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1984-07-20 第101回国会 参議院 災害対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年七月二十日(金曜日)    午後一時十二分開会     ―――――――――――――    委員異動  七月十九日     辞任         補欠選任      下条進一郎君     金丸 三郎君      松本 英一君     久保  亘君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         赤桐  操君     理 事                 鈴木 省吾君                 田代由紀男君                 粕谷 照美君                 原田  立君     委 員                 浦田  勝君                 金丸 三郎君                 坂元 親男君                 竹山  裕君                 出口 廣光君                 中村 太郎君                 吉村 真事君                 久保  亘君                 村田 秀三君                 服部 信吾君                 下田 京子君    国務大臣        国 務 大 臣        (国土庁長官) 稻村佐四郎君    政府委員        国土庁長官官房        長        永田 良雄君        国土庁防災局長  杉岡  浩君        農林水産大臣官        房審議官     吉國  隆君    事務局側        常任委員会専門        員        田熊初太郎君    説明員        国税庁税部審        理室長      森田  衞君        文部省教育助成        局施設助成課長  吉田  茂君        文部省体育局体        育課長      光田 明正君        厚生省保健医療        局感染症対策課        長        野崎 貞彦君        厚生省社会局施        設課長      近藤純五郎君        林野庁指導部治        山課長      船渡 清人君        資源エネルギー        庁公益事業部計        画課長      山本 貞一君        気象庁地震火山        部地震予知情報        課長       津村建四朗君        建設省都市局街        路課長      依田 和夫君        建設省河川防        災課長      帆足 建八君        建設省河川局砂        防部砂防課長   設楽 武久君        建設省道路局道        路防災対策室長  寺田 章次君        自治省財政局地        方債課長     柿本 善也君        自治省財政局公        営企業第二課長  吉田 武彦君        消防庁防災課長  島崎  実君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (桜島火山周辺地域における降灰対策等に関す  る件)  (地震予知に関する件)  (地震対策の限時法の延長に関する件)  (五木村土石流被害に関する件)     ―――――――――――――
  2. 赤桐操

    委員長赤桐操君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨十九日、下条進一郎君及び松本英一君が委員を辞任され、その補欠として金丸三郎君及び久保亘君が選任されました。
  3. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  まず、派遣委員報告を聴取いたします。田代由紀男君。
  4. 田代由紀男

    田代由紀男君 派遣委員報告を申し上げます。  去る七月十三日、十四日の両日、赤桐委員長粕谷理事原田理事坂元下田の各委員と私、田代の六名は、桜島火山周辺地域における防災対策実情調査のため、鹿児島県に行ってまいりました。なお、現地において、井上、金丸、川原、久保の四議員が参加されました。  以下、派遣委員を代表して調査概要と、私どもが特に印象を受けました点を簡単に御報告申し上げます。  桜島鹿児島湾の中央に浮かぶ小さな火山島でありますが、大正三年の大爆発後、昭和に入ってからも二十一年、三十年の爆発を経て、四十七年ごろから火山活動が一段と活発化しております。特に本年は、七月十一日現在で既に爆発回数二百一回を数え、六月四日にはいわゆるとか灰といわれる多量降灰に見舞われ、鹿児島地方気象台の構内で平方メートル当たり一千八十グラムに達し、日降灰量としては四十四年の観測開始以来最大値を記録しておるのであります。こうした火山活動活発化に伴いまして、住民日常生活は大きな打撃を受けておりますが、特に、降灰による農作物被害は深刻なものであります。  以下事業別にその概要を申し上げます。  まず、土石流対策事業について申し上げます。桜島地区には十八の河川があります。いずれも通常は水のない枯れ川でありますが、長期にわたる火山活動ガリー浸蝕によって年々降灰が進み、上流水源地で生産された土砂は、少量の降雨でも土石流となって直接下流の集落や道路に到達し、毎年人家や公共施設、さらには農耕地等に大きな被害をもたらしております。このため、特に土石流が多発する危険な十四渓流について、現在国及び県による砂防事業が実施されており、五十一年度から実施された直轄砂防工事だけでも既に約九十億円もの巨費が投入されておりますものの、昨年は九十九回、ことしに入ってからも野尻川で八回、土石流下流温泉街道路を直撃して被害を出した第二古里川で六回など、既に六月末までに三十五回の土石流発生しております。  申し上げるまでもなく、砂防事業河川中流部においては土石流エネルギーを弱めるための砂防ダム、また、土石流のはんらんを防ぐための導流堤等設置し、下流部においては流路工を設けて、土石流を海へ安全に流下させる等の対策を進めております。しかしながら、何分にも流出土砂量が膨大で、私ども視察しました野尻川では、毎年約四十万トンの土砂流出があるとのことであります。事実、河道ダム等には大きな岩石土砂が堆積し、この堆積した土砂の搬出に追われ、本来の施設整備計画はおくれがちとのことでありました。また、金床川、黒神川も状況は同じで、巨大な砂防ダムが建設されておりますものの、堆積地には年々多量土砂が堆積し続けております。  このように、桜島地区の各河川はいずれも早急な抜本対策が必要とされているのでありますが、砂防事業進捗率直轄事業で二一%、補助事業で二二彩と低いのが実情で、事業費枠拡大による一層の推進が望まれております。私どもも、宿舎で巨大な岩石を巻き込んで、猛烈なスピードで流下する土石流の実際の模様を撮影したビデオテープを見ましたが、今まで観念的に承知しておりました土石流の恐ろしさというものが、想像していたものよりもはるかにすさまじく、一同改めてその破壊力に驚嘆し、早急な対策必要性を今さらながら痛感した次第であります。  一方、土石流対策としての治山事業につきましては、既に三十七年度以降県による防止工事が実施されてきましたが、五十一年度から直轄治山事業が実施され、荒廃地の復旧や土石流防止対策が進められております。私どもも西元川の治山事業視察いたしましたが、既に上流に谷どめ工が完成しておりまして、居合わせた住民の一人がおかげをもちまして安心できるようになりましたと漏らした言葉は、まさに地域の人々の実感でありましょう。既に直轄治山事業だけでも百八億円が投入されておりますが、それでもなお、進捗率は三八%程度にすぎません。さらにその整備充実が待たれております。  次に、降灰除去防除事業について申し上げます。  冒頭にも申しましたように、ことしは特に降灰量が多く、六月二日から五日までの四日間に、県庁屋上で平方メートル当たり四千二百八十七グラムの降灰が観測されたとのことであります。降灰があればその都度除去作業を実施しなければなりません。私ども桜島町で路面清掃車による除去作業を見ましたが、まだ除去の終了していない区間は、車が走ればもうもうたる灰ぼこりが立ち込め、住民日常生活や交通安全上、いかに大きな支障をもたらしているかを身をもって体験したのであります。  また、桜洲小学校に立ち寄り、降灰防除施設を見てまいりましたが、桜洲小学校を含め、桜島地区内の小中学校九校全部について窓枠サッシ化空気調和設備等降灰防除施設整備は完了しておるとのことでありました。しかしながら、降灰除去には一部国からの補助があるものの、その費用は年々増加傾向にあり、また、防除事業につきましても、地域住民学習活動の拠点となっております既設の公民館の一部でまだ防除施設整備がなされていない等の問題があり、県当局から、これらに対する助成措置拡充強化要望されておりました。  次に、防災営農対策事業について申し上げます。  防災営農対策につきましては、既に昭和四十八年度から三次にわたる防災営農施設整備計画が策定され、対策が実施されてきたのでありますが、五十九年度から六十一年度までの第四次防災営農施設整備計画が去る四月新たに策定され、従来の実績を踏まえて降灰地域土壌矯正事業野菜等に付着した火山灰を洗い流すための洗浄施設整備ビニールハウス等被覆施設整備等の諸事業を実施することになっております。しかしながら、去る六月二日から八日にかけてのどか灰で、ビニール施設以外の農作物は全滅に近い被害を受け、その被害額はわずか一週間で二億五千二百八十万円に及んだとの報告がなされておりますように、桜島及び周辺地域農作物は毎年五十億円を超える大きな被害を出しておるとのことであります。  今回私どもも、宇都地区ビワ園、それから福山地区ミカン園被害状況視察いたしましたが、ビワ成育状況は他の地域の半分程度しか育っておりません。それらひ弱な樹体や葉に黒い灰が付着して品質の低下をもたらし、大きな被害をこうむったとのことであります。また、福山町ではミカン園を遠望いたしましたが、町当局説明によりますと、福山町のかんきつ類の栽培面積は百二ヘクタールのうち、降灰による被害面積は九八・六%にも及び、被害額は一億五千九百万円、被害率は七四彩ということであります。このように両園地ともにまことに惨たんたる状況であります。もちろん果樹共済制度はありますが、基準反収が少なくなり、共済のメリットがないために加入率も低いのが実情であります。そこで頼みの綱は屋根かけによる施設整備するということになるのでありますが、降灰火山ガスによりビニールの傷みが早く、年二回の張りかえが必要となります。しかし、ビニール張りかえ代は十アール当たり十二万円も費用がかかるとのことで、これが農家経営を圧迫しております。このため被覆資材耐久性向上のための調査研究ビニールハウス施設設置後の張りかえ補助対象とすること、また、トンネルハウス事業対象とすること等について切実な要望がありました。  次に軽石流出対策について申し上げます。  鹿児島湾は古くからハマチ、ブリ、タイ類養殖業が盛んでありますが、近年ボラと呼ばれております軽石が大雨の際、黒神川流域から大量に海面に流出して、養殖業や漁業に悪影響を与えております。建設省の推計によりますと、流出するボラの量は年間六万立方メートルにも達するとのことで、これが生けす網に侵入しますと、漁網等を破損するばかりか、魚がそれを飲み込んでへい死したり、傷ついたりし、実際の被害額は正確にははじき出せませんが、年間相当の額に達しております。このため、1水産庁では、五十七、五十八の両年度に、流出軽石魚類養殖業に与える影響及び海における軽石挙動等について調査を実施したのでありますが、しかし、現在のところそれに基づく有効な対策を策定するまでには至っておりません。  地元漁協からは黒神河口域流出する軽石拡散防止施設を早急に整備してもらいたいとの要望が出されておりますが、これらを実施するには海上施設に及ぼす土石流の力や態様など、まだ解明しなければならない問題点があるとのことで、実現までにはまだ時間がかかるように見受けました。しかし、海に流出、あるいは漂着したボラ除去しなければならず、地元ではとりあえず、その事業実施を強く望んでおりました。  以上、調査概要を申し上げましたが、県及び関係二市三町から、このほか、噴火土石流等災害発生予知、また住民避難誘導等のための情報通信システム整備火山ガス降灰が人体に及ぼす影響に関する調査研究及び監視体制の確立等々、多くの要望を受けてまいりました。また、県議会代表者からは、黒神川の土石流対策充実、また捨て土を利用した避難用広場設置等についての意見が披歴されました。これらの要望書につきましては、これを本日の会議録に掲載していただくよう委員長お願い申し上げまして、派遣報告を終わります。
  5. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 以上で派遣委員報告は終わりました。なお、ただいま報告の中にありました鹿児島県及び関係二市三町からの要望事項につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 異議ないと認めます。さよう取り計らいたいと存じます。これより質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 久保亘

    久保亘君 私は、質問に先立ちまして、ただいま田代理事から御報告がございましたように、委員長を初め、各党の委員方々、そして関係省庁皆さん方が直接桜島降灰等災害について現地調査、御視察くださいましたことを大変感謝をいたしております。心からお礼を申し上げます。  なおまた、国土庁稻村長官も、先般のこの委員会で私、現地を御調査いただくようお願いを申し上げておりましたが、早速現地に赴いていただきまして、適切な御判断や御指示をいただいておりますようで、この点につきましても、地元の一人として心からお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。  なおこの際、長官最初お尋ねをいたしたいことがございますが、一つは、防災局設置されたりして防災対策に大変な熱意をお示しいただいておることは、私ども十分長官の御意思をうかがうことができるような気がいたしますが、今後この防災局中心にして、防災対策予算の確保などに長官としてどのような決意で取り組んでいかれるのか、最初その点について長官の御決意を承っておきたいと思います。
  8. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) こういうときでありますから、防災重要性、こういう意味から、七月一日から防災局設置をされたわけであります。もちろん、日本の国はさまざまな自然災害が大変多うございまして、これをやはり何としても食いとめるということよりかむしろ、例えば桜島のようなああいう火山活動について、いろんな対策を講じてもなかなかというようなときには何とかして行政の力で最小限に食いとめる責任がある、こういうような考え方から、防災局設置をいたしたわけであります。  そういう意味で、それではそれに対する予算の問題でありますが、もちろん人員もこういう時期ではございますが補充をいたしまして、その点についても人員の問題についてはふえておるわけです。ただし、その他の予算につきましては大変幅が広いわけでありますから、各省庁ともよく連絡を取り合って、協力を要請いたしておるというのが現状であります。
  9. 久保亘

    久保亘君 防災対策というのは、熱意とともに大変金のかかる仕事でもございます。今長官が申されましたような立場で、積極的な今後の施策を進めていただきますようお願いをいたしておきますが、なお御視察をいただきますとともに、桜島の問題については格別な御関心を持っていただきまして、先般、桜島火山対策懇談会国土庁におつくりいただいたと聞いておりまして、既に今月の十七日に第一回の会合も開かれたと聞き及んでおりますが、この桜島火山対策懇談会設置目的や、それからどのような構成になっておるのか。今後この桜島火山対策懇談会は、どんなスケジュールで懇談会意見をおまとめになる御予定なのか、それらの点についてお尋ねいたします。  なお、この桜島火山対策懇談会は、いわゆる火山立法活動火山対策特別措置法改正などについても検討をなさるような懇談会としての仕事をお考えになっているのか。この点について、懇談会のことでまずお答えいただきたいと思います。
  10. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) この前、六月十九日でしたか、私が桜島現地視察に参りました。今、田代委員から細やかに報告等がありましたが、そのときに、テレビあるいは新聞その他いろんな方々からいろんなことの御要望がありました。私行ってみまして、肌に感ずるものとして、山容の荒廃、あるいはまた土石流の恐ろしさ、あるいは農水産業荒廃等々が想像以上のものである、こう認識をいたしたわけであります。  そこで、このままで推移をしていくということには、地域住民皆さん方の不安というものはこれは解消できるものではない、こういう判断から、学識経験者、特にこれに対する関心の深い人たちによって懇談会設置をすることにいたしたのであります。  そこで、どういう目的でやるかということでありますが、これは学識経験者方々ばかりでございまして、十七日のこのときの結論、それは出るものじゃありませんが、来月の初旬、八月の初旬に現地をまず見てもらう。現地で見たその触れ合いの中で、どうすればいいのかというその結論も、余り先に延ばしても、大体こういう懇談会あるいは審議会等は相当の時間をかけるわけでありますが、これは災害等極めて範囲の狭められたへ桜島噴火活動に対するという問題でございますから、十二月までには結論を出していただく。最終的というか十二月末までにぜひこのことについて結論を出していただくということを強く皆さんお願いを申し上げて、十七日に第一回ということであります。
  11. 久保亘

    久保亘君 そういたしますと、桜島火山対策懇談会で御検討になりましたような内容というのは、十二月の末までには一つのまとまった結論になるんでしょうけれども、その中間においても、この懇談会検討いたしました必要な対策などについては長官の方に意見が出されるような仕組みになっておりますでしょうか。
  12. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) それは、結論は十二月いっぱい、言うなれば十二骨三十一日ということでございますが、その間において、この点は早急にやってもらわなきゃならぬ、こういったことも必ずあり得ると私は判断をしております。あり得るのが当然だというふうに受けとめておりまして、その中間においてこういうことはやはり国土庁としても速やかに対応すべきである、あるいはまた対処すべきである、こういう意見については即刻それは取り上げてまいりたい、こういうふうに思っております。
  13. 久保亘

    久保亘君 わかりました。  先ほどお尋ねいたしました火山立法改正措置を伴うような対策等についても、懇談会検討の幅を広げておやりになるのか、あるいは火山立法の中で考え得る対策ということになるのか、その点は広く考えられるものと思っておりますが、いかがでしょうか。
  14. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 火山立法の基本的な考え方というのは、あまり幅広く広げるべきではないと思っておりますけれども、先ほど来も申し上げたように、今度の懇談会のメンバーというのは、大変この方について学識経験の多い方ばかりでございますから、その結論を尊重する必要がある、懇談会を設けた以上はその結論を尊重する必要があるというふうに考えております。そういう意味から、きょう現在どうかと聞かれますと、やはり基本的な考え方というものの広げ方はできないのではないかなと、こういうふうに思っております。
  15. 久保亘

    久保亘君 もちろんこの火山立法改正等については、議会の私どもとして取り組むべき課題だと考えておりますけれども懇談会等におかれても、ぜひ桜島火山対策として必要な改正提言等がなされればなおよいのではないか。私どもも、火山立法改正考えます場合にそれが非常に重要な参考になればとも考えております。この懇談会報告等につきましては、できますれば議会の方にも必要な御報告をいただければと思っておりますが、そのようなことをやっていただけますでしょうか。
  16. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) それは当然なことであります。立法等との関係考えた場合でも、逐一御報告を申し上げる必要があると、こういうように私は考えております。
  17. 久保亘

    久保亘君 それでは、御調査をいただきました国土庁や各省庁に対して、具体的な出面の対策、特に地元の自治体、地域住民方々から出ております御要請などを中心にしてお尋ねをしてまいりたいと思いますが、最初に私、先回のこの委員会降灰除去等にかかわっての所得税雑損控除の方法は考えられないかということをお尋ねをいたしております。その際、御出席でありました国税庁課長の方からは、なかなか現行法制上難しい問題だということでありましたけれども、私の意見並びに質問に対して、私がその当時述べましたようなことについて、ぜひ上司にもその意向を伝えて検討をしてみたいというお答えであったように記憶をいたしておりますが、その後、この問題について国税庁ではどういうふうな御検討があったのか、その点について御説明をいただきたいと思います。
  18. 森田衞

