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1984-11-06 第101回国会 参議院 決算委員会 閉会後第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和五十九年十一月六日(火曜日)    午前十時開会     ―――――――――――――    委員異動  十一月二日     辞任         補欠選任      石本  茂君     斎藤 十朗君      河本嘉久蔵君     石井 道子君     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         佐藤 三吾君     理 事                 岩崎 純三君                 後藤 正夫君                 福田 宏一君                 松尾 官平君                目黒朝次郎君                 服部 信吾君     委 員                 石井 道子君                 大浜 方栄君                 倉田 寛之君                 斎藤栄三郎君                 杉元 恒雄君                 曽根田郁夫君                 出口 廣光君                 原 文兵衛君                 星  長治君                 矢野俊比古君                 菅野 久光君                 本岡 昭次君                 太田 淳夫君                 刈田 貞子君                 佐藤 昭夫君                 安武 洋子君                 井上  計君                 木本平八郎君    国務大臣        建 設 大 臣  木部 佳昭君        国 務 大 臣        (北海道開発庁        長官)        (国土庁長官)  河本嘉久蔵君    事務局側        常任委員会専門        員        小島 和夫君    説明員        警察庁刑事局捜        査第二課長    上野 浩靖君        総務庁行政管理        局管理官     柴崎 徹也君        環境庁水質保全        局水質管理課長  小林 康彦君        国土庁土地局長  鴻巣 健治君        国土庁防災局長  杉岡  浩君        法務省民事局参        事官       濱崎 恭生君        法務省刑事局刑        事課長      北島 敬介君        外務省経済協力        局審議官     木幡 昭七君        大蔵省主計局主        計官       涌井 洋治君        農林水産省構造        改善局長     井上 喜一君        通商産業省生活        産業局窯業建材        課長       新村  明君        資源エネルギー        庁公益事業部水        力課長      山地 義門君        建設大臣官房長  豊蔵  一君        建設大臣官房技        術審議官     杉山 好信君        建設省建設経済        局長       高橋  進君        建設省都市局長  梶原  拓君        建設省河川局長  井上 章平君        建設省道路局長  田中淳七郎君        建設省住宅局長  吉沢 奎介君        会計検査院事務        総局第三局長   小川 一哉君    参考人        住宅金融公庫総        裁        河野 正三君        北海道東北開発        公庫副総裁    吉岡 孝行君        日本道路公団理        事        加瀬 正蔵君        首都高速道路公        団理事      栗山 昌久君        住宅都市整備        公団理事     京須  實君        住宅都市整備        公団理事     武田 晋治君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○昭和五十七年度一般会計歳入歳出決算昭和五  十七年度特別会計歳入歳出決算昭和五十七年  度国税収納金整理資金受払計算書昭和五十七  年度政府関係機関決算書内閣提出) ○昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算  書(内閣提出) ○昭和五十七年度国有財産無償貸付状況計算書  (内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  去る十一月二日、河本嘉久蔵君及び右本茂君が委員を辞任され、その補欠として石井道子君及び斎藤十朗君が選任されました。     ―――――――――――――
  3. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) 昭和五十七年度決算外二件を議題といたします。  本日は、建設省国土庁北海道開発庁住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫決算について審査を行います。     ―――――――――――――
  4. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これらの決算概要説明及び決算検査概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。     ―――――――――――――
  6. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  7. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 五十七年度の会計検査院決算報告を見ますと、建設省関係が、不当事項が十八件、是正改善要求が二件、特に指導を要するもの一件、合計二十一件あるわけでありますが、大体件数の状態は、郵政省が第一位、厚生省が第二位、建設省は第三位、こういう不当事項の実は三本柱の中に建設省が入るわけでありますが、主として補助金関係不当事項指摘されておるわけであります。時間もありませんから個々の問題については、釈明は省略いたしますが、この不当事項に対する、まあなったばかりの大臣には申しわけありませんが、建設大臣として会計検査院不当事項是正方について決意の表明を求め、同時に特に指摘する事項については後日事務局の方から私の方に別途内容について説明をもらいたい、そういう点でまず大臣決意を伺いたい、このように考えます。
  8. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) ただいま御指摘いただきましたように、第三位というのは大変不名誉なことでありまして、私ども綱紀の粛正はもちろんでありますが、こうした特に多くの公共事業補助金関係が非常に多いわけでございますから、そうした会計検査院指摘に対しまして襟を正してこれからそういう事態が少しでも指摘を受けないように、公正な運用を図っていくように最善の努力を尽くさしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
  9. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 新大臣でありますからよろしくお願いします。  私は、きょうは宍道湖淡水化問題、それから秋田の駅前開発の問題、それから王滝村の地震の災害の復旧問題、大筋三点について御質問申し上げます。  まず第一の宍道湖淡水化問題でありますが、この中海宍道湖管理責任者建設省であると存じます。  五十七年の三月一日、予算委員会第五分科会におきまして、河川局長は、水質については中間報告を待って検討しまして、事業者であります農水省協議して対処いたします、こういう答弁をしておるわけでありますが、本年八月二十日公表された中間報告、これは実は我々の調べでは去年の三月にもう中間報告ができておったわけでありますが、何らかの事情で発表されないまま今日にきておるわけでありますが、この八月の中間報告を発表された際に、管理責任者としての建設省農水省からどういう御相談を受けておられるのか、その現状についてまず御答弁願いたいと存じます。
  10. 井上章平

    説明員井上章平君) 中海宍道湖淡水化につきましては去る八月の二十日に農林水産省より中間報告書が送付されております。現在、出先建設省出雲工事事務所がございますが、この工事事務所におきましてその内容を勉強しておるという段階でございまして、農林水産省からこの問題についての具体的な協議というものはまだございません。
  11. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 提示を願って協議しておる段階だということでありますが、我々の調査では、建設省淡水化に関する疑問点約七十八項目整理をいたしまして農水省質問書提出するという情報確認しておるわけでありますが、この七十八項目疑問点提出について間違いないか、また現実に七十八項目中身はどういうものか公表してもらいたい、こう思うんですが、いかがでしょうか。
  12. 井上章平

    説明員井上章平君) ただいま御指摘がございましたように、最初七十八項目、続いて四十六項目質問をいたしております。これにつきましてはただいま農水省の方から御回答いただいておりますので、それについてまだ検討中という段階でございます。
  13. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 その七十八項目ないし四十六項目質問と回答について資料として御提示願えますか。
  14. 井上章平

    説明員井上章平君) まだ整理ができておりませんので、整理ができますれば御提出できると思います。
  15. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃ、それは待っております。  二番目には、三年間の試行という問題でありますが、これも河川局長は、試行といえども河川法第二十三条、流水の占用行為に当たるので建設大臣の許可が必要であると。この問題についてはこの前の農水委の際に建設省課長から確認がありました。それでお伺いいたしますが、この河川法上の同意について具体的内容農水省とどの辺まで現在詰めておられるのか、その状況についてお知らせ願いたい。
  16. 井上章平

    説明員井上章平君) 淡水化試行につきましては、まだ具体的に農水省と御協議申し上げておる段階ではございません。
  17. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 農水省と全然協議してない。まあいいです、それ確認します、農水省からまだ具体的に来てないということを確認していいですか。
  18. 井上章平

    説明員井上章平君) 内部的に事務当局間での打ち合わせばいたしておりますが、法律上の手続としてはまだ協議いたしておるということではございません。
  19. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 わかりました。  じゃ農水省にお伺いしますが、五十九年十月三日の農水委員会農水省構造改善局長さんはこういうふうに述べておるのですが、試行期間異常事態があっても水門をあけてまたもとに戻すというようなことはあり得ないと、こういう答弁をしておるんですが、試み中に湖水が汚れてこれは大変だというような認定をされた場合には、河川法上の問題もあるいは環境上の問題もあって、やはり門の開閉ということは試行期間中には当然あり得る行為だと、私はそういう理解をするわけでありますが、この構造改善局長答弁の真意は、もう一回閉めてしまえば問答無用ということなのかどうか、その辺のことについて政府委員の御答弁を願いたい。
  20. 井上喜一

    説明員井上喜一君) お答えいたします。  ただいまの御質問は、多分衆議院の農林水産委員会におきまして中林議員からの御質問に私がお答えいたしました内容に関連していることと思います。御質問の趣旨は、淡水化試行後、試行が終わりました段階水門樋門をあけるのかと、こういうような御質問でございました。私は、試行期間中に特に問題がなければその水門をあけるということもないのではないかというふうに考えておりますと、このようにお答えしたわけでございます。  私ども再々答弁を申し上げておりますとおり、異常事態が発生いたしますれば、水門の閉鎖を一時解くというような措置を含めまして、対応措置等関係省庁あるいは関係機関と御相談の上決めてまいると、このようにお答えしているわけでございます。
  21. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうすると、異常事態が発生すれば水門の開放ということはあり得ると。その際には環境庁とか建設省などの関係者十分相談をして、もちろん地方自治体意見も聞きますが、そういうことをやって、試行期間中といえども異常事態が発生すればそういうことはあり得るということで、私の今の質問とは逆ですね、異常事態があればあり得るということで確認していいんですか。
  22. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 試行期間中にいろんな事態が発生することも想定されますけれども、私どもといたしましてはそういう異常事態が発生いたしましたときには水門を一時あけるという措置を含めまして検討してまいる、適切な措置検討してまいると、このように考えている次第でございます。
  23. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 環境庁にお伺いしますが、環境庁は今の農水省答弁に御異議ございませんか、環境庁
  24. 小林康彦

    説明員小林康彦君) 淡水化試行期間中の異常事態対応につきましては、農林水産省よりその方針につきましてのお話を聞いております。具体的な方法等につきましてはさらに検討が必要と思われますので、今後農林水産省からの提示を待って慎重に検討することとしたいと考えております。
  25. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 あなたの方は水、自然を環境整備する方ですからね、農水省関係も必要でしょうけれども、あなた方で主体的にこれは大変だといった場合には水質検査をして、あるいはその監視をしておって異常事態が発生するというような場合は、あなたの方からも、環境庁からも農水省の方にこれは大変でございますぞと言って問題を提起するというくらいの積極性があってほしいと、この前の長官答弁からいってね。受動的に行く場合があるでしょう。でも能動的にあなたの方から農水省に物申すという場合も含めて今の答弁を受けとめていいですか。
  26. 小林康彦

    説明員小林康彦君) 今後の取り扱いにつきましては、お話の点も含めまして慎重に考えていきたいというふうに思っております。
  27. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 あなたは環境庁ですからね、余り遠慮する必要ないですよ、あなたは。この前の長官の指示に従って汚染の疑いがあれば農水省に問題を提起しますと、こうきちっと言ってもらえばいいんであって、それが無理なら……。だから課長さんというのはもう中途半端だというんですかね、大事なところ、ポイント抜かしちゃう。もうあなたにそれ以上言ってもしょうがありませんから。  建設省の方もこの試行に当たっては汚濁の危険がある、あるいは異常事態が発生するという場合には、今農水省答弁どおり理解していいですか。
  28. 井上章平

    説明員井上章平君) 淡水化試行計画につきまししては、今後農林水産省協議することとなっておるわけでございますが、試行中の異常事態に対する措置等につきましては、事業主体であります農林水産省が必要な措置をとるよう、今後その協議段階で慎重に詰めてまいりたいと思っております。
  29. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃそのように確認します。  三つ目は、この中間報告と一緒に配付された農水省のパンフ見ますと、必要な農業用水は一億トンと、こう書いてあるんですが、五十七年三月一日の予算委員会第五分科会河川局長は「八千万トンという数字は承知しておりますが、その算出根拠であるとか必要性等についての詳細な説明はまだ受けておりません。」と、こう答弁しているんですが、この八千万トンという問題と、その後八千万トンの根拠について農水省から説明があってどういうことになっているのか、その辺のことをひとつ農水省にお伺いします。
  30. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 中海干拓事業農業用水量は、干拓地への用水、それから既耕地への用水補給がございまして、これに大体八千万トンが必要であるというふうに考えております。この中海についてはそれぞれ干拓地は畑でございますので畑の用水量、それから用水補給水田でございます。現況の水田面積を基礎にいたしまして必要な用水補給量を算定いたしまして、合計といたしまして八千万トンは必要と、こういうふうに算定いたしたわけでございます。
  31. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 当初八千万トンということで建設省に意思表示しておって、その後のパンフで二千万トンふえて一億トンとなったその根拠ですね、八千万トンから一億トンにこう変わっているわけですね、農水省自体資料が。これはどっちが本当なんですか。八千万トンが本当なのか、一億トンが本当なのか。もしも一億トンであるとすれば、もうきょうは時間がありませんから、後ほど具体的な数字をもって八千万から一億になった根拠を示してもらいたいと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
  32. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 私ども出先の方で中海干拓事業PRいたしますパンフレットに、必要な用水量一億トンということを記載したわけでございます。これは正確には八千万トンでございまして、PRのためにわかりやすく数字をまとめまして一億トンというふうに記載したと聞いているわけでございます。そういうことでございまして、正確な数字は、正確な農業用水量は八千万トンでございます。そのようにひとつ御理解のほどをお願いいたしたいと思います。
  33. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 しかしPRにしても、こんな立派な本をつくって、八千万トンのところをわかりやすいように一億トンにしたなんて。一億トンと言えばこれは約二割ですよ。ちょっと軽率の域を出ませんね、これは。私は、局長答弁が本当だとすれば、まずもって私は遺憾の意を表しておきますし、この淡水化計画の全体が一億トンでやるのと八千万トンでやるのとは大分違いますからね、金の算出から何から全部。これはやっぱり今一億トンはPR用中身は八千万トンになると。これは確認します、取り扱いは別にして。いいですね。  じゃ建設省。そうすると、この八千万トンの問題について、五十七年から今日までどのような説明を受けて、現在どうなっているのですか。
  34. 井上章平

    説明員井上章平君) 農業用水八千万トンの根拠についてでございますが、私どもといたしましてはまだ農林水産省から詳細な説明を伺ったということではございません。また一億トンについても同様でございます。  かんがい用水必要水量につきましては、今後河川法に基づく水利協議の中でその算出根拠等について十分お伺いいたしまして審査を行い、適正な処分を行ってまいりたいと考えております。
  35. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 五十七年に予算委員会答弁して、五十八年、五十九年、二年間も事業主体である農水省から河川管轄である建設省が一番大事な水の必要量説明を一回も受けていないとなると、この計画はいかにずさんかと、いわゆる急を要しないと言っても私は過言でない。そういうことで確認します。二年間何にも説明を受けていなかったということを確認をします。  次に進みます。一つ一つ確認していきます。  この全面淡水化の問題ではなくて、この八千万トンにもかかわりあるわけでありますが、いわゆる中海宍道湖のこの汚濁、汚れという問題が大分大きくなってまいりまして、いわゆる湖中湖――湖の一部を仕切って湖の中に湖をつくって、それで当面必要な農業用水の確保をすれば十分ではないかと、そういう問題が新聞記事にも載っておって、これについては農水省では一定の見解を出しておるようですね。それによりますと、経費の上あるいは治水の上からちょっと難点があるという見解を表明しているのですが、我々がこの湖中湖計画した人に直接、一連の建設コンサルタントに会っていろいろ意見を聞きました。ところが、やっぱり農水省の言っていることについては相当専門家の反論があるわけですがね。金の面についても治水の面についてもそう問題ではないではないか。金も二十億程度投入すれば十分この関係農民農業用水は確保できると、そういう地場に合った考えを持っていると、専門家コンサルタント意見を言っているという点で、農水省見解は一応聞いておりますから省略しますが、建設省は八千万トンの水の説明も受けていない建設省海中瀞見解はどうかと聞くのはちょっとやぼだと思うんですが、あなたの方はやっぱり宍道湖管轄する専門屋ですから。この「中海宍道湖淡水化考える会」の皆さん歩湖中湖案というものを実際に建設専門家皆さん相談して今案を進めておるわけであります。これについて検討をしたことがあるかどうか。ないとすれば、ぜひ専門的に検討してもらって、農水省考え建設省考えをひとつ調整をしてもらいたいと、こういうふうに私は考えるわけでありますが、いかがでしょうか、建設省専門家の。
  36. 井上章平

    説明員井上章平君) 湖中湖案というものが「中海宍道湖淡水化考える会」によりまして十月十二日に提案されたという新聞報道がございました。私どもこの案につきまして知り得るのはこの新聞報道による情報のみでございまして、これだけでは内容の是非につきまして見解を申し述べるという状況ではございませんわけでございます。
  37. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 だから私は、八千万トンの水の説明を受けてないおたくの方に聞くのはやぼかもしれないがと言ったんですが、仮に八千万トンという水がなくて、それ以下であってしかも湖中湖だけで十分だということが可能であるとすれば、私はやっぱり農水省ともう一回ひざを詰めて湖中湖案ということに積極的に、専門的な建設省皆さんの方からやっぱり私は取り組んでもらいたいなということを、問題提起として、新聞で見ましたからというんではなくて、こういうことについて農水省地元地方自治体などを含めて専門的にやはり検討してほしいと、こういう要求なんですが、こたえてくれるでしょうか。
  38. 井上章平

    説明員井上章平君) この問題につきましては、農林水産省の方でどのようにお取り扱いになりますのか、それを待って農林水産省を通じて御協議申し上げたいと思います。
  39. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 この宍道湖中海も、これは建設省管轄でしょう。違いますか。建設省管轄でしょう、これは、河川というのは。川であって、蛇が卵をのんだように膨れ上がっているのが中海宍道湖であって、主体的には建設省主体があるんでしょう。ですから、あなたの方が八千万トンの水の説明を受けてこんなに要らないではないかと、あるいは半分とか三分の一でもいいじゃないかということになるかもしれませんよ。ですから、それは両方で詰めてもらって、事業主体である農水省河川管理者建設省と詰めてもらって、それが可能かどうかということについて、話があったら考えますではなくて、能動的に両方でテーブルを合わせて問題の取り組みに取り組んでほしいという私の提案なんですよ。わかりますか。そこはどうですか。
  40. 井上章平

    説明員井上章平君) この問題につきましては、事業主体でございます農林水産省の方からのお申し出を待って私どもとしては対応いたしたいと考えております。
  41. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 環境庁来ていますか――この前、上田長官は、この淡水化問題で、どんどん湖が汚れていくと、こういう問題を御答弁なさっている。だから環境庁としては慎重にやりたいと。今この湖中湖の問題ね、淡水化の問題は、農民が必要な水をつくろうということですから、全部の中海宍道湖じゃなくて部分的に湖を切って、そこでその農民の必要な淡水化に間に合うと、そういう考えが可能であれば、これは課長に聞くのはちょっと酷かもしれぬけれどもね、環境庁としては前向きに検討する意思がありゃ否や、これも農水省任せですかな。環境庁長官になったつもりでちょっと答弁してください。
  42. 小林康彦

    説明員小林康彦君) 水利用の形態につきましては、水質保全治水上の配慮あるいは経済性等総合的観点から地元及び事業主体においてまず十分検討がなされるべきというふうに思っております。その結果を受けまして私ども検討してまいりたいというふうに思っております。
  43. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃあ大臣だ、しようがない。これは、建設大臣国務大臣として、新任になったばかりで酷かもしれぬけれども中海宍道湖淡水化問題は今非常な大きな社会問題になろうとしているんですよ。ですから、事業主体農水省河川の管理は建設省――この前、農林大臣は、この問題は非常に大事な問題であるから、関係各省とよく相談をして、水が汚れるということのないように、それを大前提にして処理をします、こういうことを農水大臣答弁されておるわけであります。  建設大臣国務大臣として、私は今、湖中湖――湖の一部を区切ってそこに淡水湖をつくる、それで十分に、沿岸の農民が田んぼや畑をやるに十分な水が確保できる、そういう、地元民との合意を含めて今運動を起こしているわけですよ、湖中湖案というやつを。この問題について、やはり国務大臣として、建設省農水省環境庁、この三省庁で、湖中湖案についてもう少し積極的にこの問題について検討をする政治姿勢を、第二次中曽根内閣の建設大臣として、国務大臣として政治的な判断でやってもらいたい。そうしないと、各局長だけではどうにもなりませんから、酷なようでありますが、やっぱり国務大臣の第一声として政治姿勢をぜひ示してもらいたいな、こう思うんですが、いかがでしょうか。
  44. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 私もまだ細かいことよく理解いたしておりませんが、事務当局にお伺いしましたら、今までも農水省建設省関係省庁と調整をいたしておるようであります。やはり何といっても――また同時に、両方の県にまたがる問題でございますから、そういう点の調整をうまく、意向を十分伺って我々も努力したいと思います。特に、農林水産省から、この事業のいろんな問題点もあるようでありますから、お話を十分聞きまして、今先生から御指摘のある点を特に気をつけて、最善の努力を尽くさせていただきたい、こう思っておるわけであります。
  45. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 まあそれ以上言ってもちょっと酷でしょう。とにかく、関係両県の動向も十分踏まえた上で質問しておるわけでありますから、関係農民の水の量についてもそれなりにデータを持って、湖中湖案で十分じゃないか、こういう考えを持って言っているわけでありますから、農水省農水省ばかり言わないで、農水省もこれは、二年間も建設省に八千万トンの水の必要の問題について行政的にも説明もしないというのも、これもまた怠慢だと思うんですね、農水省も。そういうことについては、もうしゃにむにやってしまうという農水省一流のがむしゃらが根底にあるのかどうかは知りませんが、遺憾の意を表します。ただ大臣答弁に期待をしておきます。  それから次は、この中浦水門の操作規程、管理規程はどうなっているんでしょうか。  地元新聞によりますと、本来ならば、中浦の水門の操作規程、管理規程などについては、関係自治体にいろいろな要請をする前に当然決めなければならないと私は思っておるわけでありますが^この前の、五十九年十月六日、鳥取県の境港市議会中海干拓淡水化事業調査特別委員会、この委員会における、中川吉弘さん、中海干拓事務所長さんの答弁などを見てみますと、全然もう、それらの問題は建設省に勝手に聞いてくれと言わんばかりの投げっ放し答弁をしているんですがね、これは農水省の指導方針として、こんなのは建設省に聞け、そういう通り一遍の地方出先答弁でいいんでしょうか。もう少し親切に農水省出先機関は市会議員の質問に対して答えるべきじゃないか、こう思うんですが、農水省の指導の姿勢はこれはどうなんでしょうか、中川所長の考え方は。
  46. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 水門の操作規程は、これは河川法に基づく協議が必要でございまして、正規に承認される必要がございます。したがいまして、現在操作規程につきまして建設省の方と打ち合わせをしている段階でございます心私ども考えでは、この操作規程の大綱がほぼ固まりました段階で、関係の市町村等に御説明をいたし、中海干拓事業全体についての御理解を深めていきたい、そうした上で淡水化試行に入っていきたいと、このように考えておる次第でございます。
  47. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 ここにこの市長さんの議事録の写しをもらっていますが、これは市長さんの議事録の写しです、本人の議事録。(資料を示す)この議事録を読んでみますと、市長さんはこの委員会の最後に、水門の管理規程などは全然、あなたが今いみじくも答弁したとおり、まだ詰まっていないわけですな、現実に。詰まっていないのにこの淡水化試行について同意をしてくれということは言語道断だ、順序をわきまえない傲慢無礼の官僚だと、こうまで言っている。つくるものをつくって、詰めるものを詰めて、それでいかがですかと言うなら、私もそれなりに筋道はあると思うんですよ。肝心かなめの水門の管理規程、水門の操作規程をあなたが言ったとおり全然まだ詰めていない。これは建設省もまだ詰めていないと思うんですがね。詰めていないものを持っていって、市長さんお願いしますと言ったってこれは傲慢無礼と言われても仕方がないじゃありませんか。  したがって、地方自治団体に持っていくには、この水門の操作規程あるいは管理規程、これをきちっと農水省建設省で合意をしてから関係市町村に提示すべきだと、このように私は市長さんの考えに同調したいわけでありますが、このことについて農水省建設省、やっぱり手落ちを認めて、そのとおりしますという答弁をいただきたいんですが、いかがでしょうか、両方
  48. 井上章平

    説明員井上章平君) 中浦水門の操作管理規程でございますが、淡水化に伴うこの水門の操作の方法、その他水門の管理の問題につきましては、農林水産省におきましてこのための管理規程を定め河川管理者の承認を得て操作することになるわけでございます。この点につきましては現在、ただいま構造改善局長から御答弁ございましたように、内容を伺っておる段階でございますので、今後具体的に十分協議してまいりたいと思っております。
  49. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 先ほど御答弁いたしましたし、またただいま建設省河川局長からの御答弁にございますように、現在この操作規程につきまして打ち合わせ中でございますので、その結果、操作規程の大綱もほぼまとまるような段階で、私どもといたしましては、市町村に説明を行い、御理解を得たいと、このように考えておる次第でございます。
  50. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうすると、今大綱、大綱と言うんだけれども、結局、この水門の操作規程、管理規程をきちっとまとめた上で、関係市町村に理解と協力を要請する、そういう基本姿勢であるというふうに確認していいですか、再度。
  51. 井上喜一

    説明員井上喜一君) まあ具体的なその手続がどういうぐあいになるのか、その辺のところを我々しかとまだ認識していないわけでございますが、いずれにいたしましても、操作規程の大綱が決まるといいますのは、中心をなします部分については変更がないという程度に固まるということでございます。  したがいまして、実質的に操作規程が固まるということでございまして、そういうような段階で、関係市町村の方に説明を行いたいと、こう申し上げたわけでございます。
  52. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 私は今でも技術屋の端くれだからね、何でそういう、そんなにこだわるのかね。水門の操作規程と管理規程というのはどっちが主管ですか、農水省が主管ですか。同じ政府委員で出ておって、どっちが主管――専管なのか、共管なのかどっち。両方答えてください、専管なのか共管なのか。農水省の専管ですか、あるいは建設省との共管ですか。この議会の答弁では、農水省建設省とよく相談をして決めて持っていきますと、こういう現地の答弁を見ると、これは共管ですね、我々が言うところの共管。共管なら共管らしく、両方できちっとまとめて認可をもらってから行きますと、そういう答弁をしてもらいたいんですよ。専管なら専管、専管ですから建設省とよく相談して農水省の責任で決めて持っていきますと。どっちかにはっきりしてくださいよ。あいまいもこじゃわかりません。一番大事なんだよ、ここ。境港にとっては一番大事なところだ、このポイントは。  どちらが本当ですか、両方
  53. 井上喜一

    説明員井上喜一君) ただいま私ども中海で事業をやっているわけでございまして、そういう意味におきまして、まず私どもが操作規定をつくりまして建設省協議をすると、こういうことに相なるわけでございます。最終的にここの水門管理をどうするかにつきましては、なお関係機関と十分今後話し合っていく必要があると思いますけれども、ただいまの作業手順といたしましてはそのように進めているわけでございます。  私どもといたしましては、これは建設省初め関係機関との御相談も必要でございますけれども、いずれにいたしましても操作規程が実質的に固まった、そういうものについて関係の市町村の方に説明しなくちゃいけないと、このように考えているわけでございます。
  54. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) 速記をちょっととめて。   〔速記中止〕
  55. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) 速記を起こして。
  56. 井上喜一

    説明員井上喜一君) ただいまのところは事業は私どもがやっておりますが、最終的なこの管理をだれがするかということについては、まだ最終的には決まっていない、そういう状況でございます。  私どもは、そういうことで原案はつくりまして建設省に御相談をすると、こういうような状況でございます。
  57. 井上章平

    説明員井上章平君) ただいま構造改善局長からお話があったとおりでありまして、中浦水門農水省が設置するところの施設でございますので、この維持管理責任は設置者である農林水産省にあるものでございます。しかしながら、この水門を今後どういうふうに扱っていくか、例えば兼用工作物とするかどうかという問題は残されておりますので、これにつきましては今後両省間で詰めていく問題だというふうに考えております。
  58. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうするとあれかね、我々素人は、事業主体農水省だから農水省が責任を負うと。だけれども河川の一端ですから、治山治水、洪水その他があった際に一体どうするかと。河川という機能をまた一面持っている。そういう河川という機能の面から見れば建設省にやっぱりその責任があると。だから、まあわかりやすく言えば両方で共管的な性格であるから、双方で協議をして、地域住民に心配かけないようにきちっとまとめた上で関係自治体に御相談申し上げますと、この目黒答弁をまとめればそういうふうに理解していいんですか。答弁悪かったら修正してください、これは大事なことですから。事業主体農水省河川の管理は建設省、その双方でよく相談をして、関係住民に迷惑かけないように管理規程、操作規程を決めた上で関係市町村に提示をして理解と協力を得たいと、そういうふうに考えていいのかどうか。よろしい、悪い、どっちでもいいですから、両方、言ってください。悪かったらどこが悪い、よかったらそのとおりと、こう言ってください。
  59. 井上章平

