運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1984-07-12 第101回国会 参議院 建設委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年七月十二日(木曜日)    午前十時四分開会     —————————————    委員の異動  七月四日     辞任         補欠選任      安武 洋子君     小笠原貞子君  七月五日     辞任         補欠選任      小笠原貞子君     安武 洋子君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         青木 薪次君     理 事                 堀内 俊夫君                 増岡 康治君                 増田  盛君                 村田 秀三君     委 員                 安孫子藤吉君                 井上 吉夫君                 植木 光教君                 遠藤  要君                 工藤万砂美君                 志村 哲良君                 福田 宏一君                 二宮 文造君                 馬場  富君                 上田耕一郎君                 安武 洋子君                 山田  勇君    委員以外の議員        発  議  者  藤原 房雄君    国務大臣        建 設 大 臣  水野  清君        国 務 大 臣        (国土庁長官) 稻村佐四郎君    政府委員        国土庁長官官房        長        永田 良雄君        国土庁計画・調        整局長      小谷善四郎君        国土庁土地局長  鴻巣 健治君        国土庁地方振興        局長       田中  暁君        国土庁防災局長  杉岡  浩君        建設大臣官房長  豊蔵  一君        建設大臣官房総        務審議官     松原 青美君        建設大臣官房会        計課長      望月 薫雄君        建設省建設経済        局長       高橋  進君        建設省都市局長  梶原  拓君        建設省河川局長  井上 章平君        建設省道路局長  田中淳七郎君        建設省住宅局長  吉沢 奎介君    事務局側        常任委員会専門        員        田態初太郎君    参考人        住宅都市整備        公団総裁     大塩洋一郎君        住宅都市整備        公団理事     京須  實君        住宅都市整備        公団理事     武田 晋治君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○都市緑化促進法案藤原房雄君外二名発議) ○参考人出席要求に関する件 ○建設事業並びに建設計画に関する調査  (下水道管理業務民間委託に関する件)  (道路財源問題に関する件)  (信濃川河川敷に関する件)  (公団住宅の補修及び環境整備等に関する件)  (関西国際空港建設に伴う周辺整備に関する件  )     —————————————
  2. 青木薪次

    委員長青木薪次君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  都市緑化促進法案議題といたします。  発議者藤原房雄君から趣旨説明聴取いたします。藤原君。
  3. 藤原房雄

    委員以外の議員藤原房雄君) ただいま議題となりました都市緑化促進法案につきまして、提案理由及びその要旨について御説明申し上げます。  都市における緑は、都市景観を向上する機能を初め、防火・延焼の防止等都市防火機能、気候の調節・大気の浄化・騒音防止・生物の生息空間形成等保健休養機能など多様な機能を持ち、安全で快適な潤いのある都市環境形成するために大変重要な役割を持っております。  ところが、昭和三十年代に始まった政府亜工業中心高度経済成長政策もと産業基盤整備が着実に進められる中で生活基盤整備が後回しに、されてきたため、産業人口都市地域への過度集中に伴う無原則的な宅地造成乱開発自然環境の破壊と緑地の後退をもたらしたことは周知のところであります。  昭和四十年代以降これらの問題について種々対処する努力は払われてきましたが、その成果は極めて不十分であります。一方、オイルショックを契機に我が国経済は、高度成長から安定成長へという経済的転換を余儀なくされるとともに、都市住民の中にも都市潤いや、安らぎを求める角がかつてないほど高まってきています。  このような現状にかんがみ、当面する都市緑化対策階路の打開を図りつつ都市生活環境整備促進するため、都市緑化促進に関する方針策定を初め、国、地方公共団体事業者都市住民責務などを明確にせねばなりません。  以上がこの法律案を提出する理由であります。  次に、その要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、国、地方公共団体事業者及び都市住民が、それぞれの立場都市緑化促進するための責務を明確にしたことであります。  第二に、都市における緑化促進に関する方針、すなわち緑化促進に関する基本構想緑地の保全及び整備の目標、緑地配置計画等を決めなければならないこととしました。  節三に、都道府県知事が、都市緑化促進を図るため、特に環境を早急に緑化する必要があると認められる地域緑化促進地域として指定することとしました。  第四に、緑化促進地域にかかわる市町村は、当該緑化促進地域に関する緑化促進計画を定めなければならないこととしました。  第五に、国は、緑化促進地域内における緑化促進に資するため、必要な財政上の措置やその他の措置を講ずるよう努めなければならないこととしました。  第六に、地方公共団体緑化促進地域内における緑化促進するために行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については特別の配慮をすることとしました。  第七に、地方公共団体が良好な都市環境形成相当程度寄与していると認められる樹林地について、条例で必要な保護のための措置をとることができることとしました。  その他、都市緑化技術的指針整備都市緑化用樹木安定的供給を確保するための優良都市緑化用樹木制度等について規定を設けることとしました。  なお、この法律は、公布の日から起算して三カ月を経過した日から施行するものといたしております。  以上が本法律案提案理由及び要旨であります。  何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  4. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。     —————————————
  5. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  建設事業並びに建設計画に関する調査のため、本日、住宅都市整備公団役職員参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  7. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 建設事業並びに建設計画に関する調査議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を、願います。
  8. 村田秀三

    村田秀三君 まず、国土庁にお伺いをいたします。  国土庁が発足いたしまして、もはや十年を経過いたしました。先般、十周年記念の行事等もなされたのでありますが、これまではどちらかといいまするというと、いろいろ考えながら、なすべきことを探ってきたというような傾向もなしとしなかった、こう思うのでありますが、だんだんにその任務と責任というのが明らかになってきております。  そして、その後それに伴う体制整備されつつある、こう理解してもよろしいかと思うのでありますが、特徴的には、この七月一日、防災局が新設をされました。これもその一つであろうと、こう思うのでありますが、まずその防災局に昇格というとちょっとおかしいのでありますが、権限を強化した、こう言っても差し支えなかろうかと、こう思うのでありますけれども、その整備状況、従来と比較をいたしましてどのように変化をしたのか、あるいは強化されたのか、これについてひとつお伺いをいたします。
  9. 杉岡浩

    政府委員杉岡浩君) お答え申し上げます。  現在、国土庁災害対策につきまして、設置法によりまして権限が付与されておるわけでございます。その一つは、国の災害に関する施策の企画立案及びその推進が一つでございます。それから二番目は、災害に関します事務につきまして関係省庁等調整でございます。それから三番目は、災害対策基本法等に基づきまして内閣総理大臣権限がございますが、その権限補佐事務でございます。  以上のような防災に関する国土庁権限が付与されておるわけでございまして、これは非情に広範囲にわたるものでございます。  そこで、今回の七月一日、防災局設置されまして、従来一審議官、三課ということでございました。これが局をつくりまして、局長それから審議官、それに四課、すなわち一課ふやしました。これは後で申しますが、防災調整課でございます。それから企画官、これを四人。それからそういった全体の組織の拡充と同時に定員も、非常に厳しい環境でもございましたが、九人の増員をいたしております。  このように、組織及び体制充実ということに相なりまして、ただいま初めに申しました国土庁機能及びこういった災害に対します事務、これをより一層強化していく所存でございます。特に、先ほど申しましたように、国土庁におきます災害総合調整機能、これを十分発揮いたしまして、災害に対しまして迅速にかつ的確に対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  先ほど申しました、ふやしました防災調整課でございますが、今までの災害等をいろいろ見ておりますと、やはり災害予防という面が今後非常に大事になってくるであろうということで、その災害予防中心にとの声から、その対策を強化するということで防災調整課を置いたということでございます。
  10. 村田秀三

    村田秀三君 今もお話ございましたが、今までは本当に審議官を頂点といたしまして、何といいますか、その体制というのは極めて弱いと私らも実は思っておりました。そして、とかくいたしまするというと、どうしても災害が出ました際における連絡といっても、いわば小間使い役のようなそういう感じを持って見ておったわけでありますが、調整といってみましても、各省庁に分かれましてそれぞれ機能を持っておるわけでありますから、それを乗り越えてやるということはなかなか容易じゃなかった、こういう点も実は承知をしております。  しかし、今度は防災という名前がこれ冠されまして、そしていわゆる機能を集中すると言っても差し支えないそういう組織に変わったわけであります。だといたしまするというと、防災という立場に立ってそれぞれの省庁が持つそれぞれの機能に対してもある程度チェックするなり、あるいはそれを使用するというようなそういう力も持たねばなるまい、こう実は私は思っておるわけであります。しかし、そういいましてもできたばかりでありますから、それに対して今後さまざまなことを考えられておるものと思いますが、ここでひとつ国土庁長官、新設いたしました防災局、これをどう機能を強化していこうとしておるのか、お考えがありましたら一言御答弁をお願いいたします。  また、これ歴史始まって以来、防災局長、まさに初めてのポストでありますから、それに就任をいたしました局長所信などもひとつこの際伺っておきたいと、こう思います。
  11. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 今、新たな防災局長所信表明というような形で今後の取り組み方についていろいろ話がありました。  私といたしましても、こういう行革、いろいろ難しいときによく理解をしていただきまして国土庁の中で防災局設置をされた。しかも、先ほど来お話がありましたように、十年の節目の中で、日本自然災害、いろいろ災害の多い国でございますから、そういう意味防災局設置をされたということについて大変うれしく思っておるわけであります。  そういう意味で、いろいろ組織等との問題でも大変困難なときでありますが、九名の増員をされておる等々の関係から、またこれくらいに各省庁に幅広くまたがっておるものはないわけであります。つきものがあるいは火災であるとか、いろんな問題があるわけでございますが、これが各省庁相当またがっておることは御承知のとおりであります。そういう意味から、国土庁本来の役割と申しますか、各省庁連絡機能役割を果たす、こういう意味から各省庁と今までにない綿密な連絡を取り合って防災局設置とともに防災に対応していく、こういう決意でおるわけでございまして、特にまた国土庁の中には、防災局に対するところのあらゆる機能大変充実もされております。  そういう意味から、今後の防災に対してはいかなる防災にも過去と違って対応し得る、私は皆さんにもそういう自信がついたのではないかと、こういうように思っております。なお一層組織充実しながら防災に対応するかたい決意であることを申し述べておきたい、こういうふうに思っております。
  12. 杉岡浩

    政府委員杉岡浩君) ただいまの大臣の御答弁のとおりでございます。  国土を保全し、また国民の生命、身体、財産を災害から守るというのは国の責務でございます。この国の責務を執行するという防災局、これは非常に使命感を持って対処していきたいというふうに考えております。特に、先ほど大臣から御答弁がありましたように、国土庁ができましてちょうど十年という節目でございます。この時期に防災局設置されまして、その局長という拝命を受けましたことに非常に責任を痛感いたしておるわけでございます。  今後は国土庁長官の指揮のもと、また参議院の建設委員会委員長さんあるいは委員先生方の御指導によりまして、その万全を期してまいりたいというふうに考えております。特に、先ほど申しましたように国土庁調整官庁でございます。関係省庁と緊密な連絡をとって災害対策に的確に、しかも迅速にこれを行うというふうに考えておりますので、よろしくお願いする次第でございます。
  13. 村田秀三

    村田秀三君 次に、これまたこれからもしばしば議論しなくちゃならぬ課題ではあろうと、こう思いますけれども、来年度から発足を予定しておりますところの第四次全国総合開発計画策定準備作業を進められておりますことを私も承知もいたしておりますし、また長期展望作業、それぞれの課題について発表されたようであります。それを一々ここで議論をするというつもりはないのでありますけれども、その策定基本構想といいますか方向づけといいましょうか、これについて概括的でも結構でございますから伺っておきたい、こう思います。
  14. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 四全総策定に当たってはということでございますが、これは当然今度の眼目国土の均衡ある発展、こういうところに眼目を置かなきゃならぬと思っております。  さきに三全総、これが策定をされたわけでございますが、このわずかな期間でございますけれども、大変やはり日本の状態というか、これが大きく変わってまいりました。そういう意味から、二十一世紀に向けてやはり日本国土はどうあらねばならぬかということで、三全総の発展的な解消として四全総策定が今盛んに作業が進められておるところであります。  大きく変わってまいりましたというのは、やはり何といっても高齢化社会と申しますか、これが大きく変わってまいりました。特にまた、都市化というものが大変急激に進んでまいっていることは御承知のとおりであります。あるいは技術革新、あるいは国際化等々こういった問題が大きく変化をしてまいりまして、ここでやはり将来の住みよい国づくり安らぎのある国づくりということから四全総策定に入ったわけであります。  そういう意味から、四全総で、やはりいいところは継承しながら、言うならば定住構想というものは極めて日本国土開発のためにも必要欠くべからざることであります。定住構想等々の基本と、こういったことも重要な柱といたしまして、特に今先ほど来申し上げましたところの手狭な日本国土でございますから、やはり何といっても過疎、こういったところに相当の重点を置きながら、二十一世紀に向けてのビジョンづくりをする必要があるのではないか、こういうふうに私は考えておりまして、誠心誠意国土庁調整機能役割を果たしながら、各省庁連絡を密にしながら、また当委員会等々の意見をも相当聴取をしながら立派な四全総策定をなしていく必要がある、こういうふうな考え方でおることを申し上げておきたいと思います。
  15. 村田秀三

    村田秀三君 今、具体的な議論をする段階でももちろんないわけでありますが、先般新聞に発表されました長期展望作業、三部門にわたって発表されたようであります。  これは一例として申し上げるわけでありますが、幾つかいろいろな課題がございます。人間が推測することでありますから仮定の中には誤りもあるとは思いますが、いずれにいたしましても、その中で数字的に特徴的に出ております課題というのは農業人口ですね。一九八〇年の六百九十七万人から二〇〇〇年には三百四十三万人、二〇二五年には八十四万人と、こういうことでございまして、この段階では農業人口は八分の一になる、こう示してあるわけですね。これは過去の経過を類推すればそうなると、こういうことであります。  農業生産に対して、では量的な判断がされているかといいますると、この文章の限りではそうは書いておりません。それから農業生産に対する技術的な新しい開発、そういうようなものでカバーできるであろうというような言い方はいたしておりますものの、しかしだれしもが考えることは、これは農業生産の急激な落ち込み、食糧の確保が極めて困難になる、こうこれは断定的に言えるわけです。  そこで、今日の食糧事情考えてみますと、農林水産大臣は米の需給計画の失敗の責任を追及されて、もうやめなさいなどと、こう言われておるようでありますけれども、非常に食糧の問題というのは今後日本の将来にとって重大な問題である。しかも、食糧輸入の外圧というのが日増しに高まっていることはこれまた想像にかたくないわけであります。  だとすれば、いわゆる四全総策定に当たりましては、つまりはこういう長期展望、推測、類推して出ました統計をもとにして、ではその段階日本食糧国内で自給するというような政策課題というものを大胆に打ち出すという考えを持っておるのかどうか。ただ指導だけがモットーになりまして、それぞれの関係する省庁は適当にひとつ政策を立てなさいと、こういう考えでおるのか。いわゆる国土庁は総合的に調整をして、そして日本食糧というものは農水省が責任を持って一〇〇%確保しなさいというような、そういう大胆な物の言い方ができるのかどうか、この点についてひとつ伺っておきたいと思います。
  16. 小谷善四郎

    政府委員小谷善四郎君) ただいま先生が御指摘いただきました試算は、昭和五十年から五十五年の五年間に見られました農業就業人口動きを単純に今後も継続するという仮定を置きまして伸ばした結果として出てきた数字でございまして、したがいまして、例えば二〇〇〇年三百四十三万人、二〇二五年八十四万人という数が計画としても望ましい数であるということを示したつもりではございません。  それからむしろこのことをやりましたことは、このような動きが現にありまして、そういう動きの中で今後の我が国食糧供給国土基盤管理といった面での脆弱化を招くおそれを含んでいる、そういうことをこの数字をもって示したという趣旨のものでございます。したがいまして、これはあくまでも国土審議会計画部会におきまして四全総ビジョンを探るための検討を行う際の議論一つの素材として試算し、提出したものでございます。  したがいまして、四全総策定に当たりましては、先生も御指摘になったところでございますが、長期的には世界食糧需給というものは必ずしも楽観が許されないということがございますし、またそれぞれの地域、特に農業及びその関連産業に大きく依存している地域におきましては重要な雇用機会をつくり出しているわけでございますし、さらにはまた、農業を維持発展させることが国土資源管理の面でも好ましい影響を及ぼすといったことも考えまして、国民生活の安定と地域社会発展を図る上で農業の果たす役割は大きいという基本的な考えに立って今後考えていきたい。  その際に、同時に農業においても技術革新といったものがこれから進むと考えられますので、そのことを通じて、生産性の上昇でありますとか、新しい農業経営発展でありますとか、あるいはまた先ほど試算で出したものとは違った新しい農業就業者の参入といった可能性も十分あるわけでございますから、そういうことも十分配慮しながら、二十一世紀へ向けての農業あり方食糧自給あり方、あるいは農山漁村整備あり方等々につきまして、農林水産省等とも十分連絡をとりながら検討を深めて四全総に盛っていきたい、こういう考え方でございます。
  17. 村田秀三

    村田秀三君 私もそこは十分承知をしておるわけであります。ただ、審議会といいましても、一つ原案があって、そしてそれに対していい、悪い、案外そのとおりでございますという結論が出るのが通例であります。でありますから、国土庁として原案を作成する段階が極めて重要であると私は思いますので、つまりは私が今申し上げましたような懸念、今、後段いろいろ説明ありましたが、とにかく日本人が食べる食糧はせめて米だけでも、これは肉から果物からということになりまするというと、まあ私個人の気持ちといたしましては、園内で生産するのが妥当であると、こう思っておりますが、そのときの情勢もございましょう。しかし、主食である食糧というものは国内で一〇〇%自給するという、それを根幹として物事が進められていくことが必要である、こう実は考えておるわけでありまして、でありますからいわゆる政策についても大胆に提起をしてはどうかと、こういう物の言い方を今するわけであります。それは要望であります。  同時にまた、関連するのでありますけれども、三全総の総括といいますか反省といいますか、これは十分に行われておるのではなかろうかと、こう思いますが、その点はいかがでございますか。
  18. 小谷善四郎

    政府委員小谷善四郎君) 昭和五十二年に決定を見ました三全総計簡につきましては、先ほど大臣からもお話がございましたが、日本経済社会情勢が、その後第二次の石油ショック等もありまして、あるいは世界経済の低迷といった事態もありましたりしまして大きく変わってまいりまして、したがいまして三全総を総点検する必要があるということで、約二カ年間にわたりまして国土審議会の中に調査部会というものを設けまして御審議、御検討いただきました。その結果として、三全総フォローアップ報告といったものを昨年の六月に公表いたしまして、昨年の十月の国土審議会において正式に調査部会から報告がなされた、こういう経緯がございます。その中で三全総についてのいろいろな問題等についても十分検討したものでございます。
  19. 村田秀三

