていいのか。もう一つずつ営業所ごとに別々にやらぬとこれは許可申請にならぬのか。手続の簡素化ということが法案要綱にもうたってあるんですが、そういうふうに二つの県を越えてのやつは国家公安委員会の方で許可せいというのもちょっと行き過ぎかと思うんですが、隣の県とかなんかのやつは別々でいいんだが、一つの県で三つ四つなり開店をしたい、そのために許可を一括申請をやるというようなのは、その事務の簡素化上できるようになるのかならぬのか。
  335. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 申請者の便宜を考えまして、先生が御指摘のような方向で、なるべく簡便な方法を検討してまいりたい、かように考えております。
  336. 三治重信

    ○三治重信君 それから今度、管理者の問題なんですが、こういう小店舗や例えばオートレストランみたいに人が本当に少なくてやっていくようなのがあるわけなんですが、そういう場合に、その管理者が実際の営業者でもあるというふうに、重複というんですか、店の店長がすなわち管理者でもあり、また従業員でもあるというふうな解釈でやっていけるものか。  それから、小店舗の喫茶店とかいう場合に、ゲーム機を大きな業者が各喫茶店なんかへ、自動販売機と同じようにゲーム機を各喫茶店に二台とか一台とか置いていって、そしてその料金箱のかぎは業者が持っているというんですね、店舗のそばへ置いていくやつは。だから実際上は、そういうような小店舗の場合には、遊びに来る人は管理するけれども、金銭上の収支とか何かというものはマシン業者が取りに来て集金をしていくわけだから、そういうものの許可というものはマシン業者が取るのか、喫茶店なり小規模の業者が取らなくちゃいかぬのか。こういうようなのはむしろ一括して、マシン業者がそういうゲームマシンを店舗に置く許可を取るのか、そういう問題が非常にあるということを聞いているんです。  それから、そういう小店舗の機械とか何かというものは、機械の業者ばかりじゃなくて、機械の業者のまた下請の会社のものかもしれぬけれども、とにかく置いているところの管理者はそのゲーム機について保守というか、維持する管理権はあるが、実際の収益権がない。それは上がり賃によって分け前はもらえるわけなんだろうが、そういうものについての何といいますか、管理者の責任というものはどういうふうになるのか。
  337. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 最初の御質問営業者が管理者を兼ねられるかと、これは可能だというふうに考えております。そういう統括的な管理をするという形ができるのであれば可能であるというふうに考えておるわけでございます。  それから、そういうふうな機械の置き方でございますが、何かいろいろな形があるようでございますけれども、これはもう少し実態に即して我々も検討しなければならぬ、こう思っておりますけれども、要するに、だれが一体許可対象になるのかということでございますが、本来客にゲームをさせている一体主体はだれであるか、それから、そういうふうなゲームをさせることによる売り上げたとか利益は一体だれに帰属するのか、そういうところを勘案しながら、実質的な営業者が許可を受けるということになろうと思います。この点はよく業界の方とも相談をしてみたい、かように考えております。実態をもう少しよく調べまして研究してまいりたい、かように考えております。
  338. 三治重信