    説明員井上章平君) 御趣旨におきましてそのとおりでございます。
  60. 井上喜一

    説明員井上喜一君) どういう段階で市町村に操作規程を提示するかという問題でございますけれども、我々といたしましては水門の管理については十分意を尽くしまして、その上で関係市町村に提示をすると、こういう考えでございます。
  61. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 私の解釈が悪いというのかいいというのか。建設省はオーケーと。農水省は、私の解釈がいいのか悪いのか、バッテンなのか三角なのか丸なのか四角なのか。堂々めぐりするな、このやろう、全く。現にこれ、やるというんだから、境港の市会で。境港の市長さんは絶対そんなことでは同意しないと言っているんだよ、この議事録で。これまで言われて農水省そんなに逃げているの。私のまとめたやつがいいのか悪いのか、悪ければどこが悪いのか、もう一回。
  62. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 私がお答え申し上げておりますのは、関係省庁との協議の上実質的に固まりましたものについて関係市町村の方に提示をいたしたい、このように言っているわけでございます。管理規程を作成するということになりますとやはり手続的なこともございますので、私どもといたしましては実質的に操作規程が固まりました段階で市町村の方にこういうことで水門を操作いたしたいということを説明いたしたいということを言っているわけでございます。
  63. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 委員長答弁納得できません。建設省は大体できました。農水省が実質的に固まった段階と、議事録を読んでみますけれども、実質的に固まった段階というのはどういう状況を指すのか、私は頭が悪いからわかりません。したがって、本件は理事会で、農水省の態度は納得できない、水門の操作については。したがって、この問題が解決しない以上は地方自治体の交渉については断固として我々は反対します。したがって、農水省の問題については納得できませんから、後刻理事会で諮ってもらいたいと提議します。
  64. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) 後刻理事会で協議いたします。
  65. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それでは次に進みます。  ここに一つの公文書があります。これは一九七五年二月三日、中国四国農政局長から島根県知事に対してあてたものでありまして、「松江圏都市計画下水道(宍道湖東部流域下水道)の都市計画決定について(回答)」という公文書があります。この中でこのように書かれております。「沿岸地域の都市開発が進むにつれ宍道湖東部流域下水道計画に基づき終末処理水を第二次処理のままで大橋川へ放流すれば、やがては処理量が増大することにより現状より更に中海におけるチッソ、リン等の栄養塩類の流入が増大し」汚染が促進されます。「よって可及的すみやかに第三次処理の実施あるいは処理水の域外放流のいずれかの措置をするよう検討されたい。」、こういう公文書が出ておるわけでありますが、農水省はこの公文書に間違いありませんか。
  66. 井上喜一

    説明員井上喜一君) ただいまの御指摘の文書は昭和五十年の二月三日に中国四国農政局長が島根県知事あてに出した回答と承知いたしております。
  67. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃ、そのとおりだと確認します七  それから、一九七四年二月二十二日付公文書で、流域下水道からの処理水は「淡水湖(中海)の水質保全上悪影響があるとの結論に達しました。」というこの通達も確認できますか。
  68. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 昭和四十九年の二月二十二日の中国四国農政局長から島根県知事あての文書で、表題は中海干拓事業に係る淡水湖の水質保全というのが出ておりますが、これを御指摘になったのかどうか、ちょっと中身について十分一致しないところがございましたので、二十二日でありますればこの文書でございます。
  69. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そこはちょっとあいまいね。  じゃもう一つ、一九七四年十月二十一日床几山荘というところで、中海干拓事業淡水湖(中海宍道湖)水管理研究委員会が開かれまして、南委員長初め八人の委員の方々が集まりまして討議をされたはずであります。その討議の最後の議事録に「島根県宍道湖東部流域下水道計画により、下水が二次処理のまま大橋川に流入することはN、Pの汚濁負荷の非常な増大となり、中海水質維持上好ましくない。また三次処理はその経済性から現在では困難と見られる。二次処理のまま直接日本海へ流すのが最良と考えられる。」と、こういう研究会の議事録が残っておるわけでありますが、これは確認できますか。
  70. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 手元に資料がございませんけれども、多分そのようなことがあるんじゃないかと思います。後で確認いたします。
  71. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 これは私が初めて出すわけではありませんで、ただ公文書は私の方全部これとりました。これは先般十月二日、島根県議会で我が党の議員が質問したものに島根県の土岐土本部長、これは建設省に聞きますが、土岐土本部長がこういう答弁をしております。公文書は見ていない、三次処理が望ましいのはそのとおりだと、しかし現段階では二次処理で整備を広げるべきが効果的だと、こういう土本部長が答弁をしておるわけでありますが、農水省は公文書三つのうち一つは残認できて二つはまだ未確認だと言っていると、建設省の方はこの時点でもう公文書という問題が出ておるわけでありますが、これを建設省確認したでしょうか。私は、当然県の方から建設省にこういう公文書については農水省に照合してもらいたいと言って、当然この問題については公文書を確認した上でどういう行政をするかということは当然建設省としても何らかの考えを持ち、同時に農水省とも相談すべきだとこう思うんですが、この間について連絡があったのかなかったのか、公文書が建設省サイドで確認されたのかされないのか、されたとすればどういうふうに行政の指導が回っているのか、回そうとするのか、この三点についてこの土本部長の答弁に絡んで建設省の責任ある答弁をもらいたいと、こう思います。
  72. 梶原拓

    説明員(梶原拓君) 昭和五十年の二月三日付で中国四国農政局長から島根県知事に先ほど先生が御提示内容の文書が出されておるということは、公式には文書としていただいてないかと思いますが、承知はいたしておるということでございます。  そこで、下水道の整備方針でございますが、第一次的には事業主体である島根県の問題ではございますが、私どもといたしましては当面、下水道の普及率、宍道湖中海地域の処理人口の比率が五十八年度末で九%程度にとどまっておるわけでございまして、その処理区域の拡大という点に当面全力を挙げてまいりたいと、それによりまして中海に対する流入負荷量を軽減していくというようなことに重点を置いてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  73. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 どちらにしても、私が言った公文書を確認していませんから要求します。公文書の元本のコピーを私は持っていますが、あなたの方の行政サイドでとって私に御提示願いたい。これは、私が集めたもの信用ならぬでは困りますから、あなたの方で、行政でコピーをとって目黒議員まで三通の公文書を届けてもらいたい、これを要求しますが、これは農水省ですから農水省いかがですか。やはり信用しないわけじゃありませんが、私の公文書は信用できないそうだから、三通の公文書のコピーを取って提示してもらいたい、ちゃんと日付は私言ってあるんですから。
  74. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 十分確認いたしまして、資料はお出ししたいと思います。
  75. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 資料を見てからやってください。  ただ、結論は、環境庁、この下水道から見ると、宍道湖中海はもうこの段階で非常に汚染が甚しい、汚濁が甚しいということを言っておるわけですよ。ですからあなたの方でも、環境庁としてもこの農水省建設省から資料をもらってこの下水道にかかわる汚濁、汚れというものについて十分な関心を持ってもらいたい、こう思うんですが、いかがですか。
  76. 小林康彦

    説明員小林康彦君) お話しのとおり十分な関心を持って検討していきたいと思っております。
  77. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃ、それを要求します。  次は、斐伊川の治水計画についてお伺いしますが、建設省治水計画では計画高水流量、流れる水の最大量は末端の境水道、毎秒三千九百トン、こういう計画をしておられると聞いておりますが、しかしこの計画は末端部の数字というのは、斐伊川の急流部から放水路を通じて毎秒二千トンを神戸川に分流するということを前提に三千九百トンという線を引いている、こう聞いておるわけでありますが、この神戸川の計画は全然今のところ未確定だと、こう聞いておるわけですが、この二千トンの河川が未確定で三千九百トン、毎秒で計画することの妥当性といいますか、客観性といいますか、そういうことについてちょっと疑義の念を持つわけでありますが、この三千九百トンそのままでいいんでしょうか。あるいは二千トンの神戸川の問題については、どのくらいの時期に考えて総体的にどう考えるのか、その辺のあたりを建設省から聞かしてもらいたい、こう思うんです。
  78. 井上章平

    説明員井上章平君) 斐伊川の治水計画の主要をなすものは、いわゆる神戸川放水路でございますが、斐伊川の計画高水流量四千五百トンのうち二千トン毎秒を神戸川に分流いたしまして大社湾に放流する計画でございます。この事業計画につきましては長年の経緯があるわけでありますが、昭和五十年に計画を公表して以来、出雲市、大社町に対します計画説明等を鋭意進めてまいったわけであります。昨年おかげをもちまして一部用地に着手できる段階にまでなりました。今後とも関係住民の御理解、御協力を得て、用地買収を進め、事業の促進を図っていきたいと考えております。  なお、斐伊川放水路事業計画中海の干拓あるいは淡水化事業と並行して行われる必要があるかどうかということでございますが、これにつきましてはこの斐伊川放水路事業はもともと中海の干拓あるいは淡水化事業の前提とはなっておりませんので、あくまで中海の干拓、淡水化事業は放水路事業とは関係なく、治水上の影響が生じないように進められているものでございます。  今後とも淡水化に伴う中浦水門の操作の方法等治水上の問題がないよう農林水産省協議してまいる所存でございます。
  79. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 答弁としてはそういう答弁になるんでしょうが、実際洪水とか集中豪雨など来ると必ずしもそういう答弁どおりならなくて、弓ケ浜あたりではすぐに水浸しになってしまうというという住民の苦情がある、あるいは心配がある。こういうことも絡んでくるわけですから、三千九百トンと二千トンの神戸川との関係等については一日も早くやはり工事を促進して、全体構想に総合性がとれるように努力してもらいたいものだなということを要望しておきます。  それからもう一つ、それじゃ、これはちょっと飛んでいくかもしれませんが、中海宍道湖の公有水面の埋立状況が現在進んでおると聞くわけでありますが、この将来構想としてさらに公有水面の埋め立てというのは進むのかどうか、現在時点でストップしてしまうのか、その辺の見通しをちょっと参考までに、時間も来ていますから聞かせてもらいたい、こう思うんですが、いかがですか。
  80. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 私どもの方は、現在の計画に従いまして事業を進めているわけでございまして、現行の計画について今の段階で変更するとか、あるいは拡大したり、あるいは縮小するということでございますけれども、そういうことは考えておりません。
  81. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 そうすると、地元にちょっとこんなうわさがあるわけですが、これは建設省農水省情報として聞いてもらって、わかっているならわかっている、わからないならわからないで結構でありますが、この宍道湖の公有水面の埋立問題に便乗して、現在米子飛行場がありますね、そばに。あの米子の飛行場の滑走路を宍道湖中海の埋め立てのところまで延長する、そういう話が地元にちらほら流れておるわけでありますが、これらの問題については建設省農水省とも全然この動向にはかかわりがありませんかありますか。その辺、ないならない、あるならあるで結構ですが、この飛行場のかかわり合いということについてはいかがでしょうか。
  82. 井上章平

    説明員井上章平君) 米子空港に関係いたします埋立計画については、正式には何も伺っておりません。
  83. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 農林水産省の方も同様でございます。
  84. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃ、それは伺っていないと。それから、公有水面は現在以上に埋め立てる計画はないということを、二つだけじゃ確認しておきます。  じゃ最後に、大橋川の拡張工事の問題をめぐって、一九八二年の七月島根県議会で、建設省は千六百立方メーター毎秒という計画を明らかにしておりますし、農水省は今回の淡水化の問題について四百立方メーター毎秒、こういう同じ計画で二つの見解が明らかになっているんですが、これは別々の見解なのか、先発後発の関係で、行く行くは千六百立方メーター毎秒ということに最終的になるのか、その辺の統合性について両方から見解を教えてもらいたい。どちらの見解が本当なのか、千六百立方と四百立方メーターの関連についてお答え願いたい、こう思うんです。
  85. 井上章平

    説明員井上章平君) 中海の高水時の最高水位は、中海固有の流域からの出水により支配されまして、大橋川の流量には影響を受けないものでございます。また、中海流域の計画降雨は、建設省の工事実施基本計画におきましては、大津という地点がございますが、この大津地点上流域、平均二日雨量でございますが、三百九十九ミリに対応いたしまして、中海流域の計画降雨といたしましては、二日雨量三百六十七ミリでございます。一方、農水省計画は三百五十五ミリでございますので、それほど大きな開差はございませんので、中海からの流出もあり、中海水位の差はおよそ一センチメーター、両者の間で差がある程度でございます。したがいまして、中海水位は両計画ともTP一メーター四十四以下におさまるということで、整合が図られているというふうに理解いたしております。
  86. 井上喜一

    説明員井上喜一君) ただいまの御答弁でもう尽きていると思いますけれども、私どもの干拓計画の方は、昭和四十一年の七月二十日の決定の斐伊川治水計画と調整したものでございます。その後昭和五十一年の七月一日に斐伊川水系工事実施基本計画が改定をされまして、この計画諸元に違いが生じてきているわけでございますが、しかし、新計画は旧計画との整合が図られておりまして、私どもとしては特に問題ないと聞いておりますし、また私どもの数値につきましては、建設省との協議のときに十分説明をしてございます。
  87. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それは計画の時点のずれであって、その後両省間で調整されているというふうに理解していいわけですね。
  88. 井上喜一

    説明員井上喜一君) 建設省協議の上で我が方の諸元が決まっておりますので、そのように御理解いただいて結構でございます。
  89. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それで国務大臣、ちょっと水門の問題で時間とり過ぎて三点、四点もうパァになっちゃったんですが、私は十月十七日環境庁、十九日農水省、きょうは建設省、この三つの官庁の共通の問題を環境庁農水省建設とずっと三つを連続してやったわけですが、環境庁長官もかわったし、しかし、湖は汚してはならないという関係。農水大臣の方は、いろいろ意見があるけれども関係住民の意見を十分聞いてやっていきたいと、こういう問題。建設大臣もやはり関係省庁の意見を聞いてと、こう言われるわけでありますから、私はこの三官庁が――まあ、いずれは大蔵省も関係するわけですが、大蔵省まだやってませんから、三官庁が十分連携をとって、宍道湖中海淡水化問題についてやはり根本的な再検討をも含めて、先ほどの湖中湖案も含めてやはり精力的に取り組んでもらいたい。一回汚してしまえばもう永久に戻りませんから。私も仙台の人間でありますが、日本三景の松島、東北電力の汚物で一年足らずであの松島が本当にぷんぷん臭いくらい汚くなりまして、直すに三年か四年かかった。きょう星先輩もおりますが、宮城県議会の皆さんの努力などによってやっと松島も汚れを取り除いて、観光の皆さんが何とか松島の味を味わえるというところまで回復はしてきました。しかし、霞ケ浦の問題とかそういう面を見ますとやはり大変な問題があるわけでありますから、淡水化問題についてはもう一度三閣僚が中心になって、現地調査も含めて、関係市町村の意見を含めて国務大臣として建設省農水省環境庁が三位一体で協力してもらいたいなあと、こう思うんですが、この締めくくりとして建設大臣決意表明を聞いて、とりあえず淡水化問題については終わりにしたいと、こう思うんですがいかがでしょうか。
  90. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 先ほど来、先生の大変格調高いいろんな御指摘をいただきまして、私ども大変、ある意味では意を強くいたしておるわけであります。  と申し上げますことは、国民の前に対しましては行政は、御指摘のように一本でなきゃなりません。そういう意味で、先生御指摘のように三省が精力的に協議を重ねまして、そして慎重にこれに対処していきたいと、そう考えておるわけであります。
  91. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 じゃ強く要請しておきます。  次は、この前の秋田駅前の再開発問題について若干時間がありますから質問します。  十月三十日、衆議院の決算委員会でもこの問題が取り上げられたわけでありますが、ただ、私は議事録を見まして、解体工事の水増しされたものが秋田駅前中央地区再開発組合に上納金として吸い上げたと、こういう記事があるわけでありますが、これは会計処理上あるいは法律上可能なのかどうか、私も勉強不足ですから建設省専門屋さんに教えてもらいたいと思うのですが、会計法上、法律上このことは合法なのかどうなのか、ひとつ見解を聞かしてもらいたいと、こう思うのです。
  92. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 組合の発注というものは、組合の定めました定款とか工事請負規定とかの定めるところに従って行われるわけでございます。工事費につきましては通常こういう規定とかあるいは設計図書から積算額を計算いたしまして予定価格を決めます。そして、契約する相手方の見積金額が適正な額と認められる場合に契約を行うということになっておりまして、工事費の水増しというようなことは一般的には考えられないわけでございます。御指摘の問題につきまして、事実関係が明らかでございませんので、具体的に答弁いたしかねますが、仮にこういうような事態を想定いたしますと、会計処理上甚だ不適切な措置であるというふうに思われます。  また、法律上の問題につきましては、どのような約束で、だれが何のためにこういうことをしたのかということがわかりませんとお答えいたしかねる問題でございます。
  93. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 秋田駅前再開発問題については多くの疑惑が出てきておったわけでありますが、ひとつこれに関連した企業者名、工事内容、工事期間、工事費用などについてやっぱり的確に我々も精査をする必要があるとこう考えます。  同時に、大成建設が請負工事の八十億の大部分、八十三億ともいうことでありますが、この契約の明細並びに下請工事の内容、これらの問題についてやっぱり我々としても国会でこの問題を審査をする意味で関係資料が必要だと思うのでありますが、この関係資料については極力国会の審議に資するように、建設省が県あたりと相談して資料提示をお願いしたいと思うのですが、いかがでしょうか、建設省
  94. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 御質問の最初の企業者名云々ということでございますが、これにつきましては十月二十五日に組合が県知事に対しまして検査請求を行っております。この中で、組合が締結した全請負契約について業者の選定方法であるとか、あるいは請負業活名であるとか、契約の内容を明らかにしろという検査要求がなされておりまして、県としてはこれを受けて検査をすることになりますので、これによって明らかになりましたらこれについて御報告できると思います。  また、大成建設の下請の関係でございますが、これは工事の完成というのは発注者に対して元請業者が全責任を負うものでございまして、元請業者と下請業者との間の具体的な契約内容などにつきましては、通常発注者に対しても明らかにされないということになっております。したがいまして、これに立ち入って内容を明らかにするのはなかなか難しかろうというふうに思っております。
  95. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 捜査が始まった段階でありますから、資料提出については極力便宜を図り、あるいは努力してもらいたいということを要請しておきます。  それで、今言われました検査請求書、ここに原本をもらいました。これは十月二十五日提出したと。「検査請求書」「秋田駅前中央地区市街地再開発事業につき、左記のとおり秋田駅前中央地区市街地再開発組合の事業および会計が都市再開発法、定款、事業計画および権利変換計画に違反している疑いがあるため同法第一二五条第二項にもとづき、同組合の事業および会計の状況検査されたく請求する。尚、検査結果は請求人に対し、書面により報告されたい。」こういうように出ております。  六項目ありますが、私はこの中で、特に一番として、「本件再開発事業における権利変換が、いわゆる全員同意方式により行われたとされているが、全員の同意を得ずに行なわれた疑いがある。すなわち、一部組合員が法第七一条一項に定める金銭給付の希望を明確にしないうちに権利変換計画の決定、認可がなされた疑いがある。」この点を検査してほしいと、こういう手続の問題からずっとあるわけでありますが、二、三私の特に大事だと思われますのは五番、「組合と大成建設との間の請負契約の締結が総会および理事会の議を経ずに行なわれた疑いがある。  大成建設との間の請負契約にとどまらず、組合が締結した全請負契約について、請負業者の選定方法、請負業者名、契約の内容(追加工事も含む)を検査によって明らにされたい。」。ここで答弁が実は出てくると思います。  それから六番、「組合の全員が一部組合員および国会議員に交付された疑いがある。検査により、組合の全収入および全支出の内容を明らかにされたい。」。  こういう点で一部理事の問題あるいは国会議員というものまでずっと出てくるわけでありますが、これらの問題についてはやっぱり建設省としても十分に県を指揮監督して、中身について疑惑のないように明らかにすべきだと、こういうふうに私は、これにブレーキをかけたり、足を引っ張ったり、そういうことはやはり明朗な開発をやるためにはやるべきことではないと、こう思いますが、これに対する建設省の基本的な考えをひとつ聞かせてもらいたいと、こう思うが、いかがでしょうか。
  96. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 先生おっしゃるとおりでございまして、私どもこの事件の全容が明らかになるということを期待しておるわけでございますけれども、これは前も申し上げましたように都道府県知事の権限に属することでございまして、都道府県知事は現在請求を受けまして内容の調査に入ることになっておりますので、この結果を見守って、その上で措置いたしたいと思っております。
  97. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 警察庁にお伺いしますが、私も十月四日にも幾つかの問題点を提起をして警察庁にもこの調査方についてお願いをしたわけでありますが、その後今の問題も含めて警察庁としてどういう捜査状況になっているかお答え願いたいと、こう思います。
  98. 上野浩靖

    説明員(上野浩靖君) お答えをいたします。  御指摘の件につきましては新聞報道とか国会におきます論議等を踏まえまして、現在警察といたしまして必要な情報収集等調査を行っているところでございます。しかしながら、現在までのところ刑罰法令に触れるような事実を把握しているとの報告は受けておりません。なお、言うまでもないことでございますが、今後刑罰法令に触れるような事実があれば適切に対処することは当然のことでございます。  なお、ただいま御指摘の件につきましても調査の過程で参考にさせていただくつもりでおります。
  99. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 これは私が言っておるんじゃなくて、朝日新聞、河北新報その他の現場の記事によりますと、これらの問題についてはこの組合の理事長さんが、私じゃないよ、組合の理事長さんがインタビューに答えて、大成建設を随意契約を指名した背景には建設省OBである某代議士が強く推薦されたものだということを公然と言っておるんですね。私も国会議員の良心がありますからあえて名前はだれと言いません。参議院から衆議院にいらっしゃった某代議士の名前を理事長さんが強く公言されておるわけでありますが、これらの問題についてもやっぱり私は県民は重大な関心を持っておる。したがって、これら問題についても法務省、警察、きょうは自治省は見えておりませんが、政治献金その他の流れについて、やはりこれらの問題についても警察庁、法務省についても重大な関心を持っておじけることなく厳正に対応すべきだと、こう思うんですが、警察庁、法務省いかがでしょうか。
  100. 上野浩靖

    説明員(上野浩靖君) ただいまお答え申し上げましたとおり、現在調査中でございますので、御指摘の件等につきましても十分参考にさせていただきたいというふうに考えております。
  101. 北島敬介

    説明員(北島敬介君) 検察当局といたしましてはこの問題につきましてはこれまで関心を持って見守ってきたところでございます。ただいま警察庁からの御答弁にもありましたように、既に警察におきましては調査を行っておられるということでございますので、それらの調査状況も踏まえまして今後の事態の進展に応じて検察としても適切に対処してまいりたい。もとより、その過程におきまして看過しがたい犯罪というふうなものの嫌疑が生じてまいりますような場合には厳正に対処してまいると、これは当然のことと考えております。
  102. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 これは河北新報が十月二十七日の事実関係として報道しておるわけでありますが、この随意契約の問題のやっぱりポイントを私は一つ突いていると思うんです。この報道によりますと、この随意契約の承認した理事会は五十七年の五月十一日の理事会で承認している。正式契約は七月十日。しかし、この理事会の前に、五十七年の三月から五月まで、この二カ月間にこの組合の佐々木副理事長が大成建設系のコンサルタントとこの契約に不満を持っている方々の家を三回、四回訪問して歩いて、五十七年の四月中旬、千五百万の裏金で合意をして銀行に振り込んだ、こういう事実関係指摘されておるわけであります。これが本当だとすると、大成建設の随契前に大成建設系が具体的に組合の副理事長と動いておるということを裏づけしておるわけであります。私はこの前、税金の問題で大分しつこく質問しましたが、とうとう国税庁に逃げられてしまいました。しかし、私はこの問題を考えますと、やっぱり何だかんだ言ったって動いておるなあと。ここに四千万円の受取もあります。「一、金四阡万円也 右金額お預りいたしました 昭和五十八年四月二十三日 伊藤吉雄様」。こちらの方は、これはまだあれですから、こちらの方は公表しません。四千万円の受取です。伊藤吉雄さんという方は、この前も言ったとおり、いわゆる理事長さんの委託を受けて不満分子の皆さんと折衝をしておったいわゆる走り使いが伊藤吉雄さんであります。ですから、随契の前に動いたということもやはりそれなりに我々も根拠を持っておるわけであります。したがって、こういう事実行為はやはり検察も、警察もあるいは建設省もこの事実行為は事実行為としてやっぱりきちっと確めるべきじゃないか。そして、随契というのは本当に公明正大に緊急の問題として本当に行われたのかどうかという点をもう一回洗い直す必要があると、こう思うんですが、これらの問題を含めて警察庁、法務省あるいは建設省対応について考えを聞かしてもらいたい。必要があれば私はこれ出します、受取ですから。
  103. 北島敬介

    説明員(北島敬介君) 今御指摘のような事実関係も含めまして、警察を初め関係御当局の調査が進んでおる段階というふうに承知しておりますので、その調査の状況を踏まえまして、将来におきまして事態の進展に応じて適切に対処してまいりたいと考えております。
  104. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 それから、この随契というものに関心を持ちまして、建設省に五十億以上の契約の事業の実態はどうかということで、五十四年の四月から現在まで五カ年間の資料をもらいました。大体二十件あります。その二十件のうち随契が八件。八件のうち大成建設が随契に関与したのが六件、鹿島建設が四件。大体大成建設の膨大な契約にほとんど随契、随契で手を打っておるという極めて優秀というか、要領がいいというか、公明正大というか、非常に随契は大成建設が多いということに私は重大な関心を持って、秋田もその一角だと、こう思うわけであります。したがって、随契そのものは制度としてあるわけでありますから、場合によっては否定しません。しかし、それに至る経緯というものは、やっぱり我々は重大な関心を持って見るべきじゃなかろうか。したがって、一番大きいのは大崎駅前の三百四十五億、これなどは莫大なものだと思います。こういう問題についても、きょうは会計検査院がおりませんが、国費を投入しておるわけでありますから、建設省についても十分な随契のあり方についてやっぱり重大な関心を持って業界の指導をしてもらいたいなと、こう思うんですが、建設省考えを聞いて、国土庁は時間ありませんから、林野庁も含めて省略して、この随契に対する建設省の指導方針を聞いて質問を終わります。
  105. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 私ども建設省でこの再開発法ができましたときに、標準定款案ということで指導をいたしたものがございます。これでは建前は競争入札で、特別の場合に随契ができるという形をとっておるわけでございます。まあ基本的に言えば、先生もおっしゃっていましたようにこれはどちらを選ぼうと組合の自由でございます。ただ、私どもの方は原則を競争入札ということにいたしたわけでございます。  おっしゃられるように、まあ形が競争入札になっているものを随契にする場合に、その随契にすべき要件を果たして踏まえていたかどうかということはいろいろ問題があると思いますが、これにつきましては第一義的には組合の判断する事項でございますので、私どもとしてはなかなか判断しづらい面がございます。  そういうことを申し上げたいと思います。
  106. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時二十二分休憩      ―――――・―――――    午後一時五分開会
  107. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、昭和五十七年度決算外二件を議題とし、建設省国土庁北海道開発庁住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫決算について審査を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  108. 目黒今朝次郎

    目黒朝次郎君 午前の質疑の関連でひとつ委員長にお願いします。  秋田駅前再開発の疑惑に関する調査を社会党としてやりたいと思いますので、次の方を大蔵または国税その他適当な機会の決算委員会に、証人または参考人として喚問するよう委員長の取り計らいをお願いいたします。  一つは、前回の委員会で税金問題でありましたので、修正申告を命じた仙台国税局の局長さん、それから秋田南税務署の署長さん、この二人をお願いしたいと思います。また、駅前開発中央地区の再開発組合の加賀谷理事長さん並びに佐々木副理事長さん、それからこの二人の指示に従ってこういうお金を持ち運んだと思われる再開発組合の伊藤吉雄さん、この三人について証人または参考人として喚問するよう要求いたしますので、委員長の取り計らいを理事会でお願いします。  以上です。
  109. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) ただいまの目黒君の参考人出席要求の件については、後刻理事会において協議いたします。
  110. 菅野久光

    ○菅野久光君 初めに、北海道開発庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。  まず、大臣就任本当におめでとうございます。道民五百七十万人はこぞって大臣の就任を歓迎して、今後の北海道開発についてその行政手腕を発揮されることに大きな期待を寄せております。  北海道は、一次産業において国の施策や国際的な条件悪化の中で大変な状況に置かれておるのは御存じのとおりです。赤字ローカル線廃止の問題、また三十万人にも及ぶ季節労働者の問題等、本当に大きな問題があります。こうした中で、例えば高速道路一つとってみましても、予定延長に対する全国の供用率が四五%、こういうことに対して北海道はわずかに一二・三%という低さであります。そうした中で、このローカル線が廃止される、高速道路はさっぱりできておらぬと、こういうことで、そんなことがまた産業等にも大きく影響しているというようなことが言えるというふうに思うわけであります。  今、国の経済が回復基調に向かっていると言われておりますけれども、産業構造の関係どもあると思いますが、景気は依然として低迷をして、特に建設業の倒産が多くて、これに関連する季節労働者の問題等、大きな問題となっておるわけであります。特に北海道経済においては、この公共事業の占める割合が非常に大きいわけで、前の稻村長官にも御努力いただいたのでありますが、このように数々の問題を抱えている北海道の開発について、予算編成を前にして大臣のひとつ決意、御所見をまずお伺いいたしたい、このように思います。
  111. 河本嘉久蔵