    村田秀三君 その審議会結論、実は私うっかりいたしましてよく承知しておりませんが、一例を申し上げます。恐らくその総括の中にあるかどうかは知りませんが、青森県のむつ小川原開発計画ですね。これは計画の当初からいろいろ議論をされて、そして今日、今もって行方がわからぬというような話を聞いております。私は具体的にこの問題を取り上げて今まで質問をした経過はもちろんございませんが、この際でありますからちょっとお聞かせいただきたいと思いますが、当初の計画そして現状がどうなっておるのか、そして将来これをどう展開をしようとしておるのか、その辺のところをひとつお知らせをいただきたいと思います。
  20. 田中暁

    政府委員田中暁君) 先生も御承知めどおり、むつ小川原の開発の構想は、最初四十四年の新全総におきまして、いわゆる大規模プロジェクトの一つとして構想が打ち出されたわけでございます。その後、青森県が一次の基本計画を立て、これは相当けた外れに規模の大きいものであったわけでございますが、その後、五十年にもっと具体的なむつ小川原開発第二次基本計画というものを策定いたしました。これは県の計画ではございますが、国家的なプロジェクトであるということから、昭和五十二年に閣議の了解をとりまして、内容といたしましては、関係省庁において第二次基本計画をしんしゃくしつつ、計画の具体化のため所要の措置を講ずるというものでございます。また、政府のいわば受け皿といたしましては、関係十三省庁によりましてむつ小川原総合開発会議というものを組織いたしましてやってきたわけでございます。  また、同年の十一月に決定されました三全総の中に、大規模工業基地をむつ小川原地区に建設ということがうたわれたわけでございます。その基本的な考え方といたしましては、工業開発を軸にしながら産業の振興と住民の生活及び福祉の向上を図る。また、ひいては国土の均衡ある発展に資しようとするものでございます。現在、この第二次基本計画に基づきまして港湾や道路、あるいは小川原湖の総合開発などの基盤整備が進められておりまして、また関係者の間で企業立地の推進に鋭意努力いたしておるところでございます。  現状といたしましては、まずインフラの整備中心になります港湾について申し上げますと、作業船の基地が完成いたしまして、二千トン級の岸壁がニバース供用を開始されております。五十九年度からは沖合の東防波堤の工事も本格化する予定になっております。土地の取得につきましては、全体の九割弱の取得を行っておりまして、特に民有地についてはほとんど完了をいたしております。ただ、企業立地につきましては、御承知のとおりこの計画では工業基地におきましては石油コンビナートの建設を想定いたしておったのでございますが、御承知のような我が国経済の基調の変化によりまして、これは非常に厳しい状況に相なっております。現在のところ、石油公団によります国家石油備蓄基地、二百六十ヘクタールばかりでございますが、この立地が決まっておりまして、過般タンクへのオイルインが完了いたしているという状況でございます。  今後の方針でございますが、御指摘のとおり石油シリーズの立地というものは非常に難しい情勢に相なっておりますけれども、長期的な視点に立ってこれを見ますと、依然むつ小川原地区というものは全国でも大変数少ない、かけがえのない大規模な工業基地でございまして、またあの地区の地域振興の観点からも極めて重要であるというように認識をいたしております。したがいまして、今後とも政府といたしましてもこの開発を全面的にバックアップしていく必要があるというように考えておるわけでございます。  問題は、石油シリーズにかわります企業立地の方向をどう探るかということでございますが、これは四全総策定作業等を通じて検討を加えていく必要があるというように考えておるところでございます。  なお、ことしに入りましていわゆる核燃料サイクル基地の立地問題が水面上に浮上して、いろいろ論議を呼んでおるわけでございます。この四月二十日に電事連から青森県に対しまして立地の協力要請があったところでございますが、現在の段階では、なお具体的な立地点やあるいは事業計画提案は行われておりません。こういったものが明らかになりまして、青森県初め地元で受け入れの合意が得られました段階におきましては、国土庁といたしましても関係省庁十分連絡をとりまして、五十二年の閣議了解の見直しを含めて積極的に対応してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
  21. 村田秀三

    村田秀三君 その問題についてここで具体的にいろいろと詰めて話をしようとは私は思っておらないわけであります。ただ、とにかく二十年近くなるにもかかわらず、その時点その時点で確かにいろいろなことは言われるのだけれども、それは経済的な側面、これが大きな理由であるというふうに言われるかもしれませんけれども、必ずしもそればかりじゃないと思うんですね。果たして、その地域にそれだけの工業立地を図ろうとする際に、しからば産業界等がなるほどあの地域はまことにふさわしいからとにかくお話なくても参りますよというような条件というのが実際にあったのかなかったのかということもまた考えてみなくてはならぬではなかろうか、こんなふうに実は私個人は思うわけです。  そういうことを考えてみますと、四全総にしからば地域を指定して、そして先ほどの長官のお話じゃございませんが、均衡ある発展を図るということ、しかも過疎に重点を置くと、こういうことになりますると、かなりのこれは強力な政策を展開する、財政も投入しなければならぬと、こういう問題になりましょう。雪の問題などについては随分と議論したところでありますけれども、といたしますると、やはり四全総にそのような課題もまた当然にして表面化するとするならば、単に一つの夢を与えるというのではなくて、少なくとも関係省庁産業界、民間そして地域住民、地方自治体はもちろんでありますけれども、とにかく納得して協力するような体制ができない限りはこれは実現不可能だと、こう思うんですね。  確かに、突発的な予想もしなかったところの大事件が勃発いたしまして、そして何か計画に大きな支障があるというならばこれはやむを得ないかもしれません。しかし、この際は石油ショックだけてあります。石油ショックは既に終わっております。終わってもなおかつそこに企業が張りつかない。こういうことになりますると他に原因を考えざるを得ないということになるわけでありますから、とにかく四全総策定するに当たりましては、そういう地域指定もありましょう。だとすれば、それには実現可能性を持って、夢を与えるのではなくて、夢ではあったけれどもそれが実現したという結果が何年かの間には出てこなくてはならぬのではなかろうか、こう実は考えるわけでありまして、今私は、先ほど来の例を一つ挙げまして、そして地域の問題については今一つ例をとったところでありますけれども、とにかくそういうことを十分に配慮して四全総策定に当たってもらいたい、こういうつもりであります。  確定するまでには何回となくまた議論する機会もあろうかとは存じますけれども、これは私個人の意見ということになるかもしれませんが、いずれにいたしましても、過去の例に徴しましてその辺のところは十分に配慮しながらひとつ進めていただきたいものと、こう思うのであります。長官の見解を承りたい。
  22. 稻村佐近四郎

    国務大臣稻村佐四郎君) 個人的な意見と、こう言われております。大変重要な意見だと思って受けとめておりました。あそこは大変、町も議会で決議をしていると、あるいはまた執行部としても何としてもやっていかなければ過疎に過疎を生むと。それから北村知事さんも大変これには情熱のすべてを傾けられておるというような感じがいたしました。  しかしながら、これは何といっても受け入れ側の態勢、条件が極めて大事なことでありまして、やはり地元の方で反対をされるというものは、これをやれ、これをやらなきゃだめだとかと、そういうようなことはとてもじゃない、言い得るものじゃありません。あくまでもやはり受け入れ側の地元、それから県等々の意見は十二分にこれは尊重しなきゃならぬと、こういうふうに受けとめておるわけであります。  そんな意味で、こういったような核燃料サイクル、特にいろいろなこれに対する反論と申しますかアレルギーと申しますか、大変強いわけでございますから、こういったものを誘致するという場合においては、それなりの相当の強い条件がつけられていくものである。また、あの周辺もそれを大変期待をしているわけで、ただつくった、ただ交付金という形で金がおりたと、さようならと、それじゃとてもじゃない困る。あくまでもその周辺が経済浮揚を図れる、あるいはまた雇用関係が拡大する、こういった条件が整わない限りにおいては、そんなに素直に地域の住民の皆さん方らは受け入れる条件が整わないのではないかなと、こういうふうに私は思っておるわけであります。  今、村田さんの意見を十二分に配慮しながら、やはり受け入れ側の態勢等々も見きわめながら、必要があるとするならば策定の中に入れて、国家的な最大の事業として進める必要があるのではないかと、こういうふうに思っておるわけであります。
  23. 村田秀三

    村田秀三君 次に、建設省にお伺いいたします。  多分一昨日だと、こう思うのでありますが、前々からお話は伺っておりましたけれども、いよいよ確定をしたということでありますが、それは東京都の下水道の管理、その一部を委託すべき機構として東京都か水道サービス株式会社なるものの設立を正式に決定したようであります。その会社設立までの経過あるいは会社の概要について建設省として承知をしておりますならば、これ承知しておらなければおかしいものでありますが、全親についてひとつお知らせをいただきたい、こう思います。
  24. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) お答えいたします。  御質問のとおり、このたび東京都におきまして、下水道施設の維持管理の一部を民間、株式会社形式のいわゆる第三セクターを設置いたしましてそこに委託するという構想が進んでおりまして、過日、東京都から資料等を取り寄せてお話も聞いたわけでございますが、その概要は、資本金を都が五千万、民間が五千万、それぞれ折半で支出いたしまして、下水道施設め運転及び補修等あるいは下水道管の故障処理及び排水設備調査等のサービス等々の業務を内容といたしまして、新しい組織をこの八月一日に設置したいということで準備が進められておるようでございます。具体的には、芝浦の水処理センターの汚泥処理施設の運転業務の受託、それから東京都に下水道一一〇番という制度があるようでございますが、その二十四時間即応体制の確立等々の仕事をされるというふうに聞いております。
  25. 村田秀三

    村田秀三君 建設省が、こういう第三セクターとはいいながら、商法に基づく株式会社設立について東京都が構想を持った段階以降、何か相談を受けていた経過がございますか。
  26. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 正式に御相談を受けたことはないというふうに承知いたしております。
  27. 村田秀三

    村田秀三君 だんだんにこの内容等に触れざるを得ないと、こう思いますけれども、この会社はもちろんのこと、これ一部事務組合でもなければ公共的団体でもないと思います。商法上の株式会社ということは、収益事業体、収益企業だと私は考えるのでありますけれども、建設省としてはどうお考えになりますか。
  28. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 通常の商法の株式会社でございますので、特別の性格のものじゃないというふうに思います。
  29. 村田秀三

    村田秀三君 そうすると、特別な性格ではないということだけで、商法上の株式会社である、あくまでも利益を得るためのいわゆる会社であると、こう理解してよろしいですね。
  30. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 商法に基づく株式会社でございますが、出資を東京都が半分出すということでございます。同じ株式会社でも、その内容によりましてどういう業務を施行するか、あるいはどういう営業方針を施行するかということは非常に幅のある話であろうかと思います。東京都が公的な立場で関与するということは、形態といたしましては株式会社でございますけれども、その会社経営の理念の中には公共的な目的があろうかというふうに推察するわけでございます。
  31. 村田秀三

    村田秀三君 私が伺っておるのは、これは商法に基づく会社であり、収益を目的とする企業であると、私はそう思いますがおたくはどう思うかと、こう言っているわけです。
  32. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 商法上の扱いといたしましては、通常の株式会社と変わらないというふうに思います。
  33. 村田秀三

    村田秀三君 これは収益剛体なんですね、明らかに。公益団体が出資をしているから公的な性格も持っていると、こういうふうに言いますけれども、なるほど気持ちはあるかもしれないけれども、実体としては明らかにこれは商法上の株式会社であり収益前体である、こう断定せざるを得ないわけです、これを見てまいりますと。といいますのは、昨年間だけではありますけれども、いわゆる収支計算書が出ている。この十日に出されたという資料を私拝見をして物を言っているわけでありますが、ことしはこれは中途半端であります。六十年度は平年度であります。もちろん六十一年も平年度であります。そして六十一年には二千八百六十九万円の利益が出ることになっておる。事業開始二カ年の累積赤字がほぼ半分償却できる。そしてこの段階では赤字は二千八十八万、こういうことでありますから、これは六十二年度には赤字は全く解消する。それ以降は利益が思う存分望めるというそういう事業計画であります。  しかも、初期の段階においては芝浦の処理場だけというふうに言っておりますけれども、事業計画の中では、順次これを拡大していく、こういうことを言っておる。そうすると、この事業というのはまさに膨大になりまして、そしていわゆる委託料、受託料の決め方によってかなりの利益を受けることもできるし、そして付随する業務、これによってもかなりの利益を上げることができる。明らかに収益団体であります。  これは、下水道法の関係であるとか、あるいは水質規制法であるとか、そういうものにかかわって、いわゆる公共下水道、極めて公共性の高いものであると断定的に物を言って今日までの法体系なり行政の指導体系なりができてきておったと、こう思いますが、この収益団体である株式会社、それをこの下水道処理一貫体制の中に組み込んでよろしいと思いますか、思いませんか。
  34. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 私ども下水道施設、例えば処理場の施設の維持管理につきまして民間に委託することについては、委託可能の範囲内で管理者が一定の条件、例えば最終的な責任を負うとか、そういう縛りの中で民間会社に委託することは差し支えないという姿勢でまいりました。  その委託することが可能な範囲でございますが、下水道法あるいは地方自治法等の制度的な枠がございます。そういうことを考えますと、まず公物警察権に属するものは委託対象にならない。したがって、公物管理権に該当するものが委託の対象になるわけでございますが、そのうちでも権力的色彩の強い権限は対象外だと、こういうふうに通常言われておるわけでございますが、それで、残りますのは公物管理権のうち、権力的色彩の弱いものというものでございます。これにつきましては地方自治法二百四十四条の二という規定がございまして、「公共団体又は公共的団体に委託することができる。」と、こういう規定がございます。  それで問題は、その委託という概念でございますが、権限を委託するというのがこれに該当するというふうに思うわけでございます。その場合には、当然に公共団体または公共的団体に委託しなければならない、こういうことでございます。  今まで、全国に処理場がございまして、維持管理の一部を委託いたしておりますが、私どもといたしましては、この管理権限から派生する個別、具体の事実行為について委託するということについては法的に何ら問題ない。もう帆に世間的には広く行われておりますマイナーな事例でございますけれども、ビルの清掃を清掃会社に委託する、そういうものは何ら差し支えないということでございまして、そういう意味の委託をすることについてどうかということでございますが、私どもの従来の行政指導といたしましては、個々の地方公共団体におきまして、そういう必要性が実際上ある、また諸般の情勢の中で可能であるという場合には、最終的には管理者の責任体制をとっていただくということでございますが、その範囲内で委託されることは差し支えない、こういうことで指導してまいったわけでございまして、この東京都の案件につきましても、私ども今まで勉強した限りは、そういう管理権限を第三者にゆだねるということでなくて、管理権限から派生する事実行為を委託するということでございますので、法的な問題はないというふうに理解しておるわけでございます。
  35. 村田秀三

    村田秀三君 いろいろ言いましたが、細かい法律関係、今ある法律関係からするところの矛盾点というのは別途時間をとって私は詰めてみたいと、こう思っております。だから、そういう関係は別にいたしまして、何ら具体的な答弁になってないですよね。いわゆるこの会社がどの部分をどうやろうとしているかという、そういう話にまでまだ入ってないわけですから。  それから、よしんば全く、最終処理、私も千葉県の印旛沼水系の終末処理場を見てまいりましたが、最終的に搾り出されるものをどう利用するかにもよりましょうが、それを運搬する仕事まで委託してはいかぬとは言っておらないわけです。これはこういうことになるんじゃありませんか。いわゆる鉄道だったら乗っても乗らなくてもいいということはあります。電話だったらかけてもかけなくてもいいということはあります。しかし、下水道に関しては、いわゆる排水地域指定をいたしますると、そこに居住する人は、好むと好まざるとにかかわらず、この施設を使用しなければならないと法律で明示してあるわけです。しかも、これ罰金を与えるわけですよ。公権力がこれほど強力に及んでおるところの社会施設というのはございませんよ、はっきり育って。水道にはないです。下水道だからあるんです。  その強制使用を課して、しかも罰則までも法律が認めたという理由は何ですか。これは一貫されているはずです。まさに搾り出されたかすを運搬する語とか、その事業場を清掃するなどというならば話はまだしも、しかし、使用するということは、一貫体制責任を持つことです。罰則も科す、これほど公共の最たるものはないわけでありますから、どの部分をこれは委託してよろしいという点を明確にすると同時に、この東京都のいわゆる汚泥施設、それの委託ということがこの法の精神に基づいて考えて妥当だと建設省はお思いになるんですか。
  36. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 先生御指摘のとおり、下水道につきましては、その供用区域の住民が事実上使用を強制されるというようなこともございまして、公共性の高い施設でございます。また、そういう公共性に対応した法制度にもなっておりますし、私どもも、そういう精神でこの下水道施設の運営管理に当たるべきだという点は、先生のおっしゃるとおりでございます。したがいまして、私どもも従来から、すべて直営でやりなさいとも申しておりませんが、また何でも委託して差し支えない、こうも申しておりません。一定の法律の制度の中で、しかも個々の地方自治体の諸条件の中で、現実的に可能でありかつ妥当であれば委託して差し支えない、こういうことでございまして、東京都の場合に具体にどうかというお話でございます。  お聞きいたしておりますと、会社でどういう仕事を具体的に細かい点までやるかという点につきましては、契約の時点までにいわゆるマニュアルをおつくりになるというようなことでございまして、その作業を今進めておいでになるということでございます。いずれにいたしましても、下水道の公共性、その適正な管理が担保されるということが必須の条件でございますので、東京都におかれましても、その委託業務については十分検討して実施していただきたいというふうに思っているわけでございます。
  37. 村田秀三