    ○三治重信君 だから、こういうのは、零細な業者がそういう各種の遊技機を人を呼び集めるために置くということと、それからやはり機械を製造した方はできるだけ販売を多くしたり、リースで貸したり、いろいろの自動販売機と同じような営業形態ではないかと思う。  私も事実は細かくは知りませんよ。知らぬけれども考えれば、自動販売機を置いてくれ、置いてくれと言って自動販売機のリースが業として成り立つのと同じように、こういうゲームの機械も人の集まるところへ置いてくれと言ってくる。すると、またその業者も、それは置いていって売上高によって何ぽかもらえるならば、また、人が来ればいいことだしと、両方とも相身互いということがあろうかと思うわけなんで、そういうのを風俗営業だといってぴしゃっとこうやっちゃうと、せっかく自動販売機を店に置いてもそれはまた召し上げられることになってしまう。だから、ゲーム機の製造業者にしてみれば、そんなのがみんなだめになっちゃえば生産を落とさぬことには販売ができないようになってしまう。  こういうことで、一般のいわゆる零細の兼営業務、兼営というのか、そういう零細な生活者というものも、これは簡単にゲーム機械と書いてあるけれども、その営業形態は各種いろいろの営業形態があるわけなんで、実際に営業する者はだれかということをつかまえて、便宜的なやり方、あるいは、そういう風俗営業といっても、そういうような小さな機械は風俗営業とせぬで、許可対象から外すというような問題もひとつ弾力的にぜひ考えてもらいたいと思うんです。  そういうことについてもまたトレースしていきますけれども、ひとつ業界実態をよく聞いた上で規則なり実行上に配慮してもらいたいと思います。よろしょうございますね。
  339. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 今の先生の御趣旨を踏まえましてよく研究してみたいと、こう思います。
  340. 三治重信

    ○三治重信君 それから、十六条の広告、宣伝の規制、これは、たくさんおたくの方は規則、命令と書いてあるんだが、この広告、宣伝だけはいわゆる訓示規定になっておるわけなんだが、十六条の広告、宣伝の規制の訓示規定だけで、せっかく入れた広告、宣伝の規制は、トルコぶろなり、それから連れ込み宿とか、そういうものの看板や刺激的な看板の方を目的にしてやっているんだけれども、こういうふうな何にもなくてどうして規制の実効を上げようとせられてこういう規定になったのか。
  341. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 十六条の規定、さらに風俗関連営業では二十八条の六項でもって準用しておるわけでございますけれども、この広告、宣伝の規制はあくまでも「清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならない。」ということでございます。この「清浄な風俗環境を害するおそれ」というのは現行法でも使っている言葉でございまして、これは定着していると考えておるわけでございます。それは当然のことながら、風俗環境を害する行為といいますのは、この法律の性格からいきまして、やはり売春ですとか、わいせつだとか賭博だとかというようなものに代表されます相当限定されたものであるというふうに考えているわけでございまして、それを害するということでございますので、十分明確であるというふうに考えておるわけでございます。  したがいまして、この規制内容は、具体的に申しますと、ヌードの女性のポスターであるとか、あるいはわいせつ行為を示すストリップ劇場のポスターであるとか卑わいな看板であるだとか、そういうようなものが対象になるというふうに考えておるものでございます。
  342. 三治重信

    ○三治重信君 確かに劇映画の方の映画関係刺激的な宣伝というものについては、おたくの方と映画協会の方との協定で、いち早く風俗営業で取り締まられてはかなわぬということで自主規制をやって、ここだけは外へ出ている看板がはっきり変わったわけだ。ストリップ劇場、ポルノ映画をやるポルノ映画館の映画の広告は非常に変わった。これは風俗営業法を改正しなくても、改正するということでやったら、もう真っ先にこれは取り締まられてはかなわぬということでおたくの方と話をして自主規制をやったんだけれども、そういう効果がそのほかの業界とできる自信があってそういうぐあいにしたのか、あるいはこれはポルノ映画劇場のをやれば大半目的は達したということでやったのか。  むしろ風俗関連営業で、連れ込み宿や何かの方の俗悪な広告、宣伝の方がまだ目立つと思うんだけれども、ただ、この規定だけで各警察官の恣意によって、おまえのところはこんな変なものを立ててけしからぬ、というふうに余り個別的にやられるようなことになるならば、これはかえって悪影響になるし、むしろそういうふうならば、きちんとした規制をやるべきではないか。協会なり何なりが映画館とかなんかのようにしっかりしているところならいいけれども、連れ込み宿とかトルコぶろとか、そういう大中さまざまな風俗関連営業になってくると、看板だけはでかでかと非常に刺激的にやって、それをどうして取り締まるかという問題になると、それが各署の警察官の看板に対する恣意的な指導監督になってくると、これはかえって収賄、汚職の根源になる。一応文句言ってくると、まあまあということでそでの下を使って免がれるというようなことになろうかと思うんですが、どうも今の答えだけでは私は、そういう広告、宣伝の規制というものは入れても入れぬでも余り効果を発揮するような印象は受けないわけなんだけれども、その点もう一遍。
  343. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 一番広告、宣伝の問題になりますのは、歌舞伎町にありますような風俗関連営業の広告、宣伝というものが非常に問題になると思います。そういうようなことで、何も映画館だけの問題じゃなくて、当然のことながら、必要性は十分あるというふうに考えておるわけでございますけれども、この広告、宣伝の運用はあくまでも公安委員会が行うものでございまして、決して現場の警察官が個々に運用するということは絶対にしていかないつもりでございます。あくまでも必要な基準を示して、その基準にのっとって幹部が判断し、最終的に公安委員会の御判断をいただいてやっていくというふうに運用をしてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
  344. 三治重信