    国務大臣河本嘉久蔵君) このたび北海道開発庁長官を拝命いたしました河本でございます。  北海道は国土の二二%を占める豊富な資源に恵まれた土地を持っておりながら、人口は五百七十万でございまして、人々が生活している環境は非常にしやすく、企業の立地条件も非常に適しておる地域であると認識しております。したがって、この優位性を生かして、さらに増加する我が国の人口を受け入れる新たなる産業活動を展開することによって、国土の均衡ある発展に寄与することが国策上非常に重要な問題であると考えております。  最近の北海道の経済は、六年ぶりの豊作によりまして、工業生産の回復の兆しが見られることなど、やや明るさを取り戻しておりますが、いまだほかの地域と比較しまして厳しいものがございます。このため、私は開発施策の実施に当たりまして、活力ある北海道の開発を目指して各種の基盤整備、企業の立地の促進、地場産業の振興に全力を尽くして、道民はもとより広く国民から期待されるように努力してまいりたいと決意しております。
  112. 菅野久光

    ○菅野久光君 ただいまの大臣の御決意をお伺いいたしまして大変心強く思っているわけでありますが、何にしましても御就任なさって一日も早く北海道の道民としては大臣にひとつ北海道へ来ていただきたいという声が非常に強いわけでありますけれども、いつごろ北海道の方へお出かけになられる予定か、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
  113. 河本嘉久蔵

    国務大臣河本嘉久蔵君) できるだけ早く現地の実情も見、道民の皆さんに親しくお目にかかりたいという念願でございまして、現在のところ十四、十五日ということを予定しております。
  114. 菅野久光

    ○菅野久光君 十四、十五ということで、あと一週間ちょっとということでありますので、ぜひ北海道へ来て、北海道の実情をひとつとっくりと見たり聞いたりしていただいて、今後の行政の上にひとつ生かしていただくように心から私要請をいたしたいというふうに思います。  次に、建設省関係でありますけれども、まず公共事業関係についてお伺いをいたしたいというふうに思います。  先ほど申しましたように、全国的に日本経済が回復基調になっているにもかかわらず、北海道においてはほとんどその兆しが見られないというのが現状であるわけであります。それは、北海道には全道的に製造業の立地が少なくて、景気の回復は勢い公共事業に頼らざるを得ないということが、このような状況をもたらしているのではないかというふうに私は思うのであります。ところが、この公共事業費が五十五年度から抑制され続けて今日まで至っているわけで、これが即北海道経済に大きな影を落とし、建設業の相次ぐ倒産、そしてまた三十万人にも及ぶ季節労働者の問題ともなってきているのであります。  そこで、六十年度予算についてでありますけれども、国家財政も税の自然増収が出るようになりましたし、北海道のように公共事業に頼らざるを得ない地域にとっては、現在のような公共事業費抑制はもう限界に来ているのではないかというふうに思うのであります。先般の概算要求時点では建設大臣も努力をされて、道路財源と住宅金融公庫の補給金については年末の予算編成時に別途検討するという約束を財政当局と取りつけたということが報じられております。しかし今後の予算編成においても、一応そういう約束ではあるけれども、従来の例を見ますと全く予断を許さないというような事態ではないかというふうに思うわけであります。これからの見通しについて建設大臣はどのような展望をお持ちか、またそのための決意をまずお伺いをいたしたい、このように思います。
  115. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 先生も御承知のとおり、今財政再建、行革、これを私どもは進めておるわけであります。そういう中にありまして、御指摘になられましたように、六年間に近いマイナスシーリングといいますか、これを、残念でございますけれども、マイナスでやっておるわけです。しかし、そういう中にありましても、今御指摘になられましたように景気の回復の兆候が見えてきたといってもばらつきもありますし、今御指摘になられましたように北海道のある地域のところなんかは大変強い要望があることも、私どもよく承知をいたしておるわけであります。しかし、そういう中にありましても、計画的に効率的に効果的な配分というようなものをやっぱり考えていかなきゃならぬだろうと、そういうふうに私は基本的に認識を持っておるわけであります。そういうふうなことでございまして、来年度予算編成に当たりましても、まあできる限り建設省といたしましても予算編成の際の住宅の利子補給の問題やそれから自動車重量税の問題、そういう問題等の覚書等も実はあるわけでございますから、その辺を踏まえてしっかり努力をさしていただきたいと、こういうふうに思うわけであります。先ほど申し上げましてくどくなって恐縮でありますが、ともかく有効的、効果的に見なきゃいかぬと、そういうふうに思っておるわけでございます。
  116. 菅野久光

    ○菅野久光君 概算要求時点でそういう約束を財政当局としているということは、少なくともこの点については何らかの、何というんですか、財政的な面で裏づけといいますか、そういったようなものを予算編成時にやるということがある程度前提ではないかというふうに思いますので、まあいろいろ困難な時点はありましょうけれども建設省当局としてはこの増額のためにひとつ全力を尽くしていただきたいということを要望申し上げておきたいと思います。  それでは、次に道路財源についてお伺いをいたしたいというふうに思います。  日本全国に高速道路がだんだん拡充されてきまして、総延長も三千キロを突破したということでありますけれども、それでも日本より国土の狭い西ドイツの約半分というのが現状であります。北海道についても徐々に建設が行われておりますけれども、先ほど申し上げましたように、全国に比べて非常に微々たるものと言わざるを得ないわけであります。また一般近路についても、未舗装あるいはバスがすれ違えないという、そういう道路などが各所で残されておって、相当重点を置いて整備を進めていかなければならないのが現状だというふうに思います。  そこで、そのための財源についてでありますけれども、財政が赤字で金がないということで公共事業費が抑制され続けてきたわけでありますけれども、事、道路についてはまあ自動車重量税という特定財源があって、全く財源がないということではないというふうに思うわけです。ところが、この道路財源である自動車重量税が、国の財政難から五十七年度以降国の一般会計に流用されているということであります。その流用の実態は一体どうなっているのか、五十九年度までの年度別金額をひとつ御報告いただきたいというふうに思います。
  117. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 五十七年度から五十九年度現在までの先生の御指摘の自動車重量税のいわゆるオーバーフロー分でございますが、このオーバーフローと申しますのは、過去約五年ないし六年歳出予算の抑制に伴いまして道路予算も抑制されたために、昭和五十七年度以降道路特定財源の歳入予算額が歳出予算額を上回りまして、いわゆる先生御指摘の自動車重量税のオーバーフローを生じております。  その詳細について申し上げますと、昭和五十七年度自動車重量税のいわゆる国分、国が主要道路の整備に使うというふうに決められました額が国費で一千四百十二億でございます。それから、五十八年度は一千六百億でございます。さらに、五十九年度は一千九十六億と。計過去三年間で四千百八億と、国費でそういう次第でございます。
  118. 菅野久光

    ○菅野久光君 まあオーバーフロー分ということで、それだけいえば一般会計の方で使われていると。その分をいえば道路財源が食われているわけでありますから、道路整備がおくれていると、端的に言えばそういうことが言えるのではないかというふうに思います。この道路財源、揮発油税と石油ガス税は法律で全額国の道路財源に充当することになっているわけでありますが、自動車重量税については法律で使い道について決まっているわけではなかったということが、ある意味でいえば今回のような一般会計に流用される結果を招いたのではないかというふうに思います。しかし、本来揮発油税だとか自動車重量税などの道路特定財源は、受益者負担あるいは損傷者負担という考えによって道路整備費に充てるということになっております。しかも、特に自動車重量税はおくれている道路整備に使うということで、本当の税額、つまり普通のマイカーであれば一年間五千円であるところを現在一万二千六百円という、通常よりも二・五倍という高い税額を適用されているわけで、そういう約束された税金でありますから、たとえ国の財政難とはいえ納税者にとってみればこれを一般財源に流用するなどということは、ある意味でいえば詐欺だとかあるいはペテンだというのも当然ではないかというふうに私は思うんです。こんなことは絶対に許されることではないというふうに思います。早くこの異常な事態を正常に戻すように、建設省の一層の努力を私は求めたいわけでありますが、建設省自身のこれに対する認識はどうなのか。それと、今まで五十七年度からの流用総額約四千百億円にも上っているものについての今後の返還見通しはどのようになっているのか。その辺をひとつお伺いいたしたいと思います。
  119. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 先生御指摘のとおりでございまして、揮発油税、自動車重量税等のいわゆる道路特定財源は、御指摘のとおり受益者負担あるいは損傷者負担の考えのもとに道路整備費に充てることとしまして、道路利用者に特別の負担を求めているのが現状でございます。先ほど申し上げましたように、公共事業費の抑制に伴いましたために重量税等にオーバーフローが生じておるわけでございますが、自動車重量税の取り扱いにつきましては、昭和五十九年度予算編成時におきまして、大蔵、建設両省におきまして折衝いたしました結果、同税、重量税でございますが、創設の趣旨、経緯から今後とも道路特定財源としての原則に従って運用を行う、そういう旨を了解したところでございます。したがいまして、過年度分、先ほど申しました約四千百億でございますが、につきましては可及的速やかに道路整備費に充当するとともに、昭和六十年度予算の編成に当たっては、自動車重量税にかかわる道路特定財源は全額を道路整備特別会計に繰り入れるよう、その方策につきまして大蔵、建設両省で目下検討しておるところでございます。
  120. 菅野久光

    ○菅野久光君 今検討しているということですが、この約四千百億円のうち、まず五十九年度の千百億円、これについては今年度の予算編成時において大蔵、建設両省で合意をされて、五十九年度当初予算において自動車重量税の国費分の八割に相当する額のうち、道路整備費以外に充てるものについては、経済財政状況に応じて年度内に道路整備費に充当するものとするという約束になっているわけですね。ところが、これについて大蔵省の国会答弁では、経済財政状況に応じて、そういう財政状況が許せば本来お返しすべきものだと思うという内容になっているわけであります。この合意の趣旨は、財政状況が許せばではなくて、この五十九年度中には必ず返す。しかし、その年度の返す時点だけが経済財政事情によって決まってくるということであって、財政状況によっては年度内に返さないでいいものだという合意内容ではないというふうに思いますが、この点について建設省としてはどのように把握されておりましょうか。  また、大蔵省おいででしょうか。大蔵省も続いてひとつ答弁をお願いいたしたいと思います。
  121. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 建設省といたしましては、少なくとも五十九年度分の重量税のオーバーフロー分約一千億、国費で一千億余りはぜひ補正予算でも何でも返していただきたいと考えております。  以上でございます。
  122. 涌井洋治

    説明員(涌井洋治君) 五十九年度の予算編成の過程で五十九年度のオーバーフロー分につきましては、先ほど先生がおっしゃられたように、経済財政状況に応じ年度内に道路整備費に充当するものとするという約束になっているわけでございます。仮に五十九年度にそのオーバーフロー分を返そうとしますとこれは補正予算を組まなくちゃいかぬわけでございまして、その補正予算につきましては今後の内外の経済財政状況の推移を見きわめた上で判断することであって、現段階では確たることを申し上げられないわけでございます。
  123. 菅野久光

    ○菅野久光君 今の時点で確たることを申し上げるわけにはいかないということは、建設省は今年度、年度内ということですね、大蔵省も年度内には返さなきゃならぬものだという認識をお持ちかどうかということを再度はっきり答弁をしていただきたいと思います。
  124. 涌井洋治

    説明員(涌井洋治君) その点につきましては経済財政事情によるわけでございます。そこいらの点について今後さらに検討を加えた上で判断すべきものと思います。
  125. 菅野久光

    ○菅野久光君 建設省と大蔵省と合意をした内容理解の仕方が全く違うわけですね。こんなばかな話は私はないと思うんですが、しかし衆議院でもそのようなお答えをされて、それで後日大蔵大臣協議をするということ、そして衆議院の建設委員長に回答するということを約束されておるわけですけれども、その協議の結果についてどうなったのか、その辺をひとつ御答弁いただきたいと思います。
  126. 涌井洋治

    説明員(涌井洋治君) 衆議院の建設委員会におきまして、大蔵大臣協議した上、見解を出すようにという御指示が建設委員長の方からございまして、書面をもちまして大蔵大臣の御回答を建設委員長の方にお渡ししてございます。
  127. 菅野久光

    ○菅野久光君 その書面の内容についてはどのような内容か、その辺はお答えいただけますね。お伺いします。
  128. 涌井洋治

    説明員(涌井洋治君) 建設委員長提出いたしました書面の御回答を読み上げさしていただきます。   道路財源問題については、「昭和五十九年度当初予算において、自動車重量税の国費分の八割に相当する額のうち、道路整備費以外に充てるものについては、経済・財政状況に応じ年度内に道路整備費に充当するものとする。昭和五十七年度及び昭和五十八年度における同趣旨のものについても、可及的すみやかに道路整備費に充当するものとする」との大蔵・建設大臣の了解の線に沿って、今後、経済情勢、財政事情等も勘案しながら慎重に検討してまいりたい。
  129. 菅野久光

    ○菅野久光君 お金に関する、財政に関することはいろいろ困難があったときに何か漠としたような取り決めをして、後は財政状況がよくないということで全部大蔵に逃げられてしまうということが大体パターンではないか、各種の問題を全部見ていきますとですね。どうも後からというやつはそれがそのとおりにならないものがほとんどだというふうに、何か私は印象的にこう思うわけですよ。だからその辺はひとつ建設省の方の合意されたときの何と言うんですか受けとめ、それを確実にひとつ財政当局に実行させるようにしていかないと大変ですし、今のような漠然とした時期というのでは建設省としては道路整備を進めていく上において大変困るのではないかというふうに思うわけですけれども、その辺のひとつ建設省側として今の大蔵当局の答弁、それと絡めてのひとつお考えをお答えいただきたいというふうに思います。
  130. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 少なくとも道路局長としましては、ことしの分はことしじゅうに補正予算ででも返していただきたいと、かように考えております。
  131. 菅野久光

    ○菅野久光君 大蔵省もおいでですから、何か来年度に向けて自動車関係の諸税をまた上げるということで、これは自動車を利用している人たちが大変な問題だということで、それぞれの地域で総決起大会を開いてこれに反対をするというようなことが計画をされております。これは今の自動車重量税の問題もそういうような漠としたような形で、ある意味で言えば食い逃げみたいなことで一般財源に持っていく、その上にさらにまた自動車税を上げるなんということになれば、これは全く国民を何というんですか、愚弄するといいますか、全くだましていくのと私は同じことだというふうに思いますから、やはり国民に信頼される政治をということからいけば、やっぱり言ったことは、約束したことはきちっと守るようにひとつ財政当局にも私は強く要請をしたいというふうに思います。  次に、第九次道路整備五カ年計画についてお伺いをいたしたいと思いますが、これは五十八年度からスタートした計画ですが、今の五十九年度末でこの計画の進捗率、これはどの程度になりますか。また、計画との対比で進捗率を見た場合にどの程度下回っているのかお伺いをいたしたいと思います。
  132. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 第九次五カ年計画は御指摘のとおり昭和五十八年度からスタートしまして、六十二年までの計画でございますが、現在第二年度に当たります昭和五十九年度末におきましては、計画が三六・八形でございますが、実際の五十九年度末の進捗率は三四・五分でございまして、約二・三%下回っております。これを事業費に直しますと約八千五百億近いマイナスでございます。そういうのが現状でございます。
  133. 菅野久光

    ○菅野久光君 まだこの五カ年計画も二年目の半ばということですから、最終年度の六十二年度に達成できるかどうか今から予想するのは難しいとは思いますけれども、しかしこの五カ年計画を立てるに当たっては予想される自動車重量税は当然見込んで計画をしているというふうに思うんです。ですから、この五十七、五十八年度のオーバーフロー分約三千億円は、この五カ年度の期間中の六十二年度までに建設省としては返還をしてもらって、この道路整備費に充当するということでなければならないというふうに思うんですが、建設省としてはこの点についてそういう認識でおられるのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
  134. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 私どもとしましては、ぜひ第九次五カ年計画が閣議決定も経ておりますし、先生御指摘のように自動車重量税も全部入れて積算しておりますので、ぜひ御指摘のとおり、目的どおり達成さしていただきたいと、かように考えております。
  135. 菅野久光

    ○菅野久光君 次に、建設大臣にお伺いをいたしたいと思いますが、六十二年度までにオーバーフロー分を返してもらえなくて、そのために第九次道路整備五カ年計画が達成できなかったなどということが万が一にもあってはならないわけでありますが、本来建設省は絶対に譲ってはならないものを譲ってしまったということで、この五カ年計画の進捗状況をおくらせた責任は、ある面では建設省にもあるというふうに私は思うんです。その結果、最終的に五カ年計画が達成できなかったということになった場合でも、建設省はオーバーフロー分を返還してもらえなかったためだといった言い逃れとか責任転嫁ができるものではないと私は思うわけです。したがって、何としてもこのオーバーフロー分は返してもらうということで、強い決意でひとつやってもらいたいというふうに思うんですけれども、その辺の御認識についてお伺いをいたしたいというふうに思います。
  136. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 先ほど来先生、オーバーフローの問題につきましていろいろ御指摘がございました。私も国民という立場であれば同感であります。したがって、まだこの計画の達成までには年月もあるわけでありますから、達成できるように私としても最大の努力を払ってまいりたいと、そういうふうに考えております。
  137. 菅野久光

    ○菅野久光君 ぜひその決意でこれから御努力をいただきたいというふうに思います。  さて、この自動車重量税がオーバーフローしていることにも関連して、今度大蔵省と自治省から地方への配分を手厚くするという案が検討されているやに聞いております。これに対して建設省はどう対応するのか、その辺をお伺いをいたしたいと思いますが、今日自治体の譲与をふやしても今まで自治体がやってきた道路整備がふえることにはならないというふうに思うんですね。そうしますと、国と地方合わせた全体の道路整備費がふえるということにはならない。単に今まで自治体がやってきたことを肩がわりするだけに終わってしまうというふうに思うんです。景気回復のおくれている地域に対して求められている公共事業費増の要求にこたえることにはならないのではないか、このように考えるわけでありますが、ひとつその辺についての御見解を承りたいというふうに思います。
  138. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 私たちもまだ正式には先生御指摘のようなことは、大蔵省さんからも自治省さんからも聞いておりませんけれども、私どもとしましては、昭和五十八年度を初年度とする第九次道路整備五カ年計画は、建設省としましては現行の税制を前提としまして必要な財源の相当部分を道路特定財源に確保する考えで策定したものでございます。自動垣重量税につきましても今後とも道路特定財源としての原則に従いまして運用を行い、同税の国分の税収の八割相当額は全額を道路整備特別会計に繰り入れる必要があると考えておりますので、地方への譲与割合を変えるという考えは全く持っておりません。  以上でございます。
  139. 菅野久光

    ○菅野久光君 次に、建設省は昨年の今ごろからさきの国会に向けて、建設省関係の特殊法人が海外協力事業をできるようにするために、関係特殊法人の設置法の業務範囲を拡大する法律改正をもくろんでその準備を進めたと、そして国会に法律案を提出する意向のようであったわけですが、その法律案の提出を中止をいたしました。何か第百二国会に向けてもそのようなことをというようなことが一部報じられておりますが、百二国会には法案は出さないというようなことのようでありますけれども、なぜそういったような法律案を提出しなかったのか、あるいはできなかったのか、その辺の理由をひとつ明確にしてもらいたいと思います。
  140. 高橋進

    説明員(高橋進君) 先生おっしゃいましたように、昨年建設関係公団の海外におきますコンサルティング業務等につきまして、官民協力しながらやる体制につきまして検討いたしまして、一応関係方面とも協議いたしたところでございます。  今お話ございましたように、現在のところ次の通常国会に出すということには決定いたしておりません。これにつきましてはいろいろ関係方面との調整といいますか、協議が十分煮詰まらなかったということもございまして、現在のところそういうことの取り扱いをいたしておるところでございます。
  141. 菅野久光

    ○菅野久光君 建設省が七公団一事業団の業務を海外まで進出させるその理由として、現在開発途上国を中心に建設分野の国際協力が高度化、複雑化しているということ、あるいは大規模、多分野にわたる総合プロジェクトが増大していることなどから、日本の民間建設コンサルタントはこれらの総合プロジェクトを受注する技術やノーハウに欠けていることなどを挙げておられるようでありますが、外務省いらっしゃいますか、外務省はこうした建設省の当初の考え方といいますか、そういうことについてどのように考えておられるのか、その辺をお伺いしたいと思います。
  142. 木幡昭七

    説明員(木幡昭七君) お答え申し上げます。  この権想につきましての外務省の考え方は、昨年の十一月二十六日の参議院の行政改革に関する特別委員会の御質問において安倍大臣からお答え申し上げたとおりでございます。私どもといたしましては、いろいろ開発途上国から援助要請が非常にふえてきておりますし、かつまた多岐にわたっているという現状でございますので、できるだけそういう要請を窓口を一つにして受けとめて、それで先方の優先順位などに従って、できるだけ限られた援助予算を効率的に使っていかなければならない、そんな見地から随時建設省さんとも御相談協議をしてまいったところでございます。
  143. 菅野久光

    ○菅野久光君 ある意味で言えば、建設省あるいは国土庁と外務省との協議といいますか、そういうことが意思統一がきっちりできなかった、そういうことがいわば法案の提出に至らなかったそういう一つの大きな理由であったというふうに私は思うわけでありますが、今度の国会には出さないということですが、一部の新聞にはまた出す、あるいは今後もこの問題については、建設省あるいは国土庁は外務省と公団法の改正についていろいろ協議を進めていきたいという意思はお持ちなわけですね。これは、中国政府が日本に高速道路の建設だとかダム建設なんかについて幅広い技術協力への期待を公式に表明したというようなことにこたえなきゃならぬということが、ある意味で言えば契機だったというふうにも言われておりますし、水野前建設大臣が本年五月、高橋日本道路公団総裁とともに訪中した際に、中国の高速道路建設について先方と協議したということが言われているわけでありますが、その辺の事情と事実関係についておわかりでしたら、ひとつお伺いしたいというふうに思うんですが。
  144. 高橋進

    説明員(高橋進君) 中国との建設関係の技術交流につきましては、いろいろ日中経済協会等を通じたりいたしましてお互いに訪中団を派遣したり、あるいは向こうから訪日団に来ていただいて、いろいろ交流をいたしておるところでございます。そういった過程でいろいろ建設技術の交流ということも一つのテーマに、大きな問題となっていることも事実でございまして、今後ともそういったことについては政府間でも促進をしていこうということになっております。  ただ、今問題になっております公団の海外進出の問題は、単に中国との関係ばかりではございませんで、いろいろ東南アジアの諸国等からも過去、公団のノーハウといったものの活用につきまして要望もございまして、そういった意味でいろんな国との間で、要望がございましたそういったことを踏まえて、我が国の建設分野の国際協力の充実を図るという観点からも、非常に大事なことだと思っておるところでございます。
  145. 菅野久光

    ○菅野久光君 こういう公団法の改正を考えるに至ったことはいろんな理由があるんだろうというふうに思うんですが、行革という観点から私はさきの行革委員会で質問したわけでありますけれども、海外の発展途上国からの技術協力の要請があった場合には、国際協力事業団の現体制を金、物、人の各方面から増強して、適正プロジェクトを掘り起こして効果的に実行することが私は先決ではないか。そういう意味では各公団、事業団から、かなり国際協力事業団の方に、何というのですか、協力体制といいますか、そういうことを行っているわけですね。したがって、なぜ、今こういったような、ある意味で言えば国際協力事業団の事業分野にまで、いえば法改正をしてやらなければならないのか。その辺がちょっとわからないわけです。  そこで現在、国際協力事業団の事業のうちで建設省あるいは国土庁考えている海外進出事業について、どの程度の事業実績を上げているのか。さらに、これらの事業が物とか人、金の面で充実されているのか、いないのか。その辺はどのように把握をされているのか、説明をしていただきたいというふうに思います。
  146. 高橋進

    説明員(高橋進君) 建設省といたしましても、国際協力事業団の事業の実施につきましてはいろいろな面から御協力申し上げておるところでございます。例えば研修員の受け入れでございますとか、あるいは専門家の派遣。専門家の派遣について申しますと、長期、短期合わせまして国際協力事業団ベースでは百三、四十人、五十八年度派遣をしておりますし、また調査団の派遣につきましてもJICAベースでの仕事を相当やっておるところでございます。今後とも国際協力事業団を通じてのそういった海外協力ということには基本的に協力してまいりたいということには変わりがございません。  なお、建設省の方で検討しております公団の海外の進出の問題といいますのは、国際協力事業団がおやりになっていることを横取りしてといいますか、してまでやろうということでは決してございませんでして、国際協力事業団では必ずしも十分できない面についてのことについて今検討をしておるものでございます。
  147. 菅野久光

    ○菅野久光君 第二臨調の第三次及び最終答申にまつまでもなく、公団、事業団など特殊法人は、その業務が遂行されれば解散ないしは縮小、整理することがこれは原則であるわけですね。中曽根内閣の大きな看板も行政の簡素効率化にあり、特殊法人についてもその縮小、統合の方向が示されているわけです。こういう中で、このような動きは、これはそうでないかもしれませんが、見方によれば国際協力ということに名をかりて事業団の事業量が少なくなってきたという関係の特殊法人の延命策ではないかというような見方が一部報道されておるわけで、それは見方でありますから、そうではないかもしれません。この臨調の答申や公団、事業団の原則について建設省としてはどのようにお岩見でしょうか、お伺いいたしたいと思います。
  148. 高橋進

    説明員(高橋進君) 今、先生お話ございましたような公団の、何といいますか事業が少なくなってくることに対する延命策ではないかというのが、一部にそういう説があるということでございますが、決してそういうことではございません。それぞれ建設関係公団、まだいろいろ国民の要望に従ってやらなきゃならぬ事業というものを多く抱えておるわけでございまして、そういった観点は全くございませんことを申し述べさせていただきます。  なお、いずれにしましても行革の方針と反するのではないかということでございますが、さきの臨調答申におきましても、我が国の行政が目指すべき二大目標の一つとして、国際社会への貢献ということも掲げられておることでございまして、そういった意味でも、基本的に行革の趣旨と矛盾するものではないと思っております。  ただ、この問題につきましては、昨年の暮れにも臨時行政改革推進審議会の方から、民間活力の活用を重視すべきであって、その十分の発揮が確保されるべきである、あるいは技術協力の一元的実施の方針のもとに設けられている国際協力事業団との関係があるといったようなことで、今後政府として幅広い見地から総合的かつ慎重な検討を経て結論を出すべきである、こういう御提案もございましたので、そういったことも踏まえながら今後関係省庁 関係方面とも調整を進めてまいりたいと考えております。
  149. 菅野久光

    ○菅野久光君 次に、総務庁にひとつお尋ねいたしたいと思います。  私は、この問題については昨年の十一月二十六日、本院の行政改革に関する特別委員会で質問をいたしました。その際に中曽根総理は、「臨調答申でも行政の簡素能率化ということを言われておりまして、海外経済協力その他につきましても簡素効率化という原則を貫く必要があると思います。」と私に答弁をいたしました。さらに、「臨調答申の線に沿いまして統合し、効率化し、そして事務が円満に動くようにわれわれの方で差配してまいるつもりであります。」とも答弁しております。言うまでもなく、特殊法人の法律改正については当然総務庁にも相談があるはずで、齋藤前行政管理庁長官もそのように答弁し、また慎重に対処していくと委員会の席で私に述べております。  そこで、百二国会には法案を出さないということで今やっているというようなお話でありますが、こういったような問題について、今相談を受けているのかいないのか、さらに相談された場合にはどのように対処する方針なのか、総務庁の姿勢をひとつ明確にしてもらいたい、このように思います。
  150. 柴崎徹也

    説明員(柴崎徹也君) 六十年度の予算編成、現在査定の作業中でございますけれども、この過程におきましては、特に昨年のような御相談を受けておるわけではございません。将来のことにつきましては、これはどうなるかわかりませんけれども、仮にそのような要求がまた出てまいりました場合につきましても、先生今言われましたような行政改革の理念にのっとりまして、いろいろな問題点がございます、先ほど建設省の方からも昨年末の臨時行政改革推進審議会の意見が御披露がございましたけれども、そういった考え方を基本にいたしまして、検討を進めます際にも慎重に取り扱っていく必要があるだろう、このように思っております。
  151. 菅野久光

    ○菅野久光君 時間がございませんが、新聞等の報道によりますと、発展途上国の建設事業に対する民間のコンサルティング企業の活躍は最近非常に目覚ましいと言われております。したがって、民間企業側は今回の建設省の構想に対して反発していると言われておりまして、海外コンサルティング企業協会は再考の上慎重に対処してほしいと、昨年ですか、政府に要望書を提出したということですが、そういったようなことも踏まえて、ひとつ慎重に対処をしてもらいたいということを、これは要望しておきたいと思います。  次に、海外建設基本問題検討会についてお伺いをいたしたいというふうに思います。  この検討会は、建設省計画局長、今度は行政組織の変更で建設経済局長ということになったと思うんですが、この要請で五十七年三月に設置されましたが、この検討会の性格とか設置の目的について、ひとつ簡単に答弁をしていただきたいと思います。
  152. 高橋進