    村田秀三君 答えになってないですね。発足までにはっきりさせるみたいなことを言って、だからわからないようなことを言うのでありますが。  それでは、ここで伺いますけれども、いわゆる委託料、この委託料と料金との関係はどうなっていますか。つまり汚泥処理施設の運転諸経費、それは使用料に対してどの程度の影響を持っておるのか、これをひとつ計算してみてください。それがそのまま委託料になるんだろうと思うんです。いわゆる今日の使用料の中に占める汚泥処理施設の運転諸掛かり費、それは使用料に対してどの程度のウエートを持っておるのか。  それを聞きますのは、下水道法第二十条に料金決定についての原則が明示されております。原価を超えてはならないと書いてある。でありますから、そこの計算までして、しかも委託料というのはその原価ですよ、委託料によってこの会社は収益を上げることはできませんよと、そこまで明確にならなければ、いかに用語を駆使して抗弁をしようとも、これは明らかに法の精神にも違反するし、社会的通念にも違反する、こう断定せざるを得ないんですよ。もっと中身をひとつ調べてください。法律の運用を責任を持って担当する建設省は、そんなあいまいな態度で、これほど公共に関する問題あるいは都民生活に重大な影響を与えるところの課題をいいかげんな考え方でごまかそうとしてもだめです。私が要求をいたしますのは、今私が申し上げました原価計算、これを正確に東京都について調査をして報告をしてください。委員長、いいですか。
  38. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 下水道事業経営の、私ども勉強いたしておりますから、今回のケースにつきましても勉強さしていただきたいというふうに思っております。しかしながら基本的には、下水道経営につきましてはその管理者である地方自治体が第一的な責任を持つということでございまして、御指摘のように、この委託の目的が、私ども承知しております限り、経営コストを下げるとかあるいは利用者の新しいニーズにこたえるとか、そういういわば理念があるわけでございますから、そういう理念に沿って、東京都におかれまして自治体として十二分の知識、経験、能力をお持ちでございますので、その責任においてまずやっていただきたいというふうに思うわけでございます。
  39. 村田秀三

    村田秀三君 そう逃げてはだめですよ。自治体がどうやってもいいということにはならぬのです。そのために法律があるわけでしょう。都の業務といえどもこの法律を越えてはならないはずです。そういう逃げの答弁ではだめです。  それじゃ、これ以上議論してもだめですから、今季貫長にもお願いしておきましたが、明確に私が申し上げました原価計算、これを出すと答えてください。  それからついでに申し上げておきますが、この資本構成ですね、民間五千万、こう言いますが、この出資者は、東京下水道設備協会、これが千六百五十万、それから第一勧銀、日本興業銀行、富士銀行、三菱銀行、朝日生命、安田生命、明治生命、大成火災、安田火災、東京海上火災、そして林田何がしという個人が一株持っておる、五万円。しかも定款には、これ特定限定発行の株です、商法に基づく株の買い方ではありますけれども、株なんというのは本来開放されるべきものだと私は思うのでありますけれども、しかし特定の団体、個人を指しております。こういうところからのみいわゆる出資を求めるというのはいかなる理由があるのか。林田という個人がなぜ一株五万円を出して株主になるのか、この関係も調べてください。よろしいですか。
  40. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) この件、いろいろ勉強さしていただきたいと思いますが、この委託業務につきましては、全国でも終末処理場の維持管理の一部を委託している事例もございます。ございますが、その委託先の会社につきましては、その委託する地方公共団体がそれぞれの判断で選別するということでございまして、その委託先の会社の細かいところまで建設省において介入していくということはどうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、一つのケースとして勉強さしていただきたいというふうに思っております。
  41. 村田秀三

    村田秀三君 勉強だけではだめですよ。私が要望したものをやるというのかやらないというのか、大臣にこれ最終的に判断してもらいます。あいまいではだめですよ。
  42. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 東京都に相談いたしまして、東京都が提出できるというものであれば提出さしていただきたいというふうに思います。
  43. 水野清

    国務大臣(水野清君) ただいま村田先生のいろんな御質問を伺いまして、いろいろ勉強さしていただくことがございました。原則として私の今申し上げますこともひとつ御理解をいただきたいのでございますが、下水道整備がだんだん進捗をしてまいります、普及率がまだ西欧並みではございませんが。そういたしますと、でき上がったものの維持管理業務というものがだんだん増大をしてまいりまして、下水道の目的、機能を今後十分に発揮させるためには、必要な維持とか管理ということが不可欠であることは御理解をいただけると思います。  同時に、地方公共団体の実情を考慮いたしました効率的な維持管理を行うということが当然起こってくるわけでございまして、このために、下水道技術者の養成であるとか維持管理体制整備を図るとともに、ここから問題でございますが、公権力の行使及び基本的な維持管理業務については、下水道管理者である地方公共団体がこれは自分でやっていただく。しかし、そのほかの維持管理業務について、下水道管理者である地方公共団体の自主的な判断によって委託可能なものについては、今日のような行市とかいろんな時代でございますから、なるべく効率的にやっていくためにも、ある場合には民間業者の活用を図り得るというふうに考えております。  しかし、ただいま先生の御指摘のような問題も確かに検討をする必要があると思います。ただ、これは東京都が同意をすればということでございますが、なるべく東京都からいろんな資料を取り寄せて、しっかりと勉強さしていきたいと思っております。  また、今御質問の中でもございましたように、この民間の東京都か水道サービス株式会社というものは東京都が半額出資をしておりますから、ある意味ではその株式を通じて東京都が是正するべきことがあれば私は是正できるのではないかというふうに思っておりますが、今後ともそうするように指導していきたい、かように思っております。
  44. 村田秀三

    村田秀三君 大臣答弁でございますから、東京都が了承すれば資料を出してもらう、こういうことではなくて、これは下水道法にかかわって疑問がある、少なくとも国会でそういう意見も出されたのでひとつ資料を出してもらいたい、出さないと言えるはずがないと私は思いますよ。そういうことでぜひ、それは細かい資料かもしれませんが、ひとつ出していただくようにお願いいたします。  同時にひとつ、もう一遍考えてみてくださいよ。公権力でそれは使用せざるを得ないように法律で義務づけているわけですよ。それに違反するとこれは罰則を適用しているわけなんです。そして一貫的にいわゆる終末処理場に来る、これはね。そしてこの会社はまさに独占です。独占禁止法との関係がどうなるのか、私もこれ検討をしてみなくちゃならぬけれども、通念からするならばこれはやってはいけないはずであります。しかも資本参加は特定の団体、特定の個人、開放しない、こういうことでありますから、これはしかも利益を収受する団体である。確かに都が半分出資したかもしれませんけれども、株の配当はあるわけであります。出資するについて、いわゆる利益を伴わない出資ということが前提であるとするならば、これは出資する側、株主総会であればそれは背任行為に通ずると私は思いますよ。全くもうけのない仕事を公共のためだから協力しますと、これなら幾らか話がわかるけれども、そうじゃなくていわゆる配当が将来出てくる。電力だってそうでしょう。これは公共企業であるから倒産は許すわけにいかぬ。したがって、経営が妥当性を保っていける料金策定という法律もあるわけであります。  そういうことから考えると、まさにこれ私企業にして、公共団体が五〇%出資しているから幾らかそれが薄まる、こういう青い方かもしれませんけれども、交通の問題や飛行場の問題と違いますよ、これは。株の配当は公共団体の出資金だって当然にしてこれは当たり前につくわけであります。それをどう処理するかは、これは私よくわかりませんけれども、いずれにしろなじまない話だと、これは。公権力で押さえて、使わなければならない、使ったものを私企業がこれを引き受けて事業をやってもうけ仕事にする、こういう論理になるわけでありますから断じて許すわけにいかない。したがって、それらの問題が解明されるまでは会社の発足をストップかけてもいいほどの問題だと私は思っています。  しかし、そこまで言いまするというとなかなか答弁しにくいでしょうから、先ほどの大臣答弁でまあここはおさめておきますが、今日の法令がどうかかわっていくかということは、私もこれからも検討しながらひとつ別途機会を持ちたい、こう思います。ひとつ本当にこれは慎重に扱っていただきたいと思います。
  45. 青木薪次

    委員長青木薪次君) お諮りいたしますが、東京都か水道事業の委託に関する問題について調査して本委員会に提出していただきたいというようにお願いしたいと思います。よろしゅうございますか。
  46. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 承知いたしました。
  47. 村田秀三

    村田秀三君 これはこの間建設省からおいでをいただきまして、勉強さしてもらったばかりであります。それは五十八年度に行われましたところの住宅需要実態調査、時間もありませんからところどころはしょることにいたしますが、この中で特徴的に私の目についたのは、親子三山代同居家族の住宅事情、こういう調査を五十八年度から初めて取り入れた、こういうのでありますが、その結果、そしてまた親子三世代というものを特に摘出をいたしましてここに取り入れました理由、目的、こういうものについてお伺いいたします。
  48. 吉沢奎介

    政府委員(吉沢奎介君) お答えいたします。  先生御存じのように、日本は今後急速に老齢化が進んでいくわけでございます。征宅政策といたしましても、この高齢化社会に対応いたしました施策の充実が求められているわけでございまして、今回調査におきまして初めて親と子供夫婦の住まい方に関する調査項員を加えたわけでございますが、それはこういう高齢化社会に対応する施策をどうするかということの基礎資料を収集するという同部でございます。  それで、その結果でございますけれども、三世代同居につきましてこの調査では、親と子供世帯との住まい方の現状、それから親と子供の住まい方の将来の希望、これを中心調査いたしております。それで、その結果といたしまして、親と子供夫婦の住まい方の現状につきましては、現在結婚した子供がいる観世帯の二七・二%でございますが、これが子供夫婦と現に同居しております。それから同一敷地内に住んでいるという者、あるいは同一の棟の中に住んでいるという者、あるいはすぐ近所、歩いて十分程度のところに住んでいるといういわゆる隣居あるいは近居と呼んでおりますが、そういうところまで含めますと、約四〇・三%が子供夫婦と近い距離に住んでいるという結果が出ております。  また、今度は希望の方でございますが、今後子供夫婦との住まい方にどういう希望を持っているかというのを調査した結果を申し上げますと、同居したいという世帯が四五・二%と非常に多くございます。また、同一敷地内に住みたいあるいは同一棟の中に住みたい、近所に住みたいといういわゆる近居、隣居の希望まで含めますと、六四・六%が近い距離に住むことを希望しておるという結果になっております。
  49. 村田秀三

    村田秀三君 今、高齢化社会に、何かうので、ではどうするかという、そういう目的ということでありますが、これはいろいろと憶測を交えてやりまするというとなかなかややこしい議論になるわけでありますが、ずっと見ますと、核家族は頭打ちに来ておると、こういうのが前提にもなっているようですね、調査全体の傾向を見ますと。そこで、これは厚生省あたりと連絡をとりながら調査をしたのかななどとも思ってもみましたが、その点はどうですか。
  50. 吉沢奎介

    政府委員(吉沢奎介君) 私どもこの調査をいたしますときに厚生省とは直接に連絡をしてやったわけではございません。特に、住宅が今後どうあるべきかということの基礎資料を得たいということでやったわけでございますが、今後化学面での高齢化対策を実施していく場合には、いろいろ厚生省との関係も出てくるのではないかというふうに考えております。
  51. 村田秀三

    村田秀三君 これはいろいろな考え方がありますから断定的に物は言えないのでありますけれども、私個人なんかは、率直に言って親子三代一緒に住んでいるなんというのはいいなと思います。現実問題として裏と表に私も住んでおりますが、ところがつまり政策となりますと、これいろいろに変化してくると思うんですね。だから気をつけてもらいたいと思うんですが、いわゆる高度成長期には核家族というものをむしろ行政側が宣伝した傾向というものがあるわけです。学者や何かもこれは同意をされた、こう思いますが、それはつまりは核分裂を起こしまするというと一つのテレビが二つ必要になってくるわけであります。二軒必要になってくるわけであります。でありますから、そういうのが経済政策と並行的に進んで、そして今日さまざまな問題というのが起きてはいますけれども、いずれにいたしましても、いわゆる政策的に人間の素直な感情やあるいは倫理観を変更するような、そういう政策であってはならないと実は思っておるわけであります。でありますから、今後これを進めるにつきましては極めて慎重にやっていただきたい、こう思います。  と同時に、これは当然調査をしたわけでありますから、だとすればそれに対してどう対応するか、まあ一部屋ふやせばいいなんというものじゃございません、今日の世の中。少なくとも孫がはね回っていいような空間も私たちには必要な時代になってきておるわけでありますから、だとすれば、いわゆる住宅金融の資金対策もそれにあわせて膨らましていく必要がある。あるいは公庫住宅であっても、またこれ三世代同居してもよろしいようなスペースを与えるいわゆる政策に変えていく必要がある。しかも大きな家を建てるわけでありますから、そのためには所得も含めて考えていかなくちゃならぬ、こういうことにも実はなってくるのではないかと思いますけれども、所得の問題はさておいて、ではこの調査を将来どう小かそうとしておるか、この辺についてひとつお伺いいたします。
  52. 吉沢奎介

    政府委員(吉沢奎介君) 先生最初にお話しいただきました御意見でございますが、私ども全く同感でございまして、住まい方に対する国民の気持ちというものはそれが第一でございます。そういう国民の御要望というものを受けまして私ども住宅政策でお役に立つことがあればやっていきたいということでございまして、核家族がいいのか三世代住宅がいいのかというのは、やはりその人々によって皆考え方が違うと思います。そういう意味で皆様方の御意見をここでいただいて住宅政策に何らかの形で反映したいというふうに思っているわけでございます。  それで、三世代同居を求めるという声も従来も非常に強いわけでございまして、この調査の結果も、先ほども申し上げましたように非常に強いわけでございます。そこで、私どもといたしましては、従来からも、例えば今御指摘のございました金融公庫につきましても、金融公庫の融資におきまして老人同居世帯に対する貸付利率の優遇、例えば一般では六・五で貸すものを五・五で貸しておる、あるいは割り増し貸し付けをする、一般よりも例えば百三十万円多く貸す、そういったような政策も今までとっておるわけでございまして、今後も事情の許す限りこういったものの施策の充実考えていきたいと思っております。  また、お話がございました公団住宅につきましても、例えば老人、多家族などにつきましては、一階でございますとかエレベーターの停止階でありますとか、そういうところにつきまして優先に割り当てる。あるいは入居の御希望がある場合、一般よりも十倍程度の倍率をよくして入居していただくというような措置もとっておるわけでございまして、また、この面につきましても今後三世代同居あるいは隣居、近居の要望に対応してきめ細かくやっていくように指導してまいりたいというふうに考えております。
  53. 村田秀三

    村田秀三君 別途また具体的に数字なんかも挙げながらやっていく機会もあろうかと思いますので、この問題はこの程度にいたします。  道路局長も来ております。実は高速道路の事故対災についていろいろと自分の経験も交えながら御質問、そしてまたどう対応するかということについていろいろと意見を申し上げたい、こう思っておりましたが、時間がございません。ただしかし、これは高速道路でありますから、一たんそこに決定的な事故がありますというと逃げ場がないということで、いわゆる中央分離帯を極めて近い距離間に開口部分を持って逆行できるようにしてはどうかなどとも考えてみました。これはいろいろと事前の討議においては、事故を拡大する危険性もあってなかなか難しい、こう言いますが、しからばどうするんだということになりまするとなかなか答えが出ない。  高架道路、これは首都高速道路など二車線いっぱいに走っておるわけでありますから、救急車が入ってきようにもないというふうな状態の中で、一たん大きな地震であるとか沿線地域の大火災であるとかということになった場合には、軍はあきらめても人はどうするんだということになりまするというと、高いところから飛びおりるほかないというようなふうにしか今は考えられない。いろいろ対策はあるんだとも聞いておりますが、私としては、まだ不十分で非常に難しいけれども検討をしなくちゃならぬ課題ではなかろうか、こう思っていろいろ細かい例なんかも挙げまして申し上げたいと思いましたが、時間がございません。  そこで道路局長、初答弁でございますが、どうぞひとつ。
  54. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 最初の御質問の高速道路の中央分離帯の問題でございますが、先生御案内だと思いますが、現在の高速自動車国道の中央分離帯には、大災害及び大事故等の非常時に使用することを目的といたしまして約二キロ間隔、おおむね二キロ間隔でございますが、正規の中央分離椎を設けておりません、簡単に取り外しのききますさくを設けております。これはもちろん通常時には使用いたしませんので、錠前をしまして一般には外せないようになっておりますが、そういうところでその幅が約三十メーターでございます。要するに、おおむね二キロ間隔に三十メーターの幅を持つ開口部があるという意味でございます。  多分もっとたくさん中央分離椎を切るようにやったらどうだというような御質問の意味もあるかと思いますが、ただ御指摘のように、中央分離帯の保護さくを短時間に取り外しが可能な構造といたしますと、そうしてまた何か事故があった場合にそこから車両を逆行させる、具体的に言いますと、東京行きの軍を例えば東北道で申し上げますと仙台方向へ逆行させる、そういう意味でございますが、非常に難しい問題がございまして、先生御案内のように、一つには対向車線に車を逸脱させないというのが中央分離村の本来の機能でございます。そういう機能を、製するに対向車線に車を逸脱させないという中央分離帯の本来機能を確保しながら短時間で取り外しの可能な構造とすることがまずなかなか難しいという点が一点ございます。  それから二つ目には、対向単線の走行車両の安全、円滑な交通を確保しながら、渋滞しております車両を開口部から移動させるというためには大規模な交通誘導が必要でございます。そうしませんと、反対側車線で反対方向から車が走ってまいりますので、そこで対向事故が起こる、そういう意味でございまして、これもなかなか、実際の実施に当たりましては警察当局といろいろと打ち合わせしなければいけない、そういう難点がございます。しかしながら、事故等によりまして長時間にわたる通行どめをするような場合には、交通量その他の条件等々を勘案しまして、中央分離村開口部を取り外し、反対革線に車両を誘導する措置も必要と考えられますので、今後警察当局等と協議しながら研究を進めてまいりたい、かように考えております。  それから都市高速道路の御質問がございましたですが、具体的に首都高速道路公団、現在東京を走っておりますけれども、その道路について具体的に申し上げますと、利用車の緊急避難のために一定間隔に非常口を設けております。それで首都高の例で申し上げますと、ランプの緊急草出入り口、それから管理所、それから料金所の連絡通路も非常口となります。これを含めまして、高架部にありましては標準といたしまして一キロメートルに一カ所、トンネル部にございましては四百メートルに一カ所の割合で設置するようなことになっております。  現在首都高速道路公団の供用延長が百六十キロに達しておりますけれども、そのうち四百三十七カ所の緊急避難路の整備が完了しております。また、新たに供用する路線につきましても、この標準を満足するよう非常口の整備に努める方針でございます。  以上でございます。
  55. 村田秀三

