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市川正一君 先般の本
委員会の
北海道への
委員派遣に私は他の
委員会との
関係で参加できず、我が党からは小笠原議員が参加いたしました。それを踏まえて、かねてから本
委員会においては
外務大臣の出席の
もとにいわゆる北方
関係問題について突っ込んだ議論をいたすことを求めておりましたが、残念ながらまだ実現を見ておりません。私はこの際、来る通常国会ではぜひその
機会を実現されることを
委員長にも改めて御要請を申し上げたいと存じておりますが、ただ、先ほど
板垣委員の御
質問に関連いたしまして、一言だけ私
どもの
立場をぜひ
後藤田長官に、もうお時間でございますけれ
どもお聞き取りおきを願いたいということをお許し願いたいと思います。
まず、いわゆる
北方領土問題について、私
ども日本共産党はサンフランシスコ条約二条(c)項を廃棄して国際法に基づいて南北全千島の
返還を要求すべきであるという
立場を主張しております。
歯舞、色丹、
国後、択捉という
北方領土ということで四島だけを切り離して、そして
返還を求めるというのは、日本が平和的に取得した得撫以北の千島も永久に放棄することになる。こうした今の
政府のいわば当面の解釈を
副読本という形で押しつけることは日本の将来に大きな不利をもたらすことになりかねない。ですから、
副読本をつくるとするならば、将来の日本を背負う子供らに今の
政府の当面の解釈を知らせるんではなしに、歴史的な事実に基づく内容をきちっと教えるべきであるということを、これはことしの八月に衆議院の沖特委で我が党の岡崎
委員と
後藤田長官との間でやりとりがございましたけれ
ども、私は改めてこの
機会にもう一度明白にさしておきたいというのが一点であります。
もう
一つは、
ソ連が
国後、択捉などに軍事施設をつくっている問題であります。我が党は、それが
ソ連による現在の千島占有
状況を一層固定化するものであり、
日ソ両国の平和
友好関係を促進する上で極めて遺憾な事柄だ、こう考えております。しかし同時に、これは日本が米ソの二大軍事ブロックの中で
西側諸国の一員という
立場をとって、そして軍事的にも中曽根内閣が海峡封鎖だとか不沈空母だとかシーレーン防衛などといって三沢を初め現に在日米軍基地の強化に積極的に乗り出している、そして
ソ連の領土問題
解決の
環境づくりをおくらしている
一つの大きな原因であるということを私は
指摘しなければならぬのであります。
そこで、先ほど五十九年度の防衛白書が出されましたけれ
ども、この防衛白書についてはいろいろな批判が各方面から出ております。例えば東京
新聞の九月十六日でありますが、「脅威強調し過ぎの声」「
ソ連戦力を過大に計算」というような論調も現にあるわけであります。そして、私はこれが本論ではございませんので詳しくは申し上げませんが、例えば八二年度防衛白書で
ソ連の脅威ということが何々と見られるというのは二十六カ所です。何々と推定されるというのが三カ所です。何々と言われるというのが二カ所です。何々と予想される、何々と考えられるというのが各一カ所、こうした推定に基づく叙述が実に三十三カ所も出てくるのであります。私は、こうした記述とかこうした評価の点において
政府が
日ソ間の平和と友好を真に促進する
立場に立って対処されることを強く
要望いたしたいのであります。
長官には、私の方からは
要望いたしておりませんでしたが、会がおありだと聞いておりますので、お引き取りいただいて結構です。
それで、私は、本日は
沖縄問題で残された時間を
質問したいのです。
まず、
沖縄県の北部ダムの管理の問題であります。いわば県民の命の水がめとも申しますか、そういう飲料水、生活用水の大部分を賄う
沖縄本島北部にある福地、新川、安波、普久川のこの四ダムが七二年五月の日米合同
委員会の合意によって工事完了後日本に
返還され、同時に貯水池部分は地位協定第二条第四項(b)適用の施設として提供される、こうなっております。ところで、この四ダムは
返還されたのか、
返還されていないとすればその理由は何か、その見通しはどうなのかということをまず簡潔に伺いたい。