    説明員森田衞君) お誓えさせていただきます。  前回ども課長が御答弁したわけでございますが、その折、住宅とか家財等、こういう生活用の資産につきまして、災害等によりまして現実に損害発生した場合には、所得税法雑損控除適用がある、こう申し上げたわけでございます。さらに、降灰等によりまして、その除去費用、つまり具体的に損害が生じていない場合の支出につきまして、それが災害関連支出に該当するかどうかということを御説明いたしまして、その際、「被害拡大又は発生を防止するため緊急に必要な措置を講ずるための支出」ということに当たりますと雑損控除対象にするという法律の規定になっておりますので、この要件に該当するかどうかということがポイントだったわけでございます。  桜島の場合につきましていろいろ検討しておるわけでございますが、「被害拡大又は発生を防止するため緊急に必要な措置」というものに該当するかどうか。前回御答弁いたしたとおり、従来の状況から申しますと、必ずしもそう言えないん.じゃないかというふうなことを考えておりまして、現行法の枠内ではなかなか雑損控除適用を認めるのは難しいというふうに部内で検討しているわけでございますが、ただ最近、非常に噴火が異常な噴火と言われるほど相当な降灰量ということも聞いておりますので、よく実態を見さしていただきまして、実態に即して適切に対処してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  19. 久保亘

    久保亘君 降灰はほうっておいてもそう問題はないものだとお考えをいただきますと大変困るのであります。建物の上に積もった灰というのは、これは想像を超える大変な量でありまして、そして建物の場合に、雨どいとか屋根の排水がスムーズにいかないということは、その後の建物への被害とかあるいはそういうものが全体としてまとまってまいりました場合には、いろいろながけ崩れとかそういうものの被害につながる可能性が非常に大きいわけです。灰は除去しなければいつまででも滞留するものです。そしてこの灰を除去するためには、今度は実質的、経済的損失としてたくさんの費用を負担しなければならないという状況がございます。私はそれで十分対象として考えられる条件を持っておるのではないかと思っているんですが、国税庁としてはこの桜島降灰に対する現状というものは、これはなかなか行ってみない人、そこに住んでみない人にはわかりにくい問題なんで、十分な認識をお持ちでないんじゃないかと、こう思っているんです。  私はもう何代か前の鹿児島の税務署長にそのことをお話し申し上げたことがあります。そのときその税務署長さんも、こっちに赴任してきてすぐ私は目を思って二、三カ月苦労しました。これはもう大変なものだと思っております。それで国税庁の方が見えるときにもぜひこの桜島噴火を味わってもらいたい、そう思っておりましたら、ちょうどこちらへ見えましたときには快晴で、桜島も一日静かにしておって、体験してもらえなかったんですよということを笑い話のようにおっしゃったんですが、今度当委員会調査のときには大変御配慮をいただいて、桜島土石流などの災害の出る現地のホテルに委員皆さんお泊まりいただきました。そしてその晩にも桜島の、余り大きな爆発ではありませんでしたけれども、初めての人はびっくりするような爆発がございました。やっぱりそういうような体験というものを通すと、なるほどということがわかるので、普通灰が降ると言うと大したことないと、こう思っておられるわけです。だから、その辺の認識を国税庁としてきちんとしてもらえば、やっぱりこれは考慮の対象になると考えていただけるものだと私常識的に思うんですがね。あなたは体験されたことございますか。
  20. 森田衞

    説明員森田衞君) お答えいたします。  私はまだ体験はいたしておりませんが、先生今御指摘の点につきまして、確かに百聞は一見にしかずということもございますので、先ほどお答えいたしましたように、実態をよく見さしていただきまして、実態に即した対処をしていきたいというふうに考えております。
  21. 久保亘

    久保亘君 それでは、この降灰に伴う経済的な負担、それをやらなければやっぱり被害が他へ波及するというような状況等を実際に御調査になった上で、それが私どもが主張するようなことであるということならば、それが所得税の控除の対象となり得るかどうかについて具体的に御検討いただく、こういうことで理解してよろしゅうございますか。
  22. 森田衞

    説明員森田衞君) お答えさしていただきます。  実態を見さしていただきまして、その実態を踏まえて先ほど申しました法令の規定に該当するかどうか個別に検討いたしまして、適用になるかならないか検討さしていただくということだと思います。
  23. 久保亘

    久保亘君 そこまで踏み込んで検討していただく、実態調査もしていただくということは、あなた方が十分そのことに対して理解をされた場合には、法令の対象として考えられるように努力をしていただくと、こういうことですね。  そうでないと、これはやっぱり対象にならぬことを点検するために行くのと、そういう状況ならば――行かれた人たちがみんなこれは大変だと言われる。長官も衆議院で現地をごらんになった感想を述べられておりまして、地域住民日常生活や産業活動に対する影響は深刻なものだという御感想をお述べになっておるわけであります。これは実際体験しない者には想像できないものなんです。だから私は何遍も申し上げているので、せっかくやっていただくならば、そういうような地域要望にこたえられるような努力をしてみようという前提で調査をしてもらわなければいかぬと思うんですがね。何もあなたから今、必ずそうしますというような言葉を私はもらいたくて言っているんじゃないんです。その姿勢の問題ですね、いかがですか。
  24. 森田衞

    説明員森田衞君) ただいま先生のお話のような御要望よく胸に秘めまして、素直な気持ちで実態を見さしていただきまして、それが該当するのかどうか、素直な目で見させていただくということで御了解お願いしたいと思います。
  25. 久保亘

    久保亘君 ぜひひとつ、そういう地域の強い要請があることを頭に置いて、できるだけ早い機会にその実情調査をして、そして法令との関係などを詰めていただきたい。まあそのうちやりましょうということじゃなくて、なるべく早くやっていただきたいと思います。お願いいたしておきます。  次は、文部省にお尋ねをいたしますが、この桜島降灰地域にあります学校の問題です。  私がきょうどうしてもお尋ねしようと思うのは三つございます。  一つは、鹿児島は非常に夏は暑い地域でございます。降灰のために窓をあけられないということで空調設備をいたしております。この空調の設備を取りつけますと、維持費に大変な経費が要ります。ここへ先ほど田代先生から御報告いただきました中に、桜洲小学校という私どもの行きましたところがございますが、この小学校はそんなに大きな学校ではございません。この小学校でクーラーを動かしますと、一時間で二千六百円の経費がかかるということでございましたから、設備はしても、動かすと大変な経費がかかる。しかも、動かさないでおいても電力の基本料金は毎月大体一万円ぐらい取られているんですかね、それは払わなければならない。これは学校の経営という立場から考えますと、一つの小学校でクーラーを使わなくても一万円ぐらいの基本料金を払わにやならぬということ、これは大変な負担でございます。学校の図書館の図書費を一万円ふやすことだってもう大変な中でのそういう負担でございます。  それで、文部省のお考えも聞きたいし、それから通産省はこのような災害地域に対する電力料金のあり方について、基本料金など公共的な学校の施設などについては特別な配慮をするという方法がないのかどうか、これは文部省と通産省と、ひとつ両方お答えいただきたい。
  26. 吉田茂

    説明員吉田茂君) 活動火山対策特別措置法に基づきまして、学校の降灰防除施設としていろいろな設備が取りつけられるわけでございますが、空気調和設備もその一環として補助対象になっておるわけでございます。先生御指摘のように、空気調和設備を取りつけますと、その電力料金が一般のケースよりも多額の料金がかかるということは御指摘のとおりあるわけでございますが、空気調和設備につきましては、例えば空港周辺の教育施設についての騒音対策とか、あるいは公害防止対策事業、こういったケースでも補助をしているわけでございますが、電力料金については特別の補助はしていないという事例が多いわけでございます。この場合につきましても、このような維持管理費的な電気料金について補助を行うということは困難であるというふうに考えておるわけでございます。
  27. 山本貞一

    説明員(山本貞一君) お答え申し上げます。  電気料金につきましては、電気事業法十九条の規定によりまして、まず原価主義と申しまして原価を適正に反映したものであるということ、それからもう一つの原則は公平の原則と申しまして、すべての需要者に実質的に公平でなきゃいかぬという規定がございます。この二つの原則に基づきまして供給規程を各電力会社定めまして、通産大.臣が認可をして電気料金をいただいておるわけでございます。ただ、災害等特別の場合につきましてはその供給規程で定めることも無理でございますので、個々に認可申請をして、特別の場合については適用を変更することができるようにはなっております。現在そのただし書きに基づきまして運用しておりますのは、災害救助法の適用になりました、例えば家が流失して電気がともらないとか、あるいは電線が切れてしまってとても電気が使えない、そういう状況の場合には電気料金は免除するとか、あるいはそれを復旧するために工事負担金を普通はいただくんですが、その工事負担金は免除するとか、本当に家が流失した場合とか、大変厳しい条件の場合に非常に限定的に運用しておるということでございます。そういう意味で私どもとしては、公.平の原則に基づきましてすべての需要者に平等にという点から限定的な運用ということを考えますと、降灰による電気料金――窓をあけると灰が入ってくる、したがって窓を閉めざるを得ない、そのためにクーラーを回さなきゃいけない。ただクーラーは補助金でつけたけれども維持管理費は補助金がない。その制度の方にあるいは問題があるのかもしれませんが、私どもとしては、それを電力会社としてそういう特定の場合に、一般的にそれを免除なり減免というようなことになりましても、今の原則、法律では大変制約的に考えざるを得ないんじゃないかと考えておる次第でございます。
  28. 久保亘

    久保亘君 例えば原子力発電所をつくるというと、その周辺の住民には電力料金を減額してやるというようなことが政策的にとられておりますね。だから私は、公平の原則というようなものを盾にしてやれないものではない。ましてや学校というような公共施設について、公平の原則というようなもので当てはめて論すべきものではないんじゃないか。その地域人たちにとっては、全部公平に子供たちがその恩恵に浴するんですから、これこて私は公平の原則にもとるものではない、こういう気持ちがいたしますが、しかし今の電力料金の認可とその運用の中では大変難しいということでありますから、それならば、せっかくクーラーをつけてやっても経費的に使えないという状況では役割を果たせない。この問題と、もう一つ降灰を流すために大変水を使うものですから水道料金がたくさんかかる、こういう点について地元の要請が非常に強いんです。  これに個々に援助をするということは大変難しいとするならば、水道料金や電力料金の負担を実際に軽くするような措置を自治体がとった場合に、それに見合う自治体に対する援助を自治省として考えることができるかどうか、自治省の方お答えをいただきたい。
  29. 吉田武彦

    説明員吉田武彦君) お答えいたします。  御案内のとおり、企業会計におきましては受益者負担の原則というものがございまして、水の需要の多寡によりまして水道料金が設定されているのでございます。  御指摘の当該水需要の増に対する減免の問題でございますけれども、これら企業会計における財政収支の問題、あるいは個別における財政負担の能力の問題等総合的に勘案いたしまして当該団体が判断されるところでございますが、現行制度上残念ながらこれに対する財政措置というものは考えられておらないところでございます。
  30. 久保亘

    久保亘君 現行制度で考えられておればそんなこと要望しないんですよ。現行制度で今は考えられていないからこそ、災害なんです。その基本のところを災害という認識で統一しておいてもらわぬといけませんよ。何か水が暑いところで余計要るからまけてくれといっているじゃないんです。災害を防除する、排除するために必要なものなんです。だから、それを自治体がその分について減額の措置をとった場合に、その自治体にその相当額か、まあ全部というわけにいかぬでしょうけれども、ある程度のものを自治省が交付税その他の措置を通じて助成をするというようなことが考えられるんじゃないか、災害の場合には。私はそのことをお聞きしておるわけですが、これは自治省として検討の余地もないものですか。
  31. 吉田武彦

    説明員吉田武彦君) 先ほどもお答えいたしましたとおり、公営企業の範囲内において、財政的な観点から収支相償うような体系になっているのが現状でございます。したがいまして、当該団体が財政的に許せる範囲内であったらそれは考える余地はございますけれども、そういった建前上のことからしまして、現在では財政措置のことは考えられないんじゃないかということを考えております。
  32. 久保亘

    久保亘君 自治省というのは、自治体のいろいろな要請とか自治体の立場を守ったり助けてやったりするのが自治省の任務じゃないんですか。災害に遭って困っている地方自治体の要請を、建前上そんなことはできませんと言って、それで木で鼻をくくったように突っ張るのが自治省の仕事じゃないと私は思う。だからもう少しあなた方の方も……私が一人ここで言っているんじゃないんです。これは桜島火山対策懇談会にも地元市町を代表し鹿児島の代表から言われておるはずです。ところが、そのことについても自治省が、どこかでそんな話をしているそうだというようなことで、おれのところには関係ないという受けとめ方をされたんでは、少し役所としては冷たいやり方じゃありませんか。  だから、そういう問題についてまださっきの大蔵省の方が態度としては、とらえ方として私は非常に親切だと思うんですよ。現行制度上は難しいけれども実態を調べてみて法律に適合できないかどうか、それは努力してみます、こういうことなんですから。だから自治省としても、そういう実情にあって非常に大きな負担になっているならば、水道料金についての助成の方途を検討してみるというようなことは必要なことなんじゃないですか。それはできませんというあなたの答えだけで、そうですがと言って私も終わるわけにはいかぬですね。だから検討にも値しない問題なんですか、そのことを聞いておるんです。制度上どうこうという問題じゃない。自治省としては、そんなこと苫われたって、はなから検討する気持ちは全くありません、だったらそう言ってください。
  33. 吉田武彦

    説明員吉田武彦君) お答えいたします。  先ほど申しましたように、企業会計内の制度上の問題をお答えしたわけでございまして、当該団体が全体的に災害状況等を勘案しまして、特別の財政需要があった場合におきましては、当該団体の財政状況を勘案の上措置することは考えられているところでございます。
  34. 久保亘

    久保亘君 そう言ってもらえれば、やっぱり自治省もいい役所だなと私思うんです。  それで、今あなたが言われたような立場で、地元の非常に強い要請がございますから、ぜひそのことを受けとめて、地元とこの問題について自治省は好意的な検討をやってみてください。よろしゅうございますか。
  35. 吉田武彦

    説明員吉田武彦君) 先ほどもお答えしましたんですけれども実情は今後とも聴取してまいりたいと思いますけれども、制度面につきましては、公営企業会計内の制度の面から考えまして問題点がございますので、当該市町村における財政状況を勘案しまして、措置できるものかどうかというものを検討していかなければならないと思っておるわけでございます。
  36. 久保亘

    久保亘君 あなたの立場からは、それ以上言うと帰ってから困るようなこともあるんだろうから、それはいいです。しかし、ぜひこの地元の要請に耳を傾けていてください。それで、もっと責任のある方のところともぜひ協議してもらいたい。自治省いいですよ。  文部省、もう一つお尋ねしたいのは、この地域の学校では、プールに上屋を、屋根をかぶせないと実際に使えない。今のように連日灰が降っている状況の中では、幾らプールの立派なものをつくってやっても降灰によってプールの使用はできなくなる。そこで、例えば私ども参りました桜洲小学校のようなところは、千九百万かけて上屋をつくっております。これに対しては国の助成がなされております。しかし、この地域にはなおそういう措置をしなければならない学校が幾つかございます。こういうところにも、今は制度上助成が難しくなっているけれども、今日の降灰実情考えて、ぜひプールの上屋の建設に対して助成措置をとってもらいたい、こういう地元の強い要望がございますが、文部省としてその助成措置を積極的にお考えいただけませんでしょうか。
  37. 光田明正

    説明員(光田明正君) 先生のおっしゃいますとおり、降灰対策は非常に重要だと私たち認識いたしておりまして、先ほどの桜洲小学校等も補助金を出してきたわけでございますが、具体的な話につきまして県または市町村からございましたら積極的に対処いたしたい、検討いたしたいと存じております。
  38. 久保亘

    久保亘君 わかりました。  既にこの上屋だけでなく、クリーナーの設置等についても県の方からも要望が出ていると聞いておりますが、こういうプールの降灰対策について今課長が積極的に対策を講じたいと、こういうことでございましたので、ぜひそういう方向で進めていただきますようお願いを申し上げておきます。  次に、先般、長官がいらっしゃいましたときに、非常に私は長官の決断とそれから的確な御指示に対して感銘をいたしておりますが、現地で第二古里川の状況をごらんになりまして、こういうふうにおっしゃったそうです。これは衆議院で長官が感想を述べられておるんでありますが、「上空から見たときに相当曲がりくねっておる、こういうような関係から、これはいざというときには大きな被害をもたらすぞという」気持ちがなさったと述べられております。この川のつけかえなどを「具体的に指示をしてまいりました。」、そして、その後、この第二古里川の上にあるホテルを見て、もし大きな災害が起こったら、これは事人命に関するものだ、こういうふうにお考えになったというようなことを述べられておりまして、そして「これはいかなることがあっても早急にこの川のつけかえを真っすぐにやるべきであるということで」具体的に指示をした。したがって「具体的にその後は進んでおるはずであります。」、これが長官のお答えでございまして、私はこれを、懇談会をつくったり、防災局設置されたり、積極的に住民の立場に立って取り組まれる長官決意と御意思を示すものだと思って、非常に感銘をいたしております。  そこで、建設省お尋ねいたしたいんですが、このような長官現地における具体的な指示に基づいて第二古里川の改修について、その後建設省で具体的にどのような進んだ措置をお考えになっておやりになっているのか、建設省お尋ねしたいと思います。
  39. 設楽武久

    説明員(設楽武久君) お答え申し上げます。  建設省といたしましては、従来から第二古里川につきましては計画の検討を進めてきたところでございます。抜本的な対策につきましては、古里川の状況の変化等もありまして、大体今年度いっぱいでまとめる予定になっております。  なお、抜本的な対策をすべて実施するというまでには非常に時間がかかりますので、暫定的な方策も立てております。これに基づきまして、従来から用地の取得等に努めてきたところでございますが、まだ地元の用地関係者の納得がいただけないというようなことでございまして、今後も用地の取得もあわせまして、さらにこの当該緊急対策ができない間は上流での対応を図ってまいりたいというふうに考えております。
  40. 久保亘