    村田秀三君 その問題についてもまた別途機会を持ちたいと思います。  最後になりますが、大臣にお伺いいたしますが、今、国会中でありますから余り具体的な動きはないようでありますが、平年でありまするというと予算の時期に入るわけであります。私が一番感心したといいますか、ことしは五十九年度の予算が上がりましたのは四月をちょっと越えてから上がったわけでありますが、その次の日がいわゆる道路利用者協会の全国総会がありました。そして六十年度の予算対策。まあ建設関係のこういう団体が一番出足も早いし一生懸命じゃないかなと、こう思っておりますが、私どもも公共事業を拡大するということについては異議のないところであります。  しかしながら、最近行革推進審議会等の提言をずっと見てみますると、また中曽根総理の答弁なんかも聞いてみますると、これはどうも雲行きが怪しい、こういうことでありまして、とりわけ建設省に関係する部分といいますならば、いわゆる自動車重量税のオーバーフロー問題、この解決をどうするかという問題があるわけであります。でありますから、今から腹を固めておきませんと、我々もやるつもりではおりますけれども、本家本元が腹をきちっとしておきませんとどうにもならぬわけでありますから、六十年度予算対策について建設省全体、また大臣所信をこの際ひとつ伺っておきたい、こう思います。
  56. 水野清

    国務大臣(水野清君) 六十年度予算編成に際しまして、建設省といいますか、建設省を中心とした、まあ他省庁のことは申し上げるのも権限外でございますが、公共事業費のあり方について私どもも非常に苦慮をしております。御承知のとおり、過去五年間ゼロシーリングあるいは昨年はマイナスシーリングで切り込んできております。そこで、例えば道路にしましても河川にしましても下水にいたしましても、あらゆる建設省の五カ年計画が思うとおりの進捗を図っていないことも先刻御承知のとおりであります。事業量について申し上げますと、五年前の事業に対しまして五十九年度は、大体事業量で言いますと、物価が上がっておりますから、幾ら物価が上がらない日本経済だといいましても若干の上昇率はございますから、大体二割程度の事業量は減であると、これが実情であります。  そこで私どもは、予算編成方針として内閣の方針が決定いたしますと、私どもとしては非常に動きづらいといいますか、いろいろやりにくい点もございますので、その前にひとつ世論の喚起を図っておきたいというようなことから、先生御指摘のように、各種の大会その他を開催していただきまして、その際に実情をぶちまけてお願いをしているということが事実でございます。  そこで、行革審が昨日これは新聞紙上に、報告書の案でございますからこのとおりかどうかわかりませんが、発表をしておられます。発表ではなくてこれは新聞のリークかもしれませんが、ともかく出ております。この中で私どもが一呑気にしておりますのは、私どもはマイナスシーリングは困るということで公共事業費を適当に伸ばしていただきたいと言いましても、結局は財政再建の最中でございますから、その財源がどこから出てくるかという問題が一つあります。一つというよりもこれが最も重要な問題であろうと思います。ことしの経済成長率がやや高いためにそこから生み出すという楽観的な考え方一つございますけれども、ともかくどこに財源を求めるか。増税ということは、増税なき財政再建ということを言っている最中でございますので、私どももそういうことは考えておりません。結論といたしまして、やはり建設国債をある程度増発をしていただきたいということを考えろしかないだろうと、こう思っております。  しかし、これに対しまして、行革審のお考えは真っ向から反対でございまして、建設国債も一般の赤字公債も一蓮托生に一種のむだ遣い視をされて非難を受けているわけであります。しかし私どもは、建設国債というものはこれは公共投資という形を通じて社会資本として少なくとも数十年の耐用年数の間、経済効果を発揮する資産として子孫に残すわけであります。片一方で借金をするわけでありますけれども、いわゆる後作度負担という形で残るわけではございますけれども、ただの借金ではなくて、いわゆるフローでなくてストックという形で日本経済に大きな機能をする。例えば、今日高速道路が日本の南北にほぼ概成をしまして、これが日本経済に大きな経済効果をもたらしていることはおわかりいただけると思いますが、同じような効果が各種事業において発生していくということであるならば、これはひとつお認めいただけないであろうかということを私は各方面にお願いをしているわけでございます。  大変長時間にわたってこういう答弁を申し上げるわけでございますけれども、言ってみますと、ちょうど日本経済と企業と同一視して申し上げるのは妥当かどうかわかりませんが、経営が非情に悪化してきている企業体を再生させるためには、あるときにはやっぱり銀行からお金を借りてでも新しい商品開発をする、あるいは新しい機械を買ってそこで新しい製品をつくるというようなことは当然必要なわけでありまして、今、日本経済にとってはやっぱり同じようなケースに当たっているんではないだろうか。いわゆる一律マイナス削減は困る、しかし私どもも、これもいろいろ異論がございましょうが、同じ建設省の予算でも、いわゆるフローに当たる物件費であるとかあるいは人件費であるとか、そういったものについてさらに節約をしろと言うならば非常に苦しい状態で、例えば役所の局長さんたちは全新聞なんかもちろん読めないわけでありまして、お互いに新聞は違う新聞を入れてもらって交換して読み合っているというような節約もしておりますし、できるものはさらに節約をしていきたいと思っておりますけれども、このストックの部分については私は別じゃないかという哲学を持っているわけでございます。  それから、さらに申し上げさしていただければありがたいのでございますが、この行革審の中で、我が国の景気は目下拡大過程にあり、景気刺激を必要とする状況とは考えられないと、こういうふうに決めつけておられます。しかし、これは日本経済全体としてはそうでございましょうが、地方経済の実情は公共投資に依存する地域が非常に多い。東北、北海道、四国とか九州、山陰というような地域は、一次産業と公共投資だけで経済が運営されているというのが御承知のとおりの実情であります。そして、そういうところでは今や倒産件数も非常に高いと。いろんな意味から、この言葉も大まかにはさようかもしれませんが、私はこの地域格差ということを余り理解をしないで文章を書いておられるんじゃないかというふうに思っております。  さらに、たとえ今の行革審の申し上げた、我が国の経済は目下拡大過程にあるといたしましても、上半期の経済の実情を見ますと、非常に輸出が伸びてそれに引きずられて日本経済が非常に上昇しているという形でありまして、現に国際収支は輸出超過で非常に偏った国際収支を示しておりますし、特に対米輸出は非常に多いと、これが実情でございます。でございますから、今のところは対米貿易摩擦というのがやや鎮静化しておりますけれども、私は、下半期になったらまた再び出てくるに違いない、ヨーロッパに対しても同じであろう、あるいは東南アジア諸国に対してもまた別の形のゆがんだ形でもっと反日感情その他が出てくるんじゃないだろうか。そういうことを考えれば、当然国際的にも要望されております内需の拡大という点においても、私は公共事業のマイナスシーリングというような政策は、経済政策自身としても間違っているんじゃないかというふうな考え方をもって今予算編成に臨もうとしているわけでございます。
  57. 馬場富

    ○馬場富君 最初に、先日公表されました建設白書について質問いたします。  大臣は、一昨十日の閣議に五十九年版の建設白書を報告されまして閣議で了承されたと、このように報道されておりますが、その白書によりますと、我が国経済社会を支える国土建設住宅、社会資本の整備水準は、欧米先進諸国に比べて依然として質、量ともに立ちおくれていることが指摘されております。新たなやはり技術革新、高度情報化、あるいは国際化、高齢化に対応した住宅、社会資本の整備の必要性が白書の中では力説されておるわけですけれども、この点についてのお考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  58. 水野清

    国務大臣(水野清君) 回の建設白書を発表するに当たりまして、今後の建設行政の推進について私の考え方を織り込んで作成していただいたわけでございますが、次のとおりでございます。  一つは、日本経済社会の活力を維持充実し、豊かで快適な国民生活を実現するためには、これを支える発展基盤充実が不可欠の要請である。長期的視点に立って新しい崎代にふさわしい良質な住宅、社会資本、ストックの蓄積を図っていく必要がある。これはこれまでも建設省がやってきたことの大道を進めていくしかないということがまず第一でございます。  第二は、今後予想される経済社会変化、特に高度情報化社会、あるいは国際化をする社会、あるいは高齢化社会などに対応した諸般の国づくりを推進する必要があるということでございます。  第三は、しかし厳しい財政事情を踏まえて、公共事業の重点化あるいは効率化をさらに強力に進めていく必要がある。御承知のとおり、先ほど村田先生にも申し上げましたが、公共事業費をでは伸ばしてくれと申しましても、非常に大幅に伸ばすということもまたこれは非常に難しいわけであります。そういたしましたら、与えられている公共事業費を有効に、しかも経済効率ということを考えてこれから配分なり箇所づけをしていくということも、私は目下与えられた急務であるというふうに思って白書の中に書き込んでいただいたと、こういう次第でございます。
  59. 馬場富

    ○馬場富君 今、大臣答弁にもございましたように、ここでやはり問題となってくるのは、厳しい情勢下で住宅・社会資本整備をどのようにして進めていくかという、その一つとして白書が強調しておりますのは、民間の活力を活用するということが述べられておりますが、そのためには各種規制の見直したとか、あるいは国有地の有効活用、あるいは金融税制面での優遇措置等が重要であるというように言われておりますけれども、この点についてはどのようなお考えでございますか。
  60. 豊蔵一

    政府委員(豊蔵一君) ただいまお話がありました、公共投資を進めてまいります上で民間活力の導入ということもまた必要なことでございますが、私どもといたしましては、今お話ありました規制の緩和というようなことにつきましては、例えば都市計画諸制度におきますところの地域地区制等々の見直し、あるいはまた宅地開発指導要綱等の見直し等々を各公共団体にお願いしているところでございますが、一方、都市開発関係につきましての予算の拡充あるいはまたこれに伴いますところの税制の改正、そういったようなことを五十九年度も実施してまいりましたが、さらに引き続きその充実を図ってまいりたいと思っております。  また、国公有地の有効活用につきましても、現在、各省庁協議いたしまして、それを総合的に推進しておるところでございます。また、これらの民間活力を導入するという場合に、前提といたしまして、やはりそのために生活基盤といいますか社会資本整備があって、その上にいろいろな民間活力というものが生きてくるというような点もございますので、私ども、基本となります公共事業の適切な推進ということも、これまた努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
  61. 馬場富

    ○馬場富君 今の答弁の中でもお話が出ましたように、住宅・社会資本の整備のためには、民間活力を導入いたしまして、刺激を与えていくためにも基本は公共投資の拡大ということが非常に重要だというお話が出ましたが、私も同感でございますが、やはり白書でもそういう点の必要性を強く訴えていらっしゃるわけです。だが、今の公共投資はこのところ非常にずっと抑制され続けておるわけでございまして、国の一般会計公共事業費の予算は、五十五年度以来五年連続して横ばいの状況でございます。あるいはマイナスにもなっておりますし、建設省所管の下水道あるいは公園、住宅、道路などの各五カ年計画計画どおりの達成は困難の状況が現状でございます。  そこで、白書が強調しております住宅・社会資本の充実のためには、最近の予算の基調となっております公共事業の抑制ということに対して、やはりこれは見直すべきだという意見も出ておるわけでございますが、先ほどの意見とあわせまして、ここで大臣の白書における住宅・社会資本充実についての所見と、あわせまして公共事業抑制の見直しという意見に対しまして、大臣のお考え方をもう一度お尋ねいたします。
  62. 水野清

    国務大臣(水野清君) 今、官房長からも申し上げましたように、日本の公共事業が欧米先進国に比べて非常に普及率が低い、これはもうおわかりいただいていることであります。具体的に申し上げればいとまがありませんが、下水道の普及率が約三分の一である、都市公園は首都で十分の一程度である、自動車の一万台当たりの高速道路の延長は約四分の一であるというふうに大幅なおくれをしております。これはスタートが遅かったということもありまして、マイナスシーリングだけの問題ではございませんで、そもそも都市をつくるためのいろんな諸施設のスタートが、日本は戦争に負けてからの一つのスタートであります。戦後のスタートでありますから遅かったわけでありますけれども、いずれにいたしましても、今日消費社会では西欧並みであるとか、あるいは西欧よりまさっているというようなことを言われておりますけれども、社会資本においては非常におくれている。これは御承知のとおりであります。  それはそれといたしまして、先ほども村田先生の御質問にも申し上げましたように、来年度予算編成に当たって私どもはそのおくれを黙って見ていいだろうか。白書にも別の文句でございますとおりに、各種五カ年計画も進捗率が非常におくれている。こういったことを踏まえて何らかの方法でこの危機を脱出するしかないんではないだろうかと思って、私どもは来年度の予算編成方針が内閣で確定する前に各方面に御理解をいただくべく説明をしているわけでございます。それは先ほど来申し上げましたが、どうも御理解が不十分なために、例えば行革審の小委員会報告書などでは、どうもまだまだ公共事業は全部罪悪みたいな、あるいはむだ遣いみたいな十把一からげの理論で包括されておりまして、私どもまことに遺憾であります。しかし、こういうことに負けることなく、ひとつ私ども大いにやっていきたいと、こう思っておる次第でございます。
  63. 馬場富

    ○馬場富君 次に、道路整備の財源問題についてお伺いいたします。  まず最初に、五十八年度より始まった第九次五カ年計画の進捗状況はどうかという点とあわせて、道路整備の財源は特定財源、一般財源から成っておりますが、第九次五カ年計画では特定財源、一般財源の比率は国費、地方費でそれぞれどのような内訳となっておるか、御説明願いたいと思います。
  64. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 先生御案内のように、道路財源には揮発油税を中心としますいわゆる法的な特定財源とそれから重量税というものがございまして、この重量税の国費分の八割が一応道路財源として充てられるようになっております。それで、ことしの例で申し上げますと、一般財源は全く入っておりませんで、先ほど申しました揮発油税と重量税だけでございます。その比率を申し上げますと、第九次五カ年計画全体について申し上げますと、決定時でございますが、国費に占める道路特定財源比率は九二%、それでその特定財源の中には自動車重量税も含んでおります。しかし御案内のように、自動車重量税がこの三年間、五十七、五十八、五十九でございますが、完全にオーバーフローしておりまして、一応全部で国費で約四千百億円という数字になっております。それが実情でございます。
  65. 馬場富

    ○馬場富君 だから、第九次五カ年計画の実績では五十八年度、五十九年度には国費一般財源は入ってないということになるわけです。だから、道路整備費の抑制によって道路整備費のいわゆる準特定財源である自動車重量税の一部が一般財源に反対に利用されておるというのが現状でございますが、このような事態というのは、今御説明ありましたように五十七年、五十八年、五十九年と、そういう三年間にわたって一般財源に繰り入れられておるこの傾向についてどのようなお考えを持っていますか。
  66. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 私どもといたしましては、もともとこういう財源は道路を利用される方からいただいておりますので、ぜひ揮発油税及び自動車重量税の国費分の八割は、全額少なくとも道路整備に充当してほしい、かように考えております。
  67. 馬場富

    ○馬場富君 先日のこの委員会で私は大臣に、六十年度予算編成に当たっては重量税については道路特定財源として使うと大蔵、建設両者で了解されたと答弁をお聞きしましたが、この点については来年度のシーリングと密接に絡む問題でありますが、両省が了解ということは、少なくとも道路整備はシーリング外にあると考えなければなりませんが、この点はどうでしょうか。
  68. 水野清

    国務大臣(水野清君) この道路財源の問題は大変難しい問題でございますが、いわゆる道路特定財源の歳入予算が歳出予算を上回っている、いわゆる五十七年度以降は自動車重量税のオーバーフローを生じているということは御承知のとおり、ただいま道路局長が申し上げたとおりでございます。ただし、これはその制度としては特定財源化しておりませんので、いわゆる法制上は特定財源化していない。運用上、法の性格その他から、実際は道路財源として目的税に近い制度でございますから使わしていただいてきたと、こういうことであります。  そこで私どもも、これは五十九年度予算編成のときに、この問題が六十年度の予算編成に必ず出てくるであろうと思いまして、大蔵大臣と私の間で一つの紳士協約といいますか、そういったものをともかく結ばしていただいたと。それはどういうことかといいますと、五十九年のオーバーフローの分が約千百億、これは五十九年度中に何らかの方法で返していただく。それから五十七、五十八のオーバーフローの分も可及的速やかに返していただく。そして昭和六十年度以降はこれはお貸ししないと、こういうかなり無理な、ある意味じゃ無理だし、ある意味では当然私どものこの目的財源でございますが、実は昨年の暮れにそういう話し合いをいたしてきたわけであります。  これは、実は今まで余り公表することも、一種の紳士協約でございましたから申し上げなかったのでございますが、私どもも来年度予算編成に竹を挙げてかけておりますので、もはや公表をしてひとつ諸先生の御理解を得た方がよかろうと思って}し上げるわけでございますが、制度上に若干、完全な目的税でないだけに、それを補完する意味でこういうお約束を大蔵大臣の間にしていると、こういう内容でございます。
  69. 馬場富

    ○馬場富君 では、この問題は非常に重要な問題ですから、シーリング外で考えられるというように理解してよろしゅうございますね。
  70. 水野清

    国務大臣(水野清君) それは私どもの六十年度予算に臨む一つ決意でございます。
  71. 馬場富

    ○馬場富君 次に、非常に道路整備については費用がかかるという点のもう一点は、地方にとっても大変実はこのことについて大きな問題となっておるわけです。したがって、各地方自治体でも道路整備費の確保に非常に苦労しておりますが、新聞等の報道によりますと、自治省も自動車取得税とかあるいは軽油引取税等の引き上げを検討中だということも言われておりますが、しかし一方で自動車重量税がいわばオーバーフローしている、この状況を勘案すれば、ちょうど現行で二五%が地方に譲渡されておりますけれども、この割合をふやしてもらいたいという要望もあると聞いておりますけれども、この点につきまして建設省出回のお考えをお尋ねいたします。
  72. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 私の方はまだ自治省さんから正式にはそういう、新聞紙上では確かに一部報道されましたですが、まだ聞いておりませんので、具体的には折衝させていただいておりません。
  73. 馬場富

    ○馬場富君 では次に移りますが、この前、建設委員会でも昨年視察いたしました中で、中部圏の道路整備推進についての点で一、二点お尋ねいたします。  非常に中部圏の強い要望でありましたために、私は前回もこの委員会で質問いたしました、あの名古屋を中心とする環状二号線の推進でございますが、これは中部圏における基本道路網の主軸をなしております。そして建設省の道路計画の中でも私は最重要課題一つであると考えておりますが、やはりここで私は重ねてもう一週、この推進につきましてはどのように一つ建設省は取り組んでいかれるか、その決意をお尋ねいたします。
  74. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 先生の御質問の一番大事な点は、名古屋二環の、環状二号線の整備であろうかと思いますが、そう考えてよろしゅうございますか。
  75. 馬場富