    説明員(高橋進君) 海外建設基本問題検討会は、建設分野における国際協力の推進を図るとともに、その重要な一翼を担う建設産業の海外活動の一層の振興を図るために、海外建設に係る基本的な諸問題について御意見をお聞きするべく、当時の計画局長が宍戸寿雄国際大学副学長を初め十五人の学識経験者にお願いしまして開催したものでございます。
  153. 菅野久光

    ○菅野久光君 この検討会は、先ほど申し上げましたように、当時の建設局長の要請で設置されたということでありますから、言うなれば建設局長の私的諮問機関であるというふうに思いますが、私の指摘に誤りはないかどうか、お伺いしたいと思います。
  154. 高橋進

    説明員(高橋進君) 実質的にはそのような性格のものかと思います。
  155. 菅野久光

    ○菅野久光君 言うまでもなく、行政は公正かつ中立てなければならない、そのように思います。  そこで、私的諮問機関であるこの検討会の委員に対して日当だとかあるいは謝金が支払われたのかどうか、もし支払ったとするならその金額と支払い根拠について明確にしてもらいたいというふうに思います。
  156. 高橋進

    説明員(高橋進君) この検討会の運営に要する経費につきましては、建設省に計上されております諸謝金及び委託費をもって充てたものでございます。  謝金といたしましては七万二千六百円、五十六年。それから委託費等につきましては約百万円でございます。
  157. 菅野久光

    ○菅野久光君 この海外建設基本問題検討会の総合プロジェクト部会から、昭和五十八年九月に「総合プロジェクトへの対応の基本的方向」というレポートが提出されたというふうに思いますが、それは間違いございませんか。
  158. 高橋進

    説明員(高橋進君) そのとおりでございます。
  159. 菅野久光

    ○菅野久光君 この報告書の中で、三項目にわたって特殊法人の法律改正の点がいろいろ言われているというふうに思うんです。いえば、この検討会の報告を受けて、ある意味でいえば公団法等の改正の準備を進めているというふうに理解してよろしいですか。
  160. 高橋進

    説明員(高橋進君) この海外建設基本問題検討会は、非常に幅広に検討していただきまして、小委員会も三つほどつくっていただきまして検討いただいたわけでございます。  その中に、総合的な、大規模な海外のプロジェクトに関する開発途上国からの協力要請につきまして、関係公団等に蓄積された技術力、ノーハウの活用等によって官民が協力して対応できる体制の整備を進めるべきではないかという御提案もございまして、そういう意味ではこの検討会の報告をも受けましてそういったことを検討しているものでございます。
  161. 菅野久光

    ○菅野久光君 もう時間が非常になくなりましたが、どうも審議会というものと、いえば国家行政組織法上の八条機関とこの私的諮問機関と、どうも最近の行政は、ある意味でいえば審議会の答申だとか報告とかそういうことではなくて、全く私的諮問機関の答申、それも構成から含めてある程度そういうことを予想されるような人をあらかじめ任命しておいて、そして答申を受けて、それが大方の世論の方向だというようなことで国民に納得させようとする、こういう非常に問題があるわけでありますが、その点について私は今回の公団法の改正なんかについても、先ほども申し上げましたような検討会の意見というものを受け入れてやっているんじゃないか。そういうものは報告などというものは受けないことになっているわけですけれども、その報告は出されている。こういったようなことが非常に問題だということを私は指摘をして、時間が来ましたのでいずれこの問題についてはまた別な機会にやらせていただきたいと、このように思います。  終わります。
  162. 服部信吾

    ○服部信吾君 まず初めに、新建設大臣建設行政に対する抱負がありましたら一言お願いしたいと思います。
  163. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 建設行政の基本というものは、御承知のとおり、社会資本の充実、整備を通じまして活力ある経済社会、また国民生活の発展に寄与する、これが一番私は基本だと思っております。また、住宅や宅地の供給の問題とか、道路、河川、下水道、公園の整備、何を一つとってみましても国民生活に非常に密着した部門を担っておるわけでございます。したがって、私どもは、そういう国民の要望に的確にこたえながら、二十一世紀に向かって国民生活の向上のためにその基盤の社会資本の充実、これを長期的な視点に立ちまして着実に進めていく努力を払いたい、これが基本的な考え方でございます。
  164. 服部信吾

    ○服部信吾君 そこで、まず初めに水利権についてお伺いしたいと思うんです。  言うまでもなく我が国の水利権は今河川法によって決められておるわけでありますけれども、この河川法は御承知のとおり明治二十九年に旧河川法ができ、当時は洪水対策、これが中心であったように思われます。その後、昭和三十九年に改正され現在の河川法となっておりますけれども、現行の河川法において水利権はどのように考えたらよいのか、この点についてお伺いします。
  165. 井上章平

    説明員井上章平君) これは旧河川法時代からでございますが、河川の流水はすべて公水として観念いたしておりまして、したがいましてそれを利用する場合はすべて河川管理者により流水の占用について水利権を取得することが必要条件となっておるわけでございます。
  166. 服部信吾

    ○服部信吾君 もう少し詳しくお伺いしたいんですけれども、水利権については行政の許可によって与えられる許可水利権と、過去のいきさつあるいは既得権として認められ、あえて行政の許可を受けなくても与えられる慣行水利権、これらがあるようでありますけれども、もう少し詳しく御説明していただきたいと思います。
  167. 井上章平

    説明員井上章平君) 河川水の利用につきましては長い歴史的経緯がございまして、これらの経緯に基づきまして現在の利水秩序が成り立っておるというふうに考えられるわけでございますが、現在の法律、河川法によりますと、すべてこの公水たる河川水を利用する場合は許可を得て、許可水利権として確定した上で利用されることに相なるわけでございますけれども、従来の経緯から慣行水利権としても制度として認められておるわけでございます。これらは新たにそういった慣行が成り立つというのではございませんで、従来から権利として存在していたものを慣行水利権として特定しておるものでございます。
  168. 服部信吾

    ○服部信吾君 慣行水利権についてですけれども、その内容の基準となるものが、例えば、いろいろ水の水量で要するに基準を設けるとか、いわゆる取水量というのですか、そういうものを認めるのか、あるいは河川の取り入れ口にこれぐらいの水門があるとか、石があるとか、いわゆる取水施設、取水方法を基準として決めるのか、この点についてはどうですか。
  169. 井上章平

    説明員井上章平君) 慣行につきましてはそれぞれ歴史的な経緯がございますので、それに従って慣行として成り立っておるというふうに理解されますけれども、しかし考え方といたしましては、慣行として取水しておる実績に照らしてその権利が存在しておるというふうな考え方でございます。
  170. 服部信吾

    ○服部信吾君 我が国では、言うまでもなく古来からいわゆる水田農業、これが中心だと、このような慣行水利権が網の目のように存在しておる。そこでお伺いしたいのですけれども、最近、近年、都市の人口の増加や経済の発展、こういうことに伴いまして都市用水あるいは工業用水などの水需要が大変激増しておる、そういうことにつれて、過去における慣行水利権の見直しとかその後の合理化の必要性があるように思えるんですけれども、かんがい面積が減ったり、需要が少なくなってきた、農業用水をそのほかに回すとか、合理化すべき点があると思うのですけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
  171. 井上章平

    説明員井上章平君) 先生御指摘のように水の利用形態は社会の進展とともに大きく変わってくるわけでございます。したがいまして、慣行水利権を含めましておよそ水利権全般につきまして、常にそういった水の需要実態に照らして合理化を図り、調整されるべきものであろうかと思われるわけでございますが、しかし具体的にということになりますと、やはり従来からの慣行は尊重されるべきでありますので、それらにつきましては個別具体にそれぞれの間で十分協議されまして、協議成立したものについてはそういった合理化が図られる、こういう手続を必要とするわけでございます。
  172. 服部信吾

    ○服部信吾君 水についての法律制度、これはいろいろ今諸外国でも問題になっているようでありますけれども、我が国の大変水利法についての権威者である金沢良雄先生がいろいろ述べられております。ちょっと読んでみますけれども、「水文的循環 水についての法律制度をどのように考えるべきか、ということですが、この水と人間とのかかわりを理解するには、水の自然現象としての実態を認識することが大切です。  空から降った雨や雪は地中に浸みこんで貯留されたり、地下流水となる。それが又地表に出てきて河川となって流出し、海や湖に貯留され、ここから蒸発した水蒸気は上空で凝結して雲となり、再び雨や雪を降らせる。  このように、水は自然界を循環しているのであって、これを水文的循環といいます。  公水 このようなことから考えられることは、水は公共の財産(パブリック プロパティ)であって、私人が所有すべきものではない、」、「つまり水は公水であり、」、芦ノ湖の水あるいは箱根の水、こういうのもすべて公水だと、このように述べられておりまして、「我が国では、地下水(温泉も地下水の一姿態)は民法上の土地所有権に隷属していますが、水文的循環の考え方に立脚している国の制度では、地下水も地上水と全く同じように公水として取扱われ」るべきである。そういうことでこういうふうに述べられているわけですね。特に先ほども述べましたけれども、我が国の水に関する基本的な法律はこの河川法河川というのはいわゆる線にすぎないわけだ。しかし湖とかダム、こういうものは面のあれがある。さらに地下水などを考えれば、これは立体的である、こういうふうに考えているわけでありますけれども、特に最近ではアメリカなんかでは人工雨等を降らしておる、こういう問題に対しても法的にいろいろ考えているようであります。いわゆる線から面、面から立体、そういうことを考えますと、今のこの法律を、まあ今、先生もおっしゃっておりますけれども、何らかの形で変える考えはないかどうか、この点についてお伺いしたい。
  173. 井上章平

    説明員井上章平君) ただいま金沢先生のお考えにつきまして御説明があったわけでございますが、私ども河川水につきましては自然がつくりなす循環過程の一通路であるという考え方に立ちまして、河川水を含めましてすべての水は総合的な公水としての水管理を行うべきであるという説にはもっともだという考えを持っておるわけでございますが、現在湖沼及び河川水については河川法によりまして公水として管理をいたしておりますが、ただ、地下水につきましては、この管理についての法制化をめぐって政府部内にいろいろ議論がありまして、例えば昭和五十六年の地盤沈下防止等対策関係閣僚会議において地盤沈下の防止、地下水の保全という見地からの対策について了解がなされたという経緯がございます。したがいまして、湖水、河川水あるいは地下水等すべて公水として総合的、一元的に管理するということにつきましては、これまでの経緯から見ますと今後引き続き検討すべき長期的課題であるというふうな認識は持っておるところでございます。
  174. 服部信吾

    ○服部信吾君 大臣からもちょっとその問題について。
  175. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 先ほど来いろいろ御指摘がありましたが、これはもう地下水まで含めて総合的、一元的に管理するというようなそういうお考えも大変大事な考え方と思いますが、局長が先ほど答弁いたしておりますように、長い長い歴史的経緯といいますか、地域のまた慣行といいますか、そういうようなものが非常に複雑でありまして、また今日のように都市の発展とか、社会の多様化とか、そういうふうなものが非常にふくそうしているわけでございまして、今までの経緯を私ども振り返ってみますと、やはりこれは長期的な課題として考えていかなきゃならない、そういうふうに認識をいたしておる次第でございます。
  176. 服部信吾

    ○服部信吾君 そこでちょっとひとつ具体的にお伺いしたいんですけれども、現在水利権争いというか、こういうのがあるようでございまして、神奈川県の芦ノ湖をめぐっていろいろ水利権の問題で紛争が起きているということで、何かきょう、芦ノ湖の水利権を考える会というのが神奈川にあります。これは要するに箱根の観光組合、箱根の旅館とかそういう方たちがみんな集まられて、そして神奈川県の長洲知事の方に陳情をしているようであります。芦ノ湖の水利権を考える会というのがこれが神奈川側、芦ノ湖水利組合、これが大臣のあそこなんですけれども、静岡側のあれだそうなんで、まあ一応これからちょっと質問する場合に、芦ノ湖の水利権を考える会という場合は神奈川側としますし、芦ノ湖水利組合の場合は静岡側、このようにして質問したいと思いますけれども、まず当局としてはこの問題についてどのようにお考えになっておられますか。
  177. 井上章平

    説明員井上章平君) 芦ノ湖の水利用につきましては、明治半ばごろに箱根側に分水しようとする神奈川県側と、これを認めないとする静岡県側との間で水争いが起きまして、刑事事件にまで発展したいきさつがあるということは承知いたしております。また、昭和四十八年には、水道用水の取水等について箱根町からこの深良用水を管理する静岡県の芦ノ湖水利組合の方へ要望があったということは承知いたしております。
  178. 服部信吾

    ○服部信吾君 これは二級河川ですから県知事が管理するということは当然ですけれども、それをまた管理するのは政府でございますので、その点について今、ある水利権をめぐっての、めぐるというか、一つの判決が出たと、これは明治二十九年にさかのぼって逆川事件の判決と、このように言われているようでありますけれども、その概要と判決内容を、法務省来ていらっしゃいますのでお伺いしておきます。
  179. 濱崎恭生

    説明員(濱崎恭生君) お答えいたします。  御指摘の判決は、最終の判決が明治三十一年四月二十一日の大審院の第一刑事部の判決でございます。これは原審は名古屋控訴院でございまして、名古屋控訴院の判決に対する上告を棄却したものでございます。  先生から指摘をいただきまして、急いで最終の上告審の判決のみを取り寄せて読んでまいったわけでございますが、本来は判決の詳細ということになりますと原審の判決をも見ないと確定的なことは申せませんが、とりあえず上告判決を読んだ限りで把握しているところでその概要を御説明したいと思います。  これは、今御指摘にもありましたように、事案は、芦ノ湖につきましては、旧来、これは江戸のかなり初めのころからのようでございますが、静岡側に流水させる水口とそれから神奈川側、逆川に流水させる水口とがあったわけですが、静岡側の流水を確保するために、逆川の方の水口にせきとめ工事をいたしまして逆川への流水を制限して、それによって静岡側の流水を確保してきたわけでございますが、明治二十九年に至りまして、逆川の流水を利用する神奈川県側の八カ村のいわば代表格として被告人とされました三名が人夫を指揮して逆川口のせきとめ工事を壊したと、そして逆川の方、すなわち神奈川の方に多量の水を流下させたということから、その被告人三名が旧刑法の四百十三条、これは水利を妨害する罪というものでございますが、それに向われるとともに、静岡側の流水を利用していた静岡側の七カ村の村長から被一人らに対して水利を妨害した損害賠償の請求をしたという事案でございます。現在ではこのような損害賠償請求というのは、御承知のとおり、民事訴訟手続で別個にされるわけですが、当時は刑事訴訟手続の中で当該犯罪行為によって損害を受けた者が損害賠償の請求をすることができると。その損害賠償請求についても刑事手続の中で同時に判断されるという、いわゆる附帯私訴と――私訴というのは私の訴えという字を書きますが、という制度があったわけでございまして、そういう刑事責任を追及する手続と損害賠償請求の手続が同時にされたわけでございます。  この件につきまして、名古屋控訴院の判決は、要約して申し上げますと、被告人らはせきとめ工事を壊し、しかも壊すと同町に逆川の川底をしゅんせついたしまして、逆川の方に多量に流水をさせて、それによって静岡側七カ村の水利を妨害したということで、被告人らに対して水利妨害罪について有罪の判決をするとともに、附帯私訴につきまして損害賠償の請求を認めたものでございまして、本件の上告判決は一これに対して被告人ら三名が上告をしたわけでありますが、これを退けたものでございます。これによって名古屋控訴院の判決が確定したものでございます。  上告審の判決を見た限りで、大体以上のような事案であるというふうにうかがわれます。
  180. 服部信吾

    ○服部信吾君 この判決ですけれども、要するに静岡側がつぐつたのを壊してしまったと、それに対する刑罰ですね、これは、罰せられている。その面から、今の内容から見ると、静岡側の水利を妨害したと、こういう二つからなっていると思いますけれども、再度お伺いしたいんですけれども、この判決は、要するに神奈川側の水利権を判断したものではないと、このように受けとっていいわけですね。
  181. 濱崎恭生

    説明員(濱崎恭生君) 最初にも申し上げましたが、原審の名古屋控訴審の判決は見ておりませんので、確定的なことはそれを見ないと申し上げかねるわけでございますが、大審院の判決から見る限りにおきましては、本件では水利権の存在そのものが訴訟の対象になったわけではなくて、被告人らの刑事責任、それから損害賠償責任の前提として静岡側の水利の権利を妨害したという判断をしているわけでございますけれども、その静岡側の権利とともに神奈川側の住民にも水利の権利が当時あったのかどうかということについては、その判決の中では判断していないようにうかがわれます。
  182. 服部信吾

    ○服部信吾君 ということは、要するに刑事罰としてそういう妨害、破壊、こういう面に対してのあれであって、神奈川の水利権の判断をしたものではないと、そういうことですね。
  183. 濱崎恭生

    説明員(濱崎恭生君) 上告審の判決だけから見る限りそのようにうかがわれるということでございます。
  184. 服部信吾

    ○服部信吾君 じゃ結構です。  それで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、芦ノ湖に関して少しお伺いしたいんですけれども、まあ箱根と申しますとこれは国立公園、そしてこの芦ノ湖が一つの大きな目玉になっている、明鏡だと、こういうことで一つの国立公園にも指定されておる。まあ大変日本国民のふるさとみたいなところだと、そういうことで、そういう旅館の方たちあるいは関係者の方たちがこの問題に対して今大変お困りになって、そしてこの五、六年前からこういう問題に対していろいろ考える会をつくられて、そうして、今こういう陳情をしておる。  そういうことで、ちょっと陳情内容を見てみますと、現在芦ノ湖の水位は著しく低下をしておる、沿岸住民の生活に大変支障を来しておる。確かに私も芦ノ湖へ行って見てきました。もう雨がここのところ大分降りませんので、大体昨年の三分の一ぐらい減だということで、約一年間で一メーター五十センチぐらい、要するに水位が下がってきている。これを日に直しますと約一日二センチぐらいだと。そういうことで、大変あそこの芦ノ湖を見ましても変な右が出てきちゃって、においがする。あそこは有名な遊覧船があるわけですけれども、遊覧船の固定した桟橋があって、水位によって浮かぶ桟橋があるわけですけれども、その渡り口がもう二メーターぐらい下がっちゃって危なくて大変な状況になっておりまして、たまたまあそこのボート屋のおばさんがいまして、おばさんの話を聞いたら、私はぎっくり腰になっちゃったというわけだ。どうしてぎっくり腰になったのと言ったら、要するにボートがたまっているところに、係留するところがある、そこに水が全くなくなっちゃったんで一々持っていかなくちゃならない、そのためにぎっくり腰になりました、現在はアルバイトを使っているんだと。まあそんなような現況があるわけですね。そういうような問題。それから、神奈川県は静岡側と早期にいわゆる水利問題に対して話し合いをしてもらいたい、こういうような問題。それから現在静岡側に流れておる深良水門、これも大変古いやつなので、もう少し新しいものにしてもらいたい。こういうような陳情の趣旨があるわけですけれども、特に私は国立公園であるこの箱根の旅館、そういうものの現状を見てみますと大変な現状になっているわけです。そういうことで、今この芦ノ湖の例を僕が出しましたけれども、この現状はどのようになっておりますか。もしあれでしたらお答え願いたい。
  185. 井上章平

    説明員井上章平君) 本年は降雨量が非常に少ない渇水年でありますために芦ノ湖の水位が例年に比して相当低下しているということは承知いたしております。現在のところこの水位低下により問題が生じているとは聞いておりませんが、河川管理者が神奈川県知事でございますので、神奈川県知事のこの問題に対する対応をただいま見守っておるという状況でございます。
  186. 服部信吾

    ○服部信吾君 まあそれは神奈川児側が確かにそういうことで管理者ですから、それはありますけれども、その程度しか――僕は前から随分レクチャーしておりますので、もう少し詳しく、芦ノ湖の方から見れば大変な問題ですから、旅館または箱根のあれから見れば。大体例えば毎日、僕は聞きましたけれども、一日二センチずつ水位が下がってきているわけです。そうすると、もしかしたら、一日二センチですと、例えば静岡の方に流れておる深良水門、あと大体八十センチぐらいだそうですよ。このまま雨が降らないでずっと経過しますと、これは静岡側にも水が流れなくなってしまうおそれがあるわけですけれども、もう少し詳しく調べてみていただけませんか。
  187. 井上章平

    説明員井上章平君) ちょっと十分調査がまだ行き届いておりませんので、調査してみたいと思います。
  188. 服部信吾

    ○服部信吾君 ひとつこれは早急に、やっぱり行って調査をしてもらいたいと思います。  これはただ単なるそういう問題じゃなくて、これは静岡側でも大変な問題になると思いますよ。今のままどんどん静岡側の方へ水が流れている、それはいいんですけれども、あと八十センチぐらいになると、一日二センチですから二、三カ月でそちらの方に流れなくなってしまう、こういう問題になると思います。  そこで、ちょっと通産省来ていらっしゃるのでお伺いしたいんですけれども、あそこの静岡側へ流れる水を利用して、姫川電力がいろいろそれを利用されておるわけでありますけれども、姫川電力というのはどういう会社か、ちょっとお伺いしたいんですけれども
  189. 山地義門

    説明員(山地義門君) 姫川電力は卸電気事業者でございまして、水力発電所の管理あるいは建設をやっている会社でございます。
  190. 服部信吾

    ○服部信吾君 例えば当初この芦ノ湖の水の問題について、これは江戸時代からずっといろんな経緯があるわけです。三百年ぐらいの経緯があるわけですから、これ、今すぐ云々ということはないと思いますけれども、ひとつお伺いしたいんですけれども、じゃこのままでいって、もし水位が下がり過ぎてそちらへ水が流れなくなった、こういうふうになったとき、これはまた電力会社も大変な損害とかなんとか出ると思いますし、なおかつそれを利用している産業者とかかんがい、そういうものにも非常に大きな影響が出ると思うんですね。  そこで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、当初は要するに農業のかんがいのためにこの水が流れていた。そして大体四月から九月ぐらいの間、このときに水が非常に必要なので、そこのいわゆる水門をあけて水を流した。そして十月から三月ぐらいは要するに流さなかった。貯水をしておいて、それで四月ぐらいになってからまた流すという、そういうふうにしていたんですけれども、たまたま大正何年かに要するに電力会社のために一年じゅう流すようになってしまった。こういうふうになりますと、この水利権の問題も、例えば農業用であったのが一番最初の水利権であるし、その次に取ったのがいわゆる産業用に使うような水利権、こうなりますと、やっぱり国民の生活とかそういうものを守るためには、同じ水利権でも順序があっていいんじゃないのか。何か古田優先とかそういうのがあるようでありますけれども、例えばそんなような状態になったときに、これに対して、神奈川県に任しておけというのであればそれで終わりですけれども、国の方としてもある相反考えていかなくちゃいけないんじゃないかと思うんですけれども、この点はどうですか。
  191. 井上章平

    説明員井上章平君) この芦ノ湖水利組合の持つ水利使用につきましては、先生お話しありましたように、もう三百年の歴史的な経緯に基づくものでございます。これが法律上確定いたしましたのは大正十四年でございまして、旧河川法に基づいて神奈川県知事が許可を出しておりますが、そのときの取水量は慣行によるということになっておりまして、この慣行の量的なものにつきましては、昭和四十二年、新法になりまして届け出がなされまして、かんがい期最大五・〇立方メーター毎秒、非かんがい期一・二から一・五立方メーター毎秒というふうに届け出があるわけでございます。ところで一方、大正九年に静岡県知事が当時の東京電燈に対しまして発電の水利使用の許可を与えておりますが、この命令書を見ますと、従来の慣行に従い引用する水量の範囲内でというような内容になっておりますので、別段私どもとしては支障がないんではないかというふうに考えております。
  192. 服部信吾

    ○服部信吾君 ちょっと通産省にお伺いしたいんですけれども、その芦ノ湖水利組合とそれから姫川電力との関係ですね、これは水利組合から要するにその権利を姫川電力に売っておる、そしてその水利組合というのはどのような方が中心になって、何人ぐらいで組合をつくっていらっしゃるのか、この点について。
  193. 山地義門

    説明員(山地義門君) 当発電所につきましては、先ほどございましたように、芦ノ湖から静岡県芦ノ湖水利組合が引水しているわけでございますが、そのトンネルの出口で発電の取水をいたしまして発電水力の有効利用を図っているということでございますが、大正九年に芦ノ湖水利組合と当時の東京電燈との間で契約書がございます。それは、先ほど申し上げましたように、芦ノ湖用水隧道の出口で取水をする、そして発電に利用するという点でございます。芦ノ湖水利組合につきましての組合員数その他ちょっと承知しておりませんけれども、これの管理者は裾野市長ということで承知しております。
  194. 服部信吾

    ○服部信吾君 それで私、この陳情書を再度見さしていただきますと、要するにもう神奈川県の方たちから見れば目の前に芦ノ湖がある。管理は神奈川県がしておる。しかし水は一滴も使えない。これはやっぱり非常に感情的に言っても、これはという面があるんじゃないか。ちょっとその辺の地下水を掘ったちすぐに静岡側の方が来て、この地下水は要するに芦ノ湖から出た水じゃないか、そのあれじゃないかというようなことで文句を言われる。大変感情的に言うと、神奈川県側の方たちは目の前に見ながら何にも利用できないという、そういうことがあるわけです。  最近調べてみますと、要するに箱根の水が非常にないわけで高いわけですね。ですから、その辺の富士とか湯河原とかその辺のあれと比べますと料金が高くてどうしようもない。そういうことで地下水を、そういうものを掘っている。そして地下水を掘るために、今までたくさん出ていた温泉がだんだん出なくなっちゃう、途中で持っていっちゃう、こういうような状況がある。今までどんどん出ていた温水が、豊満に出たのが、要するに水がなくて地下水までとるために温泉が余り出なくなってしまう。そういうような地下水のくみ上げのくみ過ぎだとか、実際にそういう被害が出ているわけですね。これはずっと読むと――また後で読んでみていただければと思いますけれども、やはり箱根のそういう方たちが今こういうふうになって、これは大変だと、このまま五年、十年いったら箱根の温泉街と申しますか、この観光地、これはだめになっちゃうんじゃないか。そういうことで今回そういう陳情されたり、また新たに今いろんな活動をなされておると思います。  この問題やりますと切りがありませんので……。  そこで、ひとつこれは一日も早く大臣、これは静岡の問題ですけれども、これはやはりきちっとしないと静岡側としても大変な問題になると思います。  そういうことで、まず実態調査をしていただきたいと思いますが、どうですか。
  195. 井上章平

    説明員井上章平君) この問題につきましてはただいま神奈川県におきまして水利用の歴史的経緯も含めて、いろいろと調査研究を進めておられる段階と聞いておりますので、建設省といたしましてはその状況をなお見守ってまいりたいと考えております。
  196. 服部信吾

    ○服部信吾君 まあ今までも何か、要するに現在の神奈川の芦ノ湖の水利権を考える会が何回も静岡の水利組合の方たちと一緒になって話していきましょう。何回やっても全然来ないという経緯があるわけですよ。なかなか話し合いがつかない。そういうこともありますので、これは一日も早く話し合いの場を、やはりこれは国として、何も河川管理者が神奈川県なんだから神奈川県だけの問題じゃないわけですから、やはり第三者機関としても国がある程度調整をして、そしてこの問題について解決の糸口をまず国の方がやってもらいたいと思いますけれども、この点はどうでしょうか、これは大臣ちょっと。
  197. 井上章平

    説明員井上章平君) ちょっとその前に私の方から。  この芦ノ湖は神奈川県知事の管理いたします二級水系にかかわるものでございますので、何といいましても、神奈川県におけるそういった問題に対する御努力を私どもとしては見守ってまいりたいという考え方でございます。
  198. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 私どもは関心がないわけじゃありませんで、地元のことですからえらい関心を持っているわけですが、何かいろいろ故事来歴を伺ってみますと、箱根神社なんかもえらい古文書があるとか、大変三百年の歴史よりもっと古いいろんな経緯が実はあるわけでございます。  そういう意味で、先ほどから事務当局答弁いたしておりますように、これは神奈川県が管理者ですから建設省として無関心ではおれませんけれども、まあそういういろんな慣行とか、人々の生活の知恵とか、また農業用水とか、また下の方へ流れれば地下水になって、これをまた恩恵を受けている人たちもおられるというようなことでございますから、まあ管理の一元化とかというようなことはよくわかりますけれども、これはまあ大変大きな問題でございますから、そういう点をよくひとつ管理者の皆さん方に認識をしていただきながら、これは長期的に物を考えていきませんと、静岡とか神奈川とかという問題じゃなくて大変大きな問題が、私は恐らく芦ノ湖だけじゃなくて、今河本長官にも伺ったら琵琶湖でもあるということを言っておられましたから、そういう点でこれは大変大きな問題であり難しい問題ですが、まあ長期的に検討していく問題だと、そういう認識を先ほど申し上げたとおり持っているわけでございます。
  199. 服部信吾