    久保亘君 これは稻村長官が大変積極的な御努力をなさっておりますが、それに具体的に答えるのは河川を扱います建設省の方です。  そこで、建設省としては、この桜島河川土石流を防ぐ対策については、公共事業が非常に抑制されている中で難しい状況ではあるけれども、これは人命にかかわる災害対策という立場で極力積極的に予算措置をして、必要な工事を早い期間で、短い期間で進めるという、そういう御意思でなければ長官のおっしゃっていることにこたえたことにならぬ、私はこう思うんですが、そのことをお聞きしているわけでございます。
  41. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) これは私が現地で発言をしたことでありまして、建設省今全く名答弁ですから、なかなか久保さんが考えておられた答弁になってこないと思います。  私、現地見まして、特に上空から見まして、古里川のあの姿では、とてもじゃないあの恐ろしい土石流をこれは受けて立つということにはならぬと。そういうことから、現地の所長は一番明るいですから、現地の所長からもいろいろ状況の模様をお聞きをいたしました。そういう関係から、現在行き詰まりというのはありませんが、ただ問題として、やはりこの場所でどうして用地等々の問題にこんなに暇取るのかなという感じを持ったわけであります。しかしながら、そういうことではいけない、いかなる困難をおいてもやはり用地買収のためには全力を尽くさなきゃならぬ。特にあそこの古里ホテルですかね、もし土石流という問題があって、これから満杯の旅客を宿泊させておったとするならば、人命という問題が、これは必ず失われるということを予言するのはまずいですけれども、あり得る可能性がある。だからこれは積極果敢にやるべきである、こういうことでございまして、建設省本省の方とは煮詰めておりますから、相当長くかかるということありません。仮にあったとしても、この際は災害対策のこの中において、ああいう定住圏を求めてあそこに住んでおられる方々のことを考えるならば、いかなることがあっても全く短なうちに解決をしたいと、こういう発言が私は正しいのではないかと思っております。  そういう意味から、私も手伝いをしまして、建設省予算の中で解決をできることですから、ここで新たにこの厳しい財政難の折から特別にこれは求めるものじゃありませんから、建設省内の枠内の中で動かしていくことはできるわけでございますから、今地元中の地元久保さんの発言に対しては全力を挙げて速やかなる解決を図るということをお答えを申し上げておかなきゃならぬと、こういうふうに思っております。
  42. 久保亘

    久保亘君 長官のお答え、大変ありがとうございました。どうかそういうようなことで、長官のそういう御熱意が具体的にあらわれることを地元人たちとともに期待をいたしております。  それからもう一つ、やはり土石流対策といいますか、治山対策についてお尋ねしたいんでありますが、林野庁が直轄治山事業を、特に桜島十八河川のうち、桜島町側の河川上流において積極的に進めておられまして、最近は黒神川の方では土石流災害発生をいたしますけれども桜島町の側には、この治山事業が功を奏してかどうか――地元の人はそう言っております。そのことによって、人家や社会的な基盤に災害を及ぼすというようなことが少なくなっている、ほとんどない状態になっておりますが、しかし私ども現地へ参りましたときに、先ほどの報告にもございましたけれども進捗率が三八%と言われている。五十一年から始めて三八%の進捗。ところが、所管の営林局長等に聞いてみますと、最初出発するときの計画からすると二〇〇%から三〇〇%をやっておるんですと、だんだん対象区域が広がっているために、今の計画からすると三八%だと、こういうことなんです。  だからこれはやっぱりよほどこの治山事業に対しては集中的に予算も投下してやらないと、だんだん広がっていってそのために進捗率が非常に悪い、それが原因で土石流災害が起こるということになってはいかぬなあという気持ちがいたすのでありますが、林野庁としてはこの治山事業進捗率三八%というのをどのように見ていらっしゃいますか。そしてこれを引き上げていくために今後どういうような方針をお持ちなんでしょうか。
  43. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 桜島町におきます治山事業の全体の必要な事業費につきましては、今先生のお話にもございましたように、過去何度か見直しが行われまして、必要な全体事業規模が、計画規模が膨らんできておるという実情にあるわけでございます。現段階での全体計画というものは二百七十六億という規模になっておりまして、それに対しまして現在まで事業を実施してきております、百億程度でございますが、三八彩というような進捗率になっておるわけでございます。  今後の問題につきましては、五十七年度から治山事業五カ年計画の中でできるだけ緊急性に応じまして集中的な予算の配分に努めまして、計画的な実施に努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  44. 久保亘

    久保亘君 なお、今直轄事業としておやりになっているのは大部分が桜島町の側ですね。それで、桜島の十八河川全部の上流で必要なのかどうか、これは私よくわかりませんけれども、しかしほかの河川についても、予算と、皆さんの方の、林野庁の方の余力があればやった方がいいというふうに見ておられるのか、あちらは、今やっていない方は、これは上流におけるそのような事業はさしあたってはそんなに緊要ではないのだ、こういう見方なんでしょうか。どのように見ておられますか。
  45. 船渡清人

    説明員(船渡清人君) お答えいたします。  私ども林野庁の方で所管いたしております治山事業は、主として森林地帯を中心に今やっておるわけでございまして、そのような観点から現在桜島町の上流部をやっているわけでございまして、他の地域等につきましては、それぞれ所管しております関係官庁と協議の上、現在のような地域で実施しているわけでございます。以上でございます。
  46. 久保亘

    久保亘君 きょうはもう余り時間がありませんので、まだこのほかにも私お尋ねしたいことが、例えば具体的な問題としては、黒神川というところの下流の灰土をどうやって除去するかという問題や、赤水港の埋め立てと、それから赤水港が避難港として機能していくようにしていくためにやらなければならないことが今出てきているのではないかというようなことで、地元の非常に強い要望がございますのでお尋ねしようと思っておりましたけれども、これらの点についてはまたそれぞれ機会を見てお伺いをいたします。  最後にひとつ水産庁と厚生省から簡単にお答えいただきたいのですが、軽石の防除対策については水産庁で二カ年にわたっていろいろと影響調査等をなさったようでございますが、しかし、先ほど委員会視察報告にもございましたように、この調査に基づく有効な対策を策定するまでには至っていないということなので、この調査に基づく有効な対策の策定はどのようになるのかということが一つ。  それからもう一つは、最近の桜島降灰はまことに異常な状況が続いております。このような中で、住民の健康被害という点で非常に心配が大きいのでございます。特に子供とか高齢者の方々など非常に心配がございます。したがって、住民の健康管理対策について、厚生省がこの桜島降灰に対してどのような取り組みをなさろうとしているのか。水産庁と厚生省のお答えをお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
  47. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 軽石の漁業への影響の面について私からお答え申し上げます。  黒神川流域の流出しております軽石対策といたしましてどういう対策があるかについて、地元と今相談を進めておる途中でございます。軽石の拡散防止、河口から周辺漁場に拡散していくことを防ぐ有効な施設がないかということについても種々検討が行われておるわけでございますが、現在までのところなかなか有効的確な措置について自信のあるものが見つかっていないというのが実情でございます。  そこで、先ほどの先生方の御視察の御報告にもございましたが、漁場に浮遊しております軽石除去の面につきまして何らかの手が打てないかという点について、特に地元からは最近御要請がございまして、私ども水産庁の事業の中でどんなお手伝いができるのか、具体的な事業計画が煮詰まってきました段階で検討を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  48. 野崎貞彦

    説明員(野崎貞彦君) 降灰火山ガス等によります健康に対する影響調査につきましては、五十三年度から五十六年度にわたりまして国において調査を行いました。その結論を踏まえまして、今県におきます健康影響監視事業というものをやっておるわけでございますが、現在までにはそこで顕著な障害が出たという報告はございません。ただ、先生御指摘のように、火山灰が非常に今多くなっておるということでございますので、県と緊密な連絡をとってその内容の改善等を図ってまいりたいというふうに考えております。
  49. 久保亘

    久保亘君 いろいろと具体的な問題についてお尋ねいたしましたが、まだお聞きしたいことがたくさんございますけれども、また別の機会にお尋ねしたいと思っております。  どうか長官、直接視察をいただきまして、地元人たちは感謝するとともに、長官のこれからの御努力といいますか、長官にやっていただくことに非常に期待をいたしておりますので、どうぞ今後とも桜島火山対策について積極的なお取り組みをいただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
  50. 村田秀三

    ○村田秀三君 私は地震対策についてお伺いをいたしたいと思います。  大規模地震対策特別措置法、この法律が本委員会において採択されましたのは昭和五十三年六月二日でありました。そして下って五十五年、この法律を母法としてと、こう理解してもよろしいであろうかと思いますけれども、地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律、この法律が制定をされました。これは時限立法でありますが、また議員立法でもありますから、六十年三月三十一日の期限切れを前にいたしまして何らかの対応をしなければならないと私どもは思っております。  それにいたしましても、この大規模地震対策特別措置法制定後とられた対策と現状についていろいろとお伺いをしてみたい、こう思います。  まず、気象庁にお伺いいたしますが、それ以降におけるこの対策強化地域の観測体制、どこまで整備をされておるのか。そしてまた五十三年でありますから既に六年経過しておるわけでありますが、技術の開発あるいは技術水準の向上等もあったと思います。観測機器の開発等もあったと、こう思います。それらについてどう変化されておりますのか、ひとつお伺いをいたします。  それから、そうこういたしますると、その結果予知能力は向上したものと私どもは理解をするわけでありますが、それはどの程度信頼性を持ってよろしいのか、確度等についてひとつお伺いをいたします。
  51. 津村建四朗

    説明員津村建四朗君) この法律が制定されました昭和五十三年六月以降地震防災対策強化地域に指定されました東海地域につきましては、気象庁の海底地震計を含む地震計、埋め込み式体積ひずみ計などのデータに加えまして、短期予知に有効と思われる大学及び関係機関の各種の観測データも、気象庁ヘテレメーターで集中していただきまして、現在合計七十六のデータを二十四時間体制で常時監視いたしております。  予知の確度の向上につきましては、常時監視体制整備、例えば御前崎沖の海底地震常時観測システムの設置によりまして、以前は全く検知できなかった海底の微小地震の活動などが常時把握できるようになるなど、着実に向上していると考えております。
  52. 村田秀三

    ○村田秀三君 これはなかなか難しいわけでありますが、予知能力は向上して確度は数段に高くなった、信用してもよろしい、こうはっきりと言って差し支えありませんか。
  53. 津村建四朗

    説明員津村建四朗君) そのようにお考えいただきたいと思っております。
  54. 村田秀三

    ○村田秀三君 それはまことに結構なことでございます。  次に国土庁国土庁といたしましても、それはこの対策のための事業計画、関係する各省庁にまたがってはおるかもしれませんけれども、それ以降における措置状況、現状はどうなっておるか、これについてひとつお伺いいたします。
  55. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) お答えいたします。  昭和五十三年にこの大規模地震対策特別措置法が制定されたわけでございますが、その後この法律に基づきまして大県百七十市町村、これを地震防災対策強化地域に指定をいたしたわけでございます。  そこで、この法律に基づきましていろいろと応急対策を講ずる必要があるわけでございますが、あらかじめその計画を立てております。国におきましては中央防災会議におきまして地震防災基本計画を策定をいたしております。また県あるいは市町村におきましては、地震防災強化計画、これを地域防災計画の中に入れております。また関連の民間企業等におきましては、地震防災応急計画、これを立てておるわけでございまして、この法律に基づく警戒宣言が発せられた場合におきましては、その地震対策がすぐ的確に、応急になされるような万全の備えをいたしておるわけでございます。東海地震いつ発生しても不思議ではない、こう言われておりますが、これに対処するために、地震対策緊急整備事業の推進、これを図っているところであり、また国、地方を通じまして総合的な防災訓練、これを実施をいたしておるわけでございます。  国土庁といたしましては、七月一日防災局設置しまして、国土庁災害対策の調整機能、これをフルに発揮いたしまして、的確な、しかも迅速な災害対策、特に地震対策に対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  56. 村田秀三

    ○村田秀三君 予算措置としましては何か特別に強化されて、そしてそれが今どうなっておりますか、ひとつお伺いをいたします。
  57. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 国土庁予算措置につきましては、いわゆる調査費でございます。今度もその調査費をフルに活用しながらいろんな面の地震対策を進めていくということでございます。  また、この強化地域におきます緊急整備事業、これの推進につきましては、関係省庁がいろいろと努力をいたし出して予算措置を講じておるところでございます。
  58. 村田秀三

    ○村田秀三君 予算の数字なんかはどうなんですか。既に把握しているものと、こう思いますが、ちょっと参考までにお知らせください。
  59. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 緊急整備事業の件でございますか。
  60. 村田秀三

    ○村田秀三君 はい。
  61. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) それでは緊急整備事業につきましてお答えいたします。  この緊急整備事業につきましては、これは昭和五十五年から五十九年までの時限的な法律になっておるわけでございます。それでその法律に従いまして事業をやっておるわけでございますが、総事業計画は、四千百七十九億七千六百万の事業計画になっておるわけでございます。五十九年度末の、これはまだ年度末来ておりませんが、一応見込み額でございますが、五十九年度末におきましては三千百五十五億九千九百万という聖業の実施状況が見込まれております。
  62. 村田秀三

    ○村田秀三君 全体計画に対する進捗率はどの程度でございますか。
  63. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) ただいまの数字によりますと七六%の進捗率になっております。
  64. 村田秀三

    ○村田秀三君 私が思いますのには、全体計画と、こう言いましても、実はまだまだ不十分ではなかろうか、これは推測の域を出ませんが。ある限定された事業計画でありますから、まだまだ本来であれば対策を講じなければならないのではなかろうか、こう推測をいたしておるわけでありますが、いずれにいたしましても、五年目、進捗率七六ということは、まだまだ当初の計画の積み残しがある、こう理解できるわけであります。  ところで、そうは言いましても、あるいは手前みその話になるかもしれませんが、当時の災害対策委員長は私でございまして、国土庁長官は櫻内さんでありました。それから、国土庁の当時専門的に災害対策を担当いたしておりましたのは四柳さん、気象庁で担当いたしておりましたのは今の気象庁長官であります。そのときの理事やっておりました方、今もいましたが、姿見えませんが、自民党では坂元さんあたりがやっておりましたが、あの伊豆地震のときにいち早く現地調査に行きまして、そして、実際に地震の現場に行きましたのは私初めてでございましたが、その悲惨さに目を覆ってきたのであります。山津波で一部落が壊滅状態になって、生き埋めになる、こういうようなことでございましたが、結果的には、その山津波に埋没した遺体は世に出ることができたのでありますけれども、背だったら、それはとても、これだけの土石をどうしまするわけにもいかぬから、まあ地蔵さんでも建ててひとつそれで終わりと、こういうことであったろうに、とにかく最近は機械の開発であるとか、あるいは人知の進歩であるとか、技術の進歩であるとか、そういうところから、つまり土の中から遺体を取り出すこともできた、まあありがたいことであるな、こういうようなことでございまして、この法律ができましたのは、その地震が一つの契機であったと思います。  また余分な話をいたしまして恐縮でございますが、それ以前に、いわゆる相模トラフの話なんというのが新聞に大々的に宣伝をされておりました。静岡県知事、かつて参議院議員でありました山本さんが地震法の制定なども提唱いたしたこともございました。当時、国土庁ができて間もないわけでありますから、どうだひとつ地震法をつくろうじゃないかという話しかけをいたしましたら、なかなかこれは難しゅうございまして、そう簡単にはいきませんというお答えでありましたけれども、あの伊豆地震が勃発をいたしまして、そして当時の福田総理がにわかに地震法の必要性を新聞にぶち上げた。政府としても取り組まぎるを得ない。そしてでき上がったという経緯を私は記憶するんでありますけれども、とにかく、あのときにこの法律をつくりますためには、まあ言ってみれば、この地震で亡くなった方々に対して申しわけないというか、祈るような気持ちでこの法案の審査に当たった記憶を持っておるわけであります。  そんなことを申し上げましたのは、昔の思い出話、手前みそなことを話すつもりではないわけでありますが、それ以降、今度は六月の十二日でありますか、宮城県沖の地震が発生をいたしました。このときには人身死亡事故が二十八名あったのでございますが、その直後にあの地域を特定観測地域に指定をされたと聞いております。昨年、日本海中部地震が発生をいたしましたけれども、秋田県、あの地域は特定観測地域に指定されましたのはそれ以前であったと、こういうふうに聞いておりますけれども、この特定観測地域ですか、これはどういう対策を講じようとしておりますのか、その辺のところひとつ気象庁にお伺いをいたしたいと思います。
  65. 津村建四朗

    説明員津村建四朗君) 気象庁の場合は、全国の大中小地震の観測を担当いたしまして、特定観測地域についても大中小地震については十分な観測精度、検知能力を上げるよう努力いたしております。
  66. 村田秀三

    ○村田秀三君 八カ所ございますね。だから、その八カ所を特別に指定したというのは、これはどういう意味を持っておるわけでありますか。
  67. 津村建四朗

    説明員津村建四朗君) この特定観測地域の指定は、建設省国土地理院に事務局がございます地震予知連絡会の担当でございますが、特定観測地域の指定は、過去に大地震があった地域、それから活構造地域、それから社会的に重要な地域、最近地震活動が活発な地域、そういうことを勘案いたしまして指定されております。
  68. 村田秀三

    ○村田秀三君 これは担当が違うような話になりまして、まことに恐縮でございましたが、いずれにいたしましても、その八つの地域で、どういう観測機器、あるいは防災という立場からどういう措置がなされておるのか。これは、そうしますとあれですか、気象庁が直接担当というのではなくて国土庁ということになりますか。まあ国土地理院ということになりまするというと、これまた何ですか、所管庁が違うようにも思われますけれども……。
  69. 津村建四朗

    説明員津村建四朗君) お答えいたします。  特定観測地域の観測につきましては、気象庁だけではございませんで、これは測地学審議会の建議に基づきまして、大学、各省庁等が協力いたしまして、観測体制の充実に努めております。
  70. 村田秀三

    ○村田秀三君 国土庁では、その間のことはどう承知しておりますか。
  71. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 地震予知に関します事柄につきましては、災害対策、特に地震対策一つとして非常に大事なテーマでございます。そういう面におきまして、非常に我々も関心を払っておるわけでございます。例えば地震予知連絡会等々におきましても、国土庁出席をするということでございますし、それから地震予知を推進しておられます本部を持っておられます科学技術庁等とも十分連絡をとっておるわけでございます。  そこで、国土庁といたしましては、そういった観測に対応いたしまして、防災対策の推進でございます。我が国、非常に地震国でございまして、どこで地震が発生するかというのは限定するのは非常に難しいわけでございます。いつどこで地震が起こるかわからないというようなことでございます。そういった観点から、国土庁といたしましては、地震対策一般といたしまして、特に都市の防災対策の推進、これをやっております。それからまた、地震に対する意識の高揚あるいは知識の普及といったようなこと、これをそれぞれ訓練を通しまして普及を図っておるわけでございます。例えば防災訓練、これは九月一日の防災の日あるいは八月三十日から一週間の防災週間といったようなことの間に、そういった訓練あるいは知識の普及ということを進めまして災害対策に対処していくというような対策をとっておるわけでございます。さらに、そういった防災におきます大事な通信機器の整備といったような対策も、総合的に関係省庁と緊密な連絡をとりながら進めておるところでございます。
  72. 村田秀三

