○
目黒今
朝次郎君 来月の十二日が文部省、十三日が
大蔵省、会計検査院が
決算委員会の主管業務になっておりますから、細部については文部省
関係あるいは会計検査院の方に伺いますが、十分に今申された問題について調査なり
対応の仕方を要望だけしておきます。これは要望です。
法務省と会計検査院結構です。どうも御苦労さんでした。
それで、西明石の問題に戻るんですが、私は、今法務省がまだ捜査中であるというから、それ以上はまだ追及しません。ただ、これは私は現場の職場を歩きますと、やっぱりこれだけの事故を起こして、確かに飲酒
運転そのものには社会的な制裁を加えられるとありますけれ
ども、やはり
国鉄の管理
体制自体としても、この問題に対する一体
責任の所在はどこなのか、管理
局長なのか機関区長なのか、あるいは本省の
運転局長なのか。やはり一定のけじめをつけておく必要がある。私はそういう意見が職場に非常にあるということを表明しておきます。したがって、その時期、内容等については法務省の取り扱いがきちりとした段階で私たちも一定の見解を示したいと、こう思っておりますから、これは総裁に要望をしておきます。
それからもう一つ、私も
乗務員経験ありますから、
国鉄が職場点検やったりいろんなことをやることについてば
それなりに理解をします。しかし——ここから違う、しかし
乗務員だって人間でありますから人間性を無視したような、人間性を超越したような、私は報復手段とは言いませんけれ
ども、例えば現場で今歩きますと、来年六〇・三のダイヤ改正の深夜時間における
乗務員の運行の取り扱い方、これはちょっとひどいじゃありませんか。私も今仙台市長がなくなって、市長選挙で十分に現場のA、B運行を点検する余裕はありません。しかし、五、六点聞いてみますと、夜中の二時、三時から五時、六時まで一睡もさせないでその乗務に締めつけておく、そういうB運行をおたくたちがつくっていると。こういうことはちょっと私は西明石事件に便乗した、
乗務員を搾る
方法だと。
乗務員だって夜中になれば眠くなるんですから。
乗務員が昼の間この騒音が激しい世の中で、十分に
乗務員が昼間でも休養のとれる設備、住宅条件、そういうものがあるならば
それなりに私は
考えます。私も満鉄におりました。
戦前の満鉄の
乗務員の休養室などは百点満点です、四平街とか長春とかハルビンとか。そういう経験をしている我々としては、西明石事件に便乗して深夜の
乗務員の
運転時間をびりびり責めるというのはちょっと酷だと思います。きょうは抽象的に言っておきます。抽象的に言っておきますから、やはり西明石事件に便乗した
乗務員を責めることだけは私はやめてもらいたい。
乗務員も人間でありますから、人間的につき合ってもらいたい。こんなことをやっていたらどんどん
乗務員希望者がなくなるか、あるいは
国鉄から夜行列車を全廃する以外にないですよ、
私鉄並み、
私鉄並みと言うんならば。何の苦労があって寝台列車を我々は動かしているんですか。そういうところをやっぱりけじめをきちっとして
乗務員を人間らしく扱ってほしいと。
乗務員だって悩みがあるんですからね。夫婦げんかした、息子とけんかした。しかし刻々刻々発車時間は迫っている。昼は眠れない。眠れないけれ
どももう夜中の十時、十一時来る。行かなくちゃいけない。頭の中はその問題でもやもやしたままハンドルを持つ。ソビエトの
鉄道は、乗務の二時間前にいわゆる神経テストやるんですよ、脳波検査。脳波検査をやって、脳波が乱れておれば、あなたは乗務を控えて休みなさい、そして脳波がよくなったら次のダイヤに振りかえ乗務しなさいと。そのくらい
乗務員の神経ということをやっぱりソビエトは
考えていると。そこまでいかなくとも、
乗務員を個別管理するんなら、きょうは夫婦げんかなかったか、
借金の心配はなかったか、サラ金の心配はなかったかと。酒のにおいをかぐのもいいけれ
ども、そういう家庭環境のことまでやっぱり管理者が
乗務員の
立場になって安心してハンドルを持てる環境、家庭環境、社会環境をつくってやるのがいわゆる
運転保安の大事なところじゃないかと、私は自分の経験からそう思うんですよ。ですから、六〇・三のダイヤ改正ではそういうことのないようにひとつ要望をしておきます。これは本来
運輸委員会でやるべきですからきょうは要望しておきます。
それから次に、時間が来ましたから、新大臣御苦労さんです。まあ今から二、三年、
国鉄問題のけりがっくまで、余り大臣ちょいちょいかわらないでやってもらいたいですね。中曽根さんにもそう言いたいね。せっかく議論していいところまで来ると、大臣ポロポロとかわってまた立派な新大臣がいらっしゃる。それで交通新聞にこういう談話を発表される。
この交通新聞の中身を私はずっと見ました。まあ編集者にもよるだろうし、大臣の真意を伝えているかどうかわかりませんが、この中で私はぴんときたのは一番最後、「
国鉄再建問題に関しては、
国鉄の幹部とも十分話し合っていきますか。」と、こういうインタビューに対して、
運輸大臣、「もちろんです。そのために私自身が
国鉄へ出向いていってもよいと
考えています。
国鉄再建問題というのは、社会保障的な意味」がなければ
解決できませんと。現職大臣が「社会保障的な意味」がなければ
国鉄は
解決できませんと言うのは、これは山下大臣、極めて私は広い視野からやっぱり見ている大臣だなといって大いに歓迎したいんです。この「社会保障的な意味」ということは何を言おうとしておったのか。私が午前中に言った
国鉄に対する
助成措置、あるいは
赤字の問題の
処理、あるいはローカル線の問題も、
民営、
民営といったって
私鉄自身がどんどん廃止されている。その傾向に
国鉄が入ったって同じ道を歩むじゃありませんかと。いわゆる社会保障というのは、公共的な
政策をより進めるという、私は交通の場合には返ってくると思うんですよ、健康保険じゃありませんからね。
運輸政策の場合にはいわゆる公共交通を守る、そのために国が積極的に取り組む、そういうことが私が
考える社会保障的と、こう私は思うんでありますが、大臣の社会保障的とはどういうことを言おうとしているのか、新大臣の抱負としてぜひこの一点だけは聞かしてもらいたい。あとは
運輸委員会でやります。