    ○馬場富君 そうです。
  76. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) まず名古屋環状の二号線は、名古屋市の中心部から半径約八キロメートルの周辺地域を結ぶ延長約六十六キロメートルの環状道路でございます。  現在は一般国道三百二号としまして直轄事業により、細かくなりますけれども、国道二百四十七号の東海市新宝町から国道二十三号の飛島村まで、合計約五十八・二キロメートルの区間を事業化しております。さらに、日本道路公団の一般有料道路事業といたしまして名港西大橋、これは橋の延長が八百メーターでございますが、を整備中でございます。さらに、名古屋環状二号線の一都を形成いたします高速自動車国道近畿自動車道の名古屋西インターチェンジから名古屋インターの閥、名古屋インターといいますのは東名でございますが、東名の名古屋インターとの間につきましては、五十八年八月、日本道路公団に対しまして施行命令を発し、鋭意事業促進を図っているところでございます。  それで、現在までに直轄施行区間のうち、国道十九号から二十二号までの間約八・九キロメートルを含む約十キロメートルの区間が供用済みになっております。さらに本年度、五十九年度末には名港西大橋を含みます、前後の取りつきがございますので約三・二キロの供用を予定しております。  今後の計画でございますが、今後は国道面五十三号豊田西バイパスから上社インターチェンジまでの間約四キロ及び名古屋西インターチェンジから南へ国道二十三号までの間九・三キロを重点的に事業を実施することと考えております。  以上でございます。
  77. 水野清

    国務大臣(水野清君) ちょっと申し上げるのでございますが、ただいまの名古屋方面の、名古屋というか中部地区の道路状況につきまして、愛知県知事から御要望もありますので、ただいま御答弁申し上げました道路局長ともどもに、近いうちに現地を視察させていただこうというつもりでおります。
  78. 馬場富

    ○馬場富君 特に委員長にもその点、大臣にも要望をしておきますが、現状、交通事故死というのは愛知県が日本の中でもトップなんですよ。その原因をずっと探ってみましても、これはもう起因するところは、あそこに、国道や重要道路が名古屋市内を通過するために起こる事故というのが圧倒的に多いわけです。それを防ぐ道というのは、名古屋を取り巻く環状線をつくればこれによってみんなコントロールされると、これはなくなってくるという重要道路でございますので、私、強い要望でございますが、大臣にもぜひこれは視察とあわせて推進方を強力にひとつお願いをしたいと思います。  それから次にもう一点、局長の方で、国道四十一号線の庄内川から小牧インターに至る四十一母線の八車線化の進捗状況について御説明願いたいと思います。
  79. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 一般国道四十一号線の名神高速道路小牧インターチェンジから名古屋環状二号線——先ほど御説明しました名古屋環状でございますが、名古屋環状二号線に至る区間の交通混雑対策としましては、現在四車線の道路でございますが、これを八車線に拡幅する計画となっております。  現在の状態を申し上げますと、名古屋環状二号線から名古屋空港の入り口にございます主要地方道春日井−稲沢線までの区間につきましては、昭和五十八年度に八車線の拡幅を完了したところでございます。残りの区間の拡幅につきましても、主要交差点を中心に順次事業を実施していく方針でございます。  さらに、地元の方々の御要望で自動車専用部の設置等々の御希望も聞いておりますが、とりあえずはまず現在の四車の道路区間を八車にしたい、それから必要に応じて高架部を設けたいと、かように考えております。
  80. 馬場富

    ○馬場富君 この線については局長、現実問題として、名古屋空港から飛行機が発着しますけれども、交通ラッシュのためにほとんど間に合わない、おくれてしまうというような現状すら起こっておるわけですよ。そういう点で、特に小牧インターから名古屋空港までの実現方については、これは強力にお願いしたいと思いますがどうですか。
  81. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 先生御指摘のように、地元の方々からたびたびそういう要望を聞いておりますし、先ほど申しましたように、原則的には現在の四十一号線を八軍化すると、それから空港への乗り入れの道路が現在四車でございますけれども、県道一本しかございませんのでその北側にもう一本県道を拡幅いたしましてとりあえず空港に入りやすいようにする、さような施策も考えております。  以上でございます。
  82. 馬場富

    ○馬場富君 もう一点は、小牧インターから名古屋空港までと、環状二号線に至る線について、県議会でも一つは意見が出ておりましたが、国でも高速道路化の計画があるように聞いておりますが、この点はどうですか。
  83. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 先ほどちょっと触れましたですが、とりあえずまず四十一号線を八車化したい、これは当面の目的であり、かつ現在の空港乗り入れの県道の北側にもう一本県道を拡幅したい。それからその次に、まず下を八車化しませんと高速道路は中へ入れませんので、それは長期的な考え方でいろいろ交通需要を考えながら対処していきたいと、かように考えております。
  84. 馬場富

    ○馬場富君 次に、新しい交通計画として非常に期待がかけられております桃花台新交通システムの概況について御説明願いたいと思います。
  85. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 先生御指摘の桃花台新交通システムは、名古屋鉄道小牧駅から桃花台ニュータウンまでの延長約七・七キロメートル、全体事業費約三百七十億の事業でございます。  御案内だと思いますが、本事業のうち、新交通システムの支柱部分とけた等の下部構造、いわゆるインフラ部分につきまして、道路整備事業として建設省所管の補助事業等により実施しているのが現状でございます。また、車両、電気施設等のいわゆるインフラ以外の部分に関しましては、第三セクターでございます桃花台新交通株式会社において整備することとなっております。  インフラ部分だけの事業費は約百七十億と見積もられておりまして、昭和五十九年度末の進捗状態は事業費ベースで約二六%となる見込みでございます。事業の重要性にかんがみまして、今後とも事業促進に努めてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  86. 馬場富

    ○馬場富君 この計画は、もう私たち視察しましたが、実は大規模団地の高蔵寺ニュータウンや桃花台住宅の住民の生活に欠かすことのできぬものです。そのために建設されたわけですが、この足である新交通システムが、実は車両等は第三セクターでやるわけですけれども、インフラの部分は結局道路として建設省が推進されるわけです。それができぬことには上の部分はいつまでたっても走りゃせぬわけです。だから、そういう点でひとつ、このインフラ部分の推進は実は建設省の事業になっておりますから、四分の一程度しかまだ進んでおらぬと言われておりますが、この推進を強力にひとつお願いしたいと思いますが、いかがですか。
  87. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 御指摘のとおり、予定の工程よりも大分おくれておりますので、全力を注いで整備に邁進したいと思いますが、多少おくれぎみでございますので、その点、御了解のほどお願いいたします。
  88. 馬場富

    ○馬場富君 それじゃ次に、都市街路事業についてひとつお尋ねいたします。  自動車交通の非常な発達に伴いまして都市街路事業整備が急務となってきておるわけですけれども、とりわけ軌道と道路との交差はやはり交通渋滞や交通公害の原因ともなっておりますが、これについての建設省の取り組みについてお尋ねいたします。
  89. 田中淳七郎

    政府委員田中淳七郎君) 道路と鉄道の平面交差、いわゆる踏切道の改良につきましては、御案内のように、交通安全基本計画等との関連におきまして踏切事故防止総合対策が定められておりまして、踏切道改良促進法——これは昭和三十六年十一月七日に立法化されたものでございますが、その法律に基づきまして指定されました踏切道につきまして道路管理荷及び鉄道事業者が共同して事業を実施いたしておるものでございます。  交通事故の防止と道路交通の円滑化に寄与するように、建設省では、連続または単独立体交差化による踏切道の除却あるいは逆略の新設等に伴う立体交差化等を鋭意実施しているところでございます。  長期的なことについて申し上げますと、一般国道にかかわる踏切道につきましては、バイパス等によります新設を含め立体化をいたしまして、都道府県道及び市町村道にかかわります踏切道につきましては、踏切事故の防止等に必要な踏切道を立体交差化することとしまして、第九次道路整備五カ年計画中に約四百六十カ所の整備を行うこととしております。  ちなみに、昭和五十八年度は、連続立体交差二カ所、新設を含みます単独立体交差六十三カ所を完成させました。五十九年度中には、連続立体交差六十八カ所、単独立体交差三百八十七カ所の事業を実施する予定でございます。  以上でございます。
  90. 馬場富

    ○馬場富君 やはりこの種の事業として、国鉄の関西本線あるいは近鉄の名古屋線の連続立体交差計画の今までの推進の経緯についてひとつ御説明願いたいと思います。
  91. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 御質問は、国鉄関西本線と近鉄名古廃線の八円駅付近の連続立体交差の計画の件かと思います。  この計画につきましては、昭和五十年度に国庫補助によります連続立体交差事業調査を実施したわけでございます。御案内のとおり、この計画は国鉄関西本線約三・四キロ、近鉄名古屋線約三・三キロの区間を高架化いたしまして、十五カ所の踏切が解消できる大きな事業でございます。あわせて八田駅周辺の都市整備も兼ねて行う、こういうようなことでございますが、国鉄と近鉄との間で事業の手法等につきまして調整がなかなか進まなかった、こういう事情もございまして今日に至ったわけでございますが、過般その調整がつきまして、地元名古屋市から事業化の強い要望を受けでおるところでございます。地元の御要望に沿いまして、私どもといたしましてはその事業化につきまして早急に検討して結論を出したいというふうに思っておるわけでございます。
  92. 馬場富

    ○馬場富君 特にこの二つの軌道は、名古屋駅より名古屋市街地を西に横断して並行して進んでおるわけです。このためにやはり道路の交通が、あの地域がみんな半分に分断されています。それから、やはり生活の面についても分断されております。そういう点で、やはり名古屋市内の西部の発展と市民の交通の大きな一つの障害にもなっておりますので、昨年度実は申請がなされておりましたけれども、今年は諸状況も非常に整ってきたので、強力にこれを申請して推進していきたいというのが地元の要望でございますが、ぜひこれは六十年度に採択の見通しをつけてほしいと思いますが、いかがでございましょう。
  93. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 十分検討さしていただきたいと思います。
  94. 馬場富

    ○馬場富君 最後に、それと並行した問題として、やはりこの連続立体交差の問題で、瀬戸線と犬山線の名古屋駅あたりの交差の問題の糊状と見通しについても御説明を願いたいと思います。
  95. 梶原拓

    政府委員(梶原拓君) 名鉄の瀬戸線につきましては、五十八年度にいわゆる第一期分といたしまして大曽根駅付近の高架化を完了したわけでございます。引き続きまして、今年度から第二期の区間に新手した次第でございます。また、名鉄の名古屋線につきましては、現在用地買収を鋭意進めておるところでございまして、私どもといたしましては、なるべく早く本体工事に着工したいということで、今後とも事業主体である名古屋市を強く指導していきたいというふうに考えておる次第でございます。
  96. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 午後一時四十分再開することといたしまして、休憩いたします。    午後零時二十四分休憩      —————・—————    午後一時四十五分開会
  97. 青木薪次

    委員長青木薪次君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、建設事業並びに建設計画に関する調査議題といたします。  質疑を続けます。  質疑のある方は順次御発言を願います。
  98. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 私、前の質問の続きで信濃川河川敷問題と筑紫野の土地疑惑問題について質問したいと思うんですが、まず河川敷の問題ですけれども、四月十七日と五月八日と二回にわたって質問いたしまして、きょうで三回目なんです。この前も申し上げましたけれども、信濃川河川敷問題というのは、国会で長い間取り上げられてきて、国民も非常に注目している問題で、私自身も数えてみましたらきょうで十八回目だと。予算委員会で四回、決算委員会で三回ですか、建設委員会でもずっと取り上げてきているんですけれども、最終段階になっていると思います。  先日、長岡の市長選挙があって私も応援に参りまして、現地に行ってみました。もうブルドーザーが入ってだあっと工事が始まっている状況なんですね。それで、かなり複雑な問題なんですけれども、前回の私の質問の際の局長答弁、それから大臣答弁でまとめてみますと、意見の対立点というのは、五十五年十二月十二日の鈴木内閣総理大臣答弁書の最後の項目についての解釈の違いといいますか、そこが対立点になっています。  問題は、「事前協議の対象となる行為としては、本件処分地の南半分の土地に係る権利移転及び最終的な土地利用となる行為が考えられる」と。この「権利移転及び最終的な土地利用となる行為」の解釈が違っているわけですね。井上局長答弁では、この間の覚書による最終約な土地利用計画書が出ていますね、この間同意した。これがもう最終的な行為なんだと。計画書そのものに変更がある場合は長岡市に対しても出てくるだろうと。建設省もその際協議があると。計画書が変更になる場合だけだという井上局長の解釈ですね。  これは恐らくこの答弁書も建設省で響いたんだと思う九ですよ、まさか鈴木総理大臣が自分で響くわけないんだから。だから、神さんがそのつもりで書いたんだというので、御自分の解釈をお述べになっている。しかし文書になり、瀬崎さんに対する答弁書として閣議了解された以上、この文書をどう受け取るかという筆者の本人の主観的意図いかんにかかわらず、やっぱり客観的な力が文書としては発揮されるんですね。  私たちは、「南半分の土地に係る権利移転及び最終的な土地利用となる行為」というんだから、今度利用計画が出て、同意は与えてあるけれども、今後、事業主体もまだ決まっていない。それから、これから千秋が原工業なんかが売るわけでしょう。そうすると、権利移転があるわけだから、するとだれが買うかわからぬ。そのとき価格もいろいろ出てくるわけですね。だから、当然それは権利移転と最終的な土地利用となる行為だから、行為というのはビルディングを建てたりなんかすることですよ。それが最終的な行為ですよ。計画書のあんなものをちょっと出して、それで最終行為だなんて到底考えられないんで、これが普通の解釈だと思うんですね。そこが一派問題になっているんだと。  局長は、その点について、土地利用が定められるそのときの、最終のというのはそういう意味だということで、今後の権利譲渡というのは入らないという答弁をするんですね。私が再度聞きましたら、水野大臣はこう答えた。「覚書に関しまして、今後の権利移転については私は局長の言うとおり入っていないというふうに聞いております。」と。だから、局長大臣に対して、今後の権利移転は入っていませんよということを説明されたんですね。大臣はそう思っているわけです。そういう説明を受けたというわけだ。しかし、「このことは別といたしまして、今後いずれにいたしましても省内の意見を取りまとめて、また御質問もありましょうから、その際に御答弁を申し上げたい」、そう答えられた。  これはやっぱり大問題で、つまり、僕は局長答弁だと大変なことになると思うんですよ。私、ここで何回も三木総理大臣答弁を申し上げましたね、暴利はむさぼらせない、だから価格については原価プラス利子だ、それから公共利用だということを三木大臣は答えられた。それから長谷川建設大臣も、私前回にも申し上げましたけれども、社会党の瀬谷英行委員の質問に対して、南半分の土地利用の問題です、こう答えている。「膨大な利益を与えないようにしなければならない。」と。膨大な利益を与えないと。それから公共利用の問題が第一点と言ってから、「価格というような点についても、さらに皆さん方の御意見もございますから、価格の方も当然これにはチェックしなければならないと思います。ですから、こういうような公共施設、公共用に供するということがあるわけでございますので、あとに残された部分におきましても十分この点にはその約束が実行できるような方法に持っていかなければならぬ」と、こう答えられた。これは私もいろいろ聞きましたけれども。ですから、三木総理大臣もそれからこの委員会での長谷川建設大臣も、今後売り渡す場合の価格についても、公共利用についてもチェックすると、だから皆さん心配しないでくれと言って、そういう態度を表明されているんですよ。  ところが、最終段階になってくると、局長答弁では、今度利用計画が出てそれで終わりだと。利用計画そのものが変更される場合には、もう一度事前協議があり、同意しなきゃならぬけれども、この利用計画が変わらない限り、今後だれに売ろうが幾らの価格で売ろうが、それからだれが事業主体になろうが、実際事業主体いかんによっては利用計画そのものだってどういうふうになるかわからぬようなことになるんで、国民は覚書の解釈なんて、関心はそういうところにあるよりも、実際に南半分の土地を室町産業、千秋が原工業、つまり田中ファミリーがどういうふうにあそこを最終利用するか、いかに膨大な利益がころげ込むか、あるいはそれに歯どめがかかるのかということを国民は見ているわけだから、そういう官僚的な答弁には私は全く納得いかないし、これは国会での答弁とか質問主意書に対する政府答弁だとか、国会審議がまるで紙くずみたいにされるかどうかということにもかかわる大事な問題だと思うんですね。  その点大臣に、局長ではなく大臣がそう言われたので、省内の意見を取りまとめた結果について述べていただきたいと思います。
  99. 水野清

    国務大臣(水野清君) ただいま上田委員お話を承りまして、お答え申し上げますが、信濃川の河川敷問題につきましては、御質問があった後に改めて省内で検討いたしました。その結果、いわゆる事前協議の対象は、これまでの経緯及び瀬崎議員から質問主意書が出された背景などを考え合わせまして、先般五月八日の本委員会において河川局長が御答弁申し上げましたが、そのとおり本件土地の利用計画の決定に関してだけであるというふうに判断をしております。
  100. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 そういうふうになるだろうと私は確実に推定していたんです。非常にけしからぬ答弁ですね、これは。もうきょう時間がありませんので、ここは理事会で問題にしたいと思います。ここは、私が一番質問しているからといって私だけ、共産党のことにかかわるんじゃないんですね。これ、各党それぞれ取り上げておりますし、国会審議の長い経緯があり、予算委員会、決算委員会建設委員会関係し、衆参両院に関係あり、衆議院では建設委員会に小委員会まで設けられて取り組んできたんでしょう。それが最終段階になって、あの簡単な利用計画書でこれで終わりだと、これの変更がない限り、だれに売ろうが幾らもうけようがもう建設省は知らぬということになっちゃう。三木首相がああいうふうに答弁したことを、あれを固めて具体化していったら覚書になったと、それで固めたら井上局長の解釈になったと。これはもう本当にこのまま見ていたら、やっぱり議会制民主主義の根本問題にかかわると思うんです。  私、いつか長谷川建設大臣に質問していたら、長谷川大臣がこう答えて、これは前と違うじゃないかと言ったら、そんなことを言ったって、上田さん、わしは官僚が書いた紙を読み上げておるだけだと言ったことがあるんですよね。水野建設大臣も残念ながら局長の書いた答弁書を読み上げられただけということになると思うんですね、これでは。僕はそういう点で大問題だと思う。  六月二十八日、長岡市の市議会総務委員会で、共産党の榎議員がこの問題を口湖新市長に対してただした。そのとき新市長はよく知らないと、なったばかりで知らぬのでしょう。財務部長が答弁して、権利移転がなされるような場合には相手から事前協議をしてくるだろうという答弁をしている。長岡市の財務部長の答弁大臣答弁と違うのです、早くも。これはおかしいですよ。少なくともこの点については、長岡市の態度について局長はこの六月二十八日の総務委員会審議内容について取り寄せて、ひとつこれは協議をぜひしていただきたい。長岡市の態度から見ても今の答弁というのは全く問題にならぬ。ですから私は、やっぱり国民の関心のある問題だし、ぜひやっぱり国会のまたこの委員会建設大臣答弁しようが、それが勝手にどんどん変わってきて、それで結構ですというふうにいかないので、ぜひ理事会でも問題にしたいと思いますが、委員長お願いしたいと思います。
  101. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 州事会で後日協議をいたします。
  102. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 局長、どうですか、この長岡市の財務部長の答弁、これを調べて長岡市と協議して、ひとつ統一した解釈ですね、もう一度出してほしいと思いますが。
  103. 井上章平