    ○服部信吾君 最後に要望しておきますけれども、このままで進みますと、とにかく今のままで一日二センチ大体水位が低下してくる。そうすると、現在静岡側に流れる深良水門に対しては約八十センチぐらいしかもうないと、こういう形になるわけです。ですから、これ二、三カ月で結論が出るかもしれません、これはっきり言って。もしその水が向こうへ行かなくなったらこれは大変なことになりますよ。そのときに、私はだから建設省としてもこれはもう早急にまず実態をよく調べてもらいたいと思います、行って。県に任しておくんじゃなくて。私はそういうことを要望しておきます。と同時に一日も早く、今大臣の御答弁でこれ長期的な問題ですけれども、まず話し合いの場をつけるように調整機関、調整していただきたい、このことを要望をしておきます。  この問題、まさにこの都度、あるたびにこの問題やりたいと思います。きょう時間ありませんので、この問題についてはきょうは提起をした。それで、先ほど法務省の方から発言があったとおり、前回のあの判決というものは、これは要するに神奈川の水利権を判断したもんではないんだと、これは明らかに言っておりますので、まだまだこの問題は水利権の問題としてこれからいろいろ神奈川県と静岡との間で話し合いをしていかなくちゃならない問題だと、そういうことでこの問題を提起したと、そういうことでこの問題についてはこれで終わりたいと思います。  次に、建設省といたしましては電電公社が民営化になると、そういうことで、これはまあ法律通ってませんけれども、来年の四月ぐらいから民営化というようなことで二十一世紀の新しい情報化時代に入ると、そういうことで、建設省としても最近電気通信技術の進展は大変目覚ましいものがある。また、現在電気通信事業分野に競争原理を導入することを検討されているということでありますけれども建設省においても高速道路網を利用した情報システムの構築を推進していると聞いておりますけれども、その構想と概略をひとつお伺いします。
  200. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 昭和五十八年度末現在でございますけれども、高速道路には既に道路情報用の通信回線が約三千四百三十五キロにわたって施設されております。建設省としましては、道路情報を含みます多様な情報を伝達するため大容量の光ファイバーを施設いたしまして、高速道路利用者の利益の増進に資するとともに、さらに幅広く通信回線としても活用する、いわゆる情報ハイウエー構想を推進しているところでございます。このため本年七月に設立されました財団法人道路新産業開発機構におきまして高速道路網を利用しました新情報システムの検討を鋭意進めてきたところでございます。システムのイメージが現在具体化してまいりましたので、このほど民間企業からの出資により光ファイバー等通信施設を敷設、管理する新会社が設立されることとなったものでございます。  以上でございます。
  201. 服部信吾

    ○服部信吾君 今御答弁いただきましたようによくわかりました。本構想に関連して民間の会社が設立され、事業を行うことになるわけでありますけれども、このことは、高度情報化社会に対応し、電気通信事業の発展と道路機能の向上に寄与することになる、これは確かだと思います。建設省や日本道路公団においても積極的にこれを推進していくべきである、このように考えるわけでありますけれども、今後の進み方向あるいは概要、この点について。
  202. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 新しい会社につきましては、十月の二十五日、先月の二十五日でございますが、発起人会が行われまして、その名前を日本高速通信株式会社、通称テレウエージャパンとすることと、当初の払込資本を四十九億円とすること等が決められたと聞いております。この会社は、日本道路公団が設置いたします道路管理用の通信設備とともに、高速道路等に光ファイバーケーブル等の電気通信設備を設置いたしまして、これを賃貸することを主たる目的としておりまして、今月中にも設立され、早急に事業に着手する予定であると聞いております。  それから、新会社によります事業の進展は、御指摘のとおり民間活力の活用による道路空間の有効利用と道路機能の増進につながる有意義なことと考えておりますので、建設省としましても積極的に支援してまいりたい、さように考えております。
  203. 服部信吾

    ○服部信吾君 新しい電気通信技術の発展を踏まえて、建設省においては道路公団等とも協力をして、光ファイバーケーブルを利用して道路交通情報提供の充実、道路管理の一層の高度化を図るとともに、自動車と道路の双方向の通信分野の開拓による新たなサービスの充実を図ることを検討している、このように聞いておりますけれども、これに関する建設省のお考えはどのようになっておりますか。
  204. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 御指摘のとおり、近年、自動車交通の非常な増大あるいは情報化の急速な発展等に伴いまして、道路利用者の道路交通情報に対するニーズが非常に高度化しつつあるのが現状でございます。他方、技術革新の進展によりまして光ファイバーネットワーク、各種ニューメディア等が実用化されつつございます。道路交通情報を効果的に収集、提供できる技術的な可能性が開きつつあるのが現状でございます。  建設省におきましては、従来より道路交通情報の充実に努めてきたところでございますが、こうした新たな情勢に対応いたしまして、情報収集提供体制の一層の整備を図っていく必要があると考えております。このため、光ファイバーネットワーク等を活用しながら道路情報VANあるいは路側通信システム、いわゆるハイウエーラジオというやつでございますが――等の情報提供施設の拡充を図るとともに、新たな情報提供手法としまして、先生御指摘の自動車と道路との双方向の通信によりましてきめ細やかな道路交通情報の提供を行う、いわゆる車と道路との間の情報システム等につきましても検討を進めているところと聞いております。  以上でございます。
  205. 服部信吾

    ○服部信吾君 最後に建設大臣にお伺いしたいんですけれども、この構想を実現していくために、今後どのようなスケジュール、構想をお持ちでしたらひとつ大臣から述べていただきまして私の質問を終わります。
  206. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 道路利用者のニーズの増大に対応して、できるだけ早く道路交通情報提供の充実を図っていく必要があると建設省考えております。現在具体的な実施方策につきまして鋭意検討を行っているところでございます。  先ほど御指摘の車と道路との間の情報システム等、新たな情報提供の手法につきましては、財団法人の道路新産業開発機構におきまして民間企業等の参加も得まして自主研究を進めており、この研究成果を活用して積極的に前進したいと考えております。  以上でございます。
  207. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 今、局長からも答弁がありましたとおり、やはり道路交通情報の提供とかそういう問題なんかに対しては、やはり光ファイバーというのは大変な経済性を発揮することができるわけですし、また、利用者に対しても大きな利便というものを提供することができることは御承知のとおりであります。そういう意味で民間の企業ということにもいたしたわけでございましょうから、我々は今大きく電気通信事業の新しい導入によって、経済や社会そういうものに与える影響というものは大変予想もつかないほど大きな効果を生み出していくものでございますから、そういうものに対して我々といたしましてもできる限り時代の要請にこたえて、成果が上がるように努力をさしていただきたい、こう考えておるわけであります。
  208. 服部信吾

    ○服部信吾君 では終わります。どうもありがとうございました。    〔委員長退席、理事目黒朝次郎君着席〕
  209. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 先ほど同僚委員からも質問がありまして、大臣からいろいろ御答弁いただきましたけれども、やはり私も最初に公共事業等の問題につきましてお尋ねをしておきたいと思います。  五十七年度の決算概要説明等もございますが、それを見ましてもなかなか建設省の所管の計画が進んでいないということでございますが、私どもとしましても公共事業投資を拡大して、それを効率的、重点的に執行することは、日本は世界の各国に比べますとどうしても社会資本の充実という点におきましてはおくれておるわけでございますから、それの整備を促進し、また景気対策としても極めて重要である。このように思っているわけですが、大臣から再度御答弁をいただきたいと思います。
  210. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 先ほども申し上げましたように、建設行政の基本的な課題ということは、御指摘がありましたように、社会資本を充実する、そして活力のある社会経済、国民生活に貢献するということであることはもう御承知のとおりであります。  そういう意味で、今、太田先生からもいろいろ御指摘がありましたように、行革であるとか財政再建とか、大きな我々はきょうだけの問題を考えずにあすの新しいもっと立派な社会をつくるために、こういう苦しい大変な事態を乗り越えなければならない。そういうまた認識で私は大きな相違はなかろうと、そういうふうに思っておるわけでございます。  しかし、先ほども申し上げましたように、六年間も長い間マイナスシーリングであるとか、また経済の低迷であるとか、そういうふうないろいろな厳しい条件が私どもの前に立っておることはもう御承知のとおりであります。また同時に、地方公共団体なんかも切実な要望がたくさんあることも私どもよく承知をいたしておるわけでございます。そういうことをいろいろ考えてまいりますと、先ほど来自動車重量税の問題であるとか、また道路財源の問題であるとか、そういう問題の御指摘があったわけでございますけれども、まあ私といたしましては、そういう財政再建、行革、そういうようなものを理解しつつも、なし遂げなきゃなりませんけれども、また今申し上げますように、この厳しい苦しい中にありましても、公共事業を執行する場合には計画的に有効的に効果的に適切に、やはりめり張りをきかしたものを配分その他に、推進する場合には細かい配慮をしながらやっていかなきゃならないと、そういうふうに考えておるわけでございます。  したがって、まあ道路財源の問題等にいたしましても、昨年の何といいますか、両大臣の覚書といいますか、了解事項等もありますが、先ほど大蔵省からも答弁がありましたように、財政、経済全般を見つつというようなお答えもあったわけでありますけれども、私どもは私どもの立場でそういう点をひとつ財政当局にも十分理解していただくように努力を続けてまいりたいと、こう考えておるわけであります。
  211. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 確かに、大臣から大いに努力をしていただかなければならない点が非常に多いかと思いますが、私どもこう見ましても、どうでしょうか、公共事業関係費の推移を見てみますと、事業費は五十五年以降四年連続伸び率がゼロに置かれておりますし、しかも五十九年度はマイナス〇・二%ですね。そして、これいただきました資料を見ましても、建設省所管の長期五カ年計画の進捗状況、これはいずれもスローダウンをしているわけでして、例えば第六次治水事業につきましては五十九年度で四六・三多と、これは六十一年に終わるわけですけれども、まあそういうような状況であると。あるいは六十年度で終わりますところの第五次下水道整備計画、これは五五・一%であると、五十九年の達成率が。第三次都市公園等整備計画、これも六十年で終わるわけですけれども、これも五八・七%だと。しかも、第三次海岸事業につきましても、六十年度で終わるのにこれは海岸では建設省は六五%である。その他六十年度で終わります第三次特定交通安全施設等整備事業、これの道路管理者分でも六九・一%というような状況になっておりまして、いずれもが計画を達成できないということはほぼ明確になってきているのじゃないかと思いますが、これではやはり長期計画を策定した意味がないんじゃないか、こう思うわけです。先ほど大臣からもいろいろなことお話しありましたけれども、この影響ですね、おくれたところの影響というのは各所でいろんな、具体的にも今あらわれてきつつあるんじゃないかと思うんですが、その点についてはどのように御判断になりますか。
  212. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) まあ今御指摘のとおりでございまして、私はそういう意味の認識では一致いたしております。  そこで、私ども政府の方では、民間活力の導入といいますか、こういうようなものを積極的に推進をしていかなきゃならないと。これは決して建設省の方が予算がないし、財政事情が厳しいから民間や地方公共団体に押しつけるんだと、そういう思想ではございませんで、民間活力の問題にいたしましても、政府としてどうしてもやらなきゃならぬ、また持たなきゃならぬ、政府としてたとえ重い荷であっても背負っていかなきゃならぬ。それを今申し上げるように逃げるなんということは一切考えておりません。そうじゃなくて、もっと二十一世紀に向かって我々が国民生活の充実や社会、公共の福祉にこたえるという、もっと効果的に、民間活力の導入によって、民間なりまた地方公共団体なり政府というものが一緒になっていい知恵を出し合って、そして今申し上げるように建設省、政府としてなすべきことは何かと。制度上の問題もあると思います。また、予算の点もあるだろうと、また民間の人たちの大いに知恵もかりなきゃならぬと、また私ども役所としての、従来のパターンでなくて役所としての知恵も出さなきゃいかぬ、また民間の人たちが民間活力に対して大いに協力してあげようと、そういうふうないろんな制度とか慣習とか、それから改革をしなきゃならぬものはたくさんありますから、そういうようなものを毛糸をひもとくようにきれいにひもとく努力もしなきゃならぬでしょうし、また国有地その他提供しなきゃならぬ場合には積極的に提供するとかというようなことを政府は重点にして考えて、そうして今申し上げますように、予算の厳しい中でも政府として負担し、やらなきゃならぬことは積極的にやっていくと。そして、みんなが一体となって民間活力の導入をすることによって、積極的にまた推進することによって、景気その他、またそういう各種五カ年計画が、おくれを取り戻すということではございませんが、とにかく一緒になって新しい発想で国民の皆さん方の要望にこたえようと、そういう基本的な考え方を持っておるわけでございます。
  213. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 民間活力の活用ということでいろいろとお話がありましたけれども、そうしますと、この五カ年計画のおくれはどういうふうにして、取り戻すことはちょっと難しいと思うんですけれども、これはできないままで打ち切ってしまってまた新しい計画を立てていくのか、あるいは今の五カ年計画を七カ年にするのか、あるいは八カ年と延ばすのか、その点のお考えはどうなんでしょう、建設省としましては。
  214. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 先ほど来申し上げておりますように、大変厳しい状況にあることはたびたび申し上げているとおりでございます。六十年度の予算編成がこれから始まろうといたしておりますし、またある計画によれば年数が二、三年先の問題もありますから、財政状況その他もよく見ながら、また私どもそういう認識を一層強く持ちながら、財政当局その他にもお願いをし、頑張ってまいりたいと、こう思っておるわけであります。
  215. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 私どもも財政再建というのはもとより必要なことであろうと思っております。しかし、事情によっては公共事業費の財源を建設国債に求めてよろしいんじゃないかと、こういう考えも私たち持っているわけですけれども公共事業費の拡大ということはやはり経済的な波及効果も大きいと思うんです。それによって内帯拡大の景気回復に寄与できれば、これは税の自然増収も図ることになるんじゃないかと思うんです。ことしも多額の税の自然増収があったわけですが、前の河本経済企画庁長官によれば、やはり来年度も、アメリカの大統領選挙が終わった後そうすぐには景気が落ち込むようなことはないだろうということでお話もありまして、また来年度も経済の伸びというのは相当な程度これは期待できるぞというお話も私どもこの委員会でもございました。そういう内需拡大をやはり起こしていくことが税の自然増収をふやすことになりますし、あるいはこれから問題になってまいりましょうところの対外的な経済摩擦というものも、これは解消する道になるんじゃないかと思うんです。日本が世界における経済成長の先頭を切っていかなきゃならない責任ある国として、これは一つの大きな役目を果たすことになろうかと思うんですが、そういった意味で、決して公共事業費の拡大を図ることが財政再建に背反するものじゃないと、このように思うんですが、その点はどのようにお考えでしょうか。
  216. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 基本的にそう大きなこの認識の違いは実はございませんけれども、これはまた財政論議でございますから別の機会もあると思いますけれども、とにかく今お話しのように、アメリカの選挙後一体景気がどうなっていくかということは、世界のエコノミストの間でもある意味では大きな期待を持ちつつも論議が分かれている点もかなりの部分であるわけであります。また一方では就労時間の問題なんかも、西ドイツなんかは大体千七百時間ぐらい、日本の場合には大体二千二、三百時間ぐらいの就労時間、フランスなんかでも千八百時間ぐらいだと、こういう点を考えてまいりますと、経済摩擦の問題と同じように就労問題というものは大変大きな問題としてもうすぐ論議をされる、もう論議をされつつあるわけであります。  一方では、御承知のとおり人生五十年が人生八十年になっているわけですから、この間の聞いた話ですけれども、七十歳じゃゲートボールの監督になれないというようなお話も承ったわけですが、そういう意味で、我々が例えば建設行政を推進する場合でもそうでありますが、背と違ってほとんど機械でやっておる。でありますから、そういう意味の熟年者のエネルギーなんというものも建設業界なんかでも活用できる範囲があればこれはやっぱり活用していきませんと、一方では就労時間に問題が国際的に出てくる。一方では人生八十年だと、こういうことでございますから、そういう熟年者のエネルギーの活用なんということはこれから大変大切な、政治の場で論議をしなきゃならぬ大きな問題もあると私は思うんです。そういうふうな非常に難しい、厳しいときでございますが、そういう点も私どもは政治をやる者としてよく考えながらこれに対処していかなきゃならない、そう考えておるわけであります。
  217. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 今、高齢化社会のお話も出ましたけれども、高齢化社会の問題につきましても建設省としては一生懸命研究をされているようにお聞きいたしておりますけれども、そういう高齢化社会に備える意味におきましても、やはり投資余力のあるうちに社会資本の整備を進めていくことが必要であると私も考えます。  次に、国土庁長官お見えになっておりますけれども建設大臣もいろいろと地元等の関係で地震対策につきましては相当の御関心をお持ちだろうと、このように聞いておりますけれども、大規模地震対策特別措置法でございますが、これに係る国の財政上の特別措置に関する法律が六十年の三月三十一日までの時限立法になっておりますけれども、しかし、公共事業費がやはり抑えられているという関係で十分にその目標も達していないと、このように言われておりますけれども、この際私どもとしましても五年ぐらいの延伸はしてこの法律の趣旨はしっかりと完遂すべきじゃないかと、このように思うんですが、その点どうでしょうか。
  218. 河本嘉久蔵

    国務大臣河本嘉久蔵君) 地震の財特法は来年三月で期限切れになるということは承知いたしております。国土庁といたしましても東海地震が発生した場合の被害をもう最小限にすることがいかに大事かということは、十分検討しておるわけであります。地震状況等を勘案いたしまして今後の対策の進め方につきまして本当に鋭意検討してまいります。これはもう東海地震が起こったら大変なことでございますから。特に先般の、余談になりますが、王滝村の地震の経験もございますし、国土庁といたしましては防災局長、この財政難のときに強化して、これはもう重点事項としてやってまいる所存でございます。
  219. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 建設大臣とは前に伊豆半島の災害等では御一緒に視察したこともございますが、大臣としてもやはりこれを大いに、所管ではございませんけれども、側面からでも推進をしていただきたいと思います。その点どうでしょうか。
  220. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 今、国土庁長官から御答弁があったことですべてが尽きておりますが、御承知のとおり地震対策というものは、日本は全部火山列島でありますから、東海沖だけに私はこだわらない問題だと思います。  そこで、予知と防災とあるわけでありますが、私ども国土庁を中心にして防災の方を担当しておると。そこで、今、国土庁長官からも御答弁がありましたように、五十九年度をもって財政特例法が期限切れが来ると。大体この財政特例法、この五カ年間で三千八百億ぐらいの予算で発足をしたわけでありますが、今、各市町村並びに県、その他がこれを延長してくれというような決議がかなりたくさん決議をされておるようであります。そこで、この六県の指定地域を受けた都道府県を中心にして、国土庁の防災局がもちろん窓口でありますから計算しています。それで、私の承知している範囲では、大体二千五百億ぐらいじゃないかなと、これはまだ今、計算中でありますからわかりませんが。そこで、特に事業量として残っている問題は、例えば急傾斜の危険地域であるとか、それからもし地震が発生した場合には避難しなきゃならぬ、そういう避難路の問題であるとかというような、そういう厄介な、非常に予算もたくさん、また技術も大変難しい問題が今残っておるわけです。  そういうふうなことで、いずれ党の方がまとまり、党の機関の審議を経て、国会でもちろん財政特例法は超党派で成立をいたした経緯がありますから、国会の場でも論議をされると思いますし、またこの議を経なければなりませんが、大体、今申し上げるように、防災の関係だけでも大体六県だけで二千五百億ぐらいだろうと、こう言われておるわけでございます。  そんなようなことで、また同時に予知の関係なんかも科学技術庁やまた運輸省、気象庁、国土地理院、いろんな各省庁にまたがっておりますし、消防の関係もありますし、そういう点等については国土庁防災局が中心になってこれからいろいろ取りまとめをいたしていくと私は思います。  そういう意味で、私どもとしましても財政特例法の延長が何年になるか、国会の議を経ることでございましょうが、そうした手続がもし延長されるということになれば、今申し上げますようなことを重点にして、全力を挙げて防災の確保に努力をさしていただきたいと、こう考えておるわけであります。
  221. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 防災局長お見えですけれども、王滝村の災害、その後復旧も進んでいるかと思いますが、あそこで得られました教訓とか、こういうことを生かしていきたい、あるいは今後こういうようなやっぱり対策をとっていきたい、そういう点ありましたら一言お願いしたいと思います。
  222. 杉岡浩

    説明員(杉岡浩君) ただいま御質問ございました王滝村の災害の復旧状況でございますが、当面の道路あるいはライフラインあるいは二次災害を防ぐための河川対策、これはほぼ十月中に完了いたしております。あとは恒久的な対策が残るということでございます。  そこで災害対策、今回の王滝村の地震につきまして、我々地震対策あるいは防災対策を進める上においての教訓ということでございますが、やはりあそこであれだけの災害があったんですが、まず火事がなかったということが一つ指摘されるわけです。これは皆主婦が、あるいはその関係者が地震がありましたときに火を、ガスをとめたということでございます。これはやはり防災訓練というよりも、防災知識が、地震があったら火をとめるというような訓練あるいは意識が行き届いているということでございまして、これが大都市の場合にも十分こういうことが進められるべきであるというふうに考えております。  それからさらに、今回の地震は土砂災害による被害が多いわけでございます。これは、風水害におきましても最近の長崎豪雨あるいは山陰豪雨等々、ほとんどは土砂災害によって起こっております。そういった関係上、我々は今後土砂災害に対しましてその関係省庁と十分緊密な連絡をとってそれを進めていきたいというふうに考えております。
  223. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それから次に問題移りますが、前建設大臣は訪中をされました。そこで中国側の交通相など関係者意見交換等をされたようですけれども、中国側も来日をされているようですけれども、中国側としましては当面日本に期待していますのは高速道路建設監理、こういうものについての技術協力だと、こういうふうに言われていますが、その点どのようなことでしょうか。
  224. 高橋進

    説明員(高橋進君) 前大臣が訪中、この四月から五月にかけまして、したとき、また最近の中国側からの訪日団が参りましたときの大きな関心事といいますかは、おっしゃるように、高速道路等についての技術協力といったような観点でございました。
  225. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 そうしますと、私ども、日中両国の友好関係を促進するという観点からもできるだけ協力すべきである、こう考えていますけれども、具体的に日本道路公団などが事業の企画、設計、監理面など一貫した高度技術のノーハウ、これを提供するのは現行のもとでは難しいんじゃないかと思うんですが、その点どうでしょうか。
  226. 高橋進

    説明員(高橋進君) 現段階で具体的にどういったことについて技術協力なりそういったことを求めるかということにつきまして具体的には来ておりません。したがいまして、現在の体制のもとで応じられるかどうかということはちょっと仮定の問題で、はっきりしたことは申し上げかねるわけでございます。
  227. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 去年ですか、その関係公団の海外コンサルティング業務進出のために建設省国土庁が、日本道路公団法とか水資源開発公団法など、その関係法の法改正案を国会に提出しようとしたということも知られておりますけれども、これは外務省とか国際協力事業団との間の調整がつかなかったと聞いているんですけれども、今後、見通しはどうでしょうか。
  228. 高橋進

    説明員(高橋進君) 御指摘のとおり、昨年、そういった関係の制度につきまして関係方面と調整を行ったわけでございますが、完全な意見一致は得ておらないところでございます。  今後の問題としまして建設省といたしましては、基本的な観点といたしまして、やはり関係公団等に蓄積されております技術力、ノーハウの活用等によりまして、官民の能力を有機的に結合して対応できる体制を整備するということは必要なことかと考えております。ただ、具体的にどういった形でそういったことを進めるかということにつきましては建設省内でもさらに議論を司め、また関係方面とも相談をして調整をして進めてまいりたいと、こういう段階でございます。
  229. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 そうすると、見通しはまだ明らかでないということですね。
  230. 高橋進

    説明員(高橋進君) 現段階で具体的にどういった仕組みで、制度でやるかということについて、まだ関係機関との間で結論は得ておりません。
  231. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 それでは時間がわずかになりましたので、取りまとめてお伺いしますけれども、最近東名、名神などの高速道路を見てみますと、パーキングエリアあるいはサービスエリアが飽和状態になっていて、非常に危険な状態になっているということが報道されているわけですが、さらに最近では、エリアの中に入れなかった大型トラックが走行車線まではみ出して駐車しているために、一般の車両の利用が難しくなったりあるいは停車している車への追突とかあるいは接触事故とか、そういうことがいろいろ報道されているわけですが、その点についての建設省状況把握はどうでしょうか。
  232. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 東名、名神の高速道路のパーキングエリア、サービスエリアの利用状態につきましては、非常に交通量が増加するに従いまして休憩施設等の利用も増大し、混雑を呈しているのは先生御指摘のとおりでございます。このような混雑を解消する方策を検討するため、昭和五十四年及び五十五年度に東名・名神高速道路全線のサービス施設につきまして駐車時間、駐車場の飽和度並びに駐車場以外での駐車状況等の利用の実態の調査を実施したところでございます。  その調査結果を簡単に御説明申し上げますと、一番問題になるのが大型車でございますけれども、その大型車について申し上げますと、パーキングエリア、サービスエリアでの平均駐車時間が四十一分ぐらいでございまして、当初そのサービスエリアなりパーキングエリアを計画しましたときに考えておりました平均時間約二十分の倍でございまして、非常に長くなっております。また、駐車飽和時間は平均十三時間でございまして、特に大都市周辺の港北パーキングエリア等ではほとんど終日満杯状態となっております。これは別に港北パーキングだけではございませんで、大都市周辺のパーキングエリアにつきましては終日満杯状態とは言えませんが、ややそれに近い状態であるのが現実でございます。  それから、東名・名神高速道路以外の大都市周辺におきます休憩施設につきましても、順次調査を行いまして利用実態の把握に努めているところでございまして、簡単に申し上げますと、特に東名、名神を中心にして申し上げますと、平均駐車時間が全体の施設、すなわちサービスエリア、パーキングエリア込みで大体三十一分、中でもサービスエリアでは先生御案内のように食堂がございますので三十九分なり四十分、それからパーキングエリアでは食堂がございませんので大体二十二分ぐらいという結果になっております。特に大型車につきまして申し上げますと四十一分ということで非常に長い駐車時間になっております。参考のために小型車について申し上げますと約二十分でございます。
  233. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 この決算委員会で同僚委員からの質問に対しまして、建設省は駐車場の新設を約束をされているわけですけれども、来年度は二カ所程度と聞いていますが、それだけではなかなかこれは解決される問題ではないと思いますが、その点、どうでしょうか。
  234. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 先ほどちょっと申し上げましたですが、非常に混雑しておりますのは特に東京周辺、名古屋、豊田周辺とか大阪周辺の非常にパーキングの設置の難しい、いろいろ地元の了解を得なきゃいけませんし、用地の取得上の問題点もございますし等々で難しいところが大部分でございます。ただ、来年度新しく霧ケ丘パーキング、これは横浜市でございますが、そういうものも新設を考えております。それから御案内だと思いますが、東名の一部を拡幅いたしますので、神奈川県管内でございますが、そういうところではサービスエリアを擁壁にいたしまして駐車場を増設したいと、そういうことを考えております。
  235. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 さらにこの高速道路の駐車場問題の原因ですね、交通量の増大に見合った駐車場スペースの不足に伴いました絶対数の問題と、大型トラックが長時間駐車をしている、特に大都市周辺ですね。ということが今起こってるんじゃないかと思うんですが、東京に近いパーキングエリアでは工場に荷物を納入するために町間調整が必要となって五時間ぐらいざらに駐車している。こういうことが言われているわけですけれども、現在の企業活動における物流の状況というのは、在庫圧縮による合理化努力ということから、大型トラックによる指定場所への指定時納入ということが行われているわけで、そのために時間待ちということが高速道路のパーキングエリア周辺を利用して行われるということになるんですけれども、これに対しては政府として有効な手だてがとれないものでしょうか、どうでしょうかその点は。
  236. 田中淳七郎

    説明員田中淳七郎君) 非常に自動車交通量がふえまして、昭和三十年度、いわゆる自動車によります貨物輸送は五十九億トンキロであったわけでございますが、昭和五十八年度には千九百三十五億トンキロでございまして、約三十倍にふえております。また、この間に貨物輸送に占める自動車輸送の割合は一二%から四六%、約四倍にふえております。  このような自動車によります貨物輸送がふえてきた主な理由は、道路整備が進んだことにもよりますが、特に高速道路の整備が込んだことによりますけれども、むしろ経済活動が非常に活性化し活発化し、生活水準の上昇等によって輸送される貨物の総量が増大したことと、国民が自動車輸送の特性である戸口性あるいは迅速性、それから随時性等を選択する度合いが大きくなっている結果と考えておりますけれども、先ほど先生御指摘のように、駐車時間の制限の問題につきましては、実は睡眠をおとりになる方もおられますし、その場合にかえって睡眠時間を妨げてまで追い出すということになりますと別の危険が伴いますので、今後どのようにするかにつきましては関係省庁といろいろ打ち合わせて具体的に検討したいと考えておりますけれども、先ほど申し上げましたように、できるだけ駐車場をふやしたい、そういうことでございます。  具体的に申し上げますと、昭和五十八年の六月に東名高速道路の大井松田から御殿場間の六車線の拡幅事業にあわせまして、足柄サービスエリア及び鮎沢パーキングエリアの拡充を行い、駐車スペースの大幅な増設を図ることとしております。また、中央道や東北道等におきましても、大都市周辺の休憩施設の混雑度の厳しいところから駐車スペースの拡充整備を昭和五十五年度から実施しております。それから、今後とも計画的に休憩施設の拡充整備を図るとともに、はみ出し駐車、長時間駐車の問題につきましては、先ほど申し上げましたように関係機関とも協議を行いまして、利用者の安全かつ円滑な交通の確保に努めてまいりたい、さように考えております。
  237. 太田淳夫