    ○村田秀三君 時間もありませんから申し上げますが、私も前もって準備いろいろ不足のようでございますが、確かに大規模地震法が制定をされまして、その指定された地域はかなり可能な対策というものがなされておるようであります。  そこで、台風常襲地帯対策特別措置法が制定されましたら九州の方は余り台風が来なくなったなどというような話もあるわけでありますが、幸いにして心配をされました大きな地震というのは来ませんでした。最近群発地震が遠州灘に起きておるなどというような新聞報道もございますけれども、これはやはりこの対象地域でないところに、いわゆる昨年は日本海の地震が発生をいたしたわけであります。だから確かにそれは駿河湾、あの近辺は私どもの常識の限りでも危険性は高いと考えられるけれども、どうも先ほど観測地域、強化地域というものを特定をいたしたけれども、それに対しては何らの対策がなされておらないように私は思うんですね。では計灘器、観測機器どういうものがあるのかということを一々お聞きしたいと、こう思っていましたが、その時間的余裕もありませんから申し上げませんが、ただ単に地震計、つまり地震が起きたときにわかるというものであって、予知能力を持つところの機器の設置というのはないように思うんですね。いろいろ聞いてみますと、とにかく駿河湾の地震構造というのはかなり綿密に研究をされている、そして対策樹立もある程度可能であったが、しかし太平洋岸であるとか日本海というのはまだそこまでメカが究明されておらない、であるから対策のしようがないんだと、こういう話も実は聞くわけであります。これではならないわけでありまして、少なくとも特定地域に指定をしたならば、単に地震が起きたときにメーターに出てまいりますというそればかりではなくて、とにかく予知機能を持つそういう機器の設置、こういうことが進められねばなるまい、こう実は思っておるわけであります。  ずっと当時の会議録を見てまいりまするというと、当時の末廣さんは、現在ある技術能力で万全を期してまいりますけれども、今後技術の開発であるとかそういうことを経まして、そして直下型地震であるとかあるいはその他の地震多発地域もこの大規模地震法に組み込んでいきたい、こういう答弁なんかもしておるわけでありますから、とにかく駿河周辺だけではなくて、いわゆる他の地域についても予知能力を持ったところの対策というものを進めていただきたいというのが、私のきょうはひとつ申し上げたいと思った事柄でございますが、まあひとつ主としては国土庁でありますか、国土庁としてどう考えるか。とりわけ防災という立場から考えるとすれば、積極的にやはり何といいますか、関係する省庁を督励して、そして金もつけて積極的に進めるという姿勢になってもらいたい、こう思いますので申し上げたわけでありますが、いかがでございますか。
  73. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 大規模地震対策特別措置法でございますが、これはもう村田先生非常にお詳しいといいましょうか、その当時の立案にタッチされております。この法律は、地震予知と、それからもう一つ、それに応急対策という二つを組み合わした画期的な法律であるわけでございます。すなわち直前にその地震が予知される、それに対しましてそれぞれの防災機関あるいはそれぞれの関係の民間の機関、こういったものが事前に応急対策をどうとられるかという法律であるわけでございます。現在地震予知に関しましては、海洋性の規模の大きいマグニチュード八程度と言われておりますけれども、そういったような地震の予知が現在可能だということでございまして、今その関係省庁におかれましては、地震予知の推進についていろんな面からその努力をされておるわけでございます。  そういった観点から、この大規模地震対策特別措置法ということではなくて、まだそういった直前の予知というようなことができない段階におきましては、我々といたしましては地震対策全般にわたりまして、地震が発生した場合におきまして少しでも被害を少なくするというような観点からその対策を講じていく。そのためには、都市防災機関あるいは関係の通信網等の整備あるいは地震における意識あるいは知識の高揚、普及、それから総合訓練、特に津波等に対する知識を十分わきまえてもらいまして、これに対応するといったような訓練による、こういうような地震対策の推進を進めていくというふうに考えておるわけでございます。
  74. 村田秀三

    ○村田秀三君 一般的な話としては、それはそれで私聞いておくわけでありますが、予知機能を施設いたします、つまり大規模地震法に基づいて強化地域としてなるほど指定されたところはあります。それ以外にも全国八カ所の地域、広範囲ではありますけれども、特定観測地域ですか、これあるわけでありますから、そこに対する対策を見てみますと、予知機能というものがあるのかないのかということになると、ないと私は見ているわけでありまして、その予知機能も含めていわゆる措置をしたらいかがかと、こう一つは申し上げているわけです。そして大規模地震法の強化地域というのは、どの規模のものを大規模と言うのかと、こういいますると、大体八以上であるなどというような話も聞くわけでありますが、しかし日本海中部地震は七・七であった。〇・三の違いでありますが、しかし予知機能がありまして、少なくとも半日、一日前に予報が出されておるとするならば、だれも魚釣りにも行かないし、学校の子供を海浜に遠足に連れていくなどということはあり得ないわけでありますから、だとすれば、こういう地域には予知機能を持った機器の設置というものを早急に考えなくてはなるまい。そしてやがては、やはり大規模地震対策特別措置法でくくり込んでいくというようなことも考えてよろしいのではないか、こういう意見でございます。  そこのところを明確にひとつ国土庁は調整をしますと、こういうことでございますけれども防災局も積極的に、これは対応する機関というのはいろいろでございまして、全く我々素人からするならば何が何だかようわからぬわけでありますが、大学にお任せするのもよろしい、気象庁が担当するのもよろしい。しかし、それを一本の線につないで、そしていわゆる国民の生命、財産を守っていくというそういうことで、その調整機能に少し権力を持たせてもらって、責任と機能というものを明確にしてひとつやってもらいたいと、これくらいの気持ちです。いかがでございますか。だから、そういう方向でやりますと、こう言えばいいんです。
  75. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 地震予知に関しまして、いろんな官庁において専門的な調査、観測によりまして、これが地震予知連絡会に集合いたしまして判定がされるわけでございます。そういった意味におきまして、関係省庁の観測あるいは測量といったようなものが今後ますます重視されるということで、我々国土庁といたしましても当然のことながら災害対策の非常に大きな対策一つとして推進してまいりたいというふうに考えております。例えば観測強化地域におきます観測の具体的な中身につきましては、これはそれぞれ専門の気象庁あるいは大学あるいは国土地理院あるいは防災センターといったようなそれぞれの予知に関する機関があるわけでございますので、そういったところで十分にその整備をしていただくということでございまして、我々も、ただいま先生のおっしゃった地震予知については非常に大きな地震対策一つでございますので、十分に関心を持ち、またその推進も図ってまいりたいというふうに考えております。
  76. 村田秀三

    ○村田秀三君 終わります。
  77. 粕谷照美

    粕谷照美君 先ほどの理事会で、社会党若干の時間のゆとりが出ましたので、その時間帯の質問をいたします。  村田委員質疑に関連いたしますが、前半の質疑にありましたように、この地震対策緊急整備事業進捗率、進捗状況、この御報告をいただきました。これは七六%の達成度だというのですが、よくいっているという判断をなさるのか、五年間のこの時限立法でありますから、まあまあこんなものだとか、やっぱり足りないんだと、こういう判断はどのようになされておりますですか。
  78. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 先ほど村田先生にお答えいたしましたように、緊急整備事業に関します進捗率は七六%でございます。事業の中身によりましては、ほぼ完成しておるというものもございますが、まだ進捗のおくれておるものもございます。例えば避難路のようなものでございますが、やはりこれは街路事業道路事業でございます。したがいまして、用地の買収、あるいは区画整理事業といったようなこと、地元との調整、こういったようなことで、五カ年間の中で完成するということが不可能になったというような事業もございます。そういうことで、ただいま、先ほど申しましたように、この計画の進捗率は、五十九年度末で大体事業費ベースで七六%ということでございます。
  79. 粕谷照美

    粕谷照美君 私が伺いましたのは、達成度が良好であるとか、まあ成績つけるわけじゃありませんけれども、いいのかどうかということなわけですが、困難な質問かもしれませんので、もうちょっとそれでは分析をお伺いしてみます。確かに避難路三八%、昨年は二八%ですから、この一年間に一〇%の伸びがあった。しかし、それにしてもこれは少ないですね、達成度が。もう格段に落ちているわけであります。  ところがもう二つあるんです。海岸保全施設、これ昨年三七%でしたが、一年間に一六伸びてことしは五三%、でも半分ですね。そうしてため池も、これ昨年四九%、わずかに四%伸びて今五三%、これも随分進捗率が足りないわけであります。こういうことで、この進捗の状況というのは私は微々たるものだというふうに心配しているわけです。あわせまして、先ほどは事業別の御報告をいただいたわけですけれども、県別の状況はどんなふうになっておりますか。
  80. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 県別の進捗状況について御報告申し上げます。  神奈川県が七九%、それから山梨県八一形、長野県七四%、岐阜県七二先、静岡県が七三%、それから愛知県七三彩、計七六%でございます。
  81. 粕谷照美

    粕谷照美君 この地震財特法は六十年の三月三十一日までという時限立法でありまして、有効期限内での地震対策緊急整備事業計画の達成は非常に困難だという判断を私はしております。  一方、東海地震の発生可能性などを考えてみますと、地域内の住民の生命と財産を守るためには、この法律を延長して事業の達成を図っていくということがどうしても必要なんだというふうに思うわけです。さらに、現在の計画を達成するというだけではなくて、整備事業を再点検して、強化拡充した計画をつくっていく、施設などの整備を拡充をしていくということが非常に大事だと思いますけれども、局長はどのようにお考えですか。
  82. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 計画を立てまして五年、その進捗は計画に対しまして七六%ということで、まだ十分完成していないといいましょうか、達成していない事業もあるわけでございます。地震に対する被害を少しでも最小限にするという意味におきまして、こういった事業が十分できることを私は期待いたしております。
  83. 粕谷照美

    粕谷照美君 長官にお伺いをいたしますけれども長官もただいま七六%の進捗率だということをお聞きになりまして、私はもっと整備事業を再点検して、強化発展をさせていくということが非常に大事なことだというふうに思っているのですが、局長の御答弁は伺いましたけれども長官としてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。
  84. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 災害でどの災害が大変重要であるとか、あるいは重要でないとかということにはいかないと思いますが、どの災害も重要視しなきゃならぬと思っております。ただ、その中でも特に地震対策という問題にはこれは真剣に取り組む必要がありますし、特に防災局設置、これはどの災害にもございますが、特に地震対策、こういった問題は大変重要に考えておるわけであります。今、七十数%という数字でございますが、まだ相当の期間もありますから、今ここでこれがどうだ、これがどうだということよりか、積極的にやはりこの問題と期限まで取り組んでいきたい。その中では大変進んでおるものもございますし、またこれはもう少しどうなのかなあというものについては、相手方があるので大変進みが鈍いとかいろいろなものがございますが、できるだけその予算ということを完全に達成をするように、またその後におきましても地震対策というものを最重要課題として拡充すべきところは拡充をしてまいりたい、こういうように思っております。
  85. 粕谷照美

    粕谷照美君 長官のお言葉をいただいて、私は非常に心強いものを感じたわけでありますが、この中でも特に消防用施設、社会福祉施設、公立小中学校の施設、これについては補助率のかさ上げなどがあるわけでありまして、ぜひその他の点についての見直しも必要だという考え方に立って、委員長お願いがあるのでございますが、一つお願いを申し上げます。  この地震財特法は五十五年に議員立法されたものでありまして、この法律の延長については衆参両院の間で、また各党の間で御協議を持たれまして、ぜひとも延長ができるようにお願いをいたしたいのでございますけれども、御所見をお伺いいたします。
  86. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 東海地震対策としてつくられてまいりました防災対策でございますが、今後一層、いろいろ御討論をいただいたような形で万全を期する必要があると思います。地震財特法に基づくこの整備事業につきましては、計画の達成に全力を挙げていただくとともに、さらにまた強化拡充の点についても今後一段と配慮されるべきだろうと私は考えます。衆議院側とよく相談をいたしまして、また各党とも御相談をいただき、善処をひとつ願う、こういうことにさしていただきたいと思います。
  87. 粕谷照美

    粕谷照美君 終わります。
  88. 田代由紀男

    田代由紀男君 桜島における今後の治山対策についてお伺いします。  先ほど報告でも申し上げましたように、砂防で九十億、治山で百八億、進捗率がそれぞれ二一、二二、治山が三八というような状態でありまして、窮屈な財政のもと大変努力をしていただいておることを現地で拝見して心強く思っておるのでありますが、この中でも、活火山対策の中でも特に地域住民の生命、財産の安全確保を図るために土石流対策は最も重点的に考えていかなければいかぬと思っております。現地を見たところでは、先ほど申し上げましたように、ビデオを見まして大変な迫真力でありまして、ああいうことが起こったら本当にえらいことだなあと思ってきたわけであります。  こういう中でありますから、農林水産省、建設省両省にお尋ねしますが、今後さらに積極的に事業を推進する必要があると思っております。それにつきまして各省のお考え方をお伺いします。  さらに、また万一土石流発生した場合に、地域住民の安全を確保するのに予知警報装置等を設置すべきであると思っております。特に、野尻川を見学しまして、あそこでは砂防関係でずっと上流地域に針金のようなものを張って、それで予知して警報を出し、遮断機をおろす、そういうふうな施設装置ができておりましたが、それと前後してテレビで拝見しますと、筑波で土石流予知警報装置が実験が行われておりまして、雨の量、強さ、そういうものをコンピューターで組み合わして、土石流予知ができるような実験もあるということであります。  また、そういうことにつきまして建設省側では、総合土石流対策モデル事業というものをやっていらっしゃるようでありまして、先般の長崎水害のときも、私ども災対の委員として現地に行きまして、そのことを痛切に感じてきました。あの折も、長崎のある村では、長老が一人おって、長い間の勘から予報を出して一村一人も生命を失うことなく避難した例もあります。  そういうことで予知警報装置というものは非常に大事なことであり、土石流のメカニズムを解明していくにつれてこういうことができる体制が整うと思っておりますが、これについて両省の御見解、またどういう予知警報装置が今進んでおるかということについて具体的にお話を、御指導をいただきたいと思っております。
  89. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 林野庁の治山事業関係につきましては、今後とも、全体の財政の制約はございますけれども、できる限り緊急度に応じまして計画的な実施に努めてまいりたいと考えております。  ただいまの警報装置の問題でございますが、現在まで、この地区におきまして、土石流のメカニズムを解明するという見地から、土石流発生しました場合に、これを自動的にビデオカメラで撮影するという装置を設けて研究に役立てておるわけでございます。警報器につきましては、現在の段階で設けておらないわけでございますが、ただいまの御指摘も踏まえまして、今後この記録装置の改良といった点も含めまして、可能な方法について技術的に十分検討を進めてみたいというふうに考えておる次第でございます。
  90. 設楽武久

    説明員(設楽武久君) お答え申し上げます。  建設省といたしましても、桜島土石流対策につきましては、財政非常に厳しい中でございますが、五十九年度も五十八年度を若干上回る予算措置して、鋭意土石流対策に努めているところでございます。  御指摘の総合土石流対策モデル事業でございますが、これは昭和五十九年度、本年度から新たに始められたものでございまして、全国で四カ所実施することといたしております。桜島はそのうちの一つでございます。これは、先生も今おっしゃいました、筑波で実験を公開いたしましたが、土石流発生監視装置というものを土石流発生源にできるだけ近いところに設置いたしまして、従来の土石流発生した降雨のパターンそういったものを調査いたしまして、それを監視装置に覚えさせておいて、一定の雨が降った場合に土石流発生予知するということで、災害発生のおそれのある場合に、関係市町村にこういった情報を提供するという立場で設置するものでございます。  なお、桜島につきましては六月中旬にこの施設設置を済ませております。これは当然監視施設設置する側だけでなくて、これを受けまして情報を伝達するということを市町村にお願いしなければならないわけでございます。そういったことから鹿児島県それから鹿児島市の関係者並びに建設省地元の所長等を入れました総合土石流対策モデル事業研究会というものをつくりまして、これの運営に当たるということにいたしております。  以上でございます。
  91. 田代由紀男

