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参考人(大倉真隆君) ただいまおしかりを受けましたんですが、まず
数字の方を申し上げますと、私
どもは輸出、輸入、投資、直接貸し付けというふうな分類をいたしておりまして、輸入、投資
金融につきましては現在の融資比率は六割または七割、直接貸し付けにつきましては五割五分または六割ということで運用をいたしております。輸出
金融につきましては現在六割または七割、船舶につきましては四割五分という基準で運用をいたしております。
最後に申し上げました輸出
金融につきましては、これは実は五十七年度に、臨調で既にいろいろ御
議論がありましたあの年に、従来の七割一本というのを案件の内容によっては六割で運用するということで引き下げたわけでございます。それから船舶輸出
金融につきましてもほぼ同じ時期に、従来五割五分という融資比率を基準といたしましたものを四割五分というふうに引き下げたわけでございます。資料の
提出の仕方が非常に不親切と申しますか、わかりにくいというおしかりを受けまして申しわけないと思っておりますが、
現状は今申し上げたとおりでございます。
今後これをさらにどういう
考え方で運用していくべきかということでございますが、私
どもといたしましては、資源開発輸入を中心といたします輸入
金融というのは、今後とも政府
資金でこれを支援するということが必要ではなかろうか。非常に長い金になることが圧倒的に多うございますし、それを市中
金融だけで安定的な
金利でというわけにそう簡単にはまいらないと申しましょうか、そういう
意味で、輸入
金融につきましては、なお当分の間今の基準で運用するということが妥当ではなかろうかというふうに考えます、率直に申し上げまして。投資
金融につきましても、現在
日本が置かれております国際環境から申しますと、
海外投資なり
海外事業というものはもっともっと積極的にやってほしい。そういうときに、
政府関係機関といたしましても、これを政策的に財政
資金を使わしていただいて支援していくという
考え方は大事なんじゃなかろうかというふうに私は考えております。
そこで、輸出
金融でございますが、これは非常に大黒字でいろいろ問題が起こっておるときに、輸出に政府がサポートするのは何事かというような御意見を聞かないでもないんでございますけれ
ども、私
ども担当しております、輸出
金融と私
ども言っておりますのは、いわゆるプラント
金融、プラント輸出でございまして、これは仕向け先は先進国というのはほとんどない。いわゆる発展途上国でございますから、相手方としてはそういうプラント輸出、向こうからいえばブラントを輸入する、延べ払いで建設するということは現地雇用にも役立ちますし、それぞれの国の
経済開発にも役立ちますし、そのことによって直接にいわゆる先進国との
経済摩擦が起こるという問題ではないわけでございまして、政策の
一つの柱として、今後ともプラント輸出
金融というのは私
どもの大事な仕事の
一つであるというふうに考えております。
ただ、先ほど申し上げましたように、一部基準融資比率を引き下げましたのは、それは
国内の
金融情勢を見ながら、市中
金融機関で
対応できる分まで、これはとにかく輸銀がここまで必ず貸すんだというふうなことで運用するのはそれはおかしいだろうと、そういう
意味で一部引き下げました。現実の運用といたしましても、これは基準でございますから、現実に案件を見ましてよく聞きまして、市中で幾らでファイナンスできますかというのを聞きまして、それなら私
どもは原則は七割ですけれ
ども本件はまあ六割にいたしましょう
と、四割は市中で調達してくださいというふうな運用を、私
ども基準外と申しておりますが、これはかなりの件数で運用をいたしております。
今の私
どもの
考え方は、以上、ちょっと時間がございませんので、大変はしょりましたが、そういう
考え方で今後ともやらしていただきたいんだということ。
なお、蛇足でございますが、プラント輸出
関係につきましては、現在のところ主たる受け入れ国側が非常に
お金がなくなってまいりまして、これはかって
鈴木委員も御
指摘になった累積債務問題との絡みがあるわけでございますが、あるいは産油国で油の値段が下がったというふうな絡みがございまして、そういう
意味で受け入れ側のマーケットが小さくなってきた。それで猛烈にアメリカ、ヨーロッパの
企業からの売り込みがきつうございまして、これまた技術的でございますから名前だけ申し上げますが、先進国間に輸出信用のガイドラインというのがございますが、そのガイドラインをはるかに下回る
金利で、そういう
金融条件で出てくるということがかなりしばしばございます。その場合には、
日本側としても向こうが下げてきたところまでは
対応して下げると、そういう条件でファイナンスできるようにしてオファーをする。最終的に値段、中身、質、そういうものがもちろん絡みますけれ
ども、
金融条件としては私
どもが言うマッチングというのをやる。これは国際的にも認められておりますが、そういうマッチングをやりますときには、申し上げたように、市中
金利よりもある
程度下がったレベルが出てまいりますから、これを融資比率の方で下げる。仮に政府がやるとすればもうちょっと下げないとうまく合いませんですね、計算が。そういうような非常に厄介な新しい問題もございますので、その辺は国際的な環境の実情に合うように弾力的な運用をさしていただきたいということも考えているわけでございます。
くどくて恐縮でございましたが、いずれにしても国際的な環境をよく見て国際的な動きに
対応できるように、しかし基本的な
考え方として、市中
金融でカバーできるものまで無理無理私
どもが割り込むという
考え方は持っておらない、そういう
意味で運用さしていただきたいと思っております。