    政府委員井上章平君) ただいま上田先生から信濃川河川敷問題における事前協議についてのお話があったわけでございますが、この事前協議につきましての私どもの見解は、この四月十七日及び五月八日の本建設委員会においても申し上げたとおりでございますが、ただ瀬崎先生の質問主意書に対する回答文についての見解について、改めてちょっとその事前協議についての私どもの考え方をこの際申し述べておきたいと思います。  それは、そもそもこの事前協議と言いますのは、昭和五十二年八月付で長岡市長と室町産業の間で交されました覚書の中で、室町産業株式会社が本件土地を利用する際に長岡市長の同意を得るということが一項入っておるわけでありまして、この長岡市長が同意をしようとする際は、あらかじめ河川局長にその内容について相談がある、協議されたいというような仕組みになっておる事柄でございます。ところで、この河川局長から長岡市長に対してそのお願いを申し上げました文書の中には「貴市がその利用計画の同意をしようとするときは、あらかじめ、本職に協議されたい。」と、こういう形になっておりますので、いわゆるここでこの文章から、事前協議の対象となりますのは本件土地の利用計画に関してであるというふうに考えられますわけでございます。  ところで、瀬崎議員の質問主意書でございますが、この際私どもが回答いたしましたのは、「事前協議の対象となる行為としては、」「権利移転及び最終的な土地利用となる行為が考えられる。」と回答いたしておることはただいま先生から御指摘があったとおりでございますが、ここで言う「権利移転」という言葉を使いましたのは、南半分の土地にかかわる最終的な土地利用計画が決定されていない時点において、案山産業株式会社による当該土地の現物出資による形での千秋が原工業株式会社が設立されたと、これは五十五年三月三日でございますが、このことを踏まえまして最終的な土地利用計画の決定前における権利譲渡は最終的な土地利用計画の決定に著しい影響を与えることにかんがみまして、いわゆる事前協議の対象となる旨回答したものでございます。  それから「最終的な土地利用となる行為」という言葉が使われておりますが、これはこの質問主意書の中で、土地利用計画の決定の前の段階におきまして砂利採取が行われようとしているという指摘がございました。したがいまして、このような砂利等の採取にかかわる計画あるいはその行為につきましては、ここで言う協議対象ではないということを特に明らかにしておく必要があったため、このように「最終的な」という言葉を使ったということでございます。  ところで、ただいま先生から長岡市議会におきます市当局のお話でございますけれども、私、ただいま初めてお伺いすることでございますが、しかし本件土地につきましては、ただいま申し上げました覚書によりまして、長岡市と室町産業株式会社との間でその利用目的あるいは土地利用の実行等につきまして覚書が交換されておりますので、長岡市が全責任を持ってこの土地の将来の推移につきまして、この覚書どおり実行されるかどうかということをこの覚書によって義務づけられておるというふうに私どもは考えております。  したがいまして、長岡市におきまして、そういった権利譲渡についてどういう扱いをされるかということは長岡市自身の御判断があろうかと思うわけでございますが、ただ、それにつきまして建設省にどのような事前協議があるかということになりますと、それは土地利用計画を定めようとするときにはその内容について事前協議をするということに定まっておりますので、長岡市がどのようなこの土地に関係いたしまして行動をおとりになるかは、私どもといたしましては、ただそれをお聞きするだけであろうというふうに考える次第でございます。
  104. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 この政府答弁神の筆者がだんだん明らかになって、筆者自身の主観的考えがるる述べられたので、それは参考として受け取ります。今初めて聞きましたので、議事録をちゃんと見て、分析して、さらに今後聞きたいと思います。  次の問題ですけれども、筑紫野の土地疑惑問題ですね。これは四月七日の委員会で私が取り上げまして、大塩総裁が、「ほとほと当惑し、この判断に苦しむ」と言われ、「真実と我々が思っております調査の結果と著しく違う点については照合してみたい」、それから私の渡した資料については、「もう少し読ませていただきたい」と答弁されました。それから水野建設大臣が、「本当にこんなことがあるんであろうかと思って聞いておった」「上田議員の非常に微細な御調査もありますから、もう一度住宅公団にこういうことについての調査をさせてみたいと、かように思っております。」という答弁がございましたので、非常に問題は重大で、土地価格の鑑定にもかかわる、それから住宅公団の本社あるいは九州支社の幹部の非常に許しがたい行為の疑惑も資料つきで私指摘させていただいたので、公団側の調査の結果を報告していただきたいと思います。
  105. 大塩洋一郎

    参考人大塩洋一郎君) ことしの四月七日に上田先生から配付いただきました資料の中で、当公団及び公団職員が関係します主要な言動につきまして照合し、再度調べてみました結果を順を迫って御報告いたしたいと思います。  まず第一は、四月八日に福岡市内の「満佐」で公団の滝井部長、それから林兼の小山専務及び筑紫野の松旧市長が会議をした。その件につきましては、滝井部長の土地価格についての発言内容は、資料のとおりであることは確認いたしました。しかし、このときの場所は筑紫野市内の割烹料亭「魚源」でありました。  それから次の五月二十六日、福岡で、これは公団の流井部長が小山専務と事務所で会っておるわけでございますが、そのときこの事務所で会った事実はございますけれども、公用が鑑定を依頼いたしましたのは九月八日でありますから、したがって、この時点において滝井部長が土地の鑑定価格につきまして、平川メモにあるような平米八千円は出ないよといったような発言はしたことはありません。これは、改めて事情聴取をいたしまして、そういった事実はないことを確かめております。  それから五月二十八日に、公団の本社で平田次長と小山専務が会ったとされる事件につきましては、改めて平田次長に事情聴取いたし調べてみたのでございますが、このときは小山専務から平田次長に電話で、会いたいという連絡があったものでありまして、二人は電話で話をしたのでありまして、会っておりません。また、このときは忙しくて、多摩フェアの最中であったという事実とも照合して確認しております。  そのとき、公団の土地取得は時価主義だとか、あるいは時価は取引事例によってやるんだといったような土地取得の方針について話したというようなことが資料にございますけれども、そのような話を電話で話したということはございません。そういう事実はありません。  それから八月十八日から十九日にかけて、九州支社で滝井部長及び豊田課長が小山専務と会っているという点につきましては、このころ小山専務が時々あらわれておられますので、そのころ小山専務に会ったことは事実だと思われます。しかし、資料のような、滝井部長が、まだ鑑定依頼の前でありますから、鑑定価格について鑑定三者と協議したけれども、平米八千五百円以上には無理だよというような発言をしたというような事実はございませんし、これは改めて事情聴取をし直した結果の報告でございます。  それから八月二十八日、東京のグランドパレスで福井調査役、滝井部長及び小山専務が会ったとされている事件につきましては、会ったのは事実でありますが、すぐ後の九月一日に発令される予定になっております、後任の部長になる予定の福井君を紹介する儀礼的なものであった。またこのとき、まだ鑑定前でありますので、土地単価について九千円の線を滝井が小山さんに示し、小山さんが礼を言ったというような、資料にあるような事実はございません。  なお次に、九月十一日に福井部長と小山専務が福岡の「満佐」で会ったとされている件でございますが、会ったのは事実でありますが、その日にちは九月二十一日だったと思われます。会った趣旨は、部長に就任した儀礼的なあいさつであり、改めて我々が調査しました結果でも、福井部長はこのとき鑑定価格を操作するような、資料のような発言をしている事実はございません。  そのほか、鑑定価格について林兼商会と県の公社との契約単価についての記述がございますが、林兼の土地の方が山が多いのに単価が高いというような意味の記述がございますけれども、取得単価について申しますならば、林兼商会と県公社の両方とも、平たん地、山地の単価は同額でありまして、また林兼商会と契約しました土地の平たん地の割合が一七%、県公社の平たん地の割合は三%でありましたために、双方の価格については、平均すると差が出るのは当然であります。したがいまして、資料の括弧書きの中にありますような林兼の土地はほとんどが山地で、公社の方は平たん地が多いということは事実と異なると思われます。  このいただきました資料には、当公団と関係のない事項も多くありますので、公団に関係のある主要なもののみについて取り調べ、お答えする次第でございます。  このように、我々が再度調べ直しました結果を総合勘案してみましても、滝井君その他の職員が何か用地取得につきまして不正と思われるような行為をしたというようなことは事実として見当たりません。  以上でございます。
  106. 上田耕一郎

    上田耕一郎君 これも驚くべき結果ですけれども、恐らくこういうものだろうと思いました。会った事実等々は認めざるを得ないけれども、あの資料に書かれているようなとんでもないことは、脚本人を調べても言うはずがありません。これはもちろん首にもかかわることなので、恐らく強権捜査をしなければだめでしょうし、これは我々の任じゃありませんけれども、またこの委員会で明らかにしようとすれば、平川氏あるいは小山氏を呼んで、ここで証人として述べさせなければ、対決しないとわからぬだろうというふうに思うんですね。この二人については私、前にも証人申請しておりますけれども、きょうの御答弁をまた議事録できちんと精査し、分析して取り上げたいと思います。  ただ、今のお話は、小山氏のメモ、平川氏のメモがすべてフィクションだという非常にこっけいな想定になるんですね。すべてフィクションであることはあり得ないんです。事件が全部済んでからつくられたものじゃないんで、あの事態が動いているプロセス、プロセスで事実を明確にして、彼らが作戦を立てるためにつくったメモですから、まるっきり架空のフィクションに基づいて動いているはずはないんで、それをすべてフィクションであるかのように言うことは、それ自体全くこっけいな御答弁だというふうに思いますけれども、今後さらに取り上げるつもりで、質問をきょうはこれで終わらしていただきます。
  107. 安武洋子

    安武洋子君 住宅都市整備公団の役員大事についてお伺いをいたします。  この七月の一日付で役員人事の異動がございましたけれども、従来と今回の役員の構成、それはそれぞれどのようになっておりますでしょうか、お答えください。
  108. 豊蔵一

    政府委員(豊蔵一君) 住宅都市整備公団の役員につきましては、この七月一日付で退任者の後任と従来から欠員でありましたものの補充のため理事を二人任命されまして、建設大臣がこれを認可をいたしております。
  109. 安武洋子

    安武洋子君 今、理事を二名任命されたというふうにお伺いいたしましたが、その結果理事が一人ふえたというふうになっていると思いますが、間違いございませんか。
  110. 豊蔵一

    政府委員(豊蔵一君) 本年の六月三十日までの理事の現員に比べますと一名ふえております。先ほど申しましたように、従来から欠員でありましたものの補充をいたしましたため、そのようになったものでございます。
  111. 安武洋子

    安武洋子君 理事の異動を見てみますと、土地鑑定委員になられました久保田さんの後に建設省の計画局長の台氏が行っておられます。それから官房審議官の吉田氏につきましては、従来、総務、企画、人事、これを一理事で行っておられましたけれども、それを分けることによってポストをつくってなさいます。これは欠員補充だとおっしゃいますけれども、一人の理事さんがなさってこられた、これを分けるというふうなことでポストをつくられたということは、天下りの受け皿をつくられたとしか思えませんけれども、いかがでございますか。
  112. 豊蔵一

    政府委員(豊蔵一君) これは、公団におきます役員のそれぞれの業務の担当は、公団のそのときの事情に応じましていろいろな組み合わせがあるわけでございますが、従来、企画調整等を担当しておられました理事がいらっしゃったわけでございますが、その方が理事を退任され副総裁になられました後、今、先生御指摘のように、一人の方が総務、人事、企画調整、それを全部担当しておったものでございます。しかしながら、最近の住宅都市整備公団の業務運営は非常に重要な段階でございますので、新しく吉田さんが理事になられました際、担当業務を今お話がありましたように分担をするというふうになったものと聞いております。
  113. 安武洋子

    安武洋子君 理屈はどうでもつきますけれども、しかし政府は今、行革行革と、こういうことをおっしゃっておられます。ですから、公団の住宅建設予定の戸数、これも削減しておられます。そうしながら、一方、役員は逓減どころかふやしてなさるというふうなことで、これは公団発足当時の附帯決議がございますけれども、この附帯決議の、行政改革の趣旨に照らし、業務の効率化に努めるとともに、役員の逓減及び内部登用等の拡充に努めることと、こういう趣旨、あるいは数回にわたりまして閣議決定、閣議了解、これが行われております。これに逆行するものです。  役員人事は大臣の認可事項でございます。大臣自身もことしの五月の十八日の衆議院の建設委員会で、五十九年度末までには定員そのものを若干減らしていくと、こういうふうに御答弁されたそのすぐ後で一名ふやすというふうなことで、この御答弁とも矛盾する行為ではございませんか。大臣いかがお考えでございますか。
  114. 水野清

    国務大臣(水野清君) 住都整備公団の常勤役員の定数につきましては、昭和五十六年八月二十五日の閣議決定に基づきまして、役員の縮減計画によって今年度末に理事三名を縮減すること等は既に既定の方針としております。ただ、ただいま申し上げましたように、その過程において、定数があって、空席になっておったところにたまたま一、二の方がそこに補充をされたということはあるわけでございますが、所期の目的については変わっておりません。責任を持って本年度末に三名削減いたしますから、御心配なきようにお願いいたします。
  115. 安武洋子

    安武洋子君 五十九年度末までに理事を三名減員するということを確認させていただきますけれども、それにしましても、減員をしていこうという過程でいろいろ理屈をおっしゃってやはり一名をふやしている、しかもその方が天下りであるというふうなことは、やはり誠実に縮減に努力をするという姿勢の私はあらわれではないというふうに思うわけです。  この理事の問題はまだございまして、この理事のポストのうちに内部から登用された者、これは枠はずっとここ二十年来二名のままでございます。一名は内部登用に見えますけれども、これは国土庁から天下ってきて、そして五年目に理事になっていらっしゃるというので、純粋な内部帯用というふうには言えないと思うわけです。私は内部にもすぐれた方はたくさんいらっしゃると思うんです。ですから、もっと内部から役員を登用すべきであろう、わずか二人の枠というのでは、これは私は余りにも不当だというふうに思います。この点についてどういう御意見をお持ちでございましょうか、お伺いいたします。
  116. 豊蔵一

    政府委員(豊蔵一君) 私どもといたしましては、公団の業務というのは高い公共性がございまして、また国の行政とも密接な関係がございますので、その業務の円滑な遂行を図りますために国家公務員からの登用も必要であろうかと考えておりますが、また一面、公団が発足いたしまして長い年月を経ますと内部で若い方々がそれぞれ育ってきておられますので、今後適材適所の考え方によりまして内部の人材の登用につきましても格段の配慮をいたしたいというふうに考えております。
  117. 安武洋子

    安武洋子君 天下りでなければ業務が円滑に運営できないというものではないと思いますので、これは必ず内部の登用者の枠をふやすと、こういうことで確認させていただいてよろしゅうございますね。
  118. 豊蔵一

    政府委員(豊蔵一君) 人事はその都度、その都度の状況に応じまして適材適所の考え方によって的確に運用していかれるべきものであろうかと考えております。
  119. 安武洋子

    安武洋子君 だから、ただ先ほどの御答弁で私は満足できないのは、業務の円滑化、それを考えると天下りの人も必要なんだと、そういう理屈をいつまでもおっしゃっていると内部から登用できない、内部から登用する人の枠は二十年来二名で変わらないと、こういう状態が続くんですよ。それを打破していこうと、そういうお考えがおありかどうか、その決意を聞かせていただきたいと、こう思います。
  120. 豊蔵一

    政府委員(豊蔵一君) 必ずしもどのような枠があるというわけではございません。あくまでもそのときどきの状況に応じてそのポストに最もふさわしい方を登用していくという考え方であろうかと思います。したがいまして、今後公団内部の方々でそのポストに最も適した方がいらっしゃって、公団の業務の運営に最もふさわしいということでありますならば、先ほど申し上げましたような適切な運用により登用を図ってまいりたいということかと存じます。
  121. 安武洋子

    安武洋子君 適材適所と言われると、二十年来適材の人がいなかったと、こういうことにもなりますので、私はやっぱりおかしいと思うんです。だから、もっと内部から登用するように努力をしていただかなければならないと思います。  さらに、参議院の附帯決議では、管理職についても「役員の逓減」とともに、「公務員の役員及び管理職への再就職、出向の自粛ならびに内部登用に努めること。」と、こういうふうになっているわけですよ。  そこで聞きますけれども、管理職のうち、内部登用者の比率、これはどういうふうな変化をしてきておりますでしょうか。
  122. 吉沢奎介

    政府委員(吉沢奎介君) お答えいたします。  中間管理職といいますか、理事さん以外の課長、部長クラス、中間管理職と呼びますが、これは現在七百七十名おりますが、行政機関からの出向者数は約四十名、五%であるというふうに伺っております。
  123. 安武洋子

    安武洋子君 それは公団発足当時から現在までどのような推移をたどっているんでしょう。私どもは資料要求しましたけれども、こんな資料もすぐに出てこないんですよ。
  124. 吉沢奎介

    政府委員(吉沢奎介君) 公団発足のときどうであったか、私手元に資料ございませんが、昭和五十七年の三月、要するに公団が統合いたしましたときの直後でございますが、この時点では四十八名おりましたのが現存は四十一名というふうに聞いております。
  125. 安武洋子

    安武洋子君 附帯決議でもこのようにちゃんと言われているわけですから、私はこういうことを国会から聞かれればすぐに資料が出るというふうにやっぱりしていただくぐらい配慮をしていただきたいと、こう思います。  本社の企画調整部長それから経理二課長、人事部長、これは従来から建設省、大蔵省両省からずっと迎えるというふうになっているようですが、それは間違いございませんか。
  126. 吉沢奎介

    政府委員(吉沢奎介君) そういう何といいますか、必ず迎えるというルールがあるとは承知しておりません。過去どういう方がどうなったか、ちょっと私現在承知しておりません。
  127. 安武洋子