    ○三治重信君 それから、これはほかの同僚議員からも質問が出たと思うんですけれども遊技機の型式認定について今度は一つの試験機関でやるということなんだけれども、これは一つは前進であるけれども、一つは、余り厳しい、射幸心を余り削減するというような、子供の本当のおもちゃみたいなことになってしまってはゲームにならぬし、パチンコにならぬ。だから、この認定基準、この機械の認定の仕方によって、業界とすれば人が来るようになるか来ないようになるのか、すぐわかるわけなんです。こういうようなものの認定基準という問題も、これは実際のところにおいて、どれがいいのか悪いのかというのを統一というのか、価値判断というのは非常に難しいと思う。しかし、これはパチンコ業者にしても、それから新しい規制になるマシンの検査にしても、実際それをやってみて人が離れてしまえば、それは厳しいということになるし、うまいとこ人が来ればまあまあと、こういうことになるわけなんで、そういう基準というものについては、初めは緩いようであっても、実際の業者がこれはこれだけの機械の認定ならまあ何とかなるだろう、これは余り厳しい、人が来ぬようになるというふうなのは、業者にしてみれば勘がある程度わかるだろうと思うんですが、そういう問題について、ひとつ実際の基準の専門家と業者とよく打ち合わせすることができるように、基準というものがそういうものであってほしいと思う。  それからもう一つは、やはりここで遊技機というのはパチンコばかりじゃなくて、新しい機械が次から次へ、単にここに書いたスロットマシン、テレビゲームその他という遊技設備ということになっているんですが、スロットマシン、テレビゲームというものばかりじゃなくて、通信機器や新しい遊ぶ機械というものが次から次へ技術革新に乗って、私は新しい遊ぶ機械が出てくると思うんです。そういう問題について、やはり新しいやつを抑えてしまうことがないように、新しい見本で出してきたやつについても、そういうものをできるだけ広くその新しい機械を認めるということに、二番目にはしてもらいたいということ。  それからもう一つは、同じ機械であってもそこに一つの多様性を、例えばパチンコだと余計出る時間が十秒でいいのか十五秒でいいのか十二秒でいいのか、そういうようなのはやはり業者に聞くと、その同じガラガラと出る秒数でも地域によってお客の満足度が今までのやつで違うと。だから、これを全国一律に十秒なら十秒、九秒なら九秒に制限されてしまうと、緩い、より多く出るところでお客さんが集まっているところが、そういうふうに締められると一遍でお客がなくなってしまうというので、余り全国一律にそういうやつを決められてしまうと困る。まあ業者の勝手な言い分も若干入っているかもしれぬ、若干入っているかもしれぬけれども現実に各都道府県で認めているやつに差があるわけなんです。そういうものをある程度各県で認めていて差があるやつは差のあるように多様的に認めていく。そうして統制するなら、あと日時をかけてやっていく。この点については非常に業界の方もどうなるかという心配があるというのと、それから皆さん方もそれは言葉では回答しにくいという問題もあろうかと思うんですけれども、いずれにしても、現在の実際に行われている、現実営業が行われている実態というものについて余り変動がないように、ひとつ型式の認定というものをやってほしい。  それから、新しくこれから日進月歩でどんどん出てくる機械については追うように、それが営業として成り立つとか成り立たぬとか、射幸心をどうのこうのということで、非常に余り抑え切らぬで、ひとつできる限り新しい遊技機も認めていく態勢というものをとってほしいと、こういうことなんですが、いかがですが。
  345. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) いろいろ御意見ございました。  最初の型式認定の基準につきましては、十分業界の御意見も参酌した上で適切な基準を作成してまいりたいと、かように考えております。  それからもう一つは、要するに技術革新というものに即応した認定をやるかというようなお話であったと思いますけれども、私どもも当然これは技術的な革新というのは大いに伸長すべきものだと思います。そういうことで決して技術革新を抑えるような認定をする必要は全くない、かように考えておるわけでございます。  なお、ちょっとお話で、スロットマシンその他のお話が途中で出ましたが、今この遊技機で申し上げておるのはパチンコの方の関係でございまして、八号営業ゲーム機につきましては、もともと認定とか検定という制度はとっておらないわけでございますので、この点はちょっと補足をさせていただいておきます。  特に、技術革新に対しまして即応した認定を当然のことながらしていくわけでございまして、私どもの方はやはり著しく射幸心をそそるおそれになるかならないかというところが一番問題なんでございまして、あとそういうふうな技術革新を入れた内容、あるいはおもしろさ、あるいはデザイン、そういうものを私どもの方が格別に申し上げる必要は毛頭ない。あくまでも著しく射幸心をそそるおそれになるかどうかという判断でやっていくということであろうと思います。その範囲内で多様性というものが認められていくべきものであろうと、こういうふうに考えております。私どもが今やっております実態を変動させていくという考え方は、大きく変えていくという考え方は持っておりません。また、新しいものにつきましても大いに認めてまいりたい、かように考えておるものでございます。
  346. 三治重信