    田代由紀男君 今大変研究が進んでおるようでございますし、野尻川に行きますと少量の雨でも土石流が起こっておりますし、雨が降らぬときでも土石流があるという報告がありました。大変その維持が困難であると思いますけれども、そういう過去の経験を総合しましてぜひそういう予知警報の機能、機構といいますか、そういうのを充実していただきたい。農林水産省の方にも連絡をいただいて、一段と一緒になってその対策をさらに推進していただきたい。さらにこの情報の伝達については地域と緊密な連絡をとって今後進めるようにしていただきたいと思います。  次に、時間がありませんから、地元で特に要望がありました、この要望書の中にあります防災営農対策について二、三お尋ねいたします。  降灰による被害を軽減防止する目的で共同施設として設置されております被覆施設、すなわちビニールハウスでありますが、防災営農対策事業としてこれは補助対象になっておりますが、これよりも小型のいわゆるトンネルハウスも同じ効果があるわけでありますが、これがまだ補助対象になっておりません。このことは衆議院のこの委員会でも取り上げられまして論議が行われたところでありますが、ぜひこのトンネルハウスも効果が同じようにあるわけでありますから、これも補助対象に取り上げていただきたい、このことが一点。  次に、防災営農対策事業として降灰被害の軽減防止のために、ミカン、ビワ等の果樹及び野菜等被覆施設としてビニールハウスが導入されておりますが、降灰地においてはこれらの資材のフレームのさびつきやすいこと、それからビニールの破損がひどうございまして、年二回以上張りかえをやっております。それで、一回張りかえますと大変な費用が要るわけでありまして、十二万円ほど要るということでありまして、当該地域農家経営を強く圧迫しておりまして、この制度の充実を速やかにお願いしたい。そのためにはこの二回の張りかえについても補助対象としてもらえないものか。また一方では耐久性の強い防じん用ビニールの開発をやってもらえないものか。どっちかやってもらわぬと大変農家は困るわけでありますから、これについて農林水産省の御意見をお伺いします。  さらにビニールの破損が激しいことからビニールハウス新設後に行うビニール張りかえについて、早急に対策ができないときには、そのつなぎの方法として近代化資金の無利子がハウスにありますから、あの近代化資金の無利子の制度をこの中に取り込んでもらえないか、この点についても、農業改良資金の無利子制度、これについても御見解をいただきたいと思っております。  さらにまたもう一つついでに質問しますが、毎年農作物、農業用施設に大変被害を生じておりますが、農業共済との関係でありますが、防災営農対策事業により設置した施設被害を受けた場合に、農業共済対象となっていないわけであります。なっていない。これは当然降灰とか、また瓦れき1小さい石ころが落ちてくるわけでありますから、これは災害でありますから当然災害対象となるべきでありますが、この被覆のビニールがスカートがないわけでありますから、屋根だけでありますから、それで対象にはなり得ないというような見解でありますが、これ非常に矛盾している。これこそその対象に第一番目にすべきものだと思っておりますが、この点共済の方から今後どういう措置をしていかれるつもりか。  以上の四点についてお伺いを申し上げます。
  92. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) まずトンネルハウスについてのお尋ねの点でございます。  私どももこのトンネルハウス降灰による被害軽減に効果があるという認識は持っておるわけでございますが、従来補助対象になっておりませんでしたのは、トンネルハウスは通常の場合個人施設として利用されている形態が多いということでございまして、そういった意味からなかなか補助事業に乗せにくいという点があるわけでございます。現在鹿児島県とも御相談をいたしておりますが、共同施設としてこういった施設が設けられて利用されるというような場合に、一定の基準ということは伴うと思いますが、補助対象とする道を開くことができないか、今検討をいたしておるところでございます。  それからビニールハウスのビニール張りかえの問題でございますが、このビニールにつきましてはその性格上、やはり一般的にこれは全国どこでも消耗品という性格を持っておりますことの関係上、張りかえ自体を補助対象にするということもなかなか困難が大きいというふうに考えておるわけでございます。  耐久性の強い被覆資材の開発という点についても先生お触れになったわけでございますが、私どももそういったより耐久性のよい被覆資材を待望しておるわけでございまして、そういった面からいろいろな種類の被覆材について農作物への影響度を調査研究するといったような点について準備を進めておる段階でございます。こういった優良な資材が実用化されました段階では、これも共同施設という限定をつけて考えていく必要があろうと思いますけれども補助対象にしていくという道は開かれてくるのじゃないかということで今後の課題として検討をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。  それから無利子の融資の対象にできないかという点でございます。  現在、無利子の制度として御指摘の農業改良資金の制度があるわけでございますが、この制度は、新しい技術が開発されましてそれを農家に普及するという趣旨で、農業改良普及事業と密接な連携のもとに運営されておるわけでございまして、したがいまして、この点におきましても、やはり従来の慣行技術ということではなくて、新しい技術であるというふうに認定をされるというような、素材が開発されるとか技術が開発されるとか、そういう段階で対象になっていく、こういう性格になっておりますので、通常の張りかえということにこれを及ぼすということについてはなかなか難しい点があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。  それから、園芸施設共済で、ビニールハウス等対象になっていないものがあるじゃないかという御指摘でございます。  確かに現在の園芸施設共済におきましては、内部で農作業がされて外界と遮断されて、人工的な管理下に栽培が行われるという点から危険率等が変わってまいるわけでございますけれども、そういった状況のものに対してこの園芸施設共済を及ぼしていくという考え方で法制が仕組まれておりまして、そういった点から、現在までのところ、こういったトンネルハウスであるとか、あるいは一部被覆のビニールハウスというようなものが対象にできないという経緯があるわけでございます。この一部被覆ハウスといったようなものが近年普及してまいりまして、これは桜島に限らず、全国的にそういったものが普及してまいりまして、かなり広範にこういうものも園芸施設共済対象にできないかという御要請があることは事実でございまして、私どもとしては、今の段階では、こういったたぐいのものにつきまして、被害発生の態様が保険を仕組むというところまで十分に明らかになっていないんではないかという不安も持っておるわけでございますが、そういった要望を踏まえまして、今後、保険需要でありますとかあるいは被害発生態様等につきましてさらに研究を深めまして、将来の課題として検討を進めてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。
  93. 田代由紀男

    田代由紀男君 吉國さん、今のトンネルハウスの問題、これは現地で非常に大事な問題であります。あの有名な桜島大根も、五十六年度はかつて十一年前にあった面積の一割になっておるんですから。そして売り上げ金額でも、単価は上がっておりますが、それの二〇%程度に下がっておる。そういう状態でありますかち、これはぜひトンネルハウス補助対象にするということ、それから強化ビニールの開発を急いでもらうということと、またこれは特別措置法ですから、近代化資金の融資ぐらいは何とか融通をつけてもらわねと農民も救われぬですから、この点は、補助金をくれと言うんじゃないんだ、融資をくれと言うわけですから、この点についてはまた特別な配慮をいただくようにお願いします。  また、ミカンとかああいうのは被覆施設でありますから、理屈はよくわかるんですが、やっぱり災害に対する被覆でありますから、共済対象になるのは当然でありまして、そういうことを組み込まないところがおかしいわけでありますから、そういう根本的な見地に立って速やかに解明をいただき、強力な対策をやっていただきたいと要望しておきます。  それでは、私の県の五木の災害について、大臣にお伺いいたします。  去る六月二十九日未明に発生した熊本県五木村の竹の川地区の山崩れは、死者、行方不明者十六名という大きな被害を生じたものであります。まことに心の痛む出来事でありまして、私が三日目に行ったときには、ちょうど御遺体が五人出られまして、まことに心痛むことでありまして、災難に遭われた方々の御冥福を祈るとともに、御遺族並びに関係の方に衷心より哀悼の意を表するものであります。  当時の五木の状況は、六月二十二日から降り続いた長雨に加えまして、二十八日深夜から二十九日未明にかけて局地的集中豪雨が襲い、村内二十数カ所で山崩れが発生したわけであります。  このような災害発生は、過疎に悩む山村にとって大きな痛手であります。また集落の大部分が急な斜面の谷合いに存在する住民にとっては今後の生活に大きい不安を与えるものであります。特に五木は、ダムの問題で三分の二ほどは水没するわけでありますから、そういう感が深いわけであります。    〔委員長退席、理事粕谷照美君着席〕  そこで、政府におかれては、このような災害の未然防止と早期警報、避難体制の確立について確たる対策を立てるべきであると思っておりますが、そういう基本的な認識を国土庁長官にまずお伺いしたいと思います。
  94. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 私から事務的にまずお答えさせていただきたいと思います。  最近の災害につきましては、土砂災害が非常に多いわけでございます。この土砂災害は、治山あるいは砂防、急傾斜地崩壊防止事業、こういったような対策が、その施設整備が必要であるとともに、その危険箇所の周知徹底あるいは巡視の点検強化、あるいは無線網の整備といったような早期警報、避難体制の整備が極めて重要であるというふうに認識をいたしておるわけでございます。  そこで国土庁といたしましては、今後とも被害の軽減を図るということから、こういった施設を担当いたします省庁あるいは警戒・避難体制を指導しております関係省庁、こういったところと相連携をいたしまして、こういった土砂災害に対する災害対策の推進、災害予防という面でいろんな面の対策を講じてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  95. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 五木村の災害で命を失われた方々に対して心から弔意を申し上げたいと思います。  その災害については、国土庁から早速現地に派遣をいたさせまして、いろいろな報告を聞いておるわけでございますが、今後は、こういったことが二度とないように各省庁と連絡を密にしまして万全を期してまいりたいと、このように考えておるわけであります。
  96. 田代由紀男

    田代由紀男君 今度の災害には、私も個人と自民党の災対と二回現地に行きました。    〔理事粕谷照美君退席、委員長着席〕 そして現地で、危険も顧みず、行方不明者の捜索や被災者の救出に懸命の努力をしておられました地元住民、消防、警察、自衛隊、県、村の関係各位に対しまして深く敬意を表してきたわけであります。  この中で二、三質問をいたしますが、五木村竹の川地区の崩壊跡地の復旧と第二次災害の防止の観点から、治山事業をどういうぐあいに進めておられるのか、その点を一点お聞きします。災害復旧の早期解決については、早速緊急査定をいただきまして、山腹崩壊一億八百万、林道施設緊急復旧に二千七百四十万、こういうことをやっていただいておりまして、感謝にたえない次第でありますが、治山事業をどういうぐあいに進めていただくか。  また第二点として、崩壊跡地に隣接した部落がありまして、災害から免れた地点でありますが、地元では、さらに崩壊する危険があるのではないかと不安を抱いております。これに対する予防措置について早急に検討する必要はないか。この二点について林野庁にお尋ねをいたします。  それから、時間がありませんから質問をまとめてしますが、今度の災害発生原因について、崩壊地内に村が開設した林道嶽線が通過しておりまして、一部に、この林道が原因ではないかとの声もあります。私、現地に行きましたときも、盛んにテレビの記者諸君から、林道が引き金になったのではないかということを聞かれました。  私が現地で確認したところでは、崩壊の発生地点と見られる箇所は上段の林道の擁壁から五メートルも下でありますし、また崩壊地内の林道は路形が残っております。こういう見地から、調査団長として行かれました山口教授の、林道が山崩れを起こす三つの原因、これには当てはまっていないように私どもは見てきたわけであります。しかし一方、先ほども申し上げましたように、熊本大学の田村教授の見解によりますと、阿蘇山の火山灰が飛んできて岩壁にこう張りついて、そこに林道をつくったものだからそれが原因になったんだという説で、田村教授は林道災害原因説を唱えていらっしゃいます。  林野庁は、先ほど申し上げましたように、研究機関の専門家に依頼して今次災害発生原因を調査中とのことでありますが、この調査状況はどうなっておりますか。その点をお尋ね申し上げます。
  97. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 五木村の崩壊跡地の復旧と二次災害の防止のための事業につきましては、ただいま先生からお話のありましたように、既に工事費の内示を行いまして、事業を早急に実施をしたいということで進めておるところでございます。  隣接している林地について危険があるんじゃないかという地元の御心配も、私どもも十分承知をいたしておるつもりでございまして、これに対する適切な予防措置につきまして、早急に関係の部局と調整を行いながら、そういった危険を解消していくために万全の措置を講じてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。  崩壊の原因につきましては、林野庁の方で、砂防なり治山なり土木工学の専門家の方々、お三方でございますが、調査お願いをいたしておりまして、七月の五日から七日に現地調査が既に行われておるところでございます。現段階では、この専門家の先生方から御指示をいただきました幾つかの点につきまして熊本県で調査を行っていただいておるという段階でございます。今後林野庁側の希望といたしましては、年内をめどに結論が得られるように先生方にお願いをしておるという状況でございます。
  98. 田代由紀男

    田代由紀男君 最後に、五木村の今後の振興方策についてお願いを申し上げます。  五木村は純山村でありまして、山に生き、山に死んでいく地帯で、林野率が九六%であります。耕地面積は一先。そういう中で農林業の所得が九億五千万、実に三分の二の六億五千万が木材関係であります。このような村でありますから、今後の問題として、今までは三次にわたる林業構造改善事業、それから森林総合整備事業、林産集落振興対策事業等を御指導をいただいておるわけでありますが、今後はこの村の山村振興を図るという観点から、林野庁では林業の振興について、特に林道等の生産基盤の整備について、地元からの要請がなくても、現地を、県等を指導していただきまして、積極的な復興対策をおつくりいただいて御指導をいただきたいと思っております。それを頼りに住民は生きておるわけでありますから、ひとつ温かい手を差し伸べていただきますようにお願いします。
  99. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) ただいま御指摘ございましたように、この五木村は地域の特性からいたしましても、林業振興が非常に大切な地域であるというふうに私ども考えておる次第でございます。そういった観点から、従来も林道の整備なりあるいは造林といった基盤整備を進めてきた一方で、ただいま御指摘ございましたように、各種の事業でシイタケ等の特用林産物の生産の振興でございますとか、林業経営近代化のための各種の施設整備、あるいは簡易給排水といった生活環境の改善のための施設等を整備してまいってきておるところでございます。今後、こういった事態が生じたことでもございますし、県御当局あるいは村の方とも十分相談をいたしまして、必要な措置については積極的に講じていくよう努力してまいりたいと考えております。
  100. 田代由紀男

    田代由紀男君 以上で終わりますが、どうか吉國さんから今御答弁をいただいた点をしかと踏まえまして、大変困窮した地帯であるということを頭に置いて今後も強力な指導をいただきたい、このことをお願い申し上げまして質問を終わります。
  101. 金丸三郎

    金丸三郎君 まず、地元の議員といたしまして、先般赤桐委員長さんを初め理事や委員の皆様方、また関係省庁の担当の皆さん現地を熱心に御視察をいただきまして、大変ありがとうございました。心から厚く御礼を申し上げます。また、稻村長官はいち早く現地を御視察をいただきましたり、懇談会を設けていただきましたり、大変的確な対策を講じていただいておることにつきまして、心から敬意を表し、また地元の知事や市長、町長、議長、関係皆さん大変感謝しておりますことを申し上げまして、今後ともよろしくひとつお願いを申し上げる次第でございます。  時間もございませんので、できるだけ簡潔に質問を申し上げたいのでございますが、最初は特に長官に二、三点お願いをいたしたいと思います。  一つは、懇談会は十二月ぐらいを目途にお進めになるそうで、また懇談会で御論議になる項目も防災局長などからお伺いをしております。ぜひこれを的確に推し進めいただきたいことと、当然のことでございますけれども、来年度の予算編成もだんだんと進んでまいりますので、それに間に合うようなものは適宜各省庁とも結論を出して進めていただくようにお願いをいたします。  それから第二は、桜島災害に関連しての認識の問題でございます。先ほど長官現地をごらんになりまして、山容を見て非常にびっくりなさったということで、私も大臣の御認識の非常に速いのに大変実は安堵しております。私どもは子供の時分から見ておりますので、六十年から桜島の変化を見ております。溶岩のことを英語でラバと申しますね。今、木が非常になくなってきました。有名な俳句に「夏山と熔岩の色とはわかれけり」、夏になりまして、木が青々となります。昔は八合目まで木があったんです。今は五合目までしかないです。あとは灰です。小さな火山弾みたいなものが落ちてきまして、花火を打ち上げたように全山きれいに夜見えたんです。それから灰が降ってきました。それで灌木がずうっと枯れまして、今のような山容に変わってきたんです。まるで鬼の顔を見るような感じです。  私は、桜島の根本の問題として、離島であるということを基本に置いて対策考えていただかなければならない。五十キロあります。大隅半島につながっていますよ。あの部分は数百メートルです。五十分の一もないんです。だから、あそこに大災害が起こりましたら、船で逃げる以外にないわけです。主なる交通機関も町営のフェリーです。桜島は離島振興法の適用ありませんけれども、離島だということを根本に置いて、例えば、みみっちいことを申すようですけれども補助率の問題にしても、私はこの災害対策については離島振興法と同じような考え考えていただいていいんじゃないか。私は、懇談会におきましても、各省庁の事務方も事務当局として入っておられるようですから、ぜひこの点を十分に御検討いただきたい。  それからもう一つは、六十数年の経過から見まして、また私が知事をいたしておりますころ、建設省河川局長にお願いをして実は直轄事業にしてもらったのでございます。引き続いて林野庁にお願いをして、同時に治山の関係は林野庁の直轄事業にしてもらったのであります。今度参りまして、非常によくいっております。野尻川に立ちましても、千百十八メーター桜島はあります。てっぺんに雲がかかっている。と思うと、野尻川の付近は、さっき田代先生がおっしゃったように、雨は降っていないんです。そこに土石流がだあっと毎秒十六メーターの速度で走ってくる。これは私もビデオを見せてもらいました。これは千百メートルの高いところが崩れおるわけです、少しの雨で。  私が大臣に認識をお願いしたいと思いますのは、五十数万の大都市の中にある活火山ということです。毎日災害が起こっているわけです。私も家内も罹災者でございます。人口五十万の大都市にある世界有数の火山で毎日災害を起こしている。これはよくなりません、六十数年の経過を見ておりまして。私は小学校のときに登山したことがあります。一尺足を踏み上げましても五寸ずるずると下がっちゃうんです。そういう山なんです。だから、千メーターのところでちょっと雨が降りますと下へ土石流が流れてくる。したがってまた治山と治水が必要なわけでございますけれども、よくなる見込みがない山だ。「夏山と熔岩の色とはわかれけり」といったような緑の島でありましたのが、今は鬼の顔のような山になってきておる。だから、離島であるということと、ますます山の様子は険しくなっていきます。これはもう大臣が直感していらっしゃるとおりで、私はこれを根本に置いて桜島の活火山対策を立てていただきたい。  何と申しましても、大臣は現地を御認識でございますし、やはり日本のように災害の多い我が国におきまして、災害行政の元締めでございますから、ぜひひとつ大臣が中心になられて、このような認識のもとに各省の対策も進めていただくようにお取り計らいをお願いいたしたいと思いますが、御所見をちょっとお願いいたします。
  102. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 第一点目の問題ですが、それはやっぱりひどいですね、金丸さん。上から見たときにですね、その降灰による山容の姿というものは、これは口であらわすことのできない土石流の問題が山積みにされておるという、こういう問題も、これはどうしていいのか。一番重要なところは立入禁止になっておる。あの辺が何とか立入禁止でないと何か仕掛けることもできるんじゃないかなと。  自分が行く前に、新聞、テレビ、あるいは県当局地元当局から細やかに要望を受けてまいったわけでございますが、行ってからの認識というのは、これまたこれはすごいなと。これはどうすればいいのかというと、火山活動についてはなかなか手をつけることができないという、こういう認識に立ったわけであります。そうかといって、そのままにいつまでも置くというわけにはまいらぬという判断をしたのは、その島で毎日常襲的に災害があるにもかかわらず、やはり生まれ育った桜島、それを我が地元として、我が生家として守り続けようとするその純粋な気持ちに我々はやはり感動せざるを得ないのではないか、こういう感じがいたしました。  そこで、技術者もおりますし、いろんなことを聞いてみましたけれども、何らこれに対するところの対策――ちょうどさいの河原のような話がほとんど多いわけです。そういうことから、これではいかぬぞと、ここでひとつ学識経験者による懇談会設置して、全面的に解決ということは仮にできないとしても、一歩でも前進する、一つでも何か柱を立てることができ得ればと、こういう形から懇談会設置を急いだわけであります。今月十七日第一回目を一それまで多少時間がありましたが、ただ顔合わせというのじゃまずいと、第一回までにいろいろ研究課題としてテーマを申し上げて、いろいろ御懇談をちょうだいしたわけであります。いろいろな意見がここで述べられております。先ほど来田代委員現地に行ってまいりましたところの報告をずっと聞いておりまして、そういった問題も大きな話題となって第一回の懇談会が終わったわけであります。そういう意味から、強く私の要請で、机上でいろいろお話しを願うということは、経験者の方々ばかりでございますから、大変参考にもなるでしょうし、また将来の結論においても過ちはないと思いますけれども、私が現地に参って、その肌に触れ合うところとの違いが大変あったと、そういう意味から、懇談会の先生方は、どうか現地でひとつ懇談会を開いていただきたい、こういう御要請を申し上げてあります。そういう意味から、来月の初旬に現地に寄って懇談会を開催するという運びになっております。  そこで、こういうものというのは相当慎重であるべきであるし、そんなに早い結論が出るものでないという意見がございましたが、私はこれには大変緊急性を要する。例えば、金丸さんおっしゃったように、鹿児島の市におけるところの降灰による被害、あるいはまた桜島におけるところの土石流その他の農産物の被害等々を考えた場合に、大変に地域住民は不安に駆られておることは私はよく承知をしてまいりました。そういう意味から、どうかひとつ、今年度中に結論を出すということは早過ぎる、余り性急過ぎるという意見もございましたが、やはり結論結論として出して、一つでも進めるところがあればそれをやはり解決をしていく。なお、これについて研究をする要素があるとすれば、またこれについて研究をしなければならぬという、そういう状態であるとするならば、その懇談会を延長し得ることも、これはまあ国土庁の中においてできるわけでございますから、そういう意味で今後のスケジュールとしてまず御報告を申し上げておきたい。  特に、それでは桜島を離島振興法並みに扱ってはどうか、これはやっぱり難しいですよね。あなたが知事しておられておわかりでしょうが、あれだけくっついておるということは離島にならぬのですよ、これね。ちょうど私のところでも能登島の橋がかかったら、あんな細い二車線の橋がかかっただけで離島にならない。そういうことから、今度の場合は桜島考えて、あるいは桜島ばかりではなく日本の全島にそういうところがたくさんございまして、今自民党の中で半島振興法、こういう問題が、離島であるけれども離島として扱われないという、こういうところが数カ所ございまして、そういう意味から桜島のあの実態調査をさせていただきまして、離島に入れろ、離島に入れろと言ってみたところが、あれだけのものがくっついておる、あの帯のような道路がくっついておるということで離島の扱いを受けることができませんので、特に半島振興という問題は、私は痛烈に半島振興法の必要性考え、それはあなたの地元桜島等々も頭の中に入れて今盛んに進めておるところであります。
  103. 金丸三郎