    ○太田淳夫君 当然それは関係各省ともよく話し合いをしていただきたいと思いますけれども、とりあえず公団としてできることもあるんじゃないかと思うんですね。例えばそういうパーキングエリアが満員であれば、すいているところがもっと手前にあるんですから、だから先は満員ですよということを運転手に周知徹底するようにして、パーキングエリア外にとまっているような場合には罰しますよと、何かそういうようなこともとれるんじゃないかと思うんですね、公団の対策としましては。その点からまず始められたらどうかと思うんですが、その点どうでしょうか。
  238. 加瀬正蔵

    参考人(加瀬正蔵君) 先生御指摘のように、長時間駐車の実態について、私どもも承知しておるところでございます。また、長時間駐車の大型車両が多いために、場合によりましては本線上にはみ出すということで、例えばパーキングエリア、サービスエリア周辺におきます交通事故がほかの場所に比べて一五%ぐらい多いというような統計もございます。まあこの全部がはみ出し駐車によるものじゃないかもしれませんが、そういう実態でございますので、そういう状況がなくなるように、抜本的には道路局長がお答え申し上げましたように、駐車場の増設ということが肝要かと思います。  しかしながら、これは急の場合に間に合うものじゃございませんので、私どもといたしましては、駐車場の中が効率よくとめられるような整理誘導を行うということとともに、必要に応じまして警察等の御協力も得まして、はみ出し駐車をしている車両に御注意申し上げるというようなこと、さらには現在交通情報等で余り駐車場の混雑状況についてのPRをしておりませんが、そういった方面にも関心を向けまして、御指摘のような利用者に対する注意の喚起というようなことも考えてまいりたいと思います。
  239. 安武洋子

    ○安武洋子君 まず私は、天下りの問題についてお伺いをいたします。  ことしの七月、私は建設委員会で住宅都市整備公団の役員人事の問題でお伺いをいたしました。その際理事が多過ぎるというふうなことで、減員の方向を打ち出していながら、兼任のポストの兼任を解きまして、新しいポストをつくり出すというふうなことで、建設省からの天下りの役員を受け入れたということにつきまして問題の指摘をいたしました。そのときに当時の水野建設大臣あるいは公団――これは本年度末には三名減員する、そして内部からの登用の確立、こういうことを約束されました。  ところが、その後の事態を見てみますと、十月一日付で公団の関連施設担当理事、これに前近畿地方建設局長の岸田隆氏、この方が天下りをされております。さらに十一月一日付で前建設省事務次官の丸山良仁氏、この方が副総裁として天下ってなさいます。  前回も指摘いたしましたけれども、天下り問題での数回にわたる閣議決定、それから閣議了解、また国会での附帯決議、こういうことを私は一体どのようにお考えになっていらっしゃるのであろうか。公団の内部でも、公団というところは建設省の植民地なのかというふうな声も上がるというふうに聞いております。建設大臣、公団の総裁、御所見をお伺いさせていただきます。
  240. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 公社、公団の役員の人事の問題につきましては、今御指摘のように、五十二年に閣議の決定とか、また五十四年にも閣議の了解事項もあるということはもう御指摘のとおりでございます。御承知のとおり公社も公団も高い公共性があることは御理解いただけると思います。また、高い公共性があるがゆえにその業務の円滑な遂行をするためにも、ある意味では人材というものが適材適所に登用されていかなきゃならない、そういうふうな基本的な考え方を私は持っておるわけでありますが、今おっしゃいますように、私もよく細かいことはわかりませんけれども、そういう基本的な考え方で適材適所、人材が公平に配置できるような、そういうことをこれからも配慮をすることが非常に大事なことだと、そう思っておるわけであります。
  241. 京須實

    参考人京須實君) 先般の建設委員会におきまして建設大臣が御答弁されました理事の三人の減員、これは今年度末までに必ず縮減はいたすつもりでございます。しかしながら、このたびの副総裁の交代あるいはまた理事の交代につきましては、特に理事につきましては実は二名の任期途中での退任がございまして、そのうち一名の方は内部登用でございました。いま一名につきましても任期途中におきまする交代でございますのでその補充を行った次第でございまして、今回の補充と先ほど申しました年度末における役員の縮減の計画とは全く別個のものでございまして、年度末における役員の縮減計画は変更したわけではございません。
  242. 安武洋子

    ○安武洋子君 減らすという方向ははっきりして、三名年度末に減員なさるということになりますと、私は理事がその都度その都度おやめになればそれは空白にしていくというふうなことが、当たり前のことではなかろうかというふうに思います。そして、しかも関連施設担当というふうな理事というのはこの必要性につきましては内部でもいろいろ議論が出ているというふうにも聞いております。三名減らすといいますけれども、このようにしてちゃんと補充もなさるというふうなことで伺いますけれども、一体この三名減らすのはいつ決定なさるんでしょうか。そしてどの担当の理事をお減らしになるんでしょうか、お答え願います。
  243. 京須實

    参考人京須實君) 理事三名を年度末までに縮減することにつきまして、現在その具体的な時期とか、あるいは縮減後におきまする各理事の職務分担については現在検討中でございまして、まだお答えできません。
  244. 安武洋子

    ○安武洋子君 めどはいつごろつけられますか。
  245. 京須實

    参考人京須實君) 年度末までに必ず縮減するんでございますからそれまででございますが、その前いつどうと、特に理事につきましては、三人の理事はその計画が明らかになりますと既に退任が予定されてまいりますので、やはり人事工事前にそういう計画を漏らすことはいかがかと思いますので、めどということは申し上げかねるわけでございます。
  246. 安武洋子

    ○安武洋子君 そんな微妙なものなら途中で減員すればそのままに置いておけばいいわけです。それを補充しながら、年度末に三名減らすんだからそれまでは好き勝手なんだというふうな態度に見受けられます。私は前回指摘いたしましたけれども、総務企画担当理事と人事担当理事、これは七月までは兼任をされてこられたわけです。それをわざわざ分けられたわけです。そして現在の理事さんの配置を、これを見てみますと、住宅にしろ都市開発にしろ企画担当の理事とそれから事業の実施担当の理事、これが分かれているわけですね。私は課長とか部長が計画建設とか、あるいは事務と技術と、こういうことに分かれるというのは話はわかります。しかし、意思決定のトップとも言うべきこの理事の段階で、一つの事業なのに計画と実施が一元化されていないというのは、これはお互いの意思のそごが少しでもあれば事業がうまく進まないと、こういうことは本省でも考えられないことだろうと思います。かえって事業が遅滞しやりにくくなるということで、内部からもその声が上がっているというふうに聞いております。私は、見直しに当たりましてはこういう点なども十分に配慮すべきだと思いますし、また関連施設担当とか公園緑地担当とか、それから交通担当、こういうふうにわざわざ一つの理事のポストが必要なのかと首をかしげたくなるようなものまでもございます。ですから逓減に当たりましては三名のみならず、このような点も私は検討していただいて、思い切って理事を減らすべきだと、こういうふうに思いますがいかがでございましょうか。
  247. 京須實

    参考人京須實君) まず最初の御指摘の総務部門と人事担当部門等につきまして一人で前にやったという御指摘でございましたが、実は私がやっておりましたのですが、非常にこれは忙しゅうございまして、一年足らずやりましてはとほと参ったわけでございます。また、企画担当部門と事業実施部門につきまして一人でも足りるのではないかという御指摘がございましたのですが、やはり企画の策定とかあるいは用地の取得とか、また公共団体等の調整とか、非常に企画部門というのは多岐にわたる仕事を持っております。また、一方建築とか事業実施につきましても、設計とか工事の発注、工事の監督とか、これまた非常に重要な業務量の多い仕事を担当しておりまして、両部門を一人の理事で担当することはいかがかと思っております。しかしながら、いずれにいたしましても先般の建設委員会におきまして建設大臣からのお話もありましたように、年度末におきまして三名の理事を減員するということは、当公団といたしましては非常に大変なことと存じておりますが、何とか各理事閥の仕事の均衡等を図りまして実現する覚悟でございます。
  248. 安武洋子

    ○安武洋子君 何のかんのと理屈ばかり設けられて、閣議決定とか了解とか附帯決議、こういうものを一貫して誠実に守ろうという姿勢がない。やはり三名減員する、それまではいろいろ理屈を設けて今の現状を保っていこうというふうな姿勢を私は感じます。  そこでお伺いいたします。  十月一日付で退官をされております前建設省の住都公団監理官河津四郎氏、この方が十月十六日付で公団出資の第三セクターの新都市センター開発株式会社、ここの常務に再就職されております。住都公団をクッションにしないで直接その出資会社、ここの役員に天下るというふうなケースというのは過去に例がございますか。
  249. 豊蔵一

    説明員(豊蔵一君) ただいま御指摘の新都市センターの役員に建設省から直接退職した者がそちらに就任するという例は今までございません。
  250. 安武洋子

    ○安武洋子君 そこで聞きます。  この新都市センター開発株式会社、これは一体どういうところなんですか。業務の内容、それから公団の出資金と資本金、それから常勤非常勤の役員数、それから管理職の人数、一般職員の人数、それをお知らせください。
  251. 京須實

    参考人京須實君) この新都市センター開発株式会社には、住宅都市整備公団もその出資を行っておりますので、私の方からお答え申し上げます。  新都市センター開発株式会社でございますが、これは現在多摩ニュータウンにおきまして店舗、事務所、診療所等の建設、経営あるいは管理等を行っている会社でございますが、資本金は二十四億円でございます。そのうち住宅都市整備公団の出資している分は約三分の一の八億二千四百万円でございます。役員は、常勤が社長以下五名、非常勤が七名、計十二名でございまして、社員数は約四十名でございますが、うち管理職が十五名でございます。
  252. 安武洋子

    ○安武洋子君 職員の数、わずか四十名ぐらいの、約ということもないと思いますが、私は五十八年の調査で見てみますと、役員は常勤が六人、非常勤が七人、一名今役員、常勤の数が違っておりますけれども、管理職がこの当時は十一名、そして一般職員二十二名、結局は社員数というのは常勤だけで三十九名でございますね。このうち役員、常勤非常勤合わせて役員は十三人、それから管理職を含めますと二十四人が役職員、一般職員は二十二人、役職員が二十四人いて一般職員が二十二人、常勤だけとってみましても役員と管理職が十七人いて、そのうち天下りが十人、こういうことになりまして、一般職員の数よりも管理職員が多いという妙な会社でございまして、別名、多摩センターとも言いますけれども、天下り会社とも言うこういうところでございますね。私はここに十月の十六日付で元建設省住都公団監理官の河津氏が天下りをされた。そのかわりにそれまで役員をしていた長島忠恕氏がはじき出されると、玉突きと、こういう形で住都公団の非常勤監事に着任をされております。これを見てみますと、建設省から先ほど申しました新都市センター開発に行かれた。そうすると、そこの方が今度は住都公団にはじき出される形で行かれている。非常勤の監事に着任をされている。結果的に見てみますと、建設省の天下りを受け入れるというためにこういう方策をとったとしか思えないわけです。  そこで聞きます。非常勤の監事の年収というのは一体幾らなんですか。
  253. 京須實

    参考人京須實君) 月額で約二十万円と聞いております。
  254. 安武洋子

    ○安武洋子君 月二十万、年収二百四十万。じゃ長島忠恕氏ですね、この方を、今非常勤の監事でございますけれども、公団の住宅共済の専務理事長、こういうことで就任させたい意向だというふうに聞いております。住宅共済会の理事長というのは今まで人事部長が無報酬で兼務をされているはずでございます。これをまた新たに、年収八百万以上というふうに聞いておりますけれども、そういう報酬で専任の理事長ポストをつくりまして就職させるということになるわけです。聞くところによりますと、長島氏の新都市センター開発での役員としての報酬というのは、これは約千四十万ぐらいではなかろうかというふうに聞いております。非常勤監事の年収が二百四十万、八百万ほど今までの年収がダウンをいたします。この新しいポストをわざわざつくり出して年収八百万、これを保障するということで考え出されたのが住宅共済会の専務理事長就任ということではないか、それ以外に全く考えられないわけでございます。先ほどから聞いておりますと、適材適所とかあるいは才能がどうだとかいうふうなことを前のときにも随分とおっしゃいました。しかし、そう言いながら、結局は建設省の天下りを受け入れる、そして住都公団の仕事からお金から保障するというふうな住都公団というのは機関になってしまっている。このケースは余りにもひど過ぎると思うんです。私はこういうことでなくて、もっとこういうようなものを常識的な対応を望みたいと思いますけれども、一体いかがお考えなんでしょうか。
  255. 京須實

    参考人京須實君) 長島氏が非常勤の監事に就任するわけでございますが、これにつきましては、公団内部の職員のOBの登用という意味では非常に意味のあることと考えておりました。非常勤ではございますが、やはり監事への登用でございまして、非常にこれは公団におきまする役員に対する内部登用といったものの大きな第一歩と考えておりました。また、長島氏がたまたま非常勤監事のために収入が少ないということから、他の公団の例えば住宅共済会の理事長と兼務をお願いするという案も確かにございましたが、これにつきましてはかねてから公団におきまする住宅共済会の理事長というのはやはり公団のOBいわゆる内部登用の方が就任しておりましたので、長島さんお一人でこれを兼ねれば、たまたまうまくいくのではないかとそう考えたわけでございまして、長島さんを公団内部登用の一環として非常勤監事でございますが監事に登用するということを第一に考えた人事でございまして、決して建設省の方が多摩のセンター会社へ来るための玉突きでということでは毛頭ございませんので、一言弁明申し上げます。
  256. 安武洋子

    ○安武洋子君 それじゃ何も今住宅共済会の理事長、今まで人事部長が無報酬で兼任をされているわけですから、わざわざこれを新たに年収八百万以上の報酬で専任の理事長ポストをつくるということは要らないはずで、内部登用結構でございます。ですから、非常勤の監事ということでやられればそれだけでいいんじゃございませんか。
  257. 京須實

    参考人京須実君) お言葉を返しますが、人事部長が共済会の理事.長を兼務しておりましたのは、後々内部登用のための人事のポストを確保するという意味で兼務させましたものでございまして、その人事部長が兼務になる前はやはり公団のOBが専任の理事長をしたということもあるわけでございます。
  258. 安武洋子

    ○安武洋子君 それは理屈です。今兼務をしているのになぜこういうふうにわざわざと新しくポストを分けるんですか。住都公団はこういう理事のポストというのは逓減をしていく、役員というのは減らしていく、そういうことを真摯に考え検討しなければならないという立場にあるんではないんですか。それをわざわざ建設省から多摩センターに天下りする。そうすると多摩センターから玉突きでおたくの方が受け入れると。非常勤の監事ということだけならそれは問題ないでしょう。しかし、今まで無報酬で兼務をしていたそのポストをわざわざ割いて八百万の年収を与えるということになれば、だれがどう考えたって、常識で考えたって、多摩センターの収入が千四十万だと、そうすると非常勤監事は先ほどあなたの御答弁のように二百四十万だと。やっぱり八百万足らない。ここで八百万のお金、それからポスト、これを私は建設省からの天下りで玉突きで来た人のためにつくるということ以外にないじゃありませんか。こういう私は世間の常識にもとるようなことをしてもらったら困ると。だから、検討をちゃんとし直していただいてもっと私は常識ある対処をすべきだ、このことを強く申し上げます。
  259. 京須實

    参考人京須實君) 非常勤監事でございますと確かに月収等あるいは年収等が少のうございます。したがいまして、私どもは非常勤監事のポストをお認め願った際に、やはりこれは公団の関連のしかるべきポストとセットにいたしまして処遇いたしませんと、立派な非常勤監事の方にお見えいただけない、このように考えておりました。その結果、非常勤監事につきましては、いろいろ選考いたしましたが長島氏が公団内部登用の中では最適任であるという判断で了承をお願いした次第でございます。  なお、新都市センターにつきましては、先生も先ほど御指摘のように、現在まだ役員は常勤が六名のところ五名でございまして、何と申しますか、へ理屈と申しますか、必ずしも玉突きで出しませんでも予算で認めていただいている役員の数は六名まであるんでございますが、あえてそちらの方は長島さんの後へたまたま河津監理官がお見えになったということでございまして、やはり長島さんを公団の方に登用したことが私は最初であると重ねてお答え申し上げます。
  260. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は先ほどから申し上げておりますように、おたくは理事を逓減していく、役員を減らさなければならない。一体閣議決定とか閣議了解とか附帯決議、どのようにお考えなんでしょう。そういう理屈ばかりつけてどんどん役員をふやしてなさった、今までそういうことをされてこられたということが、やはり私は住都公団が建設省の天下り植民地になっていると言われるゆえんなんです。もっと真剣に考えていただきたい、そのことを強く申し上げます。十分に常識ある検討を望みまして次に移ります。  公団の賃貸住宅の補修の問題について、これも私は七月の十二日の建設委員会で神戸市の多聞台の団地の補修問題の失態を取り上げました。その後、外壁の塗りかえというのはやられておりますけれども、その私が挙げた事例を含めまして、団地の方々が補修要望といたしまして補修伝票、これを提出されております。一体その後どうなったのでしょうか。私が参りましたところではまだどういう対応も出ていないというふうに思いますけれども、お答えをいただきます。
  261. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 前回の建設委員会におきまして先生から御質問ございました。それで、外壁等の修繕等につきましては、従来からも実施をいたしております。それで、その後居住者の方から出されました補修伝票等につきましては、その具体的な状況を調査確認いたしまして、公団の負担におきまして修繕すべきものにつきましては、その緊要度に応じまして適宜修繕等を行っているわけでございます。  若干詳細について触れさせていただきますと、例えば室内の壁の塗装、特に台所の壁の優先というような問題ございまして、そういうことにつきましての修繕要望等が実は数戸から出てまいっておりますが、これにつきましては、修繕の負担区分の関係で、模様がえで実施していただきたいというようなことで居住者の方にお願いをいたしております。それから、水切り棚の取りかえ等がございますが、これにつきましても、修繕要望が出てまいりましたので、それにつきましては、公団におきまして実施をいたしております。それから、洗面所のボックスの取りかえ、または合板の張りかえ等があるわけでございますが、これにつきましても、修繕要望等が出てまいっておりまして、それにつきまして対応をいたしております。  そのほか、外壁の塗装につきましては、五十九年の十一月に完了いたしておりますし、その後、その余のものにつきましては六十年の早い機会に発注して実施をしたいというように考えております。それから、雑排水管の修繕等につきましても九月の下旬ごろまでにおおむね完了している状況でございます。  いろいろとその他ございますが、いわゆる居住者の皆さん方の御要望によりまして、修繕要求等の出てまいりましたものにつきましては、適宜判断をいたしまして対応さしていただいている状況でございます。
  262. 安武洋子

    ○安武洋子君 私は、この質問の後で大変たくさんの団地を回りました。そして、生の声を聞かせてもいただきましたし、現実に私の目でも確かめてまいりました。私は、公団への要望がどれほどたくさん山積しているかと、またその要望が一つ一つもっともであるというふうに実感をしているわけですけれども、何といっても私は、一番望むのは、公団側の居住者の立場に立った真率な対応ということでございます。例えば、例を挙げてまいりますけれども、西宮市の浜甲子園団地とか、明石市の宮の上の明石団地、それから伊丹市千曽の伊丹団地、こういうところは窓枠がまだ木枠のままでございます。雨、風が吹き込みまして、水が屋内にしみ込んでまいるというふうなこと、また窓があかないと、もうゆがんでしまってというふうなことになっております。それから、西宮市の常盤町団地、これはベランダがございません。ですから洗濯物を室内に干すという家庭がたくさんございます。住宅は近年近代化をいたしております。ですから設備も向上しております。だから、私も家庭婦人の一人でございますけれども、こういうふうな状態がいかに不便かと、また雨がしみ込むなどというのはもういかに住みづらいかということを実感としてよくわかるわけなんです。窓枠のサッシ化とか、あるいはベランダの設置とかと、こういうものにつきまして一体どのような方針を公団はお持ちなのでしょうか、お伺い  いたします。
  263. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) まず第一点の御質問でございます、いわゆる窓枠が木製という問題がございます。実は、この木製につきましては、昭和三十八年ごろまでは木製の窓枠でございます。戸数にいたしますと十一万二千戸ございます。それにつきまして仮にアルミサッシ等に改造いたしてまいりますと、おおむね一戸当たり五十万円程度かかるわけでございまして、総額にいたしますと五百六十億円かかることになります。私たちといたしましても、できる限り木製をアルミサッシ等にかえて居住者の皆さん方に快適な生活をしていただきたいというように考えているわけでございますけれども、今申し上げましたように、非常に多額の修繕費を必要といたしますので、その対応に苦慮しているという状況でございまして、できるだけ、何と申しますか、可能な形での検討をしてみたいものだということで悩んでいる状況でございます。  ベランダのない住宅というのは実は私存じてないので、残念でございますが、いずれにいたしましても、そういう住宅等につきましては、相当建てられている年次が古い住宅なんだろうというように想像されます。先ほどの参議院の建設委員会等でもお答えいたしましたとおり、住宅の増築の問題とか、あるいは建てかえ等の問題でそういう事柄には対応してまいりたいものだというように考えているわけでございます。  それから、雨のしみ込みの問題でございますが、外壁とか、あるいはまた屋根等からの雨の降り込みというような形のものかと思いますけれども、そういう事柄等につきましては、いわゆる居住者の方々の御要望とか、あるいはまた公団独自で点検等をいたしているわけでございまして、そういうものにはできるだけ早い機会に対応してまいりたいというように存じております。
  264. 安武洋子

    ○安武洋子君 いや、そうじゃないんですよ。木枠だから、ちゃんと閉まらないから、そしてもう戸のあけたてもできないようになっているから、雨がしみ込んでくる、風が吹き込む。今どきに風の吹き込むような、雨のしみ込むような家に住むということになるわけなんです。ですから、たくさんのお金がかかるとかなんとかおっしゃっていますけれども、快適な住環境を保障するということで、私はアルミサッシ化、これをぜひお願いしたいというふうに思います。  そして、神戸市の有野台団地、これは築後十三年ぐらいたっているところです。六甲山の背後の高台にございます。ここは冬は非常に寒いです。ですから、燃料をたきますけれども、ここでは大半のうちが除湿機を使わないとどうにもならないというふうなことで、壁は温度差で、結露というふうな状態じゃないんですね。まるで雨が流れたようになるというふうなことなんです。ですから、早急な結露対策というのが必要でございます。健康上でも私は問題があろうというふうに思います。さらに、先ほどの伊丹の伊丹団地、それから宝塚の仁川団地でも、結露で湿気とかカビで困ってなさるわけです。こういうふうな状態を放置すると、私は健康上にも大きな問題があろうと思いますけれども、こういうものはどういうふうにしていただけますでしょうか。
  265. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) ただいま先生の御指摘ございましたような状態にあるものにつきましては、居住者の方の御要望に基づきまして、本当に窓枠等が木のために、それでもって雨水が入ってくるというものにつきましては、御要望につきまして調査をいたしまして、修繕しなければいけないものについて、あるいはまた取りかえをした方がいい場合には対応してまいりたいというように考えております。この問題につきましては、五十八年、昨年でございますが、二度目の家賃改定を実は実施さしていただいたわけでございますけれども、その際の、修繕をいたしますよという各団地の居住者の皆様方に御理解をいただくためのパンフレットを出しているわけでございますが、その中でもそういう考え方は出しているわけでございまして、ぜひひとつそういう旨を担当の支社等に御提出いただきたいというように思います。  それからまた、今の結露対策の問題でございますが、この点につきましても、同じような形で居住者の方々の御要望によりまして調査確認をいたしまして、しかるべく措置をとってまいりたいというように思います。
  266. 安武洋子

    ○安武洋子君 同じように、立地条件で考慮していただかないといけないところもあるわけです。尼崎市の千鳥団地。沼地の上に建てたわけですね。ですから、ここも大変湿気が多いというふうなことでカビが多発しているわけです。ここも先ほどのように調査してちゃんと対処していただけますね。
  267. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) それぞれの団地の事情によりまして対応の仕方がいろいろあると思いますが、先生の申しておられます点につきまして各支社あるいはまた営業所等にお申し出いただきまして、調査をさしていただきたいというふうに思います。
  268. 安武洋子

    ○安武洋子君 先ほどの西宮の浜甲子園団地、それから尼崎の西武庫団地、ここでは便器の取りつけのねじが腐ってぐらぐらして排水漏れが生じているわけです。しかも、これは何も一、二の例じゃないんです。浜甲子園団地の例を挙げますと七百戸にも及んでいるんですね。便器が動くなんというのは、これはもう構造上の欠陥、それと耐用年数の問題だろうと私は思うんです。耐用年数が過ぎているということからこういう故障が生じていると思うんです。私はこういうのは当然公団が修理をすべきだというふうに思いますし、また、耐用年数の過ぎた明子舞子団地の雑排水管ですね、これも本管までの枝管というのは今まで業者が清掃していたけれども、掃除をすると漏水するというふうなことで、ですから業者も四、五年前から清掃しない状態だというふうなことになっております。こういうものも公団が私は取りかえるべきだと思いますし、神戸の新多聞団地、ここではふろ場そのものが漏水をするというふうな欠陥施工ではなかろうかという問題も出ております。それから尼崎の西武庫団地では流しが壊れても部品がないというような状態です。  ですから、建物にも耐用年数があるように、公団でもよくお考えいただきたいんですけれども、施設設備にも当然耐用年数があるわけです。耐用年数を経過して使用できないものについては公団の責任で取りかえるのが本来の姿であろう、そうしてそれ以前でも居住者に共通して補修が必要だというふうなものが出てくるというのは、器具か施工に問題があるわけですから、これは誠意を持って公団が対処をしていただきたい、こう思いますが、いかがでしょうか。
  269. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) ただいま先生が数多くの団地並びに団地の中におきますところの問題箇所の御指摘があったわけでございまして、詳細にこちらでちょっと聞きとどめることができませんので、総括的にお答えさしていただきたいというように思います。  いずれにいたしましても、生活上非常に不便だという形のものにつきまして、公団とあるいは居住者の方と両方におきまして修繕に対しますそれぞれの持ち分というのが決まっております。御承知のように契約書の第十二条におきまして居住者の負担の問題ございます。それからまた、それ以外のものにつきましては公田の負担で修理をするというものが実はあるわけでございます。したがいまして、公団の負担におきまして修繕しなければならないものにつきましては、公団の職員の点検とかあるいはまた居住者の方々のクレーム、要望等につきましてそれを受けとめて調査、確認をいたしまして修繕をさしていただくということでございます。  まあ居住者の方の負担において修理をするということにつきましての、何と申しますか、もっと幅を広げるというような御趣旨も含めた御質問ではないかというように実は受けとめておるわけでございますが、それにつきましては、御承知のように公団の負担におきまして修繕等をしなければならない項目が非常に多くございまして、居住者の方々から数多く要望が出されております。これに対します修繕等がまず第一義だろうというように考えているわけでございまして、そういう事柄につきましては、現在とても手が入らない、従来の契約書の定めに基づきまして居住者の方に御負担いだだきたいというように思うわけでございます。
  270. 安武洋子

