○福間知之君 そこでアメリカに対する我々の期待というものは、
長官もおっしゃったように、私
どもも余り変わらないのですけれ
ども、要するにアメリカの高金利あるいは財政の赤字というのは、単にそれはもうアメリカだけの問題じゃなくて、特に日欧先進国に対して、あるいはまた第三世界に対しても、一種の
経済的な負荷を、負担を転嫁していると、こういうふうな見方すらできるわけでして、今も御
指摘あったように、貿易摩擦一つとっても、これは単に日本だけが一方的に悪いのじゃなくて、あるいはまた円が比較的安いということなどは特にアメリカの高金利
政策というものが大きく災いしているのであって、アメリカ
自身がみずからの
政策の修正をやってもらわなければ、日本としても、ヨーロッパとしてもどうにもならない、こういうふうなことがそこにあるわけですから、これからもこれは国のレベルで率直にやはりそういう対話を進めて、相互に干渉じゃなくて、理解と協調を図っていく、そういう
努力は私は必要だろうと、そういうふうに思うわけであります。
ところで、国内に目を翻ってみまして、
河本長官にこれもひとつお聞きしたいんですけれ
ども、昨今の財政事情は、日本も例外じゃなくて、かなり厳しいということから、
予算編成に対してはゼロシーリング、あるいは
マイナスシーリングの枠を設定しまして歳出を抑制するというふうな
方向が常に強まってきているわけでありますけれ
ども、果たして私はそれだけでいいんだろうかと思うんです。先ほどの御
答弁にもありましたように、今日本が国内の
需要を喚起して、先進国の中でもファンダメンタルズの一番良好な
我が国が
世界経済の牽引車的な役割を果たすべきだというふうな自覚のもとに、
河本長官のいわゆるダイナミズムがいろいろ議論されておるわけですけれ
ども、私は
方向としてぜひそうあってほしいなあと思っている一人なんですけれ
ども、とすれば、財政が厳しいから何でも抑制だというのではその道は貫徹され得ないと思うんです。やはり選択的な拡大、ある部分においては選択的な縮小、そういうものは必要だと思うけれ
ども、何でもかんでも
マイナスシーリングだ、ゼロシーリングだては、私は
活力のある
経済というものは実現し得ないと思うんです。ましてや昨今、悪い、やや行き過ぎた風潮として、観念的に
民間活力の創出だというふうなことが何かお題目になる場合が間々あるんですね。もちろんそれは
民間の
活力活性化というものは非常に大事ですから、それを抜きにして日本
経済は成り立ちません。しかしまだ公的な財政
分野あるいは金融
分野の果たす役割というものは私はまだまだあると思うんです。
その中で私は今
指摘をしたいのは、例えば
社会保障です。
社会保障はこれから老齢化
社会に向かっていく
我が国で、これは絶対的にも相対的にもふえこそすれ減らしていくということは困難な
分野ですね。この
社会保障という
分野における財政措置は、財政上での選択は、これは今のように例えば
物価スライドにしても十分
社会保障に加味しない、あるいはまた健康保険は本人負担を一割ふやす、三年先は二割ふやすと、それは何かある種の哲学によって、さも内助
努力を高めることが重要だというふうなことだけでそれだけを強調する、その反面そういう財政削減をやっていく、それで果たしていいんだろうか。甚だこれは疑問に思うわけです。確かに医療なら医療問題一つとってみても、あるいはまた年金なら年金問題一つとってみても、過去三十数年間の慣習なり制度なりというものの
見直しは将来にわたって必要だと、これはもう異を挟むものではない、あるいはまた医療の現状のあり方については根本的にメスを入れなければならぬ。そのためには、日本医師会に対してももっと厳格な対応を
政府当局としてはやる。それがために必要な医療の将来的な改革のビジョンをやはり明確に打ち出していく、こういうことがなければならないと思うんです。しかし、目の先、何かこう
社会保障費などを切り込んでいくというこの
姿勢だけで果たしていいんだろうか。私は
社会保障だけじゃないとは思うんですけれ
ども、あえて軍事費とは言いませんけれ
ども、
社会保障だけじゃないと思うんですけれ
ども、
一般会計勘定から別の勘定にしていくべきじゃないか、こういうふうな考えを持つものでございますけれ
ども、これは
予算のあり方という観点からの問題提起かもしれませんが、経企
庁長官の所見を
伺いたい。