    金丸三郎君 大臣がいろいろ大変深く考えていらっしゃることを承知いたしまして大変安心いたしました。いろいろすぐに結論が出ないものもございましょうし、また私は出るものもあるのではなかろうか、こういうふうに期待をしております。  災害対策として、五十三年の立法の際に私どもが第一に考えましたのは人命対策でございました。これは相当に進みました。今度行ってみまして、やっぱり残っておりますのが避難港の問題、それから避難広場の建設の問題等があります。治山治水も広い意味では生命の安全にも通じます。しかし、これは治山治水と一応別の視野からの公共事業として、桜島対策として考えられておりますけれども、これも相当建設省、林野庁の御努力のおかげで大変進んでおりまして、下流の人々がこれでもう安心だというような人心の安定まで期待しておることを今度私も体験して、非常に実はうれしいやら頼もしく思った次第でございまして、これは懇談会でもまた御論議いただいて、今後の進捗状況を十分に考え予算の配慮をしていただきたいと思います。  離島にはならぬということは私も承知しておりますが、例えば離島の港でございますと九〇%から九五労の補助があります。だから、桜島が離島であるという実態から考えますと、避難港などを今後つくったり整備したりしてまいります上に、その離島に準じた措置懇談会あたりで検討して、何らかの結論を出していただけないか。恐らく各党でも御視察になりまして、各党としての御意見もあるいは出てくるかもわかりません。私どもも自民党としては内部で検討して、あるいは特別立法でもやるか、そういうようなことも寄り寄り今後検討いたし、場合によりましたら委員会お願いをして、委員長のところで各党の意見をお取りまとめいただくというようなことに相なるかもわかりません。これは私どもの立場と、長官を初め政府のお立場で両々並行して検討して、いい結論が出たらいずれでも実行するようにしたらいいのではなかろうか、こういうふうに思っておる次第でございます。  私が人命の対策として今度感じますのは、避難港の建設についての援助の問題、それから避難広場はぜひつくってほしい。これは田代先生は御自分が天草の御出身で、天草の大災害の後あそこに広場をつくった経験を現地でも述べておいででございました。ぜひこの点も懇談会等でお取り上げをいただきまして、私はやろうと思えば来年からでもできると思います。そういう意味で御検討をいただきたい、このように思います。  それから、もう時間もございませんので、全部が全部大臣にお答えいただこうとは思いませんので、担当の局長さんあるいは各省の方で結構です。  桜島の最近の特色はどか灰でございます。こういうサッシの窓の中へ入ってくる。驚くべきものです。そして桜島の灰の特色は砂鉄を含んでおる。灰は風で吹き飛ばしてしまいますけれども桜島周辺の道路という道路は全部黒くなっています。あれは砂鉄が残っておるのです。だから溝に灰が落ちできますと、灰は流されていっても砂鉄が溝の中に残っておるのです。現在三〇%溝が埋まらなければ除去補助はしないということになっておるようですが、これはいずれの市でも町でも、個人の家でもそうです。灰が降りましたら、たまらないうちにどんどん水道の水で洗い流すのです。私の家内も、玄関を毎日数回水道の水で灰を落としたりその黒砂を流しているのです。三割たまったら補助するという今の制度は実態に合いません。合いません、砂鉄だからなのです。あれがどんどん積もっていったら、今度は水じゃ流れません。人が入っていって取る以外にはなくなります。だからこの点はぜひひとつ考えていただきたいと思います。  それから産業対策といたしまして、これもどか灰ですけれども田代先生から御質問がありましたのでビニール等のことは私はもう繰り返して申しませんが、桜島災害対策では、国でやっていただかなければならないこと、県や市町村がやったらいいこと、あると思います。私はビニールの個人補助は政府としてはなかなかやれないことじゃないかと思います。場合によったら、県や市町村が対策をしたらいいじゃないか。それには幸い懇談会の事務方の方には自治省も一緒のようでございますから、例えば県や市町村がいろんな対策を講じたらそれは特別交付税で面倒を見てあげましょうということにいたしますと、国の施策と県や市町村の施策とが出そろってまいりますわけで、国の補助になじまない事業を県や市町村が災害対策としてやりましたら、そういうような方法で解決をするようなことをひとつ懇談会でもまたお取り上げいただいたらと、このように思うわけでございます。  それから融資の問題は、田代先生もお話でございましたが、やはりこれは私はぜひひとつ懇談会で十分に取り上げていただきまして、桜島ビワとかミカンとか桜島大根で実は富裕な島だったのです。今はその所得は減りました上に、こういう災害を受けて非常に困っている。だから個人も災害で大変な目に遭い、町自体の財政力も非常に弱ってきました。あのフェリーで一億数千万毎年一般会計へつぎ込んで左うちわだったのです。ところが競争のフェリーの航路ができましたこと、全体が不景気になって桜島の遊覧客も減ったことでフェリーの収入も減ったりして、町当局も実は財政的に困っておりますので、農業振興をやってまいります上でこの融資のことは私は考えていただいていいのじゃないか。桜島は一過性の災害でありません。連年災害です。今後も何年続くかわかりません。災害がなくなったらそれはもうそれでやめて結構ですから、連年災害ということを頭に置いた私は農家に対する援助をぜひひとつ考えていただきたいと思います。  最後に、地元の方で公共事業の裏の起債で災害対策をやります場合と、補助がありませんので町や市が単独で、災害対策を単独債でやる場合がございます。その単独債については、自治省の方で一般の基準のように考えないで、ケース・バイ・ケースで結構です。このような連年災害を受けるところですから、私はその起債についてはぜひ特別の配慮をしてもらいたいものだと、こういうふうに思います。
  104. 柿本善也

    説明員(柿本善也君) 地方債の御質問にお答えいたします。  災害事業につきましては、御承知のようにやはり地方団体としては財政事情にかかわらず執行しなければならない事業の性格でございますので、御質問の単独の災害復旧事業債につきましても、これは通常の何か支障、例えば公債比率が高いためにとか、そういう事情がございましても、災害につきましてはそういう制限をかけずに起債許可をする方針でまいりたいと考えております。
  105. 金丸三郎

    金丸三郎君 できたら農水省から融資のことで、関係出席していらっしゃればお願いしたいと思います。
  106. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 融資制度につきましても、これは主として施設対象とした資金でございますが、制度資金とか、それから先ほど話題になりました農業技術導入等のための農業改良資金、いろいろございまして、現地の資金需要に応じてそういったそれぞれの制度の趣旨に合うものについては極力努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、それぞれの制度の制約面から必ずしも十分にはまらないという面も確かにあると思います。今後地元の資金需要というような点もよく承りながら、可能な方法についてはさらに検討を進めていきたいと思います。
  107. 原田立

    原田立君 地元久保先生や金丸先生からるるお話がありましたので、大体尽きたというような感じがするんですけれども、なお若干の質問をいたしておきます。  大臣、今も金丸先生からお話がありましたが、桜島のこのことをどういう御認識であるかということをまず一番最初に聞きたい。  というのは、例えば火山噴火のような場合に、阿蘇も噴火しました。灰も降りました。それから浅間山も噴きました。それから北海道の有珠山も噴きました。それから三宅島も噴きました。だけれども、あれはあれで一応終わっているわけです。今お話のあったように、桜島の場合には毎年毎回あるわけです。年がら年じゅうあるわけです。だから、今例として四つ申し上げましたけれども、それらとは全然性格が違う、こう僕は思っているんです。だから、何らかそこに特別な桜島対策というものがあってしかるべきではないか、これが一つ。  それから、先ほど大臣の御答弁の中に、桜島を、いわゆる何か半島振興法ですか、その中にも取り入れるような、そういう考え方も実はあるんだというようなことをちらっと仰せになりましたけれども桜島を、大臣のお国の半島も千葉県なんかも、両方ともあれは半島ですからね、それらと一緒に考えるような性格のものでないと私は認識しているんですけれども、いかがですか。
  108. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 全くおっしゃるとおりだと私は思っております。先ほど金丸先生がおっしゃったように、あそこの噴火は通年である。まあ去年は四百数十回ということですから三百六十五日に四百――計算しても合わないんですが、ところが一日に多いときは二回も三回もというわけですから、四百数十回というのが昨年に火山活動があった。そういうわけですから、他の噴火のところとは全然性格を異にしておる。そういう意味から、特別にこれを考える必要があるのではないか、こういうことでありますが、これは私も行ってみて、先ほど来厚生省、それから通産省あるいは自治省、大蔵省等々の答弁を聞いておりました。これは通年ということから、私はもっと思い切って、今具体的に言うと大変また失言ということになりますから申し上げるわけにはいきませんが、やはりもう少し具体的に各省庁考えてみる必要があるのではないか。例えば通産の電気料問題、この問題についても、降灰関係からどうしても窓を閉めておかなければならぬ、こういう関係からルームヒーター等を必要とする。そうすればそれにはどうしても余分な電気料がかさんでくるということだから、やはり動かすというわけにはいかないんだ、電力等との問題があるんだということでありますから、これはエネルギー等々の問題から公平の原則と、それはどこの公平の原則かという問題についてもやっぱりみんなで一緒になって考えてみる必要があるような気がいたします。また先ほどの水道料金の問題についても、これはまあ絶対それはできるわけはないんですよ、実際は。だけれども、特殊な地域である等々を考えて、国土庁としても各省庁の連絡機能の役割を果たす、特に災害対策を受け持つ所管庁として、こういった問題もやはり住民のサイドに立ってあの苦しい中に生活をしておられる、なおこの島を離れずに、やはり「子供に渡そうよい桜島を」といったことで生活をしておられるあの姿を見たときに、何かやはり国土庁としても考えていく必要があるのではないかと、そういう意味から懇談会設置をいたしました。その中では有力な委員として知事あるいは地元の市長、町長が参画をしておられますから、恐らく住民の代表として私たちの気のつかないそういった問題がきめ細かく、いろんな角度で私は懇談会結論への大きな役割を果たされていくのではないかと、こういうふうに考えております。  離島振興の問題は半島と違いますよ。そんななまぬるい半島振興法という、これからできるものを何を言っているんだということでありますが、私はあれを考えて、どうしても離島の中に――実はやってみたんです、随分、いろいろな角度で。なぜ離島に入れないんだ、昔は離島だったじゃないのかというようなことでやってみても、離島でないものを離島にするというわけにはいかぬという、今のところは結論であります。  そういう意味から、これは先ほど来も申し上げましたように抜本的にどうこれを解決をしていくか。半島振興は、それはちょっと今この席で半島振興を番うところじゃないんです。よくわかっているけれども、つい口を滑らせて申し上げたので、もうあれですが、やはりこれによってのみと、この辺でとめておきます。  そういう意味で、そういった問題も考えられてきているということでございますから、懇談会結論はいつまでも長引かせてというわけにはまいらぬわけです、まことに緊急を要する問題でありますから。そこでいろいろな意見がありましたら、十二月三十一日と、こういうふうに区切ったわけでございますから、その結論は、皆さん真剣ですから、みんな真剣なまなざしで議論をされておられます。特に地元からも参画をされておられますから、我々の気のつかないことが必ず私は結論として出てくるというふうに期待を大きくかけておるわけであります。
  109. 原田立

    原田立君 よくわかりました。懇談会の答申を得てその実現方に努力するということの御答弁のようであります。  ところで、自治省あるいは農水省、各省庁からいろいろと答弁が先ほど来ありましたけれども現行法ではそういうことはちょっと難しくてできませんというような、そういう返事が多々ありました。そんなことはわかっているんですよ。現行法じゃ規制があるんですからそれはできない。それだったら、桜島に対する認識が大臣よりも非常にずれているということになるんですね、各省庁考え方は。それをひとつ盛り上げるように大臣努力をお願いしたい。それで、現行法ではできない、そういう要望があってもちょっとまだ何とも言えませんなんというような消極的な答弁で終わりにするんじゃなくて、今お話があったように、もっと住みよい桜島にするんだという、そういうことが地元の合い言葉なんですから、積極的にそれは取り組んでいただきたい。各省庁の認識が随分おくれている。そのおくれをもっと盛り上げてほしいと、こういうお願いなんです。いかがですか。
  110. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 私はその管弁を聞いておりまして、全く名答弁である、全く役人としては正しい答弁である、こういう受けとめ方をしております。ただ、政治的に言うなれば、多少そんな木で鼻をくくったようなことを言わずに、多少もう少し色気のある話をしたらどうかということだと思いますが、やはり現行法、法律を守るという、こういう役人の立場から、私は名答弁であったというふうに実は受けとめておるわけであります。  そこで、今後の問題として私のなさねばならぬ問題としては、やはりそれではもっと認識を私と一緒にしろということよりか、この懇談会結論をまつ。その懇談会結論も十二月三十一日まで。すべてがまとまるまで報告をしてもらっては困るということでないんです。これは緊急な課題として早急にやってもらわなきゃならぬという、こういう結論については、各省庁に対していよいよ物を言う柱ができたわけですから、今の場合はその物を言う柱は、ただ国土庁長官として各省庁桜島をもっと大切にしよう。大切だけじゃ困る。もっと住民が安定して生活をできる環境づくりをしよう。これは恐らく以前から皆さんが言っておられたことでありますが、そこで法律にかわるべく懇談会結論を大変日待ちに実は期待をかけておるわけです。各省庁に対しては当然予算等々の問題は、私は現地におって申し上げたように、枠にこだわることなし、災害という問題はやはり重きを考えなきゃいかぬということを発言したとおり、今でも来年度の予算等々につきましては、枠にこだわることなく、適時適所これは解決すべきである、こういう認識に立って各省庁に協力を求めておるというわけであります。
  111. 原田立

    原田立君 今度行きまして、鹿児島県から、県から六項目にわたる要望書をちょうだいしました。それから周辺の市町、二市三町ぐらいですか、この関係要望書もちょうだいしました。大体同じような内容です。  大臣、六月の十九日に行かれたときにやっぱり大体同じような要望書がお手元に提出されているんだろうと思いますけれども、これをごらんになっていかがですか。要するに、実現方を要望するというのが要望書なんですから。いかがですか。
  112. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) それは地元要望でございますから、大変私は地についたものだと受けとめております。そういう意味から、それを全体を一緒にどうと言うことはできませんが、具体的にできるものから一つずつ、一つずつ解決をして、住民皆さん方のやはり不安というものを取り除く、そのためには最大限の私としては努力をせなければならぬと、こういう責任感を強く持っております。
  113. 原田立

    原田立君 それでは住民の避難対策について、「(1)桜島及びその周辺の国・県道について、事業費の枠を拡大し、さらに整備の促進を図られたい。」、こういう要請が出ております。これは建設省ですか、御答弁願いたい。
  114. 寺田章次

    説明員(寺田章次君) お答えいたします。  桜島周辺の国県道の整備関係について御説明いたします。  昭和四十八年度制定の活動火山対策特別措置法に基づきまして、鹿児島県知事の作成いたしました避難施設緊急整備計画に掲げられました国県道に関する区間の整備につきましては、昭和五十七年度までに完了させまして、現在はその他の区間についても円滑な交通を図るため、道路拡幅、線形改良等の整備の促進を図っているところでございます。五十九年度は一般国道二百二十四号及び主要地方道桜島港―黒神線で事業を実施中でございまして、公共事業がマイナスシーリングという非常に厳しい財政状況のもとでございますが、重点的に予算を配分しておりまして、両路線の事業費は五十八年度が一億六千五百万円でございましたが、五十九年度はこれを大幅に上回ります三億五千万円をもって取り組んでおります。今後とも災害防止の観点から道路整備を鋭意推進してまいりたいというふうに考えておるところでございます。  以上でございます。
  115. 原田立