    安武洋子君 ルールとかそんなものがあってはたまったものではないので、しかし過去にそういうことがあったはずだということで私の方からレクチャーしてあるはずですが、そのことはお調べになっていらっしゃらないんでしょうか。
  128. 吉沢奎介

    政府委員(吉沢奎介君) 私は伺っておりません。公団におきましては、その業務の円滑な運営を図る上でやはり外部からの人材の登用というものもある程度は必要ではないかと考えております。それに対しまして、ただいま申し上げましたように、約四十名程度というのが——多いか少ないかという御議論はございますでしょうけれども、まあこの程度は必要ではないかというふうに考えております。
  129. 安武洋子

    安武洋子君 調べていただきたい。  私は、大蔵省とか建設省とかから天下った人たちが、企画調整部長とかあるいは経理二課長、人事部長、そういう役職をずっと占めていくというふうなことは甚だおもしろくないというふうに思います。課長クラスヘの天下りとか出向などが内部にどんな影響を与えるかということをお考えになったことがあるでしょうか。公団の職員などは、また他官庁から人が来るのかというふうなことで意欲がそがれてまいります。やはり一生懸命働いているわけですから、公団の中で働けば昇進の道も開けていくというふうに私はやはり配慮をされないといけない、それでなければ私は職員の創意性も発揮されていかないというふうに思います。  総裁は、公団採用者の実力、実績、これを生かして管理職に抜てきすべき、その努力を払われるべきと、こう思いますけれども、御答弁をお願いいたします。
  130. 大塩洋一郎

    参考人大塩洋一郎君) 公団の内部登用を重点的にやるべきである、特に管理職につきましてそういう配慮をすべきであるということにつきましては、従来から私どもは、現に管理職の大多数は内部登用でありまして、先ほど住宅局長のお答えにありましたように、現在では五%程度出向職員、要請職員を配置しておりますけれども、内部登用を第一に考えておるわけであります。一部の職務につきまして、数%でありますけれども、割愛をお願いしているような事実は、これは国の行政との関係が極めて強いような部門につきまして、そういう配慮をした方がベターであるというふうに考えてやったものでございます。  おっしゃるとおり、人材の育成ということにつきましては、従来から最も力を入れておるところであり、この管理職の登用につきましては、私は最近におきましても、特に若年の人たちの一つの登用というようなことも含めまして、活気、活力をその中に持ち込みたいというふうに考え、配慮いたしておるところでございます。
  131. 安武洋子

    安武洋子君 では、職員の声も十分に聞かれて私は大事に対処していただきたい、そのことを要望いたしまして、次に移ります。  賃貸住宅の増築とか補修の問題についてお伺いをいたします。  今年度、試行的に実施をしようとなさっておられます賃貸住宅の増築の件でございますけれども、現時点の到達点、それから今後の見通し、それについてお答えください。
  132. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) お答え申し上げます。  公団といたしましては、これまでに約六十四万戸強の賃貸住宅を供給いたしております。多くの国民の需要にこたえてきておりまして、現在も空き家応募状況等に見られますように、公的賃貸住宅としての役割を十分に果たしているわけでございます。  しかしながら、この賃貸住宅ストックを住宅規模別に見てまいりますと、その八〇%が二DK、三K以下という小規模な住宅でございます。また、建設年度の古い住宅の住戸規模、設備水準は、新しく供給されております住宅の規模等に比べまして格差が生じておりまして、近年の居住水準の向上に対応することは困難になっております。  このような状況でございますので、重要な社会的資産でございます公団賃貸住宅資産につきまして、居住者の新しいニーズに対応させるために、増築とか二戸一改造によります住宅の大型化や間取りの改修、住宅設備の更新、さらに敷地の一層の有効活用を図りますための建てかえ等の改善策を積極的に推進していく必要があると考えております。このために、公団といたしましては、学識経験者等によりますストック改善委員会を設けまして、総合的な改善活用方策の検討を進めているところでございます。  また一方、その具体的な一つの実施といたしまして、五十七年度から二戸一改造によりますところの住宅の大型化を図っておりますとともに、本年度におきましては新たに中層賃貸住宅の増築、一部屋六畳程度でございますが、三百戸を試行的に実施したいというように考えております。  その概要でございますが、対象団地といたしましては、住宅規模増を図る必要性が高い団地、当分の間建てかえができないような団地、大体四十年代前半を考えております。しかも、敷地とか建物の形状等の物的条件あるいは建築基準法等の法的条件等を勘案する必要があろうかと思っております。それから増築希望の強い団地というようなところを対象団地にしたいと思っております。  対象住宅といたしましては、原則といたしまして二DK、三K、それから住戸専用面積が五十平米未満の三DKを対象にいたしております。  増築の広さでございますが、十五平米から十八平米程度、六畳から八畳程度を考えております。  内容といたしまして、洗濯機置き場の確保とか、あるいは台所の換気設備の改修とか、多目的スリーブの設置等で、既設部分の設備更新もあわせて図りたいというように考えております。  増築後の家賃でございますが、増築後の住宅の家賃の額につきましては、現行家賃に増築にかかります額、おおむね二万円から二万五千円程度、これは概算でございますが、加算した額にしたいと思っております。  そういうものにつきまして、居住者の要望を把握いたしますために、今年度の五月でございますが、アンケート調査を実施いたしておりまして、現在集計中でございます。この集計の結果をもとにいたしまして分析をし、今後対象団地を決めて実施に入りたいというように考えております。
  133. 安武洋子

    安武洋子君 実施をする対象でございますね、この中層賃貸住宅の対象の中に三十年代に建設をされた住宅というのは入っておりますでしょうか。
  134. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 三十年代の前半の住宅は入っておりません。後半のは、ある一部も入っているわけでございます。  その考え方でございますが、公団の賃貸住宅につきまして先ほど基本的な考え方を申し上げたわけでございますが、居住水準の向上を図りますために、建てかえとか増築とか改築など、いろいろな改善活用を考えて進めていきたいというように考えているわけでございまして、特に三十年代の住宅につきましては、最近の供給されております伍宅に比較いたしまして、規模が非常に狭く、設備水準が低いという状況にございます。一方、立地条件につきましては非常によいわけでございまして、現在、例えば空き家になっております場合に空き家募集をいたしますと、空き家倍率も非常に高いという状況にございます。  それから法定容積率等でございますが、それに比較いたしまして現状の容積率というのは非常に低いという状況にございます。というようなことから、居住水準の向上とかあるいはより一層有効な土地利用を図るためには、総合的な改善活用方策を定めまして、その中で建てかえを含めた改善活用を進めていくというようなことも考えておりまして、大部分は入っていないという状況でございます。
  135. 安武洋子

    安武洋子君 その三十年代の前半の建築につきましても、私は何らかの改善策を講ずべきだというふうに思うわけです。これらの団地から要望が出ておりますのは二戸貸し、この要望が出ております。これにつきましては、私は募集方法を考えるべきではないかというふうに思いますが、いかがお考えでしょうか。
  136. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 公団におきましては、既に一部の団地につきまして複数戸の賃貸を行っております。五十八年度末現在におきまして百十四団地について実施をいたしております。また、新規の住宅建設に当たりましては、親子二世帯居住のための大型住宅建設も行っております。既存の賃貸住宅につきましては、親を扶養する必要が生ずるなど、世帯貝の増加があります場合には住宅変更制度を設けております。  一般的に同一団地内で二戸貸しはできないか、あるいはまた募集時におきますところの優遇措置を講じてはどうかという御指摘でございますが、団地の立地条件が非常によく、応募倍率も高い団地におきましては、二戸貸し等を行うということは現実のところ非常に難しい状況にございます。しかしながら、今後とも高齢化社会に対応いたしますために、団地の応募状況等を勘案しながら、可能な範囲で対応してまいりたいというように考えております。
  137. 安武洋子

    安武洋子君 ぜひ対応していただきたいです。それでなければ、三十年代前半の団地というのは増築もしてもらえないというふうなことで除外されてしまいます。ですから、私は今申し上げたような要求については耳を傾けて、前向きに検討していただきとうございます。  兵庫県の例を挙げますけれども、この増築の調査対象としましては、明舞団地とか逆瀬川団地などが挙がっております。これらの団地の二DK、これは増築いたしますと一挙に家賃が、今先ほど二万円から二万五千円加算するとおっしゃいましたので、倍近くになるんです。同じ団地の中の三Kあるいは三DK、これよりはるかに高い家賃になるというふうなことになります。これでは、少々狭さは解消されましても、引き続きこんなに高い家賃では住めないという人が出てくるのは理の当然でございます。増築部分は新しいといたしましても、同じ広さなのになぜ家賃が倍も違うのかというふうな、非難に不平等感を持つのも当然だと私は思うんです。ですから、せめて同じ団地内の三DKあるいは三K、またその周辺の同規模の公団住宅の家賃と比べて著しい差異のないように、この範囲内に家賃を抑えるべきではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
  138. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 増築いたします場合の家賃の考え方でございますが、基本的には建設に要します費用をもとに算出した額を基準といたしまして公団が定めることになっているわけでございます。したがいまして、今回の増築に係ります家賃につきましても、増築に要する費用をもとに算出した額を基準として定めまして、この額を従前家賃に加算する、いわゆる追加家賃方式ということで実施したいと思っております。  その結果、今回増築対象の予定団地について申し上げますと、増築後の家賃額は、公団がその供給対象としております中堅勤労者世帯の方に対しまして、五十八年度の所得から見ましても、おおむね一〇%から一五%程度の負担率におさまるものと考えておりまして、十分負担可能なものではないかというように考えておるわけでございます。それから今岡の増築につきましても、居住者の意向を踏まえまして実施しようとするものでございまして、増築後の家賃額を含めまして、公団がお示しいたしますもろもろの条件を了承していただけるのではないかというように考えております。  それから既存の三DKとの比較でございますが、今度増築いたしまして広がります、三DKとなるわけでございますが、その住宅につきましては、従来ございます三DKの面積と比較してまいりますと相当に広い面積になってまいりまして、増築後の合わせました家賃と比較してまいりました場合に、さほど不均衡なものではないというように理解をしているわけでございます。
  139. 安武洋子

    安武洋子君 私、個々の例を申し上げますけれども、この明石舞子——明舞団地、ここでは今二DK、それが二万八百円から二万四千八百円です。増築いたしますと四万八百円から四万九千八百円になります。ここの三DK、これを見てみますと、二万五千五百円から二万九千百円とか、あるいはこれに増築をいたしますと四万五千五百円から五万四千百円です。  こういうふうに見てみますと、やはり家賃は、少しは面積は広くなりましょうけれども、もとの三DK、これに比べますと倍近い家賃の伸びというふうになるわけです。こういうことをいたしておりますと、この新しく増築をされた人が出ていってしまう、そうすると、その後に入る人が、もとの三DKに入れば家賃が半分ぐらいになる、でも、そこに入れば家賃が倍ほど高くなるというふうになれば、だれだってもとの三DKの方に行きたい、こうなるのが心理でございます。それが当たり前のことだというふうなことになりますと、またまたこれで空き家をつくってしまうということになるわけで、もともとこんな狭い二DKとか二Kとかというものをつくってきたというのは、これは公団のやはり戸数主義の政策なんです。ですから私は、また同じようなことを繰り返して空き家をつくるという愚かさを繰り返すのではないか、やはり家賃というのは余り差異のないように抑えるべきではないかというふうに思います。もう一度御答弁伺います。
  140. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 明石舞子の団地を例にいたされましてお話してございます。実は明石舞子に建っております三DKは、面積にいたしまして四十九・二八平米から五十・八五平米の広さでございます。今度二DKにつきまして増築をしてまいりますと、その後の面積はほぼ七十平米前後になるのではないかというように実は考えます。そうなってまいりますと、先ほど申し上げましたようなことで、家賃等を比較してまいりましても決して高いものではないというように考えております。  それから先ほども申し上げたわけでございますけれども、私たち公団が供給目標対象にいたしております中堅勤労者の方々に対します、いわゆる家賃の負担割合等から考えてみましても、一〇%から一五%ということでございまして、まあ御負担いただける額ではないかというように考えているわけでございます。
  141. 安武洋子

    安武洋子君 面積の点ばかり強調なさいますけれども、本体の方が随分と古くなっているということもお考えいただかなければならないわけで、そこに新しく増築したということだけで、その分の加算額が今までの家賃の二倍にもなっていくというふうなことになれば、いかに負担できるとおっしゃいましても、家計に与える圧迫というのは大変なものなんです。  だから、私はやはり本来的には国民が必要とするものに対しては一般会計からお金を出していく、利子のつかないお金を使うということが正常であろうと思うわけです。ですから、政府政策としても、財投への利子補給等も考えていくべきではなかろうか。家賃そのものもやはり回りと差異のないように、一挙に上がるというふうな不合理なことをしないように配慮を願いたいということを強く申しておきます。  私は、狭さとともに快適な住環境を保障すべきだというふうに思うわけなんです。私のところにも今盛んに住居に対する要求が寄せられております。はがきがいろいろ参っておりますけれども、はがきの参っている中で、神戸市の垂水区の多聞台団地、こういうところがございますけれども、ここは築後十八年、新しいので十四作でございます。私もよく参りまして知っておりますけれども、外装はもう照ずみまして本当に汚くなっております。団地内の道を歩きますとでこぼこなんです。ですから外部から来た人が、ここのところにも来ておりますけれども、つまずいたという苦情が出てきたというふうな道でございます。こういうこともちゃんと舗装をし直すとか、団地内の道は舗装し直して歩きやすくするとかというふうなことをなさらないといけないのではなかろうか。  内装につきましても居住者のアンケートを集めております。このアンケートの回答を寄せた人が、みんな補修について要求を出しているわけです。私のところに要請の来ている中にも、いろいろと補修について要求が出ましたのでというふうに書いてありますけれども、それはこの十八年間補修されたというのが何とコンセントのソケット、これにしたのと結露対策、それからつり戸棚だけ、十八年間これだけしかやられていないわけですから、私は要求の出る方が当たり前だというふうに思います。  ここには、天井のコンクリートがひび割れて亀裂が走っているというお部屋がたくさんあります。それからふすまとか障子とか、建物がゆがんでおりますので閉めてもすき間があいてちゃんと閉まらない。だから、ほとんどのおうちが外してなさるというふうな状態です。窓もきちんと閉まりません。それから戸袋の戸というのはちゃんと閉まらなくて、合っておりませんから落ちてくるというふうな状態なんです。ドアもちゃんと閉まらないというふうなことがあります。それからおふろ場ですか、このおふろ場は壁も天井も見るも無惨にはがれているわけですね、塗っている塗料が。そしておふろ場のドアというのは腐食をしております。流し台は、上はステンレスですけれども、その下の木造部分、それは腐食をしているわけです。そしてトイレの便座なども割れたり、あるいはがたがたになったりというふうな状態です。  こういうふうないろんな問題がありますので、皆さんが補修の問題について直してほしいというふうに育っていかれましても、それは個人で直せというふうなことで門前払いを受けるというようなことがほとんどだというふうな苦情が寄せられております。私は、十八年もたちますと相当な傷み方だと、要望が出るのも当たり前だからというふうなことで、門前払いなんかけしからぬと思うのです。  そういうときには、実際に目で確かめに行く、そして住民の要望もよく聞く、そして妥当なものについては一刻も早く補修をしようと、こういう姿勢に公団は立っていただかなければならないんじゃないか、私はこう思いますけれども、御答弁をお伺いいたします。
  142. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 公団におきまして修繕等を実施しているわけでございますが、その考え方といたしましては、従来からでございますけれども、偶発的に生じますところの破損等の補修や経常的な修繕につきましては、その都度実施をいたします。  それから外壁塗装とか、給水、雑排水管等の取りかえ等につきましては、できるだけ計画的に実施をいたしまして、修繕等の促進に努めているところでございます。これらの修繕等の実施に当たりましては、修繕箇所等を調査、確認をいたしまして、損耗の程度等を勘案いたしまして、居住者の方々からの要望を参考にして、緊要度の高いものから実施をすることといたしております。今後におきましても、これまでと同様に実施する所存でございます。  ただいま多聞台団地の例を引かれて御質問があったわけでございます。多聞台団地につきましては、その計画的な修繕につきまして現在までに主なものを申し上げますと、屋根防水属の取りかえにつきましては、既に七百戸を実施いたしております。残る二百六十戸につきましても六十年度以降順次実施する予定でございます。  雑排水符の取りかえでございますが、既に全戸実施済みでございます。  給水管取りかえにつきましては、既に屋内符二百八十戸を実施いたしておりまして、残りにつきましても順次実施をする予定でございます。  外壁塗装の問題でございますが、こういうものにつきましては、実は修繕周期というのを公団で定めております。ちょうど十八年というお話が出たわけでございますが、五十九年度以降に順次実施をしてまいりたいという考えております。  それから流し台等の問題があるわけでございますが、これは居住者の方々の御要望によりまして、修繕をしなければならないというような実情が確認されました場合には公団の方で修理をいたしておりますので、その点はひとつ十二分に現地の営業所等にお申し出をいただきたいというように思います。  特に申し上げておきたいことでございますけれども、こういう住宅の修繕等につきまして、公団と居住者の方々との負担区分というのが実はございます。原則的な形といたしましては公団が修理等をしてまいるわけでございますが、契約書の十二条におきまして居住者の方々が修締なさらなければならない事柄を列記いたしております。それからそういう修繕項目等につきまして、入居されます場合に修繕項目一覧表というものをお渡しいたしまして、そういう事柄に対します修繕につきましては居住者の御負担であるということを明示しているわけでございまして、そういう区分の上に立ちまして公団が実施しなければならない修繕等につきましては、先ほど申し上げましたような考え方で実施をいたしているわけでございます。
  143. 安武洋子