    ○安武洋子君 何を言っているんですか。これはみんな居住者からの切実な要求なんです。私が申し上げたように物には耐用年数がある。耐用年数が過ぎている、あるいはたくさんの同じような例が耐用年数が来ないでも出ているというのは、これは器具か施工に問題があるということを申し上げております。  これをごらんになって下さい。(安武洋子君資料を手渡す)そちらに回して見ていただいたらいいと思いますけれども、これが文化的な住宅と言えるでしょうか。これは住宅とも言えないようなひどい状態、これはごく一部です。そちらでちょっとごらんください。こういうふうなものは、私は、「健康で文化的な生活を営むに足りる良好な居住性能及び居住環境を有する」住宅を供給するというふうなのが公団の目的なんでしょう。それに対して健康に害があるようなあるいは便器もぐらぐらして使用できないようなとかあるいは雑排水管もどうにもならないようなとかというふうな、個人の責任でないようなものについて公団がちゃんと責任を持っていくのが当たり前ではないかということを言っております。民間の家主を見てください。そういうものについては民間の家主は誠意を持って対応しますよ。ガラスが割れたとかふすまが破れたとかというのは、それは入っている人が直します。しかし、今私が申し上げたような故障についてせめて民間の家主のとるような――公団は政府に準ずるものですから、皆そう思っているんですから、そういう対応をとられるべきだ。団地周辺の環境整備につきましても非常に意見が出ているわけです。これは神戸の花山東団地、それから有野台団地、防犯灯をふやしてほしいというふうな要求とか、それから尼崎の西武庫団地では道路のブロックに夜光塗料を塗ってくれと幾ら言っても塗ってくれないとか、それから全国的にも駐車場の不足が出ておりますけれども、先ほど私が挙げたようなところはみんな駐車場が足りないというふうなことを言っているわけです。ですから、住民とよく話し合ってもっと謙虚に、居住者が快適に住めるようにというふうなことで公団が対応していただきたい、私はこういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
  271. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 設備、機器等の耐用年数の問題についてでありますが、確かにこの耐用年数の考え方につきましては、確かなるものが実はございません。  それからまた使い勝手等によりまして傷み方等の程度は異なっているというような問題が実はあるわけでございます。  そこで、たびたび実は申し上げているわけでございますけれども、公団とお入りいただきます居住者の方につきましては、契約書の十二条でこういうものにつきましては公団が修繕をいたします、こういうものにつきましては居住者の方に御負担をいただきますということで取り決めをいただきまして、そこで御入居をいただいているわけでございます。  したがいまして、居住者の方々で御負担いだだかなければならない修繕等につきましては御修繕をいただかなければならないと思いますし、公団の負担におきまして修繕等いたします場合には、先ほど申し上げましたようなことで公団が対応していくということだと思います。  それからある団地におきますところの環境整備等の問題でございますけれども、これも確かに環境整備という修繕項目もございまして、それなりにそれぞれの団地に予算を配分いたしまして実施をいたしております。  したがいまして、また当該団地につきまして御要望があればその管轄しております営業所等にお申し出をいただきたいというように思います。
  272. 安武洋子

    ○安武洋子君 契約書に書いてあるとおりで問題がなければ、私はわざわざここで言いませんよ。私が今具体的に挙げたような問題についてなぜ誠実な対応ができないんですか。そうしてその写真もそんなところにとめないで大臣もどうぞごらんになってください。これが一体「健康で文化的な生活を営むに足りる良好な居住性能」を持った住宅、それを提供していることになるんでしょうか。  私は集会所の問題についても問題があるんですよ、こういうようなのは、集会所というのは、重要な役割りを果たすにもかかわらず、西宮の常盤町団地とかあるいは神戸市の磯辺通団地、集会所がありません。それから宮の上の明石団地のように自治会の物置もないというふうなところもあるんです。それで、こういうところについても考えていただきたいということと、それから集会所の使用の問題について聞きます。運用規程、これは  一体どのようになっているか、団地内外の人にも広く開放されるようになっているのかどうか、お答えいただきます。
  273. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 集会所の使用規程の関係でございますが、集会所につきましては、団地居住者相互間の親睦あるいはコミュニティーを形成する場といたしまして重要な施設であります。そこで、居住者の方に有益に御利用いただきたいというように考えているわけでございます。  そこで、使用についてでありますが、公団は業務上の使用をする場合を除きまして集会所を使用させますときには、団地内の居住者または施設の貸借人の共通の利便に供するものであることを本旨といたしまして、居住者等の方から居住者等団体の会議あるいは行事あるいは居住者等の親睦を目的とした囲碁、将棋、懇談等あるいは音楽教室、学習教室、手芸教室、料理教室等の目的で御使用いただきます場合には、優先的に御使用いただくということになっております。  そこで、居住者等以外の方の使用をいただく場合でございますが、これはいわゆる例外的な形といたしまして使用を認めているわけでございます。例えば公職選挙法に基づきます投票所または演説金物として使用いたしますとか、あるいは公立病院、保健所その他の公的機関が貸借人等の健康診断、その他公共の目的のために使用いたしますとか、電力会社、ガス会社、日本放送協会等の公益的な事業を営む者が居住者の方に対しましてサービス等を目的として使用させるような場合等に御利用いただくというようになっております。
  274. 安武洋子

    ○安武洋子君 ところが、神戸市の新多聞団地、これは中央集会所がありまして、幾部屋かあります。ところが、ここは自治会、婦人会、子供会以外一切貸さないということなんです。団地内の婦人団体などが、今おっしゃったようなサークル活動をしたいということで申し出ても断られております。そして、単位自治会の集会所、これも兵庫営業所に聞きに行きましても、これも全然使えないんです、お葬式以外は使えない。こんな状態になっているので、兵庫営業所に関係者の方が善処方を求めたところ、係の人も同じようなことを言われる、ということになりますと、これは先ほど言われた運用規程と全く違うわけです。ですから、私は大変問題だと思いますので、これは調査をして、運用規程どおりの運用をできるようにということで希望をいたしておきます。よく状況を調査してやっていただきたい。この御答弁をいただくのと、それから私が今出しましたような問題については、引き続きその進捗状況なりどういうふうに対処されたかということを伺ってまいりたいと思うので、その点を心にとめていただいて、今の問題御答弁をいただきます。
  275. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) ただいま集会所の使用規程等申し上げたわけでございますが、そう趣旨は違ってないように私は実は理解をいたしております。そこで、今例を挙げられました新多聞団地の集会所の件でございますが、中央の集会所につきまして何か利用したいという申し出があったやには、ある意味におきましては承知いたしておりますが、そのときにはもう中が実はいっぱいというような状態で使用できないというように現地からは聞いております。  それから、先生が先ほど来多数の団地につきまして、それからまた多数の修繕箇所等につきましてのお話があったわけでございますが、そういう団地等につきましては、詳細また勉強いたしまして、しかるべき機会にまたお答えさしていただくというように思います。
  276. 安武洋子

    ○安武洋子君 新多聞団地の場合は、部屋は全部あいているんですよ。しかし、私が言ったのは、ここでは自治会、婦人会、子供会以外は一切貸さない、単位自治会の集会所というのもお葬式以外にはほとんど使えない、こういう状態だから運用規程と違うからよく調査をして対処をしていただきたい、こう言っています。  最後に大臣に聞きます。大臣もその写真をごらんいただいたと思います。大変な状況でございます。  そこで、大臣質問は違うんです。田中角榮議員が、住宅都市整備公団は二兆円の資産を持っている、評価額は百兆円になる、賃貸していると料金値上げは難しい、これを売り出す、そうすれば売却収入のほかに取得税、固定資産税、相続のときの相続税と三回も税金が取れる、こういうふうなことを言っておられます。大臣はこの発言を一体どのように受けとめておられるでしょうか。
  277. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 私は、大変申しわけありませんが、そういう考え方は伺っておりません。
  278. 安武洋子

    ○安武洋子君 では、大臣は、この田中角榮議員が発言されたような、こういうことをするというおつもりはございませんですね。
  279. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 私は建設大臣ですから、法律の使命に基づくことを達成されるために努力をさしていただきます。
  280. 安武洋子

    ○安武洋子君 ということは、やらないということですね。
  281. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) そういうことでございます。
  282. 安武洋子

    ○安武洋子君 では最後に、コンクリート構造物のアルカリ反応それから塩害の問題についてお伺いをいたします。  最近、NHKのテレビとかあるいは諸新聞、こういうものでアルカリ骨材の反応とか塩害でコンクリート構造物に欠陥が生じているというふうなことが報道をされておりまして国民が大きな不安を抱いております。このコンクリートの奇病と言われるアルカリ骨材それから塩害、その対策についてお伺いをいたしたいわけでございますけれども、大変時間が切迫をいたしておりますので、私は、このコンクリートのアルカリ骨材の反応、これとそれから塩害、海砂ですね、この被害状況についてどのような調査をなさっていらっしゃるか、概略でよろしゅうございます、それをお伺いいたします。
  283. 杉山好信

    説明員(杉山好信君) まず塩害の状況調査でございますけれども、五十七年から五十八年にかけまして全国の海岸付近の一般国道の橋梁の塩害調査を実施いたしております。そのほか本年からはそれ以外の内陸部に関する直轄のコンクリート構造物の損傷調査、こういうものを現在実施いたしておるところでございます。
  284. 安武洋子

    ○安武洋子君 住都公団が建設をされております狭山台団地ですね、この深刻な状況もテレビなどで放映もされております。別名雨漏り団地などとも言われまして、大変深刻な状況でございます。この団地の被害状況、これを調査をされたかどうかというふうなこと。それから、やはり住民というのはコンクリートの耐用期間というのは五十年から六十年ぐらいだと、しかも国に準ずる公団が建てたのだと、こういうことで安心して入ったわけです。ところが、十年ほどでコンクリートがはがれて落下してくるとか、ここに写真を持ってきておりますのでごらんいただければわかりますけれども、大変ひどい状況なんですね。  私は、瑕疵期間が経過をいたしましてもこれは塩害とかアルカリ骨材の反応とか、こういうふうなことが原因で、住民が全くかかわりを持たないというふうな原因で団地の構造に欠陥を生じるというふうな場合、これは公団とか施行者の責任で、やはり責任が明確になった場合は責任をとられるべきだというふうに思いますけれども、この点御答弁をいただきます。
  285. 武田晋治

    参考人(武田晋治君) 第一点の御質問の狭山台団地の被害と申しますか調査の関係でございます。公団といたしましては、狭山台のようなことにつきましては極めてまれな例でございまして、居住者の皆さん方等に多大の御迷惑をかけていることにつきまして非常に遺憾なことだと思っております。そこで、公団におきまして調査を実施いたしております。そこで、さきに当該団地の管理組合から補修要望のございました雨漏り及び鉄筋露出などの箇所を現地で確認する実態調査とコンクリートの品質調査を行うことといたしております。  実態調査でございますが、現地で公団職員が賃貸住宅で行っております点検と同じように外観を目視で調べるほか、必要な箇所を金づち等でたたいて調べる等の方法によりまして調査確認をいたしております。この調査は五十九年十月二十九日から始めまして十一月二日に完了いたしておりまして、現在資料を整備いたしております。それからもう一つ、コンクリートの品質調査の問題でございますが、テレビ放映で東京大学の小林先生のコンクリートの品質、材料に問題があるとの指摘がございました。その事柄につきましては性格上重要な問題であるというように考えておりまして、第三者の学識経験者によりまして明らかにしていただこうというようなことで委員会を設けまして調査研究を進めたいというように考えております。  それから瑕疵補修の関係で御質問だろうと思いますが、分譲住宅につきまして、譲り受け人が保守点検、修繕を行っていただくことが原則となっております。公団におきまして、譲渡契約書におきまして、譲渡後二年間発生した瑕疵につきましては公団で補修することといたしております。ただし、居住性または安全性に影響を及ぼす雨漏りや鉄筋露出などにつきましては、譲渡契約書にかかわりませずアフターサービスといたしまして譲渡後十年の範囲内で公団が補修することといたしております。なお、十年を超えまして万一躯体構造等に係る重大な瑕疵が発生いたしました場合には、個々の事案に即しまして分譲管理組合と協議をいたしまして、公団の責任において補修を行うことがございます。
  286. 安武洋子

    ○安武洋子君 それで私は、これは最後の御答弁のように、公団でやはり責任を持って行っていただく部類に入ろうと思うんです。  そこで、最後に通産省にお伺いして終わりますけれども、コンクリート製造業者に対しまして品質管理の監査制度を設けるというふうな指導をしておられます。これは海砂対策とか、アルカリ反応、こういうことで通産省は立ち入った指導ができるようになっているのかどうかということ、それからアルカリ反応、海砂によるコンクリート構造物の調査をしておりますけれども、これの総合的な対策というのは一体どのように立てられるのか、そのめどはいつごろなのか、この御答弁をいただきまして、私の質問を終わります。
  287. 新村明

    説明員(新村明君) お答えいたします。  最初の御質問でございますが、生コンにつきましては先生御存じと思いますが、いわゆるJISの規格によりまして現在、品質を保証しております。それで、現在生コン業界につきましては、中小企業近代化計画におきまして、こういった品質の保証ということを行いますよう品質管理監査制度の確立ということを指導しております。この計画に従いまして、また生コン業界におきましては構造改善計画ということを実施しておりますので、この管理制度のもとに品質保証ということを行っております。  それで、海砂の問題でございますが、これにつきましてはJISで一応その基準が出ておりますので、監査制度によりましてその基準が保たれておるというふうに考えております。それからアルカリ骨材でございますが、これにつきましては先ほどの御答弁にもございましたように、まだ十分にわからない点もございまして、総合的に学識経験者の方にいろんな判定方法あるいは対策ということを今検討していただいておる最中でございまして、その結果に従いましてしかるべき措置をとりたい、かように思っております。めどは、今聞いておりますところでは、一応この委員会は三年ということをめどにしておるわけでございます。    〔理事目黒朝次郎君退席、委員長着席〕
  288. 井上計

    井上計君 建設省に幾つかの点をお伺いをいたしたいと、こう思います。  まず最初に、社会資本の整備についてお伺いをいたしますけれども昭和六十年度に終了することになっている社会資本整備に関する五カ年計画、現時点での達成の見通しはどのようになっておりますか、お伺いいたします。
  289. 豊蔵一

    説明員(豊蔵一君) ただいま御指摘建設省所管の事業の五カ年計画昭和六十年度を最終年度といたします計画は五つほどございますが、そのうち住宅建設五カ年計画の公的資金住宅はかなり順調に進捗いたしておりますが、残りの四つの計画、すなわち都市公園等整備、それから下水道整備、それから海岸事業、それから特定交通安全施設等整備事業等の五カ年計画につきましては、進捗は必ずしもはかばかしくございませんので、六十年度にこれらの目標達成が非常に厳しい状況と相なっております。
  290. 井上計

    井上計君 今お答えを伺いまして、難しいあるいは厳しいというふうなことを伺ったわけでございますが、その理由としては、けさほど来いろいろ同僚委員からの御質問にもありましたけれども、公価、事業予算が極端に抑制をされておる。特に我が国の道路あるいは下水道、都市公園等の整備は、欧米先進国に比べても大変おくれていること、これはもう言うまでもございません。生活環境の整備の緊急性は、これはもう今さら私が云々と論ずる必要は全くないわけでありますが、下水道普及率については、アメリカあるいはイギリス、西ドイツ等々と比べると我が国は三分の一程度しか普及率がないというようなこと、あるいは公園等の面積についてはまことに低過ぎるというふうなことを考えると、もっと積極的な施策をとらなくてはいかぬであろうと、こう思うわけであります。特に現在の財政状態の中で、建設国債の活用ということについてももっとやはり積極的に考えていくべきだとこう考えておりますが、六十年度予算の編成を控えて、大臣御就任早々ではありますけれども、どのような抱負をお持ちであるか、ひとつ御所見を承りたいとこう思います。
  291. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 井上先生御承知のとおり、五カ年計画につきましては官房長が答えましたとおり、非常に問題があることはもう御指摘のとおりであります。今井上先生御指摘のとおり、下水道なんかにいたしましても、確かに欧米先進国に比べても、残念ながら三分の一くらいの非常に低い普及率であります。  公園なんかにいたしましても、実は日本の場合公園というと平らなところに必ず公園をつくる。考えてみますと、欧米諸国に比べて私は、利用率というものが一般的に見まして必ずしも高くないんじゃないかな、実はそんな気持ちがいたしておるわけでございます。ですから、公園なんかにいたしましても、景色のいいところで自然環境さえ破壊しなきゃ、そんな高い極端なところでなくても、上っていくときにはまあまあ真っ平らなところでなくたっていいんじゃないか、そういう気持ちが実はいたしておるわけですね。それがある意味じゃやっぱり健康なんかにもつながっていく問題等もあると思うんですね。それからまた、よくお年寄りがゲートボール、一生懸命やっておられますけれども、公園の片隅なんかでもゲートボールができるとか、そういうふうに今までのパターンに埋没することなく、公園の利用率をいかにしてもっと高めるかということも、やっぱりこれは建設省の公園計画なんか立てる場合には、一つの発想の転換をしなきゃならぬ。そういうふうなことを踏まえまして、私は先ほど来、効果的、効率的に物を考えた方がよろしいというような考え方を実は申し上げておるわけでございます。  特に公共事業の抑制というものは、先ほど来申し上げておりますように、とにかく連続六年間も抑制をされておるわけでございますから、社会資本の充実が非常におくれておるわけでございます。一方ではまた、経済という全体の枠の中で物を考えてみましても、いかにして内需を拡大するか、安定させるかということが非常に大きな課題なんですね。そういたしませんと、恐らく来年の上半期ぐらいになったらドルが三百億ドルぐらいたまってしまうんじゃないかというようなことを言われておる人もあるわけです。そういう意味では私どももこれは大変な事態だなというようなことで心配をいたしている一人でございます。  そういうふうなことをいろいろ考えてまいりますと、この六十年度の予算の編成というものに当たりましても、先ほど来申し上げておりますように、厳しい中にもそういう点もよく踏まえながら私ども努力しなきゃならない、基本的な考え方はそういう考え方を持っております。  そこで、建設国債の問題でございますが、御承知のとおり今百二十兆円になんなんとする大きな国債、借金を国民にいたしておるわけでありまして、この辺からこれ以上ということになれば当然この利払いも国債を発行しなきゃならぬ、こういうふうなことで雪だるま式にいってしまうという心配もあることはもう御承知のとおりであります。そんなような中にありまして、私どもは特定財源なんかの財源を確保するとともに、一般財源の公共事業の充当に当たりましても一生懸命努力はしなきゃならぬ。また一方で、申し上げますように、ある意味ではこの建設国債も増発しなきゃならぬというような意見もかなりあることも承知をいたしておるわけでありますが、この辺につきましてはもちろん、我々建設省サイドだけで云々というわけにはいきません。我々は、むしろ財政当局に理解を得て、そういう特定財源を確保するためにこういう厳しい中でありますが、全力を挙げるという姿勢で臨みたいと考えております。
  292. 井上計

    井上計君 今大臣御所見の中に、公園の例をおとりになりましたけれども、やはり従来の発想を変えなくてはいかぬ、こういう大変実は私ども、後ほどまたそういうようなことを提言しようと思っておりましたが、全くそうだと思うんですね。だからぜひ従来の発想を変える、従来の枠からやはりいいものについてはもっと積極的に踏み込んでいく、乗り出していく、これが今後の建設行政、また後ほど国土庁長官にもお伺いしたいと思っておりますけれども、国土計画の中にぜひ必要だ、こういうことを私強く感じております。  それから、今大臣やはり御所見の中に建設国債の発行の問題でありますが、確かに建設国債だから幾ら発行してもいいという論議はこれは通らぬと思います。しかし、特例公債と同じように利払いだけ心配をして、建設国債まで抑制することが、将来のやはり国土計画あるいは国民生活にとっていいのかどうかという論議を、もっと私は建設省あたりは積極的に財政当局とひとつ大いに論議をしてもらわぬといかぬ、既にやっておられると思いますがね。民間の会社にしても不景気だとかあるいは売り上げが少ないから、だから設備投資を怠っておれば、もうこれはそのままじり貧からどか貧に行くわけですから、むしろその不景気なときほど、あるいは売り上げが少ないからといっても、そのときほどむしろ将来計画として設備の新規投資、導入をやる、これは常識なんですね。ところが、どうも国の計画の中には何かどれもこれも一緒になって画一的にすべて抑制するんだ、こういうふうな誤った、あえて誤ったと申し上げますけれども、そういう発想がどうも強過ぎるんではないか。特にそういう発想で財政当局に、各省ともそういうようなことについてわかっているけれども、なかなか反発をして強い姿勢をおとりになっていないんではないか、こんな感じがするんですが、大臣の所見を承りましたからあえて申し上げるわけですけれども、今後の姿勢についてはいかがでしょうか。
  293. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 私もまだ就任ほやほやでありまして、大変不勉強で申しわけなく存じますが、基本的には先ほど申し上げましたように非常に国民生活も多様化していますし、それから都市なんかでも急速に発展しておるというような中にありまして、従来のようなパターンでそのまま進めるというわけにはいきませんし、また特に経済の規模を考えてみましてもそうでありますが、高度成長時代には大きな港を必要としましたし、また資源エネルギーの油にしても電力にいたしましても、大変大型の消費を必要とした産業に、日本の今日の何といいますか経済の大きな発展というものがあったことはもう御承知のとおりなんです。そういう意味で、今やしかし現実を考えてみれば、ライトバン一台に何億だという先端産業の時代に、世界の産業界というものが大きなカーブを切っていることはもう御指摘のとおりなんです。そういう中にありましても、やはり我々の建設行政といいますか、こういうようなものは国民生活で一番密着の度合いが何を一つとってみても一番深い関係にあるわけですし、それからまたそういう中にあって財政も確かに厳しい折でございますけれども建設国債というものは赤字国債と違いますから、指導に際して、これは資産としてある意味では残る問題でございますから、そういう点なんかも今いろいろ踏まえながら、建設省の役所の皆さん方は前々から何としても発想転換してこの多様化する時代にこたえなきゃならぬ、そういう私は就任しまして見てまいりまして並々ならぬ努力をしておる、そういう点は私は実は職員の皆さん方にも高く評価をしたいと思っておるわけです。そういう意味で、これからもそういう点を十分踏まえながら努力をさしていただきたいと、こう思っておるわけであります。
  294. 井上計

    井上計君 大いにひとつ期待をしております。  そこで、社会資本の整備と同時に今後の高齢化社会あるいは住みよい、よりよい環境づくり等々いろんな条件づくりを考えるときに欠くことのできないのは、何といっても民間の住宅のさらに建設、これはまたあわせて内需の拡大ということにももちろん大きな関係があります。  そこで幾つかお伺いしたいと思いますが、その前に、今度自由民主党の総務会長に就任されました宮澤喜一さんが個人的な政策とは言えますけれども、先般発表されておる資産倍増論について私は非常に共鳴する点が多いんですね。特に都市政策、住宅政策については全く共鳴する点があるわけでありますが、御承知かと思いますが、宮澤喜一さんの資産倍増論の中にこういう項目があります。  大都市地域における住宅問題の基本は土地問題であると考え、国民共通の資産である土地はただ所有することが目的ではなく有効利用することが本来の目的であると、その考え方を転換する必要がある。その意味で、第一に、大都市地域の低末利用地を有効に利用するため、借地方式や土地信託制度の導入などによる宅地供給を促進するとともに、土地保有コストの適正化を検討する。  第二に、建てかえや増改築を重視し、新規の土地取得を伴わない住宅建設を推進する。  第三に、都市の再開発を積極的に推進し、土地の高度利用により市街地において住宅を確保する。  第四に、質的に劣悪な民間賃貸住宅を建てかえ、良質な賃貸住宅地供給していくため借地借家法の見直し、家賃改定のルール等住宅に関する法律制度の合理化を進める。  第五に、住宅ローン金利の取り扱い等税制上の優遇措置を拡充する。  以下、時間の関係で省略しますけれども、当然これは建設省、このことは御承知であろうと、こう思います。  そこでお伺いいたしますけれども、土地の有効利用について今宮澤理論にありますような借地方式、土地信託方式の導入、またこれは私有地だけに限らないんですね。国及び公有地の有効利用についてもこれらの方式をぜひ考えたらどうであろうかと、こう思いますけれども、どうお考えでありましょうか。また国公有地を入札によって払い下げする場合、特定の企業が政策的に近隣の土地価格と非常に乖離した価格で落札をするケースが多いと聞いております。特に先般、品川の国鉄用地、この売却については、周辺地価と大変な違いがある、大きな影響を与えておるとか、こう聞いておりますけれども、これらの点をどう受けとめておられるのか。これは政府委員からで結構でありますが、まず宮澤理論の中の土地の有効利用についてどうお考えか、ひとつお伺いいたします。
  295. 高橋進

    説明員(高橋進君) 借地方式あるいは信託方式等の土地利用の活用を図るための方策を考えるべきではないかということについて、私の方からお答え申し上げます。  おっしゃいますように、計画的に良好な宅地の供給を行うことは非常に重要でございますけれども、近年、用地取得の困難等によりまして宅地供給は停滞しております。建設省といたしましても、土地所有者の保有志向の強さもいろいろ考えなきゃなりませんが、土地を実質的に手放すことなく土地の有効利用を促進するために、御提言のありましたような借地方式や信託方式による宅地供給の促進方策を進める必要があると考えておりまして、そういった方策について検討を進めております。  借地方式につきましては、現在、借地契約の標準約款の作成の作業を進めておりまして、借地慣行の合理化をそういったことによりまして進めてまいることを考えております。また、信託方式につきましては、最近幾つかの事例ございますけれども、今後いろいろ勉強を進めまして、その普及活用のための方策について検討してまいりたいと思っております。
  296. 鴻巣健治

    説明員(鴻巣健治君) 借地とか土地信託につきましては、ただいま高橋建設経済局長からお答えしたとおりでございまして、国土庁建設省ともども今後の有効な借地なり土地信託の活用方法について検討いたしておるところでございます。  それから、お尋ねの第二点の国有地の活用方策につきましては、現在、総理府の方の国有地等の有効活用推進本部におきまして検討が行われているところでございますけれども、借地方式となりますと、やはり現在の厳しい財政事情でいわば国有財産を売り払って財政収入を得るという点ではそれが実現できない、あるいは処分後の管理方法をどうするかという問題もある。それからまた、土地の信託方式につきますと、現在の会計法あるいは国有財産法といった、現行法上は土地信託というのを予定いたしてないという問題もございますので、今後その必要性を含めて検討されると承知いたしておるところでございます。  それから、第三番目の先生のお尋ねの品川の貨物跡地の国鉄の売却の問題でございますが、御承知のように、私どもとしても、地価の安定を図るという観点からは極めて問題であると考えております。といいますのは、御承知のとおり、国土利用計画法では、一定規模以上は土地の取引につきましては届け出制になっておるわけですが、国等が当事者になりますと適用は除外になって、つまり届け出をしないでいいというあのケースであったんですが、そのために今回のような場合、周辺の土地の取引価格から見て著しく高額であったわけでございまして、したがいまして、他の周辺に影響を及ぼすことを憂慮いたしますと極めて問題であると考えております。  そこで、今後は、その有効活用を促進し、あわせてまた国等の財政への寄与も図るという観点から、これからもかなりの国有地は処分されると聞いておりますので、品川の貨物跡地のような問題が再び発生することのないように、国有地等の処分の今後のあり方につきましては、国土庁の主宰のもとに大蔵省、農林水産省、運輸省及び建設省関係省庁との間で連絡会議を設けておりまして、国有地等の処分の方法についての各種の運用事例と現在の契約制度の関係などを協議検討いたしておるところでございます。もちろん現在の会計法は一般競争入札を原則といたしておりまして、一方では私どもの国土利用計画法は地価の安定をねらいといたしておりますので、その調整はかなり難しい問題を含んでおりますけれども、これらについて協議検討を重ねているところでございます。
  297. 井上計

    井上計君 国土庁建設省両方から御答弁いただきました。今お答えの中に、いろんな問題を検討しておるということ、もちろんこれは検討しておられることは大変結構でありますし、またぜひ積極的に検討していただかなくちゃなりません。  そこで、ちょっと質問の順序を今の御答弁に関連をしますので若干変えますけれども、今お答えの中にありましたように、いろんなことをお考えになる、品川の国鉄跡地の売却についても届け出というようなことで、実は届け出があったけれども、それ以上国土庁の、いわば何といいますか権限はなかったとか、こういうことですね。結果において高く売られて困ったなあということだけで実は済んでおる。文句を言っても後の祭りと。こういうふうな結果になったと。そういうことが随分たくさん方々にあると思うんですね。いわば現在の法律あるいは規制、制度等によって余りにも枠にはまり過ぎて、その枠の中でやろうとするところにいろんな支障が起きてくる、こう思うんですね。  さっき建設大臣お答えの中にありましたが、やはり新しい発想というのが、公園利用については一つの例としてお挙げになったと思いますけれども、私は今後の建設行政、さらにやはり国土計画の中でそういうふうな新しい発想がもっと行われなければ、十年後あるいは二十年後、あるいはもっと先のことを考えますと大変なことになるんではなかろうかという危惧を持っておるわけです。  そこで、お尋ねいたしますけれども国土庁の永田官房長が十月十六日ですか、記者会見でお述べになっておることを新聞で見ました。  四全総の策定は六十一年だが、六十年が策定の中心時期になる。そのためには、例えば二〇二五年に長期視点を置いて、その時期に日本社会にどういう変化が起きるかを想定しての計画づくりが必要である。  こういうことをお述べになっておる。  そこで国公有地の活用については、自治体の関係や処分方法等の絡みで思うように進んでいないようだ。特に処分方法でどういう視点に立つか問題で、高く処分すればいいのか、あるいはいかに有効に利用するかのどちらかに立つかということだ。もちろん両面とも重要であるが、基本的には利用の方向でやらなければいけないのではないか。  次に、国土法ができた当時の社会状況と現在では状況が百八十度違っておる。四十八、九年はよいと思っておった国土法も、現在では行き過ぎで、平常ならどういうことをやればいいのか検討しなければならない。ただ、今の状態がずっと続くと見てすべて逆へ持ってくるのも行き過ぎで、ぶれ過ぎるのはよくなくて、真ん中のものがいいだろう。現在、それほどひどい運用はされていないが、運用面や法改正の検討を含め、ある程度変えるべきものは本来あるべきものに変えなければいけない。  以下、いろいろとお述べになってますが、官署長はこのような談話を記者会見でお述べになっておる。全くそうだと思うんですね。  だから、従来の、こういう法律がある、こういう規制がある、だからだめなんだというのがどうも余りにも多過ぎて、検討はしておるけれども検討してみた結果こういうことがあってだめだと。だから、結局、計画が日の目を見ないとか、あるいは検討の前で終わってしまうとか、せっかく計画しても実はそれが全く計画倒れになっておるとかというふうな、そういう事例が相当多いと思うんですね。  そこらのことを、私は建設大臣、特に大変日ごろ尊敬しておる国土庁長官が御就任になりましたので、大いに意を強うしておるんですが、そういう面に格段に今後御努力、御配慮をいただきたいと思うんですが、ひとつ国土庁長官どうお考えですか。
  298. 河本嘉久蔵