    原田立君 この上要望書じゃないんですけれども、私、前に聞いた話で、先ほどお話がありました、今も話がありましたけれども野尻川は降雨のたびに橋げた近くまで土石流が堆積し交通どめになるし、また車両等に非常に危険であると。だから、できるならばこれをもっと高架にするような橋の取りつけをしてくれないかという要請が地元の人からありました。研究していただけますか。
  116. 寺田章次

    説明員(寺田章次君) 現在、野尻川に関連します区間につきましては鋭意調査検討を進めておりまして、可及的速やかに計画をまとめたいというふうに考えております。
  117. 原田立

    原田立君 第二番目に「噴火土石流等災害発生予知住民避難誘導等のための情報通信システム整備を進めるため、特別な財政措置を講じられたい。」、これは個別に交信機を設置したいというような内容の要請なんです。これはどこですか。
  118. 島崎実

    説明員(島崎実君) お答えします。  住民避難誘導等のための情報通信システムといたしましては、現在防災無線施設を行っておるわけでございますが、状況を申し上げますと、桜島地区のうち桜島町は既に国庫補助事業によって基本施設整備されておりますが、鹿児島市につきましては基本施設のうち未整備なものがございますので、市当局の意向を十分に把握した上で、補助制度としての要望がありましたら前向きで検討いたしたいと考えております。
  119. 原田立

    原田立君 大臣ね、地元気象台によりますと、五十四年から五十八年までの五年間桜島南岳で噴出した火山灰の総量、これは四千六百十万トンだというんですね、御存じだと思うんですけれども。これはべらぼうな数字ですよね。降灰の大半は珪酸塩で、気道、肺胞に付着すると呼吸器に悪影響を及ぼす、また、火山ガスは硫黄酸化物が主体で、呼吸によって体内に入ると、粘膜などの水分と接触して亜硫酸または硫酸となって呼吸器系に炎症を引き起こすと言われているんです。これは大臣に直接に答えてくれという意味じゃないんです。五十四年から五十八年までの間に、この五年間に四千六百十万トンも降灰があった。それが、先ほども話がありました、普通の灰じゃなくて、こういう亜硫酸あるいは硫酸となって、あるいは珪酸塩が気道、肺胞に付着するといろんな病気を起こす、呼吸器系の炎症を起こす、これは非常に重大な問題だと思うんですね。これについてどういうふうな認識を持っておられるか。  ないし、日本公衆衛生学会で脇阪鹿児島大学教授が発表したところによると、垂水市では、ぜんそく、気管支炎の死亡者がかなり多い、多量降灰があった週は死亡数も若干ふえている、あるいは一平方メートル三百グラム以上降灰のあったところは総死亡者数と呼吸器系死因による死亡者数も増加すると統計的にも言われている。こういうのが日本公衆衛生学会で鹿大の教授が発表している、御存じだろうと思うんでありますけれども。だから因果関係というのがはっきりしているわけですよ。だから、これに対する対策は特にこう重点的な施策をする必要があるんじゃないか、こう思うんですが、そこら辺いかがですか。
  120. 野崎貞彦

    説明員(野崎貞彦君) 火山灰またはガスの人体影響に関することでございますが、五十三年度から五十六年度にかけまして国の調査研究が行われております。  今お話の脇阪教授もその研究班にはメンバーとして入っておられます。公衆衛生学雑誌に御発表になりました統計学的な死亡とそれから病気との問題でありますとかいうことを出されておりますが、その件につきましても国の研究班の中では検討がなされまして、一部そういう問題もある。ただ、急激な急性症状を今の火山灰で起こすということはないという結論が出まして、それらの報告に基づきまして現在の監視体制というものがしかれております。その監視体制に基づきまして国と県との間で緊密な連絡をとって、そして今後の対策を講じていく。ただ、最近またこの火山灰が非常に多くなっているということもありますので、県との連絡を緊密にいたしましてその対策を講じてまいりたい。  また、一方、懇談会の方でも健康影響ということで、鹿児島大学の篠原教授が入っておられますので、そちらとも今後いろいろ御意見を承りながら対策を講じてまいりたい、かように考えております。
  121. 原田立

    原田立君 県は五十三年度から五年間、総額千四百六十万円かけて健康検診を実施しておったわけなんです。ところが五十八年度には約百三十八万円とこう削減し、自覚症状を自己記入するという監視事業に縮小してしまった、これはもう御存じだと思うんですけれども。やっぱり生命にかかわる重大関心事であるのだから、噴煙が続く限り監視体制をもっと強化していく、こういう必要があるんじゃないかと思うんだけれども、何か後退するようなやり方というのはよくないと僕は思うんですけれども、どうですか。
  122. 野崎貞彦

    説明員(野崎貞彦君) 今の御指摘の件でございますが、県の方の事業として五十三年度から七年度までの五年間が今先生御指摘の数値でございますが、これは従来、一般対策として、成人病健診でありますとか老人健診が行われております。その健診が受けられなかったような方々に対しての健診をこの経費でいたしましたということでございますが、その後この一般健診の方も受けるようにというような勧奨もすると同時に、新たにその監視体制としての自覚症状調査でありますとかということを加えたということでございますので、年間予算に直しますと、従来、五十三年度から七年度までは二百九十万ぐらいになるわけでございますが、これが現在百五十万ぐらいの金額になってやっておるわけでございます。ただ、それは、先ほど申し上げましたように、成人病健診、老人健診が受けられなかったという方をやっておりましたので、むしろそちらの事業の中でという取り組み方をいたしましたわけでございますが、この辺につきましても十分検討をさしていただきたいというふうに考えております。
  123. 原田立

    原田立君 降灰除去防除事業について、五項目について要請があるんですけれども、これは建設省ですか。  「市町村道の道路降灰除去及び市街地(宅地、公園及び都市排水路)降灰除去事業補助率を一律に三分の二とされたい。」こういう要請があるんです。それからまた、「県管理の国・県道及び臨港道路についても市町村道の降灰除去事業と同じく補助対象とざれたい。」。いかがですか。
  124. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) お答えいたします。  市町村道に係る降灰除去事業に対する補助率は、年間降灰量が一平方メートル当たり千グラム以上につきましては二分の一、二千五百グラム以上につきましては三分の二となっているわけでございまして、活火山法が制定されて以来、二市一町――鹿児島市、垂水市、桜島町に対する実績の補助率でございますが、五十四年並びに五十五年におきまして、鹿児島市の市街地を除きましていずれも三分の二の補助となっております。したがいまして、現在の段階ではこれを見直しする考えを持ってございません。
  125. 原田立

    原田立君 だからね。だからこういう要望書が出ているんですよ。あなたは担当官だから、じゃあここで改正しますだなんて、そんな答弁はできないだろうと思うけれども、率直に受けとめて、これは建設省検討してください。その返事をもらいたい。
  126. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) お答えいたします。  過去の実績の説明がちょっと不足しておったわけですが、三分の二と二分の一になった比率でございますが、二分の一補助の分が事業費ベースで四一四%ぐらいでございます、事業費ベースで二分の一の補助に相当する分、そういう点から今のようなお答えをした次第でございます。
  127. 原田立

    原田立君 そんなこと聞いているんじゃないんですよ。建設省の方で研究するようにしてくれという要請に対する返事がないわけです。まあいいでしょう。  それで、現地では活火山対策特別措置法の適用されるようにぜひしてくれと、こういう要請なんです。これもあることを申し上げておきます。  それから三項目に、「道路降灰除去に必要な路面清掃車の購入について補助基準の見直しむされたい。」すなわち、ダンプカー、散水車、ロードスイーパー、この三台でワンセットになるんだそうですが、三千数百万円という非常に高価なものだそうであります。これに対する補助はたしか購入時に四分の一しかないはずだと思うんですが、この補助基準の見直しをぜひしてくれという要請なんですが、いかがですか。
  128. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) お答えいたします。  道路降灰事業の施行に直接必要な路面清掃車等の購入につきましては、年間降灰総量が一平方メートル当たり千グラム以上の場合は四分の一、二千五百グラム以上の場合は三分の一を補助しておるところでございます。これは他の補助事業、例えば建設機械整備補助事業における一般機械に対する補助率、これは四分の一でございますが、それとの均衡上、四分の一以上としておりまして、著しく低率であるとは考えられませんので、したがいまして、他の補助事業における補助率との均衡上、補助率を引き上げるのは非常に難しいんではないか。したがいまして、これの対応でございますが、九州地方建設局では現在機械の稼働状況等を勘案いたしまして、大型の清掃車四台を既に鹿児島市、垂水市及び桜島町に無償貸与をしてございます。今後さらに地方公共団体から貸与の御希望がございますれば、国における使用計画に支障のない範囲で、地方公共団体と事前に十分調整を図りまして、有効活用の方法につきまして積極的に対処してまいりたいと思っております。
  129. 原田立

    原田立君 「公共下水道(雨水きょ)及び都市排水路の降灰除去事業について補助基準の見直しをされたい。」こういう要請があるんです。これは一体どういうことなんですかと聞いたら、管渠の中に三割以上た京らないと対象にならないんだと、こういうことなんですね。先ほども金丸先生からお話がありましたけれども、少しでもたまればさっさと早くやらなきゃいけないんですよ。こういう足切りがあって大変困っている、ぜひ見直してくれということなんだけど、これについてはいかがですか。
  130. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) これ街路課長の所管でございますので……。
  131. 依田和夫

    説明員(依田和夫君) お答えいたします。  補助対象の取り扱いにつきましては、御指摘のとおり、堆積量が断面の三割を超えた場合にその七割を除去する費用補助対象といたしておるわけでございますが、その考え方といたしましては、本来通常の場合でも堆積したであろう泥土、あるいは自然流下等で流出する分を勘案いたしまして、三割までは通常の維持管理の範囲の中であるという解釈がされておるものでございまして、これは河川等においても同様な扱いになっておるものでございます。
  132. 原田立

    原田立君 あなたね、公共下水道ね、三割以上にならないと対象にならない。だけど、この三割ぐらい、ざあっとなっちゃったら雨水はあふれちやうだろうし、ちょっと手のつけようはないんじゃないですか。だから、そんなことではなくて、もっと、たとえ少しでもどんどんどんどん除去できるようにする。だから、三割で足切りというところを直すような考えはございませんか。
  133. 依田和夫

    説明員(依田和夫君) 通常設計いたします場合に、流量に必要な断面に三割程度の余裕断面というものを持って設計しておるものでございまして、ぎりぎりの断面が計画されているということはないものと理解いたしております。したがいまして、通常の維持管理の範囲というものは存在するんだという解釈に立っておりますので、実態をもう少し鹿児島のケースにつきまして調べる必要もあるということで、現在調査をかけておるところではございますけれども、基本的な考え方といたしましては先ほど申しましたように、通常若干の維持管理といいますか、通常の場合でも泥土がたまるものということで設計をいたしておるものでございます。
  134. 原田立

    原田立君 それじゃ、まあ結構。  もう一遍、今度現地へ行きましたときにね、ちょうど晴れていました。それで余り噴いてなかった、だから灰はそんなに強くありませんでした。ずうっと飛行場から市内へ入って、それから桜島に渡ってというときに、ほとんど灰が見えなかった。これはいいなあと思ったらば、その晩の八時ごろバーンとあって、また午前三時ごろもう一遍やって、ちょうど雨が降って、朝のうちは大したことなかったけど、昼ごろになったらもうかんかん照りになっちゃって、それで、県の車が道案内してくれるんですけども、そりゃあ大変だ、もうもうとした降灰じんを吹き上げている。こういうのを実際に見てきて、これは大変だなと思ったわけでありますけれども、さつきも質問した、道路降灰除去に必要な路面車等の購入ないしその除去については、ただ現在決められているようなことでなしに、例えば先ほど学校のグランドだとか、運動公園だとか、あるいは校舎の屋上などというようなところがなったと、道路ももちろん当然なった。それで、これらの補助率については現在二分の一、これを三分の二に引き上げてくれ、こういう要請がある。いかがですか。
  135. 依田和夫

    説明員(依田和夫君) お答えいたします。  宅地に関します降灰除去につきましては、御指摘のとおり法律並びに施行令によって補助率二分の一ということになってございます。この点に関しましては、現下の国の財政状況から見まして補助率の引き上げが困難であると考えておるところでございます。
  136. 原田立

    原田立君 ミカンとビワの問題で聞きたいんだけれども、農水省来ていますか。  福山町のミカンが壊滅状態であると聞いているわけなんですが、実際行ってみて、もう本当に急傾斜なところにビニールを張ってある。それで、それがずたずたに切れている。灰がたまると下からつっつくんでというようなことで切れる率が多いんだそうですけれども、あれは、見てみましたら、こういう円形の鉄柱があって、それにこうかぶさっている。ビニールがこうかがっているその間に灰がぱたんとくっついて、さらっと下へ流れればいいんだろうけれども、たまっているんですよね。だんだんだんだん重くなってくるんでしょう。だから下からつつかなきゃいけない。その福山町のところなんか望遠鏡で見てみましたら大変破けていました。それで、ビニールがけしたところのミカンと、そうでない露地栽培のミカンと、要するに灰がくっついたミカンと、大きさも違えば色合いも違う、随分ひどいものだなと、こう思った。  そこで聞きたいのは、先ほどからこれも何度も質問が出ておりますが、ビニールハウス、「耐久性の強いフレーム及び被覆資材調査研究、開発を進め、ビニールハウス施設設置後の張り替えについて補助対象とされたい。」ないし「共同施設として設置されるトンネルハウス事業対象とされたい。」と、こういう要望書が出ているんですけれども、だけれども、この「共同施設として」というのも、十アール以上という何か枠があって実際問題あそこの地域で十アール以上、しかも共同でというと、なかなか対象になる人はいないんじゃないのかと、そこら辺十分見直す研究が必要なんじゃないか。  それから、田代先生が何度も言っておりましたけれども、簡単に破けないような丈夫なビニールが今研究開発されているんだと、だから、それができれば大変いいんだなんというような話があったんだけれども、そういう見通しがあるのか。どのぐらいになっているのか。また、この要望について一体どういうふうになさるのか、その点の見解を聞きたい。
  137. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) トンネルハウスの問題につきましては、お話しございましたように、共同施設として設置利用できる形態について、前向きに検討を進めたいというふうに考えておるわけでございます。その詳細な基準をどうするかという点につきましては、鹿児島県ともよく御相談をしながら詰めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、ビニールの耐久度の強いものについての調査でございますが、私ども国土庁の方と今御相談を進めておる段階でございますが、いろいろな被覆材を使った場合の被害影響の比較調査といった調査を本年度進めたいというふうに考えておりまして、六十年度につきましては、まだ来年度の予算について、はっきりいたしておらないわけでございますけれども、できれば優良な被覆資材の開発のための現地試験等を実施をしたいというような気持ちを持って今検討をしておる段階でございます。私どももそういったものの出現を待ち望んでおるわけでございまして、そういったものが導入できました段階では、それを採用いたします際に一定の、これも共同施設という制約が加わってまいるわけでございますけれども補助対象としていくということを含めて検討を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
  138. 原田立

    原田立君 東北地方では雪おろしについては雑損控除になっているようでありますが、これと同じように降灰清掃も雑損控除にしてくれと、先ほど久保委員の方からも話がありましたけれども、灰を流す水道代は本人持ちと、こういうふうなこと、これも何とかしてくれないかというような要請です。これはどこで答えてくれますか。防災局長から……。
  139. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) ただいまの雑損控除のお話につきましては、大蔵省の方が担当しておりますが、先ほども答弁ございましたように、大蔵省もその実態調査するというようなことで検討をしておるというふうに聞いております。
  140. 原田立

    原田立君 最後のところ、さっぱり何言っているんだかわからなかったですよ。  もう前の委員の方でいろいろとずっとこう質問がありましたから、大方済んでいるとは思うんでありますけれども国土庁長官にちょっと申し上げたいんですけれども、あなたは各省の人たちの答弁はまさに名答弁であるだなんていうことをさっき仰せになっておったけれども、名答弁で了解されたんじゃ困るということは一番冒頭に申し上げたわけです。  今もいろいろと聞いてみると、検討しようとか、あるいは全然できませんとかいうような返事が逐次返ってきています。これはひとつ各省の調整機能をお持ちの国土庁長官として、こういうふうな要請が桜島関係であったと、この件はぜひ検討対象にしてくれということを各省庁に強く申し入れをしていただきたい。お願いですけれどもいかがですか。
  141. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 桜島のあの災害と、猛威と闘っておられる地域住民方々のことを思えば、これは検討課題ではあると思いますが、もう少しやはり前向きに各省庁に働きかけて検討することをお約束を申し上げたいと思っております。
  142. 下田京子

    下田京子君 私も、三年前に続いて今回御一緒させていただいて桜島状況を見てまいりました。治山防災事業などのその対策の効果というのは目に見えていますが、一方で私が大変胸が痛みましたのは、住民の暮らしが一層深刻になっているということなんです。私、大臣に最初に御認識を伺いたいわけですが、大臣、先ほどから他の委員に対しまして、桜島状況本当に大変だと、思い切った具体的な対応策必要だと、こういうお話でした。大変前向きで私も期待をしたいんですが、どこに焦点を当てるかということが大事ではないかなと思うんですね。  そこで私が申し上げたいのは、やはり活火山法によりまして、桜島火山の活動によってどんな被害がどのように起きているか、ここが一つ大きなポイントではないかと思うんです。  そこで申し上げたいのは、爆発、噴煙、それによる降灰による連年災害である。ここに焦点を置いた対策が必要だというふうに私は感じます。具体的な数字、県からいただいた資料を見てみますと、昨年からことしの六月三十日までの毎月の平均で爆発が月三十四回なんです。それから噴煙、平均で月二十八回、多いときには何と一カ月に千二百回以上。それから地震がそれによって平均でも二千八百五十八回、そして多いときには何と十二万回。私たちが泊まったのは桜島の中でしたけれども、あの晩でももう三回ぐらいあったという状況であります。こういう降灰量を見ましても、例えば五十八年で、鹿児島市の黒神地区ですけれども、一平米当たりおよそ七十キログラムですね。高さにいたしますと一メーター四万で何と七〇メートルも降り積もったというような状況であります。ですから特別な対策大事だ、そういう認識に立ちます。  そこで何に中心を置くかというと、やはり、この連年降灰、毎日降灰の中で大変な災害で苦労しているという、ここに焦点を当てた対応策を私は考えていただきたいという点で、御決意というか、御認識を承りたいと思います。
  143. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 今御指摘のとおりであります。降灰による被害というものは大変私は大きいと見てまいりました。そういう意味から、先ほど来いろんな意見を聞いておりましたが、結論はやはり降灰による被害降灰をどう処理、どう対策を進めていくかという、こういう問題が一番大きな問題ではなかろうか。もちろん挙げれば数多くございますけれども、やはり降灰という問題は極めて大事であると、こういう受けとめ方をいたしております。
  144. 下田京子