    安武洋子君 そんなことはわかってお伺いしているわけです。天井に亀裂が走ったのなんて個人でどうにもできないでしょう。それから私が先ほどから申し上げている建物自体がゆがんでいるのも、これもどうもならないでしょう。だから私は、住民から要望が出たときには、何としても公団は日で確かめて、門前払いをしたらいけないと、そして住民とよく話し合いをしてくださいと、妥当なものについてはほったらかしにするんではなくてすぐに修繕をすべきだと、補修をすべきだと、このことを申し上げているわけです。ですから、そういう誠実な態度で臨んでいただきたいということをもう一度重ねて申し上げておきます。時間がないので、最後にこれで終わりますけれども、どの団地であろうと、居住者にとって物の収納ということが今頭の痛い問題になっております。やはり今進めておりますトランクルーム、こういうものの設置を大幅にふやしてほしいと思います。やはり主婦にとりましては、不用な家具とかあるいは衣類などの収納、こういうことに頭を痛めているわけですから、この主婦の悩みにもこたえていただきたいし、またミニバイク、今これが非常に使われております。この収容のスペースも確保していただかなければ今後のやはり皆の要求にこたえられない、こういうふうに思いますので、先ほどの、もう一度誠実に住民の要求にこたえる、もう門前払いというふうなことをしないで、妥当なものについては、十八年もたっているんだから個人の手に合わないことだっていっぱいありますよ。ですから、そういうものについては補修をしていくというふうなこと、それから今申し上げましたトランクルームとかミニバィクとか、こういう収納スペース、この確保に努めるかどうかということを御答弁いただきたい。
  144. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 修繕の考え方につきましては先ほど申し上げたわけでございますが、なお補足いたしますと、巡回点検等をいたしましてそういう状況をばつぶさに調査もいたしております。  それから居住者の方々のクレームと申しますか、申し出を受けましてそれに対応するという姿勢もとっているわけでございます。たまたまお話の出ました天井等のひび割れ等の問題につきましては、これもクレーム対応で公団が処理できる事案ではないかと思います。ひとつ現地の方でそういう要望をしていただきたいと思います。  それから次の収納庫の問題でございますが、公団といたしましては、生活水準が向上しておりますし、生活様式も多様化しているということを認識いたしております。そのために、既存任宅の狭さの解消の一環といたしまして、州地の中高層住宅を対象にいたしまして、貸し倉庫を五十五年度からこれまでに九十七団地、六千四百十二件につきまして計画的に順次設置をいたしてきております。今後も引き続き居住者のニーズや団地の状況等を勘案いたしまして対処してまいりたいというように考えております。  それから次のミニバイクの問題でございます。それに先立ちまして自転車置き場の問題があるわけでございますが、自転車置き場につきましては戸当たり一台を目標にいたしまして、これ第二次計画というのを立てているわけでございますが、整備の実施を図っているところでございます。五十八年度末現在におきまして、整備の進捗率はおおむね七四%となっております。一方、ミニバイク等の保有状況でございますが、私たちの調査によりますと、戸当たり〇・一三台という状況でございます。という状況を踏まえまして、当分の間は自転車置き場の整備、とりわけ第二次計画の推進を優先的に考えることといたしまして、その計画達成を待ちましてミニバイク等の置き場の整備について検討していくことにしたいというように考えております。
  145. 山田勇

    ○山田勇君 先月二十七日、水野大臣は大阪で記者会見をし、その際、関西新空港計画に伴うアクセス道路、住宅、下水道などの地域整備費が一兆六千億に上ることを明らかにしておられますが、これは六十七年末開港までの八年間に年二千億ベースで地域整備に金を投入するということのようですが、その概要について大臣から御説明をいただきたいと思います。
  146. 水野清

    国務大臣(水野清君) 関西国際空港の建設に関連をいたしまして、地元の自治体などでは周辺地域整備に多くの要望があるというふうに私どもは承っております。このような関連施設整備につきまして、本年二月に開催されました関係閥停会議の趣旨を伏しまして、今後空港との関連性、必要性などを考えた上、具体的に今詰めていくことにしておりまして、事業費等の確定は今後の作業にゆだねられるというふうに思っております。ただ、御指摘の概算一兆六千億というのは一つ試算でございまして、空港へのアクセス道路初め、関連施設につきましてのおおむねの額を推計した試算一つであるというふうに御理解をいただきたいと思います。  そこで、私はこの一兆六千億のあえて試算数字を出しましたのは、開港までに八年間でこれをやってもらいたいというようなお話でございます。ですから、単純計算をやれば毎年二千億の公共投資が空港に関連して必要である。関西空港の本体はおおむね一兆円と、こう言われておりますから、その一兆円のほかに建設省の関連の公共投資が一兆六千億であると、それを八年間で単純計算すればおよそ二千億毎年金が必要だと、こういう計算だということを記者会見で申し上げまして、さらにつけ加えまして、この中に含まれております補助事業を、仮に公共事業費が昭和六十年度もゼロシーリングあるいはマイナスシーリングだというようなことになりますと、地域別シェアというようなものを変えないで考えますと、大阪府内の公共費だけで、これを例えば傾斜的に配分をするというようなことになりますと、本体ができましても建設省の担当いたします附帯の公共事業は二十五年ぐらい、これも単純計算でございますがかかると、こういうことを記者会見で申し上げたわけでございます。  それで、この厳しいゼロシーリングの時期に他の府県からこの地域に大幅な傾斜配分を行うということは極めて難しいわけでありまして、空港開設までに必要な地域整備を十分達成したいと、私どもは事務次官を長にいたしまして対策本部をやっていろいろとやっている際でございますが、今のような公共事業費では達成が困難であるということで大変苦慮をしていると、こういうわけでございます。
  147. 山田勇

    ○山田勇君 大臣は、新空港は空池本体ができても地域整備が間に合わなければこれは一つの欠陥空港になってしまうということを利者会見でも言明されておりましたが、全くそのとおりだと思います。この地域整備の重要性を強調されておりますが、地元自治体は、当初空港設置に反対の各都市、術界都市も多かったのでありますが、経済不況や大阪府の積極的な誘いもあり、架港建設に伴って国費で町づくりができるという考え地域開発に夢を託して賛成に回ったという而もあったと思います。大臣の発言は地元にとって大変合歓迎をされているものと思いますが、第一種空港たる国際空港でさえ財政危機の前には国が自前でつくる力がない現実であり、まして周辺整備についての予算が大臣の思惑どおりに獲得できるかどうか、大変我々も疑問に思っていることも多うございます。先ほど大臣は、何とかこれは取っていきたいという御答弁をいただきましたが、これは大臣の単なるリップサービスにならないよう格段のお力をいただきたいと思います。  建設省は、地方自治体などの公的機関が大都市近郊に大規模のベッドタウンをつくる際、新住宅市街地開発事業によって造成された宅地を民間の不動産業者に卸売をする、いわゆる民間ルートで分譲する新方式を導入する方針を固めたと新聞に報じられておりますが、これは民間による販売促進、民間資金の活用ということもありますが、公的機関は宅地造成まで、分譲は民間に任せるべきだという大手不動産業者らの官民分業論に配慮したものだとも言われておりますが、いわゆるこの宅地卸売とも言える新しい方式は、業者が土地の値上がり分の利益も取得することになり、結果的には庶民のマイホームづくりにプラスになるのかマイナスになるのか大変凝固の余地があると思いますが、その点いかがなものでしょうか。
  148. 高橋進

    政府委員(高橋進君) 近年、住宅も量的には充足してきておりますと同時に、一方では住宅取得能力が伸び悩んでいると、こういう状況にございます。そういったことを受けまして、新伍宅市術地開発事業施行地区等の公的宅地造成地の一部におきまして、必要な初期入居の確保がスムーズにいかないといったこと、あるいは市街化の熟成のスピードが遅くなっているというような状況が見られるわけでございます。これによりまして宅地処分がより長期化いたしまして、金利負担を増大させて、結果的に宅地処分価格の上昇をもたらすというようなおそれもあるわけでございます。  一方、最近は画一的な住宅よりもいろいろ工夫を凝らした多様な住宅がよく売れるという傾向もございまして、このために民間の活力、ノーハウ等を活用して市街地の早期熟成を図るとともに、良好な町並み形成に資するというような観点から、民間の住宅建設事業者に住宅用地を譲渡することについて検討することが時代の要請するところではないかというふうに考えておるわけでございます。  ただ、今御指摘のような点もございまして、これの具体化に当たりましては、民間への譲渡条件をどうするかとか、あるいは最終需要者への分譲価格がどうであろうかというようなことにつきまして適正妥当な方法を検討いたしまして、譲渡された土地と住宅の販売で民間住宅建設事業者が不当な利益を上げるというようなことはないようにしなければならぬではないかというふうに思っております。
  149. 山田勇

    ○山田勇君 一部そういう大学の教授なども反対の声明を出したりしておりますが、そういうふうにひとつ歯どめをぜひしていただきたいと思います。  ところで、現行法では宅地を売却する対象が決められており、また公募を原則としておりますが、民間業者に売る場合、新住宅市街地開発法の解釈の範囲でできるのか、それともこういうことを、新しいルートをつくることによって法改正が必要になるのか、その辺はいかがなんでしょうか。
  150. 高橋進

    政府委員(高橋進君) 実は現在のところ、そういったことにつきまして検討中としか申し上げる段階でないわけでございますけれども、おっしゃいますように、現行の新住法の二十三条で処分計画の基準に関する条項がございますが、そこで公募に関する規定がございます。それとの関係でそういった民間事業者に譲渡する場合どういうふうに取り扱ったらいいかということにつきまして検討しなきゃならぬ点がございます。いずれにしましても、法律の違反になるようなことはできないわけでございまして、解釈の範囲でできるかどうかということにつきましても、今後十分検討することといたしております。
  151. 山田勇

    ○山田勇君 大臣、今同僚議員等も住宅公団と住宅の——非常に庶民が最終的な本当に希望を持って住宅取得のためにそれぞれ努力をしているわけでございます。  そこで、空港と関連をいたしますが、御承知のとおり大阪府の出島の部分だけでも二億二千万から五千万立米の土取りが必要です。それから本体ということになれば相当な土取りが必要になってまいります。その後当然フラットになる部分についての大きな、大臣がおっしゃるこの地域整備という形の中で事業が動いていくと思います。  その中で大臣、当然大きな公団誘致もございましょう、いろんなものがありますが、やはりこれから高齢社会を迎えるに当たってのいわゆる老人ハウスといいますか、老人ホームというと何か暗いイメージでとらえがちなんで、いわゆる老人ハウスという形の中、いわゆる今の医療体制というのはケアと医療が一緒になってごちゃごちゃっとなってしまう。厚生省が発表しているとおり、一患者の平均入院日数が四十七日である。今の近代医療で集中医療をすれば十三日ぐらいで大体できるんではないか、保険財政の問題等々もありましょう。これはちょっと所管が違うので詳しく申しませんが、そういう形の中でいわゆる二千二百万とか二千五百万の高齢社会を迎える中で、一つの国際空港をつくるということによってあとの地域整備に対して、いわゆる老人向けの住宅公川というものではなく、医療もその中に組み入れられた新しいシステムの何か建設大臣ひとつお考えになっていただけないか。  だから、ケアと医療を別にして、セパレートにして住宅へ住んでいる、ボタンを仰せば外科へ通じる、このボタンで内科という形の中で、下に医療機関がある、そしてマーケットもある。そういうふうなちょっとユートピア的な発想を申し上げておるようですが、現実にこれからの高齢社会を迎えるに当たって、そういう人たちの特別な住宅政策というものを出せないものだろうか。先ほど明舞団地の話も出ましたが、明舞団地から向こうへ行きますと、兵庫県が初めて小児科専門の大きな病院をつくりました。私も行ってまいりました。壁に子供が喜ぶような絵をかいたり、白衣が非常に恐怖感があるというので水色とかピンク色のものにして、その病院は非常に今兵庫県の県民にとっては重要な小児科専門の病院になっております。それと一緒で、老人というものに対応するために、これからの地域整備の中で建設省として、住都公団としてでもですが、何かそういう老人を対象の大きなベッドタウンといいますか、そういうものをおつくりになるお考えがありますが。これは急なことなんですが、大臣としての御所見を伺っておきたいと思います。
  152. 水野清

    国務大臣(水野清君) 関西空港のことにも当てはまると思いますが、私も答弁を用意しないで申し上げるわけでございますが、私は実は千葉県でございまして、地元に成田空港を抱えております。成田空港の経験を踏まえて申し上げますと、現在成田空港は一期工事が完成して、いわゆる滑走路一本で、空港関連で成田の方へ移動しておいでになった新しい住民の方々が成田市内だけでも約三万を超えております。その方々は従来成田にお住まいの方とかなりいろんな生活水準も違いますし、それから要望も違う、住民としての要望も非常に違う、多様化をしたというか都市化をした住民の方が非常に多いわけです。  そういう方々のニーズに合わせた都市づくりというのは、成川では成田ニュータウンという大変立派なものができておりますが、やってみますとなかなか都市づくりだけでも難しい。今先生の御指摘のように、まず病院ができてこなきゃいけない、あるいは空港というものは事故がないことはもちろん期待するわけでありますけれども、例えば万一のときには、ジャンボ機一機が墜落をする、そこで多くの負傷者が出てくる、そういう人たちを緊急に収容するような大病院がなくちゃいけない、外科医も相当多数動員できなきゃいかぬとか、いろんな問題が次々と出てきておって、成田自身でもまだそれがまことに追いつかない不備な点が非常に多いわけであります。  まして、そこにお住まいになる人が今度は長い将来、まあ老人向けという御指摘がありますが、高年者の方向けというよりは、そこにお働きになる方々がお家をお買いになって、将来は結局高齢者になっていかれるわけであります。どちらかというと、農村とか地方都市出身の方々より非常に多様なニーズを持っておられる、それにこたえることは大変なことだと思いますが、関西空港の建設の過程では、成田であったことでございますから当然私は起こってくるだろうと思います。ですから、そういうことを多様なニーズにこたえられるような都市づくりをしなくちゃいけないということは私どももよく考えてこれから対処をしていくつもりでございます。
  153. 山田勇

    ○山田勇君 先日の大臣の大阪の記者会見というのは、在日外国領事館等々にも大きな反響を起こしております。オーストラリア総領事と先日お目にかかったときも、これからの空港の関連という位置づけの中であちらの方へそういう領事館を持っていきたいと、そういう形の中で、下水道完備をしている堺市は別としまして、あとは岸和田市が一部と、あとはほとんどありません。そういうところへ外国の領事館なり公使館が設置されることは考えられませんし、御承知のとおり、今大臣答弁のように、いわゆる空港関連者だけでも十七万人、まあ規模が大きくなれば二十万人からがあの周辺に居住をしていく、やはりパイロットの住宅だとか、その働く人たちの住宅政策考えなければいけません。そういう形の中で地域環境整備ということを大きく打ち出されたのが高く本当に評価されておりますので、大臣、ひとつこれは頑張っていただいて、もう次のときも大臣をやってもらうように——いやいや、それは実力で、大臣かわり過ぎますので、日本は。ひとつ頑張って地元のニーズにもこたえていただきたいと思います。  次は、国土庁にお尋ねをいたしますが、国土庁が発足して満十年がたちましたが、発足当時はオイルショック後の狂乱物価の時代で、土地価格も昭和四十八年中の平均上昇率が三三。四%という異常な高さでありました。国土庁がまず力を入れたのが新国土総合開発計画の点検作業であります。国土利用計画法によります地価の抑制であったと思います。国土庁発足後の年々地価上昇率は急ピッチで鈍化し、五十八年中の上昇率は三%までに下がったのでありますが、この現象、またこれまでの経過を国土庁はどう認識をしておるんでしょうか。鈍化の主な原因は、既に一般国民の手の届かない高値にはね上がっているための需要が起きにくいこととか、また金融機関などの金が土地の取得に向けられていないことなどを指摘する向きもありますが、国土庁としては土地対策は成功しているとお考えになっておられますかどうか。
  154. 鴻巣健治

    政府委員(鴻巣健治君) お答え申し上げます。  地価の毎年の上昇率は、ただいま先生の御指摘のとおりでございます。いろいろな要因が重なっておると思います。一つは、経済的なあるいは社会的な要因でございまして、経済成長自身が低成長になっているとか、あるいは大都市への人口の流入が高度経済成長のときと比べますとめっきり減りまして、ほとんど大都市への流入人口がストップをしている、あるいは世帯の数もほとんどふえないというような経済的な状況、あるいは社会的な状況もございますし、それから住宅の事情も、質的にはもちろんまだ問題があるかもしれませんが、量的には先ほどからも出ていますようにほぼ充足を見まして、空き家も約三百万戸というような状態になっているというような経済的な社会的な状況が地価を安定させる一つの大きな要因になっていると思います。  もう一方では、国土庁発足以来、今お話しのような国土利用計画法で土地の売買、一定規模以上の売買につきましては届け出制をしきまして、その土地がちゃんと目的どおりに使われるかとか、その価格が周辺の地価に悪影響を及ぼして引き上げをもたらさないかというようなチェックをいたしておりまして、やっぱり届け出をいたしました件数全体の約一割は何らかの意味でいろいろ勧告をされたりなんかをいたしておりますので、そういう行政的な指導とそれから一般的な経済社会の両方が相まって今日の地価の安定をもたらしているものと考えております。
  155. 山田勇

    ○山田勇君 国土庁の当面する最重要課題一つ四全総づくりであると考えますが、四全総の柱としては、一、高齢化、二、国際化、三、情報化を中心とする技術革新、それに四として都市化の四つが挙げられておりますが、なかんずく急速に進む高齢化社会に対応する四全総対策が急務であると考えておりますが、この点をどうお考えになっておりますか。  ちょっと時間の関係上、私もうこれで最後の質問にさしていただきます。
  156. 小谷善四郎

    政府委員小谷善四郎君) 四全総策定基本的なポイントは、今先生が御指摘になったとおりでございまして、それで私ども高齢化の問題につきましては、現在はまだ西欧諸国に比べまして日本の年齢構造は若いわけでございますけれども、二〇〇〇年には西欧の先進諸国のレベルを超えるところまで高齢化が進みますし、さらに進んで二〇二五年にはかなりの、二〇%を超えるような高齢化比率にまで達する。したがって、そういうことからいたしますと、これから残されている今世紀末までの十五、六年というものは本格的な高齢化社会への性元な準備期間であるというふうに考えておりまして、そういう考えもと四全総策定したいというふうに考えております。  それで、高齢化に対する対策といたしましては、もちろんこれから勉強していくわけでございますけれども、一つは高齢者に対する社会の文援ということはもちろん必要でございますけれども、同時に高齢者が社会の中で働き、また社会に積極的に参加していく、そういうことができるような就業環境なり、あるいは社会環境なりというものをどういうふうに克明につくっていくべきかという問題が一つございますし、もう一つは、高齢化が進展する過程で地域社会の活力が失われないようにするためにどうしたらいいかという問題がございますし、また高齢者が社会で十分に活動するために、交通施設でございますとか都市施設でございますとか、集落施設でございますとか等々いろいろあろうかと思いますけれども、そういうもろもろの施設をどういうふうに整備していったらいいかというような問題等々、多数いろいろな幅広く問題があるのではないかと考えておりまして、そういう問題を十分に検討いたしまして、高齢化社会に対応した国土づくりのあり方といったものを四全総の中で明らかにしてまいりたい、このように考えております。
  157. 青木薪次

    委員長青木薪次君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十五分散会      —————・—————