    国務大臣河本嘉久蔵君) 着任間もないんでございますが、私は国土庁長官といたしましての重点は、災害対策それから土地対策ということに重点を置くべきだということは今、井上先生から御指摘がありました。何といいましても土地問題は、住みよい豊かな明るい国土をつくるためにも原点は土地だという考えを持っております。  そういう意味におきまして、いろいろ勉強いたしまして、土地問題、災害対策、これに重点を置いてやっていきたいという決意でおります。よろしくお願いします。
  299. 井上計

    井上計君 建設省にも同じことを質問しても大体同じお答えになると思いますから、もう時間の関係で結構でありますけれども、いずれにしても従来の型にはまったような、もう従来こうだからということであきらめないで、新しい発想で積極的に新しい計画をひとつおつくりをいただきたい、特にこの点を要望しておきます。  そこで、同じようなまた質問になりますけれども、民間住宅建設促進のためには、先ほどの宮澤理論の中にありますけれども、新築と同時に建てかえや増築等で新規に土地取得をしなくてもいい住宅建設の促進政策が現在ではまだ非常に少ないんではないか、こんなふうに感じられます。もちろん安い住宅用の土地の提供等についても考えていかなくちゃなりませんが、その場合に、先ほど申し上げたそういう要望と同じでありますけれども、建築基準法の見直しであるとか、あるいは用途地域指定の見直しであるとか、あるいは調整区域の線引きの見直し等について、もっとやはり積極的なお考え建設省はお示しをいただき、また御努力をいただかなくてはいかぬというふうに思います。もちろんこの中で借地法の問題もあります。借地借家法については後ほど同僚の木本委員から御質問があるようでありますから私省略いたしますけれども、それらのことについてもっと積極的にひとつお考えをいただきたい。  それからもう一つ、やはり後ほど木本委員からもお話があろうと思いますが、民間の賃貸住宅を建てかえする場合、あるいは建てかえの必要性だとかあるいは効率性というものが確実にあるものでもなかなか実行されにくい、これはやはり現在の借地法、借家法がネックになっておるということであります。これもまた後ほど御質問があろうと思いますが、私からも、同じような考え方を持っておりますので、これは以上お述べをしておきます。  それから、次に住宅ローン、それから金利の取り扱いであります。これも宮澤理論の中にあったわけでありますけれども、税制上の優遇措置を拡充すべきである、こういう提案、質問であります。住宅建設を活発化していくためには、現在の住宅の取得控除という税額控除、この方式に変えて、宮澤さんも言われておりますけれども、アメリカやあるいはフランスが実施をしておる住宅ローンの利子分を課税所得から控除するという制度を我が国でも実施をしたらどうであろうか。もちろん財源の面もありますけれども、これらはやはりかなり民間住宅建設を促進することに役立つんではなかろうか。それらのものを一定、五年なら五年、あるいは十年が一番望ましいですが、せめて五年ぐらい課税所得から控除をするというふうなことをぜひこれもひとつ御検討をいただきたい、こう思います。もちろんこれは大蔵省との折衝が非常に難しいと思いますけれども、ぜひひとつ御検討いただいたらどうであろうか。  同時にまた、現在の租特法による住宅関係税制の控除ですね、五十九年の十二月三十一日までの取得ということで、一応期限立法でことし末で切れることになっておりますけれども、当然この延長については建設省、御努力いただいておると思いますが、どういう状況であるのか。また、当面これを実施をする場合に控除の拡充あるいは拡大、税率の引き上げ等々当然考えるべきだと思いますが、建設省、どういう状況でどうお考えでありますか。お伺いいたします。
  300. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) たくさんの御質問でございますので順を追ってお答え申し上げます。  一番最初に、新規の土地取得を伴わない建てかえ、増改築などはどうかというお話でございます。  先生おっしゃるとおり、日本の場合地価が非常に高いということが新規の住宅建設のネックになっておるわけでございますので、御指摘のような土地取得を伴わない住宅型の、例えば市街地再開発でございますとか、あるいは低質の木造賃貸住宅の建てかえでございますとか、あるいは土地所有者による賃貸住宅建設というようなことを一層促進してまいりたいと考えております。  また増改築につきましても金融公庫等の住宅改良貸し付けの拡充とか、あるいは日本住宅リフォームセンターの活用等によりまして促進を図ってまいりたいというふうに考えております。  また再開発についてお話ございました。いろいろ規制の緩和もというお話もございましたが、私ども規制の緩和といいましてもなかなか現実に難しい面もございますが、既に総合設計とか特定の地域について規制を大幅に緩和していくという措置も講じております。  そういったことを通じまして、あるいはその他法定再開発以外のもろもろの再開発制度を活用いたしまして今後市街地住宅の供給の促進について推進してまいりたいと思っております。  また民間賃貸住宅の建てかえのための借家法の見直しあるいは家質改定ルールの設定というようなことにつきましてお話ございました。  借家法制度の見直しにつきましては今後その必要性について検討してまいりたいと考えておりますが、民間の家賃改定ルールにつきましては、老朽した民間賃貸住宅の建てかえが進展しない大きな原因の一つは家主の資金力の不足等があると思います。そういった意味で、まず家主たちに資金力を何か与えるというような金融制度等を充実してまいるとともに、賃貸住宅の賃貸借関係の確立を図るために賃貸借標準契約約款というようなものを作成して、その普及を促進してまいりたいというふうに考えております。  また税制についてのお話でございます。  税制については私ども、先生御指摘のございましたように、現在ローンにつきまして税額控除制度を設けておりまして、五十八年度に大幅な拡充をしたところでございます。なお、これにつきまして今後拡充の方向を考えてまいりたいと思っております。  それから、先生お話のございました利子につきまして税額控除をするというアメリカ、フランス等で行っている制度でございますが、この制度につきましては高額所得者に非常に有利になるという一つの欠点といいますか、そういう特色がございます。また日本の税制に直接なじむかという問題がございまして、今後この研究を進めてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  301. 井上計

    井上計君 そこで、大変不勉強でいささか恥をかくような質問になるかもしれませんが、住宅取得控除の適用要件に既存の住宅の購入、十年以下ですね、普通木造住宅については、十年以下のものについては固定資産課税台帳の登録価格が一平米当たり八万七千円以下であるという、こういう要件がありますね。ところが、新築についての金額要件がないわけですが、これについては青天井だということなんですか。  それからもう一つ、先ほどもちょっと申し上げました増築の場合、増築の場合にはこれの特例の要件に該当するのかどうか、この点ちょっとお伺いしたいんです。
  302. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) この取得控除の制度につきましては専ら新しく住宅をお建ていただくということを促進したいということの目的がございますので、その点が非常に有利になっているということでございます。
  303. 井上計

    井上計君 とすると新築の場合、新しく住宅を建てる場合にはこれについての要件として金額の制限はないと、これでいいわけですね。例えていうと既存の住宅が一平米八万七千円でありますから、坪当たりにすると約二十六、七万になりますか。すると新築の場合にはこれが四十万であっても――四十万の家を建てる人は高額所得者だからそんなものは必要ないといえばそれまでですが、それはいいということですか。  それから、それともう一つ増築ですね、現在二十坪の家に住んでおる、家族がふえた、狭くなる、そこであと二十坪建て増しをするという場合の増築部分についてのローンの優遇税制、これについてはどうか、このお尋ねです。
  304. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 現在あります制度は新しく住宅を建てるために金融機関から住宅ローンをお借りになった場合のその借りた金を毎年お返しする、返す場合に、それを三十万円足切りをいたしまして、その残った金額について一定のパーセンテージを掛けましてそれを控除するという制度でございます。したがいましてその要件に該当すれば、要するに非常に低い金額のものはその三十万円の足切りで消えてなくなるわけでございますので、そういう形で制限があるということでございます。今後この制度をいろいろ拡充を図っていきたいと考えておりますが、現在のところは新築についてのみそういう制度になっております。
  305. 井上計

    井上計君 いや、その新築についての金額はわかりましたが、増築の場合、現在二十坪の家に住んでおる人がいろいろな家庭状況の変化によって狭くなったのであと二十坪増築をする、その場合民間の住宅ローンが使えるわけですね、使っていますね。ところがその場合にこれの控除に該当するということを案外知らない人がいるんですね。案外利用してないのではないかと、こう思えるんですよ。それで私はお伺いしたわけです。じゃそれも該当するわけですね。
  306. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 新築の場合のみ該当するというわけでございまして、増改築の場合は、例えばこれは増改築でどれだけのお金が現実に要ってどれだけ借り入れるかという問題がございますが、恐らく、毎年金融機関に返す金が三十万円を超えないと適用になってまいりませんので、増改築の場合それほどの金額を借りることになるかどうかという問題があろうかと思います。
  307. 井上計

    井上計君 時間がないからいいです。いいですが、二十坪の増築をする場合には二十坪の新築をするのと同じぐらい、土地はかかりませんけれども同じぐらいの建設費用はかかるわけですから、かなりの金額になって、民間の金融機関からローンで借り入れをしていることは確かなんですね。だからそれが該当するかどうかということをちょっと私は不鮮明なものですからお伺いをしたと、こういうことなんです。だから、おっしゃることはわかりましたから、理解はある程度、三十万以上の返済金額であれば該当すると、このようにそれじゃ受けとめていいんですね。その足切りの三十万でなおかつ該当するものがあれば、対象になるものがあれば該当すると、こう受けとめていいわけでしょう。
  308. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 住宅新築の場合だけと私理解しておるのですが、もし私が間違うていたらちょっとあれでございますが。
  309. 井上計

    井上計君 私は増築でもそれは当然新築の範疇に入ると思うんですね。改築と違うんですよ、私が言うのは。例えて言うと、二世帯、親子別々の世帯を持っておったのが、いろいろな状況で、今二十坪の家に住んでいる人がそこにもう二十坪増築をして、そこにという場合には私は新築に準ずるとこういう取り扱いで当然いいのではないか、こういうことでお尋ねしたわけですが、まあ御研究ください。じゃそのように、確認はやめますから、ひとつまず御研究をいただくということで。  次に自動車重量税の道路財源について、オーバーフローの問題は先ほど菅野委員からも詳細な質問がなされて御答弁がありましたから省略します。ただしかし、先ほども私申し上げたように、我が国では社会資本の整備水準のうち特に道路舗装率は、わずかにというか五〇%、アメリカの八五%から見ても低い。特にイギリス、西ドイツ、フランスの約一〇〇%近くに比べるとまことに低いわけで、それなのにやっぱり道路財源に充てるべき重量税等を一般財源に繰り入れておるという事実は、私は国民の政治不信を大変大きくしておる一つの理由だと、こういう感じを私は今まで持っておるのですね。これは特にやっぱり建設省はこの面については財政当局とひとつ強硬に今後とも話し合いを、さっきお話がありまして、ある程度合意もということでありましたけれども、ぜひひとつお願いをいたしたいと、こう思います。  特に自動車重量税については、先般私も本委員会で大蔵大臣にも提言をしたのですけれども、乗用車が大体平均して例の有効期間をまだ五カ月ぐらい残して廃車をしておるわけですね。そうすると、一年間に大体乗用車が約二百三十万台ぐらい廃車されておる。そうすると、乗用車の平均重量税が一カ月千円とすると、五カ月として一台が五千円、言えば既に払った税金を、まあ権利放棄と言えばそれまでですけれども、捨てておるわけですよね。そうすると、二百三十万台ですから百十五億円。この百十五億円という財源は、本来なら税の性質から言うと私ども考えでは返すべきだと、こう思うんですね、還付していい。言えば払っておるものを使わないんだから、それはみずから権利放棄だから当然だと言えばそれまでですけれども、それを実は取りっ放しになっておる、こういう事実もあるわけですね。だから余計に重量税については、道路財源に全額回すべきものを一般財源に流用しておるというオーバーフローの問題があり、さらに、当然返してくれたっていいではないか、こういう意見もあるわけでして、そういう面でますます国民の間に不信やあるいは不満が高まっておりますから、ぜひひとつ建設省としては今後の予算要求の中で財政当局と強硬にひとつこの点については渡り合っていただきたい。これをひとつ要望をしておきます。  あと幾つかまだお尋ねしたいこともあり、私の時間も若干ありますけれども、実は私はちょっと、まことに申しわけないのですが私の都合で、党本部のきょう会合がありまして時間が迫っておるので、私はお尋ねは以上にして質問を終わります。
  310. 木本平八郎

    木本平八郎君 私は借地借家権のうち特に借家権について質問したいわけです。  先般、決算委員会で私サラリーマンの転勤に伴う単身赴任の問題を取り上げたわけですが、この単身赴任の理由の一番はやはり子弟の教育問題だということが四五%ぐらいあるわけですね。その次が持ち家の維持、維持が大変なので単身赴任せざるを得ないというケースがあるわけです。  そこで私、先ほど井上委員から借地借家法の問題について質問がありまして、住宅局長から何か借地借家法を見直すというふうな御答弁だったようですけれども、どういうスケジュールで――もう見直しに着手されているのか、それともそういう、何というんですか希望というか将来の夢のような構想があるという程度なのか、その辺ちょっとまずお聞かせいただきたいのですが、
  311. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 借地借家法は御承知のとおり法務省の所管の法律でございます。私ども借地借家法についていろいろ問題点を伺っておりますが、私どもこれについて見直しの必要性について検討してまいりたいという御答弁を申し上げたつもりでございます。
  312. 木本平八郎

    木本平八郎君 それでこの借地借家法は、法務省にお確かめするんですが、これはできましたのが大正十年ですね。この当時は確かに社会的な蓄積も低くて、住宅もないしそれから店舗だってないから、そういう点で借家人というか借りる方を非常に優遇した。いわゆる弱者扱いだったわけですね、借地人に対しても。したがって、借りた方は一つのこれは自分の生活権だとか生存権だという考え方があったわけです。その借地借家法がずうっと続いてきて、関東大震災があり第二次大戦がありというふうなことだったわけですね。  ところが私の感じでは、もう現在家主というのは強者じゃないのじゃないか、あるいはたな子の方は決して弱者ではないのじゃないかという感じがするわけです。もう日本がこれだけ豊かになってきて、ただ便宜上というか世帯の都合上、あるいは通勤の関係上借家に入っているというふうな状況にもう変わってきたのじゃないかと思うんですね。それで、先ほど井上議員が何回もおっしゃいましたけれども、発想の転換というか、それが必要なのじゃないか。何かもう思い込みで、借りている方は弱いんだ弱いんだということでこれが存在しているという感じがするわけですね。その辺、これはどちらにお答えいただいたらいいのかわかりませんけれども
  313. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 御指摘のございましたように、借家法ができました時代、あるいはさらに進みまして借家法が改正されました昭和十六年という、そういう時代におきましては、貸し主の方が強者でございまして泊り主の方が弱者だったということで、借家人の保護ということの社会的な必要性が強かったわけでございます。最近になりまして、住宅事情も非常に変わってまいりました。こういう中で、一般的にいえば強者とか弱者というような物の考え方はもう変化してきているものと私ども考えております。ただ、住宅というものは生活の本拠でございます。居住者にとって非常に安定したものでなくてはならないということもございますので、弱者、強者というような考え方ではなく、そういう住宅の特殊性といいますか、住宅の持つ機能といいますか、そういったものに着目した新しい秩序というものを打ち立てるべきじゃないかというふうに考えております。
  314. 木本平八郎

    木本平八郎君 この借家法で、これはよく御存じだと思いますけれども、第一条のしょっぱなに建物の明け渡しというところがあって、「建物ノ賃貸人ハ自ラ使用スルコトヲ必要トスル場合其ノ他正当ノ事由アル場合ニ非サレハ賃貸借ノ更新ヲ拒ミ又ハ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得ス」というめちゃくちゃな条項があるわけですね。これはその当時としてはいいんですが、もう今は、これがありますととてもじゃないが、仮に私が単身赴任しなきゃいかぬ場合でも人に貸すわけにいかないわけですね。今度自分が帰ってきたときに本当に返してくれるのかという心配が非常にあるわけです。しかもこれを逆手にとって、居座りだとかごね得だとか不当な立ち退き料を要求したりというふうなことがある。またその家主の方も、貸す方もそういうコストを考えて、いわゆる契約更新料とか契約更新手数料とか、何か妙ないっぱい理屈をつけているわけですね。こういうことが住宅の流通というものを非常にゆがめているんじゃないかという気がするわけですがね。その辺は建設省ですか、どういうふうにごらんになっているかということですね。
  315. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) おっしゃるような、いろいろごね得でありますとか立ち退きを拒否するとか、そういった事態があることは私どもも耳にしております。ただ、私どもの調べによりますと、数としては全体では余り大したことはないというふうな認識を得ております。ただ、そういうことは私どもとしては甚だ好ましくないことであるというふうには理解いたしております。  それから、おっしゃるような更新料とかそれから権利金とかそういったものにつきましては、これは本来賃借料の中に含められるべき種類のものも中にあるんじゃないかと思っております。こういったものを今後合理的に処置していくためには、やはり契約というものがしつかりしたものでなくちゃならない。そういう意味で、私ども何か標準契約約款みたいなものをつくって普及を図っていったらどうかというふうに考えております。
  316. 木本平八郎

    木本平八郎君 実は私もそれを主張したかったわけです。それで、もうここまで来ますとお互いの間の契約というものを中心に動かした方がいいんじゃないか。そのためには、こういうちょっと実情に合わなくなった法律をまずのけないと、この法律があるとすぐ訴えますからね。これ、法で保護されているということが非常にゆがめているんじゃないかという気がするわけです。そういう点から、例えば今現在民間の、私が聞いたケースでは、アパートが少しもう危なくなってきている、それで建てかえなきゃいかぬと。それで、ほかの人は皆一応立ち退いたわけですね。ところが、一世帯だけ頑張っているために建てかえるわけにいかないというわけです。それで家主の方は、家賃は入らないわ、建てかえはできないわということで非常に困っている。こういうことが、非常に流通その他もゆがめてくるし、住宅の供給問題もゆがめるんじゃないか。それから借地の問題も、一たん人に貸しちゃうとこれはもう返ってこないということで、もう無理して地主は抱えているというふうなことで、住宅建設も進まないというふうに感じるわけですね。そういう点で特に今後公営アパートの問題なんかもあると思うんですね。古くなったのをどんどん建てかえなきゃいかぬという状況になってきて、それで中に入っている人が一部どかないというために建てかえができない。今現在もうどんどん狭くなってきていますね。二DKなんというのはもう狭いわけです。ただ、都心にあるから非常に便利だから入っているという人も多いわけですね。やはりもうあれは今の日本の水準からいって少なくとも三LDKぐらいには建てかえなきゃいけないんじゃないか。ところが、そういう借家人の変な権利があるために、一部の人の反対でやれないというふうなことがあると思うんです。その辺で、先ほど住宅というのは生活の本拠だからということがあるんですけれども、これはほかに例えば、今現在、昭和四十三年までは世帯数の方が住宅数よりも多かったわけですね。ところが、昭和四十三年にこれが逆転して一〇一%になったと、住宅の方が多くなったわけですね。今、質は別にして昭和五十八年現在世帯数が三千五百万に対して住宅はもう既に三千九百万あるわけですよ。これだけありますと、生活権の問題というのは国としてはもう保障できてるんじゃないかと思うんですよ、その質は別ですよ。そうなりますと、これは私は生活権というのはもう成り立たないんじゃないかと、消えちゃったんじゃないかと。その辺でこれはどちらにお答えいただくかわかりませんけれども、レンタルとかリースとこの借家というのとどういうふうに違うかということなんですよ。リースでも例えば信託車両なんというのは一億円ぐらいする車両貸していますね。それでところが、あれに対して所有権とか物権とか生じたなんという話は聞かないわけですね。もう今機械設備なんかでも相当高いものがリースで貸されているわけです。それとこの家と法律的にどういうふうに違うのかということを私よくわからないんで、もしもおわかりならちょっと教えていただきたいと思うんです。
  317. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 耐久消費財というような面からすれば確かに同じようなものでございますし、それをお貸しするという、名前は違っても賃貸借ということに変わりはないと思うわけでございます。ただ、先ほど私申し上げましたように住宅につきましては、それが生活の本拠であってそこに安定して住みたいということ、それから非常に長くそこを利用しなくちゃならないというような点がやはり違うといえば違うところじゃないかというふうに考えております。
  318. 木本平八郎

    木本平八郎君 そういう点を今までのような、これは先ほどの井上議員も何遍も言われたように、やはり昔からの思い込みでこれはもう生活権だとか生活の本拠だというふうな思い込みをしていて、新たに新しく日本の現在置かれている状況はどうなんだろうというところからやはりお考えいただきたい。それでとかく役所の発想にはいわゆる法律があるからだめだと、こうおっしゃるわけですね。じゃ、法律なんというのは何というんですか、物事を進めるための手段なんですから、これはやっぱり目的と手段を取り違えずに手段の方はどんどん変えていただいた方がいいんじゃないか。私はこれはやはり借家、借地もやはりきちっと契約をつくると。この契約はなかなか難しいからその約款のひな形をお役所でおつくりになるということは私大賛成なんです。しかし、その契約があって二年なら二年ということであれば、そこでもうやっぱりちゃんと返すというルールが本当じゃないかと思うんですけれどもね。この辺で私もちょっと不勉強で突然こういう質問して申しわけないんですけれども、外国、アメリカとかドイツなんかの例をもしも御存じだったら教えていただきたいんですが、彼らはさっと返すかどうかですね、私の海外の経験ではごねられたケースもありますけれども、これは家主の方がごねている場合が多いんで、借家人の方がごねたというケースは余り聞いてないんですが。
  319. 濱崎恭生

    説明員(濱崎恭生君) 海外の制度がどうなっているかということにつきましては、突然の御質問でございますので、今正確なことはお答えしにくいわけでございますが、法律制度といたしましては、諸外国におきましても、一般的に申しますれば、借家というのは、先ほど建設省の方から御答弁ありましたように、生活の場であるということからそれなりの保護はされているということであろうと理解いたしております。ごねるという問題があるかどうかという問題につきまして、実情を私ども承知しておりませんが、そこのところは国民の意識の違いというようなことも反映して、日本と若干違ったものがあるのかなあという想像するわけでございます。
  320. 木本平八郎

    木本平八郎君 今、そういう家主の方がごねるというのは、要するに汚したとか壊したとかということでごねるわけですけれども、日本の場合はこれは敷金の中から取っちゃうというふうなシステム、習慣のようになっていますね。私、この権利金とか敷金とかあるいは礼金とか、こういう妙なものは、やはり住宅不足時代の一つの遺物である。もう現状は全然違っているのに何となくそういうものがある。それはやはり借地借家法だとか、あるいは家賃にしても地代家賃統制令ですか、何かああいうおかしなものがあって、両方がお互いそういうことを見越して自分の権利を保有するとか、そういうふうに悪循環になっているんじゃないかという気がするんですが、その辺は法務省としてはどういうふうにごらんになっていますか。
  321. 濱崎恭生

    説明員(濱崎恭生君) 御質問の中には借家法の問題と地代家賃統制令の問題がございますけれども、地代家賃統制令との関係については私どもよく存じておりませんので、後で補充していただければと思いますが、御指摘の権利金とか敷金等の問題、あるいは敷金から補修費などを差し引いてしまうというような問題は、私ども考えるところでは、借家法で借家権が保護されているということとは、直接関係がない問題ではないかというふうに考えておるわけでございますし、またこれらの点につきましては、だんだん一般的な慣行ができつつあるようでございまして、一般的に考えますと現在の借家法の法制を前提にいたしましてそれほど不合理でない取引がされているのではないかというふうに理解しております。  個別に申しますと、敷金というものは、これは基本的には家賃の支払い債務の担保ということでございますので、余り高いというのは問題でございますけれども、ある程度のものでございますと自由な契約に任せていいのではないかという感じがいたしますし、補修費やそういったものを敷金から差っ引くということにつきましても、本来はそういう費用というのは、家賃に上乗せして家賃の形で取るということが明瞭だと思うわけでございますが、やはりどうしても名目的な賃料は安く抑えておきたいという考慮が働いて、賃料は低くしておいて、そういうものは敷金からまとめていただくというようなことを約束するということも、これは程度に問題でございますけれども、あながち不合理ではないのではないか。権利金につきましても、一般には家賃の前払いというようなことでございますので、これも月々の賃料を高くするか、それともまとめて一時期にある程度払うかということの選択は、当下行の自由に任せていいのではないかという感じがしておるわけでございまして、もちろんそういうことで家主が不当な利得をするとかということであっては困るわけでございますが、他方これを法律で一律に禁止するということにいたしましてもまた別の問題が生ずるのではなかろうか。先ほどの建設省のお答えにもありましたようにルールづくりというようなことで公正な、一般的に公正と思われるようなものはどんなものかということをつくって指導していただくということでございますれば、それによってさらに妥当な慣行というものができていくのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  322. 木本平八郎

    木本平八郎君 それで、今法務省から話がありましたように表面上の家賃とか地代を安くすると。そのために権利金、敷金、礼金だとか、何か妙なものがどんどんできてきているというふうな感じもあるわけですね。この地代家賃統制令というのはそういう意味では役に立っているのかもしれませんけれども、私は地代家賃統制令があるためにトラブルも非常にあるんじゃないかと。それでもうこれも昭和二十一年ですか、何かできたようですけれども、これももう廃止していいんじゃないかと思うんですけれども、その辺は建設省の御意見いかがですか。
  323. 吉沢奎介

    説明員(吉沢奎介君) 地代家賃統制令は戦後の著しい住宅難の中で制定されたものでございまして、今日では経済社会情勢も変化しておりまして、住宅需給も緩和しておりますので、また統制を長期化いたしますと、統制対象家屋が適正に維持できないとか老朽化するとか、いろんな弊害もございます。そこで私どもこの統制令を撤廃するという方向で検討を進めております。ただ、直ちにぱっと撤廃するということですと、現在の入居者にいろいろな問題も起きるということもございますので、これに対する対策を何か考えるということで、統制令廃止のための条件整備ということを現在進めているところでございます。
  324. 木本平八郎

    木本平八郎君 それで大臣に最後にお聞きしたいわけですけれども、こういうふうなもう需給が緩和されていると、しかもその妙なしがらみだとかヘドロみたいなのがたまって、社会的にコストが非常に高くなっていると、住宅の流通自身が阻害されていると。それから例えばマイホームの値段なんかが上がっているのもこういったところにも原因があるわけだと思うんですね。この辺も少し根本的に見直していただいて、そして解決していただかないと、もうこれ以上住宅政策というのは非常に大変だと思うんですね。行き詰まりだと思うわけです。したがって発想の転換ということの基本で、まずこの辺の借地借家政策とか借家法だとか、あるいは先ほどの地代家賃統制令とかの撤廃とか、そういったところから考え直していただく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、総括的に大臣の御所見を伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
  325. 木部佳昭

    国務大臣木部佳昭君) 先ほど来大変高い見識のいろいろ御意見を拝聴さしていただきました。この借家の問題なんかにいたしましても、これは昭和二十五年以前の問題がかなりの問題がある。家賃統制令ですね、問題がございます。推定でいきますと、百万とも対象者が言われておるわけですが、私はこういう問題につきましては福祉的な面で見なきゃいかぬかなと、そういう感じもいたします。ただし、福祉的な面で見過ぎると、今度は逆な問題が発生するおそれも非常にあるわけでして、非常にその辺が実は難しい問題であることは事実だと。しかし、さりとて、先ほど来御指摘がありますように、このままでよろしいということは我々も考えていないわけでありまして、そういう問題をよく、借地や借家の問題というのは非常に大事な問題でございますから、私、固有名詞出しちゃ悪いですが、そこに斎藤先生いらっしゃいますが、非常によく勉強されているので、斎藤先生からもこの問題について私何回もお話を承ったことがあるわけであります。そういう点で、私どもも今申し上げますように、新しい時代にふさわしいような発想の転換をしていかなきゃならないと、そう考えておるわけでございます。
  326. 佐藤三吾

    委員長佐藤三吾君) 他に御発言もないようですから、建設省国土庁北海道開発庁住宅金融公庫及び北海道東北開発公庫決算についての審査はこの程度といたします。  次回の委員会は八日午前十時三十分に開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時二十九分散会      ―――――・―――――