    下田京子君 私があえてそれを申し上げましたのは、大臣の頭には半島振興法という問題、何とか成立させたいというお気持ちあることわかるんですが、今何かいろいろ検討されているその半島振興なるものには、降灰というものが入っておりませんので、私念のために申し上げて、そして、各地域災害――どれが災害に優劣があるかということは私はないと思うんです。しかし、本当にこの灰神楽の中で幕らしていく住民の毎日の気持ちといったら、もう大変だと思うんですよ。あの中で一晩泊まっただけでも、同行されたあるお役人の方は、どうなるかと思ったという感想を率直に語られておりました。知事も、できることなら、女々しい話だけれども桜島とっても美しい山だけれども、全国各地に持ち回りでひとつ対応いただけたらなあという気持ちもないではないと、こんな話が出たほどであります。  そこで、私はこの対策、やはりやるとなったら、今予算上でやる気があればやれるものと、それから政令改正やあるいは法律体系などを見直さなければできないものと、やはり区別してかからなければならない、こう思います。  第一番目にお尋ねしたいのは、予算措置でやろうとすればできるんじゃないかという点で数点お尋ねしたいんです。  その一点。それは被害防止のための情報システム整備に関する問題なんです。他の委員からも御質問があって、これは自治省は具体的に要望があれば対応したいと、こうお話しでした。私ども現地でも聞きましたが、その後もお尋ねしたんですけれども、もう皆さん知っているように、桜島町は防災無線では移動式無線と同報式無線と両方あるんですね。ところが鹿児島市の場合には同報式無線がないんですね。私が聞きましたら、約一億六千万ぐらいかかるということで、今度はぜひ来年度、今概算要求の中にでも持ち込んでやっていただきたいという気持ちを持っているが、移動式無線の方で一度六百万円の補助をもらっているんで大丈夫かなと、こういう心配もありましたので、念のために、これは同報式無線の要望が出ればきちっと対応するということで理解してよろしいですね。
  145. 島崎実

    説明員(島崎実君) お答えいたします。  鹿児島市の防災無線施設につきましては、御指摘のとおり基本施設のうち同報系無線が未整備でございまして、防災対策上不十分であることから、市当局の意向を把握した上で、補助事業としての要望がありましたら前向きに検討していきたいと考えております。
  146. 下田京子

    下田京子君 前向きということは、まあやるというふうにとらえたいと思います。  ところで、これは今度大臣に最後にお願いしますけれども、今の防災無線の話なんですけれども補助枠が大変問題なんです。私は先般、昨年の日本海中部沖地震の問題でもお話ししました。男鹿半島で実際にやろうとしたら、とてもじゃないけれども市の持ち出しが多くてやれない。つまり、人口十万人以上で四千万円まで補助拡大しましたよということなんですけれども、今お聞きのように、私、鹿児島市に聞きましたところ一億六千万なんですね。そういう状況でありますだけに、もっとやっぱり手厚い予算措置ということが必要だ。これはもう予算要求に当たってきちっと対応をいただきたい、このように要望しておきます。  そこで、次に二番目なんですけれども、これも他の委員から御指摘がありました。厚生省は、火山ガス降灰ガス、これが人体に及ぼす影響調査おやりになりました。ところが、この人体調査結果、国土庁が、一昨年ですか、五十七年十一月に報告書を出しましたね。その報告書の中に、余り影響がないような形でおまとめになっているわけなんですけれども、厚生省としてはそういう認識なんでしょうか、今も。
  147. 野崎貞彦

    説明員(野崎貞彦君) 厚生省と、それから国土庁、厚生省が協力してやった研究結果でございますので、全く同じ意見でございます。
  148. 下田京子

    下田京子君 今のような認識では、先ほど、例えば懇談会皆さんの御意向を聞いて、最近また活動が大変だから別途検討していきたいということですけれども、今の認識が問題だと思いますよ。そういう認識がありましたから、県の五カ年計画の中での事業もやはり予算的に削られてきているんですよ。それから、そういう中で鹿児島市は単独事業をずっとやっております。それは御承知だと思いますからお話し申し上げませんけれども、こういう、言ってみれば人体に与える影響というものが後になってわかったでは遅いんですね。今までの大半の公害病対策というものが、多くのとうとい犠牲者の上にのっとってやられてきたということを、厚生省きちっと踏まえなければならない。  しかも、今の調査結果報告を見ましても、これは認識が甘いと思いますよ。桜島南岳を中心にした距離区分からの被患率という、これは報告の中にも出ているじゃありませんか。例えばぜんそくですけれども、五キロメートルのところだったらば被患率が三・六、それから十キロになると一・八になり、それが二十キロになると今度は〇・九五、さらに四十キロ離れれば〇・四〇という格好でいるのは御承知だと思うんで、やはりそういう点をきちっと踏まえた対応をいただきたいという点で、これも改めて大臣に後でお尋ねしたいと思います。  それから三つ目。文部省おいでだと思いますので、学校プールの降灰対策事業なんです。これは文部省、現実にプールの上屋補助を行っておりますよね。しかし、具体的に言いますと、鹿児島市で今七十六校あるうち、たった一校だけなんです、上屋がついているところは。来年度の要求に向けて黒神小学校と東桜島小学校、これはぜひやりたいということでお出しになっているんですが、これも出せば該当させるように対応いたしますね。
  149. 光田明正

    説明員(光田明正君) 体育課長でございます。  五十三年度から上屋の補助金の予算計上をいたしております。設置者である市町村、県の要請により前向きに検討いたしたいと存じております。
  150. 下田京子

    下田京子君 これは文部省にもう一回お訪ねします。  これも前向きに取り組むと、これは結構です。その前向きの中身なんですけれどね、補助基準単価なんです。言わずと文部省は御承知だと思いますよ。基準面積六百平米限度で補助単価平米当たり七千三百九十円、補助率三分の一、間違いないですね。――時間がないからいいです、間違いありませんから。  それで計算いたしますと、国の補助枠は何と百四十七万八千円なんです。ところが、実際に一校だけ、東桜局中学校を設置したのは五十四年であったかと思うんですが、そのときで既に一千九百二十万円の工事費かかっているんですね。これは私たちが見てきました桜洲小学校でしたか、あそこでも同じように二千万かかると言っているんです。二千万工事費かかっているのに百四十七万八千円ということないでしょう。これは見直さなきゃならない。前向きということは、そういう点も含めてやはり検討課題にしていただきたいということです。
  151. 光田明正

    説明員(光田明正君) 先ほど失礼いたしました。  百四十七万八千円、間違いございません、そのとおりでございます。これは、先ほど言いましたように上屋全体に対しての単価でございます。先生ごらんになりました桜洲小学校の場合は、五十三年度でございますが、これは五百万出しております。  個々の具体的なことにつきましては、設置者である市町村、県からの要望がありました段階におきまして検討いたしたいと存じております。
  152. 下田京子

    下田京子君 今のお話だと、柔軟な対応ができそうですから、やはりこれは予算措置で、考え方でやれるということで対応いただきたいと思います。  それから四点目になりますか、これは農水省おいでだと思いますけれども、他の委員から同じようにやはりお話がありまして、ミカンあるいはビワ等のビニール施設の問題ですね。福山町のミカン、もう大変なものですが、これ一番収入があるわせの温州ミカンでも反当で三十五万ぐらいだと。こういう状況の中で、ビニール張りかえにかかるのは一回二十万、年に二回とか三回なんというときもある。こうなってやれるのか。災害に対する個人の補助補助になじまない、こういうことなんですが、連日降灰で、しかも年一回なんというものではなくて、年二回あるいは三回、それが毎年毎年と。しかも収入が満たないわけですね。そういう中で、幾ら近代化資金なんて借りたって返せないですよ。私は、現地に行ってビワ畑を見ている間に、お隣の農家に行って聞いたんですけれどもね、もう、ちょっとひどい生活です。お話にならない。あれで文化的な人間的な生活なんてとてもじゃないけれども言えない。先ほど来からお話がありますけれどもビニール張りかえのための補助補助になじまないとか、それから共同施設になれば考えていきたい、こういうことなので、今百歩譲って、ここでは当面共同施設の問題として、新資材の開発のための予算をことしからということになっていると思うんですけれども、その災害対策総合推進調整費の中で、まだ大蔵省ときちっとことしから入れるというふうな確約を受けてないと伺っているんですけれども、これはちゃんととっていただけるんでしょうね。
  153. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 国土庁と今相談をしておる段階でございまして、ぜひその方向で実現するように私どもとしても努力をしたいと思っております。
  154. 下田京子

    下田京子君 一刻も早い新資材の実用化ということを図る必要があると思うんです。で、共同化の中で生きる道というのは当然やっぱり必要だと思います。  同時に、これも大臣にまた考え方の一点として申し上げておくのは、他の災害とまた別にここで考えなきゃならない――今の話だけでなくて、大臣も現地でごらんになっておわかりだと思うんですが、別途やっぱり考えなきゃならないと思うんです。県から聞いたときも、農業所得ですよ、農家所得じゃなくて農業所得を全国平均一〇〇とした場合、鹿児島県が五五だというんです。幾ら、もうお金貸しますよ、どうのこうの言ったって、それじゃ個人で農業をやろうという気持ちがあっても、やめるか、あるいは赤字赤字で借金だらけでも生きていくか、二つに一つどっちかなんていうような過酷な選択を強いる結果になると思う。そういう意味で、やはりこれは共同利用はもとよりですけれども、個人への問題ということも別途考えなければならない。一つの問題を私は投げかけられていると思うんです。  そこで、水産庁、軽石対策の問題なんですけれども、これももう五十八年に調査して結果が出ています。詳しくは私、述べるつもりはありませんが、問題は、調査した、さあこの次の対応をどうしようか、今現地といろいろ相談中だということなんですが、専門でないものだから軽々に言わせていただきますと、要するに海面清掃を速やかにできるものがあればいいわけですね、軽石の。そういった事業を何とかやっぱり考えていくべきじゃないか、そのような観点から対策を急いでいただきたいということなんです。
  155. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 現地の方で、今お話しのように、清掃事業の方に最近の要望の重点が変わってきておる実情でございまして、水産庁の事業といたしましては、こういった事態に対応する一般的な事業としては漁場環境維持保全対策事業というのがございますので、こういった事業に該当するような形での要望ということがまとまってくれば、そういった制度の活用について検討してまいりたいというふうに考えております。
  156. 下田京子

    下田京子君 建設省お尋ねしたいんですが、以下は、やはりこれは政令を見直すとか、あるいは補助要綱を見直すとか、法律そのものの考え方を変えなければどうも対応できないなというのが他の委員の御質問等を通じて、また、現地へ行ったり、皆さんからいろいろ伺っている中でわかってきたことなんです。  建設省、ひとつ降灰除去事業補助率一律三分の二にせよということ、これは大体対応しているみたいな話しましたけれども、全部が全部対応されていないのは言うまでもなく御承知だと思うんですよ。しかし、これは政令改正すればできるものだと思うんですが、そうですね。
  157. 帆足建八

    説明員(帆足建八君) お答えいたします。  それにつきましては政令で定めてございますので、よろしく……。
  158. 下田京子

    下田京子君 政令で定めておりますのでよろしくということでしたから、それはそうすると、国会でなくて閣議というか、大臣の腹づもりでできるわけですね。よろしく私もお願いしたいと思います。  補助要綱なんですけれども、公共下水道それから都市排水路の断面三割云々の補助の問題なんですね。あれは実態に合いません、全然。というのは、県でも言っていましたけれども、三割まで待とうということになったら、待てば補助対象になるんです。せっせと住民要望にこたえてきれいにしたらならないという、こんなばかな話はありません。それから、路面清掃車の購入補助率もこれも補助要綱で改正できるはずです。そうしますと、これらもやっぱり大臣なんかの考え方、政府・与党の考え方で対応できることだということを私は指摘しておきたいと思うのです。時間がないから、そこは指摘だけにとどめます。  それから次に、具体的なお話、これは県会議員さんが現地でもう大演説をぶたれています。具体的にお話を聞きたいということで資料が渡されました。それを見てまた現地に聞いたんですけれども桜島町の場合に、五十八年度の一般会計が十九億四千万円、うち税収がわずかに一億六千万。地方債残高が十六億三千七百万、うち桜島防災関係債が五億五千四百万。まさに赤字団体寸前だと。そんなに大変なんですね。それで補助率等の見直しなんかもしていかなきゃならないということで、他の委員からさっきもありましたけれども、私は考え方として、やっぱり今の現行法ではだめだ。やはり改めた振興策――防災防災ではなくて、その中でも生きていく。さっき大臣いいこと言いました、子供に誇れる桜島を残していけるように。そしたら振興策を図らなきゃならない。その振興策を図るためには、一定のやっぱり法律の見直しもしなきゃならないんです。  その点から聞きたいのですけれども、避難港の場合ですけれども、この港湾補助、奄美振興法では幾らですか、離島振興法では幾らですか。それから活火山法に基づいての補助は幾らですか。それぞれまとめてお答えください。
  159. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) お答えいたします。  桜島におきます港湾の整備でございますが、これは通常の補助率になっております。したがいまして十分の四。それから漁港……
  160. 下田京子

    下田京子君 避難港。
  161. 杉岡浩

    政府委員(杉岡浩君) 避難港というのは、桜島の場合は港湾及び漁港ということで整備をいたしております。したがいまして十分の四ないし二分の一ということでございます。  ところで、離島振興法あるいは奄美群島振興開発特別措置法、これは国土から隔絶されたハンディキャップを持つ離島の振興ということで、補助率、港湾によってはいろんな種類がありますが、高いもので離島につきましては十分の九・五、あるいは十分の十というような高い率になっております。
  162. 下田京子

    下田京子君 大臣、今ずっと各省庁ごとに私、こうしてきましたが、予算措置でできるものもあります。それから、政令改正というのは、これはもう閣議やなんかでやればできるわけです。それから、今言うように、法律そのものを変えなぎやならない。議員立法の分野は私たちも対応できます。予算措置、あるいは政令、そういったところで対応できる部分は、まずやっぱり優先的に来年の予算に向けても対応いただけるように、決意新たに取り組んでいただきたいということで、御決意をお聞かせください。
  163. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 予算の枠の問題ですから、これは各省庁にぜひ協力を願って拡大をしていかなきゃならぬ、こういうふうに考えております。  政令の場合ですが、予算を伴わない政令というものですと、これは各省庁を経て閣議決定をされていくわけでありますが、予算を伴うという問題でございますと、その政令の初めの踏み出しがらなかなか私は抵抗が厚く、問題があるのではないか、こういうふうに思いますが、しかしながら下田委員熱意を込めた質問でございますので、私のできる限りの努力をしてみたい、こういうふうに思っております。
  164. 下田京子

    下田京子君 予算を伴う政令改正というのは大変だということなんですが、そうなりますと、やっぱり法律も根本的に新たな振興策という立場から考えざるを得ないのではないかという点で、これはもう主張だけにしておきますけれども、いろいろ言われておりますが、住民の暮らしがどうなのかというのが政治のやっぱり根幹だと思うんですよ。そういう点で雑損控除の話も出ましたけれども、これはもと農水省の鹿児島県の統計情報部に勤めていた方がいろいろ調査された試算等も出ております。五十五年のあれですけれども、総理府の全国家計調査をもとにしてやった場合に、鹿児島市内で一世帯当たりの水道料金、クーラー等電気料金あるいは降灰のために要した費用等々見ますと、一万五千七百円ぐらいになる。そういうこともありまして、豪雪地域と同じように降灰による云々というところが一つ入ればいいわけなんで、そういう点で所得税法の第七十二条改正とか、それに基づく政令の第二百六条の見直しとかということになるわけで一やはりこれは法改正というふうなことも含めて考えなければならないなと、そういう点から重ねて御指摘申し上げておきます。  時間がもうなくなりましたから、二点まとめて聞きます。  熊本県の五木村のあの土砂崩壊によって十五人の方が亡くなった痛ましい事件の問題なんです。.現地に共産党はすぐに調査団を派遣いたしました。いろいろ原因究明等も今後対応を急ぐべきだということも言いました。そこで二点まとめてお聞きしますから、時間がありませんので簡潔にお答えいただきたいんですが、一つは十五人亡くなられ方の中で十四人には弔慰金が支給されたのですけれども、お一人の方に弔慰金が出なかった。理由は、現行法によってこれは兄弟には支給されないのですね。やっぱりこれは見直さなきゃならないと思います。  それから二点目、災害の原因、林道が原因しているんじゃないか、いろいろ御指摘があります。現地に参加されたお一人が、これはそうでないというようなことを軽々に言われたようですけれども、一方現地の大学教授等は、いやそうじゃない、地質その他総合的にもっと対応しなきゃならない、対策を練らなきゃならない、そういう御意見も出ています。ですからやはり災害というものは起きてからでは遅いのです。二度繰り返さない、こういう立場で厳密な調査をいただきたい。この二点まとめて御答弁ください。そして終わります。
  165. 近藤純五郎

    説明員近藤純五郎君) 災害弔慰金の関係でございますが、御承知のとおり災害弔慰金の支給等に関する法律は、四十八年に議員立法でできたわけでございますけれども、その際遺族の範囲を決めるには種々の議論があったというふうに聞いているわけでございます。  その際に、どういうことでこういう遺族の範囲が決まったかということでございますけれども災害弔慰金の法的な性格といいますものが、自然災害によりまして死亡された方の遺族に対する社会連帯によるお見舞金的な給付金である、こういうふうなことでございますので、民法の慰謝料の支払いの対象となる遺族である配偶者、子、父母、これを基本といたしましてあと厚生年金とか各種共済年金の遺族年金,こういったもので遺族の範囲になっております孫、祖父母というものを加えたというふうに聞いておるわけでございまして、画一的な基準といたしましては妥当な水準ではないかというふうに考えているわけでございます。
  166. 吉國隆

    政府委員吉國隆君) 崩壊の原因につきましては、専門家の方々に広範な各種の要素について御指示をいただきまして現在調査を進めておる段階でございまして、この結論を待ちたいというふうに考えております。
  167. 赤桐操

    委員長赤桐操君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十九分散会      ―――――・―――――