    ○三治重信君 それから、青少年健全育成との関連で、経過規定の地域の規制は、現にあるポルノショップとか個室ヌードとか個室マッサージというようなものも、現に営業を認められているものは営業違反のない限りそれはずっと続けていいんだと、こういうふうに現行法ではなっているわけなんですけれども、せっかく地域規制をやって風俗関連営業を一定の地域に押し込めようと、こういう点においては、新しいものについてはそういうふうな一定の地域に押し込めることができても、現に非常に散らばっている、それが届け出制でも営業違反ない限り未来末代、相続までできてやっていけるというふうになるのは、これは青少年育成団体から見ると非常になまぬるい処置にとられる可能性があるわけなんですが、そういうものについて営業禁止というようなことは遺憾なんだけれども、そういう営業を一定の押し込めるその地域の中へ、そっちへかわって行かぬかとか、こんなところにおってやるのは風俗営業の地域指定においては余り好ましくない、できるだけあんたたちは計画的に、この町ではこの地域なんだ、そこへかわってほしいと、こういうふうな行政指導というのか、これは青少年育成団体が非常に最も好む、警察を頼りにすることだろうと思うんですがね。そういうふうにして、せっかく地域で押し込め作戦をやっているからには、現状維持ということもそれは営業者の自由からいって必要なことなんだけれども風俗営業という点にかんがみて、そういうものをそのまま認めるということは、出発点としては非常にいいことなんだけれども、これが十年、二十年たっても相続までできると、こういうことになっていくと、それなら、いつまででもいい。それで、むしろ普通の風俗営業が一定の地域に押し込められると、別にほかのところの方のが競争者がなくてかえって繁盛すると、こういう風俗関連営業の立地条件がかえってよくなってしまうということも考えられぬことはないわけです。これはひとつそういう青少年育成団体やそういう地域の浄化協会、そういうものを我々が幾ら反対してもあんたたちはつくるわけなんだから、浄化協会、そういうもので一定の圧力をかけていくというようなものが、やはりひとつ地域規制をやるからにはそれだけの努力があってしかるべきだと思うんですが、そういうことについてどうですか。
  347. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 風俗関連営業につきましては相続ということは考えておりません。適用にならないわけです。ただ一代限りそれは続くということになるわけでございます。法人の場合には、その法人格に変更がなければ続いていくということがございます。ただ、これらの禁止地域ではございましても、前に申しましたように、そこで違法行為が行われるということになりますれば、その違法行為が悪質であれば営業廃止命令ということまでかけ得るわけでございまして、そういう意味では減らしていくということが可能であるというふうに考えておるわけでございます。  今、先生お話しのように、一種の何といいますか、行政指導でかわらしたらどうだと、こういうお話がございましたが、これはかわって出ていく地域はいいわけでございますが、それじゃそれが移っていく地域がなかなか問題があるわけでございまして、そういう指導が果たしてどこまでできるか、これはやっぱり新しくそれを受け入れるという地域がなかなかないんではないかという感じもするわけでございまして、そういう点との兼ね合いを十分検討しながら、指導というものが一体どこまでできるか検討してみたいと、かように考えております。
  348. 三治重信

    ○三治重信君 これは風俗営業風俗関連営業を一定の地域に押し込めるという法案の作成、この法案にはっきり書いてあるんだから、全然その地域をゼロにするというなら別だけれども風俗関連営業地域というものを認めて一つのところへ、その一定の都市で一カ所なり二カ所、三カ所に封じ込める作戦がこの法律には出ているわけなんだから、行くところがないということは言わせぬでいけるだろうと思うんですが、それはひとつ検討事項としてやってください。  それから、風俗関連なり何なりの構造、設備の問題なんですけれども、基準というものが設けられているんだけれども、その変更について業者がえらい心配しているのは、電灯つけるところ一つ変えても変更届出せと。一定のパチンコの営業のカウンターがどこにあるとかいうようなものは別として、そういうちょっとした電灯のつけるところを、ここじゃちょっと暗いから明るいところに場所変えてつくるとか、それからジュースの販売機を入り口にあったのを少し奥の方へ入れたとか、そういうちょっとしたやつでも一々設備の変更届をとられる。殊に最近この風俗営業法の改正の議が上ってきてから非常に警察がやかましいんだと。今までの運用上、構造、設備についての変更は一切もう変更届を出せと見回りの巡査が非常にやかましいことを言う。これが法の改正の前からそういうことをやられたんでは、実際構造、設備といっても、マージャン屋だったら明るくしなくちゃならぬやつをそう暗くするわけでもないし、それから販売機を入り口にあったやつを奥へ持っていったって、そう構造、設備の変更ということでもないし、余りちょっとした変更を一々文句を言われたんでは、その応接にいとまがない。基本的な構造の変化とかというなら別で、ちょっとした改造や何かというものぐらいはそう一々細かくやらないようにしてほしいと、こういうことなんですが、いかがでしょうか。
  349. 鈴木良一

    政府委員鈴木良一君) 電灯とか自動販売機の例が出ましたが、これも状況によると思うんでございますけれども、それが例えばこの法案が従来から決めておりますような照度の問題であるとか、あるいは見通しの問題だとかということに兼ね合いがありますると、これはやはりそういう面で届け出をしてもらわなきゃならないということがあろうかと思いますけれども、この点はひとつ十分検討をしてまいりたいと思います。また、なお届け出のやり方につきましてもある程度、その都度ということじゃなくて、期間をまとめてやるということもあり得るだろうと思います。そういう点も検討してまいりたいと、かように考えております。
  350. 大河原太一郎

    委員長大河原太一郎君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、次回の委員会を七月二十六日午前十時に開会いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十八分散